説明

ピストン・シリンダユニット

【課題】自らの内圧を求め、過大な圧力損失を表示できるピストン・シリンダユニットを提供する。
【解決手段】中心長手方向軸(A)、第1の端部(3)、流体で満たされたシリンダ(2)、シリンダ(2)の中に摺動自在に配置されていて、シリンダ(2)を第1の端部(3)から遠い第1の動作室(11)と前記第1の端部(3)に近い第2の動作室(12)とに区分するピストン(13)、ピストン(13)に配置されていて、第1の動作室(11)を突き抜け、中心長手方向軸(A)に対して同心で第1の端部(3)と向き合った第2の端部(6)においてガイド/シール装置(7)により封止された形でシリンダ(2)から外へ通じているピストンロッド(8)を備えたピストン・シリンダユニット(1)に、特に、ピストン・シリンダユニット(1)の内圧を直接的又は間接的に検出するセンサ装置(14)を備え付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中心長手方向軸と、第1の端部と、流体で満たされたシリンダと、シリンダの中に摺動自在に配置されると共にシリンダを第1の端部から遠い第1の動作室と第1の端部に近い第2の動作室とに区分するピストンと、該ピストンに配置されると共に第1の動作室を突き抜けて中心長手方向軸に対して同心で第1の端部と向き合った第2の端部においてガイド/シール装置により封止された形でシリンダから外へ通じているピストンロッドと、ピストン・シリンダユニットの内圧を直接的又は間接的に検出するセンサ装置と、を備えたピストン・シリンダユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のピストン・シリンダユニットとしては、例えば特許文献1〜5に開示されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許発明第10122297号明細書
【特許文献2】独国特許発明第3708989号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10247869号明細書
【特許文献4】欧州特許公開第0559634号明細書
【特許文献5】国際公開第2007/042499号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ピストン・シリンダユニットの内圧を求め、過大な圧力損失を表示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明によって、請求項1に記載の特徴により解決される。
【発明の効果】
【0006】
特別な形態では、ピストン・シリンダユニットの中にセンサ装置が配置される。これにより、該装置は汚れから守られる。
【0007】
あるいは代わりに、センサ装置は、ピストン・シリンダユニットの外に配置される。これにより、ピストン・シリンダユニットのために標準構造部品が使用可能である。
【0008】
本発明によれば、ピストン・シリンダユニットは、第1の端部において密閉エレメントにより気密密閉されており、センサ装置は、その密閉エレメントの、ピストンに面した側に配置されている。これにより組み立てが容易となる。
【0009】
密閉エレメントがセンサハウジングを形成するか、センサ装置の全部の構造部品が密閉エレメントの中に埋め込まれていて、センサ装置からの少なくとも1つの線路が密閉エレメントにより気密で制御装置へと通される時、有利な形態となる。
【0010】
一実施例では、センサ装置がシリンダの側方に配置されている。これにより、軸方向の構造長さを短小にする点で有利となる。
【0011】
特別な形態では、センサ装置がRFIDエレメントを含み、キャップ状の外部読み取りモジュールがピストン・シリンダユニットの第1の端部に嵌着されており、この第1の端部がまた少なくとも1つの線路により制御装置と接続されている。
【0012】
あるいは代わりに、センサ装置がピストン上に配置されており、少なくとも1つの線路がボア穴を介してピストンロッドの中に外向きに通されている。
【0013】
フリーピストンがシールリングを使って第2の動作室を、ピストンに近い第1の部分室とピストンから遠い第2の部分室とに分割し、その第2の部分室の中に収納されたばねエレメントをフリーピストンと密閉された第1の端部の間に配置することにより、確実かつ精確なセンサ機能が実現できる。ここでは、シリンダに設けられた1つ以上の窪みを使ってフリーピストンのストロークをその摺動方向において制限し、センサ装置をその窪みの近くに配置する。
【0014】
有利な形態では、センサ装置がホールセンサ又はリードセンサを含む。
