説明

ハイブリッド8P8C・RJ−45モジュラプラグ及びその組み立て方法

【課題】電気的な結合構成と光学的な結合構成との両方を有したハイブリッドRJ−45プラグの提供
【解決手段】電気的な結合構成は、RJ−45電気配線標準規格に準拠する8P8C電気配線構成である。光学的な結合構成は、光学部品システムを含み、該光学部品システムは、プラグに光通信機能を提供する。ハイブリッドRJ−45プラグは、RJ−45電気配線標準規格を満たす既存のRJ−45ジャックに対して下位互換性がある。ハイブリッドRJ−45プラグはまた、光学通信機能のみを有する光学ジャックに嵌合させるために構成され、及び、光学通信機能と電気通信機能との両方を有したハイブリッドRJ−45ジャックに嵌合させるために構成される。プラグ本体2、内部に配置されるキャリア、キャリアに機械的に結合されるオルガナイザと第1及び第2の光学ポート40a、40bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な結合構成を有したハイブリッド8ポジション8コンタクト(8極8芯;8P8C)モジュラRJ−45プラグに関するものであり、該プラグは、T−568A及び/又はT−568B配線標準規格に準拠し、及び、該プラグに光学的な通信機能を提供する光学的な結合構成を有する。
【背景技術】
【0002】
関連特許出願の相互参照
本出願は、2010年4月5日にファイリングされた、現在係属中の「A MODULAR CONNECTOR ASSEMBLY CONFIGURED WITH BOTH OPTICAL AND ELECTRICAL CONNECTIONS FOR PROVIDING BOTH OPTICAL AND ELECTRICAL COMMUNICATIONS CAPABILITIES, AND A SYSTEM THAT INCORPORATES THE ASSEMBLY」と題する出願シリアル番号第12/754,545号の一部継続出願であり、出願シリアル番号第12/754,545号の全体は参照により本明細書内に組み込まれる。
【0003】
本発明の背景
ケーブルの端部に接続された端末装置の電気回路構成の電気ケーブル内及び電気接点(電気コンタクト)内に含まれる導体の端部間において電気信号を電気的に結合させるために、様々なモジュラコネクタアセンブリが使用されている。モジュラコネクタアセンブリは、電気ケーブルの端部を終端するプラグと、該プラグに嵌合するジャックとを有する。該プラグの外部表面と、該ジャックの内部表面とは、それらに配置された嵌合機構を有しており、該プラグを該ジャックにリムーバブルに連結(インターロック)するために、該嵌合機構が、互いを嵌め合わせる。プラグがジャックに連結(インターロック)される時には、プラグの各電気接点が、ジャックの各電気接点に接触している状態にある。プラグの電気接点は、ケーブルの各導体の端部に電気的に結合される。同様に、ジャックの電気接点は、端末装置の電気回路構成の各電気接点に電気的に結合される。これらの電気的接続部の全体を通じて、ケーブルの導体上において運ばれる電気信号は、端末装置の電気回路構成に電気的に結合され、逆もまた同様である。
【0004】
1つのタイプのモジュラコネクタアセンブリは、通信業界において周知なものであり、8P8Cモジュラコネクタアセンブリである。イーサネットベースの通信ネットワーク上にわたって電気的なデータ信号を伝達するために、8P8Cモジュラコネクタアセンブリは、ツイストペアの銅線と共に頻繁に使用される。イーサネットベースの通信ネットワークにおいて、8P8Cコネクタアセンブリの電気接点及び他の回路構成は、RJ−45配線標準規格に準拠するように構成され、該RJ−45配線標準規格はまた、T−568A及びT−568B配線標準規格として既知である。これらのタイプのモジュラコネクタアセンブリは、イーサネットベースの通信ネットワーク内において使用されるために該モジュラコネクタアセンブリが製造される時に、RJ−45配線標準規格に準拠するように作られるので、それらは頻繁に、RJ−45コネクタと呼ばれる。
【0005】
イーサネットベースの通信ネットワークは、1ギガビット/秒(Gb/s)を越えるデータレートで電気的なデータ信号を運ぶ能力(又は機能)を現在有している。光通信リンクは、最大約100メートル(m)の距離を越えて10Gb/sのデータレートで現在動作させることが可能であり、そのような光リンクの利用は、一般には、高速イーサネットベースのネットワークによって占有されたエリア内には広がっていない。光リンクの利用が、このスペース内へと普及していない1つの理由は、これらのデータレートで動作可能なプラグ接続可能な光学モジュラコネクタアセンブリを製造するコストが、これらのデータレートで動作する8P8Cモジュラコネクタアセンブリを製造するコストよりもはるかに高いからである。光リンクの利用がこのスペース内へと普及していない別の理由は、既存の電気的イーサーネットソリューションに対して下位互換性を有した光学的ソリューションが現在わずかに少数しかないからである。1つのそのようなソリューションは、米国特許出願シリアル番号第12/754,545号において開示されており、これは本出願の親出願である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国出願シリアル番号第12/754,545号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
RJ−45配線標準規格を満たす8P8Cモジュラコネクタを用いて、1Gb/sよりも高いデータレートで動作する電気的接続部を設計することは可能ではあるが、そのような接続部は、同じデータレートで動作する光学的接続部よりもはるかに多くの電力を消費することとなる。追加的には、そのような高データレートの電気的接続部についての設計の複雑さが、1Gb/sで動作する接続部よりも、著しくより高価な接続部を結果として生じさせることとなる。更に、より高いコストでの新たなケーブル敷設の計画(企て)は、約100メートル(m)の距離を超えて1Gb/sよりも高いデータレートでデータ信号を伝搬させることが要求されることとなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ハイブリッドRJ−45プラグと、ハイブリッドRJ−45プラグを組み立てるための方法と、ジャックに嵌合される該プラグを備えたモジュラコネクタアセンブリと、に向けたものである。