説明

バルブ

【課題】フィルタ組立体用の通気ポート及びドレンポートを通る流れを制御するバルブを提供する。
【解決手段】バルブ12は、全体として円形断面を有する通路46を取り囲む、環状スリーブ49を有し、スリーブを一の方向に移動するとバルブが開放し、スリーブを一の方向とは逆の方向に移動するとバルブが閉鎖するように構成される。また、通路48がバルブ部材43を含み、前記スリーブを移動することによって、前記バルブ部材が前記通路を通る流れを可能にする、第1の位置と、前記バルブ部材が前記通路を通る流れを阻止する、第2の位置との間で、前記バルブ部材を移動させるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の形態のフィルタ組立体は、入口ポート及び出口ポートを含むハウジングを有する。このハウジング内にはフィルタ・エレメントが保持されている。フィルタ・エレメントは濾材を含み、この濾材は、その第1の端部と第2の端部との間を延びる中央通路を有する。濾材の第1の端部には、通路を閉鎖する端部キャップが連結されており、濾材の第2の端部は、ハウジングのポートと流体連通している。
【0003】
このようにして、ハウジングに通した流体は、入口ポート、出口ポート、及び通路を含む経路で濾材を通って流れる。このようなフィルタは、専ら、医学的、生物医学的、又は医薬品の目的で使用される。
【0004】
このようなフィルタ組立体についての必要条件は、フィルタ・エレメントの一体性を試験できなければならないということである。水湿潤性濾材の一体性は、水泡点試験(WaterBubble PointTest)又は拡散前方流試験(Diffusive Forward FlowTest)によって試験できる。水泡点試験では、通路の第1の端部及び第2の端部の両方を閉鎖した状態でフィルタ・エレメントを水浴中に置き、空気を通路に圧送する。空気の圧力は、濾材の外部で最初の気泡が観察されるまで上昇される。濾材の構造がその全容積に亘って一体性を備えている場合には、この最初の気泡は所定の圧力で現れる。気泡が低い圧力で現れる場合、これは濾材の構造が濾材の全容積に亘って均等でないということを示す。これは、未濾過の流体又は部分的にしか濾過されていない流体が濾材を通過する濾材の通過が起こったことを示す。
【0005】
拡散前方流試験では、濾材を水で湿潤させ、余分の水を取り除く。空気を特定の圧力で濾材の一方の側に加え、拡散空気流量を計測する。この拡散空気流量は、濾材の除去定格と関連するものと考えられている。予想流量よりも大きいということは、濾材の一体性が損なわれているということを意味する。
【0006】
しかしながら、端部キャップを水湿潤性濾材に連結することにより、濾材の性質が変化する場合があり、この場合、一体性試験はもはや不可能である。例えば、一体性試験を行う際に湿潤しない疎水性ゾーンが、連結により、濾材に形成され、及びかくして一体性試験における濾材の性能に何等かの影響が及ぼされる場合がある。
【0007】
この理由のため、濾材及び端部キャップの材料は、通常は、一体性試験での濾材の性能に影響を及ぼす方法で、濾材と端部キャップとの連結が濾材の性質に影響を及ぼさないように選択される。
【0008】
端部キャップの材料は、疎水性濾材にとっても重要である。このような疎水性濾材は、熱によって容易に損傷してしまう。これらの濾材は、端部キャップを加熱して端部キャップを軟化し、端部キャップが軟化した状態にあるときに濾材の第1の端部を端部キャップに挿入することによって端部キャップに取り付けられる。従って、濾材を損傷することなく連結を行うことができるように、端部キャップの材料を比較的低温で軟化するように選択することが重要である。
【0009】
しかしながら、医学的用途、生物医学的用途、又は医薬品に対する用途を持つこのようなフィルタ組立体について、これらのフィルタ組立体を殺菌でき、繰り返し使用できることもまた必要である。殺菌には二つの主な態様、即ち現場(insitu)蒸気殺菌及び蒸気オートクレーブ処理がある。現場蒸気殺菌では、濾過されるべき流体をフィルタ組立体に通す代わりに高温で高温の蒸気をフィルタ組立体に通す。例えば、蒸気圧は数barであり、温度は140℃である。蒸気オートクレーブ処理では、フィルタ組立体を関連した機器から取り外し、オートクレーブに移し、ここで蒸気殺菌を行う。次いでフィルタ組立体をオートクレーブから取り外し、無菌状態で移送し、機器に再設置する。代表的なフィルタ組立体は、その寿命中に100回の殺菌を必要とする。
【0010】
このようなフィルタ組立体のハウジングがプラスチック材料でできている場合には、濾材の第2の端部は、通常は、ハウジング材料を加熱し、濾材の第2の端部をハウジング材料に挿入することによって、ハウジングに連結されている。水湿潤性濾材については、一体性試験の目的で水湿潤性接合部を形成するため、必要な接合部を形成する適当な材料でハウジングを形成することが必要である。熱によって比較的容易に損傷する疎水性濾材については、ハウジングのプラスチック材料の軟化点が比較的低温であることが必要となる。このようなプラスチック材料は、現場殺菌の圧力及び温度に耐えることができない。従って、このようなフィルタ組立体はオートクレーブ処理で殺菌しなければならない。これは、保守を行うためにフィルタ組立体を取り外し、オートクレーブ処理を施し、その後、無菌状態で使用状態に戻さなければならない。
【0011】
