説明

ハードコートフィルム、並びにそれを用いた偏光板及び画像表示装置

【課題】鉛筆硬度が高いハードコートフィルムを提供する
【解決手段】マルテンス硬度が130N/mm2以上である樹脂基材フィルム上に、マルテンス硬度が350N/mm2以上であるハードコート層を積層し、ハードコートフィルムとする。また、マルテンス硬度が90N/mm2以上である樹脂基材フィルム上に、マルテンス硬度が350N/mm2以上であるハードコート層を積層し、直径2mmのマンドレルを用いた折り曲げ試験における白化角度が30°以上であるハードコートフィルムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂基材フィルム上にハードコート層が積層されてなるハードコートフィルム、並びにこのハードコートフィルムを用いた偏光板及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
偏光フィルムや画像表示素子等の表面の傷付きを防止するための保護フィルムとして、ハードコートフィルムを用いることが知られている。一般に、ハードコートフィルムは、樹脂基材フィルム上にハードコート層を積層することにより得られ、ハードコート層は、熱硬化型樹脂や、紫外線硬化型樹脂等の活性エネルギー線硬化型樹脂を、樹脂基材フィルム上に塗布して硬化させることにより、形成される。
【0003】
ハードコートフィルムの傷付き防止性能の指標としては、鉛筆硬度が広く採用されており、鉛筆硬度の高いハードコートフィルムが求められている。鉛筆硬度の高いハードコートフィルムを得るため、例えば特開2002−36436号公報(特許文献1)や特開2006−58574号公報(特許文献2)には、基材フィルム上に第1のハードコート層を介して第2のハードコート層を積層し、第2のハードコート層のユニバーサル硬度を第1のハードコート層のユニバーサル硬度よりも高くすることが提案されているが、ハードコート層自体の硬度は高くても、ハードコートフィルム全体としての鉛筆硬度は、必ずしも満足できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−36436号公報
【特許文献2】特開2006−58574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、鉛筆硬度が高いハードコートフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、樹脂基材フィルムと、前記樹脂基材フィルム上に積層されたハードコート層とを備えるハードコートフィルムであって、前記樹脂基材フィルムのマルテンス硬度が130N/mm2以上であり、前記ハードコート層のマルテンス硬度が350N/mm2以上であるハードコートフィルムを提供する。
【0007】
また、本発明は、樹脂基材フィルムと、前記樹脂基材フィルム上に積層されたハードコート層とを備えるハードコートフィルムであって、前記樹脂基材フィルムのマルテンス硬度が90N/mm2以上であり、前記ハードコート層のマルテンス硬度が350N/mm2以上であり、直径2mmのマンドレルを用いた折り曲げ試験における白化角度が30°以上であるハードコートフィルムを提供する。
【0008】
また、本発明によれば、前記ハードコートフィルムと偏光フィルムとを貼り合わせてなる偏光板であって、前記偏光フィルムが、前記ハードコートフィルムの前記樹脂基材フィルム側に配置される偏光板も提供される。
【0009】
さらに、本発明によれば、前記ハードコートフィルム又は前記偏光板と、画像表示素子とを備え、前記ハードコートフィルム又は偏光板が、そのハードコート層側を外側にして画像表示素子の視認側に配置される画像表示装置も提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のハードコートフィルムは、鉛筆硬度が高いので、これを用いることにより傷が付き難い偏光板や画像表示装置を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のハードコートフィルムは、樹脂基材フィルムと、前記樹脂基材フィルム上に積層されたハードコート層とを備えるものである。そして、本発明の第一の形態では、樹脂基材フィルムのマルテンス硬度を130N/mm2以上とし、ハードコート層のマルテンス硬度を350N/mm2以上とする。また、本発明の第二の形態では、樹脂基材フィルムのマルテンス硬度を90N/mm2以上とし、ハードコート層のマルテンス硬度を350N/mm2以上とし、ハードコートフィルムの直径2mmのマンドレルを用いた折り曲げ試験における白化角度を30°以上とする。このようにすることで、鉛筆硬度が高いハードコートフィルムが得られる。
【0012】
<樹脂基材フィルム>
本発明の第一の形態では、樹脂基材フィルムとして、そのマルテンス硬度が130N/mm2以上であるものを使用し、本発明の第二の形態では、樹脂基材フィルムとして、そのマルテンス硬度が90N/mm2以上であるものを使用する。樹脂基材フィルムのマルテンス硬度が低いと、ハードコートフィルムの鉛筆硬度が低くなる。このようにマルテンス硬度が所定値以上である樹脂基材フィルムは、それを構成する樹脂の種類やその厚さなどを選択ないし調整することにより調製できる。また、市販品の中から選択して使用してもよい。
【0013】
