説明

ヒンジ構造およびそれを備えた電子機器

【課題】 第1の筐体と第2の筐体とが、相対的な回転位置の影響を受けずに、折り畳み方向とこれに直交する方向との2方向に自由に回転させるヒンジ構造を提供する。
【解決手段】 第1、第2の各ケース1、2を折り畳み方向に回転させる第1回転軸4と、第1、回転軸4と直交する方向に回転させる第2回転軸6とを、連結部7で連結し、この状態で第1回転軸4が、第1取付部8に対し回転可能に押し付けられる第1従動節部12と、連結部7に接離可能に押し付けられる第1当接部13と、この第1当接部13と第1従動節部12との間に配置された付勢部材14と、第2回転軸6側に向けて突出した位置に設けられた第2従動節部15とを有し、且つ第2回転軸6が、第2従動節部15に圧接した状態で転動する第2当接部21を有する。従って、第1、第2の各ケース1、2を、その回転位置の影響を受けずに、自由に回転させることができる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、折り畳み式の電子機器に用いられるヒンジ構造に関し、更に詳しくは2つの筐体を折り畳み方向とこれに対し直交する方向との2方向に回転可能に連結するヒンジ構造およびそれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機に用いられているヒンジ構造においては、特許文献1に記載されているように、第1の筐体に取り付けられる円筒状の第1取付部と、第2の筐体に取り付けられて第1取付部に回転可能に取り付けられるキャップ状の第2取付部と、円筒状の第1取付部内に設けられてコイルばねによって付勢された第1回転軸と、キャップ状の第2取付部に第1回転軸の軸方向と直交して設けられて両端が第2の筐体に回転可能に取り付けられた第2回転軸と、この第2回転軸に取り付けられて第1回転軸の端部に弾接するほぼ四角形状の矩形カムとを備えた構成のものが知られている。
【特許文献1】特開2005−337461
【0003】
この種のヒンジ構造では、コイルばねで付勢された第1回転軸の端面にほぼ四角形状の矩形カムが弾接して第2回転軸にコイルばねのばね力が付与され、この状態で円筒状の第1取付部に取り付けられた第1の筐体と、キャップ状の第2取付部に取り付けられた第2の筐体とを、第2回転軸を中心に相対的に回転させると、第1の筐体と第2の筐体とが折り畳んだ状態から開く方向の折り畳み方向に回転し、また第1回転軸を中心に第1の筐体と第2の筐体とを相対的に回転させると、第1の筐体と第2の筐体とが折り畳み方向に対し直交する方向に回転する。
【0004】
この場合、第2回転軸を中心に第1の筐体と第2の筐体とを相対的に回転させるときには、第2回転軸に取り付けられたほぼ四角形状の矩形カムが第2回転軸と共に回転し、この矩形カムの回転面に位置する角部が、第1回転軸の端面に設けられた溝部に沿って第1回転軸をコイルばねのばね力に抗して押圧して乗り越える。これにより、第1の筐体と第2の筐体とが第2回転軸を中心に相対的に90°回転するごとに、矩形カムによって第2の筐体にクリック感が付与される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来のヒンジ構造では、第2回転軸を中心に第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み方向に回転させる際、第1回転軸の端面に設けられた溝部と矩形カムの回転面とが一致していなければ、矩形カムが回転しないため、第2回転軸を中心に第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み方向に回転させることができない。すなわち、第1回転軸に対する第1の筐体と第2の筐体との相対的な回転位置が、所定の回転位置、例えば0°、90°、180°の回転位置でなければ、第1回転軸の端面に設けられた溝部と矩形カムの回転面とが一致しないため、第2回転軸を中心に第1の筐体と第2の筐体とを相対的に回転させることができないという問題がある。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、第1の筐体と第2の筐体との相対的な回転位置の影響を受けずに、第1の筐体と第2筐体とを折り畳み方向とこれに直交する方向との2方向に自由に回転させることができるヒンジ構造およびそれを備えた電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、第1の筐体と第2の筐体とを折り畳んだ状態から開く方向の折り畳み方向に回転させるための第1回転軸と、この第1回転軸の回転方向に対してほぼ直交する方向に回転する第2回転軸と、前記第1回転軸と前記第2回転軸とを連結する連結部と、前記第1回転軸を前記第1の筐体に対して取り付けるための第1取付部と、前記第2回転軸を前記第2の筐体に対して取り付けるための第2取付部とを備えたヒンジ構造であって、
