説明

ビスフラニルプロテアーゼ阻害剤

本発明は、式(I)(式中、A、X、Q、R〜R、m、およびWは、本明細書に記載する値を有する)の化合物、ならびにこのような化合物を含む組成物を提供する。化合物は、プロテアーゼ阻害剤であり、動物において薬物耐性の発現を阻害するのに有用である。本発明はまた、動物においてプロテアーゼ活性を阻害するのに有用な医薬を調製するための本発明の化合物の使用も提供する。本発明はまた、病原性実体(例えば、ウイルス)が薬物耐性(例えば、多剤耐性)を発現する可能性を減少させるために有用な医薬を調製するための本発明の化合物の使用も提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HIVに感染した哺乳動物においてHIVの薬物耐性の発現を阻害するための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物耐性は、薬物による障害の一般的な理由である。耐性に起因する薬物による障害の最も劇的な例の1つは、HIV治療において存在する。一次治療に対して一度HIV耐性が生じると、多剤交差耐性の発現のために将来的な成功の確率が大幅に減少する。感染物質(例えば、ウイルス、細菌、原生動物、およびプリオン)または他の病原細胞(例えば、腫瘍細胞)が関与する他の疾患は、薬物耐性が薬物による障害の主因であるという点で、同様の課題を提示する。
【0003】
特許文献1として2005年7月21日に公開された米国特許出願第11/030,632号は、下記式(I)
【0004】
【化1】

(式中、Rは、OH、=O、NH、またはアルキルアミノであり、A、X、Q、R、R、R、R、m、およびWは、そこに記載されている特定の値を有する)の特定の化合物に関する。この化合物は、HIVに感染した哺乳動物においてHIVの薬物耐性の発現を妨げるのに有用であると全体的に報告されている(段落0022を参照されたい)。RがOHである式Iのいくつかの化合物の合成が報告された(例えば、実施例11および12を参照されたい)。生物学的データもまた、RがOHであるいくつかの式(I)の化合物について報告された(例えば、実施例14、15、19、および20を参照されたい)。RがOH以外の値を有する化合物は調製されなかった。RがOH以外の値を有する化合物について、生物学的データは何も報告されなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0158713号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
がアミノまたは置換アミノである式(I)の化合物は、RがOHである化合物と比較して改善された薬物動態的性質(例えば、肝臓安定性)を有することが今や決定された。したがって、本発明は、式(I)
【0007】
【化2】

の化合物である本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩を提供し、式中、
Aは、ヘテロアリールまたは式
【0008】
【化3】

