バイス及びジャッキ
【課題】 従来の、万力は雄ネジが1本であったため、工作物を挟むときにはハンドルを沢山回さなければならず、締め付けるときには力が必要とした。また、ジャッキは高さ調整に補助ネジを回していたが、面倒であった。
【解決手段】 本発明のバイスは、工作物(4)を挟む雄ネジ(2)と逆ネジ(1b)の2つのトルクで早く締まり、トルクハンドル(1c)を回すとしっかりと挟むことができる。また、マシーンバイスは、雄ネジ(2)を締まることで、雄ネジ(2)の締まるピッチとトルクネジ(3f)の締まるピッチを自動的に選択できる。さらに、ジャッキはシャフト(5)が間を調節し、トルクシリンダー(7)が持ち上げるように作業を分けた。
【解決手段】 本発明のバイスは、工作物(4)を挟む雄ネジ(2)と逆ネジ(1b)の2つのトルクで早く締まり、トルクハンドル(1c)を回すとしっかりと挟むことができる。また、マシーンバイスは、雄ネジ(2)を締まることで、雄ネジ(2)の締まるピッチとトルクネジ(3f)の締まるピッチを自動的に選択できる。さらに、ジャッキはシャフト(5)が間を調節し、トルクシリンダー(7)が持ち上げるように作業を分けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作物を掴む工具のバイスや、重量物を持ち上げるジャッキに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の万力(本発明はバイスとよぶ)は、箱万力と、足付き万力と、マシン万力と、しゃこ万力などがある。 箱万力は、作業台に取り付け、仕上げ、組み立て作業に用いる万力で、万力本体は鋳鉄または鋳鋼製が使用され、小形のものを台万力という。
【0003】
足付き万力は、作業台に取り付け、主に簡単な鍛造作業および手仕上げのとき加工物をつかむ万力で、挟む口は両脚の中央でピンで連結しているから、その開きには常に平行でない。
【0004】
マシン万力は、フライス盤、ボール盤などで工作物をつかませる万力で、機械万力の頭部を任意に傾けることのできる機械万力で、歯車の工作または複雑な形の工作物に用いて便利である。
回り万力は、箱万力の下部に旋回台を設け、任意の角度に旋回できるようにした万力で、精密工作に広く用いられる。
【0005】
そこで、従来の万力のハンドルは、万力本体に前後動自在に設けられた可動体に、回転軸が回転自在に支持され、その回転軸の前端部に回転軸の軸方向に対し、直角方向の貫通穴が形成され、その貫通穴に直線状のハンドルが付いていた。しかし、ハンドルの回転に際し、工作物の締め付け前の可動体の移動時に、小さいトルクしか必要でないのに、ハンドルを大きく回転しなければならず、回転動作が大きく、労力を要し過ぎるという問題かあった。
【0006】
それらの問題を解決するために特開平10−180641の名称 万力では、ハンドルをL字状に曲げたものが出願されている。その万力は、工作物の締め付け前の可動体の移動時は、ハンドルの長い方を前方、即ち前後方向に位置させ、長寸部を持ってハンドルを回せばよく、小さい回転動作、即ち小さい労力で可動体を容易に移動さすことができる。そして、無駄な労力を必要としなく、工作物の締め付け時は、長寸部を横方向、即ち左右方向に位置させて回転すればよく、大きなトルク、即ち強力な締め付けトルクが得られる。また、長寸部を前または左、右の横に位置させることができ、加工作業の邪魔になることがなく、さらに指を挟むこともない。
【0007】
またジャッキは、工作物や構造物を持ち上げるのに用いる器具で、ネジを利用したネジジャッキや、ラックを用いたラックジャッキと、油圧ジャッキが最も広く用いられている。その油圧ジャッキの中で、出願されているものの中に特開2007−284249の名称 複合加圧二段油圧ジャッキがある。
その複合加圧二段油圧ジャッキは、重量物を持ち上げるとき使用するジャッキであって、従来の物より1段余分に伸びる物があった。
【0008】
その他、プロリフト油圧ジャッキは、物を持ち上げる高さを調節するてめのネジが、シャフトに具備されており、従来は隙間をなくすため、台の上にジャッキを乗せ調節していたが、シャフトに具備したネジを延ばすことで、台が不要になりジャッキアップできるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−180641
【特許文献2】特開2007−210147
【特許文献3】特開2004−255555
【特許文献4】特開2004−261927
【特許文献5】特開2007−284249
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の特開平10−180641の名称 万力では、工作物の締め付け前の、可動体の移動時は、ハンドルの長い方を前方、即ち前後方向に位置させ、長寸部を持ってハンドルを回せばよく、小さい回転動作、即ち小さい労力で可動体を容易に移動さすことができる。そのため、無駄な労力を必要としなく、工作物の締め付け時は、長寸部を横方向、即ち左右方向に位置させて回転すればよく、大きなトルクが得られる。即ち、強力な締め付けトルクが得られるものであった。しかし、雄ネジが1本であるため、回転さす回転数は同じであったため、余分な労力を使っていた。
【0011】
またジャッキは、工作物や構造物を持ち上げるのに用いる器具で、油圧ジャッキの中で出願されているものの中に特開2007−284249の名称 複合加圧二段油圧ジャッキがあったが、それはただ持ち上げるときに二段式で、良く伸びるだけであった。
さらに、プロリフト油圧ジャッキは、物を持ち上げる高さを調節するてめのネジが、シャフトに具備されており、シャフトに具備したネジを延ばすことで、下に敷く台が不要になり、ジャッキアップできるようになっていたが、ジャッキを使用するところは床下などの手が入らないような所が多く、したがってネジを調節するは困難を要した。
【0012】
