説明

バッテリパック

【課題】バッテリ支持部材と蓋部材とをシール部材を介して結合したバッテリケースの内圧が変動するのを防止し、バッテリケースの変形防止およびシール性能の確保を図る。
【解決手段】バッテリケース24は、複数のバッテリ42を下方から支持するバッテリ支持部材38と、バッテリ支持部材38にシール部材を介して結合されてバッテリ42の上方を覆う蓋部材39とからなるので、バッテリ42の発熱および冷却によってバッテリケース24の内部の気圧が増減するとシール機能に悪影響を及ぼす虞があるが、蓋部材39にバッテリケース24の内外を連通させる通気手段61を設けたので、バッテリケース24の内部の気圧の変動を抑制してシール機能を確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバッテリを下方から支持するバッテリ支持部材と、前記バッテリ支持部材にシール部材を介して結合されて前記複数のバッテリの上方を覆う蓋部材とからなるバッテリケースを備えるバッテリパックに関する。
【背景技術】
【0002】
下面に冷却フィンを有する台座の外周部に下面が開放した箱状のカバーをOリングを介して結合し、台座およびカバーに囲まれた密閉空間に複数のバッテリセルを収納したものにおいて、前記密閉空間に乾燥空気を封入することでバッテリセルの結露を防止するものが、下記特許文献1により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−204990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1のものの如くシール部材でシールされた密閉空間にバッテリセルを収納すると、バッテリセルが充電や放電により温度上昇すると密閉空間の気圧が増加し、バッテリケースが過度に膨張変形して周辺部品との干渉やシール箇所の口開きが起きる可能性がある。またバッテリセルが充電や放電の停止により温度低下すると密閉空間の気圧が減少するため、バッテリケースの外側から内側へ水を吸い込む力が働き、シール部材の防水性能を超えてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、バッテリ支持部材と蓋部材とをシール部材を介して結合したバッテリケースの内圧が変動するのを防止し、バッテリケースの変形防止およびシール性能の確保を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、複数のバッテリを下方から支持するバッテリ支持部材と、前記バッテリ支持部材にシール部材を介して結合されて前記複数のバッテリの上方を覆う蓋部材とからなるバッテリケースを備えるバッテリパックにおいて、前記蓋部材に、前記バッテリケースの内外を連通させる通気手段を設けたことを特徴とするバッテリパックが提案される。
【0007】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記通気手段は、前記蓋部材の外部を流れる冷却空気の流れ方向下流側を向く壁面に開口することを特徴とするバッテリパックが提案される。
【0008】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記通気手段が開口する前記壁面は略鉛直方向に起立することを特徴とするバッテリパックが提案される。
【0009】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記蓋部材は、前記バッテリケースの内部に冷却空気を導入する冷却空気導入口、あるいは前記バッテリケースの内部から冷却空気を排出する冷却空気排出口を備えるとともに、前記冷却空気導入口あるいは前記冷却空気排出口と前記通気手段との間を遮る遮蔽部を備えることを特徴とするバッテリパックが提案される。
【0010】
尚、実施の形態のバッテリトレー38は本発明のバッテリ支持部材に対応し、実施の形態のバッテリカバー39は本発明の蓋部材に対応し、実施の形態の第3凸部39eは本発明の遮蔽部に対応し、実施の形態のバッテリモジュール42は本発明のバッテリに対応し、実施の形態の通気孔形成部材61は本発明の通気手段に対応する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の構成によれば、バッテリケースは、複数のバッテリを下方から支持するバッテリ支持部材と、バッテリ支持部材にシール部材を介して結合されて複数のバッテリの上方を覆う蓋部材とからなるので、バッテリの発熱および冷却によってバッテリケースの内部の気圧が増減するとシール機能に悪影響を及ぼす虞があるが、蓋部材にバッテリケースの内外を連通させる通気手段を設けたので、バッテリケースの内部の気圧の変動を抑制してシール機能を確保することができる。
