説明

ピリドピラジノン誘導体インスリン分泌刺激剤、それらを得る方法および糖尿病を治療するためのそれらの使用

要約
本発明は、インスリン分泌刺激剤としての式(I)のピリドピラジノン誘導体(式中、X、Y、Z1、W、AおよびR1は請求項1で定義されている通りである)に関する。本発明はまた、これらのピリドピラジノン誘導体の調製ならびに糖尿病および関連する病理を予防および/または治療するための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、インスリン分泌刺激剤としての式(I)のピリドピラジノン誘導体に関する。本発明はまた、これらのピリドピラジノン誘導体の調製ならびに糖尿病および関連する病理を予防および/または治療するためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
2型糖尿病は、最も一般的な世界的疾患の1つである。2007年には、その有病率は、成人人口の5.9%(2億4600万人)と推定され、ますます増加している。糖尿病は心臓血管疾患および卒中の主な危険因子である通り、身体障害性か、または致命的となり得る深刻な微小合併症および大合併症をもたらし得るので、この疾患はさらに深刻である。
【0003】
2型糖尿病は、空腹時および食後高血糖により特徴づけられ、2つの主な異常:標的組織レベルでのインスリン抵抗性および膵臓β細胞からのインスリン分泌の変化の結果である。耐糖能異常(IGT)の段階にある非常に初期に、この後者の異常は出現するようである(Mitrakouら、N. Engl. J. Med. 326: 22〜29、1992年)。UK Prospective Diabetes Study(UKPDS)において、糖尿病と診断された時点でβ細胞機能の50%が既に失われていることが観察されており、これは、β細胞機能の低下は、糖尿病と診断される10〜12年前には始まり得ることを示唆している(Holman、Diabetes Res. Clin. Pract. 40 : S21、1998年またはUKPDS Group、Diabetes 44: 1249〜58、1995年)。
【0004】
不十分なインスリン分泌は、β細胞の量的および質的不良、即ち、β細胞質量の低下と、非グルコース分泌促進物質に対する応答は保存されているので、グルコースに応じてのインスリン放出、特に分泌の第一相の特異的不良とによる(Pfeiferら、Am. J. Med. 70: 579〜88、1981年)。グルコースに応じたインスリン放出の正常なプロファイルを回復して、血糖コントロールを正常範囲内に維持することの重要性は、非糖尿病ボランティアにおいて、グルコースに応じたインスリン分泌の第一相を遅らせるとグルコース不耐性をもたらすことを示す研究により支持された(Calles-Escandonら、Diabetes 36: 1167〜72、1987年)。
【0005】
スルホニル尿素またはグリニドなどの2型糖尿病患者を治療するために役立つ経口抗糖尿病剤は、β細胞のK−ATPチャンネル上のスルホニル尿素受容体に結合し、細胞内カルシウムおよびインスリンエキソサイトーシスの増大をもたらすことにより、インスリン分泌を誘発することが知られている。したがって、このインスリン放出は総じて、血漿グルコースレベルとは独立していて、これらの分子での治療は通常、長時間の高インスリン血症を誘発し、これは、深刻な低血糖症、体重増加および心臓血管リスクの悪化などの深刻な副作用をもたらし得る。加えて、スルホニル尿素治療で観察される長期間の高インスリン血症は、β細胞質量の保存作用を伴わない場合、β細胞消耗による二次的不全、これらの化合物の別の有害な副作用をもたらし得る。
【0006】
2型糖尿病の新規な治療は、β細胞質量を保存または増大させつつ、とりわけグルコースに応じた、インスリン放出の正常なプロファイルを回復させるべきである。これは、エクセナチドまたはリラグルチドなどのGLP−1類似体で観察されているが、これらの分子はペプチドであり、非経口経路により投与しなければならない。
【0007】
新規な経口小分子でのこのような特性は、他の抗糖尿病薬を超える多大な利点になるであろう。
【0008】
本発明では、式(I)の化合物は、糖尿病および関連する病理を治療するために有用なインスリン分泌刺激剤である。これらは、2型糖尿病における不十分なグルコース誘発インスリン分泌を回復させることにより、血中グルコースレベルを低下させる。
【0009】
特許出願WO2007020521は、PDE V阻害剤としてのピリドピラジノン誘導体を開示している。
【0010】
EP770079は、PDE IVおよびTNF阻害剤としてのピリドピラジノン誘導体を開示している。
【0011】
特許出願WO2004031189は、不安および鬱病を治療するための副腎皮質刺激ホルモン放出因子受容体アンタゴニストとしてのピリドピラジノン誘導体を開示している。
【0012】
US4296114は、抗炎症剤としてのピリドピラジノン誘導体を記載している。
【0013】
先行技術はいずれも、抗糖尿病活性を有するピリドピラジノン誘導体を開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】WO2007020521
【特許文献2】EP770079
【特許文献3】WO2004031189
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Mitrakouら、N. Engl. J. Med. 326: 22〜29、1992年
【非特許文献2】Holman、Diabetes Res. Clin. Pract. 40 : S21、1998年
【非特許文献3】UKPDS Group、Diabetes 44: 1249〜58、1995年
【非特許文献4】Pfeiferら、Am. J. Med. 70: 579〜88、1981年
【非特許文献5】Calles-Escandonら、Diabetes 36: 1167〜72、1987年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
発明の概要
本発明は、式(I)のピリドピラジノン誘導体を対象とする。前記誘導体は、糖尿病および関連する病理を治療するために有用である。本発明によるピリドピラジノン誘導体は、下式(I)を有し:
【0017】
【化1】