そこで、本発明のバイスは、雄ネジ(2)が引っ張って工作物(4)を軽く挟み、可動部(1)を締める方に押し出す逆ネジ(1b)のトルクの両方で、早く、確実にものをつかむ物である。
またマシーンバイスの場合は、雄ネジ(2)に細かいピッチの管(3e)を取り付けることで、同様な効果を上げるバイスを提供するものである。
さらにジャッキは、高さ調節用のシャフト(5)が重量物(8)にタッチするとバルブ(6a)が締まり、トルクシリンダー(7)が重量物(8)を持ち上げるジャッキで、要するにトルクが加わるまでを、素早く動かす物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1のバイスの可動部(1)が、雄ネジ(2)を介して固定部(3)で工作物(4)を締め付けるバイスである。
その可動部(1)は、雄ネジ(2)を軸支部(2a)で回転自在に支持されており、その雄ネジ(2)の軸支部(2a)の先端にはハンドル(2b)を具備している。
また、その軸支部(2a)は筒(1a)を取り付け、その筒(1a)の外側にはピッチの小さい逆ネジ(1b)を具備して、その逆ネジ(1b)を介して該可動部(1)に取り付け、その逆ネジ(1b)にはトルクハンドル(1c)を具備していることで目的を達成した。
【0014】
請求項2のマシーンバイスは、可動部(1)と固定部(3)の間に、工作物(4)を挟むマシーンバイスである。
その可動部(1)は、雄ネジ(2)が支持部(3c)によって支持されており、その雄ネジ(2)は、管(3e)を介して支持部(3c)に取り付けている。
その管(3e)は、内側に雄ネジ(2)に噛み合う雌ネジ(3a)か具備されており、管(3e)の外側には、小さなピッチのトルクネジ(1f)が具備されていることで目的を達成した。
【0015】
請求項3のジャッキは、シャフト(5)が重量物(8)を持ち上げるジャッキであって、そのシャフト(5)を摺動するシリンダー(6)と、そのシリンダー(6)の底にはバルブ(6a)が構成されており、そのバルブ(6a)はトルクシャフト(6b)が作動することで、バルブ(6a)が締まる。 また、シリンダー(6)の外側はトルクシャフト(6b)になっており、そのトルクシャフト(6b)はトルクシリンダー(7)を摺動し、トルクシリンダー(7)の底が干渉して、バルブ(6a)を操作する操作棒(6c)が具備されていることで目的を達成した。
【発明の効果】
【0016】
本発明のバイスとジャッキは、次のような効果がある。
(イ)雄ネジのピッチを荒くすることができるため、工作物を早く挟むことができる。
(ロ)逆ネジのピッチを細かくすることで、工作物を確実に固定することができる。
(ハ)雄ネジは工作物を挟むだけでよいので、ハンドルは小さいものでよい。
(ニ)逆ネジは工作物を締め付けるときは、逆ネジのピッチを細かくすることでトルクハンドルは小さいものでよい。
(ホ)マシーンバイスの場合は、締め付ける方向を変えることで、早く締めることと、確実に締めることを使い分ける。
(ヘ)ジャッキのシャフトは、重量物にタッチさせるまでは、力がないが早く動く。
(ト)重量物にタッチしたら、トルクシャフトが作動して、遅いが力はある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】側面から見た断面図である。
【図2】工作物を挟んだ断面図である。
【図3】工作物を締め込んだ断面図である。
【図4】バイスの斜視図である。
【図5】従来の万力を、側面から見た断面図である。
【図6】マシーンバイスの、側面から見た断面図である。
【図7】工作物を挟んだ断面図である。
【図8】工作物を締め込んだ断面図である。
【図9】ジャッキの、側面から見た断面図である。
【図10】重量物にタッチした断面図である。
【図11】重量物を持ち上げた断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明のバイスの可動部(1)が、雄ネジ(2)をハンドル(2b)で操作して、固定部(3)に具備した雌ネジ(3a)を引き寄せたり、開いたりする。それに連動する可動部(1)の口金(1d)と、固定部(3)の口金(3d)との間が開いたり、閉じたりするものである。
その可動部(1)は、雄ネジ(2)を軸支部(2a)で回転自在に支持されており、その雄ネジ(2)の軸支部(2a)の先端には、ハンドル(2b)を具備している。
そこで、工作物(4)を口金(1d)に当て、片手でハンドル(2b)を操作し、工作物(4)を落とさないぐらいに止める。このとき雄ネジ(2)は、ピッチが荒いため早く締めることができるが、トルクが無いため指を挟んでも痛くない。
【0019】
次に、トルクハンドル(1c)を回して、工作物(4)を締め付ける。そのトルクハンドル(1c)は、雄ネジ(2)と逆に切った、逆ネジ(1b)が可動部(1)を押し出して締め付ける。
しかし、雄ネジ(2)と逆ネジ(1b)はピッチが違い、雄ネジ(2)は荒いピッチで、工作物(4)を早く挟むのが目的に作られている。
【0020】
それとは逆に、逆ネジ(1b)は細かいピッチでトルクはあるが、締め付ける速度が遅い。 したがって、工作物(4)を挟むまでは雄ネジ(2)で閉めて、しっかりと締めるときは逆ネジ(1b)のトルクハンドル(1c)を、ハンドル(2b)を回した方向に同じく、回して締める。
【0021】
工作物(4)を取り外すときは、トルクハンドル(1c)を先程とは、逆に回転して工作物(4)を取り除く。
したがって、ハンドル(2b)が操作する雄ネジ(2)は、トルクが加わらないため荒いピッチで、トルクハンドル(1c)を操作するときは、トルク重視であるから細かいピッチで、確実に締め込むため、従来のように長いハンドルを、何回も回すことがなくなった。
【0022】
請求項2のマシーンバイスの場合は、支持部(3c)に取り付けた管(3e)を介して雄ネジ(2)が、可動部(1)を動かし、固定部(3)と可動部(1)の間に、工作物(4)を挟むマシーンバイスである。 その管(3e)は、内側に雄ネジ(2)と合うように雌ネジ(3a)か具備されており、その雄ネジ(2)のピッチは荒くなっており、工作物(4)を早く掴むようになっている。
