説明

パラジウム含有触媒および選択的水素化におけるその適用

本発明は、多孔性担体と、パラジウムと、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属とを含む触媒であって、多孔性担体の比表面積は、50〜210m/gであり、触媒中のパラジウム含量は、0.05〜2重量%であり、パラジウムの少なくとも80重量%は、担体周辺の殻中に分布しており、前記殻の厚さは、20〜200μmであり、金属分散Dは、25〜70%であり、殻中のパラジウム粒子の密度は、1500〜4100パラジウム粒子/μmであり、前記アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属は、担体にわたって均一に分布している、触媒に関する。本発明はまた、触媒の調製および選択的水素化におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の選択的水素化方法は、完全な飽和、すなわち、対応するアルカンの形成を回避しながら、最も不飽和度の高い化合物の対応するアルケンへの転化によってオイルカットからの多価不飽和化合物を転換することができる。
【0002】
本発明の目的は、性能の改良された触媒および炭化水素留分、好ましくは水蒸気分解からの留分または接触分解からの留分中に存在する不飽和炭化水素化合物を選択的に水素化する方法を提案することにある。
【背景技術】
【0003】
かかる留分の選択的水素化用触媒は、多くの場合、担体上に担持させた小金属粒子の形態のパラジウムをベースとし、当該担体はビーズ、押出物、三葉状の形態または他の幾何学様式をもつ形態の耐火性酸化物であり得る。それらのパラジウム含量とパラジウム粒子の大きさは、当該触媒の活性と選択性にとって重要な指標の部分を形成する。
【0004】
担体における金属粒子の巨視的分布もまた、主として選択的水素化などの急速かつ連続した反応の状況下において、重要な指標を構成する。一般に、かかる元素は、活性の欠陥および選択性の喪失に至りかねない粒子内物質の移動という問題を防止するために、担体周囲の殻に集中していなければならない。
【0005】
本発明の目的は、先行技術の触媒活性よりも高い活性を有する触媒を得ることにある。
【0006】
本発明の触媒は、取分け、パラジウム粒子によって形成される殻を含む。当該触媒のパラジウムは25〜70%の範囲で分散しており、パラジウム粒子密度は、1μm当たり1500〜4100個のパラジウム粒子(Pd/μmと記載)の範囲である。それらは担体粒子に均一に分布するアルカリまたはアルカリ土類化合物をも含有し得る。
【0007】
従来技術において、該パラジウム粒子密度は、該パラジウムが殻に分布している触媒について計算される。
【0008】
特許文献1には、最大5μmの金属殻を含む触媒が記載されている。それらの触媒は、金属ゾルを熱担体に含浸させるか、または噴霧することにより得られる。実施例1の触媒は、0.05重量%のパラジウムを含むアルミナ上のパラジウム触媒であり、該アルミナのBET表面積は290m/gである。採用される調製様式に応じて、パラジウムの粒径は、2〜4nmの範囲であり、アルミナ球体は1.5〜4mmの範囲の径を有する。この製法では200〜6600のPd粒子/μmの範囲のパラジウム粒子密度を生じる。
【0009】
特許文献2には、取分け、300μmのパラジウム殻を含む単一金属パラジウム触媒が記載されている。実施例1は0.017重量%のパラジウムを含む触媒に相当する。当該触媒は、パラジウムの酸溶液を4mm径の6m/gのアルファアルミナ球体に含浸させることにより得られる。採用される調製様式に応じて、パラジウムのナノ粒子は2.5〜4mmの範囲のサイズである。このものは170〜750のPd粒子/μmの範囲のパラジウム粒子密度を生じる。
【0010】
特許文献3には、取分け、パラジウムを含有してなる触媒であって、ビーズの周辺における担持が半径の80%以下の深さを超え、場合によっては、モリブデン、タングステン等のプロモータと組み合わされる、触媒が記載されている。実施例1は、0.35重量%のパラジウムを含む単一金属触媒の調製に相当する。当該調製は、硝酸パラジウムの溶液を、BET表面積35m/gおよび平均径3mmのアルミナビーズに含浸させることにより実施される。採用される調製様式に応じて、パラジウムナノ粒子は4〜4.5mmの範囲のサイズである。この製法では150〜250のPd粒子/μmの範囲のパラジウム粒子密度を生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,929,261号明細書
【特許文献2】米国特許第4,484,015号明細書
【特許文献3】欧州特許第0 884 102号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要約)
本発明は、多孔性担体と、パラジウムと、およびアルカリおよびアルカリ土類により構成される群から選択される少なくとも1種の金属とを含む触媒であって、
・当該多孔性担体の比表面積が、50〜210m/gの範囲にあり;
・該触媒におけるパラジウム含量が、0.05〜2重量%の範囲にあり;
・当該パラジウムの少なくとも80重量%が担体周辺の殻に分布し、当該殻の厚さが20〜200μmの範囲にあり;
・金属分散Dが、25〜70%の範囲にあり;
・該殻中のパラジウム粒子密度が、1500〜4100のパラジウム粒子/μmの範囲にあり;および
・当該アルカリおよび/またはアルカリ土類金属が、担体全体に均一に分布している、
触媒に関する。
【0013】
本発明はまた、当該触媒の調製、および選択的水素化におけるその使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
(触媒の特徴)
本発明は触媒活性の改良された触媒に関する。
【0015】
本発明は、
・パラジウム;
・アルカリおよびアルカリ土類により構成される群より選択される少なくとも1種の金属;
・シリカ、アルミナおよびシリカ−アルミナにより構成される群より選択される少なくとも1種の耐火性酸化物を含む多孔性担体、より好ましくは、アルミナである多孔性担体;
を含む触媒であって、
・当該多孔性担体の比表面積は、50〜210m/gの範囲、好ましくは100〜160m/gの範囲、より好ましくは120〜150m/gの範囲にあり;
・該触媒におけるパラジウム量は、0.05〜2重量%の範囲、好ましくは0.1〜0.8重量%の範囲にあり;
・当該パラジウムの少なくとも80重量%が担体周辺の殻に分布し、当該殻の厚さが20〜200μmの範囲、好ましくは20〜120μmの範囲、より好ましくは20〜110μmの範囲にあり;
・金属分散Dは、25〜70%の範囲、好ましくは35〜60%の範囲にあり;
・該殻中のパラジウム粒子密度(下記に定義のDeで示される)は、面積(μm)当たり1500〜4100個のパラジウム粒子の範囲、好ましくは1550〜4000パラジウム粒子/μmの範囲、好ましくは1μm当たり1600〜3950パラジウム粒子/μmの範囲にあり;
・該触媒におけるアルカリおよび/またはアルカリ土類金属の総量は、0.05〜5重量%の範囲、より好ましくは0.1〜2重量%の範囲にあり;
・当該アルカリおよび/またはアルカリ土類金属は、0.8〜1.2の範囲の係数R(下記に定義)で担体全体に均一に分布している
