説明

ファイバ共焦点顕微鏡における生体用対物レンズ

【課題】 共焦点スキャナからの照明光を第1の対物レンズ系で光ファイバの端部に導き、光ファイバの先端部に設置された第2のレンズ系によって生細胞などの被写体を観察する共焦点顕微鏡において、生細胞などの被写体対象をより高品質の画像で捉える共焦点顕微鏡の生体用対物レンズを提供する。
【解決手段】 ファイバおよび第2対物保持筒11は、その先端部に透明の窓27を有し、その内部に光ファイバ13が収容され、光ファイバ13の先端部に生体用対物レンズ22が配置されている。生体用対物レンズ22の前側焦点距離30の位置が細胞などの観察対象21位置となる。生体用対物レンズ22の前側焦点距離をf,後側焦点距離をfbとすると、倍率M=fb/fが成り立ち、かつ生体用対物レンズ22の開口数NAfと光ファイバ13の開口数NAの比をMとしてある。作動距離29は、前側焦点距離fとレンズの開口数NAfに依存させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバを用いて生体などを観察する共焦点顕微鏡、さらに詳しく云えば、光ファイバ先端部に装着される対物レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
共焦点顕微鏡について、生体などの観察対象を高品質な画像で取得するためのシステムの開発が行われている。
本件出願人は、その1つとして任意の位置にある試料を観測できる光ファイバ束を用いた共焦点顕微鏡を提案している( 特許文献1) 。
この提案は、光ファイバのコア系と光ファイバ束の端面上に照射される光ビーム径を所定条件にすることにより光スキャナ部の配置位置に関係なく任意の位置の試料を容易に観察でき、試料の共焦点スライス像を容易に得るものである。さらに共焦点用スキャナと光ファイバ間にリレーレンズを設け、リレーレンズと光ファイバの開口数を実質的に等しくすることにより照射効率および出射効率の向上を図っている。
【0003】
このようなシステム構造を示すものとして図6のブロック構造が考えられる。
図6は、光ファイバの接続構成の一例を示すものである。第1の対物レンズに対向して光ファイバの端面が配置され、さらに光ファイバの先端部に観察用の第2の対物レンズが設置される。
ここで、第2の対物レンズは光ファイバによって生体などに挿入され、観察対象に向き合う部分であるため、照明の効率が良好で、かつ高品質の生体断面像を得ることが要請される。
光ファイバを用いる共焦点顕微鏡として特許文献2,3が開示されている。
【0004】
特許文献2は、図12に示されるように制御装置82にニポウディスク89を有し、レンズ91を介して光ファイバ83の端面に照射光を導き、光ファイバ83先端部に前後移動調整できるレンズ98を設け、先端部の透明カバー111を被検部99に押し当て、被検部99を観察するものである。レンズ98の前後の移動により被検部99内の焦点位置を移動させることができるものである。
これは、体腔内の被検部の所望とする深さにおける共焦点像を得ることができるものである。
また、図8にレンズに代わりに回折格子24を設け、先端カバー12と回折格子24の間に透明な液体63が満たされ、光学部との間に遮蔽するOリング60を設け、水密構造としたものが開示されている。
【0005】
特許文献3は、ニポウディスク40を利用して共焦点スキャナを構成し、共焦点スキャナからの照明光をレンズ14を介して光ファイバ60端に入射させ、レンズ71,ミラー72,レンズ73を収納したハウジング70に光ファイバ60の先端部からの照明光を入射させ、レンズ73によって試料20を観察するものである。
これによれば、画質の良い観察像を得ることができるとともに細胞を用いる実験・観察を安定して行うことができるとしている。
なお、上記特許文献2,3の説明で用いている符号,図番は、各文献内のものをそのまま用いたものである。
【特許文献1】特開平11−133306号公報
【特許文献2】特開2002−301018号公報