【0018】
[式中、
X、Y、Z、Wのうちの1個の原子は、窒素原子であり、他は、
− 水素、
− T
から選択される置換基により置換されている炭素原子であり;
Xは好ましくは、Nであり;
Aは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アリールアルコキシアルキル、アリールチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、ヘテロアリールアルコキシアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、ヘテロアリールアルキルチオアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシアルキル、ヘテロシクロアルキルアルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキルチオアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルチオアルキル、アリールアケニル(arylakenyl)、アリールアルキニルであり;ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル基は、N、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子を含有していてもよく;
これらの基はそれぞれ、Tから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよく;
好ましくは、Aは、N、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子を含有していてもよいアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールであり;これらの基はそれぞれ、Tから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよく;
より好ましくは、Aは、フェニル、ベンジルであり、これらの基はそれぞれ、Tから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよく;
Aは好ましくは、アリール、より好ましくは、フェニルであり;
R1は、アルキル、アルキルオキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシアルキル、ヘテロシクロアルキルアルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキルチオアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルチオアルキル、R3R4N−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルであり;
これらの基はそれぞれ、Tから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよく;
好ましくは、R1は、アルキル、アルキルオキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシアルキル、ヘテロシクロアルキルアルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキルチオアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルチオアルキルであり、これらの基はそれぞれ、Tから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよく;
より好ましくは、R1は、アルキル、アルキルオキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルであり;これらの基はそれぞれ、Tから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよく;
いっそうより好ましくは、R1は、エチル;イソプロピル;ブチル;2,2−ジフルオロエチル;2−メトキシエチル;シクロプロピル;シクロプロピルメチルであり;
Tは、優先なしに、下記の基:ヒドロキシ、チオ、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、カルボキシ、カルボキシメチル(carboxymethyle)、カルボキシエチル(carboxyethyle)、アルキル(alkyle)、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アリール(aryle)、アリールスルホニルアルキル(aryle sulfonylalkyl)、アリールオキシ、アリールアルコキシ、NR3R4、アジド、ニトロ、グアニジノ、アミジノ、ホスホノ、オキソ、カルバモイル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルチオ、SF5から選択され、2個のT基は、メチレンジオキシ(mehylenedioxy)を形成していてよく;
好ましくは、Tは、ヒドロキシ、チオ、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、カルボキシ、カルボキシメチル、カルボキシエチル、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、アリールスルホニルアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、NR3R4、アジド、グアニジノ、アミジノ、ホスホノ、オキソ、カルバモイル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルチオ、SF5であり、2個のT基は、メチレンジオキシを形成していてよく;
より好ましくは、Tは、ハロゲン、トリフルオロメチル、アルキル、アルコキシであり;
いっそうより好ましくは、Tは、アルキル、シクロアルキル、Cl、Fであり;
R3およびR4は独立に、水素、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され;
R3およびR4はまた、N、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子を含有していてもよいヘテロシクロアルキル基を構成していてよく;
R3およびR4は独立に、Tから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよく;
好ましくは、R3およびR4は独立に、低級アルキル、シクロアルキルから選択される]
さらに、そのラセミ体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピマーおよび多形体ならびにそれらの混合物、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩である。
【0019】
式(I)の化合物は、下記の化合物:
3−(ベンジルチオ)−1−エチルピラジン−2(1H)−オン
3−ベンジルスルホニル−1−エチルピラジン−2(1H)−オン
3−[(4−クロロベンジル)スルホニル]−1−エチルピラジン−2(1H)−オン
3−[(4−メチルベンジル)スルホニル]−1−プロピルピラジン−2(1H)−オン
3−[(4−フルオロベンジル)スルホニル]−1−プロピルピラジン−2(1H)−オン
3−(ベンジルスルホニル)−1−プロピルピラジン−2(1H)−オン
1−エチル−3−[(4−ブロモベンジル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
3−[(4−クロロベンジル)チオ]−1−プロピルピラジン−2(1H)−オン
3−[(4−クロロベンジル)スルホニル]−1−プロピルピラジン−2(1H)−オン
3−[(3−クロロベンジル)スルホニル]−1−プロピルピラジン−2(1H)−オン
1−メチル−3−[(4−クロロベンジル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
1−ブチル−3−[(2−フルオロベンジル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
1−ブチル−3−[(3−トリフルオロメチルベンジル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
1−ブチル−3−[(4−クロロベンジル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
3−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]スルホニル}−1−プロピルピラジン−2(1H)−オン
1−エチル−3−{[2−(4−メトキシフェノキシ)エチル]スルホニル}ピラジン−2(1H)−オン
3−{[2−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル]スルホニル}−1−エチルピラジン−2(1H)−オン
3−[(1,1’−ビフェニル−4−イルメチル)スルホニル]−1−エチルピラジン−2(1H)−オン
3−{[2−(4−クロロフェノキシ)エチル]スルホニル}−1−エチルピラジン−2(1H)−オン
3−{[2−(4−メチルフェニル)エチル]スルホニル}−1−プロピルピラジン−2(1H)−オン
3−{[2−(4−クロロフェニル)エチル]スルホニル}−1−エチルピラジン−2(1H)−オン
3−[(1,1’−ビフェニル−4−イルメチル)スルホニル]−1−ブチルピラジン−2(1H)−オン
3−[(4−メトキシベンジル)スルホニル]−1−プロピルピラジン−2(1H)−オン
3−[(3−フルオロベンジル)スルホニル]−1−メチルピラジン−2(1H)−オン
3−[(2−フルオロベンジル)スルホニル]−1−メチルピラジン−2(1H)−オン
1−ブチル−3−[(4−メトキシベンジル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
1−エチル−3−[(4−フルオロベンジル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
1−エチル−3−[(3−トリフルオロメチベンジル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
1−エチル−3−[(3−フルオロベンジル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
1−エチル−3−[(2−フルオロベンジル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
1−ブチル−3−[(3−フルオロベンジル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
1−ブチル−3−[(2−メチルベンジル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
1−エチル−3−[(2−メチルベンジル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
3−[(4−クロロベンジル)スルフィニル]−1−エチルピラジン−2(1H)−オン
5−ブロモ−3−[(4−クロロベンジル)チオ]−1−エチルピラジン−2(1H)−オン
5−ブロモ−3−[(4−クロロベンジル)スルホニル]−1−エチルピラジン−2(1H)−オン
3−[(4−クロロベンジル)スルホニル]−1−エチル−5−フェニルピラジン−2(1H)−オン
3−[(4−クロロベンジル)スルホニル]−5−(4−クロロフェニル)−1−エチルピラジン−2(1H)−オン
3−[(4−クロロベンジル)スルホニル]−1−エチル−5−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2(1H)−オン
2−[(6−クロロ−4−エチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロピラジン−2−イル)チオ]−N−フェニルアセトアミド
2−[(6−クロロ−4−エチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロピラジン−2−イル)スルホニル]−N−フェニルアセトアミド
5−クロロ−1−エチル−3−[(2−オキソ−2−ピペリジン−1−イルエチル)スルホニル]ピラジン−2(1H)−オン
2−[(6−クロロ−4−エチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロピラジン−2−イル)スルホニル]−N−メチル−N−フェニルアセトアミド
2−[(6−クロロ−4−エチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロピラジン−2−イル)スルホニル]−N−シクロヘキシル−N−メチルアセトアミド
さらに、そのラセミ体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピマーおよび多形体ならびにそれらの混合物、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩から選択することができる。
【0020】
より好ましくは、本発明による式(I)の化合物は、
2−(4−クロロベンジル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−(2,2−ジフルオロエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−(シクロプロピルメチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピルメチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−エチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−イソプロピル−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロフェニル)−4−(2−メトキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロフェニル)−4−(2−メトキシエチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロフェニル)−4−エチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−エチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピルメチル−2−(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−エチル−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
さらに、そのラセミ体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピマーおよび多形体ならびにそれらの混合物、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩から選択することができる。
【0021】
本発明はまた、一般式(I)の化合物のラセミ体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピマーおよび有機または無機塩、さらに、その多形体を包含するその結晶形および式(I)の化合物の多形体に関する。
【0022】
本発明は、これらの化合物のラセミ混合物だけではなく、その個々の立体異性体および/またはジアステレオ異性体に、さらに、あらゆる比でのこれらの混合物を対象とする。上記で定義された通り、十分に酸性な官能基もしくは十分に塩基性の官能基またはその両方を含有する式(I)の本発明の化合物は、有機もしくは無機酸または有機もしくは無機塩基の対応する薬学的に許容できる塩を包含し得る。
【0023】
「薬学的に許容できる塩」との表現は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機および有機酸付加塩ならびに塩基付加塩を指す。これらの塩は、化合物の最終単離および精製の間にその場(in situ)で調製することができる。詳細には、精製された化合物をその精製された形態で有機または無機酸と別に反応させ、そうして形成した塩を単離することにより、酸付加塩を調製することができる。生じる塩は例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩(hydrogenosulfate)、リン酸二水素塩(dihydrogenophosphate)、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩である。
【0024】
本発明はまた、有機または無機塩基との薬学的に許容できる塩に関する。詳細には、精製された化合物をその精製された形態で有機または無機塩基と別に反応させ、そうして形成した塩を単離することにより、塩基付加塩を調製することができる。生じる塩は例えば、金属塩、詳細には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩および遷移金属塩(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなど)、またはアンモニアまたは第2級もしくは第3級アミン(ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンなど)などの塩基で、または塩基性アミノ酸で、またはオサミン(メグルミンなど)で、またはアミノアルコール(3−アミノブタノールおよび2−アミノエタノールなど)で得られる塩である。
【0025】
本発明はまた、ラセミ化合物をキラル分割するために使用される塩に関する。
【0026】
例として、下記のキラル酸を使用することができる:(+)−D−ジ−O−ベンゾイル酒石酸、(−)−L−ジ−O−ベンゾイル酒石酸、(−)−L−ジ−O,O’−p−トルイル−L−酒石酸、(+)−D−ジ−O,O’−p−トルイル−L−酒石酸、(R)−(+)−リンゴ酸、(S)−(−)−リンゴ酸、(+)−樟脳酸、(−)−樟脳酸、R−(−)1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルヒドロゲノホスホン酸、(+)−カンファン酸、(−)−カンファン酸、(S)−(+)−2−フェニルプロピオン酸、(R)−(+)−2−フェニルプロピオン酸、D−(−)−マンデル酸、L−(+)−マンデル酸、D−酒石酸、L−酒石酸または任意のその混合物。例として、下記のキラルアミンを使用することができる:キニン、ブルシン、(S)−1−(ベンジルオキシメチル)プロピルアミン(III)、(−)−エフェドリン、(4S,5R)−(+)−1,2,2,3,4−テトラメチル−5−フェニル−1,3−オキサゾリジン、(R)−1−フェニル−2−p−トリルエチルアミン、(S)−フェニルグリシノール、(−)−N−メチルエフェドリン、(+)−(2S,3R)−4−ジメチルアミノ−3−メチル−1,2−ジフェニル−2−ブタノール、(S)−フェニルグリシノール、(S)−α−メチルベンジルアミンまたは任意のそれらの混合物。
【0027】
また、本発明範囲には、式(I)の化合物のプロドラッグが包含される。
【0028】
本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」との用語は、生物系に投与されると、自発的な化学反応、酵素に触媒される化学反応および/または代謝による化学反応の結果として「薬物」物質(生物学的に活性な化合物)を生じる任意の化合物を指す。
【0029】
本発明では、かつ本明細書で使用される場合、下記の用語は、別段に明確に述べられていない限り、下記の意味で定義される。
【0030】
「アリール」との用語は、5〜14個の環原子および共役パイ(π)電子系を有する少なくとも1個の環を有する芳香族基を指し、ビアリール基を包含し、いずれも置換されていてもよい。適切なアリール基には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、フェナントリル、インデニルなどが包含される。
【0031】
「ヘテロアリール」との用語は、1から4個のヘテロ原子を芳香族環中の環原子として含有し、残りの環原子が炭素原子である5〜14個の環原子の芳香族複素環を指す。適切なヘテロ原子には、O、S、Nが包含される。適切なヘテロアリール基には、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、ピリジル、ピリジル−N−オキシド、ピリミジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、キノリニル、トリアゾリル、ピリダジニル、ピロリル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、インドリル、オキサジアゾリルなどが包含される。
【0032】
「シクロアルキル」との用語は、置換されていてもよい飽和炭素環基を意味し、3から10個の炭素原子を有する単環式、二環式および三環式化合物を包含する。適切なシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、アダマンチルなどである。
【0033】
「ヘテロシクロアルキル」との用語は、好ましくはO、SおよびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を任意選択で酸化された状態(SおよびNで)で含み、任意選択で1個または複数の二重結合を含む置換されていてもよい単環式、二環式または三環式基を指す。環のうちの少なくとも1個は好ましくは、1から4個の環内ヘテロ原子、より好ましくは1から3個のヘテロ原子を含む。最も好ましくは、ヘテロシクロアルキル(または単に「複素環式」)基は、それぞれ5から8個の節を有する1個または複数の環を含む。複素環基の例は、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、ピラゾリジニル、1,3−ジオキソラニル、ピロリジニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、イソオキサゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニルなどである。
【0034】
「アルキル」との用語は、直鎖および分枝鎖基を包含する飽和脂肪族基を指す。1から20個の炭素原子を有する適切なアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デカノイル、ドデカノイル、ヘキサデシル、オクタデシル基などが包含される。
【0035】
「アルキレン」との用語は、アルキル基から1個の水素原子を除いた後に得られる二価基を指す。
【0036】
「アルケニル」との用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む不飽和基を指し、直鎖、分枝鎖および環式基を包含する。2から20個の炭素原子を有する適切なアルケニル基には、エテニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニルなどが包含される。
【0037】
「アルキニル」との用語は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含む不飽和基を指し、直鎖、分枝鎖および環式基を包含し、任意選択で、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を包含する。2から20個の炭素原子を有する適切なアルキニルには、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニルなどが包含される。
【0038】
「アリールアルキル」との用語は、アリール基で置換されているアルキル基、好ましくは、1から20個の炭素原子を有するアルキル基を指す。適切なアリールアルキル基には、ベンジル、ピコリルなどが包含される。
【0039】
「アルコキシ」との用語は、「alk」がアルキル基である基alk−O−を指す。
【0040】
「アリールオキシ」との用語は、基アリール−O−を指す。
【0041】
「アリールオキシアルキル」との用語は、アリールオキシ基で置換されているアルキル基を指す。
【0042】
「アリールアルコキシアルキル」との用語は、アリールアルコキシ基で置換されているアルキル基を指す。
【0043】
「アリールアルコキシ」との用語は、「Alk」がアルキル基である基アリール−Alk−O−を指す。
【0044】
「アリールチオアルキル」との用語は、アリールチオ基で置換されているアルキル基を指す。
【0045】
「アリールアルキルチオアルキル」との用語は、アリールアルキルチオで置換されているアルキル基を指す。
【0046】
「ヘテロアリールアルキル」との用語は、ヘテロアリール基で置換されているアルキル基を指す。
【0047】
「ヘテロアリールオキシアルキル」との用語は、ヘテロアリールオキシ基で置換されているアルキル基を指す。
【0048】
「ヘテロアリールアルコキシアルキル」との用語は、ヘテロアリールアルコキシ基で置換されているアルキル基を指す。
【0049】
「ヘテロアリールチオアルキル」との用語は、ヘテロアリールチオ基で置換されているアルキル基を指す。
【0050】
「ヘテロアリールアルキルチオアルキル」との用語は、ヘテロアリールアルキルチオ基で置換されているアルキル基を指す。
【0051】
「ヘテロシクロアルキルアルキル」との用語は、ヘテロシクロアルキル基で置換されているアルキル基を指す。
【0052】
「ヘテロシクロアルキルオキシアルキル」との用語は、ヘテロシクロアルキルオキシ基で置換されているアルキル基を指す。
【0053】
「ヘテロシクロアルキルアルコキシアルキル」との用語は、ヘテロシクロアルキルアルコキシ基で置換されているアルキル基を指す。
【0054】
「ヘテロシクロアルキルチオアルキル」との用語は、ヘテロシクロアルキルチオ基で置換されているアルキル基を指す。
【0055】
「ヘテロシクロアルキルアルキルチオアルキル」との用語は、ヘテロシクロアルキルアルキルチオ基で置換されているアルキル基を指す。
【0056】
「アリールアルニル」との用語は、アリール基で置換されているアルケニル基を指す。
【0057】
「アリールアルキニル」との用語は、アリール基で置換されているアルキニル基を指す。
【0058】
「シクロアルキルアルキル」との用語は、シクロアルキル基で置換されているアルキル基を指す。
【0059】
「ヘテロシクロアルキルオキシアルキル」との用語は、ヘテロシクロアルキルオキシ基で置換されているアルキル基を指す。
【0060】
「ヘテロシクロアルキルアルコキシアルキル」との用語は、ヘテロシクロアルキルアルコキシ基で置換されているアルキル基を指す。
【0061】
「ヘテロシクロアルキルチオアルキル」との用語は、ヘテロシクロアルキルチオ基で置換されているアルキル基を指す。
【0062】
「ヘテロシクロアルキルアルキルチオアルキル」との用語は、ヘテロシクロアルキルアルキルチオ基で置換されているアルキル基を指す。
【0063】
本明細書において有機基または化合物に関連して言及されている「低級」との用語はそれぞれ、そのものを、包括的に10個まで、好ましくは包括的に6個まで、有利には1から4個の炭素原子を有すると定義している。このような基は、直鎖、分枝鎖または環式鎖であってよい。
【0064】
「アリールスルホニルアルキル」との用語は、「Alk」がアルキル基である基アリール−SO2−Alkを指す。
【0065】
「アルキルチオ」との用語は、「alk」がアルキル基である基アルキル−S−を指す。
【0066】
「ハロゲン」との用語は、フッ素、臭素または塩素原子を指す。
【0067】
「アミジノ」との用語は、−C(NR3)−NR3R4を指し、ここで、R3R4は上記で定義された通りであり、水素を除いて全て、置換されていてもよい。
【0068】
式(I)による本発明の化合物は、血糖降下活性を示し、インスリン抵抗性症候群に関連する病理を治療するのに有用である。
【0069】
インスリン抵抗性は、インスリンの作用の低下により特徴づけられ(「Presse Medicale」、(1997年)、26(14)、671〜677参照)、糖尿病、より詳細には非インスリン依存性糖尿病(2型糖尿病またはNIDDM)、異脂肪血症、肥満、動脈性高血圧ならびにまた、ある種の心臓、微小血管および大血管合併症、例えば、アテローム動脈硬化症、網膜障害および神経障害などの多くの病理学的状態に関与している。これに関連して、例えば、Diabetes、37、(1988年)、1595〜1607; Journal of Diabetes and its complications、12、(1998年)、110〜119; Horm. Res.、38、(1992年)、28〜32が参照されるであろう。
【0070】
本発明はまた、活性成分として少なくとも1種の上記で定義された通りの式(I)の化合物および/または薬学的に許容できるその塩を1種または複数の薬学的に許容できる担体、補助剤、希釈剤もしくは賦形剤と組み合わせて含有する医薬組成物に関する。当業者であれば、医薬組成物を製剤するために適しているこのような様々な担体、補助剤、希釈剤または賦形剤化合物の全体が分かる。
【0071】
本発明の医薬組成物は、経口、非経口、静脈内、筋肉内、直腸、経粘膜または経皮を包含する様々な経路により投与することができる。
【0072】
したがってこれらは、注射可能な液もしくは懸濁液または多回投与用ボトルの形態で、そのままかもしくはコーティングされた錠剤、糖衣錠剤、ウェハカプセル、ゲルカプセル、ピル、サシェ、粉剤、坐剤もしくは直腸カプセル、液剤もしくは懸濁剤の形態で、極性溶媒中で経皮使用するために、または経粘膜使用するために提供されるであろう。
【0073】
このような投与に適した賦形剤は、固体形態ではセルロースまたは微結晶性セルロース誘導体、アルカリ土類金属炭酸塩、リン酸マグネシウム、デンプン、変性デンプン、ラクトースなどの薬学的に許容できる賦形剤である。
【0074】
直腸での使用では、カカオ脂またはステアリン酸ポリエチレングリコールが好ましい賦形剤である。
【0075】
非経口での使用では、水、水溶液、生理食塩水および等張液が、使用に最も適している媒体である。例えば、経口投与では、例えば、顆粒、錠剤もしくはコーティングされた錠剤、ピル、カプセル、ゲルカプセル、ゲル、カシェ剤または粉剤の形態では、化合物の適切な薬量は、1日当たり体重当たり約0.1mg/kgから約100mg/kg、好ましくは、約0.5mg/kgから約50mg/kg、より好ましくは、約1mg/kgから約10mg/kg、最も好ましくは、約2mg/kgから約5mg/kgである。
【0076】
使用することができる上記の通りの1日経口用量範囲を説明するために10kgおよび100kgの代表的な体重で考えると、式(I)の化合物の適切な用量は、約1〜10mg/日から1000〜10000mg/日、好ましくは約5〜50mg/日から500〜5000mg/日、より好ましくは10〜100mgから100〜1000mg/日、最も好ましくは、20〜200mgから50〜500mg/日であろう。
【0077】
しかしながら、任意の特定の患者での特異的な用量レベルは、当業者であればよく理解するように、使用される特異的な化合物の活性;治療される個人の年齢、体重、全身健康、性別および食事;投与時間および経路;排出速度;既に投与されている他の薬物;ならびに治療を受ける特定の疾患の重症度を包含する様々な因子に左右されることは理解されるであろう。
【0078】
上記の通り、経口投与に適した本発明の製剤を、それぞれ予め決定された量の活性成分を含有するカプセル、カシェ剤もしくは錠剤などの個別の単位として;粉剤もしくは顆粒として;水性もしくは非水性液中の液剤もしくは懸濁剤として;または水中油型液体エマルションもしくは油中水型液体エマルションとして提供することができる。活性成分はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与することができる。
【0079】
本発明はまた、高血糖に関連する病理を予防および/または治療するための医薬品を調製するため;好ましくは糖尿病を治療するため、より好ましくは2型糖尿病ならびに高インスリン血症により増大する代謝障害、高コレステロール血症、高脂血症および高血糖に関連する病理を予防および/または治療するための、グルコース濃度に応じたインスリン分泌を誘発する医薬品を調製するため;動脈性高血圧、炎症プロセス、微小血管症、大血管障害、網膜障害および神経障害などの糖尿病関連の微小血管および大血管合併症から選択される疾患を治療するため;異脂肪血症および肥満、またはアテローム動脈硬化症、心筋虚血を含む心臓血管疾患などの疾患を治療するために、高血糖を低下させるための、一般式(I)の化合物、さらに、そのラセミ体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピマーおよび多形体ならびにそれらの混合物、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩に関する。
【0080】
本発明はまた、高血糖に関連する病理を予防および/または治療するため、好ましくは糖尿病を治療するため、より好ましくは2型糖尿病ならびに高インスリン血症により増大する代謝障害、高コレステロール血症、高脂血症および高血糖に関連する病理を予防および/または治療するため;動脈性高血圧、炎症プロセス、微小血管症、大血管障害、網膜障害および神経障害などの糖尿病関連の微小血管および大血管合併症から選択される疾患を治療するため;異脂肪血症および肥満、またはアテローム動脈硬化症、心筋虚血を含む心臓血管疾患などの疾患を治療するため、高血糖を低下させるために、少なくとも1種の一般式(I)の化合物、さらに、そのラセミ体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピマーおよび多形体ならびにそれらの混合物、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩、ならびにそのプロドラッグを使用することに関する。
【0081】
本発明はまた、スキーム1(中間体ジアミノピリジン誘導体の調製);スキーム2(方法A)またはスキーム3(方法B)(式中、X、Y、Z、W、R1、Aは式(I)で上記で定義された通りであり、Halは、ハロゲン原子、好ましくはClまたはBrである)に示されている下記の代表的な方法に従って、上記で定義された通りの式(I)の化合物を製造する方法に関する。
【0082】
下記のスキームは、代表的な目的のために示されており、説明を容易にすることを単に目的としている。言うまでもなく、得られる式(I)の化合物の性質に応じて、当業者は示されている方法を、適切な出発物質を選択することにより改変することができ、その際、置換基R1およびAの性質を、特に、所望の鎖の性質および長さを目的として変更することができる。
【0083】
本発明で有用な化合物は、特に述べられていない限り、従来使用されているか、または文献、特許もしくは特許出願、Chemical Abstractおよびインターネット上に記載されている方法を意味する、既知の方法を適用または改変することにより調製することができる。
【0084】
中間体ジアミノピリジン誘導体の調製:
【0085】
【化2】