周知の変形例は、フィルタ・エレメントを金属製ハウジングに収めることである。金属は現場蒸気殺菌の温度及び圧力に耐えるが、金属製ハウジングは、代表的には、プラスチック製ハウジングよりも嵩張り、製造に費用がかかり、再使用前にクリーニングを行うことを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、フィルタ組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の特徴によれば、フィルタ組立体において、入口ポート及び出口ポートを提供するプラスチック製ハウジングであって、このハウジングの材料は、ハウジングの外部を大気圧にしたままでハウジングの内部に加圧蒸気を加えることによって、ハウジングを損傷することなく、フィルタ組立体を殺菌できるような材料である、ハウジングと、このハウジング内に保持されたフィルタ・エレメントであって、第1の端部と第2の端部との間に中央通路を持つ水湿潤性材料製の濾材を含み、濾材の第1の端部は、通路と閉鎖するようにプラスチック材料製の第1の端部キャップに埋設されており、濾材の第2の端部は、プラスチック材料製の第2の端部キャップに埋設されており、第1の端部キャップは、通路とポートの一方との間を流体連結し、第1及び第2の端部キャップは、濾材と夫々水湿潤性接合部を形成する、フィルタ・エレメントとを有する、フィルタ組立体が提供される。
【0014】
濾材の両端に端部キャップを設けることによって、水湿潤性接合部を形成でき、現場で蒸気殺菌できるハウジングに対して様々な材料が使用される。
本発明の第2の特徴によれば、フィルタ組立体において、入口及び出口を持つハウジング及び拡散前方流試験又は水泡点試験によって一体性を試験できるフィルタ・エレメントを含み、このフィルタ・エレメントは、ハウジング内に保持されており、濾材を含み、この濾材には、第1の端部と第2の端部との間を延びる中央通路が設けられており、ハウジングは、蒸気殺菌可能なプラスチック材料から形成されている、フィルタ組立体が提供される。
【0015】
このようなフィルタ組立体では、入口ポート及び出口ポート用のバルブを提供することにも問題点がある。
本発明の第3の特徴によれば、フィルタ組立体用のバルブにおいて、全体に円形断面の通路を取り囲む環状スリーブを有し、スリーブを一方の方向に移動するとバルブが開放し、スリーブを一方の方向とは逆の方向に移動するとバルブが閉鎖する、バルブが提供される。
【0016】
本発明の第4の特徴によれば、バルブにおいて、円筒形通路を画成する部品及びバルブ部材を含み、このバルブ部材は、このバルブ部材が通路内に着座し且つ通路の周囲に対してシールし、バルブを閉鎖する第1の位置と、部材が通路の外に配置されており、バルブを開放する第2の位置との間で移動自在である、バルブが提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、フィルタ組立体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の一実施例を添付図面を参照して以下に例として詳細に説明する。
添付図面のうち特に図1を参照すると、フィルタ組立体は、全体に参照番号10を附したハウジングと、このハウジング10に収容されたフィルタ・エレメント11と、ハウジング10によって支持された二つのバルブ12とを含む。
【0019】
ハウジング10は、第1のハウジング部品13及び第2のハウジング部品14を含む。これらの部品は、両方とも、例えばポリスルホン材料から型成形によって形成されている。第1のハウジング部品13は、濾過されるべき媒体用の入口ポート16が設けられた端壁15と、この端壁15から下方に延びており且つ円形の縁部18で終端する円形断面の側壁17とを有する。外方に面した環状さねはぎ部19が側壁17に縁部と隣接して形成されている。
【0020】
ハウジング10の軸線21(図2参照)に対してほぼ半径方向に延びる通気ポート20が端壁15と側壁17との接合部に形成されている。通気ポート20の内面60が画成する通路は、側壁17の近くに小径部分22を持ち、側壁17から離れたところに大径部分23を持つ。この通路は、通気ポート20の端部で終端する。5個のリブ61が内面60から大径部分23内に延びている。これらのリブ61は、表面60に亘って等角度で離間されている。各リブ61の縁部62は連続しており、通路の小径部分で内面60と直線をなす。
【0021】
通気ポート20の外面24には、ポート20の端部と隣接して環状溝25が設けられており、この溝にO−リングシール26が装着されている。更に、この表面24は、ポート20の端部から間隔が隔てられた表面上の夫々の部分で表面から半径方向に突出した二つのピン27を有する。シール26及びピン27の機能を以下に説明する。
【0022】
第2のハウジング部品14は、ディスク状スタンド29が設けられた第2の端部壁28を含む。この第2の端部壁28の全体に環状のスタンドから遠方の端部は、ハウジング10の軸線21と同軸である。第2の端部壁28のこの部分には、内向きのさねはぎ部30が設けられている。
【0023】
図2で最もよくわかるように、第2の端部壁28は、ハウジング10の軸線21と同軸の全体に円形断面の通路の形体の出口ポート31を有する。この出口ポートは、第2の端部壁28及びスタンド29を貫通している。出口ポート31のハウジング10内の端部は環状フランジ32を形成する。
【0024】
第2の端部壁28には、第2の端部壁28からハウジング10の軸線21に対して半径方向に延びるドレンポート33が設けられている。ドレンポート33は通気ポート20と同様に形成されている(これらの二つのポート20、33に共通の部品には同じ参照番号が附してあり、詳細に説明しない)。
【0025】
フィルタ・エレメント11は、濾材34、第1の端部キャップ35、第2の端部キャップ36、及びケージ37を含む。濾材は任意の従来の材料でできているのがよく、濾過されるべき流体を流すための中央通路を提供する任意の便利な形状に形成されているのがよい。例えば、濾材34は環状であるのがよい。濾材には、プリーツが付けてあってもよいし、プリーツが付けてなくてもよい。適当な濾材の例は、ポール社が、アルティポール(ULTIPOR)、フルオロダイン(FLUORODYNE)、スポール(SUPOR)、及びエムフロン(EMFLON)の商標で販売している濾材である。
