説明

パレットラック

【課題】サブビームの折り畳みと展開が簡単且つ容易であり、安全で作業効率が良い。
【解決手段】パレットラック1は、支柱10と梁部材11を対向して配設し、梁部材11間に複数のサブビーム12を架け渡した。複数のサブビーム12は二つのビーム部材を接合した折り曲げ部に連結軸部21を嵌挿させた。連結軸部21は各サブビーム12の位置に設けたクランクアーム25を介して引き上げ部材24に接続した、引き上げ部材24は回動可能で、フォークリフトの爪部を係止して引き上げ可能な起立位置と、サブビーム12の凹部に収納した倒伏位置をとる。その下段に設けた複数のサブビーム12も同様に折り曲げ部に連結軸部21を嵌挿させて折り曲げ可能である。上下段の連動軸部21は連結杆23を介して連結した。引き上げ部材24を引き上げると連動軸部21を介して上下段のサブビーム12が同時に折り曲げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の物品を載置して運搬および保管する際などに使用されるパレットラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を運搬および保管する際、パレットの上に物品を積載した状態でパレットごと積載物品をコンテナに収容し、コンテナごと車両や貨物車、船舶、航空機等で運送されている(特許文献1参照)。
例えば、積載する物品が牛乳パックのカートン等、積層しても破損しにくいものである場合には、物品をパレットに直積みする。そして、物品の上にパレットを設置し、更にその上に物品を直積みして積層する。
【0003】
しかし、物品がソーラーパネルや半導体パネル、液晶パネル等のガラス板等を使用した精密製品(以下、単にパネルと略称する)である場合には、物品を直接段積みすると下段の物品が損傷するおそれがあるため、パネル等を段ボール箱に収納して積載し、その製品の上に他の製品を積載しないようにしている。また、パネル等を蓋のない容器内に収容し、その製品に直接上積みしないようにして製品を保護している。また、製品をパレットに積載してストレッチフィルムで製品とパレットの側面を巻き付けて固定することで、密封封止状態に包装して製品のズレを防止することも行われている。
【0004】
上述した積載方法では、パレットや容器内への物品の積載に手間がかかる欠点があった。そのため、棚形状のパレットラックをコンテナ内に設置して、各パレットラックの棚毎に製品を積載して輸送等することが行われている。或いは、パレットラックを直接倉庫や収納庫等の床面に配列して各パレットラックの棚毎に製品を積載していた。これらの場合にはパレットラックの棚上の製品の上に空間があるために損傷するおそれがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2001−502643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなパレットラックを用いて物品を輸送した場合、物品をおろした後の復路の便では別の物品を搭載していない空の便であることが多く、輸送コストが増大してしまう。これに対し、輸送コストを低減させるために、往路の便で搬送した物品とは異なる別の物品を復路の便に積載すると物品の形状や寸法が異なる場合が多く、パレットラックの各棚の空間に積載できなかったり積載し難かったりすることがあった。この場合、大きなスペースを占有するパレットラックは邪魔であり、復路の物品積載スペースが小さくなるという欠点がある。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みて、簡単且つ容易に折り畳みできて、作業効率の良いパレットラックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるパレットラックは、連結した支柱と梁部材を対向して配設してなり、対向する前記梁部材間にサブビームを架け渡してなる積載部を備えた折り畳み可能なパレットラックであって、サブビームは長さ方向途中部分で折り曲げ可能に配設され、持ち上げることで前記サブビームを折り曲げさせる連結部材がサブビームに設けられていることを特徴とする。
本発明によるパレットラックでは、物品等の積載部を形成するサブビームに設けた連結部材を、例えばフォークの爪部等の支持機構で持ち上げることで、サブビームを途中部分の折り曲げ部で折り曲げて折り畳むことができ、これによって対向する支柱同士と梁部材同士を互いに接近させて全体を折り畳むことができる。また、折り畳み状態のパレットラックを開く際、連結部材をフォークの爪部等の支持機構で持ち上げた状態で降下させることで、サブビームの折り曲げ部を開いて物品等の積載物を積載可能にできる。そのため、サブビームの折り畳みや開き作動に際して安全で効率的な作業を行え、しかも、連結部材を支持して折り曲げたり開いたりする際、連結部材がサブビームや梁部材や支柱の変形を抑えるスタビライザーの役割を果たすことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係わるパレットラックによれば、不使用時にパレットラックを折り畳む際、例えばフォークリフトの爪等で連結部材を持ち上げることでサブビームを同時に折り曲げて折り畳むことができる。また、折り畳み状態のパレットラックを開いて展開する場合でも、連結部材を降下させることで、複数のサブビームが自重によって同時に開いてサブビームを展開させることができる。そのため、作業が簡単で効率的である。
