バーコード読取装置、及びバーコード読取方法
【課題】発光素子の寿命を延伸させつつ、バーコードの存在を自動的に検出することができるバーコード読取装置及びバーコード読取方法を提供する。
【解決手段】光を出射する発光素子と、バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得する。発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構を備え、発光素子から光を出射させる時期をミラー機構の動作と同期させて制御する。受光素子の受光信号に基づいてバーコードを検出し、バーコードが検出されている場合、発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、バーコードが検出されていない場合、発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射するよう制御する。
【解決手段】光を出射する発光素子と、バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得する。発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構を備え、発光素子から光を出射させる時期をミラー機構の動作と同期させて制御する。受光素子の受光信号に基づいてバーコードを検出し、バーコードが検出されている場合、発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、バーコードが検出されていない場合、発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射するよう制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に被検出物体が移動する場合であっても、バーコードの存在を検知して確実にバーコード情報を読み取ることができるバーコード読取装置、及びバーコード読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体レーザを発光素子に用いるバーコードリーダが多々開発されている。半導体レーザは、形状が小型で、安価であり、消費電力が小さいという多くの利点を有している。反面、半導体レーザの寿命が比較的短く、有効出力パワーが減衰しやすい特性を有することは良く知られている。また、半導体レーザを常時オン状態とした場合、半導体レーザ自身が発熱しやすく、寿命の短縮を促進する結果となっていた。
【0003】
斯かる問題を解決するべく、例えば特許文献1では、半導体レーザの出力モードを低パワーモードと高パワーモードとに切り替えることが可能としてあり、走査モードについても狭い角度でスキャン幅を定める第1の走査モードと、広い角度でスキャン幅を定める第2の走査モードとを切り替え可能としてあるバーコード走査装置が開示されている。半導体レーザの出力、出射角度を変動させることができるようにすることで、高パワー出力が不要な場合には低パワー出力とし、光線束の走査角度も連動させて変化することにより、半導体レーザが常時オン状態であっても発熱量を抑制することができ、有効出力パワーの減衰を少しでも抑制することが可能となる。
【特許文献1】特許第2612617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されているバーコード走査装置では、半導体レーザの出力、出射角度を変動させることはできるが、出射タイミングを調整することはできない。すなわち、半導体レーザのパワー出力を増減させることはできても、半導体レーザがオンオフする回数は減少しないことから、半導体レーザの寿命延長に対する効果は半減する。
【0005】
また、出射角度を変動させることにより、走査角度を増減させることができるが、走査角度を増減させた場合であっても、例えばバーコードが付されている被検出物体の表面の色が黒である場合と白である場合とで反射光の受光強度差を吸収できるものではない。すなわち、バーコードが存在している領域であると使用者が意識して走査する場合には問題はないが、連続的にバーコードが付されている被検出物体が提供される場合には、どこがバーコード領域であるのか識別することができないという問題点が生じる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、発光素子の寿命を延伸させつつ、バーコードの存在を自動的に検出することができるバーコード読取装置及びバーコード読取方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために第1発明に係るバーコード読取装置は、光を出射する発光素子と、バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置において、前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構と、前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御する出射間隔制御手段と、前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードを検出するバーコード検出手段とを備え、前記出射間隔制御手段は、前記バーコード検出手段で前記バーコードが検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記バーコード検出手段で前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射するよう制御することを特徴とする。
【0008】
また、第2発明に係るバーコード読取装置は、第1発明において、前記バーコード検出手段は、前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記バーコードを検出したか否かを特定するようにしてあり、前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することが可能な閾値変更手段を備えることを特徴とする。
【0009】
また、第3発明に係るバーコード読取装置は、第1又は第2発明において、前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、前記出射間隔制御手段は、前記バーコード検出手段で前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
次に、上記目的を達成するために第4発明に係るバーコード読取装置は、光を出射する発光素子と、バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置において、前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構と、前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御する出射間隔制御手段と、前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードが付されている前記被検出物体を検出する検出手段とを備え、前記出射間隔制御手段は、前記検出手段で前記被検出物体が検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記検出手段で前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射するよう制御することを特徴とする。
【0011】
また、第5発明に係るバーコード読取装置は、第4発明において、前記検出手段は、前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記被検出物体を検出したか否かを特定するようにしてあり、前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することが可能な閾値変更手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、第6発明に係るバーコード読取装置は、第4又は第5発明において、前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、前記出射間隔制御手段は、前記検出手段で前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
また、第7発明に係るバーコード読取装置は、第1乃至第6発明のいずれか1つにおいて、前記出射間隔制御手段が、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するようにしてから、所定の時間が経過したか否かを判断する時間判断手段と、該時間判断手段で所定の時間が経過したと判断した場合、前記バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断する読取判断手段と、該読取判断手段で正常に読み取ることができなかったと判断した場合、所定の警告信号を外部へ送出する警告手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
次に、上記目的を達成するために第8発明に係るバーコード読取方法は、光を出射する発光素子と、バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置で実行することが可能なバーコード読取方法において、前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構を用い、前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御し、前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードを検出し、前記バーコードが検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射するよう制御することを特徴とする。
【0015】
また、第9発明に係るバーコード読取方法は、第8発明において、前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記バーコードを検出したか否かを特定するようにしてあり、前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することを特徴とする。
【0016】
また、第10発明に係るバーコード読取方法は、第8又は第9発明において、前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射することを特徴とする。
【0017】
次に、上記目的を達成するために第11発明に係るバーコード読取方法は、光を出射する発光素子と、バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置で実行することが可能なバーコード読取方法において、前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構を用い、前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御し、前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードが付されている前記被検出物体を検出し、前記被検出物体が検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射するよう制御することを特徴とする。
【0018】
また、第12発明に係るバーコード読取方法は、第11発明において、前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記被検出物体を検出したか否かを特定するようにしてあり、前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することを特徴とする。
【0019】
また、第13発明に係るバーコード読取方法は、第11又は第12発明において、前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射することを特徴とする。
【0020】
また、第14発明に係るバーコード読取方法は、第8乃至第13発明のいずれか1つにおいて、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するようにしてから、所定の時間が経過したか否かを判断し、所定の時間が経過したと判断した場合、前記バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断し、正常に読み取ることができなかったと判断した場合、所定の警告信号を外部へ送出することを特徴とする。
【0021】
第1発明及び第8発明では、発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構の動作と連動させて、発光素子から光を出射させる時期を制御し、バーコードが検出されている場合、発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、バーコードが検出されていない場合、発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射するよう制御する。バーコードが検出されていない場合には、発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射することにより、レーザ等の発光素子の寿命を少しでも長くすることができ、消費電力を低減することが可能となる。
【0022】
第2発明及び第9発明では、受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じてバーコードを検出したか否かを特定するようにしてあり、バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、所定の閾値を変更する。バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて所定の閾値を変更することにより、被検出物体の種類、例えば色が白である、黒である、材質が和紙である、羊皮紙である等の相違によらず、確実にバーコードからの受光信号を検出することができる閾値に設定することができる。
【0023】
第3発明及び第10発明では、ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、バーコードが検出されていない場合、発光素子がポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射する。ポリゴンミラーの一部の面でしか反射光が出射されないことから、例えば8角柱からなるポリゴンミラーの一面だけで反射させる場合には、ポリゴンミラーが1回転する間に1回の出射で済み、レーザ等の発光素子の寿命を少しでも長くすることができ、消費電力を低減することが可能となる。
【0024】
第4発明及び第11発明では、発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構の動作と連動させて、発光素子から光を出射させる時期を制御し、受光素子の受光信号に基づいて被検出物体を検出する。被検出物体が検出されている場合、発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、被検出物体が検出されていない場合、発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射するよう制御する。被検出物体が検出されていない場合には、発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射することにより、点滅光でない場合には無信号区間であるため検出することができない被検出物体の表面をスキャンする場合であっても受光信号を検出することができる。したがって、レーザ等の発光素子の寿命をより長くすることができ、消費電力をより低減することが可能となる。
