説明

ファイバーカップリングを有するモールドオプチカルパッケージ

【課題】 光学部品を具備する集積回路パッケージに関する装置及び方法を開示する。
【解決手段】 該パッケージは、その第1表面上に配設されている少なくとも1個の感光性領域を具備する集積回路ダイを包含することが可能である。例として、該ダイは、該感光性領域を介して光を射出させるレーザーダイオードであるか、又は該感光性領域を介して光を受光し且つ検知する光検知器とすることが可能である。該第1ダイの第1表面に隣接して光学的集中器を位置させることが可能である。該光学的集中器は、該感光性領域に隣接して位置決めされており且つ光をフォーカスされるべく適合されているレンズ部分を包含している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大略、集積回路装置のパッケージングに関するものである。更に詳細には、本発明は、光学部品を利用する集積回路パッケージ、及び集積回路パッケージ内に光学部品を結合させる装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの集積回路(「IC」)装置は、光学部品を包含している。これらの装置の幾つかは、動作サイクル期間中にある点において光源に露呈させることを必要とする。その他の装置は、それ自身が光源である場合がある。多くのこの様なIC装置において、且つ、殆ど全てのIC装置において、該装置は、通常、外部環境に露呈されることに起因する損傷から、それを及びそれと関連する電気的接続を保護するために、封止された環境内に囲まれねばならない。従って、IC装置用の多数の従来のパッケージにおいては、IC装置上の一つ又はそれ以上の部品に光が到達すること、又は、その逆に、該部品により光が射出され該装置からでることを可能とする光学的に透明な窓又はその他の透明な部品を形成することが関与する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パッケージング特徴を介してIC装置に光学的に透明な窓を設けるための装置及び技術の多くは、通常、過去において良好なものであったが、光学部品を具備するIC装置をパッケージングするためのより信頼性があり且つ費用効果的な方法及び高BW信号をオプチカルファイバーなどの光学的伝送媒体内に結合させる手段を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
光学部品を具備する集積回路パッケージに関する装置及び方法を開示する。一つの側面においては、第1表面上に配設されている少なくとも一つの感光性領域を具備する集積回路ダイを包含するパッケージを説明する。例として、該ダイは、該感光性領域を介して光を射出するレーザーダイオード、又は該感光性領域を介して光を受光し且つ検知する光検知器とすることが可能である。該第1ダイの第1表面に隣接して光学的集中器が位置されている。該光学的集中器(optical concentrator)は、オプチカルカップリング(光学的結合)用の集中器のレンズ部分と挿入したオプチカルファイバーとを整合させるべく配置したオプチカルファイバー結合特徴部(coupling feature)を包含している。該レンズ部分は、該感光性領域に隣接して位置されており且つ該感光性領域からの光を該オプチカルファイバーのコア内にフォーカスさせ及び/又は該オプチカルファイバーのコアから受光した光を該感光性領域上へフォーカスさせるべく適合されている。
【0005】
幾つかの実施例においては、該パッケージは、更に、第2感光性領域を具備している第2ダイを包含する場合がある。該パッケージは、又、該第2ダイの感光性領域に隣接して位置された第2レンズ部分を包含する第2光学的結合用の集中器を包含する場合がある。この様なパッケージは、双方向通信のための形態とさせることが可能であり、その場合に、該第1ダイは、該第1ダイと関連する光学的結合用集中器のレンズ部分を介して且つ該第1ダイと関連するオプチカルファイバーのコア内に、光を伝達させる形態とされており、且つ、該第2ダイは、該第2オプチカルファイバーのコアから該第2光学的結合用の集中器のレンズ部分を介して光を受光する形態とされている。
【0006】
更に別の実施例においては、該第1ダイは、少なくとも2個の感光性領域を包含する場合がある。この様な実施例においては、光学的結合用の集中器は、少なくとも2個のレンズ部分を包含する場合があり、該レンズ部分の内の第1のものは、該感光性領域の内の第1のものに隣接して位置され、且つ該レンズ部分の内の第2のものは、該感光性領域の内の第2のものに隣接して位置される。該光学的結合用の集中器は、第1の挿入したオプチカルファイバーを該レンズ部分の内の第1のものと整合させ且つ第2の挿入したオプチカルファイバーを該レンズ部分の内の第2のものと整合させるべく構成されているオプチカルファイバー結合特徴部を包含する場合がある。この様なパッケージは、並列通信適用例に対する形態とすることが可能である。
【0007】