【0086】
[式中、
Halは、ハロゲン原子、好ましくは、Cl、Brであり;
R1は、式(I)において上記で定義された通りであり;
X、Y、ZおよびWは、式(I)において上記で定義された通りである]。
【0087】
少なくとも1当量の炭酸ナトリウムまたはカリウム、炭酸セシウムなどの塩基の存在下、または少なくとも2当量の考えられるアミンの存在下、テトラヒドロフラン、アセトニトリルまたはトルエンなどの不活性溶媒中、20℃から還流の温度で1から24時間、式(1)のハロ−ニトロピリジン誘導体をアミンと反応させることにより、式(2)のピリジンニトロアミノ誘導体を調製する。ニトロを対応する第1級芳香族アミンに還元することにより、式(2)の化合物から、式(3)のジアミノピリジン誘導体を調製することができる。好ましい方法は、Zn、SnまたはFeなどの金属をHCl水溶液などの酸中で使用する。他の好ましい方法は、塩化Sn(II)などの低い酸化状態の金属をHCl中で使用する。特に好ましいのは、接触水素化による還元であり、これは、溶媒中のPd、PtもしくはNiなどの金属からの金属触媒、好ましくは、炭素上に担持されているPdまたはメタノール、エタノール、テトラヒドロフランなどのラネーニッケルを使用する。
【0088】
ピリドピラジノン誘導体の調製:
【0089】
【化3】

