説明

ピリジン−3−スルホニルクロリド化合物

【課題】 除草剤として有用なN−(トリアゾロアジニル)アリールスルホンアミド化合物の合成中間体を提供すること。
【解決手段】 式
【化1】


式中、AはF、Cl、Br、I、CO(C−Cアルキル)等を示し;BはH、F、Br、I、NO、CN、CO(C−Cアルキル)、NH(C−Cアルキル)、N(C−Cアルキル)等を示し;DはH、F、Cl、Br、I、C−Cアルキル、OCH、OC、CHF、CHF又はCF等を示す、
のピリジン−3−スルホニルクロリド化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は置換ベンゼンスルホンアミド及びピリジンスルホンアミド化合物、その化合物を含有する除草性組成物ならびに望ましくない植生(vegetation)の抑制のためのその化合物の利用性に関する。
【背景技術】
【0002】
化学的薬剤、すなわち除草剤を用いる望ましくない植生の抑制は現代の農業及び土地管理の重要な側面である。望ましくない植生の抑制に有用な多くの化学品が既知であるが、一般的にもっと有効であるか、特定の植物種にもっと有効であるか、望ましい植生に対する損傷が少ないか、人間及び環境にもっと安全であるか、使用するのにあまり高価でないかあるいは他の有利な属性を有する新規な化合物が望まれている。
【0003】
多くの置換ベンゼンスルホンアミド化合物が既知であり、それらのあるものは除草活性を有することが知られている。例えば、ある種のN−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド化合物及びそれらの除草的利用性が特許文献1に開示されており、ある種のN−([1,2,4]トリアゾロ[1,3,5]トリアジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド化合物が特許文献2に開示されている。ある種のN−フェニルアリールスルホンアミド化合物も既知であり、除草活性を有することが知られている。例えば、ある種のN−(置換フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアミド化合物が特許文献3に開示されており、ある種のN−(置換フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−スルホンアミド化合物が1996年11月5日発行の特許文献4に開示されている。
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,638,075号明細書
【特許文献2】米国特許第4,685,958号明細書
【特許文献3】米国特許第5,163,995号明細書
【特許文献4】米国特許第5,571,775号明細書
【発明の開示】
【0005】
今回、N−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド、N−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ピリジンスルホンアミド、N−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド及びN−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)ピリジンスルホンアミド化合物を含む一群の新規なN−(トリアゾロアジニル)アリールスルホンアミド化合物が発芽前又は発芽後適用による望ましくない植生の抑制のための有力な除草剤であることが見いだされた。該化合物の多くが有用な作物に対する望ましい選択性を有し、好ましい毒性学的及び環境学的属性を有する。
【0006】
本発明は式I:
【0007】
【化1】

【0008】
[式中、
XはN又はC−Yを示し;
WはO(C−Cアルキル)、Cl、Br、F又はHを示し;
YはH、OCH、F、Cl、Br、I又は場合により最高3個のフッ素原子で置換されていることができるCHを示し;
ZはO(C−Cアルキル)、H、F、Cl、Br、I、S(C−Cアルキル)又は場合により最高3個のフッ素原子で置換されていることができるCHを示し;但しW及びZの少なくとも1つはO(C−Cアルキル)を示し;
QはC−H又はNを示し;
AはF、Cl、Br又はIあるいはCO(C−Cアルキル)を示すか、あるいはそれぞれ場合により1つのO(C−Cアルキル)、S(C−Cアルキル)、クロロ、ブロモもしくはシアノ置換基によって又は最大可能な数までのフッ素原子によって置換されていることができるC−Cアルキル、O(C−Cアルキル)、O(C−Cアルケニル)、O(C−Cアルキニル)又はS(C−Cアルキル)を示すか、あるいは2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル部分を示し、QがNを示す場合、Hを示し;
BはH、F、Cl、Br、I、NO、CN、CO(C−Cアルキル)、NH(C−Cアルキル)又はN(C−Cアルキル)を示すか、あるいはそれぞれ場合により1つのO(C−Cアルキル)、S
(C−Cアルキル)、クロロ、ブロモもしくはシアノ置換基によって又は最大可能な数までのフッ素原子によって置換されていることができるO(C−Cアルキル)、O(C−Cアルケニル)、O(C−Cアルキニル)、C−Cアルキル、S(C−Cアルキル)、SO(C−Cアルキル)、SO(C−Cアルキル)、S(C−Cアルケニル)、SO(C−Cアルケニル)、SO(C−Cアルケニル)、S(C−Cアルキニル)、SO(C−Cアルキニル)又はSO(C−Cアルキニル)を示し;但しA及びBは同時にHを示さず;
DはH、F、Cl、Br、I、C−Cアルキル、OCH、OC、CHF、CHF又はCFを示すか;あるいはB及びDは一緒になって場合により1つ又は2つのFもしくはCHで置換されていることができる式O−CH−Oの断片を示し;
TはH、SOR、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR’又はCHCHC(O)ORを示し;
Rはそれぞれ場合により最高2個のクロロ、ブロモ、O(C−C)アルキル又はフェニル置換基及び最大可能な数までのフルオロ置換基を有することができるC−Cアルキル、C−Cアルケニル又はC−Cアルキニルを示し;R’はH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル又はC−Cアルキニルを示す]
のN−(トリアゾロアジニル)アリールスルホンアミド化合物及びTがHを示す場合は農業的に許容され得るその塩を含む。
【0009】
XがN及びC−Hのそれぞれを示す化合物及びQがN及びC−Hのそれぞれを示す化合
物は本発明の好ましい化合物に含まれる。本発明の好ましい化合物の多くはトリアゾロアジン環の5−位(W)にメトキシ置換基及び8−位(Z)にメトキシ又はハロゲン置換基を有する。好ましい化合物のいくつかはさらにオルトメトキシ置換基(A又はB)を他方のオルト位(A又はB)の多様な置換基及びメタ位の水素と組み合わせて;オルトメトキシ置換基(A)を水素又はメタメチル又はクロロ置換基(D)及び他方のオルト位(B)の非置換と組み合わせて;あるいはオルトトリフルオロメチル置換基(B)を他方のオルト位(A)の多様な置換基及びメタ位の水素と組み合わせて有する。
【0010】
本発明はさらに除草的量の式Iの化合物を1種又はそれ以上の農業的に許容され得る添加剤又は担体と組み合わせて含有する組成物ならびに除草剤としての式Iの化合物の利用を含む。全体的な植生の抑制又は小麦、イネ及び西洋アブラナ作物中の雑草の選択的抑制のいずれかを達成するために適した本発明の化合物の利用が一般に好ましい。イネ科雑草及び広葉雑草の両方を抑制することができる。望ましくない植生への化合物の発芽後適用が一般に好ましい。
【0011】
本発明のN−(トリアゾロアジニル)アリールスルホンアミド化合物は一般的に置換されたN−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド、N−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ピリジン−3−スルホンアミド、N−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド及びN−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)ピリジン−3−スルホンアミド化合物として記載されることができる。それらは、アミド窒素原子において、置換された[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル又は置換された[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル部分を有する置換されたベンゼンスルホンアミド及びピリジン−3−スルホンアミド化合物として特徴付けることができる。
【0012】
本発明の除草性化合物は一般式I:
【0013】
【化2】