【0015】
更なる形態では、磁石を使ってホールセンサにプリテンションが付与され、フリーピストンが強磁性材料から作られている。
【0016】
あるいは代わりに、センサ装置はコイルを含み、このコイルが振動回路の一部であり、その他の構造部品が制御装置の中に収納されている。
【0017】
あるいは代わりに、センサ装置はキャパシタを含んでよく、このキャパシタが振動回路の一部であり、その他の構造部品が制御装置の中に収納されている。
【0018】
本発明の代替の一形態では、センサ装置が磁気シートフォイルセンサの形の距離センサを含み、フリーピストンが磁石として形成されている。
【0019】
更なる有利な形態では、センサ装置が1つの一次コイルと少なくとも1つの二次コイルを含み、この一次コイルと二次コイルが変圧器として働かされる。
【0020】
本発明の代替の一形態では、センサ装置が導電性接触エレメントを含み、ピストンロッドに1つの電気接続片が、また、シリンダに1つの電気接続片が配置されており、ピストンロッドとシリンダが、電気絶縁されたピストンとシール/ガイド装置を介して互いに非導電結合しており、フリーピストンには、このフリーピストンをシリンダと導電結合させるループ接点が設けられている。
【0021】
更なる有利な形態では、センサ装置がピストンロッド又はピストンに取り付けられており、超音波センサ、マイクロスイッチ又はレーザセンサを含む。
【0022】
あるいは代わりに、センサ装置はフリーピストンに配置されており、少なくとも1つの線路が、フリーピストンとその背後に位置する第2の部分室とシリンダを経由してピストン・シリンダユニットから制御装置へと通されている。
【0023】
本発明の代替の一形態では、センサ装置が、常にシリンダの外に留まるピストンロッド部域の中に収納されている。
【0024】
本発明の更なる形態では、ピストン・シリンダユニットが軸方向において摺動自在にオーバパイプの中に配置されており、第1の接続エレメントがオーバパイプの中にあって、中心縦線に対して横向きに配置されたピンと結合しており、このピンがオーバパイプの中で2つの深穴を突き抜けている。
【0025】
更なる一形態では、オーバパイプのピンの、ピストン・シリンダユニットとは反対側にばねエレメントが配置されており、これがピンに支えられながら、通常運転時にピストン・シリンダユニットのスラスト力より小さい力をピンに加える。
【0026】
特別な形態では、センサ装置が、深穴の1つの、底部から離れた端部の近くに配置されており、少なくとも1つの線路を介して制御装置と結合している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施例である。
【図2】本発明の第2の実施例である。
【図3】本発明の第3の実施例である。
【図4】本発明の第4の実施例である。
【図5】本発明の第5の実施例である。
【図6】本発明の第6の実施例である。
【図7】本発明の第7の実施例である。
【図8】本発明の第8の実施例である。
【図9】本発明の第9の実施例である。
【図10】本発明の第10の実施例である。
【図11】本発明の第11の実施例である。
【図12】本発明の第12の実施例である。
【図13】本発明の第13の実施例である。
【図14】本発明の第14の実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施例を図面に則して詳細に説明する。
【0029】
図1は、ここに例示的にガスストラットとして描かれた、シリンダ2の第1の端部3が密閉エレメント4により気密密閉された状態のピストン・シリンダユニット1の縦断面を示す。密閉エレメント4の外にある正面側には、中心長手方向軸Aに対して同心でねじ付きピボットの形の第1の接続具5が配置されている。シリンダ2の、第1の接続具5と向き合った第2の端部6にシール/ガイド装置7が配置されており、これにより、中心長手方向軸Aに対して同心でピストンロッド8が封止され、軸方向に移動できるように外向きに案内される。ここで、ピストンロッド8の外へ突き出ている端部には、第2の接続具9が設けられている。接続具5及び9には、ジョイントアイ又はボールカップ(不図示)が取り付けられており、これらにより一方で定置構造部分(不図示)、例えば車体に、他方で定置構造部分に対し相対的に旋回可能な旋回部分、例えばトランクリッド又はエンジンフードに、ピストン・シリンダユニット1を固定することができる。
【0030】