【0026】
濾材34は第1の端部及び第2の端部を持ち、これらの端部間を通路が延びている。第1の端部キャップ35はディスク状であり、プラスチック材料で形成されている。第1の端部キャップ35は、好ましくは、濾材34の第2の端部に連結されている。連結は、端部キャップ35を加熱して軟化させた後、軟化させた端部キャップに濾材を挿入して接合することによって行われる。
【0027】
第1の端部キャップ35の材料は、濾材34を第1の端部キャップ35に連結したときに濾材34の性質を大幅に変化させないように選択される。詳細には、濾材34が水湿潤性材料でできている場合には、第1の端部キャップの材料は、濾材34と第1の端部キャップ35との間に水湿潤性接合部が形成されるように選択される。この場合、端部キャップの材料は濾材34の材料に左右される。例えば、濾材34がフルオロダイン濾材又はスポール濾材である場合、端部キャップ35は、ポリプロピレンでできているのがよい。濾材34がナイロン材料でできている場合には、第1の端部キャップ35は、ポリエステル又はナイロン材料ででできているのがよい。
【0028】
フィルタ・エレメントの一体性を試験できるようにするため、水湿潤性濾材と第1の端部キャップ35との間に水湿潤性接合部を形成することが重要である。一体性試験は、濾材を(通路の端部を閉鎖した状態で)水浴中に配置した後、空気を通路に高圧で供給することによって行われる。次いで浴を観察し、どの圧力で濾材の外側に最初の気泡が現れるのかを確認する。濾材の多孔質構造が濾材の全領域に亘って一体である場合には、最初の気泡は比較的高い圧力で現れる。しかしながら、多孔質構造が濾材34の全領域に亘って一体でない場合には、最初の気泡は比較的低い圧力で現れる。第1の端部キャップ35と濾材34との間の接合部が水湿潤性でない場合には、多孔質構造が水によって湿潤されないため、空気が容易に通過する疎水性ゾーンが形成される。これは、通常は、フィルタ組立体の使用中の濾過に悪影響を及ぼさないけれども、上文中に説明した方法で一体性を試験することができない。同様に、疎水性ゾーンが形成されると、上文中に説明した拡散前方流試験で濾材を試験することができない。
【0029】
濾材34が疎水性である場合には、挿入プロセスによって濾材34の一体性が損なわれることがないように、第1の端部キャップ35が十分低い温度で軟化させることができる材料で形成されていることが重要である。例えば、濾材34がPVDF(エムフロン2濾材等)でできている場合には、第1の端部キャップ35はポリプロピレンでできているのがよい。濾材34が比較的耐熱性のPTFEでできている場合にも、ポリプロピレン製の端部キャップを使用するのが好ましい。
【0030】
第2の端部キャップ36は、中央孔を持つ平らな環状部分38を含む。突出チューブ39が孔を取り囲んでおり、平らな環状部分38の平面に対して垂直な方向に濾材34から遠ざかるように延びている。チューブ39の外面41には、二つの環状シール40が設けられている。平らな環状部分38の周囲に亘って等間隔に間隔が隔てられた4つのフランジ42が平らな環状部分38の半径方向外方に突出している。
【0031】
チューブ39の外径は出口ポート31の内径とほぼ等しい。
任意の濾材34について、第2の端部キャップの材料は、第1の端部キャップの材料を選択する上で配慮したのと同じ配慮に基づいて選択される。第2の端部キャップ36の材料は、通常は第1の端部キャップ35の材料と同じであるが、必ずしも同じでなくてもよい。濾材34は、第2の端部キャップ36を加熱した後、軟化した材料に濾材34を挿入することによって第2の端部キャップ36に連結される。周知の種類のケージ37が濾材34の外面を第1の端部キャップ35と第2の端部キャップ36との間で取り囲んでいる。
【0032】
ハウジングでのフィルタ・エレメント11の取り付けは、以下に説明するように行われる。第1に、第2の端部キャップ36のチューブ39を第2の端部壁28の出口ポート31に挿入する。これらの部品間の漏れは、シール40によって阻止される。一杯に挿入すると、出口ポート31のフランジ32が第2の端部キャップ36の平らな環状部分38の下面に当接する。これによりフィルタ・エレメント11を第2の端部壁28にハウジングの軸線21と同軸に保持する。更に、これにより、濾材34の内部通路を出口ポート31及びチューブ39を介して連結する。
【0033】
次いで、第1のハウジング部品13をフィルタ・エレメント11に被せる。この際、縁部18が第2の端部壁28内に嵌合し、この縁部と隣接したさねはぎ部19が第2の端部壁28のさねはぎ部30と噛み合う。次いで、第1及び第2のハウジング部品13、14をさねはぎ部19、30に亘って互いに溶接する。
【0034】
そのように位置決めされたとき、側壁17の縁部18がフランジ42に当接する。これにより、フィルタ・エレメント11を、この縁部18と出口ポート31を取り囲み且つ第2の端部キャップ36と接触したフランジ32の端部との間にクランプする効果が得られる。このようにして、フィルタ・エレメント11は、ハウジング10内に封入された所定位置にしっかりと保持される。
【0035】
次に特に図3及び図4を参照すると、バルブ12は、通気ポート20及びドレンポート33を通る流れを制御する。バルブ12は同じであり、そのため、これらのバルブのうちの一方だけを説明する。
【0036】
バルブ12は、全体に円形断面の細長いバルブ部材43を含む。バルブ部材43は、関連したポート内に盲端44を有する。この盲端44の外面に設けられた溝にO−リング45が設置されている。バルブ部材43の残りの部分には、ホース又はパイプに連結するためのコネクタ47に続く軸線方向通路46が設けられている。図3では、コネクタ47は、三角形断面の環状リブ63を有し、図4では、コネクタ47は、軸線方向に間隔が隔てられた連続したリブ64を有する。少なくとも一つの半径方向通路48が、盲端44と隣接した軸線方向通路46の端部をバルブ部材43の外面に連結する。
