説明

ビデオゲーム装置、ゲーム情報表示制御方法及びゲーム情報表示制御プログラム

【課題】複数のオブジェクトを選択の許否に応じて2D表示と3D立体視表示とに分けて、選択の許否状態を視認容易とする。
【解決手段】ビデオゲーム装置1は、3D立体視が可能なモニタ11と、各オブジェクトを形成する左目用画像と右目用画像とを離間距離ゼロの第1態様と所定の離間距離を有する第2の態様とでそれぞれ記憶する左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部163aと、指定が可能な状態か否かを表示対象の各オブジェクトについて判断する指定可否判別手段161kと、指定可能状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とを第2の態様で、それ以外を第1の態様で、それぞれ左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部から読み出して1つの表示用記憶部に導いて合成した後、モニタ11へ読み出す画像表示制御手段161cと、第2の態様で表示されるオブジェクトに対する指定を受け付ける選択処理手段161mとを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム情報を3次元(立体視)で表示するビデオゲーム装置、ゲーム情報表示制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画面上に選択可能なボタンを表示し、各ボタンの持つ機能を操作者に知らせるために、色違いにしたりすることが行われている。例えば、特許文献1の図8には、色違いの伝書鳩画像が複数表示され、いずれかの色の伝書鳩画像を選択すると、選択された伝書鳩画像に付された色に予め対応付けられた機能が実行されるようになされている。
【0003】
また、最近では、表示画面上に3D画像を表示する技術が種々提案されている。3D画像の表示方式としては、視差バリア方式が一般的であり、偏光材や液晶シャッターとめがねとを用いた、いわゆるめがね式や、非めがね式の一例としてのパララックスパノラマグラム方式やレンチキュラ方式等が特に周知である。更に、近年では、2D画像と3D画像とを切替可能にした表示技術が提案されている。すなわち、特許文献2には、視差バリア方式を実現する液晶パネルを設けたモニタ画面が記載されている。そして、特許文献2には、2次元表示が選択された時には液晶パネルによるバリアを作用させず、一方、3次元表示が選択された時には液晶パネルによるバリアを作用させるようにし、かつ、この時、ネットワークを経て外部記録媒体から受信した画像データに基づいて生成された3次元画像である、左目用画像と右目用画像とをモニタ画面に導いて、3次元画像を表示するようにした携帯パソコンや携帯電話機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−220200号公報
【特許文献2】特許第3973525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、特許文献1の他、ボタンやアイコンも種々の色で着色されてカラフル化されており、単に着色表現によって個々の機能を視認可能にする態様には限界がある。この場合に、3D画像の表示技術を活用することが出来れば好ましい。しかしながら、特許文献2は、あくまで2D表示と3D立体視表示とを操作キーの押下によって画面切り替えを行う、いわゆる切り替え表示であり、しかもアイコンやボタンを表示するものではない。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、複数のオブジェクトを選択の許否に応じて2D表示と3D立体視表示とに分けて表示し、選択の許否状態を視認容易とするビデオゲーム装置、ゲーム情報表示制御方法及びゲーム情報表示制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、ゲームに関する内容が対応付けられた各種のオブジェクトを選択可能にプレイヤに提示するビデオゲーム装置において、表示画面に3D立体視を可能にする視差バリア部材が配置された表示部と、各オブジェクトを形成する左目用画像と右目用画像とを、離間距離ゼロの第1態様と所定の離間距離を有する第2の態様とでそれぞれ記憶する左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部と、ゲーム状況及び前記プレイヤの情報の少なくとも一方の状況に応じて指定が可能な状態か否かを表示対象のオブジェクトのそれぞれについて判別する指定可否判別手段と、指定が可能な状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とを前記第2の態様で、指定が不許可の状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とを前記第1の態様で、それぞれ前記左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部から読み出して1つの表示用記憶部に導いて合成した後、前記表示部へ読み出して所定位置に表示する画像表示制御手段と、前記表示部に表示される第2の態様で表示されているオブジェクトのいずれかに対する指定を受け付ける選択処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項7記載の発明は、表示画面に3D立体視を可能にする視差バリア部材が配置された表示部を備え、ゲームに関する内容が対応付けられた各種のオブジェクトを選択可能に前記表示部に表示するビデオゲーム装置のゲーム情報表示制御方法であって、左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部が、各オブジェクトを形成する左目用画像と右目用画像とを、離間距離ゼロの第1態様と所定の離間距離を有する第2の態様とでそれぞれ記憶し、指定可否判別手段が、ゲーム状況及び前記プレイヤの情報の少なくとも一方の状況に応じて指定が可能な状態か否かを表示対象のオブジェクトのそれぞれについて判別し、画像表示制御手段が、指定が可能な状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とを前記第2の態様で、指定が不許可の状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とを前記第1の態様で、それぞれ前記左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部から読み出して1つの表示用記憶部に導いて合成した後、前記表示部へ読み出して所定位置に表示し、選択処理手段が、前記表示部に表示される第2の態様で表示されているオブジェクトのいずれかに対する指定を受け付けるようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項8記載の発明は、表示画面に3D立体視を可能にする視差バリア部材が配置された表示部を備え、ゲームに関する内容が対応付けられた各種のオブジェクトを選択可能に前記表示部に表示するビデオゲーム装置のゲーム情報表示制御プログラムであって、各オブジェクトを形成する左目用画像と右目用画像とを、離間距離ゼロの第1態様と所定の離間距離を有する第2の態様とでそれぞれ記憶する左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部、ゲーム状況及び前記プレイヤの情報の少なくとも一方の状況に応じて指定が可能な状態か否かを表示対象のオブジェクトのそれぞれについて判別する指定可否判別手段、指定が可能な状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とを前記第2の態様で、指定が不許可の状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とを前記第1の態様で、それぞれ前記左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部から読み出して1つの表示用記憶部に導いて合成した後、前記表示部へ読み出して所定位置に表示する画像表示制御手段、前記表示部に表示される第2の態様で表示されているオブジェクトのいずれかに対する指定を受け付ける選択処理手段、として前記ビデオゲーム装置を機能させることを特徴とするものである。
【0010】
