説明

パネル壁材の取付構造

【課題】連結金具側の長孔の幅方向中心に合わせてボルトを正確かつ容易に取り付けることができ、地震時にボルトを介してパネル壁材に作用する衝撃力を軽減・除去させる。
【解決手段】建造物の梁に固定された通しアングル24と押出成形セメント板(パネル壁材)15,19の間に、Zクリップ、短冊プレート等の連結金具33,35を介在させ、連結金具33,35に形成した長孔33b,35aに挿通されるボルト34,36により通しアングル24に押出成形セメント板15,19を締結固定する。又、ボルト34,36は、連結金具33,35に装着固定された座板40,41を介して締め付けられ、且つ、座板40,41に開穿したボルト貫通用の円形孔44の中心は、長孔33b,35aの幅方向中心と一致している。更に、長孔33b,35aの左右幅は円形孔44の直径よりも幅広に形成されている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル壁材の取付構造に関するものであり、特に、長孔が開穿された連結金具と該長孔を挿通するボルトとを用いて、押出成形セメント板等のパネル壁材を通しアングルに締結固定するパネル壁材の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ビル等の梁に固設された通しアングルに、パネル壁材である押出成形セメント板を取り付ける場合は、図8に示すように、通しアングル1の長手方向中央部の鉛直部に自重受け部材(図示せず)を嵌合して溶接し、該自重受け部材に上段の押出成形セメント板2を載置する。
【0003】
次に、上段の押出成形セメント板2に上段用の連結金具(Zクリップ)3の上部をボルト4により締結固定し、該連結金具3の下部によって前記通しアングル1の鉛直部を上段の押出成形セメント板2側に押圧して保持固定する。又、下段の押出成形セメント板5には、下段用の連結金具(短冊プレート)6の下部をボルト7により締結固定すると共に、該連結金具6の上部を通しアングル1の鉛直部に溶接等にて固着する。
【0004】
斯くして、前記連結金具3,6を介してボルト4,7の締付けにより、通しアングル1に上下2段の押出成形セメント板2,5が連結固定される(特許文献1参照)。尚、図中、8は梁、9はナット、10はガスケット、11はシーリング材、12は無機質断熱材、13は内水切りシートである。
【特許文献1】特開2005−046280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記押出成形セメント板等のパネル壁材を取り付ける従来構造では、図9(a)(b)または図10(a)(b)に示すように、上記連結金具(Zクリップ、短冊プレート)3,6に開穿した上下方向の長孔14に上記ボルト4,7を挿通させて、該ボルト4,7に螺合するナット9,9で締め付けることにより、通しアングル1に押出成形セメント板2,5を取り付けている。従って、地震が発生すると、ボルト4,7は連結金具3,6の長孔14に沿って上下方向に移動し、その結果、制振効果を発揮して地震時の揺れが抑制される。
【0006】
この場合、ボルト4,7の軸芯が長孔14の左右幅方向中央(軸芯)に対して位置ずれしていると、ボルト4,7は長孔14の内周縁部に当接するため、該長孔14に沿った上下方向への円滑な移動が阻害される。その結果、地震の際に、ボルト4,7を介して押出成形セメント2,5に振動が伝達されるため、該押出成形セメント板2,5に大きな衝撃力を与えるという問題があった。
【0007】
前記問題を解決するためには、ボルトの取付け時に、該ボルトの軸芯を長孔の軸芯、即ち、長孔の左右幅方向における中央位置(幅方向中心)に正確に一致させて取り付ければよい。しかし、この場合、作業者は勘と経験に依存してボルトを取り付けているので、経験豊かな熟練者以外は、一般に前記長孔の幅方向中心にボルトの軸芯を正確に一致させて、該ボルトを取り付けることはできない。
【0008】
そこで、連結金具の長孔の幅方向中心に合わせてボルトを正確・容易に取り付けることができ、地震時に該ボルトを介してパネル壁材に作用する衝撃力を軽減・除去させるために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は該課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、建造物の梁に固定された通しアングルとパネル壁材の間に連結金具を介在させると共に、該連結金具に形成した長孔に挿通されるボルトにより前記通しアングルにパネル壁材を締結固定するパネル壁材の取付構造において、前記ボルトは、前記連結金具に装着固定された座板を介して締め付けられ、且つ、該座板に開穿したボルト貫通用の孔の中心は、前記長孔の幅方向中心と一致するように形成され、前記連結金具側の長孔の左右幅は、上記座板側のボルト貫通用の孔の直径よりも大になるように形成されていることを特徴とするパネル壁材の取付構造を提供する。