前記第1回転軸は、前記第1取付部に対して回転可能に押し付けられる第1従動節部と、前記連結部に接離可能に押し付けられる第1当接部と、この第1当接部と前記第1従動節部との間に配置されて前記第1従動節部を前記第1取付部に圧接させるための付勢部材と、前記第2回転軸側に向けて突出した位置に設けられた第2従動節部とを有し、前記第2回転軸は、前記第2従動節部に圧接した状態で転動する第2当接部を有していることを特徴とするヒンジ構造である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記第1従動節部と前記連結部とを連結して前記連結部と共に前記第1従動節部を前記第1取付部に対して相対的に回転させる連動部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ構造である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記連結部と前記第1取付部とに対する相対的な回転位置を規制する第1回転位置規制部を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒンジ構造である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記第2当接部には、前記連結部に対する前記第2回転軸の回転位置を規制する第2回転位置規制部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のヒンジ構造である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記連結部に、前記第1回転軸の回転範囲を制限するストッパ部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のヒンジ構造である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記第1取付部が、前記連結部の両側にそれぞれ取り付けられた前記第1回転軸の両方が取り付けられ、この両方の前記第1回転軸を連結固定する連結固定部を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のヒンジ構造である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載されたヒンジ構造を備えていることを特徴とする電子機器である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、第1の筐体と第2の筐体との相対的な回転位置が任意の回転位置において、第1回転軸を中心に第1の筐体と第2の筐体とを折り畳んだ状態から開く方向の折り畳み方向に回転させることができると共に、第2回転軸を中心に第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み方向とほぼ直交する方向に回転させることができる。このため、第1の筐体と第2の筐体との相対的な回転位置の影響を受けずに、第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み方向とこれに直交する方向との2方向に自由に回転させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施形態1)
以下、図1〜図9を参照して、この発明を携帯電話機に適用した実施形態1について説明する。
この携帯電話機は、図1〜図3に示すように、第1ケース1と第2ケース2とをヒンジ部3によって折り畳み可能で且つその折り畳み方向と直交する方向(ここで、直交する方向とは90°±1°の範囲の方向のことである。)にも回転可能に連結した構成になっている。
【0016】
この場合、第1ケース1には、図1〜図3に示すように、キー入力部1aが設けられており、第2ケース2には、表示部2aが設けられている。ヒンジ部3は、図1〜図5に示すように、第1ケース1と第2ケース2とを折り畳んだ状態から開く方向の折り畳み方向に回転させるための第1回転軸4、5と、この第1回転軸4、5の回転方向に対して直交する方向に回転する第2回転軸6と、第1回転軸4、5と第2回転軸6とを連結する連結部7と、第1回転軸4、5を第1ケース1に対して取り付けるための第1取付部8、9と、第2回転軸5を第2ケース2に対して取り付けるための第2取付部10とを備えている。
【0017】
第1取付部8、9は、図4および図5に示すように、金属板をL字状に折り曲げることにより、第1回転軸4、5が取り付けられるほぼ半円形状の軸取付片8a、9aと、その各端部に設けられて第1ケース1に取り付けられる板状のケース取付片8b、9bとを備えている。第2取付部10は、図3および図4に示すように、金属板の両側をバタフライ状に折り曲げることにより、第2回転軸6が取り付けられる平板状の中間部10aと、その両側に設けられて第2ケース2に取り付けられる一対のケース取付片10bとを備えている。
【0018】
連結部7は、図4に示すように、金属板をコ字状に折り曲げることにより、中間部の連結本体7aと、この連結本体部7aの両側に設けられたほぼ半円形状の側片部7b、7cとを備えた構成になっている。この連結部7の両側の側片部7b、7cのうち、図4において右側の側片部7bには、第1回転軸4が取り付けられており、左側の側片部7cには、第1回転軸5が取り付けられている。また、この連結部7の連結本体7aには、第2回転軸6が第1回転軸4、5に対し直交した状態で取り付けられている。
【0019】
第1回転軸4、5のうち、図4において右側の第1回転軸4は、図4および図5に示すように、第1取付部8の軸取付片8aに取り付けられた丸棒状の軸本体11と、第1取付部8の軸取付片8aに押し付けられる第1従動節部12と、連結部7の側片部7bに接離可能に押し付けられる第1当接部13と、この第1当接部13と第1従動節部12との間に配置された付勢部材14と、第2回転軸6側に向けて突出した位置に設けられた第2従動節部15とを備えている。
【0020】
軸本体11は、図4および図5に示すように、その一端部(図4では右端部)が第1取付部8の軸取付片8aに取り付けられ、他端部(図4では左端部)が連結部7の側片部7bに設けられた貫通孔7dを通して第2回転軸6の下側に向けて突出している。第1従動節部12は、第1取付部8の軸取付片8aの内側面(図4では左側面)に対面した状態で、軸本体11の右側部に回転可能に取り付けられている。
