説明

ハニカムフィルタ

【課題】内燃機関から排出される排気ガス中の微細粒子を触媒活性の低下を抑制しつつ捕集することが可能なハニカムフィルタを提供する。
【解決手段】ハニカムフィルタ100は、チタン酸アルミニウムを含む多孔質のセラミックスから構成されると共に、隔壁112により仕切られた互いに略平行な複数の流路110a、110bを有し、一端面100aにおいて流路の一端が封口部114により封口されており、他端面100bにおいて流路の他端が封口部により封口されており、流路110b内における隔壁の表面には、γ−アルミナ又はその前駆体の少なくとも一方のアルミニウム成分を含む触媒下塗り塗膜116が形成されており、触媒下塗り塗膜の被覆量がハニカムフィルタ全量を基準として0.5〜20質量%であり、触媒下塗り塗膜におけるNaの含有量が触媒下塗り塗膜全量を基準として100質量ppm以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカムフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気ガスに含まれる微細粒子(PM)を捕集するためのセラミックスフィルター(DPF:Diesel Particulate Filter)として、多孔質のセラミックスからなるハニカムフィルタが用いられている(例えば、下記特許文献1参照)。特許文献1に記載のハニカムフィルタには、隔壁により仕切られた互いに略平行な複数の流路が形成されており、流路内における隔壁の表面には、触媒が担持される触媒コート層が形成されている。触媒コート層に担持された触媒は、ハニカムフィルタに捕集された微細粒子の燃焼を促進させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第07/063608号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、排気ガスに含まれる微細粒子をセラミックスフィルターで捕集し続けると、触媒の触媒活性が徐々に低下してしまう場合がある。継続的に微細粒子を捕集するためには触媒の再生作業を行う必要があり、作業効率が低下することとなる。そのため、セラミックスフィルターに対しては、内燃機関から排出される排気ガス中の微細粒子を触媒活性の低下を抑制しつつ捕集することが求められている。
【0005】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、内燃機関から排出される排気ガス中の微細粒子を触媒活性の低下を抑制しつつ捕集することが可能なハニカムフィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るハニカムフィルタは、チタン酸アルミニウムを含む多孔質のセラミックスから構成されると共に、隔壁により仕切られた互いに略平行な複数の流路を有し、複数の流路のうちの一部の一端及び複数の流路のうちの残部の他端が封口されており、流路内における隔壁の表面には、γ−アルミナ又はその前駆体の少なくとも一方のアルミニウム成分を含む塗膜が形成されており、塗膜の被覆量がハニカムフィルタ全量を基準として0.5〜20質量%であり、塗膜におけるNaの含有量が塗膜全量を基準として100質量ppm以下である。
【0007】
本発明に係るハニカムフィルタでは、内燃機関から排出される排気ガス中の微細粒子を触媒活性の低下を抑制しつつ捕集することができる。また、触媒活性の低下が抑制されることから、触媒の使用量を低減することもできる。さらに、再生作業の頻度を低減することができることから、作業効率よく微細粒子を捕集することができる。
【0008】
本発明者らは、チタン酸アルミニウムを含む多孔質のセラミックスから構成されるハニカムフィルタにおいて、上記アルミニウム成分を所定量含有する塗膜中のNaの含有量を低減することにより、上記効果が得られることを見出した。本発明において上記効果が得られる原因は詳細には不明であるが、本発明者らは以下のように推察している。但し、原因が以下の内容に限定されるものではない。
【0009】
すなわち、γ−アルミナ及びその前駆体は表面積が大きく、これらを含有する塗膜に触媒を担持することで、排気ガスに接触する触媒の表面積(以下、「有効面積」という。)を大きくすることができる。このような塗膜においてNaの含有量が多い場合には、排気ガス中に含まれる成分(例えばリン)とNaとにより、融点の低い化合物(例えばリン酸ナトリウム)が形成される。この場合、形成された化合物は高温下において液相となり、アルミニウム成分(特にγ−アルミナ)がα−アルミナに転移して塗膜の表面積が減少し易くなり、触媒の有効面積が減少して触媒活性が低下することとなる。このようにNaに起因して触媒活性が低下する現象は、チタン酸アルミニウムを含む多孔質のセラミックスから構成されるハニカムフィルタにおいて顕著に生じるものと推察される。これに対し、本発明では、塗膜が上記アルミニウム成分を所定量含有した上で、Naの含有量を所定量以下とすることにより、触媒活性の低下を抑制することができる。