また、パレットラックの折り畳みや展開の際、連結部材にフォークリフトの爪等を係止させて持ち上げや降下の作動を行えば、サブビームの折り曲げや開く作業を行うときに手や指等でサブビームや梁部材や柱を操作しないから、安全で効率的な作業を行える。
積載台としてサブビームが複数設けられていても、パレットラックを折り畳む際、個々のサブビームを個別に折り曲げると煩雑でパレットラックが変形するおそれがあるが、連結部材によって同時に複数のサブビームを折り曲げることでパレットラックの変形を防止することができ、連結部材はサブビームや支柱や梁部材等の変形を抑えてスタビライザーとしての機能を発揮できる。
また、パレットラックの不使用状態でパレットラックを折り畳めば、占有スペースが小さくなるから他の物品の収容スペースを広く確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例によるパレットラックを配列した状態の斜視図である。
【図2】パレットを積載したパレットラックの斜視図である。
【図3】サブビームを開いた物品積載可能状態のパレットラックを示す斜視図である。
【図4】(a)、(b)はパレットラックの折り畳み工程を示す斜視図である。
【図5】(a)、(b)、(c)はパレットラックのサブビームの折り曲げ工程を示す斜視図である。
【図6】(a)、(b)、(c)はパレットラックのスタビライザーの折り畳み工程を示す側面図である。
【図7】(a)はパレットラックにおける支柱に設けた倒れ防止部材と角部に設けた補強部材を示す側面図であり、(b)は倒れ防止部材を支柱に収容した状態の部分側面図である。
【図8】図7(b)に示す倒れ防止部材を収納した支柱を90度異なる角度から見た拡大説明図である。
【図9】(a)は支柱から倒れ防止部材を回動させて外側に飛び出させた状態の図、(b)は倒れ防止部材を水平状態にロックした図である。
【図10】倒れ防止部材のロック機構を示す分解斜視図である。
【図11】パレットラックを折り畳んだ状態の要部斜視図である。
【図12】本実施形態の変形例を示すものであり、梁部材に係止具を装着した折り畳み状態のパレットラックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によるパレットラックは、連結部材が梁部材間に配列される複数のサブビームを折り曲げ部で連結してなり、前記連結部材に連結されていて引き上げることで連結部材を介して複数のサブビームを折り曲げる引き上げ部材を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、パレットラックの折り畳み時や開き時に、引き上げ部材をフォークの爪部等で係止させて、持ち上げれば連結部材を介して複数のサブビームを同時に折り畳むことができ、また、引き上げ部材を降下させれば複数のサブビームを同時に開いて延ばすことができるため、手等を使わずに、折り畳み動作と開き動作を簡単且つ効率的に行うことができる。
【0012】
また、引き上げ部材は起立位置と倒伏位置とに切り換え可能であり、サブビームには倒れた引き上げ部材をサブビームから突出しない位置に収納する凹部が設けられていてもよい。
引き上げ部材を用いてサブビームの折り畳みや開き作動を行う際には、引き上げ部材は連結部材に対して起立状態に保持してフォークの爪部等を係止させる。そして、引き上げ部材の不使用時においては、引き上げ部材をサブビームの凹部内に収納できるから物品やパレット等を開いたサブビーム上に載置する際、引き上げ部材が邪魔にならない。
【0013】
また、梁部材間に設けた複数のサブビームを設けた積載部は支柱の高さ方向に所定の間隔を開けて複数段形成され、複数段の積載部におけるサブビームにそれぞれ設けられた連結部材同士を連結する連結機構を備え、最上段の積載部に設けた連結部材に引き上げ部材が設けられていることが好ましい。
本発明によるパレットラックによれば、複数のサブビームを並べた積載部が複数段設けられていても、各段のサブビームに挿通させた連結部材同士が連結機構によって接続されていて、引き上げ部材をフォークの爪部等で引き上げたり降下させたりすることで、複数段のサブビームを同時に折り曲げたり開いたりすることができる。そのため、パレットラックの折り畳みと開き作業が一層容易で効率的になる。
【0014】
