説明

ハロゲン化炭化水素及び低級アルコールの回収方法

【課題】有機溶剤を混合して、特にハロゲン化炭化水素及び低級アルコールを含むガスから、活性炭塔を用い、該有機溶剤を効率良く回収する方法を提供する。
【解決手段】ハロゲン化炭化水素と低級アルコールを含む混合ガスを活性炭が充填された活性炭塔に供給し、ハロゲン化炭化水素及び低級アルコールを該活性炭に吸着させて回収する方法であって、該活性炭塔に充填された活性炭が予め含水処理されたものであり、該混合ガスが、温度25〜40℃、かつ、相対湿度30〜50%で、該活性炭塔へ供給され、かつ、該混合ガスの低級アルコール濃度が、活性炭塔出口で供給前濃度の1/10になる時間をTa、該混合ガスのハロゲン化炭化水素濃度が、活性炭塔出口で供給前濃度の1/10になる時間をTbとしたとき、Ta/Tbが0.9〜1.1であること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲン化炭化水素及び低級アルコールを含むガスからこれら溶剤を回収する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、気化した有機溶剤の回収や大気中への排出抑制に使用する装置として、吸着剤を充填した吸着装置が用いられる。例えば、有機溶剤の吸着剤として活性炭を用い、有機溶剤を含むガスを吸着させた後、水蒸気を吹き込んで吸着した有機溶剤物質を脱着させ、その後、水を分離して、溶剤を回収することが広く行われている。
【0003】
一般に、ガス化した有機溶剤を工業的に回収するための吸着装置の運転操作においては、排気ガス中の被回収有機溶剤の濃度が所定の濃度に達するまで有機溶剤含有ガスを供給して有機溶剤を吸着剤に吸着し、その後熱或いは圧力操作によって脱着させることが、大気への有機溶剤が排出される量を抑制し、かつ吸着操作効率を最大にする方法である。
【0004】
しかし、有機溶剤含有ガスが、ハロゲン化炭化水素と低級アルコールを混合して含む場合、吸着剤へのハロゲン化炭化水素の吸着と低級アルコールの吸着では特性が大幅に異なり、一般的にハロゲン化炭化水素に比べ低級アルコールの方が活性炭への吸着力が弱い。そのため、効率良くこれら2種の有機溶剤の吸着装置からの排出ガス中濃度を所定の濃度になるまで吸着させる運転は難しい。その理由は、複数化学物質を対象とした吸着操作の場合、吸着対象物質固有の平衡吸着特性のみならず、吸着力の強弱差のために吸着操作途中で吸着力の弱い物質が活性炭に一旦吸着してもその後供給される吸着力が強い物質の吸着によって追い出されるような挙動を起こし、物質の操作に比べて排気濃度が高まる時間が短くなるような特性が生じるためである。そのため、これら有機溶剤が混合して含むガスの吸着方式として、吸着装置を直列に接続したり、片方の有機溶剤の吸着効率を犠牲にした吸着操作を行ったりする。なお、これらハロゲン化炭化水素と低級アルコールは、例えば、プラスチック加工現場では、加工品の表面を脱脂するために安定化のために低級アルコール、例えば、メタノールが加えられたジクロロメタンが用いられ、その際に排ガスとして両有機溶媒を含んだものが発生する。
【0005】
例えば、塩化メチレンとエタノールを含む混合ガスから塩化メチレンとエタノールを、粒状活性炭を充填した吸着槽にて吸着させて回収すること(非特許文献1)、あるいは、吸着剤として特殊な活性炭を用いる、有機塩素系溶剤の安定化のために加えられたアルコールを含む有機塩素系溶剤の混合ガスから装置の腐食が少ない、有機塩素系溶剤とアルコールの混合溶剤を回収する方法(特許文献1)が知られている。
【0006】
上記するようにメタノールは活性炭への吸着性能が弱いので、メタノールに特化して吸着性或いは回収性を検討したものとして、活性炭中の水分を10〜30重量%に調節すること(特許文献2)や、25℃、相対湿度60%での平衡水分率が30重量%以下である活性炭素材を使用して被処理ガスの相対湿度を50%以上、露点が10℃以上である条件で処理すること(特許文献3)が知られている。
【0007】
