パチンコ遊技機の球払出装置
【課題】 ケース体単位で取扱い可能に構成されると共に、賞球と貸し球とを区分して排出し得る球払出装置を提供する。
【解決手段】 遊技機裏側の所定部位に着脱可能に装着されるケース体50に、球貯留供給経路16から供給されたパチンコ球を通入出し得る球通路56と、この球通路56の下流部から2方向に分岐する第1球出路60と第2球出路61とを形成する。電動制御手段68により球切り回転可能な球送り体66を、球通路56に隣接した位置に組込む。電動切換え手段85により第1球出路60と第2球出路61との連通・遮蔽を切換え得る流路変向部材81を、両球出路60,61とが分岐する連絡口部に組込む。球送り体66により球通路56から払出されたパチンコ球は、流路変向部材81の位置切換えにより、第1球出路60からの賞球と第2球出路61からの貸し球とに区分して排出される。
【解決手段】 遊技機裏側の所定部位に着脱可能に装着されるケース体50に、球貯留供給経路16から供給されたパチンコ球を通入出し得る球通路56と、この球通路56の下流部から2方向に分岐する第1球出路60と第2球出路61とを形成する。電動制御手段68により球切り回転可能な球送り体66を、球通路56に隣接した位置に組込む。電動切換え手段85により第1球出路60と第2球出路61との連通・遮蔽を切換え得る流路変向部材81を、両球出路60,61とが分岐する連絡口部に組込む。球送り体66により球通路56から払出されたパチンコ球は、流路変向部材81の位置切換えにより、第1球出路60からの賞球と第2球出路61からの貸し球とに区分して排出される。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パチンコ遊技機の球払出装置に係り、更に詳しくは、遊技盤内でパチンコゲームを展開し得るパチンコ遊技機に装備されて、パチンコゲームの入賞に対する所定数の賞球と、遊技用の球貸し金額に定められた設定数の貸し球とを夫々区分して払出し得る球払出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パチンコ機やアレンジボール機に代表されるこの種の遊技機では、遊技ホール内の設置枠台(通称「島」)に縦向きの姿勢で設置されて遊技に供され、そして機内の遊技盤内で展開されるパチンコゲーム中に成立した入賞(例えばセーフ球の発生や図柄組合わせによる得点)に対し、機裏側の機構セット盤に形成配置した球貯留供給経路部に貯留されたパチンコ球(貯留球)を、払出装置の作動のもとに、所定数の賞球として機前側の上球皿または下球皿側へ給出するようになっている。一方、貸し球用のカードおよびカードユニットを利用して貯留球を貸出し得るタイプの遊技機(一般に「カード式パチンコ遊技機」ともいう)では、前述した賞球払出しとは別に、遊技者による適正な球貸し操作に応答して前記払出装置が作動されることにより、所定数の貸し球として上球皿側へ給出される。
【0003】しかしこのようなパチンコ機にあっては、セーフ球の発生によるセーフ球検出装置からの入賞信号と、前記カードユニット側からの貸し球信号とが略同時に出力された場合には、賞球と貸し球とが連続的に払出されるため、払出される遊技球が賞球または貸し球の何れなのか区別できないうえに、正確な払出し個数の確認が困難な問題点を内在していた。そこで近年に至っては、前記払出装置の下流部側に切換え装置を設けると共に、賞球用の排出路と貸し球用の排出路とを別々に形成し、該切換え装置の作動下に賞球は賞球用の排出路側へ排出し、貸し球は貸し球用の排出路側へ排出するよう制御することで、賞球の払出し確認と貸し球の払出し確認とを正確に行ない得るようにした提案がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記払出装置は、球貯留供給部の下流部における所要部位に設置され、また切換え装置は該払出装置の直ぐ下流部に隣接して設置されるものであり、夫々の装置が互いに密接に連動制御されることにより、貯留球を賞球として払出したり、貸し球として払出し得るようになっている。しかるに、これら払出装置と切換え装置とが、上下に隣接して設置されると共に連動して制御されるものであるにも拘らず、別の装置として独自に設計および製作されており、製作コストが嵩んでしまう欠点を内在していた。また、払出装置と切換え装置とを上下に連設した際にはかなり大型となるから、当該装置の外形寸法を前提としたサイズの設置部を機構セット盤に確保しなければならず、球排出経路全体の設計に少なからず制約を受けることとなっていた。更に、前記機構セット盤に対する組付作業においては、払出装置と切換え装置を別々に位置決めセットして設置しなければならないから、組付けが面倒になると共に時間がかかり、遊技機の組立てに係るコスト低減および合理化の障害となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決するために提案されたもので、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動制御手段を利用してパチンコ球を払出す球送り体と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動切換え手段を利用して球通路に対する第1球出路と第2球出路との個々の連通および遮蔽を切換え得る流路変向部材とを、1つのケース体内に組込んで該ケース体単位で取扱い得ると共に、賞球と貸し球とを区分して排出し得るよう構成した球払出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係るパチンコ遊技機の球払出装置は、遊技盤内でパチンコゲームを展開し得るパチンコ遊技機に装備されて、パチンコゲームの入賞に対する所定数の賞球と、遊技用の球貸し金額に定められた設定数の貸し球とを夫々区分して払出し得る球払出装置にあって、前記遊技機裏側の所定部位に着脱可能に装着されるケース体において、球貯留供給経路側から供給されたパチンコ球を通入出し得る球通路と、この球通路の下流部から2方向に分岐状態で連通された賞球用の第1球出路および貸し球用の第2球出路と、前記球通路内のパチンコ球を外周に形成した球受け部に受けて球切り回転時に払出し得るようにした球送り体と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動制御手段を利用して球送り体を回転不能と回転可能との状態に切換え得る規制部材と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動切換え手段を利用して前記球通路に対する第1球出路と第2球出路との個々の連通および遮蔽を切換え得る流路変向部材と、前記球送り体の球切り回転により払出されたパチンコ球を1個ずつカウント検出する検出手段とを夫々配設して、全体を前記ケース体単位で取扱い得るように構成し、前記球送り体の球切り回転に基いて球通路の下方へ払出されたパチンコ球を、前記流路変向部材の切換え状態において、前記第1球出路からの賞球と、前記第2球出路からの貸し球とに区分して排出し得るように設定したことを特徴とする。
【0007】
【作用】球払出装置は、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動制御手段を利用してパチンコ球を払出す球送り体と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動切換え手段を利用して球通路に対する第1球出路と第2球出路との個々の連通および遮蔽を切換え得る流路変向部材とを、1つのケース体内に組込むことにより小型でコンパクトに形成される。従って、遊技機裏側の所要位置に設置するに際し設置部面積を小さく設定し得るので、他の部品,部材の設置面積を大きく確保し得る。また、球払出装置はケース体単位で取扱い得るので、保管,管理等が容易である一方、遊技機裏側の所要位置に対する組付けおよび取外しも簡単かつ容易に行ない得る。
【0008】そして、セーフ球に対する賞球の払出しに際しては、電動切換え手段の制御のもとに流路変向部材を切換え変位して球通路と第1球出路とを連通させ、次いで電動制御手段の制御のもとに球送り体を回転制御することで、球貯留供給経路側から供給されるパチンコ球が、賞球として球通路から第1球出路側へ通出案内される。また、貸し球の払出しに際しては、電動切換え手段の制御のもとに流路変向部材を切換え変位して球通路と第2球出路とを連通させ、次いで電動制御手段の制御のもとに球送り体を回転制御することで、球貯留供給経路側から供給されるパチンコ球が、貸し球として球通路から第2球出路側に通出案内される。なお、前記球送り体から払出された賞球および貸し球は、検出手段でカウント検出される。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るパチンコ遊技機の球払出装置につき、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお本実施例では、機裏側の貯留パチンコ球を、パチンコゲーム中の入賞成立(セーフ球発生)に対する賞球として払出し得る一方、遊技用の球貸し操作に対する貸し球として払出し得るタイプのパチンコ機が前提とされる。
【0010】そこで、先ず本実施例に係るパチンコ機について、図1および図2を参照しながら要約説明する。このパチンコ機Pは、その基本的な構成として、固定用の外郭枠とされる外枠Aの開口前面側に、開閉用の搭載枠とされる前枠Bが、連結支持手段および施錠手段等を利用して着脱および開閉可能に組付けられている。そして、この前枠Bの前面側には、遊技機共通用の構成部材である横開き式のガラス扉Dを組付けた窓枠Cと、このガラス扉Dの下部において窓枠Cに対して着脱および開閉可能に組付けられる開閉セット盤の前側にセットされた上球皿Eと、下段に位置する下球皿Fおよび打球発射装置G等が組付けられ、また後面側に機構セット盤Hが装備されている。また、前枠B裏側の収容枠体10の正面内部に、所要の遊技領域を構成した遊技盤Iが着脱交換可能にセットされている。また、貸し球の払出し制御に必要とされる球貸しシステム(カード式)は、パチンコ機Pの側方(外枠Aの隣接部位)に設置されて各電子制御部と接続されている。なお、賞球の払出しおよび貸し球の払出しの報知に供される手段として、前記ガラス扉Dの上部にランプを具備した報知手段47が配設される一方、前記上球皿Eの外郭ケース内部にスピーカを具備した報知手段48が配設されている。