また、支柱の下端部には、支柱に収納されていて飛び出し可能な車輪付きの倒れ防止部材が取り付けられており、倒れ防止部材は、支柱に収納された状態と支柱から飛び出して車輪で支持する状態とを選択的に取り得るようにしてもよい。
特に、パレットラックの折り畳み作動時と開き作動時には、サブビームの折り畳みと開き作動に連動して梁部材と共に支柱の間隔を狭めたり広げたりして開閉作動させ、支柱は倒れ防止部材の車輪によってスムーズに拡縮移動を行うことができる。そのため、パレットラックが倒れたりすることを防止できる。
【0015】
また、倒れ防止部材は四つの支柱にそれぞれ設けられ、倒れ防止部材が飛び出した状態で移動可能とされている。
パレットラックの折り畳みと開き作動に連動して支柱が開閉作動するから、倒れ防止部材の車輪によって支柱がスムーズに移動することになり、パレットラックが倒れることを防止できる。
【0016】
また、互いに連結される支柱と梁部材のコーナー部には、支柱と梁部材を着脱可能に連結する補強部材が設けられていてもよい。
この補強部材によって支柱と梁部材との強度を確保でき、物品等を積載しても支柱と梁部材とが変形することを防止できる。サブビームに物品等を出し入れする際には、補強部材を梁部材から後退させることで、物品等との干渉を防ぐ。
【0017】
本発明によるパレットラックユニットは、上述したいずれかに記載された複数のパレットラックにおいて、互いに近接または当接する柱は一体に連結されていることを特徴とする。
本発明によるパレットラックユニットによれば、複数のパレットラックを一体に形成することで、多くの物品をサブビームに載置できて、支柱の本数を少なくできるから部品点数を削減できて製造コストが低廉になる。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例によるパレットラックを図1乃至図11により説明する。
図1において、本発明の実施例によるパレットラック1は、物品2を積載して保管したり、物品2の保管状態で陸上輸送や海上輸送や航空機輸送等に用いて各種の物品2を搬送したりするものである。図1に示す例では、多数のパレットラック1の積載台に物品2を載置したパレット3を積載して保管し、或いは保管状態でパレットラック1を固定して各種の輸送に供されるものである。図1、図2に示すパレットラック1では、床面にもパレット3と物品2を載置しているが、パレットラック1を倉庫等に直置きする場合、床面には載置しなくてもよい。
【0019】
図2に示すパレットラック1は、物品用の積載台が例えば二段に形成されており、各段にパレット3が搭載されている。図2及び図3に示すパレットラック1は略直方体の枠状をなしており、パレットラック1に設けた四本の支柱10は対向する二つの側面を構成する一対の前側支柱10a,10aと背側支柱10b、10bである。前側支柱10a,10aと背側支柱10b、10bにはそれぞれ上下二段の梁部材11が固定されている。ここで、例えば上段の梁部材11を符号11a,下段の梁部材11を符号11bで示すとして、上段の梁部材11a、11aと下段の梁部材11b、11bは互いに対向している。
そして、上段の梁部材11a、11aには複数本(図では3本)の中折れ可能なサブビーム12が直交する方向に延びて架け渡されている。同様に下段の梁部材11b、11bにも複数本の中折れ可能なサブビーム12が直交する方向に架け渡されている。これら上下段の複数のサブビーム12、12は物品2等の積載台を構成する。積載台に物品2等が積載されていない場合には、図4に示すように、サブビーム12は折り畳み可能とされている。
また、パレットラック1の対向する他の二つの側面において、前側支柱10aと背側支柱10bには例えば略X字形状のスタビライザー14が上下方向に進退可能に支持されている。
【0020】
次にサブビーム12について図4乃至図6により説明する。
図5において、サブビーム12は例えば等しい長さの2本のビーム部材17、18で構成されている。これらビーム部材17,18は外側端部17a,18a両側に固定した断面略L字形状をなす一対の固定板19、19によって梁部材11,11に支持され、固定板19,19に取り付けられた支軸20回りに回動可能とされている。
図5(a)において、ビーム部材17、18の内側端部17b、18b同士は連結部材である棒状の連結軸部21によって回動可能に連結されている。そして、一方のビーム部材17は内側端部17bが切欠段部22を有すると共に連結軸部21を中心に円弧状に形成されている。他方のビーム部材18は内側端部18bがビーム部材17の内側端部17bを切欠段部22に係止するまで嵌合して嵌め合わされるよう断面コ字状に形成され、連結軸部21回りに回動可能とされている。
【0021】
そして、図5(b)に示すようにビーム部材17,18の内側端部17b、18b同士を嵌合させると、両者間に段差が形成されない。しかも、サブビーム12の折り曲げ時にビーム部材17,18の内側端部17b、18bでの連結軸部21回りの折り曲げ回動がスムーズに行われる(図5(c)参照)。
