説明

パルス変調電力変換器

順方向ブロック(15)、順方向ブロックからの出力を増幅するためのスイッチング段(11)、及びスイッチング段からの出力信号をロー・パス・フィルタリングするための出力フィルタ(12)を含む順方向経路と、ロー・パス・フィルタリングされた出力信号に接続され、フィードバック信号を生成するための大域フィードバック・ブロック(18、19)を備える大域フィードバック経路(13)と、入力信号から前記フィードバック信号を減算し、結果を前記順方向経路に供給するための手段(14)とを備えるパルス変調電力変換器。大域フィードバック・ブロック及び/又は順方向ブロックが、前記出力フィルタの位相遅れの少なくとも一部分を補償するための手段と、スイッチング周波数において180度位相遅れを得るための手段とを含み、それによって前記スイッチング周波数において被制御発振のための条件を達成する。制御システムは自己発振技術の利点を、非線形性を抑制するための高利得広帯域制御ループと組み合わせる。これは総高調波ひずみ及び雑音の点でよりよく実行するシステムにつながることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、順方向ブロック(forward block)、順方向ブロックからの出力を増幅するためのスイッチング段、及びスイッチング段からの出力信号をロー・パス・フィルタリングするための出力フィルタを含む順方向経路と、ロー・パス・フィルタリングされた出力信号に接続され、フィードバック信号を生成するための大域フィードバック・ブロック(global feedback block)を備える大域フィードバック経路と、入力信号からフィードバック信号を減算し、結果を順方向経路に供給するための手段を備えるパルス変調変換器に関する。
【0002】
本発明はまた、DC−AC(たとえば音声増幅)、DC−DC又はAC−AC変換システム又はそのような変調器システムを備える上記の任意の組合せなど、スイッチング電力変換システムに関する。本発明は、任意のシステム、特に高効率音声増幅又はライン・ドライバなどの精密DC−AC変換システムにおいて、改善された電力変換のために有利に使用することができる。
【背景技術】
【0003】
パルス幅変調器はあらゆる電力変換システムの主要な要素である。たいていのスイッチング電力変換器はドメイン(DC又はAC)間の効率的な変換を制御するための手段としてのパルス幅変調(PWM)に基づいている。
【0004】
代表的な電力変換器はPWM変調器や、スイッチング電力変換段、フィルタ、制御システムを含む。このタイプの従来技術のシステムは米国特許第4724396号に、及びJournal of AES、Nov.1983.p.842−853にMr.Attwoodに記載されている。しかしながら、PWMは、主としてキャリア生成の実装のために、同じく当技術分野において知られている一連の欠点を有する。これはシステム帯域幅を制限し、設計を複雑にする。また、安定した頑丈な制御システム設計は実装することが困難である。
【0005】
これらの欠点を克服するために、非ヒステリシス自己発振変調器(COM)が本出願者の国際特許出願WO98/19391において導入された。それを図1に示す。そのような自己発振変調器は、前記文献に詳細に記載されているキャリア生成器の必要をなくす利点をもつ。COMは電力段2からの信号を変換器中の少なくとも1つの加算点3にフィードバックする制御ループ1中の2つの高周波極によって実施される。したがってこの局所フィードバック・ループ1は高い利得と高い帯域幅を有することになる。
【0006】
この設計の問題は、スイッチング電力変換器の出力フィルタが負荷変化に極めて敏感になり、したがって動的に不安定なシステムを生じることである。出力フィルタ装荷の高い感度のために、システムは大きい負荷の段差が生じた場合、たとえば負荷が除去された場合に不安定になる。これは低インピーダンス装荷状況において出力フィルタのダンピングを得るために、たとえばZobelネットワークの使用を必要とした。
【0007】
マルチ・ループ・システムの場合、大域ループはスイッチング電力変換器において出力フィルタ5の出力をフィードバックするループ4として定義される。そのような大域ループは二重発振を回避するために、それがオープン・ループ利得及び帯域幅に達した場合に制限される。フィードバック利得が制限されるとスイッチング電力変換器の出力フィルタ5はフィルタ非線形性の補償が小さくなり、それにより全体的なシステム性能が損なわれる。
【0008】
さらに、局所ループ内に実装された変調器をもつマルチループ・システムの構造は、正しいオープン大域ループ特性を得るために多数の極や0を備えることになるハイオーダ・システムのために複雑になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の第1の目的は、従来技術の技法におけるひずみに関する基本的な問題を克服し、それによってスイッチング電力変換器の全体の高調波ひずみを低下させることができる、スイッチング電力変換システムにおける優れた変調技法を提供することである。
