説明

ハロゲンを含有しない高可撓性の難燃性熱可塑性ケーブル混合物

成分Aとして少なくとも1つの熱可塑性ポリマーと、成分Bとして、>40重量%の酢酸ビニル含有量を有する少なくとも1つのC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーと、成分Aとは異なる成分Cとして、エチレンおよび少なくとも1つのC−C−オレフィンをベースとした、メタロセン触媒作用によって生成された少なくとも1つのプラストマーと、成分Dとして、不飽和カルボン酸でまたはその誘導体で改質された少なくとも1つのポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーと、成分Eとして少なくとも1つの難燃剤と、また、場合により1つまたは複数のさらなる補助剤および添加剤とを含む組成物、本発明の組成物を製造するための方法、ケーブルまたは電線のための絶縁材料または外装材料としての本発明の組成物の使用、本発明の組成物を含むケーブルまたは電線のための絶縁材料または外装材料、そしてまた本発明の組成物を含むケーブルまたは電線。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成分Aとして少なくとも1つの熱可塑性ポリマーと、成分Bとして、>40重量%の酢酸ビニル含有量を有する少なくとも1つのC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーと、成分Aとは異なる成分Cとして、エチレンおよび少なくとも1つのC−C−オレフィンをベースとした、メタロセン触媒作用によって生成された少なくとも1つのプラストマーと、成分Dとして、不飽和カルボン酸でまたはその誘導体で改質された少なくとも1つのポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーと、成分Eとして少なくとも1つの難燃剤と、そしてまた、場合により1つまたは複数のさらなる補助剤および添加剤とを含む組成物、本発明の組成物を製造するための方法、ケーブルまたは電線のための絶縁材料または外装材料としての本発明の組成物の使用、本発明の組成物を含むケーブルまたは電線のための絶縁材料または外装材料、そしてまた、本発明の組成物を含むケーブルまたは電線に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルおよび電線は多種多様な用途において、例えば電気通信分野において、自動車産業分野において、他の産業においておよび家庭において、海上輸送において、鉄道用、軍事分野において、および海洋探査分野において使用されている。ケーブルおよび電線から必要とされる使用特性は、絶縁および外装などの他の保護被覆用の材料の選択に不可欠である。特に本質的な基準は、適した絶縁材料および外装材料の十分な運用安全性および運用寿命、環境適合性、および選択のためのコストなどの基準である。
【0003】
運用安全性に関して、導体の正確な選択と共に他の本質的な要因の1つは、絶縁の電気的性質である。
【0004】
運用寿命(使用可能状態の寿命)の観点から、絶縁材料および外装材料の選択に関連する要因の例は、使用温度および他の使用条件、例えば曲げ(低温における曲げなど)による機械荷重、(ホットセット試験によって定量された)熱膨脹挙動、(例えば様々な自動車部品の配線においてまたは電気機器を自動車に設置する時の)有機炭化水素、例えば油脂や紫外線による化学的作用、そしてまた、耐老化性である。
【0005】
環境適合性に関して、特に再利用可能性、ハロゲンを含有しないこと、および燃焼時の性質に要求条件が課せられる。
【0006】
適した材料の費用面からの選択において考慮されなければならない要因は、購入費や特定材料の使用だけでなく、加工費および資本的支出費もある。
【0007】
ポリ塩化ビニル(PVC)は、ケーブル産業において最も重要な絶縁材料および外装材料である。PVCは、可塑剤、安定剤、充填剤、および潤滑剤を用いることによって広範囲の用途のために改良され得る。しかしながら、PVCは高い誘電損率を有するだけでなく、燃焼の場合に不利に機能する。PVCは低い燃焼性を有するが、燃焼時に発生した高レベルの煙は問題が多く、そしてまた、塩素の脱離によって生じた腐蝕性ガスである。
【0008】
従って、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、そしてまた、相当する架橋ポリマーなどのハロゲンを含有しない熱可塑性材料は、ケーブル産業においてPVCの他に絶縁材料および外装材料としてかなり重要になっている。しかしながら、ポリエチレン(PE)またはエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)などのハロゲンを含有しない熱可塑性材料はそれら自体、一般に十分な難燃性を有さない。従って、ケーブルまたは電線のための絶縁材料または外装材料として使用される時に前記ハロゲンを含有しない熱可塑性材料に難燃剤を供給することが必要である。通常に使用された難燃剤は、水酸化アルミニウム(ATH(酸化アルミニウム三水和物とも呼ばれる))または水酸化マグネシウム(MDH)などのハロゲンを含有しない難燃剤である。これらのハロゲンを含有しない難燃剤が有効であるように、多量の同難燃剤が一般に熱可塑性材料に添加される。前記難燃剤は、ハロゲンを含有しない本質的に無極性である通常に使用された熱可塑性材料との相溶性を有さないかまたは不十分にしか有さず、前記難燃剤を供給された、ポリエチレン(PE)および/またはエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)などの熱可塑性材料をベースとした組成物は通常、低い強度および可撓性、不十分な加工性質、例えば不十分な混和性および押出適性、そしてまた不十分な難燃性を有する。
【0009】
先行技術は、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムなどのハロゲンを含有しない難燃剤を多量で使用することによって上述の不利な点を回避する多数の試みを開示している。
【0010】
例として、(特許文献1)は、成形品において使用するために、特に線材料のためのコーティング材料として使用するために架橋処理を必要としない難燃性樹脂組成物に関する。前記組成物は、エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー(a−1)および/またはエチレンと(メタ)アクリレートとのコポリマー(a−2)0〜90重量%と、不飽和カルボン酸でまたは同不飽和カルボン酸の誘導体で改質されたポリオレフィン(b−1)および/またはエチレンと(メタ)アクリル酸とのコポリマー(b−2)3〜45重量%と、コポリマー成分(c)として(メタ)アクリル酸を含むアクリルゴム5〜50重量%と、ポリプロピレン(d)0〜45%とを含有する樹脂成分(A)を含む。組成物は、樹脂成分(A)の100重量部に基づいて水酸化マグネシウム100〜300重量部をさらに含む。難燃剤組成物は、すぐれた難燃性、すぐれた機械的性質、すぐれた可撓性、すぐれた研磨耐性、およびすぐれた耐熱性を有することが意図される。(特許文献1)によって、有利な性質を達成するために、(特許文献1)の組成物の必須成分、すなわち成分(b−1)および/または(b−2)または成分(c)が、権利請求された比較範囲内であることは不可欠である。
【0011】
(特許文献2)には、a)低い弾性率を有するオレフィンコポリマーまたはそれぞれオレフィンターポリマー5〜60重量%(そこにおいてコポリマーまたはターポリマーの3〜20重量%はカルボン酸コモノマーからなる)と、b)オルガノポリシロキサン1〜15重量%と、c)PTEの、I族、II族、またはIII族の金属の金属酸化物水和物を含む難燃剤添加剤20〜85重量%とを含む難燃剤組成物が開示されている。(特許文献2)によって、低い弾性率を有するポリマーおよびエラストマーの使用により、先行技術よりも改良された引張および曲げ強さを有する組成物をもたらし、真空成形のために適した完成品を製造する。
【0012】