を有する基であり、
各Rは、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルであり、Rは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アルカノイルアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換されており、
YおよびZは、同一でもまたは異なっていても、CH、O、S、SO、SO、NR、RC(O)N、RC(S)N、ROC(O)N、ROC(S)N、RSC(O)N、RNC(O)N、およびRNC(S)Nからなる群から独立に選択され、
nは、1〜5の整数であり、
Xは、共有結合、CHR10、CHR10CH、CHCHR10、O、NR10、またはSであり、
Qは、C(O)、C(S)、またはSOであり、
は、H、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、
mは、0〜6の整数であり、
は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、Rは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アルカノイルアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、(R10O)P(=O)−、(R10O)P(=O)アルキル、(R10O)P(=O)アルコキシ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換されており、1つまたは複数の置換基の任意のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つまたは複数のハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、またはアルキルアミノによって任意選択で置換されており、
は、=NR、またはNRであり、式中、RおよびRは、各々独立に、−V−Rであり、式中、各Vは、独立に、直接結合または−C(=O)であり、各Rは、独立に、H、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、またはアルキニルであり、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アルカノイルアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換されており、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、または(CH14(式中、qは0〜5の整数である)であり、Rは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、Rは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アルカノイルアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換されており、またはRおよびRは、式(I)のN−W結合と一緒になって、大員環を構成し、これは大員環中に1つまたは複数のさらなるヘテロ原子を任意選択で含み、
およびRは、各々、H、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、
各R10は、独立に、H、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、
14は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、R14は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アルカノイルアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換されており、
Wは、C(O)、C(S)、S(O)、またはSOである。
【0009】
本発明はまた、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物も提供する。
【0010】
本発明はまた、プロテアーゼを、阻害有効量の本発明の化合物と(in vitroまたはin vivoで)接触させるステップを含む、プロテアーゼ活性を阻害する方法も提供する。
【0011】
本発明はまた、有効量の本発明の化合物を、病原性実体に感染している動物に投与するステップを含む、病原性実体(例えば、ウイルス)が薬物耐性を発現する可能性を減少させる方法も提供する。
【0012】
本発明はまた、動物においてプロテアーゼ活性を阻害するのに有用な医薬を調製するための本発明の化合物の使用も提供する。
【0013】
本発明はまた、病原性実体(例えば、ウイルス)が薬物耐性(例えば、多剤耐性)を発現する可能性を減少させるために有用な医薬を調製するための本発明の化合物の使用も提供する。
【0014】
本発明はまた、病原性で自己複製する生物学的実体の生化学的標的を阻害する治療化合物を投与する方法も提供する。治療化合物は、本発明の方法によって投与される場合、病原性実体が薬物耐性を発現する可能性を減少させる。したがって、本発明による治療化合物を投与する方法は、治療における長期間の成功の可能性を向上させる。
【0015】
本発明はまた、薬物耐性を阻害する有効量の本発明の化合物を投与するステップを含む、HIVに感染した哺乳動物においてHIVの薬物耐性の発現を阻害するための方法も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の化合物の特定のスルホンアミドコアの合成の例示である。
【図2】ビス−テトラヒドロフランリガンドの合成およびその光学分割の例示である。
【図3A】ビス−テトラヒドロフランおよびスルホンアミドのカップリングによる本発明の化合物の合成の例示である。
【図3B】ビス−テトラヒドロフランおよびスルホンアミドのカップリングによる本発明の化合物の合成の例示である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書において用いられるように、「アルキル」という用語は、約1〜約20個の炭素原子の鎖、好ましくは約1〜約10個の炭素原子、さらに好ましくは約1〜約8個の炭素原子、よりさらに好ましくは約1〜約6個の炭素原子を含有する、直鎖または分岐状アルキル基を意味する。このような置換基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル、オクチル、ドデカニルなどが挙げられる。
【0018】
「アルケニル」という用語は、1つまたは複数の二重結合を有し、約2〜約20個の炭素原子の鎖、好ましくは約2〜約10個の炭素原子、さらに好ましくは約2〜約8個の炭素原子、よりさらに好ましくは約2〜約6個の炭素原子を含有する、直鎖または分枝鎖のアルケニル基を意味する。このような置換基の例には、ビニル、アリル、1,4−ブタジエニル、イソプロペニルなどが挙げられる。
【0019】
「アルキニル」という用語は、1つまたは複数の三重結合を有し、約2〜約20個の炭素原子の鎖、好ましくは約2〜約10個の炭素原子、さらに好ましくは約2〜約8個の炭素原子、よりさらに好ましくは約2〜約6個の炭素原子を含有する、直鎖または分枝鎖のアルキニル基を意味する。このような基の例には、エチニル、プロピニル(プロパルギル)、ブチニルなどが挙げられる。
【0020】
「アルカノイル」という用語は、アルキル−C(=O)−基を意味する。例には、アリール、プロパノイル、イソプロパノイル、およびブタノイルが挙げられる。
【0021】
「アミノ」という用語は、NHを意味する。
【0022】
「アルコキシ」という用語は、アルキルエーテル基を意味し、「アルキル」という用語は、上記で定義した通りである。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0023】
「アルコキシカルボニル」という用語は、アルコキシ−C(=O)−基を意味する。例には、tert−ブトキシカルボニル、メトキシカルボニル、およびエトキシカルボニルが挙げられる。
【0024】
「アルキルチオ」という用語は、アルキルチオエーテル基を意味し、「アルキル」という用語は、上記で定義した通りである。アルキルチオ基の例には、メチルチオ(SCH)、エチルチオ(SCHCH)、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ヘキシルチオなどが挙げられる。
【0025】
「アルキルアミノ」という用語は、アルキルアミン基を意味し、「アルキル」という用語は、上記で定義した通りである。アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ(NHCH)、エチルアミノ(NHCHCH)、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ヘキシルアミノなどが挙げられる。
【0026】
「アルカノイルアミノ」という用語は、1個の窒素がアルカノイル基によって置換されているアミノ基を意味する。例には、アシルアミノ、プロパノイルアミノ、およびイソプロパノイルアミノが挙げられる。
【0027】
「アルコキシカルボニルアミノ」という用語は、1個の水素がアルコキシカルボニル基によって置換されているアミノ基を意味する。例には、tert−ブトキシカルボニルアミノおよびメトキシカルボニルアミノが挙げられる。
【0028】
「シクロアルキル」という用語は、1つまたは複数のアルキル炭素環によって規定される単環式または多環式アルキル基を意味し、シクロアルキルが、各環中の炭素環骨格に3〜約10個の炭素原子、好ましくは約4〜約7個の炭素原子、さらに好ましくは5〜6個の炭素原子を有する多環式基である場合、このアルキル炭素環は同一でもまたは異なっていてもよい。単環式シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロデシルなどが挙げられる。多環式シクロアルキル基の例には、デカヒドロナフチル、ビシクロ[5.4.0]ウンデシル、アダマンチルなどが挙げられる。
【0029】
「シクロアルキルアルキル」という用語は、本明細書に記載されているようなアルキル基を意味し、アルキル基上の1つまたは複数の水素原子が、本明細書に記載されているようなシクロアルキル基によって置換されている。シクロアルキルアルキル基の例には、シクロヘキシルメチル、3−シクロペンチルブチルなどが挙げられる。
【0030】
「ハロアルキル」という用語は、1つまたは複数の水素が独立に選択されたハロ原子によって置換されているアルキル基を意味する。例には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、およびペルフルオロエチルが挙げられる。
【0031】
「ハロアルコキシ」という用語は、1つまたは複数の水素が独立に選択されたハロ原子によって置換されているアルコキシ基を意味する。例には、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2−クロロ−2−フルオロエトキシ、およびペルフルオロエトキシが挙げられる。
【0032】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、本明細書に記載されているような(多環を含めた)シクロアルキル基を意味し、炭素環骨格を規定している少なくとも1個の炭素が、例えば、O、N、またはSなどのヘテロ原子によって置換されており、環が本明細書に記載されているようなヘテロアリールでなければ、環内に1つまたは複数の二重結合を任意選択で含む。ヘテロシクロアルキルは好ましくは、各環の炭素環骨格中に3〜約10個の原子(員)、好ましくは約4〜約7個の原子、さらに好ましくは5〜6個の原子を有する。ヘテロシクロアルキル基の例には、エポキシ、アジリジル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ピペラジル、ピペリジニル、ピペラジル、ピペラジニル、ピラニル、モルホリニルなどが挙げられる。
【0033】
「ヘテロシクロアルキルアルキル」という用語は、アルキル基上の少なくとも1つの水素原子が、本明細書に記載されているようなヘテロシクロアルキル基によって置換されている、本明細書に記載されているようなアルキル基を意味する。ヘテロシクロアルキルアルキル基の例には、2−モルホリノメチル、3−(4−モルホリノ)−プロピル、4−(2−テトラヒドロフラニル)−ブチルなどが挙げられる。
【0034】
「アリール」という用語は、当技術分野で一般に理解されているような芳香族炭素環基を意味し、例えば、フェニルおよびナフチル基などの単環式および多環式芳香族化合物が挙げられる。各アリールは、本明細書に記載するように任意選択で「置換」されている場合があり、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、−N(R)CHCHO−、または−N(R)C(=O)CHO−(式中、RはHまたはアルキルである)によっても置換されている場合がある。
【0035】
「アリールオキシ」という用語は、アリール−O−基を意味する。アリールオキシ基の例には、フェノキシ、ナフチルオキシ、4−フルオロフェノキシなどが挙げられる。
【0036】
「アリールアミノ」という用語は、アリール−NH−基を意味する。アリールアミノ基の例には、フェニルアミノ、ナフチルアミノ、3−ニトロフェニルアミノ、4−アミノフェニルアミノなどが挙げられる。
【0037】
「アリールチオ」という用語は、アリール−S−基を意味する。アリールチオ基の例には、フェニルチオ、ナフチルチオ、3−ニトロフェニルチオ、4−チオフェニルチオなどが挙げられる。
【0038】
「アラルキル」という用語は、アリール−アルキル基を意味する。アラルキル基の例には、ベンジル、フェネチル、3−(2−ナフチル)−ブチルなどが挙げられる。
【0039】
「アリールオキシアルキル」という用語は、アリールオキシ−アルキル基を意味する。アリールオキシアルキル基の例には、フェノキシエチル、4−(3−アミノフェノキシ)−1−ブチル−などが挙げられる。
【0040】
「アリールアミノアルキル」という用語は、アリールアミノ−アルキル基を意味する。アリールアミノアルキル基の例には、フェニルアミノエチル、4−(3−メトキシフェニルアミノ)−1−ブチルなどが挙げられる。
【0041】
「アラルコキシ」という用語は、アリール−アルコキシ基を意味する。アラルコキシ基の例には、ベンジルオキシ、2−フェニルエトキシ、2−フェニル−1−プロポキシなどが挙げられる。
【0042】
「(アリールオキシ)アルコキシ」という用語は、アリールオキシ−アルコキシ基を意味する。(アリールオキシ)アルコキシ基の例には、2−フェノキシエトキシ、4−(3−アミノフェノキシ)−1−ブトキシなどが挙げられる。
【0043】
「(アリールアミノ)アルコキシ」という用語は、アリールアミノ−アルコキシ基を意味する。(アリールアミノ)アルコキシ基の例には、2−(フェニルアミノ)−エトキシ、2−(2−ナフチルアミノ)−1−ブトキシなどが挙げられる。
【0044】
「(アリールチオ)アルコキシ」という用語は、アリールチオ−アルコキシ基を意味する。(アリールチオ)アルコキシ基の例には、2−(フェニルチオ)−エトキシなどが挙げられる。
【0045】
「アラルキルアミノ」という用語は、アリール−アルキルアミノ基を意味する。アラルキルアミノ基の例には、2−フェネチルアミノ、4−フェニル−n−ブチルアミノなどが挙げられる。
【0046】
「(アリールオキシ)アルキルアミノ」という用語は、アリールオキシ−アルキルアミノ基を意味する。(アリールオキシ)アルキルアミノ基の例には、3−フェノキシ−n−プロピルアミノ、4−フェノキシブチルアミノなどが挙げられる。
【0047】
「(アリールアミノ)アルキルアミノ」という用語は、アリールアミノ−アルキルアミノ基を意味する。(アリールアミノ)アルキルアミノ基の例には、3−(ナフチルアミノ)−1−プロピルアミノ、4−(フェニルアミノ)−1−ブチルアミノなどが挙げられる。
【0048】
「(アリールチオ)アルキルアミノ」という用語は、アリールチオ−アルキルアミノ基を意味する。(アリールチオ)アルキルアミノ基の例には、2−(フェニルチオ)−エチルアミノなどが挙げられる。
【0049】
「アラルキルチオ」という用語は、アリール−アルキルチオ基を意味する。アラルキルチオ基の例には、3−フェニル−2−プロピルチオ、2−(2−ナフチル)−エチルチオなどが挙げられる。
【0050】
「(アリールオキシ)アルキルチオ」という用語は、アリールオキシ−アルキルチオ基を意味する。(アリールオキシ)アルキルチオ基の例には、3−フェノキシプロピルチオ、4−(2−フルオロフェノキシ)−ブチルチオなどが挙げられる。
【0051】
「(アリールアミノ)アルキルチオ」という用語は、アリールアミノ−アルキルチオ基を意味する。(アリールアミノ)アルキルチオ基の例には、2−(フェニルアミノ)−エチルチオ、3−(2−ナフチルアミノ)−n−プロピルチオなどが挙げられる。
【0052】
「(アリールチオ)アルキルチオ」という用語は、アリールチオ−アルキルチオ基を意味する。(アリールチオ)アルキルチオ基の例には、2−(ナフチルチオ)−エチルチオ、3−(フェニルチオ)−プロピルチオなどが挙げられる。
【0053】
「ヘテロアリール」という用語は、当技術分野で一般に理解されるような芳香族複素環によって規定される任意選択で置換された基を意味し、例えば、イミダゾール、チアゾール、ピラゾール、ピロール、フラン、ピラゾリン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリドン、ピリミジン、ピラジン、およびトリアジン基などの単環式基が挙げられ、また例えば、キノリン、イソキノリン、インドール、およびベンゾチアゾール基などの多環が挙げられる。
【0054】
「ヘテロアリールオキシ」という用語は、ヘテロアリール−O−基を意味する。ヘテロアリールオキシ基には、例えば、4−ピリジルオキシ、5−キノリルオキシなどが挙げられる。
【0055】
「ヘテロアリールアミノ」という用語は、ヘテロアリール環上の水素原子が窒素によって置換されている、本明細書に記載されているようなヘテロアリール−NH−基を意味する。ヘテロアリールアミノ基には、例えば、4−チアゾリルアミノ、2−ピリジルアミノなど挙げられる。
【0056】
「ヘテロアリールチオ」という用語は、ヘテロアリール環上の水素原子が硫黄によって置換されている、本明細書に記載されているようなヘテロアリール−S−基を意味する。ヘテロアリールチオ基には、例えば、3−ピリジルチオ、3−キノリルチオ、4−イミダゾリルチオなど挙げられる。
【0057】
「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリール−アルキル基を意味する。ヘテロアラルキル基の例には、2−ピリジルメチル、3−(4−チアゾリル)−プロピルなどが挙げられる。
【0058】
「ヘテロアラルコキシ」という用語は、ヘテロアリール−アルコキシ基を意味する。ヘテロアラルコキシ基の例には、2−ピリジルメトキシ、4−(1−イミダゾリル)−ブトキシなどが挙げられる。
【0059】
「ヘテロアラルキルアミノ」という用語は、ヘテロアリール−アルキルアミノ基を意味する。ヘテロアラルキルアミノ基の例には、4−ピリジルメチルアミノ、3−(2−フラニル)−プロピルアミノなどが挙げられる。
【0060】
「ヘテロアラルキルチオ」という用語は、ヘテロアリール−アルキルチオ基を意味する。ヘテロアラルキルチオ基の例には、3−ピリジルメチルチオ、3−(4−チアゾリル)−プロピルチオなどが挙げられる。
【0061】
本発明の一実施形態では、基が「置換」されている場合、その基上の1つまたは複数の水素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される置換基によって置換されている。
【0062】
基、置換基、および範囲について下記に挙げた特定で好ましい値は、例示するためだけであり、それらは基および置換基について他の確定値または確定した範囲内の他の値を除外しない。
【0063】
本発明の1実施形態では、式Iの化合物は、下記の化合物および薬学的に許容されるその塩から選択される。
【0064】
【化4】

【0065】
【化5】

【0066】
【化6】

【0067】
【化7】

本発明の方法
本発明は、治療化合物を投与する方法を提供し、この方法は長期間の治療が成功する可能性を増加させる。一実施形態では、本発明は、自己複製する病原性で自己複製する生物学的実体(病原性先祖)の生化学的標的を阻害する治療化合物を投与する方法を提供する。
【0068】
一実施形態では、病原性で自己複製する生物学的実体は、感染性微生物、例えば、ウイルス、真菌、原生動物、または細菌である。感染性微生物がウイルスである場合、HIV−1またはH1V−2などのレトロウイルスである場合がある。感染性微生物が原生動物である場合、プラスモディウム種などのマラリア原虫である場合がある。
【0069】
他の実施形態では、病原性で自己複製する生物学的実体は癌細胞である場合があり、それは急速に増殖する腫瘍細胞、例えば乳癌、結腸癌、肺癌などに見出される急速に増殖する癌細胞である場合がある。
【0070】
本発明はまた、式(I)
【0071】
【化8】

で表される薬物耐性を阻害する有効量の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、もしくはエステルを投与するステップを含む、HIVに感染した哺乳動物において薬物耐性の発生の防止方法も提供し、式中、
Aは、式
【0072】
【化9】