また、連結軸部21をサブビーム12の中央折り曲げ部に設けたことで、折り畳み時にサブビーム12が略均等に分割されるので、折り畳み時の形状をバランスさせてその体積を小さくできる。しかも、図3及び図4に示すように、連結軸部21は積載台として設けた3つのサブビーム12における各ビーム部材17,18の内側端部17b、18b同士の孔をそれぞれ貫通して配設されている。
【0022】
なお、図3及び図5に示す実施例では、複数のサブビーム12におけるビーム部材17,18の嵌合構造について、一方のビーム部材17に切欠段部22を設けて他方のビーム部材18を嵌合させた構成を採用しているが、これと逆の構造、即ちビーム部材18に切欠段部22を設けた構成にしてもよい。そして、複数のサブビーム12における切欠段部22を設けるビーム部材をその配列方向に沿ってビーム部材17とビーム部材18の交互に形成させてもよい。この場合には、複数のサブビーム12による積載台の物品等の支持強度が一層安定する。
図3bにおいて、連結軸部21は、上段の積載台を構成する3つのサブビーム12だけでなく、下段の積載台を構成する3つのサブビーム12にも同様に配設されている。そして、これら上下段の連結軸部21、21は連結機構である連結杆23によってリンク形状に連結されている。
【0023】
ここで、上段の連結軸部21と下段の連結軸部21を符号21a、21bで区別して表すとして、図5において、上段の連結軸部21aの上部には引き上げ部材24が略平行に配設され、連結軸部21aにおける各サブビーム12を挟む両側で連結軸部21aから起立する一対のクランクアーム25を介して引き上げ部材24に連結されている。なお、クランクアーム25は1つのサブビーム20につき1枚または両側に2枚のいずれを設けてよい。
引き上げ部材24は、図5(b)、(c)に示すように、クランクアーム25を介してサブビーム12から起立した起立状態と、サブビーム12上に倒した倒伏状態とを選択的に取り得るように連結軸部21a回りに回動可能とされている。上段のサブビーム12には、引き上げ部材24を倒した状態で、引き上げ部材24をサブビーム12内に収容できるように凹部26が形成されている。
【0024】
そのため、例えば図3に示すように、上下段の積載台をなすサブビーム12が水平状態に保持された状態から、例えばフォークリフトの爪Fで引き上げ部材24を係合させて引き上げると、図4(a)、(b)に示すように、連結軸部21a、21bを介して上下二段の各サブビーム12が折り曲げられて、パレットラック1が全体に折り畳まれる。
なお、水平状態にあるサブビーム12の各ビーム部材17,18の付け根側の裏面に各ビーム部材17,18を支持する支持部材28,28が梁部材11に取り付けられていてもよい。
【0025】
次に、スタビライザー14について図6により説明する。
図6(a)において、支柱10a、10b間に取り付けたスタビライザー14は、各一対の板状のアーム30、30が略X字状に交差しており、その交差部は支軸31で揺動可能に支承され、上下両端が支柱10a、10bに支持されている。各アーム30の下端部は図示しない軸に回動可能に支持されており、両アーム30の交差部である中央部には長溝30aがそれぞれ形成されて支軸31が嵌挿されることで回動可能に支持され、上端部にも長溝30b、30bが形成されて支軸32、32が嵌挿されて支持されている。
そのため、パレットラック1が折り畳まれて支柱10a、10bの間隔が狭まると、各アーム30,30は支軸31,32にガイドされて下端部を支点として回動されつつ上方に突出して互いに近接することになる。そして、パレットラック1の各支柱10a、10bはスタビライザー14で連結されているから、伸縮に際して捩れることなく平行移動する。
【0026】
次に、図7において、パレットラック1の前面側の一方の支柱10aと上段の梁部材11aとが交差するコーナー部近傍には、方づえ状の補強部材34が設けられている。この補強部材34はその一端が軸35によって支柱10aに回動可能に支持されている。そして、コーナー部近傍の梁部材11aには回動された補強部材34を係止させるための例えば略L字形状の係止部36が設けられている。また、支柱10aにおいて軸35の上方には補強部材34を受ける受け部37が設けられている。
同様な構成の補強部材34は支柱10aと下段の梁部材11bとの間にも設けられている。
そして、補強部材34は、梁部材11a、11bの各係止部36に係止された状態で支柱10aと梁部材11a、11bのコーナー部をまたぐように傾斜して方づえとして強固に固定され、パレットラック1の変形を防止できる。一方、積載台のサブビーム12上に物品2やパレット3を載置する場合には、係止部36に係止された補強部材34と干渉するおそれがあるため、補強部材34を受け部37に退避させることができる。そのため、受け部37の位置は補強部材34が係止部36と反対側に傾斜した位置とする。
この補強部材34は少なくとも前側の一方の支柱10aと背側の一方の支柱10bとに設ければよいが、4本の支柱10全てに設けても良い。