【0010】
本発明では、塗膜におけるLaの含有量が塗膜全量を基準として0.1〜10質量%であることが好ましい。この場合、排気ガス中の微細粒子を触媒活性の低下を更に抑制しつつ捕集することができる。
【0011】
本発明においてこのような効果が得られる原因は詳細には不明であるが、本発明者らは以下のように推察している。但し、原因が以下の内容に限定されるものではない。すなわち、塗膜がLaを所定量含むことにより、アルミニウム成分(特にγ−アルミナ)がα−アルミナへ転移する温度が高温化する。これにより、アルミニウム成分がα−アルミナに転移することが抑制されるため、触媒の有効面積の低下を抑制することができる。したがって、排気ガス中の微細粒子を触媒活性の低下を更に抑制しつつ捕集することができる。
【0012】
本発明では、ハニカムフィルタのBET比表面積が1〜20m/gであることが好ましい。この場合、触媒活性の低下を更に抑制することができる。
【0013】
本発明では、塗膜が、細孔径分布において細孔半径5〜25nmの範囲にピークを与える細孔を有することが好ましい。この場合、触媒成分が均一に担持されるため触媒活性を向上させることができる。
【0014】
本発明では、塗膜に貴金属触媒が担持されていることが好ましい。この場合、ハニカムフィルタに捕集された微細粒子の燃焼が促進されるため、微細粒子の除去効率を向上させることができる。
【0015】
また、本発明では、上記他端が封口された流路の一端がガス流入口として開口しており、当該流路内における隔壁の表面に塗膜が形成されていることが好ましい。このような構造を有するハニカムフィルタはDPFに好適である。
【0016】
本発明は、内燃機関からの排気ガスに含まれる炭素粒子を捕集すると共に、排気ガスに含まれる窒素酸化物及び一酸化炭素を除去するために用いられてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、内燃機関から排出される排気ガス中の微細粒子を触媒活性の低下を抑制しつつ捕集することが可能なハニカムフィルタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1(a)は、本発明の一実施形態に係るハニカムフィルタを示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のIb−Ib矢視図である。
【図2】図2は、細孔径分布及び累積細孔容積の測定結果を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、寸法の比率は図面に示すものに限定されない。
【0020】
<ハニカムフィルタ>
本実施形態に係るハニカムフィルタ100は、図1(a)、(b)に示すように、互いに略平行に配置された複数の流路110a,110bを有する円柱体である。流路110a,110bは、ハニカムフィルタ100の中心軸に略平行に伸びる隔壁112により仕切られている。ハニカムフィルタ100に形成された複数の流路のうちの一部を構成する流路110aの一端は、ハニカムフィルタ100の一端面100aにおいて封口部114により封口されており、流路110aの他端は、ハニカムフィルタ100の他端面100bにおいて開口している。一方、ハニカムフィルタ100に形成された複数の流路のうちの残部を構成する流路110bの一端は、一端面100aにおいて開口しており、流路110bの他端は、他端面100bにおいて封口部114により封口されている。ハニカムフィルタ100において、流路110bの一端はガス流入口として開口しており、流路110aの他端はガス流出口として開口している。
【0021】
ハニカムフィルタ100では、隣接する流路において流路110aと流路110bとが交互に配置されて格子構造が形成されている。複数の流路110a,110bは、ハニカムフィルタ100の両端面に垂直であり、端面から見て正方形配置、すなわち、流路110a,110bの中心軸が、正方形の頂点にそれぞれ位置するように配置されている。流路110a,110bの断面形状は、例えば正方形である。
【0022】
ハニカムフィルタ100が円柱体である場合、流路の長手方向におけるハニカムフィルタ100の長さは、例えば40〜350mmであり、ハニカムフィルタ100の外径は、例えば100〜320mmである。隔壁112の壁厚は、例えば0.05〜0.5mmである。また、流路110a,110bの長手方向に垂直な断面の内径(正方形の一辺の長さ)は、例えば0.8〜2.5mmである。ハニカムフィルタ100の気孔率は、例えば40〜50体積%である。ハニカムフィルタ100の気孔率は、水銀圧入法により測定することができる。
【0023】