【0037】
スリーブ49がバルブ部材43の軸線と同軸に配置されており且つ半径方向に延びる環状フランジ50によってバルブ部材43から離間されている。スリーブ49は、関連したポート20、31の外面24に滑り嵌めしている。更に、スリーブには二つの螺旋状スロット51が設けられている(図1に最もよく示してある)。これらのスロットはスリーブ49の一部に亘って延びている。各ピン27は、これらのスリーブ51の夫々に受け入れられている。
【0038】
かくして、スリーブ49は関連したポート20、33に対して回転させることができ、このような回転は、ピン27をスロット51と係合させ、スリーブ49を関連したポート20、33に対して軸線方向にも移動させることによっても制御される。この回転は両方向で行うことができる。
【0039】
この回転により得られる効果は図3及び図4で最もよく分かる。図3でわかるように、一方の方向で一つの回転限度にあるとき、バルブ部材43の盲端44は、関連したポート20、33の大径部分23内にある。そのように位置決めされた場合には、バルブ部材43及び関連したO−リング45がポートを塞がないため、半径方向通路48を通って及び軸線方向通路46に沿ってポートに流入できる。勿論、逆の流れもまた可能である。スリーブ49の周囲の漏れは、ポート20、33の外面24に設けられたO−リングシール26によって阻止される。O−リング45は、リブ61によって、即ち縁部62がO−リング45に当接することによって、盲端の外面に設けられた溝に押し込まれた状態に保持される。
【0040】
スリーブ49を反対方向に回転させると、盲端44が小径部分内に移動する。O−リング45は、縁部62によって小径部分内に案内される。逆方向に最大に回転させると、バルブ部材は図4に示すように配置される。この配置では、盲端44は、関連したポート20、33の小径部分22内にある。O−リング45は、ポート20、33の内面60に対してシールし、バルブを通る流れを阻止する。シールが小径部分22の周囲に対して行われる(及び例えば半径方向に延びる弁座に対して行われるのでない)ため、ポート20、33及びバルブ部材43は、加熱中、バルブに損傷を及ぼすことなく様々に膨張できるということは理解されよう。これは、盲端が小径部分22内で単に軸線方向に移動するに過ぎないためである。
【0041】
かくして、スリーブ49を一方の方向又は他方の方向に捩じることによって、関連したポート20、33の開閉を行うことができる。更に、バルブ12は、ピン27及びスロット51が構成する機構により、関連したポート20、33から完全に外れることがないようにされているということは理解されよう。
【0042】
バルブ12は、好ましくは、ポリスルホン材料から形成されている。
更に、ハウジング部品13、14及びバルブ12は、インライン殺菌に耐えることができる任意の他の適当なプラスチック材料から形成できる。上述のように、インライン殺菌では、ハウジングに加圧蒸気を通す工程が含まれる。ハウジングの外部が大気圧に保持されるため、ハウジングの内外に圧力差が生じる。殺菌で一般に使用される蒸気の最少温度及び圧力は、一般的には、大気圧よりも1bar高い圧力で約121℃であるが、場合によっては、特に長期に亘って蒸気に露呈する場合には、殺菌は、これよりも低い温度及び圧力で行うことができる。しかしながら、これよりも過酷な条件で、例えば大気圧よりも約2.83bar高い圧力で約142℃で、フィルタ組立体をインライン殺菌するのが望ましい場合が多い。ハウジングは、好ましくは、このような過酷な条件に耐える。ポリスルホン以外の適当なプラスチックスの例には、PEEK、PEK、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリアルコキシスルホン、ポリアリルスルホンが含まれる。
【0043】
使用にあたっては、添付図面を参照して上文中に説明したフィルタ組立体を、濾過されるべき流体を収容したラインに取り付ける。濾過されるべき流体は、例えば、医学的流体、生物医学的流体、又は薬液である。濾過されるべき流体の供給源から延びるチューブを入口16に連結する。出口ポート31を濾過済流体レシーバーに連結する。ドレン流体用レシーバーに続くチューブにドレンポート33を連結する。通気ポート20のバルブ12を開放し、ドレンポート33のバルブ12を閉鎖する。次いで、濾過されるべき流体を入口16を通して供給し、ハウジング10を充填する。その後、通気ポート20を閉じる。流体が濾材34を通過し、ここで濾過され、濾過済流体が、チューブ39及び出口ポート31を通過する前に通路に進入する。
【0044】
フィルタ組立体を殺菌しようとする場合には、入口16を濾過されるべき流体の供給部から外し、出口ポート31を濾過済流体のレシーバーから外す。ドレンポート33のバルブ12を開放してハウジング10から余分の流体を排液する。次いで、入口16を加圧蒸気供給部に連結し、出口ポート31をドレンに連結する。バルブ12は僅かに開いたままである。その後、数barの圧力で約140℃の蒸気をハウジングを通して供給し、濾材34及び他の構成要素を蒸気殺菌する。ハウジング10は、ポリスルホン(又は他の適当なプラスチック材料)製であるため、この温度及び圧力の蒸気に耐えることができる。このことはバルブ12についてもいえる。これは、これらのバルブがポリスルホン(又は他の適当なプラスチック材料)製であるため、インライン蒸気殺菌に損傷することなく耐えるためである。
【0045】