(非特許文献1)は、煙の発生が低レベルでありポリオレフィンエラストマーおよびエチレン酢酸ビニル混合物をベースとしているハロゲンを含有しない薄肉ケーブル絶縁およびハロゲンを含有しない難燃性ケーブル外装の開発に関する。Naskarらにおいて使用された混合物は例えば(混合物SH−11)ポリオレフィンエラストマー(これは、エチレンとn−オクテンとのコポリマーを含有する)と、28重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーと、45重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーと、そしてまた、難燃剤として三水酸化アルミニウム(ATH)と、そしてまた、架橋剤としてジクミルペルオキシドとトリアリルシアヌレートとの組み合せと、官能化試薬としてビニルシランとを含む。
【0013】
(非特許文献2)は、LDPEとエチレン酢酸ビニルとから製造された混合物の機械的および熱的性質に関し、これらは、ケーブルおよび線材のための絶縁材料として使用するために、ジクミルペルオキシドによって、そしてまた、イオン照射によって、両方で架橋される。
【0014】
組成物は、LDPEおよびエチレン酢酸ビニルコポリマーの他に、共添加剤、とりわけ無水マレイン酸グラフトポリエチレンおよびビニルシランを含むと共にさらに難燃剤としてポリリン酸アンモニウムを含む架橋組成物を含有する。
【0015】
上述の先行技術から、ケーブルまたは電線のための絶縁材料または外装材料として適した組成物の製造は、釣合いのとれた特性プロファイルを有する組成物を得るために、添加剤の全て、特に、使用された多量の極性難燃剤が、使用されたポリマーと相溶性であることを必要とすることは明らかである。先行技術に記載された組成物の特性プロファイルはさらに、特に、高い充填剤含量においての機械的性質に関して不十分であり、例は室温および室温未満の低温の両方において、そしてまた、老化後の引張強さおよび破断点伸び、および硬度(ショアーAおよびショアーD)であり、粘度に対して、また、難燃性に対して不十分である。さらに、提供された組成物が高い可撓性を有するだけでなく有機炭化水素に対する非常に良い耐性、特に耐油性を有することは、自動車分野において、また、造船において、そして海洋探査において使用されたケーブルのための絶縁材料および外装材料として特に使用するために、不可欠である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開第2006/068309号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第A0333514明細書
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】K. Naskarら著、Journal of Applied Polymer Science、vol.104,2839〜2848ページ(2007年)
【非特許文献2】A.A.Basfarら、Journal of Applied Polymer Science、vol.107、642〜649ページ(2008年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って、架橋せずに、ケーブルまたは電線のための絶縁材料および外装材料として使用可能であり、高い可撓性、良い難燃性、および有機炭化水素に対するすぐれた耐性、また良い加工性を有する組成物を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的は、
a)成分Aとして、C−C−α−オレフィンをベースとしたホモポリマーおよびC−C−α−オレフィンをベースとした、および前者のC−C−α−オレフィンとは異なった他のC−C−α−オレフィンをベースとしたコポリマー、C−C−アルキルアクリレート、またはC−C−アルキルメタクリレート、またはアクリル酸、メタクリル酸、または酢酸ビニルをベースとしたコポリマー(コポリマー中の酢酸ビニル含有量は≦40重量%である)、またはそれらの混合物をベースとしたコポリマー(特に好ましいのは≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有するC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーである)、もしくはポリエチレン、好ましくはLLDPEと≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有するC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーとの混合物(≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有する使用されたC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーは好ましくは、≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーを含める)から特に好ましくは選択された、少なくとも1つの熱可塑性ポリマー、好ましくは少なくとも1つのポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーと、
b)成分Bとして、>40重量%、好ましくは45〜98重量%の酢酸ビニル含有量を有する、特に好ましくは、(i)40〜60重量%、好ましくは40〜50重量%の酢酸ビニル含有量を有するか、または(ii)50〜90重量%、特に70〜85重量%の酢酸ビニル含有量を有する少なくとも1つのC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマー(C−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーは好ましくはエチレン酢酸ビニルコポリマーを含める)と、
c)成分Aとは異なる成分Cとして、エチレンおよび少なくとも1つのC−C−オレフィンをベースとした、特に好ましくはエチレンとオクテン、エチレンとヘキセン、またはエチレンとブテンとをベースとした、非常に特に好ましくはエチレンと1−オクテンとをベースとした、メタロセン触媒作用によって生成された少なくとも1つのプラストマーと、
d)成分Eとして、不飽和カルボン酸でまたはその誘導体で改質された少なくとも1つのポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーであって、カルボキシル化化合物でグラフトされたポリエチレンおよび特に好ましくはエチレン酢酸ビニルコポリマーを含める、カルボキシル化化合物でグラフトされたC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマー、特に好ましくは無水マレイン酸グラフトLLDPE(MALLDPE)または好ましくは>40重量%、特に好ましくは45〜98重量%、特に好ましくは45〜80重量%の酢酸ビニル含有量を有する、無水マレイン酸グラフトC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマー(C−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーが好ましくはエチレン酢酸ビニルコポリマー(MAEVM)を含める)から好ましくは選択された、少なくとも1つのポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーと、
e)成分Eとして少なくとも1つの難燃剤、好ましくは少なくとも1つの無機難燃剤、特に好ましくは水酸化アルミニウム(ATH)、水酸化マグネシウム(MDH)、炭酸マグネシウムおよび/またはヒドロキシ炭酸アルミニウムナトリウム、およびハイドロタルサイト、非常に特に好ましくは水酸化アルミニウム(ATH)および/または水酸化マグネシウム(MDH)と、
f)場合により、成分Fとして1つまたは複数のさらなる補助剤および/またはさらなる添加剤とを含む組成物によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物のメルトフローインデックス(MFI)を示す。
【図2】MA_g_EVMを用いて製造された組成物のメルトフローインデックスを示す。
【図3】MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の引張強さを示す。
【図4】MA_g_EVMを用いて製造された組成物の引張強さを示す。
【図5】MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の破断点伸びを示す。
【図6】MA_g_EVMを用いて製造された組成物の破断点伸びを示す。