【0014】
のN−(トリアゾロアジニル)アリールスルホンアミド化合物である。
【0015】
XがNを示すそのような化合物は置換されたN−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)部分を含有し、XがC−Yを示す化合物は置換されたN−([1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)部分を含有する。QがNを示す化合物はピリジンスルホンアミド化合物であり、QがC−Hを示す化合物はベンゼンスルホンアミド化合物である。該化合物はさらにトリアゾロアジン環の5−及び8−位(それぞれW及びZ)の1つ又は両方にC−Cアルコキシ置換基を有し、フェニル又はピリジン環上に少なくとも1つのオルト置換基(A)を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の化合物はXがN又はC−Y(ここでYは水素、ハロゲン、メトキシ又は場合に
より最高3個のフッ素原子で置換されていることができるメチルを示す)を示す式Iの化合物を含む。XがNを示す化合物が多くの場合に好ましい。しかしXがC−Hを示す化合物が好ましい場合がある。本発明の化合物はQがN又はC−Hを示す式Iの化合物を含む。これらの2つの選択肢のそれぞれが好ましい場合がある。多くの状況下で、XがNを示し、QがC−Hを示す化合物が好ましいが、他の状況下ではX及びQの両方がNを示す化合物が好ましい。他方、いくつかの状況下ではXがC−Yを示し、QがC−Hを示す化合物が好ましい。
【0017】
式Iの化合物のトリアゾロアジン環は少なくとも一置換されている。本発明の化合物はWがメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、シクロプロポキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ又は水素を示しZがメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、シクロプロポキシ、メチルチオ、エチルチオ、1−メチルエチルチオ、シクロプロピルチオ、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又は場合により最高3個のフッ素原子で置換されていることができるメチルを示し、但しW及びZの少なくとも1つは特定されたアルコキシ部分の1つを示す化合物を含む。W及びZの一方がアルコキシを示し、他方がフルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、メトキシ又はエトキシを示し、XがN又はC−Hを示す化合物は多くの場合に好ましい。W及びZの一方又は両方がメトキシを示す化合物は多くの場合により好ましい。Wがメトキシを示し、Zがメトキシ、クロロ又はブロモを示す式Iの化合物は多くの場合に最も好ましい。XがNを示す化合物は特に興味深いことがあり、XがC−Hを示し、Zが特定的にメトキシを示す化合物も同様である。
【0018】
QがC−Hを示す式Iの化合物はAがハロゲン又は(C−Cアルコキシ)−カルボニルを示すかあるいはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケノキシ、C−Cアルキノキシ又はC−Cアルキルチオを示し、そのそれぞれが場合により1つのC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、クロロ、ブロモもしくはシアノ置換基又は最大可能な数までのフッ素原子で置換されていることができる化合物を含む。Aは2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル部分を示すこともできる。QがNを示す場合、式Iの化合物はAが水素を示す化合物も含む。メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、1−(フルオロメチル)−2−フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロ及びフルオロが多くの場合に好ましい。メトキシ、エトキシ、プロポキシ又は1−メチルエトキシ、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ及び1−(フルオロメチル)−2−フルオロエトキシが多くの場合により好ましい。メトキシが特に興味深いことがある。
【0019】
式Iの化合物はさらにBが水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−Cアルコキシ)−カルボニル、C−Cアルキルアミノ又はジ(C−Cアルキル)アミノを示すかあるいはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケノキシ、C−Cアルキノキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルカンスルフィニル、C−Cアルカンスルホニル、C−Cアルケニルチオ、C−Cアルケンスルフィニル、C−Cアルケンスルホニル、C−Cアルキニルチオ、C−Cアルキンスルフィニル又はC−Cアルキンスルホニルを示し、そのそれぞれが場合により1つのC−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、クロロ、ブロモもしくはシアノ置換基又は最大可能な数までのフッ素原子で置換されていることができる化合物を含む。しかしQがNを示し、A及びBの両方が水素を示す化合物は除外される。かくしてQがNを示してもC−Hを示しても、A及びBの少なくとも1つは水素以外の置換基を示す。水素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメチル、メチルチオ、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フルオロ、クロロ及びメトキシカルボニルが多くの場合に好ましいB置換基である。QがC−Hを示す場合、水素、メトキシ
、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメチル、トリフルオロメチル、フルオロ、クロロ又はメトキシカルボニルが典型的により好ましく、QがNを示す場合、水素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、トリフルオロメチル及びメトキシカルボニルがより好ましい。多くの場合、独立してメトキシ及びトリフルオロメチルが特別に興味深いB置換基である。
【0020】
本発明の化合物はさらにDが水素、ハロゲン、メチル、エチル、1−メチルエチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルを示す化合物を含む。それらはさらにB及びDが一緒になって場合により1つ又は2つのフッ素又はメチル基で置換されていることができるメチレンジオキシ断片を示す化合物を含む。Dが水素、フルオロ、ブロモ、クロロ又はメチルを示す化合物が典型的に好ましい。QがC−Hを示す場合、Dが水素、クロロ又はメチルを示す化合物が多くの場合により好ましく、QがNを示す場合はDが水素又はメチルを示す化合物は典型的により好ましい。
【0021】
Aがメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、1−(フルオロメチル)−2−フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロ又はフルオロを示し;Bが水素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメチル、メチルチオ、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フルオロ、クロロ又はメトキシカルボニルを示し;Dが水素、フルオロ、クロロ、ブロモ又はメチルを示す式Iの化合物が多くの場合に好ましい。Bがメトキシを示し、Dが水素を示す;Aがメトキシを示し、Dが水素、メチル又はクロロを示す;ならびにBがトリフルオロメチルを示し、Dが水素を示す化合物は多く場合に特に興味深い。
【0022】
QがC−Hを示し、B及びDの一方又は両方が水素を示す式Iの化合物は多くの場合に好ましい。QがC−Hを示し、Aがメトキシ、エトキシ、プロポキシ又は1−メチルエトキシ、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は1−(フルオロメチル)−2−フルオロエトキシを示し;Bが水素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメチル、トリフルオロメチル、フルオロ、クロロ又はメトキシカルボニルを示し;Dが水素、クロロ又はメチルを示す化合物は多くの場合により好ましい。Dが水素を示し、A及びBのそれぞれがメトキシを示すかあるいはAがメトキシを示し、Bがトリフルオロメチル又はメトキシカルボニルを示す化合物は独立して興味深いことがある。QがC−Hを示し、Aがメトキシ、エトキシ、プロポキシ又は1−メチルエトキシを示し、Bが水素を示し;Dがクロロ又はメチルを示す化合物が好ましいことがある。
【0023】
QがNを示し、Aがメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は1−(フルオロメチル)−2−フルオロエトキシを示し;Bが水素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、トリフルオロメチル又はメトキシカルボニルを示し;Dが水素又はメチルを示す式Iの化合物は典型的に好ましい。Bがトリフルオロメチルを示し、Aがメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は1−(フルオロメチル)−2−フルオロエトキシを示し;Dが水素を示す化合物は典型的により好ましい。
【0024】
式Iの化合物は、Tが水素、アルキルスルホニル基(SOR)、アシル基(C(O)R)、アルコキシカルボニル基(C(O)OR)、アミノカルボニル基(C(O)NR’)又は2−(アルコキシカルボニル)エチル基(CHCHC(O)OR)を示し、
ここでRはC−Cアルキル、C−Cアルケニル又はC−Cアルキニルを示し、それぞれ場合により最高2個のクロロ、ブロモ、C−Cアルコキシ又はフェニル置換基及び最大可能な数までのフルオロ置換基を有することができ、R’はH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル又はC−Cアルキニルを示す化合物を含む。Tが水素を示す化合物が好ましい。本発明はさらにTが水素を示す式Iの化合物の農業的に許容され得る塩を含む。
【0025】
好ましい、より好ましい、最も好ましい、望ましい及び特に興味深い置換基のそれぞれ可能な組み合わせを有する式Iの化合物はさらに本発明の重要な実施態様であると考えられる。
【0026】
本発明で用いられるアルキル、アルケニル及びアルキニル(ハロアルキル及びアルコキシの場合のように修飾されている場合を含んで)という用語は、直鎖状、分枝鎖状及び環式基を含む。かくして典型的アルキル基はメチル、エチル、1−メチルエチル、プロピル、1,1−ジメチルエチル及びシクロプロピルである。メチル及びエチルが多くの場合に好ましい。アルキル基は本明細書でノルマル(n)、イソ(i)又は第2(s)と呼ばれることがある。最大可能な数までのフルオロ置換基を有する典型的アルキルはトリフルオロメチル、モノフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,3−ジフルオロプロピルなどを含み;トリフルオロメチルが多くの場合に好ましい。ハロゲンという用語はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。
【0027】
本明細書において「農業的に許容され得る塩」という用語は、式Iの化合物の酸性スルホンアミドプロトンが、それ自身は処理されている作物植物に対して除草性でなく、適用者、環境又は処理されている作物の最終的使用者に有意に有害でもないカチオンにより置き換えられている化合物を示すために用いられる。適したカチオンには例えばアルカリもしくはアルカリ土類金属から誘導されるものならびにアンモニア及びアミンから誘導されるものが含まれる。好ましいカチオンにはナトリウム、カリウム、マグネシウム及び式:
NH
[式中、R、R及びRはそれぞれ独立して水素又は(C−C12)アルキル、(C−C12)シクロアルキル又は(C−C12)アルケニルを示し、そのそれぞれは場合により1つ又はそれ以上のヒドロキシ、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルチオ又はフェニル基により置換されていることができ;但しR、R及びRは立体的に適合性である]
のアミニウムカチオンが含まれる。さらにR、R及びRのいずれの2つも一緒になって1〜12個の炭素原子及び最高2個の酸素もしくは硫黄原子を含有する脂肪族2官能基性部分を示すことができる。式Iの化合物の塩は、Vが水素を示す式Iの化合物を金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化マグネシウムあるいはアミン、例えばアンモニア、トリメチルアミン、ヒドロキシエチルアミン、ビスアリルアミン、2−ブトキシエチルアミン、モルホリン、シクロドデシルアミン又はベンジルアミンで処理することにより製造することができる。
【0028】
表Iの化合物は本発明の化合物の例である。特別に好ましいいくつかの式Iの化合物は抑制されるべき雑草種、(もしあれば)存在する作物及び他の因子に依存して変わり、表1の以下の化合物が含まれる:1、2、10、13、14、15、18、21、23、26、27、28、32、34、36、37、38、39、41、43、46、50、52、53、54、55、60、63、65、77、80、81、92、95、96、98、105、106、109、120、122、126、139、142、167、177、184、185、187、188、190、194、195、203、208、210及び220。以下の化合物がより好ましいことがある:2−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)−N−(8−クロロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピ
リミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(化合物34)、2,6−ジメトキシ−N−(5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(化合物36)、2−メトキシ−6−メトキシカルボニル−N−(5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(化合物98)、2−メトキシ−5−メチル−N−(5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(化合物105)、5−クロロ−2−メトキシ−N−(5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(化合物106)、2−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)−N−(5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ピリジン−3−スルホンアミド(化合物142)、2−(2−フルオロエトキシ)−6−(トリフルオロメチル)−N−(5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(化合物167)、2−(2−クロロエトキシ)−6−(トリフルオロメチル)−N−(5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(化合物203)、2−(2,2−ジフルオロエトキシ)−6−(トリフルオロメチル)−N−(5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(化合物190)及び2−(1−フルオロメチル−2−フルオロエトキシ)−6−(トリフルオロメチル)−N−(5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(化合物187)。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
【表3】

【0032】
【表4】

【0033】
【表5】

【0034】
【表6】

【0035】
【表7】

【0036】
【表8】

【0037】
【表9】

【0038】
【表10】

【0039】
【表11】

【0040】
【表12】

【0041】
【表13】

【0042】
【表14】

【0043】
【表15】

【0044】
【表16】

【0045】
Tが水素を示す式Iの化合物は式II:
【0046】
【化3】

【0047】
の置換2−アミノ[1,2,4]トリアゾロアジン化合物の式III:
【0048】
【化4】

【0049】
のベンゼンスルホニルクロリド又はピリジン−3−スルホニルクロリド化合物との反応により製造することができ、式中、A、B、D、Q、W、X及びZは式Iの化合物に関して上記で定義された通りである。反応は大体等モル量の2つの化合物を極性、非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル中で合わせ、ピリジン及び触媒量(スルホニルクロリド化合物の5〜25モルパーセント)のジメチルスルホキシドを室温で加えることにより行うことができる。必要なら追加のスルホニルクロリド化合物、ピリジン及びジメチルスルホキシドを加えて反応を完了させる。反応は完了に数時間〜数日かかる。水分を排除するための手段、例えば乾燥窒素ブランケットを用いる。得られる式Iの化合物は多くの通常の有機溶媒及び水における溶解度が低い固体であり、通常の手段を用いて回収することができる。
【0050】
式IIIのスルホニルクロリド化合物と式IIの2−アミノ[1,2,4]トリアゾロアジン化合物の縮合反応は、最初に式IIの2−アミノ[1,2,4]トリアゾロアジン化合物を式IV:
【0051】
【化5】

