パイプ接続構造及びパイプ構造物
【課題】パイプを容易に接続又は分離することができるだけでなく、意識的に分離しようとしない限りは一旦接続したパイプが容易に分離しないパイプ接続構造を提供する。
【解決手段】第一パイプ10の接続端部を第二パイプ20の接続端部に挿入することにより、第一パイプ10と第二パイプ20とを中心軸方向に接続するパイプ接続構造において、第一パイプ10の接続端部の外周面に突起11を設け、第二パイプ20の接続端部に突起11を内側から嵌め込んで係止するための係止穴21を設け、突起11における前側の上面を前方から後方に向かって高くなる傾斜面11aとし、係止穴21に突起11が係止されて互いに接続された第一パイプ10と第二パイプ20とを捩り始めた際に、係止穴21の内側の開口縁が傾斜面11aの外縁に接触して突起11が内側に押し下げるようにした。
【解決手段】第一パイプ10の接続端部を第二パイプ20の接続端部に挿入することにより、第一パイプ10と第二パイプ20とを中心軸方向に接続するパイプ接続構造において、第一パイプ10の接続端部の外周面に突起11を設け、第二パイプ20の接続端部に突起11を内側から嵌め込んで係止するための係止穴21を設け、突起11における前側の上面を前方から後方に向かって高くなる傾斜面11aとし、係止穴21に突起11が係止されて互いに接続された第一パイプ10と第二パイプ20とを捩り始めた際に、係止穴21の内側の開口縁が傾斜面11aの外縁に接触して突起11が内側に押し下げるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本のパイプを中心軸方向に接続するためのパイプ接続構造と、該パイプ接続構造を有する複数本のパイプを接続して組み立てられた看板用スタンドなどのパイプ構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、その日のお薦めメニューや特売品などの情報を手描きしたシートやボードを店頭でよく目にするようになった。この種の広告は、POP(Point of purchase advertising)広告と呼ばれており、単純ではあるが、店の個性を表現しやすく、その店の売り上げに大きな影響を及ぼすと言われている。POP広告に使用されるシートやボードは、「マルチPOPスタンド」と呼ばれる看板用スタンドに取り付けられて店頭に置かれることが多い。この種の看板用スタンドは、各種のものが提案されている(例えば、特許文献1〜3)。しかし、その殆どは、組み立てにボルトや螺子を要するものであったため、組み立てが容易なものとはなっていなかった。
【0003】
このような実状に鑑みてか、これまでには、複数本のパイプを接続することによって形成され、互いに接続される一対のパイプの接続箇所に突起や係止穴を設けることにより、組み立てを容易に行えるようにした看板用スタンド(例えば、特許文献4)も提案されている。しかし、これらの看板用スタンドで考慮されているのは、組み立ての容易さのみであり、その分解の容易さまで意識して開発されたものは見当たらなかった。例えば、特許文献4の図5や図13の例では、それを分解する際にはピンを引き抜くという作業が必要となるし、同文献の図8の例では、それを分解する際に一対のパイプを離反する方向に強い力で引っ張る必要がある。
【0004】
複数本のパイプを接続して組み立てられるパイプ構造物は、上述した看板用スタンドの他にも、ラックやハンガーなど様々のものがあり、それに採用されているパイプ接続構造も様々である。しかし、組み立てが容易であるだけでなく、分解も容易であるにもかかわらず、使用時や運搬時にパイプが簡単に外れない、という3つの条件を兼ね備えたパイプ接続構造は見当たらなかった。
【0005】
例えば、特許文献5には、複数本のパイプを接続して組み立てられるラックであって、互いに接続される一対のパイプのうち一方のパイプの接続端部における外周面に雄螺子を、他方のパイプにおける接続端部の内周面に雌螺子を形成したものが提案されている。しかし、特許文献5のラックのように、螺合によってパイプを接続するものにおいては、組み立てや分解を行う際に、いずれかのパイプを他のパイプに対して何回も回転させなければならず、組み立てや分解が容易に行えないという欠点がある。
【0006】
また、特許文献6には、複数本のパイプを接続して組み立てられるハンガーであって、互いに接続される一対のパイプのうち、一方のパイプの接続端部に内側に折り返された被係止部を形成し、他方のパイプの接続端部における内周面に前記被係止部に係止するための係止部(係止爪)を形成したものが提案されている。しかし、特許文献6のハンガーのように、パイプの内側に設けた係止爪をパイプの内側に設けた被係止部に係止することによってパイプを接続するものにおいては、パイプを一旦接続すると、係止爪を被係止部から外すことが困難で、分解が容易ではないという欠点がある。
【0007】
さらに、特許文献7には、複数本のパイプを接続して組み立てられるラックであって、互いに接続される一対のパイプのうち一方のパイプの端部に他方のパイプの内側に挿入するための複数の挿入片を形成し、該複数の挿入片を前記他方のパイプの内周面に弾性的に接触させるようにしたものが記載されている。しかし、特許文献7のラックのように、パイプの接続端部に設けた挿入片の弾性力のみによってパイプを接続するものは、組み立てや分解は容易であるものの、パイプの接続強度が不十分で、使用時や運搬時にパイプが簡単に外れてしまいやすいという欠点がある。
【0008】
さらにまた、特許文献8〜10には、複数本のパイプを接続して組み立てられる掃除具やラックであって、互いに接続される一対のパイプの間に別部材を介在させ、該別部材に設けた突起をそれぞれのパイプの接続端部に設けた係止穴に嵌め込んで係止させることにより、一対のパイプを接続するようにしたものが提案されている。しかし、特許文献8〜10の掃除具やラックのように、別部材に設けた突起によってパイプを接続するものは、別部材を使用する分、組み立てや分解が複雑になるという欠点がある。また、分解する際には、突起を係止穴から抜け出る方向に指などで押さえながら、パイプを引き抜くという作業が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−202776号公報
【特許文献2】特開2003−050557号公報
【特許文献3】特開2008−040148号公報
【特許文献4】特開2004−053911号公報
【特許文献5】実登第3017706号公報
【特許文献6】実開平08−001359号公報
【特許文献7】特開2001−254710号公報
【特許文献8】特開2001−355615号公報
【特許文献9】実登第3075346号公報
【特許文献10】実登第3116271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、一対のパイプを容易に接続できるだけでなく、分離することも容易であり、しかも、意識的に分離しようとしない限りは一旦接続した一対のパイプが容易に分離しないパイプ接続構造を提供するものである。また、容易に組み立てることができるだけでなく、分解も容易でありながら、意識的に分解しようとしない限りは容易に分解することのできない、看板用スタンドなどのパイプ構造物を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は、第一パイプの接続端部を第二パイプの接続端部に挿入することにより、第一パイプと第二パイプとを中心軸方向に接続するパイプ接続構造であって、第一パイプの接続端部の外周面に突起が設けられ、第二パイプの接続端部に前記突起を内側から嵌め込んで係止するための係止穴が設けられ、前記突起における前側の上面が前方から後方に向かって高くなる傾斜面とされ、前記係止穴に前記突起が係止されて互いに接続された第一パイプと第二パイプとを捩り始めた際に、前記係止穴の内側の開口縁が前記傾斜面の外縁に接触して前記突起を内側に押し下げるようにしたことを特徴とするパイプ接続構造を提供することによって解決される。
