説明

パーツ供給装置

【課題】パーツの形状や種類に特化しない汎用性の高いパーツ供給装置を提供する。
【解決手段】搬送コンベア22によって搬送されたボルトを、カメラ24によって画像認識し、画像認識されたボルトをロボット26によって次工程に移送するボルト供給装置1において、ホッパー10から螺旋フィーダ14を介して搬送されるボルトを第1貯留箱16に一時貯留し、第1貯留箱16の重量を第1重量計測装置18が計測し、第1重量計測装置18が一定重量を計測した場合に、搬送コンベア22に対して第1貯留箱16のボルトを供給するようにしたことにより、搬送コンベア22におけるボルトの量が、後流側のカメラ24における画像認識精度を保つ程度の量となるように調整することが可能になる。このように、ボルトの姿勢を整えるための装置を必要とせず、重量の計測によるボルトの供給量の制御のみでカメラ24による認識精度を保つことが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多品種のパーツを供給するパーツ供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パーツ供給装置によって搬送されたパーツをカメラで認識し、カメラで認識したパーツを組立ロボットが取りに行き、パーツ供給装置からパーツを取り出して、組立体の所定の部位にパーツを組み付ける。一方、カメラで認識できなかったパーツは、所定の搬送経路を通り、もう一度循環させてパーツ供給装置に送り出す、という流れで組立を行う組立装置がある。
【0003】
また、組立ロボットにパーツを供給するパーツ供給装置において、パーツの姿勢を整える姿勢整位手段を備え、姿勢整位手段によってパーツの姿勢を整えてから、パーツを取出位置まで給送し、取出位置においてCCDカメラによってパーツの姿勢を認識し、所定の範囲内の姿勢のパーツである場合に組立ロボットによってパーツを取り出す。姿勢不良のパーツは、リターンコンベア側へ送られ、循環移動してパーツ供給装置に戻される、という技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−233823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術によれば、取出位置において、CCDカメラによってパーツの姿勢を認識する前に、姿勢整位手段によってパーツの姿勢を整えているため、CCDカメラによるパーツの認識精度を向上させることが可能となる。また、特許文献1に記載された技術においては、姿勢整位手段として、パーツの搬送経路を構成するシュータを振動させる機構が設けられている。
【0006】
しかしながら、姿勢整位手段を設けることによってある程度の汎用性が期待できるものの、パーツによっては振動させても整位し難いものもあるため、適用可能な供給装置の範囲は限られたものとなる。このため、より汎用性が高いパーツ供給装置の出現が望まれている。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決し、より汎用性を向上させることを実現したパーツ供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のパーツ供給装置(例えば、後述のボルト供給装置1)は、パーツ(例えば、後述のボルト)を貯留する貯留手段(例えば、後述のホッパー10)と、当該貯留手段内のパーツを搬送させる第1搬送手段(例えば、後述の螺旋フィーダ14)と、当該第1搬送手段によって搬送されたパーツを一時的に貯留する一時貯留手段(例えば、後述の第1貯留箱16)と、当該一時貯留手段に貯留されたパーツを所定の位置に搬送する第2搬送手段(例えば、後述の搬送コンベア22)と、当該一時貯留手段に貯留されたパーツの重量を計測する重量計測手段(例えば、後述の第1重量計測装置18)と、当該重量計測手段の測定結果が、前記パーツの種類に応じて予め設定された所定条件を満たした場合に、前記一時貯留手段に貯留されたパーツを前記第2搬送手段に供給する供給手段(例えば、後述のエレベータ20)と、前記所定の位置に搬送されたパーツの画像認識を行う画像認識手段(例えば、後述のカメラ24)と、当該画像認識手段によって画像認識されたパーツを1つずつ他の所定の位置に移送させる自動移送手段(例えば、後述のロボット26)とを備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、第2搬送手段によって搬送されたパーツを、画像認識手段(例えば、カメラ)によって画像認識し、画像認識されたパーツを自動移送手段(例えば、ロボット)によってパーツを他の位置に移送するパーツ供給装置において、画像認識手段にパーツを搬送する第2搬送手段に対して、一定重量のパーツを供給する。これにより、パーツ供給装置に対して過剰にパーツを供給することがなくなり、第2搬送手段のパーツの量が、後流側の画像認識手段における画像認識精度を保つ程度の量となるように調整することが可能になる。しかも、パーツの種類を変更する場合には、第2搬送手段の仕様及び重量計測手段が計測する重量をパーツの種類に応じて変更することによって対応可能になる。このように、パーツの姿勢を整えるための装置を必要とせず、重量の計測によるパーツの供給量の制御のみで画像認識手段の認識精度を保つことが可能になることにより、パーツの形状や種類に特化しない汎用性の高いパーツ供給装置を提供することが可能になる。