これらの発明によれば、プレイヤは表示部を介してゲーム画像を3D立体視で見ることが可能となる。表示部には、ゲームに関する内容が対応付けられた各種のオブジェクトの画像が表示され、オブジェクトは、選択可能なものと、そうでないものとが併記表示される。すなわち、左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部には、各種のオブジェクトを形成する左目用画像と右目用画像とが、離間距離ゼロの第1態様と所定の離間距離を有する第2の態様とでそれぞれ記憶されている。そして、指定可否判別手段によって、ゲーム状況及び前記プレイヤの情報の少なくとも一方の状況に応じて指定が可能な状態か否かが表示対象のオブジェクトのそれぞれについて判断され、画像表示制御手段によって、指定が可能な状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とが前記第2の態様で、また、指定が不許可の状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とが前記第1の態様で、それぞれ前記左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部から読み出されて1つの表示用記憶部に導いて合成された後、前記表示部へ読み出されて所定位置に表示される。この状態で、選択処理手段によって、前記表示部に第2の態様で表示されているオブジェクトのいずれかについてのみ指定が受け付けられる。従って、複数のオブジェクトが選択の許否に応じて2D表示と3D立体視表示とに分けて表示されるので、選択の許否状態が視認容易となる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のビデオゲーム装置において、前記オブジェクト画像記憶部は、前記各オブジェクトを形成する左目用画像及び右目用画像を、それぞれ1画面のサイズを有する第1、第2の態様用の左右の透明テンプレート上の所定値に割り当てて記憶しており、前記画像表示制御手段は、前記第1、第2の態様用の一方の左右の透明テンプレートを前記1つの表示用記憶部に導くことを特徴とする。この構成によれば、左右の透明テンプレートが読み出されることで、表示部の表示面上に、表示対象のオブジェクトが表示される。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載のビデオゲーム装置において、前記オブジェクト画像記憶部は、前記各オブジェクトを形成する左目用画像及び右目用画像を、1画面が複数に区分された領域のいずれかに割り当てて、第1、第2の態様用の左右の部分画像として記憶したもので、前記画像表示制御手段は、前記前記第1、第2の態様用の一方の左右の部分画像を前記1つの表示用記憶部の前記対応付けられた区分に導くことを特徴とする。この構成によれば、左右の部分画像が読み出されることで、表示部の表示面上に、表示対象のオブジェクトが表示される。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のビデオゲーム装置において、前記オブジェクトに対応付けられた内容はゲームで使用するアイテムであり、前記選択処理手段は、指定したオブジェクトのアイテムをプレイヤに対応付けることを特徴とする。この構成によれば、3D立体視表示されているオブジェクトが指定されると、当該オブジェクトに予め対応付けられたアイテム、例えばゲームを有利に展開するための武器等のアイテムがプレイヤに対応付けられる。その結果、当該プレイヤはこのアイテムを使用することで、ゲームを有利に展開することが可能となる。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のビデオゲーム装置において、前記オブジェクトに対応付けられた内容はゲームの種類を示すものであり、前記選択処理手段は、指定したオブジェクトに対応するゲームの実行を許可するものであることを特徴とする。この構成によれば、3D立体視表示されているオブジェクトが指定されると、当該オブジェクトに予め対応付けられた種類のゲームが実行される。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5に記載のビデオゲーム装置において、ゲーム状況及び前記プレイヤの情報の少なくとも一方の状況は、ゲームで取得したポイントの大小であることを特徴とする。この構成によれば、3D立体視表示されるオブジェクトは、常に同一ではなく、ゲーム状況やプレイヤの情報によってその都度変更される。ゲーム状況には、時限的なゲーム、例えば「(第○回)全国対戦ゲーム」も含まれ、参加期間中であれば3D立体視表示され、期間終了後であれば2D表示に変わる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数のオブジェクトを選択の許否に応じて2D表示と3D立体視表示とに分けて表示することによって、選択の許否を容易に視認出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るゲームシステムの一実施形態を示す構成図である。
【図2】ゲーム端末の一実施形態の外観を示す斜視図である。
【図3】ゲーム端末の一実施形態を示すハードウェア構成図である。
【図4】ゲーム端末の制御部の機能構成図である。
【図5】サーバの一実施形態を示すハードウェア構成図である。
【図6】サーバの制御部の機能構成図である。
【図7】仮想カメラ60の移動及び自己キャラクタの移動を説明するための図である。
【図8】構え(攻撃態勢)を取った状態を説明するための図である。
【図9】ゲーム画像の3D立体視表示モードの原理を説明する図で、図(a)は2台の仮想カメラと被写体との関係を示す模擬図であり、図(b)は2台の仮想カメラで撮影された画像とモニタ画像との関係を示す模擬図である。図10は、ゲーム画像を3D立体視表示モードで表示するための構成図である。
【図10】ゲーム画像を3D立体視表示モードで表示するための構成図である。
【図11】ゲームモードの選択画面の一例を示す図である。
【図12】プレイヤの選定待ち受け中での閲覧情報の選択画面の一例を示す図である。
【図13】ゲームの所定時点、例えばゲーム終了時等でのアイテムの選択画面の一例を示す図である。
【図14】対戦ゲーム画面の一例を示す図である。
【図15】ゲーム端末1のCPU161のゲームプログラムによって実行されるゲーム処理の手順を説明するフローチャートである。
【図16】ゲーム端末1のCPU161のゲームプログラムによって実行される選定処理の手順を説明するフローチャートである。
【図17】サーバ3のCPU361のゲームプログラムによって実行される選定処理の手順を説明するフローチャートである。
【図18】ゲーム端末1のCPU161のゲームプログラムによって実行されるゲーム選択処理の手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明に係るビデオゲーム装置が適用される対戦ゲームシステムの一実施形態を示す構成図である。対戦ゲームシステムは、それぞれ識別情報が対応付けされたクライアント端末装置(ゲーム端末)1と、複数の(ここでは8台の)ゲーム端末1と通信可能に接続され、これらの間の中継・接続及び各ゲーム端末1とネットワーク(インターネット)を介して他の店舗のゲーム端末1との間での接続を行う通信機器であるルーター2と、各ルーター2を介して通信可能に接続され、複数のプレイヤがゲーム端末1を用いて行うためのプレイヤ認証、プレイヤ選択及びゲーム履歴に関する情報を管理するサーバ3とを備えている。
【0019】
ゲーム端末1は、プレイヤがモニタに表示されるゲーム画面に基づいて所定の操作を行うことによって、ゲームを進行するものである。なお、ゲーム端末1に対応付けされる識別情報は、ゲーム端末1が接続されているルーター2毎の識別情報(又はゲーム端末1が配設されている店舗の識別情報)とゲーム端末1が配設されている店舗内でのゲーム端末1毎の識別情報(端末番号という)とを含んでいる。例えば、店舗Aの識別情報がAであって、店舗A内でのゲーム端末1の識別情報が4である場合には、当該ゲーム端末1の識別情報はA4である。
【0020】
ルーター2は、それぞれ複数のゲーム端末1及びサーバ3と通信可能に接続され、ゲーム端末1とサーバ3との間でデータの送受信を行うものである。
【0021】
サーバ3は、各ルーター2と通信可能に接続され、プレイヤ個人を特定するためのユーザIDに対応付けて前記プレイヤ情報を格納すると共に、ルーター2を介してゲーム端末1とデータの送受信を行うことによってプレイヤと同一ゲーム空間上でゲームを行うプレイヤ(対戦者という)を選択するものである。
【0022】
図2は、ゲーム端末1の一実施形態の外観を示す斜視図である。なお、ゲーム端末1を用いて行われる対戦ゲームとして、本実施形態では対戦ゲームのうち、射撃ゲームを想定している。射撃ゲームは、1人対1人の対戦モードやグループ対戦モードが設定されている。グループ対戦モードは、所定人数、例えば4名ずつの敵、味方プレイヤが対戦するものである。対戦モード、グループ対戦モードには、さらに1つの店舗内のみで対戦を行う店内対戦モードや他の店舗も含めて対戦を行う全国対戦モードがある。対戦モード、グループ対戦モードでは、後述するネットワーク通信部18、ルーター2を介してお互いの操作データの送受信が行われる。また、特別に開催される全国対戦モードもある。全国対戦モードとは、このモードを選択して、例えば1週間というような所定期間内に所定数以上のゲームをこなすことで、スコア順にランク付けが行われ、ゲーム端末のモニタ11に全国的に発表されると共に、必要に応じて景品等が贈呈されるものである。
【0023】