該プラグは、プラグ本体と、該プラグ本体内に配置されたキャリアと、機械的に該キャリアに結合されたオルガナイザ(又は収納具、又は形成体)と、該キャリアの内部下面上に配置された第1及び第2の光学ポートと、を備える。該プラグ本体は、前端部(フロントエンド)、後端部(バックエンド)、左側部、右側部、底面部、上面部、及びラッチ機構を有する。該前端部は、第1及び第2の概して円筒形の形状の開口部を有しており、該開口部は、その中に、ジャックの概して円筒形の形状の第1及び第2の光学ポートを、それぞれ受容するために形成されている。キャリアは、前端部(フロントエンド)、後端部(バックエンド)、右側部、左側部、及び内部下面を有する。キャリアの前端部及び後端部は、プラグ本体の前端部、後端部に、それぞれ面している。キャリアは、該キャリアの前端部と後端部との間にある位置において、その内部下面上に配置された複数の圧接部(IDCs:insulation displacement contacts)を有する。該IDCsは、内部下面を通じて部分的に延在する。キャリアは、その前端部に配置された複数の電気接点であって、複数の各導体によって各IDCsに接続される、該複数の電気接点を有する。キャリアが、プラグ本体内において固定された時には、該キャリアの複数の電気接点は、プラグ本体の前端部の付近に位置付けられる。
【0009】
オルガナイザは、キャリアの前端部に面した前端部と、キャリアの後端部に面した後端部とを有する。オルガナイザは、各導体の各端部を受容するために、該オルガナイザの後端からある距離に該オルガナイザ内へと延在する複数のブラインドホール(又はスルーホール)を有する。該ブラインドホール(又はスルーホール)は、オルガナイザの前端部に到達する前に途切れる。オルガナイザは、各光ファイバの各端部を受容するために、オルガナイザの後端部からオルガナイザの前端部へと延在する少なくとも第1及び第2の長手スロットを有する。各IDCsは、オルガナイザを通じて各ブラインドホール内へと部分的に延在する。キャリアの内部下面上に配置された第1及び第2の光学ポートは、プラグ本体の前端部に形成された第1及び第2の概して円筒形の形状の開口部内へと延在する前端部と、オルガナイザの第1及び第2の長手スロットの各前方開口部に嵌合する後端部と、を有する。
【0010】
前記方法は、プラグ本体を提供し、キャリアの前端部と後端部との間にある位置において、その内部下面上に配置された複数のIDCsを有するキャリアであって、その前端部に配置され複数の各導体によって各IDCsに接続されている複数の電気接点を有する、該キャリアを提供し、オルガナイザの後端部から該オルガナイザの前端部に向かう方向に少なくとも部分的に延在する複数のホールを有した該オルガナイザであって、該オルガナイザの後端部から該オルガナイザの前端部へと延在する少なくとも第1及び第2の長手スロットを有する、該オルガナイザを提供し、複数の導体の各端部部分を、前記ホールの各々の中に配置し、オルガナイザをキャリアに機械的に結合させて、それにより、前記ホールの各々の中に配置された各導体の絶縁ジャケットをIDCsが貫通するようにし、第1及び第2の光ファイバをそれぞれ有する第1及び第2の光学ポートを配置し、ここで、該第1及び第2の光学ポートの中において該第1及び第2の光ファイバがキャリアの内部下面上に固定されて、それにより、プラグ本体の前端部に形成された第1及び第2の概して円筒形の形状の開口部内へと該第1及び第2の光学ポートの前端部が延在することとなり、及び、該第1及び第2の光学ポートの後端部が、オルガナイザの第1及び第2の長手スロットの各前方開口部に嵌合することとなり、及び、キャリアをプラグ本体に機械的に結合して、それにより、プラグ本体内に形成された開口部内において該キャリアとオルガナイザとが配置されることとなるようにする、ことを含む。第1及び第2の光ファイバの一部は、第1及び第2の長手スロット内にそれぞれ配置される。
【0011】
モジュラコネクタアセンブリは、RJ−45ジャックに嵌合されたハイブリッドRJ−45プラグを含む。該RJ−45ジャックは、電気的な通信機能だけしか有していない標準RJ−45ジャックとすることができるか、或いは、電気的な通信機能と光学的な通信機能との両方を有したハイブリッドRJ−45ジャックとすることができる。
【0012】
本発明の、これらの及び他の特徴及び利点が、以下の説明、図面、及び特許請求の範囲から明かになってくるであろう。
【発明の効果】
【0013】
既存の電気通信環境に対する下位互換性を有すると同時に、光通信機能もまた含んだハイブリッドRJ−45プラグ/ジャックを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】例示的な一実施形態による、ハイブリッドRJ−45プラグの底部斜視図を示す図である。
【図1B】例示的な一実施形態による、ハイブリッドRJ−45プラグの上部斜視図を示す図である。
【図2A】例示的な一実施形態による、図1内に示されたハイブリッドRJ−45プラグのキャリアの上部斜視図を示す図である。該キャリアは、その中に配置されたオルガナイザ及び可動光学部品システムを有している。
【図2B】例示的な一実施形態による、図1内に示されたハイブリッドRJ−45プラグのキャリアの後部斜視図を示す図である。該キャリアは、その中に配置されたオルガナイザ及び可動光学部品システムを有している。
【図3】キャリアの圧接部(IDCs)を見ることができるようにするために、オルガナイザ及び可動光学部品システムが排除された状態での図2A及び図2B内に示されたキャリアの上部斜視図を示す図である。
【図4A】図2A及び図2B内に示されたオルガナイザの上部前方斜視図を示す図である。
【図4B】図2A及び図2B内に示されたオルガナイザの上部後方斜視図を示す図である。
【図5】ハイブリッドRJ−45ジャックに嵌合された図1A及び図1B内に示されたハイブリッドRJ−45プラグを含むモジュラコネクタアセンブリの側部斜視図を示す図である。
【図6】ハイブリッドRJ−45プラグが外された状態の図5内に示されたハイブリッドRJ−45ジャックの前方斜視図を示す図である。
【図7】図6内に示されたハイブリッドRJ−45ジャックの側部断面図を示す図である。
【図8】図5内に示されたモジュラコネクタアセンブリの側部断面図を示す図である。プラグがジャックに嵌合するやり方の実例を示している。
【実施例】
【0015】
例示的な一実施形態の詳細な説明