【特許文献3】特開平9−329748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2の図13,15の光ファイバ先端のレンズ構造は、透明カバー111の形状に特徴を持たせたもので、レンズ98の前後の媒質を変えたり,レンズ自体の条件を定義することは記載されていない。また、図8のレンズの役割を果たす回折格子24の前側に透明液体を満たす構造のものは、先端カバー12をZ方向に移動させて焦点位置を変えるためのもので、液体を吸い出す(供給する)ことにより先端カバー12を近づけ(遠ざけ)被検部13の別の深さを観察するために用いられるものである。したがって観察対象に対するレンズ構成の性能の向上を図るものではない。
また、特許文献3は、顕微鏡本体とは異なる位置に、先端部のハウジング70を移動させるために光ファイバを使用するものであり、ハウジング70の構成は生体内の中に挿入して観察する構造とはなっていない。
【0007】
本発明の目的は、共焦点スキャナを用い、共焦点スキャナからの照明光を第1の対物レンズ系で光ファイバの端部に導き、光ファイバの先端部に設置された第2のレンズ系によって生細胞などの被写体を観察する共焦点顕微鏡において、生細胞などの被写体対象をより高品質の画像で捉えることができるファイバ共焦点顕微鏡における生体用対物レンズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、共焦点スキャナを用い、該共焦点スキャナからの照明光を第1の対物レンズ系で光ファイバの端部に導き、光ファイバの先端部に設置された第2の対物レンズ系によって生細胞などを観察する共焦点顕微鏡において、前記第2の対物レンズ系は、該対物レンズ系の前側焦点距離をf,後側焦点距離をfb ,倍率をM,対物レンズの開口数をNAL ,光ファイバ先端の開口数をNAf とした場合、M=fb /fであり、かつM=NAL /NAf になるように構成し、前記第2の対物レンズ系の前側媒質と後側媒質が同一で、空気,水または油で満たすようにしたことを特徴とする。
本発明の請求項2は、共焦点スキャナを用い、該共焦点スキャナからの照明光を第1の対物レンズ系で光ファイバの端部に導き、光ファイバの先端部に設置された第2の対物レンズ系によって生細胞などを観察する共焦点顕微鏡において、
前記第2の対物レンズ系は、
該対物レンズ系の前側焦点距離をf,後側焦点距離をfb ,倍率をM,対物レンズ系の開口数をNAL ,光ファイバ先端の開口数をNAf とした場合、M=fb /fであり、かつM=NAL /NAf になるように構成し、
前記第2の対物レンズ系の前側媒質と後側媒質を異質とし、該前側媒質と後側媒質は水または油と空気で組み合わせたことを特徴とする。
媒質を水または油仕様にするため、第2のレンズは屈折率の大きな硝材を用いる。
本発明の請求項3は、請求項2記載の発明において、共焦点スキャナを用い、該共焦点スキャナからの照明光を第1の対物レンズ系で光ファイバの端部に導き、光ファイバの先端部に設置された第2の対物レンズ系によって生細胞などを観察する共焦点顕微鏡において、前記第2の対物レンズと前記光ファイバを収容するレンズ筒体と、前記レンズ筒体の先端部に配置された透明窓と、前記第2の対物レンズをレンズ筒体内壁に支持し、前記第2のレンズの前側媒質と後側媒質とを遮蔽する遮蔽手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項4は、請求項1または2記載の発明において前記第2の対物レンズ系の直径と前記光ファイバの直径の関係は、RL >Rf であって、NAが大きくなる程RL が大きくなり、その増加分はNA=n・sin θが成り立つとき、2fb ・tan θ以上になることを特徴とする。
ただし、RL ;第2の対物レンズ系の直径
f ;光ファイバの直径
NA;対物レンズ系と光ファイバの開口数
b ;対物レンズ系と光ファイバの距離(対物レンズ系の後側焦点距離)
θ ;第2の対物レンズ系または光ファイバへの光の取入可能最大角
本発明の請求項5は、請求項1または2記載の発明において前記第2の対物レンズ系の開口数NAL と光ファイバ先端の開口数NAf は、前記前側媒質の屈折率をn1 ,後側媒質の屈折率をn2 とした場合、NAL =n1 ・sin θ1 ,NAf =n2 ・sin θ2 であることを特徴とする。