ハニカムフィルタ100は、BET比表面積が1〜20m/gであることが好ましい。ハニカムフィルタ100のBET比表面積が1m/g未満であると、触媒活性が低下する傾向があり、BET比表面積が20m/gを超えると、触媒成分(後述する触媒下塗り塗膜116やこれに担持される触媒)を均一にコートし難くなり、結果的に触媒活性が低下する傾向がある。BET比表面積は、2〜15m/gがより好ましく、2.5〜10m/gが更に好ましい。BET比表面積は、例えば市販のガス吸着装置を用いて測定することができる。
【0024】
ハニカムフィルタ100は、細孔径分布において細孔半径3.5〜15μm(細孔直径7〜30μm)の範囲にピークを与えるマクロ細孔を有することが好ましく、すなわちピークのピーク位置(極大値の位置)が細孔半径3.5〜15μmの範囲に位置することが好ましい。この場合、細孔閉塞による背圧上昇等が生じることを抑制することができる。マクロ細孔の細孔径分布のピーク位置は、5μm以上がより好ましい。マクロ細孔の細孔径分布のピーク位置は、10μm以下がより好ましい。細孔径分布は、例えば、水銀圧入法で求められるものであり、縦軸が細孔容積Vを細孔半径Rの対数で微分したdV/dlogRであり、横軸が細孔半径Rである。マクロ細孔の細孔径分布のピーク位置は、原料の粒子径、造孔剤の添加量、焼成条件により調整可能であり、例えば造孔剤の添加量を増加させることにより細孔径を大きくすることができる。
【0025】
ハニカムフィルタ100は、チタン酸アルミニウムを含む多孔質のセラミックスから構成され、例えば多孔質のチタン酸アルミニウム焼結体である。ハニカムフィルタ100は、マグネシウムやケイ素を含有してもよく、特にチタン酸アルミニウムマグネシウム焼結体からなる場合には、熱膨張係数が小さく、融点が高く、再生時の耐熱衝撃性に優れ、微細粒子の限界堆積量が大きい点において優れている。また、ハニカムフィルタ100は、X線回折スペクトルにおいて、チタン酸アルミニウム(AlTiO)やチタン酸アルミニウムマグネシウム(Al2(1−x)MgTi(1+x))の結晶パターンのほか、アルミナ、チタニア等の結晶パターンを含んでいてもよい。
【0026】
ハニカムフィルタ100におけるアルミニウムの含有率は、例えば、酸化アルミニウム換算で40〜60モル%である。ハニカムフィルタ100におけるチタンの含有率は、例えば、酸化チタン換算で35〜55モル%である。なお、ハニカムフィルタ100の組成は、原料混合物の組成により適宜調整することができる。ハニカムフィルタ100は、上記の成分以外に、原料に由来する成分又は製造工程において不可避的に仕掛品に混入する微量の成分を含有し得る。
【0027】
図1(b)に示すように、流路110b内における隔壁112の表面には、触媒が担持される触媒下塗り塗膜116が形成されている。隔壁112は、多孔質セラミックス焼結体から構成されており、隔壁112内には多数の微細孔が形成されている。触媒下塗り塗膜116は、隔壁112の表面と共に、隔壁112内における微細孔の表面に更に形成されていることが好ましい。
【0028】
ここで、ハニカムフィルタ100は、内燃機関の排気ガス通路内に配置され、内燃機関から排出される排気ガスは、例えば、ハニカムフィルタ100において矢印G(図1(b))に沿って移動する。すなわち、排気ガスは、一端面100aから流路110bに流入した後、隔壁112内の連通気孔を通過して流路110aに移動し、他端面100bから外部へ流出する。排気ガス中の微細粒子は、排気ガスが流路110bから流路110aへ移動するに際して、隔壁112の表面や、隔壁112の表面に形成された触媒下塗り塗膜116に主に捕集される。そして、触媒下塗り塗膜116に酸化触媒が担持されている場合には、捕集された微細粒子は当該触媒の作用により燃焼・除去される。このように、ハニカムフィルタ100に流入した排気ガスは、ハニカムフィルタ100内の移動に伴い微細粒子が除去され、浄化された状態でハニカムフィルタ100から流出する。
【0029】
触媒下塗り塗膜116は、γ−アルミナ又はその前駆体の少なくとも一方のアルミニウム成分を含有している。γ−アルミナは、α−アルミナよりも大きい表面積(例えば比表面積100〜300m/g)を有しており、触媒下塗り塗膜116上に後述する貴金属触媒等を担持させやすい。γ−アルミナの前駆体としては、例えばベーマイト、アルミナゾル、擬ベーマイト、硝酸アルミニウムが挙げられる。これらの前駆体を焼成するとγ−アルミナが生成し、さらに、γ−アルミナを焼成するとα−アルミナが生成する。触媒下塗り塗膜116は、上記アルミニウム成分を除いた残部として、例えばシリカ、酸化バリウム、酸化ランタンを含有している。
【0030】
アルミニウム成分の含有量は、触媒下塗り塗膜の全量を基準として30質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。アルミニウム成分の含有量の上限値は、例えば、100質量%である。アルミニウム成分の含有量が30質量%未満であると、触媒の有効面積が減少して触媒活性が低下する傾向がある。なお、γ−アルミナ及びその前駆体がいずれも触媒下塗り塗膜116に担持されている場合には、γ−アルミナ及びその前駆体の合計量が上記範囲にあることが好ましい。なお、アルミニウム成分の含有量は、触媒下塗り塗膜116の原料スラリーの組成により適宜調整することができる。
