説明

ピッチ角オフセット信号を決定するための、および、速度回避制御のための風力タービンロータのロータ周波数を制御するための方法およびシステム

【課題】発電技術における問題を解決する。
【解決手段】風力タービンロータのロータ周波数制御のためにピッチ角オフセット信号を決定する方法が提供され、該方法は、ロータ(221)の動きを示す動き量を得るステップと、ロータが臨界動き領域(450)に在る時間を減少させるようロータ周波数を制御するために、ロータ(221)に設けられたロータブレード(219)のブレードピッチ角(β)を調整するために用いられるようにピッチ角オフセット信号が適合されるように、動き量に基づいて当該ピッチ角オフセット信号(439)を決定するステップと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タービンロータのロータ周波数を制御するためにピッチ角オフセット信号を決定するための方法およびシステム、ならびに、風力タービンロータのロータ周波数を制御するための方法に関する。有利には、本発明は、ロータ周波数またはロータ周波数の高調波がタービンの振動モードの共振周波数と一致することを回避するよう、風力タービンロータのロータ周波数を制御するためにピッチ角オフセット信号を決定するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
US4,700,081には可変速風力タービンのための速度回避ロジックが開示されており、これによれば、発電機トルク(または発電力)は風速に対してロータ先端速度を操作するように制御される。詳細には、電力グリッドへの電力フローを制御するため、すなわち発電機トルクを制御するためのAC発電機におけるエアギャップトルクを制御するため、トルクコマンド信号(または電力基準)がコンバータに送られる。
【0003】
US2009/0292397A1には風力タービンにおけるタワーの振動を減衰するための方法および装置が開示されており、これによれば、ロータ回転速度は臨界ロータ速度が回避されるように制御される。詳細には、回転速度が臨界ウインドウを離れている点において電力基準およびロータ回転速度がともに再び最適曲線に従うように、電力基準が増大される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US4,700,081
【特許文献2】US2009/0292397A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のロータ周波数の制御方法は、十分正確ではなく、特定の条件では機能せず、または、不可能な場合があった(特に低風速状態の間または風が止んでいる間)。
【0006】
上記問題の少なくともいくらかが克服される、風力タービンロータのロータ周波数を制御するためにピッチ角オフセット信号を決定するための、および、風力タービンロータのロータ周波数を制御するための方法に対するニーズが存在した。特に、風力タービンの振動モードの共振周波数と、ロータ周波数またはロータ周波数の倍音との一致に関する問題が低減された、ピッチ角オフセット信号の決定のための、および、速度回避制御のための風力タービンロータのロータ周波数を制御するための方法およびシステムに対するニーズが存在した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このニーズは独立請求項に係る発明により満たされる。本発明の有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
【0008】
可変速風力タービンについての速度回避制御のための方法およびシステムが提供され、該方法およびシステムにおいては風力タービンのロータ周波数を制御するためのピッチ角オフセット信号が用いられる。
【0009】
一実施形態によれば、(有利には風力タービンタワーと、タワーの頂部に設けられたナセルと、ナセル内に回転可能に支持されたロータと、ロータシャフトに機械的に接続されてロータまたは(発電機)のシャフトの回転により電気エネルギーを生成する発電機とを備える)風力タービンの(回転シャフトを有し、該シャフトに1つまたは複数のロータブレードがロータの回転シャフトに垂直なロータ平面内に延伸するように設けられている)ロータのロータ周波数(たとえば毎分回転数(RPM)で、角速度で測定され、該ロータ周波数はロータ速度、発電機速度または発電機周波数であるかまたはこれを示し、ここで該発電機はロータに機械的に接続され、さらにここで、ロータと発電機との間にはギアが設けられていてよく、または、直接駆動型タービンにおけるように、ロータと発電機との間にはギアが設けられていなくともよい)を制御(有利には調節、適合、影響および/または調整)するためにピッチ角オフセット信号(有利にはピッチ角オフセットを示す信号、有利には、デフォルトピッチ角信号とともに、有利にはピッチ角オフセット信号とデフォルトピッチ角オフセット信号との和であるトータルピッチ角信号の計算を可能とする信号)を決定する方法が提供される。