説明

ピペラジニルおよびジアザパニルベンズアミド誘導体の新規な製造方法

本発明は、ヒスタミン受容体が媒介する障害および病気の治療で用いるに有用な置換ピペラジニルおよびジアゼパニルベンズアミドの新規な製造方法に向けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒスタミン受容体が媒介する障害および病気の治療で用いるに有用なピペラジニルおよびジアゼパニルベンズアミド誘導体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒスタミン受容体媒介障害の治療で用いるに有用な新規なピペラジニルおよびジアゼパニルベンズアミド誘導体が特許文献1(これは引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されている。より具体的には、前記化合物はH受容体が媒介する障害および病気の治療で用いるに有用である。より詳細には、前記化合物は睡眠/覚醒および覚醒/覚生障害(例えば不眠および時差ボケ)、注意力欠如多動障害(ADHD)、学習および記憶障害、認識障害、片頭痛、神経性炎症、認知症、軽度認識障害[前認知症(pre−dementia)]、アルツハイマー病、てんかん、ナルコレプシー、摂食障害、肥満症、乗り物酔い、めまい、統合失調症、薬物乱用、双極性障害、躁病障害および鬱病を包含する神経学的障害ばかりでなく他のヒスタミンH受容体媒介障害、例えば上気道アレルギー反応、喘息、かゆみ、鼻うっ血およびアレルギー性鼻炎などの治療または予防を必要としている被験体におけるそれの治療または予防、例えば、上気道アレルギー反応、喘息、かゆみ、鼻うっ血およびアレルギー性鼻炎を予防するか、それらの進行を抑制するか或はそれらを治療する方法で用いるに有用である。
【0003】
ピペラジニルおよびジアゼパニルベンズアミドの製造方法が特許文献1に開示されている。大規模/商業的用途に適したピペラジニルおよびジアゼパニルベンズアミド誘導体製造方法が必要とされているままである。
【特許文献1】2005年4月21日に公開された米国特許出願公開 2004−0110746 A1(また2004年5月6日にPCT 公開WO 04/037801としても公開された)
【発明の開示】
【0004】
発明の要約
本発明は式(I)
【0005】
【化1】

【0006】
[式中、
は、C1−10アルキル,C3−8アルケニル,C3−8シクロアルキル,(C3−8シクロアルキル)C1−6アルキル,(C3−8シクロアルキル)C3−8アルケニル
および(C1−8アルキルカルボニル)C1−8アルキルから成る群から選択され;
nは、1から2の整数であり;
およびRは、各々独立して、水素,フルオロ,クロロ,ブロモ,ニトロ,トリフルオロメチル,メチルまたはC1−3アルコキシから選択され;
mは、1から7の整数であり;(好適にはmは1から4の整数であり,より好適にはmは1であり);
Qは、NRであり;ここで、
は、水素,C1−6アルキル,C3−6アルケニル,3−9員のカルボシクリル,3−12員のヘテロシクリル(好適には5−9もしくは5−8員のヘテロシクリル),フェニル,(6−9員のヘテロシクリル)C1−6アルキレンおよび(フェニル)C1−6アルキレンから成る群から選択され;そして
は、C1−6アルキル,C3−6アルケニル,6−9員のカルボシクリル,3−12員のヘテロシクリル(好適には5−9もしくは5−8員のヘテロシクリル),フェニル,(6−9員のヘテロシクリル)C1−6アルキレンおよび(フェニル)C1−6アルキレンから成る群から選択されるか;またあるいは、
Qは、Nで連結する3−12員の飽和ヘテロシクリルであり、ここで、前記3−12員のヘテロシクリルは、Nで連結する窒素に加えて、場合により、O,SおよびNHから独立して選択される1から3個の追加的ヘテロ原子を含有していてもよく;ここで、
Q(QがNで連結する3−12員の飽和ヘテロシクリルの場合)は、場合により、ヒドロキシ,ハロ,カルボキサミド,C1−6アルキル,5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル,−N(C1−6アルキル)(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−NH(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−O(5−9もしくは6−9員のヘテロシクリル),(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル)C1−3アルキレン,C1−6アルコキシ,(C3−6シクロアルキル)−O−,フェニル,(フェニル)C1−3アルキレンおよび(フェニル)C1−3アルキレン−O−から成る群から独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく;ここで、
前記ヘテロシクリル,フェニルおよびアルキル基は、各々場合により、トリフルオロメチル,メトキシ,ハロ,ニトロ,シアノ,ヒドロキシおよびC1−3アルキルから成る群から独立して選択される1から3個の置換基で更に置換されていてもよいが;但し
前記フェニル環上の5位および6位は置換されていない(即ち、R,R および−(CH−Qはフェニル環上の2位,3位および4位に結合している)ことを条件とし;更に
がメチルの時には−(CH−Qがピペリジン−1−イルメチルではないことも条件とし;そしてここで、
前記アルキル,アルキレン,アルケニル,ヘテロシクリル,シクロアルキル,カルボシクリルおよびアリール基の各々は、各々独立して、場合により、トリフルオロメチル,メトキシ,ハロ,アミノ,ニトロ,ヒドロキシおよびC1−3アルキルから成る群から独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物およびこれの製薬学的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、溶媒和物またはアミドを製造する方法に向けたものであり、この方法は、
【0007】
【化2】

【0008】
式(X)で表される化合物を1番目の有機溶媒中で反応させることでLが脱離基である相当する式(XI)で表される化合物を生じさせ、ここで、前記式(XI)で表される化合物を単離せず;
【0009】
【化3】

【0010】
前記式(XI)で表される化合物と式(XII)で表される化合物を有機もしくは無機塩基の存在下の2番目の有機溶媒中で反応させることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせ、ここで、前記式(XIII)で表される化合物を単離せず;
【0011】
【化4】

【0012】
前記式(XIII)で表される化合物と式(XIV)で表される化合物を還元剤の存在下の3番目の有機溶媒中で反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせることを含んで成る。
【0013】
本発明は、更に、式(I)
【0014】
【化5】

【0015】
[式中、
は、C1−10アルキル,C3−8アルケニル,C3−8シクロアルキル,(C3−8シクロアルキル)C1−6アルキル,(C3−8シクロアルキル)C3−8アルケニルおよび(C1−8アルキルカルボニル)C1−8アルキルから成る群から選択され;
nは、1から2の整数であり;
およびRは、各々独立して、水素,フルオロ,クロロ,ブロモ,ニトロ,トリフルオロメチル,メチルまたはC1−3アルコキシから選択され;
mは、1から7の整数であり;(好適にはmは1から4の整数であり,より好適にはmは1であり);
Qは、NRであり;ここで、
は、水素,C1−6アルキル,C3−6アルケニル,3−9員のカルボシクリル,3−12員のヘテロシクリル(好適には5−9もしくは5−8員のヘテロシクリル),フェニル,(6−9員のヘテロシクリル)C1−6アルキレンおよび(フェニル)C1−6アルキレンから成る群から選択され;そして
は、C1−6アルキル,C3−6アルケニル,6−9員のカルボシクリル,3−12員のヘテロシクリル(好適には5−9もしくは5−8員のヘテロシクリル),フェニル,(6−9員のヘテロシクリル)C1−6アルキレンおよび(フェニル)C1−6アルキレンから成る群から選択されるか;またあるいは、
Qは、Nで連結する3−12員の飽和ヘテロシクリルであり、ここで、前記3−12員のヘテロシクリルは、Nで連結する窒素に加えて、場合により、O,SおよびNHから独立して選択される1から3個の追加的ヘテロ原子を含有していてもよく;ここで、
Q(QがNで連結する3−12員の飽和ヘテロシクリルの場合)は、場合により、ヒドロキシ,ハロ,カルボキサミド,C1−6アルキル,5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル,−N(C1−6アルキル)(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−NH(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−O(5−9もしくは6−9員のヘテロシクリル),(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル)C1−3アルキレン,C1−6アルコキシ,(C3−6シクロアルキル)−O−,フェニル,(フェニル)C1−3アルキレンおよび(フェニル)C1−3アルキレン−O−から成る群から独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく;ここで、
前記ヘテロシクリル,フェニルおよびアルキル基は、各々場合により、トリフルオロメチ
ル,メトキシ,ハロ,ニトロ,シアノ,ヒドロキシおよびC1−3アルキルから成る群から独立して選択される1から3個の置換基で更に置換されていてもよいが;但し
前記フェニル環上の5位および6位は置換されていない(即ち、R,R および−(CH−Qはフェニル環上の2位,3位および4位に結合している)ことを条件とし;更に
がメチルの時には−(CH−Qがピペリジン−1−イルメチルではないことも条件とし;そしてここで、
前記アルキル,アルキレン,アルケニル,ヘテロシクリル,シクロアルキル,カルボシクリルおよびアリール基の各々は、各々独立して、場合により、トリフルオロメチル,メトキシ,ハロ,アミノ,ニトロ,ヒドロキシおよびC1−3アルキルから成る群から独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物およびこれの製薬学的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、溶媒和物またはアミドを製造する代替方法の改良にも向けたものであり、この方法は、
【0016】
【化6】

【0017】
式(XIII)で表される化合物と重亜硫酸塩源を極性有機溶媒中で反応させることで相当する式(XVII)で表される化合物を生じさせ;
【0018】
【化7】

【0019】
前記式(XVII)で表される化合物と式(XIV)で表される化合物を還元剤の存在下で有機もしくは無機塩基を存在させて有機溶媒中で反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせることを含んで成る。
【0020】
本発明は、更に、式(I)
【0021】
【化8】

【0022】
[式中、
は、C1−10アルキル,C3−8アルケニル,C3−8シクロアルキル,(C3−8シクロアルキル)C1−6アルキル,(C3−8シクロアルキル)C3−8アルケニルおよび(C1−8アルキルカルボニル)C1−8アルキルから成る群から選択され;
nは、1から2の整数であり;
およびRは、各々独立して、水素,フルオロ,クロロ,ブロモ,ニトロ,トリフルオロメチル,メチルまたはC1−3アルコキシから選択され;
mは、1から7の整数であり;(好適にはmは1から4の整数であり,より好適にはmは1であり);
Qは、NRであり;ここで、
は、水素,C1−6アルキル,C3−6アルケニル,3−9員のカルボシクリル,3−12員のヘテロシクリル,フェニル,(6−9員のヘテロシクリル)C1−6アルキレンおよび(フェニル)C1−6アルキレンから成る群から選択され;そして
は、C1−6アルキル,C3−6アルケニル,6−9員のカルボシクリル,3−12員のヘテロシクリル,フェニル,(6−9員のヘテロシクリル)C1−6アルキレンおよび(フェニル)C1−6アルキレンから成る群から選択されるか;またあるいは、
Qは、Nで連結する3−12員の飽和ヘテロシクリルであり、ここで、前記3−12員のヘテロシクリルは、Nで連結する窒素に加えて、場合により、O,SおよびNHから独立して選択される1から3個の追加的ヘテロ原子を含有していてもよく;ここで、
Q(QがNで連結する3−12員の飽和ヘテロシクリルの場合)は、場合により、ヒドロキシ,ハロ,カルボキサミド,C1−6アルキル,5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル,−N(C1−6アルキル)(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−NH(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−O(5−9もしくは6−9員のヘテロシクリル),(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル)C1−3アルキレン,C1−6アルコキシ,(C3−6シクロアルキル)−O−,フェニル,(フェニル)C1−3アルキレンおよび(フェニル)C1−3アルキレン−O−から成る群から独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく;ここで、
前記ヘテロシクリル,フェニルおよびアルキル基は、各々場合により、トリフルオロメチル,メトキシ,ハロ,ニトロ,シアノ,ヒドロキシおよびC1−3アルキルから成る群から独立して選択される1から3個の置換基で更に置換されていてもよいが;但し
前記フェニル環上の5位および6位は置換されていない(即ち、R,R および−(CH−Qはフェニル環上の2位,3位および4位に結合している)ことを条件とし;更に
がメチルの時には−(CH−Qがピペリジン−1−イルメチルではないことも条件とし;そしてここで、
前記アルキル,アルキレン,アルケニル,ヘテロシクリル,シクロアルキル,カルボシク
リルおよびアリール基の各々は、各々独立して、場合により、トリフルオロメチル,メトキシ,ハロ,アミノ,ニトロ,ヒドロキシおよびC1−3アルキルから成る群から独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物およびこれの製薬学的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、溶媒和物またはアミドを製造する代替方法の改良にも向けたものであり、この方法は、
【0023】
【化9】

【0024】
式(XIII)で表される化合物と重亜硫酸塩源を極性有機溶媒中で反応させることで相当する式(XVII)で表される化合物を生じさせ;
【0025】
【化10】

【0026】
前記式(XVII)で表される化合物と有機もしくは無機塩基を有機溶媒中で反応させることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせ;
【0027】
【化11】

【0028】
前記式(XIII)で表される化合物と式(XIV)で表される化合物を還元剤の存在下の有機溶媒中で反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせることを含んで成る。
【0029】
1つの態様において、本発明は、式(Ia)
【0030】
【化12】

【0031】
で表される化合物およびこれの製薬学的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、溶媒和物またはアミドを製造する方法に向けたものである。
【0032】
別の態様において、本発明は、式(Is)
【0033】
【化13】

【0034】
で表される化合物[また(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンとしても認識する]またはこれの製薬学的に許容され得る塩,エステル,互変異性体,溶媒和物またはアミドを製造する方法に向けたものである。
【0035】
本発明は、更に、式(I)で表される化合物の新規な結晶性塩にも向けたものである。1つの態様において、本発明は、前記式(I)で表される化合物のマレイン酸塩,こはく酸塩,フマル酸塩,塩酸塩または臭化水素酸塩に向けたものである。
【0036】
1つの態様において、本発明は、式(Is)で表される化合物の新規な結晶性塩に向けたものである。1つの態様において、本発明は、前記式(Is)で表される化合物のマレイン酸塩,こはく酸塩,フマル酸塩,塩酸塩または臭化水素酸塩に向けたものである。別の態様において、本発明は、前記式(Is)で表される化合物の結晶性こはく酸塩に向けたものである。別の態様において、本発明は、前記式(Is)で表される化合物の結晶性モノこはく酸塩に向けたものである。
【0037】
本発明は、更に、本明細書に記述する方法のいずれかに従って調製した生成物に向けたものである。
【0038】
本発明の具体例は、製薬学的に受け入れられる担体および本明細書に記述する如き式(Is)で表される化合物のこはく酸塩を含有して成る製薬学的組成物である。本発明の具体例は、本明細書に記述した如き式(Is)で表される化合物のこはく酸塩と製薬学的に受け入れられる担体を混合することで製造した製薬学的組成物である。本発明を具体化する方法は、本明細書に記述する如き式(Is)で表される化合物のこはく酸塩と製薬学的に受け入れられる担体を混合することを含んで成る製薬学的組成物製造方法である。
【0039】
本発明の具体例は、製薬学的に受け入れられる担体および本明細書に記述する方法のいずれかに従って調製した生成物を含有して成る製薬学的組成物である。本発明の具体例は、本明細書に記述する方法のいずれかに従って調製した生成物と製薬学的に受け入れられる担体を混合することで製造した製薬学的組成物である。本発明を具体化する方法は、本明細書に記述する方法のいずれかに従って調製した生成物と製薬学的に受け入れられる担体を混合することを含んで成る製薬学的組成物製造方法である。
【0040】
本発明を具体化する方法は、ヒスタミン,好適にはH ヒスタミン受容体が媒介する障害[睡眠/覚醒および覚醒/覚生障害(例えば不眠および時差ボケ)、注意力欠如多動障害(ADHD)、学習および記憶障害、認識障害、片頭痛、神経性炎症、認知症、軽度認識障害(前認知症)、アルツハイマー病、てんかん、ナルコレプシー、摂食障害、肥満症、乗り物酔い、めまい、統合失調症、薬物乱用、双極性障害、躁病障害および鬱病を包含する神経学的障害ばかりでなく他のヒスタミンH受容体媒介障害、例えば上気道アレルギー反応、喘息、かゆみ、鼻うっ血およびアレルギー性鼻炎などから成る群から選択]を治療する方法であり、この方法は、それを必要としている被験体に本明細書に記述する如き式(Is)で表される化合物のこはく酸塩またはこの上に記述した如き式(Is)で表される化合物のこはく酸塩を含有して成る製薬学的組成物を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
【0041】
本発明を具体化する方法は、ヒスタミン,好適にはH ヒスタミン受容体が媒介する障害[睡眠/覚醒および覚醒/覚生障害(例えば不眠および時差ボケ)、注意力欠如多動障害(ADHD)、学習および記憶障害、認識障害、片頭痛、神経性炎症、認知症、軽度認識障害(前認知症)、アルツハイマー病、てんかん、ナルコレプシー、摂食障害、肥満症、乗り物酔い、めまい、統合失調症、薬物乱用、双極性障害、躁病障害および鬱病を包含する神経学的障害ばかりでなく他のヒスタミンH受容体媒介障害、例えば上気道アレルギー反応、喘息、かゆみ、鼻うっ血およびアレルギー性鼻炎などから成る群から選択]を治療する方法であり、この方法は、それを必要としている被験体に本明細書に記述する如き方法のいずれかに従って調製した生成物またはこの上に記述した如き製薬学的組成物を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
【0042】
本発明の別の例は、式(Is)で表される化合物のこはく酸塩または本明細書に記述する方法のいずれかに従って調製した生成物を(a)睡眠/覚醒障害、(b)覚醒/覚生障害、(c)不眠、(d)時差ボケ、(e)注意力欠如多動障害(ADHD)、(f)学習障害、(g)記憶障害、(h)認識障害、(i)片頭痛、(j)神経性炎症、(k)認知症、(l)軽度認識障害(前認知症)、(m)アルツハイマー病、(n)てんかん、(o)ナルコレプシー、(p)摂食障害、(q)肥満症、(r)乗り物酔い、(s)めまい、(t)統合失調症、(u)薬物乱用、(v)双極性障害、(w)躁病障害、(x)鬱病、(y)上気道アレルギー反応、(z)喘息、(aa)かゆみ、(bb)鼻うっ血または(cc)アレルギー性鼻炎の治療を必要としている被験体におけるそれを治療するための薬剤を製造する時に用いる例である。
【0043】
発明の詳細な説明
本発明は、ヒスタミン受容体が媒介する障害および病気の治療で用いるに有用な式(I)
【0044】
【化14】

