説明

ビジュアルディスプレイを用いる調色選択プロセス

車両を補修するコンピュータ実装の方法が開示される。方法は、車両に対する補修作業を行なう前に、損傷した車両に対して補修を行う費用を見積するステップと、車両の原仕上がりに最良に調和する塗換塗料調合を求めてコンピュータベースの探索を行うことによって車両を塗り換えるために塗換塗料調合を決定するステップとを含み、この場合、補修作業は、任意の車体作業、機械系作業および/または電気系作業ならびに車両を塗り換えることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2008年4月30日に出願され、名称が「Color Formulation Selection Process」である米国出願第12/112,556号の一部継続出願であり、この米国出願は本明細書に参照によって援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、車両を塗り換えるための調色を決定する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
車両が設計される場合、車両塗料は、その塗料に対する主調合(prime formulation)と呼ばれる、生産のために指定された原調合(original formulation)を有する。しかしながら、製造環境において車両に塗布される塗料の色は変動する傾向がある。変動性は、塗料組成の成分がプロダクションラン間においてわずかに変化する場合、単一の生産施設内においても認められ得る。これは、典型的には、特定の生産施設において製造される車両の塗装色におけるずれ(drift)として見られる。さらに、塗装色におけるさらにより実質的な相違が同じ車両製造業者の異なる生産施設において製造される車両間において認められ得る。生産施設の各々は、塗料に加えられる顔料および他の着色剤を含む塗料成分の異なるロットを受け取り得、それによって、生産施設間における塗装色の相違をもたらす。
【0004】
車両が補修を受ける場合、補修塗料が車両に塗布され、補修塗料は原塗料と調和すべきである。製造時に車両に塗布された原塗料における色変動に起因して、補修塗料を原塗料に調和させることは困難である。原車両塗料と車両への補修塗料との間における相違が知覚され得る。相手先商標製造会社によって生産される塗料の色変動は、車両を補修する多くの自動車車体補修工場において色調和させることを困難にする。
【0005】
車両は、典型的には原塗料調合を参照する色コードを含む一連の識別タグを含む。塗装色変動に起因して、各色コードは、概して主調合に関連付けられる複数の変種調合に調和する。補修塗装員は、補修を受ける車両の塗料に最も良く調和する単一の色コードに関連付けられた複数の調合から塗料調合を選択しなければならない。
【0006】
車両が車体補修施設に入る場合、補修を行うための見積が作成される。補修作業は、塗装構成要素(例えば、パネルまたはバンパー)に対する本体作業を含み、しばしば車両の機械的システムおよび電気的システムの補修も伴う。補修プロセスにおける最終のステップは、車両の外部の損傷した部分を塗り換えることである。塗装補修は、原車両塗装の色および色効果に密接に調和する塗料調合を得ることを伴う。車両が塗換の用意ができる時の近くになって、すなわち本体作業(およびあらゆる機械的/電気的システム作業)が完了した後になって初めて調和塗装調合を決定するプロセスが発生する。その時までに車両は、既に数日間以上補修施設にあり得る。補修員は、次いでぴったりと調和する塗換塗料調合を迅速に識別する仕事が課される。満足のゆく塗料調合を識別する試みにおけるあらゆる遅延は、しばしば車両をそのオーナーに戻す際の遅延の原因である。さらに、補修プロセスの最後における塗換塗料色調和に関連付けられる遅延は、生産性(生産高)および関連する費用(保険など)の点で補修施設にとって出費のかさむことである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の概要)
本発明は、車両を補修するコンピュータ実装の方法に関し、(1)車両に対する補修作業を始める前に、(a)損傷した車両に対し補修を行う費用を見積りすること、および(b)車両の原仕上がりと最良に調和する塗換塗料調合を識別するためにコンピュータベースの探索を行うことと、(2)車両に対して補修作業を行い、補修作業はステップ(1)において識別された最良に調和した塗換塗料調合を用いて車両を塗り換えることとを包含する。
【0008】
本発明はまた、塗換補修調合を識別するコンピュータ実装の方法を含み、そのコンピュータ実装の方法は、色データに関連付けられた塗換塗料調合を含むデータベースを有するコンピュータを提供することと、補修されるべき車両の色データをコンピュータに入力し、データベースにおいて車両の色データに最も良く調和する塗換調合を探索することと、最良の調和塗換調合および識別された調合に対する調和等級を識別することとを包含する。
【0009】