該方法は、ロータ(あるいは、ロータまたはロータに機械的に接続された任意の他の要素に機械的に接続された発電機)の(有利には回転、有利には回転速度または回転周波数を示す)動きを示す動き量(たとえばロータに接続されたロータまたは発電機の回転速度または回転周波数)を得る(有利には動き量を測定すること、測定した動き量を、動き量を示す電気信号に変換することおよび/または動き量を示す電気信号を送受信することを含む)ステップと、(ピッチ角オフセット信号が動き量、有利にはロータ周波数または発電機周波数に依存するように)動き量に基づいて当該ピッチ角オフセット信号(有利にはロータに設けられたロータブレードの標準またはデフォルトピッチ角に対する所望のピッチ角オフセットを示す電気信号)を決定する(有利には、得る、計算する、動き量を処理することにより得る、コンピュータプログラムにより計算することであり、決定には有利にはたとえば電気信号の形のピッチ角オフセット信号を生成することが含まれる)ステップと、を有し、ピッチ角オフセット信号は、ロータが(有利には、ロータまたはロータ周波数または発電機周波数がタービンの振動モードの共振周波数と一致するとき、有利には、ロータまたは発電機がタービン特にタービンのタワーの振動モードを開始しうる)臨界動き領域に在る時間(有利には1つの時間範囲または複数の時間範囲の合計)を減少させるようロータ周波数(あるいは発電機周波数またはロータ速度または発電機速度)を制御(有利には調節、影響、調整、または適合を含む)するために、(有利にはブレードの長軸が回転シャフトに垂直であるように)ロータに設けられたロータブレードのブレードピッチ角(または、複数のブレード(たとえば3本)がロータに設けられており、共通の(同一の)ピッチ角オフセットが全てのブレードに適用されており(しかし、ブレードの個々のピッチングが存在してもよい)、ロータブレードの回転量を示すブレードピッチ角はロータの回転面に対して調整されまたは回転されるブレードピッチ角、ここで、該ブレードピッチ角は回転面とブレード断面翼弦との間の角度として定義され、異なるブレードピッチ角はブレードの長軸周りに回転されるブレードの異なる配向を示し、有利にはブレードピッチ角は回転面とブレード輪郭の翼弦との間の角度として定義されてよく、翼弦はブレード断面(翼)の前縁と後縁とを接続する直線である)を調整する(有利には変化させる)ために用いられるように適合される(有利には適するまたは適切なものとされ、有利には計算される)。
【0010】
特に、風力タービンタワーは、たとえば、タワー周波数とロータ周波数またはロータ周波数の高調波(の倍数)とが一致する場合に、臨界共振周波数で振動し始める。特に、タービン振動の開始は、タービン(またはタービンタワーの)の共振振動周波数がロータ(または発電機)の周波数と一致する、または、ロータ(または発電機)周波数の2倍またはロータ(または発電機)周波数の3倍またはロータ(または発電機)周波数の4倍またはロータ(または発電機)周波数の5〜10倍と一致したときに生じうる。臨界周波数は、特に、ほとんどはロータ周波数の1xまたは3x(または1x、2x、3xおよびこれらの倍音)である。タービンの振動の開始は風力タービンの要素に機械的応力を発生させ、本発明の一実施形態によって回避される。
【0011】
従来、この問題は増加する振動および増加する負荷に耐えるのに十分強い機械構造とすることにより解決されてきた。しかし、これはコストがかかり、非効率的な場合がある。さらに、いわゆる共振速度回避装置(Resonance Speed Avoider:RSA)機能が搭載され、これによってロータ速度は確実に臨界速度から離れて維持されることになる。これにより、発電機トルクまたは発電力は発電機速度(またはロータ速度)が臨界速度から離れて維持されるように制御される。
【0012】
従来のアプローチに関する問題は、特に、(低風速動作、そのときのウインドファームの電力要件への適合、低騒音要件などにより)電力コンバータが切り離されるか、または、タービンが少量の限定された電力出力を送るためにのみ制御される場合に生じる。これらの場合において、発電機トルクまたは発電力は共振速度回避制御を実現するために用いられない場合がある。これらの制限は、一実施形態において少なくとも部分的に克服される。
【0013】
一実施形態では、動き量は前記ロータの回転周波数(または、たとえばロータよりも速い、1倍(直接駆動型タービンの場合)または複数倍(ギア付きタービンの場合)、たとえば、10倍〜200倍、有利には90倍〜120倍、回転するロータの毎分回転数(RPM)で測定されるような回転速度)を示す。ここで、臨界動き領域はロータ(または発電機)の回転周波数(または回転速度)の(有利には第1の回転周波数から第1の回転周波数よりも大きい第2の回転周波数にわたる)臨界範囲を示す。別の実施形態では、動きの量はロータの回転周波数に関連したまたはロータの回転周波数から計算可能な量を示す。有利には、動きの量は、たとえば、簡単な方法で測定可能な発電機(またはロータ)の回転周波数(または回転速度)を示す。したがって、動きの量を得ることは簡単なものとされる。
【0014】
一実施形態では、臨界範囲は、ロータ(または発電機)の予め定めた(または推定されたすなわちオンラインで計算された)臨界回転周波数(または回転速度)の前後の範囲である。有利には、タワー周波数およびロータ周波数(ロータ速度)の一致を回避することが意図され、タワー周波数はたとえばパラメタ(予め定めた値)により既知であり、観察されるタワーの動きに基づいてオンラインで推定/計算されてもよく、すなわち、予め定めた値であっても推定された値であってもよい。有利には、臨界範囲は、特定の周波数量分減少された予め定めたまたは推定された臨界回転周波数から、特定の周波数量分増加された予め定めた臨界回転周波数までである。有利には、たとえば臨界回転周波数は、既知の、あるいは、タービンまたは推測器、有利にはタービンタワーの機械モデルまたは構造モデルおよび/またはタービンタワーの測定により計算または推定される。有利には、臨界回転周波数は、たとえば、ピッチ角オフセット信号を決定するための方法を実行する間に変化しない固定臨界回転周波数である。
【0015】