触媒に関する。
【0016】
本発明によると、該多孔性担体は、有利には、ビーズ、三葉状物、押出物、ペレット、または不規則な非球状の集塊の形態にあり、その特異的な形態は破砕工程から生じ得るものである。取分け有利には、当該担体はビーズまたは押出物の形態である。さらに有利には、当該担体はビーズの形態である。
【0017】
担体の細孔容積は、一般に0.1〜1.5cm/gの範囲、好ましくは0.5〜1.3cm/gの範囲にある。
【0018】
アルカリ金属は、一般に、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムにより構成される群、好ましくは、リチウム、ナトリウムおよびカリウムにより、より好ましくは、ナトリウムおよびカリウムにより構成される群から選択される。なおさらに好ましくは、アルカリ金属はナトリウムである。
【0019】
アルカリ土類金属は、一般に、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムにより構成される群から、好ましくは、マグネシウムおよびカルシウムから、またさらに好ましくは、マグネシウムから選択される。
【0020】
アルカリ金属は、それが存在する場合、0.8〜1.2の範囲の係数Rで担体全体に均一に分布する。
【0021】
アルカリ土類金属は、それが存在する場合、0.8〜1.2の範囲の係数Rで担体全体に均一に分布する。
【0022】
(係数Rの定義)
触媒粒子中の元素についての分布プロファイルは、キャスタン・マイクロプローブ(Castaing microprobe)により得られる。少なくとも30の分析点をビーズまたは押出物の径に沿って、活性元素(この場合はパラジウム)の殻について約10点の割合で、また該粒子中心で約10点の割合で記録する。それにより、χ∈[−r;+r]についての分布プロファイルc(χ)が引き出される(式中、cは元素の局所濃度であり、rはビーズまたは押出物の半径であり、χは当該粒子中心に関しての該粒子径に沿った分析点の位置である)。
【0023】
図1は、得られたプロファイルの一例を示す。
【0024】
元素の分布は、該径上の位置に応じて増大する局所重量濃度に重みを加える無次元係数Rにより特徴付けられる。定義は以下のように示される:
【0025】
【数1】

【0026】
従って、均一濃度をもつ元素は1の係数Rを有し、ドーム状のプロファイル(担体のコアにおける濃度が辺縁における濃度よりも高い)に担持させられた元素は1超の係数を有し、また殻状のプロファイル(担体の辺縁における濃度がコアにおける濃度より高い)に分布した元素は1未満の係数を有する。キャスタン・マイクロプローブによる分析は、有限数の値χに対する濃度についての値を引き出し、その結果、当業者周知の積分法により、数値としてRが評価される。好適には、Rは不等辺四辺形法(trapezium method)を用いて決定される。
【0027】
アルカリ元素の分布は、上記定義の分布係数Rが0.8〜1.2の範囲にある場合、均一であると定義される。
【0028】
アルカリ土類元素の分布は、上記定義の分布係数Rが0.8〜1.2の範囲にある場合、均一であると定義される。
【0029】
(殻厚の定義)
パラジウムが殻として分布している場合、その局所濃度は、一般に、触媒粒子の辺縁から始まってその内部に向かって測定されるとき、徐々に減少する。パラジウムの局所濃度がゼロとなる粒子の辺縁からの距離は、多くの場合、正確にかつ再現性よくは測定され得ない。パラジウム粒子の大多数にとって重要である殻厚を測定するために、殻厚は元素の80%を含む粒子の辺縁までの距離として定義される。
【0030】
キャスタン・マイクロプローブにより得られる分布プロファイルから始めて、粒子中の元素の積分量Q(y)は、粒子の辺縁までの距離yの関数として計算される。
【0031】
ビーズの場合:
【0032】
【数2】

【0033】
押出物の場合:
【0034】
【数3】

【0035】
従って、Q(r)は粒子中の総元素量に相当する。次いで、以下の等式をyについて数値的に解く:
【0036】
【数4】

【0037】
式中、cは真に正の関数である;Qは従って真に増加する関数であり、この等式は殻厚である単一の解を有する。
【0038】
図2は積分量の一例を示す。
【0039】
(パラジウムの粒子密度の定義)
パラジウムの粒子密度はDeで示される。
【0040】
金属分散の測定は、毎時の触媒1g当たり1リットルの水素で還元された触媒に対しての、300℃/時の昇温と、2時間、150℃での定温段階での一酸化炭素COの化学吸着により実施される。次いで、この触媒は、ヘリウム中150℃で1時間洗い流され、次いでヘリウム中、25℃に冷却する。
【0041】
CO化学吸着は当業者周知の方法を用いて、25℃にて動力学的に実施され、その結果、化学吸着されたCOの容積が求められ、そこから当業者は化学的に吸着されたCOの分子数を計算し得る。
【0042】
表面Pdの原子数を計算するために、表面Pd1原子当たりのCO1分子の化学量論比を想定する。分散は、触媒サンプルに存在するPd原子の総数に対する、表面Pd原子の%として表わされる。
【0043】
平均結晶サイズは、当業者に既知でありかつ文献(“Analyse physico-chimique des catalyseurs industriels” [Physico-Chemical Analysis of Industrial Catalysts], Chapter I, Editions Technip, Paris, 2001)記載の分散−粒子サイズの関係を適用することにより、これらの分散測定値から推定される。
【0044】
粒子サイズに応じた金属粒子当たりのPd原子数は、Van Hardeveld and Hartogモデル(R Van Hardeveld, F Hartog, Surf Sci 15 (1969) 189)を使用して決定される。
【0045】
パラジウムが厚さeを有する殻の形態で存在する容積Vtおよび半径rのビーズ状担体の場合、パラジウムの粒子密度は以下の式を用いて得られる:
【0046】
【数5】

【0047】
De:粒子密度(μm当たりのパラジウム粒子数として);
%Pd:重量によるPd量(触媒100グラム当たりのPdのグラム);
:アボガドロ数(6.022×1023原子/モル);
BET:担体の比表面積(m/g);
Pd:パラジウムのモル質量(106.42g/モル);
Pd:パラジウム粒子当たりのパラジウム原子数;
:担体ビーズの総容積(mm);
=4/3.π.r(rはビーズの半径である);
:殻の容積(mm);
:V−4/3.π.(r−e)(eは殻厚である)。
【0048】
当業者は検討中の担体の形態に依存する数学式を用いて、パラジウム粒子密度を計算することができる。従って、ビーズ以外の形態の担体の場合、式(1)が依然として有効であるが、VとVを計算するための式は、担体の幾何学様式に応じて、当業者によって適合されなければならない。
【0049】
(触媒の調製法)
本発明はまた、触媒の調製法であって、
