説明

パターン化位相差フィルム

【課題】 液晶ディスプレイ等の光学補償に使用される重合性液晶組成物を用いたパターン化位相差フィルムにおいて、表示のにじみが無く、表示品位を確保できるものを提供することにある
【解決手段】 重合性液晶組成物の硬化物により構成されパターンを有するパターン化位相差フィルムの各パターンの断面において、各パターンの側壁角:SWAが16°以上であり、該重合性液晶組成物が特定の重合性化合物を92.35質量%から96.84質量%含有することを特徴とするパターン化位相差フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、液晶ディスプレイ等の光学補償に使用される重合性液晶組成物を用いたパターン化位相差フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
半透過型液晶ディスプレイの性能向上に有用な技術として、パターン化位相差フィルムの利用が提案されている(非特許文献1〜3、特許文献1〜2)。これは、一画素を透過領域と反射領域に分け、一方の領域にのみ位相差フィルムを設けるもので、20〜100μm程度の幅で位相差フィルムの有り無しがパターン化された位相差フィルムを使用するものである。
【0003】
しかしながら、従来のパターン化位相差フィルムは、パターン断面の側壁角が最適化されていないことに起因する光学特性の悪化によって、当該パターン化位相差フィルムを用い液晶ディスプレイの表示品位が悪い問題があった。
【0004】
【非特許文献1】C.Doornkamp, B.M.I. van der Zande, S.J. Roosendaal, L.W.G. Sofmeel, J.J. van Glabbeek, J.T.M. Osenga, J.A.M. Steenbakkers, "Next generation mobile LCDs with in-cell retarders", IDW’03, 685(2003).
【非特許文献2】S.J.Roosendaal, B.M.I. van der Zande, A.C.Nieuwkerk, C.A. Renders, J.T.M. Osenga, C. Doornkamp, E.Peeters, J. Bruinink, J.A.M.M. van Haaren and S.Takahashi, "Novel High Performance Transflective LCD with a Patterned Retarder", SID’03, 78(2003).
【非特許文献3】C.Doornkamp, S.J.Roosendaal, B.M.I. van der Zande, L.W.G. Stofmeel, J.J. van Glabbeek, J.T.M. Osenga, "Novel Transflective LCD with Ultra-wide Viewing Angle", SID’04, 670(2004).
【特許文献1】特開2005−338256号公報
【特許文献2】特開2006−98623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、液晶ディスプレイ等の光学補償に使用される重合性液晶組成物を用いたパターン化位相差フィルムにおいて、表示のにじみが無く、表示品位を確保できるものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、パターン化位相差フィルムの断面形状を特定の条件に設定することにより解決できることを見出し、発明の完成に至った。
本願発明は、重合性液晶組成物の硬化物により構成されパターンを有するパターン化位相差フィルムにおける各パターンの断面において、該重合性液晶組成物の硬化時に活性エネルギー線を照射した側を上部、基板側を下部としたとき、上部のサイズ:A、下部のサイズ:B、パターンの厚さ:Tから以下の式(1)
SWA(°)=tan-1{(B−A)/2/T} 式(1)
によって算出される側壁角:SWAが16°以上であり、重合性液晶組成物が一般式(I)
【0007】
【化1】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Spは炭素原子数1〜20のスペーサー基を表し、mは0又は1を表し、MGはメソゲン基又はメソゲン性支持基を表し、R1は、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜25のアルキル基を表すが、該アルキル基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良く、あるいはR1は一般式(I-a)
【0008】
【化2】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Spは炭素原子数1〜20のスペーサー基を表し、mは0又は1を表す。)で表される構造を表す。)で表される化合物を92.35質量%から96.84質量%含有することを特徴とするパターン化位相差フィルムを提供する。図1にA、B、T、SWAの定義を示す。
【発明の効果】
【0009】
パターン化位相差フィルムを用いた液晶ディスプレイの表示にじみが改善し、表示品位が改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
側壁角は、16度以上が好ましく、35度以上がさらに好ましく、34度以上が特に好ましい。
重合性液晶組成物には3〜5質量%の重合開始剤、0.1〜1.5質量%の重合性禁止剤を含有させることが好ましい。重合開始剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。具体的には、「Irugarue-819」、「Irugarue-651」、「Irugarue-184D」、「Irugarue-1800」、「Irugarue-907」、「Irugarue-369」(以上、チバスペシャリティケミカルズ社製)、「ルシリンTPO」(BASF社製)が挙げられる。これらの中でも、硬化時の雰囲気を窒素置換をしなくても硬化性を確保できる「Irugarue-907」、「Irugarue-369」が好ましく、硬化性が優れる「Irgacure-907」が最も好ましい。
【0011】
重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類、ニトロソ化合物等が挙げられる。より具体的にはメトキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノールを挙げることができる。重合開始剤と重合禁止剤の好ましい組み合わせの一例は、重合開始剤として「Irgacure-907」、重合禁止剤として「メトキシフェノール」の組み合わせである。重合禁止剤の添加濃度をC(%)、重合開始剤の濃度をD(%)としたとき、C/D*10000(以後、この値をパラメータEと呼ぶ)が333〜3750になるように設定することが好ましく、600〜2500が更に好ましく、800〜2000が特に好ましい。パラメータEが小さいと解像度と側壁角が悪化する傾向があり、パラメータEが大きいと硬化性が悪化する傾向がある。
【0012】
一般式(I)において、Spがアルキレン基を表し(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良い。)、MGが一般式(I-b)
【0013】
【化3】

