説明

パケットベース・ネットワークでのライン・タイミング

【課題】無線電話システムの基地局の無線送信を生成するための正確な基準クロックを提供すること。
【解決手段】無線電話システムの電話局と基地局のネットワークなど、パケットベース(たとえば、イーサネット(登録商標))ネットワークで、ノードが、ネットワークの1つまたは複数の他のノードから1つまたは複数の着信パケットベース信号を受信し、各着信パケットベース信号からクロック信号を回復する。ノードは、回復されたクロック信号のうちの1つを、そのノードの基準クロック信号として選択する。ノードが、基地局の一部である時に、ノードは、選択されたクロックを使用して、1つまたは複数の発信パケットベース信号を生成し、1つまたは複数の電話局に送信する。ノードは、選択されたクロックを使用して、基地局の無線送信も生成する。一実施形態では、基地局および電話局が、イーサネット(登録商標)・ファシリティによって接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局と電話局の間のパケットベース接続(たとえば、イーサネット(登録商標)・ファシリティ)を有する無線電話システムなどのパケットベース・ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線電話システムの基地局は、DS1またはE1の同期時分割多重(TDM)信号または同期光ネットワーク(SONET)信号を伝送する地上(電気または光)リンクを介して電話局に接続される。DS1信号は、約1.544Mbpsまでのデータ・レートを提供することができるが、E1信号は、約2.048Mbpsまでのデータ・レートを提供することができる。
【0003】
基地局は、その基地局のセル・サイト(cell site)内に位置する1つまたは複数の無線ユニット(たとえば、携帯セル電話機)に特定の周波数の無線信号を送信し、この周波数の精度は、通常、50PPB(parts per billion)(3GPP(Third Generation Partnership Project)標準規格の場合)または16PPB(OBSAI(Open Base Station Architecture Initiative)標準規格の場合)以内である必要がある。この高い精度を達成するために、16PPBより良い精度でクロック信号を回復できる全地球測位システム(GPS)受信器を有する基地局を実装することができる。残念ながら、無線電話システムの各基地局にそのようなGPS受信器を提供することは、極度に高価になる可能性がある。
【0004】
もう1つの可能な解決策は、各基地局に、十分な精度のクロック信号を生成できる、それ自体のフリーランニング(free−running)発振器を設けることであるが、これも極度に高価になる可能性がある。
【0005】
十分に正確なクロック信号を供給するもう1つの既知の技法は、基地局が、受信した同期信号からその基準クロック信号を導出するライン・タイミング(line timing)を使用することである。基地局での従来のライン・タイミングでは、異なるクロック信号が、1つまたは複数の電話局から受信された複数の異なる着信同期(たとえば、DS1/E1)信号から回復され、回復されたクロック信号のうちの1つが、(1)1つまたは複数の電話局に送り返される1つまたは複数の発信同期(たとえば、DS1/E1)信号の生成および(2)その基地局に関連する無線ユニットに送信されるその基地局の無線信号の生成に使用するために選択される。
【0006】
基地局と電話局の間でより高いデータ・レート(たとえば、100Mbps以上)を提供するために、基地局と電話局の間で、従来のDS1/E1接続ではなく、パケットベースのイーサネット(登録商標)接続(すなわち、ファシリティ)を使用する無線電話システムが提案されている。本明細書で使用される用語「イーサネット(登録商標)」は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)標準規格IEEE 802.3(1980)および/またはその拡張に準拠する技術を指す。2つのノードの間の従来のイーサネット(登録商標)・ファシリティは、(1)各ノードが他方のノードへのイーサネット(登録商標)送信を制御するのに使用される基準クロック信号の生成に使用されるそれ自体のローカル発振器を有すること、または(2)一方のノードの物理インターフェース(PHY)が他方のノードから受信したイーサネット(登録商標)送信からその基準クロック信号(そのノードが他方のノードへのイーサネット(登録商標)送信を制御するのに使用する)を導出し、他方のノードがその基準クロック信号の生成に使用されるローカル発振器を有する、ループ・タイミング(loop timing)のいずれかに頼る。既存のイーサネット(登録商標)標準規格は、クロック信号精度が約100PPM(parts per million)以内であることを規定している。したがって、従来のイーサネット(登録商標)技術の基準クロックは、従来の無線電話システムの基地局によって送信される無線信号を生成するための基準として使用するのに十分に正確ではない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】IEEE 802.3(1980)
【非特許文献2】ANSI標準規格T1.101−1999