本発明は、車両を補修するコンピュータ実装の方法をさらに含み、そのコンピュータ実装の方法は、色データに関連付けられた塗換塗料調合を含むデータベースを有するコンピュータを提供することと、補修されるべき車両の色データをコンピュータに入力し、データベースにおいて車両の色データに最も良く調和する塗換調合を探索することと、最良の調和塗換調合および識別された調合に対する調和等級を識別することと、車両に対して補修作業を行うことであって、補修作業は、識別された調合を用いて車両を塗り換えることを含み、この場合、車両は識別された調合に対する調和等級に従って塗り換えられる、こととを包含する。
【0010】
本発明は、塗換補修調合を識別するコンピュータ実装の方法をさらに含み、そのコンピュータ実装の方法は、色データに関連付けられた塗換塗料調合を含むデータベースを有するコンピュータを提供することと、補修されるべき車両の色データをコンピュータに入力し、データベースにおいて車両の色データに最も良く調和する少なくとも1つの塗換調合を探索することと、その少なくとも1つの塗換調合に対する調和等級を提供することと、所望の調和等級を有する最良の調和塗換調合を選択することと、選択された調合の色票を表示することとを包含する。
【0011】
また、車両を補修するコンピュータ実装の方法が含まれ、そのコンピュータ実装の方法は、色データに関連付けられた塗換塗料調合を含むデータベースを有するコンピュータを提供することと、補修されるべき車両の色データをコンピュータに入力することと、データベースにおいて車両の色データに最も良く調和する少なくとも1つの塗換調合を探索することと、少なくとも1つの塗換調合に対する調和等級を提供することと、所望の調和等級を有する最良の調和塗換調合を選択することと、選択された調合の色票を表示することと、車両に対して補修作業を行うことであって、補修作業は、選択された調合を用いて車両を塗り換えることを含み、この場合、車両は選択された調合に対する調和等級に従って塗り換えられる、こととを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の方法のフローチャートである。
【図2A】図2A〜図2Cは、色探索を行う本発明のユーザに提示されるスクリーンショットである。
【図2B】図2A〜図2Cは、色探索を行う本発明のユーザに提示されるスクリーンショットである。
【図2C】図2A〜図2Cは、色探索を行う本発明のユーザに提示されるスクリーンショットである。
【図3A】図3A〜図3Eは、変種探索を行う本発明のユーザに提示されるスクリーンショットである。
【図3B】図3A〜図3Eは、変種探索を行う本発明のユーザに提示されるスクリーンショットである。
【図3C】図3A〜図3Eは、変種探索を行う本発明のユーザに提示されるスクリーンショットである。
【図3D】図3A〜図3Eは、変種探索を行う本発明のユーザに提示されるスクリーンショットである。
【図3E】図3A〜図3Eは、変種探索を行う本発明のユーザに提示されるスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明は、車体補修を受ける車両の塗換中に調色を選択する方法に関して説明される。図1に現れるフローチャートを参照すると、車両が車体補修工場に到着すると、ステップ10において車両を補修する費用および時期の見積が作成される。車両オーナーがどの作業が完了されるべきかを決定し得るようにもしくは補修プロセス中にかかる費用について保険会社が知らされ得るように、またはその両方の組み合わせを行うように完了すべき作業の範囲の理解を提供するために、費用見積が作成される。非常に正確な見積は、結果として車両オーナーおよび/または保険会社に対するより正確な最終費用をもたらし、車両オーナーおよび保険会社の両方が車体補修施設によって行われる補修の実行に対して満足することにつながる。一旦修理見積が(車両オーナーおよび/または保険会社によって)受諾されると、車両は補修施設によって処理される。本発明の方法において、補修見積の作成後(ステップ10)、補修を受ける車両の損傷した本体作業を塗り換えるための塗換塗料調合が選択される。車両の実際の物理的な補修の充分前に塗換調合選択プロセスを実行することによって、通常補修プロセスの最後に起る、色調和に関連付けられたボトルネックが、回避され得るかまたは少なくとも本体作業および任意の機械系/電気系作業が行われている時間中に解決されることが見出された。車体補修プロセスの早期に適切な塗換塗料調合を識別することによって、車両が塗換の用意ができると、塗換塗料調合は混合および塗布の容易ができ得る。さらに、最善調和の塗換塗料調合は、補修見積を生成するために使用されるコンピュータシステムのいくつかまたはすべてを用いて行われ得る。
【0014】
本発明の一実施形態において、車両の無傷の部分の表面からの色データは、ステップ12において得られる。これは分光光度計を用いて行われ得、分光光度計は、特定の視角および/または照明角度で塗装表面から反射された光量に対応する反射率データの形式で塗装表面の色特性の測定を提供する。色データ測定の視角はすべて、単一の面(面内)であり得るかまたは互いに対して面外であり得る。適切な分光光度計は、面内角で見るX−Rite MA48および面外角で見るX−Rite MA98など、Grand Rapids,MIの法人であるX−Rite Americaによって製造される。同様に、塗装表面を照明する光は、複数の照明角度が面内または面外である状態で、1つの角度または複数の角度で塗装表面に向けられ得る。本発明は、そのような照明角度および測定角度の任意の組み合わせで車両の無傷の部分の表面からの色データを得ることを含む。
