説明

パターン形成装置及びパターン形成方法

【課題】基板を清浄な状態に保持しつつ基板にパターンを形成すること。
【解決手段】第一面に薄膜が形成された基板を保持して移動可能な基板保持部と、前記基板を透過可能な波長を有するレーザー光を射出する光射出部と、前記基板のうち前記第一面の裏面である第二面に対して前記レーザー光が射出されるように、かつ、前記レーザー光が前記基板を透過して前記薄膜に到達し当該レーザー光によって前記薄膜のうち前記基板との界面側の一部が変形してパターンが形成されるように、前記基板保持部及び前記光射出部を制御する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン形成装置及びパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス基板など加工面にレーザー光を照射することで、当該加工面にパターンを形成するパターン形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のパターン形成装置においては、加工面が鉛直方向の下方を向くようにステージに保持され、加工面の下側から加工面にレーザー光を照射する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−192875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成においては、加工面にレーザー光を照射することで、煤などの異物が発生する場合がある。このような異物が発生することで、パターン及び基板が汚れてしまうという問題がある。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明は、基板を清浄な状態に保持しつつ基板にパターンを形成することが可能なパターン形成装置及びパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様に係るパターン形成装置は、第一面に薄膜が形成された基板を保持して移動可能な基板保持部と、前記基板を透過可能な波長を有するレーザー光を射出する光射出部と、前記基板のうち前記第一面の裏面である第二面に対して前記レーザー光が射出されるように、かつ、前記レーザー光が前記基板を透過して前記薄膜に到達し当該レーザー光によって前記薄膜のうち前記基板との界面側の一部が変形してパターンが形成されるように、前記基板保持部及び前記光射出部を制御する制御部とを備える。
【0007】
本発明によれば、第一面に薄膜が形成された基板を保持して移動可能な基板保持部と、基板を透過可能な波長を有するレーザー光を射出する光射出部と、基板のうち第一面の裏面である第二面に対してレーザー光が射出されるように、かつ、レーザー光が基板を透過して薄膜に到達し当該レーザー光によって薄膜のうち基板との界面側の一部が変形してパターンが形成されるように、基板保持部及び光射出部を制御する制御部とを備えることとしたので、薄膜の表面にレーザー光を直接照射することなく、パターンを形成することができる。薄膜の表面にレーザー光が照射されないため、当該薄膜の表面から煤などの異物が生じるのを防ぐことができる。これにより、基板を清浄な状態に保持しつつ基板にパターンを形成することが可能となる。
【0008】
上記のパターン形成装置において、前記基板保持部は、前記基板を立てた状態で保持可能である。
本発明によれば、基板保持部が基板を立てた状態で保持可能であるので、基板が重力によって撓むのを防ぎつつ、パターンを形成することができる。
【0009】
上記のパターン形成装置は、前記基板保持部及び前記光射出部のうち少なくとも一方を駆動する駆動部を更に備え、前記制御部は、前記薄膜のうち異なる複数の部分に前記レーザー光が到達するように前記駆動部を制御可能である。
本発明によれば、基板保持部及び光射出部のうち少なくとも一方を駆動する駆動部を更に備え、制御部が薄膜のうち異なる複数の部分にレーザー光が到達するように駆動部を制御可能であるので、基板に対して効率的にパターンを形成することができる。
【0010】
上記のパターン形成装置は、前記基板の基準位置を検出する位置検出部を更に備え、前記制御部は、前記位置検出部の検出結果に基づいて前記駆動部による駆動量を調整可能である。
本発明によれば、基板の基準位置を検出する位置検出部を更に備え、制御部が位置検出部の検出結果に基づいて駆動部による駆動量を調整可能であるため、基板に対して高精度にパターンを形成することができる。
【0011】
上記のパターン形成装置において、前記基準位置は、前記パターンの一部を含む。
本発明によれば、基準位置がパターンの一部を含むので、別途基準位置を基板に形成することなく、パターンの一部を利用して位置検出を行うことができる。
【0012】
上記のパターン形成装置において、前記基準位置は、前記基板及び前記薄膜のうち少なくとも一方に形成された指標の位置を含む。
本発明によれば、基準位置が基板及び薄膜のうち少なくとも一方に形成された指標の位置を含むこととしたので、位置検出を効率的に行うことができる。
【0013】
上記のパターン形成装置は、前記パターンの少なくとも一部を検査する検査部を更に備える。
本発明によれば、パターンの少なくとも一部を検査する検査部を更に備えるので、パターンの不良箇所の有無を判別することができる。
【0014】
本発明の第二の態様に係るパターン形成方法は、第一面に薄膜が形成された基板を保持する基板保持工程と、保持された前記基板のうち前記第一面の裏面である第二面に対して、前記基板を透過可能な波長を有するレーザー光を射出する光射出工程と、前記基板を透過させて前記レーザー光を前記薄膜に到達させ、当該レーザー光によって前記薄膜のうち前記基板との界面側の一部を変形させることで前記薄膜にパターンを形成する薄膜変形工程とを含む。
