説明

パケットバッファ装置

【課題】装置内に滞留する時間が一定時間を超過したパケットを廃棄する処理を簡易に実現できるパケットバッファ装置を提供する。
【解決手段】パケットバッファ装置は、バッファ3−1,…,3−Nと、バッファ管理部4−1,…,4−Nと、入力されたパケットの宛先決定部1と、決定された伝送先に対応するバッファに、入力されたパケットを書き込む書込み制御部2と、バッファ3−1,…,3−Nからパケットを読出して出力する読出し制御部5と、読出しが行われたバッファに対応する記憶素子の状態を読出しなし状態から読出しあり状態に変化させるバッファ読出し記憶部6と、読出しなし状態である記憶素子に対応するバッファに蓄積されたパケットを廃棄させる廃棄指示信号50−1,…,50−Nを出力するパケット廃棄制御部7とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変長あるいは固定長のパケットを伝送装置内で一時蓄積するパケットバッファ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線あるいは高速PLCなどのネットワークシステムでは、映像あるいは音声などのリアルタイム性を要求されるデータの送受信のためTDMA(Time Division Multiple Access)方式を採用しデータを伝送する方式などが導入されつつある。具体的には、例えば、ARIB(社団法人電波産業会:Association of Radio Industries and Businesses)にて標準規格化されたHiSWANa(ARIB STD−T70 1.0版)などがある。
【0003】
以下、HiSWANa規格に採用されたTDMA方式の概要を簡単に説明する。HiSWANa規格で採用されたTDMA方式では、管理端末と呼ばれる1台の端末によりネットワーク内の各端末は管理される。管理端末は、ネットワーク全体の時刻同期を管理するためBeacon信号と呼ばれるパケットデータ(以下「BCH」と記す。)をあらかじめ定められた周期(HiSWANa規格では、2ms周期)で同報通信する。図10に、1Beacon周期内(以下「1フレーム」とも記す。)の各種データの送受信タイミングを示す。
【0004】
ネットワーク内に配置された各端末はBCHを受信すると、それを基準に、端末内の基準時刻情報をリセットするとともに、管理端末より送信される各種制御パケットの受信準備を開始する。管理端末は、BCH送出後、次にネットワークに接続された各端末のデータ送信スケジュールを含むネットワークシステム制御用のパケットデータ(以下「FCH」と記す。)をネットワークに接続された各端末に対して同報通信する。上記FCHには、ネットワークに接続された各端末のデータ送信、及び受信のスケジュール(データの送受信スロット情報(送受信開始タイミング情報、データ送受信時間情報)など)が付加され送信される。各端末は、FCHを受信すると、自端末がデータを受信するタイミングと自端末がデータを送信するタイミングを検出する。
【0005】
管理端末は、FCH送信に引き続き、端末に対して送信要求受信通知(以下「ACH」と記す。)を送信する。管理端末より、BCH、FCH、ACHの各パケットデータの送信が完了すると、FCHにて通知されたスケジュールに基づき、各端末は、パケットデータの受信、及び送信動作を開始する。以下、各端末間でデータの送受信を行う期間を「TCH」と記す。TDMA方式では、管理端末は、送信したいデータを持つ端末についてのみデータ送信スロットをスケジューリングする。従って、送信したいデータを持つ端末は、管理端末に対して自端末のデータを送信するためのスロットを割り振るよう要求する必要がある。HiSWANa規格で採用されたTDMA方式では、各端末より送信リクエストを受け付けるため、1Beacon周期内の最後に、各端末からの上記送信スロット要求リクエスト(帯域割り当て要求)を受け付けるためのCSMA(Carrier Sense Multiple Access)期間(以下「RCH期間」と記す。)を準備している。管理端末は、RCH期間に送信スロット要求リクエストを受け取った端末に対しては、次のBeacon周期内のACHにて、帯域割り当て要求を受け取った旨を通知する。
【0006】
上記HiSWANa規格をベースとしたTDMA方式を適用した管理端末とネットワーク間中継装置のデータ送受信について、説明する。図11は、管理端末とネットワーク間中継装置の接続図、図12は、管理端末より中継装置#1へのデータ送信タイミング、図13は、中継装置#1から管理端末へのデータ送信タイミングである。図11において、管理端末と中継装置#1乃至#Y(Yは正の整数)との間の通信は、無線方式又は有線方式のいずれであってもよい。管理端末から中継装置#1乃至Yへの下流方向のデータ通信では(例えば、管理端末から中継装置#1へデータを送信する場合)、管理端末は、図12におけるFCH21にて中継装置#1への送信開始タイミング、データ送信時間などを同報通信にて通知する。中継装置#1は、このFCHを受信し、管理端末からのデータを受信するタイミング及びデータ受信時間を検出し、このタイミングに基づいてデータ送受信期間22にてデータを受信する。