・装置中、アルカリ水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物によって構成される群から選択される少なくとも1種の水酸化物を含む水溶液(1)と、少なくとも1種のパラジウム塩前駆体を含む水溶液(2)とを混合することによって、水相中の酸化パラジウムまたは水酸化パラジウムのコロイド懸濁液を調製する工程a)であって、溶液(2)、次いで、溶液(1)が、装置に注がれるか、または、溶液(1)および(2)が、装置に同時に注がれ、調製温度は5〜40℃の範囲であり、前記コロイド懸濁液のpHは、1.0〜3.5の範囲であり、装置中の前記コロイド懸濁液についての滞留時間は、0〜20時間の範囲である、工程a)と、
・50〜210m/gの範囲の比表面積を有する担体上への前記コロイド懸濁液の含浸によって含浸担体を調製する工程b)であって、コロイド懸濁液の容積は、担体の容積の0.9〜1.1倍の範囲である、工程b)と、
・0.5〜40時間にわたって前記含浸担体を熟成させることによって触媒前駆体を調製する工程c)と、
・工程c)において得られた前記触媒前駆体を、炭化水素、好ましくはメタンの燃焼からの空気中または熱空気中70〜200℃で乾燥させることによって乾燥前駆体を調製する工程d)であって、前記空気は、空気の重量(kg)当たり0〜80グラムの水、5〜25容積%の範囲の量の酸素および0〜10容積%の範囲の含量の二酸化炭素を含む、工程d)と、
・炭化水素燃焼空気、好ましくはメタン中で、工程d)において得られた乾燥前駆体を焼成することによって触媒を調製する工程e)であって、焼成温度は、300〜500℃の範囲であり、前記炭化水素燃焼空気は、燃焼空気の重量(kg)当たり40〜80グラムの水、5〜15容積%の範囲の量の酸素および、4〜10容積%の範囲の含量の二酸化炭素を含む、工程e)と、
・工程e)において得られた触媒を還元する工程f)であって、前記還元は、ガス状水素の存在下に80〜180℃の範囲の温度で行われる、工程f)と
を包含する、方法に関する。
【0050】
本発明方法の第一の変法によると、コロイド懸濁液のpHと滞留時間、該担体の比表面積はそれらのそれぞれの範囲内に固定される。その際、0.05〜2重量%の範囲のパラジウム含量は、面積(μm)当たり1500〜4100パラジウム粒子の範囲の殻中のパラジウム粒子密度を得るために調節される。
【0051】
本発明方法の第二の変法によると、0.05〜2重量%の範囲のパラジウム含量、コロイド懸濁液の滞留時間、および担体の比表面積は、それらのそれぞれの範囲内に固定される。その際、パラジウム中の殻において、面積(1μm)当たり1500〜4100粒子の範囲のパラジウム粒子密度を得るように、pHは調整される。
【0052】
(a)酸化パラジウムまたは水酸化パラジウムの水相中コロイド懸濁液の調製)
コロイド懸濁液は、一般に、水性媒体中、パラジウムカチオンの加水分解により得られる;その結果として、懸濁液中に酸化パラジウムまたは水酸化パラジウムの粒子が形成される。
【0053】
アルカリ水酸化物またはアルカリ土類水酸化物の水溶液は、一般に、水酸化ナトリウム水溶液および水酸化マグネシウム水溶液により構成される群から選択される;より好ましくは、該溶液は水酸化ナトリウム水溶液である。
【0054】
パラジウム前駆体塩は、一般に、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、および硫酸パラジウムにより構成される群から選択される。非常に好ましくは、パラジウム前駆体塩は、硝酸パラジウムである。
【0055】
一般に、少なくとも1種のパラジウム前駆体塩を含む水溶液(2)、次いで、少なくとも1種のアルカリまたはアルカリ土類の水酸化物を含む水溶液(1)が、一般的に装置に注がれる。溶液(1)と(2)は同時に装置に注入され得る。好ましくは、水溶液(2)、次いで、水溶液(1)が装置に注入される。
【0056】
一般に、コロイド懸濁液は、0〜20時間の範囲の滞留時間にわたって、装置中に残留する。コロイド懸濁液のpHは、この滞留時間の間に、コロイド溶液の安定性と両立し得る量の酸または塩基を加えることによって改変され得る。
【0057】
一般に、調製温度は5〜40℃の範囲、好ましくは15〜35℃の範囲にある。パラジウムの濃度は、好ましくは、容積(リットル)当たり5〜150ミリモルの範囲、より好ましくは、容積(リットル)当たり8〜80ミリモルの範囲である。
【0058】
溶液(1)と(2)の濃度は、一般に、pH=1.0〜pH=3.5の範囲のコロイド懸濁液のpHを得るように選択される。
【0059】
(b)担体上に、好ましくはアルミナ上に含浸させることによる、工程a)において調製されたコロイド懸濁液の担持)
工程a)において調製されたコロイド懸濁液を次いで担体上に含浸させる。
【0060】
担体は、場合によっては、含浸工程に先立ち、一連の処理、例えば、焼成工程または水和工程などを受け得る。担体はまた、コロイド懸濁液の含浸に先立ち、1種以上の金属元素をすでに含んでいてもよい。金属元素はまた、コロイド懸濁液に導入され得る。これらの金属元素は、従来技術を用いるかまたは本発明方法を用いるかのいずれかにより導入され得る。
【0061】
コロイド懸濁液は、好ましくは、担体上に注がれる。この方法は、バッチ式に実施され得る、すなわち、コロイド懸濁液を調製する工程の後に、担体上に含浸させる工程を行い、コロイド懸濁液の不可欠の部分を、すべて一度に含浸工程に送るか、あるいは、連続的に実施され得る、すなわち、工程a)において得られた生成物を、工程b)におけるコロイド懸濁液のための滞留時間を調整した後に連続的に送る。
【0062】
引用され得る連続方法の一例は、溶液(1)および(2)をタンクに同時に注ぎ、そのタンクから溶液が、含浸させられるべき担体を含む帯域に連続的に溢れ出るようにする方法である。
【0063】
(c)0.5〜40時間の範囲の期間にわたる、工程b)中に含浸させられた担体の熟成)
含浸の後、含浸させられた担体は、一般に、湿潤状態で、0.5〜40時間、好ましくは、1〜30時間にわたって熟成させられる。
【0064】
(d)工程c)で得られた触媒前駆体の乾燥)
該触媒前駆体は、一般に、含浸に際して導入された水分のすべて、または一部を除去するために、好ましくは、50〜250℃の範囲、より好ましくは、70〜200℃の範囲の温度で乾燥させられる。
【0065】
乾燥操作は、一般に、燃焼空気の重量(kg)当たり0〜80グラムの水を、5〜25容積%の範囲の含量の酸素および0〜10容積%の範囲の含量の二酸化炭素と共に含む、炭化水素燃焼空気、好ましくは、メタン中または加熱空気中で行われる。
【0066】
(e)燃焼空気中の、工程d)で得られた乾燥触媒の焼成)
乾燥後、触媒は、一般に、燃焼空気当たり40〜80グラムの水、5〜15容積%の範囲の含量の酸素および4〜10容積%の範囲の含量のCOを含む、燃焼空気、好ましくは、メタンの燃焼からの空気中で焼成される。焼成温度は、一般に、250〜900℃の範囲、好ましくは、約300〜500℃の範囲である。焼成期間は、一般に、0.5〜5時間の範囲である。
【0067】
(f)工程e)において得られた担持酸化物の、好ましくはガス状水素による還元)
触媒は、一般に還元される。この工程は、好ましくは、還元ガスの存在下、現場で、すなわち接触変換が行われる反応器中で、または現場外で実施される。好ましくは、本工程は80〜180℃の範囲、より好ましくは、100〜160℃の範囲の温度で実施される。
【0068】