【0010】
本発明の第2の目的は、より安定した頑丈な制御と変調器システムを提供し、それによって負荷不変スイッチング電力変換器を得ることである。
【0011】
本発明の第3の目的は、複雑でないシステムを提供し、それによってコストを下げることである。
【0012】
本発明の第4の目的は、たとえばZobelネットワークによって出力フィルタ制御の必要を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これら及び他の目的は、順方向ブロック及び/又は大域フィードバック・ブロックが、出力フィルタの位相遅れの少なくとも一部分を補償するための手段と、スイッチング周波数において180度位相遅れを得るための手段とを含み、それにより前記スイッチング周波数における被制御発振のための条件が満足される、前提として述べた種類の変換器によって達成される。この新規の制御概念を大域ループ被制御発振変調器(GCOM)と呼ぶことにする。
【0014】
本発明によれば、1つ又は複数のフィードバック・ループを備えることができる、制御システム構造の(大域フィードバック経路及び変換器の順方向経路を含む)大域ループ中の非ヒステリシス手段によって自己発振変調器が実現される。変換器は、出力フィルタの位相遅れの少なくとも一部分を補償し、それにより出力フィルタや補償手段からのオープン大域ループ位相遅れへの寄与が180度未満になる。この位相遅れとは別に、追加の位相遅れがスイッチング周波数において実装され、これは組合せで自己発振条件を生じる。変調器発振信号は順方向経路におけるPWM生成のための手段を与えることになる。
【0015】
本システムはすべての形態の実装においてコストのかからないシステムを合成することができる。
【0016】
本発明によれば、大域ループは非常に高いオープン・ループ利得帯域幅レベルを有することになる。したがってGCOM制御システムは自己発振技術の利点を、非線形性を抑制するための高利得広帯域制御ループと組み合わせることができる。これは全高調波ひずみや雑音の点でよりよく実行するシステムにつながる。
【0017】
それはまた、負荷が大きく変化する場合のフィルタ・ピーキングの補償を行い、それによって装荷の不変な動的安定システムを得ることになる。これは、スイッチング電力変換器によって駆動される負荷が周波数依存インピーダンスを有する場合、特に重要である。
【0018】
GCOM制御システムはさらに変換器がZobelネットワークを少なくして又はなくして動作することを可能にする。これは、Zobel構成要素は通常大きく、これらの構成要素における電力消費のために費用がかかるので、コスト及びエネルギーのより効率的なシステムにつながる。
【0019】
本設計は、発振が局所ループにおいて生成され、したがって大域ループが高利得帯域幅を表すことができなかった以前のCOM技術に勝る改善である。
【0020】
補償手段は好ましくは出力フィルタ・カットオフ周波数において、又は少なくともその近くにおいていくつかの0を含む。出力フィルタがN次の場合、出力フィルタ位相遅れの一部分を相殺するために、少なくともN−1個の0を大域ループ中に配置することができる。
【0021】
スイッチング周波数において180度位相遅れを得るための手段は2つの高周波極又は時間遅延、又はその組合せを含むことができる。これらの極及び/又は時間遅延は自己発振を引き起こすための主要な理由である。
【0022】
変換器はさらに、スイッチング電力段の出力から順方向経路中の少なくとも1つの加算点までの少なくとも1つの局所フィードバック経路を含むことができる。
【0023】
局所ループが実装される場合、補償手段は局所フィードバック経路中に配置された出力フィルタ・カットオフ周波数の近くにいくつかの極を含むことができる。これらの極は大域ループ中に配置された0と同じ効果を有することになる。
【0024】
変換器はまた、出力フィルタの出力と順方向ブロックの前にある加算点とに接続された少なくとも1つの追加の大域フィードバック経路を含むことができる。これは追加の大域制御ループを生成し、システム性能、たとえば非線形性の抑制をさらに改善する。
【0025】
GCOM変換器はスイッチング電力増幅器などのスイッチング電力変換器で実装することができる。増幅器は従来技術のシステムから見られるものよりも何倍もよいTHD+nに関する性能を有し、制御システムを音声電力変換器に非常に適したものにする。
【0026】
本発明によるGCOM変換器は音声増幅及びモータ又は電気ダイナミック・トランスデューサ駆動適用例などのすべてのタイプの精密DC−AC変換適用例において非常に適している。また、GCOM変換器は、たとえば音声使用用の電力増幅器又はライン伝送用のライン・ドライバとして精密電圧又は電流制御DC−AC変換において有利に使用することができる。
【0027】
