説明

ビスマス系酸化物超電導線材およびその製造方法

【課題】 ビスマス系酸化物超電導線材において、77K程度の温度における臨界電流等の特性を向上すること
【解決手段】 本発明は、Bi2223相を主体として含む酸化物超電導体を、金属被覆材で被覆してなるビスマス系の酸化物超電導線材の製造方法において、酸化物超電導線材中の酸化物超電導体の相対密度が95%以上となるように酸化物超電導線材を作製する工程と、酸化物超電導線材を、酸素分圧が80kPa以上の雰囲気で熱処理する工程とを含むビスマス系酸化物超電導線材の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビスマス系酸化物超電導線材の製造方法に関し、より詳細には、ビスマス系酸化物超電導線材にポスト熱処理を施すことを特徴とする、ビスマス系酸化物超電導線材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、酸化物超電導線材の1つとして、ビスマス(Bi)系の酸化物超電導線材が知られている。このBi系の酸化物超電導線材は、液体窒素温度での使用が可能であり、比較的高い臨界電流密度を得ることができる。また、このBi系の酸化物超電導線材は、長尺化が比較的容易なため、超電導ケーブルやマグネットへの応用が期待されている。
【0003】
このようなBi系の酸化物超電導材料においては、粉末を熱処理した後に金属シースにて被覆し、伸線加工および圧延加工を施した後、さらに熱処理することにより、高い臨界電流密度を有する単芯の酸化物超電導線材が得られている。
【0004】
また、酸化物超電導材料を主成分とする粉末を熱処理した後に金属シースにて被覆し、伸線加工を施した後嵌合して多芯線とし、伸線加工および圧延加工を施した後、さらに熱処理することにより、同様に高い臨界電流密度を有する酸化物超電導多芯線材が得られている。
【0005】
さらに、従来、このような酸化物超電導線材の製造において、圧延加工および熱処理のステップを複数回繰返すことにより、より高い臨界電流密度を有する酸化物超電導線材が得られることが知られている。
【0006】
なお、超電導線材は、たとえば以下の非特許文献1〜3に開示されている。
【0007】
ところで、下記特許文献1には、酸化物超電導線材にポストアニール処理を施すことにより、20K程度における超電導線材のBi2212相の臨界電流密度が向上することが記載されている。
【0008】
しかしながら、下記特許文献1の超電導線材において、77Kでの特性は特に向上されておらず、20K程度の低温の特性が向上しているのみであった。
【特許文献1】特開2004−119248号公報
【非特許文献1】綾井、他6名、「シリコン単結晶引上炉マグネット用高温超電導線材の開発」、SEIテクニカルレビュー、2001年9月、第159号、p.123−128
【非特許文献2】小沼、松本著、「超電導材料と線材化技術」、工学図書株式会社、1995年10月
【非特許文献3】マエダ(Hiroshi Maeda)、トガノ(Kazumasa Togano)編、「ビスマス−ベースト ハイテンペラチュア スーパーコンダクターズ(Bismuth−based High−temperature Superconductors)」、(米国)、マーセルデッカー(Marcel Dekker,Inc.)、1996年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来の技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ビスマス系酸化物超電導線材において、77K程度の温度における臨界電流等の特性を向上することができる、ビスマス系酸化物超電導線材の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの局面によれば、Bi2223相を主体として含む酸化物超電導体を、金属被覆材で被覆してなるビスマス系酸化物超電導線材の製造方法において、酸化物超電導線材中の酸化物超電導体の相対密度が95%以上となるように酸化物超電導線材を作製する工程と、酸化物超電導線材を、酸素分圧が80kPa以上の雰囲気で熱処理する工程とを含むビスマス系酸化物超電導線材の製造方法が提供される。
【0011】
好ましくは、熱処理は、全圧が0.1MPa以上の雰囲気で行われる。
【0012】
好ましくは、熱処理は、200℃〜500℃の範囲内の温度で行われる。
【0013】
好ましくは、ビスマス系酸化物超電導線材の製造方法は、熱処理の工程の前に、酸素分圧が21kPa以下の雰囲気で、かつ800℃以上の温度で前熱処理をされる工程をさらに含む。
【0014】
本発明の別の局面によれば、上記のいずれかの製造方法により製造されたビスマス系酸化物超電導線材が提供される。
【0015】