【0015】
物体の色を分析する1つの一般的なシステムは、三原色(赤、緑、青)を用いる三刺激値に基づくCIE 1976(L)色空間などの色空間において反射率データを規定することである。L値は、それぞれ、輝度、彩度および色相を表す。一実施形態において、L色データは、塗り換えされるべき車両に対して正確な色読み取りを得るために、5つの視角などの複数の視角で車両の無傷の部分から得られ得る。そのような視角は、15°、25°、45°、75°および105°(または110°)の非鏡面反射角を含み得る。これらの非鏡面角は、異なる角度および/または他の量の視角が使用され得るので、限定することを意図されない。
【0016】
車両の無傷の部分から分光光度計を介して得られた測定された色データは、コンピュータに転送される。分光光度計からの測定された色データをコンピュータに転送する適切なシステムは、無線通信、メモリスティックもしくは類似のものまたはインターネットを介する遠隔サーバへのデータ転送を含む。一実施形態において、転送は、コンピュータに結線で接続された受信器に分光光度計を合体させることによって行われ得る。さらに、「コンピュータによる」は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、コンピュータネットワーク、遠隔サーバ、またはセルラデバイスもしくは携帯情報端末(PDA)などのハンドヘルドデバイスなどの任意のマイクロプロセッサベースのデバイスであることが意図される。
【0017】
ステップ14において、車両に塗布される塗料の製造業者名および色コードが得られ、コンピュータに入力される。色コードは、典型的には、ドアジャム(door jam)または類似のものなどに英数字形式で車両に提供される。色コードは、キーボードまたは無線転送デバイスなどの入力デバイスを介して入力される。
【0018】
以下に説明されるように、コンピュータは、コンピュータのデータベースに維持される塗料調合を塗り換えるために色データと色コードとの調和(または色データ単独での調和)を行うソフトウェアを含む。データベースは、車両の製造業者の色コードおよび色データに関連付けられた塗換塗料調合の主調合および変種調合を含む。データベースは、色データに関連付けられた特別注文の調合を含み得る。既存の主調合および変種調合のどれもが補修を受けている車両の塗料との適切な調和を提供しない場合、特別注文の調合が塗換塗料プロフェショナルによって時折開発される。本発明の一実施形態において、塗換塗料プロフェショナルは、特別注文の調合を用いて塗装された表面からの反射率データを測定するために分光光度計を用いるなどによって、特別注文の調合の色データを得る。車両塗料の色データに関連付けられた特別注文の調合を含むデータベースは、主調合および変種調合の上記のデータと同じであり得るかもしくは異なり得、また車体補修工場における特定の場所のコンピュータなどの様々なコンピュータシステムに格納され得るかまたは上記の遠隔サーバもしくは類似のものを介してアクセス可能であり得る。
【0019】
データベースにおいて塗換塗料調合に関連付けられ得る他の基準は、製造業者(例えば、Honda)、モデル(例えば、Accord)、販売区域(例えば、米国またはヨーロッパ)、製造年、車両部分(例えば、フェンダ、ドアパネル)、車両識別番号(VIN)、特殊効果顔料(例えば、緑パール、緑XirallicTMまたはPaliocromTMオレンジ色)、粒子サイズ(例えば、非常に細かい、細かいまたは中位程度)、色族(例えば、赤、緑、ベージュ)、フロップ指標範囲、仕上がり効果(例えば、無地、メタリック、マイカまたはこれらの組み合わせ)を含むデータベースにおける塗換塗料調合に関連付けられ得る。
【0020】
ステップ16において、変種探索は、ステップ12において得られた色データおよびステップ14で得られた色コードの両方に基づいて塗料調合に対する最良の調和を求めて行われる。変種探索は、モデル、販売区域、車両部分、製造年、VIN、特殊効果顔料、および粒子サイズなどの1つ以上の探索基準を含めることによってさらに緻密にされ得る。色データおよび色コードに基づいて変種探索がなされる場合、コンピュータにおけるソフトウェアは、主調合およびその色コードに特に関連づけられる主調合の変種に探索を限定する。このことは、原車両塗料の特殊効果顔料のサイズおよびタイプと調和する識別された塗料調合の(メタリックおよび真珠光沢の効果顔料などの)特殊効果顔料の可能性を増加させる。「最良の調和」または関係するフレーズは、識別された塗換塗料調合が、車両に塗布された場合、車両の隣接する無傷の部分と同じに見える(またはその無傷の部分と異なるようには目では見分けることができない)ことを意味する。
