説明

パワーウインドウスイッチ

【課題】窓ロックボタンを窓操作ノブの前方に設けたパワーウインドウスイッチにおいて、基板の設計自由度を高くすること。
【解決手段】ケース1上で窓ロックボタン6を窓操作ノブ2〜5の前方に設け、ケース1内に基板8と窓操作スイッチ機構12〜15と窓ロックスイッチ機構16を設け、コネクタ9の端子10の一端10aをケース1から突出させ、端子10の他端10bを基板8に接続したパワーウインドウスイッチ100において、窓ロックスイッチ機構16は、導電性を有する2つの板ばね26、27と、板ばね26を押圧する操作子23およびコイルばね25を備える。各板ばね26、27の一端26a、27aに接点26c、27cを設け、他端を端子10の他端10bの近傍で基板8に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーウインドウスイッチに関し、特に窓ロック用のスイッチ機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用のパワーウインドウスイッチの構造が、たとえば特許文献1〜4に開示されている。パワーウインドウスイッチのケース上には、窓操作ノブと窓ロックボタンなどが設けられている。窓操作ノブは、車両の窓ガラスを開閉するために操作される。窓ロックボタンは、窓ガラスを開閉できないようにロックするために操作される。
【0003】
ケース内には、基板と、窓操作スイッチ機構と、窓ロックスイッチ機構などが設けられている。窓操作スイッチ機構は、窓操作ノブの操作に応じて作動する。窓ロックスイッチ機構は、窓ロックボタンの操作に応じて作動する。
【0004】
ケースの下部または後部には、給電や信号授受を行うためのコネクタが設けられている。コネクタの端子は、一端がケースから突出され、他端が基板に接続されている。コネクタには、車両に備わる制御装置などと接続するためのケーブルが挿し込まれる。
【0005】
窓操作スイッチ機構と窓ロックスイッチ機構には、操作子と、接点を内蔵した小型スイッチなどがそれぞれ備わっている。小型スイッチとしては、スライドスイッチや直切りスイッチやマイクロスイッチなどが用いられている。また、小型スイッチに代えて、接点を有する導電体が備わっているものもある。小型スイッチや導電体は、基板に接続されている。操作子は、窓操作ノブまたは窓ロックボタンの操作に連動して、小型スイッチの接点や導電体の接点を開閉させる。特許文献5には、導電性を有する2つの板ばねに接点が設けられたスイッチ機構が記載されている。
【0006】
窓操作ノブの操作時に、窓ロックボタンに手が当たって該ボタンが誤操作されるのを防止するため、窓ロックボタンは窓操作ノブの前方に設けられている。これに対応させて、窓ロックスイッチ機構も窓操作スイッチ機構の前方に設けられている。
【0007】
しかしながら、窓ロックボタンや窓ロックスイッチ機構を前方に設ける場合、コネクタから窓ロックスイッチ機構の接点に給電するために、基板上に幅広の配線を長く引き回して形成しなければならない。そのため、基板の設計の自由度が低くなり、基板上に他の部品や配線や回路などを実装したり、孔を開けたりするのが困難になってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3259883号公報
【特許文献2】特許第4429137号公報
【特許文献3】特許第4047034号公報
【特許文献4】特許第3670120号公報
【特許文献5】特開2002−175735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、窓ロックボタンを窓操作ノブの前方に設けたパワーウインドウスイッチにおいて、基板の設計自由度を高くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ケースと、ケース内に収納された基板と、ケース上に設けられた窓操作ノブと、ケース上の窓操作ノブの前方に設けられた窓ロックボタンと、ケース内に設けられ、窓操作ノブの操作に応じて作動する窓操作スイッチ機構と、ケース内に設けられ、窓ロックボタンの操作に応じて作動する窓ロックスイッチ機構と、一端がケースから突出し他端が基板に接続された端子を有するコネクタと、を備えたパワーウインドウスイッチであって、窓ロックスイッチ機構は、導電性を有する2つの板ばねと、該板ばねを押圧する押圧手段とを備える。各板ばねは、一端に接点が設けられ、他端がコネクタの端子の他端の近傍で基板に接続される。そして、窓ロックボタンを操作することにより、押圧手段が板ばねを押圧してまたは該押圧を解放して、接点同士が接離する。