【0012】
ここで、「第一パイプ」と「第二パイプ」という語は、ある1つの接続箇所において互いに接続される2本のパイプを区別するために使用したものであり、3本以上のパイプを接続して組み立てられたパイプ構造物においては、「第一パイプ」と「第二パイプ」は、峻別されるものではない。すなわち、一端側においては「第一パイプ」であっても、他端側においては「第二パイプ」ということもある。また、「第一パイプ」と「第二パイプ」は、真っ直ぐな円筒状のものに限定されず、折れ曲がったものや、湾曲したものや、分岐したものなども含むものとする。さらに、「第一パイプ」と「第二パイプ」は、全体が中空なものに限定されず、少なくともその接続端部が中空であれば、他の部分に中実な部分があってもよいものとする。さらにまた、「前側」、「後側」、「前方」又は「後方」における「前」と「後」という語は、第一パイプを挿入する向きを基準としたものである。すなわち、第一パイプから第二パイプに向かう側(図1におけるy軸方向負側)を「前」としており、第二パイプから第一パイプへ向かう側(図1におけるy軸方向正側)を「後」としている。
【0013】
本発明のパイプ接続構造において、第一パイプにおける前記突起の周辺に、前記突起が押し下げられやすくするためのスリットを形成することも好ましい。これにより、第一パイプと第二パイプの接続や分離をさらに操作性よく行うことが可能になる。また、前記突起や前記係止穴の形状は、所望の作用効果を得ることができるのであれば特に限定されず、多角柱など、複雑な形状としてもよいが、前記突起を略円柱状に形成して前記傾斜面を略半円形に形成するとともに、前記係止穴における前記開口縁を略円形に形成することも好ましい。これにより、前記突起や前記係止穴を容易に成形して第一パイプや第二パイプの製造コストを抑えるだけでなく、第一パイプと第二パイプの分離をさらに操作性よく行うことも可能になる。
【0014】
ところで、上記課題は、第一パイプの接続端部を第二パイプの接続端部に挿入することにより、第一パイプと第二パイプとを中心軸方向に接続するパイプ接続構造であって、第二パイプの接続端部の内周面に突起が設けられ、第一パイプの接続端部に前記突起を外側から嵌め込んで係止するための係止穴が設けられ、前記突起における後側の上面が後方から前方に向かって高くなる傾斜面とされ、前記係止穴に前記突起が係止されて互いに接続された第一パイプと第二パイプとを捩り始めた際に、前記傾斜面の外縁が前記係止穴の外側の開口縁に接触して前記係止穴を内側に押し下げるようにしたことを特徴とするパイプ接続構造を提供することによっても解決される。このパイプ接続構造は、上述したパイプ接続構造と、突起と係止穴の位置関係が逆のものとなっている。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によって、一対のパイプを容易に接続できるだけでなく、分離することも容易であり、しかも、意識的に分離しようとしない限りは一旦接続した一対のパイプが容易に分離しないパイプ接続構造を提供することが可能になる。また、容易に組み立てることができるだけでなく、分解も容易でありながら、意識的に分解しようとしない限りは容易に分解することのできない、看板用スタンドなどのパイプ構造物を提供することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のパイプ接続構造を用いて接続される第一パイプと第二パイプにおける接続端部を拡大した斜視図である。
【図2】図1における第一パイプの接続端部を拡大した斜視図である。
【図3】図1における第一パイプの接続端部を拡大した平面図である。
【図4】図1における第一パイプの接続端部を拡大した正面図である。
【図5】図1における第一パイプの接続端部を拡大した側面図である。
【図6】図1における第二パイプの接続端部を拡大した斜視図である。
【図7】本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプと第二パイプにおける接続端部を拡大した斜視図である。
【図8】本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプと第二パイプにおける接続端部を、突起と係止穴の位置関係が分かるように破断して拡大した斜視図である。
【図9】本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプと第二パイプにおける接続端部を、第一パイプ及び第二パイプの中心軸に垂直な面で切断して拡大した断面図である。
【図10】本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプと第二パイプにおける接続端部を、第一パイプ及び第二パイプの中心軸を通る面で切断して拡大した断面図である。
【図11】本発明の他の実施態様のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプと第二パイプにおける接続端部を、第一パイプ及び第二パイプの中心軸を通る面で切断して拡大した断面図である。
【図12】本発明のパイプ接続構造を用いて組み立てられた側面視A字型の看板用スタンドを示した斜視図である。
【図13】本発明のパイプ接続構造を用いて組み立てられた平面視V字型の看板用スタンドを示した斜視図である。
【図14】本発明のパイプ接続構造を用いて組み立てられた平面視W字型の看板用スタンドを示した斜視図である。
【図15】図12〜14に示す看板用スタンドで用いた連結部材を拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.パイプ接続構造
本発明のパイプ接続構造の好適な実施態様について、図面を用いてより詳しく説明する。図1は、本発明のパイプ接続構造を用いて接続される第一パイプ10と第二パイプ20における接続端部を拡大した斜視図である。図2は、図1における第一パイプ10の接続端部を拡大した斜視図である。図3は、図1における第一パイプ10の接続端部を拡大した平面図である。図4は、図1における第一パイプ10の接続端部を拡大した正面図である。図5は、図1における第一パイプ10の接続端部を拡大した側面図である。図6は、図1における第二パイプ20の接続端部を拡大した斜視図である。図7は、本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプ10と第二パイプ20における接続端部を拡大した斜視図である。図8は、本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプ10と第二パイプ20における接続端部を、突起11と係止穴21の位置関係が分かるように破断して拡大した斜視図である。図9は、本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプ10と第二パイプ20における接続端部を、第一パイプ10及び第二パイプ20の中心軸に垂直な面で切断して拡大した断面図である。図10は、本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプ10と第二パイプ20における接続端部を、第一パイプ10及び第二パイプ20の中心軸を通る面で切断して拡大した断面図である。図8においては、図示の便宜上、図1などでは描いている「溝22」を省略している。
【0018】
本実施態様のパイプ接続構造は、図1と図7に示すように、第一パイプ10の接続端部を第二パイプ20の接続端部に挿入することにより、第一パイプ10と第二パイプ20とを中心軸方向に接続するためのものとなっている。第一パイプ10の接続端部の外径は、図9に示すように、第二パイプ20の接続端部の内径よりも小さく設定している。第一パイプ10の接続端部は、図5に示すように、第一パイプ10の接続端部先端に近づくにつれて細くなるように形成しており、第一パイプ10の接続端部を第二パイプ20の接続端部の内側へ容易に挿入することができるようになっている。