【0045】
[式中、n,R,R,R,mおよびQは、本明細書で定義する通りである]
で表される化合物を製造する方法に向けたものである。
【0046】
本明細書で用いる如き“Ca−b”(ここで、aおよびbは整数である)は、炭素原子を含めてaからb個含有する基を指す。例えばC1−3は、炭素原子を1,2または3個含有する基を表す。
【0047】
本明細書で用いる如き“ハロ”または“ハロゲン”は塩素、臭素、フッ素およびヨウ素の一価基を意味する。
【0048】
本明細書で用いる如き用語“アルキル”は、これを単独で用いるか或は置換基の一部として用いるかに拘らず、直鎖および分枝飽和炭素鎖を包含する。例えば、アルキル基にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチルなどが含まれる。特に明記しない限り、“低級”をアルキルに関して用いる場合、これは炭素原子数が1−4の炭素鎖組成物を意味する。“アルキレン”は二価のヒドロカルビル基、例えばメチレン(−CH−),エチレン(−CH−CH−)またはプロピレン(−CHCHCH−)などを指す。
【0049】
本明細書で用いる如き用語“アルキレン”は、二価の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を指す。適切な例には、これらに限定するものでないが、メチレン,エチレン,n−プロピレンなどが含まれる。
【0050】
本明細書で用いる如き“アルケニル”は、特に明記しない限り、少なくとも2個の水素原子がパイ結合に置き換わっていることで炭素−炭素二重結合を形成しているアルキレン基、例えばプロペニル、ブテニル、ペンテニルなどを意味する。アルケニル基がRまたはRの場合の開放基(分子の残りとの結合点)は、アリルで例示するようにsp炭素であり、従って、その二重結合1個または2個以上は前記開放基に対して少なくともアルファ位に位置する(ベータ、ガンマなどでない場合)。
【0051】
本明細書で用いる如き“アルキリデン”は、親アルカン、アルケンまたはアルキンの同じ炭素原子から2個の水素原子が取り除かれることで生じた飽和もしくは不飽和の分枝、直鎖もしくは環式の二価炭化水素基を指す。その二価基の中心部が分子の残りの1個の原子と一緒に二重結合を形成する。典型的なアルキリデン基には、これらに限定するものでないが、エタニリデン、プロピリデン、例えばプロパン−1−イリデン,プロパン−2−イリデン,シクロプロパン−1−イリデンなど;ブチリデン、例えばブタン−1−イリデン,ブタン−2−イリデン,2−メチル−プロパン−1−イリデン,シクロブタン−1−
イリデンなどが含まれる。
【0052】
本明細書で用いる如き「アルコキシ」は、特に明記しない限り、上述した直もしくは分枝鎖アルキル基の酸素エーテル基を表す。例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシなど。
【0053】
本明細書で用いる如き「シクロアルキル」は、特に明記しない限り、3から8員の飽和単環式炭素環式環構造を表す。適切な例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれる。
【0054】
本明細書で用いる如き「シクロアルケニル」は、特に明記しない限り、二重結合を少なくとも1つ含有する3から8員の部分不飽和単環式炭素環式環構造を表す。適切な例にはシクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロヘキサ−1,3−ジエニルなどが含まれる。
【0055】
本明細書で用いる如き「アリール」は、特に明記しない限り、炭素環式芳香基、例えばフェニル、ナフチルなどを指す。二価基にはフェニレン(−C−)(これは好適にはフェン−1,4−ジイルであるが、また、フェン−1,3−ジイルであってもよい)が含まれる。
【0056】
本明細書で用いる如き「アラルキル」は、特に明記しない限り、アリール基、例えばフェニル、ナフチルなどで置換されている「アルキル」基のいずれかを意味する。アラルキルの例にはベンジル、フェネチルおよびフェニルプロピルが含まれる。
【0057】
「カルボシクリル」を本明細書で用いる場合、特に明記しない限り、これは、骨格環1個または2個以上(炭素環が縮合もしくはスピロ二環式もしくは三環式基の場合)の中に炭素原子を3−12個、好適には炭素原子を6−9個含有する環式基のいずれかを意味する。炭素環は飽和、不飽和、部分不飽和または芳香であり得る。その例にはシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニルが含まれ、具体例にはフェニル、ベンジル、インダニルおよびビフェニルが含まれる。炭素環は、本明細書のどこかで示すように、炭素でも水素でもない置換基、例えばヒドロキシ、ハロ、ハロメチルなどを持っていてもよい。
【0058】
本明細書で用いる如き用語「複素環」、「ヘテロシクリル」および「ヘテロシクロ」は、特に明記しない限り、NH、O、SO、SO、(C=O)およびSから成る群から選択されるヘテロ原子部分を少なくとも1個、好適にはNH、OまたはSを含有しかつ場合により追加的ヘテロ原子を各環の中に1から4個含有していてもよい3員、4員、5員、6員、7員または8員の単環式、9員または10員の二環式、または13員または14員の三環式環構造のいずれかを表す。いくつかの態様では、そのようなヘテロシクリルは追加的ヘテロ原子を1から3個または1から2個含有する。特に明記しない限り、ヘテロシクリルは飽和、部分不飽和、芳香または部分芳香であり得る。このヘテロシクリル基は、結果として安定な構造が作り出されるように、ヘテロ原子または炭素原子のいずれの所で結合していてもよい。
【0059】
典型的な単環式複素環基には、ピロリジニル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアザオリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキサゼピニル
、アゼピニル、ヘキサヒドロアゼピニル、4−ピペリジニル、ピリジル、N−オキソ−ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニルスルホン、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルスルホキサイド、チオモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル、ジオキサニル、イソチアゾリジニル、チエタニル、チイラニル、トリアジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、アゼチジニルなどが含まれ得る。
【0060】
例えば、QがNで連結する3−12員の飽和ヘテロシクリルの場合、Qは必ず窒素を少なくとも1個含有し、そして炭素原子はsp混成している。Qが縮合二環式ヘテロシクリルの場合、Lと連結している環の炭素原子はsp混成しているが、但し隣接して位置する環(および共通の炭素原子)はspであってもよい(例えば1個の炭素原子が窒素に置き換わっているインダニルの場合など)ことを条件とする。
【0061】
典型的な二環式ヘテロシクリルには、一般に、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、キノリニル−N−オキサイド、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロプリジル、フロピリジニル(例えばフロ{2,3−c}ピリジニル、フロ{3,1−b}ピリジニル、またはフロ{2,3−b}ピリジニル),ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(例えば3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニル)、テトラヒドロキノリニル(例えば1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル)、テトラヒドロイソキノリニル(例えば1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル)、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾジアジニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾピラゾリル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、ジヒドロベンゾピラニル、インドリニル、イソインドリル、テトラヒドロインドアゾリル(例えば4,5,6,7−テトラヒドロインダゾリル)、イソクロマニル、イソインドリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、ピペロニル、プリニル、ピリドピリジル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、チエノフリル、チエノピリジル、チエノチエニル,
【0062】
【化15】

【0063】
などが含まれる。
【0064】
典型的な三環式複素環基には、アクリジニル、フェノキサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、カルボゾリル、ペルミニジニル、フェナントロリニル、カルボリニル、ナフトチエニル、チアントレニルなどが含まれる。
【0065】
好適なヘテロシクリル基には、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピリミジニル、ピリジル、ピロリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、アクリジニル、アゼピニル、ヘキサヒドロアゼピニル、アゼチジニル、インドリル、イソインドリル、チアゾリル、チアジアゾリル、キノリニル、イ
ソキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,3,4−トリヒドロイソキノリニル、4,5,6,7−テトラヒドロインダドリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾアクスゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、
【0066】
【化16】

【0067】
などが含まれる。
【0068】
本明細書で用いる如き用語「ヘテロシクリル−アルキル」または「ヘテロシクリル−アルキレン」は、特に明記しない限り、ヘテロシクリル基で置換されているアルキル基のいずれかを表し、ここで、ヘテロシクリル−アルキル基はアルキル部分を通して分子の中心部分と結合している。ヘテロシクリル−アルキル基の適切な例には、これらに限定するものでないが、ピペリジニルメチル、ピロリジニルメチル、ピペリジニルエチル、ピペラジニルメチル、ピロリルブチル、ピペリジニルイソブチル、ピリジルメチル、ピリミジニルエチルなどが含まれる。
【0069】
個々の基が「置換されている」場合(例えばアルキル、アルキレン、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリールなどの場合)、そのような基は置換基のリストから独立して選択される置換基を1個以上、好適には置換基を1から5個、より好適には置換基を1から3個、最も好適には置換基を1から2個持っていてもよい。
【0070】
ある分子中の個々の位置の所の如何なる置換基の定義も変項の定義もその分子中の他の場所の定義から独立していることを意図する。本分野の通常の技術者は本技術分野で公知の技術ばかりでなく本明細書に挙げた方法を用いて化学的に安定で容易に合成可能な化合物が得られるように本発明の化合物の置換基および置換様式を選択することができると理解する。
【0071】
本開示の全体に渡って用いる標準的命名法の下では、表示する側鎖の末端部分を最初に記述し、その後、それに隣接する官能性を結合点に向かって記述する。従って、例えば「フェニル(アルキル)アミド(アルキル)」置換基は、式:
【0072】
【化17】

【0073】
で表される基を指す。
【0074】
特に明記しない限り、R,Rおよび−(CH−Q置換基が結合している式(I)で表される化合物の中心フェニル環上の位置を、以下
【0075】
【化18】

【0076】
に示すように、−C(O)−基が結合している炭素原子から開始してフェニル環の回りを時計方向に番号を付けると定義する。
【0077】
本発明の式(I)で表される化合物では、R,Rおよび−(CH−Qが結合している位置は2位,3位置および/または4位のみであり得る。その上、5位および6位は置換されていない。このように、式(I)で表される化合物では、R,Rおよび−(CH−Qが結合している位置は以下に示す通りであり得る:
【0078】
【表1】