【図7】MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の硬度を示す。
【図8A】MA_g_EVMを用いて製造された組成物の硬度を示す。
【図8B】MA_g_EVMを用いて製造された組成物の硬度を示す。
【図9】4時間70℃においてN°902油に浸漬した時、MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の挙動を示す。
【図10】4時間70℃においてN°902油に浸漬した時、MA_g_EVMを用いて製造された組成物の挙動を示す。
【図11】MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の酸素指数(極限酸素指数、LOI)を示す。
【図12】MA_g_EVMを用いて製造された組成物の酸素指数(極限酸素指数、LOI)を示す。
【図13】MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の−15℃における破断点伸びを示す。
【図14】MA_g_EVMを用いて製造された組成物の−15℃における破断点伸びを示す。
【図15】MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の10日間100℃における熱空気老化を示す。
【図16】MA_g_EVMを用いて製造された組成物の10日間100℃における熱空気老化を示す。
【図17】組成物C5の−15℃における引張強さ曲線を示す。
【図18】組成物CA、C1、C2およびC4の−15℃における引張強さ曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の組成物は、特に、多量の難燃剤の存在下において、釣合いのとれた特性プロファイルを特徴とし、すなわちそれらは、室温においてそして低温においても両方で引張強さおよび破断点伸びの良い値から明らかである良い可撓性を有し、良い難燃性の性質、例えば煙の低濃度、低発熱率、低い質量損失率、低いCO/CO比、高い極限酸素指数(LOI)、良い加工性質、例えば高いメルトフローインデックス(MFI)、および低い硬度、有機炭化水素に対する十分な耐性、特に良い耐油性、そしてまた良い老化性質を有し、例えば熱空気老化後の性質の変化がほとんどない。成分A、B、C、およびDと難燃剤Eとの特定の組み合せはここでは必須であり、成分Bはここで、成分CおよびDと共同で熱可塑性ポリマーAと難燃剤Eとの間の相溶化剤として作用する。本発明の組成物において成分A、CおよびEおよび場合によりFと一緒に成分Bを使用することによって、組成物の以下の性質:可撓性、使用された成分の相溶性、難燃性の性質、そしてまた有機炭化水素に対する耐性を改良することができる。
【0022】
本出願において、C−C−α−オレフィンは当業者に公知のC−C−α−オレフィンの全てである。C−C−α−オレフィンは好ましくは、エチレン、プロピレン、ブチレン、特にn−ブチレンおよびイソブチレンからなる群から選択されるC−C−α−オレフィンである。好ましいC−C−α−オレフィンはエチレンおよびプロピレンであり、ここではC−C−α−オレフィンとしてエチレンが特に好ましい。
【0023】
本発明の目的のために、用語「ハロゲンを含有しない」は、本発明の組成物におよび本発明の組成物の個々の成分の両方に存在するハロゲンの量が、不純物に相当する量を超えないことを意味する。従って、本発明の組成物のハロゲン含有量およびそれぞれ、成分A〜Eと場合によりFとのハロゲン含有量は、組成物の全重量に基づいておよびそれぞれ、各成分に基づいて一般に0〜5重量%、好ましくは0〜3重量%、特に好ましくは0〜1重量%である。
【0024】
成分A:少なくとも1つの熱可塑性ポリマー
ハロゲンを含有しない熱可塑性ポリマーがAとして用いられる。これは好ましくは、ポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーを含める。適したポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーは特に好ましくは、C−C−α−オレフィンをベースとしたホモポリマーおよびC−C−α−オレフィンをベースとした、および前者のC−C−α−オレフィンとは異なった他のC−C−α−オレフィンをベースとしたコポリマー、C−C−アルキルアクリレート、またはC−C−アルキルメタクリレート、またはアクリル酸、メタクリル酸、または酢酸ビニルをベースとしたコポリマー(コポリマー中の酢酸ビニル含有量は≦40重量%である)、またはそれらの混合物をベースとしたコポリマーから選択されるホモポリマーまたはコポリマーである。「それらの混合物」という表現は、C−C−α−オレフィンと上述のコモノマーとをベースとしたコポリマーのなかで、C−C−α−オレフィンとして使用されたモノマー成分の他に1つ、2つ以上の他の異なったモノマー成分を有することができるコポリマーもあることを意味する。
【0025】
特に好ましい成分Aは、ポリエチレン(PE)、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、非常に低密度のポリエチレン(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、および高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有するC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマー、例えば≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレン−エチルアクリレートコポリマー(EEA)、エチレン−ブチルアクリレートコポリマー(EDA)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−(メタ)アクリレートコポリマー、および上述のポリマーの混合物である。以下が成分Aとして用いられるのが特に好ましい:≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有するC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマー、例えば≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーの他、ポリエチレン、例えばLLDPEと、≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有するC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマー、例えば≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーとを含む混合物。ポリエチレンとC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーとを含む混合物が用いられるとき、ポリエチレンの含有量は一般に10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%であり、≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有するC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーの含有量は一般に10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%であり、そこにおいてポリエチレンとC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーとの総計は100重量%である。
【0026】
成分Aとして用いられた熱可塑性ポリマーは当業者には公知であり、当業者に公知のいずれの望ましい方法によって製造されてもよく、もしくは市販されている。
【0027】
1つの非常に特に好ましい実施態様において、成分Aは、≦40重量%、好ましくは15〜≦40重量%、特に好ましくは20〜35重量%、非常に特に好ましくは20〜30重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマー、LLDPEと≦40重量%、好ましくは15〜≦40重量%、特に好ましくは20〜35重量%、非常に特に好ましくは20〜30重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーとの混合物から選択され、エチレン酢酸ビニルコポリマー中のエチレンと酢酸ビニルとの総計(entirely)は100重量%である。