還元反応は、25〜100容積%の範囲の水素、好ましくは、100容積%の水素を含む還元ガスの存在下に実施される。水素は、場合によっては、還元に関して不活性であるガス、好ましくは、アルゴン、窒素またはメタンによって補給される。
【0069】
還元は、一般に、昇温期と、引続く一定温度段階とを含む。
【0070】
還元一定温度段階の継続時間は、一般に1〜10時間の範囲、好ましくは、2〜8時間の範囲である。
【0071】
HSVは、一般に、毎時の触媒容積(リットル)当たり還元ガス150〜1000リットルの範囲、好ましくは、300ないし900リットルの範囲である。
【0072】
一変法において、触媒は1種以上のプロモータ金属を含有し得る。1種以上のプロモータ金属は、担体の調製に際して、成形された担体上に、工程a)間にまたは工程b)、c)、d)、e)またはf)の終了時に導入され得る。
【0073】
本発明はまた、本発明において記載された触媒調製法から得られる触媒に関する。
【0074】
(本発明の触媒の使用)
本発明の触媒は、有機化合物の変換が関わる方法において使用され得る。従って、本発明の触媒は、芳香族、ケトン、アルデヒド、酸またはニトロ官能基を含む化合物の水素化反応、一酸化炭素のC1−C6アルコールへの、メタノールへの、またはジメチルエーテルへの水素化、異性化または水素化異性化反応、水素化分解、および炭素−炭素結合の切断または形成を含む一般的な反応を含む方法において使用され得る。
【0075】
当該反応に一般的に使用される操作条件は、以下の通りである:温度は0〜500℃の範囲、好ましくは、25〜350℃の範囲であり、圧力は0.1〜20MPaの範囲、好ましくは、0.1〜10MPaの範囲であり、毎時空間速度(hourly space velocity:HSV)は、1回の液体供給材料につき0.1〜50h−1の範囲、好ましくは、0.5〜20h−1の範囲であり、また1回の気体供給材料について500〜30000h−1の範囲、好ましくは、500ないし15000h−1の範囲である。水素が存在する場合、水素対供給材料のモル比は、1〜500リットル/リットルの範囲、好ましくは、10〜150リットル/リットルの範囲である。
【0076】
本発明の触媒の使用およびその使用条件は、使用者が反応に応じて、また採用される技術に応じて適合させられなければならない。
【0077】
本発明の触媒はまた、アセチレン性、ジエン性、オレフィン性官能基を含む化合物の水素化反応にも使用され得る。
【0078】
本発明はまた、供給材料を本発明の触媒または本発明により調製された触媒と接触させることによる、選択的水素化方法に関する;当該供給材料は、水蒸気分解C3留分、水蒸気分解C4留分、水蒸気分解C5留分および熱分解ガソリンとも呼称される水蒸気分解ガソリンにより構成される群から選択される。
【0079】
好適な適用によると、本発明の触媒は、水蒸気分解および/または接触分解に由来する多価不飽和炭化水素留分、好ましくは、水蒸気分解由来の多価不飽和炭化水素留分の選択的水素化反応に使用され得る。
【0080】
(C3〜C5カットの水素化)
水蒸気分解または接触分解などの炭化水素の転化方法は、高温度で操作が行われ、種々様々な不飽和分子、例えば、エチレン、プロピレン、直鎖状ブテン類、イソブテン、ペンテン類、並びに約15個までの炭素原子を含む不飽和分子を産生する。
【0081】
同時に、多価不飽和化合物も形成される:アセチレン、プロパジエンとメチルアセチレン(またはプロピン)、1−2および1−3−ブタジエン、ビニルアセチレンおよびエチルアセチレン、およびC5+ガソリンフラクションに相当する沸点を持つその他の多価不飽和化合物。
【0082】
重合反応装置などの石油化学方法においてこれら種々の留分を使用可能とするためには、これらの多価不飽和化合物のすべてを除去しなければならない。
【0083】
従って、例えば、C3水蒸気分解留分は、以下の平均組成を有し得る:90重量%程度のプロピレン、3〜8重量%の程度のプロパジエンおよびメチルアセチレン、実質的にプロパンである残部。特定のC3留分において、0.1〜2重量%のC2およびC4も存在し得る。石油化学製品および重合反応装置用のこれらの多価不飽和化合物の濃度に関する規格は非常に低い:化学品質プロピレン用のMAPD(メチルアセチレンおよびプロパジエン)では20−30重量ppmおよび“重合反応”品質用には10重量ppm未満、さらには1重量ppmまでである。
【0084】
C4水蒸気分解留分は、以下の平均モル組成:例えば、1%のブタン、46.5%のブテン、51%のブタジエン、1.3%のビニルアセチレン(vinylacetylene:VAC)および0.2%のブチンを有する。特定のC4留分において、0.1〜2重量%のC3およびC5も存在し得る。ここで再度、規格が厳密である:ジオレフィン含量は、石油化学製品または重合反応に使用されることになるC4留分について、厳密に10重量ppm以下である。
【0085】
水蒸気分解C5留分は、例えば、以下の平均重量組成を有するだろう:21%のペンタン類、45%のペンテン類、34%のペンタジエン類。
【0086】
選択的水素化方法は、引用されたC3〜C5オイルカットからの多価不飽和化合物を除去するようにそれ自体徐々に作動する。この方法は、完全な飽和、従って、相当するアルカンの形成を回避しながら、殆どの不飽和化合物を相当するアルケンに転化することができるからである。
【0087】
選択的水素化は気相または液相において実施され得るが、好ましくは、液相である。液相反応は、事実、エネルギーコストを低下させ、触媒のサイクル時間を増大させることができる。
【0088】
液相反応の場合、その圧力は一般に、1〜3MPaの範囲であり、温度は2〜50℃の範囲であり、そして水素/(水素化されるべき多価不飽和化合物)モル比は、0.1〜4の範囲、好ましくは、1〜2の範囲である。
【0089】
気相水素化反応の場合、その圧力は一般に、1〜3MPaの範囲であり、温度は40〜120℃の範囲であり、水素/(水素化されるべき多価不飽和化合物)モル比は、0.1〜4の範囲、好ましくは、1〜2の範囲である。
【0090】
(水蒸気分解ガソリンの水素化)
水蒸気分解は主として、エチレン、プロピレン、C4留分並びに熱分解ガソリンとも呼称される水蒸気分解ガソリンを産生する。
【0091】
別の好適な態様によると、供給材料は熱分解ガソリンである。熱分解ガソリンは沸点が一般に0〜250℃の範囲、好ましくは10〜220℃の範囲にある留分に相当する。この供給材料は、一般に、微量のC3、C4、C13、C14およびC15(例えば、これらの留分それぞれについて0.1〜3重量%の範囲である)を含むC5−C12留分を含む。
【0092】
一例として、C5−200℃留分は、一般に、以下の組成(重量%)を有する:
パラフィン:8〜12
芳香族化合物:58〜62
モノオレフィン:8〜10
ジオレフィン:18〜22
硫黄:20〜300ppm
熱分解ガソリンの選択的水素化は、処理されるべき供給材料を、水素化触媒を含む1個以上の反応器に過剰に導入された水素と接触させることからなる。
【0093】
水素流量は、ジオレフィン、アセチレンおよびアルケニル芳香族化合物の全てを理論的に水素化し、かつ、反応器出口において過剰の水素を維持するのに十分な量を利用可能にするように調節される。反応器における温度勾配を制限するために、流出物の一部を、入口および/または反応器の中心に再循環させることが有利であり得る。
【0094】
