説明

ピッキングセンサ及びピッキングシステム

【課題】ピッキング作業の能率を向上することができるピッキングセンサを提供する。
【解決手段】投光ユニット11と受光ユニット12とにより構成された光電センサPSにコントロールユニット13を接続する。コントロールユニット13に対し、ピッキング動作の標準作業時間を設定するためのタイマ設定手段33を設けるとともに、前記ピッキング動作に基づいて、前記タイマ設定手段33により設定された前記標準作業時間を計測する計時手段34を設ける。さらに、計時手段34により前記標準作業時間が経過したことが計測され、かつ、前記標準作業時間内に次のピッキング動作が行われなかった場合に、ピッキング動作の遅延を報知する遅延報知手段35を設け、この遅延報知手段35に対し、次のピッキング動作によって報知動作を解除する機能を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントロールユニットからの点灯指令に応じて外部から視認可能な点灯状態を呈する作業指示表示手段を備えたピッキングセンサ及びピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のピッキンセンサとして、図7に示すように、複数の作業領域にそれぞれ作業指示灯を備えた投光ユニット11と受光ユニット12とにより構成された第1光電センサPS1及び第2光電センサPS2を設け、前記両光電センサPS1,PS2にコントロールユニット13をそれぞれ接続したものが提案されている。そして、前記コントロールユニット13からの信号により作業指示灯が点灯されて作業指示表示が行われた状態で、前記投光ユニット11及び受光ユニット12の間の光路に作業者の腕が進入して部品収納庫から部品が取り出されたとき、前記光路が一回遮られるので、ピッキング動作が行われたことが作業者に報知される。(特許文献1には上記ピッキングセンサと同様のピッキング用光電スイッチが開示されている。)
【特許文献1】特開2000−179226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来のピッキングセンサは、それぞれの作業領域における部品のピッキング動作が行われたことを適正に検出することができる。しかし、ピッキング作業の時間の管理が行われていないので、作業者のそれぞれの作業スピードに基づいてピッキング作業が進められ、作業者Aは標準作業時間内にピッキング動作を行うが、作業者Bは標準作業時間をオーバーしてピッキング動作を行うこともあるので、ピッキング作業の能率が低下するという問題があった。
【0004】
本発明は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、ピッキング作業の能率を向上することができるピッキングセンサ及びピッキングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、作業領域に光を投光する投光ユニットと、該投光ユニットから投光された光を受光する受光ユニットとからる光電センサと、該光電センサに外部から作業指示点灯信号が送信されて、外部から視認可能な点灯状態を呈する作業指示表示手段と、前記光電センサからの受光信号に基づいて、ピッキング動作を検出する検出手段とを備えたピッキングセンサにおいて、前記ピッキング動作の標準作業時間を設定するためのタイマ設定手段を設けるとともに、外部からの作業指示点灯信号を受けたとき、又は光電センサが遮光を検出したときに時間を計測するための計時手段を設け、さらに、該計時手段により前記標準作業時間に達したことが計測され、かつ、前記標準作業時間内にピッキング動作が行われなかった場合のみピッキング動作の遅延を報知する遅延報知手段を設け、前記遅延報知手段の報知動作を、作業者の動作に基づいて解除する報知解除手段を設けたことを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記報知解除手段は、次のピッキング動作が行われると、報知動作が解除されるように構成されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記報知解除手段は、作業者が前記光電センサの光路を遮光し、この遮光の後に再び入光することにより報知動作が解除されるように構成されていることを要旨とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、作業者による前記光路の遮光と入光が複数回繰り返されることにより報知動作が解除されるように構