ゲーム端末1は、モニタ部10と、モニタ部10の前面に設置されるコントローラ部20とを有し、両者間にマット部材1Aが備えられている。モニタ部10は、ゲーム画像を表示する液晶やプラズマディスプレイ等からなるモニタ11、個人カードの内容を読み取るカードリーダ13、ゲーム料金を投入するコイン受付部14、及び後述する表示モード指定用の操作部材、例えば押込式のボタン15を備える。個人カードは、プレイヤの識別情報がユーザIDとして記録された磁気カードやICカードである。また、図2には示していないが、攻撃時(射撃等)の効果音等を発生させるスピーカ12が配置されている。
【0024】
コントローラ部20は、本実施形態では椅子型の着座部21を備えている。着座部21は左右に肘掛け部22,23を有する。右肘掛け部22及び左肘掛け部23の先端部には、人手で把持し得る程度の大きさを有する第1の操作部材30、第2の操作部材40が置かれている。詳細には、右肘掛け部22の先端上面は平面形状に形成されており、この上に第1の操作部材30が置かれている。左肘掛け部23の先端上面には、第2の操作部材40が置かれている。
【0025】
第1の操作部材30は、内部底面側に光学式マウス31を備え、さらに、外部上面に押し込み式スイッチであるトリガボタン32が、側面上段側に押し込みスイッチである姿勢変更ボタン33が、その下段にジョグダイアル34が設けられている。光学式マウス31は、公知の構造を有し、スライド量検出部として機能するものである。より詳細には、第1の操作部材30は、その底板の一部に形成された透光部を介して外部を写す照射光を投光する投光器と、さらに外部からの反射光を受光して撮像する撮像素子とを内蔵している。撮像素子で撮像された外部の画像の変化を検出することで、第1の操作部材30の移動量を求めるものである。撮像画像の変化を検出可能とするために、右肘掛け部22の先端上面は、所定の粗さに形成されている。第1の操作部材30を右肘掛け部22の上面でスライド操作することで、前後左右方向のスライド量が計測可能にされている。
【0026】
トリガボタン32は、可動部321を本体側に押し込むことで、内部の図略の可動する金属切片が他方の固定金属切片と接する等して電気信号を生成して、押し込み操作を検出するものである。押し込み操作は、モニタ11の画面に表示されている自己キャラクタに対して射撃動作を指示するものである。
【0027】
姿勢変更ボタン33は、水平面上で揺動可能な構造を有し、一端側が外方に付勢されている。この一端側を付勢力に抗して押し込む毎にしゃがむ姿勢が実行される。ジョグダイアル34は、仮想カメラ60の旋回速度を設定するもので、ダイヤルの回転量に応じた速度で仮想カメラが旋回する。
【0028】
第2の操作部材40は、自己キャラクタの移動を指示するためのジョイスティック41を備え、さらに、外部前側にはいずれも押し込み式スイッチである構えボタン42,アイテムボタン43,アクションボタン44が配設されている。各ボタン42,43,44はトリガボタン32と同一構造をしているものである。ジョイスティック41は、公知の構造を有し、水平面上で所望する方向に傾倒可能な操作桿を有し、操作桿の傾倒方向及び傾倒角度に応じた信号を出力するものである。傾倒方向及び傾倒角度に応じた信号は、ゲーム中においてはモニタ11の画面に表示される自己キャラクタの仮想ゲーム画面内における移動を指示するものである。傾倒角度は移動速度を指示し、傾倒方向は移動方向を示す。移動方向は、360度でもよいが、信号処理上、前後左右を含む所定方向に設定されている。例えば8方向である。なお、移動速度は傾倒角度に関わりなく停止と移動のみの切り替えとして移動速度を一定とする態様としてもよく、あるいは移動速度を所定段階、例えば2段階に設定する態様としてもよい。
【0029】
構えボタン42は、攻撃準備指示部材として機能するもので、押し込み操作によって、自己キャラクタが所持する武器に本来の働きを行わせるための準備動作を指示するものである。アイテムボタン43は、アイテムを変更するためのボタンで、押し込み操作によって予め設定されている複数種類のアイテム(ここでは武器、その他(例えばアウトフィット(OUTFIT)、図13参照))を指定するものである。武器としては、ゲームに対応したものが準備されており、ここでは、仮想銃としてのライフル銃やハンドガン、その他にナイフや手榴弾等がある。武器が指定されると、モニタ11の画面上の自己キャラクタの手に武器画像が仮想的に所持される。アウトフィットについては、図13で後述する。アクションボタン44は、アクションを指示する部材として機能するもので、例えば接近戦で格闘技を出すものである。
【0030】
ゲーム端末1の適所には、検出信号や、各部への制御信号を出力するマイクロコンピュータなどで構成される制御部16(図3参照)が配設されている。
【0031】
図3は、ゲーム端末1の一実施形態を示すハードウェア構成図である。制御部16はゲーム端末1の全体の動作を制御するもので、ゲームの進行全般に関する処理、画像表示処理の他、種々の情報処理を行う情報処理部(CPU)161と、処理途中の情報等を一時的に格納するRAM162と、所定の画像情報及びゲームプログラム等が予め記憶されたROM163とを備える。
【0032】
外部入出力制御部171は、制御部16とカードリーダ13及びコイン受付部14を含む検出部の間で、検出信号を処理用のディジタル信号に変換し、また指令情報を検出部の各機器に対して制御信号に変換して出力するもので、かかる信号処理と入出力処理とを例えば時分割的に行うものである。また、外部入出力制御部171は、ボタン15、第1、第2の操作部材30,40に対する各操作に応じた指令情報を制御部16に出力するものである。外部機器制御部172は、それぞれの時分割期間内に検出部の各機器への制御信号の出力動作と、検出部の各機器からの検出信号の入力動作とを行うものである。
【0033】
描画処理部111は制御部16からの画像表示指示に従って所要の画像をモニタ11に表示させるもので、ビデオRAM等を備える。音声再生部121は制御部16からの指示に従って所定のメッセージやBGM等をスピーカ12に出力するものである。
【0034】
ROM163には、所定数(例えば4名ずつ)の味方、敵キャラクタの画像、アイテム(武器)画像、背景画像、各種画面の画像等が記憶されている。各画像は3次元描画が可能なように、それを構成する所要数のポリゴンで構成されており、描画処理部111はCPU161からの描画指示に基づいて、3次元空間(仮想ゲーム空間)でのワールド座標系から仮想カメラを基準としたローカル座標系へ、さらに擬似3次元空間上での位置への変換のための計算、光源計算処理等を行うと共に、上記計算結果に基づいてビデオRAMに対して描画すべき画像データの書き込み処理、例えば、ポリゴンで指定されるビデオRAMのエリアに対するテクスチャデータの書き込み(貼り付け)処理を行う。背景としては、射撃ゲームが演出できるような、例えば廃工場跡とか、屋外(市街地や森林内等)が各種オブジェクトで形成されている。
【0035】
ここで、CPU161の動作と描画処理部111の動作との関係を説明する。CPU161は、内蔵のあるいは外部からモニタ11への画像情報の出力とその表示を行う画像表処理部との装着脱式としてのROM163に記録されているオペレーティングシステム(OS)に基づいて、ROM163から画像、音声及び制御プログラムデータ、ゲームルールに基づくゲームプログラムデータを読み出す。読み出された画像、音声及び制御プログラムデータ等の一部若しくは全部は、RAM162上に保持される。以降、CPU161は、RAM162上に記憶されている制御プログラム、各種データ(表示物体のポリゴンやテクスチャ等その他の文字画像を含む画像データ、音声データ)、並びに検出部からの検出信号等に基づいて、処理が進行される。
【0036】
ROM163に記憶された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に記憶され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
【0037】
ネットワーク通信部18は、射撃ゲームの実行中に発生するプレイヤの操作情報等をルーター2を介して、さらにはネットワークを介して味方プレイヤや敵のプレイヤが操作しているゲーム端末1と送受信するためのものである。さらに、ネットワーク通信部18は、プレイヤ受け付け処理時の情報、ゲーム終了時点でのゲーム成績情報をルーター2等を介してサーバ3との間で送受信するためのものである。
【0038】