【0011】
上記の構成により、基板上で、コネクタの端子の接続部分から、該接続部分の近傍にある窓ロックスイッチ機構の各板ばねの接続部分まで、短い配線を形成すれば、コネクタから各板ばねの接点に給電することができる。よって、基板上に幅広の配線を長く引き回して形成する必要がなくなり、窓ロックボタンを窓操作ノブの前方に設けたパワーウインドウスイッチにおいて、基板の設計自由度を高くすることができる。また、窓ロックボタンの操作により、窓ロックスイッチ機構の2つの板ばねの接点を開閉させることができる。
【0012】
また、本発明では、上記のパワーウインドウスイッチにおいて、窓操作スイッチ機構は、前後方向に間隔をおいて複数設けられ、コネクタの端子の他端と各板ばねの他端とを、前後の各窓操作スイッチ機構の間で基板に接続するようにしてもよい。
【0013】
さらに、本発明では、上記のパワーウインドウスイッチにおいて、各板ばねを、基板の窓操作ノブおよび窓ロックボタンがある側とは反対側に配置するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、窓ロックボタンを窓操作ノブの前方に設けたパワーウインドウスイッチにおいて、基板の設計自由度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態によるパワーウインドウスイッチの斜視図である。
【図2】図1のパワーウインドウスイッチの断面図である。
【図3】図1のパワーウインドウスイッチのケースを外した状態を上方から見た斜視図である。
【図4】図1のパワーウインドウスイッチのケースを外した状態を下方から見た斜視図である。
【図5】図1のパワーウインドウスイッチのケースを外した状態の側面図である。
【図6】図1のパワーウインドウスイッチに備わるプッシュロック機構の要部の拡大図である。
【図7】図1のパワーウインドウスイッチに備わる窓ロックスイッチ機構の要部の拡大図である。
【図8】他の実施形態によるパワーウインドウスイッチのケースを外した状態の側面図である。
【図9】他の実施形態によるパワーウインドウスイッチのケースを外した状態の側面図である。
【図10】他の実施形態によるパワーウインドウスイッチのケースを外した状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
【0017】
図1に示すパワーウインドウスイッチ100は、車両の運転席のドアに設置されたアームレストに取り付けられる。パワーウインドウスイッチ100のケース1は、図2に示すように、上側部材1aと下側部材1bを嵌め合わせることで組み立てられる。なお、以下では、図2で左方向を前方、右方向を後方とする。
【0018】
ケース1上には、図1に示すように、窓操作ノブ2〜5と、窓ロックボタン6と、ドアロックボタン7が設けられている。窓操作ノブ2〜5は、前後方向に間隔をおいて複数設けられている。すなわち、1組の隣接する窓操作ノブ2、3は前側に、もう1組の隣接する窓操作ノブ4、5は、窓操作ノブ2、3と間隔をおいて後側に、それぞれ配置されている。窓ロックボタン6とドアロックボタン7は、ケース1上の窓操作ノブ2〜5の前方に配置されている。これらのノブ2〜5やボタン6、7は、パワーウインドウスイッチ100の後方側から操作されるので、ボタン6、7がノブ2〜5の後方に配置されていると、窓操作ノブ2〜5の操作時に、ボタン6、7に手が当たって、ボタン6、7を誤操作するおそれがある。そこで、ボタン6、7をノブ2〜5の前方に配置することで、このような誤操作を防止している。
【0019】
窓操作ノブ2は、運転席の窓ガラスを開閉するために揺動操作される。窓操作ノブ3は、助手席の窓ガラスを開閉するために揺動操作される。窓操作ノブ4、5は、後部座席の左右の窓ガラスを開閉するために揺動操作される。
