説明

バッグインボックス用の箱

【課題】 バッグインボックス用の箱の強度を高める。
【解決手段】 多角柱に形成される胴体(1)と、胴体(1)の上部を閉じる上蓋(2)と、胴体(1)の下部を閉じる底蓋(3)とを有するバッグインボックス用の箱において、上記胴体(1)、上蓋(2)及び底蓋(3)が中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体よりなるブランク板により形成される。板紙内から空洞が排除され、虫類の侵入や産卵が防止され、バッグインボックスの使用環境が清潔に維持される。また、ブランク板が中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体よりなるので、箱の剛性が向上し、バッグインボックスとして流通する過程で山積み等されても容易に変形、破損しなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグインボックス用の箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッグインボックス用の箱は段ボール紙を打ち抜いて得られるブランク板を組み立てて作られる。この組み立てられた箱内に袋を収納し、袋内に内容物を充填し、箱を閉じることにより、バッグインボックスが完成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ことに大容量の大型バッグインボックス用の箱を構成する段ボール紙は、波形に段づけされた中芯原紙とこの中芯原紙の両側に貼り付けられるライナとによって構成される。このため、段ボール紙の内部には無数の空洞が存在し、これらの空洞内に昆虫等が侵入したり産卵したりする場合がある。このような段ボール紙を使用して作られた箱がバッグインボックスとして流通し消費者の手に渡ると、消費者が使用する際に虫類が孵化して環境を害するおそれがある。
【0004】
段ボール紙のような中空の板紙でなく中実の板紙で箱を作ればそのような問題を解消することができるが、中実の板紙で作った箱は強度が低く、バッグインボックスとして流通する過程で山積みされたりすると、座屈等により破損するおそれがある。
【0005】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、虫等の侵入を防止することができ、バッグインボックスとして使用しても強度を保つことができる箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、多角柱に形成される胴体(1)と、胴体(1)の上部を閉じる上蓋(2)と、胴体(1)の下部を閉じる底蓋(3)とを有するバッグインボックス用の箱において、上記胴体(1)、上蓋(2)及び底蓋(3)が中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体よりなるブランク板(4,5,6,23,26,29)により形成されたことを特徴とするバッグインボックス用の箱を採用する。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のバッグインボックス用の箱において、上記胴体(1)がその周方向で接合される複数枚のブランク板(5,6,23,26,29)で形成され、隣り合うブランク板(5,6,23,26,29)の接合壁(13,14,15,16,21,22)同士が上記多角柱の所望の側面(b,d,f,h)上に来るように重合接着されたことを特徴とするバッグインボックス用の箱を採用する。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載のバッグインボックス用の箱において、胴体(1)を構成するブランク板(6,23,26,29)が上蓋(2)及び底蓋(3)を夫々構成するブランク板(4)と別体に形成されたことを特徴とするバッグインボックス用の箱を採用する。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のバッグインボックス用の箱において、胴体(1)を構成するブランク板(5)が上蓋(2)又は底蓋(3)を構成するブランク板(5)と一体に形成されたことを特徴とするバッグインボックス用の箱を採用する。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項2に記載のバッグインボックス用の箱において、接合壁(21,22,24,25)がブランク板(23,26,29)上に複数個連接形成され、これらの接合壁(21,22,24,25)が折り返され接着されて多層化されたことを特徴とするバッグインボックス用の箱を採用する。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項2又は請求項5に記載のバッグインボックス用の箱において、接合壁(21,22)の端縁が胴体(1)の角部に臨むように形成されたことを特徴とするバッグインボックス用の箱を採用する。
