説明

パターン寸法測定方法及び荷電粒子ビーム描画方法

【課題】隣接するレジストパターン間の寸法を簡便に且つ精度良く測定することが可能なパターン寸法測定方法及び荷電粒子ビーム描画方法を提供する。
【解決手段】測長SEMを用いて測定された隣接するレジストパターン102間の高さh1での寸法CDsと、レジストパターン102の断面画像から求められたレジストパターン102間の高さh2での寸法CDdとの相関関係を予め取得する。測定対象であるレジストパターン間の高さh1での寸法を測長SEMにより測定し、この測定した寸法を相関関係に基づいて校正する。高さh1は、クロム膜100と接するレジストパターン102下面の高さであり、高さh2は、レジストパターン102のテーパー部102aが存在しない高さである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン寸法測定方法及び荷電粒子ビーム描画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの高集積化に伴い、パターンの微細化が急速に進んでいる。微細なパターンを形成するためには、レジストパターンを設計寸法通りに形成する必要がある。そこで、現像処理後のレジストパターン間の寸法を測定し、測定した寸法と設計寸法との比較を行っている。また、寸法測定値を電子ビーム描画工程、描画後の熱処理工程及び現像工程などにフィードバックすることで、レジストパターン間の寸法精度の向上を図っている。例えば、描画工程では、フィードバックされたレジストパターン間の寸法測定値に基づいて、電子ビームの照射量を算出している。ここで、レジストパターン間の寸法の測定には、一般に、測長走査型電子顕微鏡(測長SEMやCD−SEMともいう。以下「測長SEM」という。)が用いられている。
【0003】
測長SEMではレジストパターン間の平面視での寸法が測定される。その際、レジストパターンが下地膜たるクロム膜と接する高さでの寸法が測定される。このため、レジストパターン下部にテーパー部が存在する場合、そのテーパー部に依存して測定誤差が発生するという問題がある。このような測定誤差を含む寸法測定値を上記のように描画工程にフィードバックすると、電子ビームの照射量を精度良く算出することができないため、描画精度の向上が図れない可能性がある。上記測長SEMの測定誤差を取り除くため、電子線シミュレーションにより種々のパターン形状についてのSEM模擬波形を記憶しておき、測定した測長SEM像に最も近いSEM模擬波形を選択し、パターンの寸法を計測する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
然し、上記特許文献1記載の方法は複雑であり、レジストパターン間の寸法を簡便に且つ精度良く測定する方法を開発することが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−218711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、上記課題に鑑み、隣接するレジストパターン間の寸法を簡便に且つ精度良く測定することが可能なパターン寸法測定方法及び荷電粒子ビーム描画方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、隣接する2つのレジストパターン間の寸法を測定するパターン寸法測定方法において、測長走査型電子顕微鏡を用いて測定された2つのレジストパターン間の第1の高さでの寸法と、断面画像から求められた該2つのレジストパターン間の第2の高さでの寸法との相関関係を予め取得し、測定対象である2つのレジストパターン間の第1の高さでの寸法を測長走査型電子顕微鏡により測定し、この測定した寸法を相関関係に基づいて第2の高さでの寸法に校正することを特徴とする。
【0008】
この第1の態様において、レジストパターンは下地膜上に形成されており、第1の高さは下地膜と接するレジストパターン下面の高さであり、第2の高さはレジストパターンにテーパー部が存在しない高さであることが好ましい。
【0009】
この第1の態様において、レジストパターン間の設計寸法を変化させて第1及び第2の高さでの寸法をそれぞれ求め、これら第1及び第2の高さでの寸法の離散値を補間処理して相関関係を取得することが好ましい。
【0010】
この第1の態様において、レジストパターンは、荷電粒子ビームを照射した後に現像処理を行うことによって形成されたものであることが好ましい。
【0011】
