説明

ピグの位置検出装置及び方法

【課題】防爆仕様にすることなく簡素な構造でピグの位置を検出できる装置及び方法を提供する。
【解決手段】ピグ10が往復移動する塗料配管5を有する塗料供給装置における、ピグの位置を検出する装置であり、ピグの前面側の塗料配管に洗浄液を充填し、ピグを移動させたときの洗浄液の重量を計測する計測手段13と、ピグを移動させたときのピグの位置と洗浄液の重量との関係を記憶する記憶手段14と、計測手段で計測された洗浄液の重量に基づいて記憶手段に記憶されたピグの位置と液体の重量との関係からピグの位置を抽出する演算手段15とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車塗装ラインの塗料供給系等に用いられるピグの位置検出装置及び位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の塗装ラインなどで用いられている塗料供給装置は、各塗色の塗料が仕込まれた塗料タンクと、これを圧送するポンプと、塗料タンクから塗装機(実際はカラーチェンジバルブユニット)まで塗料を導く塗料配管とを有し、塗色数に応じた数だけこうした塗料タンク、ポンプおよび塗料配管が設置されている。そして、塗装機の上流側に設けられたカラーチェンジバルブを切り替えることで、車両仕様に応じた塗色の塗料を吹き付ける。
【0003】
ところで、複数の塗色に対して共通の循環配管を設け、この塗料配管内にピグと呼ばれる可動部材(フリーピストン)を通すことにより、塗料を供給したり、塗料配管に残留した前色塗料を回収したりすることも提案されている(特許文献1)。こうしたピグを用いた塗料供給系では、ピグの現在位置を検出することで塗料供給制御や塗料回収制御が実行されるが、従来のピグ位置検出装置としては、ピグ内に磁性体を埋め込み、塗料配管の特定位置に磁性センサを設けておくことで、ピグの通過を検出するものが提案されている。
【0004】
しかしながら、この主の位置検出装置では、ピグに磁性体を埋め込むためにピグ自体の構造が複雑になり、高価なものになったり、ピグの寿命が短命になったりする。また、磁性センサを塗料配管に設けると、塗装ブース内では磁性センサの信号線を防爆仕様にする必要があり、しかも電気回路も複雑になるので装置の信頼性が低下する。
【特許文献1】特開2002−126608号公報
【発明の開示】
【0005】
本発明は、防爆仕様にすることなく簡素な構造でピグの位置を検出できる装置及び方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のピグの位置検出装置は、ピグが往復移動する塗料配管を有する塗料供給装置における、前記ピグの位置を検出する装置において、前記ピグの前面側または背面側の塗料配管の少なくとも一方に液体を充填し、前記ピグを移動させたときの前記液体の重量または流量を計測する計測手段と、前記ピグを移動させたときの前記ピグの位置と前記液体の重量または流量との関係を記憶する記憶手段と、前記計測手段で計測された前記液体の重量または流量に基づいて前記記憶手段に記憶されたピグの位置と液体の重量または流量との関係からピグの位置を抽出する演算手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
また、上記目的を達成するために、本発明のピグの位置検出方法は、ピグが往復移動する塗料配管を有する塗料供給装置における、前記ピグの位置を検出する方法において、前記ピグの前面側または背面側の塗料配管の少なくとも一方に液体を充填するステップと、前記ピグを移動させたときの前記液体の重量または流量を計測するステップと、前記ピグを移動させたときの前記ピグの位置と前記液体の重量または流量との関係を求めておくステップと、前記ステップで計測された前記液体の重量または流量に基づいて前記予め求めておいたピグの位置と液体の重量または流量との関係からピグの位置を抽出するステップと、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明では、ピグの移動にともない所定の関係で増減する、ピグの前面側または背面側の塗料配管の容積を、そこに充填した液体の重量または流量で間接的に計測する。そして、ピグの位置と計測される液体の重量または流量(塗料配管の容積)との関係を予め求めておき、実際に計測された液体の重量または流量に基づいて、この関係からピグの位置を抽出すれば、塗装ブース内に電気的装置を設けることなく、またピグの構造も複雑にすることなく、ピグの位置を正確に検出することができる。