【0015】
本発明によれば、第一面に薄膜が形成された基板を保持し、保持された当該基板のうち第一面の裏面である第二面に対して、基板を透過可能な波長を有するレーザー光を射出し、基板を透過させてレーザー光を薄膜に到達させ、当該レーザー光によって薄膜のうち基板との界面側の一部を変形させることで薄膜にパターンを形成するので、薄膜の表面にレーザー光を直接照射することなく、パターンを形成することができる。薄膜の表面にレーザー光が照射されないため、当該薄膜の表面から煤などの異物が生じるのを防ぐことができる。これにより、基板を清浄な状態に保持しつつ基板にパターンを形成することが可能となる。
【0016】
上記のパターン形成方法において、前記基板保持工程は、前記基板を立てた状態で保持することを含む。
本発明によれば、基板保持工程が基板を立てた状態で保持することを含むので、基板が重力によって撓むのを防ぎつつ、パターンを形成することができる。
【0017】
上記のパターン形成方法において、前記光射出工程及び前記薄膜変形工程は、前記薄膜のうち異なる複数の部分を変形させるように前記基板と前記レーザー光の照射位置とを相対的に移動させつつ行うことを含む。
本発明によれば、光射出工程及び薄膜変形工程が、薄膜のうち異なる複数の部分を変形させるように基板とレーザー光の照射位置とを相対的に移動させつつ行うこととしたので、基板に対して効率的にパターンを形成することができる。
【0018】
上記のパターン形成方法は、前記基板の基準位置を検出する位置検出工程と、前記位置検出工程における検出結果に基づいて前記基板と前記レーザー光の照射位置と相対的な移動量を調整する調整工程とを更に含む。
本発明によれば、基板の基準位置を検出し、基準位置の検出結果に基づいて基板とレーザー光の照射位置と相対的な移動量を調整することとしたので、基板に対して高精度にパターンを形成することができる。
【0019】
上記のパターン形成方法において、前記位置検出工程は、前記パターンの一部を検出することを含む。
本発明によれば、パターンの一部を検出することで基準位置の検出を行うことができる。これにより、別途基準位置を設けずに済むことになる。
【0020】
上記のパターン形成方法において、前記位置検出工程は、前記基板及び前記薄膜のうち少なくとも一方に形成された指標の位置を検出すること含む。
本発明によれば、基板及び薄膜のうち少なくとも一方に形成された指標を検出することとしたので、基準位置の検出を効率的に行うことができる。
【0021】
上記のパターン形成方法は、前記パターンの少なくとも一部を検査する検査工程を更に含む。
本発明によれば、パターンの少なくとも一部を検査することとしたので、パターンの不良箇所の有無を判別することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、基板を清浄な状態に保持しつつ基板にパターンを形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第一実施形態に係るパターン形成装置の構成を示す平面図。
【図2】本実施形態に係るパターン形成装置の一部の構成を示す図。
【図3】本実施形態に係るパターン形成装置の一部の構成を示す図。
【図4】本実施形態に係るパターン形成装置の一部の構成を示す図。
【図5】本実施形態に係るパターン形成装置の処理対象となる基板の構成を示す図。
【図6】本実施形態に係るパターン形成装置の一部の構成を示す図。
【図7】本実施形態に係るパターン形成装置の動作の様子を示す図。
【図8】本実施形態に係るパターン形成装置の動作の様子を示す図。
【図9】本実施形態に係るパターン形成装置の動作の様子を示す図。
【図10】本実施形態に係るパターン形成装置の動作の様子を示す図。
【図11】本実施形態に係るパターン形成装置の動作の様子を示す図。
【図12】本実施形態に係るパターン形成装置の動作の様子を示す図。
【図13】本実施形態に係る基板に形成されるパターンを示す図。
【図14】本実施形態に係る基板に形成されるパターンの一部を示す図。
【図15】本発明の第二実施形態に係る基板保持部の構成を示す平面図。
【図16】本実施形態に係る基板保持部の動作の様子を示す図。
【図17】本実施形態に係る基板保持部の動作の様子を示す図。
【図18】本実施形態に係る基板保持部の動作の様子を示す図。
【図19】本実施形態に係る基板保持部の動作の様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第一実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係るパターン形成装置100の構成を示す平面図である。
図1に示すように、パターン形成装置100は、チャンバーCB、基板搬送部10、パターン形成部20、検査部30及び制御部CONTを備えている。パターン形成装置100は、基板Sに対して、一次元コードや二次元コードなどのパターンを形成する装置である。パターン形成装置100は、チャンバーCB内に基板搬送部10、パターン形成部20及び検査部30が設けられた構成となっている。
【0025】
以下、パターン形成装置100の構成を説明するにあたり、表記の簡単のため、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。チャンバーCBの長手方向であって基板搬送部10の搬送方向をY方向と表記する。平面視でX方向に直交する方向をY方向と表記する。X方向軸及びY方向軸を含む平面に垂直な方向をZ方向と表記する。なお、X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとする。
【0026】