を有する基であり、
は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルであり、ここで1つまたは複数の水素原子は、OR、SR、CN、NO、N、およびハロゲンからなる群から選択される置換基によって任意選択で置換されていてもよく、
YおよびZは、同一でもまたは異なっていても、CH、O、S、SO、SO、NR、RC(O)N、RC(S)N、ROC(O)N、ROC(S)N、RSC(O)N、RNC(O)N、およびRNC(S)Nからなる群から独立に選択され、
nは、1〜5の整数であり、
Xは、共有結合、CHR10、CHR10CH、CHCHR10、O、NR10、またはSであり、
Qは、C(O)、C(S)、またはSOであり、
は、H、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、
mは、0〜6の整数であり、
は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで1つまたは複数の水素原子は、アルキル、(CH11、OR12、SR12、CN、N、NO、NR1213、C(O)R12、C(S)R12、CO12、C(O)SR12、C(O)NR1213、C(S)NR1213、NR12C(O)R13、NR12C(S)R13、NR12CO13、NR12C(O)SR13、およびハロゲンからなる群から独立に選択される置換基によって任意選択で置換されていてもよく、
は、NRであり、式中、RおよびRは、各々独立に、−V−Rであり、式中、各Vは、独立に、直接結合または−C(=O)であり、各Rは、独立に、H、アルキル、アルコキシ、アルケニル、またはアルキニルであり、このアルキル、アルコキシ、アルケニル、またはアルキニルは、任意選択で置換されており、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、または(CH14(式中、qは、0〜5の整数である)であり、Rは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで1つまたは複数の水素原子は、ハロゲン、OR15、SR15、S(O)R15、SO15、SONR1516、SON(OH)R15、CN、CR15=NR16、CR15=N(OR16)、N、NO、NR1516、N(OH)R15、C(O)R15、C(S)R15、CO15、C(O)SR15、C(O)NR1516、C(S)NR1516、C(O)N(OH)R15、C(S)N(OH)R15、NR15C(O)R16、NR15C(S)R16、N(OH)C(O)R15、N(OH)C(S)R15、NR15CO16、N(OH)CO15、NR15C(O)SR16、NR15C(O)NR1617、NR15C(S)NR1617、N(OH)C(O)NR1516、N(OH)C(S)NR1516、NR15C(O)N(OH)R16、NR15C(S)N(OH)R16、NR15SO16、NHSONR1516、NR15SONHR16、P(O)(OR15)(OR16)、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される置換基によって任意選択で置換されていてもよく、あるいはRおよびRは、式(I)のN−W結合と一緒になって、N−W結合の窒素以外に環中に少なくとも1つのさらなるヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)を含む場合がある12〜18員環を構成するように、RおよびRは共有結合しており、
Wは、C(O)、C(S)、S(O)、またはSOであり、
は、H、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、
およびRは、H、アルキル、アルケニル、およびアルキニルからなる群から独立に選択され、
10は、H、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、
pは、0〜5の整数であり、
11は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで1つまたは複数の水素原子は、ハロゲン、OH、OCH、NH、NO、SH、およびCNからなる群から独立に選択される置換基によって任意選択で置換されていてもよく、
12およびR13は、H、アルキル、アルケニル、およびアルキニルからなる群から独立に選択され、
14は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで1つまたは複数の水素原子は、ハロゲン、OH、OCH、NH、NO、SH、およびCNからなる群から選択される置換基によって任意選択で置換されていてもよく、
15、R16、およびR17は、H、非置換アルキル、または非置換アルケニルである。
【0073】
の特定の値は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで少なくとも1つの水素原子は、アルキル、(CH11、OR12、SR12、CN、N、NO、NR1213、C(O)R12、C(S)R12、CO12、C(O)SR12、C(O)NR1213、C(S)NR1213、NR12C(O)R13、NR12C(S)R13、NR12CO13、NR12C(O)SR13、およびハロゲンからなる群から独立に選択される置換基によって任意選択で置換されている。
【0074】
の特定の値は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、または(CH14であり、式中、qは0〜5の整数であり、R14は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで少なくとも1つの水素原子は、ハロゲン、OH、OCH、NH、NO、SH、およびCNからなる群から選択される置換基によって任意選択で置換されている。
【0075】
の特定の値は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで少なくとも1つの水素原子は、ハロゲン、OR15、SR15、S(O)R15、SO15、SONR1516、SON(OH)R15、CN、CR15=NR16、CR15=N(OR16)、N、NO、NR1516、N(OH)R15、C(O)R15、C(S)R15、CO15、C(O)SR15、C(O)NR1516、C(S)NR1516、C(O)N(OH)R15、C(S)N(OH)R15、NR15C(O)R16、NR15C(S)R16、N(OH)C(O)R15、N(OH)C(S)R15、NR15CO16、N(OH)CO15、NR15C(O)SR16、NR15C(O)NR1617、NR15C(S)NR1617、N(OH)C(O)NR1516、N(OH)C(S)NR1516、NR15C(O)N(OH)R16、NR15C(S)N(OH)R16、NR15SO16、NHSONR1516、NR15SONHR16、P(O)(OR15)(OR16)、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される置換基によって任意選択で置換されている。
【0076】
11の特定の値は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで少なくとも1つの水素原子は、ハロゲン、OH、OCH、NH、NO、SH、およびCNからなる群から独立に選択される置換基によって任意選択で置換されている。
【0077】
化合物の特定の群は、Rの少なくとも1つの水素原子が、ハロゲン、OR15、SR15、S(O)R15、SO15、SONR1516、SON(OH)R15、CN、CR15=NR16、CR15=N(OR16)、N、NO、NR1516、N(OH)R15、C(O)R15、C(S)R15、CO15、C(O)SR15、C(O)NR1516、C(S)NR1516、C(O)N(OH)R15、C(S)N(OH)R15、NR15C(O)R16、NR15C(S)R16、N(OH)C(O)R15、N(OH)C(S)R15、NR15CO16、N(OH)CO15、NR15C(O)SR16、NR15C(O)NR1617、NR15C(S)NR1617、N(OH)C(O)NR1516、N(OH)C(S)NR1516、NR15C(O)N(OH)R16、NR15C(S)N(OH)R16、NR15SO16、NHSONR1516、NR15SONHR16、またはP(O)(OR15)(OR16)以外の置換基によって任意選択で置換されている場合、前記置換基上の少なくとも1つの水素原子は、ハロゲン、OR15、SR15、S(O)R15、SO15、SONR1516、SON(OH)R15、CN、CR15=NR16、CR15=N(OR16)、N、NO、NR1516、N(OH)R15、C(O)R15、C(S)R15、CO15、C(O)SR15、C(O)NR1516、C(S)NR1516、C(O)N(OH)R15、C(S)N(OH)R15、NR15C(O)R16、NR15C(S)R16、N(OH)C(O)R15、N(OH)C(S)R15、NR15CO16、N(OH)CO15、NR15C(O)SR16、NR15C(O)NR1617、NR15C(S)NR1617、N(OH)C(O)NR1516、N(OH)C(S)NR1516、NR15C(O)N(OH)R16、NR15C(S)N(OH)R16、NR15SO16、NHSONR1516、NR15SONHR16、またはP(O)(OR15)(OR16)によって任意選択で置換されている化合物である。
【0078】
本発明の1つの特定の実施形態では、Aは、式
【0079】
【化10】

の基であり、
は、Hアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルであり、ここで1つまたは複数の水素原子は、OR、SR、CN、NO、N、およびハロゲンからなる群から独立に選択される置換基によって任意選択で置換されていてもよく(式中、RはH、非置換アルキル、または非置換アルケニルである)、YおよびZは、同一であるかまたは異なっており、CH、O、S、SO、SO、NR、RC(O)N、RC(S)N、ROC(O)N、RSC(S)N、RSC(O)N、RNC(O)N、およびRNC(S)Nからなる群から独立に選択され(式中、RおよびRは、H、非置換アルキル、および非置換アルケニルからなる群から独立に選択される)、nは、1〜5の整数であり、Xは、共有結合、CHR10、CHR10CH、CHCHR10、O、NR10、またはSであり(式中、R10は、H、非置換アルキル、または非置換アルケニルである)、Rは、H、C〜Cアルキル基、またはC〜Cアルケニル基であり、R12およびR13は、Rに関して定義したように、H、非置換アルキル、および非置換アルケニル基からなる群から独立に選択され、Rは、H、NH、またはNHCHであり、Wは、C(O)、C(S)、またはSOであり、Rは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基であり、ここで1つまたは複数の水素原子は、ハロゲン、OR15、SR15、CN、N、NO、NR1516、C(O)R15、C(S)R15、CO15、C(O)SR15、C(O)NR1516、C(S)NR1516、NR15C(O)R16、NR15C(S)R16、NR15CO16、NR15C(O)SR16、NR15C(O)NR1617、およびNR15C(S)NR1617、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される置換基によって任意選択で置換されていてもよく、式中、R15、R16、およびR17は、H、非置換アルキル、および非置換アルケニルであり、Rの少なくとも1つの水素原子は、ハロゲン、OR15、SR15、CN、N、NO、NR1516、C(O)R15、C(S)R15、CO15、C(O)SR15、C(O)NR1516、C(S)NR1516、NR15C(O)R16、NR15C(S)R16、NR15CO16、NR15C(O)SR16、NR15C(O)NR1617、またはNR15C(S)NR1617以外の置換基によって任意選択で置換されている場合、Rに結合している前記置換基上の少なくとも1つの水素原子は、ハロゲン、OR15、SR15、CN、N、NO、NR1516、C(O)R15、C(S)R15、CO15、C(O)SR15、C(O)NR1516、C(S)NR1516、NR15C(O)R16、NR15C(S)R16、NR15CO16、NR15C(O)SR16、NR15C(O)NR1617、またはNR15C(S)NR1617によって任意選択で置換されている。
【0080】
本発明の他の特定の実施形態では、Rが、アルキルまたはアルケニル基(すなわち、アルキルまたはアルケニル置換基)である場合、それはC〜Cアルキルであり、あるいはRが、アルケニルである場合、それはC〜Cアルケニルである。Rが、例えば、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールなどの単環式置換基である場合、それは単環式骨格を規定する環中に4〜7員を特に含むことができる。R、RまたはRが非置換アルキルである場合、それは特にC〜C非置換アルキルである場合があり、R、RまたはRが非置換アルケニルである場合、それは特にC〜C非置換アルケニルである可能性がある。Rによって規定される環は、特に4〜7員を含むことができ、または多環の場合、各環は4〜7員を含む場合がある。Rが(CH11である場合、R11によって規定される環は、4〜7員を特に含むことができ、あるいは多環の場合、各環は4〜7員を含むことができる。R12またはR13が非置換アルキルである場合、それは特にC〜C非置換アルキルである場合があり、R12またはR13が非置換アルケニルである場合、それはC〜C非置換アルキルである。R14が、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである場合、R14によって規定される環は、特に4〜7員を含むことができ、あるいは多環の場合、各環は特に4〜7員を含むことができる。Rが、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである場合、Rによって規定される環は、4〜7員を特に含むことができ、あるいは多環の場合、各環は特に4〜7員を含むことができ、Rが、アルキル、アルキルチオ、またはアルキルアミノである置換基によって置換されている場合、置換基は特に1〜6個の炭素原子を含むことができ、Rが、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである置換基によって置換されている場合、置換基によって規定される環は、4〜7員を特に含むことができ、あるいは多環の場合、各環は特に4〜7員を含むことができる。
【0081】
本発明の一実施形態では、本発明による耐性の発生の防止方法は、式(I)の化合物(QはC(O)であり、RはHであり、WはC(O)またはSOである)を投与するステップを含む。本発明の他の実施形態では、QはC(O)であり、RはHであり、WはSOであり、不斉中心の立体化学的配向は、下記の式(IA)または(IB)によって表される。
【0082】
【化11】