ただし、θ1 ;前側媒質に対する第2の対物レンズ系の光の取入可能最大角
θ2 ;後側媒質に対する第2の対物レンズ系の光の取入可能最大角
本発明の請求項6は、請求項1または2記載の発明において前記第2の対物レンズの前側先端と焦点面との間の作動距離は、前記レンズの前側焦点距離より小さくなることを特徴とする。
本発明の請求項7は、請求項1乃至6記載の発明において前記第2の対物レンズは先端直径が小さくロッド長の大きいセルフォックレンズであることを特徴とする。
本発明の請求項8は、請求項1乃至6記載の発明において前記第2の対物レンズが、単レンズに比べて収差の少ない組みレンズで構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
前記請求項1によれば、媒質が空気の場合、倍率M=fb /f ∝ NAL /NAf の関係が成り立つ。媒質を水や油にすると、Mが一定でもNAL の大きさだけを大きくすることが可能となる。このような構成によって焦点距離一定のまま(レンズ径同一のまま)集光効率を挙げることができ、高画質の像を得ることができる。別の言い方をすれば、レンズ径またはファイバ径を一定のままで、開口数をあげる(結像効率をあげる)ことができ、したがって、レンズやファイバ径を従来に比較し縮小することができ、生体挿入部を細くできる。
また、共焦点スキャナからの照明光を光ファイバに導き、光ファイバの先端部に設置された第2の対物レンズ系によって生細胞などの被写体を観察する場合、先端直径が小さくロッド長の大きいセルフォックレンズを採用することにより、該レンズの保持が容易になり、倍率調整機構の追加に有利となる。上記セルフォックレンズと魚眼レンズとを組み合わせて視野を拡大することができる。
作動距離は0.5mm〜2mmに構成でき、媒質(水)と生体内部(油)を想定して補正管を追加することが可能である。
以上のような構成にできるため生細胞などの被写体対象をより高品質の画像で捉えることができる光ファイバ式共焦点顕微鏡を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は本発明による生体用対物レンズを適用した光ファイバ共焦点顕微鏡の概略を示す図である。
本発明に適用する光ファイバ共焦点顕微鏡はCCD1,ニプコウ板共焦点スキャナ2,平行光レンズ3,フォーカス変更筒4,ダイクロイックミラー(DM)5,TVカメラレンズ6,透過像検出機構7,フォーカス調整機構8,第1対物レンズ保持筒9,第1対物レンズ10,ファイバおよび第2の対物レンズ保持筒11,ファイバ種変更機構12,光ファイバ13および変倍機構14を備えている。本発明による生体用対物レンズ(第2の対物レンズ15)は上記変倍機構14の端部に取り付けられている。
【0011】
ニプコウ板共焦点スキャナは多数のピンホールが渦巻き状に配置された回転円板を用いマルチビームステャンにより共焦点画像を得るものである。図示しないレーザ光源からのレーザ光束を適当なビーム径に広げた後、マイクロレンズ・アレイに入射させる。レーザ光は1つ1つのマイクロレンズを通過し、それぞれに対応して配置されたピンホールディスクのピンホール上に集光する。ピンホールディスクを通過する光量を大幅に向上させ、ピンホール以外のディスク表面で反射されるノイズ光を減少させS/N比を高めることができる。ニプコウ板共焦点スキャナ2内の上記各構成要素の記載は省略されている。
接続部筒2aとフォーカス変更筒4が接続され、フォーカス変更筒4の端部に配置された平行光レンズ3に前記ピンホールを出た光が入射し、平行光になる。
【0012】
フォーカス変更筒4内にはダイクロイックミラー(DM)5が配置され、平行光はこのダイクロイックミラー(DM)5を透過した後、フォーカス調整機構8を通過して第1の対物レンズ10に入射する。
フォーカス変更筒4はフォーカス調整機構8を介し第1対物保持筒9に結合されている。フォーカス調整機構8は例えばPZTにより構成され、第1対物保持筒9以降で構成されるイメージングファイバユニット部を駆動させてフォーカス位置を変更可能である。