図4は、ゲーム端末1の制御部16の機能構成図である。制御部16のCPU161は、RAM162上に保持されたゲームプログラム、制御プログラムを実行することによって、プレイヤからのゲームへの参加を受け付ける受付処理部161aと、ゲームの開始から終了までの一連の進行を制御して射撃ゲームを進行させるゲーム進行制御部161bと、モニタ11に受付画像やゲーム画像、後述するボタン等を表すオブジェクトの画像等を表示する画像表示処理部161cとして機能する。また、CPU161は、RAM162上に保持されたゲームプログラム、制御プログラムを実行することによって、仮想ゲーム空間に配置される仮想カメラ60の位置及び視線方向を制御する仮想カメラ制御部161d、自己キャラクタの仮想ゲーム空間内での移動動作を処理するキャラクタ移動処理部161eと、自己キャラクタが仮想的に所持する武器を用いて行う攻撃動作の処理する攻撃処理部161fと、攻撃動作に先立って行われる攻撃準備としての構え動作を行う構え処理部161gと、構え動作の実行と共に行われる攻撃方向を示す照準を表示する照準表示部161hと、自己キャラクタが攻撃されることで受けるダメージ処理部161iと、後述するように2D(次元)表示モードと3D(次元)立体視表示モードとの切り替えを指示する表示モード指示部161jと、所定のタイミング(場面)でモニタ11に表示する各種のオブジェクトが、現にゲーム状況とかプレイヤの情報とから判断して選択可能かどうかを判別する選択可否判別部161kと、モニタ11に表示される前記各種のオブジェクトに対する選択操作の受付及び選択に伴う処理を実行する選択処理部161mと、各種情報の通信制御を行う通信制御部161nとして機能する。
【0039】
受付処理部161aは、個人カードがゲーム端末1のカードリーダ13に差し込まれることで受け付けを行い、個人カードからユーザIDを読み取り、読み取ったユーザIDをサーバ装置3に送信するものである。対戦モードが複数ある態様では、例えばジョイスティック41や他の所定のボタン乃至はスイッチを押し込むことで設定可能にされている。
【0040】
仮想カメラ制御部161dは、光学式マウス31が操作された場合に、操作内容に応じて仮想カメラ60の視点及び視線方向を調整するものである。仮想カメラ制御部161dは、自己キャラクタと相対的な位置関係を有して仮想カメラ60の位置を設定するものである。なお、後述するように、本発明においては、3D立体視表示を実現するべく仮想カメラは仮想カメラ60L,60Rの2台が設けられているが、詳細は後述する。また、光学式マウス31による仮想カメラ60の移動は、図7の説明において行う。また、仮想カメラ制御部161は、選択処理部161mが実行される場合に、後述するように、必要に応じて仮想カメラ60L,60Rの位置制御を行う。
【0041】
キャラクタ移動処理部161eは、ジョイスティック41が操作された場合に、操作内容に応じて自己キャラクタの移動方向及び移動速度を調整するものである。仮想カメラ制御部161dは、自己キャラクタが移動する場合、相対位置関係を維持するべく、自己キャラクタの移動と平行移動するように制御する。これによって、自己キャラクタを中心としたゲーム画像の表示が維持される。仮想カメラ制御部161d及びキャラクタ移動処理部161eの処理内容は画像表示処理部161cによってモニタ11に表示される画像に反映される。
【0042】
図7は、仮想カメラ60の移動及び自己キャラクタの移動を説明するための図である。図7において、光学式マウス31が前後(上下)方向の所定距離だけスライドされると、このスライド量が計測され、計測されたスライド量に相当する角度だけ、仮想カメラ60が旋回させられる。光学式マウス31が前側に移動された場合、カメラは、仮に現在「A」位置にあるとすると、「B」位置側にスライド量に対応した角度だけ旋回する。逆に、光学式マウス31が後ろ側に移動された場合、カメラは「A」位置から、「C」位置側にスライド量に対応した角度だけ旋回する。また、光学式マウス31が左右側に移動された場合、カメラは仮に現在「A」位置にあるとすると、水平面上の左右方向にスライド量に対応した角度だけ旋回する。仮想カメラ制御部161dは、入力されたスライド方向及びスライド量に対応して仮想カメラ60を移動させ、この結果、画像表示制御部161cは、仮想カメラ60の視線方向の所定の画角内に写る画像をモニタ11に表示する。従って、ゲーム画像は、同一の仮想ゲーム空間で行うグループ射撃ゲームであっても、各プレイヤの操作するゲーム端末1のモニタ11には各プレイヤ中心のゲーム画像が表示される。
【0043】
さらに、ジョイスティック41の操作桿が前後左右方向の所定角度だけ傾倒されると、この傾倒方向及び傾倒角度に対応する電気信号がキャラクタ移動処理部161eに出力される。キャラクタ移動処理部161eは電気信号から、傾倒方向に、傾倒角度に応じた速度で自己キャラクタを移動させる。移動方向は、現に自己キャラクタが向いている方向を基準として、前後左右が設定される。図7は、前方向に移動させるものである。自己キャラクタを所望する方向に移動させることで、敵キャラクタに近づいたり、退避したりすることで、ゲームを有利に進めることが可能となる。また、自己キャラクタの移動中に、光学式マウス31を操作することで、自己キャラクタの周囲を確認しながら、的確な移動が可能となる。
【0044】
攻撃処理部161fは、トリガボタン32の操作を受け付けて、自己キャラクタに対して、所持する武器で敵キャラクタに攻撃を行わせるものである。構え処理部161gは、構えボタン42が押されたとき、自己キャラクタの向きを仮想カメラ60の視線方向に向けるものである。具体的には、自己キャラクタが所持する武器、例えば銃の銃口の向きを仮想カメラ60の視線方向に一致乃至は平行にするものである。ところで、仮想カメラ60の視点については、自己キャラクタの一部(例えば上半身部分)の斜め後方位置に設定する三人称視点位置(TPS:Third person shooter)表示モードと、自己キャラクタの顔位置、あるいは武器位置に設定される一人称視点位置(FPS:First person shooter)表示モードとがある。仮想カメラ60は、構えボタン42が押されたとき、三人称位視点位置表示モードで位置が制御され、仮想カメラ制御部161dは、仮想カメラ60の視線方向を自己キャラクタに略一致(肩越し位置に)させており、従って、モニタ11の中心は自己キャラクタの肩越し位置となる(例えば図14参照)。
【0045】
図8は、構え(攻撃態勢)を取った状態を説明するための図である。図8では、仮想カメラ60がほぼ前方に向けてあり、この状態で、構えボタン42が押し込まれると、自己キャラクタの向きには関係なく、仮想銃の銃口の向きが仮想カメラ60の視線方向である前方に向けられる。図8の左側には、銃オブジェクトを構えたときの画面図A,Bが記載されている。画面図A,Bは、ここでは一人称視点位置表示モードで表示している。画面図Aのように、画面中央には銃口の向きを示す照準11aが表示されている。照準表示部161hは、構え処理部161gの動作に連動して照準11aを表示するものである。画面図Aでは、照準11aと敵キャラクタ110との位置とは一致しておらず、この状態でトリガボタン32を押し込んでも、敵キャラクタ110には命中しない。そこで、画面図Bのように、すなわち、画面図Aに対して光学式マウス31を左方向に所与量だけスライドすることで、照準11aを敵キャラクタ110に重ねるようにすることができる。具体的には、敵キャラクタ110がモニタ11の画面中心に移動する(照準11aに対して)ように相対的に移動して両者が重なる。従って、この状態で、トリガボタン32が押し込まれると、敵キャラクタ110に命中することとなる。
【0046】
攻撃処理部161fは、銃口から発射された銃弾の弾道計算を行い、計算結果に従って弾道を表示するようにしてもよいし、あるいは、本実施形態にように、十字状の照準11aの中心に対して所定の径を有する円形内(所定領域)を仮想的に銃弾が通過するようにしてもよい。このようにすると、この所定領域内に敵キャラクタ110の一部が重畳していると、命中ということになる。なお、銃弾は必ずしも十字状の照準11aの中心に進むとは限らず、例えば機関銃等での銃口が不規則にぶれる処理を行ったり、あるいは自己キャラクタの移動中における射撃の方向がぶれる処理を行ったりしてもよい。
【0047】
ポイント処理部161iは、敵キャラクタへの攻撃が成功した場合に、例えば狙撃の命中毎に所定のポイントを蓄積するようにしている。ゲーム終了時点で、味方、敵側毎にポイントの総和を求め、その大小で勝敗を決定するようにしてもよい。なお、被弾した場合、演出として所定時間だけ倒れる動作を行わせ、その間、移動や攻撃の指示が禁止されるようにしてもよい。また、ポイント処理部161iによってゲーム開始時に所定のライフ値が付与され、被弾する毎に、このライフ値が所定値ずつ減少し、ライフが値0になった時点で、ゲームへの復帰が禁止される、すなわち当該プレイヤのみ強制的にゲーム終了としてもよい。
【0048】
表示モード指示部161jは、プレイヤによるボタン15への操作に応じて、乃至はゲーム進行が予め設定されている所定の状況に達した場合、例えば射撃構え姿勢に入ったとか射撃を行ったとか、あるいは元に戻った場合に、かかる状況を判断して、自動的に2D表示モードと3D立体視表示モードとの間で表示方法の切り替えを指示するものである。2D表示モードとは、3次元画像をそのままの方法で表示するもので、3D立体視表示モードとは、3次元画像を左右の眼で見たときの視差のある左右の画像を対応する側の眼にのみ導くようにして立体感を付与するようにしたものである。
【0049】
図9は、ゲーム画像の3D立体視表示モードの原理を説明する図で、図9(a)は2台の仮想カメラと被写体との関係を示す模擬図であり、図9(b)は2台の仮想カメラで撮影された画像とモニタ画像との関係を示す模擬図である。図10は、ゲーム画像を3D立体視表示モードで表示するための構成図である。
