説明

ビピリジン誘導体及びそれを含む有機エレクトロルミネッセンス素子

【課題】有機エレクトロニクス素子の電子輸送性材料に好適である、母核としてビピリジル中心骨格を有する新規なビピリジン誘導体を提供し、さらに、それを含む有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】下記一般式で表されるビピリジン誘導体


(A、A:芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされていてもよい。a、b=1又は2。Ar、Ar:2又は3価の芳香族炭化水素基を表し、アルキル基、シクロアルキル基等で置換されていてもよい。B、B:アルキル基、アルコキシ基等。環E、環E:ピリジン環を表し、アルキル基、アルコキシ基を有していてもよい。)を電子輸送性材料として用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機太陽電池、有機メモリ、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略称する)、その他デイバス等の有機エレクトロニクス分野において好適な材料に関し、特に、電子輸送性材料として有用である新規なビピリジン誘導体及びそれを含む有機EL素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、有機化合物を発光材料とする自己発光型素子であり、高速度での発光が可能であるため、動画の表示に好適であり、また、素子構造が簡単でディスプレイパネルの薄型化が可能である等の特性を有している。このような優れた特性を有していることから、有機EL素子は、携帯電話や車載用ディスプレイとして、日常生活において普及しつつある。
さらに、近年では、上記のような薄型面発光という特長を活かして、次世代の照明としても注目されている。
【0003】
このような有機EL素子は、陽極/発光層/陰極を基本とする構造からなり、高効率化、長寿命化を図るために、一般に、正孔又は電子を輸送する機能を有する正孔輸送性材料又は電子輸送性材料を含む層が挿入される。
従来、電子輸送性材料としては、トリス(8−キノリノラトアルミニウム)(Alq)が使用されてきた。
しかしながら、Alqは、本来、緑色発光材料であり、緑色発光は得られるが、緑色よりも短波長の青色の発光を得る場合には、使用することができない。また、Alqは、イオン化ポテンシャルが浅く、正孔の突き抜けによる効率低下も懸念される。
【0004】
このため、大きなバンドギャップ、正孔阻止性能を有する他の材料として、例えば、特許文献1には下記(化1)に示すようなトリピリジルフェニル誘導体が開示されており、特許文献2には下記(化2)に示すようなトリフェニルベンゼン誘導体が開示されている。また、特許文献3には下記(化3)に示すようなビフェニル中心骨格を有するヘテロアリール化合物が開示されており、特許文献4には下記(化4)に示すようなトリアゾール誘導体が開示されている。
【0005】
【化1】

【0006】
【化2】

【0007】
【化3】

【0008】
【化4】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−120696号公報
【特許文献2】特開2007−15993号公報
【特許文献3】特開2008−63232号公報
【特許文献4】国際公開WO2007/026847
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、有機エレクトロニクス素子材料として、特に、電子輸送性材料に好適な材料として、上記特許文献1〜4には開示されていない、母核としてビピリジル中心骨格を有する新規なビピリジン誘導体を提供し、さらに、それを含む有機EL素子を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、第1のビピリジン誘導体として、下記一般式(1)で表されるものが提供される。
【0012】
【化5】

【0013】
前記一般式(1)において、A、Aは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基であってもよい。a、bは、それぞれ独立に、1又は2である。Ar、Arは、それぞれ独立に、2又は3価の芳香族炭化水素基を表し、該炭化水素基は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。B、Bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、又は、置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。
【0014】
前記第1のビピリジン誘導体のうち、好ましい態様としては、下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。
【0015】
【化6】

【0016】
前記一般式(2)において、F、Fは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基であってもよい。ベンゼン環上の任意の水素原子は、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。l、mは、それぞれ独立に、1又は2である。D、Dは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、又は、置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。
【0017】
また、下記一般式(3)で表されるものも挙げられる。
【0018】
【化7】

【0019】
前記一般式(3)において、F、Fは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基であってもよい。ベンゼン環上の任意の水素原子は、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。l、mは、それぞれ独立に、1又は2である。D、Dは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、又は、置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。
【0020】
また、本発明によれば、第2のビピリジン誘導体として、下記一般式(4)で表されるものが提供される。
【0021】
【化8】

【0022】
前記一般式(4)において、G〜Gは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基、フェノキサジル基及びフェノチアジル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基でもよい。o、p、q、rは、それぞれ独立に、1又は2である。Ar〜Arは、それぞれ独立に、2又は3価の芳香族炭化水素基を表し、該炭化水素基は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。
【0023】
前記第2のビピリジン誘導体のうち、好ましい態様としては、下記一般式(5)で表されるものが挙げられる。
【0024】
【化9】

【0025】
前記一般式(5)において、G〜Gは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基でもよい。ベンゼン環上の任意の水素原子は、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。h、i、j、kは、それぞれ独立に、1又は2である。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。
【0026】
また、本発明によれば、第3のビピリジン誘導体として、下記一般式(6)で表されるものが提供される。
【0027】
【化10】

【0028】
前記一般式(6)において、H、Hは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基でもよい。Ar、Arは、それぞれ独立に、2又は3価の芳香族炭化水素基を表し、該炭化水素基は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。t、uは、それぞれ独立に、1又は2である。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。
【0029】
前記第3のビピリジン誘導体のうち、好ましい態様としては、下記一般式(7)で表されるものが挙げられる。
【0030】
【化11】

【0031】
前記一般式(7)において、H、Hは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基でもよい。ベンゼン環上の任意の水素原子は、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。t、uは、それぞれ独立に、1又は2である。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。
【0032】
また、本発明によれば、第4のビピリジン誘導体として、下記一般式(8)で表されるものが提供される。
【0033】
【化12】

【0034】
前記一般式(8)において、H、Hは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、又は、置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基でもよい。ベンゼン環上の任意の水素原子は、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。v、wは、それぞれ独立に、1又は2である。環E、環Eは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。
【0035】
上記のような本発明に係るビピリジン誘導体は、有機エレクトロニクス素子材料に好適に用いることができる。
前記有機エレクトロニクス素子としては、有機EL素子、有機半導体、有機太陽電池、その他デバイス等が挙げられる。
前記ビピリジン誘導体は、電子輸送性能に優れた化合物であることから、特に、電子輸送性材料として好適に用いることができる。
【0036】
また、本発明に係る有機EL素子は、一対の電極間に、少なくとも1層の有機層を備えた有機EL素子であって、前記有機層のうちの少なくとも1層が前記第1〜第4のいずれかのビピリジン誘導体を含有していることを特徴とする。
前記ビピリジン誘導体は、有機EL素子において、上記のような電子輸送性能を発揮することができる。
【0037】
あるいはまた、本発明に係る有機EL素子は、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層及び発光層のうちの少なくとも1層が、前記第1〜第4のいずれかのビピリジン誘導体を含有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、母核としてビピリジル中心骨格を有する新規なビピリジン誘導体が提供される。
本発明に係るビピリジン誘導体は、有機エレクトロニクス素子材料、特に、電子輸送性材料として好適であり、有機EL素子において、電子輸送層や電子注入層等に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】BP−1pを用いた白色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図2】BP−1mを用いた白色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図3】BP−2pを用いた白色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図4】BP−2mを用いた白色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図5】BP−4pを用いた白色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図6】BP−4mを用いた白色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図7】BP−5pを用いた白色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図8】BP−5mを用いた白色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図9】BP−6pを用いた白色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図10】BP−6mを用いた白色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図11】BP−5pを用いた青色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図12】BP−5mを用いた青色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図13】BP−6pを用いた青色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図14】BP−6mを用いた青色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図15】BP−7pを用いた青色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図16】BP−7mを用いた青色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図17】BMPyPBを用いた青色燐光素子の発光スペクトルを示したグラフである。
【図18】BP−1〜4又はBMPyPBを用いた電子素子の電流密度−電圧特性を示したグラフである。
【図19】BP−5〜7又はBMPyPBを用いた電子素子の電流密度−電圧特性を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係るビピリジン誘導体は、新規な化合物であり、具体的には、上記一般式(1)、(4)、(6)又は(8)で表される4種のビピリジン誘導体である。
これらのビピリジン誘導体は、高い電子輸送性能を有する化合物である。
【0041】
前記一般式(1)及び(6)において、A、A、H、Hは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表す。また、一般式(8)において、H、Hは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、又は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。A、A、H〜Hは、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされてなる炭素数8〜30の一価の基であってもよい。
また、前記一般式(4)において、G〜Gは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基、フェノキサジル基及びフェノチアジル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされてなる炭素数8〜30の一価の基でもよい。
【0042】
前記芳香族複素環基とは、炭素以外に、窒素、酸素又は硫黄のいずれかを環構成元素として含む基を示す(ただし、一般式(1)、(4)及び(6)において、それぞれ、除外した種類の芳香族複素環基は含まない)。例えば、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、ピラゾール環、イミダゾール環、ピラジン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環及びアクリジン環等の5もしくは6員環の単環又は縮合環、あるいはまた、環が複数個連結されたビピリジン等の多環由来の炭素数2〜20の一価の基が挙げられる。
また、前記芳香族炭化水素基とは、フェニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基、アントラニル基、フルオレニル基及びビフェニル基等の6員環の単環又は縮合環、あるいはまた、多環由来の炭素数6〜16の一価の芳香族炭化水素基を示す。
【0043】
前記芳香族複素環基及び芳香族炭化水素基は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていていてもよい。
これらの置換基のうち、アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数1〜8の飽和炭化水素基を示し、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよい。
シクロアルキル基とは、シクロヘキシル基、ノルボニル基及びアダマンチル基等の炭素数5〜12の飽和脂環式炭化水素基を示し、置換又は無置換のいずれでもよい。
アルコキシ基とは、メトキシ基及びシクロヘキシルオキシ基等のエーテル結合を介した直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜10の飽和脂肪族炭化水素基、又は、置換もしくは無置換の炭素数5〜12の飽和脂環式炭化水素基を示す。
以下、その他の各置換基の具体的な構成は、特に説明しない限り、上記と同様であるため、説明を省略する。
【0044】
、Bは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、又は、置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。
ここでいう芳香族炭化水素基とは、フェニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基、アントラニル基、フルオレニル基及びビフェニル基等の六員環の単環又は縮合環、あるいはまた、多環由来の炭素数6〜16の一価の芳香族炭化水素基、又は、スチリル基を表す。
前記芳香族複素環基及び芳香族炭化水素基は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていていてもよい。
【0045】
a、b、o、p、q、r、t、u、v、wは、それぞれ独立に、1又は2である。
【0046】
Ar〜Arは、それぞれ独立に、2又は3価の芳香族炭化水素基を表し、該炭化水素基は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。
ここでいう芳香族炭化水素基とは、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アントラセン環等の六員環の単環、又は、縮合環由来の炭素数6〜16の二もしくは三価の芳香族炭化水素基を表す。
【0047】
環E〜Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。
【0048】
以下、化学式中の同じ符号については、上記と同様であるため、説明を省略する。
【0049】
前記一般式(1)で表される第1のビピリジン誘導体の中でも、より具体的には、一般式(2)又は(3)で表される化合物が好ましい。
前記一般式(2)又は(3)においては、F〜Fは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(ただし、カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基であってもよい。ベンゼン環上の任意の水素原子は、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。l、mは、それぞれ独立に、1又は2である。
〜Dは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、又は、置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。
ここでいう芳香族炭化水素基とは、フェニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基、アントラニル基、フルオレニル基及びビフェニル基等の六員環の単環又は縮合環、あるいはまた、多環由来の炭素数6〜16の一価の芳香族炭化水素基、又は、スチリル基を表す。
【0050】
また、前記一般式(4)で表される第2のビピリジン誘導体の中でも、より具体的には、前記一般式(5)で表される化合物が好ましい。
前記一般式(5)において、G〜Gは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基でもよい。h、i、j、kは、それぞれ独立に、1又は2である。
【0051】
また、前記一般式(6)で表される第3のビピリジン誘導体の中でも、より具体的には、前記一般式(7)で表される化合物が好ましい。
前記一般式(7)においては、ベンゼン環上の任意の水素原子は、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。
【0052】
上記一般式(1)〜(8)で表される本発明に係るビピリジン誘導体について、具体的な化合物の構造を以下に示す。
まず、一般式(1)の構造を、下記(化13)に示すように、Xa及びXbのユニット表記を用いて表し、この表記に基づいて、(化14)に、ビピリジン骨格の構造の具体例を示す。
【0053】
【化13】

