説明

ファクシミリ装置

【課題】FAX通信時に受信側の装置でエラーが発生している場合であっても、そのエラーの種類に応じた制御をすることで、ユーザの利便性を向上させることが可能なファクシミリ装置を提供すること。
【解決手段】相手先装置50がメモリフルまたはその他のエラー状態であることを示すエラーコードを受信した場合、相手先装置へ送信すべき画像データをポーリング送信対象の画像データとして記憶させる。よって、送信できなかった全ての画像データを一律にポーリング送信対象の画像データとする場合に比較して、ポーリング送信対象の画像データを減らすことができ、ポーリング送信対象の画像データで画像メモリ14aが圧迫されることを抑制でき、ユーザの利便性を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、FAX受信中に受信側装置においてエラーが発生した場合、受信側装置は、エラーの解除後、送信側装置に対してポーリング送信要求を送信し、送信側装置は、ポーリング送信要求に基づいてジョブを特定し、受信側装置へポーリング送信を行うファクシミリ装置が記載されている。特許文献1によれば、受信側装置のエラーが解除されるまで送信側装置が無駄なリダイヤル処理を繰り返すことを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−154092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、受信側装置が他の機器と通信中であるために発生するエラー、すなわち、ビジー状態に基づくエラーが発生している場合、その通信が終了した時点で当該エラーは解除される。これに対し、例えば、メモリフルなど、受信側装置においてビジー状態以外のエラーが発生している場合、ユーザが受信側装置の近くにいない場合が多く、しばらくの間エラーが解除されない可能性が高い。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のファクシミリ装置は、エラーの種類に関わらず、受信側装置においてエラーが解除された場合、受信側装置から送信側装置へポーリング送信要求が送信される。すなわち、送信側装置においては、何らかのエラー状態にある受信側装置との間でFAX通信を行おうとする毎に、FAXデータが送信側装置のメモリに蓄積されてゆく。そのため、送信エラーの回数が多くなると、送信側装置のメモリが圧迫される虞がある。その場合、ユーザはメモリから不要なデータを削除するなどの対処をしなければならず、不便である。
【0006】
また、特許文献1に記載の技術によれば、受信側の装置にとっては、自装置においてエラーが発生する毎に、エラー中に受信できなかった画像データをポーリング受信することになるので、その度に通信費が課金され、受信側装置のユーザにとっては利便性が低い。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、FAX通信時に受信側の装置でエラーが発生している場合であっても、そのエラーの種類に応じた制御をすることで、ユーザの利便性を向上させることが可能なファクシミリ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明のファクシミリ装置は、ファクシミリ通信の開始を要求する開始要求を相手先装置へ送信する要求手段と、前記要求手段により送信した前記開始要求に対して、前記相手先装置のビジー状態に基づく第1種エラーを示すエラー識別情報を受信した場合、前記開始要求を前記相手先装置へ再送信する再要求手段と、前記再要求手段により送信した前記開始要求に基づいて前記相手先装置との間でファクシミリ通信を開始した場合、前記相手先装置へ画像データを送信する第1送信手段と、前記要求手段により送信した前記開始要求に対して、前記相手先装置のビジー状態に基づかない第2種エラーを示すエラー識別情報を受信した場合、前記相手先装置へ送信すべき画像データをポーリング送信対象の画像データとして、記憶部に記憶させる第1記憶制御手段と、前記ポーリング送信対象の画像データを要求するポーリング送信要求を前記相手先装置から受信した場合、前記記憶部に記憶させた前記ポーリング送信対象の画像データを前記相手先装置へ送信する第2送信手段とを備える。
【0009】
なお、本発明は、ファクシミリ通信方法、ファクシミリ装置を制御する制御装置、通信プログラム、該通信プログラムを記録する記録媒体等の種々の態様で実現可能である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載のファクシミリ装置によれば、相手先装置のビジー状態に基づく第1種エラーを示すエラー識別情報を受信した場合、ファクシミリ通信の開始を要求する開始要求が相手先装置へ再送信される。そして、その開始要求に基づいて相手先装置との間でファクシミリ通信が開始された場合に相手先装置へ画像データが送信される。よって、相手先装置に課金される通信費の負担を抑制しつつ、画像データを相手先装置へ送信できるので、相手先装置のユーザにとって利便性が高いという効果がある。また、相手先装置のビジー状態に基づかない第2種エラーを示すエラー識別情報を受信した場合に、相手先装置へ送信すべき画像データをポーリング送信対象の画像データとして記憶部に記憶させるので、ポーリング送信対象の画像データにより記憶部が圧迫されることを抑制でき、ユーザの利便性を向上できるという効果がある。
【0011】
請求項2記載のファクシミリ装置によれば、請求項1記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、相手先装置からポーリング送信要求を受信し、記憶部に記憶させたポーリング送信対象の画像データに関連付けられたパスワードを受信した場合に、当該パスワードに関連付けられたポーリング送信対象の画像データが相手先装置へ送信されるので、セキュリティを高めることができるという効果がある。