【0025】
第5発明及び第12発明では、受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて被検出物体を検出したか否かを特定するようにしてあり、バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、所定の閾値を変更する。バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて所定の閾値を変更することにより、被検出物体の種類、例えば色が白である、黒である、材質が和紙である、羊皮紙である等の相違によらず、確実に被検出物体からの受光信号を検出することができる閾値に設定することができる。
【0026】
第6発明及び第13発明では、ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、被検出物体が検出されていない場合、発光素子がポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射する。ポリゴンミラーの一部の面でしか反射光が出射されないことから、例えば8角柱からなるポリゴンミラーの一面だけで反射させる場合には、ポリゴンミラーが1回転する間に1回の出射で済み、レーザ等の発光素子の寿命を少しでも長くすることができ、消費電力を低減することが可能となる。
【0027】
第7発明及び第14発明では、発光素子が一スキャンする都度出射するようにしてから、所定の時間が経過したか否かを判断し、所定の時間が経過したと判断した場合、バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断し、正常に読み取ることができなかったと判断した場合、所定の警告信号を外部へ送出する。バーコード情報を正常に読み取ることができなかった場合に警告信号を発することができ、再読み取り等の事後処理を実行することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、バーコード又は被検出物体が検出されているか否かに応じて発光素子の光の出射間隔を制御することにより、レーザ等の発光素子の寿命を少しでも長くすることができ、消費電力を低減することが可能となる。また、発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射することにより、点滅光でない場合には無信号区間であるため検出することができない被検出物体の表面からの受光信号を取得することができ、バーコードが付されている被検出物体の表面の色、材質等によらず被検出物体を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態に係るバーコード読取装置について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面を通じて、同一又は同様の構成又は機能を有する要素については、同一又は同様の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るバーコード読取装置の構成を模式的に示すブロック図である。図1に示すように本実施の形態1に係るバーコード読取装置1は、半導体レーザ、LED等の発光素子11から光を出射し、ミラー機構であるポリゴンミラー12の一面にて被検出物体3へ向けて反射させる。
【0031】
ポリゴンミラー12で反射された反射光は、被検出物体3に貼付されているバーコード2へ誘導され、CCD、フォトダイオード等の受光素子13は、バーコード2からの反射光を受光して光電変換した受光信号を出力する。受光信号は、コンデンサ14にて直流成分を排除され、増幅回路15にて設定されたゲイン値に応じて増幅され、A/D変換器16にてデジタル信号に変換された後、制御装置10へと入力される。
【0032】
制御装置10は、発光素子11の出射タイミングと、ポリゴンミラー12の回転数とを同期させ、被検出物体3へ出射される光の幅とタイミングとを制御する。また、増幅回路15のゲイン値を、バーコード2で示されるバーコード情報を確実にデコード処理することができる値に設定する。
【0033】
図2は、本発明の実施の形態1に係るバーコード読取装置1の制御装置10の構成を示すブロック図である。図2に示すように本実施の形態1に係るバーコード読取装置1の制御装置10は、少なくともCPU(中央演算装置)20、RAM17、通信手段18及び上述したハードウェアを接続する内部バス19で構成されている。CPU20は、内部バス19を介して制御装置10の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、RAM17に記憶されているコンピュータプログラムに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。RAM17は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラムの実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラムの実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0034】
通信手段18は内部バス19に接続されており、発光素子11、ポリゴンミラー12の回転駆動部、増幅回路15等に通信線を介して接続されており、発光素子11のオンオフ信号、ポリゴンミラー12の回転速度等の指示信号、ゲイン値の指示信号等を送出する。また、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワークに接続されることにより、外部のコンピュータ等ともデータ送受信を行うことが可能となる。なお、RAM17に記憶されているコンピュータプログラムは、通信手段18を介して外部コンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムである。
【0035】
制御装置10のCPU20は、受光信号取得手段201、微分処理手段203と、フィルタ処理手段204と、二値化処理手段205とを有する信号処理手段202、デコード手段206、出射間隔制御手段207、バーコード検出手段208及び閾値設定手段209を含み、これらの処理動作を制御する。
【0036】
受光信号取得手段201は、通信手段18で受信した、デジタル信号としての受光信号を取得する。すなわち、バーコード2での反射光は、CCD、フォトダイオード等の受光素子13にて受光され、光電変換される。光電変換されたアナログ信号は、コンデンサ14にて直流成分を排除され、増幅回路15にて設定されたゲイン値に応じて増幅され、A/D変換器16にてデジタル信号に変換される。受光信号取得手段201は、斯かるデジタル信号を取得する。
【0037】
信号処理手段202は、取得したデジタル信号である受光信号を、デコード処理することが可能な状態の信号へ前処理する。信号処理手段202の微分処理手段203は、取得した受光信号を微分処理することにより、受光信号のエッジ部分を抽出する。
【0038】
フィルタ処理手段204は、特定の周波数帯域に存在する信号のみを通過させるバンドパスフィルタである。二値化処理手段205は、フィルタ処理手段204により限定された周波数帯域の信号について、所定の閾値より大きい信号をオン状態に、小さい信号をオフ状態とすることにより、パルス信号化する。
【0039】
デコード手段206は、信号処理手段202にてパルス信号化された信号の内容を読み取る。具体的には、バーコード2の開始点及び終了点を示す情報、パリティ情報等を読み取るとともに、バーコード情報を読み取る。バーコード情報を読み取ることができなかった場合にはその旨を示す信号を出力する。
【0040】
出射間隔制御手段207は、発光素子11へのオンオフ信号の送信間隔、及びポリゴンミラー12の回転速度等の指示信号の設定を制御する。本実施の形態1に係るバーコード読取装置1では、読取対象となるバーコード2の存在を検知するまでは、発光素子11の出射頻度を低減するよう制御する。
【0041】
バーコード検出手段208は、受光信号の強度が所定の閾値より大きい場合に、バーコード2の存在を検出する。本実施の形態1では、発光素子11の出射頻度を低減するのみであることから、バーコード2が付されている被検出物体3の表面では従来のバーコード読取装置と同様、受光信号に大きな変動が無い。したがって、バーコード2を読み取るまで発光素子11の出射頻度を低減し、バーコード2の存在を検出した時点で通常の出射頻度へ戻している。
【0042】
閾値設定手段209は、受光信号を受け付けたか否かを判断するための基準となる閾値を設定する。すなわち、バーコード検出手段208が、受光素子13の受光信号の強度が所定の閾値より大きい受光信号を受け付けたと判断する基準となる閾値を設定する。
【0043】
ここで、被検出物体3の種類によって、受光素子13の受光信号の強度は大きく相違する。例えば白い紙である場合には光の反射が大きく、受光信号の強度が大きくなるのに対し、同じ白い紙でも材質がダンボールである場合には若干受光信号の強度が小さくなる。また、黒い紙である場合には光の反射自体が小さくなることから、受光信号の強度が小さくなる。これら被検出物体3の相違による受光信号の強度の大小によらずバーコード2の存在を検出するためには、判断基準となる閾値を被検出物体3が通過する背景部分に応じて変更することが望ましい。
【0044】
そこで、閾値設定手段209では、入出力インタフェース21を介して、例えばボタンを押す回数に応じて周期的に複数の閾値を順次設定する等の操作を受け付けることにより、被検出物体3の背景部分での受光信号の強度の変動を考慮して閾値を設定することで、被検出物体3を確実に検出することが可能となる。
【0045】
以下、上述した構成のバーコード読取装置1の動作の流れについて説明する。本実施の形態1に係るバーコード読取装置1では、上述したように、読取対象となるバーコード2が付されている被検出物体3の存在を検知するまでは、発光素子11の出射頻度を低減する点に特徴を有している。発光素子11へのオンオフ信号の送信タイミングを変更するべく、制御装置10は、RAM17に発光素子11へのオンオフ信号の送信タイミングに関する情報を記憶しておく。
【0046】
図3は、RAM17に記憶されるオンオフ信号の送信タイミングに関する情報のデータ構成の例示図である。図3の例では、オンオフ信号の送信タイミングを、正八角柱であるポリゴンミラー12が一回転する間に均等に出射する回数として記憶してある。出射回数が‘8’であるということは、各面が発光素子11に対向する都度出射するようオンオフ信号を送信することを意味しており、出射回数が減るということは、ポリゴンミラー12が一回転する間に光が出射されないタイミングが存在することを意味している。出射回数ごとにモードを識別するモードIDと対応付けて記憶しておき、CPU20が選択を受け付けたモードIDに基づいて出射タイミングを決定する。なお、図3の例では、オンオフ信号の送信タイミングを、正八角柱であるポリゴンミラー12が一回転する間に均等に出射する回数として記憶しているが、特に一回転ごとに限定されるものではなく、複数回転ごとに一回出射しても良い。
【0047】
図4は、ポリゴンミラー12が正八角柱である場合の出射タイミングを示す模式図である。図4中の番号は、ポリゴンミラー12の各面を便宜的に示した番号であり、第一面が発光素子11と対向している場合を‘1’、第二面が発光素子11と対向している場合を‘2’、・・・というように番号を順次示している。ハッチング領域は、制御装置10のCPU20が、発光素子11にオン信号、すなわち発光を指示する信号を送信している時間帯を示している。
【0048】
図4(a)は、従来のバーコード読取装置での出射タイミングを示す模式図である。従来は、ポリゴンミラー12の各面にて、発光素子11からの光を反射するよう発光素子11に対してオン信号を送信する。そして、各面の境界部分による乱反射を防止するべく、各面の境界部分にマージン部分として発光しない時間帯を設けている。一つの面当たりで発光することが可能な時間T1は略2msecであるが、マージンを加えることにより実際に出射される時間(ハッチング領域)T2は略1.3msecとなっている。
【0049】
一方、本実施の形態1では、例えば図4(b)に示すように、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子11に対向した場合にのみ発光素子11が出射するよう制御している。すなわち、第一面が発光素子11に対向する場合には、制御装置10のCPU20が発光素子11へ出射を指示するオン信号を送信するが、他の七面が発光素子11に対向する場合には、オン信号を送信しない。このようにすることで、他の七面が発光素子11に対向している場合には発光素子11は光を出射せず、発光素子11の寿命を少しでも延伸させることができるとともに、不要な場合の光の出射頻度を下げることにより、消費電力の低減を図ることも可能となる。なお、本実施の形態1においても境界部分にマージン部分として発光しない時間帯を設けており、従来と同様、一つの面当たりで発光することが可能な時間T1は略2msecであるが、マージンを加えることにより実際に出射される時間(ハッチング領域)T2は略1.3msecとなっている。
【0050】
図5は、本発明の実施の形態1に係るバーコード読取装置1の制御装置10のCPU20の処理手順を示すフローチャートである。図5において、「出射タイミング1」とは、図4(b)に示す本実施の形態1の出射タイミングであり、ポリゴンミラー12の一面のみにて発光素子11からの光を反射するよう発光素子11に対してオン信号を送信する。「出射タイミング2」とは、図4(a)に示す従来の出射タイミングであり、ポリゴンミラー12の各面にて発光素子11からの光を反射するよう発光素子11に対してオン信号を送信する。
【0051】
図5において、制御装置10のCPU20は、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子に対向する場合にのみ光を出射させる出射タイミング1に設定し、発光素子11へ出射タイミング1にてオンオフ信号を送信する(ステップS501)。すなわち、図4(b)に示す出射タイミングで発光素子11を発光させるよう制御する。
【0052】
CPU20は、受光素子13が受光した反射光に相当する受光信号をパルス信号として受信したか否かを判断し(ステップS502)、CPU20が受信していないと判断した場合(ステップS502:NO)、CPU20は、受信待ち状態となる。CPU20が受信したと判断した場合(ステップS502:YES)、CPU20は、受信したパルス信号の極大値が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS503)。CPU20が、所定の閾値より小さいと判断した場合(ステップS503:NO)、CPU20は、処理をステップS502へ戻して上述の処理を繰り返す。
【0053】
CPU20が、所定の閾値より大きいと判断した場合(ステップS503:YES)、CPU20は、被検出物体3を検出したと判断して、ポリゴンミラー12の各面が発光素子11に対向する場合にすべて光を出射させる出射タイミング2に設定して、発光素子11へ出射タイミング2にてオンオフ信号を送信する(ステップS504)。すなわち、図4(a)に示す従来の出射タイミングで発光素子11を発光させるよう制御する。
【0054】