基板搬送部10は、基板搬入出部11及び基板移動部12を有している。
基板搬入出部11は、チャンバーCBの−Y側端面に設けられている。基板搬入出部11は、チャンバーCBの−Y側端面に形成された開口部13を開閉可能な蓋部14を有している。蓋部14を開いた状態とすることで、チャンバーCBの内外で基板Sのやり取りを行う構成となっている。
【0027】
基板移動部12は、基板Sを保持して搬送する搬送ロボット15を有している。搬送ロボット15は、ガイドレール17aに沿ってY方向に移動可能に設けられている。したがって、搬送ロボット15は、開口部13側の位置R1、パターン形成部20にアクセス可能な位置R2、検査部30にアクセス可能な位置R3の間を移動可能に設けられている。また、搬送ロボット15は、Z方向に昇降可能に形成されると共に、Z軸を中心として回転可能に形成されている。
【0028】
搬送ロボット15は、基板Sを保持する搬送アーム部15aと、当該搬送アーム部15aを支持する支持部15bとを有している。搬送アーム部15aは、伸縮可能に形成されている。搬送アーム部15aは、例えば位置R2や位置R3においてX方向に伸縮することにより、搬送アーム部15aがパターン形成部20や検査部30にアクセス可能となっている。
【0029】
搬送ロボット15は、駆動機構17bに接続されている。駆動機構17bは、例えば回転モーター機構やリニアモーター機構、エアシリンダー機構などを有しており、搬送ロボット15に対してY方向及びZ方向の駆動力及びZ軸周りの回転力を供給すると共に、搬送アーム部15aの伸縮動作を行わせる。
【0030】
パターン形成部20は、基板搬送部10の+X側に配置されている。パターン形成部20は、基板Sの第一面Saに形成された薄膜Fに対してパターンを形成する。パターン形成部20は、基板保持部21、光射出部22、駆動部23、アライメント機構24及びリフト機構25を有している。
【0031】
図2は、本実施形態に係る基板保持部21の構成を示す平面図である。図3は、基板保持部21の構成を示す断面図である。
図2及び図3に示すように、基板保持部21は、第一面Saに薄膜Fが形成された基板Sを保持する。
【0032】
基板保持部21は、鍔部26、基板吸着部27、連結部28及び開口部29を有している。鍔部26は、Z方向視で矩形環状に形成されており、連結部28を介して基板吸着部27と一体的に連結されている。鍔部26及び連結部28は、基板Sを通過させることが可能な寸法に形成されている。
【0033】
図4は、基板保持部21の一部の構成を示す断面図である。
図2から図4に示すように、基板吸着部27は、Z方向視で矩形環状に形成されている。基板吸着部27の+Z側には、基板Sを載置させる載置面27fが形成されている。載置面27fには、複数の吸引孔27aが形成されている。複数の吸引孔27aは、図2に示すように、基板吸着部27の一周に亘って形成されている。
【0034】
各吸引孔27aは、図4に示すように、載置面27fのうち基板Sが載置される領域内に配置されている。各吸引孔27aは、基板吸着部27の内部へ向けて形成されている。基板吸着部27の内部には、気体流通管27bが形成されている。気体流通管27bは、ポンプなどの吸引源27cに接続されている。各吸引孔27aは、気体流通管27bに接続されている。したがって、吸引源27cを駆動することにより、各吸引孔27aに対して同時に吸引力を付与することが可能となっている。
【0035】
光射出部22は、基板Sを透過可能な波長を有するレーザー光の光源22aを有している。駆動部23は、不図示のモーター機構やエアシリンダー機構、リニアモーター機構などを有している。駆動部23は、基板保持部21に対してθY方向の回転駆動力を付与すると共に、X方向、Y方向及びZ方向の直進駆動力を付与する。駆動部23による駆動力の付与量、付与のタイミングについては、制御部CONTによって制御可能となっている。
【0036】
基板保持部21の回転方向(θY方向)における位置は、駆動部23により、XY平面に平行に配置される第一回転位置P1と、YZ平面に平行に配置される第二回転位置P2との間で適宜調整可能となっている。また、駆動部23は、光射出部22を、X方向、Y方向及びZ方向に移動させると共に、光源22aから射出されるレーザー光の向きを調整可能である。
【0037】
基板保持部21や光射出部22に対して行われる駆動部23の調整動作については、例えば制御部CONTによって制御されるようになっている。このような制御の一例として、制御部CONTは、基板Sの第一面Saに形成された薄膜Fのうち異なる複数の部分にレーザー光が到達するように駆動部23を制御可能である。
【0038】
アライメント機構24は、当接部24a及びセンサ(位置検出部)24bを有している。
当接部24aは、基板Sの側部に当接して位置決めを行う。当接部24aは、基板保持部21の+Z側に複数配置されている。複数の当接部24aは、基板Sの−Y側、+X側及び−X側の3方向から基板Sを挟むように当該基板Sに当接することで、基板Sの位置を規定することができるようになっている。
【0039】
センサ24bは、基板Sに設けられる基準位置を検出する。当該基準位置としては、薄膜Fに形成されるパターンの一部を用いる態様であっても構わないし、予め基板Sに指標を形成しておく態様であっても構わない。本実施形態では、例えば図5に示すように、基板Sの第二面Sbに、基準位置として指標Mが形成された構成を例に挙げて説明する。
【0040】
図5に示す構成では、指標Mは基板Sの4つの角部にそれぞれ1つずつ形成されており、各指標Mが角部の形状に沿ってL字型に形成されている。なお、図5に示す指標Mの構成は、あくまで一例であり、他の構成であっても構わない。センサ24bによる検出結果は、制御部CONTに送信されるようになっている。制御部CONTでは、センサ24bの検出結果に基づいて駆動部23の動作を制御可能である。