本発明の第2の態様は、試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム描画方法において、上記第1の態様のパターン寸法測定方法を用いて求められた寸法に基づいて、試料上のレジストに対して照射される荷電粒子ビームの照射量を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、測長走査型電子顕微鏡を用いて測定された2つのレジストパターン間の第1の高さでの寸法と断面画像から求められた該2つのレジストパターン間の第2の高さでの寸法との相関関係を予め取得し、測長走査型電子顕微鏡により測定したレジストパターン間の第1の高さでの寸法をこの相関関係に基づいて第2の高さでの寸法に校正するため、隣接する2つのレジストパターン間の寸法を簡便に且つ精度良く測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態において電子ビーム描画装置の構成を示す概略図である。
【図2】(a)はレジストパターン間の設計寸法CDaを示す断面図であり、(b)は測長SEMにより測定されたレジストパターン間の第1の高さh1での寸法CDsと、断面画像から求められたレジストパターン間の第2の高さh2での寸法CDdとを示す断面図である。
【図3】設計寸法CDaを変化させたとき2つの寸法CDs、CDdの相関関係が規定された校正用テーブルを示す図である。
【図4】寸法CDsと寸法CDdとの相関関係を示す図である。
【図5】パターン密度ρを変化させたときの2つの寸法CDs、CDdの相関関係が規定された校正用テーブルを示す図である。
【図6】パターン密度ρと、寸法CDdと寸法CDsとの差分との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本実施の形態において電子ビーム描画装置の構成を示す概略図である。図1において、試料室1の中には、試料であるマスク2を載置したステージ3が収容されている。ステージ3は、ステージ駆動回路4によって、x方向(紙面に平行な方向)とy方向(紙面に垂直な方向)に駆動される。そして、ステージ3の移動位置は、レーザ側長計等を用いた位置回路5によって測定される。
【0015】
試料室1の上には、電子ビーム光学系10が配置されている。電子ビーム光学系10は、電子銃6と、各種レンズ7,8,9,11,12と、ブランキング用偏向器13と、ビーム寸法可変用偏向器14と、ビーム走査用の主偏向器15と、ビーム走査用の副偏向器16と、ビーム成形用アパーチャ17,18とを有する。主偏向器15は、電子ビームを所定のサブフィールド(副偏向領域)に位置決めする。一方、副偏向器16は、サブフィールド内での図形描画単位の位置決めを行う。また、ビーム寸法可変用偏向器14とビーム成形用アパーチャ17,18は、ビーム形状を制御する役割を果たす。さらに、ブランキング用偏向器13は、マスク2の面上で電子ビームの照射を制御する役割を果たす。
【0016】
電子ビームによる描画工程では、まず、ステージ3をx方向に連続的に移動し、主偏向ビームの偏向幅に応じて描画領域が短冊状に分割されたフレーム領域に描画処理を行う。次いで、上記x方向と直交するy方向にステージ3をステップ移動して、同じように描画処理を行う。これを繰り返すことにより、各フレーム領域が順次描画されて行く。
【0017】
図1において、制御計算機20には、磁気ディスク21が接続されている。ここで、磁気ディスク21には、半導体デバイス(LSI)の描画データが格納されている。磁気ディスク21から読み出された描画データは、フレーム領域毎にパターンメモリ22に一時的に格納される。パターンメモリ22に格納されたフレーム領域毎のパターンデータ、すなわち、描画位置や図形データ等からなるフレーム情報は、データ解析部であるパターンデータデコーダ23と描画データデコーダ24で解析された後、ブランキングアンプ25、ビーム成形アンプ26、主偏向アンプ27および副偏向アンプ28に送られる。
【0018】
パターンデータデコーダ23では、描画データを入力し、必要に応じて、フレーム領域に包含される図形データに反転処理を施して、反転パターンデータを生成する。次いで、フレームデータとして定義されている図形データを、ビーム成形用アパーチャ17,18の組み合わせによって形成可能な単位描画図形群に図形分割する。そして、図形分割により得られたデータに基づいて照射量を算出し、その照射量に応じてブランキングデータを作成してブランキングアンプ25に送る。また、所望とするビーム寸法データを作成して、これをビーム成形アンプ26に送る。次に、ビーム成形アンプ26から電子ビーム光学系10のビーム寸法可変用偏向器14に所定の偏向信号が送られ、これによって電子ビームの寸法が制御される。
【0019】