本発明のさらに別の局面によれば、ビスマス系酸化物超電導線材を用いた超電導機器が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明のビスマス系酸化物超電導線材の製造方法によれば、ビスマス系酸化物超電導線材中の酸化物超電導体におけるBi2223結晶相の相対密度を95%以上にし、かつ、熱処理の際の酸素分圧を80kPa以上にすることにより、77K程度の高温における臨界電流に優れたビスマス系酸化物超電導線材を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のビスマス系酸化物超電導線材の製造方法は、Bi2223相を主体として含む酸化物超電導体を金属被覆材で被覆してなる酸化物超電導線材において、当該線材中の酸化物超電導体の相対密度が95%以上となるように酸化物超電導線材を作製する工程と、当該酸化物超電導線材を、酸素分圧が80kPa以上の雰囲気で熱処理する工程とを含むことを特徴とする。
【0018】
このように、酸化物超電導線材中の、Bi2223相を主体として含む酸化物超電導体が95%以上の相対密度を有することにより、Bi2223相の結晶間の結合が強固になり、すなわち、当該結晶間の結合が多くなって、結晶間を流れる電流が増大し、77K程度の高温における臨界電流を増大させることができる。ここで、本発明において、相対密度とは、ビスマス系酸化物超電導線材中の酸化物超電導体におけるBi2223結晶相について、測定して得られる密度(実測値)の理論密度に対する割合のことをいう。なお、理論密度は公知であって、略6.35g/cmである。
【0019】
このこのとは次のように理解することができる。すなわち、一般に、Bi2223相を含む超電導線材において流れる超電導電流は、Bi2223結晶相を流れる電流と、当該結晶間を流れる電流とがあるが、上述の相対密度以上にすることにより、Bi2223結晶相自体が増大するので、Bi2223結晶相自体を流れる超電導電流が増大することはもちろんのこと、図1(a)に示すように、当該結晶間を流れる電流も増大し、結果として超電導線材全体を流れる超電導電流も増大することになる。逆に、図1(b)に示すように、結晶間の結合が強固でないと、当該結晶間の間隙が多くなり、結晶間を流れる超伝導電流は減少する。ここで、図1は、Bi2223相の結晶の状態を説明する概略断面図である。
【0020】
また、本発明のビスマス系酸化物超電導線材の製造方法において、上述の相対密度が95%以上の超電導線材を、酸素分圧が80kPa以上の雰囲気で熱処理する工程を行うことにより、超電導線材中の荷電電子(キャリア)が増大し、かつ、線材全体にわたってキャリアが拡散し、結果として、77K程度の高温における超電導線材の臨界電流を向上させることができる。
【0021】
すなわち、上述の特徴をまとめれば、本発明のビスマス系酸化物超電導線材の製造方法は、Bi2223結晶相の相対密度を95%以上にすることにより、当該結晶間の結合を増大して結晶間の超電導電流の流れを良好にし、酸素分圧を80kPa以上の雰囲気で線材を熱処理することにより、キャリアの数を増大させて超電導電流を増大させることに特徴を有するものである。
【0022】
このような特徴により、従来では、Bi2212相の改質に起因する20K程度の低温での電流密度の向上しか達成できなかったが、本発明では、Bi2223相の結晶の状態およびキャリアの数を改善して、77K程度の高温での超電導電流を向上させることができるようになったものである。
【0023】
また、77K程度の高温での超電導電流の特性が向上されることにより、超電導線材として、液体窒素温度における超電導応用に使用できるメリットがある。
【0024】
なお、本発明において、上記2223相とは、ビスマス(必要に応じて、ビスマスと共に鉛を含む)とストロンチウムとカルシウムと銅と酸素とを含み、その組成、すなわち原子比(酸素を除く)として、ビスマス(またはビスマス+鉛):ストロンチウム:カルシウム:銅が2:2:2:3と近似して表されるBiSr−Ca−Cu−O系の酸化物超電導体相のことである。これはBi2223相と示す場合もある。なお、2223組成とは、上記のとおり上記原子比の近似値比をいう。
【0025】
同様に、上記2212相とは、ビスマス(必要に応じて、ビスマスと共に鉛を含む)とストロンチウムとカルシウムと銅と酸素とを含み、その原子比(酸素を除く)として、ビスマス(またはビスマス+鉛):ストロンチウム:カルシウム:銅が2:2:1:2と近似して表されるBi−Sr−Ca−Cu−O系の酸化物超電導体相のことである。これはBi2212相と示す場合もある。なお、2212組成とは、上記のとおり上記原子比の近似値比をいう。
【0026】
本発明における、Bi2223相を主体として含む酸化物超電導体の相対密度が95%以上となるようにする手法としては、たとえば、焼結処理中に線材にガス圧力を印加して行う方法を挙げることができる。
【0027】
なお、本発明において、上記線材中の相対密度の測定方法としては、アルキメデス法と銀比から算出することができる。
【0028】
具体的には、始めに、5g(=Mt(g))の酸化物超電導線材が切り分けられる。次に、切り分けられた酸化物超電導線材をアルコールに浸し、アルコール中での線材の重量(W(g))を計測し、酸化物超電導線材に働く浮力が算出される。そして、既知のアルコール密度(ρ=0・789(g/cm)を用いて酸化物超電導線材の体積(Vt(cm))が算出される。具体的には、浮力をFtとすると、以下の式(1)、(2)によりVtが算出される。
【0029】
Ft=Mt−W ・・・(1)
Vt=Ft/ρ ・・・(2)