【0041】
リフト機構25は、基板Sを支持する複数のリフトピン25aと、当該リフトピン25aを支持する支持板25bとを有している。リフト機構25は、リフトピン25a及び支持板25bがZ方向に移動可能に設けられている。
【0042】
支持板25bのX方向及びY方向における寸法は、開口部29のX方向及びY方向における寸法よりも小さく形成されている。このため、リフト機構25は、開口部29を通り抜けるようにして基板保持部21の+Z側と−Z側との間で移動することができるようになっている。
【0043】
図1に戻って、検査部30は、薄膜Fに形成されたパターンの適否を検査する。より具体的には、検査部30は、外部の読み取り機器等を用いてパターンを検出する場合など、当該パターンが検出可能な程度に形成されているか否かを検査する。
【0044】
図6は、検査部30の構成を示す図である。
図6に示すように、検査部30は、基板保持部31、カメラ32、カメラ駆動部33及びリフト機構35を有している。基板保持部31は、第一面Saに薄膜Fが形成された基板Sを保持するように形成されている。
【0045】
カメラ32は、薄膜Fに形成されたパターンPの少なくとも一部を撮像する。カメラ32は、基板保持部31の+Z側に配置されている。カメラ32は、例えばカメラ32がパターンPの一部を撮像可能な構成であっても構わないし、パターンPの全部を撮像可能な構成であっても構わない。カメラ32による撮像結果(例えばパターンPの画像)は、制御部CONTに送信されるようになっている。カメラ駆動部33は、モーター機構やエアシリンダー機構などの不図示のアクチュエーターを有しており、カメラ32のX方向、Y方向及びZ方向の位置及び姿勢を調整する。
【0046】
リフト機構35は、基板Sを支持する複数のリフトピン35aと、当該リフトピン35aを支持する支持板35bとを有している。リフト機構35は、リフトピン35a及び支持板35bがZ方向に移動可能に設けられている。基板保持部31には、リフト機構35が通過可能な貫通部31aが形成されている。リフト機構35は、Z方向に昇降することにより、搬送アーム部15aと基板保持部31との間で基板の受け渡しを行うことができるようになっている。
【0047】
次に、上記のように構成されたパターン形成装置100を用いて薄膜Fにパターンを形成するパターン形成方法を説明する。
まず、制御部CONTは、基板搬入出部11の蓋部14を開き、第一面Saに薄膜Fが形成された基板Sを、開口部13からチャンバーCBの内部に搬入する。
【0048】
制御部CONTは、予め搬送ロボット15を位置R1(図1参照)に移動させておき、搬送アーム部15aを−Y側に向けておく。この状態で、制御部CONTは、チャンバーCBの内部に搬入された基板Sを搬送ロボット15の搬送アーム部15aに保持させる。その後、制御部CONTは、搬送ロボット15によって基板Sを保持させた状態で駆動機構17bを作動させ、搬送ロボット15及び基板Sを+Y方向に移動させる。
【0049】
制御部CONTは、パターン形成部20の−X側の位置R2まで搬送ロボット15を移動させた後、搬送ロボット15をZ軸周りに回転させて搬送アーム部15aを+X方向に向けさせる。その後、制御部CONTは、搬送アーム部15aを+X方向に伸長させ、基板Sを基板保持部21へと移動させる。
【0050】
制御部CONTは、搬送アーム部15aを伸長させるのに先立ち、リフト機構25を基板保持部21の+Z側に配置させた状態としておく。この状態で、制御部CONTは、搬送アーム部15aを伸長させることにより、基板Sをリフト機構25の+Z側に配置させた状態とする。
【0051】
その後、制御部CONTは、リフト機構25を+Z側へ上昇させることにより、基板Sが搬送アーム部15aからリフト機構25へと渡される。基板Sを渡した後、制御部CONTは、搬送アーム部15aを基板保持部21から退避させる。この結果、図7に示すように、基板Sは、リフト機構25の複数のリフトピン25a上に載置された状態となる。
【0052】
次に、制御部CONTは、アライメント機構24の当接部24aを用いて基板Sの位置決めを行う。制御部CONTは、図8に示すように、基板Sの−Y側、+X側及び−X側の3方向から基板Sに当接部24aを当接させ、基板Sを挟み込む。この動作により、基板SのX方向及びY方向における位置が規定される。
【0053】
次に、図9に示すように、制御部CONTは、基板Sをリフトピン25a上に載置させたままリフト機構25を−Z側に移動させる。リフトピン25aの+Z側の先端部分を基板吸着部27の載置面27fの−Z側に移動させることで、基板Sが載置面27f上に載置される。
【0054】
その後、制御部CONTは、図4に示す吸引源27cを作動させ、基板吸着部27の吸引孔27bに吸引力を付与させる。この動作により、図10に示すように、基板Sが載置面27fに吸着される。基板Sは、基板吸着部27に吸着されることで、X方向及びY方向への移動が規制されることになる。
【0055】
基板Sを基板吸着部27に吸着させた後、制御部CONTは、図11に示すように、基板保持部21を図中反時計回りに90°回転させる。基板Sが吸着されているため、基板Sが水平方向(XY平面)に対して傾いた状態あるいは立った状態となっても、基板Sは載置面27aで移動することなく保持される(基板保持工程)。
【0056】
この状態で、制御部CONTは、アライメント機構24のセンサ24bを用いて基板Sに形成された指標M(図5参照)を検出させ、基板Sの位置を調整させる。その後、制御部CONTは、図12に示すように、光射出部22を用いて、基板Sの+X側から基板Sへ向けてレーザー光Lを照射させる(光射出工程)。
【0057】