【0027】
次に、パレットラック1の倒れ防止部材40について図7乃至図10により説明する。
パレットラック1の各支柱10の下部には倒れ防止部材40が回動可能に設けられており、この倒れ防止部材40は、不使用時には支柱10内に収納され(図7(b)参照)、使用時には支柱10に対して直角に突出して固定保持される(図7(a)参照)。なお、図7(a)では一方の支柱10に設けた倒れ防止部材40は省略されている。
倒れ防止部材40はそれぞれパレットラック1の外側に突出するものとし、例えば前面側と背面側とで4本の各支柱10から互いに対向する位置に配設されるものとする。
図8に示す支柱10の下端部において、床面に接する支持部41には、倒れ防止部材40の例えば断面コの字状のベース部材42が軸部43回りに略90度正逆回転可能に支持されており、常態である不使用時にはベース部材42は支持部41の延長線をなす同一直線上で支柱10内に保持されている。そして、ベース部材42の延在方向において軸部43の近傍に第一車輪44が設けられ、自由端側に例えば2つの車輪からなる第二車輪45が設けられている。
【0028】
そして、支柱10内において、支持部41の外側には支持部41より高さの低いロック台46が固定されている。ロック台46の頂面46aにはロック用の長孔47が形成されている(図9参照)。一方、ベース部材42の車輪44,45側の面である背面42aをロック台46の頂面46aに面接触させて係止させるためのロック機構48が設けられている。
ベース部材42を軸部43回りに外側に回動させると図9(a)に示す状態になる。この状態でベース部材42はロック台46の上面に乗り上げて当接するが、第一車輪44及び第二車輪45のベース部材42の背面42aからの高さはロック台46の高さより若干大きく、しかも軸部43がロック台46の頂面46aより若干高い位置にあることで、ベース部材42は軸部43から自由端部に向けて上方に傾斜した状態に保持される。この状態で、ロック機構48とロック台46の長孔47が対向する位置にある。
【0029】
次に、ロック機構48について図10により説明する。
ベース部材42の背面42aにはT型ボルト49の頭部49aを外部に位置させて軸部49bを挿入させる孔部50が形成されており、孔部50内に挿入された軸部49bはスリーブ51を介して第一ナット52を螺合させ,更に長円形状の回転部材53の中央孔53aを貫通して第二ナット54を螺合して締め込まれる構造を有している。
回転部材53はその両側にピン53bが突出して形成されている。そして、T型ボルト49の頭部49aと回転部材53の一対のピン53bの方向とは長手方向が例えば同一方向となるように固定されている。一方、ベース部材42において、ロック機構48の近傍に十字溝55を形成したロック板56が開閉可能に取り付けられている。十字溝55はロック台46の長孔47の方向とこれに直交する方向に長溝55a、55bがそれぞれ形成されている。
【0030】
そして、図9(a)に示す状態から、ベース部材42の自由端を押すことで、ベース部材42の背面42aはロック台46の頂面46aに乗り上げて面接触するために、第一及び第二車輪44,45が床面に当接され、支柱10の下端が床面から上方に離間する(図9(b)参照)。この状態で、ロック機構48のT型ボルト49の頭部49aがロック台46の長孔47内に挿入される。
この状態で、ロック機構48を90度回転させると、T型ボルト49の頭部49aがロック台46の長孔47に直交する方向となってベース部材42が係止され、更に回転部材53に対してロック板56の十字溝55の長溝55bを嵌挿させる。長溝55bには回転部材53の一対のピン53bが突出してロック機構48を回転不能にロックする。
【0031】
これによって、図9(b)に示すように、ベース部材42が支柱10に直交する方向に飛び出してベース部材42の車輪44,46が床面に着座し、各支柱10が床面から浮くことで、パレットラック1を車輪44,45で走行可能に支持する構成となる。
ベース部材42とロック機構48によってパレットラック1を持ち上げて支持するのは、物品2等を載置しないパレットラック1の折り畳みと開き作動の場合であるから、これらの機構に大きな重量を支持する強度は必要ない。
なお、パレットラック1の支柱10,梁部材11、サブビーム12、スタビライザー14等は、例えば鉄系の鋼材やSUS、アルミやマグネシウム等の金属で形成されている。
【0032】
本実施例によるパレットラック1は上述の構成を有しており、次にその使用方法について説明する。
まず、パレットラック1は、パレット3や物品2を載置していない無負荷の状態で、図4(c)に示すように前側支柱10aが背側支柱10bと相互に接近され、各サブビーム12が中折れ状態に折り畳まれた折り畳み状態に保持されている。この状態で、物品2等を載置するためにパレットラック1を開く作業を行う。
