説明

パネル材及びエクステリア品

【課題】 パネル材を利用したエクステリア品の装飾性,趣味性,多様性及び多機能性を向上させるとともに、パネル材の用途拡大に寄与する。
【解決手段】 リサイクル素材Rにより形成したパネル材を用いたエクステリア品を構成するに際して、リサイクル素材Rにより形成したパネル本体部2の面2f内に、同一又は異なる形状の図形により形成した一又は二以上の貫通孔3…を設けるとともに、貫通孔3…を、ステンドグラス板又はステンドグラス状のプラスチック板による化粧板4…により閉塞してなるパネル材1を、少なくとも一つ以上用いて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクル素材により形成したパネル材及びこのパネル材を用いたエクステリア品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リサイクル素材により形成したパネル材としては、既に、本出願人が提案した特許文献1により開示されるフェンスに用いたパネル材が知られている。
【0003】
このパネル材は、廃プラスチックのリサイクル素材、或いは廃プラスチックのリサイクル素材と廃木材のリサイクル素材の複合素材により形成したものであり、製造する際には、例えば、廃棄されるポリスチレン製の食器トレイ等を溶解し、発泡剤等の添加剤を加えた材料を押出成形することにより得ることができる。したがって、リサイクル材の有効な利用促進に寄与できるとともに、複雑な形状であっても容易に形成可能となり、しかも腐食や劣化がしにくいため、エクステリア等の屋外の用途に適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−126965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献1に開示されるパネル材をはじめ、従来におけるこの種のパネル材は、次のような解決すべき課題も存在した。
【0006】
第一に、この種のパネル材は、所定の着色を施した平坦板として成形すれば、廃プラスチック等のリサイクル素材により形成した場合であっても、外観的には天然の木材に近い木質感を有するパネル材として仕上げることができる。したがって、エクステリア等の屋外で使用した際には天然の木材よりも腐食や劣化が生じにくい利点を有するが、基本的には従来のエクステリア品の素材変更の域に留まるため、その利点を生かた用途の拡大という観点からは必ずしも十分であるとは言えなかった。
【0007】
第二に、製造に際しては、溶解したプラスチック素材(溶融樹脂)に発泡剤等の添加剤を加えた材料を押出成形して得るため、天然の木材を加工するよりも、複雑な形状を容易かつ高品質で得ることができる利点を有しているが、木材による板材の延長線上におけるパネル材として形成するため、装飾性,趣味性及び多様性、更には多機能性を高める観点からも更なる改善の余地があった。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したパネル材及びエクステリア品の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るパネル材1は、上述した課題を解決するため、リサイクル素材Rにより形成したパネル材を構成するに際して、リサイクル素材Rにより形成したパネル本体部2の面2f内に、同一又は異なる形状の図形により形成した一又は二以上の貫通孔3…を設けるとともに、この貫通孔3…を、ステンドグラス板又はステンドグラス状のプラスチック板による化粧板4…により閉塞してなることを特徴とする。
【0010】
この場合、発明の好適な態様により、リサイクル素材Rは、廃プラスチックのリサイクル素材Rp,又は廃プラスチックのリサイクル素材と廃木材のリサイクル素材の複合素材Rm,を用いることができるとともに、パネル本体部2は、外観を木質状に形成することができる。
【0011】
一方、発明に係るエクステリア品10は、上述した課題を解決するため、リサイクル素材Rにより形成したパネル材を用いたエクステリア品を構成するに際して、リサイクル素材Rにより形成したパネル本体部2の面2f内に、同一又は異なる形状の図形により形成した一又は二以上の貫通孔3…を設けるとともに、貫通孔3…を、ステンドグラス板又はステンドグラス状のプラスチック板による化粧板4…により閉塞してなるパネル材1を、少なくとも一つ以上用いて構成したことを特徴とする。