【0010】
この構成によれば、連結金具に装着固定された座板の孔にボルトを貫通させて取り付けると、該ボルトは長孔の幅方向中心、即ち、該長孔の軸芯と一致するように自動的に位置決めして取り付けられる。
【0011】
又、連結金具側の長孔の左右幅が座板側のボルト貫通用の孔の直径よりも若干大きいので、該寸法が大きい分だけ、地震の際にボルトが長孔内で左右幅方向に移動できる範囲が拡大する。
【0012】
請求項2記載の発明は、上記座板の左右両縁部は上方に凸の断面湾曲状に形成されていると共に、該湾曲形状部の下端は前記座板の下面よりも下方に垂下し、該垂下部分の内側面を前記連結金具の左右外側面に弾接させることにより、該連結金具に前記座板が装着固定されていることを特徴とする請求項1記載のパネル壁材の取付構造を提供する。
【0013】
この構成によれば、座板の左右両縁部は断面湾曲状に形成され、該湾曲形状部の垂下部分の内側面同士間の離間寸法は、前記連結金具の左右幅と略同等に設定される。
【0014】
このため、組み付けの際、座板の垂下部分の内側に連結金具を配置して、該座板を押し下げると、該垂下部分の内側面が連結金具の左右外側面に弾接する。斯くして、前記座板は連結金具に移動不能に装着固定される。
【0015】
請求項3記載の発明は、上記連結金具の左右両縁部に沿ってフランジ部が設けられ、且つ、上記座板の左右両縁部は上方に凸の断面湾曲形状に形成され、該湾曲形状部の下端は前記座板の下面と略同一高さに位置し、該湾曲形状部の外側面を前記連結金具の左右両側のフランジ部内側面に弾接させることにより、該連結金具に前記座板が装着固定されていることを特徴とする請求項1記載のパネル壁材の取付構造を提供する。
【0016】
この構成によれば、前記座板の左右両縁部は断面湾曲状に形成され、該湾曲形状部の外側面間の幅寸法は、連結金具の左右両縁部に設けたフランジ部の内側面間の離間寸法と略同等に設定される。このため、組み付けの際、連結金具のフランジ部の内側に座板を配置して、該座板を押し下げると、該座板の湾曲形状部の外側面が、連結金具のフランジ部の内側面に弾接する。斯くして、前記座板は連結金具に移動不能に装着固定される。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明では、ボルトは連結金具の長孔の幅方向中心に一致するように自動的にセットできるので、未熟練者であっても、前記長孔の軸心に正確に位置決めさせた状態で、該ボルトを容易に締め付けることができる。
【0018】
又、地震時には、ボルトが長孔に沿ってスムーズに移動するので、長孔の左右幅方向へのボルトの移動可能な範囲が拡大することと相俟って、パネル壁材への衝撃力を大幅に軽減・除去させることができる。
【0019】
請求項2記載の発明では、前記座板は、左右両側の垂下部分を連結金具の左右外側面に弾接させて装着固定するので、請求項1記載の発明の効果に加えて、連結金具に対する座板の位置決めが容易になるのみならず、ボルトを締め付ける際に座板が位置ずれするおそれがない。
【0020】
請求項3記載の発明では、前記座板は、左右両側の湾曲形状部を連結金具のフランジ部内側面に弾接させて装着固定するので、請求項1記載の発明の効果に加えて、フランジ部付きの連結金具に対する座板の位置決めが容易になり、ボルトを締め付ける際に座板が位置ずれするおそれもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、連結金具の長孔の幅方向中心に合わせてボルトを正確かつ容易に取り付けることができ、地震時にパネル壁材に作用する衝撃力を効果的に軽減・除去するという目的を達成するため、建造物の梁に固定された通しアングルとパネル壁材の間に連結金具を介在させると共に、該連結金具に形成した長孔に挿通されるボルトにより前記通しアングルにパネル壁材を締結固定するパネル壁材の取付構造において、前記ボルトは、前記連結金具に装着固定された座板を介して締め付けられ、且つ、該座板に開穿したボルト貫通用の孔の中心は、前記長孔の幅方向中心と一致するように形成され、前記連結金具側の長孔の左右幅は、上記座板側のボルト貫通用の孔の直径よりも大になるように形成されていることにより実現した。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の好適な一実施例を図1乃至図7に従って説明する。図1は本実施例に係る押出成形セメント板の取付構造を示す斜視図である。同図に於いて、15は中空部16を有する下段の押出成形セメント板(以下、「下段セメント板」と略称する)であり、該下段セメント板15の一側部及び他側部には嵌合凹部15a及び嵌合凸部15bが夫々形成されている。前記下段セメント板15の左右両側部には、図2に示すように、下段セメント板17,18が嵌合して連結されている。
