説明

パズルゲームプログラム

【課題】簡単な構成のパズル要素を簡単な操作方法で操作するパズルゲームであっても、複雑なゲーム性を付与することができるパズルゲームプログラムを提供することにある。
【解決手段】コンピュータを、ゲーム画面上でパズルゲームを進行させるためのゲーム処理を実行させるゲーム処理手段と、ゲーム処理手段によりゲーム処理が実行された結果、パズルの完成形態の完成条件を満たしているか否かを判定させる完成条件判定手段として機能させるためのパズルゲームプログラムにより、プレイヤーが、6種類のパズルピース11a...11fから成るパズル要素11を配置枠12にそれぞれ配置し、所定の完成条件を満たすパズルの完成形態を形成するパズルゲームを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パズルゲームプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のパズルピースから成るパズル要素を組み合わせて所定の完成形態を形成する種々のパズルゲームが知られている。
【0003】
例えば、ゲームフィールドに配置された少なくとも2つの接続端子を結ぶ線図が描かれた複数種類のパネルを、パズル要素として用いるパズルゲームが開示されている(下記特許文献1参照)。このパズルゲームは、プレイヤーの操作に応じて指定された2つのパネルを入れ替えて各接続端子を互いに接続し、閉鎖線図を完成させるものである。パズル要素として正方形パネルを採用し、その頂点に接続端子が設けられているので、パネル接続の自由度が高いという利点がある。
【0004】
しかしながら、特許文献1のパズルゲームは、正方形パネルの配置位置を入れ替えるだけなので、操作自体は容易だが、ゲームが単調になり易い。また、各パネルは、パズル要素としての構成が極めて簡単であるが、各パネルを構成する線図の種類が制限されてしまう。このため、限られた線図の組合せから成る閉鎖線図を完成形態として設定せざるをえない。これにより、複雑なゲーム性を付与することが困難になると同時に、難易度の設定にも制限が課されてしまう。したがって、プレイヤーがすぐに飽きてしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−246152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、簡単な構成のパズル要素を簡単な操作方法で操作するパズルゲームであっても、複雑なゲーム性を付与することができるパズルゲームプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、コンピュータを、ゲーム画面上でパズルゲームを進行させるためのゲーム処理を実行させるゲーム処理手段と、前記ゲーム処理手段によりゲーム処理が実行された結果、パズルの完成形態の完成条件を満たしているか否かを判定させる完成条件判定手段として機能させるために、前記ゲーム処理手段が、予め指定された難易度に応じて、第1乃至第4の異なる標識から成る識別標識と、辺の長さが全て等しい四角形から成り、対角線によって区画された第1乃至第4の領域にそれぞれ前記識別標識が付された表示部と、を有し、前記表示部に付された前記識別標識の相対的な位置関係が全て異なる第1乃至第6のパズルピースから成るパズル要素と、前記表示部と同一形状の四角形が複数並べられた枠線に沿って前記パズル要素が所定の配置位置に配置される配置枠と、を前記ゲーム画面上に表示させる表示ステップと、前記表示ステップにおいて表示された前記パズル要素から一の前記パズルピースを選択させる選択ステップと、前記選択ステップにおいて選択された前記パズルピースを前記配置枠の所望の配置位置まで移動させる移動ステップと、前記移動ステップにおいて前記配置枠の所望の配置位置まで移動させられた前記パズルピースの前記表示部に付された前記識別標識の位置関係の表示態様を予め定められた規則に従って変化させる表示態様変化ステップと、前記配置枠の所望の配置位置において、前記識別標識の位置関係が所望の表示態様にある前記パズルピースを該配置位置に配置させる配置ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするパズルゲームである。
【0008】
また、本発明のパズルゲームプログラムは、前記コンピュータを、パズルゲームの難易度を設定させる難易度設定手段として機能させるために、前記難易度設定手段が、一又は複数組の前記パズル要素から、パズルゲームに使用される前記パズルピースの数を設定させる使用数設定ステップと、前記配置枠の枠線を構成する前記四角形の数を、前記使用数設定ステップにおいて設定された前記パズルピースの数以下に設定させる配置枠設定ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明のパズルゲームプログラムは、前記難易度設定手段が、前記コンピュータを前記ゲーム処理手段として機能させることができる時間に制限を設ける制限時間設定ステップを該コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
またさらに、本発明のパズルゲームプログラムは、前記難易度設定手段が、前記配置枠の外周部の形状が前記パズルピースの前記表示部と相似する形状である場合に、前記配置枠の隣接する配置位置に配置された前記パズルピース同士の互いに対向する前記識別標識が同種類となっている標識対向部のうち、前記第1乃至第4の標識それぞれの各標識対向部の数が等しくなっていることを前記パズルの完成条件に付加する完成条件付加ステップを前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るパズルゲームプログラムによれば、表示部に付された識別標識の相対的な位置関係が全て異なる6種類のパズルピースをパズル要素として採用しており、これらをゲーム画面に表示された配置枠に配置して形成されるパズルの完成形態が多数存在する。このため、完成条件の設定に対する自由度が非常に高くなり、パズル要素の構成を全く変えることなくパズルゲームの難易度を幅広く設定変更できる。したがって、コンピュータを、ゲーム処理手段、及び完成条件判定手段として上述のように機能させることで、簡単な構成のパズル要素を簡単な操作方法で操作するパズルゲームであっても、複雑なゲーム性を付与することが可能となる。これにより、プレイヤーをより長期間にわたって飽きさせることなく楽しませることが可能なパズルゲームを提供することができる。
【0012】
また、本発明に係るパズルゲームプログラムによれば、一又は複数組のパズル要素からいかなる組合せでパズルピース群を選択しても必ずパズルの完成形態が存在する。言い換えれば、一又は複数組のパズル要素からパズルピース群を任意に選択してもパズルゲームとして成立する。このため、使用するパズルピース群の数を単純に増減させるだけで、パズルゲームの難易度を容易に且つ幅広く設定変更することができる。これにより、パズルゲームの難易度設定をさらに多様化することができる。
【0013】
さらに、本発明に係るパズルゲームプログラムによれば、使用するパズルピース群の数の増減により設定された難易度が同じであっても、プレイヤーのレベルによってパズルの完成形態を完成させるために要する時間が異なる。このため、コンピュータを前記ゲーム処理手段として機能させることができる時間に制限を設ければ、パズルゲームの難易度設定をさらに多様化できるとともに、パズルゲームに新たなゲーム性を付与することができる。
【0014】
またさらに、本発明に係るパズルゲームプログラムによれば、配置枠の外周部の形状が表示部と相似する形状である場合、パズルの完成形態における、互いに対向する識別標識が同種類となる標識対向部の総数は必ず4の倍数となる。かかる自然法則を利用して、パズルの完成形態に新たな完成条件を付加すれば、パズル要素の構成を全く変えることなくパズルゲームに対してまた新たなゲーム性を付与することができる。これにより、パズルゲームの難易度設定の更なる多様化を実現するとともに、パズルゲームに対してより一層複雑なゲーム性を付与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のパズルゲームプログラムを機能させるためのゲーム装置の実施形態、及び、本発明のパズルゲームプログラムの頒布形態を示す概略説明図である。
【図2】本発明のパズルゲームプログラムを機能させるためのゲーム装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態のパズルゲームに使用されるパズル要素を示す説明図である。
【図4】パズル要素が配置される配置枠を示す説明図である。
【図5】パズルの完成形態の一例を示す説明図である。
【図6】第1の設定要素の一設定例、及びパズルの完成形態の一例を示す説明図である。
【図7】第1の設定要素の他の設定例、及びパズルの完成形態の他の一例を示す説明図である。
【図8】第1の設定要素のさらに他の設定例を示す説明図である。
【図9】第3の設定要素の一設定例、及びパズルの完成形態の一例を示す説明図である。
【図10】パズルゲーム全体の流れを示すフローチャートである。
