説明

ハーネス検査システム

【課題】従来のハーネス検査は、目視検査による挿嵌位置と挿嵌状態の検査を信号ケーブル毎に手作業により検査しているため、検査時間を要し負担が大きく人為ミスが発生する虞がある。
【解決手段】本発明は、リード端子をコネクタ部の端子孔に挿嵌した際に、対向側から可動軸を有するリニアスケールプローブが配置された検査治具が装着され、予め指定された端子孔に挿嵌した際に、リニアスケールプローブの可動軸の移動距離と電気的な位置検出により、挿嵌位置と挿嵌状態を検査するため、製作作業と検査作業が同時に行われるハーネス検査システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハーネスに挿嵌されるコネクタピンの取り付け状態を検査するためのハーネス検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の製造分野において、電子機器間を電気的に接続するために着脱自在なハーネスが用いられている。このハーネスは、嵌合する2つのコネクタ部と、複数の信号ケーブルにより構成される。
【0003】
一般的には、信号ケーブルの先端に金属からなるリード端子が圧着や半田付けにより取り付けられる。このリード端子は、手作業により予め決められたコネクタ部の端子孔に差し込まれている。通常は、ハーネスの製作後に、信号ケーブルの色によりコネクタ部の端子孔の挿嵌位置が適正か否かが直視又は特許文献1のような撮像画像を目視することにより検査され、さらに、専用に作成した検査治具にハーネスを取り付けて電気的な導通検査が行われている。
【0004】
また検査に用いることができる小型プローブが知られている。小型プローブは、外装ケース内に可動軸が収容され、可動軸を検査対象に当接させ、可動軸の移動により電気信号を発する小型プローブが知られている。例えば、シンガーインスツルメンツ&コントロール社(Singer Instruments & Control Ltd.)製の超小型バネ荷重型LVDT(micro-miniature spring-loaded LVDT )が知られている。尚、LVDTは、リニア可変作動トランス(Linear Variable Differential Transformer)である。
【特許文献1】特開平5−249045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように従来は、ハーネス製作後に検査者の目視による信号ケーブル色等による挿嵌位置を確認して判定を行っている。また、コネクタ部に挿嵌されたリード端子の係止爪がコネクタ部に設けられたロック部材に確実に係止されているか否かは、信号ケーブルを一本ずつ引っ張り、確認しなければならない。このように全て、作業員が手作業で行っているため、検査に時間を要するだけでなく、検査者に対する負担が大きく、見落としなどの人為ミスが発生する虞がある。
【0006】
また、このような目視検査だけではなく、信号ケーブルを専用の検査治具に取り付けて電気的な導通検査も行わなければならない。これは、例えば、圧着端子を信号ケーブルに取り付けた際に、ケーブルの被覆を挟んで圧着されていた場合には、電気的には導通していない状態となる。また、多数のケーブルを用いたハーネスの場合には、ケーブルに同じ色の被覆が用いられる場合がある。つまり、目視検査においては、挿嵌位置や係止状態が良好と判断されていても、電気的な検査では不良となることが想定される。
そこで本発明は、可動軸の移動を電気的に検知するリニアスケールプローブを用いたハーネス検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、筐体内を移動可能で一端が嵌合する前記コネクタ部の各端子孔内に延出し、他端に磁性体が設けられた可動軸と、前記磁性体と対向する位置に励磁用電力が印加され電界を発する一次コイルと、前記電界中の前記磁性体の移動により発生する誘導電流を取り込む2分割された二次コイルと、を備える複数のリニアスケールプローブが設けられる検査治具と、前記リニアスケールプローブの前記一次コイルに励磁用電力を印加する電源部と、前記コネクタ部の各端子孔内に信号ケーブルに設けられたリード端子が挿入された際に、前記リード端子が当接して後退させた前記可動軸の移動距離の変位に相当する前記リニアスケールプローブの前記二次コイルから前記誘導電流による検出信号を検出する距離検出部と、前記距離検出部からの前記検出信号に基づき、前記可動軸の移動距離の変位に基づき、前記リード端子の挿嵌状態の良不良を判定する制御・判定部と、前記制御・判定部からの判定結果を外部に告知する告知部と、を備えるハーネス検査システムを提供する。
【0008】
