説明

ピッキング設備

【課題】ピッキング用作業領域の上方箇所を有効利用することができるピッキング設備を提供する。
【解決手段】ピッキング作業を行う物品を収納するピッキング用棚部分1と、そのピッキング用棚部分1に補充する物品を収納する補充用棚部分2とを設け、補充用棚部分2の物品をピッキング用棚部分1に搬送する物品搬送手段3を設け、ピッキング用棚部分1の前方側箇所にピッキング作業領域4を設け、補充用棚部分2を、ピッキング用棚部分1の上方箇所からピッキング作業領域4の上方箇所に亘る棚設置領域5に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキング作業を行う物品を収納するピッキング用棚部分の上方に、そのピッキング用棚部分に補充する物品を収納する補充用棚部分が設けられ、前記補充用棚部分の物品を前記ピッキング用棚部分に搬送する物品搬送手段が設けられ、前記ピッキング用棚部分の前方側箇所にピッキング作業領域が設けられているピッキング設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるピッキング設備は、ピッキング作業領域において作業者がピッキング用棚部分の物品に対してピッキング作業を行うものであり、ピッキング用棚部分の物品が少なくなりピッキング用棚部分に物品を補充する必要がある場合には、物品搬送手段にて補充用棚部分からピッキング用棚部分に物品を搬送してピッキング用棚部分に物品を補充するように構成されているものである。
そして、このようなピッキング設備において、従来では、下部にピッキング用棚部分を備え且つ補充用棚部分を上部に備えた棚が設けられており、補充用棚部分が、ピッキング用棚部分の上方箇所にのみ設けられていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−225582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のピッキング設備では、ピッキング用棚部分の前方側箇所には作業者がピッキング作業を行うピッキング作業領域が設けられているが、補充用棚部分の前方側箇所、つまりは、ピッキング作業領域の上方箇所には何も設けられておらず、このピッキング作業領域の上方箇所が空きスペースとなっていた。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、ピッキング用作業領域の上方箇所を有効利用することができるピッキング設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかるピッキング設備は、ピッキング作業を行う物品を収納するピッキング用棚部分の上方に、そのピッキング用棚部分に補充する物品を収納する補充用棚部分が設けられ、前記補充用棚部分の物品を前記ピッキング用棚部分に搬送する物品搬送手段が設けられ、前記ピッキング用棚部分の前方側箇所にピッキング作業領域が設けられているものであって、
その第1特徴構成は、前記補充用棚部分が、前記ピッキング用棚部分の上方箇所からピッキング作業領域の上方箇所に亘る棚設置領域に設けられている点にある。
【0007】
すなわち、第1特徴構成によれば、ピッキング用棚部分の上方箇所からピッキング作業領域の上方箇所に亘る領域を棚設置領域として補充用棚部分が設けられており、ピッキング用棚部分の上方箇所に加えてピッキング用作業領域の上方箇所に補充用棚部分を設けることによって、ピッキング作業領域の上方箇所を補充用棚部分を設ける棚設置領域として有効利用することができる。
従って、ピッキング作業領域の上方箇所にも補充用棚部分を設けることによって、ピッキング用作業領域の上方箇所を有効利用することができるピッキング設備を提供することができるに至った。
【0008】
本発明にかかるピッキング設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記物品搬送手段が、前記ピッキング用棚部分に沿って走行する下方側スタッカークレーンと、前記補充用棚部分に沿って走行する上方側スタッカークレーンと、前記上方側スタッカークレーンから物品を受け渡される上方物品移載部と前記下方側スタッカークレーンに物品を受け渡す下方物品移載部との間で物品を上下方向に沿う直線状の搬送経路に沿って搬送する昇降搬送装置とから構成されている点にある。