【0012】
また、請求項7の発明は、請求項2、請求項5又は請求項6に記載のバッグインボックス用の箱において、隣り合うブランク板(5,6,23,26,29)の接合壁(13,14,15,16,21,22,24,25,27,28,31,33)同士が偶数個の側面(a,b,c,d,e,f,g,h)を有する多角柱の側面上に一つ置きに来るように重合接着されたことを特徴とするバッグインボックス用の箱を採用する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、多角柱に形成される胴体(1)と、胴体(1)の上部を閉じる上蓋(2)と、胴体(1)の下部を閉じる底蓋(3)とを有するバッグインボックス用の箱において、上記胴体(1)、上蓋(2)及び底蓋(3)が中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体よりなるブランク板(4,5,6,23,26,29)により形成されたことから、板紙内から空洞が排除され、虫類の侵入や産卵が防止される。したがって、バッグインボックスの使用環境が清潔に維持される。また、ブランク板(4,5,6,23,26,29)が中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体よりなるので、箱の剛性が向上し、バッグインボックスとして流通する過程で山積み等されても容易に変形、破損しなくなる。
【0014】
請求項2の発明によれば、請求項1に記載のバッグインボックス用の箱において、上記胴体(1)がその周方向で接合される複数枚のブランク板(5,6,23,26,29)で形成され、隣り合うブランク板(5,6,23,26,29)の接合壁(13,14,15,16,21,22)同士が上記多角柱の所望の側面(b,d,f,h)上に来るように重合接着されたことから、胴体(1)が接合壁(13,14,15,16,21,22)により補強され、座屈強度等が向上する。
【0015】
請求項3の発明によれば、請求項1に記載のバッグインボックス用の箱において、胴体(1)を構成するブランク板(6,23,26,29)が上蓋(2)及び底蓋(3)を夫々構成するブランク板(4)と別体に形成されたことから、胴体(1)の上下端に板紙の切断端面が現れる。従って、胴体(1)ひいては箱の座屈強度等が向上する。
【0016】
請求項4の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のバッグインボックス用の箱において、胴体(1)を構成するブランク板(5)が上蓋(2)又は底蓋(3)を構成するブランク板(5)と一体に形成されたことから、胴体(1)を上蓋(2)又は底蓋(3)に対して折り曲げることにより組み立てることができ、組み立て工程が簡易化される。
【0017】
請求項5の発明によれば、請求項2に記載のバッグインボックス用の箱において、接合壁(21,22,24,25)がブランク板(23,26,29)上に複数個連接形成され、これらの接合壁(21,22,24,25)が折り返され接着されて多層化されたことから、胴体(1)の上下端に現われる板紙の切断端面が増大し、胴体(1)ひいては箱の座屈強度等が向上する。
【0018】
請求項6の発明によれば、請求項2又は請求項5に記載のバッグインボックス用の箱において、接合壁(21,22)の端縁が胴体(1)の角部に臨むように形成されたことから、接合壁(21,22)の比較的厚い端縁が袋に接触しないようにし、破袋を防止することができる。
【0019】
請求項7の発明によれば、請求項2、請求項5又は請求項6に記載のバッグインボックス用の箱において、隣り合うブランク板(5,6,23,26,29)の接合壁(13,14,15,16,21,22,24,25,27,28,31,33)同士が偶数個の側面(a,b,c,d,e,f,g,h)を有する多角柱の側面上に一つ置きに来るように重合接着されたことから、ブランク板(5,6,23,26,29)の接合壁(13,14,15,16,21,22,24,25,27,28,31,33)同士が多角柱の側面に一つ置きに現われ、胴体(1)ひいては箱の座屈強度が均一に補強される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0021】
<実施の形態1>
図1に示すように、このバッグインボックス用の箱は、多角柱に形成される胴体1と、胴体1の上部を閉じる上蓋2と、胴体1の下部を閉じる底蓋3とを有する。