【0023】
したがって、ハンドル(2b)を回して、締める方に回すとき、押しながら回すと雄ネジ(2)の溝の角度が、トルクネジ(1f)の溝の角度より抵抗にならないとき、トルクネジ(1f)は回らず、雄ネジ(2)の方が回るが、どうしてもトルクネジ(1f)が回るときには、指で管(3e)を回らないように、押さえて止めるとよい。
【0024】
次に、工作物(4)が可動部(1)と固定部(3)に引っ付くと、ハンドル(2b)を押しながら回しても、工作物(4)が挟まっているため、押す力は働かず、純粋な回転する方向に力が働き、雄ネジ(2)の斜めになった溝よりも、トルクネジ(1f)のピッチが小さい物の方が、傾斜が緩いため、トルクネジ(1f)の方が回転して、工作物(4)をしっかりと挟む。
【0025】
開くときは、普通に回してやれば、先にトルクネジ(1f)が開き、全開に開くと、その後雄ネジ(2)が開くので、何時も管(3e)は開いた状態で止まっている。
【0026】
請求項3のジャッキの場合は、重量物(8)の下にジャッキを入れる。そのとき、ジャッキは幾らかの余裕があり、もしもぴったりだと作業が難しい。そして、油穴(7a)からオイルを圧入すると、磁石(6d)はトルクシリンダー(7)の底に引っ付いているためトルクシャフト(6b)は上がらず、シリンダー(6)が上がる。そのとき、シリンダー(6)は径が小さいので早く動き、重量物(8)にシャフト(5)のサドル(5a)がタッチする。さらに、油圧を加えると磁石(6d)で引っ付いていたトルクシャフト(6b)が上昇して、トルクシャフト(6b)の下部に具備したバルブ(6a)は、操作棒(6c)がトルクシリンダー(7)の底に触れなくなり、バルブ(6a)は閉まる。
【0027】
そして、トルクシリンダー(7)が重量物(8)を持ち上げるが、トルクシリンダー(7)はシリンダー(6)より径が大きいためゆっくりと動くが、持ち上げる力はシャフト(5)のおよそ25倍のトルクがある。
【0028】
しまうときは、オイルを油穴(7a)から出して、まずトルクシリンダー(7)に溜まったオイルを除くと、トルクシャフト(6b)の下部に具備したバルブ(6a)の操作棒(6c)は、トルクシリンダー(7)の底に押されて、バルブ(6a)は解放する。
すると、シリンダー(6)に溜まったオイルが油穴(7a)から排出され、シャフト(5)も元の位置に引っ込む。
【実施例1】
【0029】
本発明のバイスを、図面を参照して説明する。
図5は、従来の万力の横から見た断面図で、図1は同じ方向から見た、同じく断面図で、その図を見て分かるとおり、可動部(1)に逆ネジ(1b)を切った筒(1a)が構成されているのが本発明の特徴である。
このバイスを、可動部(1)の口金(1d)と、固定部(3)の口金(3d)が開く幅が、最大15センチのものを改造した。
雄ネジ(2)は、従来の物のよりピッチが荒く、従来の物が15センチを30の山があるとしたら、本発明は15センチを15の山があり、早く挟むことはできるが、トルクはない。
【0030】
そのバイスで、工作物(4)を挟むとき、片手で工作物(4)を固定部(3)の口金(3d)に押し当てて、もう一方の片手でハンドル(2b)を回し、雄ネジ(2)が固定部(3)の雌ネジ(3a)を引っ張り、可動部(1)は動き、口金(1d)は工作物(4)に接した状態の図2のようになる。
【0031】
その図2は、工作物(4)を落とさないぐらいに軽く止めた断面図である。工作物(4)を挟んで止めるだけなので、雄ネジ(2)はピッチを大きくすることができ、ピッチが荒いから力がなく、誤って指をを挟んでも痛くない。
【0032】
次に、トルクハンドル(1c)を同じ方向に回すと、トルクハンドル(1c)は筒(1a)に具備されており、その筒(1a)には逆ネジ(1b)が切ってある。
その逆ネジ(1b)は、雄ネジ(2)が1回転すると10ミリのピッチに比べ、逆ネジ(1b)は2ミリのピッチであるため、5倍のトルクが得られる。
したがって、従来の万力のハンドル(2b)を回すとき、1回転で5ミリの移動であったのに比べ、本発明のトルクハンドル(1c)は1回転で2ミリの移動であるため、トルクハンドル(1c)の長さは半分でよい。
【0033】
工作物(4)をしっかりと挟んだところが、図3の断面図である。
逆ネジ(1b)は、可動部(1)に具備した逆雌ネジ(1e)を押し、逆雌ネジ(1e)が現れたところである。 工作物(4)はゴムで、図のように楕円形に変形したところで、トルクハンドル(1c)を同じ方向に回すと逆ネジの付いた逆ネジ(1b)は、可動部(1)の逆雌ネジ(1e)を押して、逆ネジ(1b)が可動部(1)から出ているところである。 逆ネジ(1b)が可動部(1)からでた分の、反対側の逆雌ネジ(1e)が、初めて図面に現されている。
【0034】
図4は、バイスの斜視図である。その図を見て分かるとおり、ハンドル(2b)もトルクハンドル(1c)も小さいので作業の邪魔にはならないが、トルクハンドル(1c)にパイプを差し込んで回すと、より大きなトルクで締めることもできる。
【実施例2】
【0035】
図6は、請求項2のマシーンバイスの横から見た断面図で、可動部(1)は案内棒(3d)に摺動され、可動部(1)の上部には雄ネジ(2)を回転自在に動かす、引っ込んだ部分があり、そこへ雄ネジ(2)が回転自在に取り付けており、引っ張ったときに抜けない用になっている。 また、雄ネジ(2)は支持部(3c)との間に介在する管(3e)の、内側には雄ネジ(2)と噛み合う雌ネジ(3a)が付いており、その雄ネジ(2)は従来の万力では15センチの雄ネジ(2)を30の山があるとしたら、本発明のマシーンバイスは15センチを15の山があり、早く挟むことはできるが、トルクはない。
【0036】
そこで図7は、横から見た断面図で、可動部(1)と固定部(3)が工作物(4)を挟んだところである。雄ネジ(2)はピッチが荒いため、押しながら回すと、少ない回転で工作物(4)を挟むが、力がないので指を挟んでも痛くない。その他、雄ネジ(2)だけを回転さす方法として、管(3e)を指で押さえ止めておけば、雄ネジ(2)だけを操作することができる。