一実施形態では、予め定めたまたは推定された臨界回転周波数は、タービンの、特にタービンのタワーの振動モード(タービン全体または少なくともタービンの一部の振動)の共振振動周波数の分数または整数倍(たとえばその1/3、その3倍)に等しい(または少なくともほぼ等しい)周波数を含む。したがって、臨界回転周波数はタービンの、有利にはタービンタワーの機械振動分析から得ることができる。
【0016】
一実施形態では、調整されたロータブレードピッチ角(または実際のピッチ角オフセット信号自体)が、予め定めた臨界回転周波数より低い回転周波数を示す動き量に対する場合の方が、予め定めた臨界回転周波数より大きい回転周波数を示す動き量に対する場合よりも大きくなるように、ピッチ角オフセット信号を生成する。有利には、たとえば、ロータブレードはピッチ角オフセット信号を用いて調整され、このとき、ロータが予め定めた臨界回転周波数未満の周波数で回転するときにロータブレードピッチ角が第1のロータブレードピッチ角に等しく、ロータが予め定めた臨界回転周波数よりも大きい周波数で回転するときにロータブレードピッチ角が第2の回転ブレードピッチ等しく、ここで、第1の回転ブレードピッチ角が第2の回転ブレードピッチ角よりも大きいものとされる。有利には、ロータの回転周波数が予め定めた臨界回転周波数未満の値から予め定めた臨界回転周波数より大きい値まで増加する際、調整された回転ブレードピッチ角は減少し、これによりロータの加速は容易となり、臨界回転周波数を急速に通り抜ける(発電機のロータまたは発電機の臨界回転周波数を有する時間は減少される)。したがって、風力タービンの要素へのダメージは低減される。
【0017】
一実施形態では、ロータ(または発電機)の回転周波数の増加の際、特に臨界動き領域の少なくとも一部(または臨界動き領域全体)において負の傾き(−Δy/Δx)(ロータまたは発電機の回転周波数または回転速度に関する、ピッチ角オフセット信号の導関数または調整されたロータブレードピッチ角の導関数)を有する臨界動き領域において、調整されたロータブレードピッチ角(またはピッチ角オフセット信号自体)が臨界動き領域において0°より大きく(たとえば一般的にロータの加速が無くなる)かつ減少する(すなわちロータの加速を容易にする)ように、特に、調整されたロータブレードピッチ角が、予め定めた臨界回転周波数において負の傾き(−Δy/Δx)を有するように(有利には、ロータの回転周波数に関するピッチ角オフセット信号の推移または調整されたロータブレードピッチ角の推移は、1つまたは複数の線形部分を含むか、または、曲率が変化する曲線を含む)、ピッチ角オフセット信号を生成する。有利には、調整されたブレードピッチ角(またはピッチ角オフセット信号自体)が予め定めた臨界回転周波数において負の傾きを有するように、ピッチ角オフセット信号は生成される。予め定めた臨界回転周波数において負の傾きを有することによって、たとえば、予め定めた臨界回転周波数を急速に通り抜けるようなロータの加速が生じる。これは、風速が上昇する、すなわち速度が急速に臨界領域を通り抜ける状況下にも当てはまる。しかし、他の場合(風速が減少する場合)、速度は臨界領域を急速に通り抜ける(減速する)。これにより、タービンの要素におけるダメージは減少される。よって、タービンの寿命が向上される。
【0018】
一実施形態では、ピッチ角オフセット信号の決定は、動き量を臨界動き領域に関連付ける(有利には比較し、差を形成しまたは処理することを含む)ステップを有する。有利には、たとえばロータの回転周波数と臨界回転周波数との偏差が計算される。有利には、たとえば、ピッチ角オフセット信号の決定は、計算された偏差に基づいている。ピッチ角オフセット信号の決定は、動き量および臨界動き領域に基づいてもよい。
【0019】
有利には、臨界回転周波数よりはるかに低いロータまたは発電機の回転周波数において、ピッチ角オフセット信号は、たとえば、調整されるロータブレードピッチ角がゼロから特定の最大ピッチ角たとえば4°〜10°まで、非限定の例として、有利には約7°まで増加するように生成される。有利には、ピッチ角オフセット信号は、たとえば、予め定めた臨界回転周波数において、発電機の回転周波数の増加に伴って生成され、最大値から中間値、たとえば3°〜7°、有利には4°〜5°まで次第に減少され、その後、臨界回転周波数を超える回転周波数について、この中間値からゼロまで、たとえば発電機の臨界回転周波数よりも約50RPM大きい臨界回転周波数をはるかに超える。有利には、ピッチ角オフセット信号の推移または調整されたロータブレードピッチ角の推移の形状は、ブレードの設計、大気密度および他の動作パラメタに依存してもよい。
【0020】
一実施形態では、上記方法は、ピッチ角オフセット信号を決定する(有利にはさらにピッチ角オフセット信号を生成する)ステップを更に有し、動き量は基準ロータ周波数未満のロータの回転を示す。したがって、基準ロータ周波数は、ロータのロータ周波数が通常の動作状態において回転するように設計または構成されていることを示す、定格ロータ周波数または(平均)最大ロータ周波数ともいわれる。風力タービンの制御システムは、(風速が大きい場合について)基準速度にロータ速度を維持するよう試み、しかし、システムが基準速度の所望の設定点と比較して(小さい)誤差を有しうるため、実際には基準速度は短時間超える。有利には、ロータの基準速度または周波数は、ロータ(および/またはロータを支持する機械要素)がおよそ(または少なくとも)20年間もつように、および/または、ロータが通常速度で(またはそれ未満で)動作されたときに騒音排出が所定の仕様を満たすように選択されたロータの速度であってもよい。
【0021】
有利には、基準ロータ周波数は、たとえば、ロータ、発電機、タワー、または風力タービンの他の部分への機械的ダメージを回避するために、連続動作における平均の延長期間中、超えてはならない周波数である。有利には、通常動作状態の間、タービンは基準ロータ周波数で回転するものとされ、電力系統に基準電力を供給するものとされる。一実施形態では、有利には、基準ロータ周波数はたとえば1000RPM〜1600RPMの基準発電機速度に関連付けられてもよい。