【0007】
中継装置#1より管理端末への上流方向のデータ通信では、図13におけるRCH23にて中継装置#1より管理端末への送信要求を発行すると、管理端末は次のフレームのACH24にて中継装置#1へ送信要求を受信した旨通知したのち、さらに次のフレームのFCH25にて、中継装置#1が管理端末に対して送信を開始できるタイミング及びデータ送信時間を通知する。中継装置#1は、FCH25にて通知された内容に基づいて、データ送受信期間26内に割当てられた通信スロットにてデータを送信する。
【0008】
このようにTDMA方式を採用したネットワークシステムでは、送信データが発生してから、データ送信相手に実際に送信するまでの期間、送信データを自装置内に蓄積しておく必要がある。
【0009】
また、図12及び図13を用いた説明では、1つあるいは複数のフレーム周期期間を経て、管理端末あるいは中継装置内に蓄積されたデータを全て送信相手に送信できる例を示している。しかしながら、ネットワークの輻輳時には送信したいデータを全て送信できず、送信しきれないデータが装置内に一定時間以上滞留する場合がある。例えば、電話音声のようなリアルタイム性を要求されるパケットでは、ネットワーク内における伝送遅延が、要求される規格を超えることにより、情報品質の低下を招く。
【0010】
このような状況を回避するために、中継装置内に一定時間以上滞留するパケットは廃棄されることになる。中継装置内に滞留する時間が一定時間を超過したことを判定して、超過したパケットを廃棄する従来例としては、特許文献1及び2に記載される方法がある。
【0011】
特許文献1では、装置内遅延許容時間より送信待ちバッファにおける許容遅延時間閾値を算出し、送信待ちバッファにキューイングされた時刻と、そのバッファから読み出される時刻とを測定して差分を演算することより、送信待ちバッファにおける滞留時間を得て、バッファにおける滞留時間と閾値とを比較し、閾値を超えたパケットを廃棄する。
【0012】
また、特許文献2では、入力パケットに到着時刻を示すタイムスタンプ値を付与しておき、中継装置にてパケットの出力予定時刻を演算し、設定された滞留許可時間とから到着時刻閾値を算出し、パケットに付与されたタイムスタンプ値と到着時刻閾値との比較を行って、閾値よりも小さいパケットを優先的に廃棄する。
【0013】
このように、中継装置内に滞留する時間が一定時間を超過したパケットを廃棄する従来例においては、装置内に入力された時刻をパケットに付与して記憶し、特許文献1においては、出力される時刻との差分により得た滞留時間と、許容遅延時間閾値との比較を行い、特許文献2においては、設定された滞留許容時間をもとに算出した到着時刻閾値との比較を行い、それぞれ装置内における滞留許容時間超過判定を行って、超過したパケットの廃棄を行っている。
【0014】
【特許文献1】特開2000−165392号公報
【特許文献2】特開2002−185501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、パケットが装置内に入力された時刻を、そのパケットに付与して記憶し、パケットが装置内に滞留する時間を、設定された滞留許容時間をもとに算出された閾値と比較するには、入力されたパケット全てについて装置に入力された時刻を記憶する必要がある。また、特許文献1においては、送信待ちバッファから読み出す際に現在時刻情報と、送信待ちバッファに入力された時刻情報より送信バッファにおける待ち時間を算出して、閾値との比較を行い、待ち時間が閾値を超える場合にはパケットを廃棄する。待ち時間が閾値を超え、廃棄されるパケットが送信待ちバッファに複数連続してバッファリングされている場合、バッファリングされた順番にパケットの送信待ち時間を算出して閾値比較を行い、送信待ち時間が閾値以下となるパケットを検索する必要があり、送信待ちバッファから読み出す際に送信待ち時間が閾値以下となるパケットを選択するまでに処理時間を要する。また、送信待ちバッファから読み出す際にリアルタイム性が重要となる装置においては、廃棄パケットが、例えば、数十以上発生する場合には適用は困難である。