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来技術の問題は、本発明の原理に従い、その基地局および電話局がイーサネット(登録商標)・ファシリティを介して通信する無線電話システムなどのパケットベース通信システムでライン・タイミングを実装することによって解決されるが、ここで、電話局から基地局への少なくとも1つの接続のイーサネット(登録商標)信号は、基地局がその基地局の無線送信を生成するのに使用するのに十分に正確な基準クロックを受信したイーサネット(登録商標)信号から回復できるように、十分に正確なクロックを使用して生成される。そのようなシステムは、イーサネット(登録商標)・ファシリティによって提供される基地局と電話局の間の高められたデータ・レート(より低速の従来技術のDS1/E1接続と対照的に)を達成できると同時に、基地局にGPS受信器または正確なフリーランニング発振器を配置する必要なしに、システムの無線通信に十分に正確な基準クロックが保証される。
【0009】
一実施形態では、本発明は、パケットベース・ネットワーク(たとえば、図1の100)のノード(たとえば、104)である。このノードに、1つまたは複数のレシーバ(たとえば、130)、クロック・セレクタ(たとえば、134)、および1つまたは複数のトランスミッタ(たとえば、130)が含まれる。各レシーバは、ネットワークの他のノード(たとえば、102)からの着信パケットベース信号を受信し、その着信パケットベース信号からクロック信号(たとえば、140)を回復する。クロック・セレクタは、1つまたは複数の回復されたクロック信号のうちの1つを基準クロック信号として選択する。各トランスミッタは、その基準クロック信号(たとえば、146)に基づいて、発信パケットベース信号を生成し、ネットワークの他のノード(たとえば、102)に送信する。
【0010】
もう1つの実施形態では、本発明は、パケットベース・ネットワークのノード(たとえば、図4の405)である。このノードに、1つまたは複数のレシーバ、クロック・セレクタ(たとえば、435)、および1つまたは複数のトランスミッタが含まれる。各レシーバが、ネットワークの他のノードから着信パケットベース信号を受信する。クロック・セレクタが、ネットワークの1つまたは複数の他のノード(たとえば、404)からの1つまたは複数の導出されたクロック信号(たとえば、456)を受け取り、この1つまたは複数の導出されたクロック信号は、基準クロック信号(たとえば、447)として使用するために選択可能である。各トランスミッタは、基準クロック信号に基づいて、発信パケットベース信号を生成し、ネットワークの他のノードに送信する。
【0011】
もう1つの実施形態では、本発明は、パケットベース・ネットワーク(たとえば、図1の100)のノード(たとえば、102)である。このノードに、クロック・ソース(たとえば、110)および1つまたは複数のトランスミッタ(たとえば、114)が含まれる。クロック・ソースが、このノードの基準クロック信号(たとえば、118)を生成する。各トランスミッタは、基準クロック信号(たとえば、118)に基づいて発信パケットベース信号を生成し、ネットワークの他のノード(たとえば、104)に送信し、この発信パケットベース信号に、基準クロック信号の精度レベルを識別する同期化状況情報が含まれる。
【0012】
もう1つの実施形態では、本発明は、1つまたは複数のマスタ・ノード(たとえば、102)および第1スレーブ・ノード(たとえば、104)を含むパケットベース・ネットワーク(たとえば、100)である。各マスタ・ノードは、(1)マスタ・ノードのマスタ基準クロック信号(たとえば、118)を生成し、(2)このマスタ基準クロック信号に基づいて1つまたは複数のパケットベース信号を生成し、送信する。第1スレーブ・ノードは、(1)1つまたは複数のマスタ・ノードから1つまたは複数のパケットベース信号を受信し、この1つまたは複数のパケットベース信号から1つまたは複数のクロック信号(たとえば、140)を回復し、(2)この1つまたは複数の回復されたクロック信号のうちの1つを第1スレーブ基準クロック信号(たとえば、146)として選択し、(3)第1スレーブ基準クロック信号に基づいて、1つまたは複数のパケットベース信号を生成し、1つまたは複数のマスタ・ノードに送信する。
【0013】
本発明の他の態様、特徴、および利益は、次の詳細な説明、添付請求項、および添付図面からより十分に明白になるが、図面では、類似する符号が、類似する要素または同一の要素を識別する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の例示的無線電話システムの一部を示すブロック図である。
【図2】信号対比較を使用して基準クロック信号を選択するために図1のクロック・セレクタによって実装される処理を示す流れ図である。
【図3】同期化状況シグナリング方式を使用して基準クロック信号を選択するために図1のクロック・セレクタによって実装される処理を示す流れ図である。
【図4】本発明のもう1つの例示的無線電話システムの一部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の例示的無線電話システム100の一部を示すブロック図である。具体的には、図1に、パケットベース・イーサネット(登録商標)・ファシリティ106および108(たとえば、1000BASE−LX10または100BASE−LX10)によって相互接続された、ネットワーク要素102(たとえば、システム100の電話局に位置するマスタ・タイミング・ノード)およびノード104(たとえば、システム100の基地局に位置するスレーブ・ノード)が示されている。少なくともネットワーク要素102およびノード104の組合せに関して、ネットワーク要素102は、マスタ・タイミング基準として機能し、ノード104は、関連する無線ユニットへの基地局の無線送信の生成を含む、そのノードがその動作を駆動するのに使用する基準クロックを導出するためにライン・タイミングを実装するタイミング・スレーブである。
【0016】
