説明

ピストンを冷却するための方法並びに冷却されたピストン

本発明は、少なくとも1つの燃焼噴流にさらされているピストンヘッド(17)をオイルを噴射することにより冷却し、オイルを圧力室(12)から、分離エレメント(11)の少なくとも1つの開口(16)を通じて、オイルが充填されている圧力室(12)において形成された圧力によりピストンヘッドの下面(18)の少なくとも1つの領域に向かって噴射し、分離エレメント(11)はピストン(1)の冷却通路(9)内に位置決めされていることにより、冷却通路(9)の壁の一部分と分離エレメント(11)の壁の一部分との間に、オイルを充填可能な圧力室(12)を冷却通路(9)に形成する、内燃機関のピストン(1)の冷却であって、本発明により、燃焼噴流に直接的にさらされていないピストンヘッド(17)の領域と反対側に位置するピストンヘッドの下面(18)の領域に向かって連続的にオイルを噴射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの独立請求項の各上位概念部の特徴を有する、少なくとも1つの燃焼噴流にさらされているピストンヘッドをオイルを噴射して冷却する、内燃機関のピストンを冷却するための方法並びに内燃機関のピストンに関する。
【0002】
国際公開第2007110056号明細書において内燃機関のためのピストンが公知になっている。このピストンの全周に亘って延びている冷却通路に、ピストンヘッドに対して平行に配置されている環状の分離壁が設けられている。分離壁は1つ又は複数のノズル状の開口を有している。ピストンの冷却媒体としてはオイルが使用される。各開口のオイル流出噴射は、ピストンヘッドの下面に向かって方向付けられている。この構成において、少なくとも1つの燃焼噴流にさらされている上面とは反対側に位置する下面の領域にオイル流出噴射がぶつかる。
【0003】
内燃機関におけるピストンの運転時に、燃料の燃焼によりピストンヘッドの上面及びピストン自体に高温が発生する。高温下での運転は、とりわけピストンがシリンダにおいて高温時に膨張し、もって運転中にピストンに沿って他の摩擦状態が生じるので、ピストンの運転安定性を制限するという点で欠点となる。ピストンヘッドの上面における高温負荷は、ピストンの材料疲労にも繋がり、長期的には過熱に基づき材料破壊に繋がる。
【0004】
したがって本発明の目的は、運転中のピストンの温度を下げることができる、冒頭で述べた形式の方法並びにピストンを提供することである。
【0005】
上記目的は本発明によれば、燃焼噴流に直接的にさらされていないピストンヘッドの領域とは反対側に位置する、ピストンヘッドの下面の領域に向かって連続的にオイルを噴射することにより達成される。
【0006】
本発明に基づいて内燃機関のピストンを冷却することにより、以下の利点がもたらされる。
【0007】
1つにはオイルによる適切な冷却により、燃焼室及びピストンにおけるリング溝の温度を下げる。もう1つにはピストンの運転安全性が、下げられた作業温度により改良される。本発明によれば、ピストン、特にピストンヘッドの表面温度は下げられる。さらに冷却によりピストンの材料疲労のリスクが減じられる。長期的に材料は、例えば材料亀裂、材料摩耗及び/又は材料損傷といった破壊からも保護される。付加的に分離エレメントにおける適切な数の開口及び開口の適切な直径により、ピストンの最適な冷却がもたらされる。圧力室における適切な圧力により、ピストンの下面におけるオイルカーボンの形成が防がれるように最適に圧力室からオイルが噴出する。
【0008】
本発明の有利な構成において、ピストンは少なくとも1つの中断した冷却通路を含んでいるので、冷却通路自体はピストン内において完全に環状に延びていない構成が可能である。本発明の別の有利な構成において、ピストンは、夫々中断されていて互いに間隔をおいて、有利な一平面において全周に亘って環状に延びている複数の冷却通路を有していることが可能である。有利には各冷却通路は夫々、平面においてピストン中心軸線に対して同じ間隔を持って配置されている。ピストンの冷却通路は、択一的には有利な別の構成において、ピストンにおける冷却通路として完全に全周に亘って延びていてもよい。
【0009】
本発明によれば分離エレメントは冷却通路内に位置決めされており、ピストンの冷却通路を2つの領域に分割する。冷却通路に形成される1つの領域は、体積に関して減じられた冷却通路であり、形成される他の領域は、かつての冷却通路に形成される圧力室である。この圧力室は体積に関して、冷却通路及び減じられた冷却通路の差にほぼ一致する。
【0010】
分離エレメントはオイルが連続的に流出し、オイルをピストンの下面に噴射する少なくとも1つの開口を有する。
【0011】
分離エレメントは、冷却通路の形状に適合されて形成されるようになっている。これにより分離エレメントは冷却通路内に適切に位置決め可能である。分離エレメントは1つの部分として形成されていることが可能である。択一的には分離エレメントは複数の個別部分から成っていてもよく、これらの個別部分を組み合わせて1つの分離エレメントを形成することができる。分離エレメントの形状は、分離壁の形式の平坦な形状、湾曲した形状、斜めの形状又は任意の別の幾何学的に可能な形状を有していてよい。分離エレメントの寸法は、ピストンの使用に適合されている。したがってピストンの寸法に応じて、ひいては冷却通路の寸法に応じて、分離エレメントは適切に寸法設定されている。
