説明

バンパー構造

【課題】 灯具の保護性能を確保すると共に、灯具の設計の自由度を向上させることができる、バンパー構造を提供する。
【解決手段】 バンパーリインフォースと、バンパーリインフォースに被着したバンパーカバー20と、バンパーカバー20に形成した灯具装着用の第1凹部21と、を備え、第1凹部21に対応したバンパーリインフォースの位置にブラケット40を固定し、第2凹部46が第1凹部21を収容した状態において、第2凹部46の先端面が第1凹部21内の灯具30のレンズ面よりも前方位置に配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプやリフレクタなどの灯具をビルトインしたバンパーの構造に関し、特にバンパーに装着した灯具の保護構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は従来のリヤバンパー50を示す部分斜視図であり、特に、リヤバンパー50の左コーナー周辺を示している。この図に示すように、従来より、リヤバンパー50にリフレックスリフレクタランプ等の灯具51をビルトインした自動車が知られている。この種の自動車のリヤバンパー50には、リフレックスリフレクタランプ用の開口52が設けられていて、この開口52内に灯具51が配設されている。
【0003】
このようなビルトインタイプの灯具51にあっては、レンズ割れの対策として、図5に示すように、灯具51の表面が、リヤバンパー50の表面よりも開口52内を内側にL分だけ入った箇所に位置するように、灯具51の形状が予め小さめに設定されている。
【0004】
また、軽衝突時に灯具51の破損を防止するために、図5に示すようにリヤバンパー50自体が矢印方向に撓んで点線位置に移動して衝突エネルギーを吸収するように、灯具後方にリヤバンパー50のストロークを考慮したスペースを設ける必要があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、灯具51のレンズ割れ対策や、破損の防止を考慮したバンパー構造においては、灯具自体の意匠の設計の自由度が非常に制限されてしまうことになる。
【0006】
そこで、本発明は、灯具の保護性能を確保しつつ、灯具の設計の自由度を向上させることができる、バンパー構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、バンパーリインフォースと、バンパーリインフォースに被着したバンパーカバーと、バンパーカバーに形成した灯具装着用の第1凹部と、を備えたバンパー構造であって、第1凹部に対応したバンパーリインフォースの位置にブラケットを固定したことを特徴としている。
【0008】
本発明のバンパー構造において、前記ブラケットは、第1凹部を収容する第2凹部を有する。また、本発明のバンパー構造では、好ましくは、第2凹部が第1凹部を収容した状態において、ブラケットの先端面が第1凹部内の灯具のレンズ面よりも車両外側の位置に配置される。
【発明の効果】
【0009】
このように、本発明のバンパー構造においては、ブラケットがバンパーカバーの第1凹部周辺部を支持する。特に、第2凹部が前記第1凹部を収容した状態において、ブラケットの先端面が第1凹部内の灯具のレンズ面よりも車両外側に配置されていることで、バンパーに外力が作用するときに、灯具に外力が作用するよりも先に第2凹部の先端面が外力を受ける。これによって、灯具のレンズ面を確実に保護することができる。また、バンパー表面からレンズ面までの距離、即ち控え量を少なくすることができ、これにより、灯具の意匠の設計の自由度を高めることができる。
【0010】
さらに、バンパーリインフォースとバンパーカバーとの間にブラケットを介在させることでバンパーカバーとボディ部材との間の距離が短くても、即ち、灯具後方のスペースが小さくても、バンパーに灯具を設定することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るリヤバンパー構造1の分解斜視図であり、リヤバンパー構造1は、バンパーリインフォース10と、バンパーリインフォース10に被着したバンパーカバー20と、を備えている。さらに、バンパーカバー20には灯具装着用の第1凹部21が形成されており、この第1凹部21内にリフレックスリフレクタランプ(所謂RRランプ)30が配設されている。
【0012】
このような構成は、従来のリヤバンパー構造と同様であるが、本発明の実施の形態に係るリヤバンパー構造1は、次のような構成に特徴がある。すなわち、実施の形態に係るリヤバンパー構造1では、第1凹部21に対応したバンパーリインフォース10の位置にブラケット40が固定されている。
【0013】
ここで、図2は、本発明の実施の形態に係るブラケット40を示す斜視図である。図に示すように、ブラケット40は、断面コ字状の第1水平部41と、この第1水平部と平行に設けられた断面コ字状の第2水平部42と、第1水平部41と第2水平部42とを繋ぐ断面コ字状の連結部43と、を骨格として形成され、第1水平部41と連結部43と第2水平部42との縁部が平面材44,45により連結されている。