【0012】
また請求項2の構成によれば、通気手段は蓋部材の外部を流れる冷却空気の流れ方向下流側を向く壁面に開口するので、冷却空気に含まれる塵や水滴が通気手段からバッテリケースの内部に流入し難くすることができる。
【0013】
また請求項3の構成によれば、通気手段が開口する壁面が略鉛直方向に起立するので、壁面を伝わって流れる雨水等が通気手段を通してバッテリケースの内部に流入し難くすることができる。
【0014】
また請求項4の構成によれば、蓋部材の冷却空気導入口あるいは冷却空気排出口と通気手段との間を遮蔽部で遮ったので、冷却空気導入口の負圧や冷却空気排出口の正圧が通気手段に直接作用するのを防止することで、バッテリケースの内部の空気が吸い出されたり、バッテリケースの内部に空気が押し込まれたりするのを防止することができる。また冷却空気の排気が通気手段に直接作用するのを防止することで、塵や水滴が通気手段からバッテリケースの内部に流入し難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】電気自動車の側面図。
【図2】車体フレームおよびバッテリパックの斜視図。
【図3】バッテリパックの斜視図。
【図4】図1の4方向矢視図
【図5】図4の5−5線断面図。
【図6】図4の6−6線断面図。
【図7】図4の7−7線断面図。
【図8】図4の8−8線断面図。
【図9】通気孔形成部材の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1〜図9に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1および図2に示すように、電気自動車の車体フレーム11は、車体前後方向に延びる左右一対のフロアフレーム12,12と、フロアフレーム12,12の前端から上方に屈曲しながら前方に延びる左右一対のフロントサイドフレーム13,13と、フロアフレーム12,12の後端から上方に屈曲しながら後方に延びる左右一対のリヤサイドフレーム14,14と、フロアフレーム12,12の車幅方向外側に配置された左右一対のサイドシル15,15と、サイドシル15,15の前端をフロアフレーム12,12の前端に接続する左右一対のフロントアウトリガー16,16と、サイドシル15,15の後端をフロアフレーム12,12の後端に接続する左右一対のリヤアウトリガー17,17と、左右一対のフロントサイドフレーム13,13の前端部間を車幅方向に接続するフロントバンパービーム18と、左右一対のフロアフレーム12,12の前端部間を車幅方向に接続するフロントクロスメンバ19と、左右一対のフロアフレーム12,12の前後方向中間部間を車幅方向に接続するミドルクロスメンバ20と、左右一対のリヤサイドフレーム14,14の前後方向中間部間を車幅方向に接続するリヤクロスメンバ21と、左右一対のリヤサイドフレーム14,14の後端部間を車幅方向に接続するリヤバンパービーム22とを備える。
【0018】
電気自動車の走行用駆動源であるモータ・ジェネレータ23の電源となるバッテリパック31は車体フレーム11の下面側から吊り下げ支持される。即ち、バッテリパック31の下面には車幅方向に延びるフロント吊り下げビーム32、ミドル吊り下げビーム33およびリヤ吊り下げビーム34が固定されており、フロント吊り下げビーム32の両端が左右一対のフロアフレーム12,12の前部に固定され、ミドル吊り下げビーム33の両端が左右一対のフロアフレーム12,12の後部に固定され、リヤ吊り下げビーム34の両端が左右一対のリヤサイドフレーム14,14の前部から垂下する支持部材35,35の下端に固定される。またバッテリパック31の前端の車幅方向中央部が前部ブラケット36を介してフロントクロスメンバ19に支持されるとともに、バッテリパック31の後端の車幅方向中央部が後部ブラケット37を介してリヤクロスメンバ21に支持される。更に、バッテリパック31は、フロント吊り下げビーム32およびミドル吊り下げビーム33の中間位置において、ミドルクロスメンバ20の下面に支持される。
【0019】