【0090】
この方法は、
Rxが、Hal、ORe(ここで、Reは水素、低級アルキルである)であり;
Halが、ハロゲン原子、好ましくは、Cl、Brであり;
R1が、式(I)において上記で定義された通りであり;
Aが、式(I)において上記で定義された通りであり;
X、Y、ZおよびWが、式(I)において上記で定義された通りである
式(I)の化合物に特に適している。
【0091】
例えば、メタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)またはトルエンなどの溶媒中、20℃から還流の温度で、より好ましくは還流で1から36時間、式(3)の化合物をα−ケト酸誘導体で環化することにより、式(I)のピリドピラジノンを調製する。
【0092】
【化4】

【0093】
この方法は、
Rxが、Hal、ORe(ここで、Reは水素、低級アルキルである)であり;
Halが、ハロゲン原子、好ましくは、Cl、Brであり;
R1が、式(I)において上記で定義された通りであり;
Aが、式(I)において上記で定義された通りであり;
X、Y、ZおよびWが、式(I)において上記で定義された通りである
式(I)の化合物に特に適している。
【0094】
少なくとも1当量の塩基、炭酸ナトリウムもしくはカリウム、炭酸セシウムなどの無機塩基またはトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基の存在下、例えば、ジクロロメタン、アセトニトリル、DMFなどの不活性溶媒中、20℃から還流の温度で1から24時間、式(3)の化合物を、例えば、クロロオキソ酢酸誘導体を用いて環化することにより、式(5)のヒドロキシピリドピラジノンを得る。
【0095】
POBr3などの臭素化剤を使用して、1,2−ジクロロエタンなどの不活性溶媒中、20℃から還流の温度で、より好ましくは、還流で1から24時間、式(5)の化合物を臭素化することにより、式(6)のブロモ誘導体を調製する。
【0096】
炭酸ナトリウムまたはカリウムなどの塩基およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリドなどの触媒の存在下、ジメチルホルムアミドまたはトルエンなどの不活性溶媒中、20℃から還流の温度で、より好ましくは、還流で1から24時間、式(6)のブロモ化合物をボロン酸誘導体またはそのエステルと反応させることにより、式(I)のピリドピラジノンを調製する。
【0097】
下記の例で、本発明を説明するが、これは、本発明を制限するものではない。使用される出発物質は、知られている生成物であるか、知られている手順に従って調製される生成物である。パーセンテージは、別段に述べられていない限り、重量を元に示されている。
【0098】
化合物を特に下記の分析技術を介して特性決定した。
【0099】
NMRスペクトルは、Bruker Avance DPX 300MHz NMR分光計を使用して得た。
【0100】
質量は、Agilent Series 1100質量検出器に接続されたHPLCにより決定した。融点(m.p.)は、Stuart Scientificブロックで測定した。
例:
例1:N−(シクロプロピルメチル)−3−ニトロピリジン−2−アミン
【0101】
【化5】