【0021】
色コードが車両に利用可能でないかまたは用いられない場合、ステップ14は省略され得(経路14aによる)、彩度探索は車両から得られた色データのみに基づいて行われる。彩度探索において、ソフトウェアは、特殊効果顔料に特に注目することなく色データの全データベースを探索する。しかしながら、彩度探索は、製造業者、モデル、販売区域、製造年、色族、フロップ指数範囲、仕上がり効果、車両部分、VIN、特殊効果顔料、および粒子サイズなどの1つ以上の探索基準を含めることによってさらに緻密にされ得る。変種探索の場合のように、さらなる基準を用いることは、原車両塗料の特殊効果顔料のサイズおよびタイプと調和する識別された塗料調合の(メタリックおよび真珠光沢の効果顔料などの)特殊効果顔料の可能性を増加させる。
【0022】
コンピュータ上の探索の出力は、最も有りそうなことは、主調合もしくは変種調合であり、または色コードに対する色データに最も良く調和する複数の調合であり(ステップ14による変種探索)、色コードに無関係に色データに最も良く調和する複数の調合(経路14a経由の彩度探索)である。調和した塗換塗料調合または識別された塗換塗料調合の参照は、反対に指示されない限り、1つ以上のそのような調合を含むように理解されるべきである。コンピュータソフトウェアは、(1)ステップ16において、色データまたは色コードを有する色データに関連付けられた塗換塗料調合の1つ以上のデータベースを探索し、かつ(2)ステップ18において、最良に調和した塗換塗料調合を識別するアルゴリズムを含む。最良の調和は、「調和等級(match rating)」と称される数値を用いてユーザ(例えば、補修員)に提示される。調和等級は、修正された色差を表す。ソフトウェアは、データベースにおける多くの格納された塗料調合の色データに対する車両の無傷の部分の色差を計算する。調和等級は、係数10が掛けられ得、その結果、補修員によってより容易に解釈され得る(例えば、その結果、数字は少数よりはむしろ整数値である)。調和等級は、CIELAB DEまたはCMC DEなどの公開されている色差等式を用いる様々な手段によって計算され得る。色差は、多数の視角に対する単純平均であり得るかまたは多数の視角に対する加重平均であり得る。調和等級は、公開されている等式を用いてフロップ指数における差を計算することによってさらに修正され得る。調和等級は、ソフトウェアによって提供される最良の調和の信頼水準を提供するために補修員によって用いられる。この方法で、識別された塗換塗料調合は、調合の調和等級に従って車両に塗布され得る。例えば、8未満の調和等級は、優、または、例えばパネルが混合なしに再塗装され得るほど十分に良好な調和などの「パネル」調和として見なされ得る。8を超え15未満の調和等級は、塗り換されているパネルから車両の隣接する部分に塗料の混合を必要とし得る「混合可能」調和として見なされ得る。これらの数値は限定することは意図されないで、最良の調和のための他の信頼水準は、車両塗料が無地の色またはメタリック/真珠光沢の色効果を有する場合に必要とされ得る。最低の調和等級を有する塗換調合は最良の調和と考えられるが、この最良の調和は調和等級の計算の関数である。調和等級の計算はまた、最高値が最良の調和であると考えられるように行われ得る。調和等級は、数字でもしくはビジュアルインジケータによってか、またはその両方で表示され得る。例としてビジュアルインジケータは、色または記号またはその両方を含み得る。色は、例えば、優の調和に対する緑、混合可能調和に対する琥珀色、および識別された調合のいくらかの薄い色合いを必要とし得る調和に対する赤などの認識可能な交通色であり得る。適切な記号は、(優調和を指示する)交通信号と、(混合可能な調和を指示する)収量(yield)記号と、いくらかの追加の薄い色合いが必要され得ることを指示する一時停止標識の形式など注意記号とを含む。
【0023】
コンピュータと通信する出力デバイスは、コンピュータ画面もしくはプリントアウトまたは類似のものなどで、最良の調和塗換調合および調和等級をユーザに提示する。2つ以上の最良の調和塗換塗料調合が出力デバイス上に提示され得る。そのような最良の調和塗換塗料調合の各々は、その対応する調和等級と共に提示される。最良の調和塗換塗料調合は、調合識別子、品種コード、塗料系などを指示する情報の表などのリストとして提示され得る。ユーザは、塗換調合の調和等級に基づいて塗換調合を選択する。典型的にはユーザは、最低(最良)の調和等級を有する塗換調合を選択するが、ユーザは、より高い調和等級を有する塗換調合を選択することを決め得る。
【0024】
出力は、構成要素および量または相対量のリストなどにおいて選択された塗換塗料調合のさらなる詳細を含み得る。図1のステップ18aに示されるように、オプションで、出力は、選択された塗換塗料調合の色票ならびに車両の無傷の部分の色に対応する色票を含み得る。色票は、典型的には画面領域の一部分として塗換調合の色のオンスクリーン表示を意味する。車両の色票および選択された塗換塗料調合の色票は、調和の精度の指示または確認として並んで見られ得る。識別された調合は、ステップ20において、混ぜられ、車両の試験部分に塗布される。塗布された調合が受諾可能である場合、車両の補修の残りの部分は予定通り進行し、本体作業補修および機械系/電気系の補修が完了次第、車両は調合を用いて塗装される。