本発明は、電的的な結合構成と、光学的な結合構成との両方を有したハイブリッドRJ−45プラグに向けられたものである。該電気的な結合構成は、RJ−45電気配線標準規格に準拠した8P8C電気配線構成である。該光学的な結合構成は、該プラグに光通信機能を提供する光学部品システムを含む。ハイブリッドRJ−45プラグは、RJ−45電気配線標準規格を満たす既存のRJ−45ジャックと下位互換性がある。しかしながら、ハイブリッドRJ−45プラグはまた、光学的な通信機能のみを有した光学ジャックと嵌合するように構成され、及び、光通信機能と電気通信機能との両方を有したハイブリッドRJ−45ジャックと嵌合するように構成される。従って、ハイブリッドRJ−45プラグは、光学データ信号を伝達するために、及び/又は、電気データ信号を伝達するために、使用され得る。
【0016】
用語「下位互換性」は、ハイブリッドRJ−45プラグに関連して本明細書内においてこの用語が使用された時には、ハイブリッドRJ−45プラグが、典型的なRJ−45配線構成を有した既存のRJ−45ジャックに嵌合され得るということを意味することが意図される。従って、ハイブリッドRJ−45プラグが、既存のRJ−45ジャックに嵌合された場合には、結果として生じたモジュラコネクタアセンブリは、典型的なRJ−45モジュラコネクタアセンブリとして動作して、プラグの電気的な回路構成と、ジャックの電気的な回路構成との間において電気データ信号を転送することとなる。
【0017】
用語「RJ−45プラグ」は、本明細書内においてこの用語が使用された時には、T−568A又はT−568B電気配線標準規格に準拠した電気的な配線構成を有し、且つ、米国規格協会/米国電気通信工業会(ANSI/TIA)−1096−A標準規格内の8P8Cモジュラプラグについて規定されている概して同じ形状及び寸法を有した8P8Cモジュラプラグを示すことが意図される。用語「RJ−45ジャック」は、本明細書内においてこの用語が使用された時には、、T−568A又はT−568B電気配線標準規格に準拠した電気的な配線構成を有し、且つ、ANSI/TIA−1096−A標準規格に内の8P8Cモジュラジャックについて規定されている概して同じ形状及び寸法を有した8P8Cモジュラジャックを示すことが意図される。
【0018】
図1A及び図1Bは、それぞれ、例示的な一実施形態による、ハイブリッドRJ−45プラグ1の底部斜視図、上部斜視図を示す。プラグ1は、該プラグ1をジャック(明瞭化の目的のため、図示せず)に嵌合させることを可能にするため、ANSI/TIA−1096−A標準規格に準拠した外形及び寸法を有したプラグ本体2を有しており、該ジャックは、ANSI/TIA−1096−A標準規格に準拠するよう形作られ且つ寸法付けられている。プラグ本体2は、前端部(フロントエンド)2aと、後端部(バックエンド)2bと、右側部2cと、左側部2dと、底面部2eと、上面部2fと、ラッチ機構2gと、側部2c及び2d上に配置されたロッキングタブ2kと、を有する。第1及び第2の開口部3a及び3bは、プラグ1と嵌合するハイブリッドRJ−45ジャック(明瞭化の目的のため、図示せず)の内側に配置された各光学ポート(明瞭化の目的のため、図示せず)を受容するため、前端部2a内に形成されている。RJ−45ジャック(明瞭化の目的のため、図示せず)内において配置された8つのそれぞれの電気接点(明瞭化の目的のため、図示せず)に電気的に接触させるため、プラグ本体2の前端部2aと、底面部2eの一部とに沿って8つの電気接点11が配置されており、該RJ−45ジャックは、標準RJ−45ジャックか、又はハイブリッドRJ−45ジャックのいずれかとすることができる。
【0019】
図2A及び図2Bは、それぞれ、例示的な一実施形態による、図1内に示されたハイブリッドRJ−45プラグ1のキャリア20の上部斜視図、後部斜視図を示す。該キャリア20は、その中に配置されたオルガナイザ(又は収納具、又は形成体)30及び可動光学部品システム40を有する。図3は、該オルガナイザ30と該可動光学部品システム40とが排除された状態での図2A及び図2B内に示されたキャリア20の上部斜視図を示す。図4A及び図4Bは、それぞれ、図2A及び図2B内に示されたオルガナイザ30の上部前方斜視図、上部後方斜視図を示す。キャリア20、オルガナイザ30、及び可動光学部品システム40の特徴は、図1A〜図4Bに関連して次に説明されることとなる。
【0020】
オルガナイザ30(図4A及び図4B)は、光ファイバ及び導体(いずれも明瞭化の目的のため、図示せず)の端部を収容する(又はまとめる)ために使用される。該光ファイバ及び導体はハイブリッドケーブルの部分とすることができるか、或いは、光該ファイバは光ファイバケーブルの部分とすることができ、及び、該導体は電気ケーブル(例えば、イーサネットケーブル)の部分とすることができる。オルガナイザ30は、各光ファイバ(明瞭化の目的のため、図示せず)の端部を受容するためにその中に形成された長手スロット30a及び30bを有する。オルガナイザ30は、その中に形成された8つのブラインドホール(又はスルーホール)30cを有する。8つの各導体(明瞭化の目的のため、図示せず)の端部が、該8つのブラインドホール30cを通過する。オルガナイザ30は、その対向する側部に形成されたスロット30d及び30eを有する。長手スロット30a及び30bは、それぞれ、円筒形の前方部分30a’及び30b’を有し、該円筒形の前方部分30a’及び30b’は、長手スロット30a及び30bの直径よりもサイズがそれぞれより大きな、それぞれの直径を有している。長手スロット30a及び30bは、オルガナイザ30の前端部30fから、オルガナイザ30の後端部30gへと延在する。ブラインドホール30cは、オルガナイザ30の後端部30gから、オルガナイザ30の前端部30fに向かう方向に、スロット30a及び30bに並行に延在し、オルガナイザ30の前端部30fに到達する前に途切れる。
【0021】
キャリア20(図3)は、前端部20a、後端部20b、右側部20c、左側部20d、及び内部下面20eを有する。第1及び第2のクレードル20f及び20gが、可動光学部品システムの第1及び第2の可動光学ポート40a及び40b(図2A及び図2B)を載せる(又は挟む)ために、キャリア20の内部下面20e内に一体的に形成されている。第1及び第2のクレードル20f及び20gは、前端部20f’及び20g’と、後端部20f’’及び20g’’(図3)とを有する。キャリア20は、クレードル20f及び20gの後端部20f’’及び20g’’と、キャリア20の後端部20bとの間にある位置において、該キャリア20の内部下面20e上に配置されたIDCs20h(図3)を有する。IDCs20hの位置は、典型的には、キャリア20の前端部20aよりも、キャリア20の後端部20bにより近い。IDCs20hは、内部下面20eを通じて部分的に延在し、及び、キャリア20の前端部20aに配置された電気接点11に対して各導体(明瞭化の目的のため、図示せず)によって接続される。キャリア20は、オルガナイザ30におけるそれぞれ対向する側部の壁に形成されたスロット30d及び30eを各々嵌め込むための、キャリア20の側部20c及び20dの内面上にそれぞれ一体的に形成されたガイド20i及び20jを有する。