【0011】前記機構セット盤Hは、前枠Bの裏側に位置する前記遊技盤Iセット用の保持枠11の裏側に着脱可能に装備され、前記保持枠11に対応し得る方形サイズに樹脂成形された本体13の中央部に遊技盤裏面の点検用の窓口14が開口されて、これに裏カバー15が開閉および着脱可能に取着されており、この窓口14の外周囲部に球貯留供給経路部16等が配設されている。また、この球貯留供給経路部16の下端部に、カセット形態とされる電動制御式の本実施例の球払出装置Kが設置される一方、この球払出装置Kの下方に賞球通出路24と貸し球通出路25とが形成され、両通出路24,25の合流部と上球皿E側に連通する球出口28との間が第1球排出路26とされると共に、球出口28から下球皿Fとの間が第2球排出路27とされ、前記球貯留供給経路部16に貯留された所定数のパチンコ球が、球払出装置Kの作動により賞球または貸し球として払出されるようになっている。なお、機構セット盤Hのその他の構成として、前記窓口14の下方に、アウト球およびセーフ球を機外へ排出する処理路29,30が形成されると共に、セーフ球検出処理装置Lおよび賞球満杯検出装置32等が夫々設置される(図3参照)。また図2中、符号33は電源部(AC24V)に接続されるターミナル基板、符号34はゲーム内容を制御する第1電子制御装置、符号35はセーフ球検出処理並びに貯留球払出し(賞球と貸し球)を制御する払出し制御基板(図10参照)36を有する第2電子制御装置を夫々示す。
【0012】前記セーフ球検出処理装置Lは、セーフ球を1個ずつ停留検出して賞球払出し後に解放通出する電動形態であって、前記処理路29と連通する通路101を形成した本体100に、該通路101内のセーフ球を1個ずつ通過検出するセーフ球検出スイッチ31と、このスイッチ31の上,下方に位置するストッパー部102a,102bを形成して、1回毎の処理作動によりセーフ球に対する拘束と解放とによる通入出規制を行なうレバー状の規制処理部材102と、同部材102を各規制状態に交互に切換え操作する電磁ソレノイド103とを組付けて、全体が本体100単位で構成,取扱い得るようになっている。なお、セーフ球検出処理装置Lとしては、セーフ球を連続検出する型式を採用可能で、前記セーフ球検出スイッチ31で検出した個数分に対応して、前記球払出装置Kから設定数の賞球を払出すようにしてもよい。
【0013】前記球貯留供給経路部16は、機構セット盤Hの上部に外向き開口状態で凹部に合わせて設置される球容器(「球タンク」とも云う)17と、この球容器17の下部に取着される斜状レール形の整流樋18と、この整流樋18の下流端に連絡するように前記本体13に形成された送出路19とから構成され、相当量のパチンコ球を収容(貯留)し得るようになっている。そして、前記整流樋18の下流部に貯留球検出スイッチ20が配設され、1回の貸し球操作で必要とされる貯留球が、前記送出路19内に貯留されているか否かを検出するようになっている。また、前記送出路19の近傍に球抜き操作手段としての球抜きスイッチ21が配設され、機前面に形成された操作孔22から挿入した細長の操作棒で操作可能となっている。なお、前記送出路19の下流端近傍には、球払出装置Kの脱着作業に際して前記球貯留供給経路部16に貯留された貯留球の球抜けを防止する球止ピンを差込むための係止孔23が形成されている(図3参照)。
【0014】このようなパチンコ機Pは、遊技ホール内の設置枠台(通称「島」)の各区画枠内に前記球貸しシステムと共に設置されて縦向きで遊技に供される。この状態において、図示しないが、各列毎の設置枠台の補給設備における配球ユニットから必要時に供給される相当量のパチンコ球を、前記球貯留供給経路部16の球容器17内に受入れて整流樋18および送出路19内に収容しており、パチンコゲーム中に発生したセーフ球に対して所定数の賞球として払出される。一方、前記球貸しシステムでは、前記貯留球検出スイッチ20の球有り検出条件において、使用するカードの有効金額内における一定額単位に対して設定数球の貸出し制御をなすもので、カードリーダ37およびカード挿入口38等を有するカードユニットJが外枠A外側に装備されて(図1,図2参照)、前枠Bの裏側下部に設置された中継制御部(インターフェースボードともいう)39に、カードリーダ37と上球皿E側の球貸し操作部40および前記第2電子制御装置35が夫々接続されている。そして、カードリーダ37の球貸し判読制御処理条件に応答して後述の球払出装置Kが作動されることにより、払出された貸し球が上球皿Eへ供給されるようになっている。なお、前記球貸し操作部40は、表示部41、球貸しボタン42、カード返却ボタン43等がユニット化されている。
【0015】前述したパチンコ機Pに実施される本実施例の前記球払出装置Kは、前記第2電子制御装置22で制御作動されるもとで、セーフ球に対する賞球とカードユニットJに対する貸し球との区分排出制御をなす電子制御作動形態のもので、図2および図3に略示するように、前記機構セット盤Hの設置部内に着脱可能にセットされている。この球払出装置Kは、基本的な構成として図4〜図7に示すように、縦長方形箱状にユニット化された合成樹脂製のケース体50内に球流通路を区画形成すると共に、この球流通路に臨む部位に電動式の球払出し機構部Mと流路変向機構部Nとを夫々組付けて、前記ケース体50単位で取扱い得るようになっている。そして機構セット盤Hの設置部、つまり前記球貯留供給経路部16の送出路19下端と、賞球通出路24と貸し球通出路25の上端との間に形成された凹室部45内にケース体50単位で収容してビス固定される。
【0016】このような球払出装置Kにおいて、前記ケース体50は、凹室部45内の設置面に密着的に整合する1枚のベース部材51と、このベース部材51に組付けられるバケット状のカバー部材52とから構成され、該カバー部材52の開口部に前記ベース部材51が整合密着して全体として矩形中空体を呈している。そして、ケース体50における略上半分の内部空間が前記球払出し機構部M用の第1設置部53として画成され、下半分の内部空間が前記流路変向機構部N用の第2設置部54として画成されている。前記第1設置部53には、その一側部(図5における右側)に、1列の球通路56を垂下状に形成した樋部材55が組込まれ、ベース部材51に形成したピン51aとカバー部材52に形成したピン52aとが、係着孔57,57に嵌入することによりケース体50に固定される。また前記第2設置部54には、前記球通路56の下流部に整合する球案内路59と、該球案内路59から2方向に分岐状態で連通する賞球出路(第1球出路)60および貸し球出路(第2球出路)61とを形成した球案内部材58が組込まれ、ベース部材51に形成したピン51bとカバー部材52に形成したピン(図示せず)とが、係着孔62,62に嵌入することによりケース体50に固定される。
【0017】前述のケース体50内の第1設置部53に組込まれる球払出し機構部Mは、球貯留供給経路部16からの球を1個ずつ通入出検出するもので、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動制御手段を利用して位置切換えされる規制部材により、球切り回転可能な球送り体を回転不能と回転可能との状態に切換え得るようになっている。すなわち球払出し機構部Mは、図4R>4および図5に例示するように、前記ベース部材51に立設固定された支持軸65に回転自在に軸支された回転スプロケット状の球送り体66と、球送り体66の回転・停止規制をなす規制片(規制部材)72の切換え作動源である電磁ソレノイド(電動制御手段)68と、第1検出具(検出手段)74および第2検出具(検出手段)75とを備えている。前記球送り体66は、外周に形成した球受け部67(図示5個)を前記球通路56内に臨ませ、送出路19から落下する1個ずつの球を受けて回転しながら放出するようになっている。また電磁ソレノイド68は、図示のフラッパー形式例において、ベース部材51に固定されたL形金属製の支枠69にコイルを巻回した励磁力発生部(ボビンともいう)70を装着し、通電時に発生する励磁力を磁着部71に集中的に作用し得るようになっている。これに対して規制片72は、前記支枠69の一端に傾動可能に支持されると共にバネ73で付勢され、磁着部71の吸着力とバネ73の付勢力を利用して球送り体66の球受け部67に係合,離隔して、該球送り体66を拘束,解放するようになっている。一方、第1,第2検出具74,75は、互いに1球分の検出間隔で配置されて球通路56に臨み、通入球と通出球とを個々に検出するよう構成される。
【0018】このような球払出し機構部Mでは、電源投入時の作動前状態において、電磁ソレノイド68の消磁(OFF)に伴って磁着部71から解放された規制片72が、球送り体66を拘束した右上がり姿勢に付勢保持されている(図5参照)。従ってこの球送り体66が、前記球貯留供給経路部16内に投入されて送出路19から球通路56に入っている最先行(最下端)球を、球受け部67に受入れた状態で停止していることにおいて、第1検出具74がこの球を直接有検出する。一方、電磁ソレノイド68の励磁(ON)に伴って磁着部71に吸着された規制片72が、右下がり姿勢に変化して球送り体66を解放すると、該球送り体66が受けた1球の重みで回転して同球を放出することにおいて、第2検出具75が放出球を直接有検出すると同時に電磁ソレノイド68が消磁復帰されて、球送り体66が拘束されるようになっている。なお第1,第2検出具74,75は、ともに光学センサータイプが使用される例において、前記第2の電子制御装置35側に接続される制御基板78に配置された発光ダイオード76と、回路基板79に配置された受光ダイオード77とが組とされる(図4参照)。