【図11】ゲーム装置を難易度設定手段として機能させるための流れを示すフローチャートである。
【図12】ゲーム装置をゲーム処理手段として機能させるための流れを示すフローチャートである。
【図13】表示態様変化ステップにおける動作を示す説明図である。
【図14】ゲーム装置を他の実施形態のゲーム処理手段として機能させるための流れを示すフローチャートである。
【図15】ゲーム装置を更に他の実施形態のゲーム処理手段として機能させるための流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るパズルゲームプログラムの実施形態について図面を用いて説明する。本明細書において、同一の符号で示されている場合は、同一の又は対応する構成を示すものとする。
【0017】
図1に示すように、本発明のパズルゲームプログラムを機能させるためのコンピュータとして、パーソナルコンピュータ10(以下、PC10と記載する)、携帯端末装置20、及びゲーム専用機30等のゲーム装置を用いることができる。本発明のパズルゲームプログラムは、プレイヤーがこれらのゲーム装置(PC10、携帯端末装置20、及びゲーム専用機30)から電気通信回線40を通じてゲーム提供用のサーバ50へアクセスし、電気通信回線40を通じてこれらのゲーム装置へダウンロードすることで入手することができる。
【0018】
あるいは、これらのゲーム装置により読取り可能な情報記録媒体60に本発明のパズルゲームプログラムを記録してプレイヤーに提供するようにしてもよい。情報記録媒体60として、例えば、ゲームカートリッジ、コンパクトディスク、その他メモリカード等を用いることができる。また、情報記録媒体60に記録された情報を読み取るための読取手段104(図2参照)を各ゲーム装置において共通化したり、あるいは互換性を持たせたりすることで、各ゲーム装置で情報記録媒体60を共有することもできる。
【0019】
次に、各ゲーム装置の内部構成について説明する。図2(a)に示すように、PC10は、制御手段101、通信手段102、記憶手段103、読取手段104、入力手段105、画像表示手段106、及び音声出力手段107を備えている。制御手段101は、CPU等の演算処理装置で構成されており、PC10の各構成要素による以下の動作を制御する。通信手段102は、電気通信回線40と接続されており、サーバ50との間でデータの送受信を行う。記憶手段103は、RAMや内蔵型HDD等の内部メモリで構成されており、通信手段102を介してサーバ50からダウンロードされたパズルゲームプログラムを記憶する。読取手段104は、情報記録媒体60に記録されたパズルゲームプログラムを読み取るためのものであり、情報記録媒体60の種類に適合するものが用いられる。入力手段105は、キーボードやマウス等のインターフェースで構成されており、プレイヤーの指示を制御手段101に伝達する。画像表示手段106は、ディスプレイやモニタ等の表示装置で構成されており、起動されたパズルゲームプログラムに基づくゲーム画面を表示する。音声出力手段107は、スピーカで構成されており、パズルゲームの進行に応じたBGMや効果音等を出力可能である。
【0020】
図2(b)に示すように、携帯端末装置20は、制御手段201、通信手段202、記憶手段203、読取手段204、入力手段205、画像表示手段206、音声出力手段207、及び音声入力手段208を備えている。携帯端末装置20は、携帯電話機(PDA(携帯情報端末)機能を備えるものを含む)等で構成されている。携帯端末装置20の基本的な動作は上述のPC10と共通しているため、ここでは説明を省略する。携帯端末装置20とPC10との主な相違点としては、音声入力手段208を備えている点が挙げられる。音声入力手段208は、マイク等で構成されており、電話機として使用する際に用いられる。その他の相違点としては、例えば、通信手段202が無線通信である点、入力手段205がタッチパネルや入力ボタン等で構成されている点等が挙げられる。
【0021】
図2(c)に示すように、ゲーム専用機30は、制御手段301、記憶手段303、読取手段304、入力手段305、画像表示手段306、及び音声出力手段307を備えている。なお、ゲーム専用機30においては必ずしも通信手段302を備えている必要はない。ゲーム専用機30は、屋内使用型のゲーム機と携帯端末型のゲーム機に大別される。屋内使用型のゲーム機は、制御手段301、記憶手段303、読取手段304、入力手段305を備えたゲーム機本体30aと接続されたテレビ30bを画像表示手段306及び音声出力手段307として利用する。一方、携帯端末型のゲーム機は、ゲーム機本体30a自体が画像表示手段306及び音声出力手段307を備えた一体的な構成となっており、屋外でも使用可能である。ゲーム専用機30の基本的な動作は上述のPC10と共通しているため、ここでは説明を省略する。ゲーム専用機30とPC10との主な相違点としては、例えば、入力手段305が操作性及び機能性が特に高いコントローラ等で構成されて点が挙げられる。
【0022】
次に、本発明のパズルゲームプログラムにおけるパズルゲームの実施形態について説明する。なお、以下の説明では、PC10をゲーム装置として用いた場合を例示するものとする。
【0023】
本実施形態のパズルゲームは、ゲーム画面上に表示されたパズル要素11(図3参照)を配置枠12(図4参照)に配置してパズルの完成形態(図5参照)を完成させるものである。パズルの完成形態には一定の完成条件が設定されており、この完成条件を満たすように、ゲームに使用する全てのパズル要素11を配置枠12に配置することができればゲームクリアとなる。
【0024】
パズル要素11は、パズルの完成形態を形成するための構成要素である。図3に示すように、パズル要素11は、第1のパズルピース11a、第2のパズルピース11b、第3のパズルピース11c、第4のパズルピース11d、第5のパズルピース11e、第6のパズルピース11fから成る。パズル要素11の各パズルピース11a...11fは、識別標識111、及びこの識別標識111が付された表示部112をそれぞれ有する。
【0025】
識別標識111は、プレイヤーがパズルの完成形態を形成する際の指標となるものである。識別標識111は、第1の標識A、第2の標識B、第3の標識C、及び第4の標識Dから成る異なる種類の標識である。識別標識111は、プレイヤーが他の標識と識別可能なものであればよい。識別標識111の具体例としては、色彩、模様、図形などが挙げられるが、特に限定されない。あるいは、これらを組み合わせたものを識別標識111として用いてもよい。特に、識別標識111として色彩(例えば、赤色、青色、緑色、黄色の4色)を用いれば、明瞭性、美観性、構成の容易性などの点において好ましい。
【0026】
表示部112は、識別標識111をプレイヤーに対して明瞭に表示するためのスペースである。表示部112の形状は正方形であり、表示部112の周縁部を構成する4辺の長さは全て等しい。表示部112の大きさは、例えば、ゲーム画面の大きさ、配置枠12の大きさ、使用されるパズル要素11の数などに応じて適宜調整される。
【0027】
表示部112は、2本の対角線によって、第1の領域112a、第2の領域112b、第3の領域112c、及び第4の領域112dから成る直角二等辺三角形の4つの領域に区画されている。この4つの領域112a...112dにそれぞれ異なる種類の識別標識111が付されている。識別標識111は、プレイヤーに対する表示明瞭性などの観点から、各領域112a...112dの全面に付されるのが好ましいが、各領域112a...112dの一部に付されていてもよい。各領域112a...112dに付された識別標識111により、表示部112の4辺が個別に識別される。
【0028】
パズル要素11の各パズルピース11a...11fは、表示部112に付された識別標識111の相対的な位置関係が全て異なっている。即ち、第1の標識A、第2の標識B、第3の標識C、及び第4の標識Dは、各パズルピース11a...11fの表示部112における第1の領域112a、第2の領域112b、第3の領域112c、及び第4の領域112dにそれぞれ以下のとおりに付されている。
【0029】
第1のパズルピース11aの表示部112には、第1の領域112aに第1の標識Aが、第2の領域112bに第2の標識Bが、第3の領域112cに第3の標識Cが、第4の標識112dに第4の標識Dがそれぞれ付されている。
【0030】
第2のパズルピース11bの表示部112には、第1の領域112aに第1の標識Aが、第2の領域112bに第2の標識Bが、第3の領域112cに第4の標識Dが、第4の標識112dに第3の標識Cがそれぞれ付されている。
【0031】
第3のパズルピース11cの表示部112には、第1の領域112aに第1の標識Aが、第2の領域112bに第4の標識Dが、第3の領域112cに第3の標識Cが、第4の標識112dに第2の標識Bがそれぞれ付されている。
【0032】
第4のパズルピース11dの表示部112には、第1の領域112aに第1の標識Aが、第2の領域112bに第3の標識Cが、第3の領域112cに第4の標識Dが、第4の標識112dに第2の標識Bがそれぞれ付されている。
【0033】