【0023】
又、図3に示すように、下段セメント板15の上には上段の押出成形セメント板(以下、「上段セメント板」と略称する)19が載置固定され、これら上下2段のセメント板15,17,18,19間の適宜箇所(表面を含む)には、所要の気密性及び断熱性などを確保すべく、ガスケット21、シーリング材22及び無機質断熱材23等が介装されている。
【0024】
更に、下段セメント板15と上段セメント板19間の水平接合部近傍には縦断面L形の通しアングル24が水平方向に配設されている。又、該通しアングル24は鉛直部24aと水平部24bとから成り、該水平部24bの下面は、床スラブ25の上面角部に固設したL形又はH形鋼製梁26の上面に溶接にて連結されている。
【0025】
図1に示すように、前記通しアングル24の長手方向中央部には、上段セメント板19を載置するための自重受け部材27が設けられている。該自重受け部材27は断面L形の本体部28を有し、図5に示すように、該本体部28は鉛直部28aと水平部28bとから成る。
【0026】
そして、自重受け部材27の本体部28左右両側には、略Z形に折曲形成された垂下片29が連設され、該垂下片29と本体部28間には、所定幅の空間部を有する嵌合用の隙間Sが形成されている。
【0027】
また、前記隙間Sには前記通しアングル24の上端部が嵌合装着されている。そして、該通しアングル24に自重受け部材27を溶着することにより、該自重受け部材27の水平部28bに上段セメント板19を載置支持できるように構成されている。
【0028】
図1及び図2に示すように、前記通しアングル24の左右両側には、上段用連結金具であるZクリップ(稲妻プレ−ト)33が設けられ、該Zクリップ33は自重受け部材27の両側に配設されている。又、Zクリップ33は上下幅方向中間部に段差部33aを有し、該段差部33aよりも上側の鉛直部には、縦長のボルト挿通用の長孔33b(図6参照)が開穿されている。
【0029】
更に、Zクリップ33の長孔33bにはボルト34が挿通され、該ボルト34の締付けにより座板40を介して上段セメント板19がZクリップ33に固定されている。また、該Zクリップ33の下側の鉛直部33cには、前記通しアングル24の鉛直部24aが圧接状態で固定されている。
【0030】
更に又、Zクリップ33と対応する通しアングル24の外面側には、縦長の上段用連結金具である連結プレート(短冊プレ−ト)35が設けられ、該連結プレート35の下部には、縦長のボルト貫通用の長孔35a(図6参照)が開穿されている。
【0031】
又、前記連結プレート35の長孔35aにはボルト36が挿通され、該ボルト36の締付けにより座板41を介して下段セメント板15上部が連結プレート35に固定されている。更に、連結プレート35の上端部は前記通しアングル24の鉛直部24aに溶接にて固着されている。尚、図4に於いて、30は内水切りシート、37はナット、38は層間閉塞用ロックウールである。
【0032】
次に、上記梁26に溶着された通しアングル24に上下2段のセメント板15,19を取り付ける場合は、例えば、通しアングル24の鉛直部24aに自重受け部材27を嵌合して溶接し、下段セメント板15に連結プレート35の下部をボルト36により締結固定した後、該連結プレート35の上部を通しアングル24の鉛直部24aに溶接する。
【0033】
然る後、前記自重受け部材27の水平部28bに上段セメント板19を載置すると共に、該上段セメント板19にZクリップ33の上部をボルト34により締結固定する。その結果、該Zクリップ33の下部に通しアングル24の鉛直部24aが圧接するため、該通しアングル24がZクリップ33に固定される。
【0034】
斯くして、連結金具であるZクリップ33及び連結プレート35を介して、該通しアングル24に上下2段のセメント板15,19が強固に建て込まれる。
【0035】
本実施例では、上下2段のセメント板15,19を通しアングル24に取り付けるための連結金具、即ち、Zクリップ33又は連結プレート35には、制振機能を有する座板40又は座板41を装着し、その後に、ボルト34又はボルト36の締付けにより、上段セメント板15又は下段セメント板19を通しアングル24に連結固定している。