本発明の他の実施形態では、Rは単環式置換基(例えば、芳香環)であり、これは式(IC)または(ID)
【0083】
【化12】

(式中、Arは、メチル、アミノ、ヒドロキシ、メトキシ、メチルチオ、ヒドロキシメチル、アミノメチル、およびメトキシメチルからなる群から選択される置換基によって任意選択で置換されているフェニルである)によって例示されるような置換ベンゼン環でよい。
【0084】
本発明の他の実施形態では、YおよびZは酸素原子であり、nは2であり、このように得られたビス−テトラヒドロフラニル環系は、上記の式(IC)および(ID)に例示される立体化学的配向を有し、mは1であり、Rはフェニルであり、この場合、化合物は、式(IE)または(IF)
【0085】
【化13】

(式中、Arは、メチル、アミノ、ヒドロキシ、メトキシ、メチルチオ、ヒドロキシメチル、アミノメチル、およびメトキシメチルからなる群から選択される置換基によって任意選択で置換されているフェニルである)によって表される。本発明の他の実施形態では、化合物が、Ar上の少なくとも1つの水素原子が、メチル、アミノ、ヒドロキシ、メトキシ、メチルチオ、ヒドロキシメチル、およびメトキシメチルからなる群から選択される置換基によって置換されている式(IE)または(IF)の化合物である場合、Xは酸素である。本発明の他の実施形態では、Xは酸素であり、Rはイソブチルである。適切なAr置換基には、パラ位、メタ位、および/またはオルト位で置換されているフェニル基が挙げられる。
【0086】
耐性を阻害する有効量は、変異体HIVの生化学的活力が、HIVに感染した哺乳動物を感染させるHIV(先祖)の生化学的活力よりも低い、in vivoの薬物濃度またはレベルを生じさせるのに十分な量である。例えば耐性を阻害する有効量は、生物化学的適応度の値が、変異体の生化学的活力と先祖の生化学的活力の比によって決定される場合1未満である、in vivoの薬物濃度またはレベルを生じさせるのに十分な量である。化合物を野生型HIVに感染した哺乳動物に投与し、一次耐性の発生を妨げることができ、または変異体HIVに感染した哺乳動物に投与して、さらなる変異による薬物耐性の発生を妨げることができる。
【0087】
化合物は、医薬組成物の形態で投与することができる。医薬組成物は、単独で、または例えば、野生型HIVプロテアーゼ阻害剤、変異体HIVレトロウイルスプロテアーゼ阻害剤、もしくは逆転写酵素阻害剤などの他の抗レトロウイルス化合物と組み合わせて、薬学的に許容される担体および耐性を阻害する有効量の前記化合物の少なくとも1種を含むことができる。一般に、本発明の医薬組成物は、本明細書に開示するような式(I)の少なくとも1種の化合物の耐性を阻害する有効量、および薬学的に許容される担体を含む。
【0088】
本発明の一実施形態では、耐性を阻害する有効量の式(IA)または式(IB)の少なくとも1種の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、もしくはエステル、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を投与する。本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物は、耐性を阻害する有効量の式(IC)または式(ID)の少なくとも1種の化合物、または薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、もしくはエステル、および薬学的に許容される担体を含む。本発明のさらに他の実施形態では、医薬組成物は、耐性を阻害する有効量の式(IE)または式(IF)の少なくとも1種の化合物、ならびに薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、およびエステル、ならびに薬学的に許容される担体を含む。
【0089】
薬学的に許容される担体は、当業者には周知である。担体の選択は、一つには特定の組成によって、ならびに特定の投与方法によって決定されるであろう。したがって、本発明による投与のために多種多様の適切な製剤がある。
【0090】
医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁剤または溶液剤、分散性散剤または顆粒剤、乳剤、硬質もしくは軟質カプセル剤、シロップ剤またはエリキシル剤などの経口使用に適切な形態で投与することができる。経口用である組成物は、医薬組成物の製造のための当技術分野において公知の任意の方法によって調製することができ、このような組成物は、薬剤的に上品でおよび/または口当たりの良好な調製品を提供するために、例えば甘味剤、香味剤、着色剤、および保存料などの1種または複数の薬剤を含有することができる。錠剤は、錠剤の製造に適切な無毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合した活性成分を含有することができる。例えばこのような賦形剤は、例えば炭酸カルシウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸などの造粒剤および崩壊剤;例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシアなどの結合剤;ならびに例えばステアリン酸またはタルクなどの滑沢剤でよい。錠剤は、コーティングされなくてもよく、または公知の技術によってコーティングされ、消化管における崩壊および吸収を遅らせ、それによってより長期間に亘る持続作用を実現することができる。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を、単独でまたはワックスと共に用いることができる。
【0091】
経口使用のための製剤はまた、活性成分が不活性固体希釈剤(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合されている硬質ゼラチンカプセルとして、あるいは活性成分が水または油溶媒(例えば落花生油、ピーナッツ油、流動パラフィンまたはオリーブ油)と混合されている軟質ゼラチンカプセルとすることもできる。
【0092】
水性懸濁剤は典型的には、水性懸濁剤の製造に適切な賦形剤と混合した作用物質を含有する。このような賦形剤は、懸濁化剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴム)であり、分散剤または湿潤剤は、天然リン脂質(例えば、レシチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えばステアリン酸ポリオキシエチレン)、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール)、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールなど)、またはエチレンオキシドと脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)であることができる。水性懸濁剤はまた、1種または複数の保存料、例えば、エチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエート、1種または複数の着色剤、1種または複数の香味剤および1種または複数の甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン)を含有することができる。
【0093】
油性懸濁剤は、活性成分を植物油(例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油)中に、または流動パラフィンなどの鉱油中に懸濁させることによって製剤することができる。油性懸濁剤は、増粘剤、例えば蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。上述した甘味剤、および香味剤を加えて、口当たりの良好な経口調製品を提供することができる。これらの組成物は、例えばアスコルビン酸などの抗酸化剤を加えることによって保存することができる。
【0094】
水を添加することによって水性懸濁剤を調製するのに適切な分散性散剤および顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種または複数の保存料と混合した活性成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、すでに上述したものによって例示される。さらなる賦形剤、例えば甘味料、香味料および着色剤がまた存在してもよい。
【0095】
医薬組成物はまた、水中油型乳剤の形態で投与することができる。油性相は、植物油(例えばオリーブ油もしくは落花生油)、または鉱油(例えば流動パラフィン)、またはこれらの混合物でよい。適切な乳化剤は、天然ゴム(例えばアラビアゴムまたはトラガカントゴム)、天然リン脂質(例えば大豆レシチン)、および脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル(例えばモノオレイン酸ソルビタン)、および前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)でよい。乳剤もまた、甘味料および香味剤を含有することができる。
【0096】
医薬組成物はまた、シロップ剤およびエリキシル剤の形態で投与することができ、例えば、グリセロール、ソルビトールまたはスクロースなどの甘味剤と共に典型的に製剤される。このような製剤もまた、粘滑剤、保存料および香味料および着色剤を含有することができる。
【0097】
さらに、医薬組成物は、注射用滅菌調製品の形態、例えば注射用滅菌水性懸濁剤または油脂性懸濁剤として投与することができる。非経口投与のために適切な懸濁剤は、上記の適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して公知の技術によって製剤することができる。非経口投与に適切な製剤には、例えば、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、ならびに対象とするレシピエントの血液と製剤を等張性にさせる溶質を含有することができる水性および非水性で等張性の滅菌注射液;ならびに懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、および保存料を含むことができる水性および非水性の滅菌懸濁剤が挙げられる。注射用滅菌調製品は、例えば、水溶液または1,3−ブタンジオール溶液などの、無毒性の非経口的に許容できる希釈剤または溶媒中の溶液剤または懸濁剤でよい。用いることのできる許容できるビヒクルおよび溶媒には、例えば、水、リンゲル液および塩化ナトリウム等張液体が挙げられる。さらに、滅菌不揮発性油は溶媒または懸濁媒として通常用いられる。この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含めた任意の無刺激性で不揮発性の油を用いることができる。さらに、例えば、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製に使用される。
【0098】
さらに、化合物は、薬物の直腸投与のために坐薬の形態で投与することができる。これらの組成物は、薬物を、常温では固体であるが直腸の温度では液体であり、したがって直腸内で溶け薬物を放出する適切な非刺激性の賦形剤と混合することによって調製することができる。このような材料には、例えば、カカオバターおよびポリエチレングリコールが挙げられる。膣投与に適した製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、およびフォーム剤とすることができる。
【0099】
局所投与に適した製剤は、活性成分以外に当技術分野において適切であると知られている担体を含有するクリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、またはフォーム剤とすることができる。
【0100】
組成物は、吸入によって投与されるようにエアロゾル製剤に作製することができる。このようなエアロゾル製剤は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの許容できる加圧噴射剤中に入れることができる。それらはまた、噴霧器またはアトマイザー内などの非加圧式の調製品のための医薬品として製剤することができる。
【0101】