【0031】
触媒下塗り塗膜116におけるNaの含有量は、触媒下塗り塗膜の全量を基準として100質量ppm以下であり、50質量ppm以下が好ましく、30質量ppm以下がより好ましい。Naの含有量が100質量ppmを超えると、触媒活性の低下を抑制することができなくなる。なお、Naの含有量の下限値は、例えば0質量ppmである。Naの含有量は、ICP発光分光分析により測定することができる。通常Naは、触媒下塗り塗膜116の原料物質に含まれており、Naの含有量は、原料物質を酸で洗浄すること等で調整することができる。
【0032】
触媒下塗り塗膜116はLaを含有していてもよい。触媒下塗り塗膜116におけるLaの含有量は、触媒活性の低下を更に抑制する観点から、触媒下塗り塗膜の全量を基準として0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。Laの含有量は、触媒活性の低下を更に抑制する観点から、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。Laの含有量は、蛍光X線法やグロー放電質量分析法(GDMS)、化学分析法により測定することができる。なお、Laの含有量は、触媒下塗り塗膜116の原料スラリーの組成により適宜調整することができる。
【0033】
触媒下塗り塗膜116は、細孔径分布において細孔半径5〜25nm(細孔直径10〜50nm)の範囲にピークを与えるメソ細孔を有することが好ましく、すなわちピークのピーク位置(極大値の位置)が細孔半径5〜25nmの範囲に位置することが好ましい。
【0034】
メソ細孔の細孔径分布のピーク位置が5nm未満であると、触媒成分がメソ細孔に均一に担持できず触媒活性が低下する傾向があり、ピーク位置が25nmを超えると、触媒(例えば貴金属触媒)が酸化反応中に容易に移動してシンタリングし、触媒活性が低下する傾向がある。メソ細孔の細孔径分布のピーク位置は、5〜22.5nmがより好ましく、5〜20nmが更に好ましい。メソ細孔の細孔径分布のピーク位置は、原料の粒子径、原料スラリーの濃度や粘度、塗膜作製時の焼成条件により調整可能であり、例えば焼成温度を上げることにより細孔径が大きくすることができる。
【0035】
触媒下塗り塗膜116の被覆量は、ハニカムフィルタ100の全量を基準として0.5質量%以上であり、1.0質量%以上が好ましい。触媒下塗り塗膜116の被覆量が0.5質量%以上であると、微細粒子の捕集効率を向上させることが可能であり、排気ガスの浄化効率を更に向上させることができる。触媒下塗り塗膜116の被覆量は、ハニカムフィルタ100の全量を基準として20質量%以下であり、15質量%以下が好ましい。触媒下塗り塗膜116の被覆量が20質量%以下であると、流路110bが目詰まりすることが抑制され、排気ガスの浄化効率を更に向上させることができる。なお、触媒下塗り塗膜116の被覆量には、触媒下塗り塗膜116に担持される触媒の質量は含まれないものとする。
【0036】
触媒下塗り塗膜116に担持される触媒としては、貴金属触媒が好ましい。貴金属触媒としては、例えば白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル及びこれらの合金が挙げられ、白金又はパラジウムの少なくとも一方が好ましい。貴金属触媒の担持量は、触媒下塗り塗膜の全量を基準として0.01〜1質量%が好ましい。触媒下塗り塗膜116には、セリアやジルコニア等の助触媒が担持されていてもよい。
【0037】
ところで、内燃機関の燃料や潤滑油には、硫黄、リン、カルシウム、亜鉛等の成分が含有されており、これらの成分に由来する炭酸カルシウムやリン酸カルシウム等の化合物が生成し、当該化合物がアッシュとして凝集する場合がある。本実施形態において触媒下塗り塗膜116は、これらのアッシュを捕捉する補足材を含有していてもよい。捕捉材としては、例えばガラス質材料や無機化合物フラックス材料が挙げられる。
【0038】
本実施形態に係るハニカムフィルタ100はDPFとして好適であり、内燃機関の排気ガス通路内に配置され、排気ガス中の炭素粒子等の微細粒子(PM)を捕集することができる。但し、ハニカムフィルタの用途はDPFに限定されない。ハニカムフィルタ100は、内燃機関の排気ガス通路内に配置され、排気ガス中に含まれるその他の有害物質を除去することもできる。例えば、上記貴金属触媒において、排気ガス中の窒素酸化物を還元除去すると共に、一酸化炭素を酸化除去することができる。なお、これらの有害物質を除去するため、上記貴金属触媒とは異なる触媒を触媒下塗り塗膜116に別途担持してもよい。
【0039】
ここで、触媒下塗り塗膜116を有するハニカムフィルタ100の細孔径分布及び累積細孔容積の測定結果を図2に示す。図2における左軸(縦軸)はdV/dlogR(V:細孔容積、R:細孔半径)であり、右軸(縦軸)は累積細孔容積であり、横軸は細孔半径Rである。細孔容積Vは、累積細孔容積の測定結果から算出した。測定は、マイクロメリティックス社製、商品名「オートポアIII9420」を用いて行った。
