説明

ピッキング設備

【課題】本発明は、誤梱包の発生を防止できるピッキング設備を提供することを目的としたものである。
【解決手段】搬送ライン26に沿って、ランプ付き押釦スイッチ53を設けた間口52毎に、物品21の収納可能容積が異なる梱包箱23を収納した梱包箱収納棚51と、搬送ライン26により搬送されてくる集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24に印刷されたバーコードを読取る容器バーコードリーダ34Cを備え、ユーザーの物品21の注文情報(物品21の品目と数量)に基づいて、集品容器22に集品される物品21の総容積を求め、複数の梱包箱23の中から、求めた総容積を満足する梱包箱23を選択し、前記容器バーコードリーダ34Cにより前記バーコードが読取られると、選択した梱包箱23を収納する間口52を押釦スイッチ53のランプにより表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集品別、たとえば店舗毎に物品のピッキングを可能としたピッキング設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の上記ピッキング設備の一例が、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されているピッキング設備は、伝票投入エリアとピッキングエリアと検品梱包エリアとから構成される。伝票投入エリア内には伝票投入ラインが、ピッキングエリア内には主搬送ラインが、検品梱包エリア内には検品梱包ラインが、それぞれ配設され、これら伝票投入ラインと主搬送ラインと検品梱包ラインは一連に接続され、多数の搬送容器が周回できるようになっている。
【0003】
伝票投入エリアは、オーダ別に発行された伝票を空の搬送容器に入れ伝票投入ラインに投入し発進させる、複数の、例えば4箇所の伝票投入ステーションを備えている。
またピッキングエリアは、商品をオーダーピッキングするエリアであり、多数の商品ピッキングアイランドと、小数の特定商品ピッキングアイランドとから構成されている。多数の各商品ピッキングアイランドには、それぞれ通信販売される非常に多種多様な膨大な数の商品、例えばAランク品からCランク品までの商品群が、均等に入れるように分けられ、個々の商品群に属する商品が保管されている。
【0004】
前記各商品ピッキングアイランドでのピッキングは、主搬送ラインから分岐し再度合流する商品ピッキングラインで搬送容器を各商品ピッキングアイランドに立ち寄らせることにより行われる。
【0005】
また前記特定商品ピッキングアイランドには、多くのオーダに共通する商品、例えば、Aランク品や特定商品などの品種は少ないが、多くの顧客に提供するような出荷量の多い商品が、保管されている。この特定商品ピッキングアイランドのピッキングも、主搬送ラインと並列に設けられた特定商品ピッキングラインで搬送容器を特定商品ピッキングアイランドで立ち寄らせることにより行われる。
【0006】
前記検品梱包エリアは、1オーダ分の商品が収納された搬送容器を集め、各搬送容器から商品を取出して検品し、箱に梱包するエリアであり、多数の梱包ステーションと、梱包ラインから各梱包ステーションに分岐した検品梱包シュートラインから構成されている。各梱包ステーションで搬送容器から商品が取り出されると、空の搬送容器は各梱包ステーションを循回する内部の返送ラインと、これを伝票投入ラインに接続する外部の返送ラインを通って、伝票投入ラインへ戻っていく。
【0007】
上記構成により、搬送容器が任意の商品ピッキングアイランド及び特定商品ピッキングアイランドに対し、主搬送ラインから自由に分岐して立寄り、再び合流することが可能であり、かつ他の商品ピッキングアイランド及び特定商品ピッキングアイランドに立寄らないで通過することも自由にできる。顧客からのオーダは種々様々であるから各搬送容器に投入する商品及び特定商品もバラバラになっている。これに対し、各搬送容器は異なる商品ピッキングアイランド及び特定商品ピッキングアイランドに立寄ってピッキングされた商品が投入され、別の商品ピッキングアイランド及び特定商品ピッキングアイランドは通過する。このことにより、各搬送容器は別の搬送容器の走行やピッキング動作を待つことなく、ほとんど自由にピッキングした商品が収納されて検品梱包エリアへ搬送される。
【0008】
このように、特許文献1に開示されたピッキング設備では、各搬送容器がランダムに動いてピッキングが行われることにより、オーダーピッキングが可能となっている点に特徴があり、出荷リードタイムを短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−253515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来のピッキング設備では、検品梱包エリアにおいて、商品を搬送容器から出荷用の箱に移載する際に、商品の容積に応じて最適な出荷用の箱を選択する必要がある。そして、この出荷用の箱の選択は、検品梱包エリアに配置された作業者により目判断で行われるため、集品された商品の容積に対して適切でない容積の箱が選択される恐れがあった。このため、新たに適切な容積の出荷用の箱の選択をやり直すことが必要となり、効率の低下を招いていた。さらに、検品梱包エリアには、出荷用の箱が山積みとなるため、検品梱包エリアが煩雑となり、誤梱包が発生する原因となっていた。
【0011】
そこで、本発明は、梱包エリアにおける煩雑さを回避でき、誤梱包の発生を防止できるピッキング設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、複数の集品容器にそれぞれ、各集品容器に割り当てられた仕分け先からの物品の注文情報に基づいて物品の集品が実行されるピッキングエリアを備えたピッキング設備であって、前記ピッキングエリアの下流に、前記物品の集品が完了した各集品容器に対して、集品容器に集品された物品を梱包する梱包容器の投入が行われる梱包容器投入エリアを配置し、前記梱包容器投入エリアは、物品の収納容積が異なる梱包容器がそれぞれ載置される複数の区画載置空間を有する梱包容器載置部と、前記梱包容器を取り出す前記梱包容器載置部の区画載置空間を表示する表示手段とを備え、前記仕分け先からの物品の注文情報に基づいて前記集品容器へ集品される物品の容積を求め、求めた容積に基づいて、前記複数の梱包容器の中から前記求めた容積を満足する物品の収納容積を有する梱包容器を選択し、この選択した梱包容器が収納された前記区画載置空間を求め、求めた区画載置空間を、前記表示手段により表示させる制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、仕分け先からの物品の注文情報に基づいて、集品容器へ集品される物品の容積が求められ、求められた容積に基づいて、複数の梱包容器の中から、求められた容積を満足する物品の収納容積を有する梱包容器が選択され、この選択された梱包容器が収納された区画載置空間が表示手段により表示される。これにより、梱包容器投入エリアの作業者は、集品容器内の物品の容積を判断することなく、表示手段により表示された区画載置空間より、最適な梱包容器を取り出すことが可能となり、このように表示手段の表示に従って梱包容器を集品容器へ投入することにより、作業時間が短縮され、さらに複数の梱包容器の中から求められた物品の容積を満足する収納容積を有する梱包容器が選択され、表示されるため、適切でない梱包容器が誤って選択される可能性が低減される。