【0022】
一実施形態では、上記方法は、ピッチ角オフセット信号を決定する(有利にはさらに生成する)ステップを更に有し、動き量は、基準ロータ周波数未満の予め定めたしきい値ロータ周波数より低いロータの回転を示し、しきい値ロータ周波数未満ではタービンは電力系統にゼロ電力を供給する。
【0023】
有利には、ロータが予め定めたしきい値周波数未満の周波数で回転しているとき、発電機および/または発電機に接続されたコンバータは不能(ディスエーブル)とされているため、回転するロータにより得られる機械エネルギーは電気エネルギーに変換されない。有利には、発電機および/またはコンバータが不能なこの状態では、発電機トルクをロータの回転周波数に用いることはできない。したがって、有利には、タービンにより電気エネルギーが生成されないこの動作状態では、ロータの回転スピードは決定されたピッチ角オフセット信号を考慮してピッチ角を調整することにより有利に制御可能である。
【0024】
一実施形態では、ピッチ角オフセット信号を決定するステップは、1つまたは複数の(タービンのモード、たとえば、安全モード、低騒音モード、立ち上げモードまたは他のいくつかのモードに依存する)動作パラメタ、特に、風速および/または(風中の大気の)大気密度、および/または、ロータおよび/または発電機の加速信号に基づき、ならびに/あるいは、コントローラ状態に基づく。これらの動作パラメタを考慮に入れることにより、さらに、有利にはロータのロータ周波数を制御するための方法を提供するためにピッチ角オフセット信号を決定する方法は改善可能である。
【0025】
一実施形態では、風力タービンのロータ周波数を制御する方法が提供され、該方法は、上記実施形態のいずれか1つに記載のピッチ角オフセット信号を決定する(有利にはさらに生成する)ステップと、ピッチ角オフセット信号に基づいてロータに設けられたロータブレード(あるいは1つまたは複数の別のロータブレード)のピッチ角(ブレードピッチ角は回転面とブレード断面翼弦またはブレードの翼弦とにより定義される面の角度として定義され、ここで翼弦はブレード断面(翼)の前縁と後縁とを接続する直線である)を調整する(有利には変化させ、機械的に回しまたは適合させる)ステップと、を有する。有利には、たとえば、ピッチ角オフセット信号はデフォルトのタービンピッチ角コントローラにより提供されるデフォルトピッチ角信号に加えられる。有利には、たとえば、ピッチ角オフセット信号は単にデフォルトのピッチ角信号に加えられる。
【0026】
有利には、本方法は、ロータブレードが設けられるロータを回転するステップを有する。
【0027】
一実施形態では、動き量が、基準ロータ周波数におけるロータの回転または基準ロータ周波数を超えるロータの回転を示すとき、ピッチ角オフセット信号に基づいたロータに設けられたロータブレードのピッチ角の調整を不能とするステップをさらに有する。有利には、発電機またはロータの回転周波数が基準回転周波数に在るが、風力タービンによる電力出力が基準電力未満である場合には、回転速度は発電機および/またはコンバータへの適当な基準信号を設定することにより発電機のトルクまたは電力を制御することにより制御可能である。動作状態のこの領域において、上述のように決定されるピッチ角オフセット信号に従うピッチ角の調整は要求されない場合がある。
【0028】
有利には、ロータが基準周波数で(または一時的にわずかにその前後で)回転されるとき、基準速度にローダ速度を維持するために従来のブレードピッチ制御方法を用いることができる。しかし、この従来のブレードピッチ制御方法は、タービンの共振周波数に一致する特定のロータ周波数を回避するように適合されていない。
【0029】
有利には、発電機またはロータの回転周波数が基準回転周波数に在る(または近い)とき、さらに、タービンからの電力出力が基準電力に在るとき、ピッチ角は増加する風速に対して従来の制御方法に従って増加可能であり、このとき、ロータ(または発電機)周波数を基準ロータ(または発電機)周波数に維持するように、さらに基準電力に電力を維持するように、風速の増加に対してピッチ角は増加される。有利には、これらの動作状態のために、発電機周波数は、タービンのまたはタービンタワーの振動モードの開始が生じないように、臨界回転周波数をよく超えてもよい。
【0030】
一実施形態では、ロータの回転の立ち上がりの間(たとえば500RPM未満の発電機の回転周波数におけるなど)、ロータブレードのピッチ角の調整を不能とする。特に、立ち上がりの間、不要なピッチ活用またはピッチ振動を導入しないように、ピッチ信号オフセットを含まないことが望ましい場合がある。速度回避ピッチ信号またはピッチ角オフセット信号を可能(イネーブル)とすることは、たとえば、ゆっくりとこれをゼロオフセットから最終オフセットまで一定割合で変化させる(ramping)/調整(scaling)させることにより行われうる。
【0031】
ピッチ角オフセット信号を決定するための方法、または、風力タービンロータのロータ周波数を制御するための方法について、(個別にまたは任意の組み合わせにより)開示され、記載され、説明され、用いられまたは言及された特徴は、同様に、ピッチ角オフセット信号を決定するためのシステム、または、風力タービンロータのロータ周波数を制御するためのシステムにも適用され、用いられうる。
【0032】