【0019】また、前記ケース体50内の第2設置部54に組込まれる前記流路変向機構部Nは、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動切換え手段を利用して位置切換えされる流路変向部材により、前記球通路56に対する賞球出路60と貸し球出路61との個々の連通・遮蔽を切換え得るようになっている。すなわち流路変向機構部Nは、図4および図5に示すように、前記ベース部材51に立設固定された支持軸80に揺動可能に枢支された揺動レバー形態の流路変向部材81と、この流路変向部材81を揺動変位させて位置切換えをなす作動片89の切換え作動源である電磁ソレノイド(電動切換え手段)85とを備えている。前記流路変向部材81は、前記球案内路59から賞球出路60と貸し球出路61とに分岐する連絡口部に位置し、球案内路59と賞球出路60とが連通した第1姿勢(図5,図8参照)と、球案内路59と貸し球出路61とが連通した第2姿勢(図9参照)とに揺動変位するようになっている。また電磁ソレノイド85は、前記電磁ソレノイド68と同様のフラッパー形式例において、ベース部材51に固定されたL形金属製の支枠86にコイルを巻回した励磁力発生部(ボビンともいう)87を装着し、通電時に発生した励磁力を磁着部88に集中的に作用し得るようになっている。これに対して作動片89は、支枠86の一端に傾動可能に支持されると共にバネ90で付勢され、その傾動先端側が前記流路変向部材81のボス部82に形成した係止溝83に突入係止している。
【0020】このような流路変向機構部Nでは、電源投入時の作動前状態において、電磁ソレノイド85の消磁(OFF)に伴って前記磁着部88から開放された作動片89が、前記バネ90の付勢力のもとに図示反時計方向へ傾動し、これに従動する流路変向部材81が時計方向へ揺動変位して第1姿勢に保持されるので、前記球案内路59と賞球出路60が連通した賞球払出し状態となる(図8参照)。一方、電磁ソレノイド85の励磁(ON)に伴って磁着部88に作動片89が吸着されると、これに従動する流路変向部材81が反時計方向へ揺動変位して第2姿勢に変位保持されるので、前記球案内路59と貸し球出路61が連通した貸し球払出し状態となる(図9参照)。なお、賞球出路60と貸し球出路61には、対応して賞球センサ(賞球検出手段)91と貸し球センサ(貸し球検出手段)92が配設され、賞球出路60から通出される賞球と、貸し球出路61から通出される貸し球とをカウント検出するようになっている。これら賞球センサ91および貸し球センサ92は、何れも光学センサータイプが使用される例において、前記第2電子制御装置35側に接続される制御基板78に、図4に示すように、発光ダイオード93と受光ダイオード94とが対向的に配設されて構成される。
【0021】前述のように構成された球払出装置Kは、ケース体50単位で取扱うことができ、前記機構セット盤Hの凹室部45に対して、ビス46を利用して簡単かつ容易に固定される。そして、球払出装置Kが凹室部45に固定された状態では、図3に示すように、球通路56の球入口が前記送出路19の球出口に整合し、賞球出路60の球出口が賞球通出路24の球入口に整合すると共に、貸し球出路61の球出口が貸し球通出路25の球入口に整合している。
【0022】ここで、本実施例のパチンコ機Pの各部に配設された電気部品類および前記球払出装置Kの電気部品類に係る入出力制御系統につき、図10をもとに付記する。第2電子制御装置35の前記払出し制御基板36には、球払出し処理部96,優先比較処理部97,流路変向処理部98および駆動制御処理部99等が具備され、このうち球払出し処理部96に前記第1検出具74と第2検出具75が接続され、優先比較処理部97にセーフ球検出スイッチ31とカードユニットJが接続されると共に、流路変向処理部98に賞球センサ91と貸し球センサ92とが接続されている。また前記駆動制御処理部99は、払出し用の電磁ソレノイド68と流路変向用の電磁ソレノイド85および前記報知手段47,48が接続され、前記球払出し処理部96および流路変向処理部98からの信号を受けるようになっている。そして前記優先比較処理部97は、セーフ球検出スイッチ31からの検出信号とカードユニットJからの球貸し信号とを区分検出する一方、夫々の信号入力タイミングをもとに各電磁ソレノイド68,85を適切に制御して賞球と貸し球の好適な区分払出しをなすようになっていると共に、前記報知手段47,48により払出し状態が区別報知される。
【0023】
【本実施例の作用】前述のように構成されたパチンコ機Pでは、該パチンコ機Pの組立製造時に、機構セット盤Hに形成した凹室部45に本実施例の球払出装置Kを簡単かつ容易に固定セットすることができる。すなわち球払出装置Kは、球払出し機構部Mと流路変向機構部Nとを1つのケース体50内に組込んで該ケース体50単位で取扱い得るから、簡単な位置決めおよびビス締め作業のみで凹室部45に対して組付けることができ、組付け作業の合理化および簡単化が図られる。
【0024】前述のように構成された本実施例のパチンコ機Pでは、遊技ホール内の設置枠台にカードユニットJと共に設置されて遊技に供し得る。そして、カードユニットJに対するカードの挿入並びに機前側での球貸し操作により、機構セット盤Hの球払出装置Kから払出された貸し球を上球皿側へ給出して収容し得る。このもとで遊技操作(打球発射操作)を行なうことにより、機内の発射位置に1球ずつ送込まれた遊技球を遊技盤I内に打出して所要のゲームを展開し得る。そうして、ゲーム中に発生したアウト球を機構セット盤Hの処理路29から機外へ排出し、またセーフ球を処理路30からセーフ球検出処理装置Lに導入してセーフ球検出スイッチ31で1球ずつ停留検出処理した後に機外へ排出する一方、このセーフ球の検出処理に対して球払出装置Kから設定数の賞球を払出して上球皿Eまたは下球皿Fへ給出するようになっている。
【0025】そこで、本実施例の球払出装置Kにおける球排出作動形態について、各図を参照しながら説明する。先ず、セーフ球に対する賞球の払出しについては、図3に示す前記セーフ球検出処理装置Lでのセーフ球検出毎に、流路変向機構部Nが作動解除(電磁ソレノイド85の消磁(OFF))された条件のもとで球払出し機構部Mが作動制御される。すなわち、前記処理路30から通路101に通入したセーフ球をセーフ球検出スイッチ31が検出した条件にあって、流路変向機構部Nでは、バネ90の付勢力のもとに作動片89が傾動して、流路変向部材81が第1姿勢に切換え保持されている(図8参照)。このもとで、球払出し機構部Mが作動されて電磁ソレノイド68の励磁制御および規制片72の切換えに伴う球送り体66のピッチ回動により、所定数の球(例えば5〜15個の賞球)が1球ずつ払出されて、球案内路59から賞球出路60へ通出された後に賞球通出路24を介して第1球排出路26へ排出され、球出口28から上球皿Eまたは第2球排出路27から下球皿Fへ給出される。そして、払出された所定数最後の賞球が第2検出具75でカウント検出された時点に基いて、当該回の払出し作動が終了されて電磁ソレノイド68の消磁、規制片72の復帰に伴い球送り体66が停止保持される。なお賞球として払出された球は、前記賞球出路60を通過する際に賞球センサ91でもカウント検出され、所定数の賞球が払出されたことを確認し得る。また、当該回の払出し終了後のセーフ球検出処理装置Lでは、払出し制御基板36からのセーフ球解放指令に基いて、電磁ソレノイド103が1回作動(励磁と消磁)されることにより当該セーフ球を解放して機外へ排出し、次のセーフ球が検出位置に入って停止される。
【0026】また貸し球の払出しについては、先ず流路変向機構部Nが作動制御された条件のもとで、球払出し機構部Mが作動される。すなわち、貯留球検出スイッチ20の球有り検出入力条件にあって、カード挿入口38へカードが挿入されて球貸しボタン42がスイッチ操作されると、流路変向機構部Nでは、電磁ソレノイド85の励磁による作動片89の傾動により、流路変向部材81が揺動変位して第2姿勢に切換え保持される(図9参照)。これに次いで(例えば1秒後)球払出し機構部Mが作動されて電磁ソレノイド68の励磁制御および規制片72の切換えに伴う球送り体66のピッチ回動により、所定数の球(例えば球貸し金額100円に対して貸し球25個)が1球ずつ払出され、流路変向部材81で変向案内されながら球案内路59から貸し球出路61へ通出された後に貸し球通出路25を介して第1球排出路26へ排出され、球出口28から上球皿Eへ給出される。そして、払出された所定数最後の貸し球が第2検出具75でカウント検出された時点に基いて、当該回の払出し作動が終了されて電磁ソレノイド68の消磁、規制片72の復帰に伴い球送り体66が停止保持される。なお貸し球として払出された球は、前記貸し球出路61を通過する際に貸し球センサ92でもカウント検出され、所定数の貸し球が払出されたことを確認し得る。
【0027】そして前記パチンコ機Pでは、本実施例の球払出装置Kにおける賞球および貸し球の各払出し状態を、前記報知手段47,48を利用して当該パチンコ機Pの遊技者に区別報知する。なお、各報知手段47,48による賞球払出しや貸し球払出しの報知パターンは様々な形態が考えられるが、例えばランプを備えた報知手段47においては、賞球払出し時は点灯表示として貸し球払出し時は点滅表示としたり、あるいは賞球払出し時は短い間隔の点滅表示として貸し球払出し時は長い間隔の点滅表示とする等の報知方法が考えられる。また、スピーカを備えた報知手段48においては、賞球払出し時は連続音として貸し球払出し時は断続音としたり、賞球払出し時は短い間隔の断続音として貸し球払出し時は長い間隔の断続音としたり、更には音質を変化させて区別する報知方法等も考えられる。何れの報知手段47,48にあっても、賞球払出し状態と貸し球払出し状態とを遊技者に明確に区別報知することが可能である。
【0028】また本実施例の球払出装置Kでは、例えばセーフ球検出スイッチ31からのセーフ球の検出信号とカードユニットJからの球貸し信号とが略同時に出力されたとしても、各検出信号の入力タイミングをもとに前記優先比較処理部97から順次制御信号が出力されることにより、賞球払出しと貸し球払出しとが正確に制御される。そして、賞球払出し制御中にカードユニットJから球貸し信号が出力された場合は、当該の賞球払出し終了後に貸し球払出し制御に移行すると共に、貸し球払出し制御中にセーフ球検出スイッチ31からセーフ球検出信号が出力された場合は、当該の貸し球払出し終了後に賞球払出し制御に移行する。
【0029】このように本実施例の球払出装置Kでは、流路変向機構部Nの流路変向部材81を電磁ソレノイド85で位置切換えすることにより、球払出し機構部Mの球送り体66の球切り回転に基いて球通路56の下流へ払出されたパチンコ球を、賞球出路60からの賞球と貸し球出路61からの貸し球とに区分して排出し得る。しかも賞球は、賞球センサ91でカウント検出され、貸し球は貸し球センサ92でカウント検出されるので、賞球の払出しと貸し球の払出しを正確かつ確実に検出し得る。