第5のパズルピース11eの表示部112には、第1の領域112aに第1の標識Aが、第2の領域112bに第4の標識Dが、第3の領域112cに第2の標識Bが、第4の標識112dに第3の標識Cがそれぞれ付されている。
【0034】
第6のパズルピース11fの表示部112には、第1の領域112aに第1の標識Aが、第2の領域112bに第3の標識Cが、第3の領域112cに第2の標識Bが、第4の標識112dに第4の標識Dがそれぞれ付されている。
【0035】
なお、図3に示すパズル要素11は、各パズルピース11a...11f全てに共通して、第1の領域112aに第1の標識Aが付されたものを例示しているが、第1の標識Aは、その他の領域のいずれかに付されていてもよい。つまり、各標識A...Dのいずれか1つの標識を基準とした場合に、各標識A...Dの相対的な位置関係が全て異なるように付されていればよい。
【0036】
このような識別標識111の位置関係の条件を満たすパズルピースの組合せは、各標識A...Dのうち、いずれの標識を基準となる標識として選択したとしても、必ず第1のパズルピース11a乃至第6のパズルピース11fから成る6種類のパズルピースを1組とするパズル要素11となる。言い換えれば、このような識別標識111の位置関係の条件を満たすパズル構成片11は、第1のパズル片11a乃至第6のパズル片11fの組合せ以外は存在しない。
【0037】
配置枠12は、プレイヤーがパズル要素11を配置する位置を決定するための位置決め手段である。図4に示すように、配置枠12は、表示部112と同一形状の四角形が複数並べられた枠線121から成る。枠線121を構成する各四角形は、一の四角形の4辺のうち少なくともいずれか1辺と、互いに隣接する四角形の4辺のうちいずれか1辺とを、互いの両端部が揃うように対向させて並べられる。一方、各四角形のいずれの辺とも対向していない各辺により配置枠12の外周部が形成される。本実施形態では、6個の四角形が縦2列横3列に並べられた枠線121が形成されており、配置枠12の外周部は、長辺と短辺の長さの比率が3:2の長方形に形成されている。
【0038】
配置枠12は、枠線121を構成する各四角形が少なくとも一の四角形と隣接していればよく、配置枠12の外周部の形状については特に限定されない。配置枠12の大きさは、枠線121を構成する各四角形の大きさに応じて変動する。したがって、配置枠12の大きさは、パズル要素11を構成する表示部112の大きさに応じて適宜調整される。
【0039】
次に、本実施形態のパズルゲームにおけるパズルの完成形態の完成条件について、図5に示すパズルの完成形態の一例に基づいて説明する。
【0040】
図5に示すように、本実施形態のパズルゲームにおいて、ゲームに使用する全てのパズル要素11が配置枠12に配置されたとき、パズル要素11の各パズルピース11a...11fは、一のパズルピースの表示部112のいずれか1辺と、隣接する他のパズルピースの表示部112のいずれか1辺とが互いに対向している。表示部112の各辺は、識別標識111によって個別に識別されているので、互いに対向する表示部112の各辺を識別する識別標識111も互いに対向することになる。
【0041】
例えば、識別標識111が4色の異なる色彩であって、これらが表示部112の各領域112a...112dの全面に付されている場合、標識対向部13として、互いに対向する一対の識別標識111により4色の異なる色彩の正方形が形成される。この場合、互いに対向する識別標識111をプレイヤーに対してより明確に表示できると同時に、パズルの完成形態の美観も好ましいという利点がある。互いに対向する一対の識別標識111によって形成される正方形(標識対向部13)は、1辺の長さが、表示部112を構成する正方形の1辺の長さの1/√2倍の長さとなる。
【0042】
また、標識対向部13は、パズルの完成形態の周縁部の内側に所定の数だけ形成される。パズルの完成形態の周縁部とは、表示部112のいずれの辺とも対向していない各辺により形成される図形に相当するものである。本実施形態ではパズルの完成形態の周縁部は、配置枠12の外周部と同様、長辺と短辺の長さの比率が3:2の長方形であり、この長方形の周縁部の内側に標識対向部13として7個の正方形が形成されている。
【0043】
つまり、本実施形態のパズルゲームにおけるパズルの完成形態の完成条件とは、「配置枠12に配置されたパズル要素11の互いに対向する全ての識別標識111が同種類となっていること」である。例えば、上述のように識別標識111が4色の異なる色彩であって、これらが表示部112の各領域112a...112dの全面に付されている場合は、「パズルの完成形態の周縁部の内側に所定の数の正方形(標識対向部13)が形成されていること」が完成条件となる。この場合、パズルの完成形態の周縁部の内側に形成される正方形の数は、配置枠12の枠線121を構成する四角形の数、パズルの完成形態の周縁部の形状などに応じて決定される。
【0044】
なお、このような完成条件を満たすパズルの完成形態は、図5に示す形態に限定されるものではない。例えば、互いに対向する同種類の識別標識111の配置の組合せは、図5に示す配置以外にも複数の組合せが存在する。あるいは、パズルの完成形態の周縁部の形状が図5に示すような長方形以外の形状であってもよい。パズルの完成形態の周縁部の形状は、配置枠12の外周部の形状によって決定される。
【0045】
また、パズルの完成形態は、全てのパズル要素11を使用することによって形成される必要はない。即ち、パズル要素11のうち各パズルピース11a...11fのいずれか複数を選択したパズルピースの組合せによりパズルの完成形態を形成してもよい。かかる場合に使用されるパズルピースの組合せは、いかなる組合せでパズル要素11から選択されたとしても、必ずパズルの完成形態が存在することになる。
【0046】
このように、本発明のパズルゲームプログラムによれば、上述の完成条件を満たすようにパズル要素11を配置枠12に配置することで形成されるパズルの完成形態が多数存在するため、プレイヤーが飽きにくいゲーム構成を実現することができる。
【0047】
次に、本発明のパズルゲームプログラムにおけるパズルゲームの難易度について説明する。本実施形態のパズルゲームは、ゲームの難易度を選択・指定するための設定要素として、第1の設定要素、第2の設定要素、及び第3の設定要素から成る3種類の設定要素が存在する。以下、各設定要素に関する特徴点について詳細に説明する。
【0048】
第1の設定要素は、パズル要素11(各パズルピース11a...11f)の使用数、及び配置枠12の外周部の形状である。本実施形態のパズルゲームは、パズル要素11の使用数の増減に応じて、パズルゲームの難易度が変動する点に特徴がある。パズル要素11の使用数が増加すると、標識対向部13の数も増加する。上述のとおり、本実施形態のパズルゲームにおけるパズルの完成形態の完成条件は、「配置枠12に配置されたパズル要素11の互いに対向する全ての識別標識111が同種類となっていること」である。したがって、標識対向部13の数が増加するほど、パズルゲームの難易度は高くなる。
【0049】
パズル要素11の使用数が設定されると、これに応じて配置枠12の枠線121を構成する四角形の数が設定されるとともに配置枠12の外周部の形状が設定される。配置枠12の外周部の形状が第1の設定要素となっている理由は、たとえパズル要素11の使用数が同じであっても、配置枠12の外周部の形状によって標識対向部13の数が異なるからである。
【0050】
つまり、本実施形態のパズルゲームは、第1の設定要素として、パズル要素11の使用数及び配置枠12の外周部の形状をそれぞれ設定することで標識対向部13の数の調整が行われ、これによりパズルゲームの難易度の調整が行われるのである。これは、一又は複数組のパズル要素11からパズルピース11a...11fがいかなる組合せで選択されたとしても、パズルの完成形態が必ず存在するという本実施形態のパズルゲームの特徴点を利用することにより実現されている。
【0051】
第1の設定要素の具体的な設定例としては、例えば、複数組のパズル要素11から成るパズルピース群21を使用し、配置枠12の枠線121を構成する四角形の数が、パズルピース群21を構成するパズル要素11の数以下であるような設定であってもよい。図6に示すように、パズルピース群21は、各パズルピース11a...11fがそれぞれ2個ずつ、合計12個のパズルピースにより構成されている。つまり、図6に示すパズルの完成形態は2組のパズル要素11を用いて形成されている。本実施形態のパズルゲームにおいて使用できるパズル要素11は、2組に限定されない。例えば、3組以上のパズル要素11を使用してもよい。このような設定におけるパズルの完成形態は、図5に示すパズルの完成形態の一例と同様に、図6に示す形態の他にもパズルの完成形態が多数存在する。
【0052】
また、図7に示すように、複数組のパズル要素11から任意に選択された各パズルピース11a...11fの組合せから成るパズルピース群21aを使用するような設定であってもよい。パズルピース群21aは、一又は複数組のパズル要素11から選択される限り、いかなる組合せで各パズルピース11a...11fが選択されても必ずパズルの完成形態が存在する。例えば、6種類のパズルピース11a...11fのうち、パズルピース群21aに含まれないパズルピースが1種類以上存在していてもよい。したがって、任意に選択されたパズルピース群21aを用いてもパズルゲームとして成立する。