【0050】
仮想ゲーム空間には、左目用に相当する仮想カメラ60Lと右目用に相当する仮想カメラ60Rの2台が準備されている。両仮想カメラ60L,60Rは所定の位置関係を有しており、視線方向は奥行き方向の所定位置、代表的には、仮想ゲーム空間内の被写体としての、キャラクタやオブジェクトの位置で交叉している。画像記憶部162Lは、RAM162内の一部のメモリ領域を示しており、仮想カメラ60Lで撮影された仮想ゲーム空間内の1シーンの画像データが書き込まれる。画像記憶部162Rは、RAM162内の一部のメモリ領域を示しており、仮想カメラ60Rで撮影された仮想ゲーム空間内の1シーンの画像データが書き込まれる。図9(a)に示すオブジェクトOB1、OB2はシーン内に含まれている被写体の画像である。仮想カメラ60L,60Rは、ここではオブジェクトOB1の方に視線が設定されている。なお、説明の便宜上、仮想カメラ60Lで撮影された画像は縦線で表現され、仮想カメラ60Rで撮影された画像は横線で表現されている。
【0051】
画像記憶部162L,162Rの各画像は、合成されて、モニタ11で表示されている。後述するように、モニタ11の画面上には、シート体の視差バリア部材71(例えば、商品名Xpol(登録商標)、株式会社有沢製作所製)が貼付されている。視差バリア部材71は、微細偏光素子を規則正しく配列して形成したもので、縦方向に所定間隔(水平走査1本のライン幅に相当)毎に交互に、縦方向スリットが形成された縦偏光域と横方向スリットが形成された横偏光域とを有する。この結果、モニタ11からの画像光のうち、縦偏光域では縦偏光のみの光が通過し、横偏光域では横偏光のみの光が通過する(図9(b)参照)。めがね72は、左右側で縦偏光、横偏光のための微細偏光素子(偏光材)が貼付されており、左目側が縦偏光光のみを通過させ、右目側が横偏光光のみを通過させる。従って、モニタ11からの偏光された光の画像をめがね72を掛けて(使用して)、見ることで、左右の目に視差画像が提供され、3D立体視表示された画像を見ることが可能(立体感を得ること)となる。
【0052】
より詳細には、図10において、仮想カメラ60L,60Rは、所定周期、例えば1/60(秒)毎に撮影動作を繰り返し、各タイミングで撮影された画像は画像記憶部162L,162Rに一時的に書き込まれる。今、画像記憶部162L,162Rの記憶容量を縦方向n行、横方向m列とし、ビデオRAM162Cの記憶容量を縦方向2n行、横方向m列とする。
【0053】
画像表示制御部161cのR/Wアドレス制御部161c−1は、画像記憶部162Lの各行の画像データを順次読み出して、ビデオRAM162Cの奇数行(ライン)に順番に書き込む。1ラインの書込が終了する毎に、続いて、R/Wアドレス制御部161c−1は、画像記憶部162Rの各行の画像データを順次読み出して、ビデオRAM162Cの偶数行(ライン)に順番に書き込む。R/Wアドレス制御部161c−1は、そのための読出アドレス、書込アドレスの作成、及びチップセレクト信号を生成する。かかる一連の書込処理によって、ビデオRAM162Cに左右両目用の画像データが作成された(合成された)ことになる。
【0054】
ビデオRAM162Cの画像データは所定の高速で繰り返しモニタ11に読み出される。モニタ11のピクセル数(画素数)は、ビデオRAM162Cに対応した2n×mである。視差バリア部材71は、図10にイメージ(縦線、横線が交互に付されている)で示しているように、縦方向のピクセル1行毎に、前述した縦偏光、横偏光のための微細偏光素子が交互に配列されている。
【0055】
なお、仮想カメラ60L,60Rで写される画像を記憶する画像記憶部162L,162Rの記憶容量を縦方向2n行にして、モニタ11の縦方向のピクセル数に対応させることで、3D立体視表示において2D表示の場合と同様の解像度を維持するようにしてもよい。また、画像記憶部162L,162Rの記憶内容をビデオRAM162Cへ読み出すのと同様にして、すなわち同期させて直接モニタ11へ出力するようにしてもよい。このようにすることで、ビデオRAM162Cを用いない態様が可能となる。
【0056】
上記の説明は、仮想カメラ60L,60Rが所定の位置関係を有した、互いに異なる位置に設定されている場合である。続いて、2D表示モードについて説明する。
【0057】
表示モード指示部161jから3D立体視表示モードを2D表示モードへ切り換える指示信号が出力されると、仮想カメラ制御部161dは、仮想カメラ60L,60Rの位置を一致させ、かつ視線方向も一致するように、仮想カメラ60L,60Rの位置制御を行う。この結果、仮想カメラ60L,60Rには、同一の画像が撮影されることになり、画像記憶部161L,162Rの画像データも同一となる。この結果、ビデオRAM162Cには、3D立体視表示の場合と同様な処理で画像データが各行に埋められ(合成され)ることとなる。すなわち、左目用の画像と右目用の画像に視差が発生しなくなるため、めがね72を掛けたプレイヤに立体感を与えることができず、その結果、3次元画像を2D表示モードで表示するという、通常の表示態様となる。なお、表示モード指示部161jから2D表示モードを3D立体視表示モードへ切り換える指示信号が出力される場合には、逆に仮想カメラ60L,60Rの位置が離間した所定の位置関係に設定される結果、左右両目の間に視差が発生して立体視表示可能な画像となる。このようにすることで、仮想カメラ60L,60Rの配置位置を変更する処理のみで、2D表示モードと3D立体視表示モードとの切り換えが可能となる。かかる表示モードの変更のための制御プログラムは、ROM163に予め格納されている。
【0058】
仮想カメラ制御部161dは、3D立体視表示モードでの仮想カメラ60L,60Rの位置関係について、以下のようにして位置設定を行っている。すなわち仮想カメラが1台と仮定した時に制御される位置情報を基準位置(中心位置)とし、その左右側に所定距離だけ離間した位置に左右側に対応する仮想カメラを配置するようにしている。仮想カメラ60L,60Rの離間距離は人間の両目の間の距離に相当するものとするのが自然であり、好ましい。なお、この場合において、仮想カメラ60L,60Rのいずれか一方の位置を基準として位置処理してもよい。
【0059】
図4に戻って、制御部16のRAM162は、同じ仮想ゲーム空間での射撃ゲーム中のスコアを含むゲーム途中経過情報が、逐次プレイヤ毎に、すなわち自己及びネットワーク通信部18及び通信制御部161nを介して得られる味方、敵側の全プレイヤについて更新的に記憶される途中経過情報記憶部162aと、各種スイッチ、ボタンで設定された設定情報を記憶する設定情報記憶部162bとを備える。ゲームが終了し、ゲーム成績の表示処理が終了する毎に、通信制御部161nは、スコアを含むゲーム成績をプレイヤのユーザID、ゲーム端末1及び店舗の各識別情報と共にサーバ装置3に送信する。
【0060】
ROM163は、オブジェクト画像記憶部163aを備える。オブジェクト画像記憶部163aは、複数種類のオブジェクトの画像を2D表示用(第1の態様)と、3D立体視表示用(第2の態様)とで記憶している。各オブジェクトには、それぞれゲームに関する内容(機能含む)が対応付けられている。例えば、オブジェクト(ボタン、アイコン)に表記された文字の他、オブジェクトの画像によって機能が認識可能にされている。具体的には、図11〜図13に示す各オブジェクトにおいて説明する。
【0061】
各オブジェクトは、例えば次のようにして、オブジェクト画像記憶部163aに記憶されている。まず、各オブジェクトは、いずれも2D表示用と3D立体視表示用とが作成される。各オブジェクトは、左目用の画像と右目用の画像とが準備され、オブジェクト画像記憶部163aの対応する記憶領域に対応して記憶される。2D表示用のオブジェクトは、対応する記憶領域内に、左目用の画像と右目用の画像とを同一にし、かつ同一のアドレスで(すなわち、離間距離ゼロで)記憶される。一方、3D立体視表示用のオブジェクトは、対応する記憶領域内に、左目用の画像と右目用の画像とを同一にし、かつ所定の距離(立体視の度合いに相当する)に対応するアドレスだけ左右にずらして(すなわち、所定の離間距離を有して)記憶される。なお、上記説明では、オブジェクトが平坦状である場合を想定して、左目用の画像と右目用の画像とを同一としているが、オブジェクトが立体的である場合には、左目と右目とで見え方が異なり、両画像も異なるものとされる。
【0062】
次に、各オブジェクトの記憶形態について説明する。第1の記憶形態は、1画面分のサイズに相当する透明なテクスチャであり、その所定箇所に、すなわち一部に割り当てられて、所定サイズのオブジェクト画像が形成されている。かかるテクスチャがオブジェクト画像記憶部163aの対応する左右側となる両記憶領域に、1つのオブジェクト画像として記憶される。なお、テクスチャの透明部分は、情報が書き込まれていないことをいう。
【0063】