図1に示されているように、ネットワーク要素102に、クロック・ソース・タイミング・エンジン110およびイーサネット(登録商標)物理(PHY)インターフェース112(イーサネット(登録商標)・トランスミッタ114およびイーサネット(登録商標)・レシーバ116を有する)が含まれる。クロック・ソース・タイミング・エンジン110は、約50PPB以上の精度を有するクロック信号118を生成する。図1に示された実装では、クロック信号118が、約16PPB以上の精度を有するStratum 2(またはこれより良い)クロック信号である。実装に応じて、クロック・ソース・タイミング・エンジン110は、独立モードで動作しながらこれらの精度レベルを達成できる場合があり、あるいは、クロック信号118を生成するために外部クロック・ソース(たとえば、GPS受信器)(図示せず)から十分に正確な基準クロック信号120を受け取る必要がある場合がある。どの場合でも、クロック信号118が、イーサネット(登録商標)・トランスミッタ114に供給され、イーサネット(登録商標)・トランスミッタ114は、そのクロック信号を使用して、データ・ストリーム122を、イーサネット(登録商標)・ファシリティ106を介してノード104に送信されるパケットベース・イーサネット(登録商標)信号に変換する。
【0017】
さらに、イーサネット(登録商標)・レシーバ116は、ノード104からイーサネット(登録商標)・ファシリティ108を介して送信されたパケットベース・イーサネット(登録商標)信号を受信し、CDR(clock−and−data recovery)動作を実行して、クロック信号124およびデータ信号126を回復するが、これらの信号は、図1に図示されていない他の回路を使用して、ペイロード・データを他のエンド・ユーザへのルーティングのために回路交換電話システムに送信するなど、既知の無線通信システム動作に従ってさらに処理される。100Baseタイプのおよび1000Baseタイプのイーサネット(登録商標)信号に関して、送信すべきデータがない時であっても、必ず、ファシリティでのタイムド・トランジション(timed transition)がある。これによって、CDRが同期化されたままになり、同期回復がより簡単になる。
【0018】
やはり図1に示されているように、ノード104に、イーサネット(登録商標)PHYインターフェース128(イーサネット(登録商標)・レシーバ130およびイーサネット(登録商標)・トランスミッタ132を有する)、クロック・セレクタ134、タイミング・エンジン136、およびクロック・ディストリビュータ138が含まれる。イーサネット(登録商標)・レシーバ130は、ネットワーク要素102からイーサネット(登録商標)・ファシリティ106を介して送信されたパケットベース・イーサネット(登録商標)信号を受信し、CDR動作を実行して、クロック信号140およびデータ信号142を回復し、これらの信号は、図1に図示されていない他の回路を使用して、ペイロード・データを基地局のモバイル・ユニットへの無線送信のためにフォーマットするなど、既知の通信システム手順に従ってさらに処理される。
【0019】
クロック・セレクタ134は、イーサネット(登録商標)PHYインターフェース128からクロック信号140を受け取ると同時に、おそらく、ノード104内で実装された他のイーサネット(登録商標)PHYインターフェースから1つまたは複数の他のクロック信号144を受け取り、これらの他のイーサネット(登録商標)PHYインターフェースは、ネットワーク要素102に似た、無線電話システム100の同一の電話局および/または他の電話局に位置する他のネットワーク要素から受信された他のパケットベース・イーサネット(登録商標)信号からクロック信号144を回復する。クロック・セレクタ134は、回復されたクロック信号(140、144)のうちの1つをノード104の基準クロック信号146として選択するクロック選択アルゴリズム(後で説明する)を実装する。
【0020】
基準クロック信号146は、タイミング・エンジン136に供給され、タイミング・エンジン136は、その現在の動作モードに応じて、基準クロック信号146を使用してノード・クロック信号148を生成することができ、このノード・クロック信号148は、ノード104内のある動作を駆動するのに使用される。タイミング・エンジン136は、ノード・クロック信号148の出力タイミング安定性が50PPBより悪くならないことを保証するように設計された回路を有する。実装に応じて、タイミング・エンジン136は、ルビジウム技法またはオーブナイズド技法(ovenized technique)を使用して安定した周波数基準を作成することができ、この周波数基準は、着信イーサネット(登録商標)・ファシリティでのタイミングが不安定になった場合に、最小限のクロック精度を維持できる適切なホールドオーバー(holdover)モードまたはフリーラン・モードを保証するのに使用することができる。
【0021】
クロック・ディストリビュータ138は、ノード・クロック信号148をある動作に分配し、この動作に、(1)ネットワーク要素102およびおそらくはシステム100の同一のまたは他の電話局内の1つまたは複数の他のネットワーク要素への送信のための1つまたは複数のパケットベース・イーサネット(登録商標)信号の生成および(2)基地局の無線ユニットへの送信のための無線信号の生成が含まれる。
【0022】