【0010】
また本発明のパーツ供給装置は、前記画像認識手段によって画像認識されなかったパーツを搬送する第3搬送手段(例えば、後述の回収コンベア28)と、当該第3搬送手段によって搬送されたパーツを貯留する再供給用貯留手段(例えば、後述の第2貯留箱30)と、前記再供給用貯留手段に貯留されたパーツの重量を計測する再供給用重量計測手段(例えば、後述の第2重量計測装置32)とを備え、前記供給手段は、当該再供給用重量計測手段の測定結果が、前記パーツの種類に応じて予め設定された所定条件を満たした場合に、前記再供給用貯留手段に貯留されたパーツを前記第2搬送手段に供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、パーツの形状や種類に特化しない汎用性の高いパーツ供給装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態にかかるボルト供給装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1のボルト供給装置の制御回路を示す図である。
【図3】図1のボルト供給装置におけるホッパーの交換作業を示す図である。
【図4】図1のボルト供給装置における種類が異なるボルトを収納したホッパーの交換作業を示す図である。
【図5】図1のボルト供給装置における種類が異なるボルトを収納したホッパーの交換作業を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
[基本構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るボルト供給装置1の概略構成を示す説明図である。
ボルト供給装置1は、ホッパー10に収納されているボルトを、搬送コンベア22に供給し、搬送コンベア22によって搬送されるボルトをカメラ24によって認識し、カメラ24によって認識されたボルトをロボット26がボルト取り出して、次工程のラインに移送する、というものである。
【0015】
次に、本実施形態についてより具体的に説明する。ホッパー10にはボルトが収納されており、このホッパー10は、リフト12上に設置される。このリフト12によってホッパー10は螺旋フィーダ14への搬送口まで持ち上げられる。これにより、ホッパー10に収容されたボルトは、ホッパー10の斜面に沿って搬送口側に移動するようになり、この搬送口を介して、ボルトが螺旋フィーダ14に給送される。ホッパー10から螺旋フィーダ14に給送されたボルトは、螺旋フィーダ14に沿って搬送されることによってボルト同士の絡まりをほぐしながら、第1貯留箱16に貯留される。
【0016】
第1貯留箱16は、通常は、第1重量計測装置18上に配置されている。この第1重量計測装置18は、第1貯留箱16に搬送されたボルトの重量を計測し、制御部100(図2参照)に計測結果を送信するものである。制御部100(図2参照)が、第1重量計測装置18の計測結果をモニタし、第1貯留箱16の重量が一定の重量に到達したと判定した場合には、第1貯留箱16内のボルトは、エレベータ20の昇降箱20aに移送される。
【0017】
エレベータ20は、昇降箱20aを、第1貯留箱16からボルトが移送される初期位置から、搬送コンベア22へのボルト供給位置、又は螺旋フィーダ14の上部に設けられた回収箱36へのボルト回収位置までの間を昇降するものである。また、昇降箱20aが搬送コンベア22へのボルト供給位置に到達した場合には、昇降箱20aが搬送コンベア22側に傾けられることにより、昇降箱20a内のボルトが搬送コンベア22に供給される。昇降箱20aが回収箱36へのボルト回収位置に到達した場合には、昇降箱20aが回収箱36側に傾けられることにより、昇降箱20a内のボルトが回収箱36に搬送される。
【0018】
搬送コンベア22は、昇降箱20aから供給されたボルトを、カメラ24による認識位置方面に搬送する。カメラ24は、搬送コンベア22におけるボルト搬送方向に対して下流側端部に対向させて配置されている。カメラ24による撮影画像のデータは、制御部100(図2参照)に送信される。そして、制御部100(図2参照)において撮影画像に対して画像処理を行い、ボルトの有無を認識する。そして、ボルトを認識した場合には、カメラ24によって認識されたボルトをロボット26が取り出して、次工程のラインに移送する。
