ハニカム様構造体及びその集合体
【課題】偏向荷重に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができるハニカム様構造体を提供すること。
【解決手段】ハニカム様構造体1は、凹凸状の主セル壁3の凸部同士を接合してなり、接合した凸部同士の側面に設けられた補強壁4を備えることにより、偏向荷重、特に、剪断方向(凸部同士の接合面に平行な方向)の成分を有する荷重が入力された場合であっても、凸部同士の接合面の剥離を抑制してハニカム構造を保持し、これにより、偏向荷重に対しても効率良くエネルギー吸収を行う。
【解決手段】ハニカム様構造体1は、凹凸状の主セル壁3の凸部同士を接合してなり、接合した凸部同士の側面に設けられた補強壁4を備えることにより、偏向荷重、特に、剪断方向(凸部同士の接合面に平行な方向)の成分を有する荷重が入力された場合であっても、凸部同士の接合面の剥離を抑制してハニカム構造を保持し、これにより、偏向荷重に対しても効率良くエネルギー吸収を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム様構造体及びその集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機等に用いられる構造体として、繊維強化樹脂(Fiber Reinforced Plastics;FRP)製のハニカム様構造体が知られている。このハニカム様構造体は、カーボン繊維やガラス繊維等の強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた材料であるプリプレグを用いて成形される。例えば、凹凸状とされたプリプレグの凸部同士を接合することにより、中空柱状のセルがハニカム様(蜂の巣状)に配列されて、ハニカム様構造体が成形される。
【0003】
このようなハニカム様構造体として、特許文献1に記載されたハニカムコアがある。このハニカムコアは、セルの断面形状が四角形や六角形等の多角形とされており、セル軸方向に衝撃荷重が入力された場合に、衝撃エネルギーを吸収し得る構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−009942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたハニカムコアでは、セル軸方向に入力される衝撃荷重に対しては衝撃エネルギーを吸収し得るものの、セル軸方向(プリプレグの凸部の延在方向)とは異なる方向からの荷重、すなわち偏向荷重が入力された場合には、入力荷重による応力が、凸部同士を接合した接合面に集中することにより接合面の剥離が生じ、効率良くエネルギー吸収を行えない虞があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、偏向荷重に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができるハニカム様構造体及びその集合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のハニカム様構造体は、凹凸状のプリプレグの凸部同士を接合してなるハニカム様構造体であって、接合した凸部同士の側面に設けられた第1補強部を備えることを特徴とする。
【0008】
このハニカム様構造体によれば、偏向荷重、特に、剪断方向(凸部同士の接合面に平行な方向)の成分を有する荷重が入力された場合であっても、第1補強部により凸部同士の接合面の剥離が抑制され、ハニカム構造が保持される。よって、偏向荷重に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができる。
【0009】
また、第1補強部は、接合した凸部同士の側面の全面に亘って設けられていると、偏向荷重に対するハニカム構造の強度が増し、上記のエネルギー吸収効果が一層高められる。
【0010】
さらに、上記作用を効果的に奏する構成としては、第1補強部は、エネルギー吸収部材により形成されている構成が挙げられる。
【0011】
また、凸部の延在方向の端部には、当該端部を覆う端板に接合されるフランジ部が設けられていると、ハニカム様構造体の端部に端板を接合した場合の接合面積が増大し、接合強度を高めることができる。
【0012】
また、接合した凸部同士の側面に直交する方向に沿って、エネルギー吸収部材により形成された第2補強部が設けられていると、偏向荷重、特に、座屈方向(凸部同士の接合面に垂直な方向)の成分を有する荷重が入力された場合であっても、第2補強部によりハニカム構造の座屈変形が抑制され、ハニカム構造の強度がより一層高められる。
【0013】
また、本発明のハニカム様構造体の集合体は、上記のハニカム様構造体が凸部の延在方向に直交する方向に複数並設されてなるハニカム様構造体の集合体であって、ハニカム様構造体同士の間に挟まれた中間弾性部材と、複数並設されて纏められたハニカム様構造体の外周を覆う被膜弾性部材と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
このハニカム様構造体の集合体によれば、偏向荷重が入力され、ハニカム様構造体同士が傾いた場合であっても、中間弾性部材及び被膜弾性部材によって各ハニカム様構造体が引き戻されつつ、各ハニカム様構造体に設けられた補強部が圧壊を生じることによりエネルギーを吸収する。よって、偏向荷重に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、偏向荷重に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るハニカム様構造体を示す斜視図である。
【図2】図1のハニカム様構造体を示す平面図である。
【図3】図1のハニカム様構造体の製造工程を示す図である。
【図4】図3に続く製造工程を示す図である。
【図5】図1のハニカム様構造体に偏向荷重が作用した場合のセル部の状態を示す平断面図である。
【図6】第2実施形態に係るハニカム様構造体を示す平面図である。
【図7】図6中のセル部における補セル壁を示す斜視図である。
【図8】図6のハニカム様構造体の製造工程を示す図である。
【図9】図8に続く製造工程を示す斜視図である。
【図10】図9に続く製造工程を示す平面図である。
【図11】図6のハニカム様構造体に偏向荷重が作用した場合のセル部の状態を示す平断面図である。
【図12】第3実施形態に係るハニカム様構造体を示す斜視図である。
【図13】図12のハニカム様構造体の製造工程を示す図である。
【図14】第4実施形態に係るハニカム様構造体を一部破断して示す斜視図である。
【図15】図14のXV−XV線に沿った断面図である。
【図16】図14のハニカム様構造体の製造工程を示す斜視図である。
【図17】図16に続く製造工程を示す平面図である。
【図18】図17に続く製造工程を示す斜視図である。
【図19】第5実施形態に係るハニカム様構造体の集合体を一部破断して示す斜視図である。
【図20】図19の集合体を示す側断面図である。