【0079】
本明細書で用いる如き用語「被験体」は、治療、観察または実験の対象である動物、好適には哺乳動物、最も好適には人を指す。
【0080】
本明細書で用いる如き用語「治療的に有効な量」は、研究者、獣医、医者または他の臨床医が探求している活性化合物または薬剤が組織系、動物または人に生物学的もしくは医薬的反応(治療すべき病気または障害の予防、発症の抑制または症状の軽減を包含)を引き出す量を意味する。
【0081】
用語「組成物」を本明細書で用いる場合、これに、指定材料を指定量で含んで成る製品ばかりでなく指定材料を指定量で組み合わせる結果として直接または間接的にもたらされる如何なる生成物も包含させることを意図する。
【0082】
本明細書、特にスキームおよび実施例で用いる省略形は下記の通りである:
CDI =N,N’−カルボニルジイミダゾール
DCM =ジクロロメタン
DIPEA =ジイソプロピルエチルアミン
DMF =ジメチルホルムアミド
DSC 示差走査熱量測定
DVS =動的蒸気吸収
EDCl =1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボ
ジイミドの塩酸塩
EtO =ジエチルエーテル
EtOAc =酢酸エチル
EtOH =エタノール
HOBt =1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC =高性能液クロ
MeOH =メタノール
MTBE =メチル t−ブチルエーテル
NaBH(OAc)=トリアセトキシホウ水素化ナトリウム
NMR =核磁気共鳴
OBt =−O−(1−ベンゾトリアゾリル)
RH =相対湿度
TEAまたはEtN =トリエチルアミン
THF =テトラヒドロフラン
TLC =薄層クロマトグラフィー
XRD X線回折
【0083】
説明をより簡潔にする目的で、本明細書に示す量的表現のいくつかには用語「約」による制限を受けさせていない。用語「約」を明確に用いるか否かに拘わらず、本明細書に示す量は全てが実際の所定値を指すことを意味しかつまた前記所定値の近似値(本分野の通常の技術を基にして妥当であると推測される)[実験および/または測定条件による前記所定値の近似値を包含]も指すことを意味すると理解する。
【0084】
本明細書で用いる如き用語「脱離基」は、特に明記しない限り、置換または置き換え反応中に脱離する帯電もしくは非帯電原子もしくは基を意味する。適切な例には、これらに限定するものでないが、Br、Cl、イミダゾリルなどが含まれる。
【0085】
本発明に従う化合物がキラル中心を少なくとも1つ有する場合、それらはそれに応じて鏡像異性体として存在し得る。本化合物がキラル中心を2つ以上有する場合、それらは追加的にジアステレオマーとしても存在し得る。そのような異性体およびこれらの混合物の全部を本発明の範囲内に包含させると理解されるべきである。本化合物が鏡像異性体として存在する場合、その鏡像異性体は好適には約80%に等しいか或はそれ以上の鏡像異性体過剰度、より好適には約90%に等しいか或はそれ以上の鏡像異性体過剰度、更により好適には約95%に等しいか或はそれ以上の鏡像異性体過剰度、更により好適には約98%に等しいか或はそれ以上の鏡像異性体過剰度、最も好適には約99%に等しいか或はそれ以上の鏡像異性体過剰度で存在する。同様に、本化合物がジアステレオマーとして存在する場合、そのジアステレオマーは約80%に等しいか或はそれ以上のジアステレオマー過剰度、より好適には約90%に等しいか或はそれ以上のジアステレオマー過剰度、更により好適には約95%に等しいか或はそれ以上のジアステレオマー過剰度、更により好適には約98%に等しいか或はそれ以上のジアステレオマー過剰度、最も好適には約99%に等しいか或はそれ以上のジアステレオマー過剰度で存在する。
【0086】
その上、本発明の化合物が示す結晶形態のいくつかは多形として存在する可能性があり、このように、それらも本発明に包含させることを意図する。加うるに、本発明の化合物の数種は水と一緒に溶媒和物(即ち水化物)または一般的有機溶媒と一緒に溶媒和物を形成する可能性があり、そのような溶媒和物もまた本発明の範囲内に包含させることを意図する。
【0087】
本分野の技術者は、本発明の反応段階をいろいろな溶媒もしくは溶媒系中で実施することができることを認識するであろうが、前記反応段階をまた適切な溶媒もしくは溶媒系の混合物中で実施することも可能である。
【0088】
本発明に従う化合物を生じさせる過程で立体異性体の混合物がもたらされる場合には、通常の技術、例えば調製用クロマトグラフィーなどを用いてそのような異性体を分離することができる。このような化合物はラセミ形態で調製可能であるか、或は鏡像特異的合成または分割のいずれかを用いて個々の鏡像異性体を生じさせることも可能である。標準的技術、例えば光活性酸、例えば(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸および/または(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸などを用いて塩を生じさせた後に分別結晶化を行いそして遊離塩基を再生させてジアステレオマー対を生じさせることなどで、そのような化合物を例えばそれらの成分である鏡像異性体に分割することも可能である。また、ジアステレオマーであるエステルまたはアミドを生じさせた後にクロマトグラフィーによる分離を行いそしてキラル補助剤を除去することで、そのような化合物の分割を行うことも可能である。またあるいは、キラルHPLCカラムを用いてそのような化合物の分割を行うことも可能である。
【0089】
本発明の化合物を調製する過程のいずれかを実施する時、関係する分子のいずれかが有する敏感もしくは反応性基を保護する必要がありそして/またはその方が望ましい可能性がある。これは通常の保護基、例えばProtectivegroups in Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編集,Plenum Press,1973;およびT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protectivegroups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991などに記述されている如きそれらを用いて達成可能である。そのような保護基は本技術分野で公知の方法を用いて後の便利な段階で除去可能である。例えば、本分野の技術者は、本発明の方法では置換基、例えば(C1−8アルキルカルボニル)C1−8アルキルなどを保護する必要がありそして/またはその方が望ましい可能性があることを理解するであろう。
【0090】
本発明は、本発明の化合物のプロドラッグを本発明の範囲内に包含する。そのようなプロドラッグは、一般に、生体内で必要な化合物に容易に変化し得る前記化合物の機能的誘導体である。このように、本発明の治療方法では、用語「投与する」に、具体的に開示した化合物を用いるか或は具体的には開示することができなかったが患者に投与した後に生体内で指定化合物に変化する化合物を用いて記述したいろいろな障害を治療することを包含させる。適切なプロドラッグ誘導体を選択および調製する通常の手順は、例えば“Design of Prodrugs”,H.Bundgaard編集,Elsevier,1985などに記述されている。
【0091】
本発明の化合物の塩を薬剤で用いる場合、これは無毒の「製薬学的に許容され得る塩」を指す。しかしながら、本発明に従う化合物またはこれらの製薬学的に許容され得る塩を調製する時に他の塩を用いることも有用である。本化合物の適切な製薬学的に許容され得る塩には酸付加塩が含まれ、これらは、例えば本化合物の溶液を製薬学的に受け入れられる酸、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、こはく酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸または燐酸などの溶液と一緒に混合することで調製可能である。更に、本発明の化合物が酸性部分を持つ場合、これらの適切な製薬学的に許容され得る塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩など、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩など、そして適切な有機配位子と一緒にした時に生じる塩、例えば第四級アンモニウム塩などが含まれ得る。このように、代表的な製薬学的に許容され得る塩には下記が含まれる:
【0092】
酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート(esylate)、フマル酸塩、グルセプテート(gluceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、燐酸塩/二燐酸塩、ポリガラクツロネート、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、こはく酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート(teoclate)、トシル酸塩、トリエチオジド(triethiodide)および吉草酸塩。
【0093】
製薬学的に許容され得る塩を調製する時に使用可能な代表的酸および塩基には下記が含まれる:
酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−樟脳酸、樟脳スルホン酸、(+)−(1S)−樟脳−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、ヒプリックアシッド(hipuric acid)、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、しゅう酸、パルミチン酸、パモ酸、燐酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、こはく酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸およびウンデシレン酸を包含する酸、および
アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミンおよび水酸化亜鉛を包含する塩基。
【0094】
1つの態様において、本発明は、RがC1−6アルキル(好適にはイソプロピル)およびC3−8シクロアルキル(好適にはシクロプロピルまたはシクロブチル)から成る群から選択され;nが1であり;RおよびRが各々水素であり;Rが−(CH)−Qであり;そしてQがNで連結する5から6員のヘテロシクリルであり,ここで、前記ヘテロシクリルがNで連結する窒素に加えて場合によりO,SおよびNHから独立して選択される1から2個の追加的ヘテロ原子を含有していていてもよい式(I)で表される化合物を製造する方法に向けたものである。
【0095】
1つの態様において、本発明は、
(a)nが1である;
(b)RがC1−10アルキル(好適には分枝)である;
(c)Rが分枝C3−5アルキルである;
(d)R,RおよびR の中の1つがGである;(好適にはRおよびR の中の1つがGである);
(e)RがGである;
(f)Lが非分枝−(CH−(ここで、mは1から4の整数である)である;
(g)Lが−CH−である;
(h)QがNで連結する窒素含有飽和ヘテロシクリルである;
(i)Qが置換もしくは非置換のピペリジニル,ジアゼパニル,アゼパニル,デカヒドロイソキノリン−2−イル,ピペラジニル,ピロリニル,ピロリジニル,チオモルホリニルまたはモルホリニルである;
(j)Qが非置換のジアゼパニル,アゼパニル,モルホリニル,デカヒドロイソキノリン−2−イル,ピペリジニルまたはピロリジニルである;
(k)置換QがN−(C1−6アルキル)ピペラジニル,N−フェニル−ピペラジニル,1,3,8−トリアザ−スピロ{4.5}デシルおよび1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ{4.5}デシルから選択される;
(l)Qがアジリジン,1,4,7−トリオキサ−10−アザ−シクロドデカン,チアゾリジン,1−フェニル−1,3,8−トリアザ−スピロ{4.5}デカン−4−オン,ピペリジン−3−カルボン酸ジエチルアミド,1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−{2,3’}ビピリジニル,4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペラジン,2−ピペラジン−1−イル−ピリミジン,ピペリジン−4−カルボン酸アミド,メチル−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−アミン,{2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル}−メチル−アミン,チオモルホリニル,アリル−シクロペンチル−アミン,{2−(1H−インドール−3−イル)−エチル}−メチル−アミン,1−ピペリジン−4−イル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン,2−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリミジン,ピペリジン−4−イル−ピリジン−2−イル−アミン,フェニルアミンおよびピリジン−2−イルアミンから選択される一価アミン基である;
(m)Qがジアゼパニル,アゼパニル,モルホリニル,ピペリジニルおよびピロリジニル[場合によりヒドロキシ,ハロ,カルボキサミド,C1−6アルキル,5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル,−N(C1−6アルキル)(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−NH(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−O(5−9もしくは6−9員のヘテロシクリル),(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル)C1−3アルキレン,C1−6アルコキシ,(C3−6シクロアルキル)−O−,フェニル,(フェニル)C1−3アルキレンおよび(フェニル)C1−3アルキレン−O−から独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、前記ヘテロシクリル,フェニルおよびアルキル基は各々場合によりトリフルオロメチル,メトキシ,ハロ,ニトロ,シアノ,ヒドロキシおよびC1−3アルキルから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]から選択される;
(n)Qがピリジル,ピリミジル,フリル,チオフリル,イミダゾリル,(イミダゾリル)C1−6アルキレン,オキサゾリル,チアゾリル,2,3−ジヒドロ−インドリル,ベンゾイミダゾリル,2−オキソベンゾイミダゾリル,(テトラゾリル)C1−6アルキレン,テトラゾリル,(トリアゾリル)C1−6アルキレン,トリアゾリル,(ピロリル)C1−6アルキレン,ピロリジニルおよびピロリルから選択される5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル基を包含する置換基で置換されている;
(o)Qがピペリジニルである;
(p)Rが水素である;
(q)RがC1−6アルキルである;
(r)Rが非置換もしくは置換フェニルである;
(s)RおよびRが独立してC1−6アルキルである;
(t)RおよびRがメチルである;
(u)RおよびRがエチルである;
(v)Rがフェニルまたは5−9員の芳香ヘテロシクリル[ここで、前記フェニルまたは芳香ヘテロシクリルは場合によりメトキシ,ヒドロキシ,ハロ,ニトロ,シアノ,トリフルオロメチルおよびC1−3アルキルから選択される1−3個の置換基で置換されていてもよい]から選択される;
(w)Rが置換もしくは非置換のフェニル,ピリジル,ピリミジル,フリル,チオフリル,イミダゾリル,(イミダゾリル)C1−6アルキレン,オキサゾリル,チアゾリル,2,3−ジヒドロ−インドリル,ベンゾイミダゾリル,2−オキソベンゾイミダゾリル,(テトラゾリル)C1−6アルキレン,テトラゾリル,(トリアゾリル)C1−6アルキレン,トリアゾリル,(ピロリル)C1−6アルキレン,ピロリジニルおよびピロリルから選択される;
(x)Rが置換もしくは非置換のピリジルである;
(y)XがOである;そして
(z)前記(a)から(z)の組み合わせである、
式(I)で表される化合物を製造する方法に向けたものである。
【0096】
別の態様において、本発明は、
(4−{[エチル−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−メチル}−フェニル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン;
(4−アゼパン−1−イルメチル−フェニル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−アゼパン−1−イルメチル−フェニル)−(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン;
(4−アゼパン−1−イルメチル−フェニル)−{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−メタノン;
(4−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−メタノン;
(4−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−ブチル−ピペラジン−1−イル)−{4−(3−トリフルオロメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−フェニル}−メタノン;
(4−ブチル−ピペラジン−1−イル)−{4−{(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−メチル}−フェニル}−メタノン;
(4−シクロヘキシル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−ジエチルアミノメチル−フェニル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(3−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(3−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−{[(2−メトキシ−エチル)−プロピル−アミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−フェニルアミノメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−チオモルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−(3−トリフルオロメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル}−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(ピリジン−2−イルアミノメチル)−フェニル]−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−[(2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−{(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−メチル}−フェニル}−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−{(4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−メチル}−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−{(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−メチル}−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−{(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル}−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−フェニルアミノメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−{4−(3−トリフルオロメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
{3−(4−ベンジル−ピペリジン−1−イルメチル)−フェニル}−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−フェニルアミノメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−{4−(3−トリフルオロメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−{4−(デカヒドロ−イソキノリン−2−イルメチル)−フェニル}−メタノン;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−{4−{(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−メチル}−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
{4−(1−メチル−ヘプチル)−ピペラジン−1−イル}−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン;
{4−(1−メチル−ヘプチル)−ピペラジン−1−イル}−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
{4−(ベンジルアミノ−メチル)−フェニル}−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩;
{4−(ベンジルアミノ−メチル)−フェニル}−{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−メタノン;および
{4−{(5−クロロ−ピリジン−2−イルアミノ)−メチル}−フェニル}−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩
から成る群から選択した式(I)で表される化合物の製造方法に向けたものである。
【0097】
本発明の好適な方法は、
(4−{[エチル−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−メチル}−フェニル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン;
(4−アゼパン−1−イルメチル−フェニル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−アゼパン−1−イルメチル−フェニル)−(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン;
(4−アゼパン−1−イルメチル−フェニル)−{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−メタノン;
(4−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−メタノン;
(4−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−ブチル−ピペラジン−1−イル)−{4−(3−トリフルオロメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−フェニル}−メタノン;
(4−シクロヘキシル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−ジエチルアミノメチル−フェニル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(3−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−{[(2−メトキシ−エチル)−プロピル−アミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−フェニルアミノメチル−フェニル
)−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−チオモルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−(3−トリフルオロメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル}−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(ピリジン−2−イルアミノメチル)−フェニル]−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−[(2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−{(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルアミノ)−メチル}−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−{(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル}−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−フェニルアミノメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−{4−(3−トリフルオロメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−{4−(3−トリフルオロメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−{4−(デカヒドロ−イソキノリン−2−イルメチル)−フェニル}−メタノン;
{4−(ベンジルアミノ−メチル)−フェニル}−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩;
{4−(ベンジルアミノ−メチル)−フェニル}−{4−(1−エチル−プロピル)−ピ
ペラジン−1−イル}−メタノン;および
{4−{(5−クロロ−ピリジン−2−イルアミノ)−メチル}−フェニル}−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩
から成る群から選択した化合物の製造方法に向けたものである。
【0098】
好適には、本発明は、
(4−{[エチル−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−メチル}−フェニル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン;
(4−アゼパン−1−イルメチル−フェニル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−アゼパン−1−イルメチル−フェニル)−(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン;
(4−アゼパン−1−イルメチル−フェニル)−{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−メタノン;
(4−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−シクロヘキシル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−ジエチルアミノメチル−フェニル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−{[(2−メトキシ−エチル)−プロピル−アミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−チオモルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−(3−トリフルオロメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[4−(ピリジン−2−イルアミノメチル)−フェニル]−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−[(2−メトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−{4−(3−トリフルオロメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−{4−(デカヒドロ−イソキノリン−2−イルメチル)−フェニル}−メタノン;
{4−(ベンジルアミノ−メチル)−フェニル}−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩;および
{4−(ベンジルアミノ−メチル)−フェニル}−{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−メタノン
から成る群から選択した式(I)で表される化合物の製造方法に向けたものである。
【0099】
より好適には、本発明は、
(4−アゼパン−1−イルメチル−フェニル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−アゼパン−1−イルメチル−フェニル)−(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン;
(4−シクロヘキシル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{4−(3−トリフルオロメチル−ピペリジン−1−イルメチル)−フェニル}−メタノンの二塩酸塩;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;および
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン
から成る群から選択した式(I)で表される化合物の製造方法に向けたものである。
【0100】
更により好適には、本発明は
(4−アゼパン−1−イルメチル−フェニル)−(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン;
(4−s−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩;および
{4−(1−エチル−プロピル)−ピペラジン−1−イル}−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩
から成る群から選択した式(I)で表される化合物を製造する方法に向けたものである。
【0101】
本発明は、式(I)で表される化合物を製造する方法に向けたものである。本発明の方法は、油状中間体の単離および/または精製を行う必要がなくかつカラムクロマトグラフィー(これは大規模および/または商業的規模では実行不可能でありかつ非常に高価である)を必要としないことから大規模および/または商業的目的にとって有利である。加うるに、本発明の方法は単一の溶媒系を用いて達成可能であるが、2005年4月21日に公開された米国特許出願公開 2004−0010746 A1(また2004年5月6日にPCT 公開WO 04/037801としても公開された)に開示されている如き方法では複数の溶媒(反応用溶媒および抽出処理用溶媒を包含)が必要である。
【0102】
本発明は、以下のスキーム1により詳細に記述するように、式(I)で表される化合物を製造する方法に向けたものである。
【0103】
【化19】

【0104】
従って、適切に置換されている式(X)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)に公知方法に従う活性化を1番目の有機溶媒中で受けさせることでLが適切な脱離基、例えばクロロ,ブロモ,−OC(O)O−C1−4アルキル,OBt(この場合の活性化剤はHOBtである),−イミダゾリド(この場合の活性化剤はCDIである)など;好適にはクロロである相当する式(XI)で表される化合物を生じさせる。
【0105】
例えばLがクロロの場合、前記式(X)で表される化合物と適切な塩素化剤、例えば塩化オクザリル,塩化チオニル,オキシ塩化燐など,好適には約1.05当量の塩化オクザリルを触媒量のDMFの存在下の有機溶媒、例えばTHF,トルエン,ジクロロメタン,
ジクロロエタン,アセトニトリルなど,好適にはTHF中で反応させる。またあるいは、前記式(X)で表される化合物とVilsmeier試薬(クロロメチレン−ジメチル−アンモニウムクロライド)を有機溶媒、例えばDCMなど中で約0℃からほぼ室温の範囲内の温度で反応させる。
【0106】
前記式(XI)で表される化合物の単離を行わない。
【0107】
前記式(XI)で表される化合物と適切に置換されている式(XII)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)[この式(XII)で表される化合物は好適には約1当量に相当する量,より好適には約0.95当量存在させる]を有機もしくは無機塩基(固体または水溶液)、例えばTEA,DIPEA,ピリジン,NaOH,KOH,炭酸ナトリウム,炭酸カリウムなど,好適には50%のNaOH水溶液[ここで、前記塩基は有機である]の存在下で好適には水を存在させないで2番目の有機溶媒、例えばTHF,トルエン,アセトニトリルなど,好適にはTHFなど中で反応させることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせる。
【0108】
前記式(XIII)で表される化合物の単離を行わない。
【0109】
前記式(XIII)で表される化合物と適切に置換されている式(XIV)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)[ここで、前記式(XIV)で表される化合物を好適には約1当量より多い量,より好適には約1から約5当量の範囲内の量,更により好適には約1.5から約2.5当量の範囲内の量,最も好適には約1.5から約2当量の範囲内の量で存在させる]を還元剤、例えばNaBH(OAc),NaBH,シアノホウ水素化ナトリウムなど,好適にはNaBH(OAc)の存在[ここで、前記還元剤を好適には約1から約2当量の範囲内の量,より好適には約1.25から約1.5当量の範囲内の量で存在]下の3番目の有機溶媒、例えばTHF,トルエン,アセトニトリルなど,好適にはTHF中で反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる。
【0110】
好適には、前記式(I)で表される化合物を単離せずそして/または精製しない。より好適には、前記式(I)で表される化合物を公知方法に従って反応させることで相当する式(I)で表される化合物の製薬学的に許容され得る塩を生じさせる。場合により,前記式(I)で表される化合物の単離および/または精製を公知方法に従って実施してもよい。
【0111】
好適には、前記1番目の有機溶媒,2番目の有機溶媒および3番目の有機溶媒を同じにする。好適には、式(X)で表される化合物から相当する式(I)で表される化合物を生じさせる変換を単一の溶媒系中で達成する。
【0112】
本発明の1つの態様では、前記式(I)で表される化合物を更に適切に選択した製薬学的に受け入れられる酸と反応させることで相当する式(I)で表される化合物の製薬学的に許容され得る塩を生じさせる。本発明の1つの態様では、前記式(I)で表される化合物を単離しないで、適切に選択した製薬学的に受け入れられる酸と反応させることで相当する式(I)で表される化合物の製薬学的に許容され得る塩を生じさせる。
【0113】
本分野の技術者は、−(CH−Q置換基がフェニル環上の2位に結合している式(I)で表される化合物を合成している時に式(X)で表される化合物が有するアルデヒドを好適には適切な保護基で公知方法に従って式(XII)で表される化合物との反応が終わるまで保護しそしてその後に保護基を除去して式(XIV)で表される化合物と反応させることを理解するであろう。
【0114】
1つの態様において、本発明は、以下のスキーム2により詳細に記述するように、式(Is)で表される化合物[また(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンとしても認識]を製造する方法に向けたものである。
【0115】
【化20】

【0116】
従って、適切に置換されている式(Xs)で表される化合物[また4−ホルミル−安息香酸としても知られる公知化合物である]に活性化を公知方法に従って1番目の有機溶媒中で受けさせることでLが適切な脱離基、例えばクロロ,ブロモ,−OC(O)O−C1−4アルキル,OBt(この場合の活性化剤はHOBtである),−イミダゾリド(この場合の活性化剤はCDIである)など;好適にはクロロである相当する式(XIs)で表される化合物を生じさせる。
【0117】
例えばLがクロロの場合、前記式(Xs)で表される化合物と適切な塩素化剤、例えば塩化オクザリル,塩化チオニル,オキシ塩化燐など、好適には約1.05当量の塩化オクザリルを触媒量のDMFの存在下の有機溶媒、例えばTHF,トルエン,ジクロロメタン,ジクロロエタン,アセトニトリルなど,好適にはTHF中で反応させる。またあるいは、前記式(Xs)で表される化合物とVilsmeier試薬(クロロメチレン−ジメチル−アンモニウムクロライド)を有機溶媒、例えばDCMなど中で約0℃からほぼ室温の範囲内の温度で反応させる。
【0118】
前記式(XIs)で表される化合物の単離を行わない。
【0119】
前記式(XIs)で表される化合物と適切に置換されている式(XIIs)で表される化合物[またN−イソプロピルピペラジンとしても知られる公知化合物である][ここで、前記式(XIIs)で表される化合物を好適には約1当量に相当する量、より好適には約0.95当量存在させる]を有機もしくは無機塩基(固体または水溶液)、例えばTEA,DIPEA,ピリジン,NaOH,KOH,炭酸ナトリウム,炭酸カリウムなど,好適には50%のNaOH水溶液[ここで、前記塩基は有機である]の存在下で好適には水を存在させないで2番目の有機溶媒、例えばTHF,トルエン,アセトニトリルなど,好適にはTHF中で反応させることで相当する式(XIIIs)で表される化合物[また4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒドとしても知られる]を生じさせる。
【0120】
前記式(XIIIs)で表される化合物の単離を行わない。
【0121】
前記式(XIIIs)で表される化合物と適切に置換されている式(XIVs)で表される化合物[またモルホリンとしても知られる公知化合物][ここで、前記式(XIVs)で表される化合物を好適には約1当量より多い量,より好適には約1から約5当量の範囲内の量,更により好適には約1.5から約2.5当量の範囲内の量,最も好適には約1.5から約2当量の範囲内の量で存在させる]を還元剤、例えばNaBH(OAc),NaBH,シアノホウ水素化ナトリウムなど,好適にはNaBH(OAc)の存在[ここで、前記還元剤を好適には約1から約2当量の範囲内の量,より好適には約1.25から約1.5当量の範囲内の量で存在させる]下の3番目の有機溶媒、例えばTHF,トルエン,アセトニトリルなど,好適にはTHF中で反応させることで相当する式(Is)で表される化合物[また(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンとしても知られる]を生じさせる。
【0122】
好適には、前記式(Is)で表される化合物の単離および/または精製を行わない。より好適には、前記式(Is)で表される化合物を公知方法に従って反応させることで相当する式(Is)で表される化合物の製薬学的に許容され得る塩,更により好適には式(Is)で表される化合物のモノこはく酸塩を生じさせる。場合により、前記式(Is)で表される化合物の単離および/または精製を公知方法に従って実施してもよい。
【0123】
本発明の1つの態様では,前記式(Is)で表される化合物を更に適切に選択した製薬学的に受け入れられる酸と反応させることで相当する式(Is)で表される化合物の製薬学的に許容され得る塩を生じさせる。本発明の1つの態様では,前記式(Is)で表される化合物の単離を行わないで、それを適切に選択した製薬学的に受け入れられる酸と反応させることで相当する式(Is)で表される化合物の製薬学的に許容され得る塩を生じさせる。
【0124】
2005年4月21日に公開された米国特許出願公開 2004−0010746 A1(また2004年5月6日にPCT 公開WO 04/037801としても公開された)に前記式(I)で表される化合物の製造方法が開示されている。1つの態様において、本発明は、米国特許出願公開 2004−0010746 A1に開示されている如き式(I)で表される化合物の製造方法の改良に向けたものである。
【0125】
より具体的には、本発明の改良は、固体として単離可能な重亜硫酸塩中間体[本明細書の以下のスキームに示す式(XVII)で表される化合物]の調製にあり、それによって、精製手段を向上させる[米国特許出願公開 2004−0010746 A1に開示されている方法では、式(XIII)で表されるアルデヒド中間体を油として単離した後、カラムクロマトグラフィーで精製している]。加うるに、そのような重亜硫酸塩中間体は前記アルデヒド中間体に比べて向上した安定性および貯蔵寿命も示す。
【0126】
1つの態様において、本発明は、アルデヒド中間体、即ち式(XII)で表される化合物の精製方法に向けたものであり、この方法は、それの相当する重亜硫酸塩誘導体を生じさせ、前記重亜硫酸塩誘導体を固体として例えば濾過などで単離し、そして場合により精製を公知方法に従って、例えば適切な溶媒、例えばメタノール,エタノール,イソプロパノール,アセトニトリルなど,好適にはエタノールを用いた再結晶化などで実施してもよいことを含んで成る。次に、その重亜硫酸塩誘導体を更に本明細書に記述するようにして反応させることで所望の式(I)で表される化合物を生じさせてもよいか、或はまたあるいは、それを反応させることで前記式(XIII)で表される化合物を再び生じさせた後、それを本明細書に記述する如き方法に従って反応させることで所望の式(I)で表される化合物を生じさせることも可能である。
【0127】
本発明の改良方法は、以下のスキーム3により詳細に記述する如くである。
【0128】
【化21】