【0021】
この第1従動節部12は、図4および図5に示すように、円筒状の連動筒部16によって連結部7の側片部7bに連結され、この状態で連結部7の側片部7bと共に第1取付部8に対して相対的に回転するように構成されている。第1当接部13は、連結部7の側片部7bの外側面(図4では右側面)に対面した状態で、軸本体11の左側部に一体に設けられている。
【0022】
付勢部材14は、図4および図5に示すように、コイルばねであり、第1従動節部12と第1当接部13との間に配置され、第1従動節部12を第1取付部8の軸取付片8aに押し付けて圧接させると共に、第1当接部13を連結部7の側片部7bに向けて接離可能に押し付けるように構成されている。この場合、第1従動節部12には、図4に示すように、第1取付部8の軸取付片8aにおける所定箇所に設けられた複数の凹部8cに係脱可能に係合する位置規制突起12aが設けられている。
【0023】
この位置規制突起12aは、第1ケース1と第2ケース2とが第1回転軸4を中心に所定角度、例えば0°、90°、165°の各角度に回転するごとに、第1取付部8の軸取付片8aの各凹部8cに係脱可能に係合することにより、第1回転軸4と第1取付部8とにクリック感を付与して、第1従動節部12を第1取付部8の軸取付片8aに対する回転位置を規制するように構成されている。
【0024】
第2従動節部15は、図4および図5に示すように、連結部7の側片部7bの内側面(図4では左側面)に対して接離可能に所定間隔Sだけ離れた状態で、連結部7の側片部7bから第2回転軸6の下側に向けて突出した軸本体11の左端部に一体に設けられている。この第2従動節部15は、その外周部が連結部7の連結本体7aの内面(図4では下面)に接触した状態で回転するように構成されている。
【0025】
この場合、第2従動節部15の外周面には、図6〜図8に示すように、連結部7と第1取付部8とに対する相対的な回転範囲を制限する第1カム部17が設けられている。この第1カム部17は、第2従動節部15の外周面に沿ってほぼ半円弧状に設けられた小径部であり、第1回転軸4が連結部7の連結本体7aに対して回転する際、図7に示すように、連結部7の連結本体7aに接触して回転するように構成されている。
【0026】
すなわち、この第1カム部17は、図6に示すように、その一方の端部17aが連結部7の連結本体7aに位置すると、第1カム部17の小径部と反対側に位置する大径の外周面の端部、つまり第2従動節部15における大径の外周面の端部が連結本体7aに当接し、これにより連結部7に対する第1回転軸4の回転位置、つまり第1ケース1と第2ケース2とが重なり合って閉じた状態(0°の角度位置)に規制するように構成されている。
【0027】
また、この第1カム部17は、図8に示すように、第1回転軸4が上記と逆方向に回転して、第1カム部17の他方の端部17bが連結部7の連結本体7aに位置すると、第2従動節部15における大径の外周面の端部が連結本体7aに当接することにより、連結部7に対する第2回転軸6の逆方向における回転位置、つまり第1ケース1と第2ケース2とが最大に開いた状態(165°の角度位置)に規制するように構成されている。
【0028】
ところで、第1回転軸4、5のうち、図4において左側の第1回転軸5は、図4および図5に示すように、円筒状の軸本体18を備えている。この軸本体18は、その一端部(図4では左端部)が第1取付部9の軸取付片9aに取り付けられ、他端部(図4では右端部)が連結部7の左側に位置する側片部7cに回転自在に取り付けられ、この他端部が第2回転軸6の下側に向けて突出し、この突出した他端部にリング状の抜け止め部19が取り付けられた構成になっている。この場合、第1取付部9の軸取付片9aと連結部7の側片部7cとの間には、ブッシュ18aが設けられている。
【0029】
一方、第2回転軸6は、図4および図5に示すように、円筒状の軸本体20を備えている。この軸本体20は、その一端部(図4では上端部)が第2取付部10の中間部10aに取り付けられ、他端部(図4では下端部)が連結部7の連結本体7aに回転可能に取り付けられ、この他端部が連結本体7aの下側に突出し、この突出した他端部にリング状の第2当接部21が第1回転軸4の第2従動節部15に圧接した状態で取り付けられた構成になっている。
【0030】
この場合、リング状の第2当接部21は、図4および図5に示すように、その外周面が第1回転軸4の第2従動節部15の平坦面に圧接した状態で転動することにより、第2回転軸6に第1回転軸4の付勢部材14の付勢力が付与されるように構成されている。また、この第2当接部21の外周面には、図5に示すように、連結部7の連結本体7aに対する回転位置を規制する第2カム部22が設けられている。
【0031】
この第2カム部22は、図5および図9に示すように、第2当接部21の外周面に沿ってほぼ半円弧状に設けられた小径部であり、第2回転軸6が連結部7の連結本体7aに対して回転する際、図5および図9に示すように、左側に位置する第1回転軸5のリング状の抜け止め部19に接触して回転すると共に、この第2カム部22の小径部と反対側に位置する第2当接部21の大径の外周面が右側に位置する第1回転軸4の第2従動節部15を付勢部材14の付勢力に抗して押圧しながら回転するように構成されている。
【0032】
すなわち、この第2カム部22は、図5に示すように、その一方の端部22aが抜け止め部19に位置すると、第2カム部22の小径部と反対側に位置する大径の外周面の端部、つまり第2当接部21における大径の外周面の端部が抜け止め部19に当接し、これにより連結部7に対する第2回転軸6の回転位置、つまり第1ケース1のキー入力部1aと第2ケース2の表示部2aとが対面する状態(0°の角度位置)に規制するように構成されている。