【0102】
テトラヒドロフラン12ml中の2−クロロ−3−ニトロピリジン3g(18.9mM)およびシクロプロピルメチルアミン5g(70.3mM)を撹拌しながら1時間還流させた。水を加え、水性層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空下に除去すると、N−(シクロプロピルメチル)−3−ニトロピリジン−2−アミン3.5gが黄色のオイルとして得られた。収率:95.7%。
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):0.06(m,2H)、0.24(m,2H)、0.95(m,1H)3.22(t,1H)、6.53(m,1H)、8.18(m,1H)、8.25(m,1H)、8.31(m,1H)
下記の化合物を、例1においてと同じ手順を使用して得た。
例1−2:N−(2,2−ジフルオロエチル)−3−ニトロピリジン−2−アミン
【0103】
【化6】

【0104】
71232=203.15 質量分析 M+1=204
例1−3:N−シクロプロピル−3−ニトロピリジン−2−アミン
【0105】
【化7】

【0106】
8932=179.18 質量分析 M+1=180.0
例1−4:N−(シクロプロピル)−3−ニトロピリジン−4−アミン
【0107】
【化8】

【0108】
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):0.46(m,2H)、0.67(m,2H)、2.45(m,1H)、7.05(d,1H)、8.05(s,1H)、8.14(d,1H)、8.79(s,1H)
例1−5:N−(シクロプロピルメチル)−3−ニトロピリジン−4−アミン
【0109】
【化9】

【0110】
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):0.20(m,2H)、0.39(m,2H)、1.05(m,1H)、3.17(t,2H)、6.94(d,1H)、8.15(d,1H)、8.33(s,1H)、8.91(s,1H)
例2:N2−(シクロプロピルメチル)ピリジン−2,3−ジアミン
【0111】
【化10】

【0112】
N−(シクロプロピルメチル)−3−ニトロピリジン−2−アミン3.5g(18.1mM)のメタノール36ml溶液に、5%で炭素に担持されているパラジウム700mgを加えた。反応混合物を室温、水素雰囲気下、室圧で3時間撹拌した。触媒をセライトで濾過し、濾液を真空下で蒸発させると、N2−(シクロプロピルメチル)ピリジン−2,3−ジアミン3.1gが固体として得られた。収率:99.5%。
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):0.00(m,2H)、0.24(m,2H)、0.89((m,1H)、2.96(t,2H)、4.5(s,2H)、5.37(t,1H)、6.15(m,1H)、6.44(d,1H)、7.13(1d,1H)
下記の化合物を例2と同じ手順を使用して得た。
例2−2:N2−(2,2−ジフルオロエチル)ピリジン−2,3−ジアミン
【0113】
【化11】

【0114】
7923=173.16 質量分析 M+1=174.1
例2−3:N2−シクロプロピルピリジン−2,3−ジアミン
【0115】
【化12】

【0116】
8113=149.19 質量分析 M+1=150.1
例2−4:N4−シクロプロピルピリジン−3,4−ジアミン
【0117】
【化13】

【0118】
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):0.29(m,2H)、0.61(m,2H)、2.23(m,1H)、4.40(s,2H)、5.65(s,1H)、6.50(d,1H)、7.49(m,2H)
例2−5:N4−(シクロプロピルメチル)ピリジン−3,4−ジアミン
【0119】
【化14】

【0120】
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):0.02(m,2H)、0.28(m,2H)、0.84(m,1H)、2.74(t,2H)、4.41(s,2H)、5.19(m,1H)、6.14(d,1H)、7.35(d,1H)、7.41(s,1H)
方法A
例3:2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピルメチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0121】
【化15】

【0122】
メタノール6ml中のN2−(シクロプロピルメチル)ピリジン−2,3−ジアミン430mg(2.63mM)および(4−クロロフェニル)(オキソ)酢酸485.4mg(2.63mM)を16時間還流させた。固体が結晶化した。化合物を濾過し、メタノールで洗浄すると、2−(4−クロロフェニル)−4−(シクロプロピルメチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン300mgがベージュ色の固体として得られた。収率:36.5%。
NMR 1H(300MHz/CF3COOD)δ(ppm):0.59(m,4H)、1.23(m,1H)、4.44(d,2H)、7.44(d,2H)、7.83(m,1H)、8.11(d,2H)、8.66(d,1H)、8.89(d,1H)
下記の化合物を、例3と同じ手順を使用して得た。
例3−2:2−(4−クロロフェニル)−4−エチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0123】
【化16】

【0124】
NMR 1H(300MHz/CF3COOD)δ(ppm):0.18(t,3H)、3.30(q,2H)、6.16(d,2H)、6.55(m,1H)、6.84(d,2H)、7.37(d,1H)、7.63(d,1H)
例3−3:2−(4−フルオロフェニル)−4−エチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0125】
【化17】

【0126】
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):1.30(t,3H)、4.47(q,2H)、7.36(t,2H)、7.51(m,1H)、8.33(m,3H)、8.69(d,1H)
例3−4:4−エチル−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0127】
【化18】

【0128】
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):1.30(t,3H)、4.47(q,2H)、7.54(m,4H)、8.24(m,3H)、8.67(d,1H)
例3−5:2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0129】
【化19】

【0130】
NMR 1H(300MHz/CF3COOD)δ(ppm):1.15(m,2H)、1.60(m,2H)、3.27(m,1H)、7.40(d,2H)、7.83(m,1H)、8.13(d,2H)、8.64(d,1H)、8.86(d,1H)
1612ClN3O=297.74 質量分析 M+1=298.0
例3−6:4−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0131】
【化20】

【0132】
NMR 1H(300MHz/CF3COOD)δ(ppm):1.10(m,2H)、1.57(m,2H)、3.23(m,1H)、7.06(m,2H)、7.79(m,1H)、8.15(m,2H)、8.59(d,1H)、8.83(d,1H)
1612FN3O=281.28 質量分析 M+1=282.1
例3−7:4−シクロプロピルメチル−2−(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0133】
【化21】

【0134】
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):0.46(m,4H)、1.33(m,1H)、4.34(d,2H)、7.34(t,2H)、7.49(m,1H)、8.30(m,3H)、8.65(d,1H)
例3−8:2−(4−クロロフェニル)−4−(2,2−ジフルオロエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0135】
【化22】

【0136】
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):4.88(td,2H)、6.41(tt,1H)、7.59(m,3H)、8.28(m,3H)、8.66(d,1H)
例3−9:3−(4−クロロフェニル)−1−シクロプロピルピリド[3,4−b]ピラジン−2(1H)−オン
【0137】
【化23】

【0138】
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):0.97(m,2H)、1.36(m,2H)、3.12(m,1H)、7.63(d,2H)、7.82(d,1H)、8.29(d,2H)、8.66(d,1H)、9.04(s,1H)C1612ClN3O=297.74 質量分析 M+1=298.0
例3−10:1−シクロプロピル−3−(4−フルオロフェニル)ピリド[3,4−b]ピラジン−2(1H)−オン
【0139】
【化24】

【0140】
1612FN3O=281.28 質量分析 M+1=282.0
例3−11:1−シクロプロピル−3−フェニルピリド[3,4−b]ピラジン−2(1H)−オン
【0141】
【化25】

【0142】
16133O=263.29 質量分析 M+1=264.1
例3−12:1−シクロプロピル−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリド[3,4−b]ピラジン−2(1H)−オン
【0143】
【化26】

【0144】
171233O=331.29 質量分析 M+1=332.0
例3−13:2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−8−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0145】
【化27】

【0146】
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):0.92(m,2H)1.25(m,2H)2.69(s,3H)3.08(m,1H)7.36(d,1H)7.61(d,2H)8.34(d,2H)8.52(d,1H)
1714ClN3O=311.77 質量分析 M+1=312.0
m.p.:159〜163℃
例3−14:4−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)−6−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0147】
【化28】

【0148】
1714FN3O=295.31 質量分析 M+1=296.0
例3−15:2−(4−クロロベンジル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0149】
【化29】