【0030】また前記パチンコ機Pでは、前述のように遊技ホール内の設置枠台に設置されて遊技に供されている適時に、本実施例の球払出装置Kを凹室部45から取外す必要がある場合も、ビス46を弛み外すだけで該球払出装置Kをケース体50単位で簡単かつ容易に取外すことが可能である。従って、例えばパチンコ機Pを廃棄処理するに際しては、部品毎の分解作業の迅速化および合理化を図り得る。なお、球払出装置Kの取外し時には、前記送出路19の係止孔23に球止ピンを差込んで前記球貯留供給経路部16に貯留されている貯留球の球抜けを防止したもとで、前記球抜きスイッチ21を操作(ON)して前記球払出し機構部Mを開放作動(電磁ソレノイド68を励磁させる)させることで、球止ピンで球止めされているパチンコ球より下側のパチンコ球を上球皿Eや下球皿Fへ球抜きすることができる。また、係止孔23に球止ピンを差込まない状態で球抜きスイッチ21を操作(ON)することにより、前記球貯留供給経路部16内の貯留球を上球皿Eや下球皿Fへ球抜きすることは可能である。
【0031】
【変更例】図11は、本実施例の球払出装置Kに組込まれる流路変向機構部Nの変更例を例示したものであって、この変更例における流路変向機構部Nでは、流路変向部材81を揺動変位させる電磁ソレノイド110を、小型で方形の外郭体111を有するロータリータイプとし、該外郭体111内に組込まれた励磁力発生部112に挿通した回動軸113を回動可能に支持して、その一端部を支点軸部113aとして外枠体111外に延出した構造となっている。そして前記流路変向部材81は、そのボス部82に形成した係着孔114に前記支点軸部113aを嵌入させることで、回動軸113に直接固定するようになっている。なお前記支点軸部113aには、各端部を流路変向部材81と外枠体111とに係止させて、該流路変向部材81に付勢力を付与するねじりバネ115が配設されている。このような電磁ソレノイド110は、図4において、前記球案内部材58における賞球出路60と貸し球出路61とを分岐する連絡口部に、前記流路変向部材81を位置させた状態で球案内部材58に固定される。これにより、電磁ソレノイド110の消磁(OFF)により回動軸113がフリー状態にある場合には、前記ねじりバネ115の付勢力のもとに流路変向部材81が第1姿勢に保持され、電磁ソレノイド110の励磁(ON)により回動軸113が所定方向へ回動変位した場合には、前記流路変向部材81が第2姿勢に変化するようになっている。
【0032】また図12は、賞球検出手段と貸し球検出手段の変更例を例示したもので、この変更例に係る賞球検出手段120と貸し球検出手段121は、近接スイッチや磁気センサ等を備えた球通過式スイッチとしたものである。このようなタイプであっても、賞球出路60から通出される賞球と、貸し球出路61から通出される貸し球のカウント検出を好適になし得る。
【0033】更に図13は、貯留球を機外へ排出するための球抜き路125を第1球排出路26の途中から分岐形成し、第1球排出路26と球抜き路125との連絡口部に、球抜き切換え機構部126を別途配設したものである。すなわち球抜き切換え機構部126は、機構セット盤Hの本体13裏側に設置される電磁ソレノイド127と、前記連絡口部で回動可能に設置されて前記電磁ソレノイド127のロッド128に連繋された切換え弁129とで構成されている。前記電磁ソレノイド127は、ロッド128にコイルバネ(図示せず)が配設されており、該ロッド128は常には延出する方向へ付勢されている。そして、電磁ソレノイド127の消磁(OFF)によりロッド128が延出した状態では、前記切換え弁129は、賞球通出路24,貸し球通出路25と上球皿E側とを連通させた第1姿勢に保持され、電磁ソレノイド127の励磁(ON)によりロッド128が後退した状態では、該切換え弁129は、賞球通出路24,貸し球通出路25と球抜き路125とを連通させた第2姿勢に変位するようになっている。なお、球抜き切換え機構部126に関連する操作手段については、図2に示した球抜きスイッチ21が検出(ON)することに応答して、前記電磁ソレノイド127および前記球払出し機構部Mにおける電磁ソレノイド68とが、夫々設定時間に亘って励磁されるようになっている。また流路変向機構部Nに関しては、流路変向部材81が第1姿勢(賞球払出し状態)または第2姿勢(貸し球排出状態)の何れにあっても貯留球は第1球排出路26へ通出されるので、球抜き時には第1姿勢に保持したままとしてよい。
【0034】従って貯留球の球抜きについては、球抜き操作に基いて先ず前記球抜き切換え機構部126が作動され、次いで球払出し機構部Mが作動される。具体的には、前記球抜きスイッチ21が操作(ON)されたことにより、球抜き切換え機構部126が切換え作動されて、電磁ソレノイド127の励磁により切換え弁129が第2姿勢に切換え保持され、これに次いで(例えば1.5秒後)球払出し機構部Mが開放作動されて、電磁ソレノイド68の励磁により規制片72が磁着変位されて球送り体66を解放する。この結果、球送り体66が球通路56内の球を受けながら連続フリー回転するもとで、1球ずつ放出された球貯留供給経路部16内の貯留球が、賞球出路60,賞球通出路24を介して第1球排出路26へ通出された後、切換え弁129で変向案内されながら球抜き路125へ通出されて機外へ排出される。そうして、設定時間経過後の球抜き指令終了時に、球払出し機構部Mが元状復帰されて電磁ソレノイド68の消磁により、規制片72が変位復帰して球送り体66を停止保持する。これに次いで(例えば3.5秒後)球抜き切換え機構部126が元状復帰されて電磁ソレノイド127の消磁により、前記コイルバネの付勢力のもとにロッド128が延出して切換え弁129が第1姿勢に復帰する。
【0035】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るパチンコ遊技機の球払出装置では、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動制御手段を利用してパチンコ球を払出す球送り体と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動切換え手段を利用して球通路に対する第1球出路と第2球出路との個々の連通および遮蔽を切換え得る流路変向部材とを、1つのケース体内に組込むことにより小型でコンパクトに形成される。従って、遊技機裏側の所要位置に設置するに際し設置部面積を小さく設定し得るので、他の部品,部材の設置面積を大きく確保し得る利点がある。また、球払出装置はケース体単位で取扱い得るので、保管,管理等が容易となると共に、遊技機裏側の所要位置に対する組付け作業および取外し作業の簡単化および容易化を図り得る利点もある。そして、このような球払出装置では、流路変向部材を電動切換え手段で位置切換えすることにより、球送り体の球切り回転に基いて球通路の下流へ払出されたパチンコ球を、第1球出路からの賞球と第2球出路からの貸し球とに区分して排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の球貸しユニットを併設したパチンコ機の概略正面図である。
【図2】図1に示すパチンコ機の背面図である。
【図3】パチンコ機裏側の機構セット盤に配設した球処理部の背面図である。
【図4】図3の機構セット盤に装着される本実施例の球払出装置を分解状態で示す概略斜視図である。
【図5】実施例に係る球払出装置を一部破断状態で示す縦断正面図である。
【図6】実施例に係る球払出装置を一部破断状態で示す縦断側面図である。
【図7】実施例に係る球払出装置を一部破断状態で示す横断平面図である。
【図8】流路変向部材が第1姿勢に保持された賞球払出し状態で示す球払出装置の要部構成図である。
【図9】流路変向部材が第2姿勢に保持された貸し球払出し状態で示す球払出装置の要部構成図である。
【図10】球払出し制御系統のブロック図である。
【図11】流路変向機構部の変更例を示す斜視図である。
【図12】賞球検出手段および貸し球検出手段の変更例を示す流路変向機構部の要部断面図である。
【図13】球抜き路を設けた変更例に係る機構セット盤の球処理部を示す要部正面図である。
【符号の説明】
16 球貯留供給経路部
50 ケース体
56 球通路
60 賞球出路(第1球出路)
61 貸し球出路(第2球出路)
66 球送り体
67 球受け部
68 電磁ソレノイド(電動制御手段)
72 規制片(規制部材)
74 第1検出具(検出手段)
75 第2検出具(検出手段)
81 流路変向部材
85,110 電磁ソレノイド(電動切換え手段)
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パチンコ遊技機の球払出装置に係り、更に詳しくは、遊技盤内でパチンコゲームを展開し得るパチンコ遊技機に装備されて、パチンコゲームの入賞に対する所定数の賞球と、遊技用の球貸し金額に定められた設定数の貸し球とを夫々区分して払出し得る球払出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パチンコ機やアレンジボール機に代表されるこの種の遊技機では、遊技ホール内の設置枠台(通称「島」)に縦向きの姿勢で設置されて遊技に供され、そして機内の遊技盤内で展開されるパチンコゲーム中に成立した入賞(例えばセーフ球の発生や図柄組合わせによる得点)に対し、機裏側の機構セット盤に形成配置した球貯留供給経路部に貯留されたパチンコ球(貯留球)を、払出装置の作動のもとに、所定数の賞球として機前側の上球皿または下球皿側へ給出するようになっている。一方、貸し球用のカードおよびカードユニットを利用して貯留球を貸出し得るタイプの遊技機(一般に「カード式パチンコ遊技機」ともいう)では、前述した賞球払出しとは別に、遊技者による適正な球貸し操作に応答して前記払出装置が作動されることにより、所定数の貸し球として上球皿側へ給出される。