【0129】
従って、適切に置換されている式(X)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)に活性化を公知方法に従って受けさせることでLが適切な脱離基、例えばクロロ,ブロモ,−OC(O)O−C1−4アルキル,OBt(この場合の活性化剤はHOBtである),−イミダゾリド(この場合の活性化剤はCDIである)など;好適にはクロロである相当する式(XI)で表される化合物を生じさせる。
【0130】
例えばLがクロロの場合、前記式(X)で表される化合物と適切な塩素化剤、例えば塩化オクザリル,塩化チオニル,オキシ塩化燐など、好適には約1.05当量の塩化チオニルを触媒量のDMFの存在下の有機溶媒、例えばTHF,トルエン,ジクロロメタン,ジクロロエタン,アセトニトリルなど,好適にはTHF中で反応させる。またあるいは、前記式(X)で表される化合物とVilsmeier試薬(クロロメチレン−ジメチル−ア
ンモニウムクロライド)を有機溶媒、例えばDCMなど中で約0℃からほぼ室温の範囲内の温度で反応させる。
【0131】
好適には、前記式(XI)で表される化合物の単離を行わない。
【0132】
前記式(XI)で表される化合物と適切に置換されている式(XII)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)[ここで、前記式(XII)で表される化合物を好適には約1当量に相当する量,より好適には約0.95当量存在させる]を有機もしくは無機塩基(固体または水溶液)、例えばTEA,DIPEA,ピリジン,NaOH,KOH,炭酸ナトリウム,炭酸カリウムなど,好適にはTEAの存在[ここで、前記塩基は有機である]下で好適には水を存在させないで有機溶媒、例えばTHF,トルエン,アセトニトリルなど,好適にはTHF中で反応させることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせる。
【0133】
好適には、前記式(XIII)で表される化合物の単離を行わない。
【0134】
前記式(XIII)で表される化合物と適切な重亜硫酸塩源、例えばNaHSO,KHSOなど,好適にはNaHSO水溶液[ここで、前記重亜硫酸塩源を好適には約1当量に等しいか或はそれ以上の量,より好適には約1から約2当量の範囲内の量,更により好適には約1.2当量に相当する量で存在させる]を極性有機溶媒、例えばメタノール,エタノール,THF,DMF,アセトニトリルなど,好適にはエタノール中で反応させることで相当する重亜硫酸塩、即ち前記式(XVII)で表される化合物を生じさせる。
【0135】
好適には、前記式(XVII)で表される化合物を公知方法、例えば濾過などで単離し、適切な有機溶媒、例えばエタノール,ヘキサンなどで洗浄した後、場合により、公知方法、例えば適切な溶媒、例えばメタノール,エタノール,イソプロパノール,アセトニトリルなど,好適にはエタノールを用いた再結晶化などでさらなる精製を行ってもよい。
【0136】
前記式(XVII)で表される化合物を2段階または1段階方法で反応させるが、その場合には、前記重亜硫酸塩を反応させることで相当するアルデヒド、即ち前記式(XIII)で表される化合物を遊離させ、そしてその式(XIII)で表されるアルデヒド化合物を式(XIV)で表される化合物と反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる。
【0137】
より具体的には、前記式(XVII)で表される化合物と適切に置換されている式(XIV)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)[ここで、前記式(XIV)で表される化合物を好適には約1当量より多い量,より好適には約1から約2当量の範囲内の量;更により好適には約2当量存在させる]を還元剤、例えばNaBH(OAc),NaBH,シアノホウ水素化ナトリウムなど,好適にはNaBH(OAc)の存在[ここで、前記還元剤を好適には約1から約2当量の範囲内の量,より好適には約1.25から約1.5当量の範囲内の量で存在させる]下で有機もしくは無機塩基、例えばTEA,DIPEA,ピリジン,NaOH,KOHなど,好適には10% NaOH水溶液を存在させて有機溶媒、例えばジクロロエタン,THF,トルエン,アセトニトリルなど,好適にはジクロロエタン中で場合により酸源、例えば酸性粘土であるモントモリロナイトK−10(Aldrichから入手可能),Nafion−H(CA Reg.No.63937−00−8)などを存在させて反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる。
【0138】
本分野の技術者は、前記式(XIV)で表される化合物の量を約2当量に等しいか或はそれ以上にすると1当量の前記式(XIV)で表される化合物が有機もしくは無機塩基と
して働いて前記アルデヒド、即ち前記式(XIII)で表される化合物を遊離させることから追加的有機もしくは無機塩基を用いる必要がないことを理解するであろう。
【0139】
またあるいは、前記式(XVII)で表される化合物と有機もしくは無機塩基、例えばTEA,DIPEA,ピリジン,NaOH,KOHなど,好適には10% NaOH水溶液[ここで、前記塩基を好適には約1当量に等しいか或はそれ以上の量,より好適には約1から約2当量の範囲内の量で存在させる]を公知方法に従って反応させることで前記重亜硫酸塩を除去しかつ相当する式(XIII)で表される化合物を遊離させる。
【0140】
次に、前記式(XIII)で表される化合物と適切に置換されている式(XIV)で表される化合物[ここで、前記式(XIV)で表される化合物を好適には約1当量に等しいか或はそれ以上の量,好適には約1から約2当量の範囲内の量で存在させる]を還元剤、例えばNaBH(OAc),NaBH,シアノホウ水素化ナトリウムなど,好適にはNaBH(OAc)の存在[ここで、前記還元剤を好適には約1から約2当量の範囲内の量,より好適には約1.25から約1.5当量の範囲内の量で存在させる]下で場合により酸源、例えば酸性粘土であるモントモリロナイト K−10(Aldrichから入手可能),Nafion−H(CA Reg.No.63937−00−8)などを存在させて有機溶媒、例えばTHF,トルエン,アセトニトリルなど,好適にはTHF中で反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる。
【0141】
またあるいは、前記式(XIII)で表される化合物と適切に置換されている式(XIV)で表される化合物を本明細書に記述した如き方法に従うか或は米国特許出願公開 2004−0010746 A1に記述されているようにして反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる。
【0142】
好適には、前記式(I)で表される化合物の単離を公知方法に従って例えば溶媒を蒸発させることなどで実施する。前記式(I)で表される化合物を更に場合により公知方法に従って反応させることで相当する製薬学的に許容され得る塩を生じさせてもよい。
【0143】
1つの態様において、本発明は、米国特許出願公開 2004−0010746 A1に式(Is)で表される化合物[また(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンとしても知られる]の製造に関して開示された方法の改良にも向けたものであり、これは以下のスキーム4により詳細に記述する如くである。
【0144】
【化22】

【0145】
従って、適切に置換されている式(Xs)で表される化合物[また4−ホルミル−ベンズアルデヒドとしても知られる公知化合物]に活性化を公知方法に従って受けさせることでLが適切な脱離基、例えばクロロ,ブロモ,−OC(O)O−C1−4アルキル,OBt(この場合の活性化剤はHOBtである),−イミダゾリド(この場合の活性化剤はCDIである)など;好適にはクロロである相当する式(XIs)で表される化合物を生じさせる。
【0146】
例えばLがクロロの場合、前記式(Xs)で表される化合物と適切な塩素化剤、例えば塩化オクザリル,塩化チオニル,オキシ塩化燐など,好適には約1.05当量の塩化チオニルを触媒量のDMFの存在下の有機溶媒、例えばTHF,トルエン,ジクロロメタン,ジクロロエタン,アセトニトリルなど,好適にはTHF中で反応させる。またあるいは、前記式(Xs)で表される化合物とVilsmeier試薬(クロロメチレン−ジメチル−アンモニウムクロライド)を有機溶媒、例えばDCMなど中で約0℃からほぼ室温の範囲内の温度で反応させる。
【0147】
好適には、前記式(XIs)で表される化合物の単離を行わない。
【0148】
前記式(XIs)で表される化合物と適切に置換されている式(XIIs)で表される化合物[また4−イソプロピルピペラジンとしても知られる公知化合物][ここで、前記式(XIIs)で表される化合物を好適には約1当量に相当する量,より好適には約0.95当量存在させる]を有機もしくは無機塩基(固体または水溶液)、例えばTEA,DIPEA,ピリジン,NaOH,KOH,炭酸ナトリウム,炭酸カリウムなど,好適にはTEAの存在[ここで、前記塩基は有機である]下で好適には水を存在させないで有機溶媒、例えばTHF,トルエン,アセトニトリルなど,好適にはTHF中で反応させることで相当する式(XIIIs)で表される化合物を生じさせる。
【0149】
好適には、前記式(XIIIs)で表される化合物の単離を行わない。
【0150】
前記式(XIIIs)で表される化合物と適切な重亜硫酸塩源、例えばNaHSO,KHSOなど,好適にはNaHSO水溶液[ここで、前記重亜硫酸塩源を好適には約1当量に等しいか或はそれ以上の量,より好適には約1から約2当量の範囲内の量,更により好適には約1.2当量に相当する量で存在させる]を極性有機溶媒、例えばメタノール,エタノール,THF,DMF,アセトニトリルなど,好適にはエタノール中で反応させることで相当する重亜硫酸塩、即ち式(XVIIs)で表される化合物を生じさせる。
【0151】
好適には、前記式(XVIIs)で表される化合物を公知方法、例えば濾過などで単離し、適切な有機溶媒、例えばエタノール,ヘキサンなどで洗浄した後、場合により、公知方法、例えば適切な溶媒、例えばメタノール,エタノール,イソプロパノール,アセトニトリルなど,好適にはエタノールを用いた再結晶化などでさらなる精製を実施してもよい。
【0152】
前記式(XVIIs)で表される化合物を2段階または1段階方法で反応させるが、その場合には、前記重亜硫酸塩を反応させることで相当するアルデヒド、即ち式(XIIIs)で表される化合物を遊離させた後、その式(XIIIs)で表されるアルデヒド化合物を式(XIVs)で表される化合物と反応させることで相当する式(Is)で表される化合物を生じさせる。
【0153】
より具体的には、前記式(XVIIs)で表される化合物と適切に置換されている式(XIVs)で表される化合物[またモルホリンとしても知られる公知化合物][ここで、前記式(XIVs)で表される化合物を好適には約1当量より多い量,より好適には約1から約2当量の範囲内の量;更により好適には約2当量存在させる]を還元剤、例えばNaBH(OAc),NaBH,シアノホウ水素化ナトリウムなど,好適にはNaBH(OAc)の存在[前記還元剤を好適には約1から約2当量の範囲内の量,より好適には約1.25から約1.5当量の範囲内の量で存在させる]下で有機もしくは無機塩基、例えばTEA,DIPEA,ピリジン,NaOH,KOHなど,好適には10% NaOH水溶液を存在させて有機溶媒、例えばジクロロエタン,THF,トルエン,アセトニトリルなど,好適にはジクロロエタン中で場合により酸源、例えば酸性粘土であるモントモリロナイト K−10(Aldrichから入手可能),Nafion−H(CA Reg.No.63937−00−8)などを存在させて反応させることで相当する式(Is)で表される化合物を生じさせる。
【0154】
本分野の技術者は、前記式(XIVs)で表される化合物の量を約2当量に等しいか或はそれ以上にすると1当量の前記式(XIVs)で表される化合物が有機もしくは無機塩基として働いてアルデヒド、即ち前記式(XIIIs)で表される化合物を遊離させることから追加的有機もしくは無機塩基を用いる必要がないことを理解するであろう。
【0155】
またあるいは、前記式(XVIIs)で表される化合物と有機もしくは無機塩基、例えばTEA,DIPEA,ピリジン,NaOH,KOHなど,好適には10% NaOH水溶液[ここで、前記塩基を好適には約1当量に等しいか或はそれ以上の量,より好適には約1から約2当量の範囲内の量で存在させる]を公知方法に従って反応させることで前記重亜硫酸塩を除去しかつ相当する式(XIIIs)で表される化合物を遊離させる。
【0156】
次に、前記式(XIIIs)で表される化合物と適切に置換されている式(XIVs)で表される化合物[ここで、前記式(XIVs)で表される化合物を好適には約1当量に等しいか或はそれ以上の量,好適には約1当量から約2当量の範囲内の量で存在させる]を還元剤、例えばNaBH(OAc),NaBH,シアノホウ水素化ナトリウムなど,好適にはNaBH(OAc)の存在[ここで、前記還元剤を好適には約1から約2当量の範囲内の量,より好適には約1.25から約1.5当量の範囲内の量で存在させる]下で場合により酸源、例えば酸性粘土であるモントモリロナイト K−10(Aldrichから入手可能),Nafion−H(CA Reg.No.63937−00−8)などを存在させて有機溶媒、例えばTHF,トルエン,アセトニトリルなど,好適にはTHF中で反応させることで相当する式(Is)で表される化合物を生じさせる。
【0157】
またあるいは、前記式(XIIIs)で表される化合物と適切に置換されている式(XIVs)で表される化合物を本明細書に記述する方法に従ってか或は米国特許出願公開 2004−0010746 A1に記述されているようにして反応させることで相当する式(Is)で表される化合物を生じさせる。
【0158】
好適には、前記式(Is)で表される化合物の単離を公知方法に従って、例えば溶媒を蒸発させることなどで実施する。前記式(Is)で表される化合物を更に場合により公知方法に従って反応させることで相当する製薬学的に許容され得る塩,好適にはそれの相当するモノこはく酸塩を生じさせる。
【0159】
本発明は、更に、式(I)で表される化合物の新規な結晶性塩にも向けたものである。1つの態様において、本発明は、式(I)で表される化合物のマレイン酸塩,フマル酸塩,こはく酸塩,塩酸塩または臭化水素酸塩に向けたものである。
【0160】
本発明は、更に、式(Is)で表される化合物の新規な結晶性塩にも向けたものである。1つの態様において、本発明は、式(Is)で表される化合物のマレイン酸塩,フマル酸塩,こはく酸塩,塩酸塩または臭化水素酸塩に向けたものである。
【0161】
1つの態様において、本発明は、式(Is)で表される化合物の結晶性こはく酸塩に向けたものである。別の態様において、前記式(Is)で表される化合物の結晶性こはく酸塩はモノこはく酸塩である。前記式(Is)で表される化合物の結晶性モノこはく酸塩は非吸湿性である。前記式(Is)で表される化合物のモノこはく酸塩が結晶性であることをXRDおよびDSCで確認しかつ非吸湿性であることをDVSで確認した。
【0162】
前記式(Is)で表される化合物の結晶性モノこはく酸塩は下記の化学構造:
【0163】
【化23】