【発明の実施の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るピグ位置検出装置の実施形態を示すブロック図であり、塗装ガン1に塗料を供給するための塗料供給装置に本発明を適用した例である。また、図2〜図7は本発明に係るピグ位置検出装置の動作を説明するための要部ブロック図である。
【0009】
本例の塗料供給装置は、塗装ガン1と、この塗装ガン1に塗料を定量的に圧送するための塗料ポンプ2(たとえばギヤポンプ)と、多種類の塗料の中から塗装ガン1へ供給する塗料を選択するためのメインカラーチェンジバルブユニット(以下、メインCCVとも言う。)3と、このメインCCV3から供給される塗料を塗装ガン1へ導くための塗料配管4とを有する。
【0010】
図示する塗装ガン1は、たとえば塗装ブース内に設置された塗装ロボット1基に対して1台装着され、こうした塗装ガン1が装着された塗装ロボットが塗装ブース内に複数設けられている。
【0011】
メインCCV3は、マニホールド31に複数(同図では8個)の切替弁32a〜32hが設けられて構成され、切替弁32hを除く各切替弁32a〜32gには塗料が供給され、何れか一つの切替弁32a〜32gを選択することでマニホールド31内にその塗料が供給され、塗料配管4を介して塗料ポンプ2により塗装ガン1へ供給される。なお、切替弁32hにはメインCCV3から塗装ガン1までの塗料流路を洗浄するための洗浄液及びエアーが供給され、洗浄液の供給とエアーの供給を繰り返すことで色替え時の配管洗浄が行われる。
【0012】
塗料が供給される切替弁32a〜32gを代表して、図1に切替弁32gの詳細構造を示す。切替弁32g以外の切替弁32a〜32fは、この切替弁32gと同じように構成することができ、またこれに代えて塗料タンクからのメイン供給配管を直接切替弁32a〜32fに接続しても良い。
【0013】
代表的に示す切替弁32gには、塗料配管5の一端が接続され、この塗料配管5の他端に接続された供給側カラーチェンジバルブユニット(以下、供給側CCVとも言う。)6から塗料または洗浄液、エアーが供給される。また、切替弁32gには配管7を介して洗浄液が供給され、この配管7の途中に供給される洗浄液の流量を計測するための流量計(計測手段)8が設けられている。切替弁6は、供給側CCV6から供給される塗料または洗浄液、エアーと、配管7を介して供給される洗浄液とを選択的に切り替える機能と、この選択された塗料、洗浄液、エアー及び配管7を介して供給される洗浄液を、マニホールド31に送るか、廃棄配管9に送るかを切り替える機能を有する。
【0014】
供給側CCV6は、メインCCV3と同様のカラーチェンジバルブユニットであって、マニホールド61に複数(同図では7個)の切替弁62a〜62gが設けられて構成され、切替弁62gを除く各切替弁62a〜62fには塗料が供給され、何れか一つの切替弁62a〜62gを選択することでマニホールド61内にその塗料が供給され、塗料配管5を介してメインCCV3の切替弁32gへ供給される。なお、図示は省略するが、各切替弁62a〜62fに供給される塗料は、密閉された塗料タンク内に収容され、この塗料タンク内をエアーなどで加圧することでタンク内の塗料を切替弁62a〜62fへ圧送する。また、切替弁62gには供給側CCV6からメインCCV3までの塗料流路を洗浄するための洗浄液及びエアーが供給され、洗浄液の供給とエアーの供給を繰り返すことで色替え時の配管洗浄が行われる。
【0015】
本例では、供給側CCV6と切替弁32gとの間を接続する塗料配管5に、ピグ10が設けられ、この間に残留した前色塗料を塗料タンクへ回収する。このため、供給側CCV6のマニホールド61内に一方のピグステーション11が設けられ、メインCCV3の切替弁32gに他方のピグステーション12が設けられ、これら2つのピグステーション11,12間を移動可能に構成されている。
【0016】
本例のピグ10は、図4及び図6に示すように塗料配管5に残留した前色塗料を、その塗料タンクへ戻して回収するために塗料配管5内を移動するものであるが、当該ピグ10の現在位置が不明であると塗料供給制御のタイミングを適切に図ることができない。このため、ピグ10が図1において右側に移動する際(供給側CCV6からメインCCV3へ移動する際、以下、往路ともいう。)の位置を検出する装置として、廃棄配管9から排出される洗浄液の重量を計測する計測手段13と、ピグ位置と洗浄液の重量との関係を予め求め、これを数式や表などにマップ化することで記憶する記憶手段14と、記憶手段14に記憶されたピグ位置と洗浄液の重量との関係を参照して計測手段13で計測された実際の洗浄液の重量から実際のピグ位置を演算する演算手段15とを有する。