【0054】
【化14】

【0055】
また、前記(化13)におけるXa又はXb、B又はBに結合する置換基の具体例を下記(化15)に挙げる。なお、(化15)におけるXは、(化13)のピリジン環との結合位置を示す。
【0056】
【化15】

【0057】
さらに、前記一般式(1)〜(3)で表されるビピリジン誘導体のうち、具体的な化合物の構造を以下に例示する。
【0058】
【化16】

【0059】
【化17】

【0060】
【化18】

【0061】
一般式(4)の構造を、下記(化19)に示すように、Xc、Xd、Xe及びXfのユニット表記を用いて表し、この表記に基づいて、(化20)に、ビピリジン骨格の構造の具体例を示す。
【0062】
【化19】

【0063】
【化20】

【0064】
また、前記(化19)におけるXc、Xd、Xe及びXfに結合する置換基の具体例を下記(化21)に挙げる。なお、(化21)におけるXは、(化19)のピリジン環との結合位置を示す。
【0065】
【化21】

【0066】
さらに、前記一般式(4)、(5)で表されるビピリジン誘導体のうち、具体的な化合物の構造を以下に例示する。
【0067】
【化22】

【0068】
一般式(6)〜(8)の構造を、下記(化23)に示すように、Xg及びXhのユニット表記を用いて表し、この表記に基づいて、(化24)に、ビピリジン骨格の構造の具体例を示す。
【0069】
【化23】

【0070】
【化24】

【0071】
また、前記(化23)におけるXg及びXhに結合する置換基の具体例を下記(化25)に挙げる。なお、(化25)におけるXは、(化23)のピリジン環との結合位置を示す。
ただし、2,2’又は2,3’で結合しているビピリジン環に対しては、芳香族でのみ構成されるXg及びXhユニット、カルバゾリル基を含有するXg及びXhユニットを除くものとする。
【0072】
【化25】