また、本願発明は、筐体内を移動可能で一端が嵌合する前記コネクタ部の各端子孔内に延出し、他端に磁性体が設けられた可動軸と、前記磁性体と対向する位置に励磁用電力が印加され電界を発する一次コイルと、前記電界中の前記磁性体の移動により発生する誘導電流を取り込む2分割された二次コイルと、を備える複数のリニアスケールプローブが設けられる検査治具と、前記コネクタ部の各端子孔内に挿嵌された信号ケーブルにそれぞれ環装して、電源を印加するコイル形状の電源印加用端子と、前記電源印加用端子を選択して切り換え可能に検出用信号を印加する電源印加部と、前記電源印加部により選択された前記信号ケーブルに印加された検出用信号を前記リード端子と当接する前記移動軸を通じて検出する検出部と、前記検出部からの検出信号により、前記端子孔に挿嵌されている前記リード端子の挿嵌位置と導通状態を判定する制御・判定部と、前記制御・判定部からの判定結果を告知する告知部と、を備えるハーネス検査システムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、可動軸の移動を電気的に検知するリニアスケールプローブを用いたハーネス検査システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1(a)には、ハーネス検査システムに用いるリニアスケールプローブの構成例を示し説明する。図1(b)は、図1(a)におけるA−Aのリニアスケールプローブの断面構成を示している。
【0011】
このリニアスケールプローブ1は、外装となる筒形状のプローブケース2と、プローブケース2内を長手方向(又は母線方向)に移動可能で一端(先端部)を外部に延出させている可動軸3と、プローブケース2内の可動軸3の他端(後端部)側に装着されたフェライト等からなる磁性体4と、可動軸3の後端部に取り付けられたスプリングガイド5と、可動軸3の後端部に取り付けられるスプリング6と、可動軸3の先端部に設けられたヘッド部7と、プローブケース2の先端側を封止し可動軸3が移動可能に貫通する孔が形成されたつば部8と、プローブケース2の後端側を封止して配線用孔が開口される固定ブッシュ9と、固定ブッシュ9に設けられた溝に嵌合するプローブケース2に設けられた凸形状の固定部10と、通常位置にある磁性体4の略中央部分と対向しプローブケース2の内周面に環装される一次巻き線となる励磁コイル11と、その励磁コイル11の両側に配置され対向する磁性体4の両端から延出しない長さの二次巻き線となる検出コイル12a,12bとで構成される。
【0012】
本実施形態の可動軸3は、直径φ2mm程度の円柱形状であり、プローブケース2は、φ3mm程度の筒形状を成している。また、プローブケース2の長さ(母線長)は、40数mm程度であり、可動軸3は30数mmで、このうち外部に延出した軸の長さは10数mm程度である。可動軸3の外部に延出した軸の長さを含めて、60数mm程度である。勿論、この寸法に限定されるものではなく、測定対象によって設計や仕様により適宜、変更される。
【0013】
可動軸3及びプローブケース2は、金属製が好ましく、剛性の点から例えば、真鍮、ステンレス材料又はチタン材料、又はこれらの合金等の鋼材料が好ましい。また、用途に応じて一回りサイズが大きくてもよければ、アルミニウム又はアルミ合金を用いることも可能である。また、金属材料については単体であっても、複数の金属材料を組み合わせてもよいし、異なる金属による層構造であってもよい。また、磁性体の金属、鉄、ニッケル又はクロム金属等は本実施形態には好適しない。
【0014】
磁性体4は、筒形状を成し、可動軸3の後端周囲に嵌装さ−れ、接着剤等で固定される。勿論、磁性体4は、筒形状が複数例えば、母線方向に2つに分割された形状を成して、可動軸3の周囲を囲むように取り付けて接着固定されてもよい。この磁性体4の母線方向の長さは、可動軸3における移動距離に応じて適宜、設定される。
【0015】
スプリングガイド5は、スプリング6内に配置され、可動軸3が後退してスプリング6が縮まった際に、可動軸3が固定ブッシュ9に衝突することを回避し且つスプリング6の縮みすぎによる捩れ等の損傷を防止するためのストッパとして機能する。ヘッド部7は、検出時に検査対象物(例えば、電子部品)に当接する部材であり、その大きさや長さは、検査対象物により適宜、最適なサイズを選択して取り付けることができる。但し、ヘッド部7の大きさや重さには制限があり、図2に示すように、磁性体4の側面と、励磁コイル11及び検出コイル12a,12bとが正対向する位置を維持しなくてはならない。例えば、リニアスケールプローブ1のヘッド部を下に向けて垂直方向に取り付けた際に、多少の位置ずれが発生した場合であれば、バネ定数を変更したスプリングコイルに交換して位置補正することもできる。尚、可動軸3の可動範囲は、内部構造により固定されている。