樹脂基材フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂やジアセチルセルロース樹脂等のセルロース系樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂等のポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエーテルケトン樹脂が挙げられ、フィルム化したときに高いマルテンス高度を示すものを適宜選択すればよい。
【0014】
樹脂基材フィルムは、厚いほど、マルテンス硬度が高くなり、強度も向上する傾向にあるが、あまり厚いと、スティフネス(剛性)が大きくなり過ぎるので、その厚さは、通常20〜500μm、好ましくは80〜200μmの範囲内で調整される。
【0015】
また、本発明の第二の形態では、ハードコートフィルムの直径2mmのマンドレルを用いた折り曲げ試験における白化角度が30°以上になるようにする。そして、この白化角度は、ハードコート層の特性にもよるが、主に樹脂基材フィルムの屈曲性(柔軟性)に影響され、樹脂基材フィルムの屈曲性が高いほど、大きくなる傾向にある。そこで、本発明の第二の形態では、樹脂基材フィルムとして、屈曲性が高いもの、具体的には、ハードコートフィルム同様、前記白化角度が30°以上であるものを用いるのがよい。
【0016】
フィルム化したとき高いマルテンス硬度を示す樹脂は、そのフィルムの屈曲性が低くなり易く、フィルム化したとき高い屈曲性を示す樹脂は、そのフィルムのマルテンス硬度が低くなり易い。また、樹脂基材フィルムは、厚いほど、マルテンス硬度が高くなるが、屈曲性が低下する傾向にあり、薄いほど、屈曲性が高くなるが、マルテンス硬度が低下する傾向にある。このため、本発明の第二の形態では、樹脂基材フィルムを構成する樹脂の種類や、樹脂基材フィルムの厚さを、マルテンス硬度と屈曲性とのバランスを考慮して、選択ないし調整するのがよい。
【0017】
<ハードコート層>
【0018】
ハードコート層は、通常と同様、硬化型樹脂を用いて形成することができるが、本発明では、第一の形態及び第二の形態共に、ハードコート層のマルテンス硬度が350N/mm2以上となるように、硬化型樹脂の組成や厚さ、硬化方法などを調整ないし選択する。
【0019】
硬化型樹脂は、熱硬化型樹脂であってもよいし、紫外線硬化型樹脂等の活性エネルギー線硬化型樹脂であってもよいが、活性エネルギー線硬化型樹脂が好ましい。
【0020】
熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等のプレポリマーの架橋反応を利用するものが挙げられる。
【0021】
活性エネルギー線硬化型樹脂としては、多官能モノマーを硬化成分とするものが好ましく用いられる。多官能モノマーが有する重合性官能基は、重合性炭素−炭素二重結合を有する基であるのが好ましく、その例としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基が挙げられ、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。
【0022】
これらの多官能モノマーの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,3,5−シクロヘキサントリオールトリ(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート類、ポリイソシナネートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートの反応によって得られるウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0023】
多官能モノマーには、ハードコート層の弾性率の調整や密着性の改良等のため、必要に応じて単官能のモノマーを添加することも可能である。単官能のモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の極性基含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド、N−ビニルピロリドン、スチレン、酢酸ビニル、無水マレイン酸が挙げられる。単官能のモノマーを添加する場合には、モノマー全体に占める単官能のモノマーの割合は50重量%以下が好ましく、20重量%以下がさらに好ましい。単官能のモノマーの割合が多くなり過ぎると所望の硬度が得られなくなる。
【0024】
熱硬化型樹脂ないし活性エネルギー線硬化型樹脂には、必要に応じて、無機又は有機微粒子、重合開始剤、その他の添加剤を配合してもよい。例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂に、無機又は有機微粒子を添加することで、ハードコート層のマルテンス硬度を調節でき、架橋収縮率も改良することができる。また、無機又は有機微粒子を添加することで、ハードコート層を、その表面に微細な凹凸形状を有する防眩層とすることもでき、こうして得られるハードコートフィルムは、防眩性ハードコートフィルムとして好ましく用いられる。
【0025】
例えば、有機微粒子としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリシロキサン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、セルロースアセテート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂等の樹脂の粒子が挙げられ、中でも、メタクリル酸メチル−ジビニルベンゼン共重合体樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、これらの樹脂の複合体からなる粒子が好ましく用いられる。また、内部架橋のポリマー樹脂微粒子が好ましい。