第2の記憶形態は、各オブジェクトを形成する左目用画像及び右目用画像を、1画面が複数に区分された領域のいずれかに割り当てて、第1、第2の態様用の左右の部分画像としてオブジェクト画像記憶部163aの対応する記憶領域に記憶したものである。いずれの記憶形態が採用されても、モニタ11上では差はない。
【0064】
オブジェクト画像記憶部163aの2D表示用と3D立体視表示用の画像は、対応する領域から読み出されて画像記憶部162L,162Rに書き込まれ、更にビデオRAM162Cに導かれて合成され、次いで、モニタ11に繰り返し出力されて静止画として表示される。
【0065】
選択可否判別部161kは、画像記憶部162L,162Rに読み出される対象となるオブジェクト画像が2D表示用の画像か3D立体視表示用の画像かの判断を行う。プレイヤが指定(選択)可能なオブジェクトは、オブジェクトを顕在化して表示するべく3D立体視表示を行い、プレイヤが指定不可のオブジェクトは2D表示としている。指定の許否は、ゲーム状況(ゲーム進行状況含む)とかプレイヤの成績その他を参照して設定される。ゲーム状況(ゲーム進行状況含む)とは、前述した時限的イベントの他、ゲーム開始前、ステージ変更時、ゲーム終了時か否かなどである。また、プレイヤの成績その他とは、プレイヤのゲーム履歴等を参照してゲーム成績の高いプレイヤと高くないプレイヤとで、ゲームに関して、またゲームに関する情報の取得程度等に差を持たせている。その他としては、既に取得しているアイテムを示すオブジェクトを2D表示とするなどである。
【0066】
画像表示制御b161cは、後述するようなオブジェクト表示のタイミングで、表示するべきオブジェクトの左目用、右目用の両画像を、図10に示すようにオブジェクト画像記憶部163aから画像記憶部162L,162Rを介して、ビデオRAM162Cに導いて合成し、モニタm11へ出力させる。なお、表示するべきオブジェクトの左目用、右目用の両画像を、直接、ビデオRAM162Cに導いて合成するようにしてもよい。
【0067】
選択処理部161mは、ゲームモードの選択(図11参照)、プレイヤの選定待ち受け中での閲覧情報の選択(図12参照)、ゲームの所定時点、例えばゲーム終了時等でのアイテムの選択(図13参照)において、それぞれ表示された選択画面について、選択内容を検出し、検出された選択結果に応じた処理を実行するものである。選択処理部161mは、選択画面の表示を、2D表示と3D立体視表示とを用いて選択画面を形成する。
【0068】
図11は、ゲームモードの選択を行うための画面図の一例である。図11には、立直されたボード(パネル)810が表示され、このボード810上に、「全国対戦」「店内対戦」、及び「全国大会」等のイベントが、それぞれのボタン811,オブジェクト812,813で表示されている。オブジェクト811,812,813の表示領域が、それぞれ割り当てられた領域ということになる。
【0069】
上記において、イベントは開催されておらず、オブジェクト813には「現在、開催されていません」というメッセージが示されている。従って、オブジェクト813は選択肢から除外される。すなわち、オブジェクト811,812は選択可能であることを示すべく3D立体視表示方法で表示され、一方、オブジェクト813は選択不可であることを示すべく2D表示方法で表示されている。オブジェクト811,812はボード810から浮かび上がって見え、オブジェクト813はボード810上に表記されているように見える。なお、図中、オブジェクト811,812は複数枚が重複して記載されているが、これは単に、浮かび上がっている状況を模擬的に示したもので、実際とは異なる。プレイヤは、選択画面において表示されるカーソル(図示せず)を、例えばジョイスティック41を用いて画面内で移動させ、希望するオブジェクト811,812の一方に重ねた状態で所定のオブジェクト、例えばアイテムボタン43を押下することで、所望するゲームモードの選択が可能にされている。
【0070】
オブジェクト811,813が選択操作されると、選択処理部161mによってゲームモードの選定処理が実行されると共に、選定を受け付けた旨をプレイヤに報知するべく、所定の報知処理が実行される。所定の報知処理としては、一時的に選択されたオブジェクトの輝度を上げる、色違いとする、2D表示と3D立体視表示とを所定回繰り返す等であり、あるいは押下を知らせる擬音乃至は効果音を発するものである。
【0071】
図12は、プレイヤの選定待ち受け中での閲覧情報の選択を行う画面図の一例である。プレイヤが対戦ゲームモードを選択すると、選択された対戦ゲームモードにおいて同一のゲーム空間でゲームを行うプレイヤの選定処理がサーバ3側で実行される。全てのプレイヤの選定に要する時間は一定ではなく、不定である。そこで、プレイヤ選定待ち受け状態のプレイヤにゲームに関する情報を閲覧可能にしている。図12では、立直されたボード(パネル)820が表示され、このボード820上に、「BRIEFING」、「RULES」、「WEAPON」、「OUTFIT」、…等が、それぞれのオブジェクト821,822,823,824,…で表示されている。ここでは、オブジェクト821,823,824は選択可能であることを示すべく3D立体視表示方法で表示され(ボード820から浮かび上がって見え)、一方、オブジェクト822は選択不可であることを示すべく2D表示方法で表示されている(ボード820上に表記されているように見える)。プレイヤは、選択画面において表示されるカーソル(図示せず)を、例えばジョイスティック41を用いて画面内で移動させ、希望するオブジェクト821,823,824のいずれかに重ねた状態で所定のオブジェクト、例えばアイテムボタン43を押下することで、所望する情報の閲覧選択が可能にされている。
【0072】
オブジェクト821,823,824が選択操作されると、選択処理部161mによって選択情報のモニタ11への展開処理が実行され、プレイヤに閲覧可能にされる。閲覧案画面に例えばリセットオブジェクト等を表示しておけば、閲覧後に、プレイヤがこのオブジェクトを前述と同様にして指定することで前画面に復帰し、あるいはプレイヤの選定処理が終了したことを受けて強制的にゲーム開始に向けた画面に切り替わってもよい。
【0073】
図13は、例えばゲーム終了時等でのアイテムの選択を行う画面図の一例である。選択処理部161mは、対戦ゲームが終了してゲーム結果表示処理が実行される際に、例えば、画面にアイテム選択画面への移行を指示するオブジェクトに対して、前述と同様にして指定が行われると、アイテム選択画面に切り替わるようにしている。図13では、立直されたボード(パネル)830が表示され、このボード830上に、「HEAD」、「UPPERBODY」、…「FEET」、「ACCESSORIES01」、…のアイテムが、それぞれのオブジェクト831,832,…838,…で表示される。ここでは、オブジェクト838は選択可能であることを示すべく3D立体視表示方法で表示され(ボード830から浮かび上がって見え)、一方、その他のオブジェクト831,…は選択不可であることを示すべく2D表示方法で表示されている(ボード820上に表記されているように見える)。プレイヤは、選択画面において表示されるカーソル(図示せず)を、例えばジョイスティック41を用いて画面内で移動させ、オブジェクト838に重ねた状態で所定のオブジェクト、例えばアイテムボタン43を押下することで、所望するアクセッサリー01「ACCESSORIES01」の購買画面に切り替わる。図13は、この場面を示しているものである。
【0074】
図13では、画面の中央に、アクセッサリー01として仮想的な購入(入手)が可能なものが3D立体視表示方法で表示され、入手不可であるものは2D表示方法で表示されている。入手可能なものは、「ゴーグル」、「メガネ」、「マスク」、「メガネ」等で、オブジェクト841,842,843,844である。なお、3D立体視表示で示されるオブジェクトの下部に対応して表記された数字は、仮想的な購入価格である。選択処理部161mは、プレイヤが、3D立体視表示された確定オブジェクト851を前述と同様な方法で指定することで、プレイヤがそれまでのゲームで獲得していたスコアに相当するポイントの減算を行って、仮想的な購入処理を行わせる。なお、確定ボタ841の上部には、プレイヤが現在所持しているポイント値がサーバ3から読み出されて併記されている。オブジェクト841,842,843,844は、現在のポイント値で購入可能なものである。
【0075】
また、カラーオブジェクト852は既に取得済みアイテムの色を変更する、いわゆるカスタマイズ用の指示オブジェクトである。矢印オブジェクト853は、画面めくり指示用のオブジェクトである。
【0076】
図5は、サーバ装置3の一実施形態を示すハードウェア構成図である。制御部36はサーバ装置3の全体の動作を制御するもので、情報処理部(CPU)361と、プレイヤの個人情報、各プレイヤのゲームに関する情報等を一時的に格納するRAM362と、管理用の所定の画像情報、管理用のプログラムが予め記憶されたROM363とを備える。
【0077】
ROM363に記憶された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に記憶され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