【0019】
第一パイプ10の接続端部の外周面には、図2〜5に示すように、該外周面から外方へ突出する略円柱形の突起11を設けている。一方、第二パイプ20の接続端部には、図6に示すように、第二パイプ20の管壁を内外に貫通する略円形の係止穴21を設けている。係止穴21の直径は、突起11の直径よりも僅かに大きく設定している。このため、突起11は、係止穴11に嵌め込むことが可能となっている。突起11は、第一パイプ10の接続端部を第二パイプ20の接続端部へ挿入した際に、突起11の上面が第二パイプ20の内周面から内側に押され、突起11が僅かに内側へ押し下げられる程度の高さに設定している。第一パイプ10における突起11の両脇には、図2と図3に示すように、第一パイプ10の接続端部先端から第一パイプ10の中心軸方向に延びる一対のスリット12を形成している。このスリット12によって、第一パイプ10の接続端部の弾性が向上し、突起11は、第一パイプ10の内側へより押し下げられやすくなっている。
【0020】
第一パイプ10の接続端部を第二パイプ20の接続端部に挿入し、突起11が第二パイプ20の内周面によって内側に押し下げられたままの状態で、第一パイプ10の挿入深さと回転角度を調節し、突起11と係止穴21の位置を合わせると、内側へ押し下げられていた突起11が、弾性によって元の位置(第二パイプ20の内周面によって押し込まれる前の位置)に復帰する。このため、突起11の上部は、図9と図10に示すように、係止穴21に内側から嵌め込まれ、係止穴21に係止された状態となる。この瞬間には、「カチッ」という係止音が発せられる。突起11が係止穴21に係止された状態にあっては、第一パイプ10と第二パイプ20は、互いに離反する向きに引っ張ったとしても分離することのない接続された状態となっている。
【0021】
ところで、本実施態様のパイプ接続構造においては、図10に示すように、第一パイプ10の外周面と第二パイプ20の内周面に、第一パイプ10の挿入深さを規制するための段差(破線囲み部β,γを参照)を設けている。このため、第一パイプ10は、第二パイプ20にある程度挿入すると、破線囲み部βや破線囲み部γで第二パイプ20に突き当たり、それ以上は挿入することができないようになっている。第二パイプ20に対して第一パイプ10を限界まで挿入したときの、第二パイプ20の接続端部先端から第一パイプ10の突起11までの深さ(図中のy軸に沿った距離)は、第二パイプ20の接続端部先端から係止穴21までの深さ(図中のy軸に沿った距離)と等しくなるように設定している。このため、第二パイプ20に対して第一パイプ10を限界まで挿入し、その後、第一パイプ10を第二パイプ20に対して適当に捩るという簡単な操作を行うだけで、突起11と係止穴21の位置を必ず一致させることができるようになっている。
【0022】
図10に示すように、突起11が係止穴21に係止されて第一パイプ10と第二パイプ20とが接続された状態にあっては、第一パイプ10と第二パイプ20とを離反する向きに引っ張ったとしても、破線囲み部αにおいて突起11の外周面が係止穴21の内周面に係止されるので、第一パイプ10と第二パイプ20とをそれ以上引っ張ることができないようになっている。また、第一パイプ10をその中心軸回りに回転しようとしても、図9に示すように、破線囲み部δにおいて突起11の外周面が係止穴21の内周面に係止されるので、後述するように、弱い力で捩っただけでは、第一パイプ10をそれ以上捩ることができないようになっている。
【0023】
以上のように、本実施態様のパイプ接続構造は、第一パイプ10を第二パイプ20に挿入して突起11と係止穴21の位置を合わせるという簡単な手作業のみで、第一パイプ10と第二パイプ20とを接続することができるものとなっている。
【0024】
また、本実施態様のパイプ接続構造においては、図5と図8に示すように、突起11における前側の上面を、前方から後方に向かって高くなる傾斜面11aとし、突起11における後側の上面を、高さが一定の水平面11bとしている。換言すると、突起11の上面における該上面を前後に二分する二分線P1P2よりも前方の略半円形の領域は、二分線P1P2に近づくにつれて高くなる傾斜面11aとなっており、突起11の上面における二分線P1P2よりも後方の略半円形の領域は、高さが一定の水平面11bとなっている。突起11は、図8に示すように、係止穴21に突起11が係止されて互いに接続された第一パイプ10と第二パイプ20とを捩り始めた際に、傾斜面11aの外縁に係止穴21の内側の開口縁が接触する高さに設定している。突起11をこのような形態とすることによって、図7に示す状態から第一パイプ10をある程度強い力でその中心軸回り(矢印A又は矢印Bの向き)に捩るだけで、突起11と係止穴21との係止状態を解除し、第一パイプ10と第二パイプ20とを分離することが可能になる。
【0025】
突起11と係止穴21の係止状態が解除される際の各部の動作について詳しく説明する。図7に示すように、係止穴21に突起11が係止されて第二パイプ20に接続された第一パイプ10を矢印Aの向きに捩り始めると、図8に示すように、係止穴21の内側の開口縁が、突起部11の傾斜面11aにおける外縁上の点Pに接触する。このとき、突起11は、第一パイプ10に加えられた捩る力によって、矢印Aの向きに移動を続けようとするものの、その傾斜面11aの外縁が係止穴21の前記開口縁に引っ掛かった状態となっているため、スムーズに移動することができない。このため、突起11は、その傾斜面11aの外縁における点Pで係止穴21の前記開口縁から内向きの押圧力を受けて第一パイプ10の内側に徐々に押し下げられていく。第一パイプ10が押し下げられるにつれて、傾斜面11aの外縁における前記開口縁との接触点Pは、矢印Fの向きに移動し、二分線P1P2の一端側の点P1に近づいていく。この間、第一パイプ10を操作する者の手には、矢印Aとは逆向きの抵抗力が感じられる。
【0026】
この抵抗力に逆らって、図8の状態から第一パイプ10をさらに捩り続けると、そのうち点Pが点P1に達し、係止穴21の内側の開口縁が突起11の傾斜面11aの外縁を係止できなくなる。したがって、突起11と係止穴21の係止状態が解除される。この瞬間には、「カチッ」という解除音が発せられる。突起11と係止穴21の係止状態が解除されると、突起11は、勢い余って第二パイプ20の内側に滑り込んでいく。この状態にあっては、第一パイプ10を第二パイプ20の内側でスムーズに動かすことができるようになっており、第一パイプ10を第二パイプ20から離反する向きに引っ張ることにより、第一パイプ10と第二パイプ20とを容易に分離することができる。
【0027】
このように、本実施態様のパイプ接続構造は、第一パイプ10を捩った後、第一パイプ10と第二パイプ20を離反する向きに引っ張るという簡単な手作業のみで、第一パイプ10と第二パイプ20とを分離することができるものとなっている。また、第一パイプ10をやや強めの力で意識的に捩らない限りは、突起11と係止穴21の係止状態が解除されないようになっているので、第一パイプ10と第二パイプ20とが意図せず分離してしまうという不具合を防ぐことができるものとなっている。
【0028】
ところで、傾斜面11aの傾斜角度θ(図5を参照)は、突起11や係止穴21の形状などによっても異なり、特に限定されない。しかし、傾斜角度θを小さくしすぎると、第一パイプ10を軽く捩っただけでも、突起11と係止穴21の係止状態が解除されるおそれがある。このため、傾斜角度θは、通常、5°以上とされる。傾斜角度θは、10°以上であると好ましく、15°以上であるとより好ましい。一方、傾斜角度θを大きくしすぎると、第一パイプ10を強く捩っても、突起11と係止穴21の係止状態を解除できなくなるおそれがある。このため、傾斜角度θは、通常、80°以下とされる。傾斜角度θは、60°以下であると好ましく、45°以下であるとより好ましく、30°以下であるとさらに好ましい。本実施態様のパイプ接続構造において、傾斜角度θは、約20°としている。