本発明のこれら及びさらなる態様は、本発明の現在好ましい実施形態を示す添付の図面を参照しながら、以下でさらに説明することにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の第1の好ましい実施形態による変調器を備える電力変換システムが図2に示されている。本システムは、スイッチング電力段11と出力フィルタ12を備え、さらに、入力信号Vinからフィードバック信号VFを減算し、結果VRをスイッチング段11の前にある順方向ブロック15に供給するように構成された、出力フィルタ12からの出力を加算点14にフィードバックする大域フィードバック経路13を備える。負荷16には出力フィルタ12からの出力が供給される。簡単のために、大域フィードバック経路13は2つのフィードバック・ブロック18、19とともに示されているが、これらは当然1つのブロックとして実装することができる。
【0029】
電力段11は1つ又は複数のハーフブリッジ、好ましくは2つのハーフブリッジを備えるフルブリッジ又はシングル・エンド・オペレーション・モードの単一のハーフブリッジを備えることができる。
【0030】
出力フィルタ12はスイッチング段11からのスイッチング出力を復調するように構成され、一般にN次のロー・パス・フィルタである。
【0031】
本発明のこの実施形態によれば、フィードバック・ブロック18は、フィルタ・カットオフ周波数fcut−offの近くに配置された少なくともN−1個の0を備えた伝達関数G(s)を有する。ここで、Nは出力フィルタ12の次数で、N∈[1;∽]である。これらの0は出力フィルタ位相遅れの少なくとも一部分を補償するように作用し、それによりオープン大域ループ周波数特性はN−(N−1)=1次のローパス挙動を有する。
【0032】
さらに、フィードバック・ブロック19は従来技術で述べたCOM極と同様の機能をもつ、2つの高周波数COM極を備える伝達関数を有する。これらの極は180度のスイッチング周波数において追加の位相遅れを引き起こし、それによって自己発振を行う。発振はスイッチング電力変換器のフィードバック・ブロック15においてパルス幅変調手段として使用することができる。要約すると、非ヒステリシス変調器はスイッチング電力変換器の(大域フィードバック経路13及び順方向経路15、11、12を備える)大域ループを使用して実装される。
【0033】
COM極の一方又は両方は順方向ブロック中に配置できることに留意されたい。原則として、フィードバック・ブロック19は単位利得まで低減させる(すなわちなくす)ことができる。
【0034】
大域フィードバック経路13は、どちらも参照により本明細書に組み込まれるWO98/19391に記載されているように電圧制御するか、又はWO02/25357に記載されているように電流制御することができる。
【0035】
自己発振を引き起こす高周波極は、これが好ましい場合、等しくうまく時間遅延とすることができる。また、時間遅延と極の組合せが有利なことがある。
【0036】
図2のブロック図の一例によれば、出力フィルタは2次であり、フィードバック・ブロック18は、好ましくは出力フィルタの極周波数に配置された1つの0を備え、2つの高周波極は本明細書では「変調器制御」と示されたフィードバック・ブロック19で実装される。このシステムの位相特性は図3に示されている。曲線21は高周波数位相遅れが180度である出力フィルタ12を表す。曲線22はフィードバック・ブロック18の伝達関数G(s)を表し、90度の正の位相遅れを有する。言い換えれば、ブロック18は、90度の高周波数位相遅れをもつ大域オープン・ループ・システムを生成するためにフィルタ極の1つを補償する。このシステムには、図に曲線23で表される、変調器制御19の2つの高周波数COM極が追加されている。全体の大域オープン・ループ・システムは曲線24で表される。
【0037】
図3のシステムの実装は約300kHzにおいて発振を生成することになり、オープン大域ループは180度の位相遅れを有し、オープン大域ループ振幅は0dBを上回る。スイッチング周波数fswと呼ばれるこの発振周波数は大域ループ中の高周波数COM極のカットオフ周波数に等しくなる。自己発振はPWM手段としてスイッチング電力変換器の順方向経路中で使用することができる。
【0038】
制御システムはループ成形に応じて−3dB利得で100〜200kHz周波数帯域幅をもつ小さい信号閉ループ周波数特性を有することができる。
【0039】
また、従来技術のシステムと比較して、本発明によるシステムはより広い帯域幅利得を有する。図4は従来の実装(曲線7)と比較した上述例のシステム(曲線6)の大域オープン・ループ振幅特性を示す。
【0040】
追加の極をフィードバック・ブロック18中に挿入することができる。この極は好ましくは上述のフィードバック・ブロック18中の0よりも高い周波数に配置される。そのような極は大域フィードバック・ブロック18、19の利得帯域幅要件を低減し、フィードバック・ブロック18、19中に含まれる演算増幅器の必要なスルーレート及び利得帯域幅定格を低減する。