【0150】
NMR 1H(300MHz/CDCl3)δ(ppm):0.86(q,2H)、1.28(q,2H)、3.00(m,1H)、4.12(s,2H)、7.19(m,3H)、7.30(d,2H)、8.02(d,1H)、8.50(m,1H)
例3−16:2−(4−フルオロフェニル)−4−(2−メトキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0151】
【化30】

【0152】
1614FN32=299.3 質量分析 M+1=300.0
融点:124〜127℃
例3−17:4−ブチル−2−(4−クロロフェニル)−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0153】
【化31】

【0154】
1716ClN3O=313.79 質量分析 M+1=314.0
例3−18:2−(4−クロロフェニル)−4−イソプロピル−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0155】
【化32】

【0156】
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):1.55(d,6H)、5.86(m,1H)、7.40(m,1H)、7.50(d,2H)、8.15(d,2H)、8.20(d,1H)、8.60(d,1H)
1614ClN30=299.76 質量分析 M+1=299.7
例3−19:4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0157】
【化33】

【0158】
171233O=331.29 質量分析 M+1=332.1
例3−20:4−シクロプロピルメチル−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0159】
【化34】

【0160】
181433O=345.32 質量分析 M+1=346.1
例3−21:4−(2,2−ジフルオロエチル)−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0161】
【化35】

【0162】
151123O=287.27 質量分析法=288.0
例3−22:4−(2,2−ジフルオロエチル)−2−(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0163】
【化36】

【0164】
151033O=305.27 質量分析 M+1=306.0
例3−23:4−(2,2−ジフルオロエチル)−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0165】
【化37】

【0166】
161053O=355.27 質量分析 M+1=356.0
例3−24:4−(2−メトキシエチル)−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0167】
【化38】

【0168】
1714332=349.31 質量分析 M+1=350.1
例3−25:2−(4−クロロフェニル)−4−(2−メトキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0169】
【化39】

【0170】
1614ClN32=315.76 質量分析 M+1=316.0
例3−26:4−(2−メトキシエチル)−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0171】
【化40】

【0172】
161532=281.31 質量分析 M+1=282.1
例3−27:4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−8−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0173】
【化41】

【0174】
181433O=345.32 質量分析 M+1=346.3
例3−28:4−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3−(4H)−オン
【0175】
【化42】

【0176】
1714FN3O=295.32 質量分析 M+1=296.1
例3−29:4−シクロプロピルメチル−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0177】
【化43】

【0178】
17153O=277.33 質量分析 M+1=278.1
例3−30:2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−7−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0179】
【化44】

【0180】
1714ClN3O=311.77 質量分析 M+1=312.0
例3−31:4−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)−7−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0181】
【化45】

【0182】
1714FN3O=295.32 質量分析 M+1=296.1
例3−32:2−(4−フルオロ−フェニル)−4−イソプロピル−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0183】
【化46】

【0184】
1714FN3O=283.30 質量分析 M+1=284.1
例3−33:4−イソプロピル−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0185】
【化47】

【0186】
16153O=265.31 質量分析 M+1=266.1
例3−34:2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−6−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0187】
【化48】

【0188】
714ClN3O=311.77 質量分析 M+1=312.0
例3−35:4−シクロプロピル−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0189】
【化49】

【0190】
16H133O=263.29 質量分析 M+1=264.1
例3−36:4−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0191】
【化50】

【0192】
1714FN32=311.31 質量分析 M+1=312.1
例3−37:4−シクロブチル−2−(4−フルオロフェニル)ピリド[2.3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0193】
【化51】

【0194】
1714FN3O=295.31 質量分析 M+1 =296.1
例3−38:2−(4−クロロフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0195】
【化52】

【0196】
1512ClN32=301.73 質量分析 M+1=302.0
例3−39:2−(4−フルオロフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0197】
【化53】

【0198】
1512FN32=285.28 質量分析 M+1=286.1
例3−40:4−(2−ヒドロキシエチル)−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0199】
【化54】

【0200】
151332=267.29 質量分析 M+1=268.1
例3−41:2−(4−クロロフェニル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0201】
【化55】

【0202】
1614ClN32=315.76 質量分析 M+1=316.1
例3−42:2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0203】
【化56】

【0204】
1614FN32=299.30 質量分析 M+1=300.1
例3−43:4−(3−ヒドロキシプロピル)−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0205】
【化57】

【0206】
161532=281.31 質量分析 M+1=282.1
例3−44:1−エチル−3−(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オン
【0207】
【化58】

【0208】
1512FN3O=269.27 質量分析 M+1=270.0
例3−45:2−(4−フルオロフェニル)−4−[2−(ジエチルアミノ)エチル]ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0209】
【化59】

【0210】
1921FN4O=340.39 質量分析 M+1=341.1
例3−46:2−(4−クロロフェニル)−4−[2−(ジエチルアミノ)エチル]ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0211】
【化60】

【0212】
1921ClN4O=356.85 質量分析 M+1=357.1
方法B
例4:4−(シクロプロピルメチル)−2−ヒドロキシピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0213】
【化61】

【0214】
ジクロロメタン20ml中のN2−(シクロプロピルメチル)ピリジン−2,3−ジアミン1.6g(9.8mM)およびジイソプロピルアミン1.7ml(9.8mM)に、撹拌しながら室温で、クロロ(オキソ)酢酸エチル1.1ml(9.8mM)を滴加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、水を加えた。有機層を分離し、水性層をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を真空下に除去した。化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン/メタノール(95/5)を溶離剤として使用してさらに精製すると、蒸発の後に、4−(シクロプロピルメチル)−2−ヒドロキシピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン700mgが固体として得られた。収率:33%。
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):0.19(m,4H)、1.03(m,1H)、3.90(d,2H)、6.98(m,1H)、7.29(d,1H)、7.96(d,1H)、11.94(s,1H)
下記の化合物を、例4においてと同じ手順を使用して得た。
例4−2:4−(シクロプロピル)−2−ヒドロキシピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0215】
【化62】

【0216】
10932=203.2 質量分析 M+1=204.0
例5:2−ブロモ−4−(シクロプロピルメチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0217】
【化63】

【0218】
ジクロロエタン10ml中の4−(シクロプロピルメチル)−2−ヒドロキシピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン700mg(3.22mM)および95%のオキシ臭化リン972.3mg(3.22mM)を撹拌しながら16時間還流させた。次いで、反応混合物を、炭酸ナトリウム水溶液を用いて塩基性にし、水性層をジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を真空下に除去した。化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタンを溶離剤として使用してさらに精製すると、蒸発の後に、2−ブロモ−4−(シクロプロピルメチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン650mgが白色の固体として得られた。収率:66.5%。
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):0.46(m,4H)、1.31(m,1H)、4.26(d,2H)、7.49(m,1H)、8.22(d,1H)、8.68(d,1H)
下記の化合物を、例5においてと同じ手順を使用して得た。
例5−2::2−ブロモ−4−(シクロプロピル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0219】
【化64】

【0220】
108BrN3O=266.1 質量分析 M+1=267.0
融点:144〜146℃
例6:4−(シクロプロピルメチル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0221】
【化65】

【0222】
ジメチルホルムアミド1ml中の2−ブロモ−4−(シクロプロピルメチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン200mg(0.71mM)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(ll)クロリド25.3mg(0.036mM)に、(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ボロン酸142.9mg(0.93mM)、エタノール0.1mlおよび2Mの炭酸ナトリウム水溶液715μlを加えた。次いで、反応混合物を撹拌しながら20時間還流させた。水および酢酸エチルを加えた。有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を真空下に除去した。化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタンを溶離剤として使用してさらに精製すると、蒸発の後に、4−(シクロプロピルメチル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン100mgが白色の固体として得られた。(収率:45.3%)
NMR 1H(300MHz/DMSO−d6)δ(ppm):0.27(m,4H)、1.15(m,1H)、4.10(d,2H)、6.96(m,2H)、7.31(m,2H)、8.08(d,1H)、8.48(d,1H)
1816FN3O=309.34 質量分析 M+1=310.1
下記の化合物を、例6においてと同じ手順を使用して得た。
例6−2:4−シクロプロピル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0223】
【化66】

【0224】
1714FN3O=295.31 質量分析 M+1=296.1
融点:165〜167℃
例6−3:2−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0225】
【化67】

【0226】
1714ClN3O=311.76 質量分析 M+1=312.0
例6−4:4−シクロプロピル−2−(3−フルオロフェニル)−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0227】
【化68】

【0228】
1612FN3O=281.29 質量分析 M+1=282.1
例6−5:2−(3−クロロフェニル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0229】
【化69】

【0230】
1612ClN3O=297.74 質量分析 M+1=298.0
例6−6:4−シクロプロピル−2−(3−メチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0231】
【化70】