一実施形態では、風力タービンロータのロータ周波数を制御するためのピッチ角オフセット信号を決定するためのシステムが提供され、該システムは、ロータの動きを示す動き量を得るための入力端と、得られた動き量に基づいてピッチ角オフセット信号を決定するための処理モジュールと、ロータが臨界動き領域に在る時間を減少させるようロータ周波数を制御するために、ロータに設けられたロータブレードのブレードピッチ角を調整するために用いられるよう、ピッチ角オフセット信号が送られる、出力端と、を備える。
【0033】
本発明の実施形態について異なる対象に関して説明した。有利には、いくつかの実施形態は方法の種類の請求項に関して説明し、他の実施形態では装置の種類の請求項に関して説明した。しかし、当業者は、他に言及しない限り、ある種類の対象に属する特徴の任意の組み合わせに加え、異なる対象に関連する特徴、有利には方法の種類の請求項の特徴と装置の種類の請求項の特徴との間の任意の組み合わせが本願書類において記載されたものとみなされることを、上記および下記の記載から理解するであろう。
【0034】
本発明の上述の態様およびさらなる態様は以下に記載される実施形態から明らかであり、実施形態を参照して説明される。本発明は、実施形態によってより詳細に説明されるが、これにより本発明は限定されない。
【0035】
以下、本発明について添付図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】一実施形態におけるピッチ角オフセット信号を決定するためのシステムを有する風力タービンロータのロータ周波数を制御するためのシステムを示す。
【図2】一実施形態における風力タービンロータのロータ周波数を制御する方法に従って制御可能なロータブレードについて、長軸方向から見た断面図を示す。
【図3】発電機速度および共振振動周波数を示すグラフを示す。
【図4】一実施形態におけるピッチ角オフセットを決定する方法に用いられるピッチ角オフセット信号の推移のグラフを示す。
【図5】一実施形態における風速に基づいて回転速度および電力出力を制御するために風力タービンの基準動作のためのタービンの種々のパラメタのグラフを示す。
【図6】一実施形態におけるピッチ起動を用いる回転速度回避制御のための方法の実施を示すグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図中の例は概略的なものである。異なる図面中、同様のまたは同一の要素は同一の符号で示し、対応する参照番号は最初の桁のみ異なる番号とされている。
【0038】
図1は、本実施の形態にかかるピッチ角オフセット信号を決定するためのシステム100を有する風力タービン110の概略を示す。有利には、本システム100(速度回避制御システムともいう)は、発電機のトルクまたは発電機の電力が速度回避制御のために用いることができない場合のある状況下で用いることができる。
【0039】
図5は、風速(それぞれ横軸に示される)に依存した、風力タービンの動作パラメタを例示する、1番目〜4番目のグラフを示す。横軸に示される風速は、たとえば、1番目の領域540、2番目の領域542、3番目の領域543、4番目の領域544に分けられまたは分類されている。風の量が多いときにタービンに負荷がかかり過ぎないように発電が減少されまたは停止される、より高い回転速度における5番目の領域(図示せず)が設けられていてもよい。
【0040】
風力タービンの制御は、たとえば、4つの領域540、542、543、544において異なっている。有利には、1番目の領域540において、風力タービンの発電機はエネルギーを発生せず(3番目のグラフに示される電力がゼロ)、したがって、適切な発電機トルクを与えることにより風力タービンのロータ速度を制御するために、風力タービンの発電機を用いることはできない。
【0041】
速度領域542において、風速は、発電機速度が図5の1番目のグラフに示されるロータまたは発電機周波数の予め定めたしきい値を超えるときに発電が開始されるのに十分な大きさである。本実施形態に係る、ピッチ角オフセット信号を制御する方法および風力タービンロータのロータ周波数を制御する方法は、有利には、1番目の領域540および発電機速度(図5の1番目のグラフ参照)が風力タービンの振動モードの臨界共振周波数、有利には風力タービンのタワーの振動モードに一致する領域に依存する2番目の領域542において実施することができる。
【0042】
一実施形態では、ロータブレードピッチ角は、例示的なピッチ角範囲ではピッチ角が0°〜10°の範囲で変化される1番目の領域540および2番目の領域542を含む囲まれた領域(図5の2番目のグラフ)におけるピッチ角オフセット信号を決定する方法を用いて制御される。他の実施形態では、ピッチ角はより大きい範囲またはより小さい範囲で変化されても良い。
【0043】
風速が増加すると、発電機速度または発電機周波数は、基準発電機速度、定格発電機速度、基準発電機周波数または定格発電機周波数を示す、基準発電機周波数または発電機速度547に達することになる。回転速度は典型的には負荷および騒音発生を減少するために制限される。
【0044】
3番目の領域543は、発電機周波数が基準発電機周波数547に在るが、出力電力(図5の3番目のグラフ参照)が定格出力電力548未満であり、このとき実際には速度が電力(またはトルク)を用いて制御可能であり、すなわち電力基準またはトルク基準はたとえば速度誤差により設定される、領域として定義することができる。
【0045】
これらの領域に関して、すべてのタービンがこれらの領域にしたがって制御されなければならないわけではないことを指摘しておく。すなわち、記載した例は風力タービンの典型的な動作を示すものであり、本発明はこれに限定されない。たとえば、有利な動作領域においては、3つは除かれ、または、制御が異なるやり方で行われてもよい。
【0046】