【図21】図20の集合体に偏向荷重が作用した状態を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係るハニカム様構造体及びその集合体について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るハニカム様構造体を示す斜視図、図2は、図1のハニカム様構造体を示す平面図である。
【0019】
図1及び図2に示すハニカム様構造体1は、航空機等に搭載されて、衝突による入力荷重に対してエネルギー吸収を行うためのものである。このハニカム様構造体1は、ハニカム様に配列された中空四角柱状の複数のセル部2を備えている。
【0020】
このセル部2は、長方形状の突出面を有する凸部と凹部が連続して並ぶ凹凸状の主セル壁3の、その凸部同士を接着(接合)することにより形成されている。これにより、複数のセル部2が、主セル壁3の凸部同士の接合面の短手方向(図2の左右方向)に対して千鳥状にずれるように形成されると共に、各セル部2には、凸部の延在方向(図1の上下方向)に沿って延びる断面四角形状のセル孔2aが形成されている。主セル壁3は、例えば炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics;以下、「CFRP」という)のプリプレグを用いて成形される(詳しくは後述)。ここで、プリプレグとは、強化繊維からなる織り目の細かいクロスに熱硬化性樹脂を含浸させた成形用中間材料をいう。
【0021】
さらに、このハニカム様構造体1は、接合した凸部同士の側面(セル壁)の全面に亘って設けられた補強壁(第1補強部)4を備えている。すなわち、この補強壁4は、セル部2の内壁面のうち、凸部同士の接合面に直交し互いに対向する内壁面をそれぞれ覆うようにして接着されたもので、エネルギー吸収部材であるCFRPにより形成された長方形板状の補強部材である。
【0022】
続いて、上記ハニカム様構造体1の製造方法について、図3及び図4を参照しながら説明する。まず、ハニカム様構造体1の製造に用いる材料として、プリプレグ及び成形コアを用意する。ここでは、プリプレグとしては、熱硬化樹脂であるエポキシ樹脂をカーボン繊維に含浸させたものが用いられる。また、成形コアとしては、ビーズ法(50倍発泡)により形成された発泡ポリスチレンフォームが用いられる。このプリプレグ及び成形コアについては、以下の実施形態においても同様とする。
【0023】
まず、図3に示すように、その表面がセル部2の形状に合わせた幅及びピッチを有する凹凸状であり、凹部の高さ(深さ)が図2におけるセル部2の上下方向の長さの1/2である凹凸型7を用意する。次に、この凹凸型7にプリプレグ6を1層積層し(図3(a)参照)、80℃の雰囲気下で硬化深度が約5%となるように半硬化させた後、図3(b)に示すように脱型し、主セル壁3となる凹凸状のプリフォーム3Fを得る。ここで、プリフォームとは、プリプレグを予め所定形状に形成したもの、あるいは、これらを所定形状に組み立てたものをいう。
【0024】
また、上記の硬化深度とは、市販される所定のプリプレグの硬化進行度を0%とし、さらに硬化を進行させた場合の進行程度を意味している。この硬化深度は、プリプレグの表面にIDEXセンサを埋没させ、マイクロダイエレクトロメータ(Microdielectrometer(Eumetric System III;Netzsch-Geratebau社製))を用いて、Cure Index値をリアルタイムでモニターすることにより管理される。
【0025】
次に、図4に示すように、成形コアを裁断してセル孔2aの大きさ及び形状に合わせた四角柱状の補強壁用コア8を用意し、さらに、この補強壁用コア8の両側面に補強壁4となるプリプレグ4Pを各1層ずつ積層し、コアユニット9を得る。このコアユニット9を所定のセル数だけ準備し、プリフォーム3Fの凹部に嵌合させるように挿入し、また、挿入したコアユニット9にプリフォーム3Fの凹部を嵌合させ、そのプリフォーム3Fの凸部同士が接合されるように、プリフォーム3Fとコアユニット9とを積み重ねる。このようにして、セル部2の数が所定数となるようにプリフォーム3Fとコアユニット9とを繰り返し積層することにより、プリフォーム11を得る。
【0026】
次に、このプリフォーム11を、一次硬化工程及び本硬化工程により硬化させる。ここで、一次硬化工程とは、プリフォームをナイロンフィルム製の袋体内に入れた後、その袋体を真空減圧し、80℃の温度で5時間かけて硬化させる工程である。この一次硬化工程では、プリプレグを半硬化状態とし、当接するプリプレグ同士をプリプレグ自体の接着力により自接着させる。また、本硬化工程とは、一次硬化工程の後、130℃の温度で1.5時間かけて硬化させる工程である。この本硬化工程では、プリプレグを本硬化させると共に、成形コアを熱収縮により減容(シュリンク)させて消失させる。一次硬化工程及び本硬化工程については、以下の実施形態においても同様とする。
【0027】
そして、上記の一次硬化工程及び本硬化工程を経て、主セル壁3の凸部同士、及び接合した凸部同士の側面と補強壁4とが、自接着により接着された図1のハニカム様構造体1が成形される。
【0028】
上記のハニカム様構造体1によれば、偏向荷重、特に、図5に示すように、剪断方向(凸部同士の接合面に平行な方向)の成分を有する荷重F1が入力された場合であっても、補強壁4により凸部同士の接合面の剥離が抑制され、ハニカム構造が保持される。よって、偏向荷重F1に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができる。
【0029】
また、補強壁4は、接合した凸部同士の側面の全面に亘って設けられているため、偏向荷重F1に対するハニカム構造の強度が増し、上記のエネルギー吸収効果が一層高められる。
【0030】
このように、ハニカム様構造体1によれば、偏向荷重F1を受けた場合であっても、ハニカム構造の保持によってエネルギー吸収の悪化を抑制できる。
【0031】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係るハニカム様構造体を示す平面図、図7は、図6中のセル部における補セル壁を示す斜視図である。本実施形態のハニカム様構造体10が図1及び図2に示した第1実施形態のハニカム様構造体1と違う点は、補強壁4に代えて、接合した凸部同士の側面(セル壁)に直交する方向、すなわち、凸部同士の接合面の短手方向に平行な方向に沿って設けられた補セル壁(第2補強部)12を備えた点である。
【0032】
この補セル壁12は、エネルギー吸収部材であるCFRPにより形成された中空四角柱状の補強部材であり、長さLのセル孔2aの上下端部を除く中央部の位置において、矩形環状の両端部である補セル壁端部12Aがセル部2の内壁面に対して自接着により接着されて、1セル部2当たり2×2個が配置されている。このハニカム様構造体10では、補セル壁端部12Aは、接合した凸部同士の側面に設けられた第1補強部に相当する。
【0033】
続いて、ハニカム様構造体10の製造方法について、図8〜図10を参照しながら説明する。以下の説明において、成形コアに関して「厚み」、「幅」、及び「長さ」とは、成形されるハニカム様構造体を基準として、それぞれ、接合される凸部同士の接合面に垂直な方向の長さ、その接合面の短手方向に平行な方向の長さ、及びセル孔2aが延びる方向(接合面の長手方向に平行な方向)の長さを意味している。
【0034】