【0073】
さらに、前記一般式(6)〜(8)で表されるビピリジン誘導体のうち、具体的な化合物の構造を以下に例示する。
【0074】
【化26】

【0075】
【化27】

【0076】
【化28】

【0077】
前記ビピリジン誘導体は、具体的には、以下に示すような方法により製造することができるが、特に限定されるものではない。
まず、ビピリジン骨格の導入方法としては、閉環反応を利用した方法を採用することができる。中でも、クレンケ法が好ましい。
また、ハロゲン化ピリジン誘導体を用いて導入することもできる。具体的には、ハロゲン化ピリジン誘導体を、パラジウム、ニッケル等の遷移金属触媒存在下、ジスタナン、ジボラン等と反応させることにより、あるいはまた、ハロゲン化ピリジンを、ブチルリチウム等の有機リチウム試薬と反応させた後、クロロスタナン、トリアルコキシボラン、ハロゲン化亜鉛等と反応させることにより、有機スズ試薬、有機ホウ素試薬、有機亜鉛試薬等の有機金属試薬を得る。そして、これらをパラジウム、ニッケル等の遷移金属触媒下、ハロゲン化ピリジン誘導体と反応させて合成する。中でも特に、遷移金属触媒存在下、有機スズ試薬又は有機ホウ素試薬を発生させて、ハロゲン化ピリジン誘導体と反応させる手法が好ましい。
その他の方法としては、ラネーニッケル、パラジウムカーボン、ブチルリチウム、三フッ化ボロンエーテル錯体等を用いたり、スルフィニルピリジン誘導体を経由して二量化する方法が挙げられる。また、ビピリジン誘導体を直接ハロゲン化し、ビピリジン骨格を導入する方法も挙げられる。
【0078】
そして、本発明に係る新規ビピリジン誘導体の製造方法としては、上記のようにしてビピリジン骨格を含むハロゲン置換前駆体を形成した後、新規ビピリジン誘導体を得る方法、又は、ビピリジン骨格を後から形成することにより、新規ビピリジン誘導体を得る方法が挙げられるが、特に、前者の方法が好ましい。
以下、ハロゲン置換前駆体及び新規ビピリジン誘導体の合成例を示す。
【0079】
前記一般式(1)又は(4)で表される誘導体の前駆体は、例えば、クレンケ法により、ハロゲン置換前駆体を合成することができる。
【0080】
前記一般式(2)、(3)又は(5)で表される誘導体の前駆体も、同様の方法により、合成することができる。例えば、ハロゲン化又は未ハロゲン化アルデヒド誘導体と対応するアセチル誘導体を、酸存在下、酢酸、アルコール溶媒等の単独又は混合溶媒中で、又は、水酸化ナトリウム等の塩基存在下、アルコール及び/又は水溶媒中で反応させて、中間体(α,β−不飽和カルボニル化合物)を得る。そして、この中間体と対応するハロゲン化又は未ハロゲン化アシルピリジニウム塩と、酢酸、メタノール等の溶媒中で加熱し、酢酸アンモニウムを作用させることにより、前駆体を合成することができる。
【0081】
前記一般式(6)で表される誘導体の前駆体は、例えば、予め合成されたジハロゲン化ビピリジン誘導体を、対応する有機ホウ素試薬、有機スズ試薬、有機亜鉛試薬等の有機金属試薬と、遷移金属触媒下で反応させることにより合成することができる。また、合成したジハロゲン化ビピリジン誘導体を、有機ホウ素試薬、有機スズ試薬、有機亜鉛試薬等の有機金属試薬とした後、対応するハロゲン化物との反応により合成することもできる。あるいはまた、遷移金属触媒下、ジハロゲン化ピリジン誘導体と対応する有機ホウ素試薬、有機スズ試薬、有機亜鉛試薬等の有機金属試薬との位置選択的反応から中間体を得た後、ビピリジン骨格を形成することにより合成することもできる。
【0082】
一般式(7)で表される誘導体の前駆体は、公知の方法(例えば、J. Org. Chem.,67, p.443 (2002))を用いてジブロモビピリジン誘導体を合成し、この誘導体とハロゲノフェニルボロン酸を、遷移金属触媒存在下で反応させることにより合成することができる。
この際の遷移金属触媒としては、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)、PdCl[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]、PdCl[ビス(トリフェニルフォスフィン)]等が挙げられるが、特に、PdCl[ビス(トリフェニルフォスフィン)]が好ましい。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。通常、塩基を溶解させるため、水と混合して用いることが多いが、単独で用いてもよい。また、水−エタノール−トルエン系のような3種類の混合溶媒を用いることもできる。好ましくは、水−エタノール−トルエンである。
塩基としては、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩、フッ素化物塩、水酸化物、リン酸塩や、アルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物等を用いることができる。例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸セシウム、リン酸三カリウム等が挙げられるが、中でも特に、炭酸ナトリウムが好ましい。
【0083】
一般式(8)で表される誘導体の前駆体の合成は、まず、例えば、2,5−ジブロモピリジン、2,5−ジブロモピコリン等を原料として、パラジウム、ニッケル等の遷移金属触媒存在下、ハロゲノフェニルボロン酸と反応させることにより、これら原料の2位へ位置選択的にハロゲノフェニル基を導入する。
この際の遷移金属触媒としては、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)、PdCl[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]、PdCl[(ビス(トリフェニルフォスフィン)]等が挙げられるが、特に、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)が好ましい。
溶媒及び塩基としては、上述した一般式7で表される誘導体の前駆体の合成の場合と同様のものを用いることができる。
ハロゲノフェニル基の導入後、5位に残ったハロゲン基をパラジウム、ニッケル等の遷移金属触媒存在下、ジスタナン、ジボラン等と反応させることにより、あるいはまた、ハロゲン化ピリジンをブチルリチウム等の有機リチウム試薬と反応させた後、クロロスタナン、トリアルコキシボラン、ハロゲン化亜鉛等と反応させることにより、有機スズ試薬、有機ホウ素試薬、有機亜鉛試薬等の有機金属試薬を得る。
【0084】
そして、これらをパラジウム、ニッケル等の遷移金属触媒存在下、ハロゲノフェニル基を導入した原料と反応させることにより、前駆体を合成することができる。中でも特に、遷移金属触媒存在下、有機スズ試薬、有機ホウ素試薬を発生させ、ハロゲノフェニル基を導入した原料と反応させる手法が好ましい。
この際の遷移金属触媒としては、上記と同様のものを用いることができるが、特に、PdCl[ビス(トリフェニルフォスフィン)]が好ましい。
溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド等が挙げられるが、特に、ジメチルスルフォキシドが好ましい。
塩基としては、上記と同様のものを用いることができるが、特に、炭酸カリウムが好ましい。
【0085】
本発明に係るビピリジン誘導体のうち、一般式(1)〜(8)で表されるものは、上記の方法により得られた前駆体と、対応するボロン酸誘導体とのカップリング反応(Suzuki反応)、有機亜鉛試薬とのカップリング反応(根岸反応)、有機スズ試薬とのカップリング反応(Stilleカップリング)等により製造することができる。
また、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のうちのハロゲン基を適宜変更した前駆体を合成し、カップリング反応に選択性を持たせて、非対称なビピリジン誘導体を製造することもできる。
さらにまた、上記の方法により合成されたビピリジン骨格を有する前駆体を、パラジウム、ニッケル等の遷移金属触媒存在下、ジスタナン、ジボラン等と反応させることにより、あるいはまた、ハロゲン化ピリジンをブチルリチウム等の有機リチウム試薬と反応させた後、クロロスタナン、トリアルコキシボラン、ハロゲン化亜鉛等と反応させることにより、有機スズ試薬、有機ホウ素試薬、有機亜鉛試薬等の有機金属試薬を得る。そして、これらをパラジウム、ニッケル等の遷移金属触媒存在下、対応するハロゲン化物を反応させることにより、新規ビピリジン誘導体を合成することもできる。
【0086】
以下、一般式(1)を例に挙げて、説明する。下記(化29)に示すように、ボロン酸誘導体とハロゲン化物をカップリングする方法が好ましい。下記式中、Aは一般式(1)のA、Aを表し、Xはハロゲン基を表す。
【0087】
【化29】

【0088】
また、上式のハロゲン化物をボロン酸誘導体とし、対応するハロゲン化物とのカップリング反応により、新規ビピリジン化合物を合成することもできる。なお、このボロン酸誘導体は、ハロゲン化物等から、公知の製造方法により製造することができる(Tetrahedron, 57, p.9813 (2001)、J. Org. Chem.,60, p.7508 (1995) 参照)。
【0089】
前記ビピリジン誘導体の合成は、塩基存在下、遷移金属触媒を用いたカップリング反応により行う。
使用される塩基としては、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩、フッ化物塩、水酸化物、リン酸塩や、アルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物が挙げられる。具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸セシウム、リン酸三カリウム等が挙げられるが、中でも特に、炭酸ナトリウム、リン酸三カリウムが好ましい。
また、触媒として使用される遷移金属錯体は、予め合成したものを使用してもよく、あるいはまた、遷移金属錯体の前駆化合物と配位子を同時に使用して反応系内で発生させてもよい。遷移金属錯体の前駆化合物としては、例えば、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、パラジウム−炭素等が挙げられるが、中でも特に、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が好ましい。また、配位子の例としては、トリフェニルフォスフィン、トリシクロヘキシルフォスフィン、トリ(tert−ブチル)フォスフィン、亜リン酸トリメチル、ビスジフェニルフォスフィノフェロセン等が挙げられるが、中でも特に、トリシクロヘキシルフォスフィン、トリ(tert−ブチル)フォスフィンが好ましい。
【0090】
前記ビピリジン誘導体の合成は、通常、窒素、アルゴン等の酸素を含まない不活性雰囲気下で行われる。
また、使用される溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。通常、塩基を溶かすための水と混合して用いることが多いが、単独で用いてもよい。また、水−エタノール−トルエン系のような3種類の混合溶媒も用いることができる。中でも、1,4−ジオキサン−水混合溶媒が好ましい。溶媒の使用量は、ハロゲン化物に対して、3〜100重量倍が一般的であるが、好ましくは10〜80重量倍である。
反応温度は、20〜200℃の範囲内であるが、好ましくは50〜120℃である。反応時間は、1〜100時間程度である。
【0091】
上記により合成されたビピリジン誘導体は、カラムクロマトグラフィ、再結晶又は昇華によって精製することができる。また、これらの各精製方法を組み合わせてもよい。
カラムクロマトグラフィでは、充填剤としてシリカゲル、アルミナ、フロリジル等を用いて、適切な溶媒で溶離することにより精製することができる。
また、再結晶精製に使用される溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等が挙げられる。
【0092】
また、前記一般式(8)で表されるビピリジン誘導体の合成は、該ビピリジン誘導体ハロゲン置換前駆体と、フェニル基に代表される芳香族炭化水素基、ピリジル基に代表されるπ電子欠乏芳香族複素環基の導入においては、上記と同様の方法を適用することができる。
また、カルバゾリル基等の電子供与性複素環基との反応においても、上記と同様の遷移金属触媒を用いた方法を採用することができる。
触媒として使用される遷移金属錯体は、予め合成したものを使用してもよく、あるいはまた、遷移金属錯体の前駆化合物と配位子を同時に使用して反応系内で発生させてもよい。遷移金属錯体の前駆化合物としては、例えば、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などが挙げられるが、中でも特に、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が好ましい。また、配位子の例としては、トリシクロヘキシルフォスフィン、トリ(tert−ブチル)フォスフィン、ビスジフェニルフォスフィノフェロセンなどが挙げられるが、中でも特に、ビスジフェニルフォスフィノフェロセン、トリ(tert−ブチル)フォスフィンが好ましい。使用される塩基としては、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩、フッ化物塩、水酸化物、リン酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物、アルコラートが挙げられる。具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸セシウム、リン酸三カリウム、t−BuONa等が挙げられるが、中でも特に、炭酸カリウム、炭酸セシウムが好ましい。溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられるが、中でも特に、キシレン、トルエンが好ましい。
【0093】
上記のような本発明に係るビピリジン誘導体は、有機EL材料として、特に、電子注入性材料や電子輸送性材料として用いることができ、有機EL素子において、電子注入層や電子輸送層等として好適に適用することができる。この場合、他の電子輸送性材料と組み合わせて使用することもできる。
また、適当な発光材料(ドーパント)と組み合わせて使用することもできる。
【0094】
また、本発明に係る有機EL素子は、基板上に、陽極及び陰極の一対の電極を備え、前記陽極と陰極との間に、少なくとも1層の有機層を備えた有機EL素子であって、前記有機層の少なくとも1層に前記ビピリジン誘導体を含有しているものである。
前記有機EL素子は、発光効率向上の観点から、前記陽極と発光層との間に、正孔輸送層、正孔注入層が配置されていることが好ましい。また、前記陰極と発光層との間に、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層が配置されていることが好ましい。
これらの層構造を具体的に示すと、陽極/発光層/陰極、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極等の構造が挙げられる。なお、各層は、単層であっても、複数層からなるものであってもよい。
さらに、正孔輸送発光層、電子輸送発光層等をも含む公知の積層構造とすることもできる。
【0095】
前記正孔注入層、正孔輸送層、正孔輸送性発光層に用いられる材料は、特に限定されるものではなく、公知のものから適宜選択して用いることができる。
具体的には、ビス(ジ(p−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン(通称:TAPc)、Spiro−TPD(化30)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(通称:TPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(通称:α−NPD)、TPTE(化31)、スターバーストアミン(化32)、スチリルアミン(化33)、TCTA(化34)、3DTAPBP(化35)等のアリールアミン誘導体が挙げられる。
【0096】
【化30】