熱分解ガソリンの選択的水素化の場合、水素/(水素化されるべき多価不飽和化合物)モル比は、一般に1〜2の範囲にあり、温度は一般に40〜200℃の範囲、好ましくは50〜180℃の範囲であり、毎時空間速度(毎時の触媒容積当たりの炭化水素容積に相当)は、一般に0.5〜10h−1の範囲、好ましくは、1〜5h−1の範囲であり、圧力は一般に1.0〜6.5MPaの範囲、好ましくは、2.0〜3.5MPaの範囲である。
【0095】
(実施例)
コロイド懸濁液は、以下の実施例のすべてにおいて、25℃で調製された:
(実施例1:触媒A;本発明に合致しない)
硝酸パラジウムPd(NOの水溶液が、25℃で、8.5重量%のパラジウムを含有する硝酸パラジウムPd(NOの溶液3.5gを、鉱質除去水によりアルミナ担体の細孔容積に相当する容積まで希釈することにより調製された。溶液のpHは0.7であった。
【0096】
この溶液を次いでSBET130m/gのδ−Al型アルミナ100gに含浸させた。このアルミナは平均径3mmのビーズの形態であった。
【0097】
得られた触媒Aを空気中120℃で乾燥させ、次いで、2時間にわたり450℃で燃焼空気の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり燃焼空気500リットルの毎時空間速度で乾燥させた。燃焼空気は、空気重量(kg)当たり約60gの水、10容積%の酸素および7容積%の二酸化炭素を含有していた。触媒Aは0.3%のPdを含有していた。
【0098】
キャスタン・マイクロプローブによる触媒の特徴付けにより、Pdの80%が厚さ250μmの殻に位置していることが示された。
【0099】
COの化学吸着と触媒試験の前に、触媒は、最終的に、水素の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり水素500リットルのHSVとして、300℃/hの昇温および2時間にわたる150℃の一定温度段階で還元された。
【0100】
化学吸着されたCOの容積は、0.365ml/g、すなわち、53%の金属分散であり、これは2.3nmの平均粒子サイズ、すなわち、440Pd原子/粒子に相当した。
【0101】
これらのデータは、697のPd粒子/μm(殻)程度の平均Pd粒子密度が計算され得たことを意味していた。
【0102】
(実施例2a:触媒Ba(本発明に合致しない))
含浸前の装置中のコロイド懸濁液の滞留時間は、以下の実施例2a、2bおよび3の場合、15分であった。
【0103】
Pd酸化物のコロイド懸濁液は、25℃で攪拌しながら、8.5重量%のパラジウムPdを含有する硝酸パラジウムPd(NOの溶液3.5gを約20mlの鉱質除去水で希釈し、次いで、約10mlの水酸化ナトリウム溶液を加えて、pH1.6とすることにより調製された。次いで、この懸濁液をアルミナ担体の細孔容積に相当する容積まで鉱質除去水で希釈した。
【0104】
次いで、この溶液をSBET130m/gのδ−Al型アルミナ59グラムに含浸させた。このアルミナは平均径3mmのビーズの形態であった。
【0105】
得られた触媒Baは、毎時の触媒の容積(リットル)当たり空気500リットルのHSVで風乾された;その際、温度は、25℃から120℃に8時間にわたって上げられ、その後、120℃での2時間の一定温度段階とされた。次いで、触媒は、燃焼空気の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり燃焼空気500リットルのHSVで焼成され、その際、昇温は、時間当たり約300℃であり、その後、450℃での一定温度段階が2時間続いた。燃焼空気は、空気重量(kg)当たり約60gの水、10容積%の酸素および7容積%の二酸化炭素を含有していた。
【0106】
触媒Baは0.5%のPdを含有していた。
【0107】
キャスタン・マイクロプローブによる触媒の特性付けにより、約91μmの殻厚を計算することを可能とされた。Naは分布係数R(Na)=0.7でビーズ全体に分布しており、このことはナトリウムが非均一の様式で分布していることを意味していた。
【0108】
COの化学吸着と触媒試験の前に、触媒は、最終的に、水素の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり水素500リットルのHSVで還元され、その際、昇温を300℃/時間とし、150℃での一定温度段階を2時間とした。
【0109】
化学吸着されたCOの容積は、0.583ml/g、すなわち、51%の金属分散であり、これは、2.4nmの平均粒子サイズ、すなわち、490Pd原子/粒子に相当していた。
【0110】
これらのデータは、2604のPd粒子/μm(殻)程度の平均Pd粒子密度が計算され得ることを意味していた。
【0111】
(実施例2b:触媒Bb(本発明に合致しない))
アルミナ59gを乾式含浸させるために、Pd酸化物のコロイド懸濁液は、25℃で攪拌しながら、8.5重量%のパラジウムPdを含有する3.5gの硝酸パラジウムPd(NO溶液を約10mLの鉱質除去水により希釈し、次いで、約20mLの水酸化ナトリウム溶液に加えてpH12.1とすることによって調製された。次いで、この懸濁液をアルミナ担体の細孔容積に相当する容積まで鉱質除去水で希釈した。
【0112】
次いで、この溶液をSBET130m/gのδ−Al型アルミナ59グラムに含浸させた。このアルミナは平均径3mmのビーズの形態であった。
【0113】
得られた触媒Bbは、毎時の触媒の容積(リットル)当たり空気500リットルのHSVで風乾された;その際、温度は、25℃から120℃に8時間にわたって上げられ、次いで、120℃で2時間の一定温度段階とされた。次いで、触媒は、燃焼空気の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり燃焼空気500リットルのHSVで焼成され、その際、昇温は時間当たり約300℃でありその後、450℃の一定の温度段階が2時間続いた。燃焼空気は、空気の重量(kg)当たり約60gの水、10容積%の酸素および7容積%の二酸化炭素を含有していた。
【0114】
触媒Bbは0.5%のPdを含有していた。
【0115】
キャスタン・マイクロプローブによる触媒の特徴付けにより、Pdの80%が厚さ約74μmの殻に位置していることが示された。Naは非均一の様式で分布しており、分布係数R(Na)=0.65であった。
【0116】
COの化学吸着と触媒試験の前に、触媒は、最終的に、水素の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり水素500リットルのHSVで還元され、その際、昇温は300℃/hであり、一定温度段階は、150℃で2時間とされた。
【0117】
化学吸着されたCOの容積は、0.551ml/g、すなわち、48%の金属分散であり、これは2.5nmの平均粒子サイズ、すなわち、約536Pd原子/粒子に相当していた。
【0118】
これらのデータは、2894Pd粒子/μm(殻)程度の平均Pd粒子密度が計算され得ることを意味していた。
【0119】
(実施例3:触媒C(本発明に合致しない))
Pd酸化物のコロイド懸濁液は、25℃で攪拌しながら、8.5重量%のパラジウムPdを含有する3.5gの硝酸パラジウムPd(NO溶液を、約20mLの鉱質除去水により希釈し、次いで、10mLの水酸化ナトリウム溶液を加えてpH1.7とすることによって調製された。次いで、この懸濁液をアルミナ担体について59gの細孔容積に相当する容積まで鉱質除去水で希釈した。