【0052】
[式中、W、X及びZは式Iの化合物に関して定義された通りであり、R”はC−Cアルキルを示す]
のN−トリアルキルシリル誘導体に転換することにより有利に行うことができる。N−トリメチルシリル及びN−トリエチルシリル誘導体が典型的である。該方法は米国特許第4
,910,306号及び第4,666,501号に開示されている方法と関連しているが、それが一般にフルオリドイオン促進剤(facilitator)を必要とする点で異なる。
【0053】
式IIの2−アミノ[1,2,4]トリアゾロアジン化合物の式IVのN−トリアルキルシリル誘導体への転換は、アセトニトリルなどの溶媒中のクロロトリアルキルシラン化合物とヨウ化ナトリウム又はカリウムの混合物を無水条件下で調製し、次いで2−アミノ[1,2,4]トリアゾロアジン化合物及びトリアルキルアミン化合物、例えばトリエチルアミンを典型的に周囲温度で、及び撹拌しながら加えることにより行うことができる。一般に大体等モル量のクロロトリアルキルシラン及び2−アミノ[1,2,4]トリアゾロアジン化合物が用いられる。反応は含まれる特定のトリアルキルアミン及び2−アミノ[1,2,4]トリアゾロアジン化合物に依存して数時間〜1日を要する。製造されるN−トリアルキルシリル誘導体は、得られる混合物を非−極性溶媒、例えばエーテル又は1,2−ジクロロエタンを用いて希釈し、濾過により不溶性塩を除去し、減圧下における蒸発により揮発性成分を除去することにより回収することができる。式IVの化合物は水の存在下で不安定であり、乾燥状態で保持されねばならない。
【0054】
上記の通りにしてか又は他の方法で得られる式IVの2−(トリアルキルシリルアミノ)[1,2,4]トリアゾロアジン誘導体をさらなる精製を用いてか又は用いずに、式IIIのスルホニルクロリド化合物と縮合させることができる。縮合は典型的にアセトニトリルなどの溶媒中で、大体等モル量のピリジン又はメチルピリジン塩基、大体等モル量のフルオリドイオン促進剤、例えばフッ化セシウム又はテトラアルキルアンモニウムフルオリド及び触媒量(スルホニルクロリド化合物の3〜20パーセント)のジメチルスルホキシドの存在下で行われる。縮合は典型的に10℃〜60℃の温度で、無水条件下で撹拌しながら行われ、一般に2〜18時間内に完了する。得られる式IのN−(トリアゾロアジニル)アリールスルホンアミド化合物は通常の手段で、例えば濾過により固体を集め、得られる固体を抽出して水溶性塩及び/又は可溶性有機成分を除去することにより回収することができる。
【0055】
Tが水素以外を示す式IのN−(トリアゾロアジニル)アリールスルホンアミド化合物は、Tが水素を示す式Iの対応する化合物から、関連するスルホンアミドアシル化反応のための当該技術分野において既知の反応条件下におけるアシル化により製造することができる。適したアシル化剤にはアルカノイルクロリド化合物、例えばプロピオニルクロリド又はトリフルオロアセチルクロリド;クロロギ酸エステル化合物、例えばクロロギ酸2−メトキシエチル;カルバモイルクロリド化合物、例えばN’,N’−ジアリルカルバモイルクロリド及びアルキルイソシアナート化合物、例えば2−クロロエチルイソシアナートが含まれる。Wがクロロを示す式Iの化合物はWがフルオロ、ブロモ、ヨード、O(C−Cアルキル)又はS(C−Cアルキル)を示す式Iの対応する化合物に、当該技術分野において既知のそのような置き換えのための一般的方法を用いて適した求核試薬で処理することにより転換することができる。5−位(X)におけるクロロ置換基は一般に6−位(Y)又は8−位(Z)におけるクロロ置換基より容易に置き換えられ、選択的に置き換えられることができる。
【0056】
多くの式IIの2−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン化合物(XはC−Yを示す)は、式:
【0057】
【化6】

【0058】
の適切に置換されたN−(2−ピリジニル)−N’−カルボエトキシチオウレア化合物のヒドロキシルアミンとの反応により製造することができる。反応は典型的にエタノールなどの溶媒中で行われ、数時間の加熱を必要とする。ヒドロキシルアミンは典型的に塩酸塩をヒンダード第3アミン、例えばジイソプロピルエチルアミン又はアルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムエトキシドを用いて中和することにより生成する。所望の式IIの化合物は通常の手段により、例えば蒸発による反応混合物の揮発性成分の除去により回収することができ、通常の手段により、例えば水及び/又はそれらがほとんど可溶性でない他の溶媒を用いる抽出により精製することができる。この方法のためのN−(2−ピリジニル)−N’−カルボエトキシチオウレア化合物出発材料は、適切に置換された2−アミノピリジン化合物をエトキシカルボニルイソチオシアナートで処理することにより得ることができる。反応は一般に不活性有機溶媒中で、周囲温度において行われる。全体的方法はさらに米国特許第5,571,775号に記載されている。
【0059】
上記の方法のための置換2−アミノピリジン化合物出発材料は当該技術分野において既知であるかあるいは本明細書に開示されている方法によってか又は当該技術分野において既知の一般的方法によって製造することができる。
【0060】
XがC−Yを示す式IIの化合物も適切に置換された2−シアノアミノピリジン化合物から、Monatshefte fur Chemie114,789−798(1983)においてB.Vercek et al.により開示されている方法により製造することができる。そのような化合物の製造のさらに別の方法がJournal of Organic Chemistry31,265−273(1966)においてK.T.Potts et al.により開示された。
【0061】
XがN(2−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン化合物)を示す式Iの化合物は式:
【0062】
【化7】

【0063】
[式中、Wはメチルチオ、水素又はクロロを示し、Zは水素、ハロゲン、アルコキシ又はアルキルチオを示す]
の4−ヒドラジノピリミジン化合物から製造することができる。ヒドラジノピリミジン化合物を最初にシアノゲンブロミドで処理して式:
【0064】
【化8】

【0065】
[式中、Wはメチルチオ、水素又はクロロを示し、Zは水素、ハロゲン、アルコキシ又はアルキルチオを示す]
の3−アミノ−8−置換−5−置換[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン化合物の臭化水素塩を得る。反応は一般にイソプロピルアルコールなどの有機溶媒中で、周囲温度において行われる。生成物は通常の手段により、例えば非−極性溶媒、例えばジエチルエーテルを加え、生成する固体を濾過により集めることにより回収することができる。Wがメチルチオを示す上記の中間体を次いでWがアルコキシ基を示す所望の式IIの化合物に、溶媒としての対応するアルコール中でアルカリ金属アルコレート、例えばナトリウムメチレート又はカリウムエチレート及びアクリル酸エチルを用いて処理することにより転換することができる。化合物は転位し、メチルチオ部分が媒体のアルコールに由来するアルコキシ部分により置き換えられる。反応は一般に25℃より低い温度で行われる。所望の式IIの化合物は、酢酸を用いて中和し、生成する固体を濾過又は他の通常の手段により集めることにより回収することができる。XがNを示し、Wが水素又はクロロを示す式IIの化合物は、Wが水素又はクロロを示す対応する[4,3−c]中間体から、トリアルキルアミン塩基を用いる異性化により得ることができる。これらの方法のための4−ヒドラジノピリミジン化合物出発材料は当該技術分野において周知の対応する4−クロロ−ピリミジン化合物からヒドラジンとの反応により製造することができる。
【0066】
XがNを示す式IIの化合物の製造の他の方法はG.W.Miller,et al.,J.Chemical Society1965,page 3357及び1963,page 5642により開示されている。
【0067】
XがNを示す式IIの化合物は本発明のさらなる実施態様である。かくして本発明は式:
【0068】
【化9】

【0069】
[式中、WはO(C−Cアルキル)、Cl、Br、F又はHを示し、ZはO(C−Cアルキル)、H、F、Cl、Br、I、S(C−Cアルキル)又は場合により最高3個のフッ素原子で置換されていることができるCHを示し;但しW及びZの少なくとも1つはO(C−Cアルキル)を示す]
の2−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン化合物を含む。W及び
Zの1つがメトキシを示し、他方がフルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、メトキシ又はエトキシを示すこの型の化合物は多くの場合に好ましく、Wがメトキシを示し、Zがメトキシ、フルオロ、クロロ又はブロモを示すそのような化合物は多くの場合により好ましい。
【0070】
式IIIの置換ベンゼンスルホニルクロリド及びピリジンスルホニルクロリド出発材料は本明細書に開示されている方法によってかあるいは当該技術分野において既知の一般的又は特定の方法により製造することができる。多くのそのような化合物、例えば2−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド及び2−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンスルホニルクロリドは、対応するベンゼン又はピリジン化合物(例えば3−(トリフルオロメチル)アニソール又は2−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン)をブチルリチウムを用いてリチウム化し、得られるフェニルもしくはピリジニルリチウム化合物をジプロピルジスルフィドと反応させ、次いで得られるプロピルチオ化合物をクロロ酸化(chloroxidation)することにより製造することができる。これらの反応段階のそれぞれにおいて、そのような方法に関して一般に既知の条件が用いられた。多くのプロピル又はベンジルチオベンゼン及びピリジンも、標準的方法を用いる対応するチオフェノール又は3−ピリジンチオール化合物のアルキル化及び続くクロロ酸化により製造することができる。1,3−ジメトキシベンゼンから誘導されるものようなフェニル及びピリジニルリチウム化合物をN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの存在下における二酸化硫黄及び塩化スルフリルとの反応により対応する所望のスルホニルクロリド化合物に直接転換することができる。他の必要なスルホニルクロリド化合物、例えば2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)ベンゼンスルホニルクロリドは、二酸化硫黄、塩化銅及び濃塩酸水溶液の存在下で対応するアニリン又は3−アミノピリジン化合物をジアゾ化することにより製造することができる。ベンゼンスルホニルクロリド化合物、例えば2−メトキシ−5−メチルベンゼンスルホニルクロリドは、適したベンゼン化合物の直接のクロロスルホン化により製造することができる。2−及び/又は4−位にクロロ置換基を有する3−アルキルチオピリジン化合物をクロロ酸化の前に通常の求核的置換法により他のハロ又はアルコキシ置換基を有する対応する化合物に転換し、他のピリジン−3−スルホニルクロリド化合物を得ることができる。
【0071】
式:
【0072】
【化10】