具体的に言うと、図1には、クロック・ディストリビュータ138によってイーサネット(登録商標)・トランスミッタ132に供給される分配されるクロック信号150が示されており、イーサネット(登録商標)・トランスミッタ132は、このクロック信号を使用して、データ・ストリーム152を、イーサネット(登録商標)・ファシリティ108を介してネットワーク要素102に送信されるパケットベース・イーサネット(登録商標)信号に変換する。クロック・セレクタ134によって行われる選択に応じて、PHYインターフェース128のイーサネット(登録商標)・トランスミッタ132によって使用されるクロック信号150が、同一のPHYインターフェースのイーサネット(登録商標)・レシーバ130によって回復されたクロック信号140に基づく場合とそうでない場合があることに留意されたい。
【0023】
正常な動作状態の下で、クロック・セレクタ134に供給される回復されたクロック信号(140、144)のうちの少なくとも1つが、基地局の無線送信に関連する周波数要件を満足するのに十分な精度を有し、クロック・セレクタ134およびタイミング・エンジン136による適切な処理の結果として、ノード・クロック信号148が、これらの無線送信を生成するのに使用されるのに十分な精度を有するようになっている。
【0024】
イーサネット(登録商標)・ファシリティ106を介するタイミング・トランスポートが、「through−timed」(ANSI標準規格T1.101−1999による)でなければならないことに留意されたい。たとえば、ルータは、通常、内部フリーランニング基準クロックを使用して、着信イーサネット(登録商標)・パケットのタイミングを取り直す。たとえば光減衰に起因して、「再生成」を実行する必要がある場合に、その再生成は、減衰したビットストリームをブーストすると同時に、着信タイミングを保存するために「through timing」方式を使用しなければならない。
【0025】
タイムド・イーサネット(登録商標)・ファシリティが、ルータまたは他のデータ処理ノードをトラバースする必要がある場合に、この発信ファシリティのタイミングは、指定された着信ファシリティに対して「through−timed」でなければならない。この形で、入力タイミング・ファシリティからのタイミング・フローが、ルータを「through(通って)」流れ、発信ファシリティに現れる。
【0026】
クロック・セレクタ134は、基準クロック信号146として使用される適当に回復されたクロック信号を効果的に選択するアルゴリズムを実装するように設計されなければならない。さらに、クロック・セレクタ134によって実装されるアルゴリズムは、クロック信号がそれから回復されるイーサネット(登録商標)信号を生成したネットワーク要素での故障または他の異常なイベントの結果として特定のクロック信号がもはや十分に正確でなくなった時など、個々の回復されたクロック信号の経時的な状態の変化に適当に反応するようにも設計されなければならない。
【0027】
1つの可能な実施形態では、クロック・セレクタ134は、回復されたクロック信号140、144を分析して、これらの回復されたクロック信号のうちどの1つまたは複数が十分に正確であるかを判定する。1つの可能な方式で、クロック・セレクタ134は、回復されたクロック信号の1つまたは複数の異なる対を比較し(たとえば、その両方が同一の時間期間内に実質的に同一個数のクロック・サイクルを有するかどうかを調べるために)、次に、この比較の結果を処理して、基地局の無線送信を生成するのに使用されるのに十分に正確な回復されたクロック信号を識別する。
【0028】
1対のクロック信号を使用して、そのタイミングの精度をクロスチェックすることができる。他方の信号に対する一方の信号の測定は、一方を入力信号(A)として使用し、他方(B)を、測定間隔を導出するための基準入力として使用することによって行うことができる。入力信号(A)のクロック・サイクル数を、基準入力(B)によって確立される所与の間隔についてカウントすることができる。高い精度(たとえば、PPB程度)を有するために、十分な測定間隔がカウントに使用され、たとえば、タイミング誤差を判定するために、少なくとも10億個のクロック・サイクル(A)が使用される。タイミング誤差は、2つのタイミング信号(A)および(B)の間の周波数オフセットをもたらす。(B)に対して測定された(A)の周波数オフセットの大きさは、(A)に対して測定された(B)の周波数オフセットの大きさと同一なので、これらの測定方法のうちの1つだけを行えば十分である。2つの基準の間のタイミング精度が有効と考えられるためには、測定されたクロック・サイクル数(A)が、上限閾値および下限閾値を超えることができない。両方の基準が、異なるクロックから発するので、この比較の方法は、統計的に有意であることが証明されて当然である。
【0029】
例として、クロック・セレクタ134が、4つの異なる着信イーサネット(登録商標)信号を処理する4つの異なるイーサネット(登録商標)・レシーバから4つの異なる回復されたクロック信号A、B、C、およびDを受け取ると仮定する。さらに、回復されたクロック信号Cが、不良である(すなわち、50PPBより悪い精度を有する)が、回復されたクロック信号A、B、およびDが、良い(すなわち、50PPB以上の精度を有する)と仮定する。この例では、6つの異なる可能な信号対の組合せ、A−to−B、A−to−C、A−to−D、B−to−C、B−to−D、およびC−to−Dがある。
【0030】
各信号対比較(図2のステップ202および212を参照されたい)で、クロック・セレクタ134は、他方のクロック信号の指定されたサイクル数に基づいて確立される間隔にわたって、一方のクロック信号のサイクル数をカウントする(ステップ204)。次に、第1クロック信号についてカウントされたクロック・サイクル数を指定された上閾値および下閾値と比較する(ステップ206)。カウントが閾値の間にある場合には、クロック信号の現在の対が、比較的小さい周波数オフセットを有すると言う(両方のクロック信号が、スレーブ・ノードの基準クロックとして使用されるのに十分に正確であることを示す)(ステップ208)。そうでない場合に、カウントが、閾値の間になく、クロック信号の現在の対が、比較的大きい周波数オフセットを有すると言う(クロック信号のうちの少なくとも1つが、スレーブ・ノードの基準クロックとして使用されるのに十分に正確ではないことを示す)(ステップ210)。