【0037】
図8は、横から見た断面図で、工作物(4)をしっかりと挟んだところである。
工作物(4)は、ゴムのため変形しているが、トルクネジ(3f)の働きを現すためにゴムをもちいた。その工作物(4)を、しっかりと固定するため、雄ネジ(2)のハンドル(2b)を引き続き回すと、押しながら回しても押す力は、工作物(4)が挟まっているので作用せず、回転する力だけが残り、回る力はピッチの細かい方が、回り易いため管(3e)が付いて回り、管(3e)に具備されたトルクネジ(3f)が支持部(3c)を押して、可動部(1)と固定部(3)に挟まれた工作物(4)が変形する。
【0038】
緩めるときは、普通に逆の回転をすると、まずトルクネジ(3f)が回転して、一番左に移動して、次に雄ネジ(2)と雌ネジ(3a)の間がから回転して工作物(4)を外す。
【実施例3】
【0039】
図9は、ジャッキの断面図で、重量物(8)の下にセットしたところである。
ジャッキは、トルクシリンダー(7)がφ100で、油圧50kg/cm平方で5トンの持ち上げるジャッキである。まず、トルクシャフト(6b)に具備した油穴(7a)から、オイルを手動ポンプで、3kg/cm平方で加圧したオイルを、トルクシリンダー(7)の内部に送る。 トルクシャフト(6b)は、磁石(6d)がトルクシリンダー(7)に引っ付いているため、トルクシャフト(6b)は3kg/cm平方の加圧では作動せず、トルクシリンダー(7)の底に具備した、穴からシリンダー(6)内にオイルが流れる。
【0040】
図10のシャフト(5)は、手動ポンプが1回の動作で2ccのオイルが噴出されて油圧が上がり、手動ポンプのハンドルを20回押すと、サドル(5a)が重量物(8)に軽く引っ付いたところである。シャフト(5)の径はφ20であるため、3kg/cm平方の加圧では12kgの上げる力がある。 そして、10kg/cm平方の加圧で、トルクシャフト(6b)の底に具備した磁石(6d)が離れて、トルクシャフト(6b)が上昇する。5ミリ上昇したところで、トルクシャフト(6b)の下部に取り付けたバルブ(6a)の操作棒(6c)が、トルクシリンダー(7)の底に当たっていたが、5ミリの上昇でバルブ(6a)は閉じ、シリンダー(6)内のオイルは、トルクシリンダー(7)内のオイルの約25倍の油圧が加わっている。したがって、とくにシリンダー(6)のオイルシールには注意が必要である。
【0041】
図11は、重量物(8)を上げたところである。重量物(8)が5トンとして、シリンダー(6)内のオイルは1250kg/cm平方の加圧で、その加圧に耐えるオイルシールがいる。一方、トルクシリンダー(7)内のオイルは50kg/cm平方の加圧で、5トンの重量物(8)を持ち上げているところである。手動ポンプは、1回の動作で2ccを送るため、トルクシャフト(6b)のφ100では、0.2ミリ上昇する。そして、15センチの高さの重量物(8)を、20センチまで上げたところで、5センチ上げるのに約250回、手動ポンプのハンドルを押さなければならない。
【0042】
重量物(8)を下ろすときや、作業が終わってジャッキをしまうときは、オイルを油穴(7a)から抜き、最初にトルクシャフト(6b)が一番下まで降下すると、バルブ(6a)は操作棒(6c)がトルクシリンダー(7)の底に当たって、バルブ(6a)が開放され、シリンダー(6)のオイルが抜けてシャフト(5)が下がり、図9の状態になる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
油圧ジャッキは、油圧プレスにも応用できる。油圧プレスは、1本のシリンダーで操作するものであったが、大きいシリンダーを動かすのは時間がかかり、無駄なエネルギーを使用していたが、本発明のようにシリンダー(6)とトルクシリンダー(7)を分けることで早く、エネルギーの無駄を無くせる。
【0044】
また、シャフトを低圧に使用することで、余り力が要らない加工物を曲げるときには、シャフトの径が小さい分、作業が早い。つまり、φ300のプレスなら、φ200のシャフトを取り付けることで、シャフトが40トンの加圧をするのなら、トルクシャフトは90トンの加圧をし、サドルの早さは2倍違う。そのため、余計な動力と、時間を短縮できる。
【符号の説明】
【0045】
1 可動部 1a 筒 1b 逆ネジ
1c トルクハンドル 1d 口金 1e 逆雌ネジ
2 雄ネジ 2a 軸支部 2b ハンドル 2c ピン
3 固定部 3a 雌ネジ 3b 案内棒 3c 支持部
3d 口金 3e 管 3f トルクネジ
4 工作物
5 シャフト 5a サドル
6 シリンダー 6a バルブ 6b トルクシャフト
6c 操作棒 6d 磁石
7 トルクシリンダー 7a 油穴
8 重量物
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作物を掴む工具のバイスや、重量物を持ち上げるジャッキに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の万力(本発明はバイスとよぶ)は、箱万力と、足付き万力と、マシン万力と、しゃこ万力などがある。 箱万力は、作業台に取り付け、仕上げ、組み立て作業に用いる万力で、万力本体は鋳鉄または鋳鋼製が使用され、小形のものを台万力という。
【0003】
足付き万力は、作業台に取り付け、主に簡単な鍛造作業および手仕上げのとき加工物をつかむ万力で、挟む口は両脚の中央でピンで連結しているから、その開きには常に平行でない。
【0004】
マシン万力は、フライス盤、ボール盤などで工作物をつかませる万力で、機械万力の頭部を任意に傾けることのできる機械万力で、歯車の工作または複雑な形の工作物に用いて便利である。
回り万力は、箱万力の下部に旋回台を設け、任意の角度に旋回できるようにした万力で、精密工作に広く用いられる。
【0005】