【0120】
次いで、この溶液をSBET130m/gのδ−Al型アルミナ59グラムに含浸させた。このアルミナは平均径3mmのビーズの形態であった。
【0121】
含浸担体についての熟成工程は、限定された湿潤媒体中で風乾する前に、20時間の期間にわたって実施された。
【0122】
得られた触媒Cは、毎時の触媒の容積(リットル)当たり空気500リットルのHSVで風乾された;その際、温度は、25℃から120℃に8時間にわたって上げられ、その後、2時間120℃の一定の温度段階とされた。次いで、触媒は、燃焼空気の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たりの燃焼空気500リットルのHSVで焼成された:その際、時間当たり約300℃の昇温の後に、450℃での一定の温度段階が2時間続いた。燃焼空気は、空気の重量(kg)当たり約60gの水、10容積%の酸素および7容積%の二酸化炭素を含有していた。
【0123】
触媒Cは0.5%のPdを含有していた。
【0124】
キャスタン・マイクロプローブによる触媒の特徴付けにより、Pdの80%が厚さ約75μmの殻に位置していることが示された。
【0125】
Naは分布係数R(Na)=0.99でビーズ全体に分布しており、これは、殻内に過剰なNaを有することなくビーズ全体にわたる均一なNa分布を与えた。
【0126】
COの化学吸着と触媒試験の前に、触媒は、最終的に、水素の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり水素500リットルHSVで還元された;その際、温度上昇は300℃/時間とされ、一定の温度段階は150℃で2時間とされた。
【0127】
化学吸着されたCOの容積は、0.576ml/g、すなわち、50%の金属分散であり、これは2.4nmの平均粒子サイズ、すなわち、490Pd原子/粒子に相当していた。
【0128】
これらのデータは、3125Pd粒子/μm(殻)程度の平均Pd粒子密度が計算され得ることを意味していた。
【0129】
(実施例4:S存在下のスチレン−イソプレン混合物の水素化の触媒試験)
触媒試験の前に、実施例1〜3において調製された種々の触媒2gが、毎時の触媒の重量(グラム)当たり1リットルの水素の流れ中処理され、その際、300℃/hの昇温および150℃2時間にわたる一定温度段階とされた。
【0130】
次いで、この触媒を完全攪拌“グリニヤール(Grignard)”型バッチ反応器において水素化試験に付した。この目的のため、ビーズ状の還元触媒は、空気の不存在下に、回転攪拌機周囲に設けた環状バスケットに固定された。反応器に使用されたバスケットは、ロビンソン・マホンネイ(Robinson Mahonnay)型でのものであった。
【0131】
水素化は液相にて実施された。
【0132】
供給材料の組成は以下のとおりであった:8重量%スチレン、8重量%イソプレン、10ppmのペンタンチオールの形状で導入されたS、100ppmのチオフェンの形状で導入されたS;溶媒はn−ヘプタンであった。
【0133】
試験は、一定圧力3.5MPaの水素および温度45℃で実施された。反応生成物はガスクロマトグラフィーにより分析された。
【0134】
触媒活性は1分当たり、および接近可能なPdのモル当たりの、消費されたHのモルで表わされ、表1に示される。
【0135】
【表1】

【0136】
触媒BaおよびBbは規定範囲内に含まれるPd粒子密度を有するが、このものは、規定範囲よりも小さいPd粒子密度をもつ触媒Aの触媒活性よりも相当高い固有の触媒活性を有していた。
【0137】
触媒Cは、規定範囲に含まれる密度と均一であるビーズ中Na分布との両方を有していたが、このものは、粒子密度が規定範囲に含まれるが触媒ビーズ中均一でないNa分布触媒を有するBaおよびBbの触媒活性よりも相当優れた触媒活性を有していた。
【0138】
(実施例5:触媒D(本発明に合致しない))
含浸前の装置中でのコロイド懸濁液ための滞留時間は、実施例5〜8の場合30分であった。
【0139】
Pd酸化物のコロイド懸濁液は、25℃で攪拌しながら、8.5重量%のパラジウムPdを含有する0.58gの硝酸パラジウムPd(NOの溶液を約35mLの鉱質除去水で希釈し、次いで、約10mLの水酸化ナトリウムを加えて2.3のpHにすることによって調製された。次いで、この懸濁液は、鉱質除去水で、アルミナ担体の細孔容積に相当する容積まで希釈された。
【0140】
次いで、この溶液をSBET130m/gのδ−Al型アルミナ90gに含浸させた。このアルミナは平均径3mmのビーズの形態であった。
【0141】
含浸担体の熟成工程は、風乾前、限定湿潤媒体中、20時間の期間にわたって実施された。
【0142】
得られた触媒Dは、毎時の触媒の容積(リットル)当たり空気500リットルのHSVで風乾された;その際、25℃から120℃への8時間にわたる昇温の後に、2時間120℃の一定温度段階が行われた。次いで、触媒は、燃焼空気の流れ中、毎時の容積(リットル)当たり燃焼空気500リットルのHSVで焼成された:その際、時間当たり約300℃の昇温の後に、450℃での一定温度段階が2時間続いた。焼成空気は空気の重量(kg)当たり約60gの水分、10容積%の酸素および7容積%の二酸化炭素を含有していた。
【0143】
触媒Dは0.055%のPdを含有していた。
【0144】
キャスタン・マイクロプローブによる触媒の特徴付けにより、Pdの80%が厚さ約27μmの殻に位置していることが示された。Naは分布係数R(Na)=0.89で、均一に分布していた。
【0145】
COの化学吸着と触媒試験の前に、触媒は、最終的に、水素の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり水素500リットルのHSVで還元された;その際、300℃/hの昇温および150℃2時間にわたる一定温度段階とされた。
【0146】
化学吸着されたCOの容積は、0.071ml/g、すなわち、56%の金属分散であり、これは2.1nmの平均粒子サイズ、すなわち、340Pd原子/粒子に相当していた。
【0147】
これらのデータは、1322Pd/μm(殻)粒子程度の平均Pd粒子密度が計算され得ることを意味していた。
【0148】
(実施例6:触媒E(本発明に合致する))
Pd酸化物のコロイド懸濁液は、25℃で攪拌しながら、8.5重量%のパラジウムPdを含有する硝酸パラジウムPd(NOの溶液1.16gを約40mlの鉱質除去水で希釈し、次いで、約10mlの水酸化ナトリウム溶液を加えてpH2.3とすることにより調製された。懸濁液を次いで鉱質除去水で希釈して、アルミナ担体の細孔容積に相当する容積とした。
【0149】
次いで、この溶液をSBET130m/gのδ−Al型アルミナ102gに含浸させた。このアルミナは平均径3mmのビーズの形態であった。
【0150】
含浸担体の熟成工程は、風乾前、限定湿潤媒体中、20時間の期間にわたって実施された。
【0151】