一実施形態では、囲まれた領域546において、すなわち、発電機周波数が基準発電機周波数547未満であり、有利には発電機周波数が予め定めたしきい値周波数未満である場合のための、ピッチ角オフセット信号を決定する方法および/または風力タービンロータのロータ周波数を制御する方法が実施される。
【0047】
したがって、ピッチ角オフセット信号を決定する方法およびロータのロータ周波数を制御する方法は、有利には、低風速動作(図5の領域540および/または542)において適用され、このとき、風力タービンはカットインのために十分な風を待ち、そしてエネルギーを生成する。有利には、図5の1番目の領域540において、風力タービンのコンバータはロータ速度を制御するために用いることができない。典型的には、カットイン速度はカットアウト速度よりも大きく(たとえばカットイン速度はたとえば800RPM〜900RPMであり、カットアウト速度は約600RPMである)、ヒステリシスを用いてタービンを動作させ、カットインおよびカットアウトの過剰な発生を回避する。
【0048】
図5の2番目のグラフに示されるように、タービンは典型的には、領域542および543において、空気力学の効率を最大化するように選択された固定ピッチ角を用いて動作する。典型的には、ピッチ角はたとえばこの領域内で固定されるか、または、数度変化される。
【0049】
一実施形態では、ピッチ角オフセット信号またはピッチ角オフセットはこの値に加えられ、コントローラが制御のために所定の速度基準に追従することなく、または、発電機トルクまたは発電力を用いることなく、ロータ速度が制御可能とされる。これにより、調整可能なブレードピッチ角は斜線領域546にあってもよい。
【0050】
再び図1を参照して、速度回避システム100(または共振速度回避装置)は、風力タービンの発電機の回転速度または風力タービン103のロータの回転速度を得るための入力端101を有する。さらに、速度回避システム100は、別の測定信号または動作パラメタを得るための別の入力端105と、通常ロータブレードのピッチ角を制御する従来のコントローラ109からの動作パラメタを得るためのまた別の入力端107とを有する。有利には、発電機または風力タービン103の発電機またはロータの回転周波数または回転速度は、回転速度または回転周波数を測定することにより得られる。
【0051】
発電機のまたは風力タービン103の回転周波数に基づいて、速度回避システム100はピッチ角オフセット信号を決定し、この信号を出力端111に供給する。このピッチ角オフセット信号は、従来のコントローラ109の出力端113においてデフォルトのピッチ角信号に加算器115を用いて加えられ、制御線117におけるトータルピッチ角信号(ブレードピッチ基準)を得る。
【0052】
トータルピッチ角信号は、該トータルピッチ角信号にしたがってブレードを回転させ、風力タービンロータのロータ周波数を制御するために、ブレードのブレードピッチ角を調整するために、アクチュエータを有する風力タービン103に供給される。典型的には、各ブレードはアクチュエータを有し、これには典型的にはロータに設けられた複数の(3本の)ブレードが存在する。一実施形態では、速度回避システム100および従来のコントローラ109を有する風力タービンコントローラ112が設けられており、風力タービンコントローラ112は風力タービン103から得られる測定信号(測定ベクトル)に基づいて制御線117においてトータルピッチ角信号を生成する。
【0053】
図2はロータブレード219の長軸方向から見たロータブレード219の断面図(翼)を概略的に示す。垂直軸221はロータのロータ軸を示し、水平軸223はロータブレード219が回転する回転面内に在る。
【0054】
ロータブレード219は上面225および下面227を有し、下面227は風の方向229に拡がる風に面する。いわゆる翼弦線239はブレード翼の前縁および後縁を接続する直線を定義的に表す。翼弦線239は平面232内に存在する。回転面223と翼弦面232の間の角度βがロータブレード219のブレードピッチ角を定義する。翼弦面232が回転面223と一致するとき、ブレードピッチ角はゼロであり、翼弦面232が時計回りに回転するとき、ブレードピッチ角はゼロから正の値に増加する。有利には、ピッチ角の増加は、フェザー制御に向かうピッチングとなり、ピッチ角の減少はストール制御に向かうピッチングとなる。
【0055】
図3に示すグラフでは、横軸に発電機の回転速度が示され、縦軸にロータ周波数(Hz)が示されている。したがって、水平線333はタービンのタワー振動の固定共振周波数を示し、曲線または線335は発電機速度に対応する回転周波数(RPM)を示し、曲線337は発電機速度の3倍の回転周波数(RPM)を示す。発電機の臨界回転周波数338(この例では800RPM)において、曲線337は、ロータの回転周波数(この例では3本のブレードの存在により生じる)の3倍に等しい風力タービンタワーの共振周波数(曲線333)を示す水平線333と交差する。
【0056】
一実施形態では、これら2つの周波数が等しいまたは一致する時間は、臨界周波数(臨界領域)を急速に通り抜けるようにロータブレードのピッチ角を調整することにより風力タービンロータのロータ周波数を制御する方法を実行することにより減少される。
【0057】