ピストンロッド8の、第2の接続具9と向き合った端部には、シールリング10を具備し、ピストンロッド側の第1の動作室11と、ピストンロッドから遠い第2の動作室12と、にシリンダ2を分割するピストン13が配置されている。ここではピストン13は概略的にしか描かれておらず、流体、好ましくは圧力下にある窒素の形の気体を第1の動作室11から第2の動作室12に、又はその逆の方向に通流できるようにする連通路を備えてよい。図面に描かれていないが、少なくとも1つの更なる連通路を、シリンダ2の中を軸方向に走る溝によって準備することができる。
【0031】
密閉エレメント4の、ピストン13に面した側にはセンサ装置14が配置されており、これは、例えば圧力センサ、ひずみゲージ又はフォースセンサを含む。密閉エレメント4はここで、軸方向においてストローク長が失われないよう、自らセンサハウジングを形成するように、または全部の構造部品が密閉エレメントの中に埋め込まれるように形成されていてよい。少なくとも1つの線路15が、センサ装置14から気密で密閉エレメント4を経由して制御装置16、例えば自動車の制御モジュールへと通される。
【0032】
密閉エレメント4には雄ねじ(不図示)が設けられており、これが、シリンダ2の第1の端部3に形成された雌ねじ(不図示)にねじ込まれている。第1の端部3は、密封装置17により気密密閉される。
【0033】
しかしながら、他の適当な手段、例えば溶接を用いて、又は、1つの周方向溝又はシリンダ2の周方向に配置された複数の窪みを用いて、又は、折り曲げによって、密閉エレメント4が第1の端部3に締着されるものであってもよい。
【0034】
ピストン・シリンダユニットが流体で満たされると、センサ14はシリンダ2内部の充填圧を測定する。センサ装置14は、一方で線路15を介してエネルギ供給を受け、他方で、充填圧の測定値を車両の制御装置16に転送する働きをする。充填圧は制御装置を介して随時視覚化できる形で出力することができる。充填圧が所与の閾値を下回ると、警告表示器がエラーメッセージを発出できる。エラーメッセージは例えば光学信号であっても音響信号であってもよい。
【0035】
図2から分かる通り、センサ装置14は、ピストン・シリンダユニット1のシリンダ2の側方に配置されていてもよい。第1の端部を折り曲げ、接続エレメント5を溶接することにより、シリンダ2は気密密閉される。
【0036】
ピストン・シリンダユニットの充填圧を測定する本発明の更なる一実施形態を図3に示す。シリンダ2の中に、充填圧を測定するセンサ装置14が収納される。供給エネルギと測定値は、いわゆるRFIDエレメント18を使って伝達される。これは、線路をシリンダ2の中に通し、封止する必要がない点で有利である。シリンダ2の素材は、好ましくは常磁性材料であり、例えばアルミニウムである。ピストン・シリンダユニット1の第1の端部3にキャップ状の外部読み取りモジュール19が嵌着してあってよく、ピストン・シリンダユニットはまた少なくとも1つの線路15を介して制御装置16と結合されていてよい。
【0037】
図4に描かれたピストン・シリンダユニット1の実施形態では、センサ装置14がピストン13に締着され、シリンダ2内部の充填圧を測定する。少なくとも1つの線路15が、ピストンロッド8のボア穴20を介して外向きに通される。線路15は、動作室11及び12の気体損失を回避するために気密封止されなければならない。
【0038】
図5に描かれた実施形態では、ピストン・シリンダユニット1の充填圧がフリーピストン21を使って間接的に感知される。センサ装置14として、例えば位置センサが使用できる。これは、例えばホールセンサ又はリードセンサないしは磁気スイッチであってよい。フリーピストン21は、シールリング22を使って第2の動作室12を、ピストン13に近い第1の部分室12aとピストン13から遠い第2の部分室12bとに分割する。
【0039】
第2の部分室12bの中に収納されたばねエレメント23が、フリーピストン21により圧力管の中に嵌め込まれ、ばねエレメントは閉じられた第1の端部3で支えられる。充填圧不足の場合、フリーピストン21のストロークは、シリンダ2に設けられた1つ以上の窪み24(当業者がビード又はキャッチと呼ぶ)を使って当該位置までに制限される。ピストン13またはピストンロッド8のストローク範囲は、当該位置の手前で終わる。
【0040】
第2の部分室12bの内部を例えば大気圧が支配する時、ピストン・シリンダユニットに流体をその公称値まで満たすと、フリーピストン21は、その充填圧ゆえにばねエレメント23に抗して共に摺動させられる。窪み24には、フリーピストン21の位置の検出を可能にするセンサ装置14が取り付けられている。センサ装置14は、例えばホールセンサ又はリードセンサとして形成されていてよい。磁石を使ってホールセンサにプリテンションを付与する時は、フリーピストン21を強磁性材料から作ることができる。
【0041】