【0028】
成分B
成分Bは>40重量%の酢酸ビニル含有量を有する少なくとも1つのC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーを含める。成分Bは、本質において無極性である成分Aと、通常極性である難燃剤(成分E)との間の相溶化剤として作用するので、本発明の組成物において必須である。成分Bとして用いられたC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーは好ましくは45〜98重量%、特に好ましくは(i)40〜60重量%、好ましくは40〜50重量%、または(ii)50〜90重量%、特に70〜85重量%のどちらかの酢酸ビニル含有量を有する。本出願のこの酢酸ビニル含有量のデータは常にエチレン酢酸ビニルコポリマー中のエチレン単位と酢酸ビニル単位との合計量に基づいており、それは100重量%である。これは成分B中のエチレン含有量が≦60重量%、好ましくは2〜55重量%、特に好ましくは(i)40〜60重量%、好ましくは50〜60重量%、または(ii)10〜50重量%、特に15〜30重量%のどちらかであることを意味する。
【0029】
成分Bとして用いられたC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーは、C−C−α−オレフィンおよび酢酸ビニルをベースとしたモノマー単位の他に1つまたは複数のさらなるコモノマー単位を有することができ(例はターポリマーである)、例はビニルエステルおよび/または(メタ)アクリレートをベースとした材料である。さらなるコモノマー単位の存在する比率は、実際にさらなるコモノマー単位が成分Eに存在する場合、C−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーの全重量に基づいて10重量%以下であり、C−C−α−オレフィンに基づくモノマー単位の比率は相応して低減される。1つの好ましい実施態様において、成分Bとして用いられたC−C−オレフィン酢酸ビニルコポリマーは、さらなるモノマー単位を有さない。C−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーは、特に非常に好ましくは、エチレン酢酸ビニルコポリマーを含める。
【0030】
成分Bとして用いられた、>40重量%の酢酸ビニル含有量を有するC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーは例として、100〜700バールの圧力において、好ましくは100〜400バールの圧力において溶液重合法によって製造され得る。溶液重合法は好ましくは50〜150℃の温度において実施され、フリーラジカル開始剤が一般にここでは使用される。溶液重合法によって製造された上述のC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーのための適した製造プロセスは、例として欧州特許出願公開第A0 341 499号明細書、欧州特許出願公開第A0 510 478号明細書および独国特許出願公開第A38 25 450号明細書に記載されている。上述の溶液重合法によって製造されたC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーは特に、低い枝分れ度、従って低い粘度を特徴とする。さらに、前記C−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーは、他のプロセスによって製造されたC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーよりも均一な統計分布のそれらの単位(C−C−α−オレフィンと酢酸ビニル)を有する。
【0031】
成分Bとしての使用が特に好ましい、>40重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーは通常はEVMコポリマーと呼ばれるが、この用語の「M」はEVMの飽和メチレン主鎖を示す。
【0032】
成分Bとして用いられるのが好ましいエチレン酢酸ビニルコポリマーのMFI値(g/10分)は一般に、133〜190℃において21.1Nの負荷でISOによって測定されたとき、1〜40、好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜6である。記載されたC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーのMooney粘度、DIN 53 523によって100℃におけるML1+4は一般に3〜50、好ましくは4〜35、Mooney単位である。例として、成分Bとして用いられたエチレン酢酸ビニルコポリマーは、独国特許出願公開第A37 31 054号明細書において例として説明されているように、75〜98重量%の酢酸ビニル含有量、<0.5重量%のゲル含有量、および>150000の重量平均分子量を有することができる。
【0033】
成分Bとして適したエチレン酢酸ビニルコポリマーの例はLanxess Deutschland GmbHから商標Levapren(登録商標)またはLevamelt(登録商標)で市販されている。好ましくはこれらにはLevapren(登録商標)450、Levapren(登録商標)452、Levapren(登録商標)456、Levapren(登録商標)500、Levapren(登録商標)600、Levapren(登録商標)700、Levapren(登録商標)800およびLevapren(登録商標)900、または相当するLevamelt(登録商標)製品などのエチレン酢酸ビニルコポリマーが挙げられる。
【0034】
成分C
エチレンおよび少なくとも1つのC−C−オレフィンをベースとした、メタロセン触媒作用によって生成された少なくとも1つのプラストマーは、成分Aとは異なる成分Cとして使用される。成分Bの他に、成分Cも本発明の組成物の必須の成分であり、改良された加工性および本発明の組成物の釣合いのとれた特性プロファイルに寄与する。成分Cとして用いられたプラストマーはランダムエチレンコポリマーである。ランダムエチレンコポリマー中のC−C−オレフィンの含有量は、メタロセン触媒系をベースとした単一活性中心(unitary active center)を有する触媒によってポリマー鎖中のコモノマーの特定の配列によって制御される(例えば、欧州特許第0 416 815号明細書、米国特許第5,703,187号明細書、および米国特許第5,872,201号明細書を参照のこと)。エチレンコモノマー中のコモノマーとしてC−C−オレフィンの含有量は一般に5〜50重量%、好ましくは10〜35重量%である。
【0035】
成分Cとして用いられたエチレンコポリマーを製造するためのモノマーとして役立つ適したC−C−オレフィンは好ましくは、オクテン、ヘキセン、およびブテンから選択されるモノマーであり、ここでは1−オクテンが特に好ましい。従って、成分Cはエチレンと1−オクテンとをベースとした、メタロセン触媒作用によって生成されたプラストマーを含めることが特に非常に好ましく、そこにおいてコポリマー中の1−オクテン単位の含有量は一般に、100重量%であるコポリマー中のエチレン単位と1−オクテン単位との総計に基づいて5〜50重量%、好ましくは10〜35重量%である。成分Cを当業者に公知である方法によって製造することができ(欧州特許第0 416 815号明細書、米国特許第5,703,187号明細書、および米国特許第5,872,201号明細書を参照のこと)、または例えばDSM/Exxon Mobil Chemical Joint Ventureから商標Exact(登録商標)0210で市販されている。
【0036】
成分D
成分Dは、不飽和カルボン酸でまたはその誘導体で改質された少なくとも1つのポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーを含める。成分Dも、この成分も本質において無極性である熱可塑性ポリマー(成分A)と、一般に極性である難燃剤(成分E)との間の相溶性の改良に寄与するので、本発明の組成物において必須である。
【0037】