描画データデコーダ24では、フレームデータに基づいて、サブフィールドの位置決めのデータが作成される。得られたデータは、主偏向アンプ27に送られる。そして、主偏向アンプ27から電子ビーム光学系10の主偏向器15に所定の信号が送られ、指定されたサブフィールド位置に電子ビームが偏向走査される。また、描画データデコーダ24では、副偏向器走査のコントロール信号が発生して、副偏向アンプ28に送られる。次いで、副偏向アンプ28から副偏向器16に所定の副偏向信号が送られ、これによってサブフィールド毎の描画が行われる。
【0020】
図1において、副偏向器16は、電子ビームの位置を高速且つ高精度に制御するのに用いられる。このため、副偏向器16の偏向範囲は、マスク2上のサブフィールドに限定される。偏向がこの範囲を超える場合には、サブフィールドの位置を主偏向器15で移動させることが必要となる。このように、主偏向器15は、サブフィールドの位置を制御するのに用いられ、フレーム(主偏向領域)内でサブフィールドを移動させることができる。ここで、フレームは、主偏向器15によって偏向可能な領域である。また、描画中は、ステージ3が一方向に連続的に移動しているので、描画原点がステージ3の移動に追従するように、主偏向器15によってサブフィールドの描画原点をトラッキングさせている。
【0021】
ところで、従来、外部の測長SEMを用いて、上記電子ビーム描画装置によって描画された隣接する2つのレジストパターン間の寸法CDsが測定されている。そして、描画精度の向上を図るため、この寸法測定値CDsを上記制御計算機20を介してパターンデータデコーダ23に入力し、パターンデータデコーダ23によりこの寸法測定値CDsに基づいて電子ビームの照射量を算出し、この照射量に基づいてブランキングデータを作成していた。
【0022】
然し、測長SEMにより測定された寸法CDsは、レジストパターン間の平面視での寸法である。具体的には、図2(b)に示すように、遮光膜(下地膜)たるCr膜もしくはMoSi膜100に接するレジストパターン102下面の高さh1での寸法CDsが測定される。この高さh1においてレジストパターン102にテーパー部(「裾引き部」ともいう。)102aが存在する場合、テーパー部102a間の寸法CDsが測定される。この寸法CDsは、図2(a)に示す設計寸法CDaに対応する寸法、つまり、レジストパターン102間のテーパー部102a以外の高さh2での寸法CDdを測定したものではない。このため、測長SEMにより測定された平面視での寸法CDsを上記電子ビーム描画装置にフィードバックするだけでは、電子ビームの照射量を精度良く算出することができず、描画精度の向上が図れない。尚、Cr膜100は、図示省略する下地基板(透明なガラス基板)上に形成されている。
【0023】
そこで、本実施の形態では、以下に説明するように、測長SEMにより測定された2つのレジストパターン間の高さh1での平面視寸法CDsと、断面画像から求められた2つのレジストパターン間の高さh2での断面視寸法CDdとの相関関係を校正用テーブルとして予め求めておき、測長SEMにより実際に測定された高さh1での寸法CDmを校正用テーブルを用いて高さh2での寸法CDcに校正し、校正後の寸法CDcに基づいて電子ビームの照射量を算出する。
【0024】
図3は、本実施の形態において、測長SEMにより測定された寸法を校正するために用いられる校正用テーブルを示す図である。この校正用テーブルの作成方法について説明する。先ず、図2(a)に示されるレジストパターン102間の設計寸法CDaを90nm、128nm、180nmのように変化させて、それぞれの設計寸法CDaに対応するレジストパターン102を、電子ビーム描画、熱処理(PEB)及び現像処理を行うことによって形成する。尚、これらのレジストパターン102は、同一マスクの異なる位置に形成されてもよく、異なるマスクの対応する位置に形成されてもよい。
【0025】
そして、各レジストパターン102について、測長SEMによりレジストパターン102間の平面視での寸法CDsを測定する。つまり、図2(b)に示すように、高さh1での2つのレジストパターン102のテーパー部102a間の寸法CDsを測定する。さらに、これら2つのレジストパターン102について、図2(b)に示すような断面画像を取得し、その断面画像から高さh2でのレジストパターン102間の寸法CDdを求める。すなわち、テーパー部102aが存在しないレジストパターン102側壁間の寸法CDdが求められる。尚、断面画像は、断面走査型電子顕微鏡(断面SEM)により取得することができる。そして、各設計寸法90nm、128nm、180nmについて、測長SEMにより測定された高さh1での平面視寸法(CDs)=91nm、127nm、178nmと、断面画像から求められた高さh2での寸法(CDd)=105nm、148nm、208nmとをそれぞれ対応付けることによって、図3に示すような校正用テーブルが求められる。図3に示す校正用テーブルに規定された2つの寸法CDs、CDdの相関関係は、図4に示すようにプロットすることができる。プロット間は補間処理を行えばよい。つまり、高さh1での平面視寸法と高さh2での断面視寸法との相関関係は、隣接する2つのレジストパターン間の設計寸法CDaを変化させて寸法CDs、CDdを求め、これらの寸法CDs、CDdの離散値を補間処理することによって取得することができる。