まず、図8に示すように、成形コアを裁断して、厚みが図6におけるセル部2の上下方向の長さの1/2であって幅が図6におけるセル部2の左右方向の長さに等しく、長さがセル部2の長さLの1/3(中央部の延在方向の長さ)である分割コア13を3個用意し、中央の分割コア13をさらに長さが半分となるよう2分割し、補セルコア13a,13aを得る。次に、各補セルコア13a,13aの外周面に対し、補セル壁12となるプリプレグ12P,12Pを1層被覆し、補セルサブユニット13b,13bを得る。
【0035】
次に、分割コア13、補セルサブユニット13b,13b、分割コア13の順に長さ方向に並べて仮接着し、長さLがセル部2に等しい補セルユニット14を得る。さらに、図9に示すように、所定数(図9では3個)の補セルユニット14と、補セルユニット14と同一形状の成形コアである非分割コア15とを幅方向に適宜並べ、並べられた補セルユニット14及び非分割コア15の外周面に、主セル壁3となるプリプレグ3Pを凹凸状となるように1層被覆し、主セルユニット17を得る。なお、図9に示す主セルユニット17では、補セルサブユニット13b,13bを有する補セルユニット14を幅方向に3個並べ、その両側を非分割コア15により挟んでいる。
【0036】
次に、図10に示すように、所定数準備した主セルユニット17を、プリプレグ3Pの凸部同士が対面するように厚み方向に積み重ね、プリフォーム18を得る。そして、このプリフォーム18を一次硬化工程及び本硬化工程により硬化させることにより、ハニカム様構造体10が成形される。なお、セル部2毎に補セル壁12を形成するか否かは、上記製造工程のプリフォーム18の作製において、主セルユニット17のセル部2に対応する位置に、補セルサブユニット13bを有する補セルユニット14を並べるか、又は非分割コア15を並べるかによって適宜選択できる。
【0037】
上記のハニカム様構造体10によれば、第1実施形態のハニカム様構造体1と同様に、偏向荷重、特に、剪断方向(凸部同士の接合面に平行な方向)の成分を有する荷重F1が入力された場合であっても、補セル壁端部12Aにより凸部同士の接合面の剥離が抑制され、ハニカム構造が保持されるため、偏向荷重F1に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができる。
【0038】
また、偏向荷重、特に、図11に示すように、座屈方向(凸部同士の接合面に垂直な方向)の成分を有する荷重F2が入力された場合であっても、補セル壁12によりハニカム構造(セル部2)の座屈変形が抑制され、ハニカム構造の強度がより一層高められる。
【0039】
また、補セル壁12は、セル孔2aの上下端部を除く中央部の位置のみに配置される場合に限られず、セル孔2aが延びる方向の全体(長さLの全長)に亘って設けられていてもよい。この場合、補セル壁端部12Aは、接合した凸部同士の側面の全面に亘って設けられる。
【0040】
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態に係るハニカム様構造体を示す斜視図である。図12に示すように、セル部2を第2実施形態のハニカム様構造体10(図6参照)と同様に並べたものが本実施形態のハニカム様構造体10Aである。このハニカム様構造体10Aが図6及び図7に示した第2実施形態のハニカム様構造体10と違う点は、中空四角柱状の補セル壁12に代えて、セル孔2aが延びる方向に離間し対向して設けられた板状の補セル壁(第2補強部)19を備えた点である。
【0041】
この補セル壁19も、第2実施形態の補セル壁12と同様にエネルギー吸収部材であるCFRPにより形成された補強部材であり、セル孔2aの上下端部を除く中央部の位置において、接合した凸部同士の側面(セル壁)に直交する方向に沿って、1セル部2当たり2×2枚が設けられている。各補セル壁19の両端部には、セル部2の内壁面に沿うように折曲された補セル壁端部19Aが形成されており、この補セル壁端部19Aは、セル部2の内壁面に対して自接着により接着されている。ハニカム様構造体10Aでは、補セル壁端部19Aは、接合した凸部同士の側面に設けられた第1補強部に相当する。
【0042】
続いて、ハニカム様構造体10Aの製造方法について、図13を参照して説明する。ハニカム様構造体10Aの製造方法が、第2実施形態のハニカム様構造体10の製造方法と違う点は、主セルユニット17(図9参照)を作製する工程において、補セルユニット14に代えて、中央の分割コア13の長さ方向の両端面(コバ面)に対して補セル壁19となるプリプレグ19P,19Pを1層被覆した補セルサブユニット13cを中央に有する補セルユニット14aを用いた点である。
【0043】
補セルユニット14aの補セルサブユニット13cでは、プリプレグ19P,19Pは、分割コア13の幅方向の端面の一部にまで被覆され、この端面の一部に被覆された部分が補セル壁端部19Aとなる。その他の工程は、第2実施形態と同様である(図9、図10参照)。
【0044】
上記のハニカム様構造体10Aにおいても、ハニカム様構造体10と同様の作用・効果を得ることができる。すなわち、ハニカム様構造体10Aによれば、剪断方向(凸部同士の接合面に平行な方向)の成分を有する荷重F1が入力された場合であっても、補セル壁端部19Aにより凸部同士の接合面の剥離が抑制され、ハニカム構造が保持されるため、偏向荷重F1に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができ、さらには、座屈方向(凸部同士の接合面に垂直な方向)の成分を有する荷重F2が入力された場合であっても、補セル壁19によりハニカム構造の座屈変形が抑制され、ハニカム構造の強度がより一層高められる。
【0045】
(第4実施形態)
図14は、第4実施形態に係るハニカム様構造体を一部破断して示す斜視図、図15は、図14のXV−XV線に沿った断面図である。本実施形態のハニカム様構造体20が図6及び図7に示した第2実施形態のハニカム様構造体10と違う点は、主セル壁3における凸部の延在方向の両端部に設けられた複数のフランジ(フランジ部)22と、フランジ22に接合され、当該両端部を覆うように設けられた主壁(端板)21とをさらに備え、所謂サンドイッチ構造とした点である。
【0046】
フランジ22は、複数のセル部2を形成する主セル壁3のうち、一部のセル部2に対応する凸部の両端部(図示上下端部)において、凸部と連続し且つ凸部の延在方向に直交するようにセル部2の断面中央まで(セル孔2aの半分を覆うように)折り返されており、主セル壁3と同様、CFRPにより形成されている。また、主壁21は、凸部の延在方向に直交する方向に延びる、複数層のCFRPにより形成された長方形状の平板であり、主セル壁3の端面及びフランジ22に対して自接着により接着固定されている。
【0047】
続いて、ハニカム様構造体20の製造方法について、図16〜図18を参照しながら説明する。ハニカム様構造体20の製造方法が、第2実施形態のハニカム様構造体10の製造方法と違う点は、プリフォーム18(図10参照)を構成する主セルユニット17の一部に代えて、補セルユニット14(図9参照)の長さ方向の両端面にもフランジ22となるプリプレグ22Pを被覆した主セルユニット23を用いた点、及び主壁21を形成する工程を有する点である。