【0012】
この場合、発明の好適な態様により、パネル材1は、水栓柱用カバー20の少なくとも一部のパネル,フェンス30の少なくとも一部のパネル,郵便箱の少なくとも一部のパネル,又は庭園灯用カバーの少なくとも一部のパネル,に用いることができる。また、エクステリア品10には、パネル材1の裏面1r側に配することにより化粧板4…に光を照射する発光ダイオード51…と、この発光ダイオード51…を点灯させる点灯回路52とを設けることができるとともに、この点灯回路52には、少なくとも、ACアダプタによる電源部52a及び/又はソーラー発電に基づく電源部52sを設けることができる。
【発明の効果】
【0013】
このような構成を有する本発明に係るパネル材1及びエクステリア品10によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0014】
(1) パネル材1は、リサイクル素材Rにより形成したパネル本体部2の面2f内に、図形により形成した貫通孔3…を設けるとともに、この貫通孔3…を化粧板4…により閉塞してなるため、形状が複雑或いは小さい図形による貫通孔3…を設ける場合であっても木板等の従来のパネル材に比べて高品質に設けることができること及び腐食や劣化が生じにくいことと相俟って、特に、エクステリア品10に利用することにより、当該エクステリア品10の装飾性,趣味性及び多様性を飛躍的に向上させることができるとともに、パネル材1の用途拡大に寄与することができる。
【0015】
(2) 好適な態様により、リサイクル素材Rとして、廃プラスチックのリサイクル素材Rp,又は廃プラスチックのリサイクル素材と廃木材のリサイクル素材の複合素材Rm,を用いれば、本発明の上記目的(1)をより確実に実現できるとともに、より有効なパフォーマンスを得ることができる。
【0016】
(3) 好適な態様により、パネル本体部2の外観を木質状に形成すれば、パネル材1における木質感とステンドグラス(化粧板4…)の相乗効果により装飾性及び趣味性をより高めることができる。
【0017】
(4) 好適な態様により、パネル材1を、水栓柱用カバー20の少なくとも一部のパネル,フェンス30の少なくとも一部のパネル,郵便箱の少なくとも一部のパネル,又は庭園灯用カバーの少なくとも一部のパネル,に用いるようにすれば、エクステリア品10となる、水栓柱P(水栓柱用カバー20),フェンス30,郵便箱又は庭園灯、におけるそれぞれの装飾性及び趣味性を高めることができるため、より良質のエクステリアを構築できる。
【0018】
(5) 好適な態様により、エクステリア品10に、パネル材1の裏面1r側に配することにより化粧板4…に光を照射する発光ダイオード51…と、この発光ダイオード51…を点灯させる点灯回路52とを設けて構成すれば、多機能性及び装飾性としての付加価値をより高めることができる。
【0019】
(6) 好適な態様により、点灯回路52に、少なくとも、ACアダプタによる電源部52a及び/又はソーラー発電に基づく電源部52sを設ければ、必要に応じて電源部の種別を選択できるため、ユーザーの利便性向上に寄与できるとともに、特に、ソーラー発電に基づく電源部52sを用いれば、リサイクル性及び省エネルギー性の双方の適用により環境対策に優れたエクステリア品10を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の好適実施形態に係る水栓柱用カバーの正面図、
【図2】同カバーの部分抽出拡大図を含む使用状態における側面断面図、
【図3】同カバーの背面側から見た断面図、
【図4】同カバーの外観斜視図、
【図5】本発明の変更実施形態に係るカバーの一部を示す側面断面図、
【図6】同カバーに備える電気系回路図、
【図7】同カバーの電源部の変更例を含む外観斜視図、
【図8】本発明の他の変更実施形態に係るカバーの一部を示す側面断面図、
【図9】本発明の他の変更実施形態に係るカバーに用いるパネル材の正面図、
【図10】本発明の他の変更実施形態に係るフェンスの正面図、
【図11】同フェンスに用いるパネル材の平面側から見た断面図、
【図12】同フェンスの一部を示す平面図、