充填圧が所与の閾値を下回ると、ばねエレメント23のばね力が、フリーピストン21をピストン13の方向に窪み24の位置まで押しやる。これにより、プリテンションを付与されたホールセンサの磁界は、フリーピストン21の強磁性体を迂回してフリーピストン21の先まで導かれ、センサ装置14が充填圧不足の警報を発する。磁石を使ってホールセンサにプリテンションを付与することをしない場合は、フリーピストン21を磁石として形作らなければならない。センサ装置14は、他の磁気センサ、例えばリードスイッチを含んでよい。センサ装置14の機能を保証するために、シリンダ2を常磁性材料から作らなければならない。
【0042】
ばねエレメントが例えば1つのコイル圧力ばね、1つ以上の板ばね、又は、気体で満たされた小袋であってよく、又は、部分室12bが圧力下の気体で満たしてあってもよい。
【0043】
図6に示したピストン・シリンダユニット1の実施形態の構造と機能は、図5に示した実施形態に実質的に相当するが、ここではセンサ装置14がコイルを含む。コイルは振動回路の一部であり、その他の構造部品が制御装置16の中に収納されている。動作室11及び12の内圧が低下することによりフリーピストン21がコイルに入り込むと、コイルは、芯が強磁性体であるので、そのインダクタンスが変化する。この変化は、振動回路を介して例えば周波数の変化として検出できる。ここから、ピストン・シリンダユニットの充填圧について発信することが可能である。
【0044】
図7に示したピストン・シリンダユニット1の実施形態の構造と機能も、図5に示した実施形態に実質的に相当するが、ここではセンサ装置14がコンデンサを含む。コンデンサ内部のフリーピストン21の位置に基づいてコンデンサの容量は変化する。図6の実施形態に相似して、振動回路を介しての周波数変化から充填圧について評価を下すことができる。
【0045】
図8に示した実施形態は、図5に示した実施形態に実質的に相当する。但し、センサ装置14は磁気シートフォイルセンサの形の距離センサを含み、フリーピストン21は磁石として形作られている。距離センサは、フリーピストン21の位置の検出を可能にする。これにより、ピストン・シリンダユニットの充填圧を間接的に求めることが可能である。フリーピストン21が窪み24に近づけば近づくほど、ピストン・シリンダユニット1の充填圧は低い。距離認識の機能を確実にするため、シリンダ2は常磁性材料から作られている。
【0046】
あるいはその代わりとして現れるのが、図9に描かれた本発明の実施形態である。センサ装置14は、ここでは1つの一次コイル14aと少なくとも1つの二次コイル14bを含む。しかしながら、好ましくは、より精確な測定結果を得るために複数の二次コイル14bを配し、直列に接続する。一次コイルと二次コイルは、交流電圧又は電圧パルスなどを使って働かされる。強磁性材料からなるフリーピストン21が磁界内を摺動すると、変圧器の伝送比は一次コイル14aから二次コイル14bまでの間で変化する。これにより二次コイル14b内で誘導電圧が変化する。そこでなお二次コイル14b同士の間に電圧差を生じさせると、フリーピストンの位置の極めて精確な測定が可能である。これで、ピストン・シリンダユニット1の充填圧について的確に発信できるようになる。
【0047】
図10は、本発明の更なる一実施例として、ピストンロッド8に1つの電気接続片25が、シリンダ2に1つの電気接続片26が配置された実施形態を示す。ピストンロッド8とシリンダ2は、電気絶縁されたピストン13とシール/ガイド装置7を介して互いに非導電結合している。フリーピストン21のシールリング22は、内部にばねエレメント23がある第2の部分室12bを第1の部分室12aに対して気密封止する働きをする。フリーピストン21には、このフリーピストン21をシリンダ2と導電結合させるループ接点27が設けられている。
【0048】
ピストン・シリンダユニット1の充填圧により、フリーピストン21はピストン13のストローク範囲から出ていく。ピストン・シリンダユニットの充填圧が所与の公称値より下に下がると、フリーピストン21はピストンロッド8の方向に移動する。次に、フリーピストン21がピストン13のストローク範囲内に入ると、ピストンロッド8は、ループ接点27を付けたフリーピストン21を介してシリンダ2と導電結合する。これは、ピストンロッドと結合した別個の接点28を介して実現できる。検出は、フリーピストン21が接点28と接触することによって行われる。その際、スイッチング動作は、ピストンロッド8とフリーピストン21とループ接点27とシリンダ2の間の導電結合による電気接触を通して実行される。
【0049】