蒸気殺菌の完了後、ドレンポートバルブ12を一杯に開放することによって水を排液でき、流体の濾過を行うためにフィルタ組立体を再連結する。キャップ35、36をハウジング10とは別にすることによって、これらの部品を、濾材34に必要な水湿潤性及びハウジング10に必要なインライン蒸気殺菌に対する抵抗性を提供する様々な材料で製造できる。
【0046】
上文中に説明した構成に対し、多くの変更を施すことができるということは理解されよう。
バルブ12は必ずしも上文中に説明した態様でなくてもよい。任意の適当なバルブを使用できる。ハウジング10のプラスチック材料は必ずしもポリスルホンでなくてもよく、インライン蒸気殺菌に耐えることができる任意の材料であるのがよい。フィルタ・エレメント11は必ずしも上文中に説明したようにクランプされていなくてもよく、任意の適当な方法で保持できる。ケージ37は必ずしも上文中に説明したケージでなくてもよく、任意の適当なケージを設けることができる。濾材34には上流ドレン層及び/又は下流ドレン層が設けられているのがよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】フィルタハウジングの第1及び第2の部品、ハウジング内のフィルタ・エレメント、及びハウジングの入口ポート及びドレンポートに連結されたバルブを示す、フィルタ組立体の分解図である。
【図2】開放位置の一方のバルブ及び閉鎖位置の第2バルブを示す、図1のハウジングの軸線上での断面図である。
【図3】開放状態のバルブを示す、図2の細部Bの拡大図である。
【図4】閉鎖状態のバルブを示す、図2の細部Cの拡大図である。
【符号の説明】
【0048】
10 ハウジング、 11 フィルタ・エレメント、 12 バルブ、 13 第1のハウジング部品、 14 第2のハウジング部品、 15 端壁、 16 入口ポート、 17 側壁、 18 縁部、 19 さねはぎ部、 20 通気ポート、 21 軸線、 22 小径部分、 23 大径部分、 24 外面、 25 環状溝、 26 O−リングシール、 27 ピン、 28 第2の端部壁、 29 ディスク状スタンド、 30 さねはぎ部、 31 出口ポート、 32 環状フランジ、 33 ドレンポート、 34 濾材、 35 第1の端部キャップ、 36 第2の端部キャップ、 37 ケージ、 60 内面、 61 リブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ組立体であって、前記フィルタ組立体は、
入口ポート(16)と出口ポート(31)とを備えるプラスチック製のハウジング(10)であって、前記ハウジング(10)の材料は、前記ハウジングの外部を大気圧に保持した状態で前記ハウジング(10)の内部を加圧蒸気に晒すことによって、前記ハウジングを損傷することなく、前記フィルタ組立体を殺菌することができるような材料である、前記ハウジングと、
前記ハウジング(10)内に保持されたフィルタ・エレメント(11)であって、前記フィルタ・エレメント(11)は水湿潤性材料からなる濾材(34)を有し、前記濾材(34)は前記濾材(34)の第1の端部と第2の端部の間に延在する中央通路を有し、前記濾材(34)の前記第1の端部は、前記中央通路を閉鎖するプラスチック材料製の第1の端部キャップ(35)に埋設され、前記濾材(34)の前記第2の端部は、プラスチック材料製の第2の端部キャップ(36)に埋設され、前記第2の端部キャップ(36)は、前記入口及び出口ポート(16、31)のうちの何れか一方と前記中央通路との間を流体連結し、前記第1及び第2の端部キャップ(35、36)は、それぞれ、前記濾材(34)に水湿潤性接合部を形成するように構成された、前記フィルタ・エレメントと、
を有する、フィルタ組立体。
【請求項2】
前記埋設は、前記端部キャップ(35、36)を加熱して軟化させ、前記端部キャップ(35、36)が軟化している状態で、前記第1の端部と前記第2の端部とを、それぞれ、対応する前記端部キャップ(35、36)に挿入することによって行われる、請求項1に記載のフィルタ組立体。
【請求項3】
前記第1及び第2の端部キャップを構成するプラスチック材料は、前記端部キャップに隣接する前記濾材(34)の特性が前記埋設によって変化しないような材料である、請求項2に記載のフィルタ組立体。
【請求項4】
前記濾材(34)は、主として、前記濾材が水湿潤性になるように改質されたPVDFで構成され、前記第1及び第2の端部キャップ(35、36)は、ポリプロピレンで構成された、請求項1、2、又は3に記載のフィルタ組立体。
【請求項5】
前記濾材(34)は、主として、前記濾材が水湿潤性になるように改質されたポリスルホンで構成され、前記第1及び第2の端部キャップ(35、36)は、ポリプロピレンで構成された、請求項1、2、又は3に記載のフィルタ組立体。
【請求項6】
前記濾材(34)は、フルオロダイン(FLUORODYNE)濾材又はスポール(SUPOR)濾材で構成され、前記第1及び第2の端部キャップ(35、36)は、ポリプロピレンで構成された、請求項1、2、又は3に記載のフィルタ組立体。
【請求項7】
前記濾材(34)はナイロン材料で構成され、前記第1及び第2の端部キャップ(35、36)は、ポリエステル又はナイロン材料構成された、請求項1、2、又は3に記載のフィルタ組立体。
【請求項8】
前記濾材(34)は、拡散前方流量試験(Diffusive Forward FlowTest)又は水バブルポイント試験(Water Bubble PointTest)によって、完全性試験をすることができる(integrity testable)、請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載のフィルタ組立体。
【請求項9】