これに先だって、各一対の支柱10a、10bから倒れ防止部材40を引き出して位置決め固定する作業について説明する。まず、図8に示すように、倒れ防止部材40のベース部材42は支持部41と同一直線上に保持されて支柱10内に収容されており、この状態で、図10に示すロック機構48の回転部材53はロック板56の十字溝55の一方の長溝55aに嵌合されている。そして、ロック板56をロック機構48の回転部材53から外しておく。
【0033】
そして、図9(a)に示すように、各支柱10からベース部材42を軸部43回りに外側に回動させ、その背面42aをロック台46の頂面46aに載せる。この状態でベース部材42は第一車輪44が床面に当接されている。T型ボルト49の頭部49aはロック台46の長孔47内に位置する。
この状態で、図9(b)に示すように、ベース部材42の自由端を作業者が足等で押すと、ベース部材42はロック台46の頂面46aに当接する背面42aを支点として支軸43を作用点として回動させ、支柱10を若干床面から浮かせると同時に第一及び第二車輪44,45が着地し、ベース部材42が床面と平行になる。このときT型ボルト49の頭部49aは長孔47を通してロック台46内に進入する。
【0034】
次に、回転部材53を操作してロック機構48を略90度回転させると、T型ボルト49の頭部49aがロック台46における長孔47の長手方向と直交する方向となり、ベース部材42をロック台46に固定する。この状態で、ロック機構48の回転部材53はT型ボルト49の頭部49aと同一方向に長手方向が位置しており、その上にロック板56を被せて長溝55bから回転部材53の2つのピン53bを突出させる。
このような作業を4本の支柱10全てに行い、各ベース部材42が例えば前側及び背側に対向して突出して各第一及び第二車輪44,45が同一方向を向くようにセットする。これにより、パレットラック1を折り畳み状態から広げる際、前側の支柱10aと背側の支柱10bをそれぞれ走行させることが可能になる。そして、各パレットラック1を所定の保管位置に移動させて保持する。
【0035】
この状態で、先ずパレットラック1において、引き上げ部材24を起立させて、引き上げ部材24の下側に図示しないフォークリフトの爪部Fを差し込み、サブビーム12が自重等で急激に開くことを防ぐ。爪部Fを降下させて、図4(a)に示すように、支柱10a、10bを次第に広げる等して各サブビーム12の一対のビーム部材17,18を次第に開いて、図3に示すようにパレットラック1が展開した物品積載可能状態となる。
【0036】
そして、引き上げ部材24を一方のビーム部材17側に倒して各凹部26内に収容する(図5(b)参照)。また、支柱10aと上下段の梁部材11a、11bとの間のコーナー部に架けられた補強部材34を係止部36に係止させた傾斜状態から反対側に傾斜させて受け部37に当接させ、物品2を積載する際に補強部材34と干渉することを防ぐ(図7参照)。
また、各支柱10の倒れ防止部材40についても、ロック機構48のロック板56を回転部材53から取り外し、回転部材53を約90度回転させることで、T型ボルト49の頭部49aによるロックを解除する。そしてベース部材42について、上述した飛び出し位置と逆の操作によって支柱10内に収容しておく。
【0037】
次に、図3に示すパレットラック1の上下段の積載台である直線状に延ばされた各サブビーム12上に、フォークリフトを用いてパレット3に積載された物品2を載置する。なお、図2に示すように、パレットラック1の最下段である床面上にもパレット3や物品2を載置することができる。物品2等をサブビーム12上に積載した状態で、補強部材34を梁部材11a、11b上の係止部36に係止させてパレットラック1を補強する。
上述した作業を各パレットラック1毎に行うことで、図1に示すように、倉庫内や船や車輌等に収納した全てのパレットラック1の各段に物品2を載置した状態に保持できる。このように物品2を各パレットラック1に載置することで、直接積み重ねできない物品であっても傷つけることなく整然と積載できる。
【0038】
次に倉庫内や船舶等による物品2の保管や輸送が終了して各パレットラック1から物品2を搬出した後の作業について説明する。
各パレットラック1のサブビーム12から物品2を積載したパレット3を例えばフォークリフトで取り除いた後、図9に示すように、各支柱10から倒れ防止部材40を外側に回動させて飛び出させてロックしておく。
この状態で、引き上げ部材24を各サブビーム12の凹部26から取り外し、起立状態に保持する。引き上げ部材24の下側にフォークリフトの爪部を挿入して、引き上げ部材24を上方に引っ張る。すると、図4(a)、(b)に示すように、上下段の連結軸部21a、21bは連結杆23を介して連結されているから、引き上げ部材24を引っ張るだけで、上段の3本のサブビーム12と下段の3本のサブビーム12とが同時に上方に引き上げられる。