非特許文献1には、塩化メチレンとエタノールを含む蒸気を約10℃に冷却して凝縮水及び高沸点物を除去し、30〜40℃に加熱し、相対湿度0.4以下で粒状活性炭を充填した吸着層に送入するとある。しかしながら、吸着操作については何ら検討さていない。
【0008】
また、特許文献1に開示の技術では、特殊な活性炭が必要であり、有機塩素系溶剤中のアルコールの混合割合は0.3〜10重量%であり、かつ、両溶媒が同時に回収されるとしているが、吸着操作の条件について検討されていない。
【0009】
特許文献2は、防毒マスク等のガス吸着において、塩素系の溶剤を活性炭は良く吸着するがアルコール類は吸着が悪いので、メタノール等の活性炭への吸着挙動を検討し、塩素系溶剤の吸着性はあまり犠牲にせず、特にメタノールの吸着が良好な条件を定めたものである。すなわち、特許文献2の技術は防毒マスク用活性炭に関するもので、塩素系溶剤とアルコールを含む排ガスからこれら溶剤を回収することは検討されていない。
【0010】
また、特許文献3は、混合ガスを特定の活性炭素材に吸着させ、その後吸着分を高温の水蒸気で分離させることを示すのみで、効果的に両成分を吸着する条件について何ら検討されていない。
【0011】
しかし、混合して有機溶剤を含むガスから活性炭塔の吸着で有機溶剤を回収するには、一つの吸着装置を用い、その装置内で複数の有機溶剤を同時に吸着させ、該装置から排出されるガス中の有機溶剤の濃度が所定に到達する時間(すなわち、破過時間)がほぼ一致するように操作することが、設備費用、効率的運転面から好都合である。そのため、簡素な設備で複数の有機溶剤含有ガスからの含有有機溶剤の回収を効率良く行う方法が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−21851号公報
【特許文献2】特開昭59−123531号公報
【特許文献3】特開2003−251139号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】竹内 雍監修、「最新吸着技術便覧」pp46−47(1999)、株式会社エヌ・ティー・エス刊行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の課題は、有機溶剤を混合して、特にハロゲン化炭化水素及び低級アルコールを含むガスから、活性炭塔を用い、該有機溶剤を効率良く回収する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、被処理ガスに含まれる水分量、吸着開始時に活性炭中に存在する水分量、被処理ガスの温度等を所定の範囲に設定することでハロゲン化炭化水素と低級アルコールについて、それぞれ所定の濃度に到達する時間を調節できること、及び、単一吸着装置で効率よく、これら有機溶剤を含むガスから同時に回収できることを見出し、さらに検討して、ついに本発明を完成した。
【0016】
すなわち、本発明は、 ハロゲン化炭化水素と低級アルコールを含む混合ガスを活性炭が充填された活性炭塔に供給し、ハロゲン化炭化水素及び低級アルコールを該活性炭に吸着させて回収する方法であって、
該活性炭塔に充填された活性炭が予め含水処理されたものであり、
該混合ガスが、温度25〜40℃、かつ、相対湿度30〜50%で、該活性炭塔へ供給され、かつ、
該混合ガスの低級アルコール濃度が、活性炭塔出口で供給前濃度の1/10になる時間をTa、該混合ガスのハロゲン化炭化水素濃度が、活性炭塔出口で供給前濃度の1/10になる時間をTbとしたとき、Ta/Tbが0.9〜1.1である