【0073】
[式中、AはH、F、Cl、BrもしくはI又はCO(C−Cアルキル)を示すかあるいはC−Cアルキル、O(C−Cアルキル)、O(C−Cアルケニル)、O(C−Cアルキニル)又はS(C−Cアルキル)を示し、それぞれ場合により1つのO(C−Cアルキル)、S(C−Cアルキル)、クロロ、ブロモもしくはシアノ置換基又は最大可能な数までのフッ素原子で置換されていることができるかあるいは2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル部分を示し;BはH、F、Cl、Br、I、NO、CN、CO(C−Cアルキル)、NH(C−Cアルキル)又はN(C−Cアルキル)を示すかあるいはO(C−Cアルキル)、O(C−Cアルケニル)、O(C−Cアルキニル)、C−Cアルキル、S(C−C
ルキル)、SO(C−Cアルキル)、SO(C−Cアルキル)、S(C−Cアルケニル)、SO(C−Cアルケニル)、SO(C−Cアルケニル)、S(C−Cアルキニル)、SO(C−Cアルキニル)又はSO(C−Cアルキニル)を示し、それぞれ場合により1つのO(C−Cアルキル)、S(C−Cアルキル)、クロロ、ブロモもしくはシアノ置換基又は最大可能な数までのフッ素原子で置換されていることができ;但しA及びBの少なくとも1つはO(C−Cアルキル)、O(C−Cアルケニル)又はO(C−Cアルキニル)を示し、それぞれ場合により1つのO(C−Cアルキル)、S(C−Cアルキル)、クロロもしくはブロモ置換基又は最大可能な数までのフッ素原子で置換されていることができ;但しA及びBは同時にHを示さず;DはH、F、Cl、Br、I、C−Cアルキル、OCH、OC又はCFを示すか;あるいはB及びDは一緒になって場合により1つ又は2つのF又はCHで置換されていることができる式O−CH−Oの断片を示す]の置換ピリジン−3−スルホニルクロリド化合物を含むQがNを示す式IIIの化合物は本発明のさらなる実施態様である。Aがメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、1−(フルオロメチル)−2−フルオロエトキシ、トリフルオロメトシ、クロロ又はフルオロを示し;Bが水素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメチル、メチルチオ、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フルオロ、クロロ又はメトキシカルボニルを示し;Dが水素、フルオロ、クロロ、ブロモ又はメチルを示す式IIIのピリジン−3−スルホニルクロリド化合物が典型的に好ましい。Bがメトキシを示し、Dが水素を示すか;Aがメトキシを示し、Dが水素、メチル又はクロロを示すか;あるいはBがトリフルオロメチルを示し、Dが水素を示す化合物は多くの場合により好ましい。QがNを示し、Aがメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は1−(フルオロメチル)−2−フルオロエトキシを示し;Bが水素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、トリフルオロメチル又はメトキシカルボニルを示し;Dが水素又はメチルを示す式IIIの化合物は通常最も好ましい。
【0074】
式IのN−(トリアゾロアジニル)アリールスルホンアミド化合物を除草剤として直接用いることができるが、少なくとも1種の農業的に許容され得る添加剤又は担体と一緒に除草的に有効な量の化合物を含有する混合物としてそれを用いるのが好ましい。適した添加剤又は担体は、特に作物の存在下における選択的雑草抑制のために組成物を適用する場合に用いられる濃度において有用な作物に対して植物毒性であってはならず、式Iの化合物又は他の組成物成分と化学的に反応してはならない。そのような混合物は雑草又はその場所に直接適用するために設計されることができるかあるいは通常適用の前に追加の担体及び添加剤で希釈される濃厚物又は調剤であることができる。それらは固体、例えば微粉末、顆粒、水分散性顆粒又は湿潤可能な粉末あるいは液体、例えば乳化可能な濃厚液、溶液、乳液又は懸濁液であることができる。
【0075】
本発明の除草性混合物の調製において有用な適した農業的添加剤及び担体は当該技術分野における熟練者に周知である。
【0076】
用いることができる液体担体には水、トルエン、キシレン、石油ナフサ、作物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリジノンなどが含まれる。水は一般に濃厚物の希釈のために選ばれる担体である。
【0077】
適した固体担体にはタルク、ピロフィライトクレー、シリカ、アタパルガスクレー、キーゼルグール、チョーク、ケイ藻土、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイトクレー、フラー土、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、クルミ殻粉、リグニンなどが含まれる。
【0078】
1種又はそれ以上の界面活性剤を本発明の組成物中に導入するのが多くの場合に望ましい。そのような界面活性剤は固体及び液体組成物の両方において、特に適用前に担体で希釈されるように設計されているものにおいて有利に用いることができる。界面活性剤はアニオン性、カチオン性又は非イオン性の性質であることができ、乳化剤、湿潤剤、懸濁剤としてか又は他の目的のために用いることができる。典型的界面活性剤には硫酸アルキルの塩、例えばラウリル硫酸ジエタノールアンモニウム;アルキルアリールスルホン酸塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム;アルキルフェノール−アルキレンオキシド付加物、例えばノニルフェノール−C18エトキシレート;アルコール−アルキレンオキシド付加物、例えばトリデシルアルコール−C16エトキシレート;石鹸、例えばステアリン酸ナトリウム;アルキルナフタレンスルホン酸塩、例えばジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム;スルホコハク酸塩のジアルキルエステル類、例えばジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム;ソルビトールエステル類、例えばソルビトールオレート;第4アミン類、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロリド;脂肪酸のポリエチレングリコールエステル類、例えばポリエチレングリコールステアレート;エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー;ならびにリン酸モノ及びジアルキルエステルの塩が含まれる。 農業的組成物において通常用いられる他の添加剤には相溶化剤、消泡剤、封鎖剤、中和剤及び緩衝剤、腐食防止剤、染料、消臭剤、展延剤、浸透助剤、粘着剤、分散剤、増粘剤、凝固点降下剤、殺微生物剤などが含まれる。組成物は他の適合性成分、例えば他の除草剤、除草剤緩和剤、植物成長調節剤、殺菌剤、殺虫剤なども含有することができ、液体肥料又は固体粒子状肥料担体、例えば硝酸アンモニウム、尿素などと調製することができる。
【0079】
本発明の除草性組成物中の活性成分の濃度は一般に約0.001〜約98重量パーセントである。約0.01〜約90重量パーセントの濃度が多くの場合に用いられる。濃厚物として用いられるように設計される組成物の場合、活性成分は一般に約5〜約98重量パーセント、好ましくは約10〜約90重量パーセントの濃度で存在する。そのような組成物は典型的に適用前に水などの不活性担体で希釈される。通常雑草又は雑草の場所に適用される希釈された組成物は一般に約0.001〜約5重量パーセントの活性成分を含有し、好ましくは約0.01〜約0.5パーセントを含有する。
【0080】
本組成物は通常の地上又は空中散布機、噴霧機及び顆粒適用機を用いることにより、潅漑用水に加えることにより及び当該技術分野における熟練者に既知の他の通常の手段により雑草又はその場所に適用することができる。
【0081】
式Iの化合物は有用な発芽前(播種前(pre−plant)を含む)及び発芽後除草剤であることが見いだされた。一般に発芽後適用が好ましい。化合物は広葉及びイネ科雑草の両方の抑制に有効である。式Iにより包含されるN−(トリアゾロアジニル)アリールスルホンアミド化合物のそれぞれが本発明の範囲内であるが、除草活性の程度、作物選択性及び得られる雑草抑制の範囲は、存在する置換基及び他の特徴に依存して変化する。化合物はある地域の植生の本質的にすべてを抑制するために比較的高い非選択的な適用比で用いることができる。化合物10、13、14、15、18、23、26、27、28、36、37、38、39、41、50、53、54、60、63、65、77、80、81、92、105、106及び139はこの目的のために特別に興味深い化合物に含まれる。多くの場合、トウモロコシ、コウリャン、小麦、大麦及びイネなどのイネ科作物ならびに西洋アブラナ、大豆及び綿などの広葉作物中の望ましくない植生の抑制のために比
較的低い選択的な適用比で化合物を用いることもできる。ブラックグラス及び野生オーツ麦などの選択的イネ科雑草ならびに小麦や大麦などの小穀類作物中のいくつかの広葉雑草の抑制におけるその利用が特に興味深い。化合物28、34、53、96、98、105及び142はこの目的のためにより優れた化合物に含まれる。化合物の多くは小麦などの小穀類作物からの広葉雑草の除去に用いることができる。この目的のために特に興味深い化合物には化合物1、2、21、32、43、46、52、95、109、120、122及び126が含まれる。化合物の多くは米中の多くの広葉及びイネ科雑草の抑制にも有用である。この目的のために特に興味深い化合物には化合物167、177、184、185、187、188、190、194、195、203、209、210、220、229及び233が含まれる。直接播種されるか又は移植されるイネ及び水田又は高地で生育する米から望ましくない植生を除去することができる。イネに対する選択性は緩和剤の使用により向上させられることが多い。化合物55及び106などのいくつかの化合物は西洋アブラナから広葉及びイネ科雑草を除去するために用いることができる。
【0082】
除草剤という用語は本明細書において、植物の生育を抑制又は不利に改変する活性成分を意味するために用いられる。除草的に有効な又は植生抑制的な量は、不利に改変する効果を起こす活性成分の量であり、自然の生育からの変動、殺害、調節、乾燥、遅滞などを含む。植物及び植生という用語は胚の状態の種子、発芽中の実生及び確立された植生を含むものとする。
【0083】
除草的活性は、本発明の化合物が直接植物に又は植物の場所に、生育のいずれかの段階においてかあるいは播種又は発芽の前に適用される場合に本発明の化合物により示される。観察される効果は抑制されるべき植物種、植物の生育の段階、希釈及び噴霧滴寸法(spray drop size)の適用パラメーター、固体成分の粒度、使用時の環境条件、用いられる特定の化合物、用いられる特定の添加剤及び担体、土壌の型など及び適用される化学品の量に依存する。当該技術分野において既知の通り、これら及び他の因子を調節し、非−選択的及び選択的除草作用を促進することができる。雑草の最大抑制を達成するためには一般に式Iの化合物を発芽後から比較的未成熟の植物に適用するのが好ましい。
【0084】
発芽後作業においては約0.001〜約1Kg/Haの適用比が一般に用いられ;発芽前適用の場合は約0.01〜約2Kg/Haの比率が一般に用いられる。指定されている高い方の比率は一般に多様な望ましくない植生の非−選択的抑制を与える。低い方の比率は典型的に選択的抑制を与え、化合物、時期及び適用比の賢明な選択により作物の場所で採用することができる。
【0085】
より多様な望ましくない植生の抑制を得るために、本発明の化合物(式I)は多くの場合に1種又はそれ以上の他の除草剤と一緒に適用される。他の除草剤と一緒に用いられる場合、今回特許請求されている化合物を他の除草剤と一緒に調製するか、他の除草剤とタンク混合するか又は他の除草剤と順に適用することができる。本発明の化合物と組み合わせて用いて有益であることができる除草剤のいくつかには置換トリアゾロ−ピリミジンスルホンアミド化合物、例えばN−(2,6−ジクロロフェニル)−5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアミド(ジクロスラム)、N−(2−メトキシカルボニル−6−クロロフェニル)−5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアミド(クロランスラム−メチル)及びN−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−スルホンアミド(フルメツラム)が含まれる。他の除草剤、例えばアシフルオルフェン、ベンタゾン、クロリムロン、クロマゾン、ラクトフェン、カルフェントラゾン−メチル、フミクロラク、フルオメツロン、フォメサフェン、イマザクイン、イマゼタピル、リヌロン、メツリブジル、フルアジフォプ
、ハロキシフォプ、グリフォセート、グルフォシネート、2,4−D、アセトクロル、メトラクロル、セトキシジム、ニコスルフロン、クロピラリド、フルロキシピル、メツルフロン−メチル、アミドスルフロン、トリベヌロン及び他も用いることができる。化合物を類似の作物選択性を有する他の除草剤と一緒に用いるのが一般に好ましい。通常除草剤を組み合わせ調剤として又はタンクミックスとして同時に適用するのがさらに好ましい。
【0086】
本発明の化合物は一般に、その選択性を増すために多様な既知の除草剤緩和剤、例えばクロキントセト、メフェンピル、フリラゾール、ジクロルミド、ベノキサコル、フルラゾール、フルキソフェニム、ダイムロン、ジメピペレート、チオベンカルブ及びフェンクロリムと組み合わせて用いることができる。シトクロムP−450オキシダーゼの活性を増すことにより植物中における除草剤の代謝を改変することによって作用する除草剤緩和剤が通常特に有効である。これは多くの場合に本発明の好ましい実施態様である。さらに遺伝子操作によって又は突然変異及び選択によって除草剤に耐性又は抵抗性とされた多くの作物中における望ましくない植生の抑制に化合物を用いることができる。例えば一般に除草剤に対して又は感受性植物における酵素アセトラクテートシンターゼを阻害する除草剤に対して耐性又は抵抗性とされたトウモロコシ、小麦、イネ、大豆、てんさい、綿、カノーラ及び他の作物を処理することができる。
【実施例】
【0087】
以下の実施例は本発明の種々の側面を例示するために提供され、請求の範囲の制限とみなされるべきではない。
【0088】
1.2−プロピルチオ−3−(トリフルオロメチル)アニソールの製造
500mLの乾燥テトラヒドロフラン中の30mL(ミリリットル)(208mmol)(ミリモル)の3−(トリフルオロメチル)アニソールの溶液を窒素ブランケット下で−70℃に冷却し、撹拌及び冷却しながらヘキサン中の2.5Mのブチルリチムウを100mL(250ミリモル)ゆっくり加えた。赤味がかった溶液を−70℃で1時間撹拌し、次いで42mL(270ミリモル)のジプロピルジスルフィドを撹拌及び冷却しながらゆっくり加えた。得られる混合物を18時間かけて周囲温度に温めた。250mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を用いて混合物をクエンチングした。有機相を回収し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下における蒸発により濃縮した。黄色油の残留物を0.2mmHg(ミリメーター水銀)(27パスカル)においてビグルーカラム中で分別蒸留し、沸点が92℃の37g(グラム)(理論値の71パーセント)の透明な液体生成物留分を得た。この留分は82パーセントの標題化合物、10パーセントの異性体2−プロピルチオ−5−(トリフルオロメチル)アニソールであることが見いだされた。