これに連動して、上下段の各サブビーム12は連結軸部21a、21bを中心にビーム部材17,18が折り曲げられ、前側支柱10aと背側支柱10bが互いに近接する方向に移動する。このとき、連結軸部21a、21bはそれぞれスタビライザー的な役割を果たすから、各ビーム部材17,18や支柱10a、10bが捩れることを防止できる。
【0039】
しかも、支柱10a、10bの接近移動と同時に、図6(a)〜(c)に示すように、スタビライザー14の各アーム30は、支柱10a、10bに支持された下端部を中心に支軸31、32でガイドされて長溝30a、30bが上方に向けて摺動しながら回動する。そして、対向する支柱10a、10bが最も近接した図6(c)に示す位置で、アーム30も最も上方に延びて保持される。
こうして、パレットラック1が折り畳み完了状態になる。そして、これら複数のパレットラック1を1箇所に寄せ集めて保管すれば、その占有スペースが小さくなる。
【0040】
上述のように本実施例によるパレットラック1によれば、物品2を載置する中折れ可能な複数のサブビーム12の中央部に連結軸部21を挿通させ、連結軸部21に連結させた引き上げ部材24にフォークリフトの爪部Fを引っかけることで、連結軸部21を上下動させて複数のサブビーム12を同時に折り曲げ、或いは開くことができるようにしたから、作業員の手等を挿入してサブビーム12の折り曲げと開く動作を行わなくてよくて安全であり、しかも効率的なサブビーム12の開閉を行える。
更に、上下段のサブビーム12にそれぞれ嵌挿させて設けた連結部材21a、21bを連結杆23で連結させてリンクさせれば、1本の引き上げ部材24を操作するだけで複数段の積載台の各サブビーム12を同時に折り曲げたり開いたりすることができる。
また、各積載台を構成する複数のサブビーム12をそれぞれ連結軸部21で連結させた構成であるから、連結部材21がスタビライザーの機能を発揮できて折り畳みと開き動作に際してパレットラック1を変形させたり歪ませたりすることを防止できる。
【0041】
また、パレットラック1を折り畳んだり開いたりする際、第一及び第二車輪44,45を取り付けたベース部材42を飛び出させて各支柱10を浮かせて移動可能にしたから、パレットラックの折り畳みと開き動作をスムーズに行うことができる。その際、ロック機構48によって各ベース部材42に対して支柱10を浮かせた状態でロックすることができるため、パレットラック1が倒れたり、床面を傷つけたりすることがない。
また、パレットラック1に着脱可能な補強部材34を設けたから、パレットラック1の骨組み構造を強固にすることができる上に、物品2等をサブビーム12の積載台に荷積みしたり荷下ろししたりする際には、補強部材34を外すことで物品2等と干渉することを防止できる。
【0042】
しかも、物品2を搬送するに際し、往路でパレットラック1に物品2を載置して運搬した後、復路で物品2やパレット3をパレットラック1から取り外した折り畳み状態とすることで、図11に示すように空いたスペースを広く確保することができる。そのため、形状や大きさ等の異なる他の物品を空いたスペースに載置して輸送できて経済的である。
【0043】
なお、本発明は上述の実施例によるパレットラック1に限定されることはなく、本発明の要旨を変更しない限り種々の変更を行うことができる。次に本発明の実施例の変形例について説明する。
図12は、折り畳んだパレットラック1について、むやみに開いたりしないようにロック部材60を設けたものである。ロック部材60は、折り畳まれた梁部材11、11や支柱10,10が開かないように把持する係止板61、61が設けられていてもよい。
パレットラック1を折り畳んだ状態で、二本の梁部材11a、11aや11b、11b、或いは支柱10a、10bをロック部材60で嵌合させて保持できる。
【0044】
また、図12により、スタビライザー14の変形例について説明する。
図12において、変形例によるスタビライザー64は、支柱10a、10bから上下二段で平行に延びる各二本のアーム部65、65同士の交差部に設けた2つの支軸を中央アーム部66で連結して、回動可能にしたものである。
図12に示すスタビライザー64はパレットラック1が折り畳まれた状態を示すものであり、各アーム部65,66の自重で降下している。パレットラック1が開いた状態では、スタビライザー64は略H字状に形成されている。そして、中央アーム部66に下方に自重がかかるために、スタビライザー64は自重で折り畳み方向に付勢されているといえる。
このような変形例でも上述した実施例と同様な機能を発揮できる。
また、スタビライザー64は自重によって下方に折れ曲げ可能に構成したが、これに代えて上方に折れ曲げ可能として折り畳むようにしてもよい。
【0045】
また、図1に示すように複数のパレットラック1を配列させた場合、隣接する複数のパレットラック1同士で用いる支柱10が4本または2本近接または当接して配設されている。この場合、近接または当接して配置された複数の支柱10同士を一体の支柱として形成してもよい。この場合には、支柱10の本数を削減できてコストを低減できる。