成されていることを要旨とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、複数の作業領域に対し、光を投光する投光ユニットと、該投光ユニットから投光された光を受光する受光ユニットとからる光電センサをそれぞれ設けるとともに、複数の光電センサに接続された共通のコントロールユニットと、各作業領域に設けられ、かつ前記コントロールユニットからの点灯指令に応じて、外部から視認可能な点灯状態を呈する作業指示表示手段と、前記各光電センサからの受光信号に基づいて、各作業領域におけるピッキング動作を検出する検出手段とを備えたピッキングシステムにおいて、前記コントロールユニットには、前記各作業領域の標準作業時間をそれぞれ設定するためのタイマ設定手段が設けられるとともに、外部からの作業指示点灯信号を受けたとき、又は光電センサが遮光を検出したときに時間を計測する計時手段が設けられ、さらに、前記計時手段により前記標準作業時間に達したことが計測され、かつ、前記標準作業時間内にピッキング動作が行われなかった場合のみに、ピッキング動作の遅延を報知する遅延報知手段が設けられ、前記遅延報知手段の報知動作を、作業者の動作に基づいて解除する報知解除手段が設けられていることを要旨とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記報知解除手段は、次のピッキング動作が行われると、報知動作が解除されるように構成されていることを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5において、前記報知解除手段は、作業者が前記光電センサの光路を遮光し、この遮光の後に再び入光することにより報知動作が解除されるように構成されていることを要旨とする。
【0010】
請求項8に記載の発明は、請求項7において、作業者による前記光路の遮光と入光が複数回繰り返されることにより報知動作が解除されるように構成されていることを要旨とする。
【0011】
(作用)
この発明は、遅延報知手段によって標準作業時間内にピッキング動作が行われなかった場合のみピッキング動作の遅延が作業者に報知されるので、作業者はピッキング動作の遅延に気づいてピッキング作業を行うことができる。又、遅延の報知動作が作業者の動作に基づいてのみ解除されるので、作業者に遅延の報知動作が確実に伝えられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、作業者がピッキング動作の遅延に気づくことができ、ピッキング作業の能率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を具体化したピッキングセンサの一実施形態を図1及び図2に従って説明する。
この実施形態のピッキングセンサは、部品収納庫を備えた複数の作業領域にそれぞれ個別に設けられている。各ピッキングセンサは同様に構成されているので、一つのピッキングセンサについて説明する。このピッキングセンサは、図1に示すように所定の作業領域の一端に設けられ、光を投光する投光ユニット11と、この投光ユニット11から投光された光を受光する受光ユニット12と、前記投光ユニット11及び受光ユニット12に接続され、かつ投光ユニット11及び受光ユニット12の動作を制御するコントロールユニット13とによって構成されている。前記投光ユニット11及び受光ユニット12によって光電センサPSが構成されている。
【0014】
次に、前記投光ユニット11、受光ユニット12及びコントロールユニット13の構成について順次説明する。
前記投光ユニット11には、投光部14が備えられると共に、後述するコントロールユニット13からの作業指示点灯信号に応じて、外部から視認可能な点灯状態を呈する作業指示灯15及び電源スイッチがオンされると点灯される電源表示灯16が設けられている。前記投光ユニット11には、CPUを備えた制御回路17が設けられ、該制御回路17には前記コントロールユニット13から外部信号が入力回路18を介して入力される。そして、前記制御回路17は、前記外部信号と、予め記録された制御プログラムに基づき前記作業指示灯15及び電源表示灯16の動作を制御するとともに、投光回路19を介して前記投光部14の動作を制御する機能を有している。
【0015】