【0014】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記複数の集品容器を搬送する搬送ラインを備え、前記各集品容器にはそれぞれ、前記仕分け先からの物品の注文情報を識別可能とする情報が記録された識別手段が設けられ、前記ピッキングエリアと前記梱包容器投入エリアと間に、前記集品容器に設けられた識別手段より仕分け先からの物品の注文情報を識別可能とする情報を読み取る注文情報読取手段を設け、前記梱包容器投入エリアは、前記搬送ラインにより搬送されている集品容器を一旦停止する停止手段と、この停止手段による停止を解除して集品容器を搬送させる指示手段とを備え、前記制御手段は、前記注文情報読取手段により前記識別手段が読み取られると、前記停止手段を駆動して前記集品容器を一旦停止させ、読み取られた前記識別手段の仕分け先からの物品の注文情報に基づいて、前記表示手段により前記選択された梱包容器が収納された区画載置空間を表示し、前記指示手段が操作されると、前記停止手段を解除して前記集品容器を搬送させることを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、注文情報読取手段により、識別手段が読み取られると、集品容器が停止手段により一旦停止され、読み取られた識別手段の仕分け先からの物品の注文情報に基づいて、表示手段により選択された梱包容器が収納された区画載置空間が表示され、一旦停止された集品容器に、表示された区画載置空間より取り出された梱包容器が投入され、指示手段が操作されると、停止手段による集品容器の停止が解除され集品容器は搬送される。これにより、区画載置空間より取り出した梱包容器を、間違えることなく集品容器へ投入することが可能となる。
【0016】
そして、指示手段が操作されると、停止手段による集品容器の停止が解除され、梱包容器が投入された集品容器が搬送されると、次の集品容器が停止手段により一旦停止される。
【0017】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記制御手段には、予め集品対象の物品の容積が記憶され、前記制御手段は、仕分け先からの物品の注文情報と、前記記憶された各物品の容積に基づいて、集品容器へ集品されている物品の容積を計算し、計算した容積に基づいて、前記選択された梱包容器の中から前記求めた容積を満足する物品の収納容積を有する梱包容器を選択することを特徴とするものである。
【0018】
上記構成によれば、仕分け先からの物品の注文情報と、記憶された各物品の容積に基づいて、集品容器へ集品されている物品の容積が計算され、計算された容積に基づいて、選択された梱包容器の中から求めた容積を満足する物品の収納容積を有する梱包容器が選択される。
【0019】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明であって、前記梱包容器投入エリアの下流に、前記集品容器に集品された物品の検品、および物品の梱包を実行する検品梱包エリアを配置し、前記各物品にはそれぞれ、物品を識別する情報が記録された物品識別手段が取り付けられ、前記検品梱包エリアは、前記物品に取り付けられた物品識別手段より物品を識別する情報を読み取る物品読取手段を備え、前記制御手段は、前記集品容器に集品された各物品が集品容器より梱包容器へ移載されるときに、前記物品読取手段により集品容器内の物品を識別する情報が読み取られると、前記集品容器に割り当てられた仕分け先からの物品の注文情報に基づいて、前記物品の検品を行うことを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、集品容器に集品された各物品が集品容器より梱包容器へ移載されるときに、物品読取手段により集品容器内の物品を識別する情報が読み取られると、集品容器に割り当てられた仕分け先からの注文情報に基づいて、物品の検品が行われる。これにより、各物品の集品容器から梱包容器への移載と、物品の検品がワンタッチで行われ、作業時間が短縮され、さらに誤梱包が発生する可能性が低減される。
【発明の効果】
【0021】
本発明のピッキング設備は、仕分け先からの物品の注文情報に基づいて、集品容器へ集品されている物品の容積が計算され、計算された容積に基づいて、複数の梱包容器の中から計算された容積を満足する物品の収納容積を有する梱包容器が選択され、この選択された梱包容器が収納された区画載置空間が表示手段により表示され、表示手段の指示にしたがって梱包容器が集品容器へ投入されることにより、作業時間を短縮でき、さらに複数の梱包容器の中から計算された物品の容積を満足する収納容積を有する梱包容器が選択されて表示されるため、適切でない梱包容器が誤って選択される可能性を低減できる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング設備の梱包箱投入エリアの要部斜視図である。
【図2】同ピッキング設備の検品梱包エリアの要部斜視図である。
【図3】同ピッキング設備の全体構成図である。
【図4】同ピッキング設備のピッキングエリアの要部平面構成図である。
【図5】同ピッキング設備のピッキングエリアの側面構成図である。
【図6】同ピッキング設備の梱包箱投入エリアと検品梱包エリアの制御構成図である。
【図7】同ピッキング設備の統括コントローラで形成されるピッキングデータを示す図である。
【図8】同ピッキング設備のデータの図であり、(a)は統括コントローラで形成される容器ナンバーとユーザーナンバーのデータ、(b)は統括コントローラで形成される物品の物品ナンバーとその物品の容積のデータ、(c)は梱包箱投入コントローラで形成される間口とその間口に収納される梱包箱の容積のデータである。