そして、このように形成されたブラケット40において、平面材44と第1水平部41、第2水平部42、連結部43とで囲まれた第2凹部46に第1凹部21が収容されるようにそのサイズが選定されている。
【0014】
図3はリフレックスリフレクタランプ30を第1凹部21に収容したバンパーカバー20と、この第1凹部21を第2凹部46に収容したブラケット40を示す断面図である。この断面図に示されているように、第1凹部21の奥行きは、リフレックスリフレクタランプ30の奥行きよりも長く設定されており、さらに、第1凹部21が第2凹部46に収容された状態において、リフレックスリフレクタランプ30のレンズ表面の位置よりも、ブラケット40の突出した先端面41Sが車両外側に位置するようにブラケットの第1水平部41,第2水平部42,連結部43の高さが設定されている。図に示す例においては、リフレックスリフレクタランプ30のレンズ面よりも前方にαだけ離れた位置にブラケット40の第1水平部41の先端面41S、即ち表面が配置されている。
【0015】
このようなリヤバンパー構造1においては、軽衝突時にバンパーに他の車両等が衝突すると、リフレックスリフレクタランプ30のレンズ面に他の車両が衝突するよりも、ブラケット40の突出した面、即ち、第1水平部41,第2水平部42,連結部43の表面が先に他の車両に衝突することになる。これにより、リフレックスリフレクタランプ30のレンズ面が保護されることになる。
【0016】
また、ブラケット40をバンパーリインフォース10に固定することにより、軽衝突時に、バンパーに加わる力がバンパーリインフォース10に吸収されるため、従来におけるようなバンパーストローク用のスペースが不要となる。これにより、ランプ後方にスペースが少ない車両にも有効である。
【0017】
以上のように、バンパーのリフレックスリフレクタランプ30を保護するようにブラケット40が配設され、リフレックスリフレクタランプ30のレンズ面よりも車両外側に張り出すようにブラケット40の突出面が配置されるため、リフレックスリフレクタランプ30が有効に保護される。
【0018】
そして、バンパーリインフォース10とバンパーカバー20との間にブラケット40を介在させることで、ブラケット40を設けない従来構造に比べて、リフレックスリフレクタランプ30のレンズ面の位置をバンパーカバー表面に近づけることができるので、リフレックスリフレクタランプ30の意匠の設計の自由度を高めることができる。
【0019】
以上説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。例えば、上記説明では、自動車のリヤバンパーに灯具としてリフレックスリフレクタランプなどの反射板を取り付けた場合のバンパー構造について説明したが、車両前部のバンパーにランプを取り付けた場合の構造にも適用できるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係るリヤバンパー構造の分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るブラケットを示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るリヤバンパー構造の断面図である。
【図4】従来のリヤバンパーを示す部分斜視図である。
【図5】従来のリヤバンパー構造の断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 リヤバンパー構造
10 バンパーリインフォース
20 バンパーカバー
21 第1凹部
30 リフレックスリフレクタランプ
40 ブラケット
41 第1水平部
42 第2水平部
43 連結部
44,45 平面材
46 第2凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンパーリインフォースと、バンパーリインフォースに被着したバンパーカバーと、バンパーカバーに形成した灯具装着用の第1凹部と、を備えたバンパー構造であって、
上記第1凹部に対応した上記バンパーリインフォースの位置にブラケットを固定したことを特徴とする、バンパー構造。
【請求項2】
前記ブラケットが、前記第1凹部を収容する第2凹部を有することを特徴とする、請求項1に記載のバンパー構造。
【請求項3】
前記第2凹部が前記第1凹部を収容した状態において、前記ブラケットの先端面が前記第1凹部内の灯具のレンズ面よりも車両外側に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載のバンパー構造。
【請求項4】
前記バンパーカバーがリヤバンパーカバーであり、前記灯具がリフレックスリフレクタランプであることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のバンパー構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−62617(P2007−62617A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252846(P2005−252846)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】