別の側面において、上述した如き集積回路パッケージに使用すべく構成することが可能な光学的結合用の集中器について説明する。
【0008】
更に別の側面においては、上述した如きオプチカルパッケージを製造する方法について説明する。
【0009】
前述した実施例の内の一つ又はそれ以上の変形例及び特徴は別の実施例中に包含させることが可能であり、且つ、所望により、前述した実施例の内のいずれか一つにおいて付加的な変形例及び特徴を使用することが可能である。本発明のその他の装置、方法、特徴、及び利点は、以下の図及び詳細な説明を吟味することにより当業者に明らかなものとなる。全てのこの様な付加的なシステム、方法、特徴、及び利点は、この説明中に包含されており、本発明の範囲内のものであり、且つ特許請求の範囲によって保護されるものであることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の1実施例に従う例示的な光学的ICパッケージを例示した概略図。
【図2】本発明の1実施例に従って光学的IC装置をパッケージングする例示的プロセスを例示したフローチャート。
【図3】(A)乃至(D)は、図2のプロセスにおける種々の段階における基板の各断面図。
【図4】(A)乃至(C)は、夫々、本発明の1実施例に従う例示的インサートパネルの平面図、部分拡大平面図、及び断面側面図、である。
【図5】本発明の1実施例に従ってプレモールドオプチカルインサートを使用して光学的ICパッケージを封止する例示的構成を例示した概略図。
【図6】(A)及び(B)は、夫々、本発明の1実施例に従う例示的な光学的ICパッケージの上部斜視図及び底部斜視図である。
【図7】本発明の別の実施例に従うモールド光学的化合物を使用して光学的ICパッケージを封止する例示的構成を示した害略図。
【図8】図7の構成で製造される例示的な光学的ICパッケージの断面側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に基く装置及び方法の例示的適用例をここで説明する。これらの例は、本発明の理解を助け、文脈を加えるために与えられる。従って、本発明はこれらの特定の詳細の幾つか又は全てが無しで実施することが可能であることは当業者に明らかである。その他の場合には、本発明を不必要にぼかすことを回避するために、良く知られているプロセスステップについては詳細な説明を割愛している。
【0012】
以下の詳細な説明において、添付の図面を参照するが、それは本説明の一部を形成するものであり、その中においては、例示として、本発明の特定の実施例が示されている。これらの実施例は、当業者が本発明を実施することを可能とするために十分詳細に説明しているが、これらの実施例は制限的なものではなく、他の実施例を使用することが可能であり、且つ本発明の精神及び範囲を逸脱すること無しに変更を行うことが可能であることが理解される。
【0013】
最初に図1を参照すると、特定の実施例に基く例示的な光学的パッケージ100が側部断面図で例示されている。パッケージ100は、集積回路(IC)ダイ102を包含しており、該ダイは基板104と物理的に且つ電気的に接続させることが可能である。一つの特定の実施例において、基板104は、ラミネートチップスケールパッケージ(CSP)を製造する場合に使用するのに適したラミネートに基く基板である。この様なラミネートに基く基板104は、通常、誘電体物質から形成される。例として、基板104は、高温FR4等のガラス充填エポキシから形成することが可能である。ラミネートに基く基板104は、通常、該基板の上部表面108上の内部コンタクトパッド106、及び該基板の底部表面112上の外部コンタクトパッド110を包含している。各内部コンタクトパッド106は、該誘電体物質を介してパターン形成された1個又はそれ以上の関連するビア及びトレースで、関連する外部コンタクトパッド110と電気的に接続させることが可能である。しかしながら、本発明の適用例は、ラミネートCSPに制限されるものではなく、ダイ102は、例えば、プラスチックボールグリッドアレイ(PBGA)パッケージ、リードレスリードフレームパッケージ(LLP)、及びカリフォルニア州サンタクララのナショナルセミコンダクターコーポレーションによって製造されているもののようなその他のリードフレームパッケージを含む当該技術において理解される多様なその他の態様でパッケージさせることが可能である。一般的に、基板104は、例として、16、20、24、28、48又は96個の外部コンタクトパッド110を包含することが可能であるが、その他の外部コンタクトパッドの数とすることも可能である。
【0014】
ダイ102の活性表面114上のI/Oパッド(以下、ボンドパッドとも呼称する)は、ボンディングワイヤ116を介して、関連する内部コンタクトパッド114と電気的に接続させることが可能である。ダイ102の背面118は、適宜のダイ取り付け接着剤又はフィルムで基板104の上部表面108と物理的に接続させることが可能である。リードフレームが使用される実施例においては、ダイ102の背面118は、存在する場合に、ダイ取り付けパッド(DAP)の上部表面へ接続させることが可能である。