【0026】
また、活性エネルギー線硬化型樹脂に配合される光重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのケトン、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイン類、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイドおよびチオキサントンが挙げられる。光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の例としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントンが挙げられる。
【0027】
光重合開始剤は、多官能モノマー100重量部に対して、0.1〜15重量部の範囲で使用することが好ましく、1〜10重量部の範囲で使用することがさらに好ましい。
【0028】
ハードコート層の形成は、樹脂基材フィルム上に硬化型樹脂又はその溶液を塗布し、塗膜を必要により乾燥した後、熱又は活性エネルギー線で硬化させることにより行うのがよい。
【0029】
硬化型樹脂の溶液に用いられる溶媒は、ケトン系、アルコール系、エステル系の溶剤であるのがよい。硬化型樹脂又はその溶液の塗布は、例えば、ディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、グラビア法、ワイヤーバー法により行うことができる。活性エネルギー線としては、放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線等が挙げられるが、紫外線が好ましい。
【0030】
<偏光板>
本発明の偏光板は、本発明のハードコートフィルムと偏光フィルムとを貼り合わせてなるものであり、偏光フィルムが、ハードコートフィルムの樹脂基材フィルム側に配置されている。
【0031】
偏光フィルムとは、自然光などの入射光に対して、偏光を出射する機能を持つ光学フィルムである。偏光フィルムには、一方の方向に振動する直線偏光を吸収し、それと直交する方向に振動する直線偏光を透過する性質を有する直線偏光フィルム、一方の方向に振動する直線偏光を反射し、それと直交する方向に振動する直線偏光を透過する性質を有する偏光分離フィルム、上記直線偏光フィルムと位相差フィルムを積層した楕円偏光板などがある。本発明のハードコートフィルムを適用するのに特に好適な偏光フィルムの具体例として、一軸延伸されたポリビニルアルコールフィルムにヨウ素や二色性染料などの二色性色素が吸着配向されているものを挙げることができる。このような直線偏光フィルムは、一般にその片面又は両面に透明な保護フィルムが貼り合わされた状態で用いられるが、その片面に貼り合わされる保護フィルムとして、本発明のハードコートフィルムを用い、その透明基材側で偏光フィルムに貼り合わせるのがよい。その際、接着剤としては、紫外線硬化型接着剤が好ましく用いられ、その例としては、エポキシ化合物やオキセタン化合物の如きカチオン重合性化合物と、光カチオン発生剤とを含有する光カチオン重合性のものや、(メタ)アクリルレートの如きラジカル重合性化合物と、光ラジカル発生剤とを含有する光ラジカル重合性のものが挙げられる。
【0032】
もう一方の面の保護フィルムとしては、実質的に光学的な透明性を有するフィルムであれば特に制限されるものでなく、各種の透明樹脂フィルムを用いることができる。具体的には、トリアセチルセルロース樹脂、ジアセチルセルロース樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等のセルロース系樹脂などのほか、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などからなるフィルムなどが例示される。シクロオレフィン系樹脂は、ノルボルネン、ジメタノオクタヒドロナフタレン等の環状オレフィンをモノマーとする樹脂であり、具体的な市販品としては、「アートン」(JSR(株)製)、「ゼオノア」(日本ゼオン(株)製)、「ゼオネックス」(日本ゼオン(株)製)などが挙げられる。
【0033】
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、本発明のハードコートフィルム又は偏光板と、画像表示素子とを備えたものであり、ハードコートフィルム又は偏光板が、そのハードコート層側を外側にして画像表示素子の視認側に配置されている。
【0034】
画像表示素子は、上下基板間に液晶が封入された液晶セルを備え、電圧印加により液晶の配向状態を変化させて画像の表示を行なう液晶パネルが代表的であるが、その他、プラズマディスプレイパネル、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイなど、公知の各種ディスプレイに対しても、本発明のハードコートフィルム又は偏光板を適用することができる。ハードコートフィルムは、画像表示素子の表面に直接貼合してもよいし、液晶パネルを画像表示素子とする場合は、偏光フィルムを介して液晶パネルの表面に貼合することもできる。このように、本発明のハードコートフィルムを備えた画像表示装置は、優れた表面硬度を有する。
【実施例】
【0035】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。測定方法ないし評価方法は次のとおりである。