【0033】
また、この第2カム部22は、図9に示すように、第2回転軸6が上記と逆方向に回転して、第2カム部22の他方の端部22bが抜け止め部19に位置すると、第2当接部21における大径の外周面の端部が抜け止め部19に当接し、これにより連結部7に対する第2回転軸6の逆方向における回転位置、つまり第1ケース1のキー入力部1aと第2ケース2の表示部2aとが対面しない状態(180°の角度位置)に規制するように構成されている。
【0034】
なお、第1ケース1と第2ケース2とを接続する接続ケーブル(図示せず)は、第1ケース1に設けられた第1回転軸5の円筒状の軸本体18内に外側から挿入されて連結部7の連結本体7aの下側に導かれた上、第2ケース2に設けられた第2回転軸6の円筒状の軸本体20を通して第2ケース2内に導かれるように構成されている。
【0035】
このような携帯電話機のヒンジ構造によれば、第1ケース1と第2ケース2との相対的な回転位置が任意の回転位置において、第1回転軸4、5を中心に第1ケース1と第2ケース2とを折り畳んだ状態から開く方向、つまり折り畳み方向に回転させることができると共に、第2回転軸6を中心に第1ケース1と第2ケース2とを折り畳み方向と直交する方向に回転させることができるので、第1ケース1と第2ケース2との相対的な回転位置の影響を受けずに、第1ケース1と第2ケース2とを折り畳み方向とこれに直交する方向との2方向に自由に回転させることができる。
【0036】
この場合、第1回転軸4、5のうち、第1回転軸4は、第1取付部8に対して回転可能に押し付けられる第1従動節部12と、連結部7に接離可能に押し付けられる第1当接部13と、この第1当接部13と第1従動節部12との間に配置されて第1従動節部12を第1取付部8に圧接させるための付勢部材14と、第2回転軸6側に向けて突出した位置に設けられた第2従動節部15とを有し、第2回転軸6は、第2従動節部15に圧接した状態で転動する第2当接部21を有しているので、第1ケース1と第2ケース2との相対的な回転位置に係わらず、1つの付勢部材14によって、第1回転軸4と第2回転軸14とに常に付勢力を付与することができる。
【0037】
また、第1回転軸4の第1従動節部12は、付勢部材14によって常に第1取付部8に押し付けられて圧接しているので、第1回転軸4が回転する際においても、第1回転軸4に付勢部材14の付勢力を確実に付与することができると共に、第2回転軸6の第2当接部21が第2従動節部15に圧接した状態で転動するので、第2回転軸6が回転する際においても、第2回転軸6に付勢部材14の付勢力を確実に付与することができ、これにより第1ケース1と第2ケース2との相対的な回転位置の影響を受けずに、第1ケース1と第2ケース2とを自由に回転させることができる。
【0038】
また、第1従動節部12は、連動筒部16によって連結部7の側片部7bと連結されて連結部7の側片部7bと共に第1取付部8に対して相対的に回転するので、第1回転軸4が連結部7の側片部7bに対して回転する際に、付勢部材14の付勢力を第1回転軸4に確実に付与することができ、これにより第1ケース1と第2ケース2とを折り畳み方向に回転させる際に、第1ケース1と第2ケース2とを任意の回転角度に保持することができる。
【0039】
この場合、第1従動節部12には、第1取付部8の軸取付片8aにおける所定箇所に設けられた凹部8cに係脱可能に係合する位置規制突起12aが設けられているので、第1ケース1と第2ケース2とが第1回転軸4を中心に所定角度、例えば0°、90°、165°の各角度に回転するごとに、位置規制突起12aが第1取付部8の軸取付片8aの各凹部8cに係合することにより、第1回転軸4と第1取付部8とにクリック感を付与して、第1従動節部12を第1取付部8の軸取付片8aに対する回転位置を規制することができる。
【0040】
また、第2従動節部15の外周面には、連結部7と第1取付部8とに対する相対的な回転位置を規制する第1カム部17が設けられているので、第1回転軸4が連結部7の側片部7bに対して回転する際、第1カム部17が連結部7の連結本体7aに接触して回転し、第1カム部17の一方の端部17aが連結部7の連結本体7aに位置して第2従動節部15における大径の外周面の端部が連結本体7aに当接することにより、連結部7に対する第1回転軸4の回転位置、つまり第1ケース1と第2ケース2とが重なり合って閉じた状態(0°の角度位置)に確実に規制することができる。
【0041】
また、この第1カム部17は、図8に示すように、第1回転軸4が上記と逆方向に回転して、第1カム部17の他方の端部17bが連結部7の連結本体7aに位置した際に、第2従動節部15における大径の外周面の端部が連結本体7aに当接することにより、連結部7に対する第2回転軸6の逆方向における回転位置、つまり第1ケース1と第2ケース2とが最大に開いた状態(165°の角度位置)に確実に規制することができる。
【0042】
また、第2回転軸6における第2当接部21は、第2回転軸6と共に回転する際、第2カム部22が左側に位置する第1回転軸5の抜け止め部19に接触して回転すると共に、この第2カム部22の小径部と反対側に位置する第2当接部21の大径の外周面が右側に位置する第1回転軸4の第2従動節部15を付勢部材14の付勢力に抗して押圧しながら回転するので、その大径の外周面が第2従動節部15を連結部7の側片部7cに接近させることができ、これにより第2回転軸6に付勢部材14の付勢力を確実に付与することができ、第2ケース2を第1ケース1に対する任意の回転角度に保持することができる。