【0022】
胴体1、上蓋2及び底蓋3の全壁は、図2、図3及び図4(a)に示すような中実の板紙で作られたブランク板4,5,6により形成される。このようにブランク板4,5,6が段ボール紙のような無数の空洞を有する板紙でなく中実の板紙で形成されるので、虫類の侵入や産卵が防止され、箱が長期にわたり清潔に保持される。
【0023】
また、このブランク板4,5,6は、中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体よりなる紙シートを打ち抜くことにより形成されている。これにより、箱の剛性が向上し、バッグインボックスとして流通する過程で山積み等された場合にも変形、破損し難くなる。
【0024】
図1に示すように、胴体1は具体的には八角柱に形成される。この八角柱は正八角柱でもよいが、望ましくは図示のごとく幅の広い側面a,c,e,gと幅の狭い側面b,d,f,hとが交互に現われる八角柱に形成される。幅の狭い側面は四角柱の各角に面取りにより形成された面でもある。このようにバッグインボックスの箱を八角柱に構成することにより、箱内に収納される袋は液体等内容物を充填された場合、箱の内壁面に無理なく接触し、損傷を受け難くなる。もちろん、胴体1は八角柱に限らず他の多角柱に形成することもできる。より望ましくは偶数個の側面を有する角柱である。胴体1を構成するブランク板の詳細については後述する。
【0025】
上蓋2は、図1に示すように、胴体に入れ子状に被さる多角柱に形成され、具体的には八角柱に形成される。上蓋2を構成するブランク板4は、図2に示すように、八角形の天壁7と、天壁7の各辺に折れ線を介して連接される接着片8,9とを有し、中実の板紙を打ち抜くことにより形成される。天壁7には箱内に収納される袋の注出口等を引き出すための開口がミシン線等により必要に応じて形成される(図示せず)。
【0026】
胴体1は、その周方向で接合される複数枚のブランク板5,6で形成される。具体的には、胴体1は、図5及び図6(A)に示すように、一枚の第一のブランク板5の胴体1に相当する部分と二枚の第二のブランク板6とが周方向で接続されることにより形成される。
【0027】
第一のブランク板5は、図3に示すように、底蓋3を構成するブランク板をその中央部に含んでおり、底蓋3を構成する底壁10を中央部に有する。底壁10は上蓋2の天壁7と同形であるがやや小さ目に形成される。この底壁10の相対向する一対の辺には夫々折れ線を介し幅の広い第一及び第二の側壁11,12が連接され、第一及び第二の側壁11,12の左右辺には夫々第一及び第二の側壁11,12よりも幅の狭い第一、第二、第三及び第四の各接合壁13,14,15,16が折れ線を介し連接される。更に、第一、第二、第三及び第四の各接合壁13,14,15,16の左右辺には夫々折れ線を介しより幅の狭いフラップである補強壁17が連接される。すべての接合壁13,14,15,16は望ましくは互いに略同じ大きさに形成される。また、底壁10の上記一対の辺に隣接する辺には、底蓋3を構成するフラップである第一の補強片18が夫々折れ線を介し連接され、残りの相対向する一対の辺には底蓋3を構成するフラップである第二の補強片19が夫々折れ線を介し連接される。この第一のブランク板5は、中実の板紙を打ち抜くことにより一体に形成される。
【0028】
第二のブランク板6は、図4(A)に示すように、第三の側壁20と、第三の側壁20の左右辺に夫々折れ線を介し連接される第五及び第六の接合壁21,22とを有する。接合壁21,22は、望ましくは互いに略同じ大きさに形成され、また第一のブランク板5の接合壁13,14,15,16とも互いに略同じ大きさに形成される。この第二のブランク板6は、中実の板紙を打ち抜くことにより一体に形成され、一つの箱について二枚用意される。
【0029】
次に、上記各種ブランク板4,5,6を用いてバッグインボックス用の箱を組み立てる手順の一例について説明する。
【0030】
図5に示すように、第一のブランク板5を水平に置き、第一及び第二の側壁11,12を底壁10に対し折れ線上で折り起こす。また、これに前後して第一乃至第四の接合壁13,14,15,16を折れ線上で折り曲げる。
【0031】
また、図4(A)の第二のブランク板6を水平に置き、第五及び第六の接合壁21,22を第三の側壁20に対し折れ線上で折り起こす。これを一個の箱につき二組用意する。
【0032】