続いて、酸化物超電導線材を硝酸に溶解し、その溶液をICP(Inductive Coupled Plasma)発光分析することにより銀を定量し、酸化物超電導線材の重量に占める銀の割合(Y)が算出される。そして、酸化物超電導線材の重量から、酸化物超電導体部との重量(Mf(g))と、シース部の重量(Ms(g))の重量とが以下の式(3)、(4)により算出される。
【0030】
Ms=Mt×Y ・・・(3)
Mf=Mt−Ms ・・・(4)
次に、シース部の体積(Vs(cm))が既知の銀比重(10.5(g/cm))より算出され、シース部の体積から酸化物超電導体の体積(Vf(cm))が算出される。そして、酸化物超電導体の体積から酸化物超電導体フィラメントの密度ρfが算出される。具体的には、以下の式(5)〜(7)によりρfが算出される。
【0031】
Vs=Ms/10.5 ・・・(5)
Vf=Vt−Vs ・・・(6)
ρf=Mf/Vf ・・・(7)
一方、酸化物超電導体の理論密度は、6.35g/cmという値が採用されている。この値は以下の方法によって算出されている。すなわち、ICP発光分析およびEDX(energy dispersive X−ray spectroscopy)分析により酸化物超電導体フィラメント中のBi2223相の原子比が算出される。そして、X線回折法によりBi2223相の格子定数を求め、a軸およびc軸の値を算出する。そして、これらの値から理論密度が算出される。
【0032】
以上の方法により求められた酸化物超電導体の密度と酸化物超電導体の理論密度との比から、酸化物超電導体フィラメントの相対密度が算出される。具体的には、式(8)により相対密度が算出される。
【0033】
相対密度(%)=(ρf/6.35)×100 ・・・(8)
本発明において、熱処理の際の全圧は、0.1MPa以上の雰囲気で行われることが好ましい。0.1MPa未満であると、線材の膨れのため、線材特性が低下するという問題のおそれがある。より好ましくは、0.1MPa以上である。
【0034】
また、熱処理の際の雰囲気において、存在しうるガスとしては、酸素ガス、不活性ガス(アルゴンまたは窒素など)を挙げることができる。
【0035】
また、これらの雰囲気中のガスの全圧または分圧は、全圧力と酸素濃度を求め、これから、酸素分圧を(全圧力)×(酸素濃度)として算出することができる。また、全圧力および酸素濃度は、当該分野で公知の装置により測定することができる。
【0036】
また、本発明において、熱処理の際の温度は、200℃以上500℃以下の範囲内であることが好ましい。200℃未満であると、十分に超電導体にキャリアがドープされないため、線材の特性は不変である可能性があり、500℃を超えると、酸化物超電導体フィラメントが高密度で反応性が高いため、分解または過剰に酸素がドープされ、逆に特性が低下するおそれがある。より好ましくは、250℃以上400℃以下である。
【0037】
次に、本発明に従う熱処理を行う工程より前の、酸化物超電導線材の製造方法について説明する。まず、Bi、Pb、Sr、CaおよびCuが所定の組成比になるように、酸化物あるいは炭酸化物の原料粉が混合される。この混合粉に700〜860℃程度の熱処理が複数回施され、(BiPb)SrCaCu8+z(Bi2212相)と(BiPb)SrCaCu10+z(Bi2223相)と非超電導相とから構成される充填用粉末が用意される。
【0038】
本粉末が銀パイプに充填され伸線による縮径加工が施される。この線が切断され、所定の本数(たとえば55芯)の嵌合用素線が形成される。この所定の本数の素線が別の素線挿入用の銀パイプ内に挿入され、上記所定の本数の芯を持つ多芯構造が形成される。この多芯母材にさらに伸線加工が施され、長尺材とされた後、圧延加工が施されて、外径サイズがたとえば幅4.2mm、厚さ0.23mmで、銀比(線材の横断面における酸化物超電導体部分の面積に対する金属被覆材部分の面積の比)がたとえば1.5のテープ形状の線材が形成される。この際、本発明においては、上述したように、Bi2223相の線材全体に対する相対密度が95%以上となるように線材を形成することに特徴を有する。
【0039】
このテープ形状の線材に、酸素分圧が21kPa以下の雰囲気で、かつ800℃以上の温度で前熱処理が施される。この後、テープ形状の線材に再度圧延処理が施され、再度上記の前熱処理が施されることによって酸化物超電導線材が形成される。
【0040】
このようにして得られた酸化物超電導線材に、本発明における熱処理が施される。この熱処理は、上述したように、酸素分圧が80kPa以上の雰囲気で行う。
【0041】
次に、上述のようにして製造された酸化物超伝導線材の構造について、図2を用いて説明する。本発明の酸化物超電導線材5は、複数本の酸化物超電導体(超電導フィラメント)1と、複数本の酸化物超電導体1の表面を被覆しかつ金属被覆材2とを有している。酸化物超電導体1は、Bi2223相を主体として含み、かつBi2212相を含んでいる。
【0042】
また金属被覆材2は、たとえば銀よりなっている。
【0043】
なお、上記においては多芯構造の酸化物超電導線材について説明したが、1本の酸化物超電導体(超電導フィラメント)を、金属被覆材で被覆した単芯構造の酸化物超電導線材についても本発明を適用することができる。