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
まず、本実施形態に係るエクステリア品10である、水栓柱用カバー20の構成について、図1〜図4を参照して説明する。
【0023】
一般に、住宅の庭等には、図2に示すような水栓柱Pを設置することも多い。図2中、Pmは地面Eから起立した水栓柱本体、Pcは水栓柱本体Pmの上端付近に取付けた蛇口、Pvは水栓柱本体Pmの上端に配することにより水栓柱Pに内蔵する水道管凍結防止用の水抜栓を開閉操作する操作ハンドルをそれぞれ示す。ところで、近時においてはデザイン化された水栓柱も商品化されているが、多くの水栓柱Pは、図2に示すように、外観が機能的デザインに留まるため、エクステリアの雰囲気を損なう要素となる。
【0024】
本実施形態に係る水栓柱用カバー20は、このような水栓柱Pを覆うことによりその外観性を高めるものであり、各図に示すように、五枚の平坦パネルを組合わせて構成する。各平坦パネルにおいて、特に、正面パネル21は本実施形態に係るパネル材1を構成するとともに、残りの四枚の平坦パネル、即ち、背面パネル22,右側面パネル23,左側面パネル24及び天面パネル25は、通常の平坦パネルとして形成する。
【0025】
各パネル21,22,23,24及び25は、いずれもリサイクル素材R、即ち、廃プラスチックのリサイクル素材Rpを用いて形成する。各パネル21…を製造するには、公知の製造法を利用することができ、例えば、廃棄されるポリスチレン製の食器トレイ等を溶解するとともに、発泡剤等の添加剤を加えた材料を押出成形することにより製造することができる。また、溶解した廃プラスチックのリサイクル素材Rpには、茶色系などの着色剤を添加し、製造した各パネル21…の外観が木質状となるように考慮する。なお、リサイクル素材Rとしては、廃プラスチックのリサイクル素材と廃木材のリサイクル素材の複合素材Rmを用いてもよい。この場合、上述の溶解した廃プラスチックのリサイクル素材Rpに対して、微細化(粉末化)した廃木材のリサイクル素材を混合させるなどにより実施することができる。なお、廃プラスチックのリサイクル素材と廃木材のリサイクル素材の最適な配合比率は予め選定する。
【0026】
さらに、本実施形態に係るパネル材1を用いる正面パネル21は、次のように製造する。まず、上述したリサイクル素材Rにより成形した正面パネル21は、パネル本体部2として用いる。そして、図1に示すように、パネル本体部2の上端付近には、蛇口Pcを挿通させる円形の挿通孔11を形成する。これにより、蛇口Pcの後端側をパネル本体部2の前面側(正面側)から挿通孔11に挿入し、水栓柱本体Pmの上端付近に設けた取付口Jpに装着できる。一方、挿通孔11の下方におけるパネル本体部2の面2f内には、同一又は異なる形状の図形により形成した一又は二以上の貫通孔3…を設ける。例示の場合、三つの菱形形状の貫通孔3…を縦方向に一定間隔毎に順次形成する。一つの貫通孔3(他の貫通孔3…も同じ)は、図2に示す抽出拡大図に示すように、内縁面に段差を形成し、パネル本体部2の後面(裏面)側に、前面側から見た貫通孔3の形状よりも大きい形状となる化粧板取付部12を形成する。このような貫通孔3は、切削加工により形成してもよいし、押出成形時に型を用いて形成してもよい。
【0027】
また、各貫通孔3…における化粧板取付部12…に嵌合可能な化粧板4…を用意し、各化粧板4…を接着剤等を用いて各化粧板取付部12…に固定する。これにより、各貫通孔3…は後面側から化粧板4…により閉塞される。この化粧板4…には、デザインをステンドグラス状にしたステンドグラス板、又はステンドグラス状のプラスチック板を用いる。以上により、目的のパネル材1を得ることができる。このように、本実施形態に係るパネル材1は、きわめて容易に製造することができる。
【0028】