【0019】
搬送コンベア22の下部には回収コンベア28が設置されており、搬送コンベア22においてカメラ24によって認識されなかったボルトが回収コンベア28に搬送される。回収コンベア28によって搬送されるボルトは、第2貯留箱30に搬送され、第2貯留箱30には、ロボット26によってピックアップされなかったボルト、換言すれば、カメラ24によって認識されなかったボルトが蓄積される。
【0020】
第2貯留箱30は、通常は、第2重量計測装置32上に配置されている。この第2重量計測装置32は、第2貯留箱30に搬送されたボルトの重量を計測し、制御部100(図2参照)に計測結果を送信するものである。制御部100(図2参照)が、第2重量計測装置32の計測結果をモニタし、第2貯留箱30の重量が一定の重量に到達したと判定した場合には、第2貯留箱30内のボルトは、エレベータ20の昇降箱20aに移送される。
【0021】
開閉板34は、ホッパー10の上部に形成されている補充口(図示せず)を開閉するものである。開閉板34をスライドさせて補充口(図示せず)を開放することにより、補充口を介してホッパー10にボルトを補充することが可能になる。
【0022】
回収箱36は、ホッパー10を、種類が異なるボルトを収納したホッパー10に取り替える際に回収したボルト供給装置1内の残存ボルトを貯留するものである。
【0023】
[電気的構成]
図2は、本発明の一実施形態に係るボルト供給装置1の制御回路の構成を示すブロック図である。制御部100は、ボルト供給装置1における全体の制御を行うものである。制御部100には、残量検知装置102、昇降箱センサ104、第1重量計測装置18、第2重量計測装置32、カメラ24、駆動制御回路106、操作パネル108、機種検知装置110、ROM112等が接続されている。
【0024】
残量検知装置102は、搬送コンベア22の全体を撮影するカメラ102aを備えている。このカメラ102aが撮影データを制御部100に送信する。制御部100においては、カメラ102aからの撮影データに画像処理を施し、搬送コンベア22に残存するボルトの量を検出する。昇降箱センサ104は、例えば、光学センサからなり、昇降箱20a内にボルトが貯留されていることを検知した場合に、制御部100に検知信号を送信するものである。駆動制御回路106は、制御部100からの指示に従って、リフト12、エレベータ20、搬送コンベア22、ロボット26、回収コンベア28及び第1貯留箱16、第2貯留箱30に貯留したボルトを昇降箱20aに移送するための装置(図示せず)等の駆動制御を行う。操作パネル108は、外部入力によって各種の設定入力を行うものであり、操作パネル108の設定入力に対応する入力信号が制御部100に対して送信される。機種検知装置110は、ボルトの種類が識別可能な情報が記録されているバーコード部材を読み取る読取装置110aを備えている。そして、ホッパー10に、内部に収納しているボルトの種類に対応したバーコード部材を取り付け、ボルト供給装置1本体に読取装置110aを取り付け、ホッパー10をボルト供給装置1に装着した際に、読取装置110aがバーコード部材を読み取り、その読み取り結果を制御部100に送信する。制御部100においては、読取装置110aからの読み取りデータに基づいてボルトの種類を検出する。ROM112は、ボルト供給装置1を制御するための各種の制御プログラムや、ボルトの種類と第1重量計測装置18、第2重量計測装置32が計測する基準の重量値とを関連付けるデータが記憶されている。なお、残量検知装置102、昇降箱センサ104、機種検知装置110については、前述したものに限るものではなく、これらの装置又はセンサの目的を達成できるものであれば、他の構成であってもよい。
【0025】
[ボルトの搬送制御]
次に、ボルトの搬送制御について説明する。ボルト供給装置1を初期駆動時又は第1貯留箱16に貯留されたボルトを昇降箱20aに移送した時、換言すれば第1貯留箱16にボルトが貯留されていない場合に、制御部100は、リフト12を駆動して、ホッパー10を上昇させ、ボルトを、螺旋フィーダ14を介して第1貯留箱16にボルトを搬送させる。この時、制御部100は、第1重量計測装置18からの計測結果をモニタし、第1重量計測装置18が基準の重量値を計測したか否かを判定する。制御部100は、基準の重量値を計測したと判定した場合には、例えば、リフト12を駆動して、ホッパー10を下降させるなど、第1貯留箱16に対するボルトの搬送を停止させる制御を行う。基準の重量値を計測したと判定しない場合には、第1貯留箱16に対するボルトの搬送を継続させる。
【0026】