そこで、従来の万力のハンドルは、万力本体に前後動自在に設けられた可動体に、回転軸が回転自在に支持され、その回転軸の前端部に回転軸の軸方向に対し、直角方向の貫通穴が形成され、その貫通穴に直線状のハンドルが付いていた。しかし、ハンドルの回転に際し、工作物の締め付け前の可動体の移動時に、小さいトルクしか必要でないのに、ハンドルを大きく回転しなければならず、回転動作が大きく、労力を要し過ぎるという問題かあった。
【0006】
それらの問題を解決するために特開平10−180641の名称 万力では、ハンドルをL字状に曲げたものが出願されている。その万力は、工作物の締め付け前の可動体の移動時は、ハンドルの長い方を前方、即ち前後方向に位置させ、長寸部を持ってハンドルを回せばよく、小さい回転動作、即ち小さい労力で可動体を容易に移動さすことができる。そして、無駄な労力を必要としなく、工作物の締め付け時は、長寸部を横方向、即ち左右方向に位置させて回転すればよく、大きなトルク、即ち強力な締め付けトルクが得られる。また、長寸部を前または左、右の横に位置させることができ、加工作業の邪魔になることがなく、さらに指を挟むこともない。
【0007】
またジャッキは、工作物や構造物を持ち上げるのに用いる器具で、ネジを利用したネジジャッキや、ラックを用いたラックジャッキと、油圧ジャッキが最も広く用いられている。その油圧ジャッキの中で、出願されているものの中に特開2007−284249の名称 複合加圧二段油圧ジャッキがある。
その複合加圧二段油圧ジャッキは、重量物を持ち上げるとき使用するジャッキであって、従来の物より1段余分に伸びる物があった。
【0008】
その他、プロリフト油圧ジャッキは、物を持ち上げる高さを調節するてめのネジが、シャフトに具備されており、従来は隙間をなくすため、台の上にジャッキを乗せ調節していたが、シャフトに具備したネジを延ばすことで、台が不要になりジャッキアップできるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−180641
【特許文献2】特開2007−210147
【特許文献3】特開2004−255555
【特許文献4】特開2004−261927
【特許文献5】特開2007−284249
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の特開平10−180641の名称 万力では、工作物の締め付け前の、可動体の移動時は、ハンドルの長い方を前方、即ち前後方向に位置させ、長寸部を持ってハンドルを回せばよく、小さい回転動作、即ち小さい労力で可動体を容易に移動さすことができる。そのため、無駄な労力を必要としなく、工作物の締め付け時は、長寸部を横方向、即ち左右方向に位置させて回転すればよく、大きなトルクが得られる。即ち、強力な締め付けトルクが得られるものであった。しかし、雄ネジが1本であるため、回転さす回転数は同じであったため、余分な労力を使っていた。
【0011】
またジャッキは、工作物や構造物を持ち上げるのに用いる器具で、油圧ジャッキの中で出願されているものの中に特開2007−284249の名称 複合加圧二段油圧ジャッキがあったが、それはただ持ち上げるときに二段式で、良く伸びるだけであった。
さらに、プロリフト油圧ジャッキは、物を持ち上げる高さを調節するてめのネジが、シャフトに具備されており、シャフトに具備したネジを延ばすことで、下に敷く台が不要になり、ジャッキアップできるようになっていたが、ジャッキを使用するところは床下などの手が入らないような所が多く、したがってネジを調節するは困難を要した。
【0012】
そこで、本発明のバイスは、雄ネジ(2)が引っ張って工作物(4)を軽く挟み、可動部(1)を締める方に押し出す逆ネジ(1b)のトルクの両方で、早く、確実にものをつかむ物である。
またマシーンバイスの場合は、雄ネジ(2)に細かいピッチの管(3e)を取り付けることで、同様な効果を上げるバイスを提供するものである。
さらにジャッキは、高さ調節用のシャフト(5)が重量物(8)にタッチするとバルブ(6a)が締まり、トルクシリンダー(7)が重量物(8)を持ち上げるジャッキで、要するにトルクが加わるまでを、素早く動かす物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1のバイスの可動部(1)が、雄ネジ(2)を介して固定部(3)で工作物(4)を締め付けるバイスである。
その可動部(1)は、雄ネジ(2)を軸支部(2a)で回転自在に支持されており、その雄ネジ(2)の軸支部(2a)の先端にはハンドル(2b)を具備している。
また、その軸支部(2a)は筒(1a)を取り付け、その筒(1a)の外側にはピッチの小さい逆ネジ(1b)を具備して、その逆ネジ(1b)を介して該可動部(1)に取り付け、その逆ネジ(1b)にはトルクハンドル(1c)を具備していることで目的を達成した。
【0014】
請求項2のマシーンバイスは、可動部(1)と固定部(3)の間に、工作物(4)を挟むマシーンバイスである。
その可動部(1)は、雄ネジ(2)が支持部(3c)によって支持されており、その雄ネジ(2)は、管(3e)を介して支持部(3c)に取り付けている。
その管(3e)は、内側に雄ネジ(2)に噛み合う雌ネジ(3a)か具備されており、管(3e)の外側には、小さなピッチのトルクネジ(1f)が具備されていることで目的を達成した。
【0015】
請求項3のジャッキは、シャフト(5)が重量物(8)を持ち上げるジャッキであって、そのシャフト(5)を摺動するシリンダー(6)と、そのシリンダー(6)の底にはバルブ(6a)が構成されており、そのバルブ(6a)はトルクシャフト(6b)が作動することで、バルブ(6a)が締まる。 また、シリンダー(6)の外側はトルクシャフト(6b)になっており、そのトルクシャフト(6b)はトルクシリンダー(7)を摺動し、トルクシリンダー(7)の底が干渉して、バルブ(6a)を操作する操作棒(6c)が具備されていることで目的を達成した。
【発明の効果】
【0016】