【0009】
すなわち、第2特徴構成によれば、上方側スタッカークレーンにて補充用棚部分から上方物品移載部に物品が搬送され、昇降搬送装置にて上方物品移載部から下方物品移載部に物品が搬送され、下方側スタッカークレーンにて下方物品移載部からピッキング用棚部分に物品が搬送されることにより、搬送装置にて物品が補充用棚部分からピッキング用棚部分に搬送されることとなる。
そして、上方物品移載部から下方物品移載部に上下方向に沿う直線状の昇降装置にて直接に搬送するものであるから、例えば、上方物品移載部から昇降装置に物品を搬送する搬送装置や、昇降装置から下方物品移載部に物品を搬送する搬送装置が必要ない。そのため、補充用棚部分からピッキング用棚部分への搬送経路が短くて済み、物品を補充するリードタイムが短くなるとともに物品搬送手段のコンパクト化を図ることができる。
従って、物品を補充するリードタイムが短くなるとともに物品搬送手段のコンパクト化を図ることができるピッキング設備を提供することができるに至った。
【0010】
本発明にかかるピッキング設備の第3特徴構成は、第2特徴構成において、 前記ピッキング用棚部分が、前記下方側スタッカークレーンの走行経路の両横側に設けられ、前記下方側スタッカークレーンの走行経路の両横側に位置する一対の前記ピッキング用棚部分夫々の上方箇所から前記一対のピッキング用棚部分夫々の前方側箇所に存在する前記ピッキング作業領域の上方箇所が、前記棚設置領域に構成されている点にある。
【0011】
すなわち、第3特徴構成によれば、下方側のスタッカークレーンの走行経路の両横側にピッキング用棚部分を設けることによって、一台の下方側スタッカークレーンにて下方物品移載部から一対のピッキング用棚部分に物品搬送することができ、一対のピッキング用棚部分に対して夫々専用の下方側スタッカークレーンを設けなくてよいので、ピッキング設備の構成の簡素化及び省スペース化を図ることができる。
また、一対のピッキング用棚部分のうちの一方のピッキング用棚部分の上方箇所からその一方のピッキング用棚部分の前方側箇所に存在するピッキング作業領域の上方箇所に亘って棚設置領域が設けられ、また、残る他方のピッキング用棚部分の上方箇所からその他方のピッキング用棚部分の前方側箇所に存在するピッキング作業領域の上方箇所に亘って棚設置領域が設けられている。要するに、一対のピッキング作業領域夫々の上方箇所を補充用棚部分を設ける棚設置領域として有効利用することができる。
従って、ピッキング設備の構成の簡素化及び省スペース化を図りながら、一対のピッキング作業領域夫々の上方箇所を補充用棚部分を設ける棚設置領域として有効利用することができるピッキング設備を提供することができるに至った。
【0012】
本発明にかかるピッキング設備の第4特徴構成は、第2又は第3特徴構成において、前記補充用棚部分及び前記上方側スタッカークレーンを支持する床部分が、前記ピッキング用棚部分を形成する支柱枠にて支持される状態で形成されている点にある。
【0013】
すなわち、第4特徴構成によれば、補充用棚部分及び上方側スタッカークレーンを支持する床部分が、ピッキング用棚部分を形成する支柱枠にて支持される状態で形成されており、ピッキング用棚部分を形成する支柱枠を床部分を支持する部材として利用することによって、床部分を支持する専用の部材が必要ない又は簡素なものでよくなるため、ピッキング設備の構成の簡素化を図ることができる。
従って、ピッキング用棚部分を形成する支柱枠を床部分を支持する部材として利用することにより、構成の簡素化を図ることができるピッキング設備を提供することができるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明のピッキング設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、ピッキング設備には、ピッキング作業を行うピッキング用棚部分1と、そのピッキング用棚部分1に補充する物品を収納する補充用棚部分2と、補充用棚部分2の物品をピッキング用棚部分1に搬送する物品搬送手段3とが設けられている。