製剤は、アンプルおよびバイアルなどの単位用量または複数用量のシール容器中に存在してもよく、例えば水、注射のために使用直前に滅菌液体賦形剤を加えることのみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。即時注射液および懸濁液は、前述の種類の滅菌散剤、顆粒剤、および錠剤から調製することができる。
【0102】
本発明の医薬組成物において任意の適切な投与量レベルを用いることができる。本発明の状況において、動物、特にヒトに投与される用量は、妥当な期間に亘り動物において予防的反応または治療反応をもたらすのに十分であるべきである。単一の剤形を生成するために担体材料と組み合わせることのできる活性成分の量は、治療を受ける宿主および特定の投与方法によって変化するであろう。用量の規模は、特定の組成物の投与に伴う可能性がある有害な副作用の存在、性質および程度によっても決定されるであろう。薬物耐性の防止のための適切な用量および投与計画は、感染した個体においてレトロウイルスの増殖を阻害することが知られている抗レトロウイルス化学療法剤と比較することによって決定することができる。好ましい投与量は、重大な副作用なしで変異体薬物耐性レトロウイルスの発生、特に多剤耐性レトロウイルスHIVの発生の阻害をもたらす量である。特定の化合物の適切な用量および適切な投与によって、広範囲の抗レトロウイルス化学療法組成物が可能である。適切な用量には、野生型ウイルスまたは先祖ウイルスの増殖を完全に抑えるのには不十分であろうが、変異体の増殖を阻害または効果的に抑えるのに十分であろう用量または投与量が含まれる。
【0103】
本発明によると、化合物または組成物は、薬学的に許容される担体中で、他の抗レトロウイルス化合物(例えば、リトナビル、アンプレナビル、サキナビル、インジナビル、AZT、ddI、ddC、D4T、ラミブジン、3TCなど)、ならびにこれらの混合物および組合せと組み合わせて投与することができる。これらの組合せのための個々の1日投与量は、単独で投与される場合、実体について最小推奨臨床的投与量の約5分の1から最大推奨レベルまでの範囲でよい。
【0104】
本発明はまた、HIVに感染した哺乳動物において多剤耐性レトロウイルスの発生の防止方法を提供し、この方法は、哺乳動物において多剤耐性レトロウイルスの発生を阻害するために、哺乳動物に多剤耐性を阻害する有効量の本発明の化合物を投与するステップを含む。本発明の状況において、動物、特にヒトに投与する用量は、妥当な期間に亘り動物において治療反応をもたらすのに十分であるべきである。用量は、用いる特定の組成物の強度および動物の状態、ならびに処置される動物の体重によって決定されるであろう。用量の規模は、特定化合物の投与に伴う可能性がある有害な副作用の存在、性質および程度によっても決定されるであろう。特定の投与量に影響を与える他の要因には、例えば、特定の患者に投与される特定化合物と関連するバイオアベイラビリティ、代謝プロファイル、および薬物動力が挙げられる。任意の特定の患者のための特定の投与量レベルは、例えば、用いられる特定の化合物の活性、年齢、体重、身体全体の健康、性別、食事、投与時間、投与経路、排せつ率、薬物の組合せ、CD4カウント、阻害すべき特定の変異体レトロウイルス株に関する活性化合物の効力、および治療前または治療期間中に存在する症候の重篤度を含めた種々の要因によることを当業者であれば理解するであろう。耐性を阻害する有効量を構成するものは、本明細書に記載するアッセイの1つまたは複数、特に本発明の適応度アッセイを使用することによってある程度決定することができる。
【0105】
化合物および医薬組成物を投与する適切な方法が利用可能であり、特定の組成物を投与するために複数の経路を使用することができるが、特定の経路は、他の経路より即時のおよび/または効果的な反応を実現することができることを当業者であれば理解するであろう。
本発明の化合物の調製
本発明の化合物は、任意の当技術分野において公知の適切な方法で合成することができる。例えば、本発明の化合物を調製するために適切な方法は、米国特許出願公開第2005/0158713号として2005年7月21日に出願された米国特許出願第11/030,632号に報告されている。
【0106】
特定の反応条件下で反応性であり、望ましくない副反応が起こらずに所望の合成による変換が行われるのを確実にするために当技術分野において公知の適切な保護基の利用を必要とする、置換基、官能基、R基などの組合せがあることを当業者であれば理解するであろう。例えば、Rにおいて可能性のある置換基(例えば、NH)は、アミン(ii)によるエポキシド(i)の開環において適切な選択性を得るために、その上に適切な保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル)の結合を必要とする競合的な求核部でよい。
【0107】
総合して、図1〜3Bは、本発明の化合物の合成を例示する。図1を参照すると、アジドエポキシド11を最初に用意し、それをアミン12による求核付加反応にかけ、アミノアルコール13を得て、次いでそれを塩化4−メトキシベンゼンスルホニルと反応させることによってスルホンアミド14に変換することによって、アミノスルホンアミドコア15を合成することができる。次いで14のアジド基を還元し、アミノスルホンアミド15を得て、本発明の多数の多剤耐性レトロウイルスプロテアーゼ阻害剤を合成するために、それをコアとして使用することができる。
【0108】
図2を参照すると、ジヒドロフラン21をプロパルギルアルコールの存在下でN−ヨードスクシンイミドで処理して、ヨードエーテル22を得て、それをメチレン置換ビス−テトラヒドロフラン23に環化させる。23のエキソメチレン残基のオゾン分解、それに続く還元によって、二環式ラセミアルコール24がもたらされ、それが分解し、二環式アルコール25およびそのエナンチオマーの酢酸エステル26を別々に生じ、次いで26のエステル基は加水分解され、エナンチオマー27を生じる。
【0109】
図3Aおよび3Bは、本発明の2つの化合物の調製を例示する。図3Aを参照すると、化合物32は、スクシンイミドカルボネート31をアミノスルホンアミド15とカップリングすることによって合成することができる。スクシンイミドカルボネート31は、トリエチルアミンの存在下で光学的に純粋な二環式アルコール25を炭酸ジスクシンイミジルと反応させることによって調製することができる。エナンチオマーのビス−テトラヒドロフラニルリガンド(阻害剤32に対して)を有する阻害剤34は、図3Bに示されているように、アルコール25の代わりにエナンチオマーの二環式アルコール27を使用することができる以外は、同じ方法で調製することができる。
生物活性
1種または複数のプロテアーゼの活性を阻害し、または薬物耐性の発現を防止する本発明の化合物の能力は、任意な適切な方法を使用して決定することができる。例えば、米国特許出願公開第2005/0158713号として2005年7月21日に出願された米国特許出願第11/030,632号において記載されているアッセイ法を使用して、化合物を評価することができる。
【0110】
本発明の化合物の肝臓安定性は、下記のS9アッセイを使用して決定することができる。
S9アッセイ
試験化合物を、Marshクラスターチューブの6クラスターに移した(DMSO中0.2mMを2.5μL)。ストックS9(In Vitro Technologies、MD)を0.05Mのリン酸緩衝液(pH7.4)で希釈することによってS9懸濁液を調製し(6mL)、3.6mg/mLのS9タンパク質濃度を得た。3つの8チューブのクラスターを、600μL/バイアルのイヌ、ラット、ヒトのS9懸濁液で充填し、3つの8チューブのクラスターを、600μL/バイアルのNADPH/UDPGA溶液(Sigma)で充填した。クラスターを前もって37℃で5分間加熱し、250μLの前もって加熱したS9懸濁培地を化合物チューブに移し、次いで対応する二つ組クラスターに補助因子を加え、反応を開始させた。0分、5分、15分、30分、45分および60分後に、25μLの反応混合物を、内部標準/移動相B(95%アセトニトリル/5%水中の0.2%ギ酸)を予め充填したクエンチプレートに移した。反応混合物の最終的な組成は、0.05Mのリン酸緩衝液(pH7.4)中の0.25mLの2μM化合物、3mgのS9タンパク質/mL、1.25mMのNADPH、2mMのUDPGA、3.3mMのMgClであった。
【0111】
クエンチ後、250μLの水を加え、プレートを3K×Gで10分間遠心分離した。分析のために、20μLの試料をSciex4000Q−Trap LC/MS/MS(LOQ=0.001μM)に注入した。カラムは、室温に維持した30×2mm、3μmのLunaであった。移動相Aは、1%ACN中の0.2%ギ酸、移動相Bは、95%ACN中の0.2%ギ酸であった。グラジエントは、1.5分で0〜90%B、3分の総実行時間であった。いくつかの化合物では、移動相Aは、5%ACN中の20mMの酢酸アンモニウム、移動相Bは、80%ACN中の20mMの酢酸アンモニウム、1.5分で0〜100%Bのグラジエント、3分の総実行時間であった。データ(分析物とIS領域の比)を半対数目盛にプロットし、指数関数フィット:C=Cexp(−Kt)を使用してフィットさせた。一次速度式であると仮定して、K値(T1/2=Ln(2)/Kおよび率=薬物の量/mgタンパク質×K=1000pmol/mg×K)からT1/2および代謝率を決定した。
【0112】
固有の肝クリアランスであるClint’を、Obachら(Obach RS、Baxter JG、Liston TE、Silber BM、Jones BC、Maclntyre F、Rance DJ、Wastall P. The prediction of human pharmacokinetic parameters from preclinical and in vitro metabolism data、J Pharmacol Exp Ther.1997年;283(1)巻:46〜58頁)によって記載されているようにin vitroT1/2データから計算した。典型的には、試験した本発明の化合物は、ヒトS9に対して少なくとも約10分のT1/2を示した。いくつかの化合物は、ヒトS9に対して少なくとも約100分のT1/2を示し、一方他の化合物は試験条件下で有意な分解を示さなかった(すなわち化合物は試験によって安定的であった)。
【0113】
化合物の抗HIV活性は、下記のHIVアッセイを使用して決定することができる。
HIVアッセイ
シグナル検出のためにCellTiter−Glo(商標)試薬(Promega#G7570)を使用して、96ウェルクリアボトムブラックアッセイプレート(Costar#3603)中の100μlの培地中で抗HIVアッセイを行った。MT−2細胞(1.54×10細胞)は、約0.025のmoi(感染多重度、すなわち、アッセイ中の感染性ウイルス粒子および細胞の数の比)で野生型ウイルスに感染させ、10%FBS、2%グルタミン、1%HEPESおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有する100μlのRPMI培地中で様々な薬物濃度(連続5倍希釈)の存在下で5日間増殖させる。インキュベーション期間の終わりに、100μlのCellTiter−Glo(商標)試薬を、アッセイプレートの各ウェルに加え、(相対光ユニットの)化学発光を、インキュベーションの10分後にWallac Victor1420MultiLabel Counterで測定する。本発明の代表的な化合物は典型的には、約2μM未満の抗HIV MT2 EC50を有した。いくつかの化合物は、約0.5μM未満の抗HIV MT2 EC50を有し、一方他は約20nM未満の抗HIV MT2 EC50を有した。本発明の代表的な化合物もまた、薬物耐性HIV株に対して試験した。化合物は典型的には、試験した薬物耐性株に対して約1μM未満の抗HIV MT2 EC50を有した。
【0114】
化合物の細胞毒性は、下記の細胞毒性アッセイを使用して決定することができる。
細胞毒性アッセイ(CC50決定)
プレートおよび試薬は、HIVアッセイにおいて記載したものと同じである。非感染性MT−2細胞(1.54×10細胞)を、10%FBS、2%グルタミン、1%HEPESおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有する100μlのRPMI培地中で様々な薬物濃度(連続2倍希釈)の存在下で5日間増殖させた。インキュベーション期間の終わりに、100μlのCellTiter−Glo(商標)試薬を、アッセイプレートの各ウェルに加え、インキュベーションの10分後に、(相対光ユニットの)化学発光をWallac Victor1420MultiLabel Counterで測定した。
【0115】
本発明をこれから以下の非限定的実施例によって例示する。
【実施例】
【0116】
【化14】