【0078】
ネットワーク通信部38は、各種データをWWW等からなるネットワークを介して複数のルーター2のいずれかを経て端末識別情報に従って対応するゲーム端末1との間で情報の送受信を行うものである。
【0079】
なお、管理プログラムは、ROM363上に記録されており、RAM362上にロードされ、CPU361によりRAM362上のゲーム進行プログラムが順次実行されることによってそれぞれの機能が実現される。
【0080】
図6は、サーバ装置3の制御部36の機能構成図である。RAM362は、ユーザID等の個人情報を格納するプレイヤ情報記憶部362aと、プレイヤ毎の、スコアを含むゲーム成績を含むゲーム履歴を更新的に記憶する履歴記憶部362bとを備えている。
【0081】
制御部36のCPU361は、プレイヤ情報記憶部362a及び履歴記憶部362bへの各情報の記録を行う記憶制御部361aと、各ゲーム端末1でのプレイヤのゲーム参加受付に応答して一連の受付管理処理を実行する受付部361bと、受付部361bによって受け付けられたプレイヤの中から、同一仮想ゲーム空間内でプレイする所定数(例えば味方、敵側の各4名ずつ)のプレイヤの組合せを、後述するルールに則って選定する選定部361cと、各ゲーム端末1との間で情報の授受を行う通信制御部361dとを備えている。
【0082】
受付部361bは、ゲーム端末1から送信されたプレイヤのユーザIDの個人情報、ゲーム端末1及び店舗の各識別情報を受け付けて、ゲームへの参加を受け付けるものである。
【0083】
また、受付部361bは、プレイヤから対戦ゲームへの参加が指定されている場合、選定部361cに対戦相手の組み合わせのための選定処理の指示を行う。選定部361cは、同一のゲーム空間に位置付けさせる条件が設定されており、例えば、参加受付順が一般的である。店内対戦モードでは同一店舗内のプレイヤを選定する。また、同一店舗からの参加を優先的に同一ゲーム空間に割り振るようにすることが好ましい。例えば、同一店舗からのほぼ同時的な参加は仲間のプレイヤであるとして、同一ゲーム空間で味方プレイヤとして設定される。味方プレイヤがメンバー数である4名(4人対4人のゲーム)に達しない場合には、他の店舗からの参加希望者を充当するようにすればよい。敵側のグループも同様にして決定される。
【0084】
あるいは、複数プレイヤの射撃ゲームに参加する場合に、同一店舗のゲーム端末1(最初に受付したマスター機)を指定して仲間であることをモニタ11の画面を利用して指定可能にすることで、同時参加の仲間を確実にメンバーとすることができる。
【0085】
通信制御部361dは、選定部361cによって、プレイヤと仮想ゲーム空間との紐付けが決定すると、該プレイヤが参加受付を行ったゲーム端末1に、その旨の情報を送信するようにしている。また、通信制御部361dは、仮想ゲーム空間に全てのプレイヤが紐付けられると、各プレイヤ情報(少なくとも各プレイヤが操作するゲーム端末1及び当該ゲーム端末1が設置されている店舗の識別情報)を互いのゲーム端末1に送信するようにしている。これにより、各ゲーム端末1間で、操作情報を授受することが可能となる。
【0086】
図14は、対戦ゲーム画面の一例を示す画面図で、銃を構えた状態の自己キャラクタP11をTPS視点位置で示し、かつ仲間キャラクタP12が表示されており、さらに敵キャラクタP21が出現している。
【0087】
続いて、図15は、ゲーム端末1のCPU161のゲームプログラムによって実行されるゲーム処理の手順を説明するフローチャートである。先ず、受付終了か否かが判断され(ステップS1)、終了していなければ、本フローを抜ける。一方、受付終了であれば、モニタ11に対戦ゲームモードの選択用オブジェクトが表示される等によって、対戦ゲームモード選択処理が実行される(ステップS3)。
【0088】
対戦ゲームモード等の選択が終わると、対戦開始となるので、この時点で、2D表示モードと3D立体視表示モードの指示信号の割込許可が設定される(ステップS5)。続いて、対戦開始とされる(ステップS7)。
【0089】
対戦では、以下の処理が繰り返されることで、対戦が進行する。すなわち、本実施形態では、ジョイスティック41が操作されたか否かが判断され(ステップS9)、この判断が否定されると、光学式マウス31が操作されたか否かが判断され(ステップS13)、この判断が否定されると、構えボタン42が操作されたか否かが判断され(ステップS17)、この判断が否定されると、トリガボタン32が操作されたか否かが判断され(ステップS21)、この判断が否定されると、アクションボタン44が操作されたか否かが判断され(ステップS25)、この判断が否定されると、姿勢変更ボタン33が操作されたか否かが判断され(ステップS29)、この判断が否定されると、敵側から受けたダメージの計算処理が実行される(ステップS33)。ステップS33は、全ての判断が否定された場合、計算処理はスルーされることとなる。
【0090】
上記各判断に対して、それぞれ対応する処理が実行される。すなわち、ジョイスティック41が操作されると、自己キャラクタの移動処理が実行され(ステップS11)、光学式マウス31が操作されると、仮想カメラ60L,60Rが移動処理が実行され(ステップS15)、構えボタン42が操作されると、仮想カメラ60L,60Rが図14の肩越し(TPS)表示、又は(予めの設定如何では)銃口位置(FPS)表示のいずれかに設定される(ステップS19)。さらに、トリガボタン32が操作されると、射撃処理が実行され(ステップS23)、アクションボタン44が操作されると、格闘で技を繰り出し(ステップS27)、姿勢変更ボタン33が操作されると、自己キャラクタの姿勢が変更される(ステップS31)。そして、各処理が終了する毎に、ダメージ指数の加算計算及び必要な減算の処理が行われる(ステップS33)。以上の各処理によって、プレイヤの操作に応じて、さらにはゲームプログラムに従ったゲーム進行が行われる。
【0091】
次いで、所定のゲーム時間が経過して、タイムアップに達したか否かが内部タイマ(図略)で判断され(ステップS35)、タイムアップでなければ、ステップS9に戻り、タイムアップであれば、ゲーム終了時の結果処理、例えばスコア、順位、勝敗等の結果処理が実行され、更に必要に応じてアイテム選択処理が実行されて(ステップS37)、本フローが終了する。なお、結果処理の詳細は後述する。
【0092】
続いて、図16は、ゲーム端末1のCPU161のゲームプログラムによって実行される選定処理の手順を説明するフローチャートである。先ず、図11に示す選択画面が表示され、対戦ゲームモードが選択され、さらに必要に応じて、個人対戦チーム対戦などの選択が行われると(ステップS51)、選択内容がサーバ3へ送信される(ステップS53)。サーバ3では、選択内容に応じてプレイヤの選定処理が開始される。
【0093】
次いで、サーバ3からプレイヤの選定結果が受信されたか否かが判断され、受信されていなければ、ゲーム端末1のモニタ11に、図12に示す選択画面が表示され、いずれかのオブジェクトが選択されると、選択されたオブジェクトに対応した情報が画面に展開される(ステップS57)。この状況で、サーバ3から選定結果が受信されると、本フローが終了し、ステップS5に移行する。
【0094】
続いて、図17は、サーバ3のCPU361のゲームプログラムによって実行される選定処理の手順を説明するフローチャートである。先ず、受け付けたプレイヤから対戦ゲームモードの情報が受信されたか否かが判断される(ステップS71)。受信していなければ、本フローを抜け、受信したのであれば、同一ゲーム空間でゲームを行うプレイヤの選定処理が行われ(ステップS73)、選定処理が終了すると、選定プレイヤに操作するゲーム端末に選定結果の返信が行われる(ステップS75)。
【0095】
図18は、ゲーム端末1のCPU161のゲームプログラムによって実行される選択処理の手順を説明するフローチャートである。先ず、選択可能な対象の有無が判断され(ステップS81)、選択可能な対象がなければ、全てのオブジェクトが2D表示される(ステップS83)。一方、選択可能な対象があれば、対応するオブジェクトのみが3D立体視表示される(ステップS85)。そして、選択の有無が判断され(ステップS87)、選択があれば、必要に応じて採用される選択された旨を報知するための選択結果表示が実行されて(ステップS89)、ステップS91に進む。一方、選択がなければ、ステップS89をスキップしてステップS91に進む。ステップS91では、選択画面に切り替えられて所定の時間が経過したか否か、すなわちタイムアップか否かが判断される。タイムアップでなければ、ステップS81に戻り、タイムアップしたのであれば、本フローを終了する。
【0096】
なお、本発明は、以下の態様が採用可能である。
【0097】
(1)本実施形態では、第1、第2の操作部30,40を採用した対戦ゲームとしたが、本発明は種々のゲームに適用可能であり、第1、第2の操作部30,40は一例である。ゲームとしては、仮想ゲーム空間でゲームが実行され、かつ仮想カメラが仮想ゲーム空間内をゲーム進行等に応じて、またプレイヤの操作に応じて移動可能な態様であればよい。また、ゲームの種類としては、格闘ゲーム、野球やサッカーを模擬した対戦ゲーム、タイムトライアル等の競争ゲーム、麻雀ゲーム、キャラクタを育成する育成ゲーム等にも適用可能である。