次に、受光ユニット12の構成について説明する。この受光ユニット12は、前記投光部14から投光された光を受光する受光部20を備えている。又、この受光ユニット12には、前記投光ユニット11の作業指示灯15と同様の構成の作業指示灯21が備えられ、安定入光表示灯22及び投光動作が行われていることを表示する動作表示灯23が設けられている。さらに、この受光ユニット12にもCPUを備えた制御回路24が設けられている。この制御回路24には、前記コントロールユニット13からの外部信号が入力回路25を介して入力されるとともに、受光部20からの受光信号が受光回路26を介して入力されるようになっている。そして、この制御回路24は、それらの信号と、予め記録された制御プログラムに基づき前記作業指示灯21、安定入光表示灯22及び動作表示灯23の動作を制御するとともに、出力回路27を介して、前記コントロールユニット13にピッキング動作の検出信号を出力する機能を備えている。
【0016】
次に、前記コントロールユニット13の構成について説明する。
このコントロールユニット13は、CPUを備えた制御回路31を有し、該制御回路31には、入出力回路32を介して、前記投光ユニット11及び受光ユニット12に作業指示信号等の外部信号が出力されるとともに、前記受光ユニット12からのピッキング動作の検出信号が入力されるようになっている。前記制御回路31は前記受光ユニット12からの受光信号に基づいて、ピッキング動作を検出する検出手段としての機能を有している。
【0017】
前記コントロールユニット13には、一回のピッキング作業に必要な所定時間(標準作業時間)を設定するためのタイマ設定手段33が設けられている。このタイマ設定手段33は、図示しないがキーボード等の入力手段によって、前記所定時間を適宜に可変設定するようになっている。このタイマ設定手段33には、所定時間を計測するための計時手段34(カウンタ)が接続されている。この計時手段34は、前記制御回路31に接続され、該制御回路31には、ピッキング動作の遅延を報知するための遅延報知手段35が接続されている。この遅延報知手段35には、図示しないが表示灯、ブザー、あるいはチャイム等が設けられている。又、前記制御回路31及び遅延報知手段35には遅延状態の報知を解除するための報知解除手段としての機能も付与されている。
【0018】
この実施形態では、前記コントロールユニット13の制御回路31及び作業指示灯15,21等により作業指示表示手段が構成されている。
次に、図1及び図2に基づいて、前記のように構成したピッキングセンサの動作について説明する。
【0019】
図1において、コントロールユニット13からの外部信号により投光ユニット11の電源表示灯16が点灯された状態で、作業者により図示しない入力手段が操作されると、前記タイマ設定手段33によりピッキング作業に必要な標準作業時間(所定時間)が例えば10秒に設定される。
【0020】
次に、作業者によって図示しない入力手段が操作されて、前記コントロールユニット13の制御回路31から作業指示信号が出力されると、入出力回路32を介して、前記投光ユニット11及び受光ユニット12の入力回路18及び入力回路25に作業指示信号が出力される。すると、制御回路17及び制御回路24から点灯信号が出力されて、作業指示灯15, 21が点灯される。これと同期して、前記制御回路17から投光回路19を介して投光部14に信号が出力され、該投光部14から光が受光ユニット12の受光部20に向かって出力される。前記受光部20によって光が受光されると、受光回路26から受光信号が制御回路24に入力され、安定入光表示灯22及び動作表示灯23が点灯されるとともに、出力回路27及びコントロールユニット13の入出力回路32を介して、制御回路31に受光信号が入力される。
【0021】
この状態で、作業領域において図示しない部品収納庫から部品が作業者によって取り出され、ピッキング動作が行われると、作業者の腕によって、投光部14から受光部20に向かって出力されている光が遮られるので、部品のピッキング動作が行われたことが検出され、光電センサPSからコントロールユニット13にピッキング動作検出信号が出力される。このピッキング動作の検出と同期して、作業指示灯15,21が消灯されるとともに、前記タイマ設定手段33によって予め設定された所定時間(標準作業時間)の計測が計時手段34によって行われる。そして、この所定時間が経過する以前に、同じ作業領域において、次のピッキング動作が行われて、二回目のピッキング動作検出信号が制御回路31に入力された場合には、該制御回路31から遅延報知手段35に動作信号が出力されず、遅延報知手段35が動作されることはない。反対に、前記所定時間内に次のピッキング動作が行われなかった場合には、前記制御回路31から前記遅延報知手段35に動作信号が出力され、遅延報知手段35のブザー、あるいはチャイム等によってピッキング動作が遅延状態にあることが作業者に報知される。前記遅延報知手段35の報知動作は、その報知動作の継続中において、図2に示すように、二回目のピッキンク作業が行われたことが光電センサPSによって検出されると、制御回路31から遅延報知手段35に解除信号が出力されて自動的に報知動作が解除される。