【0016】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、装置内に滞留する時間が一定時間を超過したことを判定してパケットを廃棄する処理を簡易に実現できるパケットバッファ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のパケットバッファ装置は、入力されたパケットを一時蓄積して出力する装置であって、前記入力されたパケットの伝送先に対応する複数のバッファ(と、前記複数のバッファに対応して備えられ、前記複数のバッファにバッファリングされているパケットに関する情報を管理する複数のバッファ管理部と、前記入力されたパケットの伝送先を決定する宛先決定部と、前記複数のバッファのうちの前記宛先決定部によって決定された伝送先に対応するバッファに、前記入力されたパケットを書き込む書込み制御部と、前記複数のバッファからパケットを読出して出力する読出し制御部と、前記複数のバッファに対応する複数の記憶素子を有し、前記複数のバッファのうちのいずれかのバッファからパケットの読出しが行われると、前記複数の記憶素子のうちの前記読出しが行われたバッファに対応する記憶素子の状態を、前記記憶素子の直近の初期化以降にパケット読出しが行われたことがないことを示す読出しなし状態から、前記初期化以降にパケット読出しが行われたことがあることを示す読出しあり状態に変化させるバッファ読出し記憶部と、所定の時間毎に前記記憶素子の状態を初期化させる初期化信号を前記バッファ読出し記憶部に出力すると共に、所定の時間毎に前記複数の記憶素子の状態を判定して、読出しなし状態である前記記憶素子に対応する前記バッファに蓄積されたパケットを廃棄させる廃棄指示信号を、対応する前記バッファ管理部に出力するパケット廃棄制御部とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
以上に説明したように、本発明のパケットバッファ装置を用いれば、伝送先の数だけ設けられたバッファから、予め設定される装置内滞留許容時間の間にパケットが読み出されたかどうかを示す記憶素子の状態が読出しなし状態である場合に、該バッファに蓄積されているパケットの装置内滞留時間が許容時間を超過したと判断できるので、装置内に滞留する時間が一定時間を超過したパケットを廃棄する処理を実現できるという効果がある。また、本発明のパケットバッファ装置によれば、装置内滞留時間算出のため、パケット毎に到着時刻を示すタイムスタンプを付与して記憶する必要がなく、また、滞留時間を超過したかどうかをパケット毎に判定する必要もないので、パケットバッファ装置の構成の簡素化を実現できるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るパケットバッファ装置の構成を概略的に示すブロック図である。図1に示されるように、実施の形態1に係るパケットバッファ装置は、複数の端末(図示せず)から送出された送信データが多重化されたパケット群がデータ伝送路を通して入力され、入力されたパケット群の伝送先をパケット毎に決定する宛先決定部1と、宛先決定部1によって決定された宛先に基づいて各パケットを第1乃至第N(Nは正の整数)のバッファのうちのいずれかに書き込む書込み制御部2と、各パケットを複数の伝送先のいずれかに送出するため伝送先毎に設けられる第1乃至第Nのバッファ3−1,…,3−Nと、第1乃至第Nのバッファ3−1,…,3−Nに対応して備えられ、第1乃至第Nのバッファ3−1,…,3−Nにバッファリングされているパケットのバッファリング情報を管理する第1乃至第Nのバッファ管理部4−1,…,4−Nと、第1乃至第Nのバッファ3−1,…,3−Nにバッファリングされているパケットを読出してデータ伝送路へ出力する読出し制御部5とを有する。また、実施の形態1に係るパケットバッファ装置は、複数のバッファ3−1,…,3−Nに対応する複数の記憶素子(後述する図3に示す。)を構成とし、複数のバッファ3−1,…,3−Nのうちのいずれかのバッファからパケットが読み出されると、複数の記憶素子のうちの上記読出しがなされたバッファに対応する記憶素子の状態を、記憶素子の直近の(現時点に最も近い)初期化以降にパケット読出しが行われたことがないことを示す読出しなし状態から、直近の初期化以降にパケット読出しが行われたことがあることを示す読出しあり状態に変化させるバッファ読出し記憶部6と、第1乃至第Nのバッファ3−1,…,3−Nのうちのバッファであって、直近の初期化以降に1度もパケットが読み出されたことのないバッファ(すなわち、読出しなし状態のバッファ)に蓄積されたパケットを廃棄するパケット廃棄制御部7とを有する。
【0020】
図2は、図1に示される第1乃至第Nのバッファ管理部4−1,…,4−Nのいずれか(第M(1≦M≦Nを満たす整数)のバッファ管理部4−M)の構成を概略的に示すブロック図である。第1乃至第Nのバッファ管理部4−1,…,4−Nのそれぞれは、同じ構造及び機能を持つので、ここでは、第Mのバッファ管理部4−Mについて説明する。図2に示されるように、第Mのバッファ管理部4−Mは、第Mのバッファ3−Mに蓄積したパケットのバッファリング情報を第Mのバッファ3−Mに蓄積した順に記憶するFIFOメモリ11と、次にパケットが到来する際にバッファリング情報を記憶する、FIFOメモリ11のアドレスを指し示す書込みポインタ12とを有する。また、第Mのバッファ管理部4−Mは、FIFOメモリ11に記憶されたバッファリング情報をもとに、最も直近にバッファから読み出されてデータ伝送路へ出力されたパケットのバッファリング情報格納アドレスを指し示す読出しポインタ13と、パケット廃棄制御部7からの廃棄指示信号50(又は50−1,…,50−N)により、読出しポインタ13の値を書込みポインタ12の値から1を減じた値に置き換えるスイッチ14とを有する。ここで、読出しポインタ13の値を書込みポインタ12の値から1を減じた値に置き換える動作は、読出しポインタ13の示すデータを、書込みポインタ12の示すデータの1つ前の行とすることによって第Mのバッファ3−Mのデータ待ち行列を無くすることを意味する。
