説明

バッテリーカバー

【課題】省スペース化を実現しつつ、バッテリーと電線との接続安定性を向上することができるバッテリーカバーを提供すること。
【解決手段】バッテリー50のバッテリーポスト51と、電線Wの接続端子Cとに接続されるバッテリーターミナル60と、前記接続端子Cとを覆うバッテリーカバー1において、当該バッテリーカバー1の上面21のうち、最も高い位置の面を形成する壁からなる高天井壁部22の下面22bから下方に向けて延び、かつ下端面31aが前記バッテリー50の上面50aに接するように形成されてなる荷重支持部31を有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーターミナルを覆うバッテリーカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリーのバッテリーポストと、電線の接続端子とに接続されるバッテリーターミナルを用いて、バッテリーと電線とを電気的に接続させるものがある。このようなバッテリーターミナルを用いて、バッテリーと電線とが接続される場合、バッテリーターミナルおよび接続端子の短絡を防止することが重要である。そこで、バッテリーターミナルおよび接続端子の短絡を防止するために、バッテリーターミナルおよび接続端子を覆うバッテリーカバーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたバッテリーカバーは、カバー内部には、電線接続部又は接続端子に嵌合する係止用の嵌合係止部を有する。また、カバー内部には、弾性を有しカバー取り外し方向の移動に対して環状部に引っ掛かる浮き止め係止部を一体に成形する。さらに、カバー内部には、環状部に対して弾性接触する弾性保持リブを一体に成形する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−40797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、ハイブリッドカーの普及にともない、バッテリーが車内の床下、例えば、荷室の床下に配置されるようになってきている。このような場合、荷室の床が荷重によって下方に撓むと、バッテリーカバーに荷重が負荷されることになる。
【0006】
しかしながら、上述した従来のバッテリーカバーは、荷重が負荷されることを考慮したものではないため、荷重の影響によってバッテリーカバーが変形されて、バッテリーターミナルに荷重が負荷されてしまうおそれがあった。すなわち、バッテリーと電線との接続安定性が低下してしまうという問題があった。
【0007】
このような問題を解消するため、バッテリーカバーの下端面がバッテリーの上面に接触され、かつバッテリーカバーの壁の肉厚が厚くされ、あるいは補強用のリブが設けられることによってバッテリーカバーの荷重に対する強度を向上させることが考えられる。
【0008】
しかしながら、バッテリーカバーの壁が肉厚にされると、あるいは補強用のリブが設けられるとバッテリーカバーの寸法が大きくなり、結果的に省スペース化が難しくなるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、省スペース化を実現しつつ、バッテリーと電線との接続安定性を向上することができるバッテリーカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1にかかるバッテリーカバーは、バッテリーのバッテリーポストと、電線の接続端子とに接続されるバッテリーターミナルと、前記接続端子とを覆うバッテリーカバーにおいて、当該バッテリーカバーの上面のうち、最も高い位置の面を形成する壁からなる高天井壁部の下面から下方に向けて延び、かつ下端面が前記バッテリーの上面に接するように形成されてなる荷重支持部を有してなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2にかかるバッテリーカバーは、上記の発明において、前記高天井壁部は、上面がベタ平面状に形成されてなることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3にかかるバッテリーカバーは、上記の発明において、前記荷重支持部は、前記高天井壁部の下面から下方に向けて延び、かつ下端面が前記バッテリーの上面に接するように