【0022】
上記実施形態のピッキングセンサによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、コントロールユニット13にタイマ設定手段33、計時手段34及び遅延報知手段35を設けて、先のピッキング動作から所定時間が経過しても、次のピッキング動作が行われなかった場合には、コントロールユニット13の制御回路31から遅延報知手段35に信号が出力されて、ピッキング動作が遅延状態にあることが作業者に報知される。このため、作業者のピッキング作業の能率を向上することができる。
【0023】
(2)上記実施形態では、前記遅延報知手段35の報知動作の継続中において、次のピッキンク作業が行われたことが光電センサPSによって検出されると、制御回路31から遅延報知手段35に解除信号が出力されて自動的に報知動作が解除されるようにした。このため、遅延の報知動作が作業者の動作に基づいてのみ解除されるので、作業者に遅延の報知動作が確実に伝えられる。 次に、この発明のピッキングシステムを具体化した第1〜第3実施形態について以下に順次説明する。
【0024】
これらの各実施形態に用いられるピッキングシステムのハードウエアの構成は、図3に示すように、同じものが用いられるので、この構成について説明する。
第1及び第2の作業領域にそれぞれ装設される第1光電センサPS1及び第2光電センサPS2は、前述した光電センサPSの構成と同様であるため説明を省略する。共通のコントロールユニット13には、前記第1光電センサPS1及び第2光電センサPS2が接続されている。前記第1光電センサPS1、第2光電センサPS2及び前記コントロールユニット13には、後述する第1〜第3実施形態の動作をそれぞれ制御するためのプログラムを記憶したソフトウエアが備えられている。なお、実際には例えば第1〜第10の作業領域が設けられ、各領域の光電センサが前記コントロールユニット13に接続されているが第3の作業領域以下の構成は省略する。
(第1実施形態)
最初に、図3及び図4に基づいて、ピッキングシステムの第1実施形態の動作について説明する。
【0025】
図4に示すように、コントロールユニット13から第1作業領域の第1光電センサPS1に作業指示灯点灯信号が出力されて作業指示灯15,21が点灯される。この状態において、前記第1光電センサPS1から最初の部品のピッキング動作検出信号がコントロールユニット13に入力されると、作業指示灯15,21が消灯されるとともに、計時手段34によって前記第1光電センサPS1(第1作業領域)における所定時間の計測が行われる。又、第1作業領域のピッキング動作検出信号と同期して、コントロールユニット13から第2光電センサPS2に作業指示点灯信号が出力される。この状態において、前記所定時間内に第2光電センサPS2(第2作業領域)において、図4の鎖線で示すようにピッキング動作が行われると、制御回路31から遅延報知手段35に動作信号が出力されることは無い。反対に、前記所定時間内に第2作業領域においてピッキング動作が行われなかった場合には、前記制御回路31から遅延報知手段35に信号が出力され、第2作業領域内のピッキング動作が遅延していることがブザー等によって作業者に報知される。前記遅延報知手段35の報知動作は、その報知動作の継続中に図4に実線で示すように、第2作業領域でピッキンク作業が行われたことが第2光電センサPS2によって検出されると、制御回路31から遅延報知手段35に解除信号が出力されて自動的に報知動作が解除される。
【0026】
このピッキングシステムの第1実施形態の効果は、前述したピッキングセンサの効果(1)及び(2)と同様である。
(第2実施形態)
次に、図3及び図5に基づいて、この発明の第2実施形態の動作について説明する。
【0027】
この実施形態においては、図5に示すように、前記第1光電センサPS1側の作業指示灯15,21が点灯されると同時に、計時手段34により所定時間の計測が行われる。そして、図5に鎖線で示すように所定時間内にピッキング作業が行われた場合には、遅延報知手段35は作動されることはない。反対に、所定時間内にピッキング作業が行われなかった場合には、第1光電センサPS1(第1作業領域)において、遅延報知手段35が作動されてブザー等によりピッキング動作が遅延していることが作業者に報知される。その後、図5に実線で示すように第1作業領域において、ピッキング作業が行われた場合には、前述したように遅延報知手段35が解除される。