よって、このような本実施形態に係るパネル材1によれば、リサイクル素材Rにより形成したパネル本体部2の面2f内に、図形により形成した貫通孔3…を設けるとともに、この貫通孔3…を化粧板4…により閉塞してなるため、形状が複雑或いは小さい図形による貫通孔3…を設ける場合であっても木板等の従来のパネル材に比べて高品質に設けることができること及び腐食や劣化が生じにくいことと相俟って、特に、エクステリア品10に利用することにより、当該エクステリア品10の装飾性,趣味性及び多様性を飛躍的に向上させることができるとともに、パネル材1の用途拡大に寄与できる。特に、パネル本体部2の外観は木質状となることから、パネル材1における全体の木質感と窓状のステンドグラス(化粧板4…)の相乗効果により装飾性及び趣味性をより高めることができる。しかも、リサイクル素材Rとして、廃プラスチックのリサイクル素材Rp,又は廃プラスチックのリサイクル素材と廃木材のリサイクル素材の複合素材Rm,を用いるため、上記作用効果ををより確実に実現できるとともに、より有効なパフォーマンスを得ることができる。
【0029】
一方、水栓柱用カバー20は、次のように組立てることができる。まず、正面パネル21と背面パネル22間に、右側面パネル23と左側面パネル24を介在させ、接着剤又はネジ等により固定する。この際、水平面で切断した内部形状は、矩形、望ましくは正方形となるように組付ける。また、右側面パネル23と左側面パネル24の左右方向の位置は、正面パネル21と背面パネル22の左右端よりも内側に位置させるとともに、右側面パネル23と左側面パネル24の上端は、正面パネル21と背面パネル22の上端より下方に位置させる。
【0030】
他方、天面パネル25は、右側面パネル23と左側面パネル24の上端に形成される開口部27に対して着脱可能に構成する。したがって、図3に示すように、天面パネル25の下面には、左右一対の保持プレート、即ち、弾性板材をくの字形に折曲した形状を有する保持プレート26p,26qをネジ止め等により固定する。これにより、天面パネル25を開口部27に装着した際には、保持プレート26p及び26qが右側面パネル23及び左側面パネル24の内面にそれぞれ圧接して容易な抜けが阻止される。これに対して、天面パネル25を開口部27から離脱させれば、水栓柱Pの上端に配した操作ハンドルPvを回し操作し、水栓柱Pに内蔵する水道管凍結防止用の水抜栓機構を開閉することができる。なお、天面パネル25の左右端は、右側面パネル23及び左側面パネル24よりも若干左右方向に突出させ、天面パネル25を離脱し易くすることが望ましい。
【0031】
また、水栓柱用カバー20を設置する際には、まず、図2において、水栓柱本体Pmから蛇口Pcを取外す。そして、水栓柱本体Pmの上方から当該水栓柱本体Pmを覆うように水栓柱用カバー20を設置し、下端は地面Eに埋設して固定する。水栓柱用カバー20を設置したなら、蛇口Pcの後端側を、パネル本体部2の前面側から挿通孔11に挿入し、水栓柱本体Pmの取付口Jpに装着する。これにより設置は終了する。このように、本実施形態に係る水栓柱用カバー20は、水栓柱P、特に、既設の水栓柱Pに対してきわめて容易に設置することができる。
【0032】
このように、本実施形態に係る水栓柱用カバー20は、エクステリア品となる水栓柱Pにおける装飾性(趣味性)を高めることができるため、より良質のエクステリアを構築できる。なお、必要により、各パネル21,22,23,24の内面には、上述した保持プレート26p…と同様の弾性板材を用いた複数の位置決めプレートを固定し、水栓柱本体Pmの外周面に圧接させることにより、水栓柱本体Pmと水栓柱用カバー20の位置決め及び位置保持を行うようにしてもよい。
【0033】
次に、このような基本構成を有する水栓柱用カバー20の変更実施形態について、図5〜図9を参照して説明する。
【0034】
図5〜図7に示す水栓柱用カバー20の変更実施形態は、パネル材1の裏面1r側に配することにより化粧板4…に光を照射する発光ダイオード(LED)51…と、このLED51…を点灯させる点灯回路52とを設けて構成したものである。この場合、LED51…と点灯回路52は、様々な形態により取付可能であり、例えば、LED51を取付けるに際しては、図5に一例として示すように、化粧板4の裏面に透明プラスチック板を用いた光拡散板61を重ね合わせ、この光拡散板61の端縁に設けた凹部61hにLED51を挿入する形態でもよいし、或いはLED51を天面パネル25の下面等に取付けることにより水栓柱用カバー20の内部空間を照らすようにしてもよい。なお、図5は、光拡散板61の背面にさらに遮光シート62を貼付けた例を示すが必ずしも設けることを要しない。
【0035】