【0015】
ダイ102は、該ダイの活性表面114上の或る位置に少なくとも1個の感光性領域120を包含している。種々の実施例において、ダイ102は、半導体レーザダイオードの形態を取り、且つ、特定の実施例においては、ダイ102は、面発光レーザ(VCSEL)を有している。これらの実施例において、ダイ102は、該ダイの活性表面上の感光性領域120を介してレーザビームを射出させる形態とすることが可能である。一つの特定の実施例においては、VCSELを約850nmで光を射出する形態とさせることが可能である。その他の実施例においては、ダイ102は、感光性領域120を介して光を受光し且つ検知する光検知器の形態を取る。
【0016】
例示した実施例においては、光学的に透明な接着剤122が、ダイ102の周囲周りに感光性領域120を取り囲んでいる。容易に理解されるように、この開示全体にわたり、品目、物質及び/又はその他の光特定適用例の多くに対して、「透明(transparent)」又は「クリア(clear)」等の用語の代わりに「半透明(translucent)」という用語を使用することが可能である。特定の実施例において、光学的に透明な接着剤122はUV光への露光に応答して硬化する紫外線(UV)硬化可能接着剤である。別の実施例において、光学的に透明なダイ取り付け物質122を硬化させるために速硬化(snap cure)ダイ取り付けプロセスを使用することが可能である。この様な実施例においては、光学的パッケージ100は、自己触媒型ダイ取り付け物質を硬化させるために、短い期間(例えば、1実施例においては10秒未満)の間に約80℃から120℃への迅速な熱勾配に露呈させることが可能である。UV硬化可能及び自己触媒可能なダイ取り付け物質の種々の組合せを使用することも可能である。
【0017】
光学的パッケージ100は、更に、感光性領域120上方に位置されている光学的集中器124(以後、光学的インサート、オプチカルカップラー、又は光学的結合用集中器とも呼称する)を包含している。種々の実施例において、光学的集中器124は、高温用プリマーから構成されている。特定の実施例において、該高温用ポリマーは、例として、ポリエーテルイミド(例えば、Ultem(商標)、Siltem(商標)、又はExtem(商標))又はその他のポリイミド等の熱可塑性物質である。光学的集中器124は、典型的な高温パッケージングプロセスに耐えることが可能であることが望ましいので、高温用ポリマーの使用は望ましいものである場合がある。当業者により理解されるように、典型的なダイ取り付け及び硬化プロセスは4時間の間150℃で稼動する場合があり、典型的なワイヤボンディングプロセスは5分の間200℃で稼動する場合があり、且つ典型的な封止モールディングプロセスは5分の間175℃以上で稼動する場合がある。特定の実施例において、光学的集中器124は、射出成形プロセスによって形成される。更に、特定の光学的集中器124が図1に示されているが、変形例が存在しており且つ本発明の範囲内に包含されることが理解される。
【0018】
光学的集中器124の底部表面126は、感光性領域120に近接しているか又は接触していることが可能である。光学的集中器124の底部表面126と感光性領域120の表面との間にギャップが存在する場合には、そのギャップは光学的に透明な接着剤122で充填することが可能である。例示した実施例においては、光学的集中器124は湾曲部分128を包含している。湾曲部分128は、通常、ボンディングワイヤ116に対するクリアランスを与える。光学的集中器124は、例示した実施例においては、凹所130を包含している。凹所130は、関連するオプチカルファイバー132の一端部を受納すべく適宜寸法及び形状が決められている。更に詳細には、凹所130は、オプチカルファイバー132のコア134を感光性領域120と整合させるべく配置させることが可能である。更に、凹所130の周りにどこかの途中のセクションにおいてリップ又は突起136を組み込むことが可能である。オプチカルファイバーの端部が感光性領域120から固定した所定の距離に位置決めされるように、オプチカルファイバー132の端部がリップ136に当接するように、このリップ136の寸法及び位置を決めることが可能である。
【0019】
種々の好適実施例において、光学的集中器124は、有益的には、レンズ部分(以後、「レンズ」とも呼称する)138を包含している。例示した実施例において、レンズ138は光学的集中器124の一体的な部分である。多数の実施例において、レンズ138は、図示した如くに、凸レンズ形状を取る。当業者によって理解されるように、凸レンズ軸に平行に進行し且つ該レンズを介して通過するコリメートされた即ち平行な光ビームは、該レンズ後方の或る距離において該軸上の一つのスポットへ集束、即ちフォーカスされる(焦点距離として知られている)。注意すべきことであるが、リップ136はレンズ138の焦点距離を利用すべく位置決めさせることが可能であり、即ち、感光性領域120によって射出された光がオプチカルファイバー132のコア134内にフォーカスされるか、又は、逆に、オプチカルファイバーのコア134から受光した光が感光性領域120へフォーカスされるようにさせることが可能である。