元素分析 C1113OS
計算値:%C,52.8;%H,5.24;%S,12.8
測定値:%C,52.7;%H,5.11;%S,11.9
NMR:H(CDCl):7.02(m,3H),3.96(s,3H),2.83(t,2H,J=7.4),1.54−1.04(m,2H),0.93(t,3H,J=7.4)。
【0089】
2.2−(ベンジルチオ)アニソールの製造
50mLの乾燥テトラヒドロフラン中の25.0g(178ミリモル)の2−メトキシチオフェノールの溶液を22.0g(196ミリモル)のカリウム−ブトキシド及び100mLのテトラヒドロフランの混合物に0℃で撹拌しながら滴下した。これに50mLのテトラヒドロフラン中の25mL(214ミリモル)のベンジルクロリドの溶液を撹拌及び冷却しながら加え、次いで混合物を周囲温度に温め、18時間撹拌した。得られる混合物を減圧下における蒸発により濃縮し、残留物を300mLのジクロロメタンで希釈した。得られる溶液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下における蒸発によ
り濃縮した。残留物は融点が69〜70℃の白色固体である標題化合物であった。
元素分析 C1414OS
計算値:%C,73.0;%H,6.13;%S,13.9
測定値:%C,73.0;%H,6.13;%S,13.7
NMR:H(CDCl):7.2(m,7H),6.8(m,2H),4.1(s,2H),3.90(s,3H)。
【0090】
3.2−プロピルチオ−3−メトキシ安息香酸メチルの製造
400mLの乾燥テトラヒドロフラン中の65.3g(318ミリモル)の3−(4,4−ジメチルオキサゾリン−2−イル)アニソールの溶液を−70℃に冷却し、次いで冷却及び撹拌しながら165.5mL(404ミリモル)のブチルリチムウの2.5M溶液を加えた。ぶどう色の溶液を撹拌しながら−40℃に90分間温めた。次いでそれを−70℃に冷却し、100mLの乾燥テトラヒドロフラン中の62.2g(414ミリモル)のジイソプロピルジスルフィドの溶液を撹拌及び冷却しながら滴下した。得られる混合物を90分間かけて周囲温度に温め、得られるピンク色の乳状懸濁液を300mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を用いて中和した。相を分離させ、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下における蒸発により濃縮した。残留する金色の油を2x10cm(センチメートル)のビグルーカラム中で0.6mmHg(80パスカル)において分別蒸留し、76.0g(理論値の86パーセント)の2−プロピルチオ−3−(4,4−ジメチルオキサゾリン−2−イル)アニソールを沸点が155〜157℃(0.6mmHg)の明黄色の油として得た。
NMR:H(CDCl):7.25(t,1H,J=7.8),7.06(dd,1H,J=7.6,1.3),6.90(dd,1H,J=8.3,1.2),4.09(s,2H),3.87(s,3H),2.76(t,2H,J=7.2),1.44(m,2H),1.37(s,6H),0.89(t,3H,J=7.4)。
【0091】
6N塩酸水溶液中の58.2g(209ミリモル)の2−プロピルチオ−3−(4,4−ジメチルオキサゾリン−2−イル)アニソールの懸濁液を撹拌しながら18時間加熱還流した。得られる均一な溶液を3x100mLのジエチルエーテルで抽出し、合わせた抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下における蒸発により濃縮した。得られる琥珀色の油をシリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及び酢酸エチルの混合物を用いて溶離させた。生成物−含有画分を合わせ、減圧下における蒸発により濃縮し、38.7g(理論値の82パーセント)の2−プロピルチオ−3−メトキシ安息香酸を粘性の金色の油として得た。
NMR:H(CDCl):12.3(brs,1H),7.55(dd,1H,J=7.8,1.1),7.33(t,1H,J=8.1),7.01(dd,1H,J=8.3,0.9),3.88(s,3H),2.80(t,2H,J=7.5),1.49(m,2H),0.90(t,3H,J=7.3)。
【0092】
100g(843ミリモル)のチオニルクロリド中の38.1g(169ミリモル)の2−プロピルチオ−3−メトキシ安息香酸の懸濁液を調製し、周囲温度で18時間撹拌した。得られる溶液を減圧下における蒸発により濃縮し、39.7gの粗酸クロリドを得た。これの8.7g(36ミリモル)の部分を100mLの乾燥メタノールに溶解し、溶液を0℃に冷却し、撹拌及び冷却しながら4.7g(46ミリモル)のトリエチルアミンを加えた。混合物を撹拌しながら18時間かけ、周囲温度に温めた。得られる混合物を減圧下における蒸発により濃縮し、暗色油状の残留物を250mLのジエチルエーテルに溶解した。エーテル性溶液を2x200mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下における蒸発により濃縮して8.4g(理論値の99パーセント)の標題化合物を暗色の油として得た。
NMR:H(CDCl):7.26(t,1H,J=8.2),7.03(d,1H
,J=8.4),6.92(d,1H,J=8.2),3.87(s,3H),2.77(t,2H,J=7.4),1.45(m,2H),0.89(t,3H,J=7.4)。
【0093】
4.2−メトキシ−3−プロピルチオ−4−(トリフルオロメチル)ピリジンの製造
ジエチルエーテル中の1.4Mのメチルリチウムの110mL(154ミリモル)を窒素ブランケット下で70mLの乾燥テトラヒドロフランに加えることにより調製された溶液をドラスアイス/アセトン浴を用いて冷却し、冷却及び撹拌しながら12.4g(70ミリモル)の2−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン及び0.92mL(7ミリモル)のジイソプロピルアミンをそれに加えた。混合物を−40℃に温め、次いでドラスアイス/アセトン浴中で再冷却した。撹拌及び冷却しながらジプロピルジスルフィド(33mL、210ミリモル)を滴下した。得られる混合物を周囲温度に温め、次いでそれを150mLの水で希釈し、ジエチルエーテルを用いて抽出した。エーテル性抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下における蒸発により濃縮した。淡褐色の油残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及び酢酸エチルの混合物を用いて溶離させ、14.1g(理論値の80パーセント)の標題化合物を明黄色の油として得た。
元素分析 C1012NFOS
計算値:%C,47.8;%H,4.81;%N,5.57;%S,12.8
測定値:%C,48.1;%H,5.33;%N,5.33;%S,12.7
NMR:H(CDCl):8.18(d,1H,J=5.7),7.12(d,1H,J=5.7),4.00(s,3H),2.85(t,2H,J=7.4),1.47−1.46(m,2H),0.93(t,3H,J=7.2)。
【0094】
同様にして以下の3−プロピルチオピリジン化合物を製造した:
2−メトキシ−3−プロピルチオピリジン−0.3mmHg(40パスカル)の圧力下における沸点が80℃の無色の油;元素分析 C13OS
計算値:%C,59.0;%H,7.15
測定値:%C,59.1;%H,7.12
2−クロロ−4−メトキシ−3−プロピルチオピリジン−透明な油;
NMR:H(CDCl):8.21(d,1H,J=5.6),6.77(d,1H,J=5.6),3.97(s,3H),2.85(t,2H,J=7.5),1.57−1.50(m,2H),0.99(t,3H,J=7.3);ならびに
4−クロロ−2−メトキシ−3−プロピルチオピリジン−黄色の油;
NMR:H(CDCl):7.96(d,1H,J=5.2),6.98(d,1H,J=5.6),4.02(s,3H),2.88(t,2H,J=7.3),1.54−1.51(m,2H),0.96(t,3H,J=7.8)。
【0095】
5.2−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリドの製造
2−プロピルチオ−3−(トリフルオロメチル)アニソール:2−プロピルチオ−5−(トリフルオロメチル)アニソール:未知化合物の82:10:8混合物の20.0g(80ミリモル)、250mLのクロロホルム及び125mLの水を含有する混合物を氷浴を用いて0℃に冷却し、撹拌しながら21.6g(305ミリモル)の塩素ガスをゆっくり加えた。2.5時間後、有機相を分離させ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下における蒸発により濃縮した。残留する透明な油を100mLのペンタンと混合し、混合物を周囲温度で18時間及び冷蔵下で3時間放置して油を結晶化させた。固体を濾過により集め、11.9g(理論値の54パーセント)の標題化合物を融点が86〜88℃の白色の結晶として得た。
NMR:H(CDCl):7.8(dd,1H,J=7.9,8.6),7.53(d,1H,J=7.9),7.46(d,1H,J=8.6),4.1(s,3H)。
【0096】
6.2−メトキシベンゼンスルホニルクロリドの製造
300mLのクロロホルム中の34.1g(149ミリモル)の2−(ベンジルチオ)アニソールの溶液を150mLの水と合わせ、混合物を氷浴を用いて冷却した。冷却及び撹拌しながら温度が5℃未満のままであるような速度でこれに塩素ガス(39g、550ミリモル)を加えた。次いで氷浴を除去し、黄色の混合物を周囲温度に温め、18時間撹拌した。次いで層を分離させ、クロロホルム層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下における蒸発により濃縮した。残留物は油であり、それは放置すると21.3g(理論値の69パーセント)の融点が52〜53℃の標題化合物の白色の結晶を生成した。
NMR:H(CDCl):7.93−7.76(m,1H),7.70−7.65(m,1H),7.13−7.06(m,1H),4.0(s,3H)。
【0097】
7.2−クロロスルホニル−3−メトキシ安息香酸メチルの製造
7.8g(32ミリモル)の3−メトキシ−2−プロピルチオ安息香酸メチル、2.3g(130ミリモル)の水及び30mLの氷酢酸の混合物を調製し、45℃に温めた。撹拌しながら塩素ガス(7.6g、107ミリル)を加えた。暗色の混合物は明るいオレンジ色に変わり、温度は75℃に上昇した。1時間後、混合物を600mLの氷及び水中に注ぎ、すべての氷が溶けるまで撹拌した。存在する固体を濾過により回収し、500mLのジエチルエーテルに溶解した。エーテル溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下における蒸発により濃縮した。淡褐色の固体残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン及び酢酸エチルを用いて溶離させた。生成物−含有画分を合わせ、減圧下における蒸発により濃縮し、5.32g(理論値の62パーセント)の標題化合物を融点が106.5〜108.5℃の明かるいピンク色の固体として得た。元素分析 CClO
計算値:%C,40.8;%H,3.43;%S,12.1
測定値:%C,40.7;%H,3.62;%S,11.8
NMR:H(CDCl):7.68(t,1H,J=8.0),7.21(d,1H,J=8.7),7.03(d,1H,J=7.5),4.05(s,3H),3.90(s,3H)。
【0098】
8.2,6−ジメトキシベンゼンスルホニルクロリドの製造
225mLの乾燥石油エーテル中の15.0g(108ミリモル)の1,3−ジメトキシベンゼン及び13.8g(119ミリモル)のN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの溶液を調製し、0℃に冷却し、次いでヘキサン中の2.5Mブチルリチウムの47.5mL(119ミリモル)を冷却及び撹拌しながら加えた。1時間後、混合物を約−72℃に冷却し、撹拌しながら約70g(1モル)の二酸化硫黄を100mLの乾燥ジエチルエーテル中の飽和溶液として加えた。得られる明黄色の混合物を2時間かけて10℃に温め、次いで存在する粘着性の黄色の固体を濾過により集め、乾燥ジエチルエーテルで数回洗浄した。固体を400mLの乾燥ヘキサン中に懸濁させ、懸濁液を0℃に冷却し、200mLの乾燥ヘキサン中の溶液としての14.6g(108ミリモル)の塩化スルフリルを撹拌及び冷却しながら加えた。0℃において45分後、得られるピンク色の固体を濾過により集め、冷ヘキサンで洗浄し、ジエチルエーテルに溶解した。得られる溶液を3x150mLの冷水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下における蒸発により濃縮し、19.4g(理論値の76パーセント)の標題化合物を融点が89〜91℃の明黄色の結晶性固体として得た。
NMR:H(CDCl):7.51(t,1H,J=8.5),6.64(d,2H,J=8.5),3.92(s,6H)。
【0099】
以下の化合物を同様にして製造した:
2,4−ジメトキシピリジン−3−スルホニルクロリド−融点が118〜120℃の淡褐
色の固体;
NMR:H(CDCl):8.26(d,1H,J=5.9),6.66(d,1H,J=5.9),4.11(s,3H),4.05(s,3H)。
【0100】
9.2−エトキシ−5−メチルベンゼンスルホニルクロリドの製造
20mLのジクロロメタン中の6.8g(50ミリモル)の4−エトキシトルエンの溶液を10mLのジクロロメタン中の10mL(150ミリモル)のクロロスルホン酸の溶液に0℃において冷却及び撹拌しながら加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いでそれを周囲温度に温め、さらに1時間撹拌した。得られる淡褐色の溶液を200mLの氷水中に注ぎ、混合物をジクロロメタンで抽出した。抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下における蒸発により濃縮した。残留する融点が59〜61℃の7.9g(理論値の68パーセント)の明淡褐色の固体は標題化合物であった。
NMR:H(CDCl):7.71(d,1H,J=2.2),7.4(dd,1H,J=8.5,2.2),6.95(d,1H,J=8.5),4.23(q,2H,J=7.0),1.49(t,3H,J=7.0)。
【0101】
10.2−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−スルホニルクロリドの製造