CPU20は、所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS505)、CPU20が、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS505:NO)、CPU20は、バーコードを読み取った受光信号であるパルス信号を受信したか否かを判断する(ステップS506)。CPU20が、パルス信号を受信していないと判断した場合(ステップS506:NO)、CPU20は、処理をステップS505へ戻して上述の処理を繰り返す。
【0055】
CPU20が、パルス信号を受信したと判断した場合(ステップS506:YES)、CPU20は、バーコード情報であると判断し、バーコード2の終わりを検出するために所定時間以上の無信号区間が存在するか否かを判断する(ステップS507)。
【0056】
実際の受光信号は、コンデンサ14を経由していることから、被検出物体3の端部及びバーコード2を貼付してある領域以外では信号が存在しない。図6は、被検出物体3が白い紙である場合の受光信号の例示図である。横軸に読み取る時刻(サンプリング点として表示)を示しているが、最初、被検出物体3の端部にてパルス信号が検出されてから、次の端部が検出されるまでの間は、バーコード2が貼付されていなければ全く受光波形が存在しない。したがって、バーコード2に対応する信号が検出された場合、その後の無信号区間の有無により、バーコード2が貼付されている領域を通過したか否かを判断することができる。
【0057】
図5に戻って、制御装置10のCPU20が、無信号区間が存在しないと判断した場合(ステップS507:NO)、CPU20は、処理をステップS505へ戻して上述の処理を繰り返す。
【0058】
CPU20が、無信号区間が存在すると判断した場合(ステップS507:YES)、CPU20は、バーコード2に相当するパルス信号をデコードして(ステップS508)、バーコード情報を取得する。デコードされたバーコード情報は、RAM17に記憶しても良いし、通信手段18を介して外部のコンピュータへ送信しても良い。
【0059】
CPU20は、デコードが成功したか否かを判断し(ステップS509)、CPU20が、デコードが失敗していると判断した場合(ステップS509:NO)、CPU20は、処理をステップS505へ戻して上述の処理を繰り返す。デコードが成功したか否かは、出力される信号が読み取ることができたバーコード情報であるか、正常に読み取ることができなかった旨を示す信号であるかで判断することができる。
【0060】
CPU20が、デコードが成功したと判断した場合(ステップS509:YES)、CPU20は、バーコード2の読み取りが終了したと判断して、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子に対向する場合にのみ光を出射させる出射タイミング1に再度設定し、発光素子11へ出射タイミング1にてオンオフ信号を送信する(ステップS510)。すなわち、図4(b)に示す出射タイミングで発光素子11を発光させるよう制御する。
【0061】
CPU20が、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS505:YES)、CPU20は、バーコード2が貼付されていない、読み取ることができない等と判断し、警告信号を外部へ送信して(ステップS511)、処理をステップS510へ進めて上述した処理を実行する。警告信号として送信する情報は、テキストデータを含むメッセージ情報に限定されるものではなく、例えば入出力インタフェース21を介して表示用LEDに警告メッセージを表示させても良いし、エラーコードを表示させても良い。
【0062】
なお、デコード処理にて、バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断する方法は特に限定されるものではない。例えば、バーコード2の両端部に存在する無信号区間を検出することができたか否か、バーコード2のスタート信号/エンド信号を検出することができたか否か、バーコード情報として含まれていることが既知である情報が含まれていたか否か等のいずれか、又はこれらの組み合わせで判断する。
【0063】
以上のように本実施の形態1によれば、バーコード2が検出されていない場合には、発光素子11が光を出射する間隔を長くすることができ、発光素子11の寿命を少しでも長くすることができるとともに、消費電力を低減することが可能となる。また、バーコード情報を正常に読み取ることができなかった場合には警告信号を発することができ、再読み取り等の事後処理を円滑に実行することが可能となる。
【0064】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置1の構成は、実施の形態1と同様であることから、同一の符号を付することにより詳細な説明は省略する。図7は、本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置1の制御装置10の構成を示すブロック図である。図7に示すように本実施の形態2に係るバーコード読取装置1の制御装置10は、少なくともCPU(中央演算装置)20、RAM17、通信手段18及び上述したハードウェアを接続する内部バス19で構成されている。CPU20は、内部バス19を介して制御装置10の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、RAM17に記憶されているコンピュータプログラムに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。RAM17は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラムの実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラムの実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0065】
制御装置10のCPU20は、受光信号取得手段201、微分処理手段203と、フィルタ処理手段204と、二値化処理手段205とを有する信号処理手段202、デコード手段206、出射間隔制御手段207、検出手段210及び閾値設定手段209を含み、これらの処理動作を制御する。以下、実施の形態1と同一の機能を有する構成については同一の符号を付することにより詳細な説明は省略する。
【0066】
出射間隔制御手段207は、発光素子11へのオンオフ信号の送信間隔、及びポリゴンミラー12の回転速度等の指示信号の設定を制御する。本実施の形態2に係るバーコード読取装置1では、読取対象となるバーコード2が貼付されている被検出物体3の存在を検出することができるよう、被検出物体3を検出するまで、発光素子11の出射頻度を低減し、かつ出射光を点滅光とするよう制御する点で実施の形態1とは相違する。
【0067】
検出手段210は、受光信号の強度が所定の閾値より大きい場合に、被検出物体3の存在を検出する。本実施の形態2では、発光素子11の出射頻度を低減するだけではなく、出射光が点滅光となるよう発光素子11への指示信号を制御していることから、バーコード2が付されている被検出物体3の表面であっても、受光信号に変動が生じる。したがって、被検出物体3の存在を検出するまで発光素子11の出射頻度を低減した点滅光とし、バーコード2が貼付されている被検出物体3の存在を検出した時点で通常の出射頻度へ戻している。なお、「通常の出射頻度」とは、各スキャンにおいて、発光素子11から出射光を出射することを意味している。
【0068】
閾値設定手段209は、受光信号を受け付けたか否かを判断するための基準となる閾値を設定する。すなわち、検出手段210が、受光素子13の受光信号の強度が所定の閾値より大きい受光信号を受け付けたと判断する基準となる閾値を設定する。
【0069】
ここで、被検出物体3の種類によって、受光素子13の受光信号の強度は大きく相違する。例えば白い紙である場合には光の反射が大きく、受光信号の強度が大きくなるのに対し、同じ白い紙でも材質がダンボールである場合には若干受光信号の強度が小さくなる。また、黒い紙である場合には光の反射自体が小さくなることから、受光信号の強度が小さくなる。これら被検出物体3の相違による受光信号の強度の大小によらずバーコード2の存在を検出するためには、判断基準となる閾値を被検出物体3が通過する背景部分に応じて変更することが望ましい。
【0070】
そこで、閾値設定手段209では、入出力インタフェース21を介して、例えばボタンを押す回数に応じて周期的に複数の閾値を順次設定する等の操作を受け付けることにより、被検出物体3の背景部分での受光信号の強度の変動を考慮して閾値を設定することで、被検出物体3を確実に検出することが可能となる。また、別の閾値の設定方法としては、バーコード読取装置1を背景に向け、図示しない装置本体に設けられる自動閾値設定ボタンを押下した場合に、発光素子11から出射された光が背景にて反射された反射光を受光素子13にて受光し、背景にて反射された反射光の受光結果に基づいて、背景からの受光量より若干大きい値を自動的に閾値として設定させる方法、同様に、最初に背景にバーコード読取装置1を向け自動閾値設定ボタンを押下し、背景からの受光量を記憶させておき、次に被検出物体3にバーコード読取装置1を向け再度自動閾値設定ボタンを押下し、被検出物体3からの受光量を記憶させ、背景からの受光量と被検出物体3からの受光量との間の値に自動的に閾値を設定させる方法等がある。
【0071】
以下、上述した構成のバーコード読取装置1の動作の流れについて説明する。本実施の形態2に係るバーコード読取装置1では、上述したように、読取対象となるバーコード2の存在を検知するまでは、発光素子11の出射頻度を低減した点滅光としている点に特徴を有している。発光素子11へのオンオフ信号の送信タイミングを変更するべく、制御装置10は、RAM17に発光素子11へのオンオフ信号の送信タイミングに関する情報を記憶しておく。
【0072】
図8は、RAM17に記憶されるオンオフ信号の送信タイミングに関する情報のデータ構成の例示図である。図8の例では、オンオフ信号の送信タイミングを、正八角柱であるポリゴンミラー12が一回転する間に均等に出射する回数として記憶してある。出射回数が‘1’であるということは、八面のうち一面が発光素子11に対向した場合にのみ光を出射するようオンオフ信号を送信することを意味しており、出射回数が増えるということは、ポリゴンミラー12が一回転する間に光が出射されるタイミングが増えることを意味している。出射回数ごとにモードを識別するモードID及び点滅の有無に関する情報と対応付けて記憶しておき、CPU20が選択を受け付けたモードIDに基づいて出射タイミングを決定する。なお、図8の例では、オンオフ信号の送信タイミングを、正八角柱であるポリゴンミラー12が一回転する間に均等に出射する回数として記憶しているが、実施の形態1と同様、特に一回転ごとに限定されるものではなく、複数回転ごとに一回出射しても良い。
【0073】
図9は、ポリゴンミラー12が正八角柱である場合の出射タイミングを示す模式図である。図9中の番号は、ポリゴンミラー12の各面を便宜的に示した番号であり、第一面が発光素子11と対向している場合を‘1’、第二面が発光素子11と対向している場合を‘2’、・・・というように番号を順次示している。ハッチング領域は、制御装置10のCPU20が、発光素子11にオン信号、すなわち発光を指示する信号を送信している時間帯を示している。
【0074】
図9(a)は、実施の形態1に係るバーコード読取装置での出射タイミングを示す模式図である。実施の形態1では、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子11に対向した場合にのみ発光素子11が発光するよう制御している。すなわち、第一面が発光素子11に対向する場合には、制御装置10のCPU20が発光素子11へ発光を指示するオン信号を送信するが、他の七面が発光素子11に対向する場合には、オン信号を送信しない。なお、実施の形態1と同様、境界部分にマージン部分として発光しない時間帯を設けており、従来と同様、一つの面当たりで発光することが可能な時間は略2msecであるが、マージンを加えることにより実際に出射される時間(ハッチング領域)は略1.3msecとなっている。
【0075】
図9(b)は、実施の形態2に係るバーコード読取装置1での出射タイミングを示す模式図である。実施の形態2では、実施の形態1と同様、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子11に対向した場合にのみ発光素子11が発光するよう制御している。しかし、発光素子11の発光を点滅させるよう、オンオフ信号を短周期で繰り返し送信している点で実施の形態1と相違する。このように、発光素子11を点滅させることにより、被検出物体3の端部でしか生じないパルス信号が被検出物体3の全面にて検出することができる。
【0076】
図10は、本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置1での被検出物体3の種類別の受光信号の例示図である。図10(a)は、被検出物体3が黒色の暗幕である場合の受光信号の例示図であり、図10(b)は、被検出物体3がダンボール紙である場合の受光信号の例示図であり、図10(c)は、被検出物体3が白色の紙である場合の受光信号の例示図である。
【0077】
図10(a)のように、被検出物体3が黒色である場合には、光を吸収する度合いが大きく、反射光の強度が小さい。それに対して、図10(c)のように、被検出物体3が白色である場合には、光を吸収する度合いが小さく、反射光の強度が大きくなっていることがわかる。また、色が白色であっても、図10(b)のように材質がダンボール紙である場合には、普通紙の場合よりも反射光の強度が小さくなっている。
【0078】
このように、本実施の形態2では、発光素子11を点滅させることにより、実施の形態1では検出することができなかった被検出物体3の反射光強度を確実に検出することができる。また、背景部分を例えば暗幕等の黒い色にすることで、閾値を低く設定することができ、被検出物体3の反射率によらず、確実に被検出物体3を検出することが可能となる。
【0079】
図11は、本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置1の制御装置10のCPU20の処理手順を示すフローチャートである。図11において、「出射タイミング3」とは、図9(b)に示す本実施の形態2の出射タイミングであり、ポリゴンミラー12の一面のみにて発光素子11からの点滅光を反射するよう発光素子11に対して断続的なオンオフ信号を送信する。「出射タイミング2」とは、図4(a)に示す従来の出射タイミングであり、ポリゴンミラー12の各面にて発光素子11からの光を反射するよう発光素子11に対してオン信号を送信する。
【0080】
図11において、制御装置10のCPU20は、閾値の設定を受け付け(ステップS1101)、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子11に対向する場合にのみ点滅するよう光を出射させる出射タイミング3に設定し、発光素子11へ出射タイミング3にてオンオフ信号を送信する(ステップS1102)。すなわち、図9(b)に示す出射タイミングで発光素子11を発光させるよう制御する。
【0081】
CPU20は、受光素子13が受光した反射光に相当する受光信号をパルス信号として受信したか否かを判断し(ステップS1103)、CPU20が受信していないと判断した場合(ステップS1103:NO)、CPU20は、受信待ち状態となる。CPU20が受信したと判断した場合(ステップS1103:YES)、CPU20は、受信したパルス信号の極大値が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS1104)。CPU20が、所定の閾値より小さいと判断した場合(ステップS1104:NO)、CPU20は、処理をステップS1103へ戻して上述の処理を繰り返す。