【0012】
本発明の別の有利な構成において、分離エレメントは金属又は軽金属、有利には鋼、鋼合金、アルミニウム又はアルミニウム合金から製造されている。さらに分離エレメントがプラスチック又は硬質組成物から成ることが可能である。
【0013】
有利には分離エレメントは、例えば鋳造といった成形方法、例えば鍛造又はプレス加工といった変形加工方法、及び/又は、例えば旋削、研削又はフライス加工といった切削製造方法により製造される。
【0014】
ピストンの冷却通路における圧力室は、冷却通路の壁の一部分と、分離エレメントの壁の一部分との間に形成される。本発明によれば圧力室は加圧された状態においてオイルで充填されている。択一的には、圧力室が任意の別の冷却媒体によって充填されていることも可能である。
【0015】
ピストンにおける圧力室の表面の一分部は特に所定の製造方法、有利には切削加工による製造方法により加工されて、高い表面品質が得られる。高い表面品質により、研削及び/又はフライス加工といった製造方法により加工された冷却通路への、分離エレメントの適切な挿入が可能になる。この構成において、圧力室の表面の一部分は、有利には側方から加工され、つまり工具が、例えば2つの部分から成るピストンの場合に、圧力壁を分離エレメント及び圧力室壁の接触面に合わせて加工し、また圧力室の他の表面を各側方から加工する。
【0016】
冷却通路内への分離エレメントの適切な挿入により、冷却通路の壁が分離エレメントと共に小さな公差を持った嵌合いを形成するので、閉鎖された圧力室が形成可能である。
【0017】
本発明のさらに別の有利な構成において、冷却通路において分離エレメントによって形成された圧力室は、少なくとも1つのシールエレメントを介して、有利には少なくとも1つのシールエレメント及び/又は少なくとも1つの硬質ゴムにより、ピストンにおける冷却通路に対して分離エレメント及び冷却通路の接触面の部分においてシールされる。これにより圧力室における圧力損失は回避される。分離エレメント及び冷却通路の接触面の形状及び構成に応じて、有利にはシールエレメント及び/又は硬質ゴムが使用される。
【0018】
オイルによって充填された圧力室において、有利には1.5〜10barの圧力、有利には約3barの圧力が形成される。これにより圧力室に連続的に圧力が形成され、オイルは連続的に圧力室に集められる。この構成において、新しいオイルはその都度、所定の圧力及び体積流を持って圧力室内に連続的に流入するので、運転のために調節された圧力が維持されたままである。オイルによって充填された圧力室内に形成される圧力は、有利にはコネクティングロッド又はピンによりポンプ作用又は噴入により形成される。ピンを介してのオイルの供給時に例えば、オイルがピン孔を介して供給されることが可能である。ピストンの使用及び大きさに応じて、1.5〜10barの限界を超えている他の圧力を適切に調節することができる。
【0019】
本発明のさらに別の有利な構成として、分離エレメントが摩擦結合、有利にはねじ結合又は圧着結合により冷却通路に取り付けられる。ねじ結合時に、分離エレメントは冷却通路において位置決めされ、有利には少なくとも1つのねじ及びピストンにおける少なくとも1つのねじ山により冷却通路に取り付けられる。プレス結合の場合、有利には分離エレメントと冷却通路との取外し不能の結合が形成されるように、分離エレメントは冷却通路に取り付けられる。
【0020】
択一的又は付加的には、分離エレメントが素材結合、有利には接着及び/又は溶接により冷却通路に取り付けられていることが可能である。素材結合の場合、冷却通路に位置決めされている分離エレメントは冷却通路に、有利には固く接着されかつ/又は冷却通路に有利には溶接される。これにより分離エレメントと冷却通路との取外し不能の結合がもたらされる。
【0021】
さらに別の有利な構成において、分離エレメントは冷却通路において、有利には鋳造といった成形方法により形成されることが可能である。有利にはピストンは、砂型鋳造又はダイカストといった成形方法により、一体のピストンとして製造される。冷却通路及び冷却通路内にある分離エレメントは、例えば中子消失技術(Technik des verlorenen Kerns)を用いて砂型鋳造による鋳造時に一緒に、直接的にピストンに製造される。択一的には、分離エレメントはダイカストにおいても、中子消失技術により鋳造時に直接的にピストンに鋳込むことができる。択一的には、上側部分及び下側部分は互いに別個に鋳造することができる。この構成において上側部分又は下側部分の鋳造時に、分離エレメントは一緒に鋳込まれる。
【0022】
択一的には、ピストン又は上側部分及び下側部分を、例えば鍛造又はプレス加工といった変形加工法により、又は例えば旋削又はフライス加工といった切削加工法により製造することも可能である。択一的には上側部分及び下側部分は夫々、種々異なる製造方法によって製造することもできる。
【0023】
1つの部分から成るピストンは、有利には金属又は軽金属、有利には鉄、鋼、鋼合金、アルミニウム又はアルミニウム合金から製造されている。上側部分及び下側部分を有する2つの部分から成るピストンにおいて、上側部分及び下側部分のための同じ又は種々異なる材料が使用される。上側部分及び下側部分のための材料として、有利には金属又は軽金属、特に鉄、鋼、鋼合金、アルミニウム又はアルミニウム合金が使用される。