【0021】
図3は、図1に示されるバッファ読出し記憶部6の構成を概略的に示すブロック図である。図3に示されるように、バッファ読出し記憶部6は、第1乃至第Nの記憶素子16−1,…,16−Nによって構成される。第1乃至第Nの記憶素子16−1,…,16−Nは、同様の構成及び機能を持つ。第1乃至第Nの記憶素子16−1,…,16−Nのそれぞれは、読出し制御部5から入力される記憶素子毎のバッファ読出し信号20(又は20−1,…,20−N)を受け取ると、第1乃至第Nのバッファ3−1,…,3−Nからパケットが読み出されたことがあることを示す読出しあり状態となる。また、第1乃至第Nの記憶素子16−1,…,16−Nのそれぞれは、パケット廃棄制御部7より入力される記憶素子毎の初期化信号30を受け取ると初期化され、第1乃至第Nのバッファ3−1,…,3−Nよりパケットが読み出されていないことを示す読出しなし状態になる。
【0022】
次に、実施の形態1に係るパケットバッファ装置の動作について説明する。パケットバッファ装置に新しいパケットが到着すると、図1に示される宛先決定部1においてパケットの宛先が決定され、パケットは書込み制御部2により、第1乃至第Nのバッファ3−1,…,3−Nのうち、決定した宛先のパケットを蓄積するバッファにバッファリングされる。このとき第1乃至第Nのバッファ管理部4−1,…,4−Nのうち、決定した宛先のバッファを管理するバッファ管理部の書込みポインタ12の示す位置にバッファリングしたパケットのバッファリング情報が書き込まれ、書込みポインタ12の値が1つ増える。バッファリング情報とは、例えば、当該パケットをバッファに格納する際のバッファの先頭アドレス、パケットのバイト数等のパケットを伝送するためにバッファから読み出す際に必要となる情報である。固定長パケットを扱う伝送システムでは、パケットのバイト数は一意となるため、パケットのバイト数をバッファリング情報に含める必要はない。このように、伝送システムにより、必要なバッファリング情報は異なる。
【0023】
図4は、第Mのバッファ管理部4−Mの読出し書込みポインタ12の値(実線)と読出しポインタ13の値(一点鎖線)の変化の例を示す図である。なお、図4において、書込みポインタ12の値(実線)と読出しポインタ13の値(一点鎖線)は、厳密には、階段状の変化を示すが、図4においては、直線で近似している。図4に示されるように、第Mのバッファ管理部4−Mの書込みポインタ12の値は、第Mのバッファ3−Mにパケットを書き込む毎に1加算される。書込みポインタ12の値は、加算が繰り返され、FIFOメモリ11の行数まで達すると、図4の時間taに示されるように、FIFOメモリ11の先頭に戻る。第Mのバッファ管理部4−Mの書込みポインタ12の値は、図4の時間tbに示されるように、読出しポインタ13の値と等しくなるまで増加されると(即ち、第Mのバッファ3−Mがこれ以上、パケットを蓄積できなくなったことを表す)、次に読出しポインタ13の値が変化するまで(図4の時間tcまで)、増加が停止される。
【0024】
読出し制御部5は、第Mのバッファ3−Mからパケットを読み出す際に、第Mのバッファ管理部4−Mの読出しポインタ13の値を1加算した値が指し示すFIFOメモリ11のアドレスに格納されているバッファリング情報をもとに、第Mのバッファ3−Mよりパケットを読み出し、データ伝送路へ出力する。第Mのバッファ管理部4−Mの読出しポインタ13の値は、第Mのバッファ3−Mからパケットを読み出す毎に1加算される。読出しポインタ13の値は、加算が繰り返され、FIFOメモリ11の行数まで達すると、図4の時間tdに示されるように、FIFOメモリ11の先頭に戻る。第Mのバッファ管理部4−Mの読出しポインタ13の値は、図4の時間teに示されるように、書込みポインタの値から1を減算した値まで増加されると(即ち、第Mのバッファ3−Mに蓄積されたパケットがないことを表す)、次に書込みポインタの値が変化するまで(図4の時間tfまで)、増加が停止される。
【0025】