そして、ピッキング用棚部分1の前方側箇所にピッキング作業領域4が設けられている。また、補充用棚部分2は、ピッキング用棚部分1の上方箇所からピッキング作業領域4の上方箇所に亘る棚設置領域5に設けられている。
尚、ピッキング用棚部分1の上方箇所とはピッキング用棚部分1の真上の箇所であり、ピッキング作業領域4の上方箇所とはピッキング作業領域4の真上の箇所である。また、物品は、ダンボール箱等のケース内に各種の品物を収納したものである。
【0015】
図2に示すように、物品搬送手段3は、ピッキング用棚部分1に沿って走行する下方側スタッカークレーン7と、補充用棚部分2に沿って走行する上方側スタッカークレーン8と、上方側スタッカークレーン8から物品を受け渡される上方物品移載部10と下方側スタッカークレーン7に物品を受け渡す下方物品移載部9との間で物品を上下方向に沿う直線状の搬送経路に沿って搬送する昇降搬送装置11とから構成されている。
【0016】
以下、ピッキング設備について説明を加えるが、図1及び図4に示すように、ピッキング設備にはピッキング用棚部分1が2つ設けられており、これら2つのピッキング用棚部分1を区別するために便宜上、棚前後幅方向の一方側(図1及び図4における左側)のピッキング用棚部分1から順に、第1のピッキング用棚部分1a、第2のピッキング用棚部分1bと称して説明する。
また、図1、図3及び図4に示すように、ピッキング設備には補充用棚部分2が6つ設けられており、物品搬送手段3には上方側スタッカークレーン8が3台設けられ、上方物品移載部10、下方物品移載部9及び昇降搬送装置11が夫々2台設けられているが、これらについてもピッキング用棚部分1と同様に、棚前後幅方向の一方側(図1、図3及び図4における左側)から順に、例えば補充用棚部分2であれば第1の補充用棚部分2a、第2の補充用棚部分2b…のように称して説明する。
【0017】
まず、物品搬送手段3について説明を加える。
図1及び図3に示すように、上方側スタッカークレーン8として、第1の補充用棚部分2a及び第2の補充用棚部分2bに対して設けられた第1の上方側スタッカークレーン8aと、第3の補充用棚部分2c及び第4の補充用棚部分2dに対して設けられた第2の上方側スタッカークレーン8bと、第5の補充用棚部分2e及び第6の補充用棚部分2fに対して設けられた第3の上方側スタッカークレーン8cとの3台の上方側スタッカークレーン8が設けられている。これら上方側スタッカークレーン8は棚横幅方向に沿って走行するように設けられており、床Fから上方に間隔を隔てた状態で設けられた床部分f上に設けられている。
ちなみに、下方側スタッカークレーン7は床F上に1台設けられており、この下方側スタッカークレーン7は、第2の上方側スタッカークレーン8bの走行経路と上下方向に重複する走行経路を棚横幅方向に沿って走行するように設けられている。
【0018】
図3に示すように、上方物品移載部10として、第1の上方側スタッカークレーン8a及び第2の上方側スタッカークレーン8bから物品を受け渡される第1の上方物品移載部10aと、第2の上方側スタッカークレーン8b及び第3の上方側スタッカークレーン8cから物品を受け渡される第2の上方物品移載部10bとの2つの上方物品移載部10が設けられている。図1及び図2に示すように、これら上方物品移載部10の夫々は床部分f上に設けられている。
また、上方物品移載部10の夫々は、物品を棚横幅方向に沿う搬送方向に載置搬送するローラコンベヤ13、このローラコンベヤ13における補充用棚部分側端部に設けられて載置面がローラコンベヤ13の搬送面より高い上昇位置と低い下降位置とに昇降自在な物品載置台14、及び、ローラコンベヤ13の棚前後幅方向一方側端部の横側方に設けられて物品を棚前後幅方向に沿う搬送方向に載置搬送して上昇位置の物品載置台14に受け渡し可能なベルトコンベヤ15を備えて構成されている。
【0019】
図4に示すように、下方物品移載部9として、下方側スタッカークレーン7に物品を受け渡す第1の下方物品移載部9aと、同じく下方側スタッカークレーン7に物品を受け渡す第2の下方物品移載部9bとの2つの下方物品移載部9が設けられている。図1及び図2に示すように、これら下方物品移載部9の夫々は床F上に設けられている。