本発明のバイスとジャッキは、次のような効果がある。
(イ)雄ネジのピッチを荒くすることができるため、工作物を早く挟むことができる。
(ロ)逆ネジのピッチを細かくすることで、工作物を確実に固定することができる。
(ハ)雄ネジは工作物を挟むだけでよいので、ハンドルは小さいものでよい。
(ニ)逆ネジは工作物を締め付けるときは、逆ネジのピッチを細かくすることでトルクハンドルは小さいものでよい。
(ホ)マシーンバイスの場合は、締め付ける方向を変えることで、早く締めることと、確実に締めることを使い分ける。
(ヘ)ジャッキのシャフトは、重量物にタッチさせるまでは、力がないが早く動く。
(ト)重量物にタッチしたら、トルクシャフトが作動して、遅いが力はある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】側面から見た断面図である。
【図2】工作物を挟んだ断面図である。
【図3】工作物を締め込んだ断面図である。
【図4】バイスの斜視図である。
【図5】従来の万力を、側面から見た断面図である。
【図6】マシーンバイスの、側面から見た断面図である。
【図7】工作物を挟んだ断面図である。
【図8】工作物を締め込んだ断面図である。
【図9】ジャッキの、側面から見た断面図である。
【図10】重量物にタッチした断面図である。
【図11】重量物を持ち上げた断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明のバイスの可動部(1)が、雄ネジ(2)をハンドル(2b)で操作して、固定部(3)に具備した雌ネジ(3a)を引き寄せたり、開いたりする。それに連動する可動部(1)の口金(1d)と、固定部(3)の口金(3d)との間が開いたり、閉じたりするものである。
その可動部(1)は、雄ネジ(2)を軸支部(2a)で回転自在に支持されており、その雄ネジ(2)の軸支部(2a)の先端には、ハンドル(2b)を具備している。
そこで、工作物(4)を口金(1d)に当て、片手でハンドル(2b)を操作し、工作物(4)を落とさないぐらいに止める。このとき雄ネジ(2)は、ピッチが荒いため早く締めることができるが、トルクが無いため指を挟んでも痛くない。
【0019】
次に、トルクハンドル(1c)を回して、工作物(4)を締め付ける。そのトルクハンドル(1c)は、雄ネジ(2)と逆に切った、逆ネジ(1b)が可動部(1)を押し出して締め付ける。
しかし、雄ネジ(2)と逆ネジ(1b)はピッチが違い、雄ネジ(2)は荒いピッチで、工作物(4)を早く挟むのが目的に作られている。
【0020】
それとは逆に、逆ネジ(1b)は細かいピッチでトルクはあるが、締め付ける速度が遅い。 したがって、工作物(4)を挟むまでは雄ネジ(2)で閉めて、しっかりと締めるときは逆ネジ(1b)のトルクハンドル(1c)を、ハンドル(2b)を回した方向に同じく、回して締める。
【0021】
工作物(4)を取り外すときは、トルクハンドル(1c)を先程とは、逆に回転して工作物(4)を取り除く。
したがって、ハンドル(2b)が操作する雄ネジ(2)は、トルクが加わらないため荒いピッチで、トルクハンドル(1c)を操作するときは、トルク重視であるから細かいピッチで、確実に締め込むため、従来のように長いハンドルを、何回も回すことがなくなった。
【0022】
請求項2のマシーンバイスの場合は、支持部(3c)に取り付けた管(3e)を介して雄ネジ(2)が、可動部(1)を動かし、固定部(3)と可動部(1)の間に、工作物(4)を挟むマシーンバイスである。 その管(3e)は、内側に雄ネジ(2)と合うように雌ネジ(3a)か具備されており、その雄ネジ(2)のピッチは荒くなっており、工作物(4)を早く掴むようになっている。
【0023】
したがって、ハンドル(2b)を回して、締める方に回すとき、押しながら回すと雄ネジ(2)の溝の角度が、トルクネジ(1f)の溝の角度より抵抗にならないとき、トルクネジ(1f)は回らず、雄ネジ(2)の方が回るが、どうしてもトルクネジ(1f)が回るときには、指で管(3e)を回らないように、押さえて止めるとよい。
【0024】
次に、工作物(4)が可動部(1)と固定部(3)に引っ付くと、ハンドル(2b)を押しながら回しても、工作物(4)が挟まっているため、押す力は働かず、純粋な回転する方向に力が働き、雄ネジ(2)の斜めになった溝よりも、トルクネジ(1f)のピッチが小さい物の方が、傾斜が緩いため、トルクネジ(1f)の方が回転して、工作物(4)をしっかりと挟む。
【0025】
開くときは、普通に回してやれば、先にトルクネジ(1f)が開き、全開に開くと、その後雄ネジ(2)が開くので、何時も管(3e)は開いた状態で止まっている。
【0026】
請求項3のジャッキの場合は、重量物(8)の下にジャッキを入れる。そのとき、ジャッキは幾らかの余裕があり、もしもぴったりだと作業が難しい。そして、油穴(7a)からオイルを圧入すると、磁石(6d)はトルクシリンダー(7)の底に引っ付いているためトルクシャフト(6b)は上がらず、シリンダー(6)が上がる。そのとき、シリンダー(6)は径が小さいので早く動き、重量物(8)にシャフト(5)のサドル(5a)がタッチする。さらに、油圧を加えると磁石(6d)で引っ付いていたトルクシャフト(6b)が上昇して、トルクシャフト(6b)の下部に具備したバルブ(6a)は、操作棒(6c)がトルクシリンダー(7)の底に触れなくなり、バルブ(6a)は閉まる。
【0027】
そして、トルクシリンダー(7)が重量物(8)を持ち上げるが、トルクシリンダー(7)はシリンダー(6)より径が大きいためゆっくりと動くが、持ち上げる力はシャフト(5)のおよそ25倍のトルクがある。
【0028】
しまうときは、オイルを油穴(7a)から出して、まずトルクシリンダー(7)に溜まったオイルを除くと、トルクシャフト(6b)の下部に具備したバルブ(6a)の操作棒(6c)は、トルクシリンダー(7)の底に押されて、バルブ(6a)は解放する。