【0020】
一般的に、レンズ138の寸法及び形状は、オプチカルファイバー132(例えば、コア134の直径及び組成)及び感光性領域120の特性に基いて決定される。一つの好適実施例においては、プラスチックマルチモードオプチカルファイバーが使用される。プラスチックマルチモードファイバー132は、例として、62乃至120μmの範囲内のコア直径を有することが可能であるが、その他のより大きな又はより小さな直径も許容可能である。当業者が理解するように、マルチモードファイバーは、通常、一層大きなコア直径を持っており且つ、典型的に、一層短い距離の通信(例えば、200m未満)に使用される。更に、単一モードファイバーの一層小さなコア直径の結果として、光を単一モードファイバー内に結合させるために一層厳しいトリランスが通常必要とされる。プラスチックマルチモードオプチカルファイバーの使用は、マルチモードファイバで要求されるトリランスが一層緩やかであり、そのことはこれらのファイバーを関連する光学的パッケージ内に整合させることを一層容易なものとさせる結果として、特に、短い距離の実施例において有益的である場合がある。当業者が理解するように、プラスチックオプチカルファイバーは、ガラスオプチカルファイバーよりも、一層大きな光学的減衰を発生させる。本発明者等は、ファイバのコアとレーザビームとの不正確な整合から発生する場合がある時間遅延と関連する問題を緩和させるために、短い距離にわたってのマルチモードファイバーにおいてプラスチックオプチカルファイバーによって示される一層大きな減衰を利用することが可能であることを知見した。
【0021】
種々の実施例において、ダイ102、ボンディングワイヤ116、及び基板104と光学的集中器124の一部がモールディング化合物140で封止される。例示した実施例において、モールディング化合物140は従来の光学的に不透明な熱可塑性又は熱硬化性のプラスチック物質から形成される。その他の実施例において、モールディング物質140は、光学的に透明な物質から形成することが可能であり、その場合には、光学的集中器124の底部表面126と感光性領域120との間に発生する場合のあるモールドフラッシュが透明なものであれば、光学的に透明な接着剤122は必要ではない場合がある。
【0022】
図2のフローチャート及び図3(A)−(D)を参照すると、本発明の例示的実施例に従う光学的適用例において使用する集積回路ダイをパッケージングするプロセス200について説明する。幾つかの特定の実施例において、プロセス200は、図1を参照して上述したパッケージ100を構成するために使用することが可能である。プロセス200は、202で開始し、多数の集積回路ダイ302が搭載された基板パネル304を提供する。各集積回路ダイ302は、ボンディングワイヤ316を介して、基板パネル304上の対応するコンタクトと電気的に接続されている。1個又はそれ以上の集積回路ダイは、各々、付加的に、感光性領域320を包含しており、それを介して、該ダイの形態に依存して、光を射出させるか又は受光することが可能である。図3(A)に例示した例においては単に1個のダイが示されているに過ぎないが、基板パネル304は、関連する装置エリア内においてそれに取り付けられており且つ電気的に接続されている10個又はそれ以上のダイを有することが可能であり、それら自身を多数の装置エリアの2次元アレイにグループ化させることが可能である。
【0023】
ダイを後に光学的に不透明なモールディング化合物で封止するものを含めて幾つかの実施例において、各ダイ302の少なくとも周辺部の上及び周りに光学的に透明な接着剤322を204において付与する。図3(B)に例示した実施例において、光学的に透明な接着剤322が各ダイ302上に単一の小塊として付与される。更に、この実施例においては、接着剤322がボンディングワイヤ316を包み込むような適宜の体積で接着剤322が付与される。
【0024】
206において、光学的インサートパネルが与えられる。適宜のインサートパネル400の一つの実施例を図4(A)−(C)に例示してある。インサートパネル400は、通常、フレーム402とインサート支持部材404とを有している。各支持部材404は、1個又はそれ以上の光学的集中器324を支持する。特定の実施例において、インサートパネル400は、ダイ302が取り付けられる関連するリードフレームパネル又はその他の基板304のものと同様のフットプリントを有している場合がある。より詳細には、光学的インサートパネル400内の光学的集中器324の数及び配列は、関連するリードフレームパネル又はその他の基板304の装置エリアの関連する数及び配列と一致する場合がある。種々の実施例において、光学的集中器324は、射出成形プロセスにおいてインサートパネル400と一体的に形成される。