得られた触媒Eは、毎時の触媒の容積(リットル)当たり空気500リットルのHSVで風乾された;その際、25℃から120℃への8時間にわたる昇温の後に、2時間120℃の一定温度段階が行われた。次いで、触媒は、燃焼空気の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり燃焼空気500リットルのHSVで焼成された;その際、毎時約300℃の昇温の後に、450℃での一定温度段階が2時間続いた。焼成空気は、空気の重量(kg)当たり約60gの水、10容積%の酸素および7容積%の二酸化炭素を含有していた。
【0152】
触媒Eは0.097%のPdを含有していた。
【0153】
キャスタン・マイクロプローブによる触媒の特徴付けにより、Pdの80%が厚さ約30μmの殻に位置していることが示された。Naは分布係数R(Na)=0.85で、均一に分布していた。
【0154】
COの化学吸着と触媒試験の前に、触媒は、最終的に、水素の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり水素500リットルのHSVで還元された;その際、300℃/hの昇温および150℃2時間の一定温度段階とされた。
【0155】
化学吸着されたCOの容積は、0.127ml/g、すなわち、57%の金属分散であり、これは2.1nmの平均粒子サイズ、すなわち、340Pd原子/粒子に相当していた。
【0156】
これらのデータは、2103Pd粒子/μm(殻)程度の平均Pd粒子密度が計算され得ることを意味していた。
【0157】
(実施例7:触媒F(本発明に合致する))
Pd酸化物のコロイド懸濁液は、25℃で攪拌しながら、8.5重量%のパラジウムPdを含有する硝酸パラジウムPd(NOの溶液2.3gを約45mlの鉱質除去水で希釈し、次いで、約10mlの水酸化ナトリウム溶液を加えて、pH2.4とすることにより調製された。この懸濁液を次いで鉱質除去水で希釈して、アルミナ担体の細孔容積に相当する容積とした。
【0158】
次いで、この溶液をSBET130m/gのδ−Al型アルミナ111gに含浸させた。このアルミナは平均径3mmのビーズの形態であった。
【0159】
含浸担体の熟成工程は、風乾前、限定湿潤媒体中、20時間の期間にわたって実施された。
【0160】
得られた触媒Fは、毎時の触媒の容積(リットル)当たり空気500リットルのHSVで風乾された;その際、温度は、25℃から120℃へ8時間にわたって上げられ、その後、2時間120℃の一定温度段階とされた。次いで、触媒は、燃焼空気の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり燃焼空気500リットルのHSVで焼成され、その際、約300℃/hの昇温の後、450℃での一定温度段階が2時間続いた。焼成空気は、空気の重量(kg)当たり約60gの水、10容積%の酸素および7容積%の二酸化炭素を含有していた。
【0161】
触媒Fは0.176%のPdを含有していた。
【0162】
キャスタン・マイクロプローブによる触媒の特徴付けにより、Pdの80%が厚さ約31μmの殻に位置していることが示された。Naは分布係数R(Na)=0.92で、均一に分布していた。
【0163】
COの化学吸着と触媒試験の前に、触媒は、最終的に、水素の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり水素500リットルのHSVで還元された;その際、300℃/hの昇温および150℃2時間の一定温度段階とされた。
【0164】
化学吸着されたCOの容積は、0.231ml/g、すなわち、57%の金属分散であり、これは2.1nmの平均粒子サイズ、すなわち、340Pd原子/粒子に相当していた。
【0165】
これらのデータは、3707Pd粒子/μm(殻)程度の平均Pd粒子密度が計算され得ることを意味していた。
【0166】
(実施例8:触媒G(本発明に合致しない))
Pd酸化物のコロイド懸濁液は、25℃で攪拌しながら、8.5重量%のパラジウムPdを含有する硝酸パラジウムPd(NOの溶液3.45gを約55mlの鉱質除去水で希釈し、次いで、約10mlの水酸化ナトリウム溶液を加えて、pH2.4とすることにより調製された。この懸濁液を次いで鉱質除去水で希釈して、アルミナ担体の細孔容積に相当する容積とした。
【0167】
次いで、この溶液をSBET130m/gのδ−Al型アルミナ133gに含浸させた。このアルミナは平均径3mmのビーズの形態であった。
【0168】
含浸担体の熟成工程は、風乾前、限定湿潤媒体中、20時間の期間にわたって実施された。
【0169】
得られた触媒Gは、毎時の容積(リットル)当たり空気500リットルのHSVで風乾された;その際、温度は、25℃から120℃へ8時間にわたって上げられ、その後、2時間120℃の一定温度段階とされた。次いで、触媒は、燃焼空気の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり燃焼空気500リットルのHSVで焼成され、その際、約300℃/hの昇温の後に450℃での一定温度段階が2時間続いた。焼成空気は、空気の重量(kg)当たり約60gの水分、10容積%の酸素および7容積%の二酸化炭素を含有していた。
【0170】
触媒Gは0.22%のPdを含有していた。
【0171】
キャスタン・マイクロプローブによる触媒の特徴付けにより、Pdの80%が厚さ約30μmの殻に位置していることが示された。Naは分布係数R(Na)=0.88で、不均一様式で分布していた。
【0172】
COの化学吸着と触媒試験の前に、触媒は、最終的に、水素の流れ中、毎時の触媒の容積(リットル)当たり水素500リットルのHSVで還元された;その際、300℃/hの昇温および150℃2時間の一定温度段階とされた。
【0173】
化学吸着されたCOの容積は、0.287ml/g、すなわち、57%の金属分散であり、これは2.1nmの平均粒子サイズ、すなわち、340Pd原子/粒子に相当していた。
【0174】
これらのデータは、4790Pd粒子/μm(殻)程度の平均Pd粒子密度が計算され得ることを意味していた。
【0175】
(実施例9:1,3−ブタジエンの水素化についての触媒試験)
触媒試験の前に、実施例5〜8において調製された種々の触媒約0.5gを63〜100ミクロンの粒度分布(granulometry)に摩砕し、次いで、毎時の触媒重量(g)当たり水素1リットルの流れ中、300℃/時間の昇温および150℃2時間の一定温度段階で処理した。
【0176】
次いで、この触媒を完全攪拌“グリニヤール”型バッチ反応器において水素化試験に付した。
【0177】
水素化は液相にて実施された。
【0178】
供給材料の組成は、6.3重量%1,3−ブタジエンであり、溶媒はn−ヘプタンであった。試験は、水素の一定圧0.5MPa、温度5℃で実施される。
【0179】
反応生成物はガスクロマトグラフィーにより分析された。触媒活性は1秒当たり、および接近可能なPdのモル当たりの消費されたHのモルで表わされ、表2に示される。
【0180】
【表2】

【0181】
触媒EおよびFは、規定範囲に包含される粒子密度を有するものであるが、これらは、規定範囲以下のPd粒子密度をもつ触媒Dの活性よりも2倍高い固有の触媒活性を有しており、規定範囲よりも高いPd粒子密度をもつ触媒Gよりも1.5倍高い活性を有していた。
【図面の簡単な説明】
【0182】
【図1】係数Rに関して得られたプロフィールの一例を示す。