【0044】
なお、上述した本発明のビスマス系酸化物超電導線材の製造方法によって製造された超電導線材は、種々の超電導機器に用いることができる。当該超電導機器の具体例としては、たとえば、超電導ケーブル、超電導限流器、超電導変圧器、超電導電力貯蔵装置などを挙げることができるが、これに限定されるわけではない。なお、これらの機器への用い方としては、当該分野で公知または慣用されている手法により用いることができる。
【実施例】
【0045】
まず、上述したような製造方法により、55芯を持つ多芯構造で、外径サイズが幅4.2mm、厚さ0.23mmで、銀比が1.5のテープ形状のBi系酸化物超電導線材を作製した。この際、前熱処理の条件としては、酸素分圧を8kPaとし、温度を820℃程度とした。
【0046】
次に、本発明に従う熱処理を下記の表1に記載の条件のものに行い、本発明におけるビスマス系酸化物超電導線材を作製した。また、当該線材について、液体窒素温度である77Kでの、当該熱処理前後の臨界電流(Ic)の測定結果を表1にあわせて示す。なお、当該測定の際に磁場の印加はない。すなわち0Tである。
【0047】
【表1】

【0048】
表1において、Ic(a)は、熱処理後の臨界電流の値(A)を示し、Ic(b)は、熱処理前の臨界電流の値(A)を示す。また、表1の結果に基づいて、それぞれの酸素分圧について、熱処理の温度と臨界電流との関係をグラフを用いて図3に示す。
【0049】
表1において、特に、試料9〜11についておよび試料12〜14について比較すると、熱処理の際の酸素分圧が80kPa未満では、80kPa以上のものと比較して、熱処理後のIcの向上がみられないことがわかる。
【0050】
また、表1において特に試料3〜5についておよび試料6〜8について比較すると、熱処理の際の全圧が0.1MPa未満のときは、0.1MPa以上のときと比べて、熱処理後のIcが向上していないことがわかる。
【0051】
また、表1より、熱処理の際の温度が200〜500℃の範囲内にないときは、Icの向上がみられていないことがわかる。
【0052】
次に、下記表2に示す試料について、熱処理前の酸化物超電導線材中のBi2223相の相対密度に対して、77K、0Tにおける熱処理前後の臨界電流Icの比較を示す。
【0053】
【表2】

【0054】
表2から、熱処理前のBi2223相の相対密度が95%未満では、熱処理後の臨界電流に向上がみられないことがわかる。つまり、相対密度が95%未満であると、熱処理を施したとしても、臨界電流の向上は望めない。
【0055】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】Bi2223結晶相の状態を説明する概略断面図である。
【図2】本発明のビスマス系酸化物超電導線材の製造方法によって製造された酸化物超電導線材の構成を示す断面図である。
【図3】種々の酸素分圧について、熱処理の温度と熱処理前後の臨界電流との関係を、グラフを用いて表す図である。
【符号の説明】
【0057】
1 酸化物超電導体、2 金属被覆材、5 酸化物超電導線材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Bi2223相を主体として含む酸化物超電導体を、金属被覆材で被覆してなるビスマス系酸化物超電導線材の製造方法において、前記酸化物超電導線材中の前記酸化物超電導体の相対密度が95%以上となるように酸化物超電導線材を作製する工程と、前記酸化物超電導線材を、酸素分圧が80kPa以上の雰囲気で熱処理する工程とを含む、ビスマス系酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項2】
前記熱処理は、全圧が0.1MPa以上の雰囲気で行われることを特徴とする、請求項1に記載のビスマス系酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項3】
前記熱処理は、200℃〜500℃の範囲内の温度で行われることを特徴とする、請求項1または2に記載のビスマス系酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項4】
前記熱処理の工程の前に、酸素分圧が21kPa以下の雰囲気で、かつ800℃以上の温度で前熱処理をされる工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載のビスマス系酸化物超電導線材の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造されたビスマス系酸化物超電導線材。
【請求項6】
請求項5に記載のビスマス系酸化物超電導線材を用いた超電導機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−216379(P2006−216379A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27982(P2005−27982)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】