【0048】
図16に示すように、主セルユニット23では、プリプレグ22Pは、幅方向に複数(図16では3個)並べられた補セルユニット14のうち1個おきの補セルユニット14に対して被覆される。言い換えれば、プリプレグ22Pは、凹凸状に被覆されたプリプレグ3Pの凸部のみに連続して端部を覆うように被覆される。次に、このように作製した主セルユニット23とプリプレグ22Pが被覆されていない主セルユニット17(図9参照)とを同数準備し、プリプレグ3Pの凸部同士が対面するように厚み方向に積み重ね、プリフォーム24を得る(図17参照)。
【0049】
さらに、プリフォーム24の長さ方向の両端面(図18では上下面)全面に亘って、主壁21となるプリプレグ21Pをそれぞれ複数枚積層し、サンドイッチパネルプリフォーム25を得る。そして、このサンドイッチパネルプリフォーム25を一次硬化工程及び本硬化工程により硬化させることにより、図14に示すハニカム様構造体20が成形される。なお、フランジ22は、すべてのセル部2に対応する凸部の両端部に形成されてもよく、また、セル孔2aを略完全に覆うように形成されてもよい。
【0050】
上記のハニカム様構造体20によれば、主セル壁3に対する主壁21の接合面積が増大し、接合強度を高めることができる。
【0051】
また、図1に示した第1実施形態のハニカム様構造体1に対してフランジ22及び主壁21を設けることにより、サンドイッチ構造とすることもできる。
【0052】
(第5実施形態)
図19は、第5実施形態に係るハニカム様構造体の集合体を一部破断して示す斜視図、図20は、図19の集合体を示す側断面図である。本実施形態に係るハニカム様集合体30は、図6及び図7に示した第2実施形態のハニカム様構造体10と同様の構成を有するハニカム様構造体10Bを、主セル壁3の凸部の延在方向に直交する方向に格子状に複数並設してなる集合体である。なお、図19及び図20においては、ハニカム様構造体10Bは簡略化して描かれている。
【0053】
各ハニカム様構造体10Bは、より具体的には、図6に示したハニカム様構造体10の8個のセル部2を備えて構成されており、セル部2を形成しない主セル壁3の端部(図6では左右端部)は、取り除かれている。また、ハニカム様構造体10Bの補セル壁(第2補強部)31は、ハニカム様構造体10の補セル壁12(図6及び図7参照)よりも多数上下方向に重ねて配置されている。
【0054】
さらに、図19及び図20に示すように、ハニカム様集合体30は、直方体形状を呈し、各ハニカム様構造体10Bの外側面に被覆されたシリコン未加硫エラストマーからなる中間弾性膜(中間弾性部材)32と、中間弾性膜32を挟んで並設されて纏められたハニカム様構造体10B群の外周を覆う、同じくシリコン未加硫エラストマーからなる被膜弾性膜(被膜弾性部材)33とを備えている。
【0055】
ここで、被膜弾性膜33は、複数纏められたハニカム様構造体10B群の少なくとも3面を被覆している。
【0056】
そして、ハニカム様集合体30は、ハニカム様構造体10Bに中間弾性膜32を被覆し、さらにそのハニカム様構造体10Bを並設し纏めた外周面に被膜弾性膜33を被覆した後、120℃の温度で10分間かけて1次加硫を行い、その後200℃の温度で4時間かけて2次加硫を行うことにより、成形される。
【0057】
上記のハニカム様集合体30によれば、図21に示すように、偏向荷重F、すなわちハニカム様構造体10Bのセル部2の延在方向(図21では上下方向)とは異なる方向からの荷重Fが入力され、ハニカム様構造体10B同士が傾いた場合であっても、中間弾性膜32及び被膜弾性膜33によって各ハニカム様構造体10Bが引き戻されつつ、各ハニカム様構造体10Bに設けられた補セル壁31が偏向荷重Fに正対して逐次圧壊を生じることによりエネルギーを吸収する。よって、偏向荷重Fに対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができる。
【0058】
また、図21の偏向荷重Fに直交する方向の成分を有する偏向荷重が入力された場合、第1補強部としての補セル壁31の端部が、その偏向荷重に正対して逐次圧壊を生じることによりエネルギーを吸収するという作用・効果も得ることができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態に係るハニカム様構造体及びその集合体について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、ハニカム様構造体1,10,10A,10B,20の主セル壁3は、単層のプリプレグにより形成される場合について説明したが、複数層のプリプレグにより形成されていてもよい。これと同様に、ハニカム様構造体1の補強壁4、ハニカム様構造体10の補セル壁12、ハニカム様構造体10Aの補セル壁19、ハニカム様構造体10Bの補セル壁31、及びハニカム様構造体20のフランジ22についても、複数層のプリプレグにより形成されていてもよい。
【0060】
また、上記第5実施形態のハニカム様集合体30では、複数のハニカム様構造体10Bは、第2実施形態のハニカム様構造体10と略同様の構成を有することとしたが、第4実施形態のハニカム様構造体20と同様にフランジ22と主壁21とを備えたサンドイッチ構造であってもよい。
【0061】
また、上記第5実施形態のハニカム様集合体30では、複数のハニカム様構造体10Bが格子状に並設される場合について説明したが、千鳥状にずらして配置されてもよい。さらにまた、ハニカム様集合体30のハニカム様構造体10Bは、凹凸状のプリプレグを接合して形成された複数のセル部2を備える場合に限られず、四角柱状の成形コアの外周面にプリプレグを被膜すること等により形成される単一のセル部から構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1,10,10A,10B,20…ハニカム様構造体、3P…プリプレグ、4…補強壁(第1補強部)、6…プリプレグ、12,19,31…補セル壁(第2補強部)、12A,19A…補セル壁端部(第1補強部)、21…主壁(端板)、22…フランジ(フランジ部)、30…ハニカム様集合体(ハニカム様構造体の集合体)、32…中間弾性膜(中間弾性部材)、33…被膜弾性膜(被膜弾性部材)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム様構造体及びその集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機等に用いられる構造体として、繊維強化樹脂(Fiber Reinforced Plastics;FRP)製のハニカム様構造体が知られている。このハニカム様構造体は、カーボン繊維やガラス繊維等の強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた材料であるプリプレグを用いて成形される。例えば、凹凸状とされたプリプレグの凸部同士を接合することにより、中空柱状のセルがハニカム様(蜂の巣状)に配列されて、ハニカム様構造体が成形される。
【0003】