前記第1及び第2の端部キャップ(35、36)のプラスチック材料は、所定の温度で軟化可能であり、前記所定の温度とは、前記第1及び第2の端部キャップ(35、36)が前記所定の温度にある状態で前記濾材(35、36)を前記第1及び第2の端部キャップ(35、36)に挿入したとき、前記濾材(34)の完全性(integrity)が損なわれないような、十分に低い温度である、請求項2又は3に記載のフィルタ組立体。
【請求項10】
前記濾材(34)は疎水性である、請求項9に記載のフィルタ組立体。
【請求項11】
前記濾材(34)はPTFEで構成され、前記第1及び第2の端部キャップ(35、36)はポリプロピレンで構成された、請求項10に記載のフィルタ組立体。
【請求項12】
前記濾材(34)はPVDFで構成され、前記第1及び第2の端部キャップ(35、36)はポリプロピレンで構成された、請求項10に記載のフィルタ組立体。
【請求項13】
前記ハウジング(10)は、前記ハウジング(10)の外部が大気圧に晒された状態で、温度が約121℃で且つ圧力が大気圧よりも約1バール(bar)だけ高い蒸気に前記ハウジング(10)の内部が晒されることに耐えられるように構成された、請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載のフィルタ組立体。
【請求項14】
前記ハウジング(10)の前記プラスチック材料は、ポリスルホン、PEEK、PEK、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリアルコキシスルホン、又は、ポリアリルスルホンのいずれかの材料である、請求項1乃至13のうちのいずれか一項に記載のフィルタ組立体。
【請求項15】
前記濾材(34)は全体として環状を成し、前記第1の端部キャップ(35)は全体としてディスク形状を成し、前記第2の端部キャップ(36)は、前記ハウジングの前記ポート(16、31)の一方に連結するための中央孔を備え、かつ、全体として環状を成す、請求項1乃至14のうちのいずれか一項に記載のフィルタ組立体。
【請求項16】
前記濾材(34)に襞を形成した、請求項15に記載のフィルタ組立体。
【請求項17】
前記第2の端部キャップ(31)は、流体通路を画成する突出部(39)を有し、前記突出部(39)は、関連する前記ポート(16、31)に受け入れられ、前記ポートとの間を流体連通させる、請求項15又は16に記載のフィルタ組立体。
【請求項18】
前記ハウジング(10)は第1及び第2の反対側の端壁(15、28)を有し、前記第2の端部キャップ(31)と流体連通した前記ハウジング・ポート(31)は、前記第2の端部壁(28)に形成され、前記フィルタ・エレメントは前記第2の端部壁から前記第1の端部壁(15)に向かって延在する、請求項17に記載のフィルタ組立体。
【請求項19】
前記ハウジング(10)は、前記第1及び第2の端壁の間に延在する、全体として円形の断面を為す側壁(17)を有する、請求項18に記載のフィルタ組立体。
【請求項20】
前記ハウジング(10)は、互いに連結された第1及び第2のハウジング部品(13、14)によって形成されている、請求項1乃至19のうちのいずれか一項に記載のフィルタ組立体。
【請求項21】
前記第1のハウジング部品(13、14)は、前記第1の端部壁(15)と前記側壁(17)とを含み、前記第2のハウジング部品(14)は、前記第2の端部壁(28)を含む、請求項19に従属する請求項20に記載のフィルタ組立体。
【請求項22】
前記第1のハウジング部品(13)と前記第2のハウジング部品(14)とが協働して、前記フィルタ・エレメント(11)を前記ハウジング部品(13、14)の間にクランプし、前記フィルタ・エレメントを前記ハウジング内に保持する、請求項20又は21に記載のフィルタ組立体。
【請求項23】
前記フィルタ・エレメント(11)は、相対して面した第1及び第2のクランプ面を含み、前記第1のハウジング部品(13)は、前記第1のクランプ面に当接し、前記第2のハウジング部品(14)は前記第2のクランプ面に当接する、請求項22に記載のフィルタ組立体。
【請求項24】
前記第1及び第2のクランプ面は前記第2の端部キャップ(31)に形成されている、請求項23に記載のフィルタ組立体。
【請求項25】
前記第1のクランプ面は、前記第2の端部キャップ(31)から突出した、少なくとも一つのフランジ(42)に形成されている、請求項24に記載のフィルタ組立体。
【請求項26】
前記第2のクランプ面は、前記突出部(34)に亘って延在する前記第2の端部キャップ(31)の一部に形成された、請求項18に従属する請求項24又は25に記載のフィルタ組立体。
【請求項27】
前記第1のハウジング部品(13)は、前記第1の端部壁(15)から遠方に周縁部(18)を有し、前記周縁部(18)は前記少なくとも一つのフランジ(42)に当接して、前記第2のクランプ面を、前記関連したポート(31)の周りの前記ハウジング(10)の前記第2の端部壁(28)の一部に圧着させた、請求項25及び26に記載のフィルタ組立体。
【請求項28】
前記濾材(34)は環状を成し、前記濾材(34)は、ケージ(37)によって取り囲まれた、湾曲した外面を有する、請求項1乃至27のうちのいずれか一項に記載のフィルタ組立体。
【請求項29】
前記ケージ(37)は、前記端部キャップ(35、36)を構成する材料と同じ材料で形成されている、請求項28に記載のフィルタ組立体。
【請求項30】
前記ハウジング(10)は、手動で開閉操作を行うことができる少なくとも一つのバルブ(12)を備え、前記バルブは、開放されると、前記ハウジング(10)の内部と外部との間に流体流路を提供する、請求項1乃至29のうちのいずれか一項に記載のフィルタ組立体。
【請求項31】
前記バルブ(12)又は前記各バルブは、蒸気オートクレーブ処理を施すことができる材料で構成された、請求項30に記載のフィルタ組立体。
【請求項32】