【0026】
上記求められた校正用テーブルは制御計算機20に格納される。制御計算機20には、外部の測長SEMにより実際に測定された測定対象のレジストパターン間の高さh1での平面視寸法CDmが入力される。制御計算機20では、上記校正用テーブルを用いて外部入力された寸法CDmを校正することで、高さh2での寸法CDcが求められる。この校正後の寸法CDcは、次式(1)に従って線形補間により求めることができる。尚、線形補間ではなく、非線形補間により校正後の寸法CDcを求めてもよい。
【0027】
CDc=CDd+(CDdN+1−CDd)×(CDm−CDs
/(CDsN+1−CDs)・・・(1)
【0028】
例えば、測長SEMにより実際に測定された寸法CDmが100nmであるとき、上式(1)においてN=1とする。つまり、図3に示す校正用テーブルに規定されたN=1のCDs=91、CDd=105と、N=2のCDs=127、CDd=148とを上式(1)に代入することによって、下式のように校正後の寸法CDc=115.8nmが求められる。
CDc=105+(148−105)×(100−91)/(127−91)
=115.8nm
【0029】
また、例えば、実際に測定した寸法CDmが150nmであるとき、上式(1)においてN=2とする。つまり、図3に示す校正用テーブルに規定されたN=2のCDs=127、CDd=148と、N=3のCDs=178、CDd=208とを上式(1)に代入することによって、以下のように校正後の寸法CDc=175.1nmが求められる。
CDc=148+(208−148)×(150−127)/(178−127)
=175.1nm
【0030】
このように制御計算機20において校正された寸法CDcは、パターンデータデコーダ23に入力される。そして、パターンデータデコーダ23では、フレームデータを解析して得られたデータと、校正後の寸法CDcとに基づいて寸法補正量が算出され、この寸法補正量に基づいて電子ビームの照射量が算出され、その照射量に応じてブランキングデータが作成される。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態では、測長SEMにより測定された2つのレジストパターン間の高さh1での平面視寸法CDsと、これら2つのレジストパターンの断面画像から求められたレジストパターン間の高さh2での断面視寸法CDdとの相関関係を校正用テーブルとして予め求めておく。そして、実際に測長SEMにより測定されたレジストパターン間の高さh1での寸法CDmが、校正用テーブルに規定された上記相関関係に基づいて高さh2での寸法CDcに校正される。本実施の形態では、測長SEMによる測定誤差を取り除くために、上記特許文献1で記載されているような複雑な電子線シミュレーションを用いることがない。従って、本実施の形態によれば、レジストパターン102間の寸法CDcを簡便に且つ精度良く測定することができる。さらに、校正後の寸法CDcに基づいて電子ビームの照射量を算出するため、照射量が精度良く算出される。これにより、描画精度を向上させることができ、パターンの微細化の要求に対応することができる。
【0032】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。例えば、上記実施の形態では電子ビームを用いたが、本発明はこれに限られるものではなく、イオンビームなどの他の荷電粒子ビームを用いた場合にも適用可能である。
【0033】
また、レジストパターン間の寸法を校正するために用いられる校正用テーブルは、設計寸法CDaを変化させて求められたものに限らず、パターン種(ラインパターン、ホールパターン)や、パターン密度ρや、描画条件(照射量やフォーカス)などを変化させて求めてもよい。ここで、材料(レジスト材料、下地膜材料、下地基板材料)が変わると、描画後に行われる熱処理(PEB)や現像処理などのプロセスの条件も変わり、校正用テーブルの値も大きく異なる。従って、材料(及びプロセス条件)を固定した上で、材料以外のパラメータである設計寸法CDa、パターン種、パターン密度ρ、描画条件などを変化させながら、高さh1での平面視寸法CDsと高さh2での断面視寸法CDdを求め、これら2つの寸法CDs、CDdの相関関係を求めて、それを各校正用テーブルに規定すればよい。
【0034】