このようなハニカム様構造体として、特許文献1に記載されたハニカムコアがある。このハニカムコアは、セルの断面形状が四角形や六角形等の多角形とされており、セル軸方向に衝撃荷重が入力された場合に、衝撃エネルギーを吸収し得る構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−009942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたハニカムコアでは、セル軸方向に入力される衝撃荷重に対しては衝撃エネルギーを吸収し得るものの、セル軸方向(プリプレグの凸部の延在方向)とは異なる方向からの荷重、すなわち偏向荷重が入力された場合には、入力荷重による応力が、凸部同士を接合した接合面に集中することにより接合面の剥離が生じ、効率良くエネルギー吸収を行えない虞があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、偏向荷重に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができるハニカム様構造体及びその集合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のハニカム様構造体は、凹凸状のプリプレグの凸部同士を接合してなるハニカム様構造体であって、接合した凸部同士の側面に設けられた第1補強部を備えることを特徴とする。
【0008】
このハニカム様構造体によれば、偏向荷重、特に、剪断方向(凸部同士の接合面に平行な方向)の成分を有する荷重が入力された場合であっても、第1補強部により凸部同士の接合面の剥離が抑制され、ハニカム構造が保持される。よって、偏向荷重に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができる。
【0009】
また、第1補強部は、接合した凸部同士の側面の全面に亘って設けられていると、偏向荷重に対するハニカム構造の強度が増し、上記のエネルギー吸収効果が一層高められる。
【0010】
さらに、上記作用を効果的に奏する構成としては、第1補強部は、エネルギー吸収部材により形成されている構成が挙げられる。
【0011】
また、凸部の延在方向の端部には、当該端部を覆う端板に接合されるフランジ部が設けられていると、ハニカム様構造体の端部に端板を接合した場合の接合面積が増大し、接合強度を高めることができる。
【0012】
また、接合した凸部同士の側面に直交する方向に沿って、エネルギー吸収部材により形成された第2補強部が設けられていると、偏向荷重、特に、座屈方向(凸部同士の接合面に垂直な方向)の成分を有する荷重が入力された場合であっても、第2補強部によりハニカム構造の座屈変形が抑制され、ハニカム構造の強度がより一層高められる。
【0013】
また、本発明のハニカム様構造体の集合体は、上記のハニカム様構造体が凸部の延在方向に直交する方向に複数並設されてなるハニカム様構造体の集合体であって、ハニカム様構造体同士の間に挟まれた中間弾性部材と、複数並設されて纏められたハニカム様構造体の外周を覆う被膜弾性部材と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
このハニカム様構造体の集合体によれば、偏向荷重が入力され、ハニカム様構造体同士が傾いた場合であっても、中間弾性部材及び被膜弾性部材によって各ハニカム様構造体が引き戻されつつ、各ハニカム様構造体に設けられた補強部が圧壊を生じることによりエネルギーを吸収する。よって、偏向荷重に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、偏向荷重に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るハニカム様構造体を示す斜視図である。
【図2】図1のハニカム様構造体を示す平面図である。
【図3】図1のハニカム様構造体の製造工程を示す図である。
【図4】図3に続く製造工程を示す図である。
【図5】図1のハニカム様構造体に偏向荷重が作用した場合のセル部の状態を示す平断面図である。
【図6】第2実施形態に係るハニカム様構造体を示す平面図である。
【図7】図6中のセル部における補セル壁を示す斜視図である。
【図8】図6のハニカム様構造体の製造工程を示す図である。
【図9】図8に続く製造工程を示す斜視図である。
【図10】図9に続く製造工程を示す平面図である。
【図11】図6のハニカム様構造体に偏向荷重が作用した場合のセル部の状態を示す平断面図である。
【図12】第3実施形態に係るハニカム様構造体を示す斜視図である。
【図13】図12のハニカム様構造体の製造工程を示す図である。
【図14】第4実施形態に係るハニカム様構造体を一部破断して示す斜視図である。
【図15】図14のXV−XV線に沿った断面図である。
【図16】図14のハニカム様構造体の製造工程を示す斜視図である。
【図17】図16に続く製造工程を示す平面図である。
【図18】図17に続く製造工程を示す斜視図である。
【図19】第5実施形態に係るハニカム様構造体の集合体を一部破断して示す斜視図である。
【図20】図19の集合体を示す側断面図である。
【図21】図20の集合体に偏向荷重が作用した状態を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係るハニカム様構造体及びその集合体について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るハニカム様構造体を示す斜視図、図2は、図1のハニカム様構造体を示す平面図である。
【0019】
図1及び図2に示すハニカム様構造体1は、航空機等に搭載されて、衝突による入力荷重に対してエネルギー吸収を行うためのものである。このハニカム様構造体1は、ハニカム様に配列された中空四角柱状の複数のセル部2を備えている。
【0020】
このセル部2は、長方形状の突出面を有する凸部と凹部が連続して並ぶ凹凸状の主セル壁3の、その凸部同士を接着(接合)することにより形成されている。これにより、複数のセル部2が、主セル壁3の凸部同士の接合面の短手方向(図2の左右方向)に対して千鳥状にずれるように形成されると共に、各セル部2には、凸部の延在方向(図1の上下方向)に沿って延びる断面四角形状のセル孔2aが形成されている。主セル壁3は、例えば炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics;以下、「CFRP」という)のプリプレグを用いて成形される(詳しくは後述)。ここで、プリプレグとは、強化繊維からなる織り目の細かいクロスに熱硬化性樹脂を含浸させた成形用中間材料をいう。
【0021】
さらに、このハニカム様構造体1は、接合した凸部同士の側面(セル壁)の全面に亘って設けられた補強壁(第1補強部)4を備えている。すなわち、この補強壁4は、セル部2の内壁面のうち、凸部同士の接合面に直交し互いに対向する内壁面をそれぞれ覆うようにして接着されたもので、エネルギー吸収部材であるCFRPにより形成された長方形板状の補強部材である。
【0022】
