説明

パンチ処理装置用駆動カム

【課題】ホームポジションから負荷のかかる穿孔時までにパンチストロークをゆっくりと動作させて、低トルクで穿孔可能なものを提供する。
【解決手段】パンチ13を押下し記録紙を穿孔するまでの穿孔動作に要する駆動カム17の回動角度量の方が穿孔後の元の位置へ復帰するまでの戻り動作に要する駆動カム17の回動角度量の方より大きくなるように、駆動カム17のカム面を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタまたはそれらの複合機などの画像形成装置から排出された記録紙にパンチ孔をあけることができるパンチ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置によって画像が記録された各記録紙に、各種の後処理作業を行うことができる記録紙後処理装置が各種開発されている。
【0003】
この記録紙後処理装置にあっては、例えば特開平8-25292号公報に記載のパンチ処理装置を備えたものが知られている。
【0004】
このパンチ装置は、駆動カムが回転駆動することによって、カムホルダが押圧され、このカムホルダに取り付けたパンチが押下されて記録紙にパンチ孔をあけるようになっている。さらに、その駆動カムが回転すると、駆動カムがカムホルダを上方へ押し上げるように作用し、パンチがホームポジションである待機位置に復帰する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−025292号公報
【特許文献2】特開平07−136990号公報
【特許文献3】特開平10−309694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このパンチ処理装置にあっては、パンチ孔をあけるまでの駆動カムの回動角度量、即ち、押圧角が180度に設定されており、換言すれば、駆動カムは、穿設するのに180度、復帰するのに180度で回動動作することを要している。
【0007】
従って、このパンチ処理装置にあっては、負荷のかかる穿孔時に、駆動カムを180度しか回動動作させていないから、パンチのストローク動作をゆっくりと行うことができず、穿孔時に大きなトルクを必要とする、といった不都合を生じている。
【0008】
そこで、この発明は、上記した事情に鑑み、ホームポジションから負荷のかかる穿孔時までに、パンチストロークをゆっくりと動作させて、低トルクで穿孔が可能となるパンチ処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのため、請求項1に記載の発明は、画像形成装置から排出された記録紙にパンチでパンチ孔をあけるパンチ処理装置であって、
モータなどの駆動源により回転する回転軸に固定されその回転動作によって回動する駆動カムと、
記録紙に穿孔するパンチを一体に取付け前記駆動カムの回動動作によって往復運動するカムホルダと、
前記パンチの移動動作をガイドするガイド部材と
を備え、
前記パンチを押下し記録紙を穿孔するまでの穿孔動作に要する前記駆動カムの回動角度量の方が穿孔後の元の位置へ復帰するまでの戻り動作に要する前記駆動カムの回動角度量の方より大きくなるように、前記駆動カムのカム面を形成したものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動カムのカム面が、パンチがホームポジションから記録紙に到達するまでカムホルダに当接する往動面と、パンチが記録紙を穿孔するまでカムホルダに当接する穿孔面と、パンチが穿孔動作を終えてから下死点に到達するまで間カムホルダに当接する面とから構成され、
前記駆動カムの単位回動角度当たりのパンチ移動量が、前記穿孔面が他のカム面に比べて最も少なくなるように、駆動カムのカム面を形成したものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2項に記載の発明において、前記駆動カムは、カムホルダを押圧動作してパンチを押下する押下カムと、カムホルダを押圧動作してパンチを持ち上げる押上カムとの2種類のカムを有するものである。
【発明の効果】
【0012】
以上、説明したように、この発明によれば、パンチを押下し記録紙を穿孔するまでの穿孔動作に要する駆動カムの回動角度量の方が穿孔後の元の位置へ復帰するまでの戻り動作に要する駆動カムの回動角度量の方より大きくなるように、駆動カムのカム面を形成したので、低トルクで穿孔可能なパンチ処理装置が提供できる。
【0013】