成分Dを提供するために不飽和カルボン酸でまたはその誘導体で改質される適したポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーは、成分Aとして記載されたホモポリマーまたはコポリマーである。成分Aとして記載されたホモポリマーまたはコポリマーの他に、本出願において成分Bとして用いられるとき、>40重量%の含有量を有するC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーを使用することも可能である。
【0038】
不飽和カルボン酸でまたはその誘導体で改質されたポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーは特に、不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされた相当するポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーである。
【0039】
特に好ましいのは、ポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーがポリエチレン、好ましくはLLDPEを含めるか、または好ましくは>40重量%、特に好ましくは45〜98重量%、非常に特に好ましくは45〜80重量%の酢酸ビニル含有量を有するC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーを含めることであり、好ましくは>40重量%、特に好ましくは45〜98重量%、非常に特に好ましくは45〜80重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーを含めることが好ましい。
【0040】
適した不飽和カルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、およびそれらの混合物である。不飽和カルボン酸の誘導体の例は、上述の酸のエステルおよび無水物であり、これらのなかで特に適した化合物は、アクリル酸のエステル、メタクリル酸のエステル、マレイン酸のモノエステル、マレイン酸のジエステル、無水マレイン酸、イタコン酸のモノエステル、イタコン酸のジエステル、無水イタコン酸、フマル酸のモノエステル、フマル酸のジエステル、およびそれらの混合物である。無水マレイン酸を使用することが特に好ましい。
【0041】
従って、成分Dは好ましくは、カルボキシル化化合物で、特に無水マレイン酸でグラフトされたポリエチレンを含み、特に、LLDPE(MA_g_LLDPE)を含めるか、またはカルボキシル化化合物で、特に無水マレイン酸でグラフトされ、>40重量%の酢酸ビニル含有量を有するC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーを含み、>40重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマー(MA_g_EVM)が好ましい。
【0042】
成分Dの適した製造プロセスは当業者には公知である。ポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーの改質(グラフト)は、例として、有機過酸化物の存在下でポリオレフィンホモポリマーまたは不飽和カルボン酸とのまたはその誘導体とのコポリマーの加熱および混練によって実施されてもよい。不飽和カルボン酸によるまたはその誘導体による改質(グラフト)度は一般に、成分Dの全重量に基づいて0.5〜15重量%である。
【0043】
例として、無水マレイン酸グラフトLLDPEは成分Dとして適しており、例としてDupontから商標Fusabond(登録商標)EMB−226DYで得られ、別の適した材料は、45±1.5重量%の酢酸ビニル含有量を有する無水マレイン酸改質エチレン酢酸ビニルコポリマーであり、例としてLanxess Deutschland GmbHから商標Levamelt(登録商標)MA450VPで市販されている。
【0044】
成分E
少なくとも1つの難燃剤が本発明の組成物において成分Eとして用いられる。本発明の組成物はハロゲンを含有しないので、これは好ましくは、ハロゲンを含有しない難燃剤を必要とする。ハロゲンを含有しない難燃剤は好ましくは少なくとも1つの無機難燃剤である。適した無機難燃剤は当業者には公知である。好ましい無機難燃剤は水酸化アルミニウム(三酸化アルミニウム水和物(ATH)とも呼ばれる)、水酸化マグネシウム(MDH)、炭酸マグネシウム、および/またはヒドロキシ炭酸アルミニウムナトリウム、およびハイドロタルサイトである。
【0045】
以下は、本発明の組成物おいて成分Eとして用いられるのが特に好ましい:水酸化アルミニウム(ATH)、水酸化マグネシウム(MDH)および/または炭酸マグネシウム、および非常に特に好ましくは水酸化アルミニウム(ATH)および/または水酸化マグネシウム(MDH)。適した難燃剤は当業者には公知であり、通常に市販されている。使用されるのが好ましい上述の難燃剤の水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムは、一般に市販されている未処理の形態で使用されてもよく、または表面処理をされてもよい。表面処理の例には、脂肪酸による処理、リン酸による処理、チタネートによる処理、およびシランカップリング剤による処理、例えば以下の1つ:末端ビニル基、メタクリロキシ基、グリシジル基、またはアミノ基を有するシランによる処理などがある。ここでは水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムの表面処理は例として、当業者に公知である方法によって水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを適切な処理組成物と混合することによって実施され得る。シランカップリング剤で処理された水酸化マグネシウムは例としてKyowa Chemical Industry Co.,Ltd.から商品名Kisuma 5L、Kisuma 5N、およびKisuma 5P、TMG CorporationからFinemag MO−EおよびAlbemarleからMagnefin H5Aで市販されている。
【0046】
適した(未処理)水酸化アルミニウム(ATH)の例は、Nabaltecから商標Apyral(登録商標)40CDで入手可能である水酸化アルミニウムである。適した炭酸マグネシウムの例はNuovasimaから商標Magfy(登録商標)で入手可能である。
【0047】
充填剤の比表面積(BET表面績)は一般に<30m/gであり、好ましくは1〜15m/gである。水酸化アルミニウム(ATH)の比表面積は特に好ましくは3〜8m/gであり、水酸化マグネシウム(MDH)の比表面積は特に好ましくは4〜8m/gである。
【0048】
成分F
本発明の組成物は場合により成分Fとして1つまたは複数のさらなる補助剤および/または添加剤を含むことができる。適した補助剤および添加剤は基本的には当業者に公知である。
【0049】
適した補助剤および添加剤の例は本発明の組成物の難燃性をさらに改良することができる物質であり、例を挙げるとメラミンシアヌレート化合物があり、これらは例としてMitsubishi Chemical,Corp.から商品名MCA−0およびMCA−1で入手可能、またはNissan Chemical Industries,Ltd.から商品名MC640およびMC610で入手可能であり、スズ酸亜鉛、ヒドロスズ酸亜鉛またはホウ酸亜鉛については、ホウ酸亜鉛は例としてMizusawa Industrial Chemicals,Ltd.から商品名Alcanex FRC−500(2ZnO/3B−3.5HO)およびFRC−600で入手可能であり、スズ酸亜鉛(ZnSnO)およびヒドロスズ酸亜鉛(ZnSn(OH))は例としてMizusawa Industrial Chemicals, Ltd.から商品名Alcanex ZSおよびAlcanex ZHSで入手可能である。
【0050】
本発明の組成物は、例として酸化防止剤、金属不活性化剤、難燃剤補助剤、充填剤、また、潤滑剤をさらに含むことができる。
【0051】