光源22aから射出されたレーザー光Lは、基板Sの第二面Sbに到達すると、当該第二面Sbから基板Sの内部に進行する。このレーザー光Lは、第一面Saと薄膜Fとの界面に照射される。薄膜Fのうちレーザー光Lの照射を受けた部分は、表面Fa側に膨らむように変形する。当該変形により、表面Fa側に凸部50が形成される(薄膜変形工程)。
【0058】
制御部CONTは、レーザー光Lの照射位置を調整することにより、凸部50の位置及び形状を調整する。レーザー光Lの照射位置の調整を行う場合の一例として、制御部CONTは、センサ24bを用いて基板Sの基準位置に形成された指標Mを検出し(位置検出工程)、指標Mの検出結果に基づいて基板Sとレーザー光Lの照射位置と相対的な移動量を調整させる(調整工程)。
【0059】
具体的には、光射出部22の位置を固定させた状態で、駆動部23によって基板保持部21をY方向及びZ方向に移動させることで、基板SをY方向及びZ方向に移動させる。この動作により、基板Sに対して高精度に凸部50を形成することができる。なお、制御部CONTは、既に形成された凸部50などの一部を検出することで基準位置の検出を行わせるようにしても構わない。
【0060】
このようにレーザー光Lの照射を行うことにより、図13に示すように、薄膜Fの表面Faに、複数の二次元バーコードPxを含むパターンPがマトリクス状(例えば12個×15個)に形成される。なお、各二次元バーコードPxは、例えば図14に示すような形状に形成される。
【0061】
図14において黒色で示された部分は、レーザー光Lの照射を受けて変形した部分である。本実施形態では、基板Sを立てた状態で保持しつつレーザー光Lを照射するため、基板Sが重力によって撓んだ状態でレーザー光Lが照射されるのを防ぐことができる。このため、パターンPの精度低下を防ぐことができる。
【0062】
パターンの形成後、制御部CONTは、基板保持部21を図11若しくは図12において時計回りに対応する方向に90°回転させて基板Sを水平な状態に戻すと共に、吸引源27cを停止させて基板Sに対する吸引力を解除する。その後、制御部CONTは、リフト機構25を+Z側へ移動させて基板Sを基板保持部21に対して持ち上げた状態とする。
【0063】
制御部CONTは、この状態で再び搬送ロボット15の搬送アーム部15aを基板保持部21内に伸長させ、Z方向において基板Sとリフト機構25との間に挿入する。その後、制御部CONTは、リフト機構25を−Z側へ下降させる。この動作により、基板Sがリフト機構25から搬送アーム部15aへ渡される。
【0064】
基板Sが搬送アーム部15aへ渡された後、制御部CONTは、搬送アーム部15aを収縮させ、基板保持部21からチャンバーCBへ基板Sを移動させる。この動作により、基板Sがパターン形成部20から基板Sを搬出される。基板Sが搬出された後、制御部CONTは、検査部30の−X側の位置R3まで搬送ロボット15を移動させ、搬送アーム部15aが+X方向(検査部30の方向)を向くように搬送ロボット15を回転させる。その後、制御部CONTは、搬送アーム部15aを伸長させ、基板Sを検査部30へと移動させる。
【0065】
制御部CONTは、搬送アーム部15aを伸長させるのに先立ち、リフト機構35を基板保持部31の+Z側に配置させた状態としておく。この状態で、制御部CONTは、搬送アーム部15aを伸長させることにより、基板Sをリフト機構35の+Z側に配置させた状態とする。
【0066】
その後、制御部CONTは、リフト機構35を+Z側へ上昇させることにより、基板Sが搬送アーム部15aからリフト機構35へと渡される。基板Sを渡した後、制御部CONTは、搬送アーム部15aを基板保持部31から退避させる。搬送アーム部15aを退避させた後、制御部CONTは、基板Sをリフトピン35a(図6参照)上に載置させたままリフト機構35を−Z側に移動させる。この動作により、基板Sが基板保持部31に保持される。
【0067】
基板保持部31に基板Sを保持させた後、制御部CONTは、カメラ32を用いて、薄膜Fの表面Faに形成されたパターンPを撮像させる。制御部CONTは、カメラ駆動部33により、カメラ32の位置及び姿勢を調整しつつ、カメラ32に撮像を行わせる。例えば、制御部CONTは、パターンPに含まれる二次元バーコードの1つあるいは複数の画像を撮像させる。その後、制御部CONTは、カメラ32によって撮像された画像から、パターンPが読み取り可能であるか否かを判断する(検査工程)。
【0068】
検査を行った後、制御部CONTは、基板保持部31からリフト機構35へ基板Sを移動させ、その後リフト機構35から搬送ロボット15へ基板Sを渡させ、搬送アーム部15aを収縮させる。この動作により、検査部30から基板Sを搬出させる。基板Sを搬出させた後、制御部CONTは、搬送ロボット15を位置R1へと移動させ、基板搬入出部11の蓋部14を開き、基板Sを開口部13からチャンバーCBの外部に搬出させる。
【0069】
以上のように、本実施形態に係るパターン形成装置100は、第一面Saに薄膜Fが形成された基板Sを保持して移動可能な基板保持部21と、基板Sを透過可能な波長を有するレーザー光Lを射出する光射出部22と、基板Sのうち第一面Saの裏面である第二面Sbに対してレーザー光Lが射出されるように、かつ、レーザー光Lが基板Sを透過して薄膜Fに到達し当該レーザー光Lによって薄膜Fのうち基板Sとの界面側の一部が変形してパターンPが形成されるように、基板保持部21及び光射出部22を制御する制御部CONTとを備えることとしたので、薄膜Fの第一面Saにレーザー光Lを直接照射することなく、パターンPを形成することができる。薄膜Fの表面Faにレーザー光Lが照射されないため、当該薄膜Fの表面Faから煤などの異物が生じるのを防ぐことができる。これにより、基板Sを清浄な状態に保持しつつ基板SにパターンPを形成することが可能となる。