前記バルブ(12)又は前記各バルブは、前記ハウジングの前記外部が大気圧の状態において前記ハウジング(10)の前記内部に加圧蒸気を加えることによって、前記バルブ(12)を損傷することなく、前記フィルタ組立体を殺菌することができるように構成された、請求項31に記載のフィルタ組立体。
【請求項33】
前記バルブ(12)又は前記各バルブは、前記ハウジングの外部が大気圧に晒された状態において、約121℃の温度を有し、且つ、大気圧よりも約1bar高い圧力を有する、蒸気に、前記ハウジングの内部が晒されることに耐えるように構成された、請求項30に記載のフィルタ組立体。
【請求項34】
前記バルブ(12)又は前記各バルブは、主として、ポリスルホン、PEEK、PEK、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリアルコキシスルホン、又は、ポリアリルスルホンのいずれかの材料で形成された、請求項30乃至33のうちのいずれか一項に記載のフィルタ組立体。
【請求項35】
前記バルブ(12)又は前記各バルブは、全体として円形断面を有する通路(48)を取り囲む、環状スリーブ(49)を含み、前記環状スリーブ(49)が一の方向に移動すると、前記バルブが開放され、前記環状スリーブ(49)が前記一の方向とは逆の方向に移動すると、前記バルブが閉鎖されるように構成された、請求項30乃至35のうちのいずれか一項に記載のフィルタ組立体。
【請求項36】
前記通路(48)又は前記各通路はバルブ部材(43)を含み、前記関連するスリーブ(49)の移動によって前記バルブ部材(43)は第1の位置と第2の位置との間で移動するように構成され、前記第1の位置において、前記バルブ部材(43)は前記通路(48)を通る流れを可能にし、前記第2の位置において、前記バルブ部材(43)は前記通路(48)を通る流れを阻止する、請求項35に記載のフィルタ組立体。
【請求項37】
前記バルブ部材(43)又は前記各バルブ部材は、前記関連した通路に関して、前記第1の位置と前記第2の位置との間で軸線方向に移動するように構成された、請求項36に記載のフィルタ組立体。
【請求項38】
前記バルブ(12)又は前記各バルブの前記スリーブ(49)と前記バルブ部材(43)とは、互いに連結され、前記スリーブ(49)は前記関連する通路(46)を取り囲み、前記バルブ部材(43)は前記通路(48)の端部の内部に延在し、前記バルブ部材(43)は通路(48)を含み、前記通路(48)は、前記バルブ(12)の開放時には前記関連する通路(46)に流体連通し、且つ、前記バルブ(12)の閉鎖時には流体連通しないように構成された、請求項37に記載のフィルタ組立体。
【請求項39】
前記バルブ(12)又は前記各バルブについて、前記スリーブ(49)の回転によって前記バルブ部材(43)が前記第1の位置と前記第2の位置との間で軸線方向に移動するように、前記スリーブ(49)と前記ハウジング(10)との間で機構が作用するように構成された、請求項35乃至38のうちのいずれか一項に記載のフィルタ組立体。
【請求項40】
前記機構又は前記各機構は、前記関連するバルブ部材(43)の軸線方向移動量を制限するように構成された、請求項39に記載のフィルタ組立体。
【請求項41】
前記機構又は前記各機構は、ピン(27)と、前記ピン(27)に協働するスロット(51)とを含む、請求項39又は40に記載のフィルタ組立体。
【請求項42】
前記ピン(27)又は前記各ピンは、前記ハウジング(10)の外面に支持され、前記関連するスロット(51)は、前記スリーブ(49)の周囲の一部に螺旋状に延在する、請求項41に記載のフィルタ組立体。
【請求項43】
フィルタ組立体において、前記フィルタ組立体は、入口ポート(16)と出口ポート(31)とを有するハウジング(10)と、拡散前方流量試験(DiffusiveForward FlowTest)又は水バブルポイント試験(Water Bubble PointTest)によって、完全性試験をすることができる(integrity testable)フィルタ・エレメント(11)とを含み、前記フィルタ・エレメントは前記ハウジング(10)内に保持され、前記フィルタ・エレメントは濾材(34)を含み、前記濾材(34)は中央通路を有し、前記中央通路は前記濾材(34)の第1の端部と第2の端部との間に延在し、前記ハウジング(10)は、蒸気殺菌可能なプラスチック材料から形成されている、フィルタ組立体。
【請求項44】
前記濾材(34)の前記第1の端部は第1の端部キャップ(35)に連結されて前記通路を閉鎖し、前記濾材(34)の前記第2の端部は第2の端部キャップ(36)に連結され、前記端部キャップ(35、36)は前記濾材によって水湿潤性接合部をそれぞれ形成する、請求項43に記載のフィルタ組立体。
【請求項45】
前記濾材(34)は、前記濾材を水湿潤性にするように改質されたPVDFによって主として構成され、前記端部キャップ(35、36)はポリプロピレンによって構成された、請求項44に記載のフィルタ組立体。
【請求項46】
前記濾材(34)は、前記濾材を水湿潤性にするように改質されたポリスルホンによって構成され、前記端部キャップ(35、36)はポリプロピレンによって構成されている、請求項44に記載のフィルタ組立体。
【請求項47】
前記濾材(34)はフルオロダイン濾材又はスポール濾材(FLUORODYNE or SUPORmedium)であり、前記端部キャップ(35、36)はポリプロピレンによって構成されている、請求項44に記載のフィルタ組立体。
【請求項48】
前記濾材(34)はナイロン材料で構成され、前記端部キャップ(35、36)はポリエステル又はナイロン材料で構成されている、請求項44に記載のフィルタ組立体。
【請求項49】
前記ハウジング(10)は、前記ハウジング(10)の前記外部が大気圧の状態にあるときに、前記ハウジング(10)の内部に加圧蒸気を加えることによって、前記ハウジングを損傷することなく、前記フィルタ組立体を殺菌することができるように構成された、請求項43乃至48のうちのいずれか一項に記載のフィルタ組立体。