一方、LED51…を点灯させる点灯回路52は、例示の場合、天面パネル25の上面に収容ボックス63を設け、この収容ボックス63の内部に収容した。図6に、LED51…及び点灯回路52の電気系回路図を示す。点灯回路52には、例えば、LEDドライバ54,設定部55及び電源部53aとなるACアダプタ53aaを内蔵し、ACアダプタ53aaの一次側は、電源コード53acを介してAC100ボルト商用電源に接続する。また、ACアダプタ53aaからは直流電力がLEDドライバ54に付与され、このLEDドライバ54から各LED51…に付与される。なお、例示の各LED51…は並列接続されている。また、必要に応じ、設定部55により、点灯のON/OFF,明るさの調整,点滅の有無等の設定を行うことができる。このようなLED51…と、このLED51…を点灯させる点灯回路52とを設ければ、多機能性及び装飾性としての付加価値をより高めることができる。
【0036】
他方、図7(図6)は、電源部の変更例を示す。図7に示す電源部は、ソーラー発電に基づく電源部53sを用いたものであり、図6に示すように、電源部53sは、ソーラーパネル53spとバッテリ53sbを備えて構成する。このソーラーパネル53spは、図7に示すように、天面パネル25の上面に取付けた支持部53ssの上面に固定し、水栓柱用カバー20の上端に配することができる。このようなソーラー発電に基づく電源部53sを用いれば、リサイクル性及び省エネルギー性の双方の適用により環境対策に優れたエクステリア品10を実現できる。また、この電源部53sは、ACアダプタ53aa(電源部53a)に追加搭載し、設定部55により切換(選択)使用できるようにしてもよい。これにより、必要に応じて電源部53a又は53sの種別を選択できるため、ユーザーの利便性向上に寄与できる。
【0037】
図8に示す水栓柱用カバー20の変更実施形態は、断熱機能を付加したものである。図1〜図4に示した水栓柱用カバー20も水栓柱Pを覆うため、ある程度の断熱機能を有しているが、図8に示す水栓柱用カバー20は、当該水栓柱用カバー20の内面におけるほぼ全面に、発泡ウレタン樹脂等により成形した断熱ブロック等の断熱材71…を貼り付けることにより、より高い断熱機能を持たせたものである。したがって、図8に示す水栓柱用カバー20は、特に、寒冷地における水栓柱Pに付設することにより水栓柱P(水路)の凍結防止を図ることができる。
【0038】
図9(a)〜(c)は、水栓柱用カバー20の変更実施形態を示すも、特に、正面パネル21として使用するパネル材1における貫通孔3…を形成する図形の形状(模様)の変更例を示す。図9(a)〜(c)にそれぞれ例示するように、貫通孔3…は、様々な形状や大きさにより形成することができる。
【0039】
以上、図5〜図9における例示は、水栓柱用カバー20の変更実施形態となる。なお、図5〜図9において、図1〜図4に示した水栓柱用カバー20と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
【0040】
次に、本発明の変更実施形態であって、水栓柱用カバー20とは異なるエクステリア品となるフェンス30について、図10〜図12を参照して説明する。
【0041】
図10〜図12に示す変更実施形態は、エクステリア品10としてフェンス30に適用したものであり、パネル材1としてフェンス30に用いるパネル31…に適用した。この場合、パネル31も、図1〜図4に示したパネル材1と同様に形成することができ、同様の貫通孔3…及び化粧板4…を設けることができる。なお、フェンス30を設置するに際しては、図10に示すように、まず、地面Eに複数の支柱81…を起設し、この支柱81…に水平フレーム82…を固定するとともに、この水平フレーム82…に、弾性板材によりC形状に形成した複数の支持金具83…を固定ネジ84…により固定する。一方、パネル30の裏面(側面)の左右には、被支持スリット85,85を設ける。これにより、支持金具83の両側の爪をパネル30の被支持スリット85,85に係止させれば、パネル31を水平フレーム82に取付けることができる。このような取付構造により、歪みや伸縮を生じやすいリサイクル素材Rにより成形したパネル31であっても寸法上の不安定要素が吸収される。また、衝撃吸収作用を有するため、安全性にも寄与できる。なお、図10〜図12において、図1〜図9に示した水栓柱用カバー20と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