【0232】
17153O=277.32 質量分析 M+1=278.1
例6−7:4−シクロプロピルメチル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0233】
【化71】

【0234】
1816FN3O=309.34 質量分析 M+1=310.1
例6−8:4−シクロプロピル−2−(4−メチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0235】
【化72】

【0236】
17153O=277.32 質量分析 M+1=278.1
例6−9:4−シクロプロピル−2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0237】
【化73】

【0238】
171233O=331.29 質量分析 M+1=332.1
例6−10:2−(2−クロロフェニル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0239】
【化74】

【0240】
1612ClN3O=297.74 質量分析 M+1=298.0
例6−11:4−シクロプロピル−2−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0241】
【化75】

【0242】
1611Cl23O=332.18 質量分析 M+1=333.2
例6−12:4−シクロプロピル−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0243】
【化76】

【0244】
161033O=317.27 質量分析 M+1=318.0
例6−13:4−シクロプロピル−2−(2−メトキシフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0245】
【化77】

【0246】
171532=293.32 質量分析 M+1=294.1
例6−14:4−シクロプロピル−2−(4−メトキシフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0247】
【化78】

【0248】
171532=293.32 質量分析 M+1=294.1
例6−15:2−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−4−イソプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0249】
【化79】

【0250】
1716ClN3O=313.78 質量分析 M+1=314.0
例6−16:2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−イソプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0251】
【化80】

【0252】
1613Cl23O=334.20 質量分析 M+1=334.0
例6−17:2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−イソプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0253】
【化81】

【0254】
1716FN3O=297.33 質量分析 M+1=298.1
例6−18:2−(2−エトキシフェニル)−4−イソプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0255】
【化82】

【0256】
181932=309.36 質量分析 M+1=310.1
例6−19:4−シクロプロピル−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0257】
【化83】

【0258】
161442=294.31 質量分析 M+1=295.1
例6−20:4−シクロプロピル−2−(2−チエニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0259】
【化84】

【0260】
14113OS=269.32 質量分析 M+1=270.0
例6−21:4−シクロプロピル−2−(2−フリル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0261】
【化85】

【0262】
141132=253.26 質量分析 M+1=254.0
例6−22:2−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0263】
【化86】

【0264】
1614ClN32=315.75 質量分析 M+1=316.0
例6−23:2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)ピリド[2.3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0265】
【化87】

【0266】
1614FN32=299.3 質量分析 M+1=300.1
例6−24:2−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−4−(2−メトキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0267】
【化88】

【0268】
1716ClN32=329.78 質量分析 M+1=330.0
例6−25:2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−メトキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0269】
【化89】

【0270】
1716FN32=313.33 質量分析 M+1=314.1
例6−26:4−シクロプロピル−2−(2,4−ジメチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
【0271】
【化90】

【0272】
18173O=291.35 質量分析 M+1=292.1
生物学的アッセイ
本発明の化合物を、グルコースならびに他の生理学的および薬理学的インスリン分泌促進物質に対するそれらの優れた応答に関して評価するために、INS−1細胞を選択した。
【0273】
膵臓INS−1細胞の培養
Asfariら(Endocrinology 130: 167〜178、1992年)により記載された通り、1mMのピルビン酸ナトリウム、50μMの2−メルカプトエタノール、2mMのグルタミン、10mMのHEPES、100IU/mLのペニシリンおよび100μg/mLのストレプトマイシン(CM)を含有し、10mMのグルコースおよび10%(vol/vol)の熱不活化ウシ胎児血清(FCS)を補足された完全培地のRPMI1640中でINS−1細胞を培養した。
【0274】
インスリン分泌アッセイ
INS−1細胞を播種し、48−ウェルプレート中で培養した。2日間培養した後に、培地を除去し、5mMのグルコース、1%FCSに培地を変えて細胞を24時間培養した。次いで、2.8mMのグルコースを含有するKrebs−Ringer重炭酸塩HEPES緩衝液(KRBH;135mMのNaCl;3.6mMのKCl;5mMのNaHCO3;0.5mMのNaH2PO4;0.5mMのMgCl2;1.5mMのCaCl2および10mMのHEPES;pH7.4)0.1%BSAで細胞を洗浄し、同じ緩衝液中、37℃で30分間予備インキュベーションした。次いで、細胞を2回洗浄し、4.2mMグルコースおよび様々な濃度の試験分子を含有するKRBH 0.1%BSA中で1時間インキュベーションした。回収された上澄み中のインスリン濃度を、ラットインスリン抗体(Insulin Rat Elit PLUS、cat. ref 10−1145−01)を使用してELISAで測定した。
【0275】
インスリン分泌結果を、対照に対する%で示す(グルコース4.2mM)
【0276】
【表1】

【0277】
糖尿病N0STZラットの島でのインスリン分泌
物質および方法
島の単離および処置
14±3週齢の非絶食N0STZ(PORTHAら、1974年)雄ラット(Charles Rivers−Domaine des Oncins、l’Arbresle、France)にペントバルビタールナトリウムで麻酔を掛け(Nembutal(登録商標):5ml/kgで45mg/kg、腹腔内投与)、体温を加熱ランプで維持した。
【0278】
ラットの膵臓ランゲルハンス島をラット8匹の膵臓から、コラゲナーゼP(Boehringer、Meylan、France)消化により単離した。島をハンクス平衡塩類溶液[NaCl(137mM);KCl(5.36mM);MgSO4、7H2O(0.81mM);Na2HPO4、12H2O(0.34mM);KH2PO4(0.44mM);CaCl2、2H2O(1.26mM);NaHCO3(4.17mM)]中での沈降、続くフィコール比重差分離により精製した。次いで、島を立体顕微鏡下で選び、3つの島からなるバッチを37℃で、連続的に振盪しながら、加湿条件下(95%O2、5%CO2)、必要なグルコースまたは化合物濃度を含有するKrebs/Hepes pH7溶液[NaCl(115mM)、NaHCO3(24mM)、KCl(5mM)、MgCl2(1mM)、CaCl2、2H2O(1mM)、0.2%ウシ血清アルブミン(Fraction V、脂肪酸不含、Boehringer、Mannheim)、10mMのHepes]1ml中で90分間インキュベーションした。化合物をDMSOに2.10〜2Mストック溶液で溶かした。次いでこれらを、必要な濃度で、必要なグルコース濃度を含有するKrebs/Hepes緩衝液中で希釈した。
【0279】
インキュベーションの終了時に、培地を集め、ELISA(EUROBIO、Courtaboeuf、France)を使用して、インスリンレベルを測定した。
【0280】
【表2】

【0281】
島を選び、高まっていく化合物濃度の存在下、2.8または8mMのグルコースの存在下にインキュベーションした。インキュベーションの終了時に、培地を集め、ELISA法を使用してインスリンレベルを測定した。結果は、グルコース対照(2.8または8mM)に対する%として示されていて、平均±SEMを表している。
【0282】
N0STZ糖尿病ラットから単離された島において、化合物は、非刺激性の低グルコース濃度(2.8mM)の存在下では、高濃度ですら(10-4M)作用を示さなかったが、8mMのグルコース、刺激性グルコース濃度に応じてインスリン分泌を増強した。これらの結果は、インスリン分泌に対する化合物の作用は、グルコースレベルに左右されることを示し、これらの化合物での治療により、低血糖のリスクが回避されるはずであることを示唆している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物、さらに、そのラセミ体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピマーおよび多形体ならびにその混合物、ならびに薬学的に許容できるその塩
【化1】