【0025】
特定のインサートパネル400及び光学的集中器324の関連する配列が図4(A)−(C)に例示した実施例において示されているが、本発明の実施例はこの特定の配列に制限されるものではなく、その他のパネル及び配列とすることも可能であることに注意すべきである。通常、上述した如く、複数の光学的集中器324からなる各アレイは関連する基板304からの複数の搭載された装置エリアからなる関連するアレイに対してレイアウト及び数において対応する場合があり、従って、全体のパネル400の光学的集中器324の全ては全体の基板304の対応する装置エリア内のダイ302上に同時的に位置決めさせることが可能である。
【0026】
208において、各光学的集中器324が関連するダイ302に隣接した位置決めされるように、光学的インサートパネル400を基板パネル304上に位置決めさせることが可能である。図3(C)に例示した実施例において、適宜の体積の光学的に透明な接着剤322が各ダイ302上に204において与えられ、従って、その接着剤は、関連する光学的集中器324が該ダイ上に位置決めされる場合に、関連する電気的接続部316(例えば、ボンディングワイヤ)を包み込む。該光学的に透明な接着剤を次いで210において硬化させることが可能である。例として、光学的に透明な接着剤322がUV硬化可能接着剤である場合には、接着剤322はUV光、熱、又は両方の組合せに露呈させて硬化させることが可能である。幾つかの実施例において、光学的集中器324は、212において、インサートパネル400から単体化させることが可能である。光学的集中器324は、ソーイング又はレーザーカッテイングなどの既知の方法により容易に切断することが可能である。
【0027】
214において、基板304及び光学的集中器をモールディング化合物340で封止することが可能である。図5は、ダイ302、電気的接続部316(例えば、ボンディングワイヤ)及び基板パネル304及び光学的集中器324の一部をモールディング化合物で封止する場合に使用するのに適した例示的なモールド500を例示している。幾つかの実施例において、モールド500は、フィルム援助モールディング(FAM)システムとして構成されている。図示したように、モールド500は、上部モールドキャップ502及び下部モールドブロック504を包含している。基板パネル304は、下部モールドブロック504上に位置決めされ且つモールドピン506と整合される。液状モールディング化合物が、上部モールドキャップ502と下部モールドブロック504との間に形成されているキャビティ内に注入される。装置を封止するために使用されるモールディング化合物340は、例えば、IC装置を封止するために典型的に使用される任意の適宜のプラスチック又はその他のタイプのモールディング化合物とすることが可能である。例として、種々の従来のシリカを基礎とした化合物がこの様な封止目的のために良好であることが知られており、且つ結果的に得られるパッケージ化した装置に対する応力及び熱的衝撃を吸収し且つ減少させるための良好な物質であることも知られている。良く知られているように、多くのこの様なモールディング化合物は質的に不透明であり、且つ典型的に知られている色は黒である。封止において光学的に不透明な従来の又はその他の光学的に不透明なモールディング化合物が使用される実施例においては、光学的に透明な接着剤は、ダイ302の活性表面上で感光性領域320上での光学的に不透明なモールディング物質のフラッシング(flashing)を防止する。
【0028】
幾つかの実施例において、モールディング化合物は封止の後に硬化させることが可能である。216において、封止したパネルは、多数の光学的パッケージ350を与えるために任意の適宜の手段で単体化させることが可能である。図3(D)は、パッケージ350の断面側面図を例示しており、一方図6(A)及び(B)は、夫々、上部及び底部斜視図を例示している。特に、図6(A)はリップ部分336を含む凹所330を具備する光学的集中器324を例示している。レンズ部分338はリップ部分336の下側に位置されている。容易に理解されるように、例えば例として、レーザーマーキング、テスティング、及び外部コンタクトパッド310の鍍金等の多様な標準的な処理ステップを、単体化の前又は後のいずれかにおいて、パッケージ350に対して適用することが可能である。種々の実施例において、次いで、オプチカルファイバーを凹所330内に挿入させることが可能である。
【0029】