【0042】
その他、パネル材1は、他のエクステリア品として、郵便箱の少なくとも一部のパネルや庭園灯用カバーの少なくとも一部のパネルなどにも同様に用いることができる。このように、パネル材1は、水栓柱用カバー20の少なくとも一部のパネルである正面パネル21,フェンス30の少なくとも一部のパネル31…,郵便箱の少なくとも一部のパネル,又は庭園灯用カバーの少なくとも一部のパネル,などに用いることができるため、エクステリア品10となる、水栓柱P(水栓柱用カバー20),フェンス30,郵便箱又は庭園灯、におけるそれぞれの装飾性(趣味性)を高めることができ、より良質のエクステリアを構築できる。
【0043】
以上、好適実施形態(変更実施形態)について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、水栓柱用カバー20において、パネル材1は正面パネル21にのみ用いたが、右側面パネル23や左側面パネル24に用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係るパネル材は、リサイクル素材を有効活用できるとともに、エクステリア品を構成する際における少なくともその一部に利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1:パネル材,1r:パネル材の裏面,2:パネル本体部,2f:パネル本体部の面,3…:貫通孔,4…:化粧板,10:エクステリア品,20:水栓柱用カバー,30:フェンス,51…:発光ダイオード,52:点灯回路,52a:ACアダプタによる電源部,52s:ソーラー発電に基づく電源部,R:リサイクル素材,Rp:廃プラスチックのリサイクル素材,Rm:複合素材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リサイクル素材により形成したパネル材において、前記リサイクル素材により形成したパネル本体部の面内に、同一又は異なる形状の図形により形成した一又は二以上の貫通孔を設けるとともに、この貫通孔を、ステンドグラス板又はステンドグラス状のプラスチック板による化粧板により閉塞してなることを特徴とするパネル材。
【請求項2】
前記リサイクル素材は、廃プラスチックのリサイクル素材,又は廃プラスチックのリサイクル素材と廃木材のリサイクル素材の複合素材,を用いることを特徴とする請求項1記載のパネル材。
【請求項3】
前記パネル本体部は、外観を木質状に形成することを特徴とする請求項1又は2記載のパネル材。
【請求項4】
リサイクル素材により形成したパネル材を用いたエクステリア品において、前記リサイクル素材により形成したパネル本体部の面内に、同一又は異なる形状の図形により形成した一又は二以上の貫通孔を設けるとともに、前記貫通孔を、ステンドグラス板又はステンドグラス状のプラスチック板による化粧板により閉塞してなるパネル材を、少なくとも一つ以上用いて構成したことを特徴とするエクステリア品。
【請求項5】
前記パネル材は、水栓柱用カバーの少なくとも一部のパネル,フェンスの少なくとも一部のパネル,郵便箱の少なくとも一部のパネル,又は庭園灯用カバーの少なくとも一部のパネル,に用いることを特徴とする請求項4記載のエクステリア品。
【請求項6】
前記パネル材の裏面側に配することにより前記化粧板に光を照射する発光ダイオードと、この発光ダイオードを点灯させる点灯回路とを備えることを特徴とする請求項4又は5記載のエクステリア品。
【請求項7】
前記点灯回路には、少なくとも、ACアダプタによる電源部及び/又はソーラー発電に基づく電源部を設けることを特徴とする請求項6記載のエクステリア品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−111156(P2012−111156A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262907(P2010−262907)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(507142498)有限会社徳装 (3)
【Fターム(参考)】