検出は、しかしながら、例えばリベット頭又はナットを使ってピストン13をピストンロッド8に締着させれば、ピストン13を越えて突き出るピストンロッド8を使っても実行できる。
【0050】
図11に描かれた本発明の実施形態では、センサ装置14がピストンロッド8又はピストン13に取り付けられている。センサ装置14は、例えば超音波センサ、マイクロスイッチ又はレーザセンサを含んでよい。測定は、ピストン13とフリーピストン21の間に最小距離が保たれるように行われるものとする。すなわち、ピストン・シリンダユニット1が自らの圧力を失うと、フリーピストン21が窪み24の位置まで出ていく。ピストン・シリンダユニット1が完全に引き入れられた時だけ、エラーメッセージが発出される。その時、マイクロスイッチがフリーピストン21により働かされる。センサ装置14の電気信号は、線路15を介して外へと通され、制御装置16に送られる。
【0051】
同じようにして、図12に描かれた実施形態は機能する。但し、センサ装置14はフリーピストン21に配置されており、ここで、少なくとも1つの線路15は、フリーピストン21とその背後に位置する部分室12bとシリンダ2を経由してピストン・シリンダユニット1から制御装置16へと通される。
【0052】
図13の実施形態では、センサ装置14は、ピストンロッド8の、常にシリンダの外に留まる範囲内に収納されている。これは、ピストン・シリンダユニット1のスラスト力を求める働きをする。ピストンロッド8の幾何形状と測定されたスラスト力を介して、ピストン・シリンダユニット1の充填圧を求めることができる。センサ装置14を制御するデータとエネルギの供給は、線路15を介して行われる。センサ装置14は、例えばフォースセンサ又はワイヤ式ひずみゲージ形センサを含んでよい。
【0053】
図14では、ピストン・シリンダユニット1はオーバパイプ29の中に摺動自在に配置されている。ここで、第1の接続エレメント5がオーバパイプ29の中にあり、中心長手方向軸Aに対して横向きに配置されたピン30と結合している。ピン30は、オーバパイプ29の2つの深穴31の中を延び、これにより、オーバパイプ29は回転不動でピストン・シリンダユニット1と結合している。オーバパイプ29に相対するピストン・シリンダユニット1の軸方向運動は、深穴31の長さにより決定される。ピン30の、ピストン・シリンダユニット1と反対側にばねエレメント32が配置されており、これがオーバパイプ29の底部33に支えられながら、ピストン・シリンダユニット1のスラスト力より小さい力をピン30に加える。底部33には、ジョイントアイの形の第3の接続エレメント34が形作られている。しかしながら、図から分かる通り、底部33にはねじ付きピボットが形作ってあってよく、その上にボールカップ、ジョイントアイ又は他の適当な結合構造部品が配置してあってよい。
【0054】
ピストン・シリンダユニット1の内圧が所定の値を下回ると、ばねエレメント32は、ピンをセンサ装置14の位置まで、又はその付近まで押しやってしまう。センサ装置の方は、深穴31の1つの、底部33から離れた端部の近くに配置されており、少なくとも1つの線路15を介して制御装置16と結合している。制御装置16は、これでエラーメッセージを発出することができる。センサ装置14は、先に述べたエレメント、例えばワイヤ式ひずみゲージ形センサ、フォースセンサ、ホールセンサ、マイクロスイッチなどを含んでよい。
【符号の説明】
【0055】
1 ピストン・シリンダユニット
2 シリンダ
3 第1の端部
4 密閉エレメント
5 第1の接続エレメント
6 第2の端部
7 シール/ガイド装置
8 ピストンロッド
9 第2の接続エレメント
10 シールリング
11 第1の動作室
12 第2の動作室
12a 第1の部分室
12b 第2の部分室
13 ピストン
14 センサ装置
14a 一次コイル
14b 二次コイル
15 線路
16 制御装置
17 密封装置
18 RFIDエレメント
19 外部読み取りモジュール
20 ボア穴
21 フリーピストン
22 シールリング
23 ばねエレメント
24 窪み
25 電気接続片
26 電気接続片
27 ループ接点
28 接点
29 オーバパイプ
30 ピン
31 深穴
32 ばねエレメント
33 底部
A 中心長手方向軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストン・シリンダユニット(1)であって、
中心長手方向軸(A)と、
第1の端部(3)と、
流体で満たされたシリンダ(2)と、
前記シリンダ(2)の中に摺動自在に配置されると共に、前記シリンダ(2)を前記第1の端部(3)から遠い第1の動作室(11)と、前記第1の端部(3)に近い第2の動作室(12)と、に分けるピストン(13)と、