【0003】しかしこのようなパチンコ機にあっては、セーフ球の発生によるセーフ球検出装置からの入賞信号と、前記カードユニット側からの貸し球信号とが略同時に出力された場合には、賞球と貸し球とが連続的に払出されるため、払出される遊技球が賞球または貸し球の何れなのか区別できないうえに、正確な払出し個数の確認が困難な問題点を内在していた。そこで近年に至っては、前記払出装置の下流部側に切換え装置を設けると共に、賞球用の排出路と貸し球用の排出路とを別々に形成し、該切換え装置の作動下に賞球は賞球用の排出路側へ排出し、貸し球は貸し球用の排出路側へ排出するよう制御することで、賞球の払出し確認と貸し球の払出し確認とを正確に行ない得るようにした提案がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記払出装置は、球貯留供給部の下流部における所要部位に設置され、また切換え装置は該払出装置の直ぐ下流部に隣接して設置されるものであり、夫々の装置が互いに密接に連動制御されることにより、貯留球を賞球として払出したり、貸し球として払出し得るようになっている。しかるに、これら払出装置と切換え装置とが、上下に隣接して設置されると共に連動して制御されるものであるにも拘らず、別の装置として独自に設計および製作されており、製作コストが嵩んでしまう欠点を内在していた。また、払出装置と切換え装置とを上下に連設した際にはかなり大型となるから、当該装置の外形寸法を前提としたサイズの設置部を機構セット盤に確保しなければならず、球排出経路全体の設計に少なからず制約を受けることとなっていた。更に、前記機構セット盤に対する組付作業においては、払出装置と切換え装置を別々に位置決めセットして設置しなければならないから、組付けが面倒になると共に時間がかかり、遊技機の組立てに係るコスト低減および合理化の障害となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決するために提案されたもので、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動制御手段を利用してパチンコ球を払出す球送り体と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動切換え手段を利用して球通路に対する第1球出路と第2球出路との個々の連通および遮蔽を切換え得る流路変向部材とを、1つのケース体内に組込んで該ケース体単位で取扱い得ると共に、賞球と貸し球とを区分して排出し得るよう構成した球払出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係るパチンコ遊技機の球払出装置は、遊技盤内でパチンコゲームを展開し得るパチンコ遊技機に装備されて、パチンコゲームの入賞に対する所定数の賞球と、遊技用の球貸し金額に定められた設定数の貸し球とを夫々区分して払出し得る球払出装置にあって、前記遊技機裏側の所定部位に着脱可能に装着されるケース体において、球貯留供給経路側から供給されたパチンコ球を通入出し得る球通路と、この球通路の下流部から2方向に分岐状態で連通された賞球用の第1球出路および貸し球用の第2球出路と、前記球通路内のパチンコ球を外周に形成した球受け部に受けて球切り回転時に払出し得るようにした球送り体と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動制御手段を利用して球送り体を回転不能と回転可能との状態に切換え得る規制部材と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動切換え手段を利用して前記球通路に対する第1球出路と第2球出路との個々の連通および遮蔽を切換え得る流路変向部材と、前記球送り体の球切り回転により払出されたパチンコ球を1個ずつカウント検出する検出手段とを夫々配設して、全体を前記ケース体単位で取扱い得るように構成し、前記球送り体の球切り回転に基いて球通路の下方へ払出されたパチンコ球を、前記流路変向部材の切換え状態において、前記第1球出路からの賞球と、前記第2球出路からの貸し球とに区分して排出し得るように設定したことを特徴とする。
【0007】
【作用】球払出装置は、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動制御手段を利用してパチンコ球を払出す球送り体と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動切換え手段を利用して球通路に対する第1球出路と第2球出路との個々の連通および遮蔽を切換え得る流路変向部材とを、1つのケース体内に組込むことにより小型でコンパクトに形成される。従って、遊技機裏側の所要位置に設置するに際し設置部面積を小さく設定し得るので、他の部品,部材の設置面積を大きく確保し得る。また、球払出装置はケース体単位で取扱い得るので、保管,管理等が容易である一方、遊技機裏側の所要位置に対する組付けおよび取外しも簡単かつ容易に行ない得る。
【0008】そして、セーフ球に対する賞球の払出しに際しては、電動切換え手段の制御のもとに流路変向部材を切換え変位して球通路と第1球出路とを連通させ、次いで電動制御手段の制御のもとに球送り体を回転制御することで、球貯留供給経路側から供給されるパチンコ球が、賞球として球通路から第1球出路側へ通出案内される。また、貸し球の払出しに際しては、電動切換え手段の制御のもとに流路変向部材を切換え変位して球通路と第2球出路とを連通させ、次いで電動制御手段の制御のもとに球送り体を回転制御することで、球貯留供給経路側から供給されるパチンコ球が、貸し球として球通路から第2球出路側に通出案内される。なお、前記球送り体から払出された賞球および貸し球は、検出手段でカウント検出される。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るパチンコ遊技機の球払出装置につき、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお本実施例では、機裏側の貯留パチンコ球を、パチンコゲーム中の入賞成立(セーフ球発生)に対する賞球として払出し得る一方、遊技用の球貸し操作に対する貸し球として払出し得るタイプのパチンコ機が前提とされる。
【0010】そこで、先ず本実施例に係るパチンコ機について、図1および図2を参照しながら要約説明する。このパチンコ機Pは、その基本的な構成として、固定用の外郭枠とされる外枠Aの開口前面側に、開閉用の搭載枠とされる前枠Bが、連結支持手段および施錠手段等を利用して着脱および開閉可能に組付けられている。そして、この前枠Bの前面側には、遊技機共通用の構成部材である横開き式のガラス扉Dを組付けた窓枠Cと、このガラス扉Dの下部において窓枠Cに対して着脱および開閉可能に組付けられる開閉セット盤の前側にセットされた上球皿Eと、下段に位置する下球皿Fおよび打球発射装置G等が組付けられ、また後面側に機構セット盤Hが装備されている。また、前枠B裏側の収容枠体10の正面内部に、所要の遊技領域を構成した遊技盤Iが着脱交換可能にセットされている。また、貸し球の払出し制御に必要とされる球貸しシステム(カード式)は、パチンコ機Pの側方(外枠Aの隣接部位)に設置されて各電子制御部と接続されている。なお、賞球の払出しおよび貸し球の払出しの報知に供される手段として、前記ガラス扉Dの上部にランプを具備した報知手段47が配設される一方、前記上球皿Eの外郭ケース内部にスピーカを具備した報知手段48が配設されている。
【0011】前記機構セット盤Hは、前枠Bの裏側に位置する前記遊技盤Iセット用の保持枠11の裏側に着脱可能に装備され、前記保持枠11に対応し得る方形サイズに樹脂成形された本体13の中央部に遊技盤裏面の点検用の窓口14が開口されて、これに裏カバー15が開閉および着脱可能に取着されており、この窓口14の外周囲部に球貯留供給経路部16等が配設されている。また、この球貯留供給経路部16の下端部に、カセット形態とされる電動制御式の本実施例の球払出装置Kが設置される一方、この球払出装置Kの下方に賞球通出路24と貸し球通出路25とが形成され、両通出路24,25の合流部と上球皿E側に連通する球出口28との間が第1球排出路26とされると共に、球出口28から下球皿Fとの間が第2球排出路27とされ、前記球貯留供給経路部16に貯留された所定数のパチンコ球が、球払出装置Kの作動により賞球または貸し球として払出されるようになっている。なお、機構セット盤Hのその他の構成として、前記窓口14の下方に、アウト球およびセーフ球を機外へ排出する処理路29,30が形成されると共に、セーフ球検出処理装置Lおよび賞球満杯検出装置32等が夫々設置される(図3参照)。また図2中、符号33は電源部(AC24V)に接続されるターミナル基板、符号34はゲーム内容を制御する第1電子制御装置、符号35はセーフ球検出処理並びに貯留球払出し(賞球と貸し球)を制御する払出し制御基板(図10参照)36を有する第2電子制御装置を夫々示す。
【0012】前記セーフ球検出処理装置Lは、セーフ球を1個ずつ停留検出して賞球払出し後に解放通出する電動形態であって、前記処理路29と連通する通路101を形成した本体100に、該通路101内のセーフ球を1個ずつ通過検出するセーフ球検出スイッチ31と、このスイッチ31の上,下方に位置するストッパー部102a,102bを形成して、1回毎の処理作動によりセーフ球に対する拘束と解放とによる通入出規制を行なうレバー状の規制処理部材102と、同部材102を各規制状態に交互に切換え操作する電磁ソレノイド103とを組付けて、全体が本体100単位で構成,取扱い得るようになっている。なお、セーフ球検出処理装置Lとしては、セーフ球を連続検出する型式を採用可能で、前記セーフ球検出スイッチ31で検出した個数分に対応して、前記球払出装置Kから設定数の賞球を払出すようにしてもよい。
【0013】前記球貯留供給経路部16は、機構セット盤Hの上部に外向き開口状態で凹部に合わせて設置される球容器(「球タンク」とも云う)17と、この球容器17の下部に取着される斜状レール形の整流樋18と、この整流樋18の下流端に連絡するように前記本体13に形成された送出路19とから構成され、相当量のパチンコ球を収容(貯留)し得るようになっている。そして、前記整流樋18の下流部に貯留球検出スイッチ20が配設され、1回の貸し球操作で必要とされる貯留球が、前記送出路19内に貯留されているか否かを検出するようになっている。また、前記送出路19の近傍に球抜き操作手段としての球抜きスイッチ21が配設され、機前面に形成された操作孔22から挿入した細長の操作棒で操作可能となっている。なお、前記送出路19の下流端近傍には、球払出装置Kの脱着作業に際して前記球貯留供給経路部16に貯留された貯留球の球抜けを防止する球止ピンを差込むための係止孔23が形成されている(図3参照)。