【0024】
以下に、分離エレメントにおける唯一の開口の構成についてのみ例示的に記載する。圧力下にあり、ピストンの冷却ために使用される圧力室内のオイルは、分離エレメントにおける少なくとも1つの開口を通じて、ピストンの下面に向かって連続的に噴射される。有利にはオイルは、燃焼噴流に直接的にさらされていないピストンヘッドの領域とは反対側に位置する、ピストンヘッドの下面の領域に適切に連続的に噴射される。これにより、少なくとも1つの燃焼噴流により冷却されないピストンの領域がまさに冷却される。燃焼噴流がピストンに衝突せず、燃焼噴流の燃料により冷却されない領域において、100℃以上の温度が発生する、ということが温度測定から公知である。ピストンにおいて燃焼噴流が衝突する領域における温度は、燃焼噴流が衝突しない領域の温度よりも低い。燃焼室に導入される燃料噴射を燃焼噴流と理解することができる。この燃焼噴流はピストンヘッドの表面に衝突し、燃焼室において燃焼する。
【0025】
開口が分離エレメント自体に形成されているか、又は一緒になって1つの分離エレメントを組立て可能である2つ以上の個別部分により形成されることが可能である。分離エレメントは、冷却通路の構成に応じて、一種の分割リング又はリングとして形成されてもいる。この構成において、オイルは分離エレメントの開口を通って夫々、冷却通路の円形、環状及び/又は楕円形の循環路に関してピストンヘッドの下面に適切に噴射される。冷却通路が円形、環状及び/又は楕円形の循環路の場合であっても、冷却通路の延びは中断されていてよく、これにより中断された領域が仮に結合された場合にのみ、完全な円形、環状形及び/又は楕円形がもたらされる。
【0026】
分離エレメントにおける開口は、有利には通常の孔として構成されている。この構成において、分離エレメントにおける開口は、表面及び形状に関して製造技術的に特別な加工は施されていない。択一的には開口はベンチュリノズルとして、又は一種の他のノズルタイプとして形成されていてもよい。この構成において択一的には、通常の孔である開口が一種のノズルのように穿孔されていてもよく、これにより一種のノズルの形式の穿孔された孔がもたらされる。択一的に開口は、分離エレメント自体の鋳造中に既に分離エレメントに加工されることが可能である。本発明の他の有利な構成として開口は、有利には環状、スリット状及び/又はノズル状に形成されている。開口の一構成において、広幅で面状の噴射が流出することができるスリット状の開口が広幅なスリットとしてもたらされる。
【0027】
本発明によれば開口は、少なくとも1つの燃焼噴流に直接的にさらされていないピストンヘッドの領域とは反対側に位置する、ピストンヘッドの下面の領域に適切に連続的にオイルが噴射されるように、ピストンヘッドの下面の領域に向かって方向付けられている。択一的又は付加的には、さらに別の有利な構成において開口は、ピストンヘッドの下面の領域に向かって方向付けられていてもよいので、少なくとも1つの燃焼噴流に直接的にさらされているピストンヘッドの領域とは反対側に位置する、ピストンヘッドの下面の領域に適切に連続的にオイルが噴射される。これにより反対側に位置して燃焼噴流にさらされているピストンヘッドの下面の領域と、反対側に位置して直接的に燃焼噴流にさらされていないピストンヘッドの下面の領域とは、少なくとも2つの開口の使用時には各開口により、例えば対応配置によって噴射されることが可能である。この結果、燃焼噴流にさらされている領域は、一方の開口によって噴射され、また燃焼噴流にさらされていない領域は、他方の開口によって噴射される。択一的には、部分領域における反対側に位置する面において夫々燃焼噴流にさらされていて、かつ部分領域において夫々燃料噴射にさらされていない、ピストンの下面の所定の領域にオイルは唯一の開口を通じて噴射されることも可能である。さらに別の有利な構成において、分離エレメントにおける開口の形状及び構成は変化するので、1つの分離エレメントにおける種々異なる形式の開口が存在するということが可能である。
【0028】
本発明のさらに別の有利な構成においてオイルは、ピストンのストローク運動により分離エレメントの開口を通じて圧力室から付加的にピストンの下面に向かって引き出され加速される。圧力室におけるオイルの慣性により、とりわけピストンが燃焼室から再び進出し、燃焼室が拡大されると、圧力室内の圧力はピストンのストローク運動により増幅される。
【0029】
ピストンの運転中にピストンの最適な冷却を達成するために、分離エレメントにおける開口の数は互いに調節する必要がある。最適な冷却のために各開口の直径を適合させる必要もある。分離エレメントにおける開口の寸法は、分離エレメント及び各ピストンに必要な冷却管路の寸法に夫々適合させられる。さらに別の有利な構成において有利には、完全に全周に亘って延びている通路のために1〜180個の開口が使用される。中断した冷却通路のための開口の数は夫々、完全に全周に亘って延びている冷却通路の長さに対する中断した冷却通路の長さの比率から算出できる係数によってもたらされる。したがって、全周の50%に亘って延在している冷却通路において、開口の有利な数は1〜90個であり、もたらされる比率は0.5である。択一的又は付加的に開口の直径に対する開口の数の比率は、1:10 1/mm(1ミリメートルあたり1対10)と、360:1 1/mm(1ミリメートルあたり360対1)との間にあってよい。