また、読出し制御部5は、パケットを読み出す際に、第1乃至第Nのバッファ3−1,…,3−Nのうち、指示された宛先のパケットを蓄積するバッファからの読出しがあったことをバッファ読出し記憶部6に伝える。バッファ読出し記憶部6は、第1乃至第Nのバッファ3−1,…,3−Nのうち、いずれのバッファからパケットを読み出したかを示す情報を読出し制御部5より得て、第1乃至第Nの記憶素子16−1,…,16−Nのうち、パケットを読み出したバッファに対応する記憶素子を読出しあり状態に変化させる。バッファ読出し記憶部6の第1乃至第Nの記憶素子16−1,…,16−Nの状態は、パケット廃棄制御部7に入力される。第1乃至第Nの記憶素子16−1,…,16−Nは、パケット廃棄制御部7より初期化信号30を受け取ると、読出しなし状態に変化する。即ち、バッファ読出し記憶部6の第1乃至第Nの記憶素子16−1,…,16−Nは、読出し制御部5が発行するバッファ読出し信号20によって読出しあり状態に変化し、パケット廃棄制御部7が発行する初期化信号30によって読出しなし状態に戻り、それ以外の期間は、現在の状態を保持する記憶素子である。
【0026】
パケット廃棄制御部7は、一定時間P秒毎にバッファ読出し記憶部6の第1乃至第Nの記憶素子16−1,…,16−Nの状態より、P秒前から現在までの間に第1乃至第Nのバッファ3−1,…,3−Nのそれぞれからパケットを送信するためのバッファ読出しがあったか又はなかったかを判断する。
【0027】
図5は、P秒間の間に第Mのバッファ3−Mの読出しが1度以上あった場合の読出しポインタの値、及び第Mの記憶素子16−Mの状態の遷移を示す図である。なお、図5に第Mのバッファ3−M及び第Mのバッファ管理部4−Mの動作を示すが、他のバッファ及びバッファ管理部も同様の機能を持つ。図5の時間t11において初期化された第Mの記憶素子16−Mは、読出しなし状態にある。読出し制御部5は、第Mのバッファ3−Mからパケット読出しを行うと、第Mのバッファ3−Mからパケットを読み出したことをバッファ読出し記憶部6にバッファ読出し信号20によって通知する(時間t12)。なお、このとき第Mのバッファ管理部4−Mの読出しポインタ13の値は、RPからRPに1を加算して得られた値、すなわち、(RP+1)になる。このとき、バッファ読出し記憶部6は、第Mの記憶素子16−Mを読出しあり状態に変化させ、その状態を保持する。
【0028】
また、読出し制御部5が、第Mのバッファ3−Mからパケットを読み出したことをバッファ読出し記憶部6にバッファ読出し信号20によって通知したときに、第Mの記憶素子16−Mが既に読出しあり状態に変化している場合には、第Mの記憶素子16−Mは、読出しあり状態を保持する(時間t13,t14)。なお、このとき第Mのバッファ管理部4−Mの読出しポインタ13の値は、例えば、(RP+1)から(RP+2)に、又は、(RP+2)から(RP+3)になる。
【0029】
パケット廃棄制御部7は、所定の時間であるP秒毎(例えば、時間t15)に第Mの記憶素子16−Mの状態を入力し、第Mの記憶素子16−Mが読出しあり状態である場合、P秒間の間に少なくとも1回、第Mのバッファ3−Mからの読出しが行われたことがあるものとして、第Mのバッファ3−Mに蓄積されているパケットの廃棄は行わない。また、パケット廃棄制御部7は、次のP秒間に第Mのバッファ3−Mからの読出しが行われるかどうかを判断するために、第Mの記憶素子16−Mを読出しなし状態に戻すよう初期化信号30をバッファ読出し記憶部6に送出する。
【0030】
一方、図6は、P秒間の間に第Mのバッファ3−Mの読出しが1度もなかった場合の書込みポインタ12の値、読出しポインタ13の値、及び第Mの記憶素子16−Mの状態の遷移を示す図である。時間t22において、第Mの記憶素子16−Mは、P秒前(時間t21)にパケット廃棄制御部7より初期化されたときの状態である読出しなし状態のままとなる。第Mの記憶素子16−Mが読出しなし状態である場合、パケット廃棄制御部7は、第Mのバッファ3−Mの読出しがP秒間なかったものとして、第Mのバッファ3−Mに蓄積されているパケットがバッファに滞留している時間がP秒以上であると判断し、第Mのバッファ管理部4−Mに廃棄指示信号50−Mを送出して、読出しポインタ13の値(図6において、RP)を書込みポインタ12の値から1を減じた値(図6において、WP−1)と等しくなるよう書き換える。これにより、第Mのバッファ3−Mに蓄積されたパケットは、全て廃棄されたことになり、第Mのバッファ3−Mに蓄積されているパケット数は0となる。
【0031】
パケット廃棄制御部7は、バッファ読出し記憶部6の全ての第1乃至第Nの記憶素子16−1,…,16−Nに対して、同様の処理を行い、第1乃至第Nのバッファ3−1,…,3−Nにそれぞれ一定時間以上滞留しているパケットを無効なパケットとして廃棄する。
【0032】
以上に説明したように、実施の形態1に係るパケットバッファ装置を用いれば、伝送先の数だけ設けられたバッファから、予め設定される装置内滞留許容時間の間にパケットが読み出されたかどうかを示す記憶素子の状態が読出しなし状態である場合に、該バッファに蓄積されているパケットの装置内滞留時間が許容時間を超過したと判断できるので、装置内に滞留する時間が一定時間を超過したパケットを廃棄する処理を実現できる。また、実施の形態1に係るパケットバッファ装置によれば、装置内滞留時間算出のため、パケット毎に到着時刻を示すタイムスタンプを付与して記憶する必要がなく、また、滞留時間を超過したかどうかをパケット毎に判定する必要もないので、パケットバッファ装置の構成の簡素化を実現できる。