【0031】
クロック・セレクタ134は、1つまたは複数の異なる信号対比較の結果を分析して、正確な回復されたクロック信号を識別する(ステップ214)。前の例を続け、6つの異なる可能な信号対比較の結果を、表Iに示す。この結果に基づいて、クロック・セレクタ134は、回復されたクロック信号A、B、およびDが良く、回復されたクロック信号Cが不良であると結論する。次に、クロック・セレクタ134は、クロック信号A、B、およびDのうちのどれでも、基準クロック信号146として使用するために選択することができる(ステップ214)。たとえば、クロック・セレクタ134を、(i)Aが、B、C、またはDより先に選択され、(ii)Bが、CまたはDより先に選択され、(iii)Cが、Dより先に選択されるなど、(任意の)優先順位方式を用いてプログラムすることができる。その場合に、現在の例では、クロック・セレクタ134は、基準クロック信号146として使用するために、回復されたクロック信号Aを選択するはずである。
【表1】

【0032】
ある理由(たとえば、クロック信号Aがそれから回復されるイーサネット(登録商標)信号の生成に使用される発振器)から、クロック信号Aが良から不良に変化した場合に、クロック・セレクタ134は、(1)信号対比較A−to−BおよびA−to−Dの周波数オフセットが、今では比較的大きいと判定し、(2)クロック信号BおよびDだけが、よいクロック信号であると判定し、(3)基準クロック信号146にクロック信号Bを選択する(クロック信号Bが、クロック信号Dより高い優先順位を有するので)。
【0033】
同様に、クロック信号Aが、もう一度良になった場合に、クロック・セレクタ134は、その変化を検出し、そのプログラミングに応じて、基準クロック信号146にクロック信号Aを選択することに戻るか、クロック信号Bのままにする(ある良い信号から別のよい信号に切り替えることから生じる不必要な攪乱を最小にするために)のいずれかを行う。
【0034】
このクロック比較方式の変形形態が可能であることに留意されたい。たとえば、比較A−to−Bが、周波数オフセットが比較的小さいことを示す場合に、クロック・セレクタ134が、クロック信号AおよびBの両方が良いと結論することができる。その場合に、他の信号対比較を実行する必要はない。一般に、追加の信号対比較を実行する必要があるのは、前の信号対比較結果の曖昧さが解決されるまでに限られる。
【0035】
A−to−Bの比較が、クロック信号AおよびBのうちの少なくとも1つが不良であることを示し、A−to−Cの比較が、クロック信号AおよびCのうちの少なくとも1つが不良であることを示す場合に、5つの異なる可能な状況すなわち、(1)Aが不良だが、BおよびCが良い、(2)AおよびBが不良だが、Cが良い、(3)AおよびCが不良だが、Bが良い、(4)BおよびCが不良だが、Aが良い、ならびに(5)A、B、およびCのすべてが不良である、があることに留意されたい。システムが、単一故障点の前提を有する場合に、シナリオ#1(1つの故障だけを有する唯一のシナリオ)が、真であると仮定することができ、クロック・セレクタ134は、クロック信号BまたはCのいずれかを基準クロック信号146として選択することができる。そうでない場合に、異なる可能なシナリオのどれが真であるかを解決するためには、追加の信号対比較(たとえば、B−to−C)を実行する必要がある。単一故障点の前提があれば、このクロック選択アルゴリズムを実行するために、少なくとも3つの回復されたクロック信号が必要である。
【0036】
図2からわかるように、現在の信号対比較の周波数オフセットが、比較的小さい場合(ステップ208)に、クロック・セレクタ134は、必ず、基準クロック信号146として使用されるのに十分に正確であるものとして、少なくとも2つの回復されたクロック信号(すなわち、少なくとも、回復されたクロック信号の現在の対)を識別することができる。その場合に、処理を、ステップ214に進めることができ、ここで、クロック・セレクタ134が、よいクロック信号を識別し、そのうちの1つを基準クロック信号用に選択する。そうでない場合に、処理は、ステップ202に戻って、比較処理のために、回復されたクロック信号の次の対を選択する。
【0037】
もう1つの選択肢は、回復されたクロック信号を、イーサネット(登録商標)・レシーバのホールドオーバー・モードのローカル・フリーランニング基準発振器の出力と比較することである。ホールドオーバー・モード発振器は、「最後のよい入力を記憶しており」、復元された基準を適格とするか再度適格とするのに使用される安定した短期基準として使用することができる。
【0038】
特定の実装に応じて、図2のクロック選択アルゴリズムに加えてまたはその代わりに、システム100が、図3の同期化状況シグナリング方式を実装し、この方式では、各ネットワーク要素(図1のネットワーク要素102など)が、それがイーサネット(登録商標)送信に使用する基準クロックの精度を判定し(図3のステップ320)、それに対応する基地局ノード(図1のノード104など)に送信されるイーサネット(登録商標)信号に同期化状況情報を含め、ここで、この同期化状況情報は、基準クロック精度を識別する(ステップ304)。ノード104は、1つまたは複数の受信されたイーサネット(登録商標)信号のそれぞれからクロック信号および対応する同期化状況情報を回復し(ステップ306)、その同期化状況情報を使用して、どの回復されたクロック信号が基準クロック信号146としての選択に適するかを判定する(ステップ308)。