【0020】
窓ロックボタン6は、各席の窓ガラスを開閉できないようにロックしたり、該ロックを解除したりするために押下操作される。ドアロックボタン7は、各席のドアを開かないようにロックしたり、該ロックを解除したりするために揺動操作される。
【0021】
図2および図3に示すように、ケース1内には、基板8と、各窓操作ノブ2〜5に対応する窓操作スイッチ機構12〜15と、窓ロックボタン6に対応する窓ロックスイッチ機構16などが設けられている。
【0022】
窓操作スイッチ機構12〜15は、各窓操作ノブ2〜5の直下に配置されている。すなわち、窓操作スイッチ機構12、13は前側に、窓操作スイッチ機構14、15は、窓操作スイッチ機構12、13と間隔をおいて後側に、それぞれ配置されている(図3参照)。窓操作スイッチ機構12〜15は、各窓操作ノブ2〜5の操作に応じて作動する。
【0023】
窓ロックスイッチ機構16のほとんどの部分は、窓ロックボタン6の直下で、窓操作スイッチ機構12〜15の前方の基板8上に配置されている。窓ロックスイッチ機構16は、窓ロックボタン6の操作に応じて作動する。
【0024】
以上の他にも、ケース1内には、ドアロックボタン7に対応するドアロックスイッチ機構が設けられている(図示省略)。ドアロックスイッチ機構は、ドアロックボタン7の直下で、窓操作スイッチ機構12〜15の前方の基板8上に配置されている。ドアロックスイッチ機構は、ドアロックボタン7の操作に応じて作動する。
【0025】
基板8は、ケース1の上側部材1aと下側部材1bに上下から挟み込まれて支持されている。基板8には、電子部品や配線や回路が実装されている。
【0026】
ケース1の下部には、端子10を備えたコネクタ9が設けられている。コネクタ9のハウジング9aは、ケース1の下側部材1bと一体に形成されている。コネクタ9の端子10の一端10aは、下側部材1bから突出し、他端10bは、基板8に接続されている。詳しくは、図2〜図4に示すように、基板8において、前側の窓操作スイッチ機構12、13と、後側の窓操作スイッチ機構14、15との間には、スペースに余裕がある。そこで、このスペース、つまり前後の各窓操作スイッチ機構の間で、コネクタ9の端子10の他端10bは基板8に接続されている。
【0027】
コネクタ9には、車両に備わる制御装置などと接続するためのケーブルが挿し込まれる(図示省略)。コネクタ9にケーブルが挿し込まれることにより、パワーウインドウスイッチ100への給電や、パワーウインドウスイッチ100と制御装置などとの間の信号授受が可能となる。
【0028】
図2に示すように、窓操作スイッチ機構12には、操作子17〜19とゴム部材20が備わっている。ゴム部材20は、導電性を有していて、基板8に取り付けられている。ゴム部材20には、可動接点20a、20b、20cが設けられている。可動接点20a、20b、20cの直上のゴム部材20上には、操作子17〜19が取り付けられている。操作子17〜19の上端は、窓操作ノブ2に設けられた凸部2a、2b、2cに係合されている。
【0029】
可動接点20a、20b、20cの直下の基板8上には、図3に示すように、固定接点8a、8b、8cが設けられている。固定接点8a、8b、8cとコネクタ9の端子10との距離が近いので、端子10から固定接点8a、8b、8cへ給電するための短い配線が基板8上に形成されている(図示省略)。
【0030】
図2に示す初期状態から、窓操作ノブ2を揺動操作することにより、操作子17〜19が、窓操作ノブ2の凸部2a〜2cに押し下げられたり、ゴム部材20に押し上げられたりして、可動接点20a、20b、20cと固定接点8a、8b、8cが接離する。このような可動接点20a、20b、20cと固定接点8a、8b、8cの開閉状態が、基板8とコネクタ9とケーブルとを介して、制御装置に出力されることにより、運転席の窓ガラスが開閉される。
【0031】