図5及び図6(A)に示すように、折り曲げた第一のブランク板5と第二のブランク板6を組み合わせる。すなわち、第一のブランク板5の相対峙する第一と第二の側壁11,12間に折り曲げた二枚の第二のブランク板6を差し込み、一方の第二のブランク板6の第五及び第六の接合壁21,22を第一及び第三の接合壁14,16にその内側から重ね合わせ接着剤等により接着する。同様にして、他方の第二のブランク板6の第五及び第六の接合壁22,21を第二及び第四の接合壁13,15にその内側から重ね合わせ接着剤等により接着する。また、第一のブランク板5の補強壁17を第二のブランク板6の第三の側壁20上に接着剤等により接着する。接合壁13,14,15,16,21,22は望ましくは互いに略同形同大に形成され、箱の内側に来る接合壁21,22の端縁は胴体1の角部に臨むことになるので、箱内に収納される袋が接合壁21,22の端縁に接触しないようにすることができ、破袋等による内容物の漏れが防止される。
【0033】
続いて、第一のブランク板5の第一及び第二の補強片18,19を折れ線上で折り起こし、第一乃至第四の接合壁13,14,15,16にその外側から重ね合わせ接着剤等により接着する。
【0034】
第一の補強片18は、第一乃至第四の接合壁13,14,15,16と第五及び第六の接合壁22,21との各々間で挟み込むようにしても良い。かくすることにより、接合強度が一層向上する。
【0035】
これにより、箱の胴体1と底蓋3の組立が完成し、図6(A)に示すように、八角形の胴体1の第一の側面aが第一のブランク板5の第一の側壁11で形成され、第二の側面bが第一のブランク板5の第二の接合壁14と第二のブランク板6の第五の接合壁21との二層の板紙で形成され、第三の側面cが第二のブランク板6の第三の側壁20で形成され、第四の側面dが第一のブランク板5の第四の接合壁16と第二のブランク板6の第六の接合壁22との二層の板紙で形成され、第五の側面eが第一のブランク板5の第二の側壁12で形成され、第六の側面fが第一のブランク板5の第三の接合壁15と第二のブランク板6の第五の接合壁21との二層の板紙で形成され、第七の側面gが第二のブランク板6の第三の側壁20で形成され、第八の側面hが第一のブランク板5の第一の接合壁13と第二のブランク板6の第六の接合壁22との二層の板紙で形成される。このように、胴体1は隣り合うブランク板の接合壁同士が胴体1の多数の側面a,b,c,d,e,f,g,hのうち一つ置きの側面b,d,f,h上に来るように重合接着されることから、座屈等に対する強度が高められる。また、第三及び第七の側面c,gも第三の側壁20上に補強壁17が局所的に重なり合い接着されるので、外力に対し補強されることになる。
【0036】
このように箱の胴体1と底蓋3が組み立てられ箱本体が完成すると、図示しないが箱本体内に袋が挿入され、袋内にその注出口から内容物が充填され、注出口にキャップが被せられ、袋内が密封される。
【0037】
その後、上蓋2のブランク板4を胴体の上に被せ、八枚の接着片8,9を各折れ線上で折り曲げて胴体1の各側面a,b,c,d,e,f,g,hに接着剤等で接着する。これにより、胴体1の上端の開口が閉じられる。なお、接着片8,9の隣接箇所にフラップを形成し、このフラップを隣の接着片に接着することにより、上蓋2を立体的に組み立てた上で胴体1上に被せるようにしてもよい。また、図1に示すように、側面g,c上では上蓋2の接着片8と第三の側壁20との間に補強壁17が介在することから、接着片8と第三の側壁20との間に隙間を形成することができる。したがって、バッグインボックスを廃棄する際にこの隙間を利用して上蓋2を容易に破り取ることができる。
【0038】
なお、この実施の形態では、胴体1を構成するブランク板5が底蓋3を構成するブランク板と一体に形成されているが、両ブランク板は別体に形成してもよい。
【0039】
<実施の形態2>
この実施の形態2における箱の胴体1を構成する第二のブランク板23は図4(B)に示すように形成される。
【0040】
このブランク板23は、中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体から形成され、第三の側壁20の左右両辺に折れ線を介して第五と第六の接合壁21,22が連接され、第五と第六の接合壁21,22の外側に更に折れ線を介して他の接合壁である第七と第八の接合壁24,25が連接される。図6(B)に示すように、第七と第八の接合壁24,25はそれぞれ第五と第六の接合壁21,22の上に折り返され接着剤等により接着される。これにより、箱の胴体1の第二、第四、第六及び第八の側面b,c,f,hは三層の板紙で構成されることとなり、箱の胴体1の座屈等に対する強度が高まる。
【0041】
なお、第七と第八の接合壁24,25は第五と第六の接合壁21,22の外側に折れ線を介して連接し、第五と第六の接合壁21,22と第一のブランク板5の接合壁13,14,15,16との間に挟み込むようにしてもよい。
【0042】
<実施の形態3>