【0039】
表IIに、ネットワーク要素から基地局ノードに送信されるイーサネット(登録商標)信号に含めることができる同期化状況値の1つの可能なセットを示す。表IIは、ANSI(Stratumベース)クロック仕様およびITU−T(G.81x)クロック仕様の両方に基づく。長期(すなわち、フリーラン)精度(たとえば、指定された年数にわたる精度)ではなく、ホールドオーバー精度(たとえば、24時間期間にわたる精度)に基づいてネットワーク要素のクロック・ソースを選択することで十分とすることができる。したがって、約12PPBのホールドオーバー精度を有するStratum 3クロックは、その長期精度が約4.6PPMであるが、適当とすることができる。ユーザ割当可能な値(表IIの最後の項目)は、ユーザが、ユーザ自身の独自の品質レベルを設定することを可能にする。たとえば、ユーザが、現在は存在しない特殊な基地局クロックを定義することを望む場合に、ユーザは、そのクロックをこのレベルに割り当てることができる。すべてのネットワーク要素がこの手段を知っている限り、それらのネットワーク要素は、このコードを受信した時に、適当に働く。
【表2】

【0040】
同期化状況情報をネットワーク要素から基地局ノードに伝えることができる異なる形がある。たとえば、同期化状況パケット(SSP)を、イーサネット(登録商標)・ファシリティのために定義することができ、ここで、各SSPパケットは、対応するファシリティを介して伝送されるイーサネット(登録商標)信号に関する同期化状況情報を伝える。独立のSSPパケットを、ネットワーク要素からそれに対応する基地局ノードに定期的な間隔で(たとえば、5分ごとに1回)送信することができる。最後のそのような「ハートビート」SSPパケット以降の時間が指定された閾値レベルを超える場合に、受信する基地局ノードを、対応する回復されたクロック信号がもはやそのノードの基準クロック信号としての選択に適さないと結論するように設計することができる。その回復されたクロック信号が、現在そのノードの基準クロック信号に選択されているクロック信号である場合に、そのノードは、別の適当な回復されたクロック信号に切り替えるか、ホールドオーバー・モードに入るいずれかを行うことができる。
【0041】
ホールドオーバー・モードは、タイミング・エンジンが、その回線または外部で刻時される基準の故障の後に維持できる安定性である。ホールドオーバーに入る時に、タイミング・エンジンは、最後の有効な入力の精度に関する情報を保管し、この情報を使用して、将来の出力クロックを生成する。さまざまな動的条件が、ホールドオーバーでのクロックの精度に影響し得る(たとえば、温度、振動、加齢、および電圧変動)ので、ホールドオーバーの静的条件は、精度の有限の持続時間を有する。ホールドオーバー精度は、通常は連続した24時間に関して指定されるので、動作の一時的手段として意図されたものである。
【0042】
SSPパケットを使用することによって、ノード104は、パケットを単純に読み取ることによって、どの入力が良いまたは不良であるかを決定的に識別することができる。これによって、適さない基準対周波数オフセット法(前に説明した)の検出時間が固有に改善される。さらに、SSPパケットの使用は、別の比較基準の必要なしに、故障したまたは適さない基準の信頼できる検出を可能にする。したがって、イーサネット(登録商標)・リンクの同期状態をシグナリングするのにSSPパケットを使用することが、効果的かつ効率的であることを示すことができる。
【0043】
SSPパケットによって伝えられる品質レベル情報のほかに、SSPパケットは、同期基準のソースを識別することもできる。そのようなソース情報は、マスタのメディア・アクセス制御(MAC)アドレス(すなわち、マスタのソース・アドレス)を含めることによって伝えることができる。MACアドレスは一意なので、2つのノードが同一のMACアドレスを有することはない。MACアドレスを識別することによって、各ラインタイムド・ノードが、タイミング信号のソースを識別し、これを優先順位/品質レベル・アルゴリズムの一部として使用することができるようになる。さらに、タイミング信号のソースを知ることによって、タイミング・ループが回避される。タイミング・ループは、通常、タイミング信号のソースが未知の時に作られる。ソース・アドレッシングと共にSSPパケットを使用することによって、イーサネット(登録商標)・ファシリティのライン・タイミングの信頼性が強化される。
【0044】
その代わりにまたはそれに加えて、同期化状況情報を、他のイーサネット(登録商標)・パケットの使用可能なフィールド(たとえば、予約済みヘッダ・ビット)に埋め込むことができる。
対応するイーサネット(登録商標)信号の生成に使用されるクロック信号の精度を識別することに加えて、同期化状況メッセージングは、これらのイーサネット(登録商標)信号を送信するネットワーク要素のMACアドレスを明示的に識別することもできる。基地局ノードを、同期化状況メッセージングで表されるMACアドレスをイーサネット(登録商標)・ヘッダのMACアドレスと比較して、対応する回復されたクロック信号が選択に適することを判定する前にこれらのMACアドレスが同一であることを確認するように設計することができる。他のイーサネット(登録商標)・ノードのいずれかがSSPパケットを生成する場合に、これらのパケットは、タイミング・トレース可能性を有しておらず、したがって、このチェックによって、SSPパケットが適当なマスタから発することが保証される。さらに、ノードは、承認されたマスタ・アドレスのリストからのSSPパケットだけを受け入れるためにチェックを実行することもできる。この形で、ノードが、一意の物理クロック(マスタのアドレスによって表される)に基づいて入力基準を選択することもできる。