【0097】
【化31】

【0098】
【化32】

【0099】
【化33】

【0100】
【化34】

【0101】
【化35】

【0102】
また、下記(化36)に示すようなカルバゾール化合物及びその誘導体、ピラゾリン誘導体、スチリルアリール誘導体、下記(化37)に示すようなジスチリルアリール化合物及びその誘導体も用いることができる。
【0103】
【化36】

【0104】
【化37】

【0105】
あるいはまた、アントラセン、トリフェニレン、ペリレン、ナフタレン、ピレン、コロネン、クリセン、ナフタセン、テトラセン、フェナントレン等の縮合多環芳香族炭化水素化合物及びそれらの誘導体、パラテルフェニル、クアテルフェニル、m−フェニレン(化38)等の多環化合物及びそれらの誘導体を用いることもできる。
【0106】
【化38】

【0107】
さらに、正孔注入層、正孔輸送層、正孔輸送性発光層には、上記に挙げた有機化合物をポリマー、オリゴマー又はデンドリマー中に分散したものや、ポリマー化、オリゴマー化又はデンドリマー化したものを用いることもできる。
また、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレンやその誘導体等のいわゆるπ共役ポリマー、ポリ(N−ビニルカルバゾール)に代表される正孔輸送性非共役ポリマー、ポリシラン類に代表されるσ共役ポリマー等も用いることができる。さらに、フルオレンオリゴマーやその誘導体等のいわゆる共役系オリゴマー等も用いることができる。
【0108】
また、正孔注入層には、上記材料の他、金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、カーボン膜、フロロカーボン膜、ポリスチレンスルホン酸(PEDOT−PSS)、ポリアニリン等の導電性ポリマーも用いることができる。
【0109】
さらに、正孔注入輸送層には、上記有機化合物に、テトラシアノキノジメタン、トリニトロフルオレノン等の有機系酸化性ドーパント、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アルミニウム等の無機系酸化性ドーパントを作用させ、ラジカルカチオンを形成させたものを用いることもできる。
この正孔注入輸送層中の酸化性ドーパント濃度は、特に限定されないが、0.1〜99重量%程度であることが好ましい。
【0110】
また、電子注入層、電子輸送層、電子輸送性発光層、正孔阻止層に用いられる材料も、特に限定されるものではなく、公知のものから適宜選択して用いることもできる。
具体的には、パラテルフェニル、クアテルフェニル、m−フェニレン(化38)等の多環化合物及びそれらの誘導体、スチリルアリール誘導体、ジスチリルアリール化合物(化37)及びその誘導体が挙げられる。
また、アントラセン、トリフェニレン、ペリレン、ナフタレン、ピレン、コロネン、クリセン、ナフタセン、テトラセン、フェナントレン等の縮合多環芳香族炭化水素化合物及びそれらの誘導体、フェナントロリン、バソフェナントロリン、バソクプロイン、フェナントリジン、アクリジン、キノリン、キノキサリン、ピリジン(化39)、ピリミジン、ピロール、ピラゾール、ピリダジン、ピラジン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シンノリン、チアゾール、オキサジアゾール、オキサゾール、トリアジン、フェナジン、イミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、ポルフィリン等の複素環化合物及びそれらの誘導体を用いることもできる。
【0111】
【化39】

【0112】
また、例えば、アルミキノリノール錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、イリジウム錯体、プラチナ錯体等、中心金属にAl、Zn、Be、Ir、Pt、Tb、Eu等を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、キノリン構造を有する金属錯体材料も用いることができる。
また、シロール、シロキサン等の有機ケイ素化合物及びそれらの誘導体、トリアリールホウ素等の有機ホウ素化合物及びそれらの誘導体、トリアリールフォスフィンオキシド等の5価のリン化合物及びその誘導体等も用いることができる。ジアリールスルフォキシド等の5価の硫黄化合物及びその誘導体等も用いることができる。
【0113】
さらに、電子注入層、電子輸送層、電子輸送性発光層には、上記有機化合物をポリマー、オリゴマー又はデンドリマー中に分散したものや、ポリマー化、オリゴマー化又はデンドリマー化したものも用いることができる。
また、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレンやその誘導体等のいわゆるπ共役ポリマー、ポリビニルオキサジアゾールに代表される電子輸送性非共役ポリマー等も用いることができる。さらに、フルオレンオリゴマーやその誘導体等のいわゆる共役系オリゴマー等も用いることができる。
【0114】
また、電子注入層には、上記有機化合物の他に、Ba、Ca、Li、Cs、Mg、Sr、W等の金属の単体、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム等の金属フッ化物、アルミリチウム合金等の金属の合金、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物、ポリメチルメタクリレートポリスチレンスルホン酸ナトリウム等の金属の有機錯体も用いることができる。
【0115】
さらに、電子注入輸送層には、Ba、Ca、Li、Cs、Mg、Sr、W等の金属の単体、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム、塩化セシウム、塩化ストロンチウム等の金属塩、無機系還元性ドーパントを混合又は分散し、ラジカルアニオンを形成させたものを用いることもできる。
また、上記有機化合物に、8−ヒドロキシキノリン系Cs、Li有機金属錯体等の有機系還元性ドーパントを作用させ、ラジカルアニオンを形成させたものも、電子注入輸送層として用いることもできる。
上記のような電子注入輸送層中の還元性ドーパント濃度は、特に限定されないが、0.1〜99重量%程度であることが好ましい。
【0116】
また、本発明に係る有機EL素子の発光層は、パイボーラ材料を用いて構成してもよい。バイポーラ材料とは、正孔及び電子のいずれをも輸送することができ、それ自体も発光し得る材料である。
バイポーラ性発光層に用いられる材料は、特に限定されるものではない。例えば、スチリルアリール誘導体、ジスチリルアリール化合物(化37)及びその誘導体、パラテルフェニル、クアテルフェニル、m−フェニレン(化38)等の多環状芳香族化合物及びその誘導体、アントラセン、トリフェニレン、ペリレン、ナフタレン(化40)、ピレン、コロネン、クリセン、ナフタセン、テトラセン、フェナントレン等の縮合多環芳香族炭化水素化合物及びそれらの誘導体、カルバゾール化合物(化36、化41)及びその誘導体、チオフェン等の複素環化合物が挙げられる。
また、これらの誘導体等以外の具体例としては、4,4−ビス(2,2−ジフェニル−エテン−1−イル)ジフェニル(DPVBi)(化42)、spiro6(化43)、2,2’,7,7’−テトラキス(カルバゾール−9−イル)−9,9’−スピロ−ビフルオレン(化44)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)−2’,3’,5’,6’−テトラフェニル−p−ターフェニル(化44)、1,3−ビス(カルバゾール)−9−イル)−ベンゼン(化46)、3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフタ−2−イル)アントラセン(通称:TBADN)(化47)が挙げられる。
【0117】
【化40】

【0118】
【化41】

【0119】
【化42】

【0120】
【化43】

【0121】
【化44】

【0122】
【化45】

【0123】
【化46】

【0124】
【化47】

【0125】
また、バイポーラ材料としては、上記に挙げた有機化合物をポリマー、オリゴマー又はデンドリマー中に分散したものや、ポリマー化、オリゴマー化又はデンドリマー化したものも用いることができる。
また、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレンやその誘導体等のいわゆるπ共役ポリマー、ポリビニルカルバゾールに代表される非共役ポリマー等も用いることができる。さらに、フルオレンオリゴマーやその誘導体等のいわゆる共役系オリゴマー等も用いることができる。
また、正孔輸送性機能、電子輸送性機能を持つモノマーを同一分子内に存在させたポリ(ビニルトリアリールアミンビニルオキサジアゾール)等の共重合体、デンドリマーを用いることもできる。
【0126】
上記のような正孔輸送性発光材料、電子輸送性発光材料、バイポーラ材料を発光層のホスト材料として用いた場合、該発光層のゲスト材料は、蛍光又は燐光性発光材料であってもよい。
例えば、パラテルフェニル、クアテルフェニル等の多環化合物及びそれらの誘導体、スチリルアリール誘導体、ジスチリルアリール化合物、テトラフェニルブタジエン誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、クマリン誘導体、スチリルアミン(化33)誘導体、アントラセン(化48)、トリフェニレン、ペリレン、ナフタレン(化49)、ピレン、コロネン、クリセン、ナフタセン、テトラセン、フェナントレン等の縮合多環芳香族炭化水素化合物及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0127】
【化48】