【0070】
また、本実施形態に係るパターン形成方法は、第一面Saに薄膜Fが形成された基板Sを保持し、保持された当該基板Sのうち第一面Saの裏面である第二面Sbに対して、基板Sを透過可能な波長を有するレーザー光Lを射出し、基板Sを透過させてレーザー光Lを薄膜Fに到達させ、当該レーザー光Lによって薄膜Fのうち基板Sとの界面側の一部を変形させることで薄膜FにパターンPを形成するので、薄膜Fの表面Faにレーザー光Lを直接照射することなく、パターンPを形成することができる。薄膜Fの表面Faにレーザー光Lが照射されないため、当該薄膜Fの表面Faから煤などの異物が生じるのを防ぐことができる。これにより、基板Sを清浄な状態に保持しつつ基板SにパターンPを形成することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態によれば、基板Sを立てた状態で保持する際に、基板Sを吸着する基板吸着部27が設けられているため、基板Sが水平方向(XY平面)に対して傾いた状態あるいは立った状態となっても、基板Sは載置面27aで移動することなく保持される。したがって、例えば基板保持部21をY方向及びZ方向に移動する場合であっても、基板Sにズレが発生するのを防ぐことができる。これにより、基板Sに高精度にパターンを形成することができる。
【0072】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を説明する。本実施形態では、パターン形成部120の構成が第一実施形態のパターン形成部20とは異なるため、当該構成を中心に説明する。他の構成については、第一実施形態と同一である。なお、以下の説明においては、第一実施形態と同一の構成については、同一の符号を用いて説明する。
【0073】
図15は、本実施形態に係るパターン形成部120の構成を示す断面図である。
図15に示すように、パターン形成部120は、基板保持部121、光射出部122、駆動部126及びアライメント機構124を有している。
基板保持部121は、保持アーム部125と、当該保持アーム部125をY軸周りの方向(θY方向)に回転させると共に、当該保持アーム部125をX方向、Y方向及びZ方向に移動させる駆動部126とを有している。
【0074】
保持アーム部125は、フレーム125a及び軸部125bを有している。フレーム125aは、基板Sの第二面Sbを支持する部分である。フレーム125aは、Z方向視で矩形の環状に形成されている。フレーム125aは、基板Sを載置する縁部125dを有している。フレーム125aのうち、+X方向の先端部分125cは、Y方向に平行に配置されている。
【0075】
フレーム125aの先端部分125cは、例えば不図示のエアシリンダー機構などにより、X方向に伸縮可能に形成されている。先端部分125cの伸縮のタイミングなどについては、制御部CONTによって制御可能となっている。先端部分125cがX方向に伸縮することにより、基板Sを縁部125dに載置した状態でX方向に挟んで保持することができるようになっている。
【0076】
軸部125bは、Y方向に平行に配置されており、フレーム125aに連結されている。軸部125bは、不図示の軸受部などにより、Y軸回りの方向に回転可能に支持されている。軸部125bが回転することにより、軸部125b、1フレーム25a及び先端部分125cが一体的に、軸部125bを中心としてY軸周りに回転する構成となっている。
【0077】
駆動部126は、不図示のモーター機構やエアシリンダー機構、リニアモーター機構などを有しており、軸部125bに対してθY方向の回転駆動力を付与すると共に、X方向、Y方向及びZ方向の直進駆動力を付与する。駆動部126による駆動力の付与量、付与のタイミングについては、制御部CONTによって制御可能となっている。
【0078】
保持アーム部125の回転方向(θY方向)における位置は、駆動部126により、XY平面に平行に配置される第一回転位置P1と、YZ平面に平行に配置される第二回転位置P2との間で適宜調整可能となっている。
【0079】
また、基板保持部121には、リフト機構135が設けられている。リフト機構135は、基板Sを支持する複数のリフトピン135aと、当該リフトピン135aを支持する支持板135bとを有している。リフト機構135は、リフトピン135a及び支持板135bがZ方向に移動可能に設けられている。
【0080】
基板保持部121には、リフト機構135が通過可能な開口部129が形成されている。リフト機構135は、開口部129を通過してZ方向に昇降することにより、搬送アーム部15aと基板保持部121との間で基板の受け渡しを行うことができるようになっている。
【0081】
支持板135bのX方向及びY方向における寸法は、開口部129のX方向及びY方向における寸法よりも小さく形成されている。このため、リフト機構135は、開口部129を通り抜けるようにして基板保持部21の+Z側と−Z側との間で移動することができるようになっている。
【0082】
光射出部122は、基板Sを透過可能な波長を有するレーザー光の光源122aを有している。駆動部123は、光射出部122を、X方向、Y方向及びZ方向に移動させると共に、光源122aから射出されるレーザー光の向きを調整可能である。当該駆動部123の調整動作については、制御部CONTによって制御されるようになっている。例えば、制御部CONTは、基板Sの第一面Saに形成された薄膜Fのうち異なる複数の部分にレーザー光が到達するように駆動部123を制御可能である。
【0083】
次に、本実施形態に係る基板保持部121の動作を説明する。
まず、制御部CONTは、上記第一実施形態と同様の動作により、基板SをチャンバーCBの内部に搬入させると共に、当該基板Sを搬送ロボット15の搬送アーム部15aに保持させる。