【0040】
図2に示すように、細孔径分布において細孔半径5〜25nmの範囲にメソ細孔に起因する1つのピークが現れ、当該ピークのピーク位置(極大値の位置)は7nmであった。また、細孔径分布において細孔半径3.5〜15μmの範囲にマクロ細孔に起因する1つのピークが現れ、当該ピークのピーク位置(極大値の位置)は5.5μmであった。
【0041】
<ハニカムフィルタの製造方法>
ハニカムフィルタ100は、両端面において全ての流路が開口している点を除いてハニカムフィルタ100と略同一の形状を有するグリーン成形体を形成した後、流路の封口、グリーン成形体の仮焼き・焼成、触媒下塗り塗膜の形成、触媒の担持を行って得ることができる。
【0042】
[グリーン成形体の形成]
グリーン成形体は、無機化合物粉末、有機バインダ及び溶媒等を混練機により混合して調製される原料混合物を成形することで得ることができる。原料混合物の成形には、隔壁112の形状に対応する出口開口を有する押出成形機を用いる。なお、グリーン成形体を形成した後に、研削加工等により、所望の形状に加工してもよい。
【0043】
{無機化合物粉末}
無機化合物粉末は、アルミニウム源粉末及びチタン源粉末を少なくとも含み、マグネシウム源粉末及びケイ素源粉末等を更に含んでもよい。
【0044】
(アルミニウム源)
アルミニウム源は、ハニカムフィルタ100を構成するアルミニウム成分となる化合物である。アルミニウム源としては、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム)が挙げられる。
【0045】
アルミニウム源は、単独で空気中で焼成することによりアルミナに導かれる化合物であってもよい。かかる化合物としては、例えばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、金属アルミニウムが挙げられる。
【0046】
アルミニウム塩は、無機酸との無機塩であってもよいし、有機酸との有機塩であってもよい。アルミニウム無機塩としては、例えば、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウムアルミニウム等のアルミニウム硝酸塩、炭酸アンモニウムアルミニウム等のアルミニウム炭酸塩が挙げられる。アルミニウム有機塩としては、例えば、蓚酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムが挙げられる。
【0047】
アルミニウムアルコキシドとしては、例えば、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムsec−ブトキシド、アルミニウムtert−ブトキシドが挙げられる。
【0048】
水酸化アルミニウムの結晶型としては、例えば、ギブサイト型、バイヤライト型、ノロソトランダイト型、ベーマイト型、擬ベーマイト型が挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。アモルファスの水酸化アルミニウムとしては、例えば、アルミニウム塩、アルミニウムアルコキシドのような水溶性アルミニウム化合物の水溶液を加水分解して得られるアルミニウム加水分解物も挙げられる。
【0049】
アルミニウム源としては、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、アルミニウム源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
【0050】
(チタン源)
チタン源は、ハニカムフィルタ100を構成するチタン成分となる化合物であり、かかる化合物としては、例えば酸化チタンが挙げられる。酸化チタンとしては、例えば、酸化チタン(IV)、酸化チタン(III)、酸化チタン(II)が挙げられ、なかでも酸化チタン(IV)が好ましく用いられる。酸化チタン(IV)の結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型等が挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。より好ましくは、アナターゼ型、ルチル型の酸化チタン(IV)である。
【0051】
チタン源は、単独で空気中で焼成することによりチタニア(酸化チタン)に導かれる化合物であってもよい。かかる化合物としては、例えば、チタン塩、チタンアルコキシド、水酸化チタン、窒化チタン、硫化チタン、チタン金属が挙げられる。
【0052】
チタン塩としては、例えば三塩化チタン、四塩化チタン、硫化チタン(IV)、硫化チタン(VI)、硫酸チタン(IV)が挙げられる。チタンアルコキシドとしては、例えばチタン(IV)エトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)t−ブトキシド、チタン(IV)イソブトキシド、チタン(IV)n−プロポキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシド、及び、これらのキレート化物が挙げられる。