【0128】
【化49】

【0129】
また、キナクリドン誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、クマリン誘導体、ジシアノピラン誘導体、アントラセンジアミン等のアリールアミン化合物及びそれらの誘導体、ペリレン、ルブレン、テトラセン、デカシクレン等の縮合多環芳香族炭化水素化合物及びそれらの誘導体、フェノキサゾン、キノサリン誘導体、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体が挙げられる。
さらに、アルミキノリノール錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、テルビウム錯体、イリジウム錯体、プラチナ錯体等、中心金属にAl、Zn、Be、Ir、Pt、Tb、Eu等を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、キノリン構造を有する金属錯体材料も用いることができる。具体的には、FIrpic(化50)、PQIr(dpm)(化51)、Irpiq(化52)、Irppy(化53)錯体及びその誘導体が挙げられる。
【0130】
【化50】

【0131】
【化51】

【0132】
【化52】

【0133】
【化53】

【0134】
上記各層の形成は、真空蒸着法、スパッタリング法等などの乾式法、インクジェット法、キャスティング法、ディップコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法等の湿式法により行うことができる。好ましくは、真空蒸着により膜形成を行う。
また、前記各層の膜厚は、各層同士の適応性や求められる全体の層厚さ等を考慮して、適宜状況に応じて定められるが、通常、5nm〜5μmの範囲内であることが好ましい。
【0135】
本発明に係る有機EL素子の電極は、透明基板上に透明導電性薄膜が形成されたものであることが好ましい。
前記基板は、有機エレクトロルミネッセンス素子の支持体となるものであり、基板側が発光面となる場合、可視光において透光性を有する透明基板を用いることが好ましい。光透過率は80%以上であることが好ましく、85%以上であることが好ましい。より好ましくは、90%以上である。
前記透明基板としては、一般に、BK7、BaK1、F2等の光学ガラス、石英ガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等のガラス基板、PMMA等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル等のポリマー基板が用いられる。
前記基板の厚さは、通常、0.1〜10mm程度のものが用いられるが、機械的強度、重量等を考慮して、0.3〜5mmであることが好ましく、0.5〜2mmであることがより好ましい。
【0136】
前記基板上には、通常、陽極が形成される。この陽極は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、導電性化合物等により構成されるが、前記透明基板上に透明電極として形成されることが好ましい。
この透明電極には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛、酸化亜鉛等の金属酸化物が一般的に用いられ、特に、透明性や導電性等の観点から、ITOが好適に用いられる。
この透明電極の膜厚は、透明性及び導電性の確保のため、80〜400nmであることが好ましく、100〜200nmであることがより好ましい。
陽極の形成は、通常、スパッタリング法、真空蒸着法等により行われ、透明導電性薄膜として形成されることが好ましい。
【0137】
一方、前記陽極に対向する陰極は、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、導電性化合物により構成される。例えば、アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金、フッ化リチウム等が挙げられ、単層であっても、あるいはまた、仕事関数の異なる材料を組み合わせた複層としてもよい。
前記陰極の膜厚は、10〜500nmであることが好ましく、50〜200nmであることがより好ましい。
前記陰極の形成は、スパッタリング法やイオンプレーティング法、蒸着法等の通常用いられる方法で成膜することにより形成することができる。
【実施例】
【0138】
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
実施例1、2において、下記(化54)に示す一般式で表されるビピリジン誘導体を合成した。
【0139】
【化54】

【0140】
以下、(化54)に示すビピリジン誘導体のうち、R=H、4つの末端ピリジル基が4−ピリジル基である場合を「BP−1p」、R=H、4つの末端ピリジル基が3−ピリジル基である場合を「BP−1m」、R=Me(メチル基)、4つの末端ピリジル基が4−ピリジル基である場合を「BP−3p」、R=Me(メチル基)、4つの末端ピリジル基が3−ピリジル基である場合を「BP−3m」と略称する。
【0141】
[実施例1](BP−1シリーズの合成)
下記に示す合成スキームに従って、BP−1p、BP−1mをそれぞれ合成した。
【0142】
【化55】

【0143】
(第1工程:5,5’−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−[2,2’]ビピリジニルの合成)
既知の方法(J. Org. Chem., 67, p.443 (2002) 参照)にて合成した5,5’−ジブロモ2,2’−ビピリジン9.4g(29.95mmol)、3,5−ジクロロフェニルホウ酸20g(29.95mmol)、トルエン376ml、エタノール188ml、2M炭酸ナトリウム水溶液66ml、Pd(PPhCl2.1g(2.995mmol)を仕込み入れ、窒素雰囲気下、2時間反応させた。
析出した結晶をろ別し、水、メタノールにて洗浄した。ろ液は、分液してトルエン層を分取し、トルエン層を水にて2回洗浄した。洗浄後、トルエンを回収して得られた粗製を、ろ別した析出晶と合わせた。この粗製をシリカゲル処理し、得られた粗製をジメチルアセトアミドから再結晶精製した。
構造確認は、質量分析(MS)、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量10.1g、収率75.6%であった。
【0144】
(第2工程:BP−1pの合成)
上記第1工程において合成した5,5’−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−[2,2’]ビピリジニル2.0g(4.483mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン6.4g(31.38mmol)、1,4−ジオキサン96ml、1.35M燐酸カリウム水溶液32ml、Pddba0.4g(0.4483mmol)、PCy0.31g(0.8966mmol)を仕込み入れ、窒素雰囲気下、30時間反応させた。
析出した結晶をろ別し、水、メタノールにて洗浄した。粗製を乾燥後、クロロホルム−メタノール混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムにて精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量2.0g、収率71.4%であった。
さらに、これを昇華精製したものについて、示差走査熱量測定(DSC)を行ったところ、融点は433.89℃であった。
【0145】
(第2工程:BP−1mの合成)
上記第1工程において合成した5,5’−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−[2,2’]ビピリジニル3.0g(6.724mmol)、3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン9.7g(47.07mmol)、1,4−ジオキサン144ml、1.35M燐酸カリウム水溶液47ml、Pddba0.62g(0.6724mmol)、PCy0.47g(1.345mmol)を仕込み入れ、窒素雰囲気下、30時間反応させた。
析出した結晶をろ別し、水、メタノールにて洗浄した。粗製を乾燥後、クロロホルム−メタノール混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムにて精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量2.8g、収率67.6%であった。
さらに、これを昇華精製したものの融点(DSC)は384.75℃であった。
【0146】
[実施例2](BP−3シリーズの合成)
下記に示す合成スキームに従って、BP−3p、BP−3mをそれぞれ合成した。
【0147】
【化56】

【0148】
(第1工程:5,5’−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−3,3’−ジメチル−[2,2’]ビピリジニルの合成
既知の方法(Journal of Industrial and Engineering Chemistry, 8, p.103 (2002) 参照)にて合成した5,5’−ジブロモ−3,3’−ジメチル−[2,2’]ビピリジル10.2g(29.92mmol)、3,5−ジクロロフェニルホウ酸24.8g(104.7mmol)、トルエン408ml、エタノール204ml、2M炭酸ナトリウム水溶液66ml、Pd(PPhCl2.1g(2.995mmol)を仕込み入れ、窒素雰囲気下、11.5時間反応させた。
析出した結晶をろ別し、水、メタノールにて洗浄した。ろ液は、分液してトルエン層を分取し、トルエン層を水にて2回洗浄した。洗浄後、トルエンを回収して得られた粗製を、ろ別した析出晶と合わせた。この粗製をシリカゲル処理し、得られた粗製をトルエンから再結晶精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量11.6g、収率82.3%であった。
【0149】
(第2工程:BP−3pの合成)
上記第1の工程において得られた5,5’−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−3,3’−ジメチル−[2,2’]ビピリジニル3.5g(7.381mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン10.6g(51.66mmol)、1,4−ジオキサン266ml、1.35M燐酸カリウム水溶液52ml、Pddba0.68g(0.7381mmol)、PCy0.52g(1.845mmol)の順に反応容器に仕込み入れ、窒素雰囲気下、85℃、24.0時間反応させた。
析出した結晶をろ別し、粗製をクロロホルム−メタノール混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムにて精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量3.3g、収率69.0%であった。
さらに、これを昇華精製したものの融点(DSC)は435.70℃であった。
【0150】
(第2工程:BP−3mの合成)
上記第1の工程において得られた5,5’−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−3,3’−ジメチル−[2,2’]ビピリジニル4.0g(8.435mmol)、3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン12.1g(59.05mmol)、1,4−ジオキサン304ml、1.35M燐酸カリウム水溶液60ml、Pddba0.77g(0.8435mmol)、PCy0.59g(2.109mmol)の順に反応容器に仕込み入れ、窒素雰囲気下、85℃、24.0時間反応させた。
析出した結晶をろ別し、粗製をクロロホルム−メタノール混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムにて精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量4.4g、収率81.5%であった。
さらに、これを昇華精製したものの融点(DSC)は308.54℃であった。
【0151】
また、実施例3、4において、下記(化57)に示す一般式で表されるビピリジン誘導体を合成した。
【0152】
【化57】