ことを特徴とするハロゲン化炭化水素及び低級アルコールの回収方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、単一の活性炭塔を用いて、容易に、ハロゲン化炭化水素と低級アルコールを含む混合ガスから、効率よく、ハロゲン化炭化水素と低級アルコールを同時に回収できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に用いる活性炭塔を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明においては、吸着剤として活性炭を用いる。活性炭としては、粒状活性炭、繊維状活性炭など形状は問わない。活性炭は様々な特性を有するものが存在するが、一般的に有機溶剤向けとされているものを選ぶことが好ましい。粒状活性炭の場合は粒径が小さいほど同一重量で吸着効率が向上するが、処理風量が吸着剤による差圧増加の影響が出るので、処理条件などに応じて粒径を選べばよい。なお、該活性炭は、例えば、図1に示すような塔に充填して、活性炭層を設ける。ここで、有機溶剤の吸着回収の操作において、該活性炭層が流動床とならないような装置が好ましい。装置材質は取り扱い化学物質に侵される物質で無ければ特に指定はなく、また装置大きさは水平方向について形状、大きさについては特に制限は無く、高さ方向についても制限は無い。活性炭充填の際には層高が均等になるようにすることが効率運転の面で好ましい。活性炭仕込み層高についても特に制限は無いが、過剰充填や過度な詰め込みによる供給ガスの差圧増加による運転効率の低下に留意することが望ましい。
【0020】
本発明では、ハロゲン化炭化水素及び低級アルコールがこれら有機溶剤を含む混合ガスから活性炭塔にて回収される。そのようなハロゲン化炭化水素としては、特に限定されないが、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチル、ジクロロエタンなどである。また、低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどである。
【0021】
処理に供する混合ガス中のこれら有機溶剤の濃度は、ハロゲン化炭化水素及び低級アルコールをそれぞれ50〜10000ppm、50〜10000ppmの範囲であることが好ましい。
【0022】
活性炭塔に供給する際の混合ガスの温度は、活性炭の平衡吸着特性、低温における混合ガス中の水分凝縮性などを考慮し、25〜40℃とする。混合ガスが活性炭層を通過する際に吸着や凝縮によって温度が変化することを避けるために、活性炭層の温度を調節する手段、例えばジャケットを設けておくことが好ましい。
【0023】
そして、該混合ガス中の水分量を、相対湿度で30〜50%の範囲とする。なお、水分量が相対湿度50%より高い場合は、両有機溶剤の吸着量が活性炭の吸着可能量より減少し、つまり吸着処理時間が短くなる。つまり、活性炭塔からの吸着溶剤の回収頻度、すなわち単位時間当たりの加熱回数が増加する。従って、脱着に用いる水蒸気の必要量が増加し、吸着効率が低下する。一方、相対湿度が30%より低い場合はハロゲン化炭化水素の吸着特性が向上し、排気濃度が1/10(体積)に達する時間が遅くなるが、低級アルコールの吸着性が低下し、排気濃度が1/10(体積)に到達する時間が早まり、見かけの破過時間が短くなり、結果として効率的な運転が難しくなる。
【0024】
混合ガスの供給速度はガス濃度によって好ましい速度は変わってくるが、ガス供給速度が少なすぎると吸着装置の運転効率が低下し、ガス供給速度が多すぎると吸着活性炭層が風速によって乱され、安定した運転が阻害されることに考慮して、適正ガス供給量を決めればよい。
【0025】
また両物質の混合ガス中の供給前濃度に対して排出濃度が1/10(体積)に達する時間はそれぞれのガス濃度、ガス中水分濃度、活性炭の初期水分濃度により影響を受けるが、例えば、混合ガスの水分、各ガス濃度がほぼ一定の場合は、活性炭の初期の水分濃度を変えることでハロゲン化炭化水素と低級アルコールの破過時間が調節できる。両者の破過時間の比をハロゲン炭化水素の供給前濃度に対して排出濃度が10体積%に達する時間の0.9〜1.1に収めることが可能であり、混合ガス温度を適切に設定することによって両者の破過時間を極力長くすることも可能である。
【0026】
上記の活性炭塔、活性炭、混合ガス条件で吸着操作を行う場合、排出濃度の測定はガスクロマトグラフィーやガス検知濃度計などで行う。
【0027】