【0036】
図6は、本実施例に係る連結金具(Zクリップ又は連結プレート)33,35の具体的な形態例を示す。同図に示すように、連結金具33,35の下部にはボル挿通用の長孔33b,35aが上下方向、即ち、連結金具33,35の長手方向に延びて開穿され、該長孔33b,35aは、連結金具33,35の左右幅方向中央部に配設されている。又、連結金具33,35の下部には座板40,41が装着固定され、該座板40,41は所定の上下幅を有している。
【0037】
更に、座板40,41の左右両縁部は、上方に凸の断面湾曲状に形成されていると共に、該左右両縁側の湾曲形状部の下端は、前記座板40,41の下面よりも下方に垂下している。そして、該垂下部分42,42の内側面を連結金具33,35の左右外側面に弾接させることにより、該連結金具33,35に座板40,41が装着固定されている。
【0038】
図示例では、座板40,41の左右両縁部は、上方に突出する縦断面円弧部43,43と、該縦断面円弧部43,43の下端側に形成された垂下部分42,42とから成る。又、左右両縁部の垂下部分42,42同士間の離間寸法は、連結金具33,35の左右幅と略同等又は若干小に設定されている。依って、該垂下部分42,42を若干押し広げながら座板40,41を連結金具33,35に押し込むことにより、連結金具33,35に座板40,41が被着して取り付けられる。
【0039】
又、座板40,41の左右幅方向中央にはボルト貫通用の円形孔44が形成され、該円形孔44の中心は長孔33b,35aの幅方向中心と一致している。又、座板40,41の下面は連結金具33,35の上面に面接触している。
【0040】
更に、座板40,41側の円形孔44の直径に対して、連結金具33,35の長孔33b,35aの左右幅は所定寸法だけ広くなるように形成されている。このように、長孔33b,35aの左右幅を所定寸法だけ広幅に形成すると、該長孔33b,35a内において上記ボルト34,36が左右幅方向に移動できる範囲が拡大する。
【0041】
以上説明した如く、本発明によれば、連結金具33,35に装着固定された座板40,41の円形孔44にボルト34,36を貫通させて取り付けると、該ボルト34,36は長孔33b,35aの幅方向中心と一致するように自動的に位置決め固定される。従って、該ボルト34,36を締め付ける際、未熟練者でも長孔33b,35aに対して所定の中心位置に正確にボルト34,36を芯合わせた状態にセットしたまま、該ボルト34,36を容易に締め付けることができる。
【0042】
又、地震時には、ボルト34,36が長孔33b,35aに沿って上下方向にスムーズに移動する。従って、長孔33b,35a内で左右幅方向にボルト34,36の移動範囲が拡大していることと相まって、地震に伴いボルト34,36を介して伝達される押出成形セメント板への衝撃力を効果的に軽減・除去させることができる。
【0043】
更に、座板40,41の左右両縁部に縦断面円弧部43,43が形成され、該縦断面円弧部43,43の垂下部分42,42の内側面同士間の離間寸法は、連結金具33,35の左右幅に対応して略同等に設定され、該垂下部分42,42は可撓性部材(板バネ)として機能する。
【0044】
従って、座板40,41の垂下部分42,42の内側に連結金具33,35を配置して、該座板40,41を連結金具33,35側にワンタッチで押し込むのみで、該垂下部分42,42の内側面が連結金具33,35の左右外側面に弾接する。
【0045】
斯くして、座板40,41が連結金具33,35に移動不能に装着固定されるので、ボルト34,36が容易迅速に締め付けられ、同時に、連結金具33,35の所定位置に確実に固定され、座板40,41が位置ずれすることもない。
【0046】
図7は、本発明に係る連結金具33,35の他の実施例を示す。本実施例では、連結金具33,35の左右両縁部に沿ってフランジ部46,46が設けられ、且つ、座板40,41の左右両縁部は、上方に凸の縦断面円弧状に形成されている。又、縦断面円弧部43,43の下端は、座板40,41の下面と略同一高さに位置し、該縦断面円弧部43,43の外側面を連結金具33,35の左右両側のフランジ部46,46内側面に弾接させることにより、該連結金具33,35に座板40,41が装着固定されている。
【0047】
又、左右一対の縦断面円弧部43,43の外側面同士間の幅寸法は、左右一対のフランジ部46,46の内側面同士間の幅寸法と略同等に設定される。このため、前記縦断面円弧部43,43は、前記フランジ部46,46の内側面に弾接している。