【図9】同ピッキング設備の梱包箱投入コントローラの動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施の形態におけるピッキング設備の全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるピッキング設備の全体構成図であり、ピッキング設備10は、空容器投入エリア(図示せず)と、ピッキングエリア11と、梱包箱投入エリア12(梱包容器投入エリアの一例)と、検品梱包エリア13と、貯蔵エリア14と、出荷エリア(図示せず)とから構成されている。
【0024】
このピッキング設備10は、予め登録されたユーザー(仕分け先の一例)からの物品21の注文情報(物品21の品目と数量の情報を含む;以下、物品注文情報と称す)に基づいて、注文を受けた物品21(図2参照)を、集品容器22(図2参照)に集め、集めた物品21を、集めた物品21の総容積に基づいて、選択した梱包箱23(例えば、段ボール等;梱包容器の一例;図2参照)に梱包し、ユーザーへ出荷するピッキング設備10である。
【0025】
まず、本発明の要部である梱包箱投入エリア12と検品梱包エリア13の構成、制御、作用等について詳細に説明する前に、集品容器22と入荷用容器39(後述する)を搬送するライン、ピッキングエリア11、および貯蔵エリア14について概略を説明する。
【0026】
『集品容器22と入荷用容器39を搬送するライン』
空容器投入エリア(図示せず)と、ピッキングエリア11と、梱包箱投入エリア12と、検品梱包エリア13に亘り、各エリアに沿って、複数の集品容器22を搬送する搬送ライン26が敷設され、またピッキングエリア11のみに、搬送ライン26と平行に、搬送ライン26とは独立して複数の集品容器22を搬送するバイパスライン27が敷設されている。また貯蔵エリア14とピッキングエリア11とを接続し、貯蔵エリア14よりピッキングエリア11へ補充する入荷用容器39(後述する)を搬送する出庫ライン28A(図5参照)と、ピッキングエリア11から返却された入荷用容器39を貯蔵エリア14へ搬送する入庫ライン28B(図5参照)からなる補充ライン28が敷設されている。また検品梱包エリア13と、搬送ライン26の空容器投入エリア(図示せず)とピッキングエリア11との中間に位置する部分とを接続し、検品梱包エリア13において空となった集品容器22(後述する)を搬送ライン26へ戻す集品容器返却ライン29が敷設されている。また梱包箱投入エリア12と、出荷エリア(図示せず)を接続し、梱包箱投入エリア12により梱包された梱包箱23を出荷エリアへ搬送する出荷ライン30が敷設されている。これら搬送ライン26,バイパスライン27,補充ライン28,集品容器返却ライン29,および出荷ライン30は、集品容器22と入荷用容器39の搬送経路を形成しており、例えば、それぞれ単独で駆動されているローラ駆動コンベヤから形成されている。
【0027】
また集品容器22には、集品容器22を特定するためのバーコード(容器ナンバー)が印刷された容器ラベル24(図2参照)が貼り付けられている。また搬送ライン26には、集品容器返却ライン29の合流点の下流で、かつピッキングエリア11の上流に、容器ラベル24のバーコードを読み取る容器バーコードリーダ34Aが設けられている。
【0028】
『ピッキングエリア11』
ピッキングエリア11には、搬送ライン26およびバイパスライン27に沿ってフローラック(ピッキング棚)43が備えられている。
【0029】
またフローラック43は、ピッキング作業を実行する4つのゾーンZ(1)〜Z(4)に分けられ、バイパスライン27はそれぞれ、ゾーンZ毎に設けられ、搬送ライン26には、ゾーンZ(1)〜Z(4)の各バイパスライン27へ集品容器22をそれぞれ分岐する分岐装置31が設けられている。また各分岐装置31の上流にはそれぞれ、集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24のバーコードを読み取る容器バーコードリーダ34Bが設けられている。
【0030】
また最上流ゾーンZ(1)内の上流側には、注文の頻度が低い低頻度品が収納された入荷用容器39が、ユーザーの注文に応じて、且つユーザーが割り当てられた集品容器22の搬送順にタイムリーに出庫されてくる低頻度品ピッキングエリア42が配置されている。
【0031】
また、フローラック43の背面側(搬送ライン26とは反対側)には、フローラック43と低頻度品ピッキングエリア42へ集品対象の物品21が収納された入荷用容器39を搬出・格納・補充する搬送手段58が配置されている。
【0032】
ピッキングエリア11では、各ゾーンZにおいて、搬送ライン26から分岐されてバイパスライン27に搬送されてくる複数の集品容器22に対してピッキング作業を実行するように構成されている。
【0033】
「搬送手段58」
前記搬送手段58は、図4および図5に示すように、フローラック43の背面側に沿って、敷設された一対の走行レール65と、各レール65に沿ってそれぞれ、上下ですれ違い移動する一対の物品搬送体66から構成され、各物品搬送体66はそれぞれ、入荷用容器39を支持して昇降する昇降体67と、この昇降体67上に配置され、入荷用容器39の側面を挟んで、昇降体67と、間口40または低頻度品ピッキングエリア42のコンベヤ75,77(後述する)または補充ライン28の入出庫口との間で入荷用容器39を移載できるフォーク68を備えている。
【0034】
「フローラック43」
前記フローラック43は、図4および図5に示すように、複数の入荷用容器39を連続して格納可能な複数の間口40を有し、最上流ゾーンZ(1)には、3段10列(計30個)の間口40が割り当てられ、他のゾーンZにはそれぞれ、3段15列(計45個)の間口40が割り当てられている。また各間口40にはそれぞれ、品種で特定される1種類の物品21がそれぞれ割り当てられている。なお、各ゾーンZのフローラック43には、注文の頻度が高い高頻度品が割り当てられる。
【0035】
また各間口40にはそれぞれ、ピッキング表示器35が設けられている。各ピッキング表示器35は、ピッキングする物品21の数量が表示される3桁のディジタル数量表示器36と、ピッキング作業完了時に操作する赤色ランプ付きの完了押釦スイッチ37から構成されている。
【0036】
「バイパスライン27」
各バイパスライン27は、図4に示すように、搬送ライン26の分岐装置31から分岐された集品容器22をゾーンZ内へ搬入する搬入ローラ駆動コンベヤ71と、この搬入ローラ駆動コンベヤ71により搬入された集品容器22に対してピッキングするゾーンを形成するフリーコンベヤ72と、ピッキングが終了した集品容器22を搬送ライン26へ戻す(搬出する)搬出ローラ駆動コンベヤ73から形成されている。