【0043】
この場合、第2当接部21の第2カム部22は、その一方の端部22aが抜け止め部19に位置した際に、連結部7に対する第2回転軸6の回転位置、つまり第1ケース1のキー入力部1aと第2ケース2の表示部2aとが対面する状態(0°の角度位置)に確実に規制することができ、また、第2回転軸6が上記と逆方向に回転して、第2カム部22の他方の端部22bが抜け止め部19に位置した際に、連結部7に対する第2回転軸6の逆方向における回転位置、つまり第1ケース1のキー入力部1aと第2ケース2の表示部2aとが対面しない状態(180°の角度位置)に確実に規制することができる。
【0044】
(実施形態2)
次に、図10〜図15を参照して、この発明を適用した携帯電話機の実施形態2について説明する。なお、図1〜図9に示された実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明する。
この携帯電話機は、図10〜図12に示すように、第1ケース31と第2ケース32とがヒンジ部33によって折り畳み可能で且つその折り畳み方向と直交する方向(ここで、直交する方向とは90°±1°の範囲の方向のことである。)に回転可能に連結された構成のブック型のものであり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
【0045】
すなわち、ヒンジ部33は、図13〜図15に示すように、第1ケース31に取り付けられる第1取付部34と、第2ケース32に取り付けられる第2取付部35と、第1取付部34に取り付けられる第1回転軸36と、第2取付部35に取り付けられる第2回転軸37と、第1回転軸36と第2回転軸37とを直交させた状態で連結する連結部38とを備えている。この連結部38は、金属板をL字形状に折り曲げることにより、第1回転軸36が取り付けられる側片部38aと、第2回転軸37が第1回転軸36に対して直交して取り付けられる上片部38bとを備えている。
【0046】
第1取付部34は、図13〜図15に示すように、金属板をコ字形状に折り曲げることにより、第1ケース31に取り付けられる本体部34aと、この本体部34aの両側に設けられた一対の軸取付片34b、34cとを備えた構成になっている。第2取付部35は、第2ケース32に取り付けられる本体部35aと、この本体部35aに設けられた軸取付片35とを備えた構成になっている。
【0047】
この場合、第1取付部34における一対の軸取付片34b、34cのうち、図14において左側に位置する軸取付片34bは、連結部38の側片部38aの内側(図14では左側)に配置されており、右側に位置する軸取付片34cは、連結部38の側片部38aから右側に離れた位置に配置されている。第1回転軸36は、第1ケース31と第2ケース32とを重ね合わせて折り畳んだ図10に示す状態から図11に示す長手方向に向けて開く折り畳み方向に回転する。また、第2回転軸37は、第1回転軸36に対して直交する図12に示す方向に回転する。
【0048】
この第1回転軸36は、実施形態1とほぼ同様、第1取付部34に取り付けられる丸棒状の軸本体11と、第1取付部34の右側に位置する軸取付片34cに対して回転可能に押し付けられる第1従動節部12と、連結部38の側片部38aに接離可能に押し付けられる第1当接部13と、この第1当接部13と第1従動節部12との間に配置された付勢部材14と、第2回転軸37側に向けて突出した位置に設けられた第2従動節部15とを備えている。
【0049】
軸本体11は、実施形態1と同様、その一端部(図14では右端部)が第1取付部34の右側に位置する軸取付片34cに取り付けられ、他端部(図14では左端部)が連結部38の側片部38aと第1取付部34の左側の軸取付部34bとを通して第2回転軸37側に向けて突出している。第1従動節部12は、実施形態1と同様、第1取付部34の右側に位置する軸取付部34cの内面(図14では左側面)に対面した状態で軸本体11の右側部に回転可能に取り付けられている。
【0050】
この第1従動節部12も、実施形態1と同様、円筒状の連動筒部16によって連結部38の側片部38aに連結され、この状態で連結部38の側片部38aと共に第1取付部34に対して相対的に回転するように構成されている。第1当接部13は、実施形態1と同様、連結部38の側片部38aの外側面(図14では右側面)に対面した状態で、軸本体11の左側部に一体に設けられている。
【0051】
付勢部材14は、実施形態1と同様、コイルばねであり、第1従動節部12と第1当接部13との間に配置され、第1従動節部12を第1取付部34の軸取付片34cに押し付けて圧接させると共に、第1当接部13を連結部38の側片部38aに向けて接離可能に押し付けるように構成されている。この場合、第1従動節部12にも、実施形態1と同様、第1取付部34の軸取付片34cにおける所定箇所に設けられた複数の凹部(図示せず)に係脱可能に係合する位置規制突起(図示せず)が設けられている。
【0052】
この位置規制突起も、実施形態1と同様、第1ケース31と第2ケース32とが第1回転軸36を中心に所定角度、例えば0°、90°、180°の各角度に回転するごとに、第1取付部34の軸取付片34cの各凹部に係脱可能に係合することにより、第1回転軸36と第1取付部34とにクリック感を付与して、第1従動節部12を第1取付部34の軸取付片34cに対する回転位置を規制するように構成されている。
【0053】