適した酸化防止剤の例は、アミン基の酸化防止剤、例えば4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンポリマー;フェノール基の酸化防止剤、例えばペンタエリスリチルテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン;硫黄基の酸化防止剤、例えばビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィット、2−メルカプトベンゾイミダゾール、およびそれらの亜鉛塩、そしてまた、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ドデシル−チオプロピオネート)である。
【0052】
適した金属不活性化剤の例はN,N’−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オキサミドビス(エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)である。
【0053】
難燃剤補助剤、そしてまた、充填剤の例は、カーボンブラック、粘土、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化アンチモン(III)、ケイ素化合物、石英、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、および「ホワイト」カーボンである。1つの好ましい実施態様において、本発明の組成物は、成分A〜Eの他に、成分Fとして炭酸カルシウムを含む。本発明の組成物において使用可能な炭酸カルシウムは例として、例えばVK Damman KGから商標Mikrosoehl(登録商標)で入手可能な微粒子炭酸カルシウムである。
【0054】
適した潤滑剤の例は、炭化水素基、脂肪酸基、脂肪酸アミド基、エステル基、アルコール基、また、金属石鹸基の潤滑剤であり、エステル基、アルコール基、および金属石鹸基の潤滑剤がここでは好ましい。ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、そしてまた、ステアリン酸マグネシウムおよび脂肪酸アミドが、潤滑剤としてさらに適している。
【0055】
また、本発明の組成物は、さらなる添加剤としてポリシロキサン、特にポリジメチルシロキサンを含むことができる。適したポリジメチルシロキサンは、例としてWackerから商標Genioplast(登録商標)SPで入手可能である。ポリジメチルシロキサンPDMSマスターバッチがここに含まれる。別の好ましい実施態様において、本発明の組成物は成分A〜Eの他に、成分Fとして、少なくとも1つのポリシロキサン、特にポリジメチルシロキサンを含む。本発明の組成物は、成分A〜Eの他に、成分Fとして、炭酸カルシウムと少なくとも1つのポリシロキサン、特にポリジメチルシロキサンとの両方を含むことがさらに好ましい。
【0056】
1つの好ましい実施態様において、従って、本発明は、以下の成分:
a)成分Aとして、≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有する少なくとも1つのC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマー、または≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有する少なくとも1つのC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマー、好ましくは、≦40重量%、好ましくは15〜≦40重量%、特に好ましくは20〜35重量%、非常に特に好ましくは20〜30重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーとポリエチレンとを含む混合物、もしくは≦40重量%、好ましくは15〜≦40重量%、特に好ましくは20〜35重量%、非常に特に好ましくは20〜30重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーとLLDPEとから製造された混合物と、
b)成分Bとして、45〜98重量%の酢酸ビニル含有量を有する、好ましくは、(i)40〜60重量%、好ましくは40〜50重量%の酢酸ビニル含有量を有するか、または(ii)50〜90重量%、特に70〜85重量%を有する少なくとも1つのエチレン酢酸ビニルコポリマーと、
c)成分Cとして、メタロセン触媒作用によって生成された少なくとも1つのエチレン−1−オクテンコポリマーと、
d)成分Dとして、無水マレイン酸グラフトLLDPEまたは好ましくは>40重量%の酢酸ビニル含有量を有する無水マレイン酸グラフトエチレン酢酸ビニルコポリマーと、
e)成分Eとして、水酸化アルミニウム(ATH)、水酸化マグネシウム(MDH)、炭酸マグネシウムおよび/またはヒドロキシ炭酸アルミニウムナトリウムおよびハイドロタルサイト、好ましくは水酸化アルミニウム(ATH)、水酸化マグネシウム(MDH)、および/または炭酸マグネシウム、特に好ましくは水酸化アルミニウム(ATH)および/または水酸化マグネシウム(MDH)と、
f)場合により、成分Fとして、さらなる難燃剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、難燃剤補助剤、充填剤、潤滑剤、およびポリシロキサン、好ましくは炭酸カルシウムおよび/または少なくとも1つのポリシロキサン、特にポリジメチルシロキサンから選択される少なくとも1つの補助剤および/または添加剤とを含む組成物を提供する。
【0057】
本発明の組成物中に存在する成分Aの量は好ましくは、成分A〜Eと場合によりFとの合計量に基づいて10〜30重量%、特に好ましくは15〜25重量%、非常に特に好ましくは18〜24重量%である。
【0058】
本発明の組成物中に存在する成分Bの量は好ましくは、成分A〜Eと場合によりFとの合計量に基づいて3〜15重量%、好ましくは5〜13重量%、特に好ましくは7〜12重量%である。
【0059】
本発明の組成物中に存在する成分Cの量は好ましくは、成分A〜Eと場合によりFとの合計量に基づいて1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、特に好ましくは3〜5重量%である。
【0060】
本発明の組成物中に存在する成分Dの量は好ましくは、成分A〜Eと場合によりFとの合計量に基づいて1〜10重量%、特に好ましくは2〜8重量%、非常に特に好ましくは3〜5重量%である。
【0061】
本発明の組成物中に存在する成分Eの量は好ましくは、成分A〜Eと場合によりFとの合計量に基づいて40〜75重量%、特に好ましくは40〜70重量%、非常に特に好ましくは50〜65重量%である。
【0062】
本発明の組成物中に存在する成分Fの量は好ましくは、成分A〜Fの合計量に基づいて0〜25重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%、非常に特に好ましくは0.5〜15重量%である。
【0063】
従って、1つの特に好ましい実施態様において、本発明は、
a)成分Aを10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%、特に好ましくは18〜24重量%と、
b)成分Bを3〜15重量%、好ましくは5〜13重量%、特に好ましくは7〜12重量%と、
c)成分Cを1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、特に好ましくは3〜5重量%と、
d)成分Dを1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、特に好ましくは3〜5重量%と、
e)成分Eを40〜75重量%、好ましくは45〜70重量%、特に好ましくは50〜65重量%と、
f)成分Fを0〜25重量%、好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.5〜15重量%と
を含む本発明の上述の組成物を提供し、成分A〜Eと場合によりFとの総計が100重量%である。
【0064】
本発明の組成物を成分A〜Eと場合によりFとの混合によって当業者に公知である方法によって製造することができる。ここで混合物を例として25〜180℃、好ましくは40〜160℃の温度において成分A〜Eと場合によりFとの混合によって製造することができる。ここで混合を当業者に公知である適した装置のいずれかで、特に押出機で、好ましくは一軸スクリュー押出機で実施することができる。適した一軸スクリュー押出機の例はCopperion systemまたはBerstorf systemによって代表されるタイプの一軸スクリュー押出機である。