50mLの水を100mLのジクロロメタン中の7.0g(28ミリモル)の2−メトキシ−3−プロピルチオ−4−(トリフルオロメチル)ピリジンの溶液と合わせ、混合物を氷浴を用いて冷却した。撹拌及び冷却しながら塩素ガス(5.1mL、112ミリモル)をゆっくり加えた。次いで混合物を周囲温度に温め、3時間撹拌した。層を分離させ、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下における蒸発により濃縮した。黄色の油の残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及び酢酸エチルの混合物を用いて溶離させた。生成物を含有する画分を合わせ、減圧下における蒸発により濃縮し、4.9g(理論値の64パーセント)の標題化合物を明黄色の油として得た。
NMR:H(CDCl):8.6(d,1H,J=5.4),7.4(d,1H,J=5.4),4.2(s,3H)。
【0102】
質量スペクトルは親ピークM275を有した。
【0103】
以下のピリジン−3−スルホニルクロリド化合物を同様にして製造した:
4−クロロ−2−メトキシピリジン−3−スルホニルクロリド;
NMR:H(CDCl):8.23(d,1H,J=5.6),7.11(d,1H,J=5.2),4.17(s,3H);
質量スペクトル親ピークM275;
2−クロロ−4−メトキシピリジン−3−スルホニルクロリド−淡褐色の結晶性固体;
NMR:H(CDCl):8.47(d,1H,J=5.9),7.03(d,1H,J=5.9),4.13(s,3H);ならびに
2−メトキシピリジン−3−スルホニルクロリド−透明な油;
NMR:H(CDCl):8.46−8.44(dd,1H,J=1.9,4.9),8.22−8.19(dd,1H,J=1.9,7.8),7.08−7.04(dd,1H,J=4.9,7.8),4.16(s,3H)。
【0104】
11.2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)ベンゼンスルホニルクロリドの製造
6mLの水中に3.8g(55ミリモル)の亜硝酸ナトリウムを含有する溶液を冷却及び撹拌しながら、−10℃に予備冷却された12.3g(50ミリモル)の2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)アニリン、18mLの濃塩酸水溶液及び5mLの酢酸の混合物にゆっくり加えた。45分後、得られる混合物を二酸化硫黄(12gより多く
)で飽和された50mLの酢酸中の1.3g(18ミリモル)の塩化第1銅及び0.5g(4ミリモル)の塩化第2銅の−10℃の溶液に分けて加えた。混合物を次いで周囲温度に温め、90分間撹拌し、その後それを氷上に注いだ。得られる混合物をジエチルエーテルで抽出し、抽出物を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下における蒸発により濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン及び酢酸エチルの混合物を用いて溶離させた。生成物を含有する画分を合わせ、減圧下における蒸発により濃縮し、11.0g(理論値の75パーセント)の標題化合物を黄色の油として得た。
NMR:H(CDCl):8.07(dd,1H,J=1.7,8.0),7.76(ddd,1H,J=1.7,7.8,8.1),7.59(dd,1H,J=1.2,8.1),7.45(ddd,1H,J=1.2,7.8,8.0),6.05(tt,1H,J=4.0,53.0)。質量スペクトルは親ピークM292を有した。
【0105】
12.3−アミノ−8−クロロ−5−メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン臭化水素塩の製造
ジクロロメタン中の3モルの臭化シアンの溶液の40mL(120ミリモル)を周囲温度において撹拌しながら19.0g(100ミリモル)の5−クロロ−4−ヒドラジノ−2−メチルチオピリミジン及び200mLの乾燥イソプロピルアルコールと合わせた。得られる混合物を18時間撹拌し、次いで500mLのジエチルエーテルで希釈した。生成する固体を濾過により回収し、乾燥して理論的量の標題化合物を融点が250℃より高い黄色の固体として得た。
元素分析 CBrClS
計算値:%C,24.3;%H,2.38;%N,23.6;%S,10.8
測定値:%C,26.1;%H,2.69;%N,24.0;%S,12.2;
NMR:H(DMSO−d6):7.80(s,1H),2.67(s,3H);13C:150.96,147.90,143.10,138.38,113.16,14.22。
【0106】
以下の3−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン化合物を同様にして製造した:
3−アミノ−8−フルオロ−5−メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン臭化水素塩−融点が168〜170℃の黄色の固体;
元素分析 CBrFS
計算値:%C,25.7;%H,2.51;%N,25.0;%S,11.4
測定値:%C,25.7;%H,2.52;%N,25.0;%S,11.5;
3−アミノ−8−メトキシ−5−メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン臭化水素塩−融点が180〜182℃の淡褐色の固体;
元素分析 C10BrOS
計算値:%C,28.8;%H,3.45;%N,24.0;%S,11.0
測定値:%C,29.0;%H,3.44;%N,23.9;%S,11.1;
3−アミノ−8−ヨード−5−メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン臭化水素塩−融点が197〜199℃の黄色の固体;
元素分析 CBrIS
計算値:%C,18.6;%H,1.82;%N,18.1;%S,8.26
測定値:%C,19.0;%H,2.28;%N,18.0;%S,8.54;
3−アミノ−8−ブロモ−5−メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン臭化水素塩−融点が193〜195℃の黄色の固体;
元素分析 CBr
計算値:%C,21.1;%H,2.07;%N,20.5;%S,9.40
測定値:%C,21.3;%H,2.14;%N,20.6;%S,9.33;
3−アミノ−8−メチル−5−メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン臭化水素塩−融点が234〜236℃の黄色の固体;
元素分析 C10BrS
計算値:%C,30.6;%H,3.30;%N,25.5;%S,11.7
測定値:%C,30.7;%H,3.52;%N,25.3;%S,11.5;
3−アミノ−8−エトキシ−5−メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン臭化水素塩−融点が160〜163℃の黄色の粉末;及び
3−アミノ−5−メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン臭化水素塩−淡褐色の固体;
NMR:H(DMSO−d6):7.52(d,1H,J=6.6),7.13(d,1H,J=6.7),6.08(s,2H),2.61(s,3H)。
【0107】
13.2−アミノ−8−クロロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンの製造
15.0g(51ミリモル)の3−アミノ−8−クロロ−5−メチルチオ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン臭化水素塩、8.2mL(76ミリモル)のアクリル酸エチル及び150mLのメタノールの混合物を調製し、氷浴中で冷却した。冷却及び撹拌しながらメタノール中の4.5モルのナトリウムメトキシドの溶液の17mL(76ミリモル)をこれにゆっくり加えた。添加が完了したら、混合物を周囲温度に温め、18時間撹拌した。次いでそれを2.0mLの酢酸を用いて中和した。生成する固体を濾過により回収し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して7.7g(理論値の75パーセント)の標題化合物を融点が250℃より高い淡褐色の粉末として得た。
元素分析 CClO
計算値:%C,36.1;%H,3.03;%N,35.1%
測定値:%C,36.1;%H,3.19;%N,34.8%
NMR:H(DMSO−d6):8.0(s,1H),6.6(brs,2H),4.1(s,3H);13C 166.40,151.65,147.73,140.95,108.57,56.12。
【0108】
以下の2−アミノ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン化合物を同様にして製造した:
2−アミノ−8−フルオロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−融点が230℃より高い淡褐色の針状結晶;
元素分析 CFO
計算値:%C,39.4;%H,3.30;%N,38.2%
測定値:%C,39.5;%H,3.28;%N,37.7%;
2−アミノ−5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−融点が201〜203℃の淡褐色の粉末;
元素分析 C
計算値:%C,43.1;%H,4.65;%N,35.9%
測定値:%C,43.2;%H,4.67;%N,35.6%;
2−アミノ−7−フルオロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−融点が250℃より高い淡褐色の粉末;
元素分析 CFO
計算値:%C,39.4;%H,3.30;%N,38.2%
測定値:%C,39.6;%H,3.31;%N,38.2%;
2−アミノ−8−ヨード−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−融点が250℃より高い淡褐色の固体;
元素分析 CIO
計算値:%C,24.8;%H,2.08;%N,24.1%
測定値:%C,25.0;%H,1.96;%N,23.8%;
2−アミノ−8−メチル−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−融点が250℃より高い淡褐色の固体;
元素分析 C
計算値:%C,46.9;%H,5.06;%N,39.1%
測定値:%C,46.7;%H,4.84;%N,39.1%;
2−アミノ−8−エトキシ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−融点が190〜191℃の明淡褐色の固体;
元素分析 C
計算値:%C,46.9;%H,5.06;%N,39.1%
測定値:%C,46.7;%H,4.84;%N,39.1%;及び
2−アミノ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−融点が250℃より高い淡褐色の固体;
NMR:H(DMSO−d6):7.82(d,1H,J=6.3),7.03(d,1H,J=6.1),6.31(s,2H),及び4.12(s,3H)。
【0109】
14.2−(N−トリメチルシリルアミノ)−8−クロロ−5−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンの製造
予備冷却された2Lのフラスコ中で窒素下において、425mLの乾燥アセトニトリル中の12.7g(85ミリモル)のヨウ化ナトリウムの混合物を調製し、この混合物に9.25g(10.8mL、85ミリモル)のクロロトリメチルシランを周囲温度で撹拌しながらシリンジを用いて加えた。10分後、17.0g(85ミリモル)の2−アミノ−8−クロロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン及び8.62g(11.9mL、85ミリモル)のトリエチルアミンを撹拌しながら加えた。混合物を撹拌しながら周囲温度で12時間反応させ、次いでそれを500mLの乾燥ジエルチエーテルで希釈した。沈澱する塩を乾燥焼結ガラスフィルター上の濾過により除去し、濾液を減圧下における蒸発により濃縮した。残留物を別の500mLの乾燥ジエチルエーテルで希釈し、塩の除去法を繰り返した。標題化合物は固体残留物として得られ、19.5g(理論値の84パーセント)の量であった。
【0110】
15.(N−(8−クロロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)−2−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミドの製造
150mLの乾燥アセトニトリルに溶解された19.5g(72ミリモル)の2−(N−トリメチルシリルアミノ)−8−クロロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンの溶液を調製し、27.5g(100ミリモル)の2−メトキシ−6−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリドを窒素下に、周囲温度で撹拌しながら加えた。これに撹拌しながら順に6.7g(6.9mL、85ミリモル)の乾燥ピリジン、0.66g(0.60mL、8.5ミリモル)の乾燥ジメチルスルホキシド及び13.7g(85ミリモル)のフッ化セシウムを加えた。混合物を8時間反応させ、次いで存在する固体を濾過により回収した。これらの固体を0.38パーセントの塩酸水溶液の100mL中でスラリ化し、濾過により回収し、次いで100mLのメタノール中でスラリ化し、濾過により回収した。回収される白色の固体を乾燥し、21.3g(理論値の68パーセント)の融点が216〜217℃の標題化合物を得た。
元素分析 C1411ClF
計算値:%C,38.4;%H,2.53;%N,16.0
測定値:%C,38.6;%H,2.50;%N,16.1。
【0111】
16.(N−(8−クロロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)−2,6−ジメトキシベンゼンスルホンアミドの製造
15mLの乾燥アセトニトリル中の0.80g(4.0ミリモル)の2−アミノ−8−クロロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンの懸濁液を調製し、周囲温度で撹拌し、系を乾燥状態に保ちながら1.90g(8.0ミリモル)の2,6−ジメトキシベンゼンスルホニルクロリド、0.63g(8.0ミリモル)の乾燥ピリジン及び0.08g(1ミリモル)の乾燥ジメチルスルホキシドを加えた。18時間後に追加の0.32gの乾燥ピリジンを加え、さらに18時間後に追加の0.08gの乾燥ジメチルスルホキシドを加えた。さらに1時間後、混合物を350mLのジクロロメタンで希釈し、得られる混合物を3x150mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下における蒸発により濃縮した。オレンジ色の油の残留物をジエチルエーテルを用いて摩砕し、標題化合物を明黄色の固体として得、それは乾燥後に1.41g(理論値の88パーセント)の量であり、215.5〜217.5℃で融解した。
元素分析 C1414ClO