【0030】
本発明のさらに別の有利な構成においてピストンは、ピストンの組立時に少なくとも1つの共通の載置面が形成可能である1つの上側部分と1つの下側部分とから製造されている。これによりピストンへの別体の分離エレメントの簡単な位置決め及び組付けが、載置面の領域において可能である。
【0031】
本発明のさらに別の有利な構成において、ピストンは少なくとも1つの冷却スリット及び/又は少なくとも1つの冷却孔を包含している。冷却スリット及び/又は冷却孔は、有利には、中断した冷却通路の間に夫々配置されていてよく、これによりピストン若しくはピストンヘッドの冷却は、冷却スリット及び/又は冷却孔によって高められる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ピストンの一部を示す図であって、ピストンの冷却通路内に分離エレメントが植込みボルトにより取り付けられている。
【図2】硬質ゴムによってピストンの冷却通路内に固定されている、ピストンの一部分における分離エレメントを示す図である。
【図3】ねじによってピストンの冷却通路内に固定されている、ピストンの一部分における分離エレメントを示す図である。
【図4】ピストンの一部分における分離エレメントの別の実施の形態を示す図である。
【0033】
4枚の図面において、本発明の有利な実施の形態を詳細に説明する。
【0034】
4枚の図面、つまり図1〜4に、内燃機関のためのピストン1の一部を示す。ピストン1は3つの実施の形態において夫々同一に構成されており、以下にまず全般的に記載する。次いで3つの実施の形態を夫々詳細に説明する。最後に、運転状態にあるピストンを3つの実施の形態に基づいて説明する。同じ構成部分には、4枚の図面において同じ符号を付し、図面において種々異なる構成部分には新たな符号を使用する。
【0035】
3つの実施の形態において内燃機関のためのピストン1は、上側部分2と下側部分3とから製造されている。
【0036】
上側部分2は下側部分3に対して別体に製造されている。上側部分2と下側部分3との間に少なくとも1つの共通の載置面が形成可能である。3つの実施の形態においては夫々、2つの載置面4,5が形成される。
【0037】
この実施の形態において上側部分2と下側部分3とは、例えば唯一のねじ結合による摩擦結合により互いに結合されている(図示せず)。上側部分2及び下側部分3の位置決めのために、2つの載置面4,5を適切に位置決めするピンが使用される。
【0038】
択一的又は付加的には、上側部分と下側部分とは、例えばプレス結合といった他の摩擦結合により互いに結合することもできる。
【0039】
択一的又は付加的には、上側部分と下側部分とは、例えば接着及び/又は溶接といった素材結合により互いに結合することもできる。
【0040】
ピストン1は、少なくとも1つの燃焼室6、各実施の形態においては唯一の燃焼室6と、少なくとも1つのリング溝7、各実施の形態においてはピストン1の全周に亘って延びている3つのリング溝7と、唯一のピストンヘッド17と、少なくとも1つの冷却通路9、各実施の形態においてはピストン1において中断した2つの冷却通路9と、各冷却通路9からのオイルの排出のための少なくとも1つの流出開口10、実施の形態においては中断した各冷却通路9のための複数の流出開口10とを有する。さらにピストン1は図1〜3に記載の各実施の形態において各中断した冷却通路9に対して、中断した各冷却通路9において全周に亘って延びている唯一のシールリング8を1つの溝内に有し、図4に記載の実施の形態においては、中断した各冷却通路9において全周に亘って延びている2つのシールリング8を有する。各シールリング8はピストン1において主に、中断した各冷却通路9をシリンダブッシュの領域に対してシールするという役割を有する。少なくとも1つの燃焼噴流がピストンヘッド17の上面に当たる。本発明の実施の形態においては複数の燃焼噴流が、ピストンヘッド17の上面に当たる(図1〜4に示さず)。
【0041】
以下に、例えばピストン1において中断した2つの冷却通路9の一方を詳細に説明する。中断した他の冷却通路9は同一に形成されている。2つの中断した冷却通路9は夫々、一平面においてかつピストン中心軸線(ストローク方向に見て)に対して同じ距離を持って、ピストン1において同じ間隔を置いて互いに配置されているようにピストン1に配置されているので、各実施の形態において対称的な配置がもたらされる。中断した2つの冷却通路9は夫々、冷却通路9の寸法に基づき約150°の角度を形成する。中断した2つの冷却通路9を有するピストン1は、付加的に少なくとも1つの冷却スリット及び/又は少なくとも1つの冷却孔を、中断した2つの冷却通路9の間の間隔が存在する個所に有することができる。この実施の形態において2つの冷却スリットは夫々、冷却をさらに助成するために上記個所に一緒に加工されている。
【0042】