【0164】
で描写可能である。
【0165】
前記式(Is)で表される化合物の結晶性こはく酸塩の調製は、式(Is)で表される化合物とこはく酸[ここで、このこはく酸を好適には約1から約2当量の範囲内の量,より好適には約1.3当量存在させる]を有機溶媒、例えばTHF,トルエン,アセトニトリルなど,好適にはこはく酸が可溶な有機溶媒、より好適にはTHF中で反応させることで実施可能である。
【0166】
前記式(Is)で表される化合物の結晶性こはく酸塩の精製を好適には公知方法に従って、より好適には適切な溶媒、例えば無水エタノール,メタノール,イソプロピルアルコール,アセトニトリルなど,好適には無水エタノールを用いた再結晶化で実施する。
【0167】
本発明は、更に、式(Is)で表される化合物の製薬学的に許容され得る塩にも向けたものであり、ここで、前記塩は式(Is)で表される化合物のマレイン酸塩,フマル酸塩,塩酸塩または臭化水素酸塩である。別の態様において、前記式(Is)で表される化合物の塩は式(Is)で表される化合物のビス−マレイン酸塩,モノ−フマル酸塩,二塩酸塩または二臭化水素酸塩である。前記式(Is)で表される化合物のビス−マレイン酸塩,モノ−フマル酸塩,二塩酸塩および二臭化水素酸塩の調製は、式(Is)で表される化合物と相当する酸(即ち、それぞれマレイン酸,フマル酸,HClおよびHBr)を本明細書の以下に示す実施例により詳細に記述するようにして反応させることで実施可能である。
【0168】
前記式(Is)で表される化合物のビス−マレイン酸塩が結晶性であることをXRDおよびDSCで確認しかつ吸湿性であることをDVSで確認した。前記式(Is)で表される化合物のフマル酸塩が結晶性であることをXRDおよびDSCで確認し、そして相対湿度が約70%以下では安定であることをDVSで確認した。前記式(Is)で表される化合物の二塩酸塩がある程度結晶性であることをXRDおよびDSCで確認し、そして一水化物であることをカールフィッシャーで確認しかつ吸湿性であることをDVSで確認した。前記式(Is)で表される化合物の二臭化水素酸塩がある程度結晶性であることをXRDおよびDSCで確認し、半水化物であることをカールフィッシャーで確認しかつRHが約10%以上の時に吸湿性であることをDVSで確認した。
【0169】
式(Is)で表される化合物の塩の特徴付けは相当する粉末X線回折パターンを用いて
実施可能である。本明細書に示すX線回折パターンはX−Celerator検出器を用いて測定したパターンであった。サンプルを通常のX線ホルダーにバックロードした後、3から35°2qまで0.0165°2qのステップサイズで1ステップ当たり10.16秒の時間で走査した。有効走査速度は0.2067°/秒であった。装置の電圧および電流の設定を45kVおよび40mAにした。
【0170】
前記式(Is)で表される化合物の結晶性モノこはく酸塩の特徴付けはX線回折パターンを用いて実施可能であり、これは以下の表1に示す如きピークを包含する。
【0171】
【表2】

【0172】
好適には、前記式(Is)で表される化合物の結晶性モノこはく酸塩は、以下の表2に示す如きXRDパターン(相対強度が約25%に等しいか或はそれ以上のピークを包含)で特徴付けられる。
【0173】
【表3】

【0174】
1つの態様において、前記式(Is)で表される化合物の結晶性モノこはく酸塩をXRDスペクトルの中のピーク位置(°2qで表す)(相対強度が約10%以上,好適には相対強度が約25%以上のピークの位置)で特徴付ける。
【0175】
前記式(Is)で表される化合物の結晶性モノ−フマル酸塩は、以下の表3に示す如きピークを包含するX線回折パターンで特徴付け可能である。
【0176】
【表4】

【0177】
好適には、式(Is)で表される化合物の結晶性モノ−フマル酸塩は、以下の表4に示す如きXRDパターン(相対強度が約25%に等しいか或はそれ以上のピークを包含)で特徴付けられる。
【0178】
【表5】

【0179】
1つの態様において、式(Is)で表される化合物の結晶性モノ−フマル酸塩をXRD
スペクトルの中のピーク位置(°2qで表す)(相対強度が約10%以上,好適には相対強度が約25%以上のピークの位置)で特徴付ける。
【0180】
前記式(Is)で表される化合物の結晶性二塩酸塩は、以下の表5に示す如きピークを包含するX線回折パターンで特徴付け可能である。
【0181】
【表6】

【0182】
好適には、式(Is)で表される化合物の結晶性二塩酸塩は、以下の表6に示す如きXRDパターン(相対強度が約25%に等しいか或はそれ以上のピークを包含)で特徴付けられる。
【0183】
【表7】

【0184】
1つの態様において、式(Is)で表される化合物の結晶性二塩酸塩をXRDスペクトルの中のピーク位置(°2qで表す)(相対強度が約10%以上,好適には相対強度が約25%以上のピークの位置)で特徴付ける。
【0185】
前記式(Is)で表される化合物の結晶性二臭化水素酸塩は、以下の表7に示す如きピークを包含するX線回折パターンで特徴付け可能である。
【0186】
【表8】

【0187】
好適には、式(Is)で表される化合物の結晶性二臭化水素酸塩は、以下の表8に示す如きXRDパターン(相対強度が約25%に等しいか或はそれ以上のピークを包含)で特徴付けられる。
【0188】
【表9】

【0189】
1つの態様において、式(Is)で表される化合物の結晶性二臭化水素酸塩をXRDスペクトルの中のピーク位置(°2qで表す)(相対強度が約10%以上,好適には相対強度が約25%以上のピークの位置)で特徴付ける。
【0190】
本発明の化合物または組成物を調製した後、被験体に通常の投与経路のいずれかで投与してもよく、そのような経路には、これらに限定するものでないが、静脈内、経口、皮下、筋肉内、経皮および非経口投与が含まれる。各病気の治療に有効な本化合物の量は多様であり得るが、本分野の通常の技術者はそれを決定することができるであろう。
【0191】
本発明は、また、本発明の1種以上の化合物を製薬学的に受け入れられる担体および場合により追加的薬剤、例えばH拮抗薬またはSSRI(選択的セロトニン再取込み阻害剤)などと一緒に含んで成る製薬学的組成物も提供する。本組成物を好適には単位投薬形態にし、例えば経口、非経口、鼻内、舌下もしくは直腸投与または吸入もしくは通気による投与に適したピル、錠剤、カプレット、カプセル(各々が瞬時放出、好機放出および徐放用製剤を包含)、粉末、顆粒、非経口用無菌溶液もしくは懸濁液(シロップおよびエマルジョンを包含)、定量エーロゾルもしくは液体スプレー、滴、アンプル、自動注入デバイスまたは座薬などの形態にする。またあるいは、本組成物を週に1回または月に1回投与するに適した形態で提供することも可能であり、例えば本活性化合物の不溶塩、例えばデカン酸塩などは筋肉内注射用持続性製剤を生じさせるに適合し得る。固体状組成物、例えば錠剤などを調製する場合、本主要有効成分を製薬学的担体、例えば通常の錠剤用材料、例えばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、燐酸ジカルシウムまたはゴムなどおよび他の製薬学的希釈剤、例えば水などと混合して本発明の化合物またはこれの製薬学的に許容され得る塩の均一な混合物を含有する固体状の予備調合組成物を生じさせる。このような予備調合組成物が均一であると述べる場合、これは、この組成物を等しく有効な投薬形態物、例えば錠剤、ピルおよびカプセルなどに容易に細分可能なように有効成分が組成物全体に渡ってむらなく分散していることを意味する。次に、このような固体状の予備調合組成物を細分して本発明の有効成分を5から約1000mg含有する前記種類の単位投薬形態物にする。その例には5mg、7mg、10mg、15mg、20mg、35mg、50mg、75mg、100mg、120mg、150mgなどが含まれる。作用が長期に渡ると言った利点を与える投薬形態物が得られるようにこの開示する組成物の錠剤またはピルに被覆を受けさせてもよいか或は他の様式で配合してもよい。例えば、そのような錠剤またはピルに内部の投薬成分と外側の投薬成分を含めて、その後者が前者の上を覆う形態にしてもよい。この2成分を腸溶性層[これは胃の中で起こる崩壊に抵抗して前記内部成分が無傷のまま十二指腸の中に運ばれるようにするか或は放出が遅れるようにする働きをする]で分離しておいてもよい。そのような腸溶性層または被膜ではいろいろな材料が使用可能であり、そのような材料には数多くの高分子量酸、例えばシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの如き材料が含まれる。
【0192】
本発明の化合物および組成物を経口または注射で投与する目的で添加することができる液体形態物には、水溶液、適切な風味のシロップ、水溶液または油懸濁液、そして食用油、例えば綿実油、ゴマ油、椰子油または落花生油などが用いられている風味付き乳液ばかりでなく、エリキシルおよび同様な製薬学的媒体が含まれる。水性懸濁液用の適切な分散もしくは懸濁剤には、合成および天然のゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドンまたはゼラチンなどが含まれる。
【0193】
本発明の化合物は有利に1日1回の投与で投与可能であるか、或は1日当たりの投薬量全体を1日当たり2回、3回または4回に分割した用量で投与することも可能である。更に、本発明の化合物を適切な鼻内媒体を局所的に用いることによる鼻内形態で投与するか或は本分野の通常の技術者に良く知られた経皮皮膚パッチを用いて投与することも可能である。投与を経皮送達系の形態で行う時には、勿論、そのような投与は断続的ではなくむしろ投薬療法全体に渡って連続的であろう。
【0194】
例えば錠剤またはカプセル形態の経口投与の場合には、本活性薬剤成分を無毒で製薬学的に受け入れられる不活性な経口用担体、例えばエタノール、グリセロール、水などと一緒にしてもよい。その上、望まれるか或は必要な場合には、また、適切な結合剤、滑剤、崩壊剤および着色剤をそのような混合物に添加することも可能である。適切な結合剤には、これらに限定するものでないが、澱粉、ゼラチン、天然糖、例えばグルコースまたはベータ−ラクトースなど、コーン甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントなど、またはオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、これらに限定するものでないが、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどが含まれる。
【0195】
また、本発明の化合物をリポソーム送達系、例えば小型の単層ベシクル、大型の単層ベシクルおよび多層ベシクルなどの形態で投与することも可能である。いろいろな燐脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどを用いてリポソームを生じさせることができる。
【0196】
また、本化合物の分子を結合させておいたモノクローナル抗体を個々の担体として用いて本発明の化合物を送達することも可能である。また、本発明の化合物を標的可能製薬学的担体としての可溶重合体と結合させおくことも可能である。そのような重合体には、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタアクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されているポリエチレンオキサイドポリリジンが含まれ得る。更に、本発明の化合物を薬剤の徐放の達成で用いるに有用な種類の生分解性重合体、例えばポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、そしてヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロッ
ク共重合体などと結合させておくことも可能である。
【0197】
本発明の化合物は治療が必要とされている時にはいつでも本技術分野で確立された投薬療法に従って前記組成物のいずれかの形態で投与可能である。
【0198】
本製品の1日当たりの投薬量は成人1人当たり1から1,000mg/日に及んで幅広い範囲に渡って多様であり得る。経口投与の場合には、本組成物を、好適には、治療を受けさせるべき被験体の症状によって投薬量を調整して、本有効成分を1.0、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、250および500ミリグラム含有する錠剤の形態で提供する。通常は、有効量の本薬剤を体重1kg当たり約0.01mg/日から体重1kg当たり約20mg/日の投薬レベルで供給する。この範囲は好適には体重1kg当たり約0.02mg/日から体重1kg当たり約10mg/日、特に体重1kg当たり約0.05mg/日から体重1kg当たり約10mg/日である。本化合物を1日当たり1から4回の計画で投与してもよい。
【0199】
本分野の技術者は投与すべき最適な投薬量を容易に決定することができ、これは使用する個々の化合物、投与の様式、製剤の濃度、投与様式および病気の症状の進行に伴って変わるであろう。加うるに、治療を受けさせる個々の患者に関連した要因の結果として投薬量を調整する必要もあり、そのような要因には、患者の年齢、体重、食事および投与時期が含まれる。
【0200】
以下の実施例は本発明の理解の補助で示すものであり、決して本請求項に示す発明を限定することを意図するものでなくかつ限定するとして解釈されるべきでない。
【0201】
以下の実施例では、いくつかの合成生成物を残留物として単離したと示す。本分野の通常の技術者は、用語“残留物”を当該生成物を単離した物理的状態に限定するものでなくかつそれには例えば固体,油,発泡体,ゴム,シロップなどが含まれ得ることを理解するであろう。
【実施例1】
【0202】
4−ホルミル−ベンゾイルクロライド
【0203】
【化24】

【0204】
4−カルボキシベンズアルデヒド(600g,3.92モル)をテトラヒドロフラン(2664g,36.57モル)に入れることで生じさせた希薄な懸濁液にジメチルホルムアルデヒド(11.48g,0.16モル)を加えた後、その反応混合物を氷浴で0−5Cに冷却した。次に、その反応混合物を0℃で撹拌しながら塩化オクザリル(608.69g,4.70モル)をゆっくり加えた。その反応混合物の撹拌を反応がHNMRで完了したと思われるまで実施することで表題の化合物を得た。その反応混合物をさらなる精製無しに次の段階で用いた。
HNMR(CDCl3):10.15(s,1H),8.35(d,2H),8.05
(d,2H)
【実施例2】
【0205】
4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド
【0206】
【化25】

【0207】
NaHCO(0.8g,9.52ミリモル)および4−イソプロピルピペラジン(2.50g,18.35ミリモル)を水(5g,277ミリモル)に入れることで生じさせた0Cの溶液に4−ホルミル−ベンゾイルクロライド(2.80,16.65モル)(この上に示した実施例1で調製したまま)をトルエン(43.3g,469.39ミリモル)に入れることで生じさせた溶液をゆっくり加えた。その反応混合物の激しい撹拌を反応が完了したと思われるまで実施した。層分離を起こさせた後、トルエン相に濃縮を受けさせることで表題の化合物を黄色の油として得た。
HNMR(CDCl3):10.15(s,1H),7.95(d,2H),7.55(d,2H),3.75(br s,2H),3.40(br s,2H),2.75(m,1H),2.55(br s,2H),2.41(br s,2H),1.09(d,6H)
【実施例3】
【0208】
4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド
【0209】
【化26】

【0210】
4−イソプロピル−ピペラジン(79.53g,0.620モル),THF(444g,5.04モル),水(36g,2モル)および50%の水酸化ナトリウム溶液(130.6g,1.63モル)を反応槽に仕込んだ後、0−5℃に冷却した。4−ホルミル−ベンゾイルクロライドをTHFに入れて(110.08g,0.630モル)、前記4−イソプロピル−ピペラジン反応混合物に温度を約10℃未満に維持しながら加えた。その結果として得た白色の懸濁液の撹拌を室温で反応が完了したと思われるまで実施した。水を反応スラリーに加えた後、その結果として得た曇った溶液をセライトを用いて濾過することで不溶物を除去した。その濾過した反応溶液を沈降させた後、水層を除去した。生成物/THF層を逐次的に硫酸マグネシウムそしてモレキュラーシーブで乾燥させた。その生成物の溶液(KF≦0.5%)をさらなる操作無しに使用するまで5℃で貯蔵した。
【実施例4】
【0211】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン
【0212】
【化27】

【0213】
4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド(4.0g,15.38ミリモル)をTHF(40mL)に入れることで生じさせた溶液にモルホリン(2.9g,33.83ミリモル)を加え、その結果として得た混合物を室温で1時間撹拌した後、氷浴で0Cに冷却した。次に、その反応混合物にNaBH(OAc)(4.56g,21.53ミリモル)を用いた処理を分割して15分間かけて受けさせた。その結果として得た懸濁液の撹拌を室温で反応がHPLCで完了したと思われるまで実施した。完了後に10% NaOH(25mL)を加えた後、その反応物を15分間激しく撹拌した。相分離を起こさせた後、その水層にTHF(20mL)を用いた抽出を受けさせた。その有機層を一緒にし、乾燥(MgSO)させ、濾過した後、濃縮することで表題の化合物を黄色の油として得た。
H NMR(CDCl):7.36(s,4H),3.79(br s,2H),3.71(t,4H),3.51(s,2H),3.44(br s,2H),2.76−2.69(m,1H),2.59(br s,2H),2.44(t,6H),1.05(d,6H).
【実施例5】
【0214】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン
【0215】
【化28】

【0216】
1−(4−ホルミルベンゾイル)−4−イソプロピルピペラジンのTHF溶液(945gの1−(4−ホルミルベンゾイル)−4−イソプロピルピペラジンおよび3879gのTHFが入っている)を反応槽に仕込んだ後、モルホリン(576.3g,6.55モル)を添加した。20分後の反応物を約0−10Cに冷却した後、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(1167.3g,5.23モル)を分割して加えた。反応完了後に10%の水酸化ナトリウム溶液(3623.2mL,9.06モル)をゆっくり加えた後、その反応混合物を20分間撹拌した。層分離を起こさせた後、その水層をTHFで洗浄した。その有機層を一緒にして硫酸マグネシウムで乾燥させた。その乾燥させた(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンのTHF溶液をさらなる操作無しに用いた。
【実施例6】
【0217】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンのモノこはく酸塩
【0218】
【化29】

【0219】
粗(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン(59.4g,0.179モル)のTHF溶液(278.0g)を40℃に加熱した後、こはく酸(27.53g,0.233モル)を加えた。その反応混合物を60℃に加熱した後、濾過して奇麗なフラスコに入れた。その結果として得た溶液を再び60℃に加熱した後、最初に室温になるまでそして次に−7℃にゆっくり冷却した。その結果として得た懸濁液を−7℃に保持した後、濾過した。その濾過ケーキをTHF(60mL)で洗浄した後、その固体を最大真空下50℃で一晩乾燥させることで粗モノこはく酸塩を白色の固体として得た。
【0220】
前記粗モノこはく酸塩(701.3g,1.56モル)をエタノール(7.01L)に入れることで生じさせた懸濁液を60−65℃に加熱した。いくらか存在する不溶な材料を濾過で除去した。その結果として得た透明な溶液を−7℃になるまでゆっくり冷却した。そのスラリーを濾過した後、エタノール(700mL)で洗浄した。その濾過ケーキを最大真空下50℃で一晩乾燥させることでモノこはく酸塩を結晶性の白色固体として得た。
融点 :154−156
下記の元素分析:C1929x C
計算値 :C,61.45;H,7.85;N,9.35;HO,<0.1%
測定値 :C,61.42;H,7.84;N,9.29;HO,<0.1%
MS :[M+H]=332;[2M+H]=685.
【実施例7】
【0221】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンのモノ−フマル酸塩
【0222】
【化30】