窓操作スイッチ機構13〜15には、操作子21とスライドスイッチ22が備わっている(図2では、窓操作スイッチ機構14のみ図示)。操作子21は、窓操作ノブ3〜5と一体に形成されている。スライドスイッチ22の上部には、操作部22aが設けられている。操作部22aは、操作子21の下端に設けられた凹部21aに係合されている。スライドスイッチ22の内部には、接点とばねなどが設けられている(図示省略)。
【0032】
スライドスイッチ22は、図3に示すように、基板8に接続されている。スライドスイッチ22とコネクタ9の端子10との距離が近いので、端子10からスライドスイッチ22の内部の接点へ給電するための短い配線が基板8上に形成されている(図示省略)。
【0033】
図2に示す初期状態から、窓操作ノブ3〜5を揺動操作することにより、操作子21が操作部22aを前後方向に摺動させて、スライドスイッチ22の内部の接点を開閉させる。スライドスイッチ22の内部の接点の開閉状態が、基板8とコネクタ9とケーブルとを介して、制御装置に出力されることにより、助手席と後部座席の窓ガラスがそれぞれ開閉される。
【0034】
窓ロックスイッチ機構16には、操作子23と、2つのコイルばね24、25と、2つの板ばね26、27が備わっている。操作子23は、ケース1の上側部材1aに設けられた筒部1c内に挿通されている。操作子23の上端部には、窓ロックボタン6が取り付けられている。操作子23の鍔部23aと筒部1c内の段差部1hの間には、コイルばね24が設けられている。コイルばね24は、操作子23の鍔部23aを上方へ押圧する。
【0035】
コイルばね24の下方において、操作子23の外周面には、リブ部23bが等間隔で4つ設けられている(図3参照)。各リブ部23bは、操作子23の軸方向へ延びている。筒部1cの内周面には、図6(内周面の展開図)に示すような、ロック突起1dが等間隔で4つ設けられている。操作子23、リブ部23b、筒部1c、コイルばね24、およびロック突起1dは、いわゆるプッシュロック機構を構成する。
【0036】
図6は、上記プッシュロック機構の要部の拡大図である。詳しくは、操作子23のリブ部23bと筒部1cのロック突起1dの展開図である。各リブ部23bの上端には、傾斜面23cが形成されている。各ロック突起1dには、2段の傾斜面1e、1fと段差部1gとが形成されている。各リブ部23bの傾斜面23cは、各ロック突起1dの傾斜面1e、1fを摺動する。各リブ部23bは、各ロック突起1dの段差部1gに係合する。
【0037】
コイルばね25と各板ばね26、27は、図2〜図5に示すように、基板8の窓操作ノブ2〜5および窓ロックボタン6がある表側とは反対の裏側に配置されている。各板ばね26、27は、導電性を有する金属(たとえば、銅)を折り曲げて形成されている。
【0038】
図7は、窓ロックスイッチ機構16の要部の拡大図である。詳しくは、板ばね26、27の接点26c、27cの近傍の拡大図である。板ばね26の接点26cは、凸形に形成されている。板ばね27の接点27cは、2つの傾斜面27d、27eを有する凹形に形成されている。板ばね27の接点27cの近傍部分は、ケース1の下側部材1bに固定されている。
【0039】
板ばね26の一端26aには、図2および図5に示すように、被押圧部26dが設けられている。操作子23は、板ばね26の被押圧部26dを下方へ押圧する。コイルばね25は、図2に示すように、ケース1の下側部材1bに形成された凹部1jに嵌め込まれている。コイルばね25は、板ばね26の被押圧部26dを上方へ押圧する。操作子23およびコイルばね25は、本発明の「押圧手段」の一例である。
【0040】
各板ばね26、27の他端26b、27bは、図4に示すように、コネクタ9の端子10の他端10bの近傍で基板8に接続されている。すなわち、図2〜図4に示すように、基板8においてスペースに余裕がある、前側の窓操作スイッチ機構12、13と後側の窓操作スイッチ機構14、15との間で、各板ばね26、27の他端26b、27bは基板8に接続されている。
【0041】
各板ばね26、27の他端26b、27bとコネクタ9の端子10との距離が近いので、端子10から各板ばね26、27の接点26c、27cへ給電するための短い配線が基板8上に形成されている(図示省略)。
【0042】