【0014】このようなパチンコ機Pは、遊技ホール内の設置枠台(通称「島」)の各区画枠内に前記球貸しシステムと共に設置されて縦向きで遊技に供される。この状態において、図示しないが、各列毎の設置枠台の補給設備における配球ユニットから必要時に供給される相当量のパチンコ球を、前記球貯留供給経路部16の球容器17内に受入れて整流樋18および送出路19内に収容しており、パチンコゲーム中に発生したセーフ球に対して所定数の賞球として払出される。一方、前記球貸しシステムでは、前記貯留球検出スイッチ20の球有り検出条件において、使用するカードの有効金額内における一定額単位に対して設定数球の貸出し制御をなすもので、カードリーダ37およびカード挿入口38等を有するカードユニットJが外枠A外側に装備されて(図1,図2参照)、前枠Bの裏側下部に設置された中継制御部(インターフェースボードともいう)39に、カードリーダ37と上球皿E側の球貸し操作部40および前記第2電子制御装置35が夫々接続されている。そして、カードリーダ37の球貸し判読制御処理条件に応答して後述の球払出装置Kが作動されることにより、払出された貸し球が上球皿Eへ供給されるようになっている。なお、前記球貸し操作部40は、表示部41、球貸しボタン42、カード返却ボタン43等がユニット化されている。
【0015】前述したパチンコ機Pに実施される本実施例の前記球払出装置Kは、前記第2電子制御装置22で制御作動されるもとで、セーフ球に対する賞球とカードユニットJに対する貸し球との区分排出制御をなす電子制御作動形態のもので、図2および図3に略示するように、前記機構セット盤Hの設置部内に着脱可能にセットされている。この球払出装置Kは、基本的な構成として図4〜図7に示すように、縦長方形箱状にユニット化された合成樹脂製のケース体50内に球流通路を区画形成すると共に、この球流通路に臨む部位に電動式の球払出し機構部Mと流路変向機構部Nとを夫々組付けて、前記ケース体50単位で取扱い得るようになっている。そして機構セット盤Hの設置部、つまり前記球貯留供給経路部16の送出路19下端と、賞球通出路24と貸し球通出路25の上端との間に形成された凹室部45内にケース体50単位で収容してビス固定される。
【0016】このような球払出装置Kにおいて、前記ケース体50は、凹室部45内の設置面に密着的に整合する1枚のベース部材51と、このベース部材51に組付けられるバケット状のカバー部材52とから構成され、該カバー部材52の開口部に前記ベース部材51が整合密着して全体として矩形中空体を呈している。そして、ケース体50における略上半分の内部空間が前記球払出し機構部M用の第1設置部53として画成され、下半分の内部空間が前記流路変向機構部N用の第2設置部54として画成されている。前記第1設置部53には、その一側部(図5における右側)に、1列の球通路56を垂下状に形成した樋部材55が組込まれ、ベース部材51に形成したピン51aとカバー部材52に形成したピン52aとが、係着孔57,57に嵌入することによりケース体50に固定される。また前記第2設置部54には、前記球通路56の下流部に整合する球案内路59と、該球案内路59から2方向に分岐状態で連通する賞球出路(第1球出路)60および貸し球出路(第2球出路)61とを形成した球案内部材58が組込まれ、ベース部材51に形成したピン51bとカバー部材52に形成したピン(図示せず)とが、係着孔62,62に嵌入することによりケース体50に固定される。
【0017】前述のケース体50内の第1設置部53に組込まれる球払出し機構部Mは、球貯留供給経路部16からの球を1個ずつ通入出検出するもので、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動制御手段を利用して位置切換えされる規制部材により、球切り回転可能な球送り体を回転不能と回転可能との状態に切換え得るようになっている。すなわち球払出し機構部Mは、図4R>4および図5に例示するように、前記ベース部材51に立設固定された支持軸65に回転自在に軸支された回転スプロケット状の球送り体66と、球送り体66の回転・停止規制をなす規制片(規制部材)72の切換え作動源である電磁ソレノイド(電動制御手段)68と、第1検出具(検出手段)74および第2検出具(検出手段)75とを備えている。前記球送り体66は、外周に形成した球受け部67(図示5個)を前記球通路56内に臨ませ、送出路19から落下する1個ずつの球を受けて回転しながら放出するようになっている。また電磁ソレノイド68は、図示のフラッパー形式例において、ベース部材51に固定されたL形金属製の支枠69にコイルを巻回した励磁力発生部(ボビンともいう)70を装着し、通電時に発生する励磁力を磁着部71に集中的に作用し得るようになっている。これに対して規制片72は、前記支枠69の一端に傾動可能に支持されると共にバネ73で付勢され、磁着部71の吸着力とバネ73の付勢力を利用して球送り体66の球受け部67に係合,離隔して、該球送り体66を拘束,解放するようになっている。一方、第1,第2検出具74,75は、互いに1球分の検出間隔で配置されて球通路56に臨み、通入球と通出球とを個々に検出するよう構成される。
【0018】このような球払出し機構部Mでは、電源投入時の作動前状態において、電磁ソレノイド68の消磁(OFF)に伴って磁着部71から解放された規制片72が、球送り体66を拘束した右上がり姿勢に付勢保持されている(図5参照)。従ってこの球送り体66が、前記球貯留供給経路部16内に投入されて送出路19から球通路56に入っている最先行(最下端)球を、球受け部67に受入れた状態で停止していることにおいて、第1検出具74がこの球を直接有検出する。一方、電磁ソレノイド68の励磁(ON)に伴って磁着部71に吸着された規制片72が、右下がり姿勢に変化して球送り体66を解放すると、該球送り体66が受けた1球の重みで回転して同球を放出することにおいて、第2検出具75が放出球を直接有検出すると同時に電磁ソレノイド68が消磁復帰されて、球送り体66が拘束されるようになっている。なお第1,第2検出具74,75は、ともに光学センサータイプが使用される例において、前記第2の電子制御装置35側に接続される制御基板78に配置された発光ダイオード76と、回路基板79に配置された受光ダイオード77とが組とされる(図4参照)。
【0019】また、前記ケース体50内の第2設置部54に組込まれる前記流路変向機構部Nは、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動切換え手段を利用して位置切換えされる流路変向部材により、前記球通路56に対する賞球出路60と貸し球出路61との個々の連通・遮蔽を切換え得るようになっている。すなわち流路変向機構部Nは、図4および図5に示すように、前記ベース部材51に立設固定された支持軸80に揺動可能に枢支された揺動レバー形態の流路変向部材81と、この流路変向部材81を揺動変位させて位置切換えをなす作動片89の切換え作動源である電磁ソレノイド(電動切換え手段)85とを備えている。前記流路変向部材81は、前記球案内路59から賞球出路60と貸し球出路61とに分岐する連絡口部に位置し、球案内路59と賞球出路60とが連通した第1姿勢(図5,図8参照)と、球案内路59と貸し球出路61とが連通した第2姿勢(図9参照)とに揺動変位するようになっている。また電磁ソレノイド85は、前記電磁ソレノイド68と同様のフラッパー形式例において、ベース部材51に固定されたL形金属製の支枠86にコイルを巻回した励磁力発生部(ボビンともいう)87を装着し、通電時に発生した励磁力を磁着部88に集中的に作用し得るようになっている。これに対して作動片89は、支枠86の一端に傾動可能に支持されると共にバネ90で付勢され、その傾動先端側が前記流路変向部材81のボス部82に形成した係止溝83に突入係止している。
【0020】このような流路変向機構部Nでは、電源投入時の作動前状態において、電磁ソレノイド85の消磁(OFF)に伴って前記磁着部88から開放された作動片89が、前記バネ90の付勢力のもとに図示反時計方向へ傾動し、これに従動する流路変向部材81が時計方向へ揺動変位して第1姿勢に保持されるので、前記球案内路59と賞球出路60が連通した賞球払出し状態となる(図8参照)。一方、電磁ソレノイド85の励磁(ON)に伴って磁着部88に作動片89が吸着されると、これに従動する流路変向部材81が反時計方向へ揺動変位して第2姿勢に変位保持されるので、前記球案内路59と貸し球出路61が連通した貸し球払出し状態となる(図9参照)。なお、賞球出路60と貸し球出路61には、対応して賞球センサ(賞球検出手段)91と貸し球センサ(貸し球検出手段)92が配設され、賞球出路60から通出される賞球と、貸し球出路61から通出される貸し球とをカウント検出するようになっている。これら賞球センサ91および貸し球センサ92は、何れも光学センサータイプが使用される例において、前記第2電子制御装置35側に接続される制御基板78に、図4に示すように、発光ダイオード93と受光ダイオード94とが対向的に配設されて構成される。
【0021】前述のように構成された球払出装置Kは、ケース体50単位で取扱うことができ、前記機構セット盤Hの凹室部45に対して、ビス46を利用して簡単かつ容易に固定される。そして、球払出装置Kが凹室部45に固定された状態では、図3に示すように、球通路56の球入口が前記送出路19の球出口に整合し、賞球出路60の球出口が賞球通出路24の球入口に整合すると共に、貸し球出路61の球出口が貸し球通出路25の球入口に整合している。
【0022】ここで、本実施例のパチンコ機Pの各部に配設された電気部品類および前記球払出装置Kの電気部品類に係る入出力制御系統につき、図10をもとに付記する。第2電子制御装置35の前記払出し制御基板36には、球払出し処理部96,優先比較処理部97,流路変向処理部98および駆動制御処理部99等が具備され、このうち球払出し処理部96に前記第1検出具74と第2検出具75が接続され、優先比較処理部97にセーフ球検出スイッチ31とカードユニットJが接続されると共に、流路変向処理部98に賞球センサ91と貸し球センサ92とが接続されている。また前記駆動制御処理部99は、払出し用の電磁ソレノイド68と流路変向用の電磁ソレノイド85および前記報知手段47,48が接続され、前記球払出し処理部96および流路変向処理部98からの信号を受けるようになっている。そして前記優先比較処理部97は、セーフ球検出スイッチ31からの検出信号とカードユニットJからの球貸し信号とを区分検出する一方、夫々の信号入力タイミングをもとに各電磁ソレノイド68,85を適切に制御して賞球と貸し球の好適な区分払出しをなすようになっていると共に、前記報知手段47,48により払出し状態が区別報知される。