(実施例1)
N−Boc−D−フェニルアラニン1(5.0g、18.8mmol)のTHF(40mL)溶液に、−20℃でクロロギ酸イソブチル(2.6mL、19.8mmol)および4−メチルモルヒネ(2.2mL、19.8mmol)を加えた。反応混合物を20分間撹拌し、その後EtO(100mL)中のジアゾメタン(47.0mmol)を加えた。反応混合物を室温まで暖め、30分間撹拌した。窒素を反応混合物中に1時間泡立てた。反応混合物をHOおよびEtOに分配し、EtOで抽出した。有機相をHO、飽和NaHCO、および飽和NaClで洗浄した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、粗ジアゾケトンを黄色の固体(6.50g)として得た。
【0117】
粗ジアゾケトン(18.8mmol)のTHF(100mL)およびEtO(100mL)溶液に、0℃でジオキサン中のHCl(5mL、19.8mmol)を加えた。反応混合物を2時間撹拌し、その後反応混合物を減圧下で蒸発させ、粗クロロケトンを無色の固体(6.26g)として得た。
【0118】
粗クロロケトン(18.8mmol)のTHF(120mL)およびHO(15mL)溶液に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(1.49g、39.5mmol)を加えた。反応混合物を2時間撹拌し、その後反応混合物を減圧下で蒸発させた。反応混合物をHOおよびEtOAcに分配し、EtOAc(500mL)で抽出した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。固体残渣をEtOAcから2度再結晶させ、クロロヒドリン2(2.91g、3ステップに亘り52%)を無色の固体として得た。
【0119】
(実施例2)
クロロヒドリン2(2.90g、9.67mmol)のEtOH(150mL)溶液に、EtOH(20mL)中の水酸化カリウム(650mg、11.6mmol)を加えた。反応混合物を2時間撹拌し、その後反応混合物を減圧下で蒸発させた。反応混合物を飽和NHClおよびEtOAcに分配した。有機相を飽和NHClで洗浄した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、エポキシド3(2.52g、99%)を無色の固体として得た。
【0120】
(実施例3)
エポキシド3(2.52g、9.57mmol)のiPrOH(100mL)溶液に、80℃でイソブチルアミン(1.06mL、10.5mmol)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、その後イソブチルアミン(1.06mL、10.5mmol)を再び加えた。反応混合物を1時間撹拌し、その後反応混合物を減圧下で蒸発させ、アミン4(3.0g、93%)を無色の固体として得た。
【0121】
(実施例4)
アミン4(1.50g、4.46mmol)のCHCl(40mL)溶液に、トリエチルアミン(0.74mL、5.35mmol)および4−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(1.09g、4.90mmol)を加えた。反応混合物を5時間撹拌し、その後反応混合物を飽和NHClおよびCHClに分配した。有機相を飽和NHClで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上でクロマトグラフにかけ(20〜40%EtOAc/ヘキサンで溶出)、スルホンアミド5(1.55g、69%)を無色の泡として得た。
【0122】
(実施例5)
スルホンアミド5(1.55g、3.06mmol)のベンゼン(30mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(1.61g、6.12mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシレート(1.2mL、6.12mmol)を加えた。反応混合物を16時間撹拌し、その後反応混合物を飽和NaHCOおよびEtOAcに分配し、EtOAcで抽出した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上で2度クロマトグラフにかけ(10〜40%EtOAc/ヘキサンおよび0〜10%EtOAc/CHClで溶出)、粗アジリジン6を無色の油として得た。
【0123】
(実施例6)
粗アジリジン6(3.06mmol)のiPrOH(30mL)溶液に、60℃でアジドトリメチルシラン(0.80mL、6.12mmol)を加えた。反応混合物を6時間撹拌し、その後アジドトリメチルシラン(0.80mL、6.12mmol)を加えた。反応混合物を16時間撹拌し、その後反応混合物を減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上でクロマトグラフにかけ(10〜30%EtOAc/ヘキサンで溶出)、アジド7(1.12g、2ステップに亘り69%)を無色の固体として得た。
【0124】
(実施例7)
アジド7(1.01g、1.90mmol)のEtOH(20mL)およびEtOAc(20mL)溶液に、10%パラジウム炭素(101mg)を加え、水素を充填した風船を取り付けた。反応混合物を16時間撹拌し、その後反応混合物をセライトパッドで濾過し、MeOHおよびEtOAcですすいだ。粗生成物を、シリカゲル上でクロマトグラフにかけ(2〜8%MeOH/CHClで溶出)、アミン8(552mg、57%)を無色の油として得た。
【0125】
(実施例8)
アミン8(297mg、0.587mmol)のCHCN(5mL)溶液に、ビスフラン−4−ニトロフェニルカルボネート(260mg、0.881mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.20mL、1.17mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(0.7mg、0.587μmol)を加えた。反応混合物を3時間撹拌し、その後CHCl(5mL)を加え、沈殿物を部分的に溶解させた。反応混合物を16時間撹拌し、その後反応混合物を減圧下で蒸発させた。残渣を飽和NaHCOおよびEtOAcに分配し、EtOAcで抽出した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上でクロマトグラフにかけ(3〜4%MeOH/CHClで溶出)、1MのKCOで洗浄し、粗カルバメート9(295mg、76%)を無色の固体として得た。
【0126】
(実施例9)
カルバメート9(296mg、0.446mmol)のCHCl(8mL)溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(2mL)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、その後反応混合物を飽和NaHCOおよびCHClに分配し、CHClで抽出した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣を1MのKCOおよびEtOAcに分配し、1MのKCOで洗浄し、アミン10(245mg、98%)を淡黄色の固体として得た。m/z=562.2(M+1)。
【0127】
【化15】

(実施例10)
中間体11の合成は、塩化4−メトキシベンゼンスルホニルを塩化4−ニトロベンゼンスルホニルと取り替えた以外は実施例4の手順に従った。
【0128】
(実施例11)
中間体12の合成は、実施例5の手順に従った。
【0129】
(実施例12)
中間体13の合成は、実施例6の手順に従った。
【0130】
(実施例13)
アジド13(114mg、0.208mmol)のTHF(2mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(60mg、0.229mmol)およびHO(0.2mL)を加えた。反応混合物を3日間撹拌し、その後反応混合物を飽和NaHCOおよびEtOAcに分配し、EtOAcで抽出した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上でクロマトグラフにかけ(20〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出)、アミン14(69mg、64%)を無色の油として得た。
【0131】
(実施例14)
アミン14(61mg、0.117mmol)のCHCl(1.8mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.2mL)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、その後反応混合物を減圧下で蒸発させ、粗ジアミン15(79mg)を淡黄色の泡として得た。
【0132】
(実施例15)
粗ジアミン15(0.117mmol)のCHCl(2mL)溶液に、ビスフラン−4−ニトロフェニルカルボネート(52mg、0.176mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.04mL、0.234mmol)を加えた。反応混合物を16時間撹拌し、その後反応混合物を減圧下で蒸発させた。残渣を飽和NaHCOおよびEtOAcに分配し、EtOAcで抽出した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、分取薄層クロマトグラフィーでクロマトグラフにかけ(5%MeOH/CHClで溶出)、1MのKCOで洗浄し、粗カルバメート16(49mg、73%)を無色の油として得た。
【0133】
(実施例16)
カルバメート16(49mg、0.085mmol)のEtOH(1mL)およびEtOAc(0.5mL)溶液に、10%パラジウム炭素(10mg)を加え、水素を充填した風船を取り付けた。反応混合物を2日間撹拌し、その後反応混合物をセライトパッドで濾過し、MeOHおよびEtOAcですすいだ。粗生成物を、分取薄層クロマトグラフィー上でクロマトグラフにかけ(5%MeOH/CHClで溶出)、アミン17(27mg、58%)を無色の固体として得た。m/z=547.2(M+1)。
【0134】
【化16】

(実施例17)
中間体19の合成は、N−Boc−D−フェニルアラニンをN−Boc−D−2−チエニルアラニンと取り替えた以外は実施例1の手順に従った。
【0135】
(実施例18)
中間体20の合成は、実施例2の手順に従った。
【0136】
(実施例19)
中間体21の合成は、実施例3の手順に従った。
【0137】
(実施例20)
中間体22の合成は、実施例4の手順に従った.
(実施例21)
中間体23の合成は、実施例5の手順に従った。
【0138】
(実施例22)
中間体24の合成は、実施例6の手順に従った。
【0139】
(実施例23)
中間体25の合成は、実施例7の手順に従った。
【0140】
(実施例24)
中間体26の合成は、実施例8の手順に従った。
【0141】
(実施例25)
中間体27の合成は、実施例9の手順に従った。m/z=568.1(M+1)。
【0142】
【化17】

(実施例26)
エポキシド28(4.0g、15.2mmol)のEtOH(48mL)および水(6ml)溶液に、塩化アンモニウム(1.62g、30.4mmol)およびアジ化ナトリウム(2.0g、30.4mmol)を加えた。反応混合物を85℃で16時間加熱した。混合物を25℃に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。反応混合物を水およびEtOAcに分配した。有機相を水およびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させた。減圧下での蒸発によって白色固体(4.8g)を得た。
【0143】
イソプロパノール中の上記の固体(1.0g)および10%Pd−C(100mg)の混合物を、2時間水素化した。セライト(1g)を加え、混合物を5分間撹拌した。濾過および蒸発によって、アミノアルコール29(950mg)を得た。
【0144】
(実施例27)
アミノアルコール29(560mg、2mmol)のジクロロメタン溶液に、塩化4−ニトロベンゼンスルホニル(443mg、2mmol)、次いでトリエチルアミン(0.56ml、4mmol)を加えた。混合物を12時間撹拌し、酢酸エチルで希釈した。有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムと共に乾燥させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=1/1)による精製によって、化合物30(790mg)を得た。
【0145】
(実施例28)
化合物30(650mg、1.4mmol)およびトリフェニルホスフィン(470mg、1.7mmol)のTHF溶液に、0℃でジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0350ml、1.7mmol)を1滴ずつ加えた。混合物を0℃で2時間、および25℃で12時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=4/1)による精製によって、化合物31(210mg)を得た。
【0146】
(実施例29a)
化合物31(34mg、0.07mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液に、イソブチルアミン(76μl、0.7mmol)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。蒸発によって化合物32a(39mg)を得た。
【0147】
(実施例30a)
アミン32a(39mg、0.07mmol)のCHCl(0.5mL)溶液に、トリエチルアミン(42μL、0.3mmol)および塩化4−メトキシベンゼンスルホニル(18mg、0.08mmol)を加えた。反応混合物を24時間撹拌し、酢酸エチルで希釈した。有機相を飽和NaCO、水、およびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させた。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=3.5/1)によって精製し、化合物33a(25mg)を得た。
【0148】
(実施例31a)
ジクロロメタン(1.5ml)およびトリフルオロ酢酸(0.5ml)中の化合物33a(25mg)の混合物を、1時間撹拌した。溶媒および試薬を減圧下で除去した。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaCO、水、およびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させた。濃縮によって茶色の固体を得た。
【0149】
上記の固体のアセトニトリル(0.5ml)溶液に、ビスフラン−4−ニトロフェニルカルボネート(9mg、0.03mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(10μl、0.06mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(1mg)を加えた。混合物を12時間撹拌した。溶媒および試薬を減圧下で除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=1/1)による精製によって、化合物34a(20mg)を得た。
【0150】
(実施例32a)
化合物7a(13mg)のアセトニトリル(1ml)溶液に、DMSO(5μl)、次いでK2CO3(70mg)およびチオフェノール(44μl)を加えた。混合物を50℃で2時間加熱した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水およびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=1/1〜100%EtOAc)で精製し、化合物10(8mg)を得た。m/z:562.2(M+1)、584.3(M+Na)。
【0151】
(実施例32b)
化合物35b(23mg)を、35aのための手順に従って合成した。m/z:562.2(M+1)、584.3(M+Na)。
【0152】
(実施例32c)
化合物35c(13mg)を、35aのための手順に従って合成した。m/z:548.2(M+1)、570.3(M+Na)。
【0153】
(実施例32d)
化合物35d(30mg)を、35aのための手順に従って合成した。m/z:596.1(M+1)、618.2(M+Na)。
【0154】
(実施例32e)
化合物35e(52mg)を、35aのための手順に従って合成した。m/z:610.2(M+1);632.2(M+Na)。
【0155】
【化18】