また、下方物品移載部9の夫々は、物品を棚横幅方向に沿う搬送方向に載置搬送するローラコンベヤ13、及び、このローラコンベヤ13における補充用棚部分側端部に設けられて載置面がローラコンベヤ13の搬送面より高い上昇位置と低い下降位置とに昇降自在な物品載置台14を備えて構成されている。
【0020】
図3及び図4に示すように、昇降搬送装置11として、第1の上方物品移載部10aから第1の下方物品移載部9aに物品を搬送する第1の昇降搬送装置11aと、第2の上方物品移載部10bから第2の下方物品移載部9bに物品を搬送する第2の昇降搬送装置11bとの2台の昇降搬送装置11が設けられている。図2に示すように、これら2台の昇降搬送装置11の夫々は床部分fの上方から下方に亘って設けられている。
【0021】
そして、物品搬送手段3は図外の制御装置にてその作動が制御されており、上方側スタッカークレーン8にて補充用棚部分2に収納されている物品を上方物品移載部10に搬送し、昇降搬送装置11にて上方物品移載部10から下方物品移載部9に搬送し、下方側スタッカークレーン7にて下方物品移載部9からピッキング用棚部分1に搬送して、補充用棚部分2の1つの物品又は2つの物品群をピッキング用棚部分1に搬送すべく物品搬送手段3の作動が制御装置にて制御されている。
ちなみに、ピッキング設備には、ピッキング作業を行う物品をピッキング設備に搬入する搬入用搬送装置26と、ピッキングされた物品をピッキング設備から搬出する搬出用搬送装置27とが設けられており、搬入用搬送装置26にて搬入された物品は上方側スタッカークレーン8にて補充用棚部分2に搬送するように構成されている。尚、搬出用搬送装置27にはピッキングされた物品が作業者にて載せられる。
【0022】
次に、ピッキング用棚部分1及び補充用棚部分2について説明を加える。
図1及び図4に示すように、ピッキング用棚部分1は、下方側スタッカークレーン7の走行経路の両横側に設けられている。説明を加えると、ピッキング用棚部分1として、棚前後幅方向に並べられた第1のピッキング用棚部分1aと第2のピッキング用棚部分1bとが設けられており、第1のピッキング用棚部分1aと第2のピッキング用棚部分1bとは、下方側スタッカークレーン7にて物品が補充される棚前後幅方向の後方側が互いに対向し且つ下方側スタッカークレーン7の走行経路を形成すべく互いに離間させた状態で床F上に設けられている。
【0023】
2つのピッキング用棚部分1の夫々には、ピッキング用物品支持体17が上下方向並びに棚横幅方向に並べた状態で設けられている。ピッキング用物品支持体17の夫々は、その支持面が後方側部分よりその反対側の前方側部分が下方に位置する傾斜姿勢となる状態に設けられており、下方側スタッカークレーン7にてピッキング用物品支持体17の後方側端部に載置された物品が自重により前方側端部まで移動するように構成されている。
【0024】
図1及び図3に示すように、補充用棚部分2は、上方側スタッカークレーン8の走行経路の両横側に設けられている。説明を加えると、補充用棚部分2として、棚前後幅方向に並べられた第1〜第6の補充用棚部分2a、2b、2c、2d、2e、2fが設けられており、第1の補充用棚部分2aと第2の補充用棚部分2bとは棚前後幅方向の物品出し入れ口側が互いに対向し且つ第1の上方側スタッカークレーン8aの走行経路を形成すべく互いに離間させた状態で床部分f上に設けられている。第3〜第6の補充用棚部分2c、2d、2e、2fも同様に、第3の補充用棚部分2cと第4の補充用棚部分2dとは棚前後幅方向の物品出し入れ口側が互いに対向し且つ第2の上方側スタッカークレーン8bの走行経路を形成すべく互いに離間させた状態で床部分f上に設けられ、第5の補充用棚部分2eと第6の補充用棚部分2fとは棚前後幅方向の物品出し入れ口側が互いに対向し且つ第3の上方側スタッカークレーン8cの走行経路を形成すべく互いに離間させた状態で床部分f上に設けられている。
【0025】
6つの補充用棚部分2の夫々には、収納用物品支持体18が上下方向並びに棚横幅方向に並べた状態で設けられている。収納用物品支持体18の夫々は、その支持面が水平姿勢となる状態に設けられており、棚前後幅方向に2つの物品を並べて支持可能に構成されている。