図3および図4に示すように、バッテリパック31は、金属製のバッテリトレー38と、バッテリトレー38に上方から重ね合わされた合成樹脂製のバッテリカバー39とを備える。バッテリトレー38の周縁部とバッテリカバー39の周縁部とは、シール部材40を挟んで多数のボルト41…で締結されており(図7参照)、従ってバッテリパック31の内部は基本的に密閉された空間となる。バッテリトレー38の上面には、複数のバッテリセルを直列に積層したバッテリモジュール42…が複数個搭載される。バッテリトレー38およびバッテリカバー39は、本発明のバッテリケース24を構成する。
【0020】
バッテリトレー38は、アッパープレート43とロアプレート44との間に凹凸を有するミドルプレート45を挟んで結合したもので(図7参照)、それらの間に冷却空気が流れる空間が形成されており、アッパープレート43の上面に接触するバッテリモジュール42…との間で熱交換を行い、充放電により発熱するバッテリモジュール42…を冷却する。
【0021】
バッテリパック31の後部に設けられた冷却装置46は、図示せぬ電動モータで回転する左右一対の冷却ファン47,47を備える。左右一対の冷却ファン47,47の間に配置された吸入ダクト48の下端はバッテリトレー38の冷却空気通路の上流側に接続され、左右一対の冷却ファン47,47の車幅方向外側に配置された左右一対の排出ダクト49,49の下端はバッテリトレー38の冷却空気通路の下流側に接続される。従って、冷却ファン47,47を駆動すると、吸入ダクト48の冷却空気導入48aから吸入された冷却空気はバッテリトレー38の内部に供給され、バッテリトレー38の内部を流れる間にバッテリモジュール42…とに間で熱交換を行った後、排出ダクト49,49から冷却ファン47,47を通過して冷却空気排出口47a,47aから排出される。
【0022】
バッテリケース24のバッテリカバー39は、その前部から後部にかけて、第1凸部39a、凹部39b、第2凸部39cおよび第3凸部39dを備える。上向きに突出する第1凸部39aの内部には複数のバッテリモジュール42…が収納される。第1凸部39aの上面から更に上向きに突出する隆起部39eの内部にはバッテリパック31のメインスイッチ(図示せず)が収納され、隆起部39eの上面にはメインスイッチを操作するためのアクセスパネル39fが設けられる。
【0023】
第2凸部39cの内部には複数のバッテリモジュール42…が収納される。第3凸部39dの内部には、その前側部分の一段高い位置に2個のバッテリモジュール42…が収納され、その後側部分にジャンクションボード(図示せず)が収納される。凹部39bは車幅方向に溝状に延びており、その部分でバッテリパック31の上下方向の厚さは最も薄くなっている。
【0024】
図3、図5および図6に示すように、バッテリカバー39の凹部39bとバッテリトレー38との間には、上下方向に延びる3本のカラー50…が配置される。カラー50の下端はバッテリトレー38のロアプレート44およびその下面に固定された補強部材51に固定され、カラー50の中間部に形成したフランジ50aはバッテリトレー38のアッパープレート43の上面に固定した補強部材52の下面に固定され、カラー50の上部に設けたフランジ50bとバッテリカバー39の凹部39bの下面との間にはシール部材53が配置される。3本のカラー50…を下から上に貫通する3本のボルト54…は、フロアパネル55の下面に固定されたミドルクロスメンバ20の上面に溶接したウエルドナット56…に螺合する。ボルト54…の締結力はカラー50…により支持されるため、バッテリケース24は潰れることなくミドルクロスメンバ20の下面に強固に固定される。
【0025】
バッテリカバー39の凹部39bを挟んで前後に配置されたバッテリモジュール42…の端子42a…どうしが、逆Ω状に屈曲するバスバー57…によって接続される。バスバー57は金属線58を合成樹脂の被覆材59で覆ったもので、その両端がバッテリモジュール42,42の端子42a,42aにボルト60,60で固定される。
【0026】
図4、図8および図9に示すように、バッテリカバー39の第1凸部39aの隆起部39eの後側の略鉛直に起立する壁面39gに、複数個の通気孔形成部材61…が左右方向に並置される。通気孔形成部材61は、円板状の本体部61aと、本体部61aの上部に連結部61bを介して連結されて該本体部61aの表面側に対向する円板状のカバー部61cと、本体部61aの裏面側から突出する3本の爪部61d…とを備えており、本体部61aの中央に形成された円形の通気孔61eにゴアテックス(登録商標)等の通気部材62が設けられる。通気部材62は、空気を通過させて水分や埃の通過を阻止する機能を有する。