形成されてなる当該バッテリーカバーの側壁であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4にかかるバッテリーカバーは、上記の発明において、前記荷重支持部は、前記バッテリーターミナルの側部に沿って設けられてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1にかかるバッテリーカバーは、当該バッテリーカバーの上面のうち、最も高い位置の面を形成する壁からなる高天井壁部の下面から下方に向けて延び、かつ下端面が前記バッテリーの上面に接するように形成されてなる荷重支持部を有してなるので、荷重が負荷され易い部分を前記高天井壁部に限定させ、前記高天井壁部の荷重に対する強度を上げることによって、耐荷重構造を必要最小限のスペースで設けることができ、結果的に、省スペース化を実現しつつ、バッテリーと電線との接続安定性を向上することができる。
【0015】
本発明の請求項2にかかるバッテリーカバーは、前記高天井壁部が上面がベタ平面状に形成されてなるので、荷重が平面で支持され、結果的に荷重が安定的に支持される。
【0016】
本発明の請求項3にかかるバッテリーカバーは、前記荷重支持部が前記高天井壁部の下面から下方に向けて延び、かつ下端面が前記バッテリーの上面に接するように形成されてなる当該バッテリーカバーの側壁であるので、当該バッテリーカバーに荷重支持部を別に設ける必要がなく、簡易な構成で省スペース化を実現しつつ、バッテリーと電線との接続安定性を向上することができる。
【0017】
本発明の請求項4にかかるバッテリーカバーは、前記荷重支持部が前記バッテリーターミナルの側部に沿って設けられてなるので、前記バッテリーカバーのガタつきが低減されるとともに、前記バッテリーカバーを取り付ける際、前記バッテリーターミナルを基準として容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかるバッテリーカバーを有してなるバッテリー接続ユニットの分解斜視図である。
【図2】図2は、図1に示したバッテリー接続ユニットの上面図である。
【図3】図3は、図2に示したバッテリー接続ユニットのA―A線断面および荷室の床の断面を示した図である。
【図4】図4は、図1に示したバッテリー接続ユニットの側面図である。
【図5】図5は、図4に示したバッテリー接続ユニットのB−B線断面図である。
【図6】図6は、図1に示したバッテリーカバーを下方から視た図である。
【図7】図7は、バッテリーカバーの高天井壁部に荷重が負荷されることを説明するための図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態の変形例1のバッテリーカバーの斜視図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態の変形例2のバッテリーカバーの斜視図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態の変形例3のバッテリーカバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、この発明にかかるバッテリーカバーの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態にかかるバッテリーカバーを有してなるバッテリー接続ユニット100の分解斜視図である。図2は、図1に示したバッテリー接続ユニット100の上面図である。図3は、図2に示したバッテリー接続ユニット100のA―A線断面および荷室の床の断面を示した図である。図4は、図1に示したバッテリー接続ユニット100の側面図である。図5は、図4に示したバッテリー接続ユニット100のB−B線断面図である。図6は、図1に示したバッテリーカバーを下方から視た図である。
本発明の実施の形態にかかるバッテリーカバー1は、バッテリー50のバッテリーポスト51と、電線Wの接続端子Cとに接続されるバッテリーターミナル60と、接続端子Cとを覆うようになっている。
なお、この実施の形態では、バッテリー50が荷室の床下に配置されるものとして説明する。
【0021】
まず、公知のバッテリー50およびバッテリーターミナル60について説明する。
バッテリー50は、上面50aからバッテリーポスト51が柱状に突出して設けられている。