【0053】
チタン源としては、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、チタン源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
【0054】
(マグネシウム源)
原料混合物は、マグネシウム源を更に含有していてもよい。マグネシウム源を含む原料混合物から製造されたハニカムフィルタ100は、チタン酸アルミニウムマグネシウム結晶の焼結体である。
【0055】
マグネシウム源としては、マグネシア(酸化マグネシウム)のほか、単独で空気中で焼成することによりマグネシアに導かれる化合物が挙げられる。かかる化合物としては、例えば、マグネシウム塩、マグネシウムアルコキシド、水酸化マグネシウム、窒化マグネシウム、金属マグネシウムが挙げられる。
【0056】
マグネシウム塩としては、例えば塩化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、ジメタクリル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウムが挙げられる。マグネシウムアルコキシドとしては、例えばマグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシドが挙げられる。
【0057】
マグネシウム源としては、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、マグネシウム源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
【0058】
(ケイ素源)
原料混合物は、ケイ素源を更に含有していてもよい。ケイ素源は、シリコン成分となってハニカムフィルタ100に含まれる化合物である。ケイ素源を含有することにより、耐熱性が向上したハニカムフィルタ100を得ることが可能となる。ケイ素源としては、例えば、二酸化ケイ素、一酸化ケイ素等の酸化ケイ素(シリカ)が挙げられる。
【0059】
ケイ素源は、単独で空気中で焼成することによりシリカに導かれる化合物であってもよい。かかる化合物としては、例えば、ケイ酸、炭化ケイ素、窒化ケイ素、硫化ケイ素、四塩化ケイ素、酢酸ケイ素、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、長石、ガラスフリットが挙げられる。
【0060】
ケイ素源としては、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、ケイ素源は、その原料由来あるいは製造工程において不可避的に含まれる微量成分を含有し得る。
【0061】
また、原料混合物は、アルミニウム、チタン、マグネシウム及びケイ素のうち2つ以上の金属元素を含有する化合物を含んでもよい。かかる化合物としては、チタン酸アルミニウム、チタン酸アルミニウムマグネシウム、マグネシアスピネル(MgAl)等の複合酸化物が挙げられる。
【0062】
{有機バインダ}
有機バインダとしては、水溶性の有機バインダが好ましい。水溶性の有機バインダとしては、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等のセルロース類;ポリビニルアルコール等のアルコール類;リグニンスルホン酸塩等の塩が挙げられる。有機バインダの添加量は、無機化合物粉末の100質量部に対して、通常0.1〜20質量部である。
【0063】
{溶媒}
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール等のグリコール類、及び水等の極性溶媒を用いることができる。なかでも、水が好ましく、不純物が少ない点でイオン交換水がより好ましい。溶媒の添加量は、無機化合物粉末の100質量部に対して、通常10〜100質量部である。なお、溶媒として非極性溶媒を用いてもよい。
【0064】
{その他の添加物}
原料混合物は、有機バインダ以外の有機添加物を含むことができる。その他の有機添加物としては、例えば造孔剤、潤滑剤、可塑剤、分散剤が挙げられる。
【0065】
造孔剤としては、例えば、グラファイト等の炭素材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類、でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーン等の植物材料、氷、及びドライアイスが挙げられる。造孔剤の添加量は、無機化合物粉末の100質量部に対して通常0〜40質量部である。焼成時に造孔剤が焼失することにより、焼結体において造孔剤が存在していた箇所に微細孔が形成される。この微細孔の孔径はディーゼル燃料に由来する微細粒子の粒子径よりも小さい。したがって、気体は微細孔中を通過できるが、微細粒子は通過できない。