【0082】
CPU20が、所定の閾値より大きいと判断した場合(ステップS1104:YES)、CPU20は、バーコード2を検出したと判断して、ポリゴンミラー12の各面が発光素子11に対向する場合にすべて光を出射させる出射タイミング2に設定して、発光素子11へ出射タイミング2にてオンオフ信号を送信する(ステップS1105)。すなわち、図4(a)に示す従来の出射タイミングで発光素子11を発光させるよう制御する。
【0083】
CPU20は、所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS1106)、CPU20が、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS1106:NO)、CPU20は、バーコードを読み取った受光信号であるパルス信号を受信したか否かを判断する(ステップS1107)。CPU20が、パルス信号を受信していないと判断した場合(ステップS1107:NO)、CPU20は、処理をステップS1106へ戻して上述の処理を繰り返す。
【0084】
CPU20が、パルス信号を受信したと判断した場合(ステップS1107:YES)、CPU20は、バーコード情報であると判断し、バーコード2の終わりを検出するために所定時間以上の無信号区間が存在するか否かを判断する(ステップS1108)。
【0085】
実際の受光信号は、コンデンサ14を経由していることから、被検出物体3の端部及びバーコード2を貼付してある領域以外では信号が存在しない。したがって、バーコード2に対応する信号が検出された場合、その後の無信号区間の有無により、バーコード2が貼付されている領域を通過したか否かを判断することができる。
【0086】
CPU20が、無信号区間が存在しないと判断した場合(ステップS1108:NO)、CPU20は、処理をステップS1106へ戻して上述の処理を繰り返す。
【0087】
CPU20が、無信号区間が存在すると判断した場合(ステップS1108:YES)、CPU20は、バーコード2に相当するパルス信号をデコードして(ステップS1109)、バーコード情報を取得する。デコードされたバーコード情報は、RAM17に記憶しても良いし、通信手段18を介して外部のコンピュータへ送信しても良い。
【0088】
CPU20は、デコードが成功したか否かを判断し(ステップS1110)、CPU20が、デコードが失敗していると判断した場合(ステップS1110:NO)、CPU20は、処理をステップS1106へ戻して上述の処理を繰り返す。デコードが成功したか否かは、出力される信号が読み取ることができたバーコード情報であるか、正常に読み取ることができなかった旨を示す信号であるかで判断することができる。
【0089】
CPU20が、デコードが成功したと判断した場合(ステップS1110:YES)、CPU20は、バーコード2の読み取りが終了したと判断して、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子11に対向する場合にのみ点滅するよう光を出射させる出射タイミング3に再度設定し、発光素子11へ出射タイミング3にてオンオフ信号を送信する(ステップS1111)。すなわち、図9(b)に示す出射タイミングで発光素子11を発光させるよう制御する。
【0090】
CPU20が、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS1106:YES)、CPU20は、バーコード2が貼付されていない、読み取ることができない等と判断し、警告信号を外部へ送信して(ステップS1112)、処理をステップS1111へ進めて上述の処理を実行する。警告信号として送信する情報は、テキストデータを含むメッセージ情報に限定されるものではなく、例えば入出力インタフェース21を介して表示用LEDに警告メッセージを表示させても良いし、エラーコードを表示させても良い。
【0091】
なお、デコード処理にて、バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断する方法は特に限定されるものではない。例えば、バーコード2の両端部に存在する無信号区間を検出することができたか否か、バーコード2のスタート信号/エンド信号を検出することができたか否か、バーコード情報として含まれていることが既知である情報が含まれていたか否か等のいずれか、又はこれらの組み合わせで判断する。
【0092】
以上のように本実施の形態2によれば、発光素子11を点滅させることにより、被検出物体3の表面をスキャンする場合であっても受光信号を検出することができる。そして、検出した受光信号の強度に応じて、バーコード2を検出するために適当な閾値を容易に特定することができ、バーコード2が付された被検出物体3が連続的にスキャン領域へ移動する場合であっても、バーコード2を確実に検出してデコード処理することが可能となる。
【0093】
また、実施の形態1と比較して、バーコード2を直接検出するまで、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子11に対向した場合にのみ発光素子11が点滅して発光するよう制御することにより、ポリゴンミラー12の各面にて発光素子11からの光を反射するよう発光素子11に対してオンオフ信号を送信する時間帯が狭いことから、より発光素子11の寿命を延伸させることができ、消費電力をより低減することが可能となる。
【0094】
なお、上述した実施の形態1及び2では、ミラー機構として正八角柱形状のポリゴンミラー12を用いているが、ミラー機構として上述のポリゴンミラー12に限定されるものではなく、例えば光の出射角度を変更することができるガルバノミラーであっても良い。この場合であっても、発光素子11の出射タイミングを同様に制御することにより、同等の効果を奏することができる。
【0095】
その他、本発明は上記実施の形態1及び2に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変形、置換等が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施の形態1に係るバーコード読取装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るバーコード読取装置の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】RAMに記憶されるオンオフ信号の送信タイミングに関する情報のデータ構成の例示図である。
【図4】ポリゴンミラーが正八角柱である場合の出射タイミングを示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るバーコード読取装置の制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】被検出物体が白い紙である場合の受光信号の例示図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】RAMに記憶されるオンオフ信号の送信タイミングに関する情報のデータ構成の例示図である。
【図9】ポリゴンミラーが正八角柱である場合の出射タイミングを示す模式図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置での被検出物体の種類別の受光信号の例示図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置の制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0097】
1 バーコード読取装置
2 バーコード
3 被検出物体
10 制御装置
11 発光素子
12 ポリゴンミラー(ミラー機構)
13 受光素子
14 コンデンサ
15 増幅回路
16 A/D変換器
17 RAM
18 通信手段
19 内部バス
20 CPU
21 入出力インタフェース
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に被検出物体が移動する場合であっても、バーコードの存在を検知して確実にバーコード情報を読み取ることができるバーコード読取装置、及びバーコード読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体レーザを発光素子に用いるバーコードリーダが多々開発されている。半導体レーザは、形状が小型で、安価であり、消費電力が小さいという多くの利点を有している。反面、半導体レーザの寿命が比較的短く、有効出力パワーが減衰しやすい特性を有することは良く知られている。また、半導体レーザを常時オン状態とした場合、半導体レーザ自身が発熱しやすく、寿命の短縮を促進する結果となっていた。
【0003】
斯かる問題を解決するべく、例えば特許文献1では、半導体レーザの出力モードを低パワーモードと高パワーモードとに切り替えることが可能としてあり、走査モードについても狭い角度でスキャン幅を定める第1の走査モードと、広い角度でスキャン幅を定める第2の走査モードとを切り替え可能としてあるバーコード走査装置が開示されている。半導体レーザの出力、出射角度を変動させることができるようにすることで、高パワー出力が不要な場合には低パワー出力とし、光線束の走査角度も連動させて変化することにより、半導体レーザが常時オン状態であっても発熱量を抑制することができ、有効出力パワーの減衰を少しでも抑制することが可能となる。
【特許文献1】特許第2612617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されているバーコード走査装置では、半導体レーザの出力、出射角度を変動させることはできるが、出射タイミングを調整することはできない。すなわち、半導体レーザのパワー出力を増減させることはできても、半導体レーザがオンオフする回数は減少しないことから、半導体レーザの寿命延長に対する効果は半減する。
【0005】
また、出射角度を変動させることにより、走査角度を増減させることができるが、走査角度を増減させた場合であっても、例えばバーコードが付されている被検出物体の表面の色が黒である場合と白である場合とで反射光の受光強度差を吸収できるものではない。すなわち、バーコードが存在している領域であると使用者が意識して走査する場合には問題はないが、連続的にバーコードが付されている被検出物体が提供される場合には、どこがバーコード領域であるのか識別することができないという問題点が生じる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、発光素子の寿命を延伸させつつ、バーコードの存在を自動的に検出することができるバーコード読取装置及びバーコード読取方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために第1発明に係るバーコード読取装置は、光を出射する発光素子と、バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置において、前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構と、前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御する出射間隔制御手段と、前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードを検出するバーコード検出手段とを備え、前記出射間隔制御手段は、前記バーコード検出手段で前記バーコードが検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記バーコード検出手段で前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射するよう制御することを特徴とする。
【0008】
また、第2発明に係るバーコード読取装置は、第1発明において、前記バーコード検出手段は、前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記バーコードを検出したか否かを特定するようにしてあり、前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することが可能な閾値変更手段を備えることを特徴とする。
【0009】
また、第3発明に係るバーコード読取装置は、第1又は第2発明において、前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、前記出射間隔制御手段は、前記バーコード検出手段で前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
次に、上記目的を達成するために第4発明に係るバーコード読取装置は、光を出射する発光素子と、バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置において、前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構と、前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御する出射間隔制御手段と、前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードが付されている前記被検出物体を検出する検出手段とを備え、前記出射間隔制御手段は、前記検出手段で前記被検出物体が検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記検出手段で前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射するよう制御することを特徴とする。
【0011】
また、第5発明に係るバーコード読取装置は、第4発明において、前記検出手段は、前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記被検出物体を検出したか否かを特定するようにしてあり、前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することが可能な閾値変更手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、第6発明に係るバーコード読取装置は、第4又は第5発明において、前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、前記出射間隔制御手段は、前記検出手段で前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
また、第7発明に係るバーコード読取装置は、第1乃至第6発明のいずれか1つにおいて、前記出射間隔制御手段が、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するようにしてから、所定の時間が経過したか否かを判断する時間判断手段と、該時間判断手段で所定の時間が経過したと判断した場合、前記バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断する読取判断手段と、該読取判断手段で正常に読み取ることができなかったと判断した場合、所定の警告信号を外部へ送出する警告手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