第2従動節部15は、実施形態1と同様、連結部38の側片部38aの内側面(図14では左側面)に対して接離可能に所定間隔Sだけ離れた状態で、連結部38の側片部38aから第2回転軸37の下側に向けて突出した軸本体11の左端部に一体に設けられている。この第2従動節部15は、その外周部が連結部38の上片部38bの内面(図14では下面)に接触した状態で回転するように構成されている。この場合にも、第2従動節部15の外周面には、連結部38と第1取付部34とに対する相対的な回転位置を規制する第1カム部17が設けられている。
【0054】
また、第2回転軸37は、実施形態1と同様、円筒状の軸本体20を備えている。この軸本体20は、その一端部(図14では上端部)が第2取付部35に取り付けられ、他端部(図14では下端部)が連結部38の上片部38bに回転可能に取り付けられ、この他端部が上片部38bの下側に突出し、この突出した他端部にリング状の第2当接部21が第1回転軸36の第2従動節部15に圧接した状態で取り付けられた構成になっている。
【0055】
この場合、リング状の第2当接部21は、図13〜図15に示すように、その外周面が第1回転軸36の第2従動節部15の平坦面に圧接した状態で転動することにより、第2回転軸37に第1回転軸36の付勢部材14の付勢力が常に付与されるように構成されている。また、この第2当接部21の外周面には、図13〜図15に示すように、連結部38の上片部38bに対する回転位置を規制する第2カム部22が設けられている。
【0056】
この第2カム部22は、実施形態1と同様、第2当接部21の外周面に沿ってほぼ半円弧状に設けられた小径部であり、第2回転軸6が連結部7の連結本体7aに対して回転する際、図13〜図15に示すように、連結部38の上片部38bに設けられたストッパ部39に接触して回転すると共に、この第2カム部22の小径部と反対側に位置する第2当接部21の大径の外周面が右側に位置する第1回転軸4の第2従動節部15を付勢部材14の付勢力に抗して押圧しながら回転するように構成されている。
【0057】
すなわち、この第2カム部22は、図15に示すように、その一方の端部がストッパ部39に位置した際に、第2当接部21における大径の外周面の端部がストッパ部39に当接することにより、連結部7に対する第2回転軸6の回転位置、つまり第1ケース31と第2ケース32とが折り畳まれて重なり合った状態(0°の角度位置)に規制するように構成されている。
【0058】
また、この第2カム部22は、図14に示すように、第2回転軸6が上記と逆方向に回転して、第2カム部22の他方の端部がストッパ部39に位置した際に、第2当接部21における大径の外周面の端部がストッパ部39に当接することにより、連結部38に対する第2回転軸6の逆方向における回転位置、つまり第1ケース31と第2ケース32とが最も開いた状態(180°の角度位置)に規制するように構成されている。
【0059】
このような携帯電話機のヒンジ構造においても、実施形態1と同様、第1ケース31と第2ケース32との相対的な回転位置が任意の回転位置において、第1回転軸36を中心に第1ケース31と第2ケース32とを折り畳んだ状態から開く方向の折り畳み方向に回転させることができると共に、第2回転軸37を中心に第1ケース31と第2ケース32とを折り畳み方向と直交する方向に回転させることができるので、第1ケース31と第2ケース32との相対的な回転位置の影響を受けずに、第1ケース31と第2ケース32とを折り畳み方向とこれに直交する方向との2方向に自由に回転させることができる。
【0060】
この場合、第1回転軸36は、第1取付部34に対して回転可能に押し付けられる第1従動節部12と、連結部38に接離可能に押し付けられる第1当接部13と、この第1当接部13と第1従動節部12との間に配置されて第1従動節部12を第1取付部34に圧接させるための付勢部材14と、第2回転軸37側に向けて突出した位置に設けられた第2従動節部15とを有し、第2回転軸37は、第2従動節部15に圧接した状態で転動する第2当接部21を有しているので、第1ケース31と第2ケース32との相対的な回転位置に係わらず、1つの付勢部材14によって、第1回転軸36と第2回転軸37とに付勢力を常に付与することができる。
【0061】
また、第1回転軸36の第1従動節部12は、付勢部材14によって常に第1取付部34に押し付けられて圧接しているので、第1回転軸36が回転する際においても、第1回転軸36に付勢部材14の付勢力を確実に付与することができると共に、第2回転軸37の第2当接部21が第2従動節部15に圧接した状態で転動するので、第2回転軸37が回転する際においても、第2回転軸37に付勢部材14の付勢力を確実に付与することができ、これにより第1ケース31と第2ケース32との相対的な回転位置の影響を受けずに、第1ケース31と第2ケース32とを自由に回転させることができる。
【0062】
また、第1従動節部12も、連動筒部16によって連結部38の側片部38aと連結されて連結部38の側片部38aと共に、第1取付部34に対して相対的に回転するので、第1回転軸36が連結部38の側片部38aに対して回転する際に、付勢部材14の付勢力を第1回転軸36に確実に付与することができ、これにより第1ケース31に対して第2ケース32を折り畳み方向と直交する方向に回転させる際に、第1ケース31に対して第2ケース32を任意の回転角度に保持することができる。
【0063】
この場合にも、第1従動節部12には、第1取付部34の軸取付片34cにおける所定箇所に設けられた複数の凹部(図示せず)に係脱可能に係合する位置規制突起(図示せず)が設けられているので、第1ケース31と第2ケース32とが第1回転軸36を中心に所定角度回転するごとに、位置規制突起が第1取付部34の軸取付片34cの凹部に係合することにより、実施形態1と同様、第1回転軸36と第2回転軸37とにクリック感を付与して、第1従動節部12を第1取付部34の軸取付片34cに対する回転位置を規制することができる。