【0033】
また、実施の形態1に係るパケットバッファ装置によれば、パケット送出時にパケットが滞留時間を超過したかどうかをパケット毎に判定する必要がなく、判定結果によりパケットを廃棄して続けてバッファに格納されている次のパケットを読み出す処理が不要となるため、バッファ読出しを迅速に行うことができるという効果がある。
【0034】
なお、上記説明においては、パケット廃棄制御部7において、バッファ読出し記憶部6の記憶素子の状態を判定する間隔をP秒としているが、判定する間隔を記憶素子毎に個別に設定して、バッファ毎に許容滞留時間を異なるよう設定してもよい。これにより、伝送要求品質の異なるパケット、例えば、遅延をある程度許容できる低優先クラス、電話音声のようなリアルタイム性を要求される高優先クラス、低優先クラスと高優先クラスの中間クラス、といった複数の要求クラスのパケットが混在する場合には、要求品質毎に個別のバッファに蓄積し、バッファ読出し記憶部6の記憶素子の判定間隔をP1,P2,…,PN秒と個別に設けてもよい。例えば、高優先クラスのパケットを蓄積するバッファからの読出しがあったことを記憶する記憶素子の判定間隔時間を短くし、低優先クラスのパケットを蓄積するバッファからの読出しがあったことを記憶する記憶素子の判定間隔時間を長く設定することにより、複数の要求品質を制御できる。
【0035】
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係るパケットバッファ装置の構成を概略的に示すブロック図である。図7において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。実施の形態2に係るパケットバッファ装置は、第1乃至第Nのバッファ管理部8−1,…,8−N(Nは正の整数)の構成が、実施の形態1に係るパケットバッファ装置における第1乃至第Nのバッファ管理部4−1,…,4−Nと相違する。また、実施の形態2に係るパケットバッファ装置は、後述するパケット廃棄制御部9より第1乃至第Nのバッファ管理部8−1,…,8−Nに書込みポインタ値一時記憶指示60(又は60−1,…,60−N)が発行される点が、実施の形態1に係るパケットバッファ装置と相違する。
【0036】
図8は、実施の形態2に係るパケットバッファ装置の第Mのバッファ管理部8−M(Mは1≦M≦Nを満たす整数)の構成を概略的に示すブロック図である。図8において、図2に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。パケット廃棄制御部9は、一定時間P秒毎に第1乃至第Nのバッファ管理部8−1,…,8−Nに書込みポインタ値一時記憶指示60(又は60−1,…,60−N)を送出する。第1乃至第Nのバッファ管理部8−1,…,8−Nのそれぞれは、書込みポインタ値一時記憶指示を受け取ると、この時の書込みポインタ12の値が一時レジスタ15に記憶される。パケット廃棄制御部9はまた、一定時間P秒毎にバッファ読出し記憶部6の第1乃至第Nの記憶素子16−1,…,16−Nの状態より、P秒前から現在までの間に第1乃至第Nのバッファ3−1,…,3−Nのそれぞれからパケットを送信するためのバッファ読出しがあったか又はなかったかを判断して、バッファ読出しがなかった場合は、廃棄指示信号50(又は50−1,…,50−N)を送出する。
【0037】
図9は、P秒間の間に第Mのバッファ3−Mの読出しが1度もなかった場合の書込みポインタ12の値、読出しポインタ13の値、一時レジスタ15の値、及び第Mの記憶素子16−Mの状態の遷移を示す図である。第1乃至第Nのバッファ管理部8−1,…,8−Nのそれぞれは、同じ構造及び機能を持つので、ここでは、第Mのバッファ管理部8−Mについて説明する。図9において、WP,WP,WP+1,WP+2,…,WP,WP+1は、書込みポインタ12の値を示す。時間t32において、第Mの記憶素子16−Mは、P秒前(時間t31)にパケット廃棄制御部9により初期化されたときの状態である読出しなし状態のままとなる。第Mの記憶素子16−Mが読出しなし状態である場合、パケット廃棄制御部9は、第Mのバッファ3−Mの読出しがP秒間なかったものとして、第Mのバッファ3−MにP秒前(時間t31)までに蓄積されたパケットがバッファに滞留している時間がP秒以上であると判断し、第Mのバッファ管理部8−Mに廃棄指示信号50−Mを送出する。第Mのバッファ管理部8−Mでは、P秒前(時間t31)の書込みポインタの値WPが一時レジスタ15に記憶されており、廃棄指示信号50−Mを受け取ると、一時レジスタ15の値WPから1を減じた値、すなわち、(WP−1)が読出しポインタ13の値となるよう読出しポインタ13の値を書き換える。これにより、第Mのバッファ3−MにP秒前以前に蓄積されたパケットは、全て廃棄されたことになり、第Mのバッファ3−Mに蓄積されている全てのパケットのバッファ滞留時間はP秒未満となる。
【0038】