(実施例33a)
中間体36a(50mg)の合成は、塩化4−フルオロベンゼンスルホニルを使用することによって実施例30aの手順に従った。
【0156】
(実施例34a)
中間体37a(25mg)の合成は、実施例31aの手順に従った。
【0157】
(実施例35a)
化合物38a(3mg)の合成は、実施例32aの手順に従う。m/z:508.2(M+1)、530.2(M+Na)。
【0158】
(実施例35b)
化合物38b(12mg)の合成は、化合物38aの手順に従った。m/z:520.2(M+1)。
【0159】
(実施例35c)
化合物38c(20mg、80%収率)の合成は、化合物38aの手順に従った。m/z:558.2(M+1)。
【0160】
【化19】

(実施例36)
化合物39(900mg)を、化合物34aのための手順に従って合成した。
【0161】
(実施例37)
化合物40を、化合物31のための手順に従って合成した。
【0162】
(実施例38a)
化合物41aを、化合物32aのための手順に従って合成した。
【0163】
(実施例39a)
化合物42aを、化合物33aのための手順に従って合成した。
【0164】
(実施例40a)
化合物43aを、化合物35aのための手順に従って合成した。m/z:560.1(M+1)。
【0165】
(実施例40b)
化合物43bを、化合物43aのための手順に従って合成した。m/z:588.2(M+1)。
【0166】
(実施例40c)
化合物43cを、化合物43aのための手順に従って合成した。m/z:590.2(M+1)。
【0167】
【化20】

(実施例41a〜i)
化合物36d〜iを、化合物45d〜iに記載の適切に置換した塩化フェニルスルホニルを使用して化合物36aのための手順に従って合成した。
【0168】
(実施例42a〜i)
化合物44a〜iを、化合物34aのための手順に従って合成した。
【0169】
(実施例43a〜i)
化合物45a〜iを、化合物35aのための手順に従って合成した。45a m/z=550.1;45d m/z=616.1;45e m/z=589.2;45f m/z=638.2;45g m/z=598.1;45h m/z=590.2;および45i m/z=633.2。
【0170】
【化21】

(実施例44)
3mlのEtOHおよび3mlのEtOAcに化合物45f(90mg)を溶解し、20mgの10%Pd/Cを加え、水素雰囲気下にて2時間撹拌することによって化合物46を調製した。反応混合物をセライトで濾過し、濃縮し、蒸発させ、80mgの化合物46を得た。m/z=548.3。
【0171】
(実施例45a)
1mlのTHF上の20mgの化合物46を溶解することによって化合物47aを調製し、それに48mgのトリフェニルホスフィン、3.4mgのエタノール、最後に42mgのジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレートを加えた。反応物を一晩撹拌し、HPLCで精製し、次いでシリカゲルクロマトグラフィーによって、11mgの化合物47aを得た。m/z=576.2。
【0172】
(実施例45b)
化合物47bを、エタノールの代わりにイソプロパノールを使用して、化合物47aのための手順に従って合成した。m/z=590.2。
【0173】
(実施例45c)
化合物47cを、エタノールの代わりに2−フルオロエタノールを使用して、化合物47aのための手順に従って合成した。m/z=594.1。
【0174】
【化22】

(実施例46a)
48a(1.5mmol)のDCM(15mL)溶液に、20℃でDess−Martinペルヨージナン(1.8mmol)を加えた。反応混合物を5分間撹拌し、次いでシリカゲル上でクロマトグラフにかけ(50〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出)、49a(1.425mmol、95%)を白色の泡として得た。
【0175】
(実施例46b〜c)
化合物49bおよび49cを、化合物49aと同様に調製した。
【0176】
(実施例47a)
49a(1.00mmol)のメタノール(60mL)溶液に、20℃で酢酸アンモニウム(100mmol)、酢酸(60.0mmol)、塩化リチウム(15.0mmol)およびシアノホウ水素化ナトリウム(15.0mmol)を加えた。反応混合物を20時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、飽和NaHCOおよびEtOAcに分配し、EtOAcで抽出した。有機相をHOで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上でクロマトグラフにかけ(0〜10%MeOH/DCMで溶出)、50a(25%)の純粋な異性体(TLC上のより低いRf値)を白色の泡(m/z=562.2)として、および50d(24%)の純粋な異性体(TLC上のより高いRf値)を白色の泡(m/z=562.2)として得た。
【0177】
(実施例47b〜c)
化合物50bおよび50cを、化合物50aと同様に調製した。
【0178】
(実施例48)
50b(100mg、0.15mmol)のEtOH(1.5mL)およびEtOAc(1.5mL)溶液に、酢酸(13.5mg、0.225mmol)を加え、次いで10%パラジウム炭素(15mg)を加え、水素を充填した風船を取り付けた。反応混合物を4時間撹拌し、その後反応混合物をセライトパッドで濾過し、EtOHおよびEtOAcですすいだ。有機相を濃縮し、飽和NaHCOおよびEtOAcに分配し、EtOAcで抽出した。有機相をHOで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上でクロマトグラフにかけ(0〜12%MeOH/DCMで溶出)、51(80%)を透明フィルムとして得た。
【0179】
(実施例49a)
51(0.315mmol)のTHF(30mL)溶液に、2−メチル−4−ヒドロキシメチルチアゾール(0.630mmol)、トリフェニルホスフィン(0.945mmol)およびジ−t−ブチルアゾジカルボキシレート(0.945mmol)を加えた。反応混合物を16時間撹拌し、その後反応混合物をシリカゲル上で直接クロマトグラフにかけ(0〜10%MeOH/DCMで溶出)、52a(70%)を無色のフィルムとして得た。
【0180】
(実施例49b)
2−メチル−4−ヒドロキシメチルチアゾールの代わりにN−Boc−アミノエタノールを使用して、化合物52bを化合物52aと同様に作製した。
【0181】
(実施例50)
実施例46aおよび47aの一般的手順に従って、化合物54を化合物50aと同様に作製した。
【0182】
【化23】

(実施例51)
1mlのピリジン上の134mgの化合物49aを溶解することにより化合物55を調製し、それに18.5mgの水酸化アンモニウム塩酸塩を加えた。反応物を10日間撹拌し、反応物を濃縮し、次いでHPLCで精製し、120mgの化合物23を得た。m/z=598.2。
【0183】
【化24】

(実施例52)
化合物56を、化合物55と同様に調製した。
【0184】
(実施例53)
化合物56を0.2mLの酢酸エチルおよび0.2mLのTHFに溶解し、それにボラン−ピリジン錯体の8M溶液31μLを一滴ずつ加え、次いでジオキサン中の12当量の4MのHClを加えた。反応物を一晩撹拌し、飽和NaHCOに注ぎ、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、化合物57を得て、それを次のステップで直接使用した。
【0185】
(実施例54)
粗化合物57(21mg)を0.2mLの酢酸に溶解し、それに30mgの亜鉛末を加えた。反応物を一晩撹拌し、濾過し、濃縮し、HPLCで精製し、化合物58(3.2mg)をトリフルオロ酢酸塩として得た。m/z=521.2。
【0186】
(実施例55)
粗化合物56(30mg)を0.5mLの酢酸に溶解し、それに45mgの亜鉛末を加えた。反応物を3時間撹拌し、濾過し、残った粉末をメタノールおよび酢酸エチルで洗浄し、組み合わせた有機物を濃縮し、化合物をHPLCで精製し、22.8mgの化合物59を得た。m/z=541.2(M+Na)。
【0187】
【化25】

(実施例56)
化合物51(0.315mmol)のTHF(30mL)溶液に、R’−OH(0.630mmol)、トリフェニルホスフィン(0.945mmol)およびジ−t−ブチルアゾジカルボキシレート(0.945mmol)を加えた。反応混合物を16時間撹拌し、その後反応混合物をシリカゲル上で直接クロマトグラフにかけ(0〜10%MeOH/DCMで溶出)、60(70%)を無色のフィルムとして得た。
【0188】
(実施例57)
化合物60(0.245mmol)のDCM(2mL)溶液に、TFA(0.4mL)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で1時間、および室温で30分間撹拌し、そこ後トルエン(5mL)を加え、次いで5℃で濃縮した。調製した化合物をTHF(4mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(8mL)をそれに加えた。混合物に、THF(4mL)中の1.05当量のクロロギ酸メチルを加えた。反応混合物を20分間撹拌した。反応混合物をブラインおよびEtOAcに分配し、EtOAcで抽出した。有機相をHOで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフにかけ(0〜10%MeOH/DCMで溶出)、分取HPLCで精製し、化合物61(33%)を白色固体として得た。m/z=679.2。
【0189】
【化26】