【0053】
これに加えて、配置枠12の外周部の形状を、図6及び図7に示す配置枠22、22aのような外周部の形状から他の形状に変更すれば、標識対向部13の数に変化が生じるため、これに応じてパズルゲームの難易度も変化する。あるいは、配置枠12の外周部の形状が、図8に示す配置枠32の外周部の形状のように、パズルピース群31を構成する各パズルピース11a...11fの表示部112と相似する形状になるような設定であってもよい。この場合、パズルの完成形態の周縁部の形状も表示部112と相似する形状となる。このように、本実施形態のパズルゲームは、難易度設定のバリエーションが非常に豊富である。
【0054】
第2の設定要素は、プレイヤーがパズルの完成形態を完成させるまでの時間に対する制限時間である。パズルの完成形態を完成させるための制限時間が設定されることにより、たとえ上述した第1の設定要素(即ち、パズル要素11の使用数や配置枠12の外周部の形状)に関する設定が同じ条件であったとしても、パズルゲームの難易度がより高くなる。
【0055】
例えば、2組のパズル要素11を使用して、図6に示すようなパズルの完成形態を形成する場合、プレイヤーのレベルによってパズルの完成形態を完成させるまでに要する時間が異なる。即ち、プレイヤーが上級者であれば、より短時間でパズルの完成形態を完成させることができるが、プレイヤーが初心者であれば、上級者以上に時間を要するという傾向にある。ところが、パズルの完成形態を完成させるための制限時間が設定されている場合、制限時間が残り少なくなるにつれてプレイヤーに焦りや混乱が生じるため、たとえ上級者であっても制限時間内にパズルの完成形態を完成させるための困難性が高まる。
【0056】
このように、上述した第1の設定要素に「制限時間」という第2の設定要素が新たに付加されることにより、標識対向部13の数の増加とは異なる種類の困難性が付加される。これに伴ってパズルゲームの難易度にも変化が生じる。つまり、本実施形態のパズルゲームでは、制限時間の設定の有無及び制限時間の長さを調整することで、パズルゲームの難易度の調整が行われるのである。これにより、パズルゲームの難易度設定のバリエーションを更に増やすことができる。
【0057】
これに加えて、パズルの完成形態を完成させるための制限時間が設定されることで、パズルの完成形態をより早く完成させるようにプレイヤーを促す効果が得られる。例えば、プレイヤー自身や他人の過去の記録をPC10の記憶手段103やサーバ50に記憶させておき、順位付けや段位認定などを行うことで、プレイヤーのレベルアップを促すことができる。これにより、本実施形態のパズルゲームに新たなゲーム性が付与され、プレイヤーがより飽きにくいゲーム構成を実現することができる。
【0058】
第3の設定要素は、パズルの完成形態に対して付加される新たな完成条件である。この新たな完成条件について、図8及び図9を用いて以下に詳細に説明する。なお、この第3の設定要素については、配置枠12の外周部の形状が、図8に示す配置枠32の外周部の形状のように、パズルピース群31を構成する各パズルピース11a...11fの表示部112と相似する形状になる設定である場合にのみ設定可能である。
【0059】
図8に示すように、第3の設定要素が設定されるのは、配置枠12の外周部の形状が、配置枠32のように、各パズルピース11a...11fの表示部112と相似する形状となる場合である。表示部112は正方形であるため、配置枠32の外周部の形状は正方形となり、その一辺の長さは表示部112の一辺の長さのn倍である。よって、パズルの完成形態の周縁部の形状は、複数組のパズル要素11から選択されたパズルピース群31を縦横n列(n≧2(n:自然数))に配置した正方形状に形成される。
【0060】
このとき、識別標識111が互いに対向している部分の数(即ち、標識対向部13の総数)をXとすると、X=2n(n−1)(但し、n≧2(n:自然数))と表すことができる。ここで、n≧2のとき、互いの差が1となる2つの自然数の積を表すn(n−1)は必ず偶数になるので、n(n−1)=2m(m:自然数)と表すことができる。これらの関係から、標識対向部13の総数Xは、X=4mと表わすことができる。つまり、標識対向部13の総数Xは必ず4の倍数となる。
【0061】
一方、各標識A...Dが互いに対向している部分(即ち、各標識A...Dに係る標識対向部13A...13D(図9参照))の数をそれぞれX、X、X、Xとすると、X=X+X+X+Xと表すことができる。ここで、標識対向部13の総数Xは必ず4の倍数になるという自然法則を利用すれば、各標識A...Dに係る標識対向部13A...13Dそれぞれの数が全て等しくなる形態(即ち、X=X=X=X=X/4を満たす形態)を形成することができる。
【0062】
図9に示すような第3の設定要素の具体的な設定例では、3組のパズル要素11から選択された合計16個のパズルピース11a...11fの組合せから成るパズルピース群31aと、配置枠32aとでパズルの完成形態が形成されている。本完成形態は、配置枠32aの枠線321aに沿って、パズルピース群31aを縦横4列(即ち、n=4)の正方形状に載置されており、配置枠32aの外周部の形状は表示部112と相似する形状である。このとき、パズルピース群31aとして選択されなかった2個のパズルピース11b、11dは、本実施形態のパズルゲームにおけるパズルの完成形態を形成するためには使用されない。
【0063】
例えば、各標識A...Dが4色の異なる色彩であって、これらが表示部112の各領域112a...112dの全面に付されている場合は、各標識A...Dに係る標識対向部13A...13Dとして、互いに対向する一対の識別標識111により4色の異なる色彩の正方形が形成される。本完成形態では、4色の正方形の数が6個ずつ(即ち、X=X=X=X=6)、合計24個(即ち、X=24)の正方形が、正方形状に載置されたパズルピース群31aの周縁部の内側に形成されている。
【0064】
つまり、第3の設定要素として新たに付加される完成条件とは、「配置枠12の隣接する配置位置に配置されたパズルピース同士の互いに対向する識別標識111が同種類となっている標識対向部13のうち、第1の標識A乃至第4の標識Dそれぞれの標識対向部13A...13Dの数が等しくなっていること」である。例えば、上述のように識別標識111が4色の異なる色彩であって、これらが表示部112の各領域112a...112dの全面に付されている場合は、「パズルの完成形態の周縁部の内側に形成された4色の異なる色彩の正方形(標識対向部13A...13D)の数が、各色彩について等しくなっていること」が完成条件となる。
【0065】
本実施形態のパズルゲームでは、第3の設定要素として上述した新たな完成条件を付加することにより、パズルゲームの難易度をさらに高くすることができると同時に、パズル要素11の構成を全く変えることなく、また新たなゲーム性を付与することができる。これにより、パズルゲームの難易度設定の更なる多様化を実現するとともに、パズルゲームに対してより一層複雑なゲーム性を付与することが可能となり、プレイヤーが更に飽きにくいゲーム構成を実現することができる。
【0066】
このように、本実施形態のパズルゲームは、上述した第1、第2及び第3の設定要素を、プレイヤーが任意に組み合せて選択することによって難易度を設定することができるので、プレイヤーのレベルに応じた幅広い難易度設定に対応することが可能である。また、各設定要素がそれぞれ異なる特徴点を有しており、これらの特徴点を利用して複雑且つ多様なゲーム性を付与することができる。
【0067】
次に、本発明のパズルゲームプログラムにおけるパズルゲームの全体的な流れ(即ち、本実施形態に係るパズルゲームの進め方)について説明する。
【0068】
図10に示すように、初めに、本発明のパズルゲームプログラムの初期化が行われる(S1)。プレイヤーからPC10への動作指示が入力手段105を介して入力されると、制御手段101により本発明のパズルゲームプログラムが起動され、画像表示手段106にゲーム画面が表示される。この時点で、プレイヤーによりパズルゲームプログラムを初期化するための操作が行われる。ここでいう「初期化」とは、ゲームを開始するための準備を行うことを意味している。例えば、本実施形態のパズルゲームを完全な初期状態から始めるための「リセット」やゲームを中断した時点からパズルゲームを再開するための「リスタート」などを含む広義の意味である。
【0069】
本実施形態のパズルゲームでは、ゲームを途中で中断した場合、中断時点におけるパズル要素11の配置状態やパズル要素11の残数等が中断データとして記憶手段103に自動的に記憶されている。したがって、パズルゲームプログラムの起動時に記憶手段103に中断データが存在するときは、中断したパズルゲームをリセットしてゲームを開始するか、あるいはリスタートでゲームを開始するかを任意に選択することができる。一方、記憶手段103に中断データが存在しないときは、完全な初期状態(即ち、リセットされた状態)でパズルゲームプログラムが起動される。
【0070】