ここで、前述した基準の重量値は、搬送するボルトの種類に応じて予め決定されており、その値は、カメラ24の画像認識精度を保つ程度の量の値に設定されている。本実施形態においては、制御部100が、機種検知装置110からの読み取りデータに基づいてボルトの種類を特定し、ROM112に記憶されている対応関係データを参照してボルトの種類に対応する基準の重量値を読み出すことによって自動的に設定する。なお、前述した基準の重量値は、操作パネル108の外部操作によって、ボルトの種類に対応した基準の重量値の設定入力を行うようにしてもよい。
【0027】
次に、制御部100は、残量検知装置102からのデータに基づいて残存ボルト量を判別するとともに、残存ボルト量が予め定めた一定量より少なくなったか否かを判定する。そして、制御部100が、残存ボルト量が一定量より少なくなったと判定した場合に、さらに制御部100は、昇降箱センサ104の検知結果に基づいて昇降箱20aにボルトが貯留されているか否かを判定する。昇降箱20aにボルトが貯留されていると判定した場合には、エレベータ20を駆動して、昇降箱20aに貯留しているボルトを、搬送コンベア22に供給する制御を行う。昇降箱20aにボルトが貯留されていると判定しない場合には、第1貯留箱16のボルトを昇降箱20aに移送する。そして、エレベータ20を駆動して、昇降箱20aに貯留しているボルトを、搬送コンベア22に供給する制御を行う。さらに、制御部100は、リフト12を駆動して、空になった第1貯留箱16にボルトを搬送する制御を再開する。
【0028】
そして、制御部100は、搬送コンベア22によって搬送されるボルトが認識位置に到着した際に、カメラ24を用いて画像認識を行い、画像認識されたボルトは、ロボット26にピックアップされ、画像認識されなかったボルトは、回収コンベア28を介して第2貯留箱30に蓄積される。
【0029】
また、制御部100は、第2重量計測装置32からの計測結果をモニタし、第2重量計測装置32が基準の重量値を計測したか否かを判定する。制御部100は、基準の重量値を計測したと判定した場合には、第2貯留箱30のボルトを昇降箱20aに移送する制御を行う。ここで、第1貯留箱16に貯留されているボルトは、昇降箱20aが空でありかつ第1重量計測装置18が基準の重量値の計測した場合でも、制御部100が、残存ボルト量が一定量より少なくなったと判定しない限り、第1貯留箱16からのボルトの移送されることはない。一方、第2貯留箱30に貯留されているボルトは、制御部100による残存ボルト量の判定結果に関わらず、第2重量計測装置32が基準の重量値の計測した時点で第2貯留箱30のボルトが昇降箱20aに移送される。すなわち、本実施形態においては、仮に、第1貯留箱16と第2貯留箱30の両方が、基準の重量値のボルトを貯留している場合には、第2貯留箱30のボルトを優先して昇降箱20aに移送するように、制御部100が制御を行う。
【0030】
このように本実施形態においては、カメラ24によって、画像認識されなかったボルトは、回収コンベア28、第2貯留箱30、昇降箱20aを介して搬送コンベア22に再供給される。換言すれば、搬送コンベア22に供給されたボルトは、ロボット26によってピックアップされない限り、循環移動するようになる。
【0031】
[ホッパーの取り替え作業]
次に、ホッパー10を、種類が同じボルトを収納しているホッパー10に取り替える作業について、図3を用いて説明する。
まず、操作パネル108を操作して、ホッパー10の取り替えを行う旨の入力を行う。この入力に基づいて、制御部100は、ボルト供給装置1に備えられている安全機構を作動させるとともに、リフト12を駆動させてホッパー10を下降させ、ホッパー10を分離可能な状態とする。そして、図3に示すように、専用台車を用いてホッパー10をボルト供給装置1の本体から分離させる。この時、螺旋フィーダ14に残っているボルトは、第1貯留箱16に貯留される。そして、第1貯留箱16又は第2貯留箱30に貯留されたボルトを、昇降箱20aに移送させ、ロボット26に対するボルトの供給を継続させる。
【0032】
そして、専用台車を用いて新たなホッパー10をボルト供給装置1の本体に設置し、操作パネル108を操作して、ホッパー10の取り替えが終了した旨の入力を行うことにより、ボルトの供給が継続される。
【0033】
次に、種類が異なるボルトを収納したホッパー10に取り替える作業について、図3、4を用いて説明する。まず、図3に示すように、ホッパー10を取り外し、図4に示すように、新たなホッパー10を装着する。この時、機種検知装置110によるバーコードの読み取りデータが制御部100に送信される。制御部100は、機種検知装置110からの読み取りデータに対応するボルトの種類と、図示しないメモリに記憶されている取り替え前のホッパー10に取り付けたバーコードの読み取りデータに対応するボルトの種類とを比較し、ボルトと種類が同じであるか否かを判定する。同じではないと判定した場合に、残存ボルトの回収動作を開始する。すなわち、図4に示すように、昇降箱20aに残存ボルトを移送させ、エレベータ20によって昇降箱20a内の残存ボルトを回収箱36に集積させる。