【0016】
つば部8は、後述する樹脂製の検査パネルに挿嵌して装着された際に、固定箇所となるため、固定状態を保持させる強度が必要であり、硬質な部材、例えばステンレスやチタンなどの金属材料や硬質樹脂材料で作製されている。勿論、複数の部材を組み合わせてもよく、可動軸3と接する円盤形状部分に樹脂材料を用いて、外装として金属薄板で覆う2層構造であってもよい。
【0017】
固定ブッシュ9は、例えば樹脂材料により作製され、少なくとも1つの配線用孔が開口され、励磁コイル11と接続する電力供給線14と、検出コイル12a,12bと接続する出力信号線13とが貫通して出力端子15に引き出されている。電力供給線14及び出力信号線13は、システム側に接続され、交流電源16から電力供給線14を通じて高周波電力が一次コイルの励磁コイル11に供給され、検出した二次コイルの検出コイル12a,12bからの出力(出力電圧)を出力端子15を通じて後述する検出部に送出する。
【0018】
次に、励磁コイル11及び検出コイル12a,12bによる検査対象物の検出方法について説明する。
本実施形態のリニアスケールプローブ1は、図2に示すように、磁性体4の略中央部分に配置された励磁コイルに1MHz程度の高周波の正弦波交流電圧(電流)を印加して磁場を発生させる。図2に示すように、磁性体4が検出コイル12a,12bと正対して外れていない場合には、検出コイル12a,12bのそれぞれの出力のバランスが取れて、図3に示す可動軸位置「0」(通常時に停まる基準位置)となり、電圧差は「0」となる。
【0019】
可動軸3の先端部が検査対象物に当接した後、さらにリニアスケールプローブ1が定位置まで押し付けられると、可動軸3はスプリング6に付勢されつつプローブケース2の後方に後退する。この移動に伴い磁性体4が移動して、検出コイル12aとは対向しなくなり、検出コイル12bとは対向を維持している。この対向位置の移動により誘導電流が検出コイル12a,12bに発生する。しかし、検出コイル12a,12bの出力において左右のバランスが不均等になり、その偏りに応じて出力電圧として発生する。磁性体4が後退(図2の点線部分)した場合には、検出コイル12aは出力が減少し、検出コイル12bは出力を維持する。従って、図3に示す矢印側に移動することになり、出力電圧(V)が発生する。尚、図3に示す振幅出力及び位相出力の特性曲線は、それぞれ特性を示すものであり、出力電圧の値については同等レベルで記載するものではない。
【0020】
また例えば、可動軸3がプローブケース2の先端部から後端部に掛けて移動した場合には、大きく分けて3つの状態が発生し、リニアに変動する。まず、磁性体4は検出コイル12aと正対し、検出コイル12bとは外れている位置から、それぞれに正対する位置に移動し、さらに、検出コイル12aとは外れ、検出コイル12bと正対している正対する位置に移動する。これを図3に示す振幅出力特性では、可動軸位置「0」で出力電圧が最小値になり、位相出力では、出力値が高レベルから低レベルに切り換えられる。振幅出力特性においては、可動軸3の移動量(移動距離)に応じた電圧値が出力するため、検出された電圧値から可動軸3の先端部の移動距離の変位を算出することができる。
【0021】
次に図4には、第1の実施形態の検査システムとして、前述したリニアスケールプローブ1を用いて、ハーネスの製造工程における挿嵌状態を検出し、差し込み不良を判定する構成例を示して説明する。
【0022】
この検査システムは、ハーネスのコネクタ部22に着脱可能に嵌合するハーネス用検査治具21と、ハーネス用検査治具21に設けられた複数のリニアスケールプローブ1と、リニアスケールプローブ1の移動軸3毎にその移動状態を検出する距離検出部25と、システムの構成部位に対する制御及び距離検出部25からの検出信号により、リード端子の挿嵌状態の良不良を判定する制御・判定部26と、判定結果を表示及び/又は音声により知らせる告知部27とで構成される。距離検出部25は、リニアスケールプローブ1の可動軸3の移動に伴い発生した信号を検出し、その検出信号からリード端子が差し込まれた端子孔の位置情報が付与された移動距離に基づく検出信号を制御・判定部26に検出結果を出力する。
【0023】
まず、製作作業を行うにあたって、ハーネス用検査治具21に作成するハーネスのコネクタ部22を嵌合させる。この時、リニアスケールプローブ1は、各可動軸3が全てのコネクタ部の端子孔22aに挿入されるように配置されている。
【0024】