【0045】
同期化状況メッセージングの1つの可能な実施形態では、基地局ノードは、最も正確な回復されたクロック信号を選択するように設計される。複数のクロック信号が、同一の最善の精度レベルを有する場合に、基地局ノードは、指定された優先順位リストを参照して、そのノードの基準クロック信号に関してクロック信号のうちの1つを選択することができる。
【0046】
図4は、本発明のもう1つの例示的無線電話システム400の一部を示すブロック図である。具体的には、図4に、パケットベース・イーサネット(登録商標)・ファシリティによって相互接続された、2つのネットワーク要素402および403(システム400の1つの電話局内または2つの異なる電話局内のいずれかに位置する)と、それぞれそれに対応するノード404および405(システム400の1つの基地局に位置する)が示されている。ネットワーク要素402および403のそれぞれは、実質的に図1のネットワーク要素102と同一であるが、ネットワーク要素403内のクロック・ソース411が、高い精度(たとえば、50PPB以上)を有するクロック信号を生成できないことが異なる。さらに、基地局ノード404および405のそれぞれは、実質的に図1の基地局ノード104と同一であるが、ノード404内の導出されたタイミング・インターフェース454の追加およびクロック・セレクタ134と同一のクロック・セレクタの代わりのノード405内のクロック・セレクタ435の実装が異なる。この実施形態では、ネットワーク要素402が、スレーブ・ノード404および405のマスタ・タイミング・ノードとして機能し、ネットワーク要素403が、フリーランニング・ノードである。
【0047】
動作中に、ノード404の導出されたタイミング・インターフェース454は、ノード405内のクロック・セレクタ435への導出されたクロック信号456として、基準クロック信号446(たとえば、ネットワーク要素402からノード404に送信された非常に正確なイーサネット(登録商標)信号から回復される)を供給する。クロック・セレクタ435は、1つまたは複数の他のクロック信号、たとえば、同一基地局内の他のノードからの他の導出されたクロック信号および/またはノード405によってネットワーク要素403から受信されたイーサネット(登録商標)信号から回復されたクロック信号441などのノード405内のイーサネット(登録商標)PHYインターフェースからの回復されたクロック信号を受け取ることができる。
【0048】
ノード405内で基準クロック信号447として非常に正確な導出されたクロック信号456を選択することによって、ネットワーク要素403が、かなりの精度でそれ自体のクロック信号419を生成できる必要がなくなる。図4に示されているように、クロック・ソース411は、約100PPMのみの精度を有するクロック信号を生成することができる。この代替アーキテクチャは、本発明に基づく無線電話システムを実装するコストをさらに減らすのに使用することができる。
【0049】
本発明を、少なくとも3つの異なる受信されたイーサネット(登録商標)信号から少なくとも3つのクロック信号を回復する基地局ノードの文脈で説明したが、理論的には、本発明を、単一の受信されたイーサネット(登録商標)信号から単一のクロック信号だけを回復する基地局の文脈で実装することができる。
【0050】
本発明を、その基地局とその電話局との間にパケットベース・イーサネット(登録商標)・ファシリティを有する無線電話システムの文脈で説明したが、本発明を、他の文脈で実装することもできる。たとえば、無線電話システムを、1つまたは複数のパケットベース・イーサネット(登録商標)・ファシリティが少なくとも1つの基地局を少なくとも1つの電話局に接続し、システムの1つまたは複数の他の基地局が従来の同期(たとえば、DS1/E1)接続を使用して1つまたは複数の電話局に接続される、ハイブリッド・システムとすることができる。本発明は、無線電話システムの基地局および電話局に関するものだけではなく、すべての他のイーサネット(登録商標)・ネットワークの文脈で実装することもできる。一般に、本発明は、無線電話システム以外の通信システムおよび/またはイーサネット(登録商標)・ファシリティ以外のパケットベース接続の文脈で実装することができる。
【0051】
本発明を、単一の集積回路(ASICまたはFPGAなど)、マルチチップ・モジュール、単一のカード、または複数カード回路パックとしての可能な実装を含む、回路ベース・プロセスとして実装することができる。当業者に明白なように、回路要素のさまざまな機能を、ソフトウェア・プログラムの処理ステップとして実装することもできる。そのようなソフトウェアは、たとえば、ディジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、または汎用コンピュータで使用することができる。
【0052】
本発明を、これらの方法を実践する方法および装置の形で実施することができる。本発明は、フロッピ・ディスケット、CD−ROM、ハード・ドライブ、または他の機械可読記憶媒体などの有形の媒体内で実施されたプログラム・コードの形で実施することもでき、この場合に、プログラム・コードがコンピュータなどの機械にロードされ、これによって実行される時に、その機械が、本発明を実践する装置になる。本発明は、たとえば、記憶媒体に保管されるか、機械にロードされ、かつ/または機械によって実行されるか、電子配線、電子ケーブリング、光ファイバ、もしくは電磁放射を介するなど、ある伝送媒体または担体を介して伝送されるいずれであれ、プログラム・コードの形で実施することもでき、この場合に、プログラム・コードがコンピュータなどの機械にロードされ、これによって実行される時に、その機械が、本発明を実践する装置になる。汎用コンピュータで実装される時に、プログラム・コード・セグメントが、プロセッサと組み合わされて、特定の論理回路に似て動作する独自のデバイスが提供される。