【0022】
標準RJ−45プラグ内では、該プラグの前端部にIDCsが配置されている。それに比べて、この実施形態によれば、IDCs20hは、プラグ1の前端部には配置されておらず、むしろ、キャリア20の前端部20aと後端部20bとの間に位置付けられ、典型的には、前端部20aよりも後端部20bにより近いか、或いは、場合によっては、キャリア20の前端部20aと後端部20bとの間における中ほどに位置付けられている。プラグ本体2の前端部2aではない位置にIDCs20hを位置付けることによって、より多くの空間が、他の目的のために、プラグ本体2の前端部2aにおいて利用可能となる。この利点の1つは、それによって前端部2a内の開口部3a及び3bが、より大きく作られることが可能になり、それにより、それぞれの開口部3a及び3b内において受容されることとなるハイブリッドRJ−45ジャック(明瞭化の目的のため、図示せず)の各光学ポートが、より大きく作成されることが可能になるということである。同様に、より大きな開口部3a及び3bは、(内部に配置されるが、開口部3a及び3bのそれぞれの後ろの奥まった所に置かれる)光学ポート40a及び40bのそれぞれの前端部40a’及び40b’(図2A)もまた、より大きく作成され得るということを意味する。追加的には、光学ポート内に存在するレンズ(明瞭化の目的のため、図示せず)もまた、より大きく作成され得る。プラグ1内及びジャック(明瞭化の目的のため、図示せず)内においてより大きな光学ポート40a及び40bを使用することによって、これらの部品を作成する時に、許容誤差範囲(トレランス)をより広くする(又はより広くとる)ことが可能となる。該より広い許容誤差範囲によって、生産量が高められると共により低コストで部品がより容易に作成されることが可能となる。追加的には、より広い許容誤差範囲及びより大きな部品サイズによって、プラグ1は、より詳細に後述されることとなるように、より容易に組み立てられることが可能となる。
【0023】
光学ポート40a及び40bは、図2A内において示されているように、オルガナイザ30におけるそれぞれの長手スロット30a及び30bのそれぞれの円筒形状の前方開口部30a’及び30b’(図4A)内において受容される後端部40a’’及び40b’’(図2A)を有する。光学ポート40a及び40bの後端部40a’’及び40b’’の直径のサイズは、ほぼ同一であるが、長手スロット30a及び30bのそれぞれの円筒形状の前方開口部30a’及び30b’のそれぞれの直径のサイズよりもわずかに小さい。これら直径サイズ間におけるこの差分は、光学ポート40a及び40bの後端部40a’’及び40b’’が、長手スロット30a及び30bにおけるそれぞれの円筒形状の前方部分30a’及び30b’に着座されて、それにより、光学ポート40a及び40bの各光軸が、長手スロット30a及び30bの各光軸に位置合わせされることとなるということを保証する。この位置合わせは、各光学ポート40a及び40bのそれぞれのレンズ(明瞭化の目的のため、図示せず)が、オルガナイザ30におけるそれぞれの長手スロット30a及び30b内において保持される光ファイバ(明瞭化の目的のため、図示せず)の各光軸に光学的に位置合わせされるということを保証する。
【0024】
光学ポート40a及び40b(図2A及び図2B)は、形が概して円筒形状であり、圧縮バネ51及び52によってそれぞれ少なくとも部分的に囲まれている。圧縮バネ51及び52は、前端部51a及び52aをそれぞれ有しており、及び後端部51b及び52bをそれぞれ有している。バネ51及び52のそれぞれの前端部51a及び52bは、ポート40a及び4bにそれぞれ形成されたそれぞれのフランジ40c及び40dによって、キャリア20の前端部20aに向かってポート40a及び40bの軸方向に移動することが防止されている。圧縮バネ51及び52は、フランジ40c及び40dの直径よりもそれぞれ小さな直径を有する。圧縮バネ51及び52の直径は、オルガナイザ30におけるそれぞれの円筒形状の前方開口部30a’及び30b’(図4A)の直径よりも大きく、それにより、バネ51及び52のそれぞれの後端部51b及び52bが、開口部30a’及び30b’にそれぞれ入ってくることが防止されている。従って、圧縮バネ51及び52は、それぞれのフランジ40c及び40dと、オルガナイザ30との間に維持されている。
【0025】
詳細に後述されることとなるように、圧縮バネ51及び52によって、ポート40a及び40bの軸方向における光学ポート40a及び40bの幾つかの動きが可能となるが、それぞれのポート40a及び40bの前端部40a’及び40b’が、ジャック(明瞭化の目的のため、図示せず)のそれぞれの光学ポート(明瞭化の目的のため、図示せず)と正確な位置合わせの状態のままでいるということと、該ジャックの該それぞれの光学ポートと連続的な接触状態でいるということとを保証するために、ポート40a及び40bがキャリア20の前端部20aに向かうこともまた強制される。
【0026】
プラグ1を組み立てるプロセスの例示的な一実施形態が以下に示される。第1及び第2の光ファイバ(明瞭化の目的のため、図示せず)の端部が、光学ポート40a及び40bそれぞれの後端部40a’’及び40b’’内へとそれぞれ挿入されて、エポキシ樹脂によってそこに固定される。該エポキシ樹脂は、ジャック(明瞭化の目的のため、図示せず)内において含まれるオプトエレクトロニクスデバイス(すなわち、レーザ及び光ダイオード)の動作している波長に対して透過性のものである。8つの導体の端部部分が、オルガナイザ30の8つのブラインドホール(又はスルーホール)30c内へと挿入される。オルガナイザ30は次いで、オルガナイザ30の側部に形成されたスロット30d及び30e(図4A及び図4B)を、キャリア20における対向する側部20c及び20dの内面に形成されたガイド20i及び20jに位置合わせすることによって、及び、キャリア20の内部下面20e上にオルガナイザ30が着座させられるまでオルガナイザ30をキャリア20上へと降ろすようにプレスすることによって、キャリア20に機械的に結合される。