【0014】
(式中、A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基又はフルオレン2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基及びフルオレン2,7-ジイル基は置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基又はアルケノイルオキシ基を有していても良く、Z0、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2 CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-、-OCOCH2CH2-、-CONH-、-NHCO-又は単結合を表し、nは0、1又は2を表す。)で表される構造を表し、Pが一般式(I-c)、一般式(I-d)及び一般式(I-e)
【0015】
【化4】

【0016】
(式中、R21、R22、R23、R31、R32、R33、R41、R42及びR43はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、nは0又は1を表す。)で表される置換基からなる群より選ばれる置換基を表す、で表される化合物を含有するものが好ましい。
ここで、重合性液晶組成物に含有される化合物として、より具体的には一般式(II)
【0017】
【化5】

【0018】
(式中、mは0又は1を表し、W1及びW2はそれぞれ独立的に単結合、-O-、-COO-又は-OCO-を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立的に-COO-又は-OCO-を表し、r及びsはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基、又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)を挙げることができる。
又、一般式(III)
【0019】
【化6】

【0020】
(式中、Z1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Z2は水素原子又はメチル基を表し、tは0又は1を表し、A、B及びCはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y3及びY4はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH24-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CHCH2CH2-、-CH2CH2CH=CH-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-又は-OCOCH2CH2-を表し、Y5は単結合、-O-、-COO-、-OCO-又は-CH=CHCOO-を表す。)で表される化合物も挙げることができる。一般式(III)で表される化合物の含有量は30質量%以下が好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
又、一般式(IV)
【0021】
【化7】

【0022】
(式中、Z3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Z4は水素原子又はメチル基を表し、W3は単結合、-O-、-COO-又は-OCO-を表し、vは2〜18の整数を表し、uは0又は1を表し、D、E及びFはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y6及びY7はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH24-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CHCH2CH2-、-CH2CH2CH=CH-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-又は-OCOCH2CH2-を表し、Y8は単結合、-O-、-COO-、-OCO-又は-CH=CHCOO-を表す。)で表される化合物を挙げることもできる。一般式(III)で表される化合物の含有量は30質量%以下が好ましく、20質量%以下が更に好ましい。一般式(I)で表される化合物の具体例を以下に挙げることができる。
【0023】
【化8】

【0024】
【化9】

【0025】
【化10】

【0026】
(式中、j、k、l及びmはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表す。)
又、一般式(II)で表される化合物の具体例を以下に挙げることができる。
【0027】
【化11】

【0028】
(式中、j及びkはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表す。)
又、一般式(III)で表される化合物の具体的な例として、化合物の構造と相転移温度を以下に挙げることができる。
【0029】
【化12】

【0030】
【化13】

【0031】
【化14】

【0032】
(式中、シクロヘキサン環はトランスシクロヘキサン環を表し、数字は相転移温度を表し、Cは結晶相、Nはネマチック相、Sはスメクチック相、Iは等方性液体相をそれぞれ表す。)
又、一般式(IV)で表される化合物の具体例を以下に挙げることができる。
【0033】
【化15】