封止において光学的に透明なモールディング化合物340が使用される代替的実施例において、各光学的集中器324は、最初に何らの接着剤を適用することなしに、それと関連するダイ302上に位置決めさせることが可能である。これらの実施例の内の幾つかにおいて、インサートパネルが関連するダイ上に光学的集中器を支持するので、モールディング物質での封止の前に、インサートパネル400から光学的集中器324を単体化させることは望ましくない場合がある。これらの実施例においては、支持部材404の一部が、個別的パッケージの単体化の後に、モールディング物質で封止されたままに留まる場合がある。1実施例においては、インサートパネル400を上部モールドキャップ502に整合させ且つそれに固着させることが可能である。封止期間中の感光性領域320上のモールドフラッシング(バリ)は、モールディング物質340自身が光学的に透明であるので、問題ではない場合がある。実際に、幾つかの実施例において、光学的集中器324と感光性領域320と間に光学的に透明なモールディング化合物を有することが望ましい場合がある。
【0030】
更にその他の実施例において、各光学的集中器324は、光学的に透明なモールディング化合物340自身から形成することが可能である。例として、図7を参照すると、モールド700は突起730を具備するカスタム化した上部モールドキャップ702で設計することが可能である。封止プロセス期間中に、モールディング物質が突起730の周りで且つ該突起とダイ302との間のギャップ内に充填する。この様に、モールディング物質自身が一体的な光学的集中器とカップラー(結合器)とを形成する。図8はこの様な態様で製造されたパッケージ850の断面側面図を例示している。モールド700から除去した後に、封止した基板パネル304は、突起730からモールディング化合物840内に残された凹所830を包含している。各凹所830は、例として、図1及び3(D)の凹所130又は330に夫々類似している。更に、各突起730の底部表面は、モールディング化合物840からレンズ部分838の形状とさせるために設計し且つ湾曲させることが可能である。注意すべきことであるが、代替的実施例において、基板パネル304を封止し且つ一体的な光学的集中器を形成するために、従来のモールドを使用することが可能である。例として、一つの代替的実施例において、突起730を具備するインサートパネルを、基板パネル304と上部モールドキャップとの間のモールド内に適宜位置決めさせることが可能である。
【0031】
前述した方法で製造されたパッケージは、多数の利点を提供する。例として、光学的集中器内に凹所を組み込むことは、オプチカルファイバーをレンズ部分と、且つ、究極的に、ダイの表面上の感光性領域と整合させる効果的で且つ一貫性のある手段を提供する。更に、送信機の場合に、該レンズ部分は、該感光性領域によって射出された光をオプチカルファイバーのコア内にフォーカスさせる。オプチカルファイバーの該感光性領域との整合は、より大きなデータレートが所望されるに従い、益々重要となる。本発明者等は、10Gbps以上のデータレートをここに開示した種々の方法及び構成を使用して達成することが可能であることを知得している。
【0032】
ここに開示した光学的パッケージは、とりわけ、高速シリアルデータリンク、デジタルシネマ、テレビジョン、メディカル、及び通信において一般的に使用することが可能である。更に、説明したモールドした光学的パッケージは、単一方向、双方向、又はマルチポート(即ち、並列ファイバー)リンクに対して使用することが可能であり、且つ装置内データトランスポート、ディスプレイI/Oにおいて見出されるようなラック間又はボードデータトランスポート、ブレードコネクタ、テラビットルータ、テレコムスイッチ、及びスーパークラスタが関与する形態において使用することが可能である。
【0033】
例として、各々が関連する感光性領域を具備している2個(又はそれ以上)の集積回路ダイを包含するパッケージを製造することが可能である。一つの例示的実施例において、第1ダイは光検知器として機能することが可能であり、一方第2ダイは光射出器として機能することが可能である。この様に、単一のパッケージが送信機と受信機の両方として機能することが可能である。この様な実施例は、双方向適用例において使用することが可能である。これらの実施例において、これら2個のダイの各々は、それ自身の感光性領域を包含し且つそれ自身の関連するオプチカルファイバーをそれと結合させることが可能である。幾つかの実施例において、各ダイは、該ダイを関連するオプチカルファイバーと結合させるためにそれ自身の関連する光学的集中器を具備することが可能である。代替的実施例において、少なくとも2個の凹所及び少なくとも2個のレンズを具備する単一の光学的集中器を、該ダイの各々上の感光性領域をそれらと関連するオプチカルファイバーと結合させるために構成することが可能である。
【0034】
更に別の実施例において、単一のダイは2個又はそれ以上の感光性領域を包含することが可能である。該単一ダイ上の各感光性領域は、上述したものの内のいずれかのようなそれ自身の光学的集中器と結合させることが可能である。代替的に、単一の光学的集中器は、オプチカルファイバーを該ダイ上の感光性領域の各々と整合させるために、2個又はそれ以上のレンズ部分及び関連する凹所及びその他の結合特徴を包含することが可能である。この様な実施例において、該ダイは該感光性領域の両方を介しての並列通信のための形態とさせることが可能である。