また、上述の実施例において、パレットラック1の複数のサブビーム12からなる積載台にパレット3を載置させずに、直接物品2を載置させるようにしてもよい。パレット3に積載する物品2はパネル等に限らず、積層が困難なものや不定形物等の全ての物品を含む。
【0046】
なお、上述の実施例によるパレットラック1では、複数のサブビーム12からなる積載台を上下2段に形成したが、2段に限定されることなく、1段または3段以上でもよいことはいうまでもない。その際、支柱10の下端部に梁部材11を対向して設けて複数のサブビーム12を架け渡し、これを最下段の積載台としてもよい。
また、積載台を構成する複数のサブビーム12に挿通させる連結軸部21は必ずしも中央の折り曲げ部でビーム部材17,18に取り付けなくてもよく、中央部からサブビーム12の端部側にずれて設けてもよい。
【0047】
また、上述の実施例では、パレットラック1の引き上げ部材24を連結軸部21aに対して起立と倒伏を切り換え可能なように回動可能に構成し、引き上げ部材24にフォークリフトの爪部Fを挿入して係止させるようにしたが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば最上段の連結軸部21aに直接フォークリフトの爪部Fを引っかけて引き上げと降下の作業を行って、パレットラック1の折り畳みと開き作業を行うようにしてもよい。この場合、フォークリフトの爪部Fをフック状に形成しておくと引っかけ操作が一層容易になる。
また、サブビーム12に載置する物品がシート状のフィルムや紙等を巻回したロール状の物品である場合、パレット3を使用しなくてもよく、この場合、2本のサブビーム12間にロール状の物品を嵌挿させて両側の軸芯をサブビーム12で吊り下げ支持するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 パレットラック
2 物品
10 支柱
10a 前側支柱
10b 背側支柱
11,11a、11b 梁部材
12 サブビーム
14、64 スタビライザー
17、18 ビーム部材
23 連結杆
21、21a、21b 連結軸部
24 引っかけ部材
25 クランクリンク
26 凹部
34 補強部材
36 係止部
40 倒れ防止部材
42 ベース部材
43 支軸
44 第一の車輪
46 第二の車輪
48 ロック機構
49 T型ボルト
49a 頭部
46 ロック台
47 長孔
55 十字溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結した支柱と梁部材を対向して配設してなり、対向する前記梁部材間にサブビームを架け渡してなる積載部を備えた折り畳み可能なパレットラックであって、
前記サブビームは長さ方向途中部分で折り曲げ可能に配設され、持ち上げることで前記サブビームを折り曲げさせる連結部材が前記サブビームに設けられていることを特徴とするパレットラック。
【請求項2】
前記連結部材は梁部材間に配列される複数のサブビームを折り曲げ部で連結してなり、前記連結部材に連結されていて引き上げることで前記連結部材を介して複数のサブビームを折り曲げる引き上げ部材を備えた請求項1に記載されたパレットラック。
【請求項3】
前記引き上げ部材は起立位置と倒伏位置とに切り換え可能であり、前記サブビームには倒れた前記引き上げ部材をサブビームから突出しない位置に収納する凹部が設けられている請求項2に記載されたパレットラック。
【請求項4】
前記梁部材間に設けた複数のサブビームを設けた積載部は前記支柱の高さ方向に所定の間隔を開けて複数段形成され、複数段の前記積載部におけるサブビームにそれぞれ設けられた前記連結部材同士を連結する連結機構を備え、最上段の積載部に設けた前記連結部材に前記引き上げ部材が設けられている請求項2または3に記載されたパレットラック。
【請求項5】
前記支柱の下端部には、該支柱に収納されていて飛び出し可能な車輪付きの倒れ防止部材が取り付けられており、該倒れ防止部材は、前記支柱に収納された状態と該支柱から飛び出して車輪で支持する状態とを選択的に取り得るようにした請求項1乃至4のいずれか1項に記載されたパレットラック。
【請求項6】
前記倒れ防止部材は四つの支柱にそれぞれ設けられ、前記倒れ防止部材が飛び出した状態で移動可能とされた請求項5に記載されたパレットラック。
【請求項7】
互いに連結される前記支柱と梁部材のコーナー部には、前記支柱と梁部材を着脱可能に連結する補強部材が設けられている請求項1乃至6のいずれか1項に記載されたパレットラック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−41159(P2012−41159A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185593(P2010−185593)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】