【0027】
この手法において、キャリア20内にオルガナイザ30が着座させられた時に、IDCs20hが、オルガナイザ30内に形成された通路(明瞭化の目的のため、図示せず)を通過し、キャリア30におけるそれぞれのホール30c内へと通過する。それぞれのIDCs20hが、それぞれのホール30c内へと通過すると、それぞれのIDCs20hは、それぞれの導体を取り囲んでいる絶縁ジャケットを貫通し、それによって、それぞれの導体と接触することとなる。各IDCs20hは、導体(明瞭化の目的のため、図示せず)によって、プラグ本体2(図1B)の前端部2a及び裏面2eに沿って配置されたそれぞれの導体11に対して接続される。このようにして、電気的に導電性の通路が、オルガナイザ30のホール30c内に配置されたそれぞれの導体と、導体11との間に形成される。
【0028】
この手法で、オルガナイザ30が、キャリア20に嵌合されると、以下の手法において、光学ポート40a及び40bが、オルガナイザ30とキャリア20とに機械的に結合される。すなわち、それぞれの光ファイバ(明瞭化の目的のため、図示せず)が、それぞれの長手スロット30a及び30b内へと挿入され、光学ポート40a及び40bのそれぞれの後端部40a’’及び40b’’が、オルガナイザ30の長手スロット30a及び30bのそれぞれの円筒形状の前方部分30a’及び30b’内へと挿入され、圧縮されたバネ51及び52により、光学ポート40a及び40bのそれぞれの前端部40a’及び40b’が、クレードル20f及び20gのそれぞれの前端部20f’及び20g’内に寝かされ、依然として圧縮された状態にあるバネ51及び52により、力が、クレードル20f及び20gのそれぞれの前端部20f’及び20g’に概して向けた方向に、光学ポート40a及び40bに及ぼされ、このアセンブリは次いで、キャリア20の側部20c及び20dの外側面上にそれぞれ位置付けられたロッキングタブ20kが、プラグ本体2の側部2c及び2d内にそれぞれ形成されたそれぞれの開口部2kに嵌合するまで、プラグ本体2内へと挿入される。このことにより、キャリア30が、プラグ本体2に連結(インターロック)される。
【0029】
アセンブリプロセス中に実施されるステップの順序は、例示的な実施形態に従って、上述の順序とは異なる順序とされ得るということに留意すべきである。例えば、光ファイバは、プラグ本体2の中へとアセンブリが挿入される前のプロセス中の任意の時に、光学ポートに固定され得る。別の一例として、オルガナイザ30がキャリア20上に実装される前にか又は後に、光学ポート40a及び40bがオルガナイザ30に結合され得る。ここでもまた、光ファイバは、プラグ本体2の中へとアセンブリが挿入される前のアセンブリプロセス中の任意の時に、各スロット30a及び30b内へと挿入され得る。
【0030】
図5は、ハイブリッドRJ−45ジャック110に嵌合された図1A及び図1B内に示されたハイブリッドRJ−45プラグ1を含むモジュラコネクタアセンブリ100の側部斜視図を示す。図6は、ハイブリッドRJ−45プラグ1が外された状態の図5内に示されたハイブリッドRJ−45ジャック110の前方斜視図を示す。図7は、図6内に示されたハイブリッドRJ−45ジャックの側部断面図を示す。図8は、図5内に示されたモジュラコネクタアセンブリ100の側部断面図を示しており、プラグ1がハイブリッドRJ−45ジャック110に嵌合する実際のやり方を明示している。
【0031】
プラグ1が、ジャック110の前方開口部111内へと挿入される時には、ジャック110の前方開口部内へとプラグ1がどの程度の距離まで挿入されているのかに依存して、プラグ本体2のラッチ機構2gが、ジャック110の上部内面114内に形成された第1のラッチング機構112か又は第2のラッチング機構113のいずれかを嵌合させる。プラグ本体2のラッチ機構2gは、リッジ機構2g’を有しており、リッジ機構2g’は、第1のラッチング機構112か又は第2のラッチング機構113のいずれかを嵌合させる。リッジ機構2g’に第1のラッチング機構112を嵌合させるためにジャック100の前方開口部111内へと十分な距離にまでプラグ1が挿入されているだけの場合には、プラグ1とジャック110とが、互いに電気的に伝達し合う状態になることとなる。プラグ1とジャック110との間の嵌合のこの位置において、ジャック110における8つの電気接点フィンガー115は、プラグ1の各電気接点11に接触している状態にある。ジャック110の各電気接点フィンガー115と、プラグ1の各電気接点11との間のこの接触によって、接点フィンガー115が、ジャック110の下面117内に形成されたポケット116内へと下方に歪めさせられる。接触フィンガー115は、バネ特性を有しており、該バネ特性によって、それらが、プラグ1の各接点11との連続的な接触を維持するということが保証される。
【0032】
リッジ機構2g’にジャック110の第2のラッチング機構113を嵌合させるためにジャック100の前方開口部111内へと十分な距離にまでプラグ1が挿入された場合には、プラグ1とジャック110とが、互いに、電気的にと光学的にとの両方において伝達し合う状態になることとなる。プラグ1とジャック110との間の嵌合のこの位置において、ジャック110における8つの電気接点フィンガー115は、プラグ1の各電気接点11に接触している状態にあり、電気通信にとって必要な電気的接続が確立される。更に、この位置において、ジャック110のオプトエレクトロニクス(OE)モジュール122の第1及び第2の光学ポート121a及び121bが、プラグ本体2の前端部2a内に形成された第1及び第2の開口部3a及び3b内においてそれぞれ配置される。
【0033】
開口部3a及び3bの内側において、ジャック110のポート121a及び121bのそれぞれの前端部121a’及び121b’は、プラグ1の光学ポート40a及び40bのそれぞれの前端部40a’及び40b’に隣接する。この隣接によって、各ポート40a及び40bの前端部40a’及び40b’が、概して、矢印125(図8)によって示された方向に押される。これにより、バネ52が、光学ポート40a及び40bのそれぞれのフランジ40c及び40dによって、及びオルガナイザ30によって、圧縮させられて、それにより、概して、矢印126(図8)によって示された方向に、バネ51が、光学ポート40a及び40bに力を及ぼさせられる。この対向する力は、光学ポート121a及び121bのそれぞれの端部121a’及び121b’と、光学ポート40a及び40bのそれぞれの端部40a’及び40b’との間に連続的な接触が存在するけれども、プラグ本体2の前端部2aに対して向かう及び離れるポートの軸方向においてある解放の動きを光学ポート40a及び40bが有することもまた可能である、ということを保証する。