【0037】
またフリーコンベヤ72には、ピッキング終了を表示するランプとボタンスイッチを兼ねたピッキング終了表示スイッチ41が設けられている。
「低頻度品ピッキングエリア42」
低頻度品ピッキングエリア42は、物品搬送体66から搬出された入荷用容器39を搬送するアキュムレーションコンベヤからなる入庫コンベヤ75と、入庫コンベヤ75により搬入された入荷用容器39に対してピッキングするゾーンを形成するフリーコンベヤ76と、ピッキングが終了した入荷用容器39を物品搬送体66を介して貯蔵エリア14へ戻す(搬出する)アキュムレーションコンベヤからなる出庫コンベヤ77から形成され、フリーコンベヤ76に、前記間口40に設けたピッキング表示器35と同じピッキング表示器35が設けられている。
【0038】
『貯蔵エリア14』
貯蔵エリア14には、ピッキングエリア11のフローラック43の間口40、および低頻度品ピッキングエリア42に供給される入荷用容器39が保管されている複数の自動倉庫60から構成されている。
【0039】
ピッキングエリア11のフローラック43の各間口40、および低頻度品ピッキングエリア42の入庫コンベヤ75に供給される入荷用容器39は、ユーザーからの注文に応じて、自動倉庫60の各棚よりスタッカークレーン61により取り出され、取り出された入荷用容器39は、補充ライン28の出庫ライン28Aに投入される。また入庫ライン28Bにより返却されてきた入荷用容器39は、スタッカークレーン61により自動倉庫60の各棚へ収納される。
【0040】
「作用」
上記空容器投入エリア(図示せず)と、ピッキングエリア11と、貯蔵エリア14と、各ラインの構成による作用を概略説明する。
【0041】
まず、各間口40に対して集品対象の物品21が割り付けられ、ピッキング作業前に、貯蔵エリア14から、各物品21が収納された入荷用容器39が出庫され、各間口40に収納される。すなわち、各入荷用容器39は、目的の間口40へ搬入される。
【0042】
各ユーザーから物品注文情報が入力されると、まず搬送ライン26により順に搬送される空の集品容器22に対して割り付けるユーザー順が設定される。次に各ユーザーの物品注文情報より低頻度品が分離され、ユーザー順に、低頻度品が収納された入荷用容器39が出庫され、低頻度品ピッキングエリア42の入庫コンベヤ75へ搬入される。入庫コンベヤ75では、搬出された入荷用容器39は順に、フリーコンベヤ76前まで搬送される。
【0043】
そして、各ユーザー毎に、その物品注文情報および各間口40に対して割り付けられた物品21の情報{低頻度品はゾーンZ(1)に割り付けられる}に基づいて、ゾーンZ毎のユーザー−物品−ピッキング数量からなるピッキング情報が形成される(図7参照)。
【0044】
ピッキング作業が開始されると、まず空容器投入エリア(図示せず)より空の集品容器22が搬送ライン26へ投入され、搬送ライン26により搬送されてきた空の集品容器22の容器ラベル24のバーコードが容器バーコードリーダ34Aにより読み取られ、読み取られたバーコードに順に、前記ユーザー順に従ってユーザーが割り付けられる。
【0045】
そして、各分岐装置31の上流において、集品容器22の容器ラベル24のバーコードが容器バーコードリーダ34Bにより読み取られると、このバーコードにより集品容器22に割り当てられたユーザーが特定され、この特定されたユーザーによりピッキング情報に基づいて、分岐装置31により分岐するゾーンZにおいてピッキング作業を実行するかどうかが判断され、実行すると判断されると、分岐装置31により分岐される。実行しないと判断されると、分岐しないで、そのまま下流に搬送される。
【0046】
分岐装置31により分岐された集品容器22は、搬入ローラ駆動コンベヤ71により搬送されてフリーコンベヤ72へ搬出される。
また分岐装置31により分岐された集品容器22に割り当てられたユーザーは順に記憶され、記憶された順に、ユーザーに対応するピッキング情報に基づいて、ゾーンZのピッキング表示器35によりピッキングする間口40と数量が示され、また低頻度品ピッキングエリア42においては、入荷用容器39が入庫コンベヤ75によりフリーコンベヤ76へ切り出され、低頻度品ピッキングエリア42のピッキング表示器35により、ピッキングする物品21(低頻度品)の数量が表示される。
【0047】
ゾーンZの作業者Hは、ピッキング表示器45にしたがって、物品21をピッキングし、ピッキング表示器35の完了押釦スイッチ47を押して、フリーコンベヤ72へ搬出されてきた先頭の集品容器22に対して投入する。そして、全ての物品21のピッキングが終了すると、ピッキング終了表示スイッチ41のピッキング終了を表示するランプの点灯を確認しボタンスイッチを押して、ピッキングが終了した集品容器22を搬出ローラ駆動コンベヤ73へ投入する。これによりピッキングが終了した集品容器22は、搬出ローラ駆動コンベヤ73により搬送されて搬送ライン26へ合流され、下流へ搬送される。またピッキング終了表示スイッチ41のボタンスイッチの操作に応じて、次の集品容器22に対するピッキング作業がピッキング表示器35により示される。
【0048】
また低頻度品ピッキングエリア42においてピッキングが終了すると、作業者Hは、入荷用容器39をフリーコンベヤ76より出庫コンベヤ77へ押し出し、これにより出庫コンベヤ77によりピッキングが終了した入荷用容器39は先端まで移動され、物品搬送体66により補充ライン28の入庫ライン28Bに投入され、入庫ライン28Bにより搬送されてきた入荷用容器39は、スタッカークレーン61により自動倉庫60の各棚へ収納される。
【0049】
以上のように、各ゾーンZにおいて、ピッキングが終了した集品容器22は搬送ライン26により、梱包箱投入エリア12へ搬送される。
以下、本発明の要部である梱包箱投入エリア12と検品梱包エリア13の構成、制御、作用等について詳細に説明する。
【0050】
『梱包箱投入エリア12』
梱包箱投入エリア12は、物品21のピッキングが完了した集品容器22へ梱包箱23を投入するエリアであり、図1に示すように、梱包箱投入エリア12の最上流に、搬送ライン26に沿って、集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24のバーコードを読み取る固定式の容器バーコードリーダ34Cが備えられ、また搬送ライン26に沿って、2段×6列の12個の間口52(区画載置空間の一例)を有し、各間口52に、物品21の収納可能容積が異なる梱包箱23を収納する(が載置される)梱包箱収納棚51(梱包容器載置部の一例)が備えられ、搬送ライン26に、搬送されてきた集品容器22を停止させるためのストッパ54(停止手段の一例)が設けられている。また各間口52にはそれぞれ、収納された梱包箱23の取出しを点灯により作業者Hに表示し、梱包箱23の投入作業完了時に作業者Hにより操作されるランプ付き押釦スイッチ53(表示手段の一例,指示手段の一例)が設けられている。