【0034】
(式中、X1は水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1から20のアルキル基を表す。)
重合性液晶組成物中の重合性液晶については、単官能材料の濃度を20質量%以下にするのが好ましく、10質量%以下にするのが更に好ましい。これによって、位相差フィルムの耐熱性が向上する。
【0035】
又、円盤状化合物は、ベンゼン誘導体、トリフェニレン誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニン誘導体又はシクロヘキサン誘導体を分子の中心の母核とし、直鎖のアルキル基、直鎖のアルコキシ基又は置換ベンゾイルオキシ基がその側鎖として放射状に置換した構造であることが好ましく、一般式(V)で表される
【0036】
【化16】

【0037】
(式中、R5はそれぞれ独立して一般式(V-a)で表される置換基を表す。)
【0038】
【化17】

【0039】
(式中、R6及びR7はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を表し、R8は炭素原子数1〜20アルコキシ基を表すが、該アルコキシ基中の水素原子は一般式(V-b)、一般式(V-c)又は一般式(V-d)で表される置換基によって置換されていても良い。)
【0040】
【化18】

【0041】
(式中、R81、R82、R83、R84、R85、R86、R87、R88及びR89はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、nは0又は1を表す。)で表される構造を有することがさらに好ましく、一般式(V)においてR8の内少なくとも一つは一般式(V-b)、一般式(V-c)又は一般式(V-d)で表される置換基によって置換されたアルコキシ基を表すことが好ましく、R8の全てが一般式(V-b)、一般式(V-c)又は一般式(V-d)で表される置換基によって置換されたアルコキシ基を表すことが特に好ましい。
さらに、一般式(V-a)は具体的には一般式(V-e)
【0042】
【化19】

(式中nは2〜9の整数を表す)で表される構造を有することが特に好ましい。
また、重合性液晶組成物中に一般式(VI)
【0043】
【化20】

(式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、該炭化水素基中の水素原子は1つ以上のハロゲン原子で置換されていても良い。)で表される繰り返し単位を有する重量平均分子量が100以上である化合物を含有させることが好ましい。これによって重合性液晶分子の配向を水平方向にすることができる。添加量は0.05〜0.3質量%が好ましく、0.06〜0.15質量%が更に好ましい。
【0044】
一般式(VI)で表される化合物は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、パラフィン、流動パラフィン、塩素化ポリプロピレン、塩素化パラフィン、又は塩素化流動パラフィンが挙げられる。これ以外にも、フッ素原子が導入された化合物はムラ抑制の観点からも有効である。
一般式(VI)で表される繰り返し単位を有する化合物のうち、好適な構造として、式(VI-a)〜式(VI-f)
【0045】
【化21】