【0153】
以下、(化57)に示すビピリジン誘導体のうち、R=H、4つの末端ピリジル基が4−ピリジル基である場合を「BP−2p」、R=H、4つの末端ピリジル基が3−ピリジル基である場合を「BP−2m」、R=Me(メチル基)、4つの末端ピリジル基が4−ピリジル基である場合を「BP−4p」、R=Me(メチル基)、4つの末端ピリジル基が3−ピリジル基である場合を「BP−4m」と略称する。
【0154】
[実施例3](BP−2シリーズの合成)
下記に示す合成スキームに従って、BP−2p、BP−2mをそれぞれ合成した。
【0155】
【化58】

【0156】
(第1工程:5−ブロモ−2−(3,5−ジクロロフェニル)−ピリジンの合成)
2,5−ジブロモピリジン30.0g(126.6mmol)、3,5−ジクロロフェニルホウ酸24.6g(129.1mmol)、トルエン300ml、エタノール150ml、2M炭酸ナトリウム水溶液130ml、Pd(PPh7.3g(6.33mmol)を仕込み入れ、窒素雰囲気下、17時間反応させた。
クロロホルム、水を反応容器内に仕込み入れ、クロロホルム層を分取した。クロロホルム層を水にて2回洗浄した。クロロホルムを回収して得られた粗製をクロロホルム−n−ヘキサン混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムにて精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量27.6g、収率71.9%であった。
【0157】
(第2工程:6,6’−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−[3,3’]ビピリジニルの合成)
上記第1の工程において合成した5−ブロモ−2−(3,5−ジクロロフェニル)−ピリジン21.0g(69.31mmol)、ピナコールジボラン9.2g(36.04mmol)、炭酸カリウム38.3g(277.2mmol)、Pd(PPhCl4.8g(6.931mmol)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)500mlを仕込み入れ、窒素雰囲気下、6時間反応させた。
クロロホルムを反応容器内に仕込み入れ、無機塩をろ別した。DMSOを回収して得られた粗製を水にて洗浄した。粗製を乾燥させ、シリカゲル処理した後、トルエンから再結晶精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量12.5g、収率80.6%であった。
【0158】
(第3工程:BP−2pの合成)
上記第2の工程において合成した6,6’−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−[3,3’]ビピリジニル3.0g(6.724mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン10.0g(47.07mmol)、1,4−ジオキサン144ml、1.35M燐酸カリウム水溶液47ml、Pddba0.62g(0.6724mmol)、PCy0.47g(1.681mmol)を仕込み入れ、窒素雰囲気下、41時間反応させた。
析出した結晶をろ別し、水、メタノールにて洗浄した。粗製を乾燥後、クロロホルム−メタノール混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムにて精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量2.7g、収率72.7%であった。
さらに、これを昇華精製したものの融点(DSC)は396.23℃であった。
【0159】
(第3工程:BP−2mの合成)
上記第2の工程において合成した6,6’−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−[3,3’]ビピリジニル4.0g(8.965mmol)、3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン12.8g(62.76mmol)、1,4−ジオキサン192ml、1.35M燐酸カリウム水溶液63ml、Pddba0.82g(0.8965mmol)、PCy0.63g(2.241mmol)を仕込み入れ、窒素雰囲気下、31.5h反応させた。
析出した結晶をろ別し、水、メタノールにて洗浄した。粗製を乾燥後、クロロホルム−メタノール混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムにて精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量4.8g、収率88.5%であった。
さらに、これを昇華精製したものの融点(DSC)は369.57℃であった。
【0160】
[実施例4](BP−4シリーズの合成)
下記に示す合成スキームに従って、BP−4p、BP−4mをそれぞれ合成した。
【0161】
【化59】

【0162】
(第1工程:5−ブロモ−2−(3,5−ジクロロフェニル)−3−メチルピリジンの合成)
2,5−ジブロモ−3−ピコリン25.0g(99.6mmol)、3,5−ジクロロフェニルホウ酸24.0g(101.6mmol)、トルエン288ml、エタノール144ml、2M炭酸ナトリウム水溶液102ml、Pd(PPh4.0g(3.46mmol)を仕込み入れ、窒素雰囲気下、73℃、28.5h反応させた。
クロロホルム、水を反応容器内に仕込み入れ、クロロホルム層を分取した。クロロホルム層を水にて2回洗浄した。クロロホルム回収して得られた粗製をクロロホルム−n−ヘキサン混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムにて精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量17.9g、収率56.5%であった。
【0163】
(第2工程:6,6’−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−5,5’−ジメチル−[3,3’]ビピリジニルの合成)
上記第1工程において合成した5−ブロモ−2−(3,5−ジクロロフェニル)−3−メチルピリジン17.7g(55.83mmol)、ピナコールジボラン7.4g(29.03mmol)、炭酸カリウム30.9g(223.3mmol)、Pd(PPhCl2.0g(2.79mmol)、DMSO414mlを仕込み入れ、窒素雰囲気下、80℃、3時間反応させた。
無機塩をろ別し、DMSOを回収して得られた粗製を、水にて洗浄、乾燥後、トルエンにて再結晶精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量11.2g、収率84.8%であった。
【0164】
(第3工程:BP−4pの合成)
上記第2工程において合成した6,6’−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−5,5’−ジメチル−[3,3’]ビピリジニル3.5g(7.381mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン10.6g(51.66mmol)、1,4−ジオキサン168ml、1.35M燐酸カリウム水溶液52ml、Pddba0.68g(0.7381mmol)、PCy0.52g(1.845mmol)を仕込み入れ、窒素雰囲気下、80℃、32.5時間反応させた。
析出した結晶をろ別し、水、メタノールにて洗浄した。粗製を乾燥後、クロロホルム−メタノール混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムにて精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量3.55g、収率74.6%であった。
さらに、これを昇華精製したものの融点(DSC)は355.97℃であった。
【0165】
(第3工程:BP−4mの合成)
上記第2工程において合成した6,6’−ビス−(3,5−ジクロロフェニル)−5,5’−ジメチル−[3,3’]ビピリジニル2.0g(4.218mmol)、3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン6.0g(29.52mmol)、1,4−ジオキサン192ml、1.35M燐酸カリウム水溶液30ml、Pddba0.39g(0.4218mmol)、PCy0.30g(1.055mmol)を仕込み入れ、窒素雰囲気下、80℃、48.0時間反応させた。
析出した結晶をろ別し、水、メタノールにて洗浄した。粗製を乾燥後、クロロホルム−メタノール混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムにて精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量2.0g、収率74.1%であった。
さらに、これを昇華精製したものの融点(DSC)は368.58℃であった。
【0166】
また、実施例5において、下記(化60)に示す一般式で表されるビピリジン誘導体を合成した。
【0167】
【化60】

【0168】
以下、(化60)に示すビピリジン誘導体のうち、2つの末端ピリジル基が4−ピリジル基である場合を「BP−5p」、2つの末端ピリジル基が3−ピリジル基である場合を「BP−5m」と略称する。
【0169】
[実施例5](BP−5シリーズの合成)
下記に示す合成スキームに従って、BP−5p、BP−5mをそれぞれ合成した。
【0170】
【化61】

【0171】
(第1工程:1,6−ビス−(3−ブロモフェニル)−ヘキサ−1,5−ジエン−3,4−ジオンの合成)
3−ブロモベンズアルデヒド85g(459.4mmol)、ジアセチル19.6g(227.4mmol)、エタノール400ml、ピペリジン1.9g(22.74mmol)の順に仕込み入れ、窒素雰囲気下、21時間反応させた。
液温を室温まで下げ、析出した結晶をろ別し、メタノール、n−ヘキサンの順に洗浄し、目的物を得た。
構造確認は、MSにて行った。収量14.2g、収率14.9%であった。
【0172】
(第2工程:4,4’−ビス−(3−ブロモフェニル)−6,6’−ジフェニル−[2,2’]ビピリジニルの合成)
上記第1工程で合成した1,6−ビス−(3−ブロモフェニル)−ヘキサ−1,5−ジエン−3,4−ジオン14.2g(33.80mmol)、フェナシルピリジニウムブロミド18.8g(67.60mmol)、エタノール710ml、酢酸アンモニウム65.1g(845.0mmol)の順に仕込み入れ、窒素雰囲気下、8時間反応させた。
液温を室温まで下げ、析出した結晶をろ別し、水、メタノールの順に洗浄した。得られた粗製をトルエンにて再結晶精製した。
構造確認は、H−NMR、MSにて行い、目的物であることが確認された。収量7.1g、収率34.0%であった。
【0173】
(第3工程:BP−5pの合成)
上記第2工程で合成した4,4’−ビス−(3−ブロモフェニル)−6,6’−ジフェニル−[2,2’]ビピリジニル3.0g(4.852mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン3.5g(16.98mmol)、1,4−ジオキサン230ml、1.35M燐酸カリウム水溶液17ml、Pd(dba)0.44g(0.485mmol)、PCy0.34g(1.213mmol)の順に仕込み入れ、窒素雰囲気下、6時間反応させた。
液温を室温まで下げ、析出した結晶をろ別し、メタノール、n−ヘキサンの順に洗浄した。得られた粗製をクロロホルム−メタノール混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムにて精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量2.4g、収率81.9%であった。
さらに、これを昇華精製したものの融点(DSC)は280.02℃であった。
【0174】
(第3工程:BP−5mの合成)
4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジンに代えて、3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジンを用い、それ以外は、BP−5pと同様の条件で、反応、後処理及び精製を行った。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量2.6g、収率86.7%であった。
さらに、これを昇華精製したものの融点(DSC)は289.44℃であった。
【0175】
また、実施例6において、下記(化62)に示す一般式で表されるビピリジン誘導体を合成した。
【0176】
【化62】