【0017】
なお、このときにピグ10の移動にともなってピグの前面に充填された洗浄液を廃棄配管9へ導く際に、常にこの流路に洗浄液が満たさせるように廃棄配管9に絞り弁16が設けられている。ここで、図1においてピグ10の右側をピグの前面といい、ピグ10の左側をピグの背面という。
【0018】
また、計測手段13、記憶手段14及び演算手段15などの電気信号を取り扱う装置は、塗装ブース外に配置することが好ましい。
【0019】
記憶手段14に記憶されるピグ位置と洗浄液重量の関係は、たとえば図3及び図4の左下に示すグラフであり、ピグ10が往復移動する塗料配管5の内部が均一であれば比例関係となるので、2つのピグステーション11,12間の塗料配管5の内容積を求めれば、同図に示すグラフは容易に取得することができる。なお、ここでいうピグ位置とは、たとえば一方のピグステーション(図3及び図4に示す例ではピグステーション11)を始点として、ここからの距離Lをいう。
【0020】
一方、ピグ10が図1において左側に移動する際(メインCCV3から供給側CCV6へ移動する際、以下、復路ともいう。)の位置は、ピグ10の前面に充填する洗浄液の流量を計測することで検出する。このため、メインCCV3の切替弁32gに供給される洗浄液の流量を計測するための流量計(計測手段)8と、ピグ位置と洗浄液の流量との関係を予め求め、これを数式や表などにマップ化することで記憶する記憶手段17と、記憶手段17に記憶されたピグ位置と洗浄液の流量との関係を参照して流量計(計測手段)8で計測された実際の洗浄液の流量から実際のピグ位置を演算する演算手段18とを有する。
【0021】
なお、流量計(計測手段)8、記憶手段17及び演算手段18などの電気信号を取り扱う装置は、塗装ブース外に配置することが好ましい。
【0022】
記憶手段17に記憶されるピグ位置と洗浄液流量の関係は、たとえば図6及び図7の下に示すグラフであり、ピグ10が往復移動する塗料配管5の内部が均一であれば比例関係となるので、2つのピグステーション11,12間の塗料配管5の内容積を求めれば、同図に示すグラフは容易に取得することができる。なお、ここでいうピグ位置とは、たとえば一方のピグステーション(図6及び図7に示す例ではピグステーション12)を始点として、ここからの距離Lをいう。
【0023】
次に動作を説明する。
【0024】
本発明に係るピグの位置検出動作を説明する前に、本例に係る塗料供給装置の概要を説明する。ここでは、供給側CCV6の切替弁62dから塗料A(たとえば、ホワイト)を塗装ガン1へ供給する場合を例に挙げて説明すると、まずピグ10は供給側CCV6のピグステーション11に収容された状態となる。また、供給側CCV6の切替弁62d以外の切替弁は全て閉状態となり、メインCCV3の切替弁32gは塗料配管5を介して送られてくる塗料Aをマニホールド31へ導くように切り替えられ、その他の切替弁32a〜32f,32hは全て閉状態に制御される。そして、塗料Aが収容された塗料タンク内を加圧することで塗料Aを押し出すと、塗料Aはピグ10を押しながら、供給側CCV6の切替弁62d→マニホールド61→塗料配管5→メインCCV3の切替弁32gに至り、ここで塗料ポンプ2を作動させることで塗料Aはさらにマニホールド31→塗料配管4→塗装ガン1の順に送られ、被塗物に向かって吐出することになる。この塗料ポンプ2の作動タイミングは、塗料Aの供給により移動するピグ10がピグステーション12へ到着したことを検出して実行される。
【0025】
この塗料Aの塗装が終了し、次色が塗料A以外の場合には色替え操作と本発明に係るピグ位置の検出操作が実行されるが、この色替え及びピグ位置検出は以下の手順で行われる。
【0026】
まず、塗料Aの塗装完了の信号に基づいて、塗料Aが収容された塗料タンク内の加圧を停止する。また、メインCCV3の切替弁32gのマニホールド31へ続く弁を閉じるとともに、配管7から続く弁を開けて洗浄液を供給する。一方、メインCCV3においては、切替弁32hを開いてマニホールド31内へエアーと洗浄液を交互に供給し、マニホールド31から塗装ガン1の間に残留した前色の塗料Aを塗装ガン1から押し出して廃棄するとともにこの間の流路を洗浄する。
【0027】