【0066】
潤滑剤及び可塑剤としては、例えば、グリセリン等のアルコール類、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラギン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸Al等のステアリン酸金属塩が挙げられる。潤滑剤及び可塑剤の添加量は、無機化合物粉末の100質量部に対して通常0〜10質量部である。
【0067】
分散剤としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸、シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ポリカルボン酸アンモニウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等の界面活性剤が挙げられる。分散剤の添加量は、無機化合物粉末の100質量部に対して通常0〜20質量部である。
【0068】
[封口工程]
封口工程では、公知の方法によりグリーン成形体の流路の端部を封口する。封口材としては、無機化合物粉末(セラミックス材料、セラミックスの原料粉末又はそれらの混合物)、有機バインダ、潤滑剤、造孔剤及び溶媒等の混合物を用いればよい。無機化合物粉末の組成は、グリーン成形体を形成するための無機化合物粉末の組成と同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0069】
[グリーン成形体の仮焼き及び焼成]
グリーン成形体を仮焼き(脱脂)し、かつ焼成することにより得られる焼成体は、主にチタン酸アルミニウムの結晶粒子の焼結体から構成される。仮焼(脱脂)は、グリーン成形体中の有機バインダや、必要に応じて配合される有機添加物を焼失、分解等により除去するための工程である。典型的な仮焼き工程は、焼成工程の初期段階、すなわちグリーン成形体が焼成温度に至るまでの昇温段階(例えば、300〜900℃の温度範囲)に相当する。仮焼(脱脂)工程おいては、昇温速度を極力おさえることが好ましい。
【0070】
グリーン成形体の焼成温度は、通常1300〜1650℃である。この温度範囲でグリーン成形体を焼成することにより、グリーン成形体中の無機化合物粉末が確実に焼結する。焼成温度までの昇温速度は特に限定されるものではないが、通常1〜500℃/時間である。
【0071】
焼成は、通常大気中で行なわれるが、用いる原料粉末の種類や使用量によっては、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス中で焼成してもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガス等のような還元性ガス中で焼成してもよい。また、水蒸気分圧を低くした雰囲気中で焼成してもよい。
【0072】
焼成は、通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉等の焼成炉を用いて行なわれる。焼成は回分式で行なってもよいし、連続式で行なってもよい。また、静置式で行なってもよいし、流動式で行なってもよい。
【0073】
焼成に要する時間は、グリーン成形体がチタン酸アルミニウム結晶に遷移するのに充分な時間であればよく、グリーン成形体の量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気等により異なるが、通常は10分〜24時間である。
【0074】
なお、グリーン成形体の仮焼きと焼成を個別に行ってもよい。仮焼き工程では、有機バインダその他の有機添加物の熱分解温度以上であり、かつ、無機化合物粉末の焼結温度よりも低い温度でグリーン成形体を加熱すればよい。焼成工程では、仮焼き工程後のグリーン成形体を無機化合物粉末の焼結温度以上の温度で加熱すればよい。
【0075】
グリーン成形体を焼成することにより、成形直後のグリーン成形体の形状をほぼ維持した焼成体を得ると共に、封口材が焼結して各流路の端部に封口部114が形成される。なお、焼成体を得た後に、研削加工等により焼成体を所望の形状に加工することもできる。
【0076】
[触媒下塗り塗膜の形成]
焼成体の流路内における隔壁112の表面等に触媒下塗り塗膜116を形成する。触媒下塗り塗膜116の形成方法としては、浸漬法、真空溶浸法等により、流路内における隔壁112の表面にスラリーを付着させた後、スラリーを乾燥・焼成する公知の方法を用いることができる。これにより、流路内における隔壁112の表面や、隔壁112内の微細孔の表面に触媒下塗り塗膜116が形成される。
【0077】