【0025】
図2A〜図2Cは、彩度探索する際に本発明の方法を用いる実施例からのコンピュータスクリーンショットを表す。色調和において用いられる分光光度計は典型的には複数の車両からの複数の読み取りを保持し得るので、図2Aは色データの分光光度計の複数の読み取りを示し、強調表示されたデータはユーザによって選択されている。彩度探索において、ユーザは、色データに基づいて調和が行われるように(すなわち、「Formulate」ボタンをクリックすることによって)リクエストし、結果として、図2Bに示される画面をもたらし、図2Bは10個のあり得る調合に対する調和等級(「MR」)を提供する。最低の調和等級13を有する調合が(強調表示された部分によって指示されるように)選択され、画面は、車両色データの色票(「Target Car Color」)と、選択された調合の色票(「Found Match Color」)とを含む。「Continue」ボタンをクリックすることによって、ユーザは、構成要素および調合の他の特性のリストを含む、調合に関する詳細な情報を有する、図2Cに示されるような画面が提示される。
【0026】
(図2Bと共に)図3A〜図3Eは、変種探索する際に本発明の方法を用いる実施例からのコンピュータスクリーンショットを表す。図3Aは、ユーザによって入力された色コード(すなわち、「8K4」)に関するデータのスクリーンショットを表す。モデル、製造業者、色族、製造年、車両部分、VIN、特殊効果顔料、または粒子サイズのオプションの追加の探索基準を含むドロップダウンメニューが、例えば図3Aに示されるように含まれる。「Search」ボタンをクリックすると、ユーザは図3Bに示されるような画面が提示され、ドロップダウンメニューから車両のタイプおよび塗料色効果(すなわち、「Toyota」および「Metallic/Mica」)が選択される。ユーザは、「Continue」ボタンをクリックし、図2Aにおけるように画面が提示され、示されるように色データを選択する。「OK」ボタンをクリックすると、ユーザは、図3Cに示されるように、複数の変種(すなわち、「VI/V,Prime,VI」)の調和等級(「MR」)を示す画面およびウィンドウが提示される。「OK」ボタンをクリックすると、ユーザは、図3Dにおけるような画面が提示され得、その画面は、最低の調和等級(例えば、10)を有する調合が車両色データの色票(「Target Car Colour」)および選択された調合の色票(「Found Match Colour」)と共に選択されることを指示する。彩度探索の場合のように、ユーザは、次いで「Accept」ボタンをクリックし、構成要素および調合の他の特性のリストを含む、調合の詳細な情報を有する、図3Eに示されるような画面が提示される。
【0027】
図2および図3を参照して説明される本発明の方法を用いる実施例は、単に実施例であり、それらの実施例は、本発明において多数の修正および変種が当業者にとって明らかであるので、例示のみであることが意図される。
【0028】
前述の説明において開示される概念から逸脱することなく本発明に対する修正がなされ得ることは当業者に容易に理解される。以下の特許請求の範囲がその言葉によって明らかに別のことを述べない限り、そのような修正は特許請求の範囲内に含まれることとして考えられるべきである。従って、本明細書において詳細に説明される特定の実施形態は、例示のみであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲の全幅および特許請求の範囲のあらゆるかつすべての均等物が与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗換補修調合を識別するコンピュータ実装の方法であって、
色データに関連付けられた塗換塗料調合を含むデータベースを有するコンピュータを提供することと、
補修されるべき車両の色データを該コンピュータに入力することと、
該データベースにおいて該車両の色データに最も良く調和する少なくとも1つの塗換調合を探索することと、
該少なくとも1つの塗換調合に対する調和等級を提供することと、
所望の調和等級を有する最善調和の塗換調合を選択することと、
該選択された調合の色票を表示することと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記データベースは、製造業者、モデル、販売区域、製造年、色族、フロップ指数範囲、仕上がり効果、車両の部分、VIN、特殊効果顔料、粒子サイズ、およびこれら組み合わせを含むさらなる基準に関連付けられる塗換塗料調合をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択された調合を表示することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記データベースは、色データおよび色コードに関連付けられた塗換塗料調合をさらに含み、前記方法は、