図2および図5(a)に示す初期状態では、図6(a)に示すように、操作子23の各リブ部23bが筒部1cの各ロック突起1dから外れている。このため、操作子23および窓ロックボタン6がコイルばね24に押し上げられて、操作子23の下端が板ばね26の被押圧部26dから離間している。
【0043】
また、コイルばね25が板ばね26の被押圧部26dを上方へ押圧して、図7(a)に示すように、板ばね26の接点26cが板ばね27の接点27cの傾斜面27d、27eに接触している。すなわち、板ばね26、27の接点26c、27cが閉じた状態になっている。
【0044】
このような初期状態から、窓ロックボタン6を押下操作すると、操作子23が下降して、図6(b)に示すように、各リブ部23bの傾斜面23cが各ロック突起1dの1段目の傾斜面1eを摺動する。そして、図6(c)に示すように、各リブ部23bが各ロック突起1dの段差部1gに係合して、図5(b)に示すように、操作子23および窓ロックボタン6が下降位置にロックされる。
【0045】
このため、操作子23が板ばね26の被押圧部26dを下方へ押圧して、図7(b)に示すように、板ばね26の接点26cが板ばね27の接点27cの傾斜面27d、27eから離間する。すなわち、板ばね26、27の接点26c、27cが開いた状態となる。
【0046】
この後、再びロックボタン6を押下操作すると、操作子23が下降して、図6(d)に示すように、各リブ部23bの傾斜面23cが各ロック突起1dの段差部1gを乗り越えて2段目の傾斜面1fを摺動する。そして、各リブ部23bが各ロック突起1dから外れると、操作子23および窓ロックボタン6がコイルばね24によって押し上げられて、図2および図5(a)に示す初期状態に復帰する。すなわち、操作子23の下端が板ばね26の被押圧部26dから離間して、操作子23による被押圧部26dの押圧が解放される。
【0047】
このため、コイルばね25が板ばね26の被押圧部26dを上方へ押圧して、図7(a)に示すように、板ばね26の接点26cが板ばね27の接点27cの傾斜面27d、27eに接触する。すなわち、板ばね26、27の接点26c、27cが閉じた状態になる。
【0048】
本実施形態では、上記のように、基板8上で、コネクタ9の端子10の接続部分から、該接続部分の近傍にある、窓ロックスイッチ機構16の各板ばね26、27の他端26b、27bの接続部分まで、短い配線を形成すれば、コネクタ9から各板ばね26、27の接点26c、27cに給電することができる。よって、基板8上に幅広の配線を長く引き回して形成する必要がなくなり、基板8の設計自由度を高くすることができる。
【0049】
また、本実施形態では、窓ロックボタン6を窓操作ノブ2〜5の前方に設けているので、窓操作ノブ2〜5の操作時に、窓ロックボタン6を誤操作するのを防止することができる。
【0050】
また、本実施形態では、窓ロックボタン6を押下操作することにより、操作子23やコイルばね25が板ばね26の被押圧部26dを押圧したり、操作子23が被押圧部26dの押圧を解放したりして、窓ロックスイッチ機構16の板ばね26、27の接点26c、27cを開閉させることができる。
【0051】
また、本実施形態では、コネクタ9の端子10の他端10bと各板ばね26、27の他端26b、27bとを、基板8においてスペースに余裕がある、前側の窓操作スイッチ機構12、13と後側の窓操作スイッチ機構14、15との間で基板8に接続しているので、基板8の設計自由度をより高くすることができる。
【0052】
さらに、本実施形態では、各板ばね26、27を、基板8の窓操作ノブ2〜5および窓ロックボタン6が無い裏側に配置しているので、基板8の表側でスペースに余裕が生じ、基板8の設計自由度をより高くすることができる。
【0053】