【0177】
以下、(化62)に示すビピリジン誘導体のうち、2つの末端ピリジル基が4−ピリジル基である場合を「BP−6p」、2つの末端ピリジル基が3−ピリジル基である場合を「BP−6m」と略称する。
【0178】
[実施例6](BP−6シリーズの合成)
下記に示す合成スキームに従って、BP−6p、BP−6mをそれぞれ合成した。
【0179】
【化63】

【0180】
(第1工程:1,6−ジフェニル−ヘキサ−1,5−ジエン−3,4−ジオンの合成)
ブロモベンズアルデヒド23.2g(218.2mmol)、ジアセチル9.3g(108.0mmol)、エタノール186ml、ピペリジン0.9g(10.80mmol)の順に仕込み入れ、窒素雰囲気下、5時間反応させた。
液温を室温まで下げ、析出した結晶をろ別し、メタノール、n−ヘキサンの順に洗浄し、目的物を得た。
構造の確認は、MSにて行った。収量3.0g、収率10.6%であった。
【0181】
(第2工程:6,6’−ビス−(3−ブロモフェニル)−4,4’−ジフェニル−[2,2’]ビピリジニルの合成)
上記第1工程において合成した1,6−ジフェニル−ヘキサ−1,5−ジエン−3,4−ジオン8.0g(30.50mmol)、3’−ブロモフェナシルピリジニウムブロミド21.8g(61.00mmol)、エタノール545ml、酢酸アンモニウム58.8g(762.5mmol)の順に仕込み入れ、窒素雰囲気下、9時間反応させた。
液温を室温まで下げ、析出した結晶をろ別し、水、メタノールの順に洗浄した。得られた粗製をトルエンにて再結晶精製した。
構造確認は、H−NMR、MSにて行い、目的物であることが確認された。収量4.6g、収率24.5%であった。
【0182】
(第3工程:BP−6pの合成)
上記第2工程において合成した6,6’−ビス−(3−ブロモフェニル)−4,4’−ジフェニル−[2,2’]ビピリジニル2.2g(3.558mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン2.6g(12.45mmol)、1,4−ジオキサン168ml、1.35M燐酸カリウム水溶液12.5ml、Pd(dba)0.33g(0.355mmol)、PCy0.25g(0.889mmol)の順に仕込み入れ、窒素雰囲気下、6時間反応させた。
液温を室温まで下げ、析出した結晶をろ別し、メタノール、n−ヘキサンの順に洗浄した。得られた粗製をクロロホルム−メタノール混合溶媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムにて精製した。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量1.94g、収率88.2%であった。
さらに、これを昇華精製したものの融点(DSC)は322.92℃であった。
【0183】
(第3工程:BP−6mの合成)
4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジンに代えて、3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジンを用い、それ以外は、BP−6pと同様の条件で、反応、後処理及び精製を行った。
構造確認は、MS、H−NMRにて行い、目的物であることが確認された。収量1.88g、収率85.5%であった。
さらに、これを昇華精製したものの融点(DSC)は291.05℃であった。
【0184】
また、実施例7において、下記(化64)に示す一般式で表されるビピリジン誘導体を合成した。
【0185】
【化64】

【0186】
以下、(化64)に示すビピリジン誘導体のうち、4つの末端ピリジル基が4−ピリジル基である場合を「BP−7p」、4つの末端ピリジル基が3−ピリジル基である場合を「BP−7m」と略称する。
【0187】
[実施例7](BP−7シリーズの合成)
下記に示す合成スキームに従って、BP−7p、BP−7mをそれぞれ合成した。
【0188】
【化65】

【0189】
(第1工程:4,6,4’,6’−テトラキス−(3−ブロモ−フェニル)−[2,2’]ビピリジニルの合成)
1,6−ビス−3−(ブロモフェニル)−ヘキサ−1,5−ジエン−3,4−ジオン8.2g(19.61mmol)、3’−ブロモフェナシルピリジニウムブロミド14.0g(39.21mmol)を用い、それ以外は、BP−5シリーズの第2工程と同様の条件にて反応、後処理及び精製を行った。
構造確認は、H−NMR、MSにて行い、目的物であることを確認した。収量3.1g、収率20.4%であった。
【0190】
(第2工程:BP−7pの合成)
上記第1工程で合成した4,6,4’,6’−テトラキス−(3−ブロモ−フェニル)−[2,2’]ビピリジニル3.0g(3.865mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン5.5g(27.06mmol)を用い、それ以外は、BP−5pと同様の条件にて反応、後処理及び精製を行った。
構造確認は、H−NMR、MSにて行い、目的物であることを確認した。
収量2.7g、収率91.5%であった。
さらに、これを昇華したものの融点(DSC)は、346.62℃であった。
【0191】
(第2工程:BP−7mの合成)
4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジンに代えて、3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジンを用い、それ以外は、BP−5pと同様の条件にて反応、後処理及び精製を行った。
構造確認は、H−NMR、MSにて行い、目的物であることを確認した。収量2.2g、収率85.3%であった。
さらに、これを昇華したものの融点(DSC)は、220.55℃、Tg(DSC)は93.78℃であった。
【0192】
また、実施例8において、下記(化66)に示す一般式で表されるビピリジン誘導体を合成した。
【0193】
【化66】

【0194】
以下、(化67)に示すビピリジン誘導体のうち、2つの末端ピリジル基が4−ピリジル基である場合を「BP−8p」、2つの末端ピリジル基が3−ピリジル基である場合を「BP−8m」と略称する。
【0195】
[実施例8](BP−8シリーズの合成)
下記に示す合成スキームに従って、BP−8p、BP−8mをそれぞれ合成した。
【0196】
【化67】

【0197】
(第1工程:4,4’−ビス−(3−ブロモフェニル)−6,6’−ビス−(ピリジン−2−イル)−[2,2’]ビピリジニルの合成)
1,6−ビス−3−(ブロモフェニル)−ヘキサ−1,5−ジエン−3,4−ジオン16.0g(38.09mmol)、1−[2−オキソ−(2−ピリジン−2−イル)エチルピリジニウムアイオダイド26.1g(79.99mmol)を用い、それ以外は、BP−5シリーズの第2工程と同様の条件にて反応、後処理を行った。後処理後、DMFを用いて分散洗浄した。
構造確認は、MSにて行い、目的物であることを確認した。収量4.6g、収率19.7%であった。
【0198】
(第2工程:BP−8pの合成)
上記第1工程で合成した4,4’−ビス−(3−ブロモフェニル)−6,6’−ビス−(ピリジン−2−イル)−[2,2’]ビピリジニル3.0g(4.836mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン3.5g(16.93mmol)を用い、それ以外は、BP−5pと同様の条件にて反応、後処理及び精製を行った。
構造確認は、H−NMR、MSにて行い、目的物であることを確認した。
収量2.2g、収率73.5%であった。
さらに、これを昇華したものの融点(TG−DTA)は、298.6℃であった。
【0199】
(第2工程:BP−8mの合成)
4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジンに代えて、3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジンを用い、それ以外は、BP−5pと同様の条件にて反応、後処理及び精製を行った。
構造確認は、H−NMR、MSにて行い、目的物であることを確認した。収量1.0g、収率77.5%であった。
さらに、これを昇華したものの融点(TG−DTA)は、306.3℃であった。
【0200】
(白色燐光素子の作製)
上記実施例1〜7において合成した各ビピリジン誘導体のうち、BP−1シリーズ、BP−2シリーズ、BP−4〜6シリーズを電子輸送層に用いて白色燐光素子を作製した。
なお、正孔阻止層には、下記(化68)に示すBTPSを用い、また、正孔輸送性材料として、NS21(新日鐵化学株式会社)、KLHT03(ケミプロ化成株式会社製)を用いた。
【0201】
【化68】