【0026】
2つのピッキング用棚部分1の夫々は、棚前後幅方向に並ぶ3本の支柱21をラチス(図示せず)にて接続してトラス構造としたピッキング用棚支柱枠22を棚横幅方向に並べて設置されており、棚横幅方向に隣接するピッキング用棚支柱枠22は、水平姿勢の梁部材及び傾斜姿勢のブレース(いずれも図示せず)にて接続されている。そして、ピッキング用棚支柱枠22にてピッキング用物品支持体17が支持されている。
また、6つの補充用棚部分2の夫々には、棚前後幅方向に並ぶ一対の支柱21をラチスにて接続してトラス構造とした補充用棚支柱枠23を棚横幅方向に並べて設置されており、棚横幅方向に隣接する補充用棚支柱枠23は、水平姿勢の梁部材及び傾斜姿勢のブレースにて接続されている。そして、補充用棚支柱枠23にて収納用物品支持体18が支持されている。
尚、ピッキング用棚支柱枠22が本願発明のピッキング用棚部分1を形成する支柱枠に相当する。
【0027】
第2の補充用棚部分2bの補充用棚支柱枠23における棚前後幅方向後方側の支柱21と第3の補充用棚部分2cの補充用棚支柱枠23における棚前後幅方向後方側の支柱21とは同じ支柱21が兼用されている。また、同じく、第4の補充用棚部分2dの補充用棚支柱枠23における棚前後幅方向後方側の支柱21と第5の補充用棚部分2eの補充用棚支柱枠23における棚前後幅方向の後方側の支柱21とも同じ支柱21が兼用されている。
そして、第2の補充用棚部分2bの補充用棚支柱枠23及び第3の補充用棚部分2cの補充用棚支柱枠23を構成する3本の支柱21と第1のピッキング用棚部分1aのピッキング用棚支柱枠22を構成する3本の支柱21とは一連に構成されている。換言すれば、3本の支柱21にて、第2の補充用棚部分2bの補充用棚支柱枠23及び第3の補充用棚部分2cの補充用棚支柱枠23を構成する3本の支柱21と第1のピッキング用棚部分1aのピッキング用棚支柱枠22を構成する3本の支柱21とが構成されている。
また、同じく、第4の補充用棚部分2dの補充用棚支柱枠23及び第5の補充用棚部分2eの補充用棚支柱枠23を構成する3本の支柱21と第2のピッキング用棚部分1bのピッキング用棚支柱枠22を構成する3本の支柱21とも一連に構成されている。
【0028】
ピッキング用棚部分1を形成するピッキング用棚支柱枠22は、それを構成する支柱21が床Fに立設され且つ床部分fに連結されることにより、ピッキング用棚支柱枠22にて補充用棚部分2及び上方側スタッカークレーン8を支持する床部分fが支持されている。
また、第1の収納用棚部分2a及び第6の収納用棚部分2fの補充用棚支柱枠23は、それを構成する支柱21が下方に延出されて床部分fを支持する支持用支柱枠24が構成され、この支持用支柱枠24を構成する支柱21が床Fに立設され且つ床部分fに連結されることにより、支持用支柱枠24によっても床部分fが支持されている。
【0029】
次に、ピッキング用棚部分1と補充用棚部分2との位置関係について説明を加える。
図1に示すように、ピッキング用棚部分1が床F上に設けられ、補充用棚部分2が床Fから上方に間隔を隔てて設けられた床部分f上に設けられることによって、ピッキング用棚部分1の上方に補充用棚部分2が設けられている。
そして、下方側スタッカークレーン7の走行経路の両横側に位置する一対のピッキング用棚部分1夫々の上方箇所から一対のピッキング用棚部分1夫々の前方側箇所に存在するピッキング作業領域4の上方箇所が、棚設置領域5に構成されている。
【0030】
つまり、第1のピッキング用棚部分1aの上方箇所からこれの前方側箇所に存在するピッキング作業領域4の上方箇所が棚設置領域5に構成されており、この棚設置領域5には、第1の補充用棚部分2a、第2の補充用棚部分2b並びに第3の補充用棚部分2cが設けられている。また、第2のピッキング用棚部分1bの上方箇所からこれの前方側箇所に存在するピッキング作業領域4の上方箇所も棚設置領域5に構成されており、この棚設置領域5には、第4の補充用棚部分2d、第5の補充用棚部分2e並びに第6の補充用棚部分2fが設けられている。