【0223】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン(3.0g,9.0ミリモル)のTHF 溶液(40mL)にTHF(40mL)およびフマル酸(3.3g,28.4ミリモル)を加えた。その結果として得た混合物を60℃に加熱した後、0.5時間撹拌した。その結果として得た懸濁液を0℃に冷却し、その結果として生じた沈澱物を濾過で集め、THF(20mL)で洗浄した後、真空オーブンに入れて65℃で20時間乾燥させることで粗表題化合物を白色の固体として得た。
【0224】
粗(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンのモノ−フマル酸塩(5.7g,12.7ミリモル)を無水EtOH(110mL)に入れることで生じさせた懸濁液を70℃に加熱した。いくらか存在する不溶な材料をセライトの詰め物に通す濾過で除去した。その濾液を再び65℃に加熱
した後、0℃に冷却した。沈澱物を濾液で集めた後、MTBE(20mL)で洗浄した。その固体を真空オーブンに入れて65℃で20時間乾燥させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
融点 :196−198℃
下記の元素分析:C1929x C
計算値 :C,61.73;H,7.43;N,9.39
測定値 :C,61.44;H,7.50;N,9.30
【実施例8】
【0225】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩の一水化物
【0226】
【化31】

【0227】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン(2.0g,6.0ミリモル)を無水EtOH(20mL)に入れることで生じさせた室温の溶液をHCl(g)(0.5g,13.7ミリモル)で処理した。その結果として得た懸濁液を1時間撹拌した後、MTBE(5mL)を加えた。その懸濁液を0℃に冷却した後、濾過した。その濾過ケーキをMTBE(20mL)で洗浄した後、その固体を真空オーブンに入れて60℃で20時間乾燥させることで粗表題化合物を白色の固体として得た。
【0228】
粗(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩(2.1g,5.2ミリモル)を無水EtOH(30mL)に入れることで生じさせた懸濁液を78℃に加熱した後、HO(2.2mL)を加えた。その結果として得た溶液を室温に冷却した後、MTBE(5mL)を加えた。その結果として得た懸濁液を0℃に冷却した後、濾過した。その濾過ケーキをMeOH(15mL)で洗浄した。その固体を真空オーブンに入れて105℃で20時間乾燥させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
融点 :分解>220℃
下記の元素分析:C1929x 2HCl x HO:
計算値 :C,53.97;H,7.81;N,9.94;Cl,16.81;
測定値 :C,54.13;H,7.50;N,9.90;Cl,16.68;
KF :4.02%
【実施例9】
【0229】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二臭化水素酸塩の半水化物
【0230】
【化32】

【0231】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン(3.0g,9.0ミリモル)のTHF溶液(40mL)にTHF(40mL)そして酢酸中30%の臭化水素溶液(3.7mL,18.6ミリモル)を温度を15℃から20℃の範囲に維持しながら加えた。その結果として得た懸濁液を1時間撹拌した後、0℃に冷却した。沈澱物を濾過で集め、THF(20mL)で洗浄した後、真空オーブンに入れて65℃で20時間乾燥させることで粗表題化合物を白色の固体として得た。
【0232】
粗(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二臭化水素酸塩(4.9g,9.9ミリモル)をMeOH(50mL)に入れることで生じさせた懸濁液を65℃に加熱した。その結果として得た溶液を0℃に冷却し、沈澱物を濾過で集めた後、MeOH(15mL)で洗浄した。その固体を真空オーブンに入れて65℃で20時間乾燥させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
融点 :>290℃分解
下記の元素分析:C1929 x 2 HBr x 0.5HO:
計算値 :C,45.39;H,6.37;N,8.36;Br,31.85
測定値 :C,45.60;H,6.32;N,8.36;Br,33.41
KF :2.02%
【実施例10】
【0233】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンのビス−マレイン酸塩
【0234】
【化33】

【0235】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン(3.0g,9.05ミリモル)を無水EtOH(20mL)に入れることで生じさせた溶液に滴下漏斗経由でマレイン酸(3.3g,19.8ミリモル)を無水EtOH(20mL)に入れることで生じさせた溶液を10分かけて加えた。その結果として得た懸濁液を室温で15分間、75℃で30分間撹拌した後、室温になるまで15時間かけて冷却した。その反応混合物を更に0℃に冷却した後、2時間撹拌した。その結果として得た沈澱物を吸引濾過で集めた後、冷EtOH(20mL)で洗浄した。その湿った状態の固体を真空オーブンに入れて40℃で6時間乾燥させることで表題の化合物を粗材料として白色の固体として得た。
【0236】
粗(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンのビス−マレイン酸塩(3.0g)を無水EtOH(30mL)に入れることで生じさせた懸濁液を75℃に1時間加熱した後、その結果として得た溶液を微細な孔のガラスフリットに通して濾過した。その濾液を75℃に加熱した後、撹拌しながら室温になるまで2時間かけて冷却し、そしてEtO(10mL)を加えた。その結果として得た懸濁液を0℃に2時間冷却し、沈澱物を吸引濾過で集めた後、窒素保護下EtO(20mL)で洗浄した。その固体を真空オーブンに入れて45℃で20時間乾燥させることで表題の化合物を結晶性の白色固体として得た。
融点 :154.1℃
下記の元素分析:C273710
計算値 :C,57.54;H,6.62;N,7.46
測定値 :C,57.44;H,6.66;N,7.33.
【実施例11】
【0237】
実施例12−29に示したように調製した化合物の分析プロトコル
Hewlett Packard HPLC,Zorbax Eclipse XDB−C8,5uM,4.6 x 150mmのカラム;使用した溶媒はHO/CHCN/0.05% トリフルオロ酢酸であり;勾配条件は8分かけて1% − 99%のCHCN勾配でありそして99%のCHCNに2分間置いた。
【0238】
あらゆる反応を窒素雰囲気下で実施した。
【0239】
マススペクトルをエレクトロスプレーイオン化(ESI)が用いられているAgilentシリーズ1100 MSDを示すように正もしくは負モードで用いることで得た。
【0240】
薄層クロマトグラフィーをMerckのシリカゲル60 F254(2.5cm x 7.5cm 250μmまたは5.0cm x 10.0cm 250μm)で前以て被覆しておいたシリカゲルプレートを用いて実施した。調製用薄層クロマトグラフィーをEM Scienceシリカゲル60 F254(20cm x 20cm 0.5mm)で前以て被覆しておいたプレート(20cm x 4cmの濃縮ゾーンが備わっている)を用いて実施した。
【0241】
NMRスペクトルをBruker モデルDPX400(400MHz)またはDPX500(500MHz)分光計のいずれかを用いて得た。H NMRデータのフォーマットは下記である:テトラメチルシラン標準のダウンフィールドの化学シフト(ppm)(多重度,結合定数J(Hz),積分値)。
【実施例12】
【0242】
1−イソプロピルピペラジンの二塩酸塩S
【0243】
【化34】

【0244】
ピペラジン−1−カルボン酸t−ブチル(100g)およびアセトン(48mL)をCHCl(1 L)に入れることで生じさせた溶液に酢酸(31mL)およびNaBH(OAc)(170g)を加えた。その反応混合物を18時間撹拌した後、1 N NaOH(500mL)で希釈し、そしてCHCl(500mL x 2)を用いた抽出を実施した。その有機層を一緒にして乾燥(NaSO)させた後、濃縮することで残留物を得た。その残留物をMeOH(200mL)に溶解させた後、その反応混合物に1,4−ジオキサン中4 MのHCl(700mL)を数時間かけて加えた。18時間後の反応混合物に濃縮を受けさせることで固体を得て、それをEtO(500mL x 2)で洗浄した後、一晩乾燥させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
H NMR(CDOD):3.76−3.51(m,9H),1.44(d,J=6.7Hz,6H).
【実施例13】
【0245】
4−ホルミル−ベンゾイルクロライド
【0246】
【化35】

【0247】
(クロロメチレン)ジメチルアンモニウムクロライド(Vilsmeier 試薬;37.7g,0.280モル)をCHCl(300mL)に入れることで生じさせた0℃の懸濁液に4−カルボキシベンズアルデヒド(40.0g,267ミリモル)を用いた処理を一度に受けさせた。その反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、室温で2時間撹拌した。その反応混合物の一定分量をMeOHに入れて反応を消滅させた後にHPLCで分析した結果、4−カルボキシベンズアルデヒドが消費されたことが分かった。その反応混合物を間隙率が中程度のガラスフリットに通して濾過した。表題の化合物が入っている濾液を0℃で貯蔵した後、さらなる操作無しに次の段階で用いた。
【実施例14】
【0248】
4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド
【0249】
【化36】

【0250】
イソプロピルピペラジンの二塩酸塩(52.5g,262ミリモル)(この上に示した実施例12に示したようにして調製)をCHClに入れることで生じさせた懸濁液にEtN(83.5g,827ミリモル)を加え、その結果として得たスラリーを室温で1時間撹拌した後、0℃で30分間撹拌した。その反応混合物を間隙率が中程度のガラスフリットに通して濾過した後、その濾液を0℃に冷却した。4−ホルミルベンゾイルクロライドをCHClに入れることで生じさせた溶液を滴下漏斗経由でゆっくりした流れとして30分かけて加えた。その結果として得た混合物を0℃で30分間撹拌した後、室温で2時間撹拌した。その反応混合物を0℃に冷却した後、間隙率が中程度のガラスフリットに通して濾過した。その濾液をHO,0.5 N NaOHそして食塩水(各々1 X 400mL)で洗浄した。その有機層を乾燥(NaSO)させた後、濃縮することで油を得た(59.8g)。その油を無水EtO(275mL)と一緒にして磨り潰した後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去することで表題の化合物を淡黄褐色の油として得た。
HPLC:R=5.43分。
【実施例15】
【0251】
ヒドロキシ−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−フェニル]−メタンスルホン酸ナトリウム塩
【0252】
【化37】

【0253】
4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド(20.0g,76.9ミリモル)をEtOH(200mL)に入れることで生じさせた溶液を室温で15分間撹拌した。その結果として得た溶液にNaHSO(9.6g)をHO(25mL)に入れることで生じさせた溶液を30分かけて滴下した。その結果として得た懸濁液を室温で2時間撹拌した後、0℃に冷却して3時間撹拌したが、撹拌を補助する目的でEtOHを定期的に加えた(全体で200mL)。生じた沈澱物を濾紙を内張りしておいたガラスフリットに通した吸引濾過で集めた。その濾過ケーキをヘキサン(1 X 50mL)で洗浄した後、真空下で16時間乾燥させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
融点:275℃(分解)
【0254】
この化合物の純度の測定を重亜硫酸塩付加体を1:1の1 N NaOH/MeOHに
溶解させた後にHPLCで分析することで実施した。加うるに、遊離した生成物をEtOAcで抽出した後、その有機層をTLC(MeOH/CHCl,1:9)で分析した。ヨウ素チャンバの中に入れて長時間接触させると単一の斑点が生じた(R=0.71)。
【実施例16】
【0255】
4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド
【0256】
【化38】

【0257】
ヒドロキシ−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−フェニル]−メタンスルホン酸ナトリウム塩(49.0g,135ミリモル)を脱イオンHO(490mL)に入れることで生じさせた0℃の懸濁液を激しく撹拌しながらこれに1 N NaOH(100mL)を10mLずつ加えた。結果として透明な溶液(pH12)が生じ、それを0℃で1時間に続いて室温で30分間撹拌した。その水溶液にEtOAc(3 x 200mL)に続いてCHCl(3 x 200mL)を用いた抽出を受けさせた。その有機層を一緒にし、食塩水(1 x 300mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、濃縮することで表題の化合物を淡黄色の油として得た。
HPLC:R=5.43分
MS(ESI):下記として計算した値:C1520,260.33;m/z測定値:261.1(M+1)
H NMR(CDCl):10.1(s,1H),7.96(d,J=8.4Hz,2H),7.45(d,J=8.3Hz,2H),3.83(br s,2H),3.41(br s,2H),2.78(m,1H),2.64(br s,2H),2.48(br s,2H),1.08(d,J=6.5Hz,6H).
【実施例17】
【0258】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン
【0259】
【化39】

【0260】
4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド(32.
0g,123ミリモル)をTHF(650mL)に入れることで生じさせた溶液にモルホリン(21.4g,246ミリモル)を滴下漏斗経由でゆっくりした流れとして15分かけて加えた後、その結果として得た混合物を室温で40分間撹拌した。その反応混合物にNaBH(OAc)(38.4g,172ミリモル)を用いた処理を分割して40分かけて受けさせ、撹拌を室温で16時間実施した後、濃縮を実施することで残留物を得た。その残留物をEtOAc(400mL)で希釈し、0℃に冷却した後、1 N NaOH(250mL)で処理した。その二相溶液を0℃で30分間撹拌した。相分離を起こさせた後、その水層にEtOAc(2 X 200mL)そしてCHCl(2 X 100mL)を用いた抽出を受けさせた。その有機層を一緒にし、食塩水(1 x 300mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、濃縮することで表題の化合物を淡黄色の油として得た。
HPLC:R=4.69分
MS(ESI):下記として計算した値:C1929,331.23;m/z測定値:332.2(M+1)
H NMR(CDCl):7.36(s,4H),3.79(br s,2H),3.71(t,J=4.7Hz,4H),3.51(s,2H),3.44(br s,2H),2.76−2.69(m,1H),2.59(br s,2H),2.44(t,J=4.4Hz,6H),1.05(d,J=6.5Hz,6H).
【実施例18】
【0261】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンのビス−マレイン酸塩
【0262】
【化40】

【0263】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン(34.0g,102.7ミリモル)を無水EtOH(200mL)に入れることで生じさせた溶液に滴下漏斗経由でマレイン酸(23.9g,206ミリモル)を無水EtOH(200mL)に入れることで生じさせた溶液を15分かけて加えた。その結果として得た懸濁液を室温で30分間、75℃で1時間撹拌した後、室温になるまで16時間かけて冷却した。その反応混合物を更に冷却して0℃にした後、2時間撹拌した。その反応混合物をEtO(50mL)で希釈した後、30分間撹拌した。その結果として得た沈澱物を吸引濾過で集め、冷EtOH/EtO(4:1,100mL x 2)で洗浄した後、真空オーブンに入れて40℃で20時間乾燥させることで表題の化合物を粗材料として白色の固体として得た。
【0264】
粗(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンのビス−マレイン酸塩(90.5g)を無水EtOH(905mL)に入れることで生じさせた懸濁液を75℃に1時間加熱した後、その結果として得た溶液を微細な孔を有するガラスフリットに通して濾過した。その濾液を撹拌しながら室温
になるまで20時間かけて冷却した。その結果として得た懸濁液を0℃に2時間冷却し、沈澱物を吸引濾過で集めた後、EtO(2 x 200mL)で洗浄した。その固体を真空オーブンに入れて40℃で20時間乾燥させることで表題の化合物を結晶性の白色固体として得た。
融点:148−150℃
MS(ESI):下記として計算した値:C1929,331.23;m/z測定値:332.2(M+1)
H NMR(CDOD):7.54−7.48(m,4H),6.26(s,4H),4.23(s,2H),3.85(br m,8H),3.56(br s,1H),3.42−3.32(br s,4H),3.13(br s,4H),1.38(d,J=6.6Hz,6H).分析:下記として計算した値:C273710:C,57.54;H,6.62;N,7.46.測定値:C,57.52;H,6.73;N,7.54.
【実施例19】
【0265】
4−ホルミル−ベンゾイルクロライド
【0266】
【化41】

【0267】
4−カルボキシベンズアルデヒド(30.0g,0.200モル)をトルエン(300mL)に入れることで生じさせた溶液を塩化チオニル(28.6g,0.240モル)およびDMF(1.0mL)で処理した。その反応混合物を100℃に2時間加熱したが、その間に固体が溶解することで淡黄色の溶液が生じた。その反応混合物を0℃に冷却することで表題の化合物がトルエンに入っている溶液を得て、それをさらなる操作無しに用いた。
【実施例20】
【0268】
ヒドロキシ−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−フェニル]−メタンスルホン酸ナトリウム塩
【0269】
【化42】

【0270】
NaOH(24.0g,0.600モル)を脱イオンHO(240mL)とトルエン(60mL)に入れることで生じさせた0℃の溶液をイソプロピルピペラジンの二塩酸塩
(39.0g,194ミリモル)で処理した。その結果として得た二相の溶液を0℃で30分間撹拌した。4−ホルミル−ベンゾイルクロライドをトルエンに入れることで生じさせた溶液を激しい機械的撹拌を伴わせて滴下漏斗経由でゆっくりした流れとして1時間かけて加えた。その混合物を室温になるまで16時間かけて温めた後、0℃に冷却し、そしてpHを1 N NaOHで10に調整した。相分離を起こさせた後、その水層にトルエン(2 x 200mL)を用いた抽出を受けさせた。その有機層を一緒にし、食塩水(200mL)で洗浄した後、濃縮することで4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド(52.5g,物質収支101%)を淡黄褐色の油として得た。その油をEtOH(600mL)に溶解させ、激しい機械的撹拌を伴わせてNaHSO(23.1g,222ミリモル)を脱イオンHO(50mL)に入れることで生じさせた溶液(これを滴下漏斗経由で30分かけて添加)で処理した。その結果として得た混合物を室温で48時間撹拌した後、0℃に冷却した。メチル−t−ブチルエーテル(500mL)を加えた後、その結果として得たスラリーを30分間撹拌した。沈澱物を間隙率が中程度のガラスフリットに通す吸引濾過で集めた後、冷EtOH/EtOAc(5:1,3 x 60mL)で洗浄した。その固体を真空下で2時間に続いて真空オーブンに入れて40℃で16時間乾燥させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
HPLC:RT=5.43分
融点 :275℃(分解)
【実施例21】
【0271】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン
【0272】
【化43】