計算値:%C,42.1;%H,3.53;%N,17.5;%S,8.02
測定値:%C,42.2;%H,3.62;%N,17.1;%S,7.70
NMR:H(DMSO−d6):11.74(s,1H),8.10(s,1H),7.44(t,1H,J=8.5),6.75(d,2H,J=8.4),4.11(s,3H),3.88(s,3H),3.77(s,6H)。
【0112】
17.2−カルボメトキシ−6−メトキシ−(N−(5,8−ジメトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミドの製造
15mLの乾燥アセトニトリル中の0.70g(3.5ミリモル)の2−アミノ−5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンの懸濁液を調製し、周囲温度で撹拌し、系を乾燥状態に保ちながら1.84g(7.0ミリモル)の2−クロロスルホニル−3−メトキシ安息香酸メチル、0.55g(7.0ミリモル)の乾燥ピリジン及び0.07g(0.9ミリモル)の乾燥ジメチルスルホキシドを加えた。18時間後に追加の0.92gの乾燥ピリジン及び0.07gの乾燥ジメチルスルホキシドを加え、さらに36時間後に追加の0.92gの乾燥ピリジンを加え、さらに18時間後、追加の0.92gの乾燥ピリジン及びさらに0.07gの乾燥ジメチルスルホキシドを加えた。さらに18時間後、混合物を300mLのジクロロメタンで希釈した。有機相を回収し、2x200mLの水及び2x200mLの2N塩酸水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下における蒸発により濃縮した。固体残留物をジエチルエーテルを用いて摩砕し、標題化合物を純度が80パーセントの白色の固体として得た。この固体をシリカゲルカラム上で2回クロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン/エタノール/酢酸可動相を用いて溶離させ(これは大体において不成功であった)、次いで熱メタノールから再結晶させた。得られる生成物は0.274g(理論値の19パーセント)の融点が215〜217℃の光沢のある白色針状結晶であった。
元素分析 C1617
計算値:%C,45.4;%H,4.05;%N,16.5;%S,7.57
測定値:%C,44.7;%H,3.96;%N,16.2;%S,7.93
NMR:H(DMSO−d6):11.76(s,1H),7.60(t,1H,J=8.3),7.28(d,1H,J=8.3),7.05(d,1H,J=7.6),4.07(s,3H),3.88(s,3H),3.81(s,3H),3.78(s,3H)。
【0113】
18.2,6−ジメトキシ−(N−(5,8−ジメトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミドの製造
15mLの乾燥アセトニトリル中の0.80g(4.1ミリモル)の2−アミノ−5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンの懸濁液を調製し、周囲温度で撹拌し、系を乾燥状態に保ちながら1.94g(8.2ミリモル)の2,6−ジメトキシベンゼンスルホニルクロリド、0.65g(8.2ミリモル)の乾燥ピリジン
及び0.08g(1ミリモル)の乾燥ジメチルスルホキシドを加えた。24時間後、混合物を200mLのジクロロメタンで希釈した。有機相を回収し、2x200mLの水及び2x200mLの2N塩酸水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下における蒸発により濃縮した。オレンジ色の固体残留物を5mLのジクロロメタンに溶解し、次いでジエチルエーテルを撹拌しながら滴下した。生成する灰色の固体を濾過により回収し、エーテルで洗浄し、減圧下において50℃で乾燥して1.11g(理論値の68パーセント)の標題化合物を融点が239〜240.5℃のオフホワイト色の固体として得た。
元素分析 C1517
計算値:%C,45.6;%H,4.33;%N,17.7%
測定値:%C,45.7;%H,4.19;%N,17.6%
NMR:H(DMSO−d6):11.54(s,1H),7.55(s,1H),7.44(t,1H,J=8.4),6.74(d,2H,J=8.4),4.06(s,3H),3.88(s,3H),3.76(s,6H)。
【0114】
19.2−メトキシ−5−メチル−(N−(5,8−ジメトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミドの製造
1.0g(5.1ミリモル)の2−アミノ−5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン、2.1g(10ミリモル)の2−メトキシ−5−メチルベンゼンスルホニルクロリド及び15mLの乾燥アセトニトリルの混合物を調製し、これに周囲温度で撹拌しながら、系を乾燥状態に保つ手段を用いて0.8mL(10ミリモル)の乾燥ピリジン及び71マイクロリットル(1.0ミリモル)の乾燥ジメチルスルホキシドを加えた。混合物を18時間撹拌し、次いで追加の1.0g(5.0ミリモル)の2−メトキシ−5−メチルベンゼンスルホニルクロリドを加えた。さらに24時間撹拌を続け、その時点に追加の0.4mLの乾燥ピリジン及び35マイクロリットルの乾燥ジメチルスルホキシドを加えた。さらに9日間撹拌した後、減圧下における蒸発により揮発性物質を除去した。暗色の残留物を50mLの水及び50mLのジエチルエーテルで希釈し、固体を濾過により回収した。固体をジクロロメタン中でスラリ化し、2時間の撹拌の後に濾過により回収し、1.2g(理論値の63パーセント)の標題化合物を融点が217〜219℃の白色の粉末として得た。
元素分析 C1517
計算値:%C,47.5;%H,4.52;%N,18.5;%S,8.45
測定値:%C,47.7;%H,4.61;%N,18.3;%S,8.80
NMR:H(DMSO−d6):12.0(brs,1H),8.1(s,1H),7.7(t,1H,J=8.2),7.56−7.52(m,2H),4.06(s,3H),4.1(s,3H),3.9(s,6H)。
【0115】
20.N−(5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)−2−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−スルホンアミドの製造
0.75g(93.8ミリモル)の2−アミノ−5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン、2.1g(7.6ミリモル)の2−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−スルホニルクロリド及び10mLの乾燥アセトニトリルの混合物を調製し、これに周囲温度で撹拌しながら、系から水分を排除する手段を用いて0.61mL(7.6ミリモル)の乾燥ピリジン、43マイクロリットル(0.6ミリモル)の乾燥ジメチルスルホキシド及び少量の乾燥4Aモレキラーシーブを加えた。混合物を5日間撹拌した。追加の1.0g(3.4ミリモル)の2−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−スルホニルクロリド及び0.30mL(3.5ミリモル)の乾燥ピリジンを加え、混合物をさらに2日間撹拌した。追加の0.30mL(3.5ミリモル)の乾燥ピリジンを加え、撹拌をさらに4日間続けた。次いで混合物を100
mLのジクロロメタンで希釈し、得られる混合物を2x100mLの2N塩酸水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下における蒸発により濃縮した。淡褐色の固体残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン及びエタノールの混合物を用いて溶離させ、0.90g(理論値の54パーセント)の標題化合物を融点が214〜216℃の白色の固体として得た。
元素分析 C1413
計算値:%C,38.7;%H,3.02;%N,19.4;%S,7.38
測定値:%C,38.5;%H,3.15;%N,19.4;%S,7.43
NMR:H(DMSO−d6):12.3(brs,1H),8.64(d,1H,J=5.3)7.60−7.58(m,2H),4.06(s,3H),3.95(s,3H),3.68(s,6H)。
【0116】
21.2−メトキシカルボニル−6−メトキシ−(N−(5−クロロ−8−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミドの製造
0.90g(4.5ミリモル)の2−アミノ−5−クロロ−8−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン及び35mLの乾燥アセトニトリルの混合物を調製し、周囲温度で撹拌しながら系を乾燥状態に保って2.39g(9.06ミリモル)の2−クロロスルホニル−3−メトキシ安息香酸メチル、0.72g(9.1ミリモル)の乾燥ピリジン及び0.071g(0.91ミリモル)のジメチルスルホキシドを加えた。16時間後、追加の0.35g(4.5ミリモル)の乾燥ピリジンを加え、さらに48時間後、混合物の揮発性成分を減圧下における蒸発により除去した。得られる残留物を50mLのジクロロメタン及び50mLの2N塩酸水溶液で希釈し、混合物を72時間激しく撹拌した。存在する固体を濾過により回収し、3x25mLの水、3x10mLのジクロロメタン及び3x10mLのジエチルエーテルを用いて洗浄し、標題化合物を白色の固体として得た。濾液及び洗浄液の全部を合わせ、分液ロートにおいて25mLのジクロロメタン及び25mLの2N塩酸水溶液で希釈した。相を分離させ、有機相を3x50mLの2N塩酸水溶液で洗浄した。次いでそれを硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下における蒸発により濃縮して黄色の固体を得た。これを5.0mLのジクロロメタン中に懸濁させ、固体を濾過により回収し、迅速に2x5.0mLのジクロロメタン及び2x15mLのジエチルエーテルで洗浄し、追加の標題化合物を白色の固体として得た。合わせた標題化合物は1.09g(理論値の56パーセント)の量であり、290〜292℃で分解しながら融解した。
元素分析 C1615ClO
計算値:%C,45.0;%H,3.45;%N,13.1;%S,7.51
測定値:%C,44.9;%H,3.39;%N,12.8;%S,7.79
NMR:H(DMSO−d6):11.60(s,1H),7.62(t,1H,J=7.69),7.24(m,2H),7.05(m,2H),3.92(s,3H),3.83(s,3H),3.77(s,3H)。
【0117】
22.2−メトキシカルボニル−6−メトキシ−(N−(5,8−ジメトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミドの製造
0.871g(2.04ミリモル)の2−メトキシカルボニル−6−メトキシ−(N−(5−クロロ−8−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドをゴム及びガラスの栓を有する乾燥密閉フラスコに入れた。これをカニューレを用いて加えられる20mLの乾燥ジメチルスルホキシドに溶解し、周囲温度で撹拌しながらメタノール中の6.12Mナトリウムメトキシドの1.39mLをシリンジを用いて加えた。16時間後、追加の0.050mLのナトリウムメトキシド溶液を加え、反応をさらに18時間進行させた。混合物を酸性にするのに十分な氷酢酸を加え、次いで混合物を250mLのジクロロメタン中に注いだ。得られる混合物を6x2
00mLの水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下における蒸発により濃縮した。得られる白色固体残留物を600mLのジクロロメタンに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン及びエタノールの混合物を用い、99:1v/v混合物から出発して時間と共にエタノールの量を増加させて溶離させた。生成物を含有する画分を合わせ、減圧下における蒸発により濃縮し、496mg(理論値の57パーセント)の標題化合物を274〜276℃で分解しながら融解するオフホワイト色の固体として得た。
元素分析 C1718
計算値:%C,48.3;%H,4.30;%N,13.3;%S,7.59
測定値:%C,48.6;%H,4.26;%N,13.1;%S,7.83
NMR:H(DMSO−d6):11.33(s,1H),7.61(t,1H,J=8.06),7.28(d,1H,J=8.51),7.02(d,2H,J=7.94),6.42(d,1H,J=8.55),3.98(s,3H),3.85(s,3H),3.82(s,3H),3.75(s,3H)。
【0118】
23.発芽後除草活性の評価
所望の試験植物種の種子を、64平方センチメートルの表面積を有するブラスチック容器中の典型的に6.0〜6.8のpH及び約30パーセントの有機物質含有率を有するGrace−Sierra MetroMix306播種用混合物に蒔いた。良い発芽及び健康な植物を保証することが必要な場合、殺菌剤処理及び/又は他の化学的もしくは物理的処理を施した。約15時間の日照時間を有し、昼間約23〜29℃及び夜間22〜28℃に保たれた温室で植物を7〜21日生育させた。規則的に肥料及び水を与え、必要な時に頭上のハロゲン化金属1000ワットランプを用いて補足光を与えた。植物が第1又は第2真正葉段階(true leaf stage)に達した時に植物を試験に用いた。
【0119】
試験されるべき最高の比率により決定される秤量された量の各試験化合物を20mLのガラスびんに入れ、アセトンとジメチルスルホキシドの97:3v/v(容積/容積)混合物の4mLに溶解し、濃厚原液を得た。試験化合物が容易に溶解しない場合、混合物を温めるか及び/又は音波処理した。得られる濃厚原液を48.5:39:10:1.5:1.0:0.02v/v比のアセトン、水、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、Atplus 411F濃厚作物油及びTriton X−155界面活性剤を含有する水性混合物で希釈し、既知濃度の噴霧溶液を得た。試験されるべき最高濃度を含有する溶液は、原液の2mLアリコートを13mLの混合物で希釈することにより調製し、それより低い濃度は原液の適宜にもっと小部分を希釈することにより調製した。既知の濃度の各溶液の約1.5mLのアリコートを2〜4psi(140〜280キロパスカル)の圧縮空気圧により運転されるDeVilbiss散布機を用いて各試験植物の容器上に均一に噴霧し、各植物を完全に覆った。標準植物には水性混合物を同じ方法で噴霧した。この試験において1ppmの適用比は結局約1g/Haの適用となる。
【0120】
処理植物及び標準植物を上記の通りの温室に置き、試験化合物を洗い流すことを防ぐために地下潅漑により水やりした。2週間後、未処理植物の状態と比較された試験植物の状態を視覚により決定し、0〜100パーセントの尺度で得点をつけ、ここで0は損傷なしに対応し、100は完全な死に対応する。試験されたいくつかの化合物、用いられた適用比、試験された植物種及び結果を表2に示す。
【0121】
【表17】