この実施の形態3における箱の胴体1を構成する第二のブランク板26は図4(C)に示すように形成される。
【0043】
このブランク板26は、中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体により形成され、第三の側壁20の左右両辺に折れ線を介して第五と第六の接合壁21,22が連接され、第五と第六の接合壁21,22の外側に折れ線を介して第七と第八の接合壁24,25が連接され、第七と第八の接合壁24,25の外側に折れ線を介して第九と第十の接合壁27,28が連接される。図6(C)に示すように、第七乃至第十の接合壁24,25,27,28は外側の第九及び第十の接合壁27,28を内側に巻き込むように折り曲げられ接着剤等により接着される。これにより、箱の胴体1の第二、第四、第六及び第八の側面b,c,f,hは四層の板紙で構成されることとなり、箱の胴体1の座屈等に対する強度が更に高まる。
【0044】
なお、第五乃至第十の接合壁21,22,24,25,27,28はジグザグ折りして多層化することもできる。また、第七乃至第十の接合壁24,25,27,28は、第五と第六の接合壁21,22と第一のブランク板5の接合壁13,14,15,16との間に挟み込むようにしてもよい。
<実施の形態4>
図7に示すように、この実施の形態4における箱の胴体1は、図4(A)に示す第二のブランク板6を四枚用いることにより構成され、上蓋2と底蓋3は図2に示すブランク板4により夫々構成される。これらのブランク板4,6は、中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体により形成される。
【0045】
図7に示すように、胴体1はその周方向で接合される四枚の第二のブランク板6で形成され、隣り合う第二のブランク板6の接合壁21,22同士が多角柱の第二、第四、第六及び第八の側面b,d,f,h上に来るように重合接着されることにより構成される。
【0046】
この胴体1の組み立て方の一例について説明すると、まず、相対峙する二枚の第二のブランク板6,6における第三の側壁20,20間に相対峙する他の二枚の第二のブランク板6,6を差し込み、隣り合う第二のブランク板6,6間の第五の接合壁21と第六の接合壁22同士を重ね合わせ接着剤等により接着する。四枚の第二のブランク板6の重ね方は図7の例に限るものではなく、第五の接合壁21と第六の接合壁22のいずれが内側又は外側に来るようにしてもよい。
【0047】
組み立てられた胴体1に対し、上蓋2と底蓋3のブランク板4,4が図1に示したと同様にして被せられ各ブランク板4,4の接着片8,9が胴体1の側壁20に外側から接着される。
【0048】
<実施の形態5>
図8に示すように、この実施の形態5における箱の胴体1は図4(B)に示す第二のブランク板23を四枚用いることにより構成され、上蓋2と底蓋3は図2に示すブランク板4,4により夫々構成される。このブランク板23は、中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体により形成される。
【0049】
図8に示すように、胴体1はその周方向で接合される四枚の第二のブランク板23で形成され、各第二のブランク板23の第七及び第八の接合壁24,25は折れ線上で第五及び第六の接合壁21,22上に折り曲げられ接着される。第七及び第八の接合壁24,25の折り曲げ方向は図8の態様とは逆にしてもよい。そして、隣り合う第二のブランク板23,23の二層の接合壁21,24と接合壁22,25同士が多角柱の第二、第四、第六及び第八の側面b,d,f,h上に来るように重合接着されることにより構成される。従って、多角柱の胴体1の第二、第四、第六及び第八の側面b,d,f,hは四層の板紙により構成される。四枚の第二のブランク板23の重ね方は図8の態様に限らず、第五及び第七の接合壁21,24と第六及び第八の接合壁22,25のいずれが内側又は外側に来るようにしてもよい。
【0050】
組み立てられた胴体1に対し、上蓋2と底蓋3のブランク板4,4が図1に示したと同様にして被せられ各ブランク板4,4の接着片8,9が胴体1の側壁20に外側から接着される。
【0051】
<実施の形態6>
図9に示すように、この実施の形態6における箱の胴体1は、図11に示す第三のブランク板29と、図4(A)に示す第二のブランク板6とを用いることにより構成され、上蓋2と底蓋3が図2に示すブランク板4,4により夫々構成される。これらのブランク板4,29は、中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体により形成される。
【0052】
図9に示すように、胴体1はその周方向で接合される二枚の第二のブランク板6,6と二枚の第三のブランク板29,29とで形成される。