【0273】
ヒドロキシ−[4−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−フェニル]−メタンスルホン酸ナトリウム塩(54.6g,0.150モル),ピペリジン(28.0g,0.330モル)およびモントモリロナイト−K10(10.9g,出発材料を基準にして20重量%)をジクロロエタン(820mL)に入れることで生じさせた混合物を室温で16時間撹拌した。NaBH(OAc)(44.5g,210.0ミリモル)を分割して1時間かけて加えた後、その結果として得た懸濁液を室温で5時間撹拌した。ケイソウ土(5.4g)を加えた後の懸濁液を更に30分間撹拌した。その反応混合物をケイソウ土の詰め物に通して濾過した後、ジクロロエタン(2 x 100mL)で濯いだ。その濾液を1 N NaOH(2 x 200mL)で洗浄した。その水層を一緒にした後、ジクロロエタン(2 x 100mL)を用いた逆抽出を実施した。その有機層を一緒にし、乾燥(NaSO)させた後、濃縮することで表題の化合物を相当する遊離塩基として淡黄色の油として得た。
HPLC:R=4.76分
MS(ESI):下記として計算した値:C2031O,329.25;m/z測定値:330.2(M+1)
H NMR(CDCl):7.35(s,4H),3.79(br s,2H),3.48(br s,2H),3.45(br s,2H),2.72(m,1H),2.59(br s,2H),2.45(br s,2 H),2.38(br s,4H),1.60−1.55(m,4H),1.48−1.40(m,2H),1.06(d,J=6.3Hz,6H).
【実施例22】
【0274】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノンのビス−マレイン酸塩
【0275】
【化44】

【0276】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノン(40.0g,122ミリモル)を無水EtOH(800mL)に入れることで生じさせた溶液を機械的に撹拌しながらこれに滴下漏斗経由でマレイン酸(28.2g,243ミリモル)を無水EtOH(200mL)に入れることで生じさせた溶液を30分かけて加えた。その結果として得た懸濁液を室温で16時間撹拌した後、EtO(200mL)で希釈し、0℃に冷却した後、2時間撹拌した。沈澱物を吸引濾過で集めた後、冷EtOH/EtO(4:1,3 x 100mL)で洗浄した。その固体を真空下で乾燥させることで粗表題化合物を白色の固体として得た。
【0277】
粗材料である(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−メタノンのビス−マレイン酸塩)(89.0g)を無水EtOH(1780mL)に入れることで生じさせた懸濁液を機械的に撹拌しながら75℃に1時間加熱した。その結果として得た淡黄色の溶液を撹拌しながら36時間かけて室温に冷却した後、EtO(220mL)で希釈し、0℃に冷却した後、3時間撹拌した。沈澱物を吸引濾過で集めた後、EtO(2 x 100mL)で洗浄した。その固体を真空下で16時間乾燥させることで表題の化合物を結晶性の白色固体として得た。
融点 :165−167℃
MS(ESI):下記として計算した値:C2031O,329.25;m/z測
定値:330.2(M+1)
分析 :下記として計算した値:C2839:C,59.88;H,
7.00;N,7.48.
測定値 :C,59.56;H,7.29;N,7.40.
【実施例23】
【0278】
重亜硫酸塩付加体の還元アミノ化の代表的例:
方法A
以下の表3に示す如きベンズアルデヒドと重亜硫酸塩の付加体(5.0ミリモル),モントモリロナイト−K10(0.21g)およびモルホリン(10.0ミリモル)をジクロロエタン(20mL)に入れることで生じさせた懸濁液を室温で45分間撹拌した。NaBH(OAc)(7.0ミリモル)を分割して約30分かけて加えた。4時間後の反応混合物をEtOAc(80mL)で希釈し、濾過した後、1 N NaOH(25mL)に続いて食塩水(25mL)で洗浄した。その有機層を乾燥(MgSO)させた後、濃縮することで4−ベンジル−モルホリンを油として得た。モントモリロナイト K−10を用いない場合には、反応が完了した後の濾過段階を実施する必要はない。
【0279】
一般的精製方法
方法Aで得た粗生成物をEtOAc(50mL)に溶解させた後、その有機層に1.5
N HCl(25mL)を用いた抽出を受けさせた。その水層を1 N NaOHで塩基性にしてpHを約12にした後、EtOAc(3 X 50mL)を用いた抽出を実施した。その有機層を一緒にして乾燥(MgSO)させた後、濃縮することで所望の生成物を得た(HPLCによる純度>97%)。
【0280】
方法B
シクロヘキサンカルボキサルデヒドと重亜硫酸塩の付加体(5.0ミリモル)およびEtN(5.5ミリモル)をジクロロエタン(20mL)に入れることで生じさせた懸濁液を室温で15分間撹拌した。その懸濁液をN−メチルベンジルアミン(5.5ミリモル)で処理した後、45分間撹拌した。NaBH(OAc)(7.0ミリモル)を分割して約30分かけて加えた。16時間後の反応混合物をEtOAc(80mL)で希釈した後、1 N NaOH(25mL)に続いて食塩水(25mL)で洗浄した。その有機層を乾燥(MgSO)させた後、濃縮することでベンジル−シクロヘキシルメチル−メチル−アミンを油として得た。その粗材料を上述した如き一般的精製方法で精製した。
【0281】
以下の表9に、代表的重亜硫酸塩化合物を用いて達成した還元アミノ化反応を示す。表題が“反応体”の縦列に、示す如き所望生成物を生じさせる反応で用いた反応体もしくは反応体組み合わせを示す。
【0282】
【表10】

【0283】
【表11】

【0284】
【表12】

【0285】
【表13】

【実施例24】
【0286】
(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン
【0287】
【化45】

【0288】
段階A.4−(4−ホルミル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
4−カルボキシベンズアルデヒド(3.10g)をCHClに入れることで生じさせた懸濁液を逐次的にピペラジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(3.6g),EDCl(3.86g),HOBt(2.68g)そして4−ジメチルアミノピリジン(〜0.020g)で処理した。18時間後の混合物に1 N NaOHに続いて1 N HClを用いた抽出を受けさせた。その有機層を乾燥(NaSO)させた後、濃縮することで表題の化合物を得た。
MS(ESI):下記として計算した質量:C1722,318.16;m/z測定値:219.3[(M−100)+H]
H NMR(CDCl):10.04(s,1H),7.93(d,J=8.2,2H),7.54(d,J=8.1,2H),3.82−3.67(m,2H),3.58−3.30(m,6H),1.46(s,9H).
【0289】
段階B.4−(4−モルホリン−4−イルメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
4−(4−ホルミル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(2.06g)をメタノール(100mL)に入れることで生じさせた溶液をモルホリン(4mL)およびNaBH(OAc)(6.98g,分割して1時間かけて)で処理した。3時間後の混合物を飽和NaHCO水溶液で希釈した後、CHClで抽出した。その有機層を乾燥(NaSO)させた後、濃縮した。その残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO)で精製することで表題の化合物を得た。
MS(ESI):下記として計算した質量:C2131,389.23;m/z測定値:390.4[M+H]
H NMR(CDCl):7.39−7.33(m,4H),3.75−3.66(m,6H),3.50(s,2H),3.51−3.33(m,6H),2.45−2.41(m,4H),1.46(s,9H).
【0290】
段階C.(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−ピペラジン−1−イル−メタノン
4−(4−モルホリン−4−イルメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(1.163g)をCHCl(10mL)に入れることで生じさせた溶液をトリフルオロ酢酸(〜4mL)で処理した。30分後に追加的トリフルオロ酢酸(5mL)を加えた後、その混合物を更に2時間撹拌した。その混合物を飽和NaHCO水溶液で希釈した後、CHClを用いた抽出を実施した。その有機層を乾燥(NaSO)させた後、濃縮した。その残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO)で精製することで表題の化合物を得た。
MS(ESI):下記として計算した質量:C1623,289.18;m/z測定値:290.4[M+H]
H NMR(CDCl):7.41−7.35(m,4H),3.95−3.70(m,6H),3.52(s,2H),3.09−2.80(m,6H),2.49−
2.42(m,4H).
【0291】
段階D.(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン
(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−ピペラジン−1−イル−メタノン(0.128g)をメタノール(7.5mL)に入れることで生じさせた溶液を(1−エトキシ−シクロプロポキシ)−トリメチル−シラン(1.5mL),酢酸(0.2mL)およびNaBHCN(〜400mg)で処理した。その混合物を60℃に18時間加熱した後、室温に冷却しそして濃縮した。その残留物を1 N NaOHで希釈した後、CHClで抽出した。その有機層を乾燥(NaSO)させた後、濃縮した。その残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO)で精製することで表題の化合物を得た。
MS(ESI):下記として計算した質量:C1927,329.21;m/z測定値:330.4[M+H]
H NMR(CDCl):7.36(s,4H),3.79−3.68(m,6H),3.50(s,2H),3.44−3.32(m,2H),2.74−2.61(m,2H),2.60−2.50(s,2H),2.45−2.40(m,4H),1.66−1.62(m,1H),0.49−0.44(m,2H),0.44−0.39(m,2H).
【実施例25】
【0292】
(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン
【0293】
【化46】

【0294】
段階A.4−シクロプロピルピペラジン−1−カルボン酸t−ブチル
ピペラジン−1−カルボン酸t−ブチル(75.0g),THF(500mL),メタノール(500mL),[(1−エトキシシクロプロピル)オキシ]トリメチルシラン(161mL),NaBHCN(38.0g)および酢酸(37mL)の混合物を60℃に5時間加熱した。その混合物を室温に冷却し、水(30mL)で処理した後、5分間撹拌した。次に、その混合物を1 N NaOH(130mL)で処理した後、更に15分間撹拌した。その混合物に濃縮を受けさせた後、残存する水溶液にCHCl(500mL)を用いた抽出を受けさせた。その有機層を1 N NaOH(500mL)で洗浄した。その水層を一緒にしてCHCl(150mL)で抽出した。その有機層を一緒にして食塩水(400mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、濃縮することで表題の化合物を白色の固体として得た。
MS(ESI):下記として計算した質量:C1222,226.17;m/z測定値:227.2[M+H
H NMR(400MHz,CDCl):3.39(t,J=5.0Hz,4H),2.55(t,J=4.9Hz,4H),1.60(ddd,J=10.3,6.5,3.8Hz,1H),1.46(s,9H),0.49−0.38(m,4H).
【0295】
段階B.1−シクロプロピルピペラジンの二塩酸塩
4−シクロプロピルピペラジン−1−カルボン酸t−ブチル(92g)を1,4−ジオキサン(200mL)に入れることで生じさせた溶液にHCl(1,4−ジオキサン中4M,500mL)を用いた処理を温度を40℃未満に維持しながら10分かけて受けさせた。その添加が終了した後の混合物を45℃に9時間加熱した後、室温に冷却した。その濃密な懸濁液をヘキサン(400mL)で希釈した後、10℃に冷却した。その結果として得た固体を濾過で集め、ヘキサンで洗浄した後、乾燥させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
MS(ESI):下記として計算した質量:C14,126.12;m/z測定値:127.0[M+H
H NMR(400MHz,DO):3.65(br t,J=4.7Hz,4H),3.47(br t,J=5.5Hz,4H),2.85(br 五重線,J=5.8Hz,1H),0.94(br s,2H),0.92(br s,2H).
【0296】
段階C.4−(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド
4−ホルミル−安息香酸(54.4g),トルエン(500mL),DMF(3.6mL)および塩化チオニル(30.4mL)の混合物を60℃に2時間加熱した後、5℃に冷却した。別のフラスコ内でNaOH(50.7g),水(550mL)およびトルエン(150mL)の5℃の混合物に1−シクロプロピル−ピペラジンの二塩酸塩(70.0g)を用いた処理を温度を10℃未満に維持しながら分割して受けさせた。その添加が終了した後の混合物を5℃に冷却した後、この上で調製した粗アシルクロライド溶液を用いた処理を温度が10℃を超えないような速度で実施した。その添加が終了した後の混合物を室温に温めた後、一晩撹拌した。その二相混合物を1 N NaOH(300mL)で
塩基性にしてpH〜10にした。層分離を起こさせた後、その水層にトルエン(100mL x 2)を用いた抽出を受けさせた。その有機層を一緒にして食塩水(200mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、濃縮することで表題の化合物を粘性のある淡黄色の油として得た。
HPLC:R=5.19分
MS(ESI):下記として計算した質量:C1518,258.14;m/z測定値:258.9[M+H
H NMR(400MHz,CDCl):10.1(s,1H),7.94(疑似 d,J=8.2Hz,2H),7.56(疑似 d,J=8.1Hz,2H),3.77(br s,2H),3.33(br s,2H),2.71(br s,2H),2.55(br s,2H),1.66(ddd,J=10.2,6.6,3.7Hz,1H),0.52−0.46(m,2H),0.45−0.40(br s,2H).
【0297】
段階D.(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン
4−(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド(56.0g)を1,2−ジクロロエタン(550mL)に入れることで生じさせた溶液にモルホリン(37.8mL)を5分かけて滴下した。その混合物を10℃に冷却した後、NaBH(OAc)(64.3g)を用いた処理を分割して1時間かけて実施した。更に2時間後の混合物を室温に温めた後、水浴を用いて温度を20℃未満に維持した。18時間後に水(60mL)を温度を氷を少量添加することで20℃以下に維持しながら添加した。20分後の混合物を1 N NaOH(450mL)で塩基性にしてpH〜10にした後、その混合物を10分間撹拌した。層分離を起こさせた後、その有機層を1 N NaOH(150mL)で洗浄した。その水層を一緒にして、それにCHCl(200mL)を用いた抽出を受けさせた。その有機層を一緒にして食塩水(200mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、濃縮することで表題の化合物を粘性のある淡黄色の油として得た。
HPLC:R=4.39分
MS(ESI):下記として計算した質量:C1927,329.21;m/z測定値:330.2[M+H
H NMR(400MHz,CDCl):7.35(br s,4H),3.73(br s,2H),3.69(t,J=4.6Hz,4H),3.50(s,2H),3.37(br s,2H),2.67(br s,2H),2.53(br s,2H),2.43(t,J=4.2Hz,4H),1.63(ddd,J=10.3,6.7,3.7Hz,1H),0.49−0.43(m,2H),0.42−0.39(br s,2H).
13C NMR(101MHz,CDCl):170.6,140.0,135.1,129.5,127.5,67.4,63.4,54.0,38.7,6.3.
【実施例26】
【0298】
(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの二塩酸塩
【0299】
【化47】

【0300】
(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン(68.0g)をエタノール(400mL)に入れることで生じさせた溶液を60℃に加熱した後、濃HCl(37.8mL)を40分かけて滴下することによる処理を実施した。〜20mLのHClを滴下した後に沈澱物が生じ始めた。滴下終了後の濃密な懸濁液を20℃になるまで3時間かけてゆっくり冷却した。固体を濾過で集め、エタノールで洗浄した後、真空オーブンに入れて50℃で一晩乾燥させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
HPLC:R=4.30分
MS(ESI):下記として計算した質量:C1927,329.21;m/z測定値:330.0[M+H
H NMR(400MHz,DO):7.64(疑似 d,J=8.3Hz,2H),7.58(疑似 d,J=8.3Hz,2H),4.44(br s,2H),4.20−3.10(m,16H),2.88(ddd,J=11.2,6.6,4.8Hz,1H),1.03−0.98(m,4H)
13C NMR(101MHz,DO):172.1,135.3,132.2,130.9,128.0,64.0,60.5,52.6,52.4,51.7,44.8,39.7,39.5,3.9.
【実施例27】
【0301】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン
【0302】
【化48】

【0303】
表題の化合物の調製および分析データは2005年4月21日付けで公開された米国特許出願公開2004−0110746 A1に示されている。
【実施例28】
【0304】
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノン
【0305】
【化49】

【0306】
表題の化合物の調製を前記実施例23に記述した方法に従って実施した。
【実施例29】
【0307】
[4−(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−フェニル]−ヒドロキシ−メタンスルホン酸ナトリウム
【0308】
【化50】

【0309】
100mLのフラスコに4−(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド(2.58g,10.0ミリモル,1.0当量),アセトニトリル(30mL)および水(1.0mL)を窒素雰囲気下で仕込んだ。その反応混合物を50℃に加熱した。NaHSO(1.14g,11.0モル,1.1当量)を水(2.0mL)に入れることで生じさせた溶液を5分かけて滴下した。次に、その反応混合物を17℃に冷却した。生成物を濾過で白色の固体として集めた。
H−NMR(400MHz,DO):δ 7.66(疑似 d,2H,J=8.1Hz),7.47(疑似 d,2H,J=8.2Hz),5.58(s,1H),3.74(br s,2H),3.47(br s,2H),2.84(br s,2H),2.69(br s,2H),1.85(tt,1H,J=7.0,3.8Hz),0.60−0.54(m,2H),0.49−0.44(m,2H)
MS(ESI−):下記として計算した質量:C1519S,339.1;m/z測定値:339.0[M−Na]
【実施例30】
【0310】
経口組成物の具体的態様として、実施例6に示したようにして調製した化合物(100mg)をサイズがOの硬質ゲル製カプセルを満たす総量である580から590mgになるに充分な量の微細ラクトースと一緒に配合した。
【0311】
この上に示した明細に説明の目的で与えた実施例を伴わせて本発明の原理を教示してきたが、本発明の実施は本請求項およびこれらの相当物の範囲内に入る如き通常の変形、応用形および/または修飾形の全部を包含することは理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
は、C1−10アルキル,C3−8アルケニル,C3−8シクロアルキル,(C3−8シクロアルキル)C1−6アルキル,(C3−8シクロアルキル)C3−8アルケニルおよび(C1−8アルキルカルボニル)C1−8アルキルから成る群から選択され;
nは、1から2の整数であり;
およびRは、各々独立して、水素,フルオロ,クロロ,ブロモ,ニトロ,トリフルオロメチル,メチルまたはC1−3アルコキシから選択され;
mは、1から7の整数であり;
Qは、NRであり;ここで、
は、水素,C1−6アルキル,C3−6アルケニル,3−9員のカルボシクリル,3−12員のヘテロシクリル,フェニル,(6−9員のヘテロシクリル)C1−6アルキレンおよび(フェニル)C1−6アルキレンから成る群から選択され;そして
は、C1−6アルキル,C3−6アルケニル,6−9員のカルボシクリル,3−12員のヘテロシクリル,フェニル,(6−9員のヘテロシクリル)C1−6アルキレンおよび(フェニル)C1−6アルキレンから成る群から選択されるか;またあるいは、
Qは、Nで連結する3−12員の飽和ヘテロシクリルであり、ここで、前記3−12員のヘテロシクリルは、Nで連結する窒素に加えて、場合により、O,SおよびNHから独立して選択される1から3個の追加的ヘテロ原子を含有していてもよく;ここで、
Q(QがNで連結する3−12員の飽和ヘテロシクリルの場合)は、場合により、ヒドロキシ,ハロ,カルボキサミド,C1−6アルキル,5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル,−N(C1−6アルキル)(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−NH(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−O(5−9もしくは6−9員のヘテロシクリル),(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル)C1−3アルキレン,C1−6アルコキシ,(C3−6シクロアルキル)−O−,フェニル,(フェニル)C1−3アルキレンおよび(フェニル)C1−3アルキレン−O−から成る群から独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく;ここで、
前記ヘテロシクリル,フェニルおよびアルキル基は、各々場合により、トリフルオロメチル,メトキシ,ハロ,ニトロ,シアノ,ヒドロキシおよびC1−3アルキルから成る群から独立して選択される1から3個の置換基で更に置換されていてもよいが;但し
前記フェニル環上の5位および6位は置換されていないことを条件とし;更に
がメチルの時には−(CH−Qがピペリジン−1−イルメチルではないことも条件とし;そしてここで、
前記アルキル,アルキレン,アルケニル,ヘテロシクリル,シクロアルキル,カルボシクリルおよびアリール基の各々は、各々独立して、場合により、トリフルオロメチル,メトキシ,ハロ,アミノ,ニトロ,ヒドロキシおよびC1−3アルキルから成る群から独立し
て選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物およびこれの製薬学的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、溶媒和物またはアミドを製造する方法であって、
【化2】