【0053】
明示的にそうでないと述べられていない限り、各数値および範囲は、単語「約」が値または範囲の値の前にあるかのように、近似であるものと解釈されなければならない。
【0054】
さらに、本発明の性質を説明するために説明され、図示された諸部分の詳細、材料、および配置におけるさまざまな変更を、添付請求項に示された本発明の範囲から逸脱せずに、当業者が行うことができることを理解されたい。
【0055】
請求項での図面番号および/または図面符号の使用は、請求項の解釈を容易にするために、請求される主題の1つまたは複数の可能な実施形態を識別することを意図されたものである。そのような使用を、必ずこれらの請求項の範囲を対応する図面に示された実施形態に限定すると解釈してはならない。
【0056】
添付された方法請求項は、存在する場合に、対応するラベル付けを用いて特定のシーケンスで示されているが、請求項の詳説が他の形でこれらの一部またはすべてを実装する特定のシーケンスを暗示しない限り、これらは、必ずしも、その特定のシーケンスで実装されることに限定されないものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットベース・ネットワークのノードであって、
各レシーバが、前記ネットワークの他のノードから着信パケットベース信号を受信し、前記着信パケットベース信号からラインタイムドクロック信号を回復するためにライン・タイミングを実装するように適合された、1つまたは複数のレシーバと、
前記1つまたは複数の回復されたラインタイムドクロック信号のうちの1つを基準クロック信号として選択するように適合されたクロック・セレクタと、
各トランスミッタが、前記基準クロック信号に基づいて発信パケットベース信号を生成し、前記ネットワークの他のノードに送信するように適合された、1つまたは複数のトランスミッタとを含み、
前記基準クロック信号は、各発信パケットベース信号を生成するのに十分な精度を有する、ノード。
【請求項2】
少なくとも1つのレシーバが、それに対応する着信パケットベース信号から、前記着信パケットベース信号を生成するのに使用されたクロック信号の精度レベルを識別する同期化状況情報を回復するように適合され、
前記クロック・セレクタが、対応する回復されたラインタイムドクロック信号が前記基準クロック信号として選択されるのに十分に正確であるかどうかを識別するために、前記回復された同期化状況情報を使用するように適合される、請求項1に記載のノード。
【請求項3】
前記ノードが、さらに、前記ネットワークの他のノードの、基準クロック信号として使用するために選択可能である導出されたラインタイムドクロック信号として前記基準クロック信号を前記他のノードに供給するように適合された導出されたタイミング・インターフェースを含む、請求項1又は2に記載のノード。
【請求項4】
前記着信パケットベース信号から前記ラインタイムドクロック信号を回復するために前記レシーバにより使用される前記ライン・タイミングは、物理層プロトコルである、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のノード。
【請求項5】
前記レシーバは、前記着信パケットベース信号における物理的遷移に基づいて、前記ラインタイムドクロック信号についての周波数を導くための前記ライン・タイミングを実装する、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のノード。
【請求項6】
前記ノードは、複数の前記レシーバ及び複数の前記トランスミッタを含み、前記複数のトランスミッタの各トランスミッタが、同一の基準クロック信号に基づいて、発信パケットベース信号を生成し、前記ネットワークの他のノードへ送信するように構成される、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のノード。
【請求項7】
前記ノードは、無線信号を生成し、送信するために、前記基準クロック信号を使用する、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のノード。
【請求項8】
前記ノードは、前記基準クロック信号を安定させるように構成されたタイミング・エンジンをさらに含む、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のノード。
【請求項9】
前記ノードは、前記ネットワークの一つ又は複数の他のノードへ前記基準クロック信号を送信する、請求項1ないし8のいずれか一項に記載のノード。
【請求項10】
各トランスミッタが、発信パケットベース信号を生成し、どのようなローカルクロック・ソースからも独立している前記ネットワークの他のノードへ送信する、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のノード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−186831(P2012−186831A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−105019(P2012−105019)
【出願日】平成24年5月2日(2012.5.2)
【分割の表示】特願2006−122764(P2006−122764)の分割
【原出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(500587067)アギア システムズ インコーポレーテッド (302)
【Fターム(参考)】