前記ピストン(13)に配置されると共に、前記第1の動作室(11)を突き抜け、前記中心長手方向軸(A)に対して同心で、前記第1の端部(3)と向き合った第2の端部(6)においてガイド/シール装置(7)により封止された形で前記シリンダ(2)から外へ通じているピストンロッド(8)と、
前記ピストン・シリンダユニット(1)の内圧を直接的又は間接的に検出するセンサ装置(14)と、を備えるピストン・シリンダユニット(1)。
【請求項2】
前記センサ装置(14)が前記ピストン・シリンダユニット(1)の中に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項3】
前記センサ装置(14)が前記ピストン・シリンダユニット(1)の外に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項4】
前記ピストン・シリンダユニット(1)が、前記第1の端部(3)において密閉エレメント(4)により気密密閉されており、
前記センサ装置(14)が、前記密閉エレメント(4)の、前記ピストン(13)に面した側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項5】
前記密閉エレメント(4)がセンサハウジングを形成し、または全部の構造部品が前記密閉エレメント(4)内に埋め込まれていて、前記センサ装置(14)からの少なくとも1つの線路(15)が前記密閉エレメント(4)により気密で制御装置(16)へと通されることを特徴とする請求項4に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項6】
前記センサ装置(14)が前記シリンダ(2)の側方に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項7】
前記センサ装置(14)がRFIDエレメント(18)を備え、キャップ状の外部読み取りモジュール(19)が前記ピストン・シリンダユニット(1)の第1の端部(3)に嵌着されており、前記第1の端部が少なくとも1つの線路(15)により前記制御装置(16)と接続されていることを特徴とする請求項2に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項8】
前記センサ装置(14)が前記ピストン(13)の上に配置されており、少なくとも1つの線路(15)がボア穴(20)を介して前記ピストンロッド(8)の中に外向きに通されていることを特徴とする請求項2に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項9】
フリーピストン(21)がシールリング(22)により、前記ピストン(13)に近い第1の部分室(12a)と、前記ピストン(13)から遠い第2の部分室(12b)と、に前記第2の動作室(12)を分割し、
前記第2の部分室(12b)内に収納されたばねエレメント(23)が、前記フリーピストン(21)と前記密閉された第1の端部(3)との間に配置されており、前記フリーピストン(21)のストロークが、前記シリンダ(2)に設けられた1つ以上の窪み(24)により前記ピストン(13)の方向において制限され、前記センサ装置(14)が前記窪み(24)の近くに配置されていることを特徴とする請求項3に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項10】
前記センサ装置(14)が、磁気センサ、特にホールセンサ又はリードセンサを含むことを特徴とする請求項9に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項11】
前記ホールセンサが磁石を用いてプリテンションを付与されており、前記フリーピストン(21)が強磁性材料から作られていることを特徴とする請求項10に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項12】
前記センサ装置(14)がコイルを含み、前記コイルが振動回路の一部であり、その他の構造部品が前記制御装置(16)の中に収納されていることを特徴とする請求項9に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項13】
前記センサ装置(14)がキャパシタを含み、前記キャパシタが振動回路の一部であり、その他の構造部品が前記制御装置(16)の中に収納されていることを特徴とする請求項9に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項14】