【0034】
クレードル20f及び20gは、概して、ハーフシリンダの形状を有しているが、光学ポート40a及び40bの直径よりも大きな直径を有し、これにより、光学ポート40a及び40bの軸方向を横断する方向における光学ポート40a及び40bにおけるある解放の動きが可能となる。これらの解放の動きは、ポート40a及び40bとポート121a及び121bとの間のそれぞれの位置合わせを容易にし、及び、それらの前端部121a’及び121b’と40a’及び40b’との間のそれぞれの連続的な接触を容易にする。追加的には、光学ポート40a及び40bの前端部40a’及び40b’は、外側に向けられた溝をそれらの上に有することができ、光学ポート121a及び121bの前端部121a’及び121b’は、内側に向けられた溝をそれらの上に有することができる。それらの溝は、端部40a’及び40b’と、端部121a’及び121b’とのそれぞれの間において非常に正確な機械的結合が存在するということを保証する。具体的には、粗い初期アライメントの位置から、正確な最終アライメントの位置へと、該溝が、光学ポート40a/121a及び40b/121bを導く。
【0035】
本発明は、ジャック110のコンフィギュレーションに関して制限されない。図5〜図7の例示的な実施形態によれば、ジャック110は、電気的な通信機能と光学的な通信機能との両方を有したハイブリッドRJ−45ジャックである。しかしながら、ジャック110は、電気的な通信機能のみを有した標準RJ−45ジャックとすることもできる。後者の場合には、ジャックは、OEモジュール122及び光学ポート121a及び121bを含まないこととなる。
【0036】
本発明の原理及びコンセプトを実際に例示する目的のため、本発明は、少数の、説明に役立つか又は例示的な実施形態に関連して説明がなされてきたということに留意すべきである。本明細書内において提示された説明を考慮すれば、本発明の原理からそれることなく、本明細書内において説明した実施形態に対して多くの変形形態が作られ得るということが、当業者であれば理解されよう。例えば、ハイブリッドRJ−45プラグ1は、図1〜図8内に示されたコンフィギュレーションとは異なるコンフィギュレーションを有することもできる。当業者であれば理解されるであろうように、全てのそのような変形形態は、本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0037】
2 プラグ本体
20 キャリア
30 オルガナイザ
40a キャリア内の第1の光学ポート
40b キャリア内の第2の光学ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端部、後端部、左側部、右側部、底面部、上面部、及びラッチ機構を有した、プラグ本体であって、ジャックにおける概して円筒形の形状の第1及び第2の光学ポートをそれぞれ受容するために、該前端部は、該前端部の中に形成された第1及び第2の概して円筒形の形状の開口部を有していることからなる、プラグ本体と、
前記プラグ本体内において配置されたキャリアであって、該キャリアは、前端部、後端部、右側部、左側部、及び内部下面を有しており、該キャリアの前端部及び後端部は、前記プラグ本体の前端部、後端部に、それぞれ面しており、該キャリアは、該キャリアの前端部と後端部との間にある位置において、その内部下面上に配置された複数の圧接部(IDCs)を有しており、該IDCsは、該内部下面を通じて部分的に延在し、該キャリアは、その前端部に配置された複数の電気接点を有しており、該複数の電気接点は、複数の各導体によって各IDCsに接続されており、及び、該キャリアが、該プラグ本体内に固定される時には、該キャリアの該複数の電気接点は、前記プラグ本体の前端部に付近に位置付けられることからなる、キャリアと、
前記キャリアに機械的に結合されるオルガナイザであって、該オルガナイザは、前記キャリアの前端部に面した前端部と、前記キャリアの後端部に面した後端部とを有しており、該オルガナイザは、各導体の各端部を受容するために、該オルガナイザの後端部から該オルガナイザの前端部まで延在する複数のスルーホールを有しており、該オルガナイザは、各光ファイバの各端部を受容するために該オルガナイザの後端部から該オルガナイザの前端部へと延在する少なくとも第1及び第2の長手スロットを有しており、及び、各IDCsは、該オルガナイザを通じて、該スルーホールの各々の中へと部分的に延在することからなる、オルガナイザと、
前記キャリアの内部下面上に配置された第1及び第2の光学ポートであって、前記プラグ本体の前端部に形成された前記第1及び第2の概して円筒形の形状の開口部内へと延在する前端部と、前記オルガナイザの前記第1及び第2の長手スロットの各前方開口部に嵌合する後端部とを有する、第1及び第2の光学ポート
とを備える、ハイブリッドRJ−45プラグ。
【請求項2】
第1及び第2の圧縮バネであって、該第1及び第2の圧縮バネ内において、それぞれ、前記第1及び第2の光学ポートが配置されており、該第1及び第2の圧縮バネは、前記第1及び第2の光学ポートの外側面上に配置された各フランジにそれぞれ隣接する前端部を有しており、該第1及び第2の圧縮バネは、前記オルガナイザの前記第1及び第2の長手スロットの前記前方開口部に隣接する後端部を有していることからなる、第1及び第2の圧縮バネ
を更に備える、請求項1に記載のハイブリッドRJ−45プラグ。
【請求項3】
前記キャリアの前記右側部及び左側部の各内面上にそれぞれ形成された第1及び第2のガイドと、
前記オルガナイザの前記右側部及び左側部の各内面上にそれぞれ形成された第1及び第2のスロットであって、該第1及び第2のスロットは、前記第1及び第2のガイドにそれぞれ嵌合されて、それにより、前記オルガナイザが前記キャリアに機械的に結合されることからなる、第1及び第2のスロット
とを更に備える、請求項1に記載のハイブリッドRJ−45プラグ。
【請求項4】
前記プラグ本体の前記右側部及び左側部内にそれぞれ形成された第1及び第2のスロットと、
前記キャリアの右側部及び左側部の各外側面上にそれぞれ形成された第1及び第2のロッキングタブ