【0028】
上記の第1作業領域におけるピッキング作業が行われると、コントロールユニット13から作業指示点灯信号が第2作業領域の第2光電センサPS2の作業指示灯15,21に出力されて点灯される。この第2作業領域の作業指示灯15,21の点灯と同時に計時手段34により所定時間の計測が行われる。そして、図5に鎖線で示すように所定時間内に第2作業領域のピッキング作業が行われた場合には、遅延報知手段35は作動されない。反対に、所定時間内にピッキング作業が行われなかった場合には、第2光電センサPS2(第2作業領域)において、遅延報知手段35が作動されてブザー等によりピッキング動作が遅延していることが作業者に報知される。そして、第2作業領域において、図5に実線で示すようにピッキング作業が行われた場合には、遅延報知手段35による報知動作が解除される。
【0029】
このピッキングシステムの第2実施形態の効果は、前述したピッキングセンサの効果(1)及び(2)と同様である。
(第3実施形態)
次に、図3及び図6に基づいて、この発明の第3実施形態の動作について説明する。
【0030】
図6に示すように、コントロールユニット13から第1作業領域の第1光電センサPS1に作業指示灯点灯信号が出力されて作業指示灯15,21が点灯される。この状態において、前記第1光電センサPS1によって、最初の部品のピッキング動作検出信号が検出されると、作業指示灯15,21が消灯されるとともに、コントロールユニット13の計時手段34によって前記第1光電センサPS1における所定時間の計測が行われる。又、第1作業領域のピッキング動作検出信号と同期して、コントロールユニット13から第2光電センサPS2に作業指示点灯信号が出力される。この状態において、前記所定時間内に第1作業領域において、作業者が前記第1光電センサPS1を二回遮光(単なる遮光のみ)させない場合は、制御回路31から遅延報知手段35に信号が出力され、第2作業領域内のピッキング動作が遅延していることがブザー等によって作業者に報知される。
【0031】
前記遅延報知手段35による報知動作は、その報知動作の継続中において、図6に示すように、第1作業領域で作業者が前記第1光電センサPS1を二回遮光(単なる遮光のみ)させると、制御回路31から遅延報知手段35に解除信号が出力されて報知動作が解除される。その後、第2作業領域において、ピッキング作業が行われると、第2光電センサPS2の作業指示灯15,21が消灯されるとともに、コントロールユニット13から第3作業領域の第3光電センサPS3に作業指示点灯信号が出力されて作業指示灯15,21が点灯されるとともに、計時手段34による所定時間の計測が行われる。以下、第3作業領域以下の各領域において、前述した動作と同様の動作が行われる。
【0032】
上記の第3実施形態においては、遅延報知手段35の報知動作を解除するために、前段の第1光電センサPS1を二回遮光するようにしたので、作業者の意思によってのみ報知状態を解除することができる。従って、ピッキング作業の遅延を効果的に防止することができる。
【0033】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図1及び図2に示すピッキングセンサにおいて、光電センサPSの作業指示灯15,21が点灯されると同時に、計時手段34による所定時間の計測を行うようにしてもよい。
【0034】
・図1及び図2に示すピッキングセンサにおいて、遅延報知手段35の報知動作を解除するために、前述した第3実施形態の方法である作業領域で作業者が前記光電センサPSを二回遮光(単なる遮光のみ)させる方式を採用してもよい。
【0035】
・図1及び図2に示すピッキングセンサにおいて、前記投光ユニット11又は受光ユニット12にコントロールユニット13を一体的に組み込んでもよい。
・前記投光ユニット11及び受光ユニット12は、光を反射させる反射板を用いる方式でも、反射板を用いない透過方式であってもよい。
【0036】
・前記制御回路31及び遅延報知手段35に対し、作業者が前記光電センサPS、PS1、PS2の光路を遮光し、この遮光の後に再び入光(遮光解除)することにより報知動作が解除される機能を付与してもよい。又、前記制御回路31及び遅延報知手段35に対し、作業者による前記光路の遮光と入光が複数回繰り返されることにより報知動作が解除される機能を付与してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明のピッキングセンサを具体化した一実施形態を示すブロック回路図。