以上に説明したように、実施の形態2に係るパケットバッファ装置を用いれば、伝送先の数だけ設けられたバッファから、予め設定される装置内滞留許容時間の間にパケットが読み出されたかどうかを示す記憶素子の状態が読出しなし状態である場合に、該バッファに蓄積されているパケットの装置内滞留時間が許容時間を超過したと判断できるので、装置内に滞留する時間が一定時間を超過したパケットを廃棄する処理を実現できる。また、実施の形態1に係るパケットバッファ装置によれば、装置内滞留時間算出のため、パケット毎に到着時刻を示すタイムスタンプを付与して記憶する必要がなく、また、滞留時間を超過したかどうかをパケット毎に判定する必要もないので、パケットバッファ装置の構成の簡素化を実現できる。
【0039】
また、実施の形態2に係るパケットバッファ装置を用いれば、一定間隔毎にバッファの蓄積状態を記憶し、一定時間読出しのなかったバッファに対して、一定時間前までに蓄積され、バッファに滞留しているパケットを伝送したようにバッファ状態を書き換えることにより、装置内滞留時間が許容時間内であるパケットのみをバッファに蓄積しておくことができる。
【0040】
さらに、実施の形態2に係るパケットバッファ装置を用いれば、パケット送出時にパケットが滞留時間を超過したかどうかをパケット毎に判定する必要がなく、判定結果によりパケットを廃棄して続けてバッファに格納されている次のパケットを読み出す処理が不要となるため、バッファ読出しが迅速に行える効果がある。
【0041】
さらにまた、実施の形態2に係るパケットバッファ装置を、実施の形態1で説明したと同様に、パケット廃棄制御部9において、バッファ読出し記憶部6の記憶素子の状態を判定する間隔及びバッファ管理部の書込みポインタ12を一時記憶させる間隔を記憶素子毎に個別に設定して、バッファ毎に許容滞留時間を異なるよう設定してもよい。
【0042】
なお、実施の形態2において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態1に係るパケットバッファ装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係るパケットバッファ装置の第Mのバッファ管理部の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図1に示されるバッファ読出し記憶部の構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】実施の形態1に係るパケットバッファ装置の第Mのバッファ管理部の書込みポインタと読出しポインタの値の変化の例を示す図である。
【図5】実施の形態1において、第Mのバッファからの読出しがあった場合の読出しポインタ及びバッファ読出し記憶素子の状態の遷移を示す図である。
【図6】実施の形態1において、第Mのバッファからの読出しがなかった場合の読出しポインタ及びバッファ読出し記憶素子の状態の遷移を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るパケットバッファ装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】実施の形態2に係るパケットバッファ装置の第Mのバッファ管理部の構成を概略的に示すブロック図である。
【図9】実施の形態2において、第Mのバッファからの読出しがなかった場合の読出しポインタ、バッファ読出し記憶素子、及び一時レジスタの状態の遷移を示す図である。
【図10】TDMA方式を採用する伝送システムにおける1フレーム内のデータフォーマット、及びFCH内のスケジュールデータの構成を概略的に示す図である。
【図11】ネットワークシステムの構成を概略的に示す図である。
【図12】TDMA方式を採用する伝送システムにおける管理端末に蓄積されるバッファ量の1フレーム周期内の推移を示す図である。
【図13】TDMA方式を採用する伝送システムにおける中継装置に蓄積されるバッファ量の推移を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 宛先決定部、 2 書込み制御部、 3−1,…,3−N 第1乃至第Nのバッファ、 4−1,…,4−N,8−1,…,8−N 第1乃至第Nのバッファ管理部、 5 読出し制御部、 6 バッファ読出し記憶部、 7,9 パケット廃棄制御部、 11 FIFOメモリ、 12 書込みポインタ、 13 読出しポインタ、 15 一時レジスタ、 16−1,…,16−N 第1乃至第Nの記憶素子、 20又は20−1,…,20−N バッファ読出し信号、 21 FCH、 22 データ送受信期間、 23 RCH、 24 ACH、 25 FCH、 26 データ送受信期間、 30又は30−1,…,30−N 初期化信号、 40又は40−1,…,40−N バッファ読出しあり/なし信号、 50又は50−1,…,50−N 廃棄指示信号、 60−1,…,60−N 書込みポインタ値一時記憶指示信号。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたパケットを一時蓄積して出力するパケットバッファ装置において、