【0041】
第2の実施形態が図5に示されており、同様の要素には図2と同一の参照番号が付けられている。この実施形態によれば、フィードバック・ブロック18はなくされ、代わりに追加の順方向ブロック20が順方向経路中に挿入されている。この順方向ブロック20は少なくともN−1個の0を備える伝達関数F(s)を有し、したがって必要な出力フィルタの極を消去することができる。この場合も、0は好ましくは出力フィルタ極周波数に配置される。
【0042】
もちろん、それぞれにいくつかの0をもつフィードバック・ブロック18と順方向ブロック20の組合せも可能である。
【0043】
図6はN=2の図5のシステムの例の位相特性を示す。図5から明らかなように、F(s)の位相特性(曲線26)は図3のG(s)曲線のそれに似ており、したがってこの場合も出力フィルタの極(曲線27)の1つを補償し、フィードバック・ブロック(曲線28)と一緒にスイッチング周波数において180度の大域オープン・ループ(曲線29)位相遅れを形成する。
【0044】
図2に示されるシステムと同様に、追加の極を順方向ブロック20中に挿入することができる。この極は好ましくは出力フィルタ極周波数よりも高い周波数に配置され、したがってスイッチング電力変換器の順方向経路の利得要件を制限し、順方向経路中に含まれる演算増幅器の必要なスルーレートと利得帯域幅定格を低減する。
【0045】
本発明の第3の好ましい実施形態が図7に示されており、この場合も同様の要素には図2と同一の番号が付けられている。大域経路13に加えて、図7のシステムはスイッチング電力段11の出力に接続された、フィードバック・ブロック31をもつ局所フィードバック経路30を備える。局所フィードバック信号VFLは図2の順方向ブロック15を2つのブロック33、34に分割する第2の加算点32に接続される。
【0046】
この実施形態によれば、出力フィルタ極/極消去は、好ましくは出力フィルタ・カットオフ周波数fcut−offの近くに配置された少なくともN−1個の極を備える局所フィードバック・ブロック31を設けることによって得られ、この場合もNは出力フィルタ12の次数である。
【0047】
局所閉ループ伝達関数は

cl=B(s)/{1+B(s)・L(s)}

のように記述することができる。上式で、B(s)は局所フィードバック・ブロック33の伝達関数であり、L(s)は局所ループ・フィードバック・ブロック31の伝達関数である。
【0048】
言い換えれば、局所ループ・フィードバック・ブロック31中の極は大域オープン・ループ・システム中の0の効果を有することになり、したがって出力フィルタ12中の極を補償するように作用することになる。
【0049】
図7のブロック図の特定の実装の位相特性が図8に示されている。この例において、システムは180度(曲線41)の高周波数位相遅れを生成する2次出力フィルタ12(N=2)を備える。局所フィードバック・ブロック31はフィルタ・カットオフ周波数fcut−offにおいて1つの極を含み(曲線42)、局所ループが閉じられた場合、このループはオープン大域ループ・システムに対して90度(曲線43)の正の位相遅れの効果を有することになる。変調器制御位相遅れはこの場合も大域フィードバック・ブロック19中の2つの高周波極として実装され、その位相特性(曲線44)は図3の場合と同じである。全体として、大域オープン・ループ・システムは曲線45によって表される。
【0050】
図8に示されるシステムの実装は約300kHzで発振を生成し、オープン大域ループは180度の位相遅れを有し、オープン大域ループ振幅は0dBを上回る。この自己発振はPWM手段としてスイッチング電力変換器の順方向経路中で使用することができる。
【0051】
本発明の第4の好ましい実施形態が図9に示されている。この図において、図2の要素はすべてブロック51、すなわちGCOM制御をもつスイッチング電力変換器中に含まれる。GCOM制御に加えて、図8のシステムは、スイッチング電力変換器の出力(すなわち出力フィルタからの復調出力)を、電力変換器51の前にある少なくとも1つの加算点53にフィードバックする追加の大域電圧ループ52を備える。出力フィルタ極補償が上述の大域フィードバック・ループ中で得られる場合、追加の大域電圧ループは好ましくはフィードバック・ブロック54中に少なくともN−1個の0を備えることができる。
【0052】
さらに別の電圧ループ55をループ52にカスケード接続することができ、それによりスイッチング電力変換器51の出力信号はスイッチング電力変換器51の前にあるいくつかの加算点53、56にフィードバックされる。
【0053】
当然、追加のループは当業者によって有利と考えられる多数の異なる方法で成形することができる。スイッチング電力変換器51は他の好ましい実施形態に示されるように実装することができる。
【0054】