触媒下塗り塗膜116の形成に用いるスラリーは、アルミニウム源を少なくとも含み、ランタン源、ケイ素源、セリウム源、ジルコニウム源、チタニウム源等を任意に含む。アルミニウム源としては、例えば硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、水酸化アルミニウム、アルミナゾル、γ−アルミナ、η−アルミナ、χ−アルミナ、θ−アルミナ、α−アルミナが挙げられ、ランタン源としては、例えば、硝酸ランタン、酢酸ランタン、硫酸ランタン、塩化ランタンが挙げられる。また、触媒下塗り塗膜116がアッシュに対する捕捉材を含む場合には、スラリーに捕捉材が添加される。
【0078】
[触媒の担持]
触媒下塗り塗膜116を形成した後に、貴金属触媒や助触媒等を触媒下塗り塗膜116上に担持する。担持方法としては、浸漬法、真空溶浸法、沈殿法、イオン交換法等により触媒下塗り塗膜116の表面にスラリーを付着させた後、スラリーを乾燥・焼成する公知の方法を用いることができる。貴金属触媒を担持する場合、貴金属源としては、例えばジニトロアンミン白金硝酸塩、塩化白金酸、塩化パラジウム、ジニトロアンミンパラジウム、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化ニッケルが挙げられる。
【0079】
以上、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0080】
例えば、ハニカムフィルタ100の形状は、円柱体に限定されず、用途に応じて任意の形状(例えば、多角柱や楕円柱)とすることができる。また、流路110a,110bの断面の形状は、正方形に限定されず、例えば、三角形、長方形、六角形、八角形、円形等でもよく、また、複数の形状の組み合わせでもよい。
【0081】
上記実施形態では、触媒下塗り塗膜116は、流路110a,110bのうち流路110bのみに形成されているが、流路110a及び流路110bの両方に形成されていてもよい。また、触媒下塗り塗膜116は、流路内における隔壁112の表面全体を被覆する塗膜であってもよく、表面の一部を被覆せず断片的な塗膜であってもよい。
【0082】
上記実施形態では、グリーン成形体を焼成する前に封口工程を行っているが、グリーン成形体を焼成した後に封口工程を行ってもよい。また、上記実施形態では、グリーン成形体の焼成や封口工程の後に触媒下塗り塗膜の形成や触媒の担持を行っているが、グリーン成形体の焼成や封口工程に先立って触媒下塗り塗膜の形成や触媒の担持を行ってもよい。
【符号の説明】
【0083】
100…ハニカムフィルタ、100a…一端面、100b…他端面、110a,110b…流路、112…隔壁、114…封口部、116…触媒下塗り塗膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタン酸アルミニウムを含む多孔質のセラミックスから構成されると共に、隔壁により仕切られた互いに略平行な複数の流路を有し、
前記複数の流路のうちの一部の一端及び前記複数の流路のうちの残部の他端が封口されており、
前記流路内における前記隔壁の表面には、γ−アルミナ又はその前駆体の少なくとも一方のアルミニウム成分を含む塗膜が形成されており、
前記塗膜の被覆量がハニカムフィルタ全量を基準として0.5〜20質量%であり、
前記塗膜におけるNaの含有量が前記塗膜全量を基準として100質量ppm以下である、ハニカムフィルタ。
【請求項2】
前記塗膜におけるLaの含有量が前記塗膜全量を基準として0.1〜10質量%である、請求項1に記載のハニカムフィルタ。
【請求項3】
BET比表面積が1〜20m/gである、請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
【請求項4】
前記塗膜が、細孔径分布において細孔半径5〜25nmの範囲にピークを与える細孔を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカムフィルタ。
【請求項5】
前記塗膜に貴金属触媒が担持されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカムフィルタ。
【請求項6】
前記他端が封口された前記流路の一端がガス流入口として開口しており、当該流路内における前記隔壁の表面に前記塗膜が形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のハニカムフィルタ。
【請求項7】
内燃機関からの排気ガスに含まれる炭素粒子を捕集すると共に、前記排気ガスに含まれる窒素酸化物及び一酸化炭素を除去するために用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のハニカムフィルタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−110849(P2012−110849A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262809(P2010−262809)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】