活性炭塔としては、吸着剤である活性炭が流動化しないような条件で操作できるものであれば特に制約は無いが、例えば、図1に示したものが利用可能である。
【0028】
図において、円筒状の塔1には、活性炭が充填され、活性炭層2が形成されている。また、円筒状の塔1には活性炭層2の温度を調節するためジャケット3が設けられている。円筒状の塔1の下部にはハロゲン化炭化水素及び低級アルコールを含有する混合ガスが供給されるガス供給口4が設けられている。一方、塔1の上部には、吸着処理が終わった排出ガスが送り出されるガス排出口5が設けられており、さらに、塔1の活性炭層2上部空間に排出ガス中の有機溶剤量をモニターするため濃度測定装置6が設けられている。
【0029】
活性炭層2に充填される活性炭は、予め水を噴霧し所定の水分量にしておくことが好ましいが、吸着処理に供する前に含水ガスにて吸着水量をコントロールして、所定の水分量とすることも可能である。活性炭としては、各種活性炭が使用可能であり、また、その形状としても、各種形態のものが使用可能である。さらに、各種活性化処理したものでも使用可能である。なお、形態としては、通常粒状、繊維状、ブロック化したものが取り扱いやすいので好ましい。含水量としては、被処理混合ガス中の有機溶剤の濃度、組成により適宜変えうるが、通常、乾燥活性炭100質量部に対して、10〜30質量部が好ましい。
【0030】
活性炭層2は、水等の媒体を外部ジャケット3に流し、温度25〜40℃にされ、吸着処理中所定の温度に保たれている。なお、ジャケット3へ通常媒体は下部から供給されるが、上部から供給されてもかまわない。
【0031】
ガス供給口4から供給される混合ガスは、予め相対湿度及び温度が活性炭塔1の運転条件に合わせ調整されている。また、その供給は、排ガス中の有機溶剤量を測定し、活性炭層2が破過したならば、止められ、その後、活性炭層2は吸着した有機溶剤の回収に供される。なお、有機溶剤の回収は、塔1内の圧力を下げること(圧力スイング)あるいはジャケット3に100℃程度の高温の媒体を通すことにより行う。
【実施例】
【0032】
以下、実施例により、さらに本発明を説明する。
【0033】
実施例1
粒状活性炭「粒状白鷺S2x6/8−3」(商品名、日本エンバイロケミカル株式会社製)70g上に水14gを霧吹きで噴霧して湿らせた後、ビニール袋に密封して16時間20〜25℃の環境に静置した。その後この活性炭を取り出して秤量し84gあることを確認した後、直径5cmの保温可能なガラス管に封入し、活性炭塔とした。この活性炭塔を図1に示す。
【0034】
ジャケットに30℃温水を流して30分経過した後、30℃に調節した塩化メチレン4500ppm及びメタノール900ppmを含む、相対湿度45%の混合ガスを4.8L/minでガラス管の底部から供給を開始した。活性炭層の上方にガスのサンプリング管を設置して、塩化メチレンとメタノールの排気濃度について随時測定を行った結果、排出ガス中の塩化メチレン濃度が当初濃度の1/10である450ppmになった時間Tbはガス供給開始から150分であり、メタノール濃度が当初濃度の1/10である90ppmになった時間Taは160分であった。また、Ta/Tbは1.07であった。
【0035】
実施例2
粒状活性炭「粒状白鷺S2x6/8−3」(商品名)70gに水20gを噴霧して湿らせた後、ビニール袋に密封して16時間20〜25℃の環境に静置した。その後この活性炭を取り出して秤量時に90gあることを確認した後、直径5cmの保温可能なガラス管装置に封入し、活性炭塔とした。
【0036】
ジャケットに38℃温水を流して30分経過した後、38℃に調節した塩化メチレン4500ppm及びメタノール1800ppmを含む、相対湿度35%の混合ガスを4.8L/minでガラス管の底部から供給を開始した。その結果、塩化メチレン排気濃度が450ppmになった時間Tbはガス供給開始から120分であり、メタノール濃度が180ppmになった時間Taは110分であった。また、Ta/Tbは0.92であった。
【0037】
比較例1
粒状活性炭「粒状白鷺S2x6/8−3」(商品名)70gを直接直径5cmの保温可能なガラス管に封入し、活性炭塔とした。