【0034】
残存ボルトの回収終了後、必要に応じて、搬送コンベア22やロボット26の調整を行う。そして、制御部100は、リフト12を上昇させ、図5に示すように、新たなボルトの供給を開始させ、以後、上述した搬送制御によってボルトの供給動作が継続される。なお、ホッパー10に取り替えた後、制御部100は、最初にカメラ24によって撮影された画像データに基づいてボルトの種類を判別し、この判別結果と、機種検知装置110からの読み取りデータに基づくボルトの種類とを比較して、一致しない場合には警報を発生して、ボルト供給装置1を一時停止させてもよい。
【0035】
このように構成された本実施形態によれば、搬送コンベア22によって搬送されたボルトを、カメラ24によって画像認識し、画像認識されたボルトをロボット26によって次工程に移送するボルト供給装置1において、ボルトを搬送する搬送コンベア22に対して、一定重量のボルトを供給するようになる。これにより、搬送コンベア22に対して過剰にパーツを供給することがなくなり、搬送コンベア22におけるボルトの量が、後流側のカメラ24における画像認識精度を保つ程度の量となるように調整することが可能になる。しかも、ボルトの種類を変更する場合には、搬送コンベアの仕様及び第1重量計測装置18、第2重量計測装置32が計測する重量をボルトの種類に応じて変更することによって対応可能になる。このように、ボルトの姿勢を整えるための装置を必要とせず、重量の計測によるボルトの供給量の制御のみでカメラ24による認識精度を保つことが可能になることにより、ボルトの形状や種類に特化しない汎用性の高いボルト供給装置を提供することが可能になる。
【0036】
また本実施形態によれば、カメラ24によって画像認識されなかったボルトを、第2貯留箱30にボルトを一時貯留し、第2重量計測装置32が基準の重量値を計測した場合に、搬送コンベア22に再供給している。このため、搬送コンベア22にボルトを一定量ずつ安定して供給することが可能になる。
【0037】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、ボルト以外のパーツ、例えばシート及びガイドの供給装置に適用することも可能である。このように、本発明は本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 ボルト供給装置
10 ホッパー
12 リフト
14 螺旋フィーダ
16 第1貯留箱
18 第1重量計測装置
20 エレベータ
20a 昇降箱
22 搬送コンベア
24 カメラ
26 ロボット
28 回収コンベア
30 第2貯留箱
32 第2重量計測装置
36 回収箱
100 制御部
108 操作パネル
112 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーツを貯留する貯留手段と、
当該貯留手段内のパーツを搬送させる第1搬送手段と、
当該第1搬送手段によって搬送されたパーツを一時的に貯留する一時貯留手段と、
当該一時貯留手段に貯留されたパーツを所定の位置に搬送する第2搬送手段と、
当該一時貯留手段に貯留されたパーツの重量を計測する重量計測手段と、
当該重量計測手段の測定結果が、前記パーツの種類に応じて予め設定された所定条件を満たした場合に、前記一時貯留手段に貯留されたパーツを前記第2搬送手段に供給する供給手段と、
前記所定の位置に搬送されたパーツの画像認識を行う画像認識手段と、
当該画像認識手段によって画像認識されたパーツを1つずつ他の所定の位置に移送させる自動移送手段とを備えたことを特徴とするパーツ供給装置。
【請求項2】
前記画像認識手段によって画像認識されなかったパーツを搬送する第3搬送手段と、
当該第3搬送手段によって搬送されたパーツを貯留する再供給用貯留手段と、
前記再供給用貯留手段に貯留されたパーツの重量を計測する再供給用重量計測手段とを備え、
前記供給手段は、当該再供給用重量計測手段の測定結果が、前記パーツの種類に応じて予め設定された所定条件を満たした場合に、前記再供給用貯留手段に貯留されたパーツを前記第2搬送手段に供給することを特徴とする請求項1記載のパーツ供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−228819(P2010−228819A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74860(P2009−74860)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】