次に、上記目的を達成するために第8発明に係るバーコード読取方法は、光を出射する発光素子と、バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置で実行することが可能なバーコード読取方法において、前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構を用い、前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御し、前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードを検出し、前記バーコードが検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射するよう制御することを特徴とする。
【0015】
また、第9発明に係るバーコード読取方法は、第8発明において、前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記バーコードを検出したか否かを特定するようにしてあり、前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することを特徴とする。
【0016】
また、第10発明に係るバーコード読取方法は、第8又は第9発明において、前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射することを特徴とする。
【0017】
次に、上記目的を達成するために第11発明に係るバーコード読取方法は、光を出射する発光素子と、バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置で実行することが可能なバーコード読取方法において、前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構を用い、前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御し、前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードが付されている前記被検出物体を検出し、前記被検出物体が検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射するよう制御することを特徴とする。
【0018】
また、第12発明に係るバーコード読取方法は、第11発明において、前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記被検出物体を検出したか否かを特定するようにしてあり、前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することを特徴とする。
【0019】
また、第13発明に係るバーコード読取方法は、第11又は第12発明において、前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射することを特徴とする。
【0020】
また、第14発明に係るバーコード読取方法は、第8乃至第13発明のいずれか1つにおいて、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するようにしてから、所定の時間が経過したか否かを判断し、所定の時間が経過したと判断した場合、前記バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断し、正常に読み取ることができなかったと判断した場合、所定の警告信号を外部へ送出することを特徴とする。
【0021】
第1発明及び第8発明では、発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構の動作と連動させて、発光素子から光を出射させる時期を制御し、バーコードが検出されている場合、発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、バーコードが検出されていない場合、発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射するよう制御する。バーコードが検出されていない場合には、発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射することにより、レーザ等の発光素子の寿命を少しでも長くすることができ、消費電力を低減することが可能となる。
【0022】
第2発明及び第9発明では、受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じてバーコードを検出したか否かを特定するようにしてあり、バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、所定の閾値を変更する。バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて所定の閾値を変更することにより、被検出物体の種類、例えば色が白である、黒である、材質が和紙である、羊皮紙である等の相違によらず、確実にバーコードからの受光信号を検出することができる閾値に設定することができる。
【0023】
第3発明及び第10発明では、ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、バーコードが検出されていない場合、発光素子がポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射する。ポリゴンミラーの一部の面でしか反射光が出射されないことから、例えば8角柱からなるポリゴンミラーの一面だけで反射させる場合には、ポリゴンミラーが1回転する間に1回の出射で済み、レーザ等の発光素子の寿命を少しでも長くすることができ、消費電力を低減することが可能となる。
【0024】
第4発明及び第11発明では、発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構の動作と連動させて、発光素子から光を出射させる時期を制御し、受光素子の受光信号に基づいて被検出物体を検出する。被検出物体が検出されている場合、発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、被検出物体が検出されていない場合、発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射するよう制御する。被検出物体が検出されていない場合には、発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射することにより、点滅光でない場合には無信号区間であるため検出することができない被検出物体の表面をスキャンする場合であっても受光信号を検出することができる。したがって、レーザ等の発光素子の寿命をより長くすることができ、消費電力をより低減することが可能となる。
【0025】
第5発明及び第12発明では、受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて被検出物体を検出したか否かを特定するようにしてあり、バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、所定の閾値を変更する。バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて所定の閾値を変更することにより、被検出物体の種類、例えば色が白である、黒である、材質が和紙である、羊皮紙である等の相違によらず、確実に被検出物体からの受光信号を検出することができる閾値に設定することができる。
【0026】
第6発明及び第13発明では、ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、被検出物体が検出されていない場合、発光素子がポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射する。ポリゴンミラーの一部の面でしか反射光が出射されないことから、例えば8角柱からなるポリゴンミラーの一面だけで反射させる場合には、ポリゴンミラーが1回転する間に1回の出射で済み、レーザ等の発光素子の寿命を少しでも長くすることができ、消費電力を低減することが可能となる。
【0027】
第7発明及び第14発明では、発光素子が一スキャンする都度出射するようにしてから、所定の時間が経過したか否かを判断し、所定の時間が経過したと判断した場合、バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断し、正常に読み取ることができなかったと判断した場合、所定の警告信号を外部へ送出する。バーコード情報を正常に読み取ることができなかった場合に警告信号を発することができ、再読み取り等の事後処理を実行することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、バーコード又は被検出物体が検出されているか否かに応じて発光素子の光の出射間隔を制御することにより、レーザ等の発光素子の寿命を少しでも長くすることができ、消費電力を低減することが可能となる。また、発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射することにより、点滅光でない場合には無信号区間であるため検出することができない被検出物体の表面からの受光信号を取得することができ、バーコードが付されている被検出物体の表面の色、材質等によらず被検出物体を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態に係るバーコード読取装置について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面を通じて、同一又は同様の構成又は機能を有する要素については、同一又は同様の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るバーコード読取装置の構成を模式的に示すブロック図である。図1に示すように本実施の形態1に係るバーコード読取装置1は、半導体レーザ、LED等の発光素子11から光を出射し、ミラー機構であるポリゴンミラー12の一面にて被検出物体3へ向けて反射させる。
【0031】
ポリゴンミラー12で反射された反射光は、被検出物体3に貼付されているバーコード2へ誘導され、CCD、フォトダイオード等の受光素子13は、バーコード2からの反射光を受光して光電変換した受光信号を出力する。受光信号は、コンデンサ14にて直流成分を排除され、増幅回路15にて設定されたゲイン値に応じて増幅され、A/D変換器16にてデジタル信号に変換された後、制御装置10へと入力される。
【0032】
制御装置10は、発光素子11の出射タイミングと、ポリゴンミラー12の回転数とを同期させ、被検出物体3へ出射される光の幅とタイミングとを制御する。また、増幅回路15のゲイン値を、バーコード2で示されるバーコード情報を確実にデコード処理することができる値に設定する。
【0033】
図2は、本発明の実施の形態1に係るバーコード読取装置1の制御装置10の構成を示すブロック図である。図2に示すように本実施の形態1に係るバーコード読取装置1の制御装置10は、少なくともCPU(中央演算装置)20、RAM17、通信手段18及び上述したハードウェアを接続する内部バス19で構成されている。CPU20は、内部バス19を介して制御装置10の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、RAM17に記憶されているコンピュータプログラムに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。RAM17は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラムの実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラムの実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0034】
通信手段18は内部バス19に接続されており、発光素子11、ポリゴンミラー12の回転駆動部、増幅回路15等に通信線を介して接続されており、発光素子11のオンオフ信号、ポリゴンミラー12の回転速度等の指示信号、ゲイン値の指示信号等を送出する。また、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワークに接続されることにより、外部のコンピュータ等ともデータ送受信を行うことが可能となる。なお、RAM17に記憶されているコンピュータプログラムは、通信手段18を介して外部コンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムである。
【0035】
制御装置10のCPU20は、受光信号取得手段201、微分処理手段203と、フィルタ処理手段204と、二値化処理手段205とを有する信号処理手段202、デコード手段206、出射間隔制御手段207、バーコード検出手段208及び閾値設定手段209を含み、これらの処理動作を制御する。
【0036】
受光信号取得手段201は、通信手段18で受信した、デジタル信号としての受光信号を取得する。すなわち、バーコード2での反射光は、CCD、フォトダイオード等の受光素子13にて受光され、光電変換される。光電変換されたアナログ信号は、コンデンサ14にて直流成分を排除され、増幅回路15にて設定されたゲイン値に応じて増幅され、A/D変換器16にてデジタル信号に変換される。受光信号取得手段201は、斯かるデジタル信号を取得する。
【0037】
信号処理手段202は、取得したデジタル信号である受光信号を、デコード処理することが可能な状態の信号へ前処理する。信号処理手段202の微分処理手段203は、取得した受光信号を微分処理することにより、受光信号のエッジ部分を抽出する。
【0038】
フィルタ処理手段204は、特定の周波数帯域に存在する信号のみを通過させるバンドパスフィルタである。二値化処理手段205は、フィルタ処理手段204により限定された周波数帯域の信号について、所定の閾値より大きい信号をオン状態に、小さい信号をオフ状態とすることにより、パルス信号化する。
【0039】
デコード手段206は、信号処理手段202にてパルス信号化された信号の内容を読み取る。具体的には、バーコード2の開始点及び終了点を示す情報、パリティ情報等を読み取るとともに、バーコード情報を読み取る。バーコード情報を読み取ることができなかった場合にはその旨を示す信号を出力する。
【0040】
出射間隔制御手段207は、発光素子11へのオンオフ信号の送信間隔、及びポリゴンミラー12の回転速度等の指示信号の設定を制御する。本実施の形態1に係るバーコード読取装置1では、読取対象となるバーコード2の存在を検知するまでは、発光素子11の出射頻度を低減するよう制御する。
【0041】
バーコード検出手段208は、受光信号の強度が所定の閾値より大きい場合に、バーコード2の存在を検出する。本実施の形態1では、発光素子11の出射頻度を低減するのみであることから、バーコード2が付されている被検出物体3の表面では従来のバーコード読取装置と同様、受光信号に大きな変動が無い。したがって、バーコード2を読み取るまで発光素子11の出射頻度を低減し、バーコード2の存在を検出した時点で通常の出射頻度へ戻している。
【0042】
閾値設定手段209は、受光信号を受け付けたか否かを判断するための基準となる閾値を設定する。すなわち、バーコード検出手段208が、受光素子13の受光信号の強度が所定の閾値より大きい受光信号を受け付けたと判断する基準となる閾値を設定する。
【0043】
ここで、被検出物体3の種類によって、受光素子13の受光信号の強度は大きく相違する。例えば白い紙である場合には光の反射が大きく、受光信号の強度が大きくなるのに対し、同じ白い紙でも材質がダンボールである場合には若干受光信号の強度が小さくなる。また、黒い紙である場合には光の反射自体が小さくなることから、受光信号の強度が小さくなる。これら被検出物体3の相違による受光信号の強度の大小によらずバーコード2の存在を検出するためには、判断基準となる閾値を被検出物体3が通過する背景部分に応じて変更することが望ましい。