本発明は、上述した以外にも種々の実施形態を採用することができる。たとえば、上記実施形態では、コイルばね24の弾性力によって操作子23を押し上げて初期状態に復帰させた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。これ以外に、たとえば、コイルばね24を省略して、図8に示すように、コイルばね25と板ばね26の弾性力によって操作子23を押し上げて初期状態に復帰させるようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、図5などに示したように、板ばね27の凹形の接点27cを、板ばね26の凸形の接点26cの上方に配置して、接点26c、27c同士を接離させた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。これ以外に、たとえば、図9に示すように、板ばね37の凹形の接点37cを、板ばね36の凸形の接点36cの下方に配置し、操作子23で板ばね36を下方へ押圧したり該押圧を解放したりして、接点36c、37c同士を接離させるようにしてもよい。また、図10に示すように、板ばね47の凹形の接点47cを、板ばね46の凸形の接点46cの下方に配置して、操作子23またはコイルばね25で板ばね47を押圧して、接点46c、47c同士を接離させるようにしてもよい。
【0055】
さらに、上記実施形態では、板ばね26、27を基板8の裏側に配置した例を示したが、本発明はこれに限るものではない。これ以外に、たとえば、窓操作スイッチ機構に備わる接点やスイッチが基板の裏側に設けられた場合などには、窓ロックスイッチ機構の2つの板ばねを、窓操作ノブや窓ロックボタンがある基板の表側に配置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 ケース
2〜5 窓操作ノブ
6 窓ロックボタン
8 基板
9 コネクタ
10 端子
10a 端子の一端
10b 端子の他端
12〜15 窓操作スイッチ機構
16 窓ロックスイッチ機構
23 操作子
25 コイルばね
26、27、36、37、46、47 板ばね
26a、27a 板ばねの一端
26b、27b 板ばねの他端
26c、27c、36c、37c、46c、47c 接点
100 パワーウインドウスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
ケース内に収納された基板と、
ケース上に設けられた窓操作ノブと、
ケース上の前記窓操作ノブの前方に設けられた窓ロックボタンと、
前記ケース内に設けられ、前記窓操作ノブの操作に応じて作動する窓操作スイッチ機構と、
前記ケース内に設けられ、前記窓ロックボタンの操作に応じて作動する窓ロックスイッチ機構と、
一端が前記ケースから突出し他端が前記基板に接続された端子を有するコネクタと、を備えたパワーウインドウスイッチにおいて、
前記窓ロックスイッチ機構は、導電性を有する2つの板ばねと、該板ばねを押圧する押圧手段と、を備え、
前記各板ばねは、一端に接点が設けられ、他端が前記コネクタの前記端子の他端の近傍で前記基板に接続され、
前記窓ロックボタンを操作することにより、前記押圧手段が前記板ばねを押圧してまたは該押圧を解放して、前記接点同士が接離する、ことを特徴とするパワーウインドウスイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載のパワーウインドウスイッチにおいて、
前記窓操作スイッチ機構は、前後方向に間隔をおいて複数設けられ、
前記コネクタの前記端子の他端と前記各板ばねの他端とを、前後の前記各窓操作スイッチ機構の間で前記基板に接続した、ことを特徴とするパワーウインドウスイッチ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のパワーウインドウスイッチにおいて、
前記各板ばねを、前記基板の前記窓操作ノブおよび前記窓ロックボタンがある側とは反対側に配置した、ことを特徴とするパワーウインドウスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−4465(P2013−4465A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137414(P2011−137414)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(510123839)オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 (110)
【Fターム(参考)】