【0029】
また、突起11の上面を前後方向に亘る長さL(図5を参照)に対する傾斜面11aを前後方向に亘る長さLa(図5を参照)の比La/Lも、突起11や係止穴21の形状などによっても異なり、特に限定されない。しかし、比La/Lを小さくしすぎると、第一パイプ10や第二パイプ20の各部が上述したような動作をしにくくなるおそれがある。このため、比La/Lは、通常、0.1以上とされる。比La/Lは、0.2以上であると好ましく、0.3以上であるとより好ましく、0.4以上であるとさらに好ましい。本実施態様のパイプ接続構造において、比La/Lは、約0.5としている。
【0030】
2.他の実施態様
ここまでは、第一パイプ10に突起11を設け、第二パイプ20に係止穴21を設けた場合について説明したが、これと同様の作用効果は、突起11と係止穴21の位置関係を逆にしても得ることができる。図11は、本発明の他の実施態様のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプ10と第二パイプ20における接続端部を、第一パイプ10及び第二パイプ20の中心軸を通る面で切断して拡大した断面図である。図11に示すパイプ接続構造は、第一パイプ10の接続端部を第二パイプ20の接続端部に挿入することにより、第一パイプ10と第二パイプ20とを中心軸方向に接続する点では、図1〜10に示すパイプ接続構造と同様であるものの、以下の点で異なっている。
【0031】
すなわち、図11に示すパイプ接続構造では、第二パイプ20の接続端部の内周面に突起25が設けられ、第一パイプ10の接続端部に突起25を外側から嵌め込んで係止するための係止穴15が設けられ、突起25における後側の上面が後方から前方に向かって高くなる傾斜面25aとされている。このパイプ接続構造で接続された第一パイプ10と第二パイプ20とを捩り始めた際には、突起25の傾斜面25aの外縁が係止穴15の外側の開口縁に接触することにより、第一パイプ10における係止穴15の周辺が内側に押し下げられるようになっている。
【0032】
図11に示すパイプ接続構造において、突起25と係止穴15の係止状態が解除される際の第一パイプ10や第二パイプ20の各部の動作は、図1〜10のパイプ接続構造で説明した内容から自明であるために、説明を割愛する。図11に示すパイプ接続構造では、第一パイプ10における係止穴15の周辺に、第一パイプ10の係止穴15の周辺が内側に押し下げられやすくするためのスリット16(図1〜10に示すスリット12に相当)を形成するなど、図1〜10のパイプ接続構造で既に説明したものと同様の構成を採用することもできる。傾斜面25aの傾斜角度(図5のθに相当)や、突起25の上面を前後方向に亘る長さ(図5のLに相当)に対する傾斜面25aを前後方向に亘る長さ(図5のLaに相当)の比(図5のLa/Lに相当)についても、図1〜10のパイプ接続構造と同様である。
【0033】
3.パイプ構造物
続いて、本発明のパイプ接続構造の用途について説明する。本発明のパイプ接続構造は、各種のパイプ構造物に採用することができる。本発明のパイプ接続構造は、POP広告などの情報を記載した看板を掲示するための看板用スタンドや、照明を掲げるための照明用スタンドや、洗濯物を干すための物干用スタンドなど、スタンド類の他、組立式の家具のフレームや、ほうきやモップなどの柄など、様々なパイプ構造物に採用することができる。以下においては、特に好適である看板用スタンドを例に挙げて、本発明のパイプ構造物について説明する。図12は、本発明のパイプ接続構造を用いて組み立てられた側面視A字型の看板用スタンドを示した斜視図である。図13は、本発明のパイプ接続構造を用いて組み立てられた平面視V字型の看板用スタンドを示した斜視図である。図14は、本発明のパイプ接続構造を用いて組み立てられた平面視W字型の看板用スタンドを示した斜視図である。
【0034】
図12〜14に示す看板用スタンドはいずれも、上述した本発明のパイプ接続構造を有する複数本のパイプを接続して組み立てられたものとなっている。これらの看板用スタンドは、パイプに取り付けられた脚部材30によって、安定して設置することができるものとなっている。脚部材30は、図1に示すように、接地部31とパイプ把持部32とを備えたものとなっており、図7と図9に示すように、そのパイプ把持部32を第二パイプ20の接続端部の外周面に把持させて取り付けるものとなっている。パイプ把持部32の内周面には、図1と図9に示すように、前後方向に沿って複数本の溝33を形成しており、第二パイプ20の接続端部における外周面に前後方向に沿って設けた複数本の溝22と噛み合うようにしている。これにより、脚部材30がぐらつかないようにしながらも、必要なときには脚部材30を取り付ける角度を調節することが可能となっている。
【0035】
また、図12〜14に示す看板用スタンドにおいて、平行に隣り合うパイプは、それに取り付けられた連結部材40によって互いに連結されている。図15は、図12〜14に示す看板用スタンドで用いた連結部材40を拡大した斜視図である。連結部材40は、図15に示すように、並列に配された2つのパイプ把持部41が一体的に形成されたものとなっている。パイプ把持部41の内周面には、脚部材30のパイプ把持部32と同様、前後方向に沿って複数本の溝42を形成しており、第二パイプ20の接続端部における外周面に前後方向に沿って設けた複数本の溝22(図1と図9を参照)と噛み合うようにしている。これにより、連結部材40がぐらつかないようにしながらも、必要なときには各看板用スタンドの開き角度を調節することが可能となっている。
【符号の説明】
【0036】
10 第一パイプ
11 突起
11a 傾斜面
11b 水平面
12 スリット
15 係止穴
16 スリット
20 第二パイプ
21 係止穴
22 溝
25 突起
25a 傾斜面
30 脚部材
31 接地部
32 パイプ把持部
33 溝
40 連結部材
41 パイプ把持部
42 溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本のパイプを中心軸方向に接続するためのパイプ接続構造と、該パイプ接続構造を有する複数本のパイプを接続して組み立てられた看板用スタンドなどのパイプ構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、その日のお薦めメニューや特売品などの情報を手描きしたシートやボードを店頭でよく目にするようになった。この種の広告は、POP(Point of purchase advertising)広告と呼ばれており、単純ではあるが、店の個性を表現しやすく、その店の売り上げに大きな影響を及ぼすと言われている。POP広告に使用されるシートやボードは、「マルチPOPスタンド」と呼ばれる看板用スタンドに取り付けられて店頭に置かれることが多い。この種の看板用スタンドは、各種のものが提案されている(例えば、特許文献1〜3)。しかし、その殆どは、組み立てにボルトや螺子を要するものであったため、組み立てが容易なものとはなっていなかった。
【0003】
このような実状に鑑みてか、これまでには、複数本のパイプを接続することによって形成され、互いに接続される一対のパイプの接続箇所に突起や係止穴を設けることにより、組み立てを容易に行えるようにした看板用スタンド(例えば、特許文献4)も提案されている。しかし、これらの看板用スタンドで考慮されているのは、組み立ての容易さのみであり、その分解の容易さまで意識して開発されたものは見当たらなかった。例えば、特許文献4の図5や図13の例では、それを分解する際にはピンを引き抜くという作業が必要となるし、同文献の図8の例では、それを分解する際に一対のパイプを離反する方向に強い力で引っ張る必要がある。