【0046】
で表される繰り返し単位を有する化合物が挙げられる。中でも、式(VI-a)〜式(VI-e)で表される構造がより好ましく、式(VI-a)及び式(VI-c)で表される構造が特に好ましい。又、式(VI-a)〜式(VI-f)で表される繰り返し単位を有する化合物を2種以上共重合させた共重合体も好ましい。この場合、式(VI-a)及び式(VI-b)を有する共重合体、式(VI-a)及び式(VI-c)を有する共重合体、式(VI-a)及び式(VI-f)を有する共重合体、及び、式(VI-a)、(VI-b)及び式(VI-f)を有する共重合体がより好ましく、式(VI-a)及び式(VI-b)を有する共重合体、及び、式(VI-a)、(VI-b)及び式(VI-f)を有する共重合体が特に好ましい。
【0047】
重合性液晶組成物に界面活性剤を含有させることは好ましい。これによって、位相差フィルム表面の平坦性が向上する。界面活性剤は、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤の区別はない。含有することができる界面活性剤としては、アルキルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルリン酸塩、フルオロアルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレン誘導体、フルオロアルキルエチレンオキシド誘導体、ポリエチレングリコール誘導体、アルキルアンモニウム塩、フルオロアルキルアンモニウム塩類、シリコーン誘導体等をあげることができ、特に含フッ素界面活性剤、シリコーン誘導体が好ましい。更に具体的には「MEGAFAC F−110」、「MEGAFACF−113」、「MEGAFAC F−120」、「MEGAFAC F−812」、「MEGAFAC F−142D」、「MEGAFAC F−144D」、「MEGAFAC F−150」、「MEGAFAC F−171」、「MEGAFACF−173」、「MEGAFAC F−177」、「MEGAFAC F−183」、「MEGAFAC F−195」、「MEGAFAC F−824」、「MEGAFAC F−833」、「MEGAFAC F−114」、「MEGAFAC F−410」、「MEGAFAC F−493」、「MEGAFAC F−494」、「MEGAFAC F−443」、「MEGAFAC F−444」、「MEGAFAC F−445」、「MEGAFAC F−446」、「MEGAFAC F−470」、「MEGAFAC F−471」、「MEGAFAC F−474」、「MEGAFAC F−475」、「MEGAFAC F−477」、「MEGAFAC F−478」、「MEGAFAC F−479」、「MEGAFAC F−480SF」、「MEGAFAC F−482」、「MEGAFAC F−483」、「MEGAFAC F−484」、「MEGAFAC F−486」、「MEGAFAC F−487」、「MEGAFAC F−489」、「MEGAFAC F−172D」、「MEGAFAC F−178K」、「MEGAFAC F−178RM」、「MEGAFAC R−08」、「MEGAFAC R−30」、「MEGAFAC F−472SF」、「MEGAFAC BL−20」、「MEGAFAC R−61」、「MEGAFAC R−90」、「MEGAFAC ESM−1」、「MEGAFAC MCF−350SF」(以上、DIC株式会社製)、「フタージェント100」、「フタージェント100C」、「フタージェント110」、「フタージェント150」、「フタージェント150CH」、「フタージェントA」、「フタージェント100A-K」、「フタージェント501」、「フタージェント300」、「フタージェント310」、「フタージェント320」、「フタージェント400SW」、「FTX-400P」、「フタージェント251」、「フタージェント215M」、「フタージェント212MH」、「フタージェント250」、「フタージェント222F」、「フタージェント212D」、「FTX-218」、「FTX-209F」、「FTX-213F」、「FTX-233F」、「フタージェント245F」、「FTX-208G」、「FTX-240G」、「FTX-206D」、「FTX-220D」、「FTX-230D」、「FTX-240D」、「FTX-207S」、「FTX-211S」、「FTX-220S」、「FTX-230S」、「FTX-750FM」、「FTX-730FM」、「FTX-730FL」、「FTX-710FS」、「FTX-710FM」、「FTX-710FL」、「FTX-750LL」、「FTX-730LS」、「FTX-730LM」、「FTX-730LL」、「FTX-710LL」(以上、ネオス社製)、「BYK−300」、「BYK−302」、「BYK−306」、「BYK−307」、「BYK−310」、「BYK−315」、「BYK−320」、「BYK−322」、「BYK−323」、「BYK−325」、「BYK−330」、「BYK−331」、「BYK−333」、「BYK−337」、「BYK−340」、「BYK−344」、「BYK−370」、「BYK−375」、「BYK−377」、「BYK−350」、「BYK−352」、「BYK−354」、「BYK−355」、「BYK−356」、「BYK−358N」、「BYK−361N」、「BYK−357」、「BYK−390」、「BYK−392」、「BYK−UV3500」、「BYK−UV3510」、「BYK−UV3570」、「BYK−Silclean3700」(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、「TEGO Rad2100」、「TEGO Rad2200N」、「TEGO Rad2250」、「TEGO Rad2300」、「TEGO Rad2500」、「TEGO Rad2600」、「TEGO Rad2700」(以上、テゴ社製)等の例をあげることができる。