第1対物保持筒9をフォーカス変更筒4から取り外すことにより、第1対物保持筒9を用いた通常の観察(普通の顕微鏡としての機能)を行うことができる。
【0013】
ファイバ種変更機構12はジョイント部により構成され、第1対物保持筒9へのファイバおよび第2対物保持筒11の装脱着が可能であり、種々のファイバを取り替えることができる。ジョイント部はボール留め仕様または回転式で接続するものである。また、ジョイント部に対しボールベアリングを用いて接続することによりファイバを回転可能に構成できる。
ファイバ13はファイバおよび第2対物保持筒11に内蔵され、第1の対物レンズ10で収束された光がファイバ13に導かれる。ファイバおよび第2対物保持筒11の先端には変倍機構14が設けられ、変倍機構14に本発明による生体用対物レンズである第2の対物レンズ15が接続される。
【0014】
変倍機構14は超弾性合金によって第2の対物レンズ15の光軸方向の位置を変更可能としている。また、第2の対物レンズ15にセルファックレンズを用いてファイバ13との光結合に補正レンズを追加する構成にできる。
第2対物レンズ15を出射した光は図示しない細胞などの生体内の共焦点位置に収束され、その部分の切断面画像を以下に説明する経路で得ることができる。
切断面からの蛍光は、第2の対物レンズ15で収束されてファイバ13を戻り第1の対物レンズ10を通り、ダイクロイックミラー5で反射されてTVカメラレンズ6に入射する。入射光はTVカメラレンズ6で収束されて検出機構7の図示しない受光部に像が結像され観察することができる。
【0015】
図2は、本発明による生体用対物レンズの構成を説明するための概略図である。
ファイバおよび第2対物保持筒11内には、光ファイバ13が収容され、光ファイバ13の先端部に生体用対物レンズ22が配置されている。ファイバおよび第2対物保持筒11の先端部は透明の窓27によって密閉されている。生体用対物レンズ22の前側焦点距離30の位置が細胞などの観察対象21位置となる。生体用対物レンズ22と光ファイバ13の先端部との距離は後側焦点距離31である。
生体用対物レンズ22の前側焦点距離をf,後側焦点距離をfbとし、レンズ径をL,ファイバの有効径をDとすると、
倍率 M=fb/f・・・(1)
が成り立っている。
そして、生体用対物レンズ22の開口数NAfと光ファイバ13の開口数NAの比をMになるような構成としてある。
【0016】
生体用対物レンズ22の直径と光ファイバ13の直径をそれぞれRL ,Rf とすると以下のような関係が成り立つ。
L >Rf であって、NAが大きくなる程RL が大きくなり、その増加分はNA=n・sin θが成り立つとき、2fb ・tan θ以上である。
ただし、NA;対物レンズ系と光ファイバの開口数
b ;対物レンズ系と光ファイバの距離(対物レンズ系の後側焦点距離)
θ ;第2の対物レンズ系または光ファイバへの光の取入可能最大角
作動距離(R)29は、前側焦点距離fより小さくなる。すなわちR<fとなり、前側焦点距離に依存する。例として0.1mmから1mmまでの距離で作動させることができる。また、生体用対物レンズ22の開口数NAfに依存する。
【0017】
ファイバおよび第2対物保持筒11内のレンズの前後の空間はドライ方式または液侵式方式が採用される。
第2の対物レンズ系の開口数NAL と光ファイバ先端の開口数NAf は、前側媒質の屈折率をn1 ,後側媒質の屈折率をn2 とした場合、NAL =n1 ・sin θ1 ,NAf =n2 ・sin θ2 が成り立つ。
ただし、θ1 ;前側媒質に対する第2の対物レンズ系の光の取入可能最大角
θ2 ;後側媒質に対する第2の対物レンズ系の光の取入可能最大角
組み合わせは主に以下に示す5種類のタイプがある。
a)レンズと窓間の空間25およびレンズとファイバ間の空間26が共に空気(n=
1)(図4(a))
b)レンズと窓間の空間25が水(n=1.33)およびレンズとファイバ間の空間2 6が空気(n=1)(図4(a))
c)レンズと窓間の空間25およびレンズとファイバ間の空間26が共に水(n=1. 33)(図4(b))
d)レンズと窓間の空間25が油(n>1.55)およびレンズとファイバ間の空間2 6が空気(n=1)(図4(c))