パズルゲームプログラムの起動時に記憶手段103に中断データが存在しない場合、及びプレイヤーが中断データのリセットを選択した場合は、パズルゲームの難易度が指定される。パズルゲームの難易度は、上述した第1の設定要素、第2の設定要素、及び、第3の設定要素に基づいて指定される。パズルゲームの難易度は、後述するゲーム処理(S3)が実行される前に完了していればよい。難易度の指定方法は、特に限定されない。例えば、PC10の記憶手段103に予め記憶されている難易度が自動的に指定されるように構成してもよく、制御手段101が不規則に難易度を指定するように構成してもよい。あるいは、ゲーム画面上でプレイヤーからの操作により、所望の難易度を任意に設定できるように構成することもできる。
【0071】
本実施形態では、PC10を、難易度設定手段として機能させることにより、プレイヤーの選択に応じてパズルゲームの難易度が設定される(S2)。パズルゲームの難易度設定は、図11に示す各ステップ(S201〜S207)をプレイヤーからの操作に応じてPC10に実行させることにより行われる。
【0072】
初めに、パズル要素11(各パズルピース11a...11f)の使用数の設定(S201)、及び配置枠12の設定(S202)が行われる。これらは、上述した第1の設定要素に該当するものであり、本実施形態のパズルゲームを行うための必須の設定事項である。
【0073】
具体的には、画像表示手段106に表示されたゲーム画面上において、入力手段105に入力されたプレイヤーからの指示に応じて「難易度設定」が選択されることにより、画像表示手段106に設定画面が表示される。この設定画面上でパズル要素11の使用組数、及び、配置枠12の枠線121を構成する四角形の数の設定が行われる。これらの設定が完了した後に、配置枠12の外周部の形状が設定される。配置枠12の外周部の形状の設定は、例えば、設定数の四角形を組み合せて形成し得るあらゆる形状を予め記憶手段103に記憶させておき、これらを制御手段101により画像表示手段106に順次表示させ、表示された外周部形状の配置枠12からプレイヤーにより任意に選択されるように構成することができる。あるいは、入力手段105に入力されたプレイヤーからの指示に応じて、各四角形を任意に配置できるように構成してもよい。
【0074】
次に、制限時間の設定(S203)が行われる。これは、上述した第2の設定要素に該当するものであり、当該設定要素を採用するか否かはプレイヤーにより任意に選択が可能である。
【0075】
具体的には、入力手段105に入力されたプレイヤーからの指示に応じて、設定画面上で制限時間を設定するか否かが任意に選択される。制限時間を設定する場合は、所望の制限時間の入力又は選択がプレイヤーにより指示される。制限時間は、例えば、予め定められた単位時間(例えば、1分単位や5分単位)毎に設定されるように構成することができる。あるいは、制限時間の設定に際し、単位時間などは設けず任意に設定可能なように構成してもよい。さらには、記憶手段103に記憶されている過去の最短時間を自動的に設定する機能を備えていてもよい。一方、制限時間を設定しない場合は、入力手段105から当該設定を行わない旨の選択を入力して次のステップに進む。
【0076】
次に、新たな完成条件に関する設定(S204〜S206)が行われる。これは、上述した第3の設定要素に該当するものであり、配置枠12の外周部の形状が一定の条件を満たす場合にのみ、当該設定要素を完成条件として採用することが可能となる。
【0077】
具体的には、第1の設定要素として既に設定された配置枠12の外周部の形状が、表示部112と相似する形状であるか否か(本実施形態では、配置枠12が、枠線121を構成する各四角形が縦横n列に並べられた正方形状であるか否か)に基づいて、制御手段101により、第3の設定要素の採用の可否が判断される(S204)。本実施形態では、制御手段101が第3の設定要素を採用可能と判断した場合にのみ、次のステップ(S205及びS206)に進むことができるように構成されている。したがって、制御手段101が第3の設定要素を採用不可と判断した場合は、以下に示すステップS205及びS206は実行されない。
【0078】
制御手段101が第3の設定要素を採用可能と判断した場合は、設定画面上で新たな完成条件を付加するか否かが、入力手段105に入力されたプレイヤーからの指示により選択される(S205)。そして、新たな完成条件を付加することが選択された場合には、完成条件付加ステップが実行され(S206)、完成条件が新たに付加される。その後、パズルゲームの難易度設定が完了したか否かの判断が為される(S207)。
【0079】
一方、制御手段101により採用不可と判断された場合、及び、採用可能と判断された場合において新たな完成条件を付加することが選択されなかった場合には、完成条件付加ステップ(S206)を経ることなく、パズルゲームの難易度設定が完了したか否かの判断が為される(S207)。
【0080】
この時点(S207)で、プレイヤーにより、パズルゲームの難易度設定が完了していないと判断された場合は、パズルゲームの難易度設定が完了するまで、各ステップS201〜S206が繰り返し実行される。そして、プレイヤーにより、パズルゲームの難易度設定が完了したと判断されれば、パズルゲームの難易度設定(S2)が完了する。
【0081】
次に、PC10を、ゲーム処理手段として機能させることにより、プレイヤーによる操作に応じてゲーム画面上で本実施形態のパズルゲームを進行させるためのゲーム処理(S3)が行われる。ゲーム処理(S3)は、図12に示す各ステップ(S301〜S307)をPC10に実行させることにより行われる。
【0082】
初めに、ゲーム画面上にパズル要素11及び配置枠12を表示する表示ステップが実行される(S301)。パズルゲームの難易度設定(S2)完了後、入力手段105に入力されたプレイヤーからの指示によりゲームをスタートさせると、上述した難易度設定(S2)の設定内容に応じてパズルゲームに使用されるパズル要素11及び配置枠12がゲーム画面上に表示される。
【0083】
ここで、配置枠12の枠線121を構成する四角形の数が6の倍数に設定されている場合、パズルゲームに使用されるパズル要素11の数も同じ数となるので、ゲーム画面上に表示された一又は複数組のパズル要素11がそのままパズルゲームに使用される。よって、この時点で表示ステップ(S301)は完了する。一方、配置枠12の枠線121を構成する四角形の数が6の倍数以外の数に設定されている場合、パズルゲームに使用するパズル要素11の数を調整する調整ステップ(図示省略)が行われる。
【0084】
調整ステップでは、配置枠12の枠線121を構成する四角形の設定数と、パズル要素11の使用数とを合致させるための調整が行われる。本実施形態では、初めに、配置枠12の枠線121を構成する四角形の設定数に応じて、所定の組数のパズル要素11がゲーム画面上に表示されるように設定されている。具体的には、この四角形の設定数よりも大きく、且つ、最小の6の倍数になる組数のパズル要素11が表示される。例えば、設定数=2〜5の場合は一組、設定数=7〜11の場合は二組、設定数=13〜17の場合は三組のパズル要素11が初めに表示されることになる。
【0085】
パズルゲームに使用されないパズル要素11の数は、ゲーム画面上に表示された一又は複数組のパズル要素11を構成する6種類のパズルピース11a...11fそれぞれの合計数と、配置枠12の枠線121を構成する四角形の設定数との差に相当する。したがって、6種類のパズルピース11a...11fのいずれかが、これらの差に相当する数だけプレイヤーにより排除されることによって、配置枠12の枠線121を構成する四角形の設定数と、パズル要素11の使用数とを合致させることができる。なお、各パズルピース11a...11fのうち、どの種類を排除するかは任意である。こうして、調整ステップが完了すると同時に、表示ステップ(S301)が完了する。
【0086】
次に、表示ステップ(S301)において表示されたパズル要素11から6種類のパズルピース11a...11fのうちのいずれか1つを選択させる選択ステップ(S302)、及び、選択ステップ(S302)において選択された一のパズルピースを配置枠12の所望の配置位置まで移動させる移動ステップ(S303)が実行される。本実施形態では、プレイヤーによる入力手段105の操作によって、ゲーム画面上を任意に移動させることができる矢印等(図13参照)のマウスポインタやカーソル等の指示手段14が、ゲーム画面上に表示されている。この指示手段14を、ゲーム画面上に表示されている6種類のパズルピース11a...11fのうち所望のパズルピース上に配置し、ドラッグ・アンド・ドロップによる操作を行うことで、プレイヤーにより選択された所望のパズルピースを配置枠12の所望の配置位置まで移動させることができる。
【0087】
ここで、配置枠12の所望の配置位置まで移動させられた一のパズルピースをこの位置に配置させるか否かについての判断が為される(S304)。このパズルピースの表示部112には識別標識111が付されており、識別標識111を構成する第1の標識A乃至第4の標識Dそれぞれの位置関係の表示態様に基づいて、プレイヤーにより当該判断が行われる。
【0088】