[式中、
X、Y、Z、Wのうちの1個の原子は、窒素原子であり、他は、
− 水素、
− T
から選択される置換基により置換されている炭素原子であり;
Aは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリールオキシアルキル、アリールアルコキシアルキル、アリールチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、ヘテロアリールアルコキシアルキル、ヘテロアリールチオアルキル、ヘテロアリールアルキルチオアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシアルキル、ヘテロシクロアルキルアルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキルチオアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルチオアルキル、アリールアケニル、アリールアルキニルであり;ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル基は、N、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子を含有していてもよく;
これらの基はそれぞれ、Tから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよく;
R1は、アルキル、アルキルオキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシアルキル、ヘテロシクロアルキルアルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキルチオアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルチオアルキル、R3R4N−アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルであり;
これらの基はそれぞれ、Tから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよく;
Tは、ヒドロキシ、チオ、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、カルボキシ、カルボキシメチル、カルボキシエチル、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アリール、アリールスルホニルアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、NR3R4、アジド、ニトロ、グアニジノ、アミジノ、ホスホノ、オキソ、カルバモイル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルチオ、SF5であり、2個のT基は、メチレンジオキシを形成していてよく;
R3およびR4は独立に、水素、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールから選択され;
R3およびR4はまた、N、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子を含有していてもよいヘテロシクロアルキル基を構成していてよく;
R3およびR4は独立に、Tから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよい]。
【請求項2】
Aが、N、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子を含有していてもよいアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールであり;これらの基がそれぞれ、請求項1で定義された通りのTから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、フェニル、ベンジルであり、これらの基がそれぞれ、請求項1で定義された通りのTから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよい、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R1が、アルキル、アルキルオキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシアルキル、ヘテロシクロアルキルアルコキシアルキル、ヘテロシクロアルキルチオアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルチオアルキルであり、これらの基がそれぞれ、請求項1で定義された通りのTから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R1が、アルキル、アルキルオキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルであり;これらの基がそれぞれ、請求項1で定義された通りのTから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよい、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
R1が、エチル;イソプロピル;ブチル;2,2−ジフルオロエチル;2−メトキシエチル;シクロプロピル;シクロプロピルメチル、シクロブチルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Tが、ヒドロキシ、チオ、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、カルボキシ、カルボキシメチル、カルボキシエチル、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、アリールスルホニルアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、NR3R4、アジド、グアニジノ、アミジノ、ホスホノ、オキソ、カルバモイル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルチオ、SF5であり、2個のT基がメチレンジオキシを形成していてよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Tが、ハロゲン、トリフルオロメチル、アルキル、シクロアルキル、アルコキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Tが、メチル、シクロアルキル、Cl、Fである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R3およびR4が独立に、低級アルキル、シクロアルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
下記の化合物:
1−シクロプロピル−3−(4−フルオロフェニル)ピリド[3,4−b]ピラジン−2(1H)−オン
1−シクロプロピル−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリド[3,4−b]ピラジン−2(1H)−オン
1−シクロプロピル−3−フェニルピリド[3,4−b]ピラジン−2(1H)−オン
2−(3−クロロフェニル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロベンジル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−(2,2−ジフルオロエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−(2−メトキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−6−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−7−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−8−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピルメチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−エチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−イソプロピル−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロフェニル)−4−(2−メトキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロフェニル)−4−エチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロフェニル)−4−イソプロピル−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
3−(4−クロロフェニル)−1−シクロプロピルピリド[3,4−b]ピラジン−2(1H)−オン
4−(2,2−ジフルオロエチル)−2−(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−(2,2−ジフルオロエチル)−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−(2,2−ジフルオロエチル)−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−(2−メトキシエチル)−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−(2−メトキシエチル)−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−(シクロプロピルメチル)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−ブチル−2−(4−クロロフェニル)−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロブチル−2−(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(3−フルオロフェニル)−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(3−メチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)−6−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)−7−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)−8−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−メチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−8−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−8−メチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピルメチル−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピルメチル−2−(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピルメチル−2−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピルメチル−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−エチル−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−イソプロピル−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(2−クロロフェニル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(2,4−ジクロロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(2−メトキシフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−メトキシフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−4−イソプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−イソプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−イソプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(2−エトキシフェニル)−4−イソプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(2−チエニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(2−フリル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−(2−ヒドロキシエチル)−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−(3−ヒドロキシプロピル)−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−4−(2−メトキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−メトキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(2,4−ジメチルフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−[2−(ジエチルアミノ)エチル]ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−[2−(ジエチルアミノ)エチル]ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
1−エチル−3−(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オン
から選択される前記請求項のいずれかに記載の化合物、さらに、そのラセミ体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピマーおよび多形体ならびにそれらの混合物、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩。
【請求項12】
下記の化合物:
2−(4−クロロベンジル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−(2,2−ジフルオロエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−(シクロプロピルメチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピルメチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−エチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−クロロフェニル)−4−イソプロピル−ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロフェニル)−4−(2−メトキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロフェニル)−4−(2−メトキシエチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロフェニル)−4−エチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
2−(4−フルオロフェニル)−4−(2−ヒドロキシエチル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピル−2−エチルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−シクロプロピルメチル−2−(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
4−エチル−2−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン
から選択される請求項11に記載の化合物、さらに、そのラセミ体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピマーおよび多形体ならびにそれらの混合物、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩。
【請求項13】
前記請求項のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物を調製する方法であって、
a)式(1)の化合物を
【化2】



[式中、
X、Y、Z、Wは、請求項1で定義された通りであり;
Halは、ハロゲン原子、好ましくは、Cl、Brである]、
アミンR1−NH2(ここで、R1は、請求項1で定義された通りである)と、塩基の存在下、不活性溶媒中で反応させて、式(2)の化合物を
【化3】



得るステップと、
b)Zn、SnもしくはFeなどの金属または塩化Sn(II)などの低い酸化状態の金属を酸中で用いて;溶媒中の、またはPd、Pt、Niなどの金属触媒、好ましくは、炭素上に担持されているPdまたはラネーニッケルを用いての接触水素化により、式(2)の化合物を還元して、式(3)の化合物を
【化4】



得るステップと、
c)式(3)の化合物を、下式のα−ケト酸誘導体と
【化5】



[式中、
Aは、請求項1で定義された通りであり、
Rxは、上記で定義された通りのHal;またはOReであり、ここで、Reは、水素、低級アルキルである]
溶媒中で反応させて、式(I)の化合物を得るステップとを含む方法。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物を調製する方法であって、
a)式(1)の化合物を
【化6】



[式中、
X、Y、Z、Wは、請求項1で定義された通りであり;
Halは、ハロゲン原子、好ましくは、Cl、Brである]、
アミンR1−NH2(式中、R1は、請求項1で定義された通りである)と、塩基の存在下、不活性溶媒中で反応させて、式(2)の化合物を
【化7】



得るステップと、
d)Zn、SnもしくはFeなどの金属または塩化Sn(II)などの低い酸化状態の金属を酸中で用いて;溶媒中の、またはPd、Pt、Niなどの金属触媒、好ましくは、炭素上に担持されているPdまたはラネーニッケルを用いての接触水素化により、式(2)の化合物を還元して、式(3)の化合物を
【化8】



得るステップと、
e)式(3)の化合物を、下式の化合物と
【化9】



[式中、Rxは、上記で定義された通りである]
塩基の存在下、不活性溶媒中で反応させて、式(5)の化合物を
【化10】



得るステップと;
f)式(5)の化合物を、POBr3などの臭素化剤と不活性溶媒中で反応させて、式(6)の化合物を
【化11】



得るステップと、
g)式(6)の化合物を、ボロン酸誘導体またはそのエステルと、塩基およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリドなどの触媒の存在下、不活性溶媒中で反応させて、式(I)の化合物を得るステップとを含む方法。
含む方法。
【請求項15】
高血糖に関連する病理を予防および/または治療するための医薬品を調製するための、一般式(I)の化合物(式中、X、Y、Z、W、AおよびR1は請求項1で定義された通りである)、さらに、そのラセミ体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピマーおよび多形体ならびにそれらの混合物、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩。
【請求項16】
グルコース濃度に応じたインスリン分泌を誘発する医薬品を調製するための、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
糖尿病を治療するために適した医薬品を調製するための、請求項15または16に記載の化合物。
【請求項18】
2型糖尿病を治療するために適した医薬品を調製するための、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
異脂肪血症および肥満から選択される疾患を治療するために適した医薬品を調製するための、請求項15または16に記載の化合物。
【請求項20】
糖尿病関連微小血管および大血管合併症から選択される疾患を治療するために適した医薬品を調製するための、請求項15から18に記載の化合物。
【請求項21】
前記合併症に、動脈性高血圧、アテローム動脈硬化症、炎症プロセス、微小血管症、大血管障害、網膜障害および神経障害が包含される、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
高血糖を低下させるために適した医薬品を調製するための、請求項15に記載の化合物。
【請求項23】
高血糖に関連する病理を予防および/または治療するための医薬品を調製するための、請求項1から12のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物(式中、X、Y、Z、W、AおよびR1は請求項1で定義された通りである)、さらに、そのラセミ体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、エピマーおよび多形体ならびにそれらの混合物、ならびに薬学的に許容できるそれらの塩の使用。
【請求項24】
少なくとも1種の請求項1から12に記載の一般式(I)の化合物と、薬学的に許容できる賦形剤とを含有する医薬組成物。

【公表番号】特表2011−514896(P2011−514896A)
【公表日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−549045(P2010−549045)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【国際出願番号】PCT/EP2009/001428
【国際公開番号】WO2009/109341
【国際公開日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】