また、棚設置領域5には、第1の上方側スタッカークレーン8a並びに第3の上方側スタッカークレーン8cも設けられている。
【0031】
要するに、下方側スタッカークレーン7と第2の上方側スタッカークレーン8bとがその走行経路が上下方向に重なる状態で設けられており、このように下方側スタッカークレーン7と第2の上方側スタッカークレーン8bとが設けられることにより、第1のピッキング用棚部分1aの上方箇所に第3の補充用棚部分2cが設けられ、第2のピッキング用棚部分1bの上方箇所に第4の補充用棚部分2dが設けられている。
また、ピッキング用棚部分1は、補充用棚部分2に比べて棚前後幅方向に長く構成されているため、第1のピッキング用棚部分1aの上方箇所に第2の補充用棚部分2bも設けられ、第2のピッキング用棚部分1bの上方箇所に第5の補充用棚部分2eも設けられている。
そして、第1のピッキング用棚部分1aの前方側箇所に設けられたピッキング作業領域4の上方箇所に第1の補充用棚部分2aが設けられ、第2のピッキング用棚部分1bの前方側箇所に設けられたピッキング作業領域4の上方箇所に第6の補充用棚部分1fが設けられている。
【0032】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、一対のピッキング用棚部分1夫々の上方箇所からそれらの前方側箇所に存在するピッキング作業領域4の上方箇所を棚設置領域5に構成し、その棚設置領域5の全域に亘って補充用棚部分2を設けたが、棚設置領域5の一部に補充用棚部分2を設けなくてもよい。
例えば、上記実施の形態において、第5の補充用棚部分2e及び第6の補充用棚部分2fを設けないようにして、第2のピッキング用棚部分1bの前方側箇所に存在するピッキング作業領域4の上方箇所に補充用棚部分2を設けないようにしてもよい。
【0033】
(2) 上記実施の形態では、複数の上方側スタッカークレーン8のうちの一つを、その走行経路が下方側スタッカークレーン7の走行経路と上下方向に重複するように設けたが、複数の上方側スタッカークレーン8のうちのいずれもが、その走行経路が下方側スタッカークレーン7の走行経路と上下方向に重複しないように、下方側スタッカークレーン7に対して棚前後幅方向にずらして設けてもよい。
つまり、例えば、図5に示すように、上方側スタッカークレーン8として、第1の上方側スタッカークレーン8aと第2の上方側スタッカークレーン8bとの2台の上方側スタッカークレーン8を設け、これら第1の上方側スタッカークレーン8aと第2の上方側スタッカークレーン8bとを、それらの走行経路が下方側スタッカークレーン7の走行経路と上下方向に重複しないように、下方側スタッカークレーン7に対して棚前後幅方向にずらして設けてもよい。この場合、第1のピッキング用棚部分1aの上方箇所からこれの前方側箇所に存在するピッキング作業領域4の上方箇所の棚設置領域5には、第1の補充用棚部分2a並びに第2の補充用棚部分2bが設けられ、第2のピッキング用棚部分1bの上方箇所からこれの前方側箇所に存在するピッキング作業領域4の上方箇所の棚設置領域5には、第3の補充用棚部分2c並びに第4の補充用棚部分2dが設けられている。
尚、作業者はピッキング用棚部分1における前方側端部に位置する物品に対してピッキング作業を行うため、ピッキング用棚部分1における前方側端部が位置する領域もピッキング作業領域4に相当するものであり、上述の場合では、ピッキング作業領域4の上方箇所に第1の補充用棚部分2a及び第4の補充用棚部分2dが設けられている。
【0034】
(3) 上記実施の形態では、物品搬送手段3を、下方側スタッカークレーン7と上方側スタッカークレーン8と下方物品移載部9と上方物品移載部10と昇降搬送装置11とで構成したが、物品搬送手段3の構成は適宜変更してもよく、例えば、下方側スタッカークレーン7と昇降搬送装置11とを直接に物品を受け渡すように構成し、且つ、上方側スタッカークレーン8と昇降搬送装置11とを直接に物品を受け渡すように構成して、物品搬送手段3に下方物品移載部9や上方物品移載部10を備えさせなくてもよく、また、物品搬送手段3に物品搬送車を備えさせて、下方物品移載部9と昇降搬送装置11との間や、上方物品移載部10と昇降搬送装置11との間を物品搬送車にて物品を搬送するように構成してもよい。