【0023】
【本実施例の作用】前述のように構成されたパチンコ機Pでは、該パチンコ機Pの組立製造時に、機構セット盤Hに形成した凹室部45に本実施例の球払出装置Kを簡単かつ容易に固定セットすることができる。すなわち球払出装置Kは、球払出し機構部Mと流路変向機構部Nとを1つのケース体50内に組込んで該ケース体50単位で取扱い得るから、簡単な位置決めおよびビス締め作業のみで凹室部45に対して組付けることができ、組付け作業の合理化および簡単化が図られる。
【0024】前述のように構成された本実施例のパチンコ機Pでは、遊技ホール内の設置枠台にカードユニットJと共に設置されて遊技に供し得る。そして、カードユニットJに対するカードの挿入並びに機前側での球貸し操作により、機構セット盤Hの球払出装置Kから払出された貸し球を上球皿側へ給出して収容し得る。このもとで遊技操作(打球発射操作)を行なうことにより、機内の発射位置に1球ずつ送込まれた遊技球を遊技盤I内に打出して所要のゲームを展開し得る。そうして、ゲーム中に発生したアウト球を機構セット盤Hの処理路29から機外へ排出し、またセーフ球を処理路30からセーフ球検出処理装置Lに導入してセーフ球検出スイッチ31で1球ずつ停留検出処理した後に機外へ排出する一方、このセーフ球の検出処理に対して球払出装置Kから設定数の賞球を払出して上球皿Eまたは下球皿Fへ給出するようになっている。
【0025】そこで、本実施例の球払出装置Kにおける球排出作動形態について、各図を参照しながら説明する。先ず、セーフ球に対する賞球の払出しについては、図3に示す前記セーフ球検出処理装置Lでのセーフ球検出毎に、流路変向機構部Nが作動解除(電磁ソレノイド85の消磁(OFF))された条件のもとで球払出し機構部Mが作動制御される。すなわち、前記処理路30から通路101に通入したセーフ球をセーフ球検出スイッチ31が検出した条件にあって、流路変向機構部Nでは、バネ90の付勢力のもとに作動片89が傾動して、流路変向部材81が第1姿勢に切換え保持されている(図8参照)。このもとで、球払出し機構部Mが作動されて電磁ソレノイド68の励磁制御および規制片72の切換えに伴う球送り体66のピッチ回動により、所定数の球(例えば5〜15個の賞球)が1球ずつ払出されて、球案内路59から賞球出路60へ通出された後に賞球通出路24を介して第1球排出路26へ排出され、球出口28から上球皿Eまたは第2球排出路27から下球皿Fへ給出される。そして、払出された所定数最後の賞球が第2検出具75でカウント検出された時点に基いて、当該回の払出し作動が終了されて電磁ソレノイド68の消磁、規制片72の復帰に伴い球送り体66が停止保持される。なお賞球として払出された球は、前記賞球出路60を通過する際に賞球センサ91でもカウント検出され、所定数の賞球が払出されたことを確認し得る。また、当該回の払出し終了後のセーフ球検出処理装置Lでは、払出し制御基板36からのセーフ球解放指令に基いて、電磁ソレノイド103が1回作動(励磁と消磁)されることにより当該セーフ球を解放して機外へ排出し、次のセーフ球が検出位置に入って停止される。
【0026】また貸し球の払出しについては、先ず流路変向機構部Nが作動制御された条件のもとで、球払出し機構部Mが作動される。すなわち、貯留球検出スイッチ20の球有り検出入力条件にあって、カード挿入口38へカードが挿入されて球貸しボタン42がスイッチ操作されると、流路変向機構部Nでは、電磁ソレノイド85の励磁による作動片89の傾動により、流路変向部材81が揺動変位して第2姿勢に切換え保持される(図9参照)。これに次いで(例えば1秒後)球払出し機構部Mが作動されて電磁ソレノイド68の励磁制御および規制片72の切換えに伴う球送り体66のピッチ回動により、所定数の球(例えば球貸し金額100円に対して貸し球25個)が1球ずつ払出され、流路変向部材81で変向案内されながら球案内路59から貸し球出路61へ通出された後に貸し球通出路25を介して第1球排出路26へ排出され、球出口28から上球皿Eへ給出される。そして、払出された所定数最後の貸し球が第2検出具75でカウント検出された時点に基いて、当該回の払出し作動が終了されて電磁ソレノイド68の消磁、規制片72の復帰に伴い球送り体66が停止保持される。なお貸し球として払出された球は、前記貸し球出路61を通過する際に貸し球センサ92でもカウント検出され、所定数の貸し球が払出されたことを確認し得る。
【0027】そして前記パチンコ機Pでは、本実施例の球払出装置Kにおける賞球および貸し球の各払出し状態を、前記報知手段47,48を利用して当該パチンコ機Pの遊技者に区別報知する。なお、各報知手段47,48による賞球払出しや貸し球払出しの報知パターンは様々な形態が考えられるが、例えばランプを備えた報知手段47においては、賞球払出し時は点灯表示として貸し球払出し時は点滅表示としたり、あるいは賞球払出し時は短い間隔の点滅表示として貸し球払出し時は長い間隔の点滅表示とする等の報知方法が考えられる。また、スピーカを備えた報知手段48においては、賞球払出し時は連続音として貸し球払出し時は断続音としたり、賞球払出し時は短い間隔の断続音として貸し球払出し時は長い間隔の断続音としたり、更には音質を変化させて区別する報知方法等も考えられる。何れの報知手段47,48にあっても、賞球払出し状態と貸し球払出し状態とを遊技者に明確に区別報知することが可能である。
【0028】また本実施例の球払出装置Kでは、例えばセーフ球検出スイッチ31からのセーフ球の検出信号とカードユニットJからの球貸し信号とが略同時に出力されたとしても、各検出信号の入力タイミングをもとに前記優先比較処理部97から順次制御信号が出力されることにより、賞球払出しと貸し球払出しとが正確に制御される。そして、賞球払出し制御中にカードユニットJから球貸し信号が出力された場合は、当該の賞球払出し終了後に貸し球払出し制御に移行すると共に、貸し球払出し制御中にセーフ球検出スイッチ31からセーフ球検出信号が出力された場合は、当該の貸し球払出し終了後に賞球払出し制御に移行する。
【0029】このように本実施例の球払出装置Kでは、流路変向機構部Nの流路変向部材81を電磁ソレノイド85で位置切換えすることにより、球払出し機構部Mの球送り体66の球切り回転に基いて球通路56の下流へ払出されたパチンコ球を、賞球出路60からの賞球と貸し球出路61からの貸し球とに区分して排出し得る。しかも賞球は、賞球センサ91でカウント検出され、貸し球は貸し球センサ92でカウント検出されるので、賞球の払出しと貸し球の払出しを正確かつ確実に検出し得る。
【0030】また前記パチンコ機Pでは、前述のように遊技ホール内の設置枠台に設置されて遊技に供されている適時に、本実施例の球払出装置Kを凹室部45から取外す必要がある場合も、ビス46を弛み外すだけで該球払出装置Kをケース体50単位で簡単かつ容易に取外すことが可能である。従って、例えばパチンコ機Pを廃棄処理するに際しては、部品毎の分解作業の迅速化および合理化を図り得る。なお、球払出装置Kの取外し時には、前記送出路19の係止孔23に球止ピンを差込んで前記球貯留供給経路部16に貯留されている貯留球の球抜けを防止したもとで、前記球抜きスイッチ21を操作(ON)して前記球払出し機構部Mを開放作動(電磁ソレノイド68を励磁させる)させることで、球止ピンで球止めされているパチンコ球より下側のパチンコ球を上球皿Eや下球皿Fへ球抜きすることができる。また、係止孔23に球止ピンを差込まない状態で球抜きスイッチ21を操作(ON)することにより、前記球貯留供給経路部16内の貯留球を上球皿Eや下球皿Fへ球抜きすることは可能である。
【0031】
【変更例】図11は、本実施例の球払出装置Kに組込まれる流路変向機構部Nの変更例を例示したものであって、この変更例における流路変向機構部Nでは、流路変向部材81を揺動変位させる電磁ソレノイド110を、小型で方形の外郭体111を有するロータリータイプとし、該外郭体111内に組込まれた励磁力発生部112に挿通した回動軸113を回動可能に支持して、その一端部を支点軸部113aとして外枠体111外に延出した構造となっている。そして前記流路変向部材81は、そのボス部82に形成した係着孔114に前記支点軸部113aを嵌入させることで、回動軸113に直接固定するようになっている。なお前記支点軸部113aには、各端部を流路変向部材81と外枠体111とに係止させて、該流路変向部材81に付勢力を付与するねじりバネ115が配設されている。このような電磁ソレノイド110は、図4において、前記球案内部材58における賞球出路60と貸し球出路61とを分岐する連絡口部に、前記流路変向部材81を位置させた状態で球案内部材58に固定される。これにより、電磁ソレノイド110の消磁(OFF)により回動軸113がフリー状態にある場合には、前記ねじりバネ115の付勢力のもとに流路変向部材81が第1姿勢に保持され、電磁ソレノイド110の励磁(ON)により回動軸113が所定方向へ回動変位した場合には、前記流路変向部材81が第2姿勢に変化するようになっている。
【0032】また図12は、賞球検出手段と貸し球検出手段の変更例を例示したもので、この変更例に係る賞球検出手段120と貸し球検出手段121は、近接スイッチや磁気センサ等を備えた球通過式スイッチとしたものである。このようなタイプであっても、賞球出路60から通出される賞球と、貸し球出路61から通出される貸し球のカウント検出を好適になし得る。