バッテリーターミナル60は、図1に示すように、バッテリーポスト51に巻着される環状部61と、電線Wが接続される電線接続部62とを有してなる。
環状部64は、バッテリーポスト51が挿通される挿通穴部61aが形成されてなる。この挿通孔部64aは、ボルトB1およびナットN1による締結がなされて孔径が縮むようになっている。このため、ボルトB1およびナットN1によって締結がなされ、挿通穴部61aの孔径が縮むことによって、バッテリーターミナル60がバッテリーポスト51に固定されるようになっている。
電線接続部62は、ボルトB2が植設されてなる。この電線接続部62は、電線Wの接続端子Cに形成された挿通孔C1にボルトB2が挿通され、ボルトB2およびナットN2によって締結されることによって電線Wが固定されるようになっている。
【0022】
次に、バッテリーカバー1について説明する。
バッテリーカバー1は、例えば絶縁性の合成樹脂材からなり、カバー本体部10、カバー本体部10から引き出された電線Wに取り付けられる電線取り付け部40と、電線取り付け部41とカバー本体部10とを連結し、かつ可撓性を有してなる可撓連結部41とを有してなる。
【0023】
カバー本体部10は、天井壁20と、天井壁20の縁に沿って下方に向けて立設されてなる周側壁30とを有し、下端10bに開口部10aが形成されてなるほぼ箱型形状をなす。
このカバー本体部10は、ターミナル収容部11および電線引き出し部12を有してなる。
【0024】
ターミナル収容部11は、図5および図6に示すように、バッテリーターミナル60を収容するための収容部であり、内部にバッテリーターミナル60を位置決めするための位置決め部11aを有してなる。この位置決め部11aは、天井壁20の下面20aから下方に向けて立設され、かつバッテリーターミナル60の形状に沿って形成されてなる壁である。バッテリーカバー1がバッテリーターミナル60に取り付けられる場合、バッテリーカバー1が位置決め部11aによってバッテリーターミナル60の所定の取り付け位置に配置されるようになっている。
【0025】
電線引き出し部12は、電線Wの接続端子C周辺を収容する収容部であり、電線Wの引き出し方向に沿ってターミナル収容部11から突出して設けられてなる。この電線引き出し部12は、周側壁30に形成された開口である電線引き出し口12aを有してなる。この電線引き出し口12aを介して電線Wがバッテリーカバー1から引き出されるようになっている。
【0026】
ここで、天井壁20についてさらに詳細に説明する。
天井壁20は、上面21の高さが相対的に高い位置の高位置面21aと低い位置の低位置面21bとを有してなる2段形状に形成されてなり、高位置面21aを形成する壁部分である高天井壁部22と、低位置面21bを形成する壁部分である低天井壁部23とを有してなる。なお、高位置面21aは、一様に広がる平面(ベタ平面)に形成されてなる。
このように、天井壁20に高さの異なる面が形成されることによって、荷室の床が撓んだ場合に、低位置面21bよりも先に高位置面21aに荷室の床が当接されるようになっている。また、高位置面21aが、図3に示すように、バッテリーカバー1と床Fとの間のスペースSに突出されるように形成されることによって、スペースSを有効的に利用している。
【0027】
また、カバー本体部10は、高天井壁部22の下面22bから立設される周側壁30(以下、荷重支持周側壁31という。)の下端面31aがバッテリー50の上面50aに接するようになっている。すなわち、荷重支持周側壁31は、荷重支持部として高天井壁部22にかかる荷重を支持するようになっている。
【0028】
また、荷重支持周側壁31は、内面31bあるいは外面31cに荷重支持部としての補強リブ32がさらに設けられることによって支持強度が高められるようになっている。
この補強リブ32は、縦方向リブ33と、接触面積拡大リブ34とを有してなる。
【0029】
縦方向リブ33は、図5および図6に示すように、複数の板状壁部33aと、板状壁部群33bに連接されてなるガイド壁部33cとを有してなる。
各板状壁部33aは、荷重支持周側壁31の内面31bに対して略直交するように立設され、かつ高天井壁部22の下面22bから荷重支持周側壁31の下端31d位置まで下方に延びてなる板状の壁である。このような各板状壁部33aは、下端面33eがバッテリー50の上面50aに接するようになっている。