【0051】
また梱包箱23として、間口52の数に合わせて図8(c)に示すように、V,V,V,…V12の12種類の物品21の収納可能容積の梱包箱23が用意され、梱包箱収納棚51の各間口52に、種類毎に保管される。
【0052】
『検品梱包エリア13』
検品梱包エリア13は、ピッキングエリア11において集品容器22へ集品された物品21の検品、および物品21の梱包箱23への移載、梱包を行うエリアであり、図2に示すように、集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24のバーコードを読み取るハンド式の容器バーコードリーダ55Aと、物品21に貼り付けられた物品ラベル(物品識別手段の一例)25のバーコード(物品を識別する情報の一例;例えば物品ナンバー)を読み取る固定式の物品バーコードリーダ55Bと、液晶表示器56が備えられている。搬送ライン26によりピッキング作業が完了し、梱包箱23が投入された集品容器22が搬送されてくると、この検品梱包エリア13の作業者Hにより、集品容器22に投入された梱包箱23が組み立てられる。そして、集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24のバーコードが容器バーコードリーダ55Aにより読み取られると、物品21に貼り付けられた物品ラベル25のバーコードを物品バーコードリーダ55Bで読み取りながら、梱包箱23へ物品21の移載・梱包作業が行われる。これにより、検品作業と梱包作業がワンタッチで行われるため、誤梱包の生じる可能性を低減できる。
【0053】
この検品の結果、正常と判断されると、梱包箱23は、蓋がされ、出荷ラベル(図示せず)を付された後、出荷ライン30に投入され、出荷ライン30により出荷エリア(図示せず)へ搬送される。
【0054】
「制御構成」
梱包箱投入エリア12と検品梱包エリア13の制御手段として、図6に示すように、統括コントローラ81と、梱包箱投入コントローラ84と、検品コントローラ85とが備えられている。また統括コントローラ81および梱包箱投入コントローラ84により制御手段の一例が構成されている。
【0055】
“統括コントローラ81”
統括コントローラ81には、梱包箱投入コントローラ84と、検品コントローラ85が接続され、次のデータが予め設定、あるいは入力されている。
【0056】
・予め登録されたユーザーにそれぞれ割り当てられたナンバー(ユーザーナンバー)。
・予め登録された各ユーザーの物品注文情報(全体のピッキングデータ;図7参照)。なお、各ゾーンZの間口40にはそれぞれ、物品21が割り当てられている(物品21を特定する情報、例えば物品ナンバーが割り当てられている)。
【0057】
統括コントローラ81は、次の機能を有している。
(イ).梱包箱投入コントローラ84と、検品コントローラ85へ作業の開始指令と終了指令を出力する。
【0058】
(ロ).ユーザーナンバーを、上述したように、空容器投入エリア(図示せず)、搬送ライン26により搬送される集品容器22の容器ナンバーへ順に割り当てる{図8(a)参照}。
【0059】
“梱包箱投入コントローラ84”
梱包箱投入コントローラ84は、梱包箱投入エリア12の制御用のコントローラであり、図6に示すように、統括コントローラ81と、容器バーコードリーダ34Cと、ランプ付き押釦スイッチ53と、ストッパ54が接続され、統括コントローラ81より、作業の開始指令および終了指令と、全体のピッキングデータと、各集品容器22(容器ナンバー)にそれぞれ割り当てられたユーザーナンバー(以下、容器ユーザーデータと称す)とが入力され、次のデータが予め設定されている。
【0060】
・ピッキングエリア11において集品される各物品21の容積の情報{物品ナンバー毎の容積のデータ;以下、物品容積データと称す;図8(b)参照}。これら容積の情報は、梱包箱23のサイズを選択する際に用いられる。
【0061】
・梱包箱投入エリア12の梱包箱収納棚51の各間口52に収納された梱包箱23の物品21の収納可能容積{以下、梱包箱容積データと称す;図8(c)参照}。これら容積の情報は、梱包箱23のサイズを選択する際に用いられる。
【0062】
梱包箱投入コントローラ84の機能を、図9に示すフローチャートにしたがって説明する。なお、統括コントローラ81から、作業の開始指令を入力しているものとする。また作業の終了指令を入力すると機能を停止する。
【0063】
作業の開始信号を入力すると、予めユーザー毎に、次のステップを実行する{図9(a)参照}。
ステップ−a1
ユーザーナンバーにより、全体のピッキングデータを検索してこのユーザーの物品注文情報を求める。
【0064】
ステップ−a2
ユーザーの物品注文情報に含まれる物品21の物品ナンバーにより物品容積データを検索して、前記各物品21の容積を求める。
【0065】
ステップ−a3
続いて各物品21の容積に注文数量を乗算し、これら乗算した容積を加算して集品容器22内の物品21の総容積を求める。
【0066】
ステップ−a4
求めた総容積により、梱包箱容積データを検索して、総容積を満足し、且つその中で最も収納可能容積が小さい適切な梱包箱23を選択する。
【0067】
ステップ−a5
ユーザーナンバーと選択した梱包箱23とからなる梱包箱選択データを形成し記憶する。
【0068】
このように、梱包箱投入コントローラ84は、ユーザー毎に、ユーザーの物品注文情報と、各物品21の容積に基づいて、集品容器22に集品されている物品21の容積を計算し、計算した容積に基づいて、選択された梱包箱23の中から計算した容積を満足する物品21の収納可能容積を有する梱包箱23を適切な梱包箱23を選択する。
【0069】
梱包箱投入エリア12に梱包箱23が搬送されてくると、次のステップを実行する{図9(b)参照}。
ステップ−b1およびステップ−b2
容器バーコードリーダ34Cにより集品容器22の容器ラベル24に印刷されたバーコード(容器ナンバー)の読み取りを入力すると、ストッパ54を上昇させ、搬送ライン26を搬送される集品容器22を停止させる(図1参照)。
【0070】
ステップ−b3
読み取られた集品容器22の容器ナンバーにより、容器ユーザーデータを検索して、集品容器22に割り当てられたユーザーナンバーを求める。