前記センサ装置(14)が特に磁気シートフォイルセンサの形の距離センサを含み、前記フリーピストン(21)が磁石として形成されていることを特徴とする請求項9に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項15】
前記センサ装置(14)が、1つの一次コイル(14a)と少なくとも1つの二次コイル(14b)を含み、前記一次コイル(14a)および前記二次コイル(14b)が変圧器として機能することを特徴とする請求項9に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項16】
前記センサ装置(14)が導電性接触エレメントを含み、前記ピストンロッド(8)に1つの電気接続片(25)が配置されており、前記シリンダ(2)に1つの電気接続片(26)が配置されており、前記ピストンロッド(8)および前記シリンダ(2)が、電気絶縁された前記ピストン(13)と前記シール/ガイド装置(7)を介して互いに非導電結合しており、前記フリーピストン(21)には、前記シリンダ(2)と前記フリーピストン(21)を導電結合させるループ接点(27)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項17】
前記センサ装置(14)が前記ピストンロッド(8)又は前記ピストン(13)に取り付けられると共に、超音波センサ、マイクロスイッチ又はレーザセンサを含むことを特徴とする請求項9に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項18】
前記センサ装置(14)が前記フリーピストン(21)に配置されており、少なくとも1つの線路(15)が、前記フリーピストン(21)とその背後に位置する前記部分室(12b)と前記シリンダ(2)を経由して前記ピストン・シリンダユニット(1)から前記制御装置(16)へと通されていることを特徴とする請求項9に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項19】
前記センサ装置(14)が、前記ピストンロッド(8)の、前記シリンダ(2)の外に常に留まる部域内に収納されていることを特徴とする請求項3に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項20】
前記ピストン・シリンダユニット(1)が軸方向に摺動自在にオーバパイプ(29)の中に配置されており、前記第1の接続エレメント(5)が前記オーバパイプ(29)内で前記中心長手方向軸(A)に対して横向きに配置されたピン(30)と結合しており、前記ピン(30)が前記オーバパイプ(29)内で2つの深穴(31)を突き抜けていることを特徴とする請求項3に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項21】
前記ピン(30)の、前記ピストン・シリンダユニット(1)とは反対側にばねエレメント(32)が配置されており、前記ばねエレメントが前記オーバパイプ(29)の底部(33)に支えられながら、通常運転時に前記ピストン・シリンダユニット(1)のスラスト力より小さい力を前記ピン(30)に加えることを特徴とする請求項20に記載のピストン・シリンダユニット。
【請求項22】
前記センサ装置(14)が、前記深穴(31)の1つの、前記底部(33)から離れた端部の近くに配置されており、少なくとも1つの前記線路(15)を介して前記制御装置(16)と結合されていることを特徴とする請求項20又は21に記載のピストン・シリンダユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−101158(P2013−101158A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−42025(P2013−42025)
【出願日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【分割の表示】特願2010−157962(P2010−157962)の分割
【原出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(593136649)スタビルス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (27)
【氏名又は名称原語表記】Stabilus GmbH
【住所又は居所原語表記】Wallersheimer Weg 100, D−56070 Koblenz Germany
【Fターム(参考)】