とを更に備え、
前記プラグ本体の前記右側部及び左側部内に形成された前記第1及び第2のスロットが、前記第1及び第2のガイドにそれぞれ嵌合され、それにより、前記キャリアが前記プラグ本体に固定されることとなることからなる、請求項1に記載のハイブリッドRJ−45プラグ。
【請求項5】
前記プラグ本体がハイブリッドRJ−45ジャックに嵌合される場合には、前記ジャックの第1及び第2の概して円筒形の形状の光学ポートが、前記プラグ本体の前記前端部内に形成された前記第1及び第2の概して円筒形の形状の開口部内において受容され、それにより、前記ジャックの前記第1及び第2の概して円筒形の形状の光学ポートの各前端部が、ハイブリッドRJ−45プラグの第1及び第2の光学ポートの各前端部にそれぞれ隣接することとなり、それにより、前記プラグの前記第1及び第2の光学ポートが、概して、前記プラグの第1及び第2の光学ポートの軸方向に、前記プラグ本体の前端部から離れて及び前記プラグ本体の後端部に向かって、動かされることとなり、及び、
前記プラグの前記第1及び第2の光学ポートの前記動きによって、前記第1及び第2の圧縮バネが圧縮させられて、前記プラグの前記第1及び第2の光学ポートのフランジに力が、前記プラグの第1及び第2の光学ポートの動きの前記概して軸方向とは概して反対である方向に、及ぼされることからなる、請求項2に記載のハイブリッドRJ−45プラグ。
【請求項6】
前記キャリアの前記内部下面内に形成された第1及び第2のクレードルであって、前記前記プラグの第1及び第2の光学ポートが、該第1及び第2のクレードル内に少なくとも部分的にそれぞれ配置されていることからなる、第1及び第2のクレードル
を更に備える、請求項1に記載のハイブリッドRJ−45プラグ。
【請求項7】
前記キャリアの前端部よりも前記キャリアの後端部により近い位置において、前記キャリアの前記内部下面上に前記IDCsが配置されることからなる、請求項1に記載のハイブリッドRJ−45プラグ。
【請求項8】
前記プラグは、電気的な通信機能を有するが光学的な通信機能を有していない既存の標準RJ−45ジャックと下位互換性がある、請求項1に記載のハイブリッドRJ−45プラグ。
【請求項9】
前記プラグは、電気的及び光学的な通信機能を有するハイブリッドRJ−45ジャックと互換性がある、請求項8に記載のハイブリッドRJ−45プラグ。
【請求項10】
モジュラコネクタアセンブリであって、
プラグを受容するためにジャックの中に形成された開口部を有する該ジャックであって、該開口部内において配置された概して円筒形の形状の第1及び第2の光学ポートを有する、該ジャックと、
前記ジャックの前記開口部内において配置されるハイブリッドRJ−45プラグであって、前記ジャックと嵌合されるハイブリッドRJ−45プラグ
とを備え、
前記ハイブリッドRJ−45プラグが、
前端部、後端部、左側部、右側部、底面部、上面部、及びラッチ機構を有した、プラグ本体であって、ジャックにおける概して円筒形の形状の第1及び第2の光学ポートをそれぞれ受容するために、該前端部は、該前端部の中に形成された第1及び第2の概して円筒形の形状の開口部を有していることからなる、プラグ本体と、
前記プラグ本体内において配置されたキャリアであって、該キャリアは、前端部、後端部、右側部、左側部、及び内部下面を有しており、該キャリアの前端部及び後端部は、前記プラグ本体の前端部、後端部に、それぞれ面しており、該キャリアは、該キャリアの前端部と後端部との間にある位置において、その内部下面上に配置された複数の圧接部(IDCs)を有しており、該IDCsは、該内部下面を通じて部分的に延在し、該キャリアは、その前端部に配置された複数の電気接点を有しており、該複数の電気接点は、複数の各導体によって各IDCsに接続されており、及び、該キャリアが、該プラグ本体内に固定される時には、該キャリアの該複数の電気接点は、前記プラグ本体の前端部に付近に位置付けられることからなる、キャリアと、
前記キャリアに機械的に結合されるオルガナイザであって、該オルガナイザは、前記キャリアの前端部に面した前端部と、前記キャリアの後端部に面した後端部とを有しており、該オルガナイザは、各導体の各端部を受容するために、該オルガナイザの後端部から該オルガナイザの前端部まで延在する複数のスルーホールを有しており、該オルガナイザは、各光ファイバの各端部を受容するために該オルガナイザの後端部から該オルガナイザの前端部へと延在する少なくとも第1及び第2の長手スロットを有しており、及び、各IDCsは、該オルガナイザを通じて、該スルーホールの各々の中へと部分的に延在することからなる、オルガナイザと、
前記キャリアの内部下面上に配置された第1及び第2の光学ポートであって、前記プラグ本体の前端部に形成された前記第1及び第2の概して円筒形の形状の開口部内へと延在する前端部と、前記オルガナイザの前記第1及び第2の長手スロットの各前方開口部に嵌合する後端部とを有する、第1及び第2の光学ポート
とを含むことからなる、モジュラコネクタアセンブリ。
【請求項11】
前記ハイブリッドRJ−45プラグが、
第1及び第2の圧縮バネであって、該第1及び第2の圧縮バネ内において、それぞれ、前記第1及び第2の光学ポートが配置されており、該第1及び第2の圧縮バネは、前記第1及び第2の光学ポートの外側面上に配置された各フランジにそれぞれ隣接する前端部を有しており、該第1及び第2の圧縮バネは、前記オルガナイザの前記第1及び第2の長手スロットの前記前方開口部に隣接する後端部を有していることからなる、第1及び第2の圧縮バネ
を更に含むことからなる、請求項10に記載のモジュラコネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記ハイブリッドRJ−45プラグが、
前記キャリアの前記右側部及び左側部の各内面上にそれぞれ形成された第1及び第2のガイドと、
前記オルガナイザの前記右側部及び左側部の各内面上にそれぞれ形成された第1及び第2のスロットであって、該第1及び第2のスロットは、前記第1及び第2のガイドにそれぞれ嵌合されて、それにより、前記オルガナイザが前記キャリアに機械的に結合されることからなる、第1及び第2のスロット
とを更に含むことからなる、請求項10に記載のモジュラコネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記ハイブリッドRJ−45プラグが、
前記プラグ本体の前記右側部及び左側部内にそれぞれ形成された第1及び第2のスロットと、