【図2】ピッキングセンサの動作を説明するタイムチャート。
【図3】この発明のピッキングシステムの第1〜第3実施形態に用いられるハードウエアを示すブロック回路図。
【図4】ピッキングシステムの第1実施形態の動作を説明するタイムチャート。
【図5】ピッキングシステムの第2実施形態の動作を説明するタイムチャート。
【図6】ピッキングシステムの第3実施形態の動作を説明するタイムチャート。
【図7】従来のピッチングセンサの略体説明図。
【符号の説明】
【0038】
PS…光電センサ、PS1…第1光電センサ、PS2…第2光電センサ、11…投光ユニット、12…受光ユニット、13…コントロールユニット、15,21…作業指示灯、33…タイマ設定手段、34…計時手段、35…遅延報知手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業領域に光を投光する投光ユニットと、該投光ユニットから投光された光を受光する受光ユニットとからる光電センサと、該光電センサに外部から作業指示点灯信号が送信されて、外部から視認可能な点灯状態を呈する作業指示表示手段と、前記光電センサからの受光信号に基づいて、ピッキング動作を検出する検出手段とを備えたピッキングセンサにおいて、
前記ピッキング動作の標準作業時間を設定するためのタイマ設定手段を設けるとともに、外部からの作業指示点灯信号を受けたとき、又は光電センサが遮光を検出したときに時間を計測するための計時手段を設け、さらに、該計時手段により前記標準作業時間に達したことが計測され、かつ、前記標準作業時間内にピッキング動作が行われなかった場合のみピッキング動作の遅延を報知する遅延報知手段を設け、前記遅延報知手段の報知動作を、作業者の動作に基づいて解除する報知解除手段を設けたことを特徴とするピッキングセンサ。
【請求項2】
請求項1において、前記報知解除手段は、次のピッキング動作が行われると、報知動作が解除されるように構成されていることを特徴とするピッキングセンサ。
【請求項3】
請求項1において、前記報知解除手段は、作業者が前記光電センサの光路を遮光し、この遮光の後に再び入光することにより報知動作が解除されるように構成されていることを特徴とするピッキングセンサ。
【請求項4】
請求項3において、作業者による前記光路の遮光と入光が複数回繰り返されることにより報知動作が解除されるように構成されていることを特徴とするピッキングセンサ。
【請求項5】
複数の作業領域に対し、光を投光する投光ユニットと、該投光ユニットから投光された光を受光する受光ユニットとからる光電センサをそれぞれ設けるとともに、複数の光電センサに接続された共通のコントロールユニットと、各作業領域に設けられ、かつ前記コントロールユニットからの点灯指令に応じて、外部から視認可能な点灯状態を呈する作業指示表示手段と、前記各光電センサからの受光信号に基づいて、各作業領域におけるピッキング動作を検出する検出手段とを備えたピッキングシステムにおいて、
前記コントロールユニットには、前記各作業領域の標準作業時間をそれぞれ設定するためのタイマ設定手段が設けられるとともに、外部からの作業指示点灯信号を受けたとき、又は光電センサが遮光を検出したときに時間を計測する計時手段が設けられ、さらに、前記計時手段により前記標準作業時間に達したことが計測され、かつ、前記標準作業時間内にピッキング動作が行われなかった場合のみに、ピッキング動作の遅延を報知する遅延報知手段が設けられ、前記遅延報知手段の報知動作を、作業者の動作に基づいて解除する報知解除手段が設けられていることを特徴とするピッキングシステム。
【請求項6】
請求項5において、前記報知解除手段は、次のピッキング動作が行われると、報知動作が解除されるように構成されていることを特徴とするピッキングシステム。
【請求項7】
請求項5において、前記報知解除手段は、作業者が前記光電センサの光路を遮光し、この遮光の後に再び入光することにより報知動作が解除されるように構成されていることを特徴とするピッキングセンサ。
【請求項8】
請求項7において、作業者による前記光路の遮光と入光が複数回繰り返されることにより報知動作が解除されるように構成されていることを特徴とするピッキングセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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