【0036】
〔樹脂基材フィルムのマルテンス硬度〕
フィッシャー・インスツルメンツ社製の“フィッシャースコープH2000”を用いて以下の条件で測定した。
測定条件:最大荷重500mN(荷重時間30秒)
圧子形状:ビッカーズ
測定データ:マルテンス硬さ
【0037】
〔ハードコート層のマルテンス硬度〕
フィッシャー・インスツルメンツ社製の“フィッシャースコープH2000”を用いて以下の条件で測定した。
測定条件:最大荷重1mN(荷重時間10秒)
圧子形状:ビッカーズ
測定データ:マルテンス硬さ
【0038】
〔ハードコートフィルムの白化角度〕
ハードコートフィルムの白化角度とは、直径2mmのマンドレルを用い、ハードコート層を内側になるように折り曲げ、フィルムが白化する最小の角度とした。
【0039】
〔ハードコートフィルムの鉛筆硬度〕
鉛筆引っ掻き試験の硬度は、JIS S6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、4.9Nの荷重にて傷が認められない鉛筆の硬度の値である。
【0040】
実施例1
アクリル酸エステル組成物〔DIC(株)の“GRANDIC PC7100F”〕を酢酸エチルに溶解し、3時間以上攪拌して、硬化型樹脂溶液とした。樹脂基材フィルムとして、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その上に、前記硬化型樹脂溶液をバーコーダーで塗布した。形成された塗膜を、80℃で2分間加熱することにより乾燥した後、メタルハライドランプを用いて紫外線照射を施し、硬化処理を行った(積算光量300mJ/cm2)。これにより厚み10μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
【0041】
実施例2
樹脂基材フィルムとして、予め偏光子に貼合された状態にある厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚み10μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
【0042】
実施例3
樹脂基材フィルムとして、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚み10μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
【0043】
比較例1
樹脂基材フィルムとして、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚み10μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
【0044】
比較例2
樹脂基材フィルムとして、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、厚み10μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを得た。
【0045】
各例で用いた樹脂基材フィルムのマルテンス硬度、並びに各例で得られたハードコートフィルムのハードコート層のマルテンス硬度、白化角度及び鉛筆硬度を表1に示した。
【0046】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂基材フィルムと、前記樹脂基材フィルム上に積層されたハードコート層とを備えるハードコートフィルムであって、
前記樹脂基材フィルムのマルテンス硬度が130N/mm2以上であり、
前記ハードコート層のマルテンス硬度が350N/mm2以上であるハードコートフィルム。
【請求項2】
樹脂基材フィルムと、前記樹脂基材フィルム上に積層されたハードコート層とを備えるハードコートフィルムであって、
前記樹脂基材フィルムのマルテンス硬度が90N/mm2以上であり、
前記ハードコート層のマルテンス硬度が350N/mm2以上であり、
直径2mmのマンドレルを用いた折り曲げ試験において、白化角度が30°以上であるハードコートフィルム。
【請求項3】
前記ハードコート層が、表面に微細な凹凸形状を有する防眩層である請求項1又は2に記載のハードコートフィルム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のハードコートフィルムと偏光フィルムとを貼り合わせてなる偏光板であって、
前記偏光フィルムが、前記ハードコートフィルムの前記樹脂基材フィルム側に配置される偏光板。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のハードコートフィルムと偏光フィルムとを紫外線硬化型接着剤で貼り合わせてなる請求項4に記載の偏光板。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載のハードコートフィルム又は請求項4若しくは5に記載の偏光板と、画像表示素子とを備え、
前記ハードコートフィルム又は偏光板が、そのハードコート層側を外側にして画像表示素子の視認側に配置される画像表示装置。

【公開番号】特開2010−228314(P2010−228314A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−78945(P2009−78945)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】