前記入力されたパケットの伝送先に対応する複数のバッファと、
前記複数のバッファに対応して備えられ、前記複数のバッファにバッファリングされているパケットに関する情報を管理する複数のバッファ管理部と、
前記入力されたパケットの伝送先を決定する宛先決定部と、
前記複数のバッファのうちの、前記宛先決定部によって決定された伝送先に対応するバッファに、前記入力されたパケットを書き込む書込み制御部と、
前記複数のバッファからパケットを読出して出力する読出し制御部と、
前記複数のバッファに対応する複数の記憶素子を有し、前記複数のバッファのうちのいずれかのバッファからパケットの読出しが行われると、前記複数の記憶素子のうちの前記読出しが行われたバッファに対応する記憶素子の状態を、前記記憶素子の直近の初期化以降にパケット読出しが行われたことがないことを示す読出しなし状態から、前記初期化以降にパケット読出しが行われたことがあることを示す読出しあり状態に変化させるバッファ読出し記憶部と、
所定の時間毎に前記記憶素子の状態を初期化させる初期化信号を前記バッファ読出し記憶部に出力すると共に、所定の時間毎に前記複数の記憶素子の状態を判定して、読出しなし状態である前記記憶素子に対応する前記バッファに蓄積されたパケットを廃棄させる廃棄指示信号を、対応する前記バッファ管理部に出力するパケット廃棄制御部と
を有することを特徴とするパケットバッファ装置。
【請求項2】
前記廃棄指示信号を受信した前記バッファ管理部は、前記廃棄指示信号を受信した時点以前に、対応する前記バッファに蓄積されているパケットを全て、前記読出し制御部による読出し対象から除外し、前記廃棄指示信号を受信した時点より後に、対応する前記バッファに入力されたパケットを、前記読出し制御部による読出し対象とする処理を行うことによって、対応する前記バッファに蓄積されているパケットを全て廃棄することを特徴とする請求項1に記載のパケットバッファ装置。
【請求項3】
前記複数のバッファ管理部のそれぞれは、
前記バッファに蓄積したパケットのバッファリング情報を、蓄積した順に記憶するFIFOメモリと、
次にパケットのバッファリング情報を記憶する前記FIFOメモリのアドレスを指し示す書込みポインタと、
前記バッファから読み出されたパケットのバッファリング情報が格納されていた前記FIFOメモリのアドレスを指し示す読出しポインタと
を有し、
前記バッファ管理部がパケットを全て廃棄する処理は、前記パケット廃棄制御部によりパケットを廃棄すると判定された前記バッファの前記バッファ管理部の読出しポインタの値を、前記書込みポインタの値から1を減じた値に書き換えることによって行われる
ことを特徴とする請求項2に記載のパケッバッファ装置。
【請求項4】
前記廃棄指示信号を受信した前記バッファ管理部は、前記廃棄指示信号を受信した時点以前に、対応する前記バッファに蓄積されているパケットであって、所定の蓄積滞留時間以上、前記バッファに蓄積され続けているパケットを、前記読出し制御部による読出し対象から除外する処理を行うことによって、対応する前記バッファに蓄積されているパケットを廃棄することを特徴とする請求項1に記載のパケットバッファ装置。
【請求項5】
前記複数のバッファ管理部のそれぞれは、
前記バッファに蓄積したパケットのバッファリング情報を、蓄積した順に記憶するFIFOメモリと、
次にパケットのバッファリング情報を記憶する前記FIFOメモリのアドレスを指し示す書込みポインタと、
前記バッファから読み出されたパケットのバッファリング情報が格納されていた前記FIFOメモリのアドレスを指し示す読出しポインタと
所定の滞留許容時間毎に書込みポインタの値を一時記憶する一時レジスタと
を有し、
前記バッファ管理部が所定の滞留許容時間以上、前記バッファに蓄積されているパケットを廃棄する処理は、前記パケット廃棄制御部によりパケットを廃棄すると判定された前記バッファの前記バッファ管理部の読出しポインタの値を、前記一時レジスタの値から1を減じた値に書き換えられることによって行われる
ことを特徴とする請求項4に記載のパケットバッファ装置。
【請求項6】
前記複数の記憶素子の状態を判定する所定の時間間隔は、前記複数の記憶素子のそれぞれについて異なる値に設定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のパケットバッファ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−300575(P2007−300575A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−128895(P2006−128895)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】