【0044】
そこで、閾値設定手段209では、入出力インタフェース21を介して、例えばボタンを押す回数に応じて周期的に複数の閾値を順次設定する等の操作を受け付けることにより、被検出物体3の背景部分での受光信号の強度の変動を考慮して閾値を設定することで、被検出物体3を確実に検出することが可能となる。
【0045】
以下、上述した構成のバーコード読取装置1の動作の流れについて説明する。本実施の形態1に係るバーコード読取装置1では、上述したように、読取対象となるバーコード2が付されている被検出物体3の存在を検知するまでは、発光素子11の出射頻度を低減する点に特徴を有している。発光素子11へのオンオフ信号の送信タイミングを変更するべく、制御装置10は、RAM17に発光素子11へのオンオフ信号の送信タイミングに関する情報を記憶しておく。
【0046】
図3は、RAM17に記憶されるオンオフ信号の送信タイミングに関する情報のデータ構成の例示図である。図3の例では、オンオフ信号の送信タイミングを、正八角柱であるポリゴンミラー12が一回転する間に均等に出射する回数として記憶してある。出射回数が‘8’であるということは、各面が発光素子11に対向する都度出射するようオンオフ信号を送信することを意味しており、出射回数が減るということは、ポリゴンミラー12が一回転する間に光が出射されないタイミングが存在することを意味している。出射回数ごとにモードを識別するモードIDと対応付けて記憶しておき、CPU20が選択を受け付けたモードIDに基づいて出射タイミングを決定する。なお、図3の例では、オンオフ信号の送信タイミングを、正八角柱であるポリゴンミラー12が一回転する間に均等に出射する回数として記憶しているが、特に一回転ごとに限定されるものではなく、複数回転ごとに一回出射しても良い。
【0047】
図4は、ポリゴンミラー12が正八角柱である場合の出射タイミングを示す模式図である。図4中の番号は、ポリゴンミラー12の各面を便宜的に示した番号であり、第一面が発光素子11と対向している場合を‘1’、第二面が発光素子11と対向している場合を‘2’、・・・というように番号を順次示している。ハッチング領域は、制御装置10のCPU20が、発光素子11にオン信号、すなわち発光を指示する信号を送信している時間帯を示している。
【0048】
図4(a)は、従来のバーコード読取装置での出射タイミングを示す模式図である。従来は、ポリゴンミラー12の各面にて、発光素子11からの光を反射するよう発光素子11に対してオン信号を送信する。そして、各面の境界部分による乱反射を防止するべく、各面の境界部分にマージン部分として発光しない時間帯を設けている。一つの面当たりで発光することが可能な時間T1は略2msecであるが、マージンを加えることにより実際に出射される時間(ハッチング領域)T2は略1.3msecとなっている。
【0049】
一方、本実施の形態1では、例えば図4(b)に示すように、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子11に対向した場合にのみ発光素子11が出射するよう制御している。すなわち、第一面が発光素子11に対向する場合には、制御装置10のCPU20が発光素子11へ出射を指示するオン信号を送信するが、他の七面が発光素子11に対向する場合には、オン信号を送信しない。このようにすることで、他の七面が発光素子11に対向している場合には発光素子11は光を出射せず、発光素子11の寿命を少しでも延伸させることができるとともに、不要な場合の光の出射頻度を下げることにより、消費電力の低減を図ることも可能となる。なお、本実施の形態1においても境界部分にマージン部分として発光しない時間帯を設けており、従来と同様、一つの面当たりで発光することが可能な時間T1は略2msecであるが、マージンを加えることにより実際に出射される時間(ハッチング領域)T2は略1.3msecとなっている。
【0050】
図5は、本発明の実施の形態1に係るバーコード読取装置1の制御装置10のCPU20の処理手順を示すフローチャートである。図5において、「出射タイミング1」とは、図4(b)に示す本実施の形態1の出射タイミングであり、ポリゴンミラー12の一面のみにて発光素子11からの光を反射するよう発光素子11に対してオン信号を送信する。「出射タイミング2」とは、図4(a)に示す従来の出射タイミングであり、ポリゴンミラー12の各面にて発光素子11からの光を反射するよう発光素子11に対してオン信号を送信する。
【0051】
図5において、制御装置10のCPU20は、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子に対向する場合にのみ光を出射させる出射タイミング1に設定し、発光素子11へ出射タイミング1にてオンオフ信号を送信する(ステップS501)。すなわち、図4(b)に示す出射タイミングで発光素子11を発光させるよう制御する。
【0052】
CPU20は、受光素子13が受光した反射光に相当する受光信号をパルス信号として受信したか否かを判断し(ステップS502)、CPU20が受信していないと判断した場合(ステップS502:NO)、CPU20は、受信待ち状態となる。CPU20が受信したと判断した場合(ステップS502:YES)、CPU20は、受信したパルス信号の極大値が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS503)。CPU20が、所定の閾値より小さいと判断した場合(ステップS503:NO)、CPU20は、処理をステップS502へ戻して上述の処理を繰り返す。
【0053】
CPU20が、所定の閾値より大きいと判断した場合(ステップS503:YES)、CPU20は、被検出物体3を検出したと判断して、ポリゴンミラー12の各面が発光素子11に対向する場合にすべて光を出射させる出射タイミング2に設定して、発光素子11へ出射タイミング2にてオンオフ信号を送信する(ステップS504)。すなわち、図4(a)に示す従来の出射タイミングで発光素子11を発光させるよう制御する。
【0054】
CPU20は、所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS505)、CPU20が、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS505:NO)、CPU20は、バーコードを読み取った受光信号であるパルス信号を受信したか否かを判断する(ステップS506)。CPU20が、パルス信号を受信していないと判断した場合(ステップS506:NO)、CPU20は、処理をステップS505へ戻して上述の処理を繰り返す。
【0055】
CPU20が、パルス信号を受信したと判断した場合(ステップS506:YES)、CPU20は、バーコード情報であると判断し、バーコード2の終わりを検出するために所定時間以上の無信号区間が存在するか否かを判断する(ステップS507)。
【0056】
実際の受光信号は、コンデンサ14を経由していることから、被検出物体3の端部及びバーコード2を貼付してある領域以外では信号が存在しない。図6は、被検出物体3が白い紙である場合の受光信号の例示図である。横軸に読み取る時刻(サンプリング点として表示)を示しているが、最初、被検出物体3の端部にてパルス信号が検出されてから、次の端部が検出されるまでの間は、バーコード2が貼付されていなければ全く受光波形が存在しない。したがって、バーコード2に対応する信号が検出された場合、その後の無信号区間の有無により、バーコード2が貼付されている領域を通過したか否かを判断することができる。
【0057】
図5に戻って、制御装置10のCPU20が、無信号区間が存在しないと判断した場合(ステップS507:NO)、CPU20は、処理をステップS505へ戻して上述の処理を繰り返す。
【0058】
CPU20が、無信号区間が存在すると判断した場合(ステップS507:YES)、CPU20は、バーコード2に相当するパルス信号をデコードして(ステップS508)、バーコード情報を取得する。デコードされたバーコード情報は、RAM17に記憶しても良いし、通信手段18を介して外部のコンピュータへ送信しても良い。
【0059】
CPU20は、デコードが成功したか否かを判断し(ステップS509)、CPU20が、デコードが失敗していると判断した場合(ステップS509:NO)、CPU20は、処理をステップS505へ戻して上述の処理を繰り返す。デコードが成功したか否かは、出力される信号が読み取ることができたバーコード情報であるか、正常に読み取ることができなかった旨を示す信号であるかで判断することができる。
【0060】
CPU20が、デコードが成功したと判断した場合(ステップS509:YES)、CPU20は、バーコード2の読み取りが終了したと判断して、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子に対向する場合にのみ光を出射させる出射タイミング1に再度設定し、発光素子11へ出射タイミング1にてオンオフ信号を送信する(ステップS510)。すなわち、図4(b)に示す出射タイミングで発光素子11を発光させるよう制御する。
【0061】
CPU20が、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS505:YES)、CPU20は、バーコード2が貼付されていない、読み取ることができない等と判断し、警告信号を外部へ送信して(ステップS511)、処理をステップS510へ進めて上述した処理を実行する。警告信号として送信する情報は、テキストデータを含むメッセージ情報に限定されるものではなく、例えば入出力インタフェース21を介して表示用LEDに警告メッセージを表示させても良いし、エラーコードを表示させても良い。
【0062】
なお、デコード処理にて、バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断する方法は特に限定されるものではない。例えば、バーコード2の両端部に存在する無信号区間を検出することができたか否か、バーコード2のスタート信号/エンド信号を検出することができたか否か、バーコード情報として含まれていることが既知である情報が含まれていたか否か等のいずれか、又はこれらの組み合わせで判断する。
【0063】
以上のように本実施の形態1によれば、バーコード2が検出されていない場合には、発光素子11が光を出射する間隔を長くすることができ、発光素子11の寿命を少しでも長くすることができるとともに、消費電力を低減することが可能となる。また、バーコード情報を正常に読み取ることができなかった場合には警告信号を発することができ、再読み取り等の事後処理を円滑に実行することが可能となる。
【0064】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置1の構成は、実施の形態1と同様であることから、同一の符号を付することにより詳細な説明は省略する。図7は、本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置1の制御装置10の構成を示すブロック図である。図7に示すように本実施の形態2に係るバーコード読取装置1の制御装置10は、少なくともCPU(中央演算装置)20、RAM17、通信手段18及び上述したハードウェアを接続する内部バス19で構成されている。CPU20は、内部バス19を介して制御装置10の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、RAM17に記憶されているコンピュータプログラムに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。RAM17は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラムの実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラムの実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0065】
制御装置10のCPU20は、受光信号取得手段201、微分処理手段203と、フィルタ処理手段204と、二値化処理手段205とを有する信号処理手段202、デコード手段206、出射間隔制御手段207、検出手段210及び閾値設定手段209を含み、これらの処理動作を制御する。以下、実施の形態1と同一の機能を有する構成については同一の符号を付することにより詳細な説明は省略する。
【0066】
出射間隔制御手段207は、発光素子11へのオンオフ信号の送信間隔、及びポリゴンミラー12の回転速度等の指示信号の設定を制御する。本実施の形態2に係るバーコード読取装置1では、読取対象となるバーコード2が貼付されている被検出物体3の存在を検出することができるよう、被検出物体3を検出するまで、発光素子11の出射頻度を低減し、かつ出射光を点滅光とするよう制御する点で実施の形態1とは相違する。
【0067】
検出手段210は、受光信号の強度が所定の閾値より大きい場合に、被検出物体3の存在を検出する。本実施の形態2では、発光素子11の出射頻度を低減するだけではなく、出射光が点滅光となるよう発光素子11への指示信号を制御していることから、バーコード2が付されている被検出物体3の表面であっても、受光信号に変動が生じる。したがって、被検出物体3の存在を検出するまで発光素子11の出射頻度を低減した点滅光とし、バーコード2が貼付されている被検出物体3の存在を検出した時点で通常の出射頻度へ戻している。なお、「通常の出射頻度」とは、各スキャンにおいて、発光素子11から出射光を出射することを意味している。
【0068】
閾値設定手段209は、受光信号を受け付けたか否かを判断するための基準となる閾値を設定する。すなわち、検出手段210が、受光素子13の受光信号の強度が所定の閾値より大きい受光信号を受け付けたと判断する基準となる閾値を設定する。
【0069】
ここで、被検出物体3の種類によって、受光素子13の受光信号の強度は大きく相違する。例えば白い紙である場合には光の反射が大きく、受光信号の強度が大きくなるのに対し、同じ白い紙でも材質がダンボールである場合には若干受光信号の強度が小さくなる。また、黒い紙である場合には光の反射自体が小さくなることから、受光信号の強度が小さくなる。これら被検出物体3の相違による受光信号の強度の大小によらずバーコード2の存在を検出するためには、判断基準となる閾値を被検出物体3が通過する背景部分に応じて変更することが望ましい。
【0070】
そこで、閾値設定手段209では、入出力インタフェース21を介して、例えばボタンを押す回数に応じて周期的に複数の閾値を順次設定する等の操作を受け付けることにより、被検出物体3の背景部分での受光信号の強度の変動を考慮して閾値を設定することで、被検出物体3を確実に検出することが可能となる。また、別の閾値の設定方法としては、バーコード読取装置1を背景に向け、図示しない装置本体に設けられる自動閾値設定ボタンを押下した場合に、発光素子11から出射された光が背景にて反射された反射光を受光素子13にて受光し、背景にて反射された反射光の受光結果に基づいて、背景からの受光量より若干大きい値を自動的に閾値として設定させる方法、同様に、最初に背景にバーコード読取装置1を向け自動閾値設定ボタンを押下し、背景からの受光量を記憶させておき、次に被検出物体3にバーコード読取装置1を向け再度自動閾値設定ボタンを押下し、被検出物体3からの受光量を記憶させ、背景からの受光量と被検出物体3からの受光量との間の値に自動的に閾値を設定させる方法等がある。
【0071】