製作作業者は、予め決められた端子孔に所定のリード端子を挿入する。リード端子がある程度、挿入されると、可動軸3の先端に当接する。さらに、リード端子を差し込むと、可動軸3が後退するように移動して、さらに端子孔の奥に挿入されると、リード端子の係止爪がコネクタ部に設けられたロック部材に嵌り込む。そして、係止爪が僅かの距離が戻り、遊び部分が無くなりロック部材に係止される。この係止状態となると、リード端子は、端子孔から抜けでなくなる。この時のリニアスケールプローブ1の可動軸3の移動距離に相当する信号が検出コイル12a,12bに発生して、出力端13より検出信号として出力される。この検出信号は、可動軸の移動の変位(進退移動の変化)を含んでいる。前述した様に、リード端子24は、端子孔22aが一旦、所定の深さまで挿入された後、手前に僅か戻り、係止爪がロック部材に嵌り込む。従って、検出信号においても移動距離における進退の変位を含んでいることとなる。制御・判定部26は、この変位を検出することで、係止爪がロック部材に嵌り込み、リード端子が固定されたことを判定する。
【0025】
以上説明したように第1の実施形態の検査システムによれば、ハーネス製造工程において、コネクタ部にリード端子を挿嵌する製作作業を行うと同時に、リード端子の挿嵌状態を検出して、リード端子の挿嵌不良を防止することができる。この時に、リニアスケールプローブ1が設けられている端子孔を特定すれば、挿嵌位置の検査も同時に行うことができる。
【0026】
次に図5には、第2の実施形態の検査システムとして、前述したリニアスケールプローブ1を用いて、ハーネスの製造工程における配線ケーブルとの導通状態を検出して、挿嵌位置と電気的な導通検査を実施する構成例を示して説明する。
【0027】
この検査システムは、ハーネスのコネクタ部22に着脱可能に嵌合するハーネス用検査治具21と、ハーネス用検査治具21に設けられた複数のリニアスケールプローブ1と、リニアスケールプローブ1の移動軸3に当接するリード端子の信号ケーブルとの導通状態を検出する電流検出部31と、それぞれの信号ケーブルに並進して近接して容量結合し、電源(電圧)を印加する板状若しくは筒状の電源印加端子32と、選択的に切り換え可能に電源印加端子32に電源を印加する電源印加部33と、システムの構成部位の制御及び電流検出部31からの検出信号により、リード端子の挿嵌位置と導通状態を判定する制御・判定部34と、判定結果を表示及び/又は音声により知らせる告知部35とで構成される。
【0028】
電源印加部33は、選択した電源印加端子32に交流電源を印加して、静電容量により生じる変位電流で信号ケーブルには、電流信号が発生する。この電流信号は、リニアスケールプローブ1の可動軸3に流れ込む。リニアスケールプローブ1は、可動軸3に流れ込んだ電流により、検出コイル12a,12bが信号を検出して、出力端子13に出力する。出力端子13には電流検出部31が接続される。電流検出部31は、リニアスケールプローブ1から流れ出た電流信号を切り換えて選択的に入力するスイッチング機構と、選択されたリニアスケールプローブ1即ち、その可動軸3を通じて信号ケーブルに流れる電流信号を検出する。
【0029】
この構成により、電流信号が印加された信号ケーブルと電流が検出されたリード端子が嵌装されている端子孔とを一対一で検出することにより、配線された信号ケーブルが設計に従う正しいコネクタ部の端子孔に挿嵌されたか否かを検査することができる。また、誤配線を検出した場合には、その誤配線とされる信号ケーブルに電流を印加した状態で、電流検出部31の入力端側を走査して入力させることで、短時間で誤配線された位置を特定することができる。また、この試験により、導通試験が同時に行うことができる。
【0030】
また、変形例として、前述した第1の実施形態における距離検出部25と電流検出部31(電源印加端子32及び電源印加部33を含める)との両方の構成部位を搭載することにより、信号ケーブルのリード端子の挿嵌状態、挿嵌位置及び導通の検査を製作作業と同時に行うことができる。この場合には、距離検出部25と電流検出部31をリニアスケールプローブ1の出力端に並列的に接続する又は、切り換えによりいずれかに入力するように構成してもよい。また、リニアスケールプローブ1の出力信号は小さいため、増幅させた後、検査に使用するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1(a)は、ハーネス検査システムに用いるリニアスケールプローブの構成例を示す図、図1(b)は、図1(a)におけるA−Aのリニアスケールプローブの断面構成を示す図である。
【図2】リニアスケールプローブにおける磁性体と、励磁コイル及び検出コイルの位置関係と発生する電圧について説明するための図である。
【図3】可動軸の位置と振幅出力と位相出力について説明するための図である。
【図4】コネクタ部に挿嵌されたリード端子の取り付け状態を検査する検査システムの構成例を示す図である。