【0035】
前述した説明は、説明の便宜上、本発明の完全なる理解を与えるために特定の呼称を使用している。しかしながら、当業者に明らかなように、該特定の詳細は、本発明の実施上必要なものではない。従って、本発明の特定の実施例の前述した説明は、例示及び説明の目的で提示しているものである。それらは、網羅的なものであること、又は本発明を開示した精密な形態に制限することを意図したものではない。当業者に理解されるように、多くの修正例及び変形例が上の説明に鑑みて可能なものである。
【0036】
該実施例は、本発明の原理及びその実際的適用例を最も良く説明し、それにより当業者が本発明及び意図される特定の使用に適したように種々の修正を具備する種々の実施例を最もよく利用することを可能とするために選択され且つ説明している。本発明の範囲は以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路パッケージにおいて、
第1表面上に配置した少なくとも1個の感光性領域を具備する第1ダイ、
該第1ダイの該第1表面に隣接して位置されており、該感光性領域に隣接して位置されていて光をフォーカスさせるレンズ部分を包含している光学的結合用集中器、
該第1ダイの少なくとも一部を封止するモールディング物質、
を有している集積回路パッケージ。
【請求項2】
請求項1において、該光学的結合用集中器が、更に、挿入されたオプチカルファイバーを該レンズ部分と整合させる構成とされているオプチカルファイバー結合用特徴部を有している集積回路パッケージ。
【請求項3】
請求項2において、該レンズ部分が該感光性領域から射出された光を該オプチカルファイバーのコア内にフォーカスさせるべく適合されている集積回路パッケージ。
【請求項4】
請求項2において、該レンズ部分が該オプチカルファイバーのコアから射出された光を該感光性領域へ向けてフォーカスさせるべく適合されている集積回路パッケージ。
【請求項5】
請求項2乃至4の内のいずれか1項において、該光学的集中器が、更に、外部表面内に凹所を有しており、該凹所が該オプチカルファイバーを受納し且つ該レンズ部分と整合させるべく適合されており、該レンズ部分が該凹所の底部に位置されている集積回路パッケージ。
【請求項6】
請求項5において、該凹所が、更に、該凹所内への第1距離においてリップ部分を有しており、該オプチカルファイバーは該リップ部分を越えて該凹所内に更に進むことが阻止され且つ該オプチカルファイバーの端部表面が該レンズ部分から第2所定距離にあるように該リップ部分は該オプチカルファイバーの外径よりも小さな内径を持っている集積回路パッケージ。
【請求項7】
請求項1乃至6の内のいずれか1項において、該光学的集中器が、該第1ダイを封止するために使用したモールディング物質から形成されており、且つ該第1ダイを封止するために使用したモールディング物質と一体的に形成されている集積回路パッケージ。
【請求項8】
請求項2乃至6の内のいずれか1項において、該オプチカルファイバーがマルチモードオプチカルファイバーである集積回路パッケージ。
【請求項9】
請求項1乃至8の内のいずれか1項において、
該第1ダイが面発光レーザを有しており、
本集積回路パッケージが、更に、基板を有しており、該第1ダイの該第1表面上のボンドパッドが該基板上の関連する内部コンタクトパッドと電気的に接続されており、
該基板が、リードフレーム及び高温FR4を有するラミネートを基礎とする基板からなるグループの内の少なくとも一つである、
集積回路パッケージ。
【請求項10】
請求項2乃至6及び8の内のいずれか1項において、更に、
第1表面上に配置した少なくとも1個の感光性領域を具備する第2ダイ、
該第2ダイの該第1表面に隣接して位置されており、該第2ダイの該感光性領域に隣接して位置されており光をフォーカスさせるべく適合されているレンズ部分を包含している第2光学的結合用集中器、
第2の挿入したオプチカルファイバーを該第2光学的結合用集中器の該レンズ部分と整合させる構成とされている第2オプチカルファイバー結合用特徴部、
を有しており、本集積回路パッケージが双方向通信用の形態とされており、該第1ダイが該第1ダイと関連する光学的結合用集中器のレンズ部分を介して且つ該第1ダイと関連するオプチカルファイバーのコア内へ光を伝達させる形態とされており、且つ該第2ダイが該第2オプチカルファイバーのコアから該第2光学的結合用集中器のレンズ部分を介して光を受光する形態とされている集積回路パッケージ。
【請求項11】
請求項1乃至10の内のいずれか1項において、該第1ダイが該第1表面上に配設されている少なくとも2個の感光性領域を包含しており、且つ該光学的結合用集中器が少なくとも2個のレンズ部分を包含しており、該レンズ部分の内の第1のものは該感光性領域の内の第1のものに隣接して位置されており且つ該レンズ部分の内の第2のものは該感光性領域の内の第2のものに隣接して位置されており、且つ該光学的結合用集中器が、更に、