図4は、図3に示される臨界周波数338からの発電機速度または周波数オフセットまたは速度オフセットを横軸に示し、一実施形態において決定されるピッチ角オフセット信号から得られるピッチ角オフセットを縦軸に示す。横軸の値0において、発電機速度または発電機周波数は図3に示される臨界周波数338と一致する(ここでは参照番号438が付されている)。ピッチ角オフセット(曲線439)は共振臨界周波数の前後−70RPM〜+50RPMの範囲で0よりも大きい。臨界周波数438の前後−70RPM〜−50RPMの領域で、ピッチ角オフセット439は臨界回転周波数から急峻に増加して−50RPMにおいて7°の値に達する。臨界回転周波数を中心とする−50RPM〜+50RPMの範囲の臨界領域450において、ピッチ角オフセット439は負の傾きで減少する。有利には、ピッチ角オフセット439はまず−50RPMから約+25RPMまで第1の負の傾きで線形に減少し、次いで、約+25RPMから+50RPMまで第2の負の傾きで線形に減少し、ここで、第2の負の傾きは第1の負の傾きよりも大きい。しかし、これは一例に過ぎない。ピッチオフセット曲線は1つの傾きを有してよく、または、いくつかのまたはすべての点において変化する傾きを有してよい。
【0058】
臨界領域450においてピッチ角オフセットを減少させることにより、ロータの加速または減速は臨界回転周波数の急速な通り抜けを容易とする。有利には、図の左から右に見て(回転速度の増加)、ロータは臨界領域において加速される。そうでなければ、減速する。これにより、風力タービンの要素にかかる負荷は低減可能となる。ピッチ角オフセットをデフォルトのピッチ角信号に加えることにより、コントローラは、速度回避制御のために、所定の速度基準を追うことなくまたは発電機トルクまたは発電力を用いることなく、ロータ速度を制御することができる。有利には、ピッチ角オフセット439はたとえば図1に示される速度回避システム100の出力端111に供給される。
【0059】
出力端111に供給される信号は別のパラメタまたは変数に依存していてもよい。一実施形態では、ピッチ角オフセット信号は、発電機速度またはロータ速度に基づく。有利には、出力端111(図1)に供給されるピッチ角オフセット信号439は、ピッチ角を変化させることにより、臨界速度からまたは臨界周波数から離れて速度が維持されるように設計される。ピッチオフセットが、空気力学効率を最大化するピッチ角(最適ピッチ角ともいう)に等しいまたはこれよりも大きいピッチ角基準に加えられるとしたとき、臨界領域450(臨界速度前後の範囲)におけるピッチ角オフセット439の負の傾き(図4参照)によって、発電機速度は臨界速度を急速に通り抜ける。
【0060】
一般に、ピッチ角オフセット信号またはピッチ信号は、(臨界速度または臨界周波数の前後の間隔である)臨界領域450において負の傾きを有しなければならない。信号439の形状は可変である。臨界領域450において負の傾きを有するために、ピッチ角オフセット信号は、所定の傾きで(たとえば−70RPM〜−50RPMの間の発電機速度オフセットに関して)、ゼロオフセットから一定割合で上昇される必要がある。速度回避ピッチ信号の正確な形状(ピッチ角オフセット信号ともいう)は、たとえば大気密度および/または風速などの動作パラメタに依存している。
【0061】
さらに、速度回避ピッチ信号またはピッチ角オフセット信号は、タービン状態または加速の測定などの他の信号に基づいて、(僅かの間)可能(イネーブル)とされてよい。タービンが立ち上がり状態に在るとき、タービン状態の適用はピッチ信号オフセットを不能(ディスエーブル)とすることであってよく、それは、不要なピッチ動作を招くことを回避するためにピッチ信号オフセットを含まないことが望ましい場合があるからである。速度回避ピッチ信号またはピッチ角オフセット信号(曲線)を可能とすることは、たとえばゼロオフセット(曲線)から最終オフセット(曲線)にゆっくりと一定割合で変化させ/調整することによりゆっくりと行われる。図6は、一実施形態によるピッチ活用またはロータ速度制御を用いた速度回避制御のための方法の適用のシミュレーションの2つのグラフを示す。図6の1番目のグラフは、横軸に発電機速度を示し、縦軸に相応する発電機速度の発生を示す。したがって、参照番号650が付されたバーはピッチ角オフセット信号を用いた回転速度制御が可能とされた状態の発生を示し、参照番号652が付されたバーは速度回避機能が不能とされた状態の発生を示す。図からわかるように、速度回避機能が可能とされたとき、臨界発電機速度(ここでは約600RPM)の発生は減少される。
【0062】
図6の2番目のグラフは、横軸に時間を示し、縦軸に発電機速度を示す。参照番号654が付された曲線は、速度回避機能が可能とされたときの発電機速度を示し、参照番号656が付された曲線は、速度回避機能が不能とされたときの発電機速度を示す。図6の第2のグラフからわかるように、曲線654は、曲線656よりも長い時間、臨界発電機速度すなわち600RPM未満に在る。したがって、ピッチ角オフセット信号をデフォルトのピッチ角信号に加えることは、600RPMの臨界周波数を回避するための効率的な方法である。
【0063】
有利には、ロータ周波数の制御方法は、風力タービンの負荷を減少させ、これは速度回避を重要な特徴とする。
【0064】
さらに、(ピッチ角を制御するコントローラのためのポイントが設定される)速度基準を変化させるロジックが、臨界周波数を回避するために代替的に用いることができる。
【0065】
「含む」、「有する」の語は他の要素またはステップを除くものではなく、「1つの」の語は複数を除くものではない。また、異なる実施形態に関連して記載された要素が組み合わされてもよい。請求項中の参照番号は請求の範囲を限定するものと理解されるべきではない。
【符号の説明】
【0066】
100 システム、 101 入力端、111 出力端、 221 ロータ、 219 ロータブレード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンロータのロータ周波数制御のためにピッチ角オフセット信号を決定する方法であって、