【0033】更に図13は、貯留球を機外へ排出するための球抜き路125を第1球排出路26の途中から分岐形成し、第1球排出路26と球抜き路125との連絡口部に、球抜き切換え機構部126を別途配設したものである。すなわち球抜き切換え機構部126は、機構セット盤Hの本体13裏側に設置される電磁ソレノイド127と、前記連絡口部で回動可能に設置されて前記電磁ソレノイド127のロッド128に連繋された切換え弁129とで構成されている。前記電磁ソレノイド127は、ロッド128にコイルバネ(図示せず)が配設されており、該ロッド128は常には延出する方向へ付勢されている。そして、電磁ソレノイド127の消磁(OFF)によりロッド128が延出した状態では、前記切換え弁129は、賞球通出路24,貸し球通出路25と上球皿E側とを連通させた第1姿勢に保持され、電磁ソレノイド127の励磁(ON)によりロッド128が後退した状態では、該切換え弁129は、賞球通出路24,貸し球通出路25と球抜き路125とを連通させた第2姿勢に変位するようになっている。なお、球抜き切換え機構部126に関連する操作手段については、図2に示した球抜きスイッチ21が検出(ON)することに応答して、前記電磁ソレノイド127および前記球払出し機構部Mにおける電磁ソレノイド68とが、夫々設定時間に亘って励磁されるようになっている。また流路変向機構部Nに関しては、流路変向部材81が第1姿勢(賞球払出し状態)または第2姿勢(貸し球排出状態)の何れにあっても貯留球は第1球排出路26へ通出されるので、球抜き時には第1姿勢に保持したままとしてよい。
【0034】従って貯留球の球抜きについては、球抜き操作に基いて先ず前記球抜き切換え機構部126が作動され、次いで球払出し機構部Mが作動される。具体的には、前記球抜きスイッチ21が操作(ON)されたことにより、球抜き切換え機構部126が切換え作動されて、電磁ソレノイド127の励磁により切換え弁129が第2姿勢に切換え保持され、これに次いで(例えば1.5秒後)球払出し機構部Mが開放作動されて、電磁ソレノイド68の励磁により規制片72が磁着変位されて球送り体66を解放する。この結果、球送り体66が球通路56内の球を受けながら連続フリー回転するもとで、1球ずつ放出された球貯留供給経路部16内の貯留球が、賞球出路60,賞球通出路24を介して第1球排出路26へ通出された後、切換え弁129で変向案内されながら球抜き路125へ通出されて機外へ排出される。そうして、設定時間経過後の球抜き指令終了時に、球払出し機構部Mが元状復帰されて電磁ソレノイド68の消磁により、規制片72が変位復帰して球送り体66を停止保持する。これに次いで(例えば3.5秒後)球抜き切換え機構部126が元状復帰されて電磁ソレノイド127の消磁により、前記コイルバネの付勢力のもとにロッド128が延出して切換え弁129が第1姿勢に復帰する。
【0035】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るパチンコ遊技機の球払出装置では、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動制御手段を利用してパチンコ球を払出す球送り体と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動切換え手段を利用して球通路に対する第1球出路と第2球出路との個々の連通および遮蔽を切換え得る流路変向部材とを、1つのケース体内に組込むことにより小型でコンパクトに形成される。従って、遊技機裏側の所要位置に設置するに際し設置部面積を小さく設定し得るので、他の部品,部材の設置面積を大きく確保し得る利点がある。また、球払出装置はケース体単位で取扱い得るので、保管,管理等が容易となると共に、遊技機裏側の所要位置に対する組付け作業および取外し作業の簡単化および容易化を図り得る利点もある。そして、このような球払出装置では、流路変向部材を電動切換え手段で位置切換えすることにより、球送り体の球切り回転に基いて球通路の下流へ払出されたパチンコ球を、第1球出路からの賞球と第2球出路からの貸し球とに区分して排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の球貸しユニットを併設したパチンコ機の概略正面図である。
【図2】図1に示すパチンコ機の背面図である。
【図3】パチンコ機裏側の機構セット盤に配設した球処理部の背面図である。
【図4】図3の機構セット盤に装着される本実施例の球払出装置を分解状態で示す概略斜視図である。
【図5】実施例に係る球払出装置を一部破断状態で示す縦断正面図である。
【図6】実施例に係る球払出装置を一部破断状態で示す縦断側面図である。
【図7】実施例に係る球払出装置を一部破断状態で示す横断平面図である。
【図8】流路変向部材が第1姿勢に保持された賞球払出し状態で示す球払出装置の要部構成図である。
【図9】流路変向部材が第2姿勢に保持された貸し球払出し状態で示す球払出装置の要部構成図である。
【図10】球払出し制御系統のブロック図である。
【図11】流路変向機構部の変更例を示す斜視図である。
【図12】賞球検出手段および貸し球検出手段の変更例を示す流路変向機構部の要部断面図である。
【図13】球抜き路を設けた変更例に係る機構セット盤の球処理部を示す要部正面図である。
【符号の説明】
16 球貯留供給経路部
50 ケース体
56 球通路
60 賞球出路(第1球出路)
61 貸し球出路(第2球出路)
66 球送り体
67 球受け部
68 電磁ソレノイド(電動制御手段)
72 規制片(規制部材)
74 第1検出具(検出手段)
75 第2検出具(検出手段)
81 流路変向部材
85,110 電磁ソレノイド(電動切換え手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技盤内でパチンコゲームを展開し得るパチンコ遊技機に装備されて、パチンコゲームの入賞に対する所定数の賞球と、遊技用の球貸し金額に定められた設定数の貸し球とを夫々区分して払出し得る球払出装置にあって、前記遊技機裏側の所定部位に着脱可能に装着されるケース体(50)において、球貯留供給経路(16)側から供給されたパチンコ球を通入出し得る球通路(56)と、この球通路(56)の下流部から2方向に分岐状態で連通された賞球用の第1球出路(60)および貸し球用の第2球出路(61)と、前記球通路(56)内のパチンコ球を外周に形成した球受け部(67)に受けて球切り回転時に払出し得るようにした球送り体(66)と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動制御手段(68)を利用して球送り体(66)を回転不能と回転可能との状態に切換え得る規制部材(72)と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動切換え手段(85/110)を利用して前記球通路(56)に対する第1球出路(60)と第2球出路(61)との個々の連通および遮蔽を切換え得る流路変向部材(81)と、前記球送り体(66)の球切り回転により払出されたパチンコ球を1個ずつカウント検出する検出手段(74,75)とを夫々配設して、全体を前記ケース体(50)単位で取扱い得るように構成し、前記球送り体(66)の球切り回転に基いて球通路(56)の下方へ払出されたパチンコ球を、前記流路変向部材(81)の切換え状態において、前記第1球出路(60)からの賞球と、前記第2球出路(61)からの貸し球とに区分して排出し得るように設定したことを特徴とするパチンコ遊技機の球払出装置。
【請求項1】 遊技盤内でパチンコゲームを展開し得るパチンコ遊技機に装備されて、パチンコゲームの入賞に対する所定数の賞球と、遊技用の球貸し金額に定められた設定数の貸し球とを夫々区分して払出し得る球払出装置にあって、前記遊技機裏側の所定部位に着脱可能に装着されるケース体(50)において、球貯留供給経路(16)側から供給されたパチンコ球を通入出し得る球通路(56)と、この球通路(56)の下流部から2方向に分岐状態で連通された賞球用の第1球出路(60)および貸し球用の第2球出路(61)と、前記球通路(56)内のパチンコ球を外周に形成した球受け部(67)に受けて球切り回転時に払出し得るようにした球送り体(66)と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動制御手段(68)を利用して球送り体(66)を回転不能と回転可能との状態に切換え得る規制部材(72)と、球払出し指令条件に基いて作動・停止制御される電動切換え手段(85/110)を利用して前記球通路(56)に対する第1球出路(60)と第2球出路(61)との個々の連通および遮蔽を切換え得る流路変向部材(81)と、前記球送り体(66)の球切り回転により払出されたパチンコ球を1個ずつカウント検出する検出手段(74,75)とを夫々配設して、全体を前記ケース体(50)単位で取扱い得るように構成し、前記球送り体(66)の球切り回転に基いて球通路(56)の下方へ払出されたパチンコ球を、前記流路変向部材(81)の切換え状態において、前記第1球出路(60)からの賞球と、前記第2球出路(61)からの貸し球とに区分して排出し得るように設定したことを特徴とするパチンコ遊技機の球払出装置。
【図1】
【図2】
【図7】
【図11】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図12】
【図13】
【図10】
【図2】
【図7】
【図11】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図12】
【図13】
【図10】
【公開番号】特開2000−218005(P2000−218005A)
【公開日】平成12年8月8日(2000.8.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−22282
【出願日】平成11年1月29日(1999.1.29)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【出願人】(396024440)有限会社スガイ総業 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成12年8月8日(2000.8.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成11年1月29日(1999.1.29)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【出願人】(396024440)有限会社スガイ総業 (19)
【Fターム(参考)】
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