【請求項50】
前記ハウジング(10)は、前記ハウジング(10)の外部が大気圧に晒された状態において、約121℃の温度で且つ大気圧よりも約1バール(bar)高い圧力で、前記ハウジング(10)の内部が蒸気に晒されることに耐えるように構成された、請求項43乃至48のうちのいずれか一項に記載のフィルタ組立体。
【請求項51】
前記ハウジング(10)は、ポリスルホン、PEEK、PEK、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリアルコキシスルホン、又は、ポリアリルスルホンのうちの任意の一つの材料で構成された、請求項43乃至50のうちのいずれか一項に記載のフィルタ組立体。
【請求項52】
フィルタ組立体用のバルブであって、前記バルブは、全体として円形断面を有する通路(46)を取り囲む、環状スリーブ(49)を有し、前記スリーブ(49)を一の方向に移動すると前記バルブが開放し、前記スリーブ(49)を一の方向とは逆の方向に移動すると前記バルブが閉鎖するように構成された、フィルタ組立体用のバルブ。
【請求項53】
前記通路(48)がバルブ部材(43)を含み、前記スリーブ(49)を移動することによって、前記バルブ部材(43)が前記通路(48)を通る流れを可能にする、第1の位置と、前記バルブ部材(43)が前記通路(48)を通る流れを阻止する、第2の位置との間で、前記バルブ部材(43)を移動させるように構成された、請求項52に記載のバルブ。
【請求項54】
前記バルブ部材(43)は、前記通路(48)に対し、前記第1の位置と前記第2の位置との間で軸線方向に移動するように構成された、請求項52に記載のバルブ。
【請求項55】
前記スリーブ(49)と前記バルブ部材(43)とは互いに連結され、前記スリーブ(49)は前記通路(48)を取り囲み、前記バルブ部材(43)は前記通路(48)の端部の内部に延在し、前記バルブ部材(43)は、前記バルブが開放しているときに前記ポート通路(48)に流体連通し、且つ、前記バルブが閉鎖しているときに流体連通しないように構成された、通路(48)を含む、請求項54に記載のバルブ。
【請求項56】
前記スリーブ(49)の回転によって前記バルブ部材(43)が前記第1の位置と前記第2の位置との間で軸線方向に移動するように、機構(27、51)が前記スリーブ(49)と前記ポートとの間で作動するように構成された、請求項54又は55に記載のバルブ。
【請求項57】
前記機構(27、51)は、前記バルブ部材(43)の軸線方向移動量を制限するように構成された、請求項56に記載のバルブ。
【請求項58】
前記機構は、ピン(27)と、前記ピン(27)と協働するスロット(51)とを含む、請求項56又は57に記載のバルブ。
【請求項59】
前記ピン(27)は前記ポートの外面に支持され、前記スロット(51)は、前記スリーブ(49)の周囲の一部に螺旋状に延在する、請求項55に従属する請求項58に記載のバルブ。
【請求項60】
バルブであって、前記バルブは、円筒形通路(48)を画成する部品と、バルブ部材(43)とを含み、前記バルブ部材は第1の位置と第2の位置との間で移動自在に構成され、前記第1の位置においては、前記バルブ部材が通路(46)内に着座して前記通路(46)の周囲環境に対して密封し、前記バルブを閉鎖し、前記第2の位置においては、前記部材(43)が前記通路(48)の外部に位置して前記バルブを開放するように構成された、バルブ。
【請求項61】
前記バルブ部材(43)は、機構(27、51)によって前記部品に連結され、前記機構(27、51)は、前記部材が前記部品に関して回転すると、前記部材(43)を前記通路(46)に進入させて前記シールを形成するように構成された、請求項60に記載のバルブ。
【請求項62】
前記バルブ部材(43)は、前記部品の周囲に延在するスリーブ(49)に連結され、前記機構(27、51)は、前記スリーブ(49)と前記部品との間で作動するように構成された、請求項61に記載のバルブ。
【請求項63】
前記部品は、前記通路(48)に連続したチャンバを画成し、前記バルブ部材(43)は、前記第2の位置で前記チャンバ内に位置するように構成された、請求項61又は62に記載のバルブ。
【請求項64】
前記部品は、前記チャンバ内に延在する複数のリブ(63、64)を有し、前記各リブは前記通路(46)の周囲まで延在する縁部を有し、前記縁部は前記通路(46)の周囲から間隔を置いて配置され、前記バルブ部材(43)は、前記通路(46)を密封するシールを形成するO−リング(26)を支持し、前記リブ(63、64)は、前記部材が第1の位置に移動する際に、前記O−リング(26)を前記通路内に案内するように構成された、請求項63に記載のバルブ。
【請求項65】
前記バルブ部材(43)は前記通路(46)の軸線上を移動するように構成された、請求項67に記載のバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−22952(P2009−22952A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−208116(P2008−208116)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【分割の表示】特願2000−502856(P2000−502856)の分割
【原出願日】平成10年7月6日(1998.7.6)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【住所又は居所原語表記】2200 Northern Boulevard East Hills, New York
【Fターム(参考)】