以下に記載するピストン1における中断した2つの冷却通路9の一方は、各実施の形態において、分離エレメント11により2つの領域に分割される。冷却通路9に形成される領域は、冷却通路9の壁の一部と分離エレメント11の壁の一部との間に形成されてもたらされる圧力室12である。冷却通路9における他の第2の領域は、元々の冷却通路9に比べて体積に関して減じられている冷却通路9aである。
【0043】
3つの実施の形態において中断した冷却通路9は、単に唯一の個別部分から成る唯一の分離エレメント11を含む。分離エレメント11は、中断した全冷却通路9の領域において一周している。分離エレメント11は、図1〜4に示す実施の形態においては、少なくとも1つの開口16も含む。各実施の形態は複数の開口16を有しており、これらの開口16は各実施の形態において詳細に説明する。
【0044】
択一的には、複数の個別部分から成る分離エレメントが組み合わされて、1つの全体的な分離エレメントを形成することができる。分離エレメントは組み合わされて、中断した冷却通路の領域を完全に延在している。少なくとも1つの開口を、少なくとも2つの分離エレメントにより形成することもできるので、少なくとも唯一の開口が、少なくとも2つの分離エレメントの組立て時に形成される。
【0045】
本発明の実施の形態において分離エレメント11は、例えばアルミニウム合金から製造されている。
【0046】
以下に、3つの実施の形態をさらに夫々個別に詳細に説明する。
【0047】
図1に示す実施の形態において分離エレメント11は、中断した冷却通路9内に、例えばねじ結合といった摩擦結合により取り付けられている。
【0048】
ねじ結合のためにピストン1の中断した冷却通路9において、例えば植込みボルト13が使用される。この植込みボルト13は、ピストン1の下側部分3においてねじ山によって不動にねじ止めされる。ピストン1の中断した冷却通路9に分離エレメント11を取り付けるために、有利には3つの植込みボルト13が使用される。択一的には、分離エレメント11をピストン1に取り付けるために、植込みボルト13の代わりに、例えば円筒ねじといった任意の他の型のねじを使用することができる。さらに下側部分3は、植込みボルト13が夫々設けられている個所に適合するねじ山付き孔を有している。
【0049】
分離エレメント11はさらに、各植込みボルト13が分離エレメント11の下側において位置決めされている個所に適合するように加工された取付け開口14を有する。
【0050】
以下に図1において示した、使用されている1つの植込みボルト13を例示的に記載する。
【0051】
植込みボルト13が分離エレメント11の取付け開口14に位置決めされることにより、分離エレメント11は下側をねじ山により下側部分3内にねじ止めされている植込みボルト13の上側においてナットを介して植込みボルトに取り付けられる。
【0052】
図1によれば、分離エレメント11は下側部分3の所定の面に所定の領域で載置されているので、圧力室12が形成される。分離エレメント11の他の領域は、冷却通路9の壁と共に少なくとも1つのシールエレメント、有利には少なくとも1つのシールリングエレメント15及び/又は少なくとも1つの硬質ゴムにより、ピストン1における減じられた冷却通路9aに対してシールされる。図1に記載の実施の形態においては、分離エレメント11に対して夫々、この分離エレメント11と冷却通路9の壁との間の圧力室12をシールする唯一のシールリングエレメント15が使用される。このシールリングエレメント15は、図1によれば、分離エレメント11における溝内に挿入されている。
【0053】
択一的に分離エレメントは冷却通路の壁に対して、例えば分離エレメントと下側部分における冷却通路壁との間において位置決めされている硬質ゴムによりシールすることができる。
【0054】
ピストン1における圧力室12の表面は、所定の製造方法、有利には、例えばフライス加工及び/又は研磨加工といった切削製造方法により、分離エレメント11の挿入前に良い表面品質を得るために加工される。これにより例えばシールエレメント15を使用して良好にシールすること、及び冷却通路9において下側部分3に分離エレメント11が良好に接触することが可能になる。例えば圧力室12がまずフライス加工され、次いで研磨されるので、滑らかで品質の高い表面が得られる。
【0055】
ピストンの特定の構成、例えば鋳造されたピストンにおいては、上記方法ステップを省略することもできる。
【0056】
択一的又は追加的に分離エレメントは冷却通路において他の摩擦結合、有利には圧着結合により取り付けることもできる。このために分離エレメントと冷却通路の壁とは、分離エレメントが、例えば楔状に下側部分に挿入若しくは圧入されることにより、摩擦結合を形成する。
【0057】
択一的又は追加的に、分離エレメントは冷却通路において素材結合、有利には接着及び/又は溶接により取り付けることができる。このために分離エレメントは冷却通路の壁に接着及び/又は溶接される。
【0058】
この実施の形態においては、ピストン1の下側部分3に設けられている複数のオイル流入開口を介して圧力室12にオイルを供給する(図1に示さず)。
【0059】
図1に示す分離エレメント11は、管状に形成されている複数の開口16を有する。分離エレメント11は図1によれば複数の管状の突出部を有している。これらの管状の突出部は夫々、互いに間隔を置いて配置されている。これらの突出部内に、例えば穿孔により、図1によれば夫々1つの管状の開口16が加工されている。孔の形式の各開口16には夫々、特別な加工は施されていない。開口16の形状により、ピストンヘッドの下面18に適切にオイルを噴射可能であるということが可能である。