添加量は、重合性液晶組成物中に0.01〜1質量%含有することが好ましく、0.02〜0.5質量%含有することがさらに好ましく、0.03〜0.1質量%含有することが特に好ましい。
【0048】
本発明の位相差フィルムは例えば、図1〜3に示すように、配向膜付き基板(3、4)、もしくは基板上(4)に重合性液晶組成物を坦持させて重合性液晶組成物層を形成する第一工程、重合性液晶組成物層にマスク(6)を介して活性エネルギー線(5)を照射することにより露光部を硬化させる第二工程、未硬化部を除去する第三工程を含む製造工程を適用することによって製造することができる。
【0049】
基板に重合性液晶組成物を坦持させて重合性液晶組成物層を形成する第一工程としては、例えば、重合性液晶組成物を溶媒に溶解させ、これを基板上に塗布し、さらに溶媒を揮発させる方法を挙げることができる。重合性液晶を溶剤に溶解させないで、そのまま、基板上に塗布することも可能である。好適な有機溶媒として例えばトルエン、キシレン、クメンなどのアルキル置換ベンゼンやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、シクロペンンタノン等を挙げることができる。さらにこれらの溶媒にジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N-メチルピロリジノン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等を添加しても良い。溶媒を揮発させる方法としては60〜150℃、さらに好ましくは80℃〜120℃での加熱を、15〜120秒、さらに好ましくは30〜90秒の間行う方法を例示することができる。この加熱の他に、減圧乾燥を組み合わせることもできる。塗布の方法としては、スピンコーティング、ダイコーティング、エクストルージョンコーティング、ロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、ディッピング、プリント法等を挙げることができる。
【0050】
活性エネルギー線としては紫外線を使用することが好ましい。照射量は50〜900mJ/cm2が好ましく、60〜500mJ/cm2が更に好ましく、80〜300mJ/cm2が特に好ましい。照射量が少ないと、得られる位相差フィルムの機械的特性や耐熱性が悪化する傾向がある。一方、照射量が多いと機械的特性や耐熱性は良くなるものの、解像度が悪くなり、細かいパターンを形成することが困難になる傾向や、側壁角が小さくなってしまう傾向がある。また、紫外線の強度の設定も重要である。紫外線強度は2〜100mW/cm2が好ましく、10〜50mW/cm2が更に好ましい。紫外線強度が弱いとマスク露光に必要な時間が長くなり生産性が悪化する傾向がある。紫外線強度が強いと、解像度や側壁角が小さくなってしまう傾向がある。マスクと重合性液晶組成物層との距離dは、150μm以下が好ましく、100ミクロン以下が更に好ましく、80μm以下が特に好ましい。50μm以下にすれば更に良い結果が得られるものの、距離dをあまり小さくするとマスクと重合性液晶組成物層が接触してしまうので、実用上は10μm以上にすることが好ましい。
【0051】
未硬化部を除去する工程としては、溶剤を用いて溶解洗浄する方法を挙げることができる。溶剤としては、重合性液晶材料組成物を溶解し、かつ硬化した重合性液晶組成物にダメージを与えない有機溶媒を選択することが好ましい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、クメンなどのアルキル置換ベンゼンやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、シクロペンンタノン等を挙げることができる。溶媒に接触させる時間は10秒以上が好ましく、20秒以上が好ましい。溶媒の中に浸漬させて良いし、溶媒をシャワー状に吹きかけても良い。溶媒に接触させる時間が短いと、未硬化部分が残存する傾向があり、5分以上溶媒に接触させると、得られた位相差フィルムが溶媒を含んで膨潤する傾向が強くなる。
【実施例】
【0052】
以下、実施例を挙げて本願発明を更に詳述するが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例の述べるパターン化位相差フィルムの解像度、幅、側壁角はレーザー顕微鏡(キーエンス社製VK-9510)によって測定した。
(参考例1)
式(a)の化合物40質量%
【0053】
【化22】