さらに、請求項2に係る発明によれば、駆動カムに設けた各カム面のうち、パンチが記録紙を穿孔するときにカムホルダに当接する穿孔面が、他のカム面に比べて、駆動カムの単位回動角度当たりのパンチ移動量が最も少なくなるように構成したので、負荷の最もかかる穿孔時の駆動カムの単位回動角度当たりのパンチストローク量についても、穿孔面がカムホルダに当接するときの方が他のカム面がカムホルダに当接するときに比べて小さいため、パンチをゆっくりとストローク動作させることができ、低トルクで穿孔可能なものが提供できる。
【0014】
さらに、請求項3に係る発明によれば、駆動カムは、カムホルダを押圧動作してパンチを押下する押下カムと、カムホルダを押圧動作してパンチを持ち上げる押上カムとの2種類のカムを有しており、パンチを押下し記録紙を穿孔するまでの穿孔動作に要する駆動カムの回動角度量の方が穿孔後の元の位置へ復帰するまでの戻り動作に要する駆動カムの回動角度量の方より大きくなるように、駆動カムのカム面を形成する構成が簡単に実現できるので、低トルクでの穿孔が容易に実現できるようになる。さらに、パンチを押上するときには、小さい回動角度に構成できるから、無駄な時間を少なく抑えた生産性の良好なものが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明に係るパンチ処理装置を示す斜視図である。
【図2】(a)はそのパンチ処理装置に使用する駆動カムを示す斜視図、(b)はその駆動カムを底面側からみた斜視図である。
【図3】(a)はそのパンチ処理装置に使用するカムホルダを示す斜視図,(b)はそのカムホルダを底面側からみた斜視図である。
【図4】(a)はそのパンチ処理装置に使用するパンチを示す斜視図、(b)はその正面図である。
【図5】その実施例と従来とにおける駆動カムの回動角とパンチストロークと従来の相関関係を示すグラフである。
【図6】(a)はこの発明にかかるパンチ処理装置の第2実施例にかかる駆動カムを示す斜視図、(b)はその駆動カムを底面側からみた斜視図である。
【図7】その実施例と従来とにおける駆動カムの回動角とパンチストロークと従来の相関関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の実施の形態について添付図面に基づき説明する。
図1には、この発明に係るパンチ処理装置の全体斜視図を示す。
【0017】
この実施例のパンチ処理装置1は、パンチ13と、回転軸15と、駆動カム17と、カムホルダ18とを備えており、図示せぬ記録紙後処理装置のケーシングに下ブラケット11を介してねじ止めされている。
【0018】
この下ブラケット11には、略コ字形の上ブラケット12がねじ11aで固定されており、この上ブラケット12との間に記録紙が通り抜けることができる程度の隙間が形成され、パンチをあける記録紙を一時的に保持するようになっている。なお、下ブラケット11には、パンチ13と同軸位置にパンチ13より少し大き目の図示せぬ孔が穿設されており、パンチ13下端の刃先部分が下ブラケット11を貫通できるようになっている。
【0019】
上ブラケット12は、中央部側の平面部12aと、この両側に起立する壁面部12bとから構成されている。平面部12aには、軸受14が圧入されている一方、両壁面部12bには、回転軸15を回転自在に支持するためのベアリング16が取り付けてある。
【0020】
軸受14には、各パンチ13の上下動動作をガイドするためにパンチ挿入孔が形成されている。
【0021】
回転軸15には、図示せぬ平行ピンを挿入するための孔が設けてあり、その平行ピンを介して駆動カム17が取付けてある。このように、駆動カム17を平行ピンで取付けているため、回転軸15は、駆動カム17との間に若干の遊びを有しており、駆動カム17に設けたパンチ13が軸受14のパンチ挿入孔から多少ずれても、そのずれを容易に吸収して組付けられるようになっている。
【0022】
駆動カム17は、図2(a)、(b)に示すように、パンチ13を押下げるためのカム(以下、押下カムとよぶ)17aと、パンチ13を押上げるためのカム(以下、押上カムとよぶ)17bとの2種のものを有している。このうち、パンチ13を押下げるための押下カム17aは、回転軸15を270度かけて回動させて、つまり、ゆっくりとパンチ13を押し下げることができる固有のカム面を有している。
【0023】
一方、押上カム17bは回転軸15を90度回動させて、つまり、一気にパンチ13を持ち上げるように形成されている。なお、図2において、符号17cはパンチ13が最降下した下死点に達したときに、この駆動カム17の押下カム17aが次に説明するカムホルダ18に当接する面(以下、中立面とよぶ)を示す。