現時点で、識別標識111の位置関係の表示態様が所望の表示態様にある場合は、移動ステップ(S303)において配置枠12の所望の配置位置に移動させられたパズルピースを当該配置位置に配置させる配置ステップ(S305)が実行される。本実施形態では、移動ステップ(S303)が完了した時点で、ゲーム画面上に配置ステップ(S305)を実行するか否かをプレイヤーに問うアイコンが表示される。このアイコンがクリックされることによりパズルピースの配置位置が確定する。パズルピースの配置位置が確定することにより、確定した配置位置における識別標識111の位置関係の表示態様も確定する。
【0089】
一方、識別標識111の位置関係の表示態様が所望の表示態様にない場合は、パズルピースの表示部112に付された識別標識111の位置関係の表示態様を予め定められた規則に従って変化させる表示態様変化ステップ(S306)が実行される。本実施形態では、識別標識111から任意に選択された第1の標識A乃至第4の標識Dのうちの1つを、識別標識111の相対的な位置関係を変化させることなく予め定められた第1の領域112a乃至第4の領域112dのうちのいずれかの領域に変移させるという規則が予め定められており、この規則に従って識別標識111の位置関係の表示態様が変化させられる。
【0090】
以下、表示態様変化ステップ(S306)の流れについて、図13を用いて具体的に説明する。なお、以下の説明では、上記規則の一例として、選択された識別標識111が第1の領域Aに変移する設定を例示しているが、この規則は当該設定に限定されない。よって、その他の領域に変移するように設定を任意に変更することもできる。
【0091】
図13(a)に示すように、第1のパズルピース11a及び指示手段14が、ゲーム画面上にそれぞれ表示されている。この第1のパズルピース11aは、上述の選択ステップ(S302)及び移動ステップ(S303)が既に完了しており、この時点における識別標識111の位置関係の表示態様は、第1の領域112aに第1の標識Aが、第2の領域112bに第2の標識Bが、第3の領域112cに第3の標識Cが、第4の標識112dに第4の標識Dがそれぞれ付されている表示態様である。
【0092】
次に、第1の標識A乃至第4の標識Dのいずれか1つが、変移させられる識別標識111として選択される。本実施形態では、図13(b)に示すように、ゲーム画面上の指示手段14が、入力手段105に入力されたプレイヤーからの指示に従って、第1の領域112a乃至第4の領域112dのうちのいずれかの領域上に移動させられる。この状態で入力手段105の決定ボタンが押されると(つまり、マウスのボタンがクリックされると)、当該領域に付された識別標識111が選択されたと認識される。図13(b)では、第3の領域112cに付された第3の標識Cが選択されたことになる。
【0093】
そうすると、図13(c)に示すように、プレイヤーにより選択された第3の標識Cは、第3の領域112cから第1の領域112aに変移する。これに付随して、第1の標識Aは第3の領域112cに、第2の標識Bは第4の領域112dに、第4の標識Dは第2の領域112bにそれぞれ変移する。このとき、各標識A...Dの相対的な位置関係は変化しておらず、実質的には、表示部112の対角線の交点を中心に第1のパズルピース11aを180度回転させた状態と同じ状態になる。
【0094】
このようにして表示態様変化ステップ(S306)を実行させれば、必要最小限の操作によって、識別標識111の位置関係の表示態様を所望の表示態様に変化させることができる。これにより、プレイヤーの操作を簡略化することができると同時に、パズルゲームの進行の効率化を図ることができる。
【0095】
なお、表示態様変化ステップ(S306)は、上述のような構成に限定されるものではない。例えば、ゲーム画面上の指示手段14をパズルピースの表示部112上に指示手段14を移動させた状態で入力手段105の決定ボタンが押される度に(つまり、マウスのボタンがクリックされる度に)、表示部112の対角線の交点を中心にパズルピースを時計回り(又は反時計回り)に90度ずつ回転させるようにしてもよい。このような構成であっても、ゲーム処理を進行させることができる。
【0096】
表示態様変化ステップ(S306)が実行された結果、識別標識111の位置関係の表示態様が所望の表示態様になれば、上述の配置ステップ(S305)が実行される。こうして、プレイヤーにより選択されたパズルピースが、配置枠12の所望の配置位置に所望の表示態様で配置される。
【0097】
ここで、パズルゲームに使用される全てのパズル要素11が、ゲーム画面上の配置枠12に配置されたか否かについての判断が為される(S307)。配置枠12に配置されていないパズル要素11がゲーム画面上に存在する場合は、全てのパズル要素11が配置枠12へ配置されるまで、上述した手順で配置枠12へ残りのパズルピースが逐次配置される。全てのパズル要素11が配置枠12へ配置されたとき、ゲーム処理(S3)が完了する。なお、図示していないが、上述したパズルゲームの難易度設定(S2)において制限時間が設定されているときは、たとえ全てのパズル要素11が配置枠12へ配置されていなくても、制限時間が経過した時点でゲーム処理(S3)が完了する。
【0098】
次に、PC10を、完成条件判定手段として機能させることにより、ゲーム処理(S3)において配置枠12に配置されたパズル要素11が、難易度設定(S2)において設定されたパズルゲームの難易度に応じたパズルの完成形態の完成条件を満たしているか否かの判定が行われる(S4)。判定方法については特に限定されないが、本実施形態では、第1の標識A乃至第4の標識Dそれぞれに対してシリアルナンバー(具体的には、第1の標識Aには「1」、第2の標識Bには「2」、第3の標識Cには「3」、第4の標識Dには「4」)が割り当てられており、標識対向部13を形成する一対の識別標識111に割り当てられている2つのシリアルナンバーの差を算出することによって当該判定が行われる。
【0099】
初めに、標識対向部13を形成する一対の識別標識111に割り当てられている2つのシリアルナンバーの特定が行われる。本実施形態では、配置枠12の枠線121を構成する各四角形が表示部112と同一形状であるため、配置枠12の設定条件(即ち、各四角形の数及び外周部の形状)から標識対向部13が形成される位置が予め特定される。つまり、配置枠12の設定が完了した時点で、配置枠12の枠線121を構成する各四角形における標識対向部13が形成される位置に相当する各領域に対して位置IDが付与され、記憶手段103に記憶される。この位置IDに基づいて、対応する各領域に付された識別標識111の種類を制御手段101が判別することにより、標識対向部13を形成する一対の識別標識111に割り当てられている2つのシリアルナンバーが特定される。
【0100】
次に、全ての標識対向部13において、特定された2つのシリアルナンバーの差が制御手段101により算出される。ここで、互いに対向する識別標識111が同種類である場合、シリアルナンバーの差は「0」になる。つまり、全ての標識対向部13においてシリアルナンバーの差が「0」になっていれば、パズルの完成形態の完成条件を満たしていると判定される。一方、シリアルナンバーの差が「0」にならない標識対向部13が1つでも存在すれば、パズルの完成形態の完成条件を満たさないと判定される。完成条件を満たしていると判定されればゲームクリアとなる。
【0101】
なお、パズルの完成形態の完成条件として上述した第3の設定要素が付加されている場合は、制御手段101が標識対向部13を形成する一対の識別標識111に割り当てられている2つのシリアルナンバーを特定したときに、標識対向部13に関しても4種類に区別して特定し、標識対向部13A...13Dそれぞれの数を算出するように構成すればよい。標識対向部13A...13Dの数が等しくなっていれば、パズルの完成形態の完成条件を満たしていると判定される。一方、標識対向部13A...13Dの数が等しくなっていなければ、パズルの完成形態の完成条件を満たさないと判定される。
【0102】
このように、本発明のパズルゲームプログラムを用いて、PC10を、難易度設定手段、ゲーム処理手段、完成条件判定手段として機能させることにより、本実施形態のパズルゲームをプレイヤーに提供することができるのである。
【0103】
本発明に係るパズルゲームプログラムによれば、表示部112に付された識別標識111の相対的な位置関係が全て異なる6種類のパズルピース11a...11fをパズル要素11として採用しており、これらをゲーム画面上に表示された配置枠12に配置して形成されるパズルの完成形態が多数存在する。このため、完成条件の設定に対する自由度が非常に高くなり、パズル要素11の構成を全く変えることなくパズルゲームの難易度を幅広く設定変更できる。したがって、簡単な構成のパズル要素11を簡単な操作方法で操作するパズルゲームであっても、複雑なゲーム性を付与することが可能となる。これにより、プレイヤーをより長期間にわたって飽きさせることなく楽しませることが可能なパズルゲームを提供することができる。
【0104】