【0027】
通気孔形成部材61は、バッテリカバー39の壁面39gに形成した開口30hに、Oリング63を挟んだ状態で3本の爪部61d…によって固定される。壁面39gに固定された通気孔形成部材61の上部は、壁面39gから後方に突出する庇部39iによって覆われる。
【0028】
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
【0029】
予めアセンブリとして組み立てたバッテリパック31を車体フレーム11に下方から取り付けるために、フロント吊り下げビーム32の両端およびミドル吊り下げビーム33の両端をフロアフレーム12,12に固定し、リヤ吊り下げビーム34の両端を支持部材35,35を介してリヤサイドフレーム14,14に固定し、前部ブラケット36および後部ブラケット37をそれぞれフロントクロスメンバ19およびリヤクロスメンバ21に固定する。このとき、バッテリパック31のバッテリカバー39の前後方向中間部に凹部39bが形成されているので、バッテリパック31を車体フレーム11に取り付けたときに、車体フレーム11のミドルクロスメンバ20がバッテリカバー39の凹部39bに嵌合することで、バッテリパック31を車体フレーム11と干渉することなく取り付けることができる。
【0030】
ところで、バッテリケース24は車体前後方向に長い形状であり、しかも合成樹脂製のバッテリカバー39はバッテリケース24の剛性に殆ど寄与しないため、厚さが小さいバッテリトレー38がバッテリモジュール42…の重量によって変形することで、バッテリケース24の前後方向中間部が下向きに撓む問題がある。しかしながら、本実施の形態によれば、バッテリケース24を、バッテリカバー39の凹部39bの位置でミドルクロスメンバ20の下面に3本のボルト54…で固定したので、バッテリパック31の重量を高剛性の強度部材であるミドルクロスメンバ20に支持させることで、バッテリケース24の前後方向中間部が下向きに撓むのを確実に防止することができる。
【0031】
またボルト54…はバッテリケース24のバッテリトレー38およびバッテリカバー39の両方を貫通してミドルクロスメンバ20に固定するので、車両の衝突によってバッテリケース24に衝突荷重が入力したときに、ボルト54…によって凹部39bの近傍のバッテリケース24の強度を高めることで、凹部39bを跨いで前後のバッテリモジュール42…を電気的に接続するバスバー57…を保護して地絡の発生を未然に防止することができる。しかもバッテリケース24のバッテリカバー39はバッテリモジュール42…の端子42a…に接近した位置に配置されるが、そのバッテリカバー39が非導電性の合成樹脂で構成されるためバッテリモジュール42…の端子42a…がバッテリカバー39を介して車体フレーム11に地絡するのを防止することができる。
【0032】
また冷却装置46の冷却ファン47,47が作動すると、バッテリカバー39の上面に沿って流れる冷却空気が、バッテリカバー39の一部を構成する吸入ダクト48の前面に開口する冷却空気導入口48aから吸い込まれるが、その冷却空気導入口48aの前方のバッテリカバー39には車幅方向に延びる第2凹部39dが存在するため、バッテリカバー39の上面に沿って流れる冷却空気に含まれる塵や水滴を第2凹部39dに捕獲し、バッテリケース24の内部に吸い込まれるのを防止することができる。
【0033】
ところで、バッテリケース24は、バッテリトレー38にシール部材40を介してバッテリカバー39を結合した密閉容器であるため、その内部に収納したバッテリモジュール42…が充放電によって発熱すると内圧が増加し、充放電の停止によって冷却すると内圧が減少する。そのため、バッテリカバー39の変形や、バッテリケース24の内圧低下によるシール部材40への水浸入方向の圧力の上昇により、シール部材40のシール機能が低下してバッテリケース24の内部に水や塵が入る可能性がある。
【0034】