【0004】
複数本のパイプを接続して組み立てられるパイプ構造物は、上述した看板用スタンドの他にも、ラックやハンガーなど様々のものがあり、それに採用されているパイプ接続構造も様々である。しかし、組み立てが容易であるだけでなく、分解も容易であるにもかかわらず、使用時や運搬時にパイプが簡単に外れない、という3つの条件を兼ね備えたパイプ接続構造は見当たらなかった。
【0005】
例えば、特許文献5には、複数本のパイプを接続して組み立てられるラックであって、互いに接続される一対のパイプのうち一方のパイプの接続端部における外周面に雄螺子を、他方のパイプにおける接続端部の内周面に雌螺子を形成したものが提案されている。しかし、特許文献5のラックのように、螺合によってパイプを接続するものにおいては、組み立てや分解を行う際に、いずれかのパイプを他のパイプに対して何回も回転させなければならず、組み立てや分解が容易に行えないという欠点がある。
【0006】
また、特許文献6には、複数本のパイプを接続して組み立てられるハンガーであって、互いに接続される一対のパイプのうち、一方のパイプの接続端部に内側に折り返された被係止部を形成し、他方のパイプの接続端部における内周面に前記被係止部に係止するための係止部(係止爪)を形成したものが提案されている。しかし、特許文献6のハンガーのように、パイプの内側に設けた係止爪をパイプの内側に設けた被係止部に係止することによってパイプを接続するものにおいては、パイプを一旦接続すると、係止爪を被係止部から外すことが困難で、分解が容易ではないという欠点がある。
【0007】
さらに、特許文献7には、複数本のパイプを接続して組み立てられるラックであって、互いに接続される一対のパイプのうち一方のパイプの端部に他方のパイプの内側に挿入するための複数の挿入片を形成し、該複数の挿入片を前記他方のパイプの内周面に弾性的に接触させるようにしたものが記載されている。しかし、特許文献7のラックのように、パイプの接続端部に設けた挿入片の弾性力のみによってパイプを接続するものは、組み立てや分解は容易であるものの、パイプの接続強度が不十分で、使用時や運搬時にパイプが簡単に外れてしまいやすいという欠点がある。
【0008】
さらにまた、特許文献8〜10には、複数本のパイプを接続して組み立てられる掃除具やラックであって、互いに接続される一対のパイプの間に別部材を介在させ、該別部材に設けた突起をそれぞれのパイプの接続端部に設けた係止穴に嵌め込んで係止させることにより、一対のパイプを接続するようにしたものが提案されている。しかし、特許文献8〜10の掃除具やラックのように、別部材に設けた突起によってパイプを接続するものは、別部材を使用する分、組み立てや分解が複雑になるという欠点がある。また、分解する際には、突起を係止穴から抜け出る方向に指などで押さえながら、パイプを引き抜くという作業が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−202776号公報
【特許文献2】特開2003−050557号公報
【特許文献3】特開2008−040148号公報
【特許文献4】特開2004−053911号公報
【特許文献5】実登第3017706号公報
【特許文献6】実開平08−001359号公報
【特許文献7】特開2001−254710号公報
【特許文献8】特開2001−355615号公報
【特許文献9】実登第3075346号公報
【特許文献10】実登第3116271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、一対のパイプを容易に接続できるだけでなく、分離することも容易であり、しかも、意識的に分離しようとしない限りは一旦接続した一対のパイプが容易に分離しないパイプ接続構造を提供するものである。また、容易に組み立てることができるだけでなく、分解も容易でありながら、意識的に分解しようとしない限りは容易に分解することのできない、看板用スタンドなどのパイプ構造物を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は、第一パイプの接続端部を第二パイプの接続端部に挿入することにより、第一パイプと第二パイプとを中心軸方向に接続するパイプ接続構造であって、第一パイプの接続端部の外周面に突起が設けられ、第二パイプの接続端部に前記突起を内側から嵌め込んで係止するための係止穴が設けられ、前記突起における前側の上面が前方から後方に向かって高くなる傾斜面とされ、前記係止穴に前記突起が係止されて互いに接続された第一パイプと第二パイプとを捩り始めた際に、前記係止穴の内側の開口縁が前記傾斜面の外縁に接触して前記突起を内側に押し下げるようにしたことを特徴とするパイプ接続構造を提供することによって解決される。
【0012】
ここで、「第一パイプ」と「第二パイプ」という語は、ある1つの接続箇所において互いに接続される2本のパイプを区別するために使用したものであり、3本以上のパイプを接続して組み立てられたパイプ構造物においては、「第一パイプ」と「第二パイプ」は、峻別されるものではない。すなわち、一端側においては「第一パイプ」であっても、他端側においては「第二パイプ」ということもある。また、「第一パイプ」と「第二パイプ」は、真っ直ぐな円筒状のものに限定されず、折れ曲がったものや、湾曲したものや、分岐したものなども含むものとする。さらに、「第一パイプ」と「第二パイプ」は、全体が中空なものに限定されず、少なくともその接続端部が中空であれば、他の部分に中実な部分があってもよいものとする。さらにまた、「前側」、「後側」、「前方」又は「後方」における「前」と「後」という語は、第一パイプを挿入する向きを基準としたものである。すなわち、第一パイプから第二パイプに向かう側(図1におけるy軸方向負側)を「前」としており、第二パイプから第一パイプへ向かう側(図1におけるy軸方向正側)を「後」としている。
【0013】
本発明のパイプ接続構造において、第一パイプにおける前記突起の周辺に、前記突起が押し下げられやすくするためのスリットを形成することも好ましい。これにより、第一パイプと第二パイプの接続や分離をさらに操作性よく行うことが可能になる。また、前記突起や前記係止穴の形状は、所望の作用効果を得ることができるのであれば特に限定されず、多角柱など、複雑な形状としてもよいが、前記突起を略円柱状に形成して前記傾斜面を略半円形に形成するとともに、前記係止穴における前記開口縁を略円形に形成することも好ましい。これにより、前記突起や前記係止穴を容易に成形して第一パイプや第二パイプの製造コストを抑えるだけでなく、第一パイプと第二パイプの分離をさらに操作性よく行うことも可能になる。
【0014】
ところで、上記課題は、第一パイプの接続端部を第二パイプの接続端部に挿入することにより、第一パイプと第二パイプとを中心軸方向に接続するパイプ接続構造であって、第二パイプの接続端部の内周面に突起が設けられ、第一パイプの接続端部に前記突起を外側から嵌め込んで係止するための係止穴が設けられ、前記突起における後側の上面が後方から前方に向かって高くなる傾斜面とされ、前記係止穴に前記突起が係止されて互いに接続された第一パイプと第二パイプとを捩り始めた際に、前記傾斜面の外縁が前記係止穴の外側の開口縁に接触して前記係止穴を内側に押し下げるようにしたことを特徴とするパイプ接続構造を提供することによっても解決される。このパイプ接続構造は、上述したパイプ接続構造と、突起と係止穴の位置関係が逆のものとなっている。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によって、一対のパイプを容易に接続できるだけでなく、分離することも容易であり、しかも、意識的に分離しようとしない限りは一旦接続した一対のパイプが容易に分離しないパイプ接続構造を提供することが可能になる。また、容易に組み立てることができるだけでなく、分解も容易でありながら、意識的に分解しようとしない限りは容易に分解することのできない、看板用スタンドなどのパイプ構造物を提供することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のパイプ接続構造を用いて接続される第一パイプと第二パイプにおける接続端部を拡大した斜視図である。