供給側CCV6からメインCCV3の切替弁32gにおいては、配管7を介して洗浄液を切替弁32gに供給することで、ピグステーション12に保持されていたピグ10を供給側CCV6へ向かって移動させる。この状態を図5〜図7に示す。この操作により、塗料配管5に残留した塗料Aが塗料タンクへ回収されることになる。また、ピグ10の移動により塗料配管5の内壁に付着した塗料Aも掻き取られ、さらにピグ10の前面に洗浄液が充填されるのでこれによっても塗料配管5が洗浄されることになる。
【0028】
この洗浄液を塗料配管5に充填する際に、配管7に設けられた流量計(計測手段)8によって供給される洗浄液の流量を計測し、所定間隔で演算手段18へ送出する。演算手段18では、流量計8から実際の洗浄液流量が入力されるたびに、記憶手段17に記憶されたピグ位置と洗浄液流量との関係を参照し、計測された実際の流量に基づいて実際のピグ位置を抽出する。たとえば、図6に示すように、流量計8にて計測された洗浄液流量がQ1であるときは、記憶手段17に記憶された同図の下に示すグラフを参照し、横軸の洗浄液流量Q1に基づいて縦軸のピグ位置L1を求める。これにより、ピグ10の復路における位置Lを検出することができ、このピグ位置が図7に示すL2、すなわちピグステーション11に到着したことを検出したら、配管7からの洗浄液の供給を停止し、供給側CCV6の切替弁62dも閉じる。以上により、塗料Aの塗装を終了してから次色供給に至るまでの色替え操作及びピグ位置検出操作(復路)が終了する。
【0029】
次に、図7に示す状態から次色塗料B(たとえばブラック)を供給する際のピグ位置検出操作について図2〜図4を参照しながら説明する。
【0030】
次色塗料Bは供給側CCV6の切替弁62aから供給されるものとすると、図2に示すように、ピグ10は供給側CCV6のピグステーション11に収容された状態となり、上述したとおりピグ10の前面側の塗料配管5には洗浄液が充填されている。また、供給側CCV6の切替弁62a以外の切替弁は全て閉状態となり、メインCCV3の切替弁32gは塗料配管5を介して送られてくる充填された洗浄液を廃棄配管9のみへ導くように切り替えられ、その他の切替弁32a〜32f,32hは全て閉状態に制御される。そして、塗料Bが収容された塗料タンク内を加圧することで塗料Bを押し出すと、塗料Bはピグ10を押しながら、供給側CCV6の切替弁62a→マニホールド61→塗料配管5→メインCCV3の切替弁32gに至る。
【0031】
この塗料Bを塗料配管5を介してメインCCV3へ圧送する際に、廃棄配管9から廃棄される洗浄液の重量を計測手段13によって計測し、所定間隔で演算手段15へ送出する。演算手段15では、計測手段13から実際の洗浄液重量が入力されるたびに、記憶手段14に記憶されたピグ位置と洗浄液重量との関係を参照し、計測された実際の重量に基づいて実際のピグ位置を抽出する。たとえば、図3に示すように、計測手段13にて計測された洗浄液重量がW1であるときは、記憶手段14に記憶された同図の左下に示すグラフを参照し、横軸の洗浄液重量W1に基づいて縦軸のピグ位置L1を求める。これにより、ピグ10の往路における位置Lを検出することができ、このピグ位置が図4に示すL2、すなわちピグステーション12に到着したことを検出したら、塗料ポンプ2を作動させ、ピグ10の背面に充填されている塗料Bを、さらにマニホールド31→塗料配管4→塗装ガン1の順に送り、被塗物に向かって吐出させる。
【0032】
以上により、ピグ10によって塗料配管5に残留した前色塗料を回収することができるとともに、往路及び復路の両方においてピグ10の現在位置を正確に検出することができる。特に本例では、ピグ10自体に磁性体などを設けることなく従来のピグを使用することができ、しかも塗装ブース内に電気配線を設ける必然性もないので防爆仕様にする必要もない。
【0033】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0034】
たとえば、上述した実施形態では、往路のピグ位置を洗浄液の重量により検出し、復路のピグ位置を洗浄液の流量により検出するように構成したが、洗浄液の重量に代えて洗浄液の流量によりピグ位置を検出することもできるし、逆に洗浄液の流量に代えて洗浄液の重量によりピグ位置を検出することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係るピグ位置検出装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るピグ位置検出装置の動作を説明するための要部ブロック図である。