【0024】
カムホルダ18は、図3(a)、(b)に示すように、略箱型に形成されており、駆動カム17の外周を取り囲むように設けられている。このカムホルダ18には、駆動カム17の押下カム17aと接触する第1接触面18aと、押上カム17bと接触する第2接触面18bとを有している。さらに、このカムホルダ18には、駆動カム17の回転運動により上下のブラケット11、12に向けて往復運動できるようにするとともに、そのガイドとなる長孔状の切り欠き18cが形成されている。この切り欠き18cには、カムホルダ18の水平方向への回転を阻止する機能も付与されている。
【0025】
このカムホルダ18は、駆動カム17側の押下カム17aがカムホルダ18の床側の第1接触面18aに接触したときに下方へ押下され、逆に、駆動カム17の押上カム17bがカムホルダ18の天井部分のうち左右両側部分から下がった第2接触面18bに接触したときに上方へ持ち上げられるようになっている。なお、このカムホルダ18の底面部分には、パンチ13を取り付けるための溝18dと、位置決めのための孔18eとを有している。
【0026】
パンチ13は、圧入された軸受14にガイドされながら、上下方向に往復運動するカムホルダ18とともに一体に上下運動しながら記録紙等にパンチ孔をあけるものである。そのため、このパンチ13は、図4(a)、(b)に示すように、下部に刃先を設けており、上部には溝18dに係合状態で挿入・装着させるためのくびれた首部13cが形成されている。なお、この刃先の下端部には、凹状に形成された最上部13bと、この最上部13bを挟んだ両端部に鋭くエッジ状に形成された最下部13aとを有している。
【0027】
つぎに、この実施例にかかるパンチ処理装置の作用について説明する。
画像形成装置で画像形成され、記録紙後処理装置内を搬送される記録紙は、図1に示すパンチ処理装置1を通過する際に、パンチ処理が行われる。
【0028】
このパンチ処理がなされる記録紙がこのパンチ処理装置1へ搬送されてくるのに先立ち、パンチ13は、記録紙の搬送動作の邪魔にならないように、駆動カム17のうち押上カム17bによって持ち上げられた状態で待機している。このときの駆動カム17の回動姿勢(押上カム17bが鉛直上向きの状態)をホームポジション(以下、HPと略す)とする。なお、この実施例では、記録紙の搬送動作を一時停止させてパンチ孔をあけるように構成してあるが、所定速度で搬送させながらパンチ孔をあけるように構成してもよい。
【0029】
記録紙後処理装置内を搬送される記録紙は、このパンチ処理される搬送位置(以下、処理位置とよぶ)で一時停止するように制御されており、記録紙がその処理位置に停止すると、図示せぬ駆動源であるモータからの駆動力が回転軸15に伝達し、この回転軸15が図示せぬ平行ピンを介して駆動カム17を回転させる。
【0030】
この駆動カム17が回転をはじめると、駆動カム17のうち、押下カム17aによってカムホルダ18の第1接触面18aが徐々に下方へ押出されていく。この駆動カム17によってカムホルダ18が押下されると、カムホルダ18と一体のパンチ13も押下される。駆動カム17の回動動作によってパンチ13の刃先部分が記録紙に到達すると、徐々に穿孔が行われていく。この穿孔動作はパンチ13の刃先において、最下部13aから最上部13bまでの間で行われる。
【0031】
この穿孔動作が完了すると、駆動カム17はさらに回動し、270度回動したところでパンチ13が下死点まで移動される。このとき、パンチ13のストローク量が最大となり、駆動カム17は押下カム17aの中立面17cでカムホルダ18の第1接触面18aを押下している。
【0032】
このようにして、回転軸15およびこれと一体に回動する駆動カム17による270度の回動動作により押下されたパンチ13は、駆動カム17による残り90度の回動動作により、押上カム17bにより第2接触面18bが一気に持ち上げられる。従って、パンチ13も記録紙から離脱して上方に持ち上げられていき、もとの位置(以下、HPと略す)に復帰する。
【0033】
なお、ここで、記録紙に穿孔後のパンチ13については、ゆっくりと初期位置へ戻っても、素早く一気に戻っても、すでに形成している穿孔には何ら悪影響を及ぼすことがないから、できるだけ速くHPに戻ることにより、一巡するパンチ作業時間の短縮化を図ることができるようになっている。
【0034】