【0084】
基板Sを搬送アーム部15aに保持させた後、制御部CONTは、第一実施形態と同様の動作により、パターン形成部20の−X側の位置R2まで搬送ロボット15を移動させ、搬送ロボット15をZ軸周りに回転させて搬送アーム部15aを+X方向に向けさせると共に、搬送アーム部15aを+X方向に伸長させて、基板Sを基板保持部121へと移動させる。
【0085】
その後、制御部CONTは、第一実施形態と同様に、基板Sを搬送アーム部15aからリフト機構135のリフトピン135a上に載置させ、アライメント機構124の当接部124aを用いて基板Sの位置決めを行う。位置決めが行われた後、制御部CONTは、リフト機構135を−Z側に移動させ、図16に示すように、基板Sを縁部125d上に載置させる。
【0086】
その後、制御部CONTは、基板Sを縁部125d上に載置させた状態で、先端部分125cを−X方向にスライドさせ、フレーム125aを収縮させる。この動作により、図17に示すように、先端部分125cが基板Sの+X側端部に当接され、基板Sがフレーム125aの−X側端部と、当該フレーム125aの先端部分125cとで挟まれた状態で保持される。
【0087】
基板Sを保持させた後、制御部CONTは、図18に示すように、駆動部126を用いて軸部125bをY軸周りであって反時計回りの方向に90°回転させる。軸部125bの回転により、軸部125bに連結されたフレーム125a及び先端部分125cは、軸部125bと一体的に、第一回転位置P1から軸部125bの回転方向(図中反時計回りの方向)へ移動する。このとき、基板Sがフレーム125a及び先端部分125cによって保持されているため、基板Sが水平方向(XY平面)に対して傾いた状態あるいは立った状態となっても、基板Sが移動することなく保持される(基板保持工程)。
【0088】
軸部25bの回転動作が完了すると、保持アーム部125は第二回転位置P2に配置される。この状態において、フレーム125aは、Z方向に立った状態となる。また、基板Sは、Z方向に立った状態でフレーム125aによって支持される。このとき、基板Sのうち薄膜Fが形成された第一面Saが−X側に向けられ、第二面Sbが+X側に向けられる。
【0089】
この状態で、制御部CONTは、センサ124bなどを用いて基板Sに形成された指標M(図5参照)を検出させ、基板Sの位置を調整させる。その後、制御部CONTは、図19に示すように、光射出部122を用いて、基板Sの+X側から基板Sへ向けてレーザー光Lを照射させる(光射出工程)。光源122aから射出されたレーザー光Lは、基板Sの第二面Sbに到達すると、当該第二面Sbから基板Sの内部に進行する。このレーザー光Lは、第一面Saと薄膜Fとの界面に照射される。薄膜Fのうちレーザー光Lの照射を受けた部分は、表面Fa側に膨らむように変形する。当該変形により、表面Fa側に凸部50が形成される(薄膜変形工程)。
【0090】
制御部CONTは、レーザー光Lの照射位置を調整することにより、凸部50の位置及び形状を調整する。レーザー光Lの照射位置の調整を行う場合の一例として、制御部CONTは、アライメント機構124のセンサ124bを用いて基板Sの基準位置に形成された指標Mを検出し(検出工程)、指標Mの検出結果に基づいて基板Sとレーザー光Lの照射位置と相対的な移動量を調整させる(調整工程)。具体的には、光射出部122の位置を固定させた状態で、駆動部126によって軸部125bをY方向及びZ方向に移動させ基板SをY方向及びZ方向に移動させる。この動作により、基板Sに対して高精度に凸部50を形成することができる。なお、制御部CONTは、既に形成された凸部50などの一部を検出することで基準位置の検出を行わせるようにしても構わない。その後、制御部CONTは、上記第一実施形態と同様に、凸部50の検査を行わせる。
【0091】
以上のように、本実施形態によれば、基板Sを立てた状態で保持する際に、保持アーム部125の先端部分125cが移動し、フレーム125aが伸縮することにより、基板Sをフレーム部125aと先端部分125cとで保持する構成となっているため、基板Sが水平方向(XY平面)に対して傾いた状態あるいは立った状態となっても、基板Sは縁部125dの載置面上で移動することなく保持される。したがって、例えば基板保持部121をY方向及びZ方向に移動する場合であっても、基板Sにズレが発生するのを防ぐことができる。これにより、基板Sに高精度にパターンを形成することができる。
【0092】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、光射出部22においてレーザー光Lを射出する光源22aが1つ設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、光射出部22においてレーザー光Lを射出する複数の光源22aが設けられた構成であっても構わない。また、当該複数の光源22aをマトリクス状に配置させ、基板Sの第二面Sbのうちマトリクス状に配置される複数の領域に対してレーザー光Lを同時に照射する構成であっても構わない。このように、複数の領域に対してレーザー光Lを照射することができるため、効率的にパターンPを形成することができる。
【0093】
また、上記実施形態では、基板Sを重力方向に対して立てた状態でレーザー光Lを照射する態様を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、基板SをXY平面に平行な状態として、基板Sの第二面Sbにレーザー光Lを照射する態様であっても構わない。
【0094】