【0071】
ステップ−b4
ユーザーナンバーにより、前記梱包箱選択データを検索して、ユーザーナンバーに対応した梱包箱23を求め、求めた梱包箱23が収納された間口52のランプ付き押釦スイッチ53に点灯信号を出力し、ランプ付き押釦スイッチ53のランプを点灯させる。
【0072】
ステップ−b5およびステップ−b6
ランプを点灯させたランプ付き押釦スイッチ53の押し操作信号を入力すると、ランプ付き押釦スイッチ53のランプを消灯させ、ストッパ54を下降させ、集品容器22を搬送させて終了する。
【0073】
以上のように、容器ラベル24に印刷されたバーコード(容器ナンバー)に割り当てられたユーザーナンバーが求められ、このユーザーナンバーからユーザーの物品注文情報が求められることから、容器ラベル24は、仕分け先からの物品の注文情報(ユーザーの物品注文情報)を識別可能とする情報が記録された識別手段を構成している。また容器バーコードリーダ34Cは、このような識別手段を構成する容器ラベル24のバーコード(容器ナンバー)を読取ることにより、仕分け先からの物品の注文情報(ユーザーの物品注文情報)を識別可能とする情報を読み取る注文情報読取手段を構成している。
【0074】
“検品コントローラ85”
検品コントローラ85は、検品梱包エリア13の制御用のコントローラであり、図6に示すように、統括コントローラ81と、容器バーコードリーダ55Aと、物品バーコードリーダ55Bと、液晶表示器56が接続され、統括コントローラ81より、作業の開始指令および終了指令と、全体のピッキングデータと、前記容器ユーザーデータが入力される。
【0075】
検品コントローラ85は、次の機能を有している。なお、統括コントローラ81から、作業の開始指令を入力すると機能を実行し、終了指令を入力すると機能を停止する。
(イ).容器バーコードリーダ55Aより、集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24に印刷されたバーコード(容器ナンバー)を入力すると、この容器ナンバーにより容器ユーザーデータを検索してユーザーナンバーを求め、求めたユーザーナンバーにより、全体のピッキングデータを検索してこのユーザーの物品注文情報を求め、求めた物品注文情報に含まれる物品21の物品ナンバーと、前記ユーザーナンバーを液晶表示器56に表示させる。
【0076】
(ロ).物品バーコードリーダ55Bより物品21に貼り付けられた物品ラベル25のバーコード(物品ナンバー)を入力すると、この物品ナンバーと、集品容器22に対応するユーザーの物品注文情報の物品ナンバーとを比較し、一致する場合、このユーザーの物品注文情報の物品ナンバーを検品済みと判断し、液晶表示器56の表示を検品済みとし、一致しなければ、エラーと判断し、液晶表示器56にエラー情報を表示させる。このユーザーの物品注文情報の物品ナンバーが全て検品済みとなると、検品正常と判断し、液晶表示器56に検品が正常に終了したことを表示させる。
【0077】
上記構成による梱包箱投入エリア12と検品梱包エリア13の作用を説明する。
「梱包箱23の投入作業」
搬送ライン26に沿って、梱包箱投入エリア12の上流に設けられた容器バーコードリーダ34Bにより、集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24に印刷されたバーコードが読み取られる。バーコードが読み取られると、ストッパ54が上昇され、容器ラベル24が読み取られた集品容器22の搬送がこのストッパ54により停止される。次に、読み取られた容器ラベル24のバーコード(容器ナンバー)に基づいて、集品容器22に割り付けられたユーザーナンバーに対応する梱包箱23が選択される。
【0078】
次に、ユーザーナンバーに対応して選択された梱包箱23が収納された間口52のランプ付き押釦スイッチ53のランプが点灯され、梱包箱投入エリア12の作業者Hに、梱包箱23を取出す間口52が表示される。梱包箱23の取出し・集品容器22への投入が完了すると、ランプ付き押釦スイッチ53が操作され、ランプ付き押釦スイッチ53のランプが消灯され、ストッパ54が下降され、集品容器22の停止が解除され、搬送が再開される。梱包箱23の投入が完了した集品容器22は、検品梱包エリア13へと搬送される。
【0079】
「検品・梱包作業」
検品梱包エリア13へ集品容器22が搬送されると、梱包箱23が検品梱包エリア13の作業者Hにより、集品容器22から取り出され、物品21が移載可能な形状に組み立てられる。次に、集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24のバーコードが容器バーコードリーダ55Aにより読み取られ、集品容器22の容器ナンバーに割り当てられたユーザーナンバーが求められる。求められたユーザーナンバーのユーザーの物品注文情報の物品ナンバーとユーザーナンバーが液晶表示器56に表示される。作業者Hは、集品容器22内の物品21を、物品21に貼り付けられた物品ラベル25に印刷されたバーコード(物品ナンバー)を物品バーコードリーダ55Bで読み取りながら、梱包箱23に移載する。読み取られた物品ナンバーは、液晶表示器56の表示において検品済みと表示される。物品ナンバーが全て読み取られると、検品が正常に終了した判断され、物品21が移載された梱包箱23は、出荷エリア(図示せず)へ搬送される。また空となった集品容器22は、集品容器返却ライン29に投入され、再び搬送ライン26の最上流へと搬送される。
【0080】
一方、読み取られた物品ナンバーがユーザーの物品注文情報の物品ナンバーと一致しないと、エラー(ピッキングエラー)と判断され、液晶表示器56に、エラー表示がなされる。エラー表示がなされた集品容器22は、検品梱包エリア13に滞留される。
【0081】
以上のように、本実施の形態によれば、容器ナンバーに割り付けられたユーザーナンバーのユーザーの物品注文情報に基づいて、物品21の総容積が計算され、計算された総容積に基づいて、複数の梱包箱23の中から計算された総容積を満足する物品21の収納可能容積を有する梱包箱23が選択され、物品21の集品が完了した集品容器22が、梱包箱投入エリア12に搬送され、梱包箱投入エリア12において、容器バーコードリーダ34Cによって、集品容器22の容器ナンバーが読み取られると、この選択された梱包箱23を収納する間口52がランプ付き押釦スイッチ53のランプの点灯により表示され、梱包箱投入エリア12の作業者Hは、ランプ付き押釦スイッチ53のランプの点灯により表示された間口52から、選択された梱包箱23を取出し、集品容器22へ投入することができる。これにより、作業者Hは、集品容器22内の物品21の総容積を目視等で判断することなく、ランプ付き押釦スイッチ53のランプの点灯に従って梱包箱23を集品容器22へ投入することから、作業時間が短縮され、さらに複数の梱包箱23の中から計算された物品21の総容積を満足する収納可能容積を有する梱包箱23が選択されて表示されるため、適切でない梱包箱23が誤って選択される可能性を低減できる。