e)レンズと窓間の空間25およびレンズとファイバ間の空間26が共に油(n>1. 55)(図4(b))
【0018】
レンズと窓間の空間25とレンズとファイバ間の空間26に満たす媒質が異なる場合には、前後の空間部の間を遮蔽する遮蔽リングを生体用対物レンズ22の円周に取り付け、生体用対物レンズ22を11のファイバおよび第二対物保持筒の内壁に固定する。
開口数はドライ方式または液侵式方式に依存するが、例えば0.3から1.4である。 全体の直径(筒の直径)は上述したようにファイバ13と生体用対物レンズ22の開口数に依存し、例えば0.5mmから5mmである。
透過率は400〜1100nmまで50%以上であり、色補正は400〜1000nmまで、焦点深度(λ/NA2 )以内となっている。
図5に光ファイバと組みレンズによる第2対物レンズの接続構成の1例を示す。
図2における生体用対物レンズ22の代わりに、2つのレンズからなる組レンズ35で構成することにより1つのレンズに比較し収差の少ない対物レンズを構成可能である。
【0019】
図3は、本発明による生体用対物レンズの実施の形態を示す斜視図である。
この実施の形態は生体用対物レンズにセルフォックレンズ20を用いたものである。
レンズ筒34の前面には透明窓32が設けられており、筒内部と焦点面25が存在する外側とは完全に遮断されている。また、セルフォックレンズ20はその外周部がレンズ支持部33に嵌合され、レンズ支持部33がレンズ筒34の内壁に密着固定されている。従って、セルフォックレンズ20の前後には異なる媒質(空気,水,油の組み合わせ)で構成したものを複数種類作ることができる。
【0020】
また、セルフォックレンズ20と光ファイバ24の間に変倍機構を挿入して、観察対象の倍率を変えることが可能である。さらに光ファイバの端部(図3には図示されていない)にファイバ種変更機構を取り付けることにより、観察対象によって種々の生体用レンズを付け替えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
生体細胞などを観察するための光ファイバ共焦点顕微鏡の対物レンズである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明による生体用対物レンズを適用した光ファイバ共焦点顕微鏡の概略を示す図である。
【図2】本発明による生体用対物レンズの構成を説明するための概略図である。
【図3】本発明による生体用対物レンズの実施の形態を示す斜視図である。
【図4】第2のレンズの前側および後側の空間に異なる媒質を適用した場合の実施の形態を示す図である。
【図5】光ファイバと組みレンズによる第2対物レンズの接続構成の一例を説明するための図である。
【図6】光ファイバの接続構成の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0023】
1 CCD
2 ニプコウ板共焦点スキャナ
3 平行光レンズ
4 フォーカス変更筒
5 ダイクロイックミラー(DM)
6 TVカメラレンズ
7 透過像検出機構
8 フォーカス調整機構
9 第1対物レンズ保持筒
10 第1対物レンズ
11 ファイバおよび第2対物レンズ保持筒
12 ファイバ種変更機構
13,24 光ファイバ
14 変倍機構
15 第2対物レンズ
20 セルフォックレンズ
21 焦点面
22 生体用対物レンズ
25 第2対物レンズの焦点側媒質屈折率
26 第2対物レンズの像側媒質屈折率
27,32 透明窓
28 焦点部の媒質の屈折率
29 ワーキングディスタンス
30 生体用対物レンズ22の前側焦点距離
31 生体用対物レンズ22の後側焦点距離
33 レンズ支持部
34 レンズ筒
35 組レンズ
36 組レンズの前後主点間距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共焦点スキャナを用い、該共焦点スキャナからの照明光を第1の対物レンズ系で光ファイバの端部に導き、光ファイバの先端部に設置された第2の対物レンズ系によって生細胞などを観察する共焦点顕微鏡において、
前記第2の対物レンズ系は、