【0053】
第三のブランク板29は第一のブランク板5から胴体1に対応する部分を切り離した構成であり、側壁30の左右辺に夫々折れ線を介して接合壁31,32が連接され、各接合壁31,32に夫々折れ線を介して補強壁33,33が連接された構成となっている。
【0054】
この胴体1は、補強壁33、接合壁31,32及び側壁30を各折れ線上で折り曲げた一対の第三のブランク板29,29を対峙させ、両ブランク板29,29間に、接合壁21,22及び側壁20を各折れ線上で折り曲げた一対の第二のブランク板6,6を差し込んで対峙させ、第三のブランク板29の接合壁31,32を第二のブランク板6の第五及び第六の接合壁21,22にその外側から重ね合わせ接着剤等により接着し、また、第三のブランク板29の補強壁33,33を第二のブランク板6の側壁20上に接着剤等により接着することで組み立てられる。
【0055】
これにより、多角柱の胴体1の第二、第四、第六及び第八の側面b,d,f,hが二層の板紙により構成され、座屈等に対する強度が高められる。また、第三及び第七の側面c,gも側壁20上に補強壁33が局所的に重なり合い接着されるので、外力に対し補強される。
【0056】
<実施の形態7>
図10に示すように、この実施の形態7における箱の胴体1は、図11に示す第三のブランク板29と、図4(B)に示す第二のブランク板23とを用いることにより構成され、上蓋2と底蓋3が図2に示すブランク板4,4により夫々構成される。これらのブランク板4,29は、中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体により形成される。
【0057】
図10に示すように、胴体1はその周方向で接合される二枚の第二のブランク板23と二枚の第三のブランク板29とで形成される。
【0058】
この胴体1は、補強壁33、接合壁31,32及び側壁30を各折れ線上で折り曲げた一対の第三のブランク板29,29を対峙させ、両ブランク板29,29間に、接合壁21,22,24,25及び側壁20を各折れ線上で折り曲げると共に接合壁21,24同士を重ねて接着すると共に接合壁22,25同士を重ねて接着した一対の第二のブランク板23,23を差し込んで対峙させ、第三のブランク板29の接合壁31,32を第二のブランク板23の二層の接合壁21,24ともう一つの二層の接合壁22,25にその外側から重ね合わせ接着剤等により接着し、また、第三のブランク板29の補強壁33を第二のブランク板23の側壁20上に接着剤等により接着することで組み立てられる。
【0059】
これにより、多角柱の胴体1の第二、第四、第六及び第八の側面b,d,f,hが三層の板紙により構成され、座屈等に対する強度が高められる。また、第三及び第七の側面c,gも第三の側壁30上に補強壁33が局所的に重なり合い接着されるので、外力に対し補強される。
【0060】
<実施の形態8>
図12に示すように、この実施の形態8における箱の胴体1は、図4(A)(B)に示す第二のブランク板6,23を二枚ずつ用いることにより四角柱に形成される。このブランク板6,23は、中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体により形成される。
【0061】
この胴体1を組み立てるには、まず図4(A)のブランク板6を水平に置き、第五及び第六の接合壁21,22を第三の側壁20に対し折れ線上で折り起こす。これを一個の箱につき二組用意する。また、同図(B)のブランク板23を水平に置き、第七と第八の接合壁24,25をそれぞれ第五と第六の接合壁21,22の上に折り返し接着剤等により接着する。次に、図12に示すように各ブランク板6,23を配置し、重なり合った部分を接着剤により接着する。
【0062】
この胴体1の両端の開口は、図示しないが開口に合致する四角形板の四辺から接着片が突出するブランク板からなる上蓋と底蓋が当てられ、接着片が胴体の外面に接着されることにより塞がれる。このブランク板も中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体により形成される。
【0063】
<実施の形態9>
図13に示すように、この実施の形態9における箱の胴体1は、実施の形態8における図4(B)のブランク板23に代えて同図(C)の第二のブランク板26を用いることにより四角柱に形成される。このブランク板26も中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体により形成される。
【0064】