図5は、パターン密度ρを変化させたときの2つの寸法CDs、CDdの相関関係を規定した校正用テーブルの例を示す図である。図5に示す校正用テーブルの作成方法について説明する。先ず、所定領域におけるレジストパターン102のパターン密度ρを5%、50%、95%のように変化させて、レジストパターン102をそれぞれ形成する。そして、各レジストパターン102について、測長SEMによりレジストパターン102間の高さh1での平面視寸法CDsを測定する。ここで、パターン密度ρが変化しても測長SEMにより測定される寸法CDsが一定(例えば、180nm)になるように、照射量が決定される。さらに、各レジストパターン102について断面画像を取得し、その断面画像から高さh2での寸法CDdを求める。そして、各パターン密度5%、50%、95%について、測長SEMにより測定された寸法(CDs)=180nm、180nm、180nmと、断面画像から求められた寸法(CDd)=189nm、185nm、181nmとをそれぞれ対応させることによって、図5に示すような校正用テーブルを求めることができる。図5に示すような校正用テーブルを、測長SEMにより測定された高さh1での平面視寸法CDs毎に用意する。図5に示す校正用テーブルに規定されたパターン密度ρと、CDdとCDsの差分との関係は、図6のようにプロット及び直線近似することができる。
【0035】
図5に示す校正用テーブルを用いて、レジストパターン間の寸法CDmを校正する方法について説明する。実際に測長SEMにより測定された平面視での寸法CDmが180nmであるとき、パターン密度ρに応じた校正後の寸法CDcを、次式(2)に従って求めることができる。
CDc=180−0.09×ρ+9.44=−0.09ρ+189.44・・・(2)
【0036】
また、上記実施の形態では、電子ビーム描画装置において電子ビームの照射量を算出する際に校正後の寸法CDcを用いているが、電子ビーム描画後に行われる熱処理(PEB)や現像処理のようなプロセスの処理条件を決定する際に校正後の寸法CDcを用いてもよい。
【符号の説明】
【0037】
20 制御計算機
23 パターンデータデコーダ
25 ブランキングアンプ
100 遮光膜
102 レジストパターン
102a テーパー部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する2つのレジストパターン間の寸法を測定するパターン寸法測定方法において、
測長走査型電子顕微鏡を用いて測定された2つのレジストパターン間の第1の高さでの寸法と、断面画像から求められた該2つのレジストパターン間の第2の高さでの寸法との相関関係を予め取得し、測定対象である2つのレジストパターン間の第1の高さでの寸法を前記測長走査型電子顕微鏡により測定し、この測定した寸法を前記相関関係に基づいて第2の高さでの寸法に校正することを特徴とするパターン寸法測定方法。
【請求項2】
前記レジストパターンは下地膜上に形成されており、前記第1の高さは前記下地膜と接するレジストパターン下面の高さであり、前記第2の高さはレジストパターンのテーパー部が存在しない高さであることを特徴とする請求項1記載のパターン寸法測定方法。
【請求項3】
前記レジストパターン間の設計寸法を変化させて前記第1及び第2の高さでの寸法をそれぞれ求め、これら第1及び第2の高さでの寸法の離散値を補間処理して前記相関関係を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパターン寸法測定方法。
【請求項4】
前記レジストパターンは、荷電粒子ビームを照射した後に現像処理を行うことによって形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパターン寸法測定方法。
【請求項5】
試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム描画方法において、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のパターン寸法測定方法を用いて求められた寸法に基づいて、前記試料上のレジストに対して照射される荷電粒子ビームの照射量を算出することを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−225812(P2010−225812A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70949(P2009−70949)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(504162958)株式会社ニューフレアテクノロジー (669)
【Fターム(参考)】