続いて、上記ハニカム様構造体1の製造方法について、図3及び図4を参照しながら説明する。まず、ハニカム様構造体1の製造に用いる材料として、プリプレグ及び成形コアを用意する。ここでは、プリプレグとしては、熱硬化樹脂であるエポキシ樹脂をカーボン繊維に含浸させたものが用いられる。また、成形コアとしては、ビーズ法(50倍発泡)により形成された発泡ポリスチレンフォームが用いられる。このプリプレグ及び成形コアについては、以下の実施形態においても同様とする。
【0023】
まず、図3に示すように、その表面がセル部2の形状に合わせた幅及びピッチを有する凹凸状であり、凹部の高さ(深さ)が図2におけるセル部2の上下方向の長さの1/2である凹凸型7を用意する。次に、この凹凸型7にプリプレグ6を1層積層し(図3(a)参照)、80℃の雰囲気下で硬化深度が約5%となるように半硬化させた後、図3(b)に示すように脱型し、主セル壁3となる凹凸状のプリフォーム3Fを得る。ここで、プリフォームとは、プリプレグを予め所定形状に形成したもの、あるいは、これらを所定形状に組み立てたものをいう。
【0024】
また、上記の硬化深度とは、市販される所定のプリプレグの硬化進行度を0%とし、さらに硬化を進行させた場合の進行程度を意味している。この硬化深度は、プリプレグの表面にIDEXセンサを埋没させ、マイクロダイエレクトロメータ(Microdielectrometer(Eumetric System III;Netzsch-Geratebau社製))を用いて、Cure Index値をリアルタイムでモニターすることにより管理される。
【0025】
次に、図4に示すように、成形コアを裁断してセル孔2aの大きさ及び形状に合わせた四角柱状の補強壁用コア8を用意し、さらに、この補強壁用コア8の両側面に補強壁4となるプリプレグ4Pを各1層ずつ積層し、コアユニット9を得る。このコアユニット9を所定のセル数だけ準備し、プリフォーム3Fの凹部に嵌合させるように挿入し、また、挿入したコアユニット9にプリフォーム3Fの凹部を嵌合させ、そのプリフォーム3Fの凸部同士が接合されるように、プリフォーム3Fとコアユニット9とを積み重ねる。このようにして、セル部2の数が所定数となるようにプリフォーム3Fとコアユニット9とを繰り返し積層することにより、プリフォーム11を得る。
【0026】
次に、このプリフォーム11を、一次硬化工程及び本硬化工程により硬化させる。ここで、一次硬化工程とは、プリフォームをナイロンフィルム製の袋体内に入れた後、その袋体を真空減圧し、80℃の温度で5時間かけて硬化させる工程である。この一次硬化工程では、プリプレグを半硬化状態とし、当接するプリプレグ同士をプリプレグ自体の接着力により自接着させる。また、本硬化工程とは、一次硬化工程の後、130℃の温度で1.5時間かけて硬化させる工程である。この本硬化工程では、プリプレグを本硬化させると共に、成形コアを熱収縮により減容(シュリンク)させて消失させる。一次硬化工程及び本硬化工程については、以下の実施形態においても同様とする。
【0027】
そして、上記の一次硬化工程及び本硬化工程を経て、主セル壁3の凸部同士、及び接合した凸部同士の側面と補強壁4とが、自接着により接着された図1のハニカム様構造体1が成形される。
【0028】
上記のハニカム様構造体1によれば、偏向荷重、特に、図5に示すように、剪断方向(凸部同士の接合面に平行な方向)の成分を有する荷重F1が入力された場合であっても、補強壁4により凸部同士の接合面の剥離が抑制され、ハニカム構造が保持される。よって、偏向荷重F1に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができる。
【0029】
また、補強壁4は、接合した凸部同士の側面の全面に亘って設けられているため、偏向荷重F1に対するハニカム構造の強度が増し、上記のエネルギー吸収効果が一層高められる。
【0030】
このように、ハニカム様構造体1によれば、偏向荷重F1を受けた場合であっても、ハニカム構造の保持によってエネルギー吸収の悪化を抑制できる。
【0031】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係るハニカム様構造体を示す平面図、図7は、図6中のセル部における補セル壁を示す斜視図である。本実施形態のハニカム様構造体10が図1及び図2に示した第1実施形態のハニカム様構造体1と違う点は、補強壁4に代えて、接合した凸部同士の側面(セル壁)に直交する方向、すなわち、凸部同士の接合面の短手方向に平行な方向に沿って設けられた補セル壁(第2補強部)12を備えた点である。
【0032】
この補セル壁12は、エネルギー吸収部材であるCFRPにより形成された中空四角柱状の補強部材であり、長さLのセル孔2aの上下端部を除く中央部の位置において、矩形環状の両端部である補セル壁端部12Aがセル部2の内壁面に対して自接着により接着されて、1セル部2当たり2×2個が配置されている。このハニカム様構造体10では、補セル壁端部12Aは、接合した凸部同士の側面に設けられた第1補強部に相当する。
【0033】
続いて、ハニカム様構造体10の製造方法について、図8〜図10を参照しながら説明する。以下の説明において、成形コアに関して「厚み」、「幅」、及び「長さ」とは、成形されるハニカム様構造体を基準として、それぞれ、接合される凸部同士の接合面に垂直な方向の長さ、その接合面の短手方向に平行な方向の長さ、及びセル孔2aが延びる方向(接合面の長手方向に平行な方向)の長さを意味している。
【0034】
まず、図8に示すように、成形コアを裁断して、厚みが図6におけるセル部2の上下方向の長さの1/2であって幅が図6におけるセル部2の左右方向の長さに等しく、長さがセル部2の長さLの1/3(中央部の延在方向の長さ)である分割コア13を3個用意し、中央の分割コア13をさらに長さが半分となるよう2分割し、補セルコア13a,13aを得る。次に、各補セルコア13a,13aの外周面に対し、補セル壁12となるプリプレグ12P,12Pを1層被覆し、補セルサブユニット13b,13bを得る。
【0035】
次に、分割コア13、補セルサブユニット13b,13b、分割コア13の順に長さ方向に並べて仮接着し、長さLがセル部2に等しい補セルユニット14を得る。さらに、図9に示すように、所定数(図9では3個)の補セルユニット14と、補セルユニット14と同一形状の成形コアである非分割コア15とを幅方向に適宜並べ、並べられた補セルユニット14及び非分割コア15の外周面に、主セル壁3となるプリプレグ3Pを凹凸状となるように1層被覆し、主セルユニット17を得る。なお、図9に示す主セルユニット17では、補セルサブユニット13b,13bを有する補セルユニット14を幅方向に3個並べ、その両側を非分割コア15により挟んでいる。
【0036】
次に、図10に示すように、所定数準備した主セルユニット17を、プリプレグ3Pの凸部同士が対面するように厚み方向に積み重ね、プリフォーム18を得る。そして、このプリフォーム18を一次硬化工程及び本硬化工程により硬化させることにより、ハニカム様構造体10が成形される。なお、セル部2毎に補セル壁12を形成するか否かは、上記製造工程のプリフォーム18の作製において、主セルユニット17のセル部2に対応する位置に、補セルサブユニット13bを有する補セルユニット14を並べるか、又は非分割コア15を並べるかによって適宜選択できる。
【0037】