【図5】コネクタ部に挿嵌されたリード端子の取り付け位置を検査する検査システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1…リニアスケールプローブ、2…プローブケース、3…可動軸、4…磁性体、5…スプリングガイド、6…スプリング、7…ヘッド部、8…つば部、9…固定ブッシュ、10…固定部、11…励磁コイル、12a,12b…検出コイル、21…ハーネス用検査治具、22…コネクタ部、22a…端子孔、23…ロック部材、24…リード端子、25…距離検出部、26,34…制御・判定部、27,35…告知部、31…電流検出部、32…電源印加端子、33…電源印加部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内を移動可能で一端が嵌合する前記コネクタ部の各端子孔内に延出し、他端に磁性体が設けられた可動軸と、前記磁性体と対向する位置に励磁用電力が印加され電界を発する一次コイルと、前記電界中の前記磁性体の移動により発生する誘導電流を取り込む2分割された二次コイルと、を備える複数のリニアスケールプローブが設けられる検査治具と、
前記リニアスケールプローブの前記一次コイルに励磁用電力を印加する電源部と、
前記コネクタ部の各端子孔内に信号ケーブルに設けられたリード端子が挿入された際に、前記リード端子が当接して後退させた前記可動軸の移動距離の変位に相当する前記リニアスケールプローブの前記二次コイルから前記誘導電流による検出信号を検出する距離検出部と、
前記距離検出部からの前記検出信号に基づき、前記可動軸の移動距離の変位に基づき、前記リード端子の挿嵌状態の良不良を判定する制御・判定部と
前記制御・判定部からの判定結果を外部に告知する告知部と、
を具備することを特徴とするハーネス検査システム。
【請求項2】
筐体内を移動可能で一端が嵌合する前記コネクタ部の各端子孔内に延出し、他端に磁性体が設けられた可動軸と、前記磁性体と対向する位置に励磁用電力が印加され電界を発する一次コイルと、前記電界中の前記磁性体の移動により発生する誘導電流を取り込む2分割された二次コイルと、を備える複数のリニアスケールプローブが設けられる検査治具と、
前記コネクタ部の各端子孔内に挿嵌された信号ケーブルにそれぞれ環装して、電源を印加するコイル形状の電源印加用端子と、
前記電源印加用端子を選択して切り換え可能に検出用信号を印加する電源印加部と、
前記電源印加部により選択された前記信号ケーブルに印加された検出用信号を前記リード端子と当接する前記移動軸を通じて検出する検出部と、
前記検出部からの検出信号により、前記端子孔に挿嵌されている前記リード端子の挿嵌位置と導通状態を判定する制御・判定部と、
前記制御・判定部からの判定結果を告知する告知部と、
を具備することを特徴とするハーネス検査システム。
【請求項3】
筐体内を移動可能で一端が嵌合する前記コネクタ部の各端子孔内に延出し、他端に磁性体が設けられた可動軸と、前記磁性体と対向する位置に励磁用電力が印加され電界を発する一次コイルと、前記電界中の前記磁性体の移動により発生する誘導電流を取り込む2分割された二次コイルと、を備える複数のリニアスケールプローブが設けられる検査治具と、
前記リニアスケールプローブの前記一次コイルに励磁用電力を印加する電源部と、
前記コネクタ部の各端子孔内に信号ケーブルに設けられたリード端子が挿入された際に、前記リード端子が当接して後退させた前記可動軸の移動距離の変位に相当する前記リニアスケールプローブの前記二次コイルから前記誘導電流による検出信号を検出する距離検出部と、
前記コネクタ部の各端子孔内に挿嵌された信号ケーブルにそれぞれ環装して、電源を印加するコイル形状の電源印加用端子と、
前記電源印加用端子を選択して切り換え可能に検出用信号を印加する電源印加部と、
前記電源印加部により選択された前記信号ケーブルに印加された検出用信号を前記リード端子と当接する前記移動軸を通じて検出する検出部と、
前記距離検出部からの前記検出信号に基づき、前記可動軸の移動距離の変位に基づき、前記リード端子の挿嵌状態の良不良を判定し、前記検出部からの検出信号により、前記端子孔に挿嵌されている前記リード端子の挿嵌位置と導通状態を判定する制御・判定部と、
前記制御・判定部からの判定結果を告知する告知部と、
を具備することを特徴とするハーネス検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−175593(P2008−175593A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−7481(P2007−7481)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(594157142)オー・エイチ・ティー株式会社 (28)
【Fターム(参考)】