【0082】
また本実施の形態によれば、梱包箱投入エリア12において、集品容器22がストッパ54により停止されると、ランプ付き押釦スイッチ53のランプの点灯により、選択された梱包箱23が収納された間口52が表示され、ランプ付き押釦スイッチ53が操作されると、ストッパ54による集品容器22の停止が解除されることにより、選択された梱包箱23を、対応する集品容器22に間違えることなく投入することができる。
【0083】
また本実施の形態によれば、集品容器22にピッキングされた各物品21が集品容器22より梱包箱23へ移載されるときに、容器バーコードリーダ55Aにより集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24に印刷されたバーコードが読み取られると、物品バーコードリーダ55Bによる物品21に貼り付けられた物品ラベル25のバーコードの読み取りが開始され、集品容器22に割り当てられたユーザーナンバーのユーザーの物品注文情報に基づいて、集品容器22に集品された物品21の検品を行うことができ、また検品と同時に、物品21を梱包箱23に移載・梱包することができる。よって、各物品21の集品容器22から梱包箱23への移載と、物品の21の検品が一人の作業者によりワンタッチで行われ、検品と梱包作業に要する作業時間を短縮でき、さらに誤梱包が発生する可能性を低減できる。
【0084】
なお、本実施の形態では、集品容器22に対応するユーザーナンバーのユーザーの物品注文情報に基づいて物品21の総容積を計算し、梱包箱23を選択し、投入するようにしているが、予め、ユーザー毎に独自の梱包箱23を指定しておき、梱包箱投入エリア12において、この指定された梱包箱23から前記総容積を満足する梱包箱23を選択し、投入するようにしても良い。これにより、ユーザーの要望に応じた梱包箱23により出荷することができるようになる。
【0085】
また本実施の形態では、ユーザー毎に収納可能容積が異なる梱包箱23を複数用意し、さらにユーザー毎に梱包箱23の外装を変更するようにすることもできる。これにより、収納可能容積が同じで、外装が相違する梱包箱23が生じるが、外装の相違により、ユーザーを区別することが可能となり、誤梱包が生じる可能性を低減することができる。
【0086】
また本実施の形態では、予めユーザーの物品注文情報に含まれる物品21の総容積を計算し、計算した総容積を満足する物品21の収納可能容積を満足する梱包箱23を、集品容器22の容器ナンバーに割り付けているが、容器バーコードリーダ34Cにより集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24に印刷されたバーコードを読み取った後に、集品容器22の容器ナンバーに割り付けられたユーザーナンバーのユーザーの物品注文情報に含まれる物品21の総容積を計算し、計算した総容積を満足する物品21の収納可能容積を有する梱包箱23を選択するようにしてもよい。これにより、容器バーコードリーダ34Cにより集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24に印刷されたバーコード(容器ナンバー)が読み取られると、この容器ナンバーに割り付けられたユーザーナンバーのユーザーの物品注文情報に基づいて、物品21の総容積が計算され、計算された総容積に基づいて、複数の梱包箱23の中から計算された総容積を満足する物品21の収納可能容積を有する梱包箱が選択され、この選択された梱包箱23が収納された間口52がランプ付き押釦スイッチ53のランプの点灯により表示される。
【0087】
また本実施の形態では、梱包箱投入エリア12において、容器バーコードリーダ34Cにより集品容器22の容器ラベル24に印刷されたバーコードが読み取られると、ストッパ54を上昇させて集品容器22を停止させているが、集品容器22を停止させることなく、連続搬送させながら、選択された梱包箱23を投入するようにすることもできる。このとき、作業者Hは、容器バーコードリーダ34C位置を通過した集品容器22用の梱包箱23が、間口52のランプ付き押釦スイッチ53のランプにより指定されていることに留意する必要がある。
【0088】
また本実施の形態では、ピッキング設備10には、ピッキングエリア11と、梱包箱投入エリア12と、検品梱包エリア13と、搬送ライン26と、集品容器返却ライン29と、出荷ライン30とをそれぞれ、一つのみ配置しているが、図10に示すように、ピッキングエリア11と、梱包箱投入エリア12と、検品梱包エリア13と、搬送ライン26と、集品容器返却ライン29と、出荷ライン30とをそれぞれ、2つ(複数)配置する構成とすることもできる。この構成によれば、貯蔵エリア14、補充ライン28、および搬送手段58を、新たに増設することなく、ピッキング設備10の仕分け能力を大幅に増すことができ、また収納可能な物品21の品種数を大幅に増やすことができる。
【0089】
また本実施の形態では、1個の集品容器22に対して、1つのユーザーを割り付ける構成としているが、複数(例えば、3個)の集品容器22に対して、1つのユーザーを割り付ける構成とすることもできる。
【0090】
この構成によれば、ユーザーからの物品注文情報に含まれる物品21の総容積が集品容器22の収納可能容積を上回る場合であっても、複数の集品容器22に物品21を分散して割り当てることが可能となり、集品容器22から物品21が溢れ、搬送ライン26を停止しなければならない事態が発生することを防止できる。
【0091】
また本実施の形態では、梱包箱投入エリア12の最上流に、搬送ライン26に沿って、集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24のバーコードを読み取る固定式の容器バーコードリーダ34Cを備え、梱包箱投入エリア12の最上流において、容器バーコードリーダ34Cにより、集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24を自動的に読取ることによって、集品容器22を識別する構成としているが、固定式の容器バーコードリーダ34Cをハンド式のバーコードリーダとして、ハンド式のバーコードリーダにより、梱包箱投入エリア12に搬送された集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24を手動的に読取ることによって、集品容器22を識別する構成としてもよい。