【0202】
作製した素子の層構成を簡略化して示すと、ITO(110nm)/NS21:MoO(13.6nm,20%)/KLHT03:Mo(5nm,20%)/KLHT03(15nm)/TCTA:Firpic(4.5nm,20%)/PqIr(dpm)(1nm,5%)/Firpic(4.5nm,20%)/BTPS(8nm)/電子輸送層(58nm)/Liq(1nm)/Al(100nm)である。
なお、上記カッコ内の数値は、膜厚(nm)及びドーパント濃度(%)を示す。
【0203】
具体的な素子の作製方法は、以下のとおりである。
まず、パターニング済みの透明導電膜(ITO)が膜厚110nmで成膜されたガラス基板を、純水と界面活性剤による超音波洗浄、純水による流水洗浄、純水とイソプロピルアルコールの1:1混合溶液による超音波洗浄、イソプロピルアルコールによる煮沸洗浄の順で洗浄処理した。この基板を沸騰中のイソプロピルアルコールからゆっくり引き上げ、イソプロピルアルコール蒸気中で乾燥させ、最後に、紫外線オゾン洗浄を行った。
このITO電極(陽極)を有する基板を、真空チャンバ内に配置し、1×10−6Torrまで真空排気し、該真空チャンバ内には、蒸着材料をそれぞれ充填した各モリブデン製ボートと、所定のパターンで成膜するための蒸着用マスクを設置しておき、前記ボートを通電加熱し、順次、所定の蒸着材料を蒸発させることにより、上記のような層構成となるように順次成膜した。
【0204】
最後に、真空チャンバを真空に保ったまま、マスクを交換し、陰極蒸着用のマスクを設置して、アルミニウム(Al)層からなる陰極を形成した。
そして、真空チャンバを大気圧に戻し、上記により各層を蒸着させた基板を取り出し、窒素置換されたグローブボックスに移し、UV硬化樹脂を用いて、別のガラス板により封止し、有機EL素子を得た。
【0205】
上記において作製した各白色燐光素子の効率評価を行った。電流密度:1、2.5、25A/mの際の効率を表1,2にまとめて示す。
また、電流密度2.5A/mにおける発光スペクトルを図1〜10に示す。
【0206】
【表1】

【0207】
【表2】

【0208】
上記各素子のいずれからも、白色発光が得られた。
これらの結果から、BP−1、2、4〜6はいずれも、電子輸送層及び電子注入層として機能することが認められた。
【0209】
(青色燐光素子の作製)
上記実施例1〜7において合成した各ビピリジン誘導体のうち、BP−5〜7シリーズを電子輸送層に用いて青色燐光素子を作製した。
【0210】
作製した素子の層構成を簡略化して示すと、ITO(110nm)/TAPC:MoO(30nm,10%)/TCTA:Firpic(5nm,7%)/TCTA:Firpic(5nm,20%)/電子輸送層(50nm)/LiF(0.5nm)/Al(100nm)である。
なお、上記カッコ内の数値は、膜厚(nm)及びドーパント濃度(%)を示す。
【0211】
[比較例1]
電子輸送層として、BP−5〜7シリーズに代えて、下記(化69)に示す化合物(BMPyPB)を用いた以外は、上記実施例と同様にして、青色燐光素子を作製した。
【0212】
【化69】

【0213】
上記において作製した各青色発光素子の効率評価を行った。電流密度:1、2.5、10、25A/mの際の効率を表3にまとめて示す。
また、室温、直流電流25A/mで素子を連続点灯させて、発光輝度が初期輝度の70%に減衰する時間を測定した。この結果も、表3に併せて示す。なお、この減衰時間の評価結果は、比較例1の素子を100とした相対値で表した。
また、10A/m時における素子発光スペクトルを図11〜17に示す。
【0214】
【表3】

【0215】
上記BP−5〜7を用いた各素子は、それぞれの発光スペクトルから、FIrpic由来の淡青色発光が得られた。したがって、BP−5〜7は、青色燐光素子に適用可能であることが認められた。
また、表3から、BP−5,6を用いた各素子は、1A/m、2.5A/mにおいて、BMPyPBを用いた素子(比較例1)と同等レベルもしくはそれ以上の効率であることが認められた。
なお、BMPyPBを用いた素子は、10A/m、25A/mにおいては、素子劣化により評価できなかった。これは、BMPyPBを用いた素子が不安定であることに起因しているものと思われる。
また、輝度が70%に減衰する時間は、BP−5〜7を用いた素子は、BMPyPBを用いた素子に対して、大きく改善していることが認められた。このことから、BP−5〜7を用いた素子は、BMPyPBを用いた素子に比べ、安定性が向上しているものと考えられる。
以上から、BP−5〜7は、BMPyPBに比べて、電子輸送性材料としての性能に優れていると言える。
【0216】
(シングルキャリア素子の作製)
上記実施例1〜7において合成した各ビピリジン誘導体BP−1〜7シリーズのいずれか、又は、上記比較例1で用いたBMPyPBを電子輸送層に用いて電子素子(シングルキャリア素子)を作製した。
【0217】
作製した素子の層構成を簡略化して示すと、ITO(110nm)/電子輸送層(100nm)/Liq(1.0nm)/Al(100nm)である。
なお、上記カッコ内の数値は、膜厚(nm)及びドーパント濃度(%)を示す。
【0218】
上記において作製した電子素子(シングルキャリア素子)のITO側を陽極、Al側を陰極として直流電流を通電し、電流密度−電圧特性評価を行った。
図18及び図19に、電流密度−電圧特性を示す。図18、BP−1〜4及びBmPyPBについて示したものであり、図19は、BP−5〜7及びBmPyPBについて示したものである。なお、評価測定中、各素子からの発光は観察されなかったため、得られた特性は、電子電流のみを反映したものである。
【0219】
図18,19に示した評価結果から、BP−1〜7の各ビピリジン誘導体は、電子輸送性材料として機能することが確認された。また、BP−1〜7の各ビピリジン誘導体を用いた電子素子の特性は、BmPyPBを用いた素子と比べて、BP−2pを用いた素子は同等であり、それ以外の各ビピリジン誘導体を用いた素子は、大幅に低電圧化していることが認められた。
このことから、BP−1〜7の各ビピリジン誘導体は、BmPyPBよりも、電子輸送性材料としての性能に優れていると言える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるビピリジン誘導体。
【化1】

(A、Aは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基であってもよい。a、bは、それぞれ独立に、1又は2である。Ar、Arは、それぞれ独立に、2又は3価の芳香族炭化水素基を表し、該炭化水素基は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。B、Bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、又は、置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。)
【請求項2】
下記一般式(2)で表される請求項1記載のビピリジン誘導体。
【化2】

(F、Fは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基であってもよい。ベンゼン環上の任意の水素原子は、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。l、mは、それぞれ独立に、1又は2である。D、Dは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、又は、置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。)
【請求項3】
下記一般式(3)で表される請求項1記載のビピリジン誘導体。
【化3】

(F、Fは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基であってもよい。ベンゼン環上の任意の水素原子は、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。l、mは、それぞれ独立に、1又は2である。D、Dは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、又は、置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。)
【請求項4】
下記一般式(4)で表されるビピリジン誘導体。
【化4】

(G〜Gは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基、フェノキサジル基及びフェノチアジル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基でもよい。o、p、q、rは、それぞれ独立に、1又は2である。Ar〜Arは、それぞれ独立に、2又は3価の芳香族炭化水素基を表し、該炭化水素基は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。)
【請求項5】
下記一般式(5)で表される請求項4記載のビピリジン誘導体。
【化5】

(G〜Gは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基、フェノキサジル基及びフェノチアジル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基でもよい。ベンゼン環上の任意の水素原子は、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。h、i、j、kは、それぞれ独立に、1又は2である。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。)
【請求項6】
下記一般式(6)で表されるビピリジン誘導体。
【化6】

(H、Hは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基でもよい。Ar、Arは、それぞれ独立に、2又は3価の芳香族炭化水素基を表し、該炭化水素基は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。t、uは、それぞれ独立に、1又は2である。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。)
【請求項7】
下記一般式(7)で表される請求項6記載のビピリジン誘導体。
【化7】

(H、Hは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族複素環基(カルバゾリル基を除く)を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基でもよい。ベンゼン環上の任意の水素原子は、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。t、uは、それぞれ独立に、1又は2である。環E、環Eは、ピリジン環を表し、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。)
【請求項8】
下記一般式(8)で表されるビピリジン誘導体。
【化8】

(H、Hは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、又は、置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表し、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基が組み合わされた置換基でもよい。ベンゼン環上の任意の水素原子は、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい。v、wは、それぞれ独立に、1又は2である。環E、環Eは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基のうちから選ばれた置換基を有していてもよい。)
【請求項9】
有機エレクトロニクス素子材料として用いられることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のビピリジン誘導体。
【請求項10】
電子輸送性材料として用いられることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のビピリジン誘導体。
【請求項11】
一対の電極間に、少なくとも1層の有機層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記有機層のうちの少なくとも1層が請求項1〜8のいずれかに記載のビピリジン誘導体を含有していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項12】
電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層及び発光層のうちの少なくとも1つの層が、請求項1〜8のいずれかに記載のビピリジン誘導体を含有していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−98948(P2011−98948A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282734(P2009−282734)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(504265754)財団法人山形県産業技術振興機構 (60)
【Fターム(参考)】