【0030】
ガイド壁部33cは、隣り合う複数の板状壁部33aによって構成される板状壁部群33bの各板状壁部33aの側端部33dを連接するように設けられ、かつバッテリーターミナル60の側部63に沿った形状に形成されてなる板状の壁である。このガイド壁部33cは、高天井壁部22の下面22bから荷重支持周側壁31の下端31d位置まで下方に延びてなる板状の壁である。このようなガイド壁部33cは、下端面33fがバッテリー50の上面50aに接するようになっている。
【0031】
このように縦方向リブ33が高天井壁部22の下面22bから荷重支持周側壁31の下端31d位置まで下方に延び、下端面33e,33fがバッテリー50の上面50aに接するようになっているので、荷重支持周側壁31の荷重に対する支持強度が高められるようになっている。
【0032】
また、縦方向リブ33がバッテリーターミナル60の側部63に沿って設けられることによって、バッテリーカバー1のガタつきが低減されるとともに、バッテリーカバー1を取り付ける際、バッテリーターミナル60を基準として取り付けることができる。しかも、縦方向リブ33が、荷重支持周側壁31の下端31d位置から形成されているので、バッテリーターミナル60が開口部10aに位置されたときから、バッテリーターミナル60を基準として取り付ることができるようになっている。
【0033】
さらにまた、縦方向リブ33は、ガイド壁部33cが複数箇所で板状壁部群33bに支持されることによってクッション性を有するようになっている。このため、バッテリーカバー1を取り付ける際、縦方向リブ33がバッテリーターミナル60に干渉する位置にあったとしても、クッション機能によって干渉状態が回避され、バッテリーカバー1の取り付け性を低下させないようになっている。
【0034】
接触面積拡大リブ34は、荷重支持周側壁31の下端面31aが水平方向に延在されるように、すなわちバッテリー50の上面50aとバッテリーカバー1の下端面10cの接触面積が拡大されるように荷重支持周側壁31の下端31bの外面からから突出して設けされた壁である。この接触面積拡大リブ34は、荷重支持周側壁31に繋がって下端面10cと、バッテリー50の上面50aとの接触面積を拡大するように形成されてなるので、荷重支持周側壁31の荷重に対する強度が高められるようになっている。すなわち、接触面積拡大リブ34によって高天井壁部22の荷重に対する強度が高められるようになっている。
【0035】
ここで、図7を用いてバッテリーカバー1の高天井壁部22に荷重が負荷されることを説明する。図7は、バッテリーカバー1の高天井壁部22に荷重が負荷されることを説明するための図である。
図7(a)は、荷室の床Fに荷物が載置されていない状態を示した図である。図7(b)は、荷室の床Fに荷物が載置され、床が撓み始めた状態を示した図である。図7(c)は、荷室の床Fが高位置面21aに当接された状態を示した図である。
【0036】
図7(a)に示すように、荷室の床Fに荷物が載置されていない状態では、床Fは撓んでいない状態である。
荷室の床Fに荷物が載置されることによって床Fに荷重がかかると、床Fが下方に撓み始める(図7(b)参照)。
床Fの撓み量がバッテリーカバー1に接する量になると、高位置面21aと荷室の床Fとが当接される(図7(c)参照)。この際、高位置面21aに比して低い位置の低位置面21bには、床Fは当接されない。すなわち、高位置面21aには荷重が負荷され、低天井壁部23には荷重が負荷されないようになっている。
このように、高天井壁部22に荷重が負荷されると、荷重支持部としての荷重支持周側壁31によって、荷重が支持される。しかも、縦方向リブ33によって支持強度を高めて荷重が支持される。
また、高位置面21aが一様に広がる平面(ベタ平面)に形成されてなるので、荷重が平面で支持され、結果的に荷重が安定的に支持される。
【0037】
本発明の実施の形態のバッテリーカバー1は、バッテリーカバー1の上面のうち、最も高い位置の面を形成する壁からなる高天井壁部22の下面22bから下方に向けて延び、かつ下端面31aがバッテリー50の上面50aに接するように形成されてなる荷重支持周側壁31を有してなるので、荷重が負荷され易い部分を高天井壁部22に限定させ、高天井壁部22の荷重に対する強度を上げることによって、耐荷重構造を必要最小限のスペースで設けることができ、結果的に、省スペース化を実現しつつ、バッテリーと電線との接続安定性を向上することができる。