【0035】
(4) 上記実施の形態では、ピッキング用棚部分1を、下方側スタッカークレーン7の走行経路の両横側に設けたが、ピッキング用棚部分1を、下方側スタッカークレーン7の一横側にのみ設けてもよい。
また、補充用棚部分2を、上方側スタッカークレーン8の走行経路の両横側に設けたが、補充用棚部分2を、上方側スタッカークレーン8の一横側にのみ設けてもよい。
【0036】
(5) 上記実施の形態では、床部分fをピッキング用棚支柱枠22にて支持される形態で形成したが、床部分fを支持する形態は適宜変更してもよく、例えば、床部分fを支持する専用の支持体にて支持される形態で形成してもよく、また、床部分fをピッキング設備の設置空間を形成する側壁に連結して支持される形態で形成してもよい。
【0037】
(6) 上記実施の形態では、床部分fを設けて、この床部分fにて補充用棚部分2及び上方側スタッカークレーン8を支持するように構成したが、床部分fを設けずに、補充用棚部分2を床Fに立設し、その補充用棚部分2に連結支持させた上方側スタッカークレーン8走行用の走行枠にて上方側スタッカークレーン8を支持させるようにして、補充用棚部分2及び上方側スタッカークレーン8を支持するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】ピッキング設備の正面図
【図2】ピッキング設備の側面図
【図3】ピッキング設備の補充用棚部分を示す平面図
【図4】ピッキング設備のピッキング用棚部分を平面図
【図5】別実施の形態におけるピッキング設備の正面図
【符号の説明】
【0039】
1 ピッキング用棚部分
2 補充用棚部分
3 物品搬送手段
4 ピッキング作業領域
5 棚設置領域
7 下方側スタッカークレーン
8 上方側スタッカークレーン
9 下方物品移載部
10 上方物品移載部
11 昇降搬送装置
22 支柱枠
f 床部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッキング作業を行う物品を収納するピッキング用棚部分の上方に、そのピッキング用棚部分に補充する物品を収納する補充用棚部分が設けられ、
前記補充用棚部分の物品を前記ピッキング用棚部分に搬送する物品搬送手段が設けられ、
前記ピッキング用棚部分の前方側箇所にピッキング作業領域が設けられているピッキング設備であって、
前記補充用棚部分が、前記ピッキング用棚部分の上方箇所からピッキング作業領域の上方箇所に亘る棚設置領域に設けられているピッキング設備。
【請求項2】
前記物品搬送手段が、前記ピッキング用棚部分に沿って走行する下方側スタッカークレーンと、前記補充用棚部分に沿って走行する上方側スタッカークレーンと、前記上方側スタッカークレーンから物品を受け渡される上方物品移載部と前記下方側スタッカークレーンに物品を受け渡す下方物品移載部との間で物品を上下方向に沿う直線状の搬送経路に沿って搬送する昇降搬送装置とから構成されている請求項1記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記ピッキング用棚部分が、前記下方側スタッカークレーンの走行経路の両横側に設けられ、
前記下方側スタッカークレーンの走行経路の両横側に位置する一対の前記ピッキング用棚部分夫々の上方箇所から前記一対のピッキング用棚部分夫々の前方側箇所に存在する前記ピッキング作業領域の上方箇所が、前記棚設置領域に構成されている請求項2記載のピッキング設備。
【請求項4】
前記補充用棚部分及び前記上方側スタッカークレーンを支持する床部分が、前記ピッキング用棚部分を形成する支柱枠にて支持される状態で形成されている請求項2又は3記載のピッキング設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−18375(P2010−18375A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179305(P2008−179305)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】