【図2】図1における第一パイプの接続端部を拡大した斜視図である。
【図3】図1における第一パイプの接続端部を拡大した平面図である。
【図4】図1における第一パイプの接続端部を拡大した正面図である。
【図5】図1における第一パイプの接続端部を拡大した側面図である。
【図6】図1における第二パイプの接続端部を拡大した斜視図である。
【図7】本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプと第二パイプにおける接続端部を拡大した斜視図である。
【図8】本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプと第二パイプにおける接続端部を、突起と係止穴の位置関係が分かるように破断して拡大した斜視図である。
【図9】本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプと第二パイプにおける接続端部を、第一パイプ及び第二パイプの中心軸に垂直な面で切断して拡大した断面図である。
【図10】本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプと第二パイプにおける接続端部を、第一パイプ及び第二パイプの中心軸を通る面で切断して拡大した断面図である。
【図11】本発明の他の実施態様のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプと第二パイプにおける接続端部を、第一パイプ及び第二パイプの中心軸を通る面で切断して拡大した断面図である。
【図12】本発明のパイプ接続構造を用いて組み立てられた側面視A字型の看板用スタンドを示した斜視図である。
【図13】本発明のパイプ接続構造を用いて組み立てられた平面視V字型の看板用スタンドを示した斜視図である。
【図14】本発明のパイプ接続構造を用いて組み立てられた平面視W字型の看板用スタンドを示した斜視図である。
【図15】図12〜14に示す看板用スタンドで用いた連結部材を拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.パイプ接続構造
本発明のパイプ接続構造の好適な実施態様について、図面を用いてより詳しく説明する。図1は、本発明のパイプ接続構造を用いて接続される第一パイプ10と第二パイプ20における接続端部を拡大した斜視図である。図2は、図1における第一パイプ10の接続端部を拡大した斜視図である。図3は、図1における第一パイプ10の接続端部を拡大した平面図である。図4は、図1における第一パイプ10の接続端部を拡大した正面図である。図5は、図1における第一パイプ10の接続端部を拡大した側面図である。図6は、図1における第二パイプ20の接続端部を拡大した斜視図である。図7は、本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプ10と第二パイプ20における接続端部を拡大した斜視図である。図8は、本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプ10と第二パイプ20における接続端部を、突起11と係止穴21の位置関係が分かるように破断して拡大した斜視図である。図9は、本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプ10と第二パイプ20における接続端部を、第一パイプ10及び第二パイプ20の中心軸に垂直な面で切断して拡大した断面図である。図10は、本発明のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプ10と第二パイプ20における接続端部を、第一パイプ10及び第二パイプ20の中心軸を通る面で切断して拡大した断面図である。図8においては、図示の便宜上、図1などでは描いている「溝22」を省略している。
【0018】
本実施態様のパイプ接続構造は、図1と図7に示すように、第一パイプ10の接続端部を第二パイプ20の接続端部に挿入することにより、第一パイプ10と第二パイプ20とを中心軸方向に接続するためのものとなっている。第一パイプ10の接続端部の外径は、図9に示すように、第二パイプ20の接続端部の内径よりも小さく設定している。第一パイプ10の接続端部は、図5に示すように、第一パイプ10の接続端部先端に近づくにつれて細くなるように形成しており、第一パイプ10の接続端部を第二パイプ20の接続端部の内側へ容易に挿入することができるようになっている。
【0019】
第一パイプ10の接続端部の外周面には、図2〜5に示すように、該外周面から外方へ突出する略円柱形の突起11を設けている。一方、第二パイプ20の接続端部には、図6に示すように、第二パイプ20の管壁を内外に貫通する略円形の係止穴21を設けている。係止穴21の直径は、突起11の直径よりも僅かに大きく設定している。このため、突起11は、係止穴11に嵌め込むことが可能となっている。突起11は、第一パイプ10の接続端部を第二パイプ20の接続端部へ挿入した際に、突起11の上面が第二パイプ20の内周面から内側に押され、突起11が僅かに内側へ押し下げられる程度の高さに設定している。第一パイプ10における突起11の両脇には、図2と図3に示すように、第一パイプ10の接続端部先端から第一パイプ10の中心軸方向に延びる一対のスリット12を形成している。このスリット12によって、第一パイプ10の接続端部の弾性が向上し、突起11は、第一パイプ10の内側へより押し下げられやすくなっている。
【0020】
第一パイプ10の接続端部を第二パイプ20の接続端部に挿入し、突起11が第二パイプ20の内周面によって内側に押し下げられたままの状態で、第一パイプ10の挿入深さと回転角度を調節し、突起11と係止穴21の位置を合わせると、内側へ押し下げられていた突起11が、弾性によって元の位置(第二パイプ20の内周面によって押し込まれる前の位置)に復帰する。このため、突起11の上部は、図9と図10に示すように、係止穴21に内側から嵌め込まれ、係止穴21に係止された状態となる。この瞬間には、「カチッ」という係止音が発せられる。突起11が係止穴21に係止された状態にあっては、第一パイプ10と第二パイプ20は、互いに離反する向きに引っ張ったとしても分離することのない接続された状態となっている。
【0021】
ところで、本実施態様のパイプ接続構造においては、図10に示すように、第一パイプ10の外周面と第二パイプ20の内周面に、第一パイプ10の挿入深さを規制するための段差(破線囲み部β,γを参照)を設けている。このため、第一パイプ10は、第二パイプ20にある程度挿入すると、破線囲み部βや破線囲み部γで第二パイプ20に突き当たり、それ以上は挿入することができないようになっている。第二パイプ20に対して第一パイプ10を限界まで挿入したときの、第二パイプ20の接続端部先端から第一パイプ10の突起11までの深さ(図中のy軸に沿った距離)は、第二パイプ20の接続端部先端から係止穴21までの深さ(図中のy軸に沿った距離)と等しくなるように設定している。このため、第二パイプ20に対して第一パイプ10を限界まで挿入し、その後、第一パイプ10を第二パイプ20に対して適当に捩るという簡単な操作を行うだけで、突起11と係止穴21の位置を必ず一致させることができるようになっている。
【0022】