【0038】
また、本発明の実施の形態のバッテリーカバー1は、高位置面21aが一様に広がる平面(ベタ平面)に形成されてなるので、荷重が平面で支持され、結果的に荷重が安定的に支持される。
【0039】
また、本発明の実施の形態のバッテリーカバー1は、荷重支持部が高天井壁部22の下面22bから下方に向けて延び、かつ下端面31aがバッテリー50の上面50aに接するように形成されてなる当該バッテリーカバー1の荷重支持周側壁31であるので、バッテリーカバー1に荷重支持部を別に設ける必要がなく、簡易な構成で省スペース化を実現しつつ、バッテリーと電線との接続安定性を向上することができる。
【0040】
また、本発明の実施の形態のバッテリーカバー1は、荷重支持部としての縦方向リブ33がバッテリーターミナル60の側部63に沿って設けられてなるので、バッテリーカバー1のガタつきが低減されるとともに、バッテリーカバー1を取り付ける際、バッテリーターミナル60を基準として容易に取り付けることができる。しかも、縦方向リブ33が、荷重支持周側壁31の下端31d位置から形成されているので、バッテリーターミナル60が開口部10aに位置されたときから、バッテリーターミナル60を基準として取り付けることができる。
【0041】
(変形例1)
次に、図8を用いて本発明の実施の形態のバッテリーカバー1の変形例1について説明する。図8は、本発明の実施の形態の変形例1のバッテリーカバー2の斜視図である。
この変形例1のバッテリーカバー2は、荷重支持周側壁31に代わって荷重支持周側壁70を有してなる点で実施の形態のバッテリーカバー1と異なる。
なお、その他の構成は実施の形態と同様であり、実施の形態と同一構成部分には同一符号を付している。
【0042】
荷重支持周側壁70は、下端部70aの一部に切り欠き部71が形成され、この切り欠き部71が形成されている部分がバッテリー50の上面50aに接しないようになっている。
【0043】
この変形例1のバッテリーカバー2は、バッテリーカバー2の上面のうち、最も高い位置の面を形成する壁からなる高天井壁部22の下面22bから下方に向けて延び、かつ下端面31aがバッテリー50の上面50aに接するように形成されてなる荷重支持周側壁70を有してなるので、荷重が負荷され易い部分を高天井壁部22に限定させ、高天井壁部22の荷重に対する強度を上げることによって、耐荷重構造を必要最小限のスペースで設けることができ、結果的に、実施の形態と同様に、省スペース化を実現しつつ、バッテリーと電線との接続安定性を向上することができる。
【0044】
(変形例2)
次に、図9を用いて本発明の実施の形態のバッテリーカバー1の変形例2について説明する。図9は、本発明の実施の形態の変形例2のバッテリーカバー3の斜視図である。
この変形例2のバッテリーカバー3は、荷重支持部として荷重支持周側壁31に代わって柱状支持部80を有してなる点で実施の形態のバッテリーカバー1と異なる。
なお、その他の構成は実施の形態と同様であり、実施の形態と同一構成部分には同一符号を付している。
【0045】
柱状支持部80は、高天井壁部22の下面22bの4隅に立設された柱状の支柱であり、バッテリーカバー3の上面のうち、最も高い位置の面を形成する壁からなる高天井壁部22の下面22bから下方に向けて延び、かつ下端面80aがバッテリー50の上面50aに接するように形成されてなる。
【0046】
この変形例2のバッテリーカバー3は、バッテリーカバー3の上面のうち、最も高い位置の面を形成する壁からなる高天井壁部22の下面22bから下方に向けて延び、かつ下端面80aがバッテリー50の上面50aに接するように形成されてなる柱状支持部80を有してなるので、荷重が負荷され易い部分を高天井壁部22に限定させ、高天井壁部22の荷重に対する強度を上げることによって、耐荷重構造を必要最小限のスペースで設けることができ、結果的に、実施の形態と同様に、省スペース化を実現しつつ、バッテリーと電線との接続安定性を向上することができる。
【0047】
(変形例3)
次に、図10を用いて本発明の実施の形態のバッテリーカバー1の変形例3について説明する。図10は、本発明の実施の形態の変形例3のバッテリーカバー4の斜視図である。