ロータ(221)の動きを示す動き量を得るステップと、
前記動き量に基づいて当該ピッチ角オフセット信号(439)を決定するステップと、を有し、
前記ピッチ角オフセット信号は、前記ロータが臨界動き領域(450)に在る時間を減少させるようにロータ周波数を制御するために、前記ロータ(221)に設けられたロータブレード(219)のブレードピッチ角(β)を調整するために用いられるように適合される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記動き量は前記ロータの回転周波数を示し、
前記臨界動き領域は前記ロータの回転周波数の臨界範囲を示す、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記臨界範囲は、前記ロータ(221)の予め定めたまたは推定された臨界回転周波数(338)の前後の範囲である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記予め定めたまたは推定された臨界回転周波数は、前記タービンの、特に前記タービンのタワーの振動モードの共振振動周波数(333)の分数に等しいまたは整数倍に等しい周波数を含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記調整されたロータブレードピッチ角が、前記予め定めた臨界回転周波数(338、438)より低い回転周波数を示す動き量に対する場合の方が、前記予め定めた臨界回転周波数(338、438)より大きい回転周波数を示す動き量に対する場合よりも大きくなるように、前記ピッチ角オフセット信号を生成する、請求項3または4記載の方法。
【請求項6】
前記ロータの回転周波数の増加の際、特に前記臨界動き領域(450)の少なくとも一部において負の傾き(−Δy/Δx)を有する前記臨界動き領域において、前記調整されたロータブレードピッチ角(β)が減少するように、特に、前記調整されたロータブレードピッチ角(β)が、前記予め定めた臨界回転周波数において負の傾き(−Δy/Δx)を有するように、前記ピッチ角オフセット信号を生成する、請求項3〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記ピッチ角オフセット信号の決定は、前記動き量および前記臨界動き領域(450)に基づいており、特に、前記臨界動き領域の決定は前記臨界回転周波数に基づいている、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
ピッチ角オフセット信号を決定するステップを更に有し、前記動き量は基準ロータ周波数(547)未満の前記ロータの回転を示す、請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
ピッチ角オフセット信号を決定するステップを更に有し、前記動き量は、前記基準ロータ周波数(547)未満の予め定めたしきい値ロータ周波数(545)より低い前記ロータの回転を示し、前記しきい値ロータ周波数未満では前記タービンは電力系統にゼロ電力を供給する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記ピッチ角オフセット信号を決定するステップは、1つまたは複数の動作パラメタ、特に、風速および/または大気密度、および/または、前記ロータおよび/または発電機の加速信号に基づき、ならびに/あるいは、コントローラ状態に基づく、請求項1から9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
風力タービンのロータ周波数を制御する方法であって、
請求項1から10のいずれか1項記載のピッチ角オフセット信号を決定するステップと、
前記ピッチ角オフセット信号(439)に基づいて前記ロータ(221)に設けられた前記ロータブレード(219)のピッチ角(β)を調整するステップと、
を有する方法。
【請求項12】
前記動き量が、前記基準ロータ周波数(547)における前記ロータの回転または基準ロータ周波数を超える前記ロータの回転を示すとき、前記ピッチ角オフセット信号に基づいた前記ロータに設けられた前記ロータブレードのピッチ角の調整を不能とするステップをさらに有する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記ロータの回転の立ち上がりの間、前記ロータブレードのピッチ角の調整を不能とする、請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
風力タービンロータのロータ周波数を制御するためのピッチ角オフセット信号を決定するためのシステム(100)であって、
前記ロータ(221)の動きを示す動き量を得るための入力端(101)と、
前記得られた動き量に基づいてピッチ角オフセット信号を決定するための処理モジュールと、
前記ロータが臨界動き領域に在る時間を減少させるようロータ周波数を制御するために、前記ロータに設けられたロータブレードのブレードピッチ角を調整するために用いられるよう、前記ピッチ角オフセット信号が送られる、出力端(111)と、
を備える、ことを特徴とするシステム(100)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−154335(P2012−154335A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−12255(P2012−12255)
【出願日】平成24年1月24日(2012.1.24)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】