式(X)で表される化合物を1番目の有機溶媒中で反応させることでLが脱離基である相当する式(XI)で表される化合物を生じさせ、ここで、前記式(XI)で表される化合物を単離せず;
【化3】

前記式(XI)で表される化合物と式(XII)で表される化合物を有機もしくは無機塩基の存在下の2番目の有機溶媒中で反応させることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせ、ここで、前記式(XIII)で表される化合物を単離せず;
【化4】

前記式(XIII)で表される化合物と式(XIV)で表される化合物を還元剤の存在下の3番目の有機溶媒中で反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせ
ることを含んで成る方法。
【請求項2】
前記1番目の有機溶媒,2番目の有機溶媒および3番目の有機溶媒が同じである請求項1記載の方法。
【請求項3】
Lがクロロである請求項1記載の方法。
【請求項4】
更に前記式(I)で表される化合物を反応させることで相当する式(I)で表される化合物の製薬学的に許容され得る塩を生じさせることも含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記製薬学的に許容され得る塩をこはく酸塩,フマル酸塩,マレイン酸塩,塩酸塩または臭化水素酸塩から成る群から選択する請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記式(I)で表される化合物が式(Ia)
【化5】

で表される化合物またはこれの鏡像異性体,ジアステレオマー,水化物,溶媒和物または製薬学的に許容され得る塩,エステルまたはアミドである請求項1記載の方法。
【請求項7】
がイソプロピルであり;nが1であり;Rが水素であり;Rが水素でありそしてRが4−モルホリニル−メチル−である請求項1記載の方法。
【請求項8】
式(Is)
【化6】

で表される化合物またはこれの鏡像異性体,ジアステレオマー,水化物,溶媒和物または製薬学的に許容され得る塩,エステルまたはアミドを製造する方法であって、
【化7】

式(Xs)で表される化合物を1番目の有機溶媒中で反応させることでLが脱離基である相当する式(XIs)で表される化合物を生じさせ、ここで、前記式(XIs)で表される化合物を単離せず;
【化8】

前記式(XIs)で表される化合物と式(XIIs)で表される化合物を有機もしくは無機塩基の存在下の2番目の有機溶媒中で反応させることで相当する式(XIIIs)で表される化合物を生じさせ;ここで、前記式(XIIIs)で表される化合物を単離せず;
【化9】

前記式(XIIIs)で表される化合物と式(XIVs)で表される化合物を還元剤の存在下の3番目の有機溶媒中で反応させることで相当する式(Is)で表される化合物を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項9】
前記1番目の有機溶媒,2番目の有機溶媒および3番目の有機溶媒が同じである請求項8記載の方法。
【請求項10】
Lがクロロである請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記式(XIIs)で表される化合物を約1当量に相当する量で存在させる請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記式(XIVs)で表される化合物を約1当量より多い量で存在させ;そして前記還元剤を約1から約2当量の範囲内の量で存在させる請求項8記載の方法。
【請求項13】
更に前記式(Is)で表される化合物を反応させることで相当する式(Is)で表される化合物の製薬学的に許容され得る塩を生じさせることも含んで成る請求項8記載の方法。
【請求項14】
前記製薬学的に許容され得る塩をこはく酸塩,フマル酸塩,マレイン酸塩,塩酸塩または臭化水素酸塩から成る群から選択する請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記製薬学的に許容され得る塩がモノこはく酸塩である請求項13記載の方法。
【請求項16】
式(I)
【化10】

[式中、
は、C1−10アルキル,C3−8アルケニル,C3−8シクロアルキル,(C3−8シクロアルキル)C1−6アルキル,(C3−8シクロアルキル)C3−8アルケニルおよび(C1−8アルキルカルボニル)C1−8アルキルから成る群から選択され;
nは、1から2の整数であり;
およびRは、各々独立して、水素,フルオロ,クロロ,ブロモ,ニトロ,トリフルオロメチル,メチルまたはC1−3アルコキシから選択され;
mは、1から7の整数であり;
Qは、NRであり;ここで、
は、水素,C1−6アルキル,C3−6アルケニル,3−9員のカルボシクリル,3−12員のヘテロシクリル,フェニル,(6−9員のヘテロシクリル)C1−6アルキレンおよび(フェニル)C1−6アルキレンから成る群から選択され;そして
は、C1−6アルキル,C3−6アルケニル,6−9員のカルボシクリル,3−12員のヘテロシクリル,フェニル,(6−9員のヘテロシクリル)C1−6アルキレンおよび(フェニル)C1−6アルキレンから成る群から選択されるか;またあるいは、
Qは、Nで連結する3−12員の飽和ヘテロシクリルであり、ここで、前記3−12員のヘテロシクリルは、Nで連結する窒素に加えて、場合により、O,SおよびNHから独立して選択される1から3個の追加的ヘテロ原子を含有していてもよく;ここで、
Q(QがNで連結する3−12員の飽和ヘテロシクリルの場合)は、場合により、ヒドロキシ,ハロ,カルボキサミド,C1−6アルキル,5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル,−N(C1−6アルキル)(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−NH(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−O(5−9もしくは6−9員のヘテロシクリル),(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル)C1−3アルキレン,C1−6アルコキシ,(C3−6シクロアルキル)−O−,フェニル,(フェニル)C1−3アルキレンおよび(フェニル)C1−3アルキレン−O−から成る群から独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく;ここで、
前記ヘテロシクリル,フェニルおよびアルキル基は、各々場合により、トリフルオロメチル,メトキシ,ハロ,ニトロ,シアノ,ヒドロキシおよびC1−3アルキルから成る群から独立して選択される1から3個の置換基で更に置換されていてもよいが;但し
前記フェニル環上の5位および6位は置換されていないことを条件とし;更に
がメチルの時には−(CH−Qがピペリジン−1−イルメチルではないことも条件とし;そしてここで、
前記アルキル,アルキレン,アルケニル,ヘテロシクリル,シクロアルキル,カルボシクリルおよびアリール基の各々は、各々独立して、場合により、トリフルオロメチル,メトキシ,ハロ,アミノ,ニトロ,ヒドロキシおよびC1−3アルキルから成る群から独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物およびこれの製薬学的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、溶媒和物またはアミドを製造する方法であって、
【化11】

式(XIII)で表される化合物と重亜硫酸塩源を極性有機溶媒中で反応させることで相当する式(XVII)で表される化合物を生じさせ;
【化12】

前記式(XVII)で表される化合物と式(XIV)で表される化合物を還元剤の存在下で有機もしくは無機塩基を存在させて有機溶媒中で反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項17】
前記重亜硫酸塩源を約1当量に等しいか或はそれ以上の量で存在させる請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記式(XIV)で表される化合物を約1当量より多い量で存在させる請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記式(XIV)で表される化合物を約2当量に等しいか或はそれ以上の量で存在させそして約1当量の前記化合物(XIV)を前記有機もしくは無機塩基として働かせる請求項16記載の方法。
【請求項20】
前記式(XVII)で表される化合物を濾過で単離する請求項16記載の方法。
【請求項21】
更に前記式(I)で表される化合物を反応させることで相当する式(I)で表される化合物の製薬学的に許容され得る塩を生じさせることも含んで成る請求項16記載の方法。
【請求項22】
前記製薬学的に許容され得る塩をこはく酸塩,フマル酸塩,マレイン酸塩,塩酸塩または臭化水素酸塩から成る群から選択する請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記式(I)で表される化合物が式(Ia)
【化13】

で表される化合物またはこれの鏡像異性体,ジアステレオマー,水化物,溶媒和物または製薬学的に許容され得る塩,エステルまたはアミドである請求項16記載の方法。
【請求項24】
がイソプロピルであり;nが1であり;Rが水素であり;Rが水素でありそしてRが4−モルホリニル−メチル−である請求項16記載の方法。
【請求項25】
式(I)
【化14】

[式中、
は、C1−10アルキル,C3−8アルケニル,C3−8シクロアルキル,(C3−8シクロアルキル)C1−6アルキル,(C3−8シクロアルキル)C3−8アルケニルおよび(C1−8アルキルカルボニル)C1−8アルキルから成る群から選択され;
nは、1から2の整数であり;
およびRは、各々独立して、水素,フルオロ,クロロ,ブロモ,ニトロ,トリフルオロメチル,メチルまたはC1−3アルコキシから選択され;
mは、1から7の整数であり;
Qは、NRであり;ここで、
は、水素,C1−6アルキル,C3−6アルケニル,3−9員のカルボシクリル,3−12員のヘテロシクリル,フェニル,(6−9員のヘテロシクリル)C1−6アルキレンおよび(フェニル)C1−6アルキレンから成る群から選択され;そして
は、C1−6アルキル,C3−6アルケニル,6−9員のカルボシクリル,3−12員のヘテロシクリル,フェニル,(6−9員のヘテロシクリル)C1−6アルキレンおよび(フェニル)C1−6アルキレンから成る群から選択されるか;またあるいは、
Qは、Nで連結する3−12員の飽和ヘテロシクリルであり、ここで、前記3−12員の
ヘテロシクリルは、Nで連結する窒素に加えて、場合により、O,SおよびNHから独立して選択される1から3個の追加的ヘテロ原子を含有していてもよく;ここで、
Q(QがNで連結する3−12員の飽和ヘテロシクリルの場合)は、場合により、ヒドロキシ,ハロ,カルボキサミド,C1−6アルキル,5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル,−N(C1−6アルキル)(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−NH(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル),−O(5−9もしくは6−9員のヘテロシクリル),(5−9員もしくは6−9員のヘテロシクリル)C1−3アルキレン,C1−6アルコキシ,(C3−6シクロアルキル)−O−,フェニル,(フェニル)C1−3アルキレンおよび(フェニル)C1−3アルキレン−O−から成る群から独立して選択される1−3個の置換基で置換されていてもよく;ここで、
前記ヘテロシクリル,フェニルおよびアルキル基は、各々場合により、トリフルオロメチル,メトキシ,ハロ,ニトロ,シアノ,ヒドロキシおよびC1−3アルキルから成る群から独立して選択される1から3個の置換基で更に置換されていてもよいが;但し
前記フェニル環上の5位および6位は置換されていないことを条件とし;更に
がメチルの時には−(CH−Qがピペリジン−1−イルメチルではないことも条件とし;そしてここで、
前記アルキル,アルキレン,アルケニル,ヘテロシクリル,シクロアルキル,カルボシクリルおよびアリール基の各々は、各々独立して、場合により、トリフルオロメチル,メトキシ,ハロ,アミノ,ニトロ,ヒドロキシおよびC1−3アルキルから成る群から独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物およびこれの製薬学的に許容され得る塩、エステル、互変異性体、溶媒和物またはアミドを製造する方法であって、
【化15】

式(XIII)で表される化合物と重亜硫酸塩源を極性有機溶媒中で反応させることで相当する式(XVII)で表される化合物を生じさせ;
【化16】

前記式(XVII)で表される化合物と有機もしくは無機塩基を有機溶媒中で反応させることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせ;
【化17】

前記式(XIII)で表される化合物と式(XIV)で表される化合物を還元剤の存在下の有機溶媒中で反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項26】
前記有機もしくは無機塩基を約1当量に等しいか或はそれ以上の量で存在させる請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記式(XIV)で表される化合物を約1当量に等しいか或はそれ以上の量で存在させ;そして前記還元剤を約1から約2当量の範囲内の量で存在させる請求項25記載の方法。
【請求項28】
前記式(XVII)で表される化合物を濾過で単離する請求項25記載の方法。
【請求項29】
更に前記式(I)で表される化合物を反応させることで相当する式(I)で表される化合物の製薬学的に許容され得る塩を生じさせることも含んで成る請求項25記載の方法。
【請求項30】
前記製薬学的に許容され得る塩をこはく酸塩,フマル酸塩,マレイン酸塩,塩酸塩または臭化水素酸塩から成る群から選択される請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記式(I)で表される化合物が式(Ia)
【化18】

で表される化合物またはこれの鏡像異性体,ジアステレオマー,水化物,溶媒和物または製薬学的に許容され得る塩,エステルまたはアミドである請求項25記載の方法。
【請求項32】
がイソプロピルであり;nが1であり;Rが水素であり;Rが水素でありそしてRが4−モルホリニル−メチル−である請求項25記載の方法。
【請求項33】
式(Is)
【化19】

で表される化合物またはこれの鏡像異性体,ジアステレオマー,水化物,溶媒和物または製薬学的に許容され得る塩,エステルまたはアミドを製造する方法であって、
【化20】

式(XIIIs)で表される化合物と重亜硫酸塩源を極性有機溶媒中で反応させることで相当する式(XVIIs)で表される化合物を生じさせ;
【化21】

前記式(XVIIs)で表される化合物と式(XIVs)で表される化合物を還元剤の存在下で有機もしくは無機塩基を存在させて有機溶媒中で反応させることで相当する式(Is)で表される化合物を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項34】
前記重亜硫酸塩源を約1当量に等しいか或はそれ以上の量で存在させる請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記式(XIVs)で表される化合物を約1当量より多い量で存在させる請求項33記載の方法。
【請求項36】
前記式(XIVs)で表される化合物を約2当量に等しいか或はそれ以上の量で存在させそして約1当量の前記化合物(XIVs)を前記有機もしくは無機塩基として働かせる請求項33記載の方法。
【請求項37】
前記式(XVIIs)で表される化合物を濾過で単離する請求項33記載の方法。
【請求項38】
更に前記式(Is)で表される化合物を反応させることで相当する式(Is)で表される化合物の製薬学的に許容され得る塩を生じさせることも含んで成る請求項33記載の方法。
【請求項39】
前記製薬学的に許容され得る塩をこはく酸塩,フマル酸塩,マレイン酸塩,塩酸塩または臭化水素酸塩から成る群から選択する請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記製薬学的に許容され得る塩がモノこはく酸塩である請求項38記載の方法。
【請求項41】
式(Is)
【化22】

で表される化合物またはこれの鏡像異性体,ジアステレオマー,水化物,溶媒和物または製薬学的に許容され得る塩,エステルまたはアミドを製造する方法であって、
【化23】

式(XIIIs)で表される化合物と重亜硫酸塩源を極性有機溶媒中で反応させることで相当する式(XVIIs)で表される化合物を生じさせ;
【化24】

前記式(XVIIs)で表される化合物と有機もしくは無機塩基を有機溶媒中で反応させることで相当する式(XIIIs)で表される化合物を生じさせ;
【化25】

前記式(XIIIs)で表される化合物と式(XIVs)で表される化合物を還元剤の存在下の有機溶媒中で反応させることで相当する式(Is)で表される化合物を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項42】
前記有機もしくは無機塩基を約1当量に等しいか或はそれ以上の量で存在させる請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記式(XIVs)で表される化合物を約1当量に等しいか或はそれ以上の量で存在させ;そして前記還元剤を約1から約2当量の範囲内の量で存在させる請求項41記載の方法。
【請求項44】
前記式(XVIIs)で表される化合物を濾過で単離する請求項41記載の方法。
【請求項45】
更に前記式(Is)で表される化合物を反応させることで相当する式(Is)で表され
る化合物の製薬学的に許容され得る塩を生じさせることも含んで成る請求項41記載の方法。
【請求項46】
前記製薬学的に許容され得る塩こはく酸塩,フマル酸塩,マレイン酸塩,塩酸塩または臭化水素酸塩から成る群から選択する請求項45記載の方法。
【請求項47】
前記製薬学的に許容され得る塩がモノこはく酸塩である請求項45記載の方法。
【請求項48】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの結晶性こはく酸塩。
【請求項49】
前記こはく酸塩がモノこはく酸塩である請求項48記載の塩。
【請求項50】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの結晶性モノこはく酸塩であって、下記のX線回折ピーク:
【表1】

を包含する塩。
【請求項51】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノンの結晶性モノこはく酸塩であって、下記のX線回折ピーク:
【表2】

を包含する塩。
【請求項52】
製薬学的に受け入れられる担体および請求項49記載の化合物を含有して成る製薬学的
組成物。
【請求項53】
請求項49記載の化合物と製薬学的に受け入れられる担体を混合することで作られた製薬学的組成物。
【請求項54】
請求項49記載の化合物と製薬学的に受け入れられる担体を混合することを含んで成る製薬学的組成物製造方法。

【公表番号】特表2009−513702(P2009−513702A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538930(P2008−538930)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/041859
【国際公開番号】WO2007/053427
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】