【0122】
【表18】

【0123】
【表19】

【0124】
【表20】

【0125】
【表21】

【0126】
【表22】

【0127】
【表23】

【0128】
24.発芽前除草活性の評価
約43パーセントのシルト、19パーセントのクレー及び38パーセントの砂から成り、約8.1のpH及び約1.5パーセントの有機物質含有率を有するローム土壌を砂と70:30の比率で混合することにより調製された土壌マトリックスに、所望の試験植物種
の種子を蒔いた。土壌マトリックスは161平方センチメートルの表面積を有するプラスチックの容器に入れられていた。良い発芽及び健康な植物を保証することが必要な場合、殺菌剤処理及び/又は他の化学的もしくは物理的処理を施した。
【0129】
試験されるべき最高の比率により決定される秤量された量の各試験化合物を20mLのガラスびんに入れ、アセトンとジメチルスルホキシドの97:3v/v(容積/容積)混合物の8mLに溶解し、濃厚原液を得た。試験化合物が容易に溶解しない場合、混合物を温めるか及び/又は音波処理した。得られる濃厚原液を水とTween155界面活性剤の99.9:0.1混合物で希釈し、既知濃度の適用溶液を得た。試験されるべき最高濃度を含有する溶液は原液の4mLのアリコートを8.5mLの混合物で希釈することにより調製し、もっと低い濃度は原液の適宜にもっと小部分を希釈することにより調製した。既知の濃度の各溶液の2.5mLのアリコートをTeeJet TN−3中空コーンノズルが取り付けられたCornwall 5.0mLガラスシリンジを用い、播種された各容器の土壌上に均一に噴霧し、各容器の土壌を完全に覆った。標準容器には水性混合物を同じ方法で噴霧した。4.48Kg/Haの最高適用比は50mgの試験化合物が用いられる場合に得られる。処理された容器及び標準容器を約15時間の日照時間を有し、昼間約23〜29℃及び夜間22〜28℃に保たれた温室に置いた。規則的に肥料及び水を与え、必要な時に頭上のハロゲン化金属1000ワットランプを用いて補足光を与えた。水は上部潅漑(top−irrigation)により与えた。3週間後、発芽し、生育した未処理植物の状態と比較された発芽し、生育した試験植物の状態を視覚により決定し、0〜100パーセントの尺度で得点をつけ、ここで0は損傷なしに対応し、100は完全な死又は発芽なしに対応する。試験されたいくつかの化合物、用いられた適用比、試験された植物種及び結果を表3に示す。
【0130】
【表24】

【0131】
【表25】

【0132】
【表26】

【0133】
【表27】

【0134】
【表28】

【0135】
【表29】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、
AはF、Cl、Br又はIあるいはCO(C−Cアルキル)を示すか、あるいはそれぞれ場合により1つのO(C−Cアルキル)、S(C−Cアルキル)、クロロ、ブロモもしくはシアノ置換基によって又は最大可能な数までのフッ素原子によって置換されていることができるC−Cアルキル、O(C−Cアルキル)、O(C−Cアルケニル)、O(C−Cアルキニル)又はS(C−Cアルキル)を示すか、あるいは2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル部分を示し、QがNを示す場合、Hを示し;
BはH、F、Br、I、NO、CN、CO(C−Cアルキル)、NH(C−Cアルキル)又はN(C−Cアルキル)を示すか、あるいはそれぞれ場合により1つのO(C−Cアルキル)、S(C−Cアルキル)、クロロ、ブロモもしくはシアノ置換基によって又は最大可能な数までのフッ素原子によって置換されていることができるO(C−Cアルキル)、O(C−Cアルケニル)、O(C−Cアルキニル)、C−Cアルキル、S(C−Cアルキル)、SO(C−Cアルキル)、SO(C−Cアルキル)、S(C−Cアルケニル)、SO(C−Cアルケニル)、SO(C−Cアルケニル)、S(C−Cアルキニル)、SO(C−Cアルキニル)又はSO(C−Cアルキニル)を示し;但しA及びBは同時にHを示さず;
DはH、F、Cl、Br、I、C−Cアルキル、OCH、OC、CHF、CHF又はCFを示すか;あるいはB及びDは一緒になって場合により1つ又は2つのFもしくはCHで置換されていることができる式O−CH−Oの断片を示す]
のピリジン−3−スルホニルクロリド化合物。
【請求項2】
Aがメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、1−(フルオロメチル)−2−フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロ又はフルオロを示し;Bが水素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメチル、メチルチオ、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フルオロ又はメトキシカルボニルを示し;Dが水素、フルオロ、クロロ、ブロモ又はメチルを示す請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aがメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は1−(フルオロメチル)−2−フルオロエトキシを示し;Bが水素、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、トリフルオロメチル又はメトキシカルボニルを示し;Dが水素又はメチルを示す請求項2に記載の化合物。

【公開番号】特開2009−57384(P2009−57384A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228377(P2008−228377)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【分割の表示】特願平10−515787の分割
【原出願日】平成9年9月23日(1997.9.23)
【出願人】(390039192)ダウ・アグロサイエンス・エル・エル・シー (20)
【氏名又は名称原語表記】Dow AgroSciences LLC
【Fターム(参考)】