また、上記実施形態では、基板Sに対してレーザー光Lを照射し、パターンPを形成した後に、当該パターンPに対して検査を行う態様を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、基板Sに対してレーザー光Lを照射して薄膜Fに凸部50を形成した後に、薄膜Fの他の領域にレーザー光Lを照射しつつ、凸部50の画像を撮像し、検査する態様であっても構わない。これにより、薄膜変形工程と検査工程とを同じ期間に行うことができるため、処理の効率化を図ることができる。
【0095】
また、上記実施形態では、基板Sに対してレーザー光Lを照射する際に、光射出部22の位置を固定させた状態で、基板SをY方向及びZ方向に移動させる態様を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、基板Sの位置を固定させた状態で、光射出部22をY方向及びZ方向に移動させる態様であっても構わない。また、光射出部22及び基板Sの双方をY方向及びZ方向に移動させる態様であっても構わない。
【0096】
また、上記実施形態の構成に加えて、チャンバーCBの内部に、搬送ロボット15など基板Sの搬送に用いられる器具を待機させておくスペースが設けられた構成であっても構わない。この場合、例えば図1において、チャンバーCB内において基板搬送部10の−X側に、別途待機用のスペースを設ける構成とすることができる。
【符号の説明】
【0097】
CONT…制御部 S…基板 Sa…第一面 Sb…第二面 F…薄膜 P1…第一回転位置 P2…第二回転位置 M…指標 P…パターン L…レーザー光 Fa…表面 Px…二次元バーコード 10…基板搬送部 11…基板搬入出部 12…基板移動部 13…開口部 15…搬送ロボット 15a…搬送アーム部 20…パターン形成部 21、121…基板保持部 22、122…光射出部 22a、122a…光源 23…駆動部 24、124…アライメント機構 24b、124b…センサ 26…鍔部 27…基板吸着部 28…連結部 29、129…開口部 125…保持アーム部 125a…フレーム 125b…軸部 125c…先端部分 125d…縁部 126…駆動部 30…検査部 31…基板保持部 32…カメラ 33…カメラ駆動部 50…凸部 100…パターン形成装置 CB…チャンバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一面に薄膜が形成された基板を保持して移動可能な基板保持部と、
前記基板を透過可能な波長を有するレーザー光を射出する光射出部と、
前記基板のうち前記第一面の裏面である第二面に対して前記レーザー光が射出されるように、かつ、前記レーザー光が前記基板を透過して前記薄膜に到達し当該レーザー光によって前記薄膜のうち前記基板との界面側の一部が変形してパターンが形成されるように、前記基板保持部及び前記光射出部を制御する制御部と
を備えるパターン形成装置。
【請求項2】
前記基板保持部は、前記基板を立てた状態で保持可能である
請求項1に記載のパターン形成装置。
【請求項3】
前記基板保持部及び前記光射出部のうち少なくとも一方を駆動する駆動部を更に備え、
前記制御部は、前記薄膜のうち異なる複数の部分に前記レーザー光が到達するように前記駆動部を制御可能である
請求項1又は請求項2に記載のパターン形成装置。
【請求項4】
前記基板の基準位置を検出する位置検出部を更に備え、
前記制御部は、前記位置検出部の検出結果に基づいて前記駆動部による駆動量を調整可能である
請求項3に記載のパターン形成装置。
【請求項5】
前記基準位置は、前記パターンの一部を含む
請求項4に記載のパターン形成装置。
【請求項6】
前記基準位置は、前記基板及び前記薄膜のうち少なくとも一方に形成された指標の位置を含む
請求項4又は請求項5に記載のパターン形成装置。
【請求項7】
前記パターンの少なくとも一部を検査する検査部を更に備える
請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載のパターン形成装置。
【請求項8】
第一面に薄膜が形成された基板を保持する基板保持工程と、
保持された前記基板のうち前記第一面の裏面である第二面に対して、前記基板を透過可能な波長を有するレーザー光を射出する光射出工程と、
前記基板を透過させて前記レーザー光を前記薄膜に到達させ、当該レーザー光によって前記薄膜のうち前記基板との界面側の一部を変形させることで前記薄膜にパターンを形成する薄膜変形工程と
を含むパターン形成方法。
【請求項9】
前記基板保持工程は、前記基板を立てた状態で保持することを含む
請求項8に記載のパターン形成方法。
【請求項10】
前記光射出工程及び前記薄膜変形工程は、前記薄膜のうち異なる複数の部分を変形させるように前記基板と前記レーザー光の照射位置とを相対的に移動させつつ行うことを含む
請求項8又は請求項9に記載のパターン形成方法。
【請求項11】
前記基板の基準位置を検出する位置検出工程と、
前記位置検出工程における検出結果に基づいて前記基板と前記レーザー光の照射位置と相対的な移動量を調整する調整工程と
を更に含む請求項10に記載のパターン形成方法。
【請求項12】
前記位置検出工程は、前記パターンの一部を検出することを含む
請求項11に記載のパターン形成方法。
【請求項13】
前記位置検出工程は、前記基板及び前記薄膜のうち少なくとも一方に形成された指標の位置を検出すること含む
請求項11又は請求項12に記載のパターン形成方法。
【請求項14】
前記パターンの少なくとも一部を検査する検査工程を更に含む
請求項8から請求項13のうちいずれか一項に記載のパターン形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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