次に、この実施例および従来技術における駆動カム回転角とパンチストローク量について、図5を参照しながら説明する。なお、この図5において、横軸は駆動カムの回転角度、縦軸はパンチのストローク量を示す。破線は従来技術に示す構成のもの(以下、従来タイプのもの)、実線はこの実施例にかかる駆動カム17およびパンチ13を用いたもの(以下、実施例タイプのもの)を使用するときの特性をそれぞれ示す。
【0035】
パンチストローク量がA点のときパンチの刃先部分の最下部(この実施例では13aの位置)が記録紙に到達し、ストローク量がB点のとき、パンチは刃先部分の最上部(この実施例では13bの位置)を通過する。従来技術およびこの実施例ともにパンチのストローク量を同一にしており、駆動カムの回転角が0度もしくは360度のときに、HPである。
【0036】
先述したように、従来タイプの駆動カムでは、180度の回動時にパンチが最大ストロークに到達して、残りの180度の回動動作でHPに復帰する。一方、この実施例タイプのものでは、270度の回動時にパンチ13が最大ストロークに達し、残り90度の回動動作でHPに復帰している。
【0037】
同図からわかるように、駆動カムの360度の回転角度の中で、最もトルクを必要とするのは、穿孔時(この実施例タイプの場合で説明すると、パンチ13の最下部13aが記録紙に達してから最上部13bがその記録紙を貫通・通過するまで)である。このときの従来タイプとこの実施例タイプの回動角度量を比較すると、この実施例タイプの方が大きい。
【0038】
従来タイプとこの実施例タイプについて、パンチストローク量が一定(A点からB点)で、かつ、同一角速度で回転軸が回動する場合、駆動カムの回動角度量が大きければ大きいほど、パンチ13がゆっくりとストローク動作するため、従来タイプのものよりこの実施例タイプの方が、低トルクで穿孔することができる。つまり、これは、単位時間当たりのストローク変位量(各グラフに対応する関数について、一定領域内での微分係数に比例する)が少なくて済むからである。
【0039】
なお、この実施例タイプのものについては、270度の回動角でパンチ13をゆっくりと押し下げていき,270度から360度の回動角、つまり残り90度でパンチ13を素早く一気に持ち上げる動作を、駆動カム17のみで行っているが、0度から270度の回動角でパンチ13をゆっくり押下げた後、残り90度の角度範囲ではスプリングなどの弾性体などを使用して、パンチ13を素早く持ち上げても、同様の効果が得られる。
【0040】
次に、この発明にかかる第2実施例について説明する。
この実施例において、先の第1実施例と同一部材には同一符号を付して重複説明を避ける。
【0041】
この第2実施例のパンチ処理装置1では、駆動カム27のみその形状が先の第1実施例とは異なっており、他の部材、即ち、パンチ13と、回転軸15と、カムホルダ18とについては第1実施例と同一のものが使用されている。
【0042】
駆動カム27では、図6に示すように、押下カム27aが、往動面271と、穿孔面272と、移動面273とから構成されている。
【0043】
往動面271は、カムホルダの第1接触面に接触押下することにより、パンチの刃先部分の最下部を記録紙まで到達させるものであり、0度から60度までの角度範囲で構成されている。
【0044】
穿孔面272は、カムホルダの第1接触面に接触することにより、パンチの刃先部分の最下部から最上部までが記録紙をゆっくりと貫通させるものであり、60度から180度の角度範囲で構成されている。
【0045】
移動面273は、カムホルダの第1接触面に接触することにより、パンチを下死点(このとき駆動カム27は中立面27cが第1接触面に当接する)まで移動させるものであり、180度から270度の角度範囲で構成されている。
【0046】
次に、この第2実施例および従来技術における駆動カムの回動角とパンチのストローク量について、図7を参照しながら説明する。なお、この図7において、横軸、縦軸、破線、実線はそれぞれ先の第1実施例における図5のものと同一である。
【0047】
この図からわかるように、従来タイプの駆動カムは、180度の回動角度で最大ストロークに達して、残り180度の回動角度の範囲でHPに復帰するが、この実施例タイプでは駆動カム27の回転角度が270度で最大ストロークに達し、残り90度の角度範囲でHPへ復帰している。
【0048】
駆動カムの回転角度について360度の全角の中で、最もトルクを必要とするのは、穿孔時(パンチの最下部が記録紙に到達してから、最上部が記録紙を通過するまで)である。このときの従来タイプのものと、この実施例タイプのものとの駆動カムの回動角度量を比較すると、この実施例タイプの方が大きい。
【0049】