【0038】
ジャケットに30℃温水を流して30分経過した後、30℃に調節した塩化メチレン5000ppm及びメタノール800ppmを含む、相対湿度40%の混合ガスをガラス管の底部から供給を開始した。その結果、塩化メチレン排気濃度が500ppmになった時間Tbはガス供給開始から200分であり、メタノール濃度が80ppmになった時間Taは60分であった。また、Ta/Tbは0.3であった。すなわち、この活性炭塔は、塩化メチレンの吸着はまだ可能であるにかかわらず、破過時間が60分と短いものであった。
【0039】
比較例2
粒状活性炭「粒状白鷺S2x6/8−3」(商品名)70gに水20gを噴霧して湿らせた後、ビニール袋に密封して16時間20〜25℃の環境に静置した。その後この活性炭を取り出して秤量時に90gあることを確認した後、直径5cmの保温可能なガラス管に封入し、活性炭塔とした。
【0040】
ジャケットに30℃温水を流して30分経過した後、30℃に調節した塩化メチレン5000ppm及びメタノール1000ppmを含む、相対湿度15%の混合ガスをガラス管の底部から供給を開始した。その結果、塩化メチレン排気濃度が500ppmになった時間Tbはガス供給開始から200分であり、メタノール濃度が100ppmになった時間Taは70分であった。また、Ta/Tbは0.35であった。すなわち、この吸着条件では、塩化メチレンの吸着はまだ可能であるにかかわらず、破過時間が70分と短いものであった。
【0041】
比較例3
粒状活性炭「粒状白鷺S2x6/8−3」(商品名)70gに水14gを噴霧して湿らせた後、ビニール袋に密封して16時間20〜25℃の環境に静置した。その後この活性炭を取り出して秤量時に84gあることを確認した後、直径5cmの保温可能なガラス管に封入し、活性炭塔とした。
【0042】
ジャケットに50℃温水を流して30分経過した後、50℃に調節した塩化メチレン4500ppm及びメタノール900ppmを含む、相対湿度45%の混合ガス4.8L/minでガラス管の底部から供給を開始した。その結果、塩化メチレン排気濃度が450ppmになった時間Tbはガス供給開始から120分であり、メタノール濃度が90ppmになった時間Taは30分であった。また、Ta/Tbは0.25であった。すなわち、この吸着条件では、塩化メチレンの吸着はまだ可能であるにかかわらず、破過時間が30分と短いものであった。
【符号の説明】
【0043】
1 円筒状の塔
2 活性炭層
3 ジャケット
4 ガス供給口
5 ガス排出口
6 濃度測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲン化炭化水素と低級アルコールを含む混合ガスを活性炭が充填された活性炭塔に供給し、ハロゲン化炭化水素及び低級アルコールを該活性炭に吸着させて回収する方法であって、
該活性炭塔に充填された活性炭が予め含水処理されたものであり、
該混合ガスが、温度25〜40℃、かつ、相対湿度30〜50%で、該活性炭塔へ供給され、かつ、
該混合ガスの低級アルコール濃度が、活性炭塔出口で供給前濃度の1/10になる時間をTa、該混合ガスのハロゲン化炭化水素濃度が、活性炭塔出口で供給前濃度の1/10になる時間をTbとしたとき、Ta/Tbが0.9〜1.1である
ことを特徴とするハロゲン化炭化水素及び低級アルコールの回収方法。
【請求項2】
前記活性炭塔に充填された、予め含水処理された活性炭の含水量が、乾燥活性炭100質量部に対して、10〜30質量部であるハロゲン化炭化水素及び低級アルコールの回収方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−254631(P2010−254631A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107593(P2009−107593)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】