【0060】
図1に示す突出部の寸法により、各突出部は減じられた冷却通路9a内に溜まっているオイルから突き出ているので、圧力室12から流出するオイルは、減じられた冷却通路9aに溜まっているオイルに噴射されない。
【0061】
択一的には個々の開口はノズル形、例えばベンチュリノズルの形式に基づいて形成されていてもよい。これにより圧力室から流出するオイルの圧力は、通常の孔における圧力に比べてさらに高められるか若しくは最適化される。
【0062】
以下に、図2,3に記載の実施の形態を詳細に説明する。
【0063】
図2,3に示す実施の形態において分離エレメント11には、圧力室12を形成する一種の切抜きが加工されている。分離エレメント11は、中断した冷却通路9の領域において全周に亘って延在している硬質ゴムに載置されている。この硬質ゴムは、下側部分3における中断した冷却通路9の切欠き内に適合して挿入されている。この硬質ゴム20は冷却通路9の輪郭に合わされる。切抜きにはコネクティングロッド又はピンを介して下側部分3及び硬質ゴム20を通って、下側部分3及び硬質ゴム20を夫々貫通している少なくとも1つのオイル流入開口21によって、ポンプ作用又は噴入によりオイルを供給する。図2,3に示す実施の形態において、ピストン1は複数のオイル流入開口21を有する。切抜きには、加圧されてオイル流入開口21から供給されたオイルにより圧力が連続的に形成される。新たに供給されたオイルは、所定の圧力及び所定の体積流により、連続的に圧力室12、つまり切抜き内に追加的に流れる。
【0064】
分離エレメントにおける少なくとも1つの取付け開口14、例えば有利には3つの取付け開口14、硬質ゴム20における少なくとも1つの孔、例えば有利には3つの孔を、少なくとも1つの円筒ねじ22、例えば有利には3つの円筒ねじ22が、図3によれば分離エレメント11及び硬質ゴム20を通って案内され、下側部分3と少なくとも1つのねじ山、例えば3つのねじ山により、下側部分3に不動にねじ止めされる。各円筒ねじ22は取付け開口14及び硬質ゴム20の孔を通って案内されており、図3に記載のねじ山によってねじ止めされている。これにより分離エレメント11と硬質ゴム20とは、ピストン1の下側部分3に不動に結合されていて、硬質ゴム20によりシールされた圧力室12が中断した冷却通路9にもたらされる。
【0065】
図2,3に示す分離エレメント11は、複数のスリット状の開口16を有している。図2,3には夫々、1つの開口16だけを示す。分離エレメント11は、夫々スリット状の開口16を有する適切なスリット状の突出部を有する。突出部は夫々深さTを有する。
【0066】
スリット状の開口16は、例えば図2,3において夫々、分離エレメント11若しくは各突出部に穿孔されている。
【0067】
図2に示したスリット状の開口16について以下に簡単に説明する。図2に示したスリット状の開口16は夫々、中断した冷却通路9において突出部により所定の角度区分、例えば40°を持って冷却通路9内に環状に延在している。これにより、オイルが分離壁11のスリット状の開口16からスリット状に噴出すると、開口16のスリット形状により、ピストンヘッドの下面18の平坦な領域に噴射されるということが可能である。
【0068】
択一的には分離エレメントは硬質ゴムに接着させることもできる。冷却通路の下側の領域に適合する硬質ゴムは、次いで冷却通路における切抜きに接着することができる。
【0069】
以下に、図4に示す実施の形態について詳細に説明する。
【0070】
図4に示す実施の形態において分離エレメント11は、ピストン1の下側部分3に一部分として摩擦結合により挿入されていて、下側部分3に取り付けられている。下側部分3と分離エレメント11との間に2つの接合領域23が形成される。図4によれば分離エレメント11の圧力室12は、減じられた冷却通路9a及びシリンダライナブッシュに対して、図4に示した分離エレメント11における溝内に夫々位置決めされている2つのシールリング8によりシールされる。上側部分2のリング溝7に相対して位置する壁の一部分と、分離エレメント11に設けられている切抜きとの間に圧力室12が形成される。この圧力室12からオイルは分離エレメント11の少なくとも1つの開口16を通って流出する。例えば分離エレメント11は複数の開口16を有する。これらの開口16は夫々適切に分離エレメント11に加工されているので、例えば図4に示す開口16は分離エレメント11の上側のウェブにもたらされる。図4の実施の形態において、開口16は夫々分離エレメント11に穿孔されている。各穿孔の深さ及び形状により、流出するオイルを適切にピストンヘッド18の下面の方向に導く環状の開口16がもたらされる。さらに分離エレメント11は複数のオイル流入開口21を有する。図4には夫々、単に1つの開口16とオイル流入開口21とを示す。
【0071】
以下に、図1〜4に示す3つの実施の形態の内燃機関におけるピストン1の運転を例示的に説明する。
【0072】