【図2】殻厚に関する積分量の一例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラジウムと、アルカリおよびアルカリ土類により構成される群から選択される少なくとも1種の金属と、シリカ、アルミナおよびシリカ−アルミナにより構成される群から選択される少なくとも1種の耐火性酸化物を含む多孔性担体とを含む触媒であって、該多孔性担体の比表面積は、50〜210m/gの範囲であり、該触媒中のパラジウム含量は、0.05〜2重量%の範囲であり;該パラジウムの少なくとも80重量%は、担体周辺の殻に分布し、該殻の厚さは、20〜200μmの範囲であり、金属分散Dは、25〜70%の範囲であり、該殻中のパラジウム粒子密度は、面積(μm)当たり1500〜4100パラジウム粒子の範囲であり、該触媒中のアルカリおよび/またはアルカリ土類金属の総量は、0.05〜5重量%の範囲であり、該アルカリおよび/またはアルカリ土類金属は、担体全体に均一に分布しており、係数Rは、0.8〜1.2の範囲である、触媒。
【請求項2】
前記多孔性担体はアルミナであり、ビーズまたは押出物の形態である、請求項1記載の触媒。
【請求項3】
前記多孔性担体は、ビーズの形態である、請求項2記載の触媒。
【請求項4】
前記アルカリ金属は、ナトリウムである、請求項1〜3の1つに記載の触媒。
【請求項5】
前記多孔性担体の比表面積は、100〜160m/gの範囲であり、触媒中のパラジウム量は、0.1〜0.8重量%の範囲であり、パラジウムの少なくとも80重量%は、担体周辺の殻に分布し、当該殻の厚さは、20〜110μmの範囲であり、金属分散Dは、35〜60%の範囲であり、該殻中のパラジウム粒子密度は、面積(μm)当たり1600〜3950パラジウム粒子の範囲である、請求項1〜4の1つに記載の触媒。
【請求項6】
請求項1〜5の1つに記載の触媒の調製法であって、
・装置中で、水溶液(1)と水溶液(2)とを混合することによりパラジウム酸化物またはパラジウム水酸化物の水相中コロイド懸濁液を調製する工程a)であって、該水溶液(1)は、アルカリ水酸化物およびアルカリ土類水酸化物によって構成される群から選択される少なくとも1種の水酸化物を含み、該水溶液(2)は、少なくとも1種のパラジウム前駆体塩を含む水溶液(2)を含み、該溶液(2)、次いで、溶液(1)が、装置に注がれ、または、溶液(1)および(2)が、同時に装置に注がれ、調製温度は、5〜40℃の範囲であり、前記コロイド懸濁液のpHは、1.0〜3.5の範囲であり、装置中のコロイド懸濁液の滞留時間は、0〜20時間の範囲である、工程a)と、
・コロイド懸濁液を、50〜210m/gの範囲の比表面積を有する担体上に含浸させることによって含浸担体を調製する工程b)であって、コロイド懸濁液の容積は、担体の細孔容積の0.9〜1.1倍の範囲である、工程b)と、
・0.5〜40時間にわたって前記含浸担体を熟成させることによって触媒前駆体を調製する工程c)と、
・工程c)において得られた前記触媒前駆体を、70〜200℃で、炭化水素の燃焼からの空気中または加熱された空気中において乾燥させることによって乾燥前駆体を調製する工程d)であって、前記空気は、空気の重量(kg)当たり0〜80グラムの水、5〜25容積%の範囲の量の酸素および0〜10容積%の範囲の量の二酸化炭素を含む、工程d)と、
・炭化水素の燃焼からの空気中、工程d)において得られた乾燥前駆体を焼成することによって触媒を調製する工程e)であって、焼成温度は、300〜500℃の範囲であり、前記炭化水素燃焼空気は、燃焼空気の重量(kg)当たり40〜80gの水、5〜15容積%の範囲の量の酸素および4〜10容積%の範囲の量の二酸化炭素を含む、工程e)と、
・工程e)において得られた触媒を還元する工程f)であって、前記還元は、還元ガスの存在下に、80〜180℃の範囲の温度で行われる、工程f)と
を含み、
前記pH、コロイド懸濁液の前記滞留時間、担体の前記比表面積は、それらの各範囲内に固定され、0.05〜2重量%の範囲のパラジウム含量は、1500〜4100パラジウム粒子/μmの範囲の殻中のパラジウム粒子密度を得るように調節されるか、または、
パラジウム含量は、0.05〜2重量%の範囲であり、コロイド懸濁液の前記滞留時間、および担体の前記比表面積は、それらの各範囲内に固定され、前記pHは、1500〜4100パラジウム粒子/μmの範囲の殻中のパラジウム粒子密度を得るように調節される、方法。
【請求項7】
工程a)において、該パラジウム前駆体塩は、塩化パラジウム、硝酸パラジウムおよび硫酸パラジウムにより構成される群から選択される、請求項6に記載の調製法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の調製法を用いて得られる触媒。
【請求項9】
供給材料を、請求項1〜5の1つに記載の触媒、または請求項6または7に従って調製された触媒と接触させる工程を含む選択的水素化方法であって、当該供給材料は、C3水蒸気分解留分、C4水蒸気分解留分、C5水蒸気分解留分および水蒸気分解ガソリンにより構成される群から選択される、方法。
【請求項10】
供給材料は、水蒸気分解ガソリンであり、水素/(水素化されるべき多価不飽和化合物)モル比は、1〜2の範囲であり、温度は、40〜200℃の範囲であり、毎時空間速度は、0.5〜10h−1の範囲であり、圧力は、1.0〜6.5MPaの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
供給材料を、請求項1〜5の1つに記載の触媒、または請求項6または7に従って調製された触媒と接触させる工程を含む選択的水素化方法であって、前記供給材料は、芳香族、ケトン、アルデヒド、酸および/またはニトロ官能基を含む、方法。
【請求項12】
一酸化炭素をC1−C6アルコール、メタノールまたはジメチルエーテルに水素化する方法であって、供給材料を、請求項1〜5の1つに記載の触媒、または請求項6または7に従って調製された触媒と接触させる工程を含む方法。
【請求項13】
供給材料を、請求項1〜5の1つに記載の触媒、または請求項6または7に従って調製された触媒と接触させる工程を含む異性化、水素化異性化または水素化分解方法。
【請求項14】
温度は、0〜500℃の範囲であり、圧力は、0.1〜20MPaの範囲であり、毎時空間速度は、液体供給材料の場合、0.1〜50h−1の範囲であり、気体供給材料の場合、500〜30000h−1の範囲である、請求項11〜13の1つに記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2011−500327(P2011−500327A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531556(P2010−531556)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001506
【国際公開番号】WO2009/092879
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(591007826)イエフペ エネルジ ヌヴェル (261)
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
【Fターム(参考)】