【0098】
(2)また、本実施形態では、めがねを必須の要素としたが、以下の態様を採用する場合は、めがねを採用しない態様でもよい。すなわち、非めがね式の一例としてのパララックスパノラマグラム方式やレンチキュラ方式を採用してもよい。
【0099】
(3)本実施形態では、2D表示モードでの描画を、3D立体視表示モードの場合と同一方法で画像記憶部162L,162Rを動作させたが、これに代えて、2D表示モードでは、画像記憶部162L,162Rの一方を用いて、各ラインの画像を2回ずつ読み出して、ビデオRAM162Cの連続する2ラインに書き込む態様でもよい。これによれば、2D表示を、一方の画像記憶部のみで得ることができる。また、2台の仮想カメラ60L,60Rで撮影された各ゲーム画像を画像記憶部162L,162Rを採用せず、直接ビデオRAM162Cにライン毎に交互に書き込むようにしてもよい。
【0100】
(4)本実施形態では、画像記憶部162L,162Rの各記憶容量とビデオRAM162Cの記憶容量及びモニタ11のピクセル数との関係を1対2としたが、これに限定されない。すなわち、画像記憶部162L,162Rの記憶容量をビデオRAM162Cと同量としてもよい。この場合、3D立体視表示モードでは、画像記憶部162Lの奇数ラインと、画像記憶部162Rの奇数ラインの画像データを、ビデオRAM162Cの対応するアドレスに書き込ませるようにすればよい。一方、2D表示モードでは、画像記憶部162L,162Rの一方の画像データを読み出して、そのままビデオRAM162Cに書き込む態様とすればよい。この場合、2D表示モードを一方の画像記憶部で描画することが可能となり、かつビデオRAM162Cと等しい記憶容量を有するものとしたので、解像度の高いゲーム画像が提示できる。
【符号の説明】
【0101】
1 ゲーム端末(ビデオゲーム装置)
10 モニタ部
11 モニタ(表示部)
161c 画像表示制御部(画像表示制御手段)
161k 、選択可否判別部(指定可否判別手段)
161m 選択処理部(選択処理手段)
161n 通信制御部
162L,162R 画像記憶部
162C ビデオRAM(表示用記憶部)
163a オブジェクト画像記憶部
20 コントローラ部
31 光学式マウス(操作部材)
41ジョイスティック(操作部材)
43 アイテムボタン
60L,60R 仮想カメラ(第1、第2の仮想カメラ)
71 視差バリア部材
72 めがね
811〜853 オブジェクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームに関する内容が対応付けられた各種のオブジェクトを選択可能にプレイヤに提示するビデオゲーム装置において、
表示画面に3D立体視を可能にする視差バリア部材が配置された表示部と、
各オブジェクトを形成する左目用画像と右目用画像とを、離間距離ゼロの第1態様と所定の離間距離を有する第2の態様とでそれぞれ記憶する左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部と、
ゲーム状況及び前記プレイヤの情報の少なくとも一方の状況に応じて指定が可能な状態か否かを表示対象のオブジェクトのそれぞれについて判別する指定可否判別手段と、
指定が可能な状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とを前記第2の態様で、指定が不許可の状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とを前記第1の態様で、それぞれ前記左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部から読み出して1つの表示用記憶部に導いて合成した後、前記表示部へ読み出して所定位置に表示する画像表示制御手段と、
前記表示部に表示される第2の態様で表示されているオブジェクトのいずれかに対する指定を受け付ける選択処理手段とを備えたことを特徴とするビデオゲーム装置。
【請求項2】
前記オブジェクト画像記憶部は、前記各オブジェクトを形成する左目用画像及び右目用画像を、それぞれ1画面のサイズを有する第1、第2の態様用の左右の透明テンプレート上の所定値に割り当てて記憶しており、前記画像表示制御手段は、前記第1、第2の態様用の一方の左右の透明テンプレートを前記1つの表示用記憶部に導くことを特徴とする請求項1記載のビデオゲーム装置。
【請求項3】
前記オブジェクト画像記憶部は、前記各オブジェクトを形成する左目用画像及び右目用画像を、1画面が複数に区分された領域のいずれかに割り当てて、第1、第2の態様用の左右の部分画像として記憶したもので、前記画像表示制御手段は、前記前記第1、第2の態様用の一方の左右の部分画像を前記1つの表示用記憶部の前記対応付けられた区分に導くことを特徴とする請求項1記載のビデオゲーム装置。
【請求項4】
前記オブジェクトに対応付けられた内容はゲームで使用するアイテムであり、前記選択処理手段は、指定したオブジェクトのアイテムをプレイヤに対応付けることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビデオゲーム装置。
【請求項5】
前記オブジェクトに対応付けられた内容はゲームの種類を示すものであり、前記選択処理手段は、指定したオブジェクトに対応するゲームの実行を許可するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビデオゲーム装置。
【請求項6】
ゲーム状況及び前記プレイヤの情報の少なくとも一方の状況は、ゲームで取得したポイントの大小であることを特徴とする請求項4又は5に記載のビデオゲーム装置。
【請求項7】
表示画面に3D立体視を可能にする視差バリア部材が配置された表示部を備え、ゲームに関する内容が対応付けられた各種のオブジェクトを選択可能に前記表示部に表示するビデオゲーム装置のゲーム情報表示制御方法であって、
左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部が、各オブジェクトを形成する左目用画像と右目用画像とを、離間距離ゼロの第1態様と所定の離間距離を有する第2の態様とでそれぞれ記憶し、
指定可否判別手段が、ゲーム状況及び前記プレイヤの情報の少なくとも一方の状況に応じて指定が可能な状態か否かを表示対象のオブジェクトのそれぞれについて判別し、
画像表示制御手段が、指定が可能な状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とを前記第2の態様で、指定が不許可の状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とを前記第1の態様で、それぞれ前記左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部から読み出して1つの表示用記憶部に導いて合成した後、前記表示部へ読み出して所定位置に表示し、
選択処理手段が、前記表示部に表示される第2の態様で表示されているオブジェクトのいずれかに対する指定を受け付けるようにしたことを特徴とするゲーム情報表示制御方法。
【請求項8】
表示画面に3D立体視を可能にする視差バリア部材が配置された表示部を備え、ゲームに関する内容が対応付けられた各種のオブジェクトを選択可能に前記表示部に表示するビデオゲーム装置のゲーム情報表示制御プログラムであって、
各オブジェクトを形成する左目用画像と右目用画像とを、離間距離ゼロの第1態様と所定の離間距離を有する第2の態様とでそれぞれ記憶する左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部、
ゲーム状況及び前記プレイヤの情報の少なくとも一方の状況に応じて指定が可能な状態か否かを表示対象のオブジェクトのそれぞれについて判別する指定可否判別手段、
指定が可能な状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とを前記第2の態様で、指定が不許可の状態にあるオブジェクトの左目用画像と右目用画像とを前記第1の態様で、それぞれ前記左目用及び右目用のオブジェクト画像記憶部から読み出して1つの表示用記憶部に導いて合成した後、前記表示部へ読み出して所定位置に表示する画像表示制御手段、
前記表示部に表示される第2の態様で表示されているオブジェクトのいずれかに対する指定を受け付ける選択処理手段、として前記ビデオゲーム装置を機能させることを特徴とするゲーム情報表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−24639(P2011−24639A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170653(P2009−170653)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】