前記車両の原塗料調合の該色コードを前記コンピュータに入力することと、該データベースにおいて該車両色データおよび該車両色コードに最も良く調和する少なくとも1つの塗換調合を探索することとをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記車両色データは、前記車両の一部分の表面から得られる反射率データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記反射率データは、ポータブル分光光度計を用いて得られる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記反射率データは、複数の視角で得られる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記反射率データは、5つの視角で得られる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記反射率データは、複数の角度での前記車両の表面の照明から得られる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記データベースは、特別注文の調合の試料から得られた色データに関連付けられた該特別注文の調合を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記調和等級は、数字で表されるかもしくは視覚的に指示されるかまたはその両方である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
車両を補修するコンピュータ実装の方法であって、
色データに関連付けられた塗換塗料調合を含むデータベースを有するコンピュータを提供することと、
補修されるべき車両の色データを該コンピュータに入力することと、
該データベースにおいて該車両の色データに最も良く調和する少なくとも1つの塗換調合を探索することと、
該少なくとも1つの塗換調合に対する調和等級を提供することと、
所望の調和等級を有する最善調和の塗換調合を選択することと、
該選択された調合の色票を表示することと、
該車両に補修作業を行うことであって、該補修作業は、該選択された調合を用いて該車両を塗り換えることを含み、該車両は該選択された調合に対する該調和等級に従って塗り換えられる、ことと
を包含する、方法。
【請求項13】
前記データベースは、製造業者、モデル、販売区域、製造年、色族、フロップ指数範囲、仕上がり効果、車両の部分、VIN、特殊効果顔料、粒子サイズ、およびこれら組み合わせを含むさらなる基準に関連付けられる塗換塗料調合をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記選択された調合を表示することをさらに包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記データベースは、色データおよび色コードに関連付けられた塗換塗料調合をさらに含み、前記方法は、
前記車両の原塗料調合の色コードを前記コンピュータに入力することと、該コンピュータの該データベースにおいて該車両色データおよび車両色コードに最も良く調和する少なくとも1つの塗換調合を探索することとをさらに包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記車両色データは、前記車両の表面から得られる反射率データを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記調和等級は、パネル調和であり、前記車両は混合することなく塗り替えられる、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記調和等級は、混合調和であり、前記車両は混合によって塗り替えられる、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記データベースは、特別注文の調合の試料から得られた色データに関連付けられた該特別注文の調合を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記調和等級は、数字で表されるかもしくは視覚的に指示されるかまたはその両方である、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【公表番号】特表2012−515950(P2012−515950A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534694(P2011−534694)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/062291
【国際公開番号】WO2010/051294
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ,インコーポレイテッド (267)
【Fターム(参考)】