しかしながら本実施の形態によれば、バッテリケース24の内圧が増加すると通気孔形成部材61…の通気孔61e…を通して空気を排出し、バッテリケース24の内圧が減少すると通気孔形成部材61…の通気孔61e…を通して空気を吸入することで、バッテリケース24の内圧を大気圧に維持してシール部材40を保護することができる。このとき、通気孔形成部材61…の通気孔61e…には空気を通過させて水分や埃を通過させない通気部材62…が設けられるので、バッテリケース24の内部への水分や埃の侵入を防止することができる。
【0035】
また通気孔形成部材61…は、バッテリカバー39の第1凸部39aの後方の壁面39g、つまり冷却空気の流れ方向下流側を向く壁面39gに設けられるので、冷却空気に含まれる塵や水滴が通気孔形成部材61…からバッテリケース24の内部に侵入し難くすることができる。しかも、前記壁面39gは略鉛直方向に起立し、かつ上方に庇部39iが張り出しているので、壁面39gを伝わって流れる雨水等が通気孔形成部材61…を通してバッテリケース24の内部に流入し難くすることができる。更に、冷却装置46の前向きに開口する冷却空気導入口48aと、第1凸部39aの後向きの壁面39gに設けられた通気孔形成部材61…とを結ぶ線を遮るように、バッテリケース24の第3凸部39dが起立するので、冷却空気導入口48aに発生する負圧が通気孔形成部材61…に作用し難くすることで、バッテリケース24の内部の空気が吸い出されるのを防止することができる。更にまた、通気孔形成部材61…の通気孔61e…はカバー部61c…で覆われているので、雨水等を一層確実に遮ることができるだけでなく、蟻等の昆虫が侵入して通気部材62…を食い破る等の被害を防止することができる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0037】
例えば、本発明の通気手段は実施の形態の通気孔形成部材61に限定されず、バッテリケース24の内外を連通させる手段であれば良い。
【0038】
また実施の形態では冷却空気導入口48aが前方に向けて開口させているが、冷却空気排出口47aを前方に向けて開口させても良い。この場合、冷却空気排出口47aの周囲に発生する高圧を遮蔽部である第3凸部39dで遮り、通気孔形成部材61からバッテリケース24の内部に冷却空気が押し込まれるのを防止することができ、しかも冷却空気の排気による塵や水滴が通気孔形成部材61からバッテリケース24内に流入し難くすることができる。
【符号の説明】
【0039】
24 バッテリケース
38 バッテリトレー(バッテリ支持部材)
39 バッテリカバー(蓋部材)
39d 第3凸部(遮蔽部)
39g 壁面
40 シール部材
42 バッテリモジュール(バッテリ)
47a 冷却空気排出口
48a 冷却空気導入口
61 通気孔形成部材(通気手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリ(42)を下方から支持するバッテリ支持部材(38)と、前記バッテリ支持部材(38)にシール部材(40)を介して結合されて前記複数のバッテリ(42)の上方を覆う蓋部材(39)とからなるバッテリケース(24)を備えるバッテリパックにおいて、
前記蓋部材(39)に、前記バッテリケース(24)の内外を連通させる通気手段(61)を設けたことを特徴とするバッテリパック。
【請求項2】
前記通気手段(61)は、前記蓋部材(39)の外部を流れる冷却空気の流れ方向下流側を向く壁面(39g)に開口することを特徴とする、請求項1に記載のバッテリパック。
【請求項3】
前記通気手段(61)が開口する前記壁面(39g)は略鉛直方向に起立することを特徴とする、請求項2に記載のバッテリパック。
【請求項4】
前記蓋部材(39)は、前記バッテリケース(24)の内部に冷却空気を導入する冷却空気導入口(48a)、あるいは前記バッテリケース(24)の内部から冷却空気を排出する冷却空気排出口(47a)を備えるとともに、前記冷却空気導入口(48a)あるいは前記冷却空気排出口(47a)と前記通気手段(61)との間を遮る遮蔽部(39d)を備えることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のバッテリパック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−105617(P2013−105617A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248433(P2011−248433)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】