上記のハニカム様構造体10によれば、第1実施形態のハニカム様構造体1と同様に、偏向荷重、特に、剪断方向(凸部同士の接合面に平行な方向)の成分を有する荷重F1が入力された場合であっても、補セル壁端部12Aにより凸部同士の接合面の剥離が抑制され、ハニカム構造が保持されるため、偏向荷重F1に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができる。
【0038】
また、偏向荷重、特に、図11に示すように、座屈方向(凸部同士の接合面に垂直な方向)の成分を有する荷重F2が入力された場合であっても、補セル壁12によりハニカム構造(セル部2)の座屈変形が抑制され、ハニカム構造の強度がより一層高められる。
【0039】
また、補セル壁12は、セル孔2aの上下端部を除く中央部の位置のみに配置される場合に限られず、セル孔2aが延びる方向の全体(長さLの全長)に亘って設けられていてもよい。この場合、補セル壁端部12Aは、接合した凸部同士の側面の全面に亘って設けられる。
【0040】
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態に係るハニカム様構造体を示す斜視図である。図12に示すように、セル部2を第2実施形態のハニカム様構造体10(図6参照)と同様に並べたものが本実施形態のハニカム様構造体10Aである。このハニカム様構造体10Aが図6及び図7に示した第2実施形態のハニカム様構造体10と違う点は、中空四角柱状の補セル壁12に代えて、セル孔2aが延びる方向に離間し対向して設けられた板状の補セル壁(第2補強部)19を備えた点である。
【0041】
この補セル壁19も、第2実施形態の補セル壁12と同様にエネルギー吸収部材であるCFRPにより形成された補強部材であり、セル孔2aの上下端部を除く中央部の位置において、接合した凸部同士の側面(セル壁)に直交する方向に沿って、1セル部2当たり2×2枚が設けられている。各補セル壁19の両端部には、セル部2の内壁面に沿うように折曲された補セル壁端部19Aが形成されており、この補セル壁端部19Aは、セル部2の内壁面に対して自接着により接着されている。ハニカム様構造体10Aでは、補セル壁端部19Aは、接合した凸部同士の側面に設けられた第1補強部に相当する。
【0042】
続いて、ハニカム様構造体10Aの製造方法について、図13を参照して説明する。ハニカム様構造体10Aの製造方法が、第2実施形態のハニカム様構造体10の製造方法と違う点は、主セルユニット17(図9参照)を作製する工程において、補セルユニット14に代えて、中央の分割コア13の長さ方向の両端面(コバ面)に対して補セル壁19となるプリプレグ19P,19Pを1層被覆した補セルサブユニット13cを中央に有する補セルユニット14aを用いた点である。
【0043】
補セルユニット14aの補セルサブユニット13cでは、プリプレグ19P,19Pは、分割コア13の幅方向の端面の一部にまで被覆され、この端面の一部に被覆された部分が補セル壁端部19Aとなる。その他の工程は、第2実施形態と同様である(図9、図10参照)。
【0044】
上記のハニカム様構造体10Aにおいても、ハニカム様構造体10と同様の作用・効果を得ることができる。すなわち、ハニカム様構造体10Aによれば、剪断方向(凸部同士の接合面に平行な方向)の成分を有する荷重F1が入力された場合であっても、補セル壁端部19Aにより凸部同士の接合面の剥離が抑制され、ハニカム構造が保持されるため、偏向荷重F1に対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができ、さらには、座屈方向(凸部同士の接合面に垂直な方向)の成分を有する荷重F2が入力された場合であっても、補セル壁19によりハニカム構造の座屈変形が抑制され、ハニカム構造の強度がより一層高められる。
【0045】
(第4実施形態)
図14は、第4実施形態に係るハニカム様構造体を一部破断して示す斜視図、図15は、図14のXV−XV線に沿った断面図である。本実施形態のハニカム様構造体20が図6及び図7に示した第2実施形態のハニカム様構造体10と違う点は、主セル壁3における凸部の延在方向の両端部に設けられた複数のフランジ(フランジ部)22と、フランジ22に接合され、当該両端部を覆うように設けられた主壁(端板)21とをさらに備え、所謂サンドイッチ構造とした点である。
【0046】
フランジ22は、複数のセル部2を形成する主セル壁3のうち、一部のセル部2に対応する凸部の両端部(図示上下端部)において、凸部と連続し且つ凸部の延在方向に直交するようにセル部2の断面中央まで(セル孔2aの半分を覆うように)折り返されており、主セル壁3と同様、CFRPにより形成されている。また、主壁21は、凸部の延在方向に直交する方向に延びる、複数層のCFRPにより形成された長方形状の平板であり、主セル壁3の端面及びフランジ22に対して自接着により接着固定されている。
【0047】
続いて、ハニカム様構造体20の製造方法について、図16〜図18を参照しながら説明する。ハニカム様構造体20の製造方法が、第2実施形態のハニカム様構造体10の製造方法と違う点は、プリフォーム18(図10参照)を構成する主セルユニット17の一部に代えて、補セルユニット14(図9参照)の長さ方向の両端面にもフランジ22となるプリプレグ22Pを被覆した主セルユニット23を用いた点、及び主壁21を形成する工程を有する点である。
【0048】
図16に示すように、主セルユニット23では、プリプレグ22Pは、幅方向に複数(図16では3個)並べられた補セルユニット14のうち1個おきの補セルユニット14に対して被覆される。言い換えれば、プリプレグ22Pは、凹凸状に被覆されたプリプレグ3Pの凸部のみに連続して端部を覆うように被覆される。次に、このように作製した主セルユニット23とプリプレグ22Pが被覆されていない主セルユニット17(図9参照)とを同数準備し、プリプレグ3Pの凸部同士が対面するように厚み方向に積み重ね、プリフォーム24を得る(図17参照)。
【0049】
さらに、プリフォーム24の長さ方向の両端面(図18では上下面)全面に亘って、主壁21となるプリプレグ21Pをそれぞれ複数枚積層し、サンドイッチパネルプリフォーム25を得る。そして、このサンドイッチパネルプリフォーム25を一次硬化工程及び本硬化工程により硬化させることにより、図14に示すハニカム様構造体20が成形される。なお、フランジ22は、すべてのセル部2に対応する凸部の両端部に形成されてもよく、また、セル孔2aを略完全に覆うように形成されてもよい。
【0050】
上記のハニカム様構造体20によれば、主セル壁3に対する主壁21の接合面積が増大し、接合強度を高めることができる。
【0051】
また、図1に示した第1実施形態のハニカム様構造体1に対してフランジ22及び主壁21を設けることにより、サンドイッチ構造とすることもできる。
【0052】
(第5実施形態)
図19は、第5実施形態に係るハニカム様構造体の集合体を一部破断して示す斜視図、図20は、図19の集合体を示す側断面図である。本実施形態に係るハニカム様集合体30は、図6及び図7に示した第2実施形態のハニカム様構造体10と同様の構成を有するハニカム様構造体10Bを、主セル壁3の凸部の延在方向に直交する方向に格子状に複数並設してなる集合体である。なお、図19及び図20においては、ハニカム様構造体10Bは簡略化して描かれている。