当業者なら本発明概念から逸脱することなしに上述の好ましい実施形態に変更を加えることができることは明らかである。たとえば、位相特性の成形をさらに改善するために追加の極及び0を大域及び/又は局所ループ中に配置することができる。そのような極及び0は好ましくは出力フィルタのカットオフ周波数よりも高い周波数に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】局所制御ループにおいて実装される非ヒステリシス変調器をもつ従来技術のマルチループ・システムを示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるシステムを示す図である。
【図3】図2によるシステムの一例の位相特性を示す図である。
【図4】従来技術のシステム及び図2によるシステムのオープン大域ループ振幅特性を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態によるシステムを示す図である。
【図6】図5によるシステムの一例の位相特性を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態によるシステムを示す図である。
【図8】図7によるシステムの一例の位相特性を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態によるシステムを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
順方向ブロック(15、30)、前記順方向ブロックからの出力を増幅するためのスイッチング段(11)、前記スイッチング段からの出力信号をロー・パス・フィルタリングするための出力フィルタ(12)を含む順方向経路と、
前記ロー・パス・フィルタリングされた出力信号に接続され、フィードバック信号を生成するための大域フィードバック・ブロック(18、19)を備える大域フィードバック経路(13)と、
入力信号から前記フィードバック信号を減算し、結果を前記順方向経路に供給する手段(14)と
を備えるパルス変調電力変換器であって、
前記大域フィードバック・ブロック(18、19)及び/又は順方向ブロック(15、20)が、
前記出力フィルタの位相遅れの少なくとも一部分を補償する手段と、
スイッチング周波数において180度位相遅れを得る手段と
を含み、
それによって前記スイッチング周波数において被制御発振のための条件を達成するパルス変調電力変換器。
【請求項2】
前記補償手段が出力フィルタ・カットオフ周波数の近くに配置された少なくともN−1個の0を含み、Nが前記出力フィルタの次数に等しい請求項1に記載の変換器。
【請求項3】
前記補償手段が前記出力フィルタ・カットオフ周波数よりも高い周波数に配置された少なくとも1つの0を含む請求項2に記載の変換器。
【請求項4】
前記スイッチング周波数において180度位相遅れを得るための前記手段が少なくとも1つの高周波極を備える請求項1から3に記載の変換器。
【請求項5】
前記スイッチング周波数において180度位相遅れを得るための前記手段が少なくとも1つの時間遅延を備える請求項1から4に記載の変換器。
【請求項6】
前記スイッチング電力段の前記出力から順方向経路中の少なくとも1つの加算点までの少なくとも1つの局所フィードバック経路(30)をさらに備え、前記局所フィードバック経路(30)が局所フィードバック・ブロック(31)を備える請求項1から5の一項に記載の変換器。
【請求項7】
前記補償手段が前記局所フィードバック・ブロック(31)中に配置された前記出力フィルタ・カットオフ周波数の近くに少なくとも1つの極を含む請求項6に記載の変換器。
【請求項8】
前記出力フィルタ(12)の出力信号と前記フィードバック・ブロック(15)の前にある加算点(53、56)とに接続された少なくとも1つの追加の大域フィードバック経路(52、55)をさらに備える請求項1から7のいずれかに記載の変換器。
【請求項9】
AC−DC、DC−AC、DC−DC又は上記の任意の組合せ、特に音声使用用のDC−AC変換器及び伝送ライン・ドライバなど、電力変換システムで実装される請求項1から8のいずれかに記載の変換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−506887(P2006−506887A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553041(P2004−553041)
【出願日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際出願番号】PCT/IB2003/006318
【国際公開番号】WO2004/047286
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(301052102)バング アンド オルフセン・アイス パワー エイ/エス (1)
【Fターム(参考)】