該対物レンズ系の前側焦点距離をf,後側焦点距離をfb ,倍率をM,対物レンズの開口数をNAL ,光ファイバ先端の開口数をNAf とした場合、M=fb /fであり、かつM=NAL /NAf になるように構成し、
前記第2の対物レンズ系の前側媒質と後側媒質が同一で、空気,水または油で満たすようにしたことを特徴とするファイバ共焦点顕微鏡における生体用対物レンズ。
【請求項2】
共焦点スキャナを用い、該共焦点スキャナからの照明光を第1の対物レンズ系で光ファイバの端部に導き、光ファイバの先端部に設置された第2の対物レンズ系によって生細胞などを観察する共焦点顕微鏡において、
前記第2の対物レンズ系は、
該対物レンズ系の前側焦点距離をf,後側焦点距離をfb ,倍率をM,対物レンズ系の開口数をNAL ,光ファイバ先端の開口数をNAf とした場合、M=fb /fであり、かつM=NAL /NAf になるように構成し、
前記第2の対物レンズ系の前側媒質と後側媒質を異質とし、該前側媒質と後側媒質は水または油と空気で組み合わせたことを特徴とするファイバ共焦点顕微鏡における生体用対物レンズ。
【請求項3】
共焦点スキャナを用い、該共焦点スキャナからの照明光を第1の対物レンズ系で光ファイバの端部に導き、光ファイバの先端部に設置された第2の対物レンズ系によって生細胞などを観察する共焦点顕微鏡において、
前記第2の対物レンズ系と前記光ファイバを収容するレンズ筒体と、
前記レンズ筒体の先端部に配置された透明窓と、
前記第2の対物レンズ系をレンズ筒体内壁に支持し、前記第2のレンズの前側媒質と後側媒質とを遮蔽する遮蔽手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2記載のファイバ共焦点顕微鏡における生体用対物レンズ。
【請求項4】
前記第2の対物レンズ系の直径と前記光ファイバの直径の関係は、RL >Rf であって、NAが大きくなる程RL が大きくなり、その増加分はNA=n・sin θが成り立つとき、2fb ・tan θ以上になることを特徴とする請求項1または2記載のファイバ共焦点顕微鏡における生体用対物レンズ。
ただし、RL ;第2の対物レンズ系の直径
f ;光ファイバの直径
NA;対物レンズ系と光ファイバの開口数
b ;対物レンズ系と光ファイバの距離(対物レンズ系の後側焦点距離)
θ ;第2の対物レンズ系または光ファイバへの光の取入可能最大角
【請求項5】
前記第2の対物レンズ系の開口数NAL と光ファイバ先端の開口数NAf は、前記前側媒質の屈折率をn1 ,後側媒質の屈折率をn2 とした場合、NAL =n1 ・sin θ1 ,NAf =n2 ・sin θ2 であることを特徴とするを特徴とする請求項2記載のファイバ共焦点顕微鏡における生体用対物レンズ。
ただし、θ1 ;前側媒質に対する第2の対物レンズ系の光の取入可能最大角
θ2 ;後側媒質に対する第2の対物レンズ系の光の取入可能最大角
【請求項6】
前記第2の対物レンズの前側先端と焦点面との間の作動距離は、前記レンズの前側焦点距離より小さくなることを特徴とする請求項1または2記載のファイバ共焦点顕微鏡における生体用対物レンズ。
【請求項7】
前記第2の対物レンズは先端直径が小さくロッド長の大きいセルフォックレンズであることを特徴とする請求項1乃至6記載のファイバ共焦点顕微鏡における生体用対物レンズ。
【請求項8】
前記第2の対物レンズは複数枚のレンズを組み合わせ、対物面側と像面側との間で、収差を改善した組みレンズであることを特徴とする請求項1乃至6記載のファイバ共焦点顕微鏡における生体用対物レンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−276561(P2006−276561A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−96877(P2005−96877)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(504300181)国立大学法人浜松医科大学 (96)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】