(実施例58)
62a(266mg、2.42mmol)のDCM(30mL)溶液に、トリエチルアミン(0.51mL、3.63mmol)およびビス(4−ニトロフェニル)カルボネート(809mg、2.66mmol)を加えた。反応混合物を30分間撹拌し、その後反応混合物をシリカゲル上で直接クロマトグラフにかけた(40〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出)。粗化合物をEtOAcおよび飽和炭酸カリウム溶液に分配し、EtOAcで抽出し、水(3×)で洗浄し、63a(121mg、18%)を白色固体として得た。
【0190】
同様の手順を使用して、化合物63bを91%収率で調製した。
【0191】
同様の手順を使用して、化合物63cを調製した。
【0192】
(実施例59)
アミン8(25mg、0.049mmol)のCHCN(2mL)溶液に、63a(20mg、0.074mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.099mL、0.099mmol)を加えた。反応混合物を18時間撹拌し、その後反応混合物を減圧下で蒸発させた。残渣を飽和NaHCOおよびEtOAcに分配し、EtOAc(2×)およびCHCl(2×)で抽出した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、分取薄層クロマトグラフィー上でクロマトグラフにかけ(7%MeOH/CHClで溶出)、カルバメート64a(24mg、76%)を無色の固体として得た。
【0193】
同様の手順を使用して、化合物64bを88%収率で調製した。
【0194】
同様の手順を使用して、化合物64cを調製し、次の実施例で直接使用した。
【0195】
(実施例60)
カルバメート64a(24mg、0.0374mmol)のCHCl(1.6mL)溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(0.4mL)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、その後反応混合物を飽和NaHCOおよびCHClに分配し、CHClで抽出した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣を1MのKCOおよびEtOAcに分配し、1MのKCOで洗浄し、アミン65a(24mg、76%)を淡黄色の固体として得た。
【0196】
同様の手順を使用して、化合物65bを84%収率で調製した。
【0197】
同様の手順を使用して、化合物65cを、化合物63cから36%収率で調製した。
【0198】
【化27】

(実施例61a)
化合物73a(90mg)を、化合物45aのための手順に従って調製した。m/z:620.2(M+1)、642.2(M+Na)。
【0199】
(実施例61b)
化合物73bを、化合物45aのための手順に従って調製した。
【0200】
(実施例61c)
化合物73cを、化合物45aのための手順に従って調製した。m/z:633.2(M+1)。
【0201】
(実施例61d)
化合物73dを、化合物45aのための手順に従って調製した。m/z:619.2(M+1)。
【0202】
(実施例61e)
化合物73eを、化合物45aのための手順に従って調製した。m/z:619.2(M+1)。
【0203】
【化28】

(実施例62)
化合物74(70mg)を、化合物50aのための手順に従って合成した。m/z:728.1(M+1)、750.2(M+Na)。
【0204】
(実施例63)
化合物75(57mg)を、前の手順に従って合成した。m/z:784.2(M+1)、806.3(M+Na)。
【0205】
(実施例64)
下記は、ヒトにおける治療的使用または予防的使用のための本発明の化合物(「化合物X」)を含有する代表的な医薬品剤形を示す。
(i)錠剤1 mg/錠剤
化合物X= 100.0
ラクトース 77.5
ポビドン 15.0
クロスカルメロースナトリウム 12.0
微結晶性セルロース 92.5
ステアリン酸マグネシウム 3.0
300.0
(ii)錠剤2 mg/錠剤
化合物X= 20.0
微結晶性セルロース 410.0
デンプン 50.0
デンプングリコール酸ナトリウム 15.0
ステアリン酸マグネシウム 5.0
500.0
(iii)カプセル剤 mg/カプセル剤
化合物X= 10.0
コロイド状二酸化ケイ素 1.5
ラクトース 465.5
アルファ化デンプン 120.0
ステアリン酸マグネシウム 3.0
600.0
(iv)注射剤1(1mg/ml) mg/ml
化合物X=(遊離酸の形態) 1.0
リン酸水素二ナトリウム 12.0
リン酸二水素ナトリウム 0.7
塩化ナトリウム 4.5
1.0Nの水酸化ナトリウム溶液
(7.0〜7.5にpH調節) 適量
注射用水 1mLまで適量
(v)注射剤2(10mg/ml) mg/ml
化合物X=(遊離酸の形態) 10.0
リン酸二水素ナトリウム 0.3
リン酸水素二ナトリウム 1.1
ポリエチレングリコール400 200.0
01Nの水酸化ナトリウム溶液
(7.0〜7.5にpH調節) 適量
注射用水 1mLまで適量
(vi)エアロゾル mg/缶
化合物X= 20.0
オレイン酸 10.0
トリクロロモノフルオロメタン 5,000.0
ジクロロジフルオロメタン 10,000.0
ジクロロテトラフルオロエタン 5,000.0
上記の製剤は、製薬技術において周知の従来の手順によって得ることができる。

全ての公報、特許、特許書類(米国特許出願公報第US2005/0158713号として2005年7月21日に公刊された米国特許出願第11/030,632号明細書を含む)は、個別に参考として援用されたにもかかわらず、その全体が本明細書中に参考として援用される。本発明は、特定の、そして好ましい実施形態および技術に対する参照とともに記載された。しかしながら、多くの変形および修正は、本発明の意図および範囲内にあり得ると理解されねばならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化29】

(式中、
Aは、ヘテロアリールまたは式
【化30】

を有する基であり、
各Rは、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルであり、Rは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アルカノイルアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換されており、
YおよびZは、同一でもまたは異なっていても、CH、O、S、SO、SO、NR、RC(O)N、RC(S)N、ROC(O)N、ROC(S)N、RSC(O)N、RNC(O)N、およびRNC(S)Nからなる群から独立に選択され、
nは、1〜5の整数であり、
Xは、共有結合、CHR10、CHR10CH、CHCHR10、O、NR10、またはSであり、
Qは、C(O)、C(S)、またはSOであり、
は、H、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、
mは、0〜6の整数であり、
は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、Rは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アルカノイルアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、(R10O)P(=O)−、(R10O)P(=O)アルキル、(R10O)P(=O)アルコキシ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換されており、1つまたは複数の置換基の任意のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つまたは複数のハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、またはアルキルアミノによって任意選択で置換されており、
は、=NR、またはNRであり、式中、RおよびRは、各々独立に、−V−Rであり、式中、各Vは、独立に、直接結合または−C(=O)であり、各Rは、独立に、H、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、またはアルキニルであり、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アルカノイルアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換されており、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、または(CH14(式中、qは0〜5の整数である)であり、Rは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、Rは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アルカノイルアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換されており、またはRおよびRは、式(I)のN−W結合と一緒になって、大員環を構成し、前記大員環中に1つまたは複数のさらなるヘテロ原子を任意選択で含み、
およびRは、各々、H、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、
各R10は、独立に、H、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、
14は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、R14は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、アラルキル、アリールオキシアルキル、アリールアミノアルキル、アラルコキシ、(アリールオキシ)アルコキシ、(アリールアミノ)アルコキシ、(アルカノイルアミノ)アルコキシ、(アリールチオ)アルコキシ、アラルキルアミノ、(アリールオキシ)アルキルアミノ、(アリールアミノ)アルキルアミノ、(アリールチオ)アルキルアミノ、アラルキルチオ、(アリールオキシ)アルキルチオ、(アリールアミノ)アルキルチオ、(アリールチオ)アルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルキルアミノ、およびヘテロアラルキルチオからなる群から独立に選択される1つまたは複数の置換基によって任意選択で置換されており、
Wは、C(O)、C(S)、S(O)、またはSOである)
の化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
Aが式
【化31】

を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
QがC(O)であり、RがHであり、WがSOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式(I)の化合物が、下記式
【化32】

を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式(I)の化合物が、下記式
【化33】

を有し、Arが、メチル、アミノ、ヒドロキシ、メトキシ、メチルチオ、ヒドロキシメチル、アミノメチル、およびメトキシメチルからなる群から選択される置換基によって任意選択で置換されているフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、任意選択で置換されているチオフェンまたはフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、チオフェン、フェニル、4−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ]フェニル、または4−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イルメチルオキシ)フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
が、イソプロピル、イソブチル、ブチル、ベンジル、またはフェネチル、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、または2−エチルブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
が、メトキシ、イソブチル、アミノ、フルオロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アシルアミノ、ベンジルオキシ、エトキシ、イソプロポキシ、または2−フルオロエトキシによって任意選択で置換されているフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
が、4位でメトキシ、イソブチル、アミノ、フルオロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アシルアミノ、ベンジルオキシ、エトキシ、イソプロポキシ、または2−フルオロエトキシによって置換されているフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
式(I)の化合物が、下記式
【化34】

を有し、Arが、メチル、アミノ、ヒドロキシ、メトキシ、メチルチオ、ヒドロキシメチル、アミノメチル、およびメトキシメチルからなる群から選択される置換基によって任意選択で置換されているフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
Xが酸素である、請求項4に記載の化合物。
【請求項13】
がイソブチルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項14】
Arがパラ位で置換されているフェニルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項15】
Arがメタ位で置換されているフェニルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項16】
Arがオルト位で置換されているフェニルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項17】
Arが、4−アミノフェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、および3−ヒドロキシメチルフェニルからなる群から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項18】
式(I)の化合物が、下記式
【化35】

を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
Aが、式
【化36】

を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
XがOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
QがC(O)であり、RがHであり、WがSOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
が、フェニル、4−ベンジルオキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−(2−メチルチアゾール−4−イルメトキシ)フェニル、4−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ]フェニル、4−[2−(メトキシカルボニルアミノ)エトキシ]フェニル、4−[2−メチル−2−(ジメチルホスホノ)プロポキシ]フェニル、5−シアノ−2−チエニル、または4−(ジエチルホスホノメトキシ)フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
が、アミノ、ヒドロキシイミノ、ヒドロキシアミノ、またはメチルアミノである、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
が、2−メチルプロピル、ブチル、プロピル、フェニル、フェネチル、シクロペンチルメチル、または2−エチルブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
が、式
【化37】

【化38】

を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
請求項1に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項27】
プロテアーゼを、阻害有効量の請求項1に記載の化合物と接触させるステップを含む、プロテアーゼ活性を阻害する方法。
【請求項28】
病原性実体に感染した動物に、有効量の請求項1に記載の化合物を投与するステップを含む、病原性実体が薬物耐性を発現する可能性を減少させる方法。
【請求項29】
前記病原性実体がウイルスである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ウイルスがHIVである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
動物においてプロテアーゼ活性を阻害するために有用な医薬を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項32】
病原性実体が動物において薬物耐性を発現する可能性を減少させるために有用な医薬を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項33】
前記病原性実体がウイルスである、請求項32に記載の使用。
【請求項34】
前記ウイルスがHIVである、請求項33に記載の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate


【公表番号】特表2009−544708(P2009−544708A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521811(P2009−521811)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/016691
【国際公開番号】WO2008/013834
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(500029420)ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】