図10に示すように、突起11が係止穴21に係止されて第一パイプ10と第二パイプ20とが接続された状態にあっては、第一パイプ10と第二パイプ20とを離反する向きに引っ張ったとしても、破線囲み部αにおいて突起11の外周面が係止穴21の内周面に係止されるので、第一パイプ10と第二パイプ20とをそれ以上引っ張ることができないようになっている。また、第一パイプ10をその中心軸回りに回転しようとしても、図9に示すように、破線囲み部δにおいて突起11の外周面が係止穴21の内周面に係止されるので、後述するように、弱い力で捩っただけでは、第一パイプ10をそれ以上捩ることができないようになっている。
【0023】
以上のように、本実施態様のパイプ接続構造は、第一パイプ10を第二パイプ20に挿入して突起11と係止穴21の位置を合わせるという簡単な手作業のみで、第一パイプ10と第二パイプ20とを接続することができるものとなっている。
【0024】
また、本実施態様のパイプ接続構造においては、図5と図8に示すように、突起11における前側の上面を、前方から後方に向かって高くなる傾斜面11aとし、突起11における後側の上面を、高さが一定の水平面11bとしている。換言すると、突起11の上面における該上面を前後に二分する二分線P1P2よりも前方の略半円形の領域は、二分線P1P2に近づくにつれて高くなる傾斜面11aとなっており、突起11の上面における二分線P1P2よりも後方の略半円形の領域は、高さが一定の水平面11bとなっている。突起11は、図8に示すように、係止穴21に突起11が係止されて互いに接続された第一パイプ10と第二パイプ20とを捩り始めた際に、傾斜面11aの外縁に係止穴21の内側の開口縁が接触する高さに設定している。突起11をこのような形態とすることによって、図7に示す状態から第一パイプ10をある程度強い力でその中心軸回り(矢印A又は矢印Bの向き)に捩るだけで、突起11と係止穴21との係止状態を解除し、第一パイプ10と第二パイプ20とを分離することが可能になる。
【0025】
突起11と係止穴21の係止状態が解除される際の各部の動作について詳しく説明する。図7に示すように、係止穴21に突起11が係止されて第二パイプ20に接続された第一パイプ10を矢印Aの向きに捩り始めると、図8に示すように、係止穴21の内側の開口縁が、突起部11の傾斜面11aにおける外縁上の点Pに接触する。このとき、突起11は、第一パイプ10に加えられた捩る力によって、矢印Aの向きに移動を続けようとするものの、その傾斜面11aの外縁が係止穴21の前記開口縁に引っ掛かった状態となっているため、スムーズに移動することができない。このため、突起11は、その傾斜面11aの外縁における点Pで係止穴21の前記開口縁から内向きの押圧力を受けて第一パイプ10の内側に徐々に押し下げられていく。第一パイプ10が押し下げられるにつれて、傾斜面11aの外縁における前記開口縁との接触点Pは、矢印Fの向きに移動し、二分線P1P2の一端側の点P1に近づいていく。この間、第一パイプ10を操作する者の手には、矢印Aとは逆向きの抵抗力が感じられる。
【0026】
この抵抗力に逆らって、図8の状態から第一パイプ10をさらに捩り続けると、そのうち点Pが点P1に達し、係止穴21の内側の開口縁が突起11の傾斜面11aの外縁を係止できなくなる。したがって、突起11と係止穴21の係止状態が解除される。この瞬間には、「カチッ」という解除音が発せられる。突起11と係止穴21の係止状態が解除されると、突起11は、勢い余って第二パイプ20の内側に滑り込んでいく。この状態にあっては、第一パイプ10を第二パイプ20の内側でスムーズに動かすことができるようになっており、第一パイプ10を第二パイプ20から離反する向きに引っ張ることにより、第一パイプ10と第二パイプ20とを容易に分離することができる。
【0027】
このように、本実施態様のパイプ接続構造は、第一パイプ10を捩った後、第一パイプ10と第二パイプ20を離反する向きに引っ張るという簡単な手作業のみで、第一パイプ10と第二パイプ20とを分離することができるものとなっている。また、第一パイプ10をやや強めの力で意識的に捩らない限りは、突起11と係止穴21の係止状態が解除されないようになっているので、第一パイプ10と第二パイプ20とが意図せず分離してしまうという不具合を防ぐことができるものとなっている。
【0028】
ところで、傾斜面11aの傾斜角度θ(図5を参照)は、突起11や係止穴21の形状などによっても異なり、特に限定されない。しかし、傾斜角度θを小さくしすぎると、第一パイプ10を軽く捩っただけでも、突起11と係止穴21の係止状態が解除されるおそれがある。このため、傾斜角度θは、通常、5°以上とされる。傾斜角度θは、10°以上であると好ましく、15°以上であるとより好ましい。一方、傾斜角度θを大きくしすぎると、第一パイプ10を強く捩っても、突起11と係止穴21の係止状態を解除できなくなるおそれがある。このため、傾斜角度θは、通常、80°以下とされる。傾斜角度θは、60°以下であると好ましく、45°以下であるとより好ましく、30°以下であるとさらに好ましい。本実施態様のパイプ接続構造において、傾斜角度θは、約20°としている。
【0029】
また、突起11の上面を前後方向に亘る長さL(図5を参照)に対する傾斜面11aを前後方向に亘る長さLa(図5を参照)の比La/Lも、突起11や係止穴21の形状などによっても異なり、特に限定されない。しかし、比La/Lを小さくしすぎると、第一パイプ10や第二パイプ20の各部が上述したような動作をしにくくなるおそれがある。このため、比La/Lは、通常、0.1以上とされる。比La/Lは、0.2以上であると好ましく、0.3以上であるとより好ましく、0.4以上であるとさらに好ましい。本実施態様のパイプ接続構造において、比La/Lは、約0.5としている。
【0030】
2.他の実施態様
ここまでは、第一パイプ10に突起11を設け、第二パイプ20に係止穴21を設けた場合について説明したが、これと同様の作用効果は、突起11と係止穴21の位置関係を逆にしても得ることができる。図11は、本発明の他の実施態様のパイプ接続構造を用いて接続された第一パイプ10と第二パイプ20における接続端部を、第一パイプ10及び第二パイプ20の中心軸を通る面で切断して拡大した断面図である。図11に示すパイプ接続構造は、第一パイプ10の接続端部を第二パイプ20の接続端部に挿入することにより、第一パイプ10と第二パイプ20とを中心軸方向に接続する点では、図1〜10に示すパイプ接続構造と同様であるものの、以下の点で異なっている。
【0031】
すなわち、図11に示すパイプ接続構造では、第二パイプ20の接続端部の内周面に突起25が設けられ、第一パイプ10の接続端部に突起25を外側から嵌め込んで係止するための係止穴15が設けられ、突起25における後側の上面が後方から前方に向かって高くなる傾斜面25aとされている。このパイプ接続構造で接続された第一パイプ10と第二パイプ20とを捩り始めた際には、突起25の傾斜面25aの外縁が係止穴15の外側の開口縁に接触することにより、第一パイプ10における係止穴15の周辺が内側に押し下げられるようになっている。
【0032】
図11に示すパイプ接続構造において、突起25と係止穴15の係止状態が解除される際の第一パイプ10や第二パイプ20の各部の動作は、図1〜10のパイプ接続構造で説明した内容から自明であるために、説明を割愛する。図11に示すパイプ接続構造では、第一パイプ10における係止穴15の周辺に、第一パイプ10の係止穴15の周辺が内側に押し下げられやすくするためのスリット16(図1〜10に示すスリット12に相当)を形成するなど、図1〜10のパイプ接続構造で既に説明したものと同様の構成を採用することもできる。傾斜面25aの傾斜角度(図5のθに相当)や、突起25の上面を前後方向に亘る長さ(図5のLに相当)に対する傾斜面25aを前後方向に亘る長さ(図5のLaに相当)の比(図5のLa/Lに相当)についても、図1〜10のパイプ接続構造と同様である。
【0033】
3.パイプ構造物