【0053】
各ハニカム様構造体10Bは、より具体的には、図6に示したハニカム様構造体10の8個のセル部2を備えて構成されており、セル部2を形成しない主セル壁3の端部(図6では左右端部)は、取り除かれている。また、ハニカム様構造体10Bの補セル壁(第2補強部)31は、ハニカム様構造体10の補セル壁12(図6及び図7参照)よりも多数上下方向に重ねて配置されている。
【0054】
さらに、図19及び図20に示すように、ハニカム様集合体30は、直方体形状を呈し、各ハニカム様構造体10Bの外側面に被覆されたシリコン未加硫エラストマーからなる中間弾性膜(中間弾性部材)32と、中間弾性膜32を挟んで並設されて纏められたハニカム様構造体10B群の外周を覆う、同じくシリコン未加硫エラストマーからなる被膜弾性膜(被膜弾性部材)33とを備えている。
【0055】
ここで、被膜弾性膜33は、複数纏められたハニカム様構造体10B群の少なくとも3面を被覆している。
【0056】
そして、ハニカム様集合体30は、ハニカム様構造体10Bに中間弾性膜32を被覆し、さらにそのハニカム様構造体10Bを並設し纏めた外周面に被膜弾性膜33を被覆した後、120℃の温度で10分間かけて1次加硫を行い、その後200℃の温度で4時間かけて2次加硫を行うことにより、成形される。
【0057】
上記のハニカム様集合体30によれば、図21に示すように、偏向荷重F、すなわちハニカム様構造体10Bのセル部2の延在方向(図21では上下方向)とは異なる方向からの荷重Fが入力され、ハニカム様構造体10B同士が傾いた場合であっても、中間弾性膜32及び被膜弾性膜33によって各ハニカム様構造体10Bが引き戻されつつ、各ハニカム様構造体10Bに設けられた補セル壁31が偏向荷重Fに正対して逐次圧壊を生じることによりエネルギーを吸収する。よって、偏向荷重Fに対しても効率良くエネルギー吸収を行うことができる。
【0058】
また、図21の偏向荷重Fに直交する方向の成分を有する偏向荷重が入力された場合、第1補強部としての補セル壁31の端部が、その偏向荷重に正対して逐次圧壊を生じることによりエネルギーを吸収するという作用・効果も得ることができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態に係るハニカム様構造体及びその集合体について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、ハニカム様構造体1,10,10A,10B,20の主セル壁3は、単層のプリプレグにより形成される場合について説明したが、複数層のプリプレグにより形成されていてもよい。これと同様に、ハニカム様構造体1の補強壁4、ハニカム様構造体10の補セル壁12、ハニカム様構造体10Aの補セル壁19、ハニカム様構造体10Bの補セル壁31、及びハニカム様構造体20のフランジ22についても、複数層のプリプレグにより形成されていてもよい。
【0060】
また、上記第5実施形態のハニカム様集合体30では、複数のハニカム様構造体10Bは、第2実施形態のハニカム様構造体10と略同様の構成を有することとしたが、第4実施形態のハニカム様構造体20と同様にフランジ22と主壁21とを備えたサンドイッチ構造であってもよい。
【0061】
また、上記第5実施形態のハニカム様集合体30では、複数のハニカム様構造体10Bが格子状に並設される場合について説明したが、千鳥状にずらして配置されてもよい。さらにまた、ハニカム様集合体30のハニカム様構造体10Bは、凹凸状のプリプレグを接合して形成された複数のセル部2を備える場合に限られず、四角柱状の成形コアの外周面にプリプレグを被膜すること等により形成される単一のセル部から構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1,10,10A,10B,20…ハニカム様構造体、3P…プリプレグ、4…補強壁(第1補強部)、6…プリプレグ、12,19,31…補セル壁(第2補強部)、12A,19A…補セル壁端部(第1補強部)、21…主壁(端板)、22…フランジ(フランジ部)、30…ハニカム様集合体(ハニカム様構造体の集合体)、32…中間弾性膜(中間弾性部材)、33…被膜弾性膜(被膜弾性部材)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹凸状のプリプレグの凸部同士を接合してなるハニカム様構造体であって、
接合した凸部同士の側面に設けられた第1補強部を備えることを特徴とするハニカム様構造体。
【請求項2】
前記第1補強部は、前記接合した凸部同士の側面の全面に亘って設けられている請求項1記載のハニカム様構造体。
【請求項3】
前記第1補強部は、エネルギー吸収部材により形成されている請求項1又は2記載のハニカム様構造体。
【請求項4】
前記凸部の延在方向の端部には、当該端部を覆う端板に接合されるフランジ部が設けられている請求項1〜3のいずれか一項記載のハニカム様構造体。
【請求項5】
前記接合した凸部同士の側面に直交する方向に沿って、エネルギー吸収部材により形成された第2補強部が設けられている請求項1〜4のいずれか一項記載のハニカム様構造体。
【請求項6】
請求項5記載のハニカム様構造体が前記凸部の延在方向に直交する方向に複数並設されてなるハニカム様構造体の集合体であって、
前記ハニカム様構造体同士の間に挟まれた中間弾性部材と、
複数並設されて纏められたハニカム様構造体の外周を覆う被膜弾性部材と、を備えたことを特徴とするハニカム様構造体の集合体。
【請求項1】
凹凸状のプリプレグの凸部同士を接合してなるハニカム様構造体であって、
接合した凸部同士の側面に設けられた第1補強部を備えることを特徴とするハニカム様構造体。
【請求項2】
前記第1補強部は、前記接合した凸部同士の側面の全面に亘って設けられている請求項1記載のハニカム様構造体。
【請求項3】
前記第1補強部は、エネルギー吸収部材により形成されている請求項1又は2記載のハニカム様構造体。
【請求項4】
前記凸部の延在方向の端部には、当該端部を覆う端板に接合されるフランジ部が設けられている請求項1〜3のいずれか一項記載のハニカム様構造体。
【請求項5】
前記接合した凸部同士の側面に直交する方向に沿って、エネルギー吸収部材により形成された第2補強部が設けられている請求項1〜4のいずれか一項記載のハニカム様構造体。
【請求項6】
請求項5記載のハニカム様構造体が前記凸部の延在方向に直交する方向に複数並設されてなるハニカム様構造体の集合体であって、
前記ハニカム様構造体同士の間に挟まれた中間弾性部材と、
複数並設されて纏められたハニカム様構造体の外周を覆う被膜弾性部材と、を備えたことを特徴とするハニカム様構造体の集合体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−110842(P2011−110842A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270053(P2009−270053)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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