この胴体1を組み立てるには、まず図4(A)のブランク板6を水平に置き、第五及び第六の接合壁21,22を第三の側壁20に対し折れ線上で折り起こす。これを一個の箱につき二組用意する。また、同図(C)のブランク板26を水平に置き、第七乃至第十の接合壁24,25,27,28を第五及び第六の接合壁21,22にそれらの外側から接触するように折り曲げ接着剤等により接着する。次に、図13に示すように各ブランク板6,26を配置し、重なり合った部分を接着剤により接着する。
【0065】
この胴体1の開口も実施の形態8と同様にして上蓋と底蓋とにより塞がれる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係るバッグインボックス用の箱を示す斜視図である。
【図2】上蓋用又は底蓋用のブランク板の展開図である。
【図3】第一のブランク板の展開図である。
【図4】第二のブランク板の展開図であり、(A)(B)(C)はそれぞれ第二のブランク板の変形例を示す。
【図5】上記箱の組み立て操作の一例を示す斜視図である。
【図6】箱の胴体の水平断面図であり、(A)(B)(C)はそれぞれ図4(A)(B)(C)に示す第二のブランク板を用いた場合に対応する。
【図7】箱の胴体の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図8】箱の胴体の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図9】箱の胴体の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図10】箱の胴体の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図11】第三のブランク板の展開図である。
【図12】箱の胴体の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図13】箱の胴体の他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
1…胴体
2…上蓋
3…底蓋
4,5,6,23,26,29…ブランク板
13,14,15,16,21,22,24,25,27,28,31,32…接合壁
a,b,c,d,e,f,g,h…多角柱の側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角柱に形成される胴体と、胴体の上部を閉じる上蓋と、胴体の下部を閉じる底蓋とを有するバッグインボックス用の箱において、上記胴体、上蓋及び底蓋が中実の板紙を複数枚重ねて接着した積層体よりなるブランク板により形成されたことを特徴とするバッグインボックス用の箱。
【請求項2】
請求項1に記載のバッグインボックス用の箱において、上記胴体がその周方向で接合される複数枚のブランク板で形成され、隣り合うブランク板の接合壁同士が上記多角柱の所望の側面上に来るように重合接着されたことを特徴とするバッグインボックス用の箱。
【請求項3】
請求項1に記載のバッグインボックス用の箱において、胴体を構成するブランク板が上蓋及び底蓋を夫々構成するブランク板と別体に形成されたことを特徴とするバッグインボックス用の箱。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のバッグインボックス用の箱において、胴体を構成するブランク板が上蓋又は底蓋を構成するブランク板と一体に形成されたことを特徴とするバッグインボックス用の箱。
【請求項5】
請求項2に記載のバッグインボックス用の箱において、接合壁がブランク板上に複数個連接形成され、これらの接合壁が折り返され接着されて多層化されたことを特徴とするバッグインボックス用の箱。
【請求項6】
請求項2又は請求項5に記載のバッグインボックス用の箱において、接合壁の端縁が胴体の角部に臨むように形成されたことを特徴とするバッグインボックス用。
【請求項7】
請求項2、請求項5又は請求項6に記載のバッグインボックス用の箱において、隣り合うブランク板の接合壁同士が偶数個の側面を有する多角柱の側面上に一つ置きに来るように重合接着されたことを特徴とするバッグインボックス用の箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−22594(P2007−22594A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−207611(P2005−207611)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(398065531)株式会社ミツカングループ本社 (157)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】