以下、上述した構成のバーコード読取装置1の動作の流れについて説明する。本実施の形態2に係るバーコード読取装置1では、上述したように、読取対象となるバーコード2の存在を検知するまでは、発光素子11の出射頻度を低減した点滅光としている点に特徴を有している。発光素子11へのオンオフ信号の送信タイミングを変更するべく、制御装置10は、RAM17に発光素子11へのオンオフ信号の送信タイミングに関する情報を記憶しておく。
【0072】
図8は、RAM17に記憶されるオンオフ信号の送信タイミングに関する情報のデータ構成の例示図である。図8の例では、オンオフ信号の送信タイミングを、正八角柱であるポリゴンミラー12が一回転する間に均等に出射する回数として記憶してある。出射回数が‘1’であるということは、八面のうち一面が発光素子11に対向した場合にのみ光を出射するようオンオフ信号を送信することを意味しており、出射回数が増えるということは、ポリゴンミラー12が一回転する間に光が出射されるタイミングが増えることを意味している。出射回数ごとにモードを識別するモードID及び点滅の有無に関する情報と対応付けて記憶しておき、CPU20が選択を受け付けたモードIDに基づいて出射タイミングを決定する。なお、図8の例では、オンオフ信号の送信タイミングを、正八角柱であるポリゴンミラー12が一回転する間に均等に出射する回数として記憶しているが、実施の形態1と同様、特に一回転ごとに限定されるものではなく、複数回転ごとに一回出射しても良い。
【0073】
図9は、ポリゴンミラー12が正八角柱である場合の出射タイミングを示す模式図である。図9中の番号は、ポリゴンミラー12の各面を便宜的に示した番号であり、第一面が発光素子11と対向している場合を‘1’、第二面が発光素子11と対向している場合を‘2’、・・・というように番号を順次示している。ハッチング領域は、制御装置10のCPU20が、発光素子11にオン信号、すなわち発光を指示する信号を送信している時間帯を示している。
【0074】
図9(a)は、実施の形態1に係るバーコード読取装置での出射タイミングを示す模式図である。実施の形態1では、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子11に対向した場合にのみ発光素子11が発光するよう制御している。すなわち、第一面が発光素子11に対向する場合には、制御装置10のCPU20が発光素子11へ発光を指示するオン信号を送信するが、他の七面が発光素子11に対向する場合には、オン信号を送信しない。なお、実施の形態1と同様、境界部分にマージン部分として発光しない時間帯を設けており、従来と同様、一つの面当たりで発光することが可能な時間は略2msecであるが、マージンを加えることにより実際に出射される時間(ハッチング領域)は略1.3msecとなっている。
【0075】
図9(b)は、実施の形態2に係るバーコード読取装置1での出射タイミングを示す模式図である。実施の形態2では、実施の形態1と同様、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子11に対向した場合にのみ発光素子11が発光するよう制御している。しかし、発光素子11の発光を点滅させるよう、オンオフ信号を短周期で繰り返し送信している点で実施の形態1と相違する。このように、発光素子11を点滅させることにより、被検出物体3の端部でしか生じないパルス信号が被検出物体3の全面にて検出することができる。
【0076】
図10は、本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置1での被検出物体3の種類別の受光信号の例示図である。図10(a)は、被検出物体3が黒色の暗幕である場合の受光信号の例示図であり、図10(b)は、被検出物体3がダンボール紙である場合の受光信号の例示図であり、図10(c)は、被検出物体3が白色の紙である場合の受光信号の例示図である。
【0077】
図10(a)のように、被検出物体3が黒色である場合には、光を吸収する度合いが大きく、反射光の強度が小さい。それに対して、図10(c)のように、被検出物体3が白色である場合には、光を吸収する度合いが小さく、反射光の強度が大きくなっていることがわかる。また、色が白色であっても、図10(b)のように材質がダンボール紙である場合には、普通紙の場合よりも反射光の強度が小さくなっている。
【0078】
このように、本実施の形態2では、発光素子11を点滅させることにより、実施の形態1では検出することができなかった被検出物体3の反射光強度を確実に検出することができる。また、背景部分を例えば暗幕等の黒い色にすることで、閾値を低く設定することができ、被検出物体3の反射率によらず、確実に被検出物体3を検出することが可能となる。
【0079】
図11は、本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置1の制御装置10のCPU20の処理手順を示すフローチャートである。図11において、「出射タイミング3」とは、図9(b)に示す本実施の形態2の出射タイミングであり、ポリゴンミラー12の一面のみにて発光素子11からの点滅光を反射するよう発光素子11に対して断続的なオンオフ信号を送信する。「出射タイミング2」とは、図4(a)に示す従来の出射タイミングであり、ポリゴンミラー12の各面にて発光素子11からの光を反射するよう発光素子11に対してオン信号を送信する。
【0080】
図11において、制御装置10のCPU20は、閾値の設定を受け付け(ステップS1101)、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子11に対向する場合にのみ点滅するよう光を出射させる出射タイミング3に設定し、発光素子11へ出射タイミング3にてオンオフ信号を送信する(ステップS1102)。すなわち、図9(b)に示す出射タイミングで発光素子11を発光させるよう制御する。
【0081】
CPU20は、受光素子13が受光した反射光に相当する受光信号をパルス信号として受信したか否かを判断し(ステップS1103)、CPU20が受信していないと判断した場合(ステップS1103:NO)、CPU20は、受信待ち状態となる。CPU20が受信したと判断した場合(ステップS1103:YES)、CPU20は、受信したパルス信号の極大値が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS1104)。CPU20が、所定の閾値より小さいと判断した場合(ステップS1104:NO)、CPU20は、処理をステップS1103へ戻して上述の処理を繰り返す。
【0082】
CPU20が、所定の閾値より大きいと判断した場合(ステップS1104:YES)、CPU20は、バーコード2を検出したと判断して、ポリゴンミラー12の各面が発光素子11に対向する場合にすべて光を出射させる出射タイミング2に設定して、発光素子11へ出射タイミング2にてオンオフ信号を送信する(ステップS1105)。すなわち、図4(a)に示す従来の出射タイミングで発光素子11を発光させるよう制御する。
【0083】
CPU20は、所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS1106)、CPU20が、所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS1106:NO)、CPU20は、バーコードを読み取った受光信号であるパルス信号を受信したか否かを判断する(ステップS1107)。CPU20が、パルス信号を受信していないと判断した場合(ステップS1107:NO)、CPU20は、処理をステップS1106へ戻して上述の処理を繰り返す。
【0084】
CPU20が、パルス信号を受信したと判断した場合(ステップS1107:YES)、CPU20は、バーコード情報であると判断し、バーコード2の終わりを検出するために所定時間以上の無信号区間が存在するか否かを判断する(ステップS1108)。
【0085】
実際の受光信号は、コンデンサ14を経由していることから、被検出物体3の端部及びバーコード2を貼付してある領域以外では信号が存在しない。したがって、バーコード2に対応する信号が検出された場合、その後の無信号区間の有無により、バーコード2が貼付されている領域を通過したか否かを判断することができる。
【0086】
CPU20が、無信号区間が存在しないと判断した場合(ステップS1108:NO)、CPU20は、処理をステップS1106へ戻して上述の処理を繰り返す。
【0087】
CPU20が、無信号区間が存在すると判断した場合(ステップS1108:YES)、CPU20は、バーコード2に相当するパルス信号をデコードして(ステップS1109)、バーコード情報を取得する。デコードされたバーコード情報は、RAM17に記憶しても良いし、通信手段18を介して外部のコンピュータへ送信しても良い。
【0088】
CPU20は、デコードが成功したか否かを判断し(ステップS1110)、CPU20が、デコードが失敗していると判断した場合(ステップS1110:NO)、CPU20は、処理をステップS1106へ戻して上述の処理を繰り返す。デコードが成功したか否かは、出力される信号が読み取ることができたバーコード情報であるか、正常に読み取ることができなかった旨を示す信号であるかで判断することができる。
【0089】
CPU20が、デコードが成功したと判断した場合(ステップS1110:YES)、CPU20は、バーコード2の読み取りが終了したと判断して、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子11に対向する場合にのみ点滅するよう光を出射させる出射タイミング3に再度設定し、発光素子11へ出射タイミング3にてオンオフ信号を送信する(ステップS1111)。すなわち、図9(b)に示す出射タイミングで発光素子11を発光させるよう制御する。
【0090】
CPU20が、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS1106:YES)、CPU20は、バーコード2が貼付されていない、読み取ることができない等と判断し、警告信号を外部へ送信して(ステップS1112)、処理をステップS1111へ進めて上述の処理を実行する。警告信号として送信する情報は、テキストデータを含むメッセージ情報に限定されるものではなく、例えば入出力インタフェース21を介して表示用LEDに警告メッセージを表示させても良いし、エラーコードを表示させても良い。
【0091】
なお、デコード処理にて、バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断する方法は特に限定されるものではない。例えば、バーコード2の両端部に存在する無信号区間を検出することができたか否か、バーコード2のスタート信号/エンド信号を検出することができたか否か、バーコード情報として含まれていることが既知である情報が含まれていたか否か等のいずれか、又はこれらの組み合わせで判断する。
【0092】
以上のように本実施の形態2によれば、発光素子11を点滅させることにより、被検出物体3の表面をスキャンする場合であっても受光信号を検出することができる。そして、検出した受光信号の強度に応じて、バーコード2を検出するために適当な閾値を容易に特定することができ、バーコード2が付された被検出物体3が連続的にスキャン領域へ移動する場合であっても、バーコード2を確実に検出してデコード処理することが可能となる。
【0093】
また、実施の形態1と比較して、バーコード2を直接検出するまで、ポリゴンミラー12の所定の一面が発光素子11に対向した場合にのみ発光素子11が点滅して発光するよう制御することにより、ポリゴンミラー12の各面にて発光素子11からの光を反射するよう発光素子11に対してオンオフ信号を送信する時間帯が狭いことから、より発光素子11の寿命を延伸させることができ、消費電力をより低減することが可能となる。
【0094】
なお、上述した実施の形態1及び2では、ミラー機構として正八角柱形状のポリゴンミラー12を用いているが、ミラー機構として上述のポリゴンミラー12に限定されるものではなく、例えば光の出射角度を変更することができるガルバノミラーであっても良い。この場合であっても、発光素子11の出射タイミングを同様に制御することにより、同等の効果を奏することができる。
【0095】
その他、本発明は上記実施の形態1及び2に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変形、置換等が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施の形態1に係るバーコード読取装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るバーコード読取装置の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】RAMに記憶されるオンオフ信号の送信タイミングに関する情報のデータ構成の例示図である。
【図4】ポリゴンミラーが正八角柱である場合の出射タイミングを示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るバーコード読取装置の制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】被検出物体が白い紙である場合の受光信号の例示図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】RAMに記憶されるオンオフ信号の送信タイミングに関する情報のデータ構成の例示図である。
【図9】ポリゴンミラーが正八角柱である場合の出射タイミングを示す模式図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置での被検出物体の種類別の受光信号の例示図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係るバーコード読取装置の制御装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0097】
1 バーコード読取装置
2 バーコード
3 被検出物体
10 制御装置
11 発光素子
12 ポリゴンミラー(ミラー機構)
13 受光素子
14 コンデンサ
15 増幅回路
16 A/D変換器
17 RAM
18 通信手段
19 内部バス
20 CPU
21 入出力インタフェース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する発光素子と、
バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、
該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置において、
前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構と、
前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御する出射間隔制御手段と、
前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードを検出するバーコード検出手段と
を備え、
前記出射間隔制御手段は、前記バーコード検出手段で前記バーコードが検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記バーコード検出手段で前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射するよう制御することを特徴とするバーコード読取装置。
【請求項2】
前記バーコード検出手段は、前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記バーコードを検出したか否かを特定するようにしてあり、