すると、シリンダー(6)に溜まったオイルが油穴(7a)から排出され、シャフト(5)も元の位置に引っ込む。
【実施例1】
【0029】
本発明のバイスを、図面を参照して説明する。
図5は、従来の万力の横から見た断面図で、図1は同じ方向から見た、同じく断面図で、その図を見て分かるとおり、可動部(1)に逆ネジ(1b)を切った筒(1a)が構成されているのが本発明の特徴である。
このバイスを、可動部(1)の口金(1d)と、固定部(3)の口金(3d)が開く幅が、最大15センチのものを改造した。
雄ネジ(2)は、従来の物のよりピッチが荒く、従来の物が15センチを30の山があるとしたら、本発明は15センチを15の山があり、早く挟むことはできるが、トルクはない。
【0030】
そのバイスで、工作物(4)を挟むとき、片手で工作物(4)を固定部(3)の口金(3d)に押し当てて、もう一方の片手でハンドル(2b)を回し、雄ネジ(2)が固定部(3)の雌ネジ(3a)を引っ張り、可動部(1)は動き、口金(1d)は工作物(4)に接した状態の図2のようになる。
【0031】
その図2は、工作物(4)を落とさないぐらいに軽く止めた断面図である。工作物(4)を挟んで止めるだけなので、雄ネジ(2)はピッチを大きくすることができ、ピッチが荒いから力がなく、誤って指をを挟んでも痛くない。
【0032】
次に、トルクハンドル(1c)を同じ方向に回すと、トルクハンドル(1c)は筒(1a)に具備されており、その筒(1a)には逆ネジ(1b)が切ってある。
その逆ネジ(1b)は、雄ネジ(2)が1回転すると10ミリのピッチに比べ、逆ネジ(1b)は2ミリのピッチであるため、5倍のトルクが得られる。
したがって、従来の万力のハンドル(2b)を回すとき、1回転で5ミリの移動であったのに比べ、本発明のトルクハンドル(1c)は1回転で2ミリの移動であるため、トルクハンドル(1c)の長さは半分でよい。
【0033】
工作物(4)をしっかりと挟んだところが、図3の断面図である。
逆ネジ(1b)は、可動部(1)に具備した逆雌ネジ(1e)を押し、逆雌ネジ(1e)が現れたところである。 工作物(4)はゴムで、図のように楕円形に変形したところで、トルクハンドル(1c)を同じ方向に回すと逆ネジの付いた逆ネジ(1b)は、可動部(1)の逆雌ネジ(1e)を押して、逆ネジ(1b)が可動部(1)から出ているところである。 逆ネジ(1b)が可動部(1)からでた分の、反対側の逆雌ネジ(1e)が、初めて図面に現されている。
【0034】
図4は、バイスの斜視図である。その図を見て分かるとおり、ハンドル(2b)もトルクハンドル(1c)も小さいので作業の邪魔にはならないが、トルクハンドル(1c)にパイプを差し込んで回すと、より大きなトルクで締めることもできる。
【実施例2】
【0035】
図6は、請求項2のマシーンバイスの横から見た断面図で、可動部(1)は案内棒(3d)に摺動され、可動部(1)の上部には雄ネジ(2)を回転自在に動かす、引っ込んだ部分があり、そこへ雄ネジ(2)が回転自在に取り付けており、引っ張ったときに抜けない用になっている。 また、雄ネジ(2)は支持部(3c)との間に介在する管(3e)の、内側には雄ネジ(2)と噛み合う雌ネジ(3a)が付いており、その雄ネジ(2)は従来の万力では15センチの雄ネジ(2)を30の山があるとしたら、本発明のマシーンバイスは15センチを15の山があり、早く挟むことはできるが、トルクはない。
【0036】
そこで図7は、横から見た断面図で、可動部(1)と固定部(3)が工作物(4)を挟んだところである。雄ネジ(2)はピッチが荒いため、押しながら回すと、少ない回転で工作物(4)を挟むが、力がないので指を挟んでも痛くない。その他、雄ネジ(2)だけを回転さす方法として、管(3e)を指で押さえ止めておけば、雄ネジ(2)だけを操作することができる。
【0037】
図8は、横から見た断面図で、工作物(4)をしっかりと挟んだところである。
工作物(4)は、ゴムのため変形しているが、トルクネジ(3f)の働きを現すためにゴムをもちいた。その工作物(4)を、しっかりと固定するため、雄ネジ(2)のハンドル(2b)を引き続き回すと、押しながら回しても押す力は、工作物(4)が挟まっているので作用せず、回転する力だけが残り、回る力はピッチの細かい方が、回り易いため管(3e)が付いて回り、管(3e)に具備されたトルクネジ(3f)が支持部(3c)を押して、可動部(1)と固定部(3)に挟まれた工作物(4)が変形する。
【0038】
緩めるときは、普通に逆の回転をすると、まずトルクネジ(3f)が回転して、一番左に移動して、次に雄ネジ(2)と雌ネジ(3a)の間がから回転して工作物(4)を外す。
【実施例3】
【0039】
図9は、ジャッキの断面図で、重量物(8)の下にセットしたところである。
ジャッキは、トルクシリンダー(7)がφ100で、油圧50kg/cm平方で5トンの持ち上げるジャッキである。まず、トルクシャフト(6b)に具備した油穴(7a)から、オイルを手動ポンプで、3kg/cm平方で加圧したオイルを、トルクシリンダー(7)の内部に送る。 トルクシャフト(6b)は、磁石(6d)がトルクシリンダー(7)に引っ付いているため、トルクシャフト(6b)は3kg/cm平方の加圧では作動せず、トルクシリンダー(7)の底に具備した、穴からシリンダー(6)内にオイルが流れる。
【0040】
図10のシャフト(5)は、手動ポンプが1回の動作で2ccのオイルが噴出されて油圧が上がり、手動ポンプのハンドルを20回押すと、サドル(5a)が重量物(8)に軽く引っ付いたところである。シャフト(5)の径はφ20であるため、3kg/cm平方の加圧では12kgの上げる力がある。 そして、10kg/cm平方の加圧で、トルクシャフト(6b)の底に具備した磁石(6d)が離れて、トルクシャフト(6b)が上昇する。5ミリ上昇したところで、トルクシャフト(6b)の下部に取り付けたバルブ(6a)の操作棒(6c)が、トルクシリンダー(7)の底に当たっていたが、5ミリの上昇でバルブ(6a)は閉じ、シリンダー(6)内のオイルは、トルクシリンダー(7)内のオイルの約25倍の油圧が加わっている。したがって、とくにシリンダー(6)のオイルシールには注意が必要である。