また、本発明に係るパズルゲームプログラムによれば、一又は複数組のパズル要素11からいかなる組合せでパズルピース群を選択しても必ずパズルの完成形態が存在する。言い換えれば、一又は複数組のパズル要素11からパズルピース群を任意に選択してもパズルゲームとして成立する。このため、使用するパズルピース群の数を単純に増減させるだけで、パズルゲームの難易度を容易に且つ幅広く設定変更することができる。これにより、パズルゲームの難易度設定をさらに多様化することができる。
【0105】
さらに、本発明に係るパズルゲームプログラムによれば、使用するパズルピース群の数の増減により設定された難易度が同じであっても、プレイヤーのレベルによってパズルの完成形態を完成させるために要する時間が異なる。このため、PC10をゲーム処理手段として機能させることができる時間に制限を設ければ、パズルゲームの難易度設定をさらに多様化できるとともに、パズルゲームに新たなゲーム性を付与することができる。
【0106】
またさらに、本発明に係るパズルゲームプログラムによれば、配置枠12の外周部の形状が表示部112と相似する形状である場合、パズルの完成形態における、互いに対向する識別標識111が同種類となる標識対向部13の総数は必ず4の倍数となる。かかる自然法則を利用して、パズルの完成形態に新たな完成条件を付加すれば、パズル要素11の構成を全く変えることなくパズルゲームに対してまた新たなゲーム性を付与することができる。これにより、パズルゲームの難易度設定の更なる多様化を実現するとともに、パズルゲームに対してより一層複雑なゲーム性を付与することが可能となる。
【0107】
以上、本発明に係るパズルゲームプログラムの実施形態について説明したが、本発明は、その他の形態で実施することができる。
【0108】
例えば、PC10を、ゲーム処理手段として機能させることにより、図14に示すようなゲーム処理(S3a)が行われる実施形態であってもよい。ゲーム処理(S3a)は、識別標識111の位置関係の表示態様に基づいて、移動ステップ(S303)において移動させられた配置枠12の所定の配置位置にパズルピースを配置可能であるか否かを判定させる配置可否判定ステップ(S308)をPC10に実行させることを特徴としている。
【0109】
ゲーム処理(S3a)の流れについて図14を用いて説明する。なお、上述したゲーム処理(S3)における各ステップ(S301〜S307)と同一の符号が付されたステップについては、ゲーム処理(S3)における作用、機能と同一又は対応するものであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0110】
ゲーム処理(S3a)では、表示ステップ(S301)、選択ステップ(S302)、及び移動ステップ(S303)がそれぞれ完了した後に、配置可否判定ステップ(S308)が実行され、配置可否の判断が行われる(S309)。本実施形態では、配置枠12の隣接する配置位置に配置されるパズルピース同士の互いに対向する識別標識111が全て同種類となる場合にのみ、配置可能であると判定される。具体的な判定方法については、上述した完成条件の判定(S4)と同様に、位置ID及びシリアルナンバーを利用した判定が行われる。
【0111】
完成条件の判定(S4)と配置可否判定ステップ(S308)では、以下に示すような相違点を有する。即ち、完成条件の判定(S4)では、ゲーム処理(S3)が完了し、全てのパズル要素11の配置位置が確定した時点で、標識対向部13を形成する一対の識別標識111に割り当てられている2つのシリアルナンバーの特定を行う。これに対し、配置可否判定ステップ(S308)では、移動ステップ(S303)が完了した時点で、標識対向部13を形成する一対の識別標識111に割り当てられている2つのシリアルナンバーの特定を行う。
【0112】
移動ステップ(S303)により移動させられた配置位置に隣接する配置位置のいずれにもパズルピースが配置されていない場合は、位置IDに基づいて標識対向部13を形成する一対の識別標識111に割り当てられている2つのシリアルナンバーを特定することができないため、これらの差を算出することができない。このように、識別標識111を構成する4種類の標識A...D全てについてシリアルナンバーの差を算出できない場合は、当該配置位置に配置可能であると判定される。
【0113】
また、移動ステップ(S303)により移動させられた配置位置に隣接する配置位置のうち、少なくともいずれか1つに既にパズルピースが配置されている場合は、位置IDに基づいて標識対向部13を形成する一対の識別標識111に割り当てられている2つのシリアルナンバーを特定し、これらの差を算出する。算出されたシリアルナンバーの差が全て「0」になる場合は、当該配置位置に配置不可能であると判定される。
【0114】
一方、移動ステップ(S303)により移動させられた配置位置に隣接する配置位置のうち、少なくともいずれか1つに既にパズルピースが配置されている場合は、位置IDに基づいて標識対向部13を形成する一対の識別標識111に割り当てられている2つのシリアルナンバーを特定し、これらの差を算出する。算出されたシリアルナンバーの差が「0」にならない部分が1つでも存在すれば、当該配置位置に配置不可能であると判定される。
【0115】
これらの判定結果は、例えば、表示部112の周縁部又は全面のコントラストを変化させたり、あるいは点滅させたりすることでプレイヤーに告知される。そして、配置可能であると判定された場合は、当該配置位置にパズルピースが配置される(S305)。
【0116】
これに対して、配置不可能であると判定された場合は、プレイヤーにより選択されたパズルピースを現在の表示態様のまま配置枠12に配置するか否かの判断が為される(S304)。
【0117】
プレイヤーにより、現在の表示態様のまま配置枠12に配置しないと判断された場合は、表示態様変化ステップ(S306)により変化させられた表示態様に基づいて、再び配置可否判定ステップ(S308)が実行される。そして、配置可能であると判定された場合は、当該配置位置にパズルピースが配置される(S305)。
【0118】
一方、プレイヤーにより、現在の表示態様のまま配置枠12に配置すると判断された場合は、配置枠12において、パズルピースが未配置であり、且つ、配置可能であると判定される可能性がある他の配置位置の有無を確認する(S310)。このような配置位置が他に存在する場合は、現在の表示態様を変化させることなくパズルピースをその配置位置へ移動させる(S303)。
【0119】
こうして、パズルゲームに使用される全てのパズル要素11が、ゲーム画面上の配置枠12に配置されるまで、あるいは、配置可能な他の配置位置がなくなるまで、上述した手順で配置枠12へ残りのパズルピースが逐次配置される。そして、全てのパズル要素11が配置枠12へ配置されたとき、あるいは、配置可能な他の配置位置がなくなったとき、ゲーム処理(S3a)が完了する。なお、図示していないが、上述したパズルゲームの難易度設定(S2)において制限時間が設定されているときは、上述したゲーム処理(S3)と同様に、制限時間が経過した時点でゲーム処理(S3)が完了する。
【0120】
本実施形態のパズルゲームプログラムによれば、ゲーム処理(S3a)において、PC10に配置可否判定ステップ(S308)を実行させることにより、完成条件を明らかに満たさないパズル要素11が配置枠12に配置されるのを事前に回避することができる。これにより、ゲーム処理(S3a)が完了した時点で配置枠12に配置されているパズル要素11は、必然的に互いに対向する全ての識別標識111が同種類となる。したがって、パズルゲームの難易度の設定条件に応じて、完成条件の判定(S4)を、(設定条件が第1及び第2の設定要素のみの場合は)省略又は(第3の設定要素が付加されている場合は)大幅に簡略化することができる。
【0121】
また、PC10を、ゲーム処理手段として機能させることにより、図15に示すようなゲーム処理(S3b)が行われる実施形態であってもよい。ゲーム処理(S3b)は、配置枠12に未配置のパズル要素11に対して配置枠12に配置可能な配置位置が存在するか否かを事前に判定させる事前判定ステップ(S311)と、配置枠12に未配置のパズル要素11に対して事前判定ステップ(S311)における判定結果を表示させる判定結果表示ステップ(S312)とをPC10に実行させることを特徴としている。
【0122】
ゲーム処理(S3b)の流れについて図15を用いて説明する。なお、上述したゲーム処理(S3、S3a)における各ステップ(S301〜S309)と同一の符号が付されたステップについては、ゲーム処理(S3)における作用、機能と同一又は対応するものであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0123】
ゲーム処理(S3b)では、表示ステップ(S301)が完了した後、及び、配置ステップ(S305)においてパズル要素11が配置枠12に1つ配置される度に、事前判定ステップ(S311)及び判定結果表示ステップ(S312)が実行される。本実施形態では、事前判定ステップ(S311)の判定方法として、上述した配置可否判定ステップ(S308)と同様に、位置ID及びシリアルナンバーを利用した判定方法により、未配置のパズル要素11を配置可能な配置位置の存在の有無が判定される。また、判定結果表示ステップ(S312)として、上述した配置可否判定ステップ(S308)の判定結果と同様に、表示部112の周縁部又は全面のコントラストを変化させたり、あるいは点滅させたりすることでプレイヤーに告知する方法を採用している。