【0092】
また本実施の形態では、梱包箱投入エリア12においても、集品容器22を搬送ライン26により搬送する構成としているが、梱包箱投入エリア12内では搬送ライン26をフリーコンベヤとし、梱包箱投入エリア12内に搬送された集品容器22を手動によりフリーコンベヤ上を移動させる構成としてもよい。
【0093】
また本実施の形態では、搬送ライン26により搬送される集品容器22に対して物品21の集品および梱包箱23の投入を行う構成としているが、集品容器22を手押しのピッキングカートに積載し、作業者Hによりピッキングカートを移動させながら、集品容器22に対する物品21の集品および梱包箱23の投入を行う構成とすることもできる。このように、搬送ライン26により集品容器22を移動させながらピッキング作業を実行するピッキングエリアに限定することなく、ピッキングカートを使用してピッキング作業を実行するピッキングエリアを配置したピッキング設備においても、本発明を適用できる。
【0094】
また本実施の形態では、集品容器22に貼り付けられた容器ラベル24のバーコードを、容器バーコードリーダ34で読取ることにより集品容器22に対応するユーザーの物品注文情報を識別しているが、集品容器22に対応する前記情報を識別できればどのような方式でもよく、集品容器22の表面に集品容器22を特定する符号を印字し、その符号を読取ることにより識別する方式や、集品容器22にIDタグを埋め込み、IDタグリーダで読取ることにより識別する方式であってもよい。
【0095】
また本実施の形態では、梱包箱23を梱包箱収納棚51の各間口52に収納する構成としているが、梱包箱23を単にエリアを区切った床置きとする構成であってもよい。このとき、各間口52にそれぞれ設けるランプ付き押釦スイッチ53を、前記床の各エリアに設ける。
【符号の説明】
【0096】
10 ピッキング設備
11 ピッキングエリア
12 梱包箱投入エリア
13 検品梱包エリア
21 物品
22 集品容器
23 梱包箱
24 容器ラベル
25 物品ラベル
26 搬送ライン
34 容器バーコードリーダ
51 梱包箱収納棚
52 間口
53 ランプ付き押釦スイッチ
54 ストッパ
55A 容器バーコードリーダ
55B 物品バーコードリーダ
56 液晶表示器
81 統括コントローラ
84 梱包箱投入コントローラ
85 検品コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の集品容器にそれぞれ、各集品容器に割り当てられた仕分け先からの物品の注文情報に基づいて物品の集品が実行されるピッキングエリアを備えたピッキング設備であって、
前記ピッキングエリアの下流に、前記物品の集品が完了した各集品容器に対して、集品容器に集品された物品を梱包する梱包容器の投入が行われる梱包容器投入エリアを配置し、
前記梱包容器投入エリアは、
物品の収納容積が異なる梱包容器がそれぞれ載置される複数の区画載置空間を有する梱包容器載置部と、
前記梱包容器を取り出す前記梱包容器載置部の区画載置空間を表示する表示手段と
を備え、
前記仕分け先からの物品の注文情報に基づいて前記集品容器へ集品される物品の容積を求め、求めた容積に基づいて、前記複数の梱包容器の中から前記求めた容積を満足する物品の収納容積を有する梱包容器を選択し、この選択した梱包容器が収納された前記区画載置空間を求め、求めた区画載置空間を、前記表示手段により表示させる制御手段を備えたこと
を特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
前記複数の集品容器を搬送する搬送ラインを備え、
前記各集品容器にはそれぞれ、前記仕分け先からの物品の注文情報を識別可能とする情報が記録された識別手段が設けられ、
前記ピッキングエリアと前記梱包容器投入エリアと間に、前記集品容器に設けられた識別手段より仕分け先からの物品の注文情報を識別可能とする情報を読み取る注文情報読取手段を設け、
前記梱包容器投入エリアは、
前記搬送ラインにより搬送されている集品容器を一旦停止する停止手段と、
この停止手段による停止を解除して集品容器を搬送させる指示手段と
を備え、
前記制御手段は、前記注文情報読取手段により前記識別手段が読み取られると、前記停止手段を駆動して前記集品容器を一旦停止させ、読み取られた前記識別手段の仕分け先からの物品の注文情報に基づいて、前記表示手段により前記選択された梱包容器が収納された区画載置空間を表示し、前記指示手段が操作されると、前記停止手段を解除して前記集品容器を搬送させること
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記制御手段には、予め集品対象の物品の容積が記憶され、
前記制御手段は、仕分け先からの物品の注文情報と、前記記憶された各物品の容積に基づいて、集品容器へ集品されている物品の容積を計算し、計算した容積に基づいて、前記選択された梱包容器の中から前記求めた容積を満足する物品の収納容積を有する梱包容器を選択すること
を特徴とする請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
前記梱包容器投入エリアの下流に、前記集品容器に集品された物品の検品、および物品の梱包を実行する検品梱包エリアを配置し、
前記各物品にはそれぞれ、物品を識別する情報が記録された物品識別手段が取り付けられ、
前記検品梱包エリアは、前記物品に取り付けられた物品識別手段より物品を識別する情報を読み取る物品読取手段を備え、
前記制御手段は、前記集品容器に集品された各物品が集品容器より梱包容器へ移載されるときに、前記物品読取手段により集品容器内の物品を識別する情報が読み取られると、前記集品容器に割り当てられた仕分け先からの物品の注文情報に基づいて、前記物品の検品を行うこと
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のピッキング設備。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−157139(P2011−157139A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17523(P2010−17523)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】