【0041】
図11は、重量物(8)を上げたところである。重量物(8)が5トンとして、シリンダー(6)内のオイルは1250kg/cm平方の加圧で、その加圧に耐えるオイルシールがいる。一方、トルクシリンダー(7)内のオイルは50kg/cm平方の加圧で、5トンの重量物(8)を持ち上げているところである。手動ポンプは、1回の動作で2ccを送るため、トルクシャフト(6b)のφ100では、0.2ミリ上昇する。そして、15センチの高さの重量物(8)を、20センチまで上げたところで、5センチ上げるのに約250回、手動ポンプのハンドルを押さなければならない。
【0042】
重量物(8)を下ろすときや、作業が終わってジャッキをしまうときは、オイルを油穴(7a)から抜き、最初にトルクシャフト(6b)が一番下まで降下すると、バルブ(6a)は操作棒(6c)がトルクシリンダー(7)の底に当たって、バルブ(6a)が開放され、シリンダー(6)のオイルが抜けてシャフト(5)が下がり、図9の状態になる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
油圧ジャッキは、油圧プレスにも応用できる。油圧プレスは、1本のシリンダーで操作するものであったが、大きいシリンダーを動かすのは時間がかかり、無駄なエネルギーを使用していたが、本発明のようにシリンダー(6)とトルクシリンダー(7)を分けることで早く、エネルギーの無駄を無くせる。
【0044】
また、シャフトを低圧に使用することで、余り力が要らない加工物を曲げるときには、シャフトの径が小さい分、作業が早い。つまり、φ300のプレスなら、φ200のシャフトを取り付けることで、シャフトが40トンの加圧をするのなら、トルクシャフトは90トンの加圧をし、サドルの早さは2倍違う。そのため、余計な動力と、時間を短縮できる。
【符号の説明】
【0045】
1 可動部 1a 筒 1b 逆ネジ
1c トルクハンドル 1d 口金 1e 逆雌ネジ
2 雄ネジ 2a 軸支部 2b ハンドル 2c ピン
3 固定部 3a 雌ネジ 3b 案内棒 3c 支持部
3d 口金 3e 管 3f トルクネジ
4 工作物
5 シャフト 5a サドル
6 シリンダー 6a バルブ 6b トルクシャフト
6c 操作棒 6d 磁石
7 トルクシリンダー 7a 油穴
8 重量物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部(1)が、雄ネジ(2)を介して固定部(3)で工作物(4)を締め付けるバイスであって、
該可動部(1)は、該雄ネジ(2)を軸支部(2a)で回転自在に支持されており、
該軸支部(2a)は、筒(1a)のピッチの小さな逆ネジ(1b)を介して該可動部(1)に取り付けたことを特徴とするバイス。
【請求項2】
可動部(1)と固定部(3)の間に、工作物(4)を挟むマシーンバイスであって、
該可動部(1)は、雄ネジ(2)が支持部(3c)によって支持されており、
該雄ネジ(2)は、管(3e)を介して支持部(3c)に取り付けており、
該管(3e)は、内側に該雄ネジ(2)に噛み合う雌ネジ(3a)か具備されており、 該管(3e)の外側には、小さなピッチのトルクネジ(1f)が具備されていることを特徴とするバイス。
【請求項3】
シャフト(5)が重量物(8)を持ち上げるジャッキであって、
該シャフト(5)を摺動するシリンダー(6)と、
該シリンダー(6)の底には、バルブ(6a)が構成されており、
該シリンダー(6)の外側は、トルクシャフト(6b)になっており、
該トルクシャフト(6b)はトルクシリンダー(7)を摺動し、
該トルクシリンダー(7)の底が干渉して、前期バルブ(6a)を操作する操作棒(6c)が具備されていることを特徴とするジャッキ。
【請求項1】
可動部(1)が、雄ネジ(2)を介して固定部(3)で工作物(4)を締め付けるバイスであって、
該可動部(1)は、該雄ネジ(2)を軸支部(2a)で回転自在に支持されており、
該軸支部(2a)は、筒(1a)のピッチの小さな逆ネジ(1b)を介して該可動部(1)に取り付けたことを特徴とするバイス。
【請求項2】
可動部(1)と固定部(3)の間に、工作物(4)を挟むマシーンバイスであって、
該可動部(1)は、雄ネジ(2)が支持部(3c)によって支持されており、
該雄ネジ(2)は、管(3e)を介して支持部(3c)に取り付けており、
該管(3e)は、内側に該雄ネジ(2)に噛み合う雌ネジ(3a)か具備されており、 該管(3e)の外側には、小さなピッチのトルクネジ(1f)が具備されていることを特徴とするバイス。
【請求項3】
シャフト(5)が重量物(8)を持ち上げるジャッキであって、
該シャフト(5)を摺動するシリンダー(6)と、
該シリンダー(6)の底には、バルブ(6a)が構成されており、
該シリンダー(6)の外側は、トルクシャフト(6b)になっており、
該トルクシャフト(6b)はトルクシリンダー(7)を摺動し、
該トルクシリンダー(7)の底が干渉して、前期バルブ(6a)を操作する操作棒(6c)が具備されていることを特徴とするジャッキ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−218502(P2011−218502A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91294(P2010−91294)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(391011113)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(391011113)
【Fターム(参考)】
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