【0064】
また、第2当接部21の第2カム部22は、その一方の端部がストッパ部39に位置した際に、連結部7に対する第2回転軸6の回転位置、つまり第1ケース31のキー入力部1aと第2ケース32の表示部2aとが対面する状態(0°の角度位置)に確実に規制することができ、また、第2回転軸6が上記と逆方向に回転して、第2カム部22の他方の端部がストッパ部39に位置した際に、連結部7に対する第2回転軸6の逆方向における回転位置、つまり第1ケース31のキー入力部1aと第2ケース32の表示部2aとが対面しない状態(180°の角度位置)に確実に規制することができる。
【0065】
(実施形態3)
次に、図16および図17を参照して、この発明を適用した携帯電話機の実施形態3について説明する。この場合にも、図1〜図9に示された実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明する。
この携帯電話機は、連結部7に第2回転軸6の回転範囲を規制するストッパ部40を設けると共に、連結部7の両側の側片部7b、7cに取り付けられた第1回転軸4、5を第1取付部41で連結した構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
【0066】
ストッパ部40は、図16および図17に示すように、連結部7の連結本体7aの下面に、第2回転軸6を挟んで第1回転軸4の第2従動節部15に対向して取り付けられ、第2回転軸6における第2当接部20の第2カム部22が接触して回転するように構成されている。この場合、第2回転軸6の第2当接部20の外周に設けられた第2カム部22は、実施形態1とほぼ同様、第2当接部21の外周面に沿ってほぼ半円弧状に設けられた小径部である。
【0067】
この第2カム部22は、第2回転軸6が連結部7の連結本体7aに対して回転する際、図16および図17に示すように、左側に位置するストッパ部40に接触して回転すると共に、この第2カム部22の小径部と反対側に位置する第2当接部21の大径の外周面が右側に位置する第1回転軸4の第2従動節部15を付勢部材14の付勢力に抗して押圧しながら回転するように構成されている。
【0068】
すなわち、この第2カム部22は、その一方の端部がストッパ部40に位置した際に、第2当接部21における大径の外周面の端部がストッパ部39に当接することにより、連結部7に対する第2回転軸6の回転位置、つまり第1ケース1のキー入力部1aと第2ケース2の表示部2aとが対面する状態(0°の角度位置)に規制するように構成されている。
【0069】
また、この第2カム部22は、第2回転軸6が上記と逆方向に回転して、第2カム部22の他方の端部がストッパ部40に位置した際に、第2当接部21における大径の外周面の端部がストッパ部39に当接することにより、連結部7に対する第2回転軸6の逆方向における回転位置、つまり第1ケース1のキー入力部1aと第2ケース2の表示部2aとが対面しない状態(180°の角度位置)に規制するように構成されている。
【0070】
一方、第1取付部41は、図16および図17に示すように、第1ケース1に取り付けられる本体部41aと、連結部7の両側の側片部7b、7cに取り付けられた第1回転軸4、5がそれぞれ取り付けられる一対の軸取付片41b、41cとを備え、本体部41aの両側に一対の軸取付片41b、41cが一体に設けられた構成になっている。すなわち、本体部7aには、一対の軸取付片41b、41cを連結するための連結固定部41dが一体に形成されている。
【0071】
このような携帯電話機のヒンジ構造によれば、実施形態1と同様の作用効果があるほか、連結部7にストッパ部40が設けられているので、連結部7に対する第2回転軸6の回転範囲を確実に規制することができる。すなわち、ストッパ部40は、第2回転軸6が連結部7の連結本体7aに対して回転する際、第2当接部20の第2カム部22が接触して回転し、第2カム部22の両側に位置する一方の端部と他方の端部とがストッパ部40に位置した際に、連結部7に対する第2回転軸6の回転範囲を確実に規制することができる。
【0072】
また、第1取付部41は、第1ケース1に取り付けられる本体部41aと、連結部7の両側の側片部7b、7cに取り付けられた第1回転軸4、5がそれぞれ取り付けられる一対の軸取付片41b、41cとを備え、本体部41aに一対の軸取付片41b、41cを連結する連結固定部41dが設けられているので、第1取付部41を第1ケース1に取り付ける際、実施形態1のように、第1取付部8、9が第1回転軸4、5とに応じて分割されている場合に比べて、取付作業が容易にできると共に、連結部7の両側に取り付けられる第1回転軸4、5を安定した状態で取り付けることができる。
【0073】
なお、上記実施形態1〜3では、付勢部材14として、コイルばねを用いた場合について述べたが、必ずしもコイルばねである必要はなく、板ばね、皿ばねなどの各種のばねを用いても良い。また、第2回転軸6は、必ずしも円筒形状である必要はなく、丸棒状であっても良い。この場合には、第1ケース1、31と第2ケース2、32を接続する接続部材としてフレキシブルな配線基板を用いれば良い。
【0074】
また、上記実施形態1〜3では、第2回転軸6を第1回転軸4、5に対し直交する方向(つまり、90°±1°の範囲の方向)に回転するように構成した場合について述べたが、これに限らず、第1回転軸4、5に対して第2回転軸6を、90°±10°の範囲(つまり80°〜100°の角度範囲)のほぼ直交する方向に回転するように構成しても良い。
【0075】