【図3】本発明に係るピグ位置検出装置の動作を説明するための要部ブロック図である。
【図4】本発明に係るピグ位置検出装置の動作を説明するための要部ブロック図である。
【図5】本発明に係るピグ位置検出装置の動作を説明するための要部ブロック図である。
【図6】本発明に係るピグ位置検出装置の動作を説明するための要部ブロック図である。
【図7】本発明に係るピグ位置検出装置の動作を説明するための要部ブロック図である。
【符号の説明】
【0036】
1…塗装ガン
2…塗料ポンプ
3…メインCCV
31…マニホールド
32a〜32h…切替弁
4,5…塗料配管
6…供給側CCV
61…マニホールド
62a〜62g…切替弁
7…配管
8…流量計(計測手段)
9…廃棄配管
10…ピグ
11,12…ピグステーション
13…計測手段
14,17…記憶手段
15,18…演算手段
16…絞り弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピグが往復移動する塗料配管を有する塗料供給装置における、前記ピグの位置を検出する装置において、
前記ピグの前面側または背面側の塗料配管の少なくとも一方に液体を充填し、前記ピグを移動させたときの前記液体の重量または流量を計測する計測手段と、
前記ピグを移動させたときの前記ピグの位置と前記液体の重量または流量との関係を記憶する記憶手段と、
前記計測手段で計測された前記液体の重量または流量に基づいて前記記憶手段に記憶されたピグの位置と液体の重量または流量との関係からピグの位置を抽出する演算手段と、を有することを特徴とするピグの位置検出装置。
【請求項2】
前記液体が前記塗料配管の洗浄液であることを特徴とする請求項1記載のピグの位置検出装置。
【請求項3】
前記計測手段は、前記ピグの前面側に予め充填された液体の重量または流量を、前記ピグを前面側に向かって移動させながら計測することを特徴とする請求項1または2記載のピグの位置検出装置。
【請求項4】
前記ピグの背面側に塗装すべき塗料を充填することにより、前記ピグを前面側に向かって移動させることを特徴とする請求項3記載のピグの位置検出装置。
【請求項5】
前記計測手段は、前記ピグの前面側に充填してゆく液体の重量または流量を、前記ピグを背面側に向かって移動させながら計測することを特徴とする請求項1または2記載のピグの位置検出装置。
【請求項6】
前記ピグを背面側に向かって移動させることにより、前記ピグの背面側に充填されている塗料を回収することを特徴とする請求項5記載のピグの位置検出装置。
【請求項7】
ピグが往復移動する塗料配管を有する塗料供給装置における、前記ピグの位置を検出する方法において、
前記ピグの前面側または背面側の塗料配管の少なくとも一方に液体を充填するステップと、
前記ピグを移動させたときの前記液体の重量または流量を計測するステップと、
前記ピグを移動させたときの前記ピグの位置と前記液体の重量または流量との関係を求めておくステップと、
前記ステップで計測された前記液体の重量または流量に基づいて前記予め求めておいたピグの位置と液体の重量または流量との関係からピグの位置を抽出するステップと、を有することを特徴とするピグの位置検出方法。
【請求項8】
前記液体が前記塗料配管の洗浄液であることを特徴とする請求項7記載のピグの位置検出方法。
【請求項9】
前記ピグの前面側に前記液体を予め充填しておき、この充填された液体の重量または流量を、前記ピグを前面側に向かって移動させながら計測することを特徴とする請求項7または8記載のピグの位置検出方法。
【請求項10】
前記ピグの背面側に塗装すべき塗料を充填するステップを有し、これにより前記ピグを前面側に向かって移動させることを特徴とする請求項9記載のピグの位置検出方法。
【請求項11】
前記ピグの前面側に充填してゆく液体の重量または流量を、前記ピグを背面側に向かって移動させながら計測することを特徴とする請求項7または8記載のピグの位置検出方法。
【請求項12】
前記ピグを背面側に向かって移動させることにより、前記ピグの背面側に充填されている塗料を回収するステップを有することを特徴とする請求項11記載のピグの位置検出方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−192407(P2006−192407A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−9202(P2005−9202)
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】