式(b)の化合物20質量%
【0054】
【化23】

式(c)の化合物25質量%
【0055】
【化24】

式(d)の化合物5質量%
【0056】
【化25】

式(e)の化合物10質量%

からなる重合性液晶組成物(A)を調整した。重合性液晶組成物(A)93.35質量%に、光重合開始剤Irgacure-907(チバスペシャリティケミカルズ社製)5.0質量%、重量平均分子量600の流動パラフィン(関東化学社製)を0.1質量%、FTX−730LS(ネオス社製)0.05質量%、重合禁止剤4-メトキシフェノールを0.5質量%添加した重合性液晶組成物(A1)を調製した。
【0057】
(参考例2)
重合性液晶組成物(A)94.35質量%に、光重合開始剤Irgacure-907(チバスペシャリティケミカルズ社製)5.0質量%、重量平均分子量600の流動パラフィン(関東化学社製)を0.1質量%、FTX−730LS(ネオス社製)0.05質量%、重合禁止剤4-メトキシフェノールを500ppm添加した重合性液晶組成物(A2)を調製した。
【0058】
(実施例1)
重合性液晶組成物(A1)を25%質量含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を調製した。これをラビング処理を施したポリイミド配向膜が形成されたITO付きガラス基板にスピンコート(1200回転/分、15秒)した。スピンコートした基板を70℃で2分間乾燥した。このようにして形成した重合性液晶組成物層に、100μmの間隔をもってマスク(クロム遮光マスク。ラインが40μm幅、スペースが40μm幅)設置し、その上から平行度2度のUV光源を照射してマスク露光を行った。UV光源の強度は20mW/cm2に設定し、3秒間照射することにより60mJ/cm2のエネルギー量は照射した。次に基板をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに30秒浸漬することにより、未硬化部を除去した。この処理を行った基板に付着している溶剤をエアブローで揮発させることにより、パターン化位相差フィルムを得た。このようにして得られたパターン化位相差フィルムの上部のサイズAは38.6μm、下部のサイズBは40.7μm、厚さTは0.8μm、側壁角は37度であった。位相差フィルムの位相差は137nmであった。
【0059】
得られたパターン化位相差フィルム付き基板を用いて図5の構成を有する半透過型液晶セルを作成した。基板は1.6μmの間隔を持って対向させた。これによってパターン化位相差フィルムの上部と対向基板との距離は、0.8μmに設定される。このような液晶セルに、Δn=0.18、Δεが5の液晶を挟持させた。位相差フィルムの光軸(遅相軸)は紙面に対して、垂直方向になるように設定し、上下偏光フィルムの偏光軸は位相差フィルムの遅相軸に対して45度をなすようにして直交させた(クロスニコル)。上下基板ともラビング方向は、位相差フィルムの遅相軸と一致させた。この液晶セルにITO透明電極を通じて電圧を印加したところ、にじみのない白黒表示が得られた。
(比較例1)
実施例1において、重合性液晶組成物(A1)に変えて重合性液晶組成物(A2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてパターン化位相差フィルムを作製した。のようにして得られたパターン化位相差フィルムの上部のサイズAは39.5μm、下部のサイズBは46.4μm、厚さTは0.8μm、側壁角は13度であった。位相差フィルムの位相差は137nmであった。
【0060】
得られたパターン化位相差フィルム付き基板を用いて、実施例1と同様の半透過型液晶セルを作製した。この液晶セルにITO透明電極を通じて電圧を印加したところ、表示に周期的なモアレ状のにじみが発生した。
【産業上の利用可能性】
【0061】
半透過型液晶ディスプレイ用のパターン化位相差フィルムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本願発明のパターン化位相差フィルムの断面を示す図である。
【図2】重合性液晶組成物の層の形成をした断面図である。
【図3】マスク露光の断面図である。
【図4】未硬化部を除去した断面図である。
【図5】本願発明のパターン化位相差フィルムを用いた半透過型液晶セルを示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 重合性液晶分子
2 重合性液晶組成物の層
3 配向膜
4 基板
5 UV(紫外線)
6 マスク
7 パターン化位相差フィルム
8 ポリイミド配向膜が形成されたITO透明電極
9 ガラス基板
10 アルミ蒸着膜
11 偏光フィルム
12 液晶層
13 バックライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性液晶組成物の硬化物により構成されパターンを有するパターン化位相差フィルムにおける各パターンの断面において、該重合性液晶組成物の硬化時に活性エネルギー線を照射した側を上部、基板側を下部としたとき、上部のサイズ:A、下部のサイズ:B、パターンの厚さ:Tから以下の式(1)
SWA(°)=tan-1{(B−A)/2/T} 式(1)
によって算出される側壁角:SWAが16°以上であり、重合性液晶組成物が一般式(I)
【化1】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Spは炭素原子数1〜20のスペーサー基を表し、mは0又は1を表し、MGはメソゲン基又はメソゲン性支持基を表し、R1は、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜25のアルキル基を表すが、該アルキル基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良く、あるいはR1は一般式(I-a)
【化2】