この変形例3のバッテリーカバー4は、バッテリーカバー4の上面が3段形状に形成されてなる点で実施の形態のバッテリーカバー1と異なる。
なお、その他の構成は実施の形態と同様であり、実施の形態と同一構成部分には同一符号を付している。
【0048】
バッテリーカバー4、3段形状の上面のうち最も高い位置の面を形成する壁が高天井壁部22として設定されるようになっている。
【0049】
この変形例3のバッテリーカバー4は、バッテリーカバー4の上面のうち、最も高い位置の面を形成する壁からなる高天井壁部22の下面22bから下方に向けて延び、かつ下端面31aがバッテリー50の上面50aに接するように形成されてなる荷重支持周側壁31を有してなるので、荷重が負荷され易い部分を高天井壁部22に限定させ、高天井壁部22の荷重に対する強度を上げることによって、耐荷重構造を必要最小限のスペースで設けることができ、結果的に、実施の形態と同様に、省スペース化を実現しつつ、バッテリーと電線との接続安定性を向上することができる。
【0050】
なお、本発明の実施の形態では、高位置面21aが一様に広がる平面(ベタ平面)に形成されてなるものを例示したが、これに限らない。すなわち、荷重を支持することが可能であれば、高位置面21aは曲面形状を有したなる面であっても構わない。
【0051】
なお、本発明の実施の形態では、荷重支持部としての補強リブ32が設けられることによって支持強度が高められるものを例示したが、補強リブ32を有しない構成にしてもよい。すなわち、荷重支持周側壁31,70のみが荷重支持部として機能するようにしてもよい、
【0052】
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0053】
1、2、3、4 バッテリーカバー
10 カバー本体部
10a 開口部
10b 下端
10c 下端面
11 ターミナル収容部
11a 位置決め部
12 電線引き出し部
12a 電線引き出し口
20 天井壁
20a 下面
21 上面
21a 高位置面
21b 低位置面
22 高天井壁部
22b 下面
23 低天井壁部
30 周側壁
31、70 荷重支持周側壁
31a 下端面
31b 内面
31c 外面
31d 下端
32 補強リブ
33 縦方向リブ
33a 板状壁部
33b 板状壁部群
33c ガイド壁部
33d 側端部
33e、33f 下端面
34 接触面積拡大リブ
40 電線取り付け部
41 可撓連結部
50 バッテリー
50a 上面
51 バッテリーポスト
60 バッテリーターミナル
61 環状部
61a 挿通孔部
62 電線接続部
63 側部
70a 下端部
71 切り欠き部
80 柱状支持部
80a 下端面
100 バッテリー接続ユニット
B1、B2 ボルト
N1、N2 ナット
W 電線
C 接続端子
C1 挿通孔
S スペース
F 床

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーのバッテリーポストと、電線の接続端子とに接続されるバッテリーターミナルと、前記接続端子とを覆うバッテリーカバーにおいて、
当該バッテリーカバーの上面のうち、最も高い位置の面を形成する壁からなる高天井壁部の下面から下方に向けて延び、かつ下端面が前記バッテリーの上面に接するように形成されてなる荷重支持部を有してなることを特徴とするバッテリーカバー。
【請求項2】
前記高天井壁部は、
上面がベタ平面状に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーカバー。
【請求項3】
前記荷重支持部は、
前記高天井壁部の下面から下方に向けて延び、かつ下端面が前記バッテリーの上面に接するように形成されてなる当該バッテリーカバーの側壁であることを特徴とする請求項1または2に記載のバッテリーカバー。
【請求項4】
前記荷重支持部は、
前記バッテリーターミナルの側部に沿って設けられてなることを特徴とする請求項1または2に記載のバッテリーカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−93211(P2013−93211A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234604(P2011−234604)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】