【0048】
而して、座板40,41を組付ける際は、連結金具33,35上面のフランジ部46,46の内側に座板40,41をセットして、該座板40,41を下方に押し込むと、座板40,41の縦断面円弧部43,43の外側面が、前記フランジ部46,46の内側面に弾接した状態で組み付けられる。
【0049】
斯くして、該座板40,41が連結金具33,35に移動不能に装着固定される。従って、ボルト34,36を座板40,41の円形孔44に貫通したのち、該ボルト34,36を所定位置にて容易に締め付けることができる。この場合、座板40,41が連結金具33,35に対して位置ずれすることを確実に防止できる。
【0050】
上記実施例では、パネル壁材として押出成形セメント板を一例に挙げたが、本発明は之に限定されるべきでなく、押出成形セメント板以外のパネル壁材にも適用可能である。
【0051】
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施例に係るパネル壁材の取付構造を示す斜視図。
【図2】一実施例に係るパネル壁材の取付構造を示す平面図。
【図3】図2におけるA−A線断面図。
【図4】図2におけるB−B線断面図。
【図5】一実施例に係る自重受け部材を示す斜視図。
【図6】本発明の一実施例に係る連結金具の形態例を示し、(a)は連結金具の正面図、(b)は連結金具に座板及びボルトを取り付けた時の状態を示す説明図。
【図7】本発明の一実施例に係る連結金具の他の形態例を示し、(a)は連結金具の正面図、(b)は連結金具に座板及びボルトを取り付けた時の状態を示す説明図。
【図8】従来例に係るパネル壁材の取付構造を示す一部断面側面図。
【図9】従来例に係る連結金具の形態例を示し、(a)は連結金具の正面図、(b)は連結金具にボルトを貫通させた時の状態を示す説明図。
【図10】従来例に係る連結金具の他の形態例を示し、(a)は連結金具の正面図、(b)は連結金具にボルトを貫通させた時の状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0053】
15 下段セメント板(中空パネル壁材)
19 上段セメント板(中空パネル壁材)
24 通しアングル
27 自重受け部材
33 Zクリップ(上段用連結金具)
33b 長孔
34,36 ボルト
35 連結プレート(下段用連結金具)
35a 長孔
40,41 座板
42 垂下部分
43 縦断面円弧部
44 円形孔
46 フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の梁に固定された通しアングルとパネル壁材の間に連結金具を介在させると共に、該連結金具に形成した長孔に挿通されるボルトにより前記通しアングルに前記パネル壁材を締結固定するパネル壁材の取付構造において、
前記ボルトは、前記連結金具に装着固定された座板を介して締め付けられ、且つ、該座板に開穿したボルト貫通用の孔の中心は、前記長孔の幅方向中心と一致するように形成され、前記連結金具の長孔の左右幅は、上記座板のボルト貫通用の孔の直径よりも大になるように形成されていることを特徴とするパネル壁材の取付構造。
【請求項2】
上記座板の左右両縁部は上方に凸の断面湾曲状に形成されていると共に、該湾曲形状部の下端は前記座板の下面よりも下方に垂下し、該垂下部分の内側面を前記連結金具の左右外側面に弾接させることにより、該連結金具に前記座板が装着固定されていることを特徴とする請求項1記載のパネル壁材の取付構造。
【請求項3】
上記連結金具の左右両縁部に沿ってフランジ部が設けられ、且つ、上記座板の左右両縁部は上方に凸の断面湾曲状に形成され、該湾曲形状部の下端は前記座板の下面と略同一高さに位置し、該湾曲形状部の外側面を前記連結金具の左右両側のフランジ部内側面に弾接させることにより、該連結金具に前記座板が装着固定されていることを特徴とする請求項1記載のパネル壁材の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−263937(P2009−263937A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113134(P2008−113134)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000176718)三菱マテリアル建材株式会社 (20)
【出願人】(505066039)装建工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】