前記キャリアの右側部及び左側部の各外側面上にそれぞれ形成された第1及び第2のロッキングタブ
とを更に含み、
前記プラグ本体の前記右側部及び左側部内に形成された前記第1及び第2のスロットが、前記第1及び第2のガイドにそれぞれ嵌合され、それにより、前記キャリアが前記プラグ本体に固定されることとなることからなる、請求項10に記載のモジュラコネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記ジャックの前記第1及び第2の概して円筒形の形状の光学ポートの各前端部が、ハイブリッドRJ−45プラグの第1及び第2の光学ポートの各前端部にそれぞれ隣接することとなり、それにより、前記プラグの前記第1及び第2の光学ポートが、概して、前記プラグの第1及び第2の光学ポートの軸方向に、前記プラグ本体の前端部から離れて及び前記プラグ本体の後端部に向かって、動かされることとなり、及び、
前記プラグの前記第1及び第2の光学ポートの前記動きによって、前記第1及び第2の圧縮バネが圧縮させられて、前記プラグの前記第1及び第2の光学ポートのフランジに力が、前記プラグの第1及び第2の光学ポートの動きの前記概して軸方向とは概して反対である方向に、及ぼされることからなる、請求項11に記載のモジュラコネクタアセンブリ。
【請求項15】
前記ハイブリッドRJ−45プラグが、
前記キャリアの前記内部下面内に形成された第1及び第2のクレードルであって、前記前記プラグの第1及び第2の光学ポートが、該第1及び第2のクレードル内に少なくとも部分的にそれぞれ配置されていることからなる、第1及び第2のクレードル
を更に含むことからなる、請求項10に記載のモジュラコネクタアセンブリ。
【請求項16】
前記キャリアの前端部よりも前記キャリアの後端部により近い位置において、前記キャリアの前記内部下面上に前記IDCsが配置されることからなる、請求項10に記載のモジュラコネクタアセンブリ。
【請求項17】
前記ジャックは、第1の位置か又は第2の位置のいずれかにおいて前記プラグのラッチ機構を嵌合させるためのラッチング機構を該ジャック上に有しており、
嵌合の前記第1の位置において、前記ジャック及び前記プラグは、光学的な通信機能ではなく、電気的な通信機能を有し、及び、
嵌合の前記第2の位置において、前記ジャック及び前記プラグは、電気的及び光学的な通信機能を有することからなる、請求項10に記載のモジュラコネクタアセンブリ。
【請求項18】
ハイブリッドRJ−45プラグを組み立てるための方法であって、
前端部、後端部、左側部、右側部、底面部、上面部、及びラッチ機構を有したプラグ本体を提供し、ここで、該前端部は、該前端部内に形成された第1及び第2の概して円筒形の形状の開口部を有しており、
前端部、後端部、右側部、左側部、及び内部下面を有したキャリアを提供し、ここで、該キャリアは、該キャリアの前端部と後端部との間にある位置において、その内部下面上に配置された複数の圧接部(IDCs)を有しており、該IDCsは、該内部下面を通じて部分的に延在し、該キャリアは、その前端部に配置された複数の電気接点を有しており、該複数の電気接点は、複数の各導体によって各IDCsに接続されており、
オルガナイザの後端部から少なくとも部分的に該オルガナイザを通じて該オルガナイザの前端部へと向かう方向に延在する複数のスルーホールを有した該オルガナイザを提供し、ここで、該オルガナイザは、該オルガナイザの後端部から該オルガナイザの前端部へと延在する少なくとも第1及び第2の長手スロットを有しており、前記各IDCsは、該オルガナイザを通じて、前記スルーホールの各々の中へと部分的に延在しており、
複数の導体のそれぞれの端部部分を、前記スルーホールの中に配置し、
前記オルガナイザを前記キャリアに機械的に結合させ、ここで、前記オルガナイザを前記キャリアに機械的に結合することによって、前記IDCsが、前記スルーホールの各々の中に配置された前記導体のそれぞれの絶縁ジャケットを貫通するようにさせられ、
前記キャリアの内部下面上に第1及び第2の光学ポートを配置し、それにより、該第1及び第2の光学ポートの前端部が、前記プラグ本体の前端部に形成された前記第1及び第2の概して円筒形の形状の開口部内へと延在するようにし、及び、該第1及び第2の光学ポートの後端部が、前記オルガナイザの前記第1及び第2の長手スロットの各前方開口部に嵌合するようにし、ここで、該第1及び第2の光学ポートは、その中に固定される第1及び第2の光ファイバのそれぞれの端部を有しており、及び、該第1及び第2の光ファイバのそれぞれの部分が、前記第1及び第2の長手スロット内にそれぞれ配置され、及び、
前記キャリアを前記プラグ本体に機械的に結合させ、それにより、前記キャリア及び前記オルガナイザが、前記プラグ本体内に形成された開口部内において配置されるようにする
ことを含む、方法。
【請求項19】
ハイブリッドRJ−45プラグが、
前記キャリアの前記右側部及び左側部の各内面上にそれぞれ形成された第1及び第2のガイドと、
前記オルガナイザの前記右側部及び左側部の各内面上にそれぞれ形成された第1及び第2のスロット
とを更に含み、
前記第1及び第2のスロットを、それぞれ、前記第1及び第2のガイドに嵌合することによって、前記オルガナイザは前記キャリアに機械的に結合されることからなる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ハイブリッドRJ−45プラグが、
前記プラグ本体の前記右側部及び左側部内にそれぞれ形成された第1及び第2のスロットと、
前記キャリアの右側部及び左側部の各外側面上にそれぞれ形成された第1及び第2のロッキングタブ
とを更に含み、
前記第1及び第2のロッキングタブを、前記プラグ本体内に形成された前記第1及び第2のスロットにそれぞれ嵌合することによって、前記キャリアは前記プラグ本体に機械的に結合されることからなる、請求項18に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−55050(P2013−55050A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180399(P2012−180399)
【出願日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(506098789)アバゴ・テクノロジーズ・ファイバー・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (36)
【Fターム(参考)】