さらに、上記実施形態1〜3では、この発明のヒンジ構造を携帯電話機に適用した場合について述べたが、必ずしも携帯電話機に適用する必要はなく、例えばカメラ、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)、ノート型パソコン、ウェアラブルパソコン、電卓、電子辞書などの各種の電子機器に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】この発明を携帯電話機に適用した実施形態1において第1、第2の各ケースを重ね合わせて折り畳んだ状態で内部構造を示した側面図である。
【図2】図1の携帯電話機の第1、第2の各ケースを最大限に開いた状態で内部構造を示した側面図である。
【図3】図1の携帯電話機の第1、第2の各ケースを90°に開いた状態で第1ケースに対して第2ケースを折り畳み方向と直交する方向に90°回転させた状態で内部構造を示した側面図である。
【図4】図1のヒンジ部を示した拡大平面図である。
【図5】図4のヒンジ部を手前側から見た拡大正面図である。
【図6】図4のA−A矢視を示した要部の拡大側面図である。
【図7】図3の状態において第2従動節部を示した要部の拡大側面図である。
【図8】図2の状態において第2従動節部を示した要部の拡大側面図である。
【図9】図3の状態において第2回転軸の第2当接部を示した要部の拡大平面図である。
【図10】この発明を携帯電話機に適用した実施形態2において第1、第2の各ケースを折り畳んで重ね合わせた状態でヒンジ部付近の内部構造を示した斜視図である。
【図11】図10の状態の第1、第2の各ケースを長手方向に開いた状態でヒンジ部付近の内部構造を示した斜視図である。
【図12】図10の状態の第1、第2の各ケースを長手方向と直交する方向に開いた状態でヒンジ部付近の内部構造を示した斜視図である。
【図13】図12の状態における第1、第2の各ケースの内部およびヒンジ部の構成を示した要部の斜視図である。
【図14】図13のヒンジ部を示した拡大平面図である。
【図15】図10の状態におけるヒンジ部を上方から見た拡大平面図である。
【図16】この発明を携帯電話機に適用した実施形態3においてヒンジ部を示した拡大斜視図である。
【図17】図16のヒンジ部を上側から見た拡大平面図である。
【符号の説明】
【0077】
1、31 第1ケース
2、32 第2ケース
3、33 ヒンジ部
4、
5、36 第1回転軸
6、37 第2回転軸
7、38 連結部
8、
9、34、41 第1取付部
8c 第1取付部の凹部
10、35 第2取付部
11 軸本体
12 第1従動節部
12a 位置規制突起
13 第1当接部
14 付勢部材
15 第2従動節部
16 連動筒部
17 第1カム部
21 第2当接部
22 第2カム部
39、40 ストッパ部
41d 連結固定部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と第2の筐体とを折り畳んだ状態から開く方向の折り畳み方向に回転させるための第1回転軸と、この第1回転軸の回転方向に対してほぼ直交する方向に回転する第2回転軸と、前記第1回転軸と前記第2回転軸とを連結する連結部と、前記第1回転軸を前記第1の筐体に対して取り付けるための第1取付部と、前記第2回転軸を前記第2の筐体に対して取り付けるための第2取付部とを備えたヒンジ構造であって、
前記第1回転軸は、前記第1取付部に対して回転可能に押し付けられる第1従動節部と、前記連結部に接離可能に押し付けられる第1当接部と、この第1当接部と前記第1従動節部との間に配置されて前記第1従動節部を前記第1取付部に圧接させるための付勢部材と、前記第2回転軸側に向けて突出した位置に設けられた第2従動節部とを有し、
前記第2回転軸は、前記第2従動節部に圧接した状態で転動する第2当接部を有していることを特徴とするヒンジ構造。
【請求項2】
前記第1従動節部と前記連結部とを連結して前記連結部と共に前記第1従動節部を前記第1取付部に対して相対的に回転させる連動部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ構造。
【請求項3】
前記連結部と前記第1取付部とに対する相対的な回転位置を規制する第1回転位置規制部を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒンジ構造。
【請求項4】
前記第2当接部には、前記連結部に対する前記第2回転軸の回転位置を規制する第2回転位置規制部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のヒンジ構造。
【請求項5】
前記連結部には、前記第1回転軸の回転範囲を制限するストッパ部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のヒンジ構造。
【請求項6】
前記第1取付部は、前記連結部の両側にそれぞれ取り付けられた前記第1回転軸の両方が取り付けられ、この両方の前記第1の回転軸を連結固定する連結固定部を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のヒンジ構造。
【請求項7】
請求項1に記載されたヒンジ構造を備えていることを特徴とする電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−78127(P2010−78127A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−250695(P2008−250695)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】