(式中、Pは反応性官能基を表し、Spは炭素原子数1〜20のスペーサー基を表し、mは0又は1を表す。)で表される構造を表す。)で表される化合物を92.35質量%から96.84質量%含有することを特徴とするパターン化位相差フィルム。
【請求項2】
重合性液晶組成物が重合開始剤を3質量%から5質量%含有し、重合禁止剤を0.1質量%から1.5質量%含有する請求項1記載のパターン化位相差フィルム。
【請求項3】
一般式(I)において、Spがアルキレン基を表し(該アルキレン基は1つ以上のハロゲン原子又はCNにより置換されていても良く、この基中に存在する1つのCH2基又は隣接していない2つ以上のCH2基はそれぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接結合しない形で、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-SCO-、-COS-又は-C≡C-により置き換えられていても良い。)、MGが一般式(I-b)
【化3】

(式中、A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基又はフルオレン2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン2,7-ジイル基及びフルオレン2,7-ジイル基は置換基として1個以上のF、Cl、CF3、OCF3、シアノ基、炭素原子数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケノイル基又はアルケノイルオキシ基を有していても良く、Z0、Z1、Z2及びZ3はそれぞれ独立して、-COO-、-OCO-、-CH2 CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-、-OCOCH2CH2-、-CONH-、-NHCO-又は単結合を表し、nは0、1又は2を表す。)で表される構造を表し、Pが一般式(I-c)、一般式(I-d)及び一般式(I-e)
【化4】

(式中、R21、R22、R23、R31、R32、R33、R41、R42及びR43はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、nは0又は1を表す。)で表される置換基からなる群より選ばれる置換基を表す、で表される化合物を含有する請求項1記載のパターン化位相差フィルム。
【請求項4】
重合性液晶組成物が一般式(II)
【化5】

(式中、mは0又は1を表し、W1及びW2はそれぞれ独立的に単結合、-O-、-COO-又は-OCO-を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立的に-COO-又は-OCO-を表し、r及びsはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基、又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)で表される化合物を含有する請求項1記載のパターン化位相差フィルムの製造方法。
【請求項5】
重合性液晶組成物が一般式(III)
【化6】

(式中、Z1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Z2は水素原子又はメチル基を表し、tは0又は1を表し、A、B及びCはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y3及びY4はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH24-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CHCH2CH2-、-CH2CH2CH=CH-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-又は-OCOCH2CH2-を表し、Y5は単結合、-O-、-COO-、-OCO-又は-CH=CHCOO-を表す。)で表される化合物を含有する請求項1記載のパターン化位相差フィルム。
【請求項6】
重合性液晶組成物が一般式(IV)
【化7】

(式中、Z3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Z4は水素原子又はメチル基を表し、W3は単結合、-O-、-COO-又は-OCO-を表し、vは2〜18の整数を表し、uは0又は1を表し、D、E及びFはそれぞれ独立的に、1,4−フェニレン基、隣接しないCH基が窒素で置換された1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1つ又は隣接しない2つのCH2基が酸素又は硫黄原子で置換された1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良く、Y6及びY7はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH24-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CHCH2CH2-、-CH2CH2CH=CH-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COO CH2CH2-又は-OCOCH2CH2-を表し、Y8は単結合、-O-、-COO-、-OCO-又は-CH=CHCOO-を表す。)で表される化合物を含有する請求項1記載のパターン化位相差フィルムの製造方法。
【請求項7】
重合性液晶組成物がベンゼン誘導体、トリフェニレン誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニン誘導体又はシクロヘキサン誘導体を分子の中心の母核とし、直鎖のアルキル基、直鎖のアルコキシ基又は置換ベンゾイルオキシ基がその側鎖として放射状に置換した構造である円盤状液晶化合物を含有する請求項1記載のパターン化位相差フィルム。
【請求項8】
円盤状液晶化合物が一般式(V)で表される請求項7記載の重合性液晶組成物を含有する請求項1記載のパターン化位相差フィルム。
【化8】

(式中、R5はそれぞれ独立して一般式(V-a)で表される置換基を表す。)
【化9】

(式中、R6及びR7はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を表し、R8は炭素原子数1〜20アルコキシ基を表すが、該アルコキシ基中の水素原子は一般式(V-b)、一般式(V-c)又は一般式(V-d)で表される置換基によって置換されていても良い。)
【化10】

(式中、R81、R82、R83、R84、R85、R86、R87、R88及びR89はそれぞれ独立的に水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、nは0又は1を表す。)

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−276664(P2009−276664A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129471(P2008−129471)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】