例えばコネクティングロッド又はピンを介してポンプ作用又は噴入により加圧されて供給されるオイルは、オイル流入開口21を通って中断した冷却通路9の圧力室12に流入する。これによりオイルは圧力室12において分配される。圧力室12において形成される圧力、有利には約3barの圧力は、オイルを連続的に分離エレメント11の開口16からピストンヘッドの下面18に向かって流出させる。各開口16から唯一の噴流19が流出する。図1,4に示した実施の形態において各噴流19は、孔の形式の各開口16の環状の構成に基づき、ほぼ円形の噴流19である。図2,3に示した実施の形態において、図2,3に示した各開口16の形状が夫々スリット状であるので、各噴流19は噴出する面状のオイル壁の形式により形成されている。
【0073】
3つの実施の形態においてピストンヘッドの下面18に衝突する噴流19は、各開口16の配向により正確に、燃焼噴流に直接的にさらされていないピストンヘッド17の領域の反対側に位置するピストンヘッドの下面18の領域に衝突する。
【0074】
択一的又は付加的にはオイルを、燃焼噴流に直接的にさらされているピストンヘッドの下面の領域とは反対側に位置するピストンヘッドの下面の領域に、各開口の配向によって噴射することも可能である。
【0075】
ピストン1が降下する場合、つまり燃焼室が拡大する場合に、オイルの慣性により比較的高い圧力下のオイル、つまり3つの実施の形態においては夫々3barよりも高いオイルが、圧力室12から各開口16を通って案内され、開口16からピストンヘッドの下面18に向かって加速される。
【0076】
減じられた冷却通路9a内に真っ直ぐ噴射されるオイルは、次いで再び複数の流出開口10を介して減じられた冷却通路9aから排出される。
【0077】
少なくとも1つの冷却スリット及び/又は少なくとも1つの冷却孔を有するピストンに対して、択一的に上記実施の形態とは別の可能な実施の形態におけるピストンは、単一載置ピストン(Einauflagekolben)として形成されていてもよく、つまり、ピストンは単に唯一の(内側の)載置面だけを必要としている。内側の載置面として、例えば図1において内側(ピストン中心軸線付近)に位置する載置面4を見て取ることができる。
【0078】
上記実施の形態とはさらに別の択一的な実施の形態において、冷却通路はピストンにおいて環状に延びていてもよい。分離エレメントは夫々、形状及び大きさにおいて冷却通路に適切に合わされている。例えば、1つの部分から成る、環状に延びている分離エレメントを使用することができる。有利には環状の冷却通路の場合、分離エレメントを環状に延びる冷却通路に固定するためのねじ山の数に合った夫々6〜8個の、例えば植込みボルト又は円筒ねじといった固定手段が使用される。
【0079】
択一的にはさらに別の択一的な実施の形態においてピストンは、単に唯一の冷却通路を含んでいてよく、ピストンの冷却通路は中断されていてよいので、冷却通路はピストン中心軸線を中心として、360°よりも小さな角度を形成する。分離エレメントは夫々、形状及び大きさにおいて冷却通路に適合されている。
【0080】
さらに別の択一的な実施の形態においてピストンは、鋳造された上側部分及別個に鋳造された下側部分から成っていることが可能である。上記ピストンにおいては、分離エレメントが成形方法(Urformverfahren)、特に鋳造により、各ピストン部分の各冷却通路において共に製造することができる。上記成形方法において、例えば下側部分は鋳造方法、例えば砂型鋳造又はダイカストにより製造され、分離エレメントは下側部分に、例えば消失中子技術によって直接的に一緒に鋳造される。
【0081】
さらに別の択一的な実施の形態において、上側部分及び下側部分から成るピストン全体を、一体のピストンとして分離エレメントと一緒に鋳造することが可能である。
【0082】
さらに別の択一的な実施の形態において、図1〜4に示した3つの実施の形態の任意の組合せが1つのピストンにおいて実現されていることも可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 ピストン
2 上側部分
3 下側部分
4 載置面
5 載置面
6 燃焼室
7 リング溝
8 シールリング
9 冷却通路
9a 減じられた冷却通路
10 流出開口
11 分離エレメント
12 圧力室
13 植込みボルト
14 取付け開口
15 シールエレメント
16 開口
17 ピストンヘッド
18 ピストンヘッドの下面
19 噴流
20 硬質ゴム
21 オイル流入開口
22 円筒ねじ
23 接合領域
T (スリット形の開口の)深さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のピストン(1)を冷却するための方法であって、少なくとも1つの燃焼噴流にさらされているピストンヘッド(17)をオイルの噴射により冷却し、該オイルを圧力室(12)から、分離エレメント(11)の少なくとも1つの開口(16)を通じて、オイルが充填されている前記圧力室(12)内において形成された圧力により前記ピストンヘッドの下面(18)の少なくとも1つの領域に向かって噴射し、前記分離エレメント(11)は前記ピストン(1)の冷却通路(9)内に位置決めされていることにより、前記冷却通路(9)の壁の一部分と前記分離エレメント(11)の壁の一部分との間に、オイルを充填可能な前記圧力室(12)を前記冷却通路(9)に形成する、内燃機関のピストンを冷却するための方法において、