パンチストローク量が一定(A点からB点)の場合、回動角度量は大きければ大きいほど、パンチはゆっくりとストローク動作するので、従来タイプにくらべて低トルクで穿孔することができる。
【0050】
ところで、この第2実施例の駆動カム27は、既述したように、0から60度,60度から180度,180度から270度、270度から360度の4種類の角度領域で異なるカム面を有するように構成されている。
【0051】
特に、この実施例タイプでは、駆動カム27の回動角が0度から60度の角度領域が往動面となっており、従来タイプに比べて時間的に早く記録紙に到達している。この角度領域では、穿孔に直接関係しないので、早く記録紙に到達し、その分、パンチ孔あけの際の実質的な穿孔時間を長く確保することができるとともに、パンチ処理作業時間の短縮化が図れる。
【0052】
この実施例タイプでは、低トルクで穿孔できるようにするために、即ち、できるだけゆっくりとパンチがストローク動作を行えるようにするために、駆動カム27の回動角が60度から180度までの120度を穿孔面として、角度量を大きく確保してある。
【0053】
例えば、図7のA点からB点の間について、従来タイプとこの実施例タイプの駆動カムの回動角を比較すると、この実施例タイプの方が回動角が大きいために、単位時間当たりのストローク変位量は小さくて済み、パンチ13がゆっくりとストローク動作させることができる。最も負荷のかかる穿孔時のパンチ13のストロークをゆっくりと行うことで、従来タイプよりも低トルクでの穿孔作業を行うことができる。この角度領域は、広ければ広いほど低トルクでの穿孔作業が得られる。
【0054】
この実施例タイプでは、先述したように、駆動カム27の回転角度が180度から270度に達するところで、穿孔作業を終えたパンチが下死点に到達する。
【0055】
この実施例タイプでは、駆動カム27の回転角が270度から360度の角度領域で、パンチがHPに復帰するものであり、この場合には、別のカム面、即ち、押上カム27bを用いて、この押上カム27bがカムホルダの第2接触面を押圧・押動して、HPに復帰する。
【符号の説明】
【0056】
1 パンチユニット
11 下ブラケット
12 上ブラケット
13 パンチ
14 軸受(ガイド)
15 回転軸
16 ベアリング
17 駆動カム
17a 押下カム
17b 押上カム
18 カムホルダ
27 駆動カム
271 往動面
272 穿孔面
273 移動面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から排出された記録紙にパンチでパンチ孔をあけるパンチ処理装置であって、
モータなどの駆動源により回転する回転軸に固定されその回転動作によって回動する駆動カムと、
記録紙に穿孔するパンチを一体に取付け前記駆動カムの回動動作によって往復運動するカムホルダと、
前記パンチの移動動作をガイドするガイド部材と
を備え、
前記パンチを押下し記録紙を穿孔するまでの穿孔動作に要する前記駆動カムの回動角度量の方が穿孔後の元の位置へ復帰するまでの戻り動作に要する前記駆動カムの回動角度量の方より大きくなるように、前記駆動カムのカム面を形成したことを特徴とするパンチ処理装置。
【請求項2】
前記駆動カムのカム面が、パンチがホームポジションから記録紙に到達するまでカムホルダに当接する往動面と、パンチが記録紙を穿孔するまでカムホルダに当接する穿孔面と、パンチが穿孔動作を終えてから下死点に到達するまで間カムホルダに当接する面とから構成され、
前記駆動カムの単位回動角度当たりのパンチ移動量が、前記穿孔面が他のカム面に比べて最も少なくなるように、駆動カムのカム面を形成したことを特徴とする請求項1に記載のパンチ処理装置。
【請求項3】
前記駆動カムは、カムホルダを押圧動作してパンチを押下する押下カムと、カムホルダを押圧動作してパンチを持ち上げる押上カムとの2種類のカムを有することを特徴とする請求項1または2に記載のパンチ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−113199(P2009−113199A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8563(P2009−8563)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【分割の表示】特願平11−265983の分割
【原出願日】平成11年9月20日(1999.9.20)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】