【0065】
本発明の組成物は、ハロゲンを含有しない難燃剤(HFFR)であり、加工して、そこでは防火が望ましい物品をもたらすことができるポリマー材料である。好ましくは本発明の組成物を用いてケーブルおよび電線のための絶縁材料または外装材料を製造する。
【0066】
従ってまた、本発明は、ケーブルまたは電線のための絶縁材料または外装材料としての本発明の組成物の使用を提供し、そしてまた、本発明の組成物を含むケーブルまたは電線のための絶縁材料または外装材料を提供する。適した電線は通常、導体(線材)と電気絶縁物とからなる電線である。また、導体は場合により、電気絶縁物の他に保護ケーシングとして外部層を有することができる。本発明の目的のための適したケーブルは、外装材料(被覆層(encasing layer))に入れられた導体のグループである。
【0067】
本発明の組成物を導体の第2の層の形態でまたはケーブルの被覆層の形態で電気絶縁物としてまたは外装材料(被覆層)としてのどちらかで使用することができる。前記層の全てに本発明の組成物を使用することも同様に可能である。本発明の組成物を外装材料(被覆層)として使用することが好ましい。
【0068】
本発明のケーブルまたは電線において用いられた導体(線材)のための適した材料は一般に銅またはアルミニウム、もしくは特定の場合、超伝導体であり、ここでは銅が特に好ましい。
【0069】
当業者は、本発明の組成物が使用されない場合に絶縁材料または外装材料として使用される適した材料を認識している。
【0070】
本発明は、本発明の組成物を含むケーブルまたは電線をさらに提供する。ケーブルまたは電線は例として、導体(線材)の周りまたは導体のグループの周りに本発明の組成物で押出コーティングすることによって製造され得る。
【0071】
導体(線材)の周りまたは導体のグループの周りに本発明の組成物から形成された層の厚さは一般に一切の制限を受けない。好ましい厚さの例は0.3〜3mmである。
【0072】
以下の実施例は本発明の説明をさらに提供する。
【実施例】
【0073】
1.使用された材料
EVA:Exxon Mobil Chemical製のEscorene(登録商標)UL00328(VA含有量:27重量%、メルトフローインデックス(MFI)3g/10分、密度:0.951g/cm
EVM:Lanxess Deutschland GmbH製のLevapren(登録商標)450 HV、800 HV(VA含有量:45+/−1.5重量%、メルトフローインデックス(MFI)(190℃/2.16kg):2.5g/10分、ML1+4/100℃:20+/−4MU、密度:0.99g/cm;およびVA含有量:80+/−1.5重量%、メルトフローインデックス(MFI)(190℃/2.16kg):4/10分、ML1+4/100℃:28+/−6MU、密度:1.11g/cm
マレイン酸改質LLDPE(MA_g_LLDPE):DuPont製のFusabond(登録商標)E MB−226DY(メルトフローインデックス(MFI)(190℃/2.16kg):1.5g/10分、密度:0.93g/cm
微細沈降ATH:Nabaltec製のApyral(登録商標)40CD(BET表面績:3.5m2/g、D50:1.3μm、密度:2.4g/cm
マレイン酸改質EVM(MA_g_EVM):Lanxess Deutschland GmbH製のLevamelt(登録商標)MA 450 VP(VA含有量:45+/−1.5重量%、メルトフローインデックス(MFI)(190℃/2.16kg):0.8g/10分、密度:1.05g/cm
安定剤:Ciba製のIrganox(登録商標)
ポリジメチルシロキサン:Wacker製のGenioplast(登録商標)S P PDMSマスターバッチ
微細炭酸カルシウム(CaCO):VK Damman KG製のMikrosoehl(登録商標)炭酸カルシウム(密度:2.7g/cm
EOC:DSM/Exxon Mobil Chemical Joint Venture製のEthylene−Octene Plastomer Exact(登録商標)0210(メルトフローインデックス(MFI):10g/10分、密度:0.902g/cm
【0074】
2.組成物
表1および2に記載された組成物を製造し、それらの性質を調べる。
【0075】
【表1】

【0076】
組成物CAは、成分Bを含まない比較例である。組成物C1、C2、およびC4は本発明による。
【0077】
【表2】

【0078】
組成物5は本発明による。
【0079】
3.組成物の製造
各成分を密閉式ミキサー(Werner & Pfleiderer製のGK1.5E)内で配合する。以下の表は配合条件を示す。
【0080】
【表3】

【0081】
組成物を押出機で処理する前に粗砕し、次に3時間80℃において乾燥させた。組成物を乾燥後にブラベンダー一軸スクリュー押出機(25L/D)で押出した。押出パラメータを以下に示す。
【0082】
スクリュー圧縮: 2:1
ダイ: 20*2*100mm
温度: 130−140−145−150℃
【0083】
【表4】

【0084】
4.試験方法
表1および2に記載された組成物が以下のASTM方法(またはDIN方法)によって試験される。
・ ASTM E1354:コーン熱量計、50kW/m2
・ ASTM E662:NBO煙室(記載されているような有炎燃焼および非有炎燃焼)
・ ASTMD2863:極限酸素指数(Limitin Oxygen Index)(LOI)
・ ASTM D412またはDIN53504引張試験(ダンベル(dumbell))
・ ASTM D2240 ショアーAおよびD硬度
・ ASTM D471 熱空気老化
・ ASTM D573 IRM油902中の膨潤
・ DIN EN ISO 1133メルトフローインデックス(MFI)
・ ASTM D1646ムーニー粘度
【0085】
5.結果
5.1 MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物のメルトフローインデックス(MFI)(図1)
CA:比較
5.2 MA_g_EVMを用いて製造された組成物のメルトフローインデックス(MFI)(図2)
5.3 MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の引張強さ(図3)
CA:比較
5.4 MA_g_EVMを用いて製造された組成物の引張強さ(図4)
5.5 MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の破断点伸び(図5)
CA:比較
5.6 MA_g_EVMを用いて製造された組成物の破断点伸び(図6)
5.7 MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の硬度(図7)
CA:比較
5.8 MA_g_EVMを用いて製造された組成物の硬度(図8)
5.9 4時間70℃においてN°902油に浸漬した時、MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の挙動(図9)
CA:比較
説明:
重量[%] %単位の重量変化
体積[%] %単位の体積変化
TS[%] %単位の引張強さの変化
EB[%] %単位の破断点伸びの変化
5.10 4時間70℃においてN°902油に浸漬した時、MA_g_EVMを用いて製造された組成物の挙動(図10)
説明:
重量[%] %単位の重量変化
体積[%] %単位の体積変化
TS[%] %単位の引張強さの変化
EB[%] %単位の破断点伸びの変化
5.11 MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の酸素指数(極限酸素指数、LOI)(図11)
CA:比較
5.12 MA_g_EVMを用いて製造された組成物の酸素指数(極限酸素指数、LOI)(図12)
5.13 MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の−15℃における破断点伸び(図13)
CA:比較
5.14 MA_g_EVMを用いて製造された組成物の−15℃における破断点伸び(図14)
5.15 MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の10日間100℃における熱空気老化(図15)
CA:比較
説明:
デルタTS:%単位の引張強さの変化
デルタEB:%単位の破断点伸びの変化