オプチカルファイバー結合用特徴部を有しており、該オプチカルファイバー結合用特徴部は第1の挿入されたオプチカルファイバーを該レンズ部分の内の該第1のものと且つ第2の挿入されたオプチカルファイバーを該レンズ部分の内の該第2のものと整合させるべく構成されており、本集積回路パッケージが並列通信用に構成されている集積回路パッケージ。
【請求項12】
第1表面上に感光性領域を具備するダイを包含している集積回路パッケージに使用する光学的集中器において、
光をフォーカスする形態とされており、該ダイの該第1表面上の該感光性領域に隣接して位置されているレンズ部分、及び
オプチカルファイバーの第1端部であって第1表面を具備している該第1端部を受納すべく適合されている凹所、
を有しており、該レンズ部分は該凹所の底部に位置されており、該凹所は該オプチカルファイバーの該第1端部を該レンズ部分と整合させる形態とされている光学的集中器。
【請求項13】
請求項12において、該レンズ部分が、該感光性領域から射出された光を該オプチカルファイバーのコア内にフォーカスさせるべく適合されている光学的集中器。
【請求項14】
請求項12又は13において、該レンズ部分が、該オプチカルファイバーのコアから射出された光を該感光性領域上へフォーカスさせるべく適合されている光学的集中器。
【請求項15】
請求項12乃至14の内のいずれか1項において、該凹所は、更に、該凹所内への或る距離においてリップ部分を有しており、該オプチカルファイバーが該リップ部分を越えて該凹所内に更に進むことを阻止し且つ該オプチカルファイバーの該第1端部表面が該レンズ部分から第2所定距離にあるように該リップ部分が該オプチカルファイバーの外径よりも小さな内径を有している光学的集中器。
【請求項16】
光学的パッケージを製造する方法において、
第1表面上に少なくとも1個の感光性領域を具備している集積回路ダイを設け、
光をフォーカスする形態とされているレンズ部分を包含している光学的集中器を設け、
該レンズ部分が該ダイの該第1表面上の該感光性領域に隣接して位置されるように該ダイの該第1表面に隣接して該光学的集中器の第1表面を位置決めし、
該ダイ及び光学的集中器の一部をモールディング物質で封止する、
ことを包含している方法。
【請求項17】
請求項16において、更に、該光学的集中器を位置決めする前に該ダイの該第1表面上に光学的に透明な接着剤を付着させ、該光学的に透明な接着剤は、封止期間中に、該光学的集中器の該第1表面と該感光性領域との間に該モールディング物質のフラッシングを実質的に防止する方法。
【請求項18】
請求項16又は17において、該ダイが、各ダイが関連する基板の関連する装置エリア内の関連するコンタクトと電気的に接続されている1個又はそれ以上の2次元アレイ内に配設されている複数個のダイの内の一つであり、且つ該光学的集中器が、該複数のダイと実質的に同様なレイアウトで配設されている複数個の相互接続されている光学的集中器の内の一つであり、且つ該複数個の相互接続されている光学的集中器が該複数個のダイの上に実質的に同時的に位置決めされる方法。
【請求項19】
請求項18において、複数のダイ及び関連する複数の光学的集中器の各2次元アレイが、実質的に同時的に封止され、本方法が、更に、封止された複数のダイ及び複数の光学的集中器を単体化させて各々が少なくとも1個のダイと少なくとも1個の関連する光学的集中器とを包含する複数個の個別的な集積回路パッケージを与えることを包含している方法。
【請求項20】
請求項16乃至19の内のいずれか1項において、該光学的集中器が、更に、オプチカルファイバーの第1端部を受納すべく適合されている凹所を包含しており、該オプチカルファイバーの該第1端部は第1表面を具備しており、該レンズ部分は該凹所の底部に位置されており、該凹所は該オプチカルファイバーの該第1端部を該レンズ部分と整合させる形態とされており、本方法が、更に、該オプチカルファイバーの該第1端部を該凹所内に挿入することを包含している方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−529205(P2011−529205A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520057(P2011−520057)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/043810
【国際公開番号】WO2010/011396
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(591013469)ナショナル セミコンダクタ コーポレイション (64)
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL SEMICONDUCTOR CORPORATION
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】