前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することが可能な閾値変更手段を備えることを特徴とする請求項1記載のバーコード読取装置。
【請求項3】
前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、
前記出射間隔制御手段は、前記バーコード検出手段で前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2記載のバーコード読取装置。
【請求項4】
光を出射する発光素子と、
バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、
該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置において、
前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構と、
前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御する出射間隔制御手段と、
前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードが付されている前記被検出物体を検出する検出手段と
を備え、
前記出射間隔制御手段は、前記検出手段で前記被検出物体が検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記検出手段で前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射するよう制御することを特徴とするバーコード読取装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記被検出物体を検出したか否かを特定するようにしてあり、
前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することが可能な閾値変更手段を備えることを特徴とする請求項4記載のバーコード読取装置。
【請求項6】
前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、
前記出射間隔制御手段は、前記検出手段で前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射するようにしてあることを特徴とする請求項4又は5記載のバーコード読取装置。
【請求項7】
前記出射間隔制御手段が、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するようにしてから、所定の時間が経過したか否かを判断する時間判断手段と、
該時間判断手段で所定の時間が経過したと判断した場合、前記バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断する読取判断手段と、
該読取判断手段で正常に読み取ることができなかったと判断した場合、所定の警告信号を外部へ送出する警告手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のバーコード読取装置。
【請求項8】
光を出射する発光素子と、
バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、
該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置で実行することが可能なバーコード読取方法において、
前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構を用い、
前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御し、
前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードを検出し、
前記バーコードが検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射するよう制御することを特徴とするバーコード読取方法。
【請求項9】
前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記バーコードを検出したか否かを特定するようにしてあり、
前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することを特徴とする請求項8記載のバーコード読取方法。
【請求項10】
前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、
前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射することを特徴とする請求項8又は9記載のバーコード読取方法。
【請求項11】
光を出射する発光素子と、
バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、
該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置で実行することが可能なバーコード読取方法において、
前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構を用い、
前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御し、
前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードが付されている前記被検出物体を検出し、
前記被検出物体が検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射するよう制御することを特徴とするバーコード読取方法。
【請求項12】
前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記被検出物体を検出したか否かを特定するようにしてあり、
前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することを特徴とする請求項11記載のバーコード読取方法。
【請求項13】
前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、
前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射することを特徴とする請求項11又は12記載のバーコード読取方法。
【請求項14】
前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するようにしてから、所定の時間が経過したか否かを判断し、
所定の時間が経過したと判断した場合、前記バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断し、
正常に読み取ることができなかったと判断した場合、所定の警告信号を外部へ送出することを特徴とする請求項8乃至13のいずれか一項に記載のバーコード読取方法。
【請求項1】
光を出射する発光素子と、
バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、
該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置において、
前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構と、
前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御する出射間隔制御手段と、
前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードを検出するバーコード検出手段と
を備え、
前記出射間隔制御手段は、前記バーコード検出手段で前記バーコードが検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記バーコード検出手段で前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射するよう制御することを特徴とするバーコード読取装置。
【請求項2】
前記バーコード検出手段は、前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記バーコードを検出したか否かを特定するようにしてあり、
前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することが可能な閾値変更手段を備えることを特徴とする請求項1記載のバーコード読取装置。
【請求項3】
前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、
前記出射間隔制御手段は、前記バーコード検出手段で前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2記載のバーコード読取装置。
【請求項4】
光を出射する発光素子と、
バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、
該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置において、
前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構と、
前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御する出射間隔制御手段と、
前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードが付されている前記被検出物体を検出する検出手段と
を備え、
前記出射間隔制御手段は、前記検出手段で前記被検出物体が検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記検出手段で前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射するよう制御することを特徴とするバーコード読取装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記被検出物体を検出したか否かを特定するようにしてあり、
前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することが可能な閾値変更手段を備えることを特徴とする請求項4記載のバーコード読取装置。
【請求項6】
前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、
前記出射間隔制御手段は、前記検出手段で前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射するようにしてあることを特徴とする請求項4又は5記載のバーコード読取装置。
【請求項7】
前記出射間隔制御手段が、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するようにしてから、所定の時間が経過したか否かを判断する時間判断手段と、
該時間判断手段で所定の時間が経過したと判断した場合、前記バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断する読取判断手段と、
該読取判断手段で正常に読み取ることができなかったと判断した場合、所定の警告信号を外部へ送出する警告手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のバーコード読取装置。
【請求項8】
光を出射する発光素子と、
バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、
該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置で実行することが可能なバーコード読取方法において、
前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構を用い、
前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御し、
前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードを検出し、
前記バーコードが検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で光を出射するよう制御することを特徴とするバーコード読取方法。
【請求項9】
前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記バーコードを検出したか否かを特定するようにしてあり、
前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することを特徴とする請求項8記載のバーコード読取方法。
【請求項10】
前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、
前記バーコードが検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射することを特徴とする請求項8又は9記載のバーコード読取方法。
【請求項11】
光を出射する発光素子と、
バーコードが付された被検出物体からの反射光を受光する受光素子と、
該受光素子の受光信号に基づいてバーコード情報を取得するバーコード読取装置で実行することが可能なバーコード読取方法において、
前記発光素子から出射された光の出射方向を変更するミラー機構を用い、
前記発光素子から光を出射させる時期を前記ミラー機構の動作と同期させて制御し、
前記受光素子の受光信号に基づいて前記バーコードが付されている前記被検出物体を検出し、
前記被検出物体が検出されている場合、前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するよう制御し、前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が複数スキャンに一回の割合で点滅光を出射するよう制御することを特徴とするバーコード読取方法。
【請求項12】
前記受光素子の受光信号の強度が所定の閾値より大きいか否かに応じて前記被検出物体を検出したか否かを特定するようにしてあり、
前記バーコードが付された被検出物体の背景部分の反射率に応じて、前記所定の閾値を変更することを特徴とする請求項11記載のバーコード読取方法。
【請求項13】
前記ミラー機構は、多角柱の各面で光を反射することが可能なポリゴンミラーであり、
前記被検出物体が検出されていない場合、前記発光素子が前記ポリゴンミラーの一部の面でのみ光を反射するよう出射することを特徴とする請求項11又は12記載のバーコード読取方法。
【請求項14】
前記発光素子が一スキャンする都度光を出射するようにしてから、所定の時間が経過したか否かを判断し、
所定の時間が経過したと判断した場合、前記バーコード情報を正常に読み取ることができたか否かを判断し、
正常に読み取ることができなかったと判断した場合、所定の警告信号を外部へ送出することを特徴とする請求項8乃至13のいずれか一項に記載のバーコード読取方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−259058(P2009−259058A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−108392(P2008−108392)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]