デルタH:%単位のエンタルピーの変化
5.16 MA_g_EVMを用いて製造された組成物の10日間100℃における熱空気老化(図16)
説明:
デルタTS:%単位の引張強さの変化
デルタEB:%単位の破断点伸びの変化
デルタH:%単位のエンタルピーの変化
5.17 防火試験、燃焼試験(コーン熱量計)
【0086】
【表5】

【0087】
表5はコーン熱量計データを照合する。 データは以下を記載する。
[s]単位のt(ig) 発火までの時間(TTI)
[kW/m]単位のHRR(ピーク) 最大発熱率(ピーク発熱率、PHRR)
[MJ/m]単位のTHR 全発熱率(THR)
[kW/m]単位のHRR(180) 180秒後の平均発熱率
[kW/m]単位のHRR(300) 300秒後の平均発熱率
[g/s*m]単位のMLR 質量減少率(MLR)
[MJ/kg]単位のEHC エンタルピー燃焼熱(EHC)
[m/s]単位のSPR 煙の生成速度(SPR)
[m/kg]単位のSEA 煙の濃度(SEA)
5.18 −15℃における冷間曲げ試験
混合物C1、C2、C4およびC5は合格した。
5.19 MA_g_LLDPEを用いて製造された組成物の−15℃における引張強さ
添付された図17は組成物CA、C1、C2およびC4の−15℃における引張強さ曲線を示す。
【0088】
図17の説明:
x軸 %単位の伸び
y軸 MPa単位の引張応力(応力)
グレーの十字 混合物C1の−15℃における引張強さ曲線
黒い四角形 混合物CAの−15℃における引張強さ曲線(比較用)
グレーの三角形 混合物C2の−15℃における引張強さ曲線
黒いx 混合物C4の−15℃における引張強さ曲線
5.20 MA_g_EVMを用いて製造された組成物の−15℃における引張強さ
添付された図18は組成物C5の−15℃における引張強さ曲線を示す。
【0089】
図18の説明:
x軸 %単位の伸び
y軸 MPa単位の引張応力(応力)
黒い四角形 混合物C5の−15℃における引張強さ曲線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)成分Aとして少なくとも1つの熱可塑性ポリマーと、
b)成分Bとして、>40重量%の酢酸ビニル含有量を有する少なくとも1つのC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマーと、
c)成分Aとは異なる成分Cとして、エチレンおよび少なくとも1つのC−C−オレフィンをベースとした、メタロセン触媒作用によって生成された少なくとも1つのプラストマーと、
d)成分Eとして、不飽和カルボン酸でまたはその誘導体で改質された少なくとも1つのポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーと、
e)成分Eとして少なくとも1つの難燃剤と、
f)場合により、成分Fとして1つまたは複数のさらなる補助剤および/またはさらなる添加剤と
を含む組成物。
【請求項2】
以下の成分:
a)成分Aとして、≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有する少なくとも1つのC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマー、または≦40重量%の酢酸ビニル含有量を有する少なくとも1つのC−C−α−オレフィン酢酸ビニルコポリマー、好ましくは、≦40重量%、好ましくは15〜≦40重量%、特に好ましくは20〜35重量%、非常に特に好ましくは20〜30重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーとポリエチレンとを含む混合物、もしくは≦40重量%、好ましくは15〜≦40重量%、特に好ましくは20〜35重量%、非常に特に好ましくは20〜30重量%の酢酸ビニル含有量を有するエチレン酢酸ビニルコポリマーとLLDPEとから製造された混合物と、
b)成分Bとして、45〜98重量%の酢酸ビニル含有量を有する、好ましくは、(i)40〜60重量%、好ましくは40〜50重量%の酢酸ビニル含有量を有するか、または(ii)50〜90重量%、特に70〜85重量%の酢酸ビニル含有量を有する少なくとも1つのエチレン酢酸ビニルコポリマーと、
c)成分Cとして、メタロセン触媒作用によって生成された少なくとも1つのエチレン−1−オクテンコポリマーと、
d)成分Dとして、無水マレイン酸グラフトLLDPEまたは好ましくは>40重量%の酢酸ビニル含有量を有する無水マレイン酸グラフトエチレン酢酸ビニルコポリマーと、
e)成分Eとして、水酸化アルミニウム(ATH)、水酸化マグネシウム(MDH)、炭酸マグネシウムおよび/またはヒドロキシ炭酸アルミニウムナトリウムおよびハイドロタルサイト、好ましくは水酸化アルミニウム(ATH)、水酸化マグネシウム(MDH)、および/または炭酸マグネシウム、特に好ましくは水酸化アルミニウム(ATH)および/または水酸化マグネシウム(MDH)と、
f)場合により、成分Fとして、さらなる難燃剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、難燃剤補助剤、充填剤、潤滑剤、およびポリシロキサン、好ましくは炭酸カルシウムおよび/または少なくとも1つのポリシロキサン、特にポリジメチルシロキサンから選択される少なくとも1つの補助剤および/または添加剤と
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
a)成分Aを10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%、特に好ましくは18〜24重量%と、
b)成分Bを3〜15重量%、好ましくは5〜13重量%、特に好ましくは7〜12重量%と、
c)成分Cを1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、特に好ましくは3〜5重量%と、
d)成分Dを1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%、特に好ましくは3〜5重量%と、
e)成分Eを40〜75重量%、好ましくは45〜70重量%、特に好ましくは50〜65重量%と、
f)成分Fを0〜25重量%、好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.5〜15重量%と
を含み、成分A〜Eと場合によりFとの総計が100重量%である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
成分A〜Eと場合によりFとを互いに混合する工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を製造するための方法。
【請求項5】
ケーブルまたは電線のための絶縁材料または外装材料としての請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を含むケーブルまたは電線のための絶縁材料または外装材料。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を含むケーブルまたは電線。

【図1】
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【図2】
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【図17】
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【図18】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2012−500460(P2012−500460A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523396(P2011−523396)
【出願日】平成21年8月14日(2009.8.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060535
【国際公開番号】WO2010/020586
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(505422707)ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー (220)
【Fターム(参考)】