前記燃焼噴流に直接的にさらされていない前記ピストンヘッド(17)の領域と反対側に位置する前記ピストンヘッドの下面(18)の領域に向かって連続的にオイルを噴射することを特徴とする、内燃機関のピストンを冷却するための方法。
【請求項2】
オイルが充填されている前記圧力室(12)において、1.5〜10bar、有利には約3barの圧力を形成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
オイルが充填されている前記圧力室(12)に形成された圧力を、コネクティングロッド又はピンを介してポンプ作用又は噴入により形成することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記燃焼噴流に直接的にさらされている前記ピストンヘッド(17)の領域と反対側に位置する前記ピストンヘッドの下面(18)の領域に向かって連続的にオイルを付加的に噴射することにより、燃焼噴流にさらされている領域にも、前記燃焼噴流にさらされていない領域にも噴射することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
前記ピストン(1)のストローク運動により前記圧力室(12)から、前記分離エレメント(11)の開口(16)を通って、前記ピストンヘッドの下面(18)に向かってオイルを付加的に引き出しかつ加速することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの燃焼噴流にさらされているピストンヘッド(17)と、冷却通路(9)とを有しており、該冷却通路(9)内に少なくとも1つの開口(16)を備えた分離エレメント(11)が位置決めされていることにより、前記冷却通路(9)の壁の一部分と前記分離エレメント(11)の壁の一部分との間に、加圧された状態のオイルが充填されている圧力室(12)が形成される、内燃機関のピストン(1)であって、
前記燃焼噴流に直接的にさらされていない前記ピストンヘッド(17)の領域と反対側に位置する前記ピストンヘッドの下面(18)の領域に向かって連続的にオイルが噴射されるように、前記開口(16)は方向付けられていることを特徴とする、内燃機関のピストン。
【請求項7】
前記燃焼噴流に直接的にさらされている前記ピストンヘッド(17)の領域と反対側に位置する前記ピストンヘッドの下面(18)の領域に向かって連続的にオイルが噴射されるように、前記開口(16)は方向付けられていることを特徴とする、請求項6記載のピストン。
【請求項8】
前記ピストン(1)は少なくとも1つの中断した冷却通路(9)を有していることを特徴とする、請求項6又は7記載のピストン。
【請求項9】
前記分離エレメント(11)は摩擦結合、有利にはねじ結合又は圧着結合により前記冷却通路(9)に取り付けられていることを特徴とする、請求項6から8までのいずれか一項記載のピストン。
【請求項10】
前記分離エレメント(11)は素材結合、有利には接着及び/又は溶接により前記冷却通路(9)に取り付けられていることを特徴とする、請求項6から9までのいずれか一項記載のピストン。
【請求項11】
前記分離エレメント(11)は複数の個別部分から成っていることを特徴とする、請求項6から10までのいずれか一項記載のピストン。
【請求項12】
前記分離エレメント(11)によって前記冷却通路(9)に形成された圧力室(12)は、少なくとも1つのシールエレメントを介して、有利には少なくとも1つのシールリングエレメント(15)及び/又は少なくとも1つの硬質ゴム(20)により、前記ピストン(1)において前記冷却通路(9)に対してシールされていることを特徴とする、請求項6から11までのいずれか一項記載のピストン。
【請求項13】
前記開口(16)は管状、スリット状及び/又はノズル状に形成されていることを特徴とする、請求項6から12までのいずれか一項記載のピストン。
【請求項14】
前記ピストン(1)は少なくとも1つの冷却スリット及び/又は少なくとも1つの冷却孔を有していることを特徴とする、請求項6から13までのいずれか一項記載のピストン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−500425(P2013−500425A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522015(P2012−522015)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004535
【国際公開番号】WO2011/012273
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(504233247)カーエス コルベンシュミット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (20)
【氏名又は名称原語表記】KS Kolbenschmidt GmbH
【住所又は居所原語表記】Karl−Schmidt−Strasse, D−74172 Neckarsulm, Germany
【Fターム(参考)】