続いて、本発明のパイプ接続構造の用途について説明する。本発明のパイプ接続構造は、各種のパイプ構造物に採用することができる。本発明のパイプ接続構造は、POP広告などの情報を記載した看板を掲示するための看板用スタンドや、照明を掲げるための照明用スタンドや、洗濯物を干すための物干用スタンドなど、スタンド類の他、組立式の家具のフレームや、ほうきやモップなどの柄など、様々なパイプ構造物に採用することができる。以下においては、特に好適である看板用スタンドを例に挙げて、本発明のパイプ構造物について説明する。図12は、本発明のパイプ接続構造を用いて組み立てられた側面視A字型の看板用スタンドを示した斜視図である。図13は、本発明のパイプ接続構造を用いて組み立てられた平面視V字型の看板用スタンドを示した斜視図である。図14は、本発明のパイプ接続構造を用いて組み立てられた平面視W字型の看板用スタンドを示した斜視図である。
【0034】
図12〜14に示す看板用スタンドはいずれも、上述した本発明のパイプ接続構造を有する複数本のパイプを接続して組み立てられたものとなっている。これらの看板用スタンドは、パイプに取り付けられた脚部材30によって、安定して設置することができるものとなっている。脚部材30は、図1に示すように、接地部31とパイプ把持部32とを備えたものとなっており、図7と図9に示すように、そのパイプ把持部32を第二パイプ20の接続端部の外周面に把持させて取り付けるものとなっている。パイプ把持部32の内周面には、図1と図9に示すように、前後方向に沿って複数本の溝33を形成しており、第二パイプ20の接続端部における外周面に前後方向に沿って設けた複数本の溝22と噛み合うようにしている。これにより、脚部材30がぐらつかないようにしながらも、必要なときには脚部材30を取り付ける角度を調節することが可能となっている。
【0035】
また、図12〜14に示す看板用スタンドにおいて、平行に隣り合うパイプは、それに取り付けられた連結部材40によって互いに連結されている。図15は、図12〜14に示す看板用スタンドで用いた連結部材40を拡大した斜視図である。連結部材40は、図15に示すように、並列に配された2つのパイプ把持部41が一体的に形成されたものとなっている。パイプ把持部41の内周面には、脚部材30のパイプ把持部32と同様、前後方向に沿って複数本の溝42を形成しており、第二パイプ20の接続端部における外周面に前後方向に沿って設けた複数本の溝22(図1と図9を参照)と噛み合うようにしている。これにより、連結部材40がぐらつかないようにしながらも、必要なときには各看板用スタンドの開き角度を調節することが可能となっている。
【符号の説明】
【0036】
10 第一パイプ
11 突起
11a 傾斜面
11b 水平面
12 スリット
15 係止穴
16 スリット
20 第二パイプ
21 係止穴
22 溝
25 突起
25a 傾斜面
30 脚部材
31 接地部
32 パイプ把持部
33 溝
40 連結部材
41 パイプ把持部
42 溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一パイプの接続端部を第二パイプの接続端部に挿入することにより、第一パイプと第二パイプとを中心軸方向に接続するパイプ接続構造であって、
第一パイプの接続端部の外周面に突起が設けられ、第二パイプの接続端部に前記突起を内側から嵌め込んで係止するための係止穴が設けられ、前記突起における前側の上面が前方から後方に向かって高くなる傾斜面とされ、
前記係止穴に前記突起が係止されて互いに接続された第一パイプと第二パイプとを捩り始めた際に、前記係止穴の内側の開口縁が前記傾斜面の外縁に接触して前記突起を内側に押し下げるようにしたことを特徴とするパイプ接続構造。
【請求項2】
第一パイプにおける前記突起の周辺に前記突起が押し下げられやすくするためのスリットが形成された請求項1記載のパイプ接続構造。
【請求項3】
前記突起が略円柱状に形成されて前記傾斜面が略半円形に形成されるとともに、前記係止穴における前記開口縁が略円形に形成された請求項1又は2記載のパイプ接続構造。
【請求項4】
第一パイプの接続端部を第二パイプの接続端部に挿入することにより、第一パイプと第二パイプとを中心軸方向に接続するパイプ接続構造であって、
第二パイプの接続端部の内周面に突起が設けられ、第一パイプの接続端部に前記突起を外側から嵌め込んで係止するための係止穴が設けられ、前記突起における後側の上面が後方から前方に向かって高くなる傾斜面とされ、
前記係止穴に前記突起が係止されて互いに接続された第一パイプと第二パイプとを捩り始めた際に、前記傾斜面の外縁が前記係止穴の外側の開口縁に接触して前記係止穴を内側に押し下げるようにしたことを特徴とするパイプ接続構造。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか記載のパイプ接続構造を有する複数本のパイプを接続して組み立てられたパイプ構造物。
【請求項6】
請求項1〜4いずれか記載のパイプ接続構造を有する複数本のパイプを接続して組み立てられた看板用スタンド。
【請求項1】
第一パイプの接続端部を第二パイプの接続端部に挿入することにより、第一パイプと第二パイプとを中心軸方向に接続するパイプ接続構造であって、
第一パイプの接続端部の外周面に突起が設けられ、第二パイプの接続端部に前記突起を内側から嵌め込んで係止するための係止穴が設けられ、前記突起における前側の上面が前方から後方に向かって高くなる傾斜面とされ、
前記係止穴に前記突起が係止されて互いに接続された第一パイプと第二パイプとを捩り始めた際に、前記係止穴の内側の開口縁が前記傾斜面の外縁に接触して前記突起を内側に押し下げるようにしたことを特徴とするパイプ接続構造。
【請求項2】
第一パイプにおける前記突起の周辺に前記突起が押し下げられやすくするためのスリットが形成された請求項1記載のパイプ接続構造。
【請求項3】
前記突起が略円柱状に形成されて前記傾斜面が略半円形に形成されるとともに、前記係止穴における前記開口縁が略円形に形成された請求項1又は2記載のパイプ接続構造。
【請求項4】
第一パイプの接続端部を第二パイプの接続端部に挿入することにより、第一パイプと第二パイプとを中心軸方向に接続するパイプ接続構造であって、
第二パイプの接続端部の内周面に突起が設けられ、第一パイプの接続端部に前記突起を外側から嵌め込んで係止するための係止穴が設けられ、前記突起における後側の上面が後方から前方に向かって高くなる傾斜面とされ、
前記係止穴に前記突起が係止されて互いに接続された第一パイプと第二パイプとを捩り始めた際に、前記傾斜面の外縁が前記係止穴の外側の開口縁に接触して前記係止穴を内側に押し下げるようにしたことを特徴とするパイプ接続構造。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか記載のパイプ接続構造を有する複数本のパイプを接続して組み立てられたパイプ構造物。
【請求項6】
請求項1〜4いずれか記載のパイプ接続構造を有する複数本のパイプを接続して組み立てられた看板用スタンド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−265975(P2010−265975A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117213(P2009−117213)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(509086855)のぼり屋工房株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(509086855)のぼり屋工房株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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