【0124】
配置可否判定ステップ(S308)と事前判定ステップ(S311)では、以下に示すような相違点を有する。即ち、配置可否判定ステップ(S308)では、選択ステップ(S302)において選択された一のパズルピースに対して、移動ステップ(S303)が完了した時点で配置可否の判定が行われる。これに対し、事前判定ステップ(S311)では、配置枠12に未配置の状態にある全てのパズル要素11に対して、選択ステップ(S302)が実行される以前に配置可否の判定が行われ、配置可能な配置位置の存在の有無が判定される。
【0125】
パズルゲームに使用されるパズル要素11は、6種類のパズルピース11a...11fにより構成されており、この6種類のパズルピース11a...11fそれぞれの表示部112には、識別標識111として4種類の標識A...Dの位置関係が全て異なるように付されている。したがって、配置枠12の枠線121を構成する一の四角形に対して24通りの表示態様が存在する。事前判定ステップ(S311)では、配置枠12の枠線121を構成する各四角形のうち、パズル要素11が未だ配置されていない四角形において、6種類のパズルピース11a...11fに対してそれぞれ4通り、最大24通りの表示態様について配置可否の判定が行われる。
【0126】
配置枠12にパズル要素11が全く配置されていない場合、及び、配置枠12の枠線121を構成する各四角形のうち判定対象となる四角形に隣接する全ての四角形にパズル要素11が配置されていない配置位置が1つでも存在する場合は、位置IDに基づいて標識対向部13を形成する一対の識別標識111に割り当てられる2つのシリアルナンバーを特定することができないため、これらの差を算出することができない。このような場合は、全てのパズル要素11について配置可能な配置位置が存在すると判定される。
【0127】
また、パズルゲームに使用するパズル要素11が配置枠12に1つでも配置されている場合は、当該配置位置における位置IDに基づいて標識対向部13を形成する一対の識別標識111に割り当てられる一方のシリアルナンバーが特定される。パズル要素11が既に配置されている四角形に隣接する四角形においては、このシリアルナンバーとの差を最大24通りの表示態様について算出することにより配置可否の判定が行われる。一のパズルピースに対する4通りの表示態様において、算出されたシリアルナンバーの差が全て「0」になる表示態様が1つでも存在する場合は、その表示態様を含むパズルピースを配置可能な配置位置が存在すると判定される。
【0128】
一方、パズル要素11が未だ配置されていない全ての四角形において、判定対象となる四角形に隣接する各四角形(最大4つ)のうち少なくとも2以上にパズル要素11が既に配置されており、且つ、一のパズルピースに対する4通りの表示態様において、算出されたシリアルナンバーの差が全て「0」になる表示態様が1つも存在しない場合は、当該パズルピースを配置可能な配置位置は存在しないと判定される。
【0129】
次に、選択ステップ(S302)が実行される。本実施形態では、配置可能な配置位置が存在すると判定されたパズル要素11以外のものが選択されないように構成されている(S313)。したがって、事前判定ステップ(S311)及び判定結果表示ステップ(S312)が実行された結果、配置枠12に未配置のパズル要素11が存在しているにもかかわらず、これらを配置可能な配置位置が存在しない場合は、ゲーム処理(S3b)が完了する。
【0130】
本実施形態のパズルゲームプログラムによれば、パズル要素11が配置枠12に1つ配置される度に、残された未配置のパズル要素11全てに対して事前判定ステップ(S311)が上述した判定方法及び表示方法により実行される。このため、プレイヤーは、選択ステップ(S302)を実行させる時点で、残された未配置のパズル要素11を配置可能な配置位置が存在する否かを正確且つ確実に認識することができる。これにより、無駄な操作が省略され、効率よくパズルゲームを進行させることができる。
【0131】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
【0132】
例えば、ゲーム処理(S3、S3a、S3b)では、同一の作用、機能を奏する範囲内で各ステップ(S301〜S313)の順序を入れ替えて実行させることができる。具体的に言えば、選択ステップ(S302)において選択されたパズル要素11を、移動ステップ(S303)により配置枠12の所望の配置位置まで移動させる前に、識別標識111の位置関係の表示態様を変化させる表示態様変化ステップ(S306)を適宜実行することができるように構成してもよい。
【0133】
さらに、ゲーム処理(S3、S3a、S3b)において、配置枠12に既に配置されたパズル要素11の配置位置を変更させる配置位置変更ステップを実行できるように構成してもよい。これにより、ゲーム進行中に誤操作があった場合であっても、ゲームを中止(あるいは、パズルの完成形態の形成を断念)する必要がなくなる。また、プレイヤーの熟考を促すことにもなり、プレイヤーがすぐに飽きてしまうこともなくなる。
【符号の説明】
【0134】
10:パーソナルコンピュータ(PC)
11:パズル要素
11a:第1のパズルピース
11b:第2のパズルピース
11c:第3のパズルピース
11d:第4のパズルピース
11e:第5のパズルピース
11f:第6のパズルピース
12:配置枠
13:標識対向部
111:識別標識
112:表示部
112a:第1の領域
112b:第2の領域
112c:第3の領域
112d:第4の領域
121:枠線
A:第1の標識
B:第2の標識
C:第3の標識
D:第4の標識

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲーム画面上でパズルゲームを進行させるためのゲーム処理を実行させるゲーム処理手段と、
前記ゲーム処理手段によりゲーム処理が実行された結果、パズルの完成形態の完成条件を満たしているか否かを判定させる完成条件判定手段として機能させるために、
前記ゲーム処理手段が、
予め指定された難易度に応じて、第1乃至第4の異なる標識から成る識別標識と、辺の長さが全て等しい四角形から成り、対角線によって区画された第1乃至第4の領域にそれぞれ前記識別標識が付された表示部と、を有し、前記表示部に付された前記識別標識の相対的な位置関係が全て異なる第1乃至第6のパズルピースから成るパズル要素と、前記表示部と同一形状の四角形が複数並べられた枠線に沿って前記パズル要素が所定の配置位置に配置される配置枠と、を前記ゲーム画面上に表示させる表示ステップと、
前記表示ステップにおいて表示された前記パズル要素から一の前記パズルピースを選択させる選択ステップと、
前記選択ステップにおいて選択された前記パズルピースを前記配置枠の所望の配置位置まで移動させる移動ステップと、
前記移動ステップにおいて前記配置枠の所望の配置位置まで移動させられた前記パズルピースの前記表示部に付された前記識別標識の位置関係の表示態様を予め定められた規則に従って変化させる表示態様変化ステップと、
前記配置枠の所望の配置位置において、前記識別標識の位置関係が所望の表示態様にある前記パズルピースを該配置位置に配置させる配置ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするパズルゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
パズルゲームの難易度を設定させる難易度設定手段として機能させるために、
前記難易度設定手段が、
一又は複数組の前記パズル要素から、パズルゲームに使用される前記パズルピースの数を設定させる使用数設定ステップと、
前記配置枠の枠線を構成する前記四角形の数を、前記使用数設定ステップにおいて設定された前記パズルピースの数以下に設定させる配置枠設定ステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする、請求項1に記載のパズルゲームプログラム。
【請求項3】
前記難易度設定手段が、
前記コンピュータを前記ゲーム処理手段として機能させることができる時間に制限を設ける制限時間設定ステップを該コンピュータに実行させることを特徴とする、請求項2に記載のパズルゲームプログラム。
【請求項4】
前記難易度設定手段が、
前記配置枠の外周部の形状が前記パズルピースの前記表示部と相似する形状である場合に、前記配置枠の隣接する配置位置に配置された前記パズルピース同士の互いに対向する前記識別標識が同種類となっている標識対向部のうち、前記第1乃至第4の標識それぞれの各標識対向部の数が等しくなっていることを前記パズルの完成条件に付加する完成条件付加ステップを前記コンピュータに実行させることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載のパズルゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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