【0012】
請求項3記載のファクシミリ装置によれば、請求項1または2に記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、相手先装置がポーリング受信機能を有さないと判断される場合には、開始要求が相手先装置へ送信されるので、相手先装置がポーリング受信機能を有さない場合であっても、画像データを送信できるという効果がある。
【0013】
請求項4記載のファクシミリ装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、指定を受け付けた相手先装置について、第2種エラー状態であることを示す状態情報が記憶されている場合、画像データの送信が実行されず、当該画像データはポーリング送信対象の画像データとして記憶部に記憶されるので、開始要求を送信したとしてもエラー状態である可能性が高い相手先装置に対して、適切に対応できるという効果がある。
【0014】
請求項5記載のファクシミリ装置によれば、請求項4記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、相手先装置へポーリング送信対象の画像データを送信する場合には、当該相手先装置が第2種エラー状態であることを示す状態情報が状態記憶部から削除されるので、相手先装置の状態に応じて、状態情報を適切に更新できるという効果がある。
【0015】
請求項6記載のファクシミリ装置によれば、請求項4または5に記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、相手先装置から第2種エラーを示すエラー識別情報を受信し、且つパスワードを受信した場合、当該パスワードとポーリング送信対象の画像データとを関連付けて記憶部に記憶させる。また、相手先指定手段により指定を受け付けた相手先装置について第2種エラー状態であることを示す状態情報が記憶されていると判断され、且つ、当該相手先装置から送られてきたパスワードに関連付けられたポーリング送信対象の画像データが記憶部に記憶されている場合には、画像データ取得手段により取得した画像データは当該パスワードに関連付けて、ポーリング送信対象の画像データとして記憶される。よって、相手先装置からポーリング送信要求を受信し、且つパスワードを受信した場合には、当該パスワードに関連付けられているポーリング送信対象の画像データをまとめて、相手先装置へ送信できるという効果がある。
【0016】
請求項7記載のファクシミリ装置によれば、請求項1から6のいずれかに記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、公衆回線網を介したファクシミリ通信により、相手先装置へポーリング送信対象の画像データが送信されるので、IPネットワークを介したファクシミリ通信がポーリング送受信に対応していない場合であっても、相手先装置へ画像データを送信できるという効果がある。
【0017】
請求項8記載のファクシミリ装置によれば、請求項1から7のいずれかに記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、自装置において発生しているエラーが解除された場合、相手先装置へポーリング送信要求が送信されるので、適切なタイミングでポーリング送信要求を送信できるという効果がある。
【0018】
請求項9記載のファクシミリ装置によれば、請求項8記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、ファクシミリ通信の開始要求を受信した場合であって、自装置においてエラーが発生している場合には、当該ファクシミリ通信の開始要求に対応する画像データをポーリング受信するためのパスワードが生成され、ポーリング要求手段は、相手先装置へポーリング送信要求を送信し、且つ、相手先装置と対応付けてパスワード記憶部に記憶されているパスワードを送信するので、セキュリティを高めることができるという効果がある。
【0019】
請求項10記載のファクシミリ装置によれば、請求項8または9に記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、相手先装置がポーリング送信機能を有さないと判断された場合であって、自装置において発生しているエラーが解除された場合には、当該エラーの解除を示すエラー解除画像データが相手先装置へ送信されるので、自装置におけるエラーの解除を相手先装置へ確実に通知できるという効果がある。
【0020】
請求項11記載のファクシミリ装置によれば、請求項1から10のいずれかに記載のファクシミリ装置の奏する効果に加え、公衆回線網を介したファクシミリ通信によりポーリング送信要求が送信されるので、IPネットワークを介したファクシミリ通信がポーリング送受信に対応していない場合であっても、相手先装置から画像データを受信できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のFAX装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】(a)は、ポーリング管理テーブルの構成を示す模式図であり、(b)は、再送信管理テーブルの構成を示す模式図である。
【図3】送信側のFAX装置と受信側の相手先装置との間において実行される通信を説明するシーケンス図である。
【図4】メイン処理を示すフローチャートである。
【図5】ポーリング送信処理を示すフローチャートである。
【図6】再送信処理を示すフローチャートである。
【図7】受信処理を示すフローチャートである。
【図8】エラー処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態であるFAX装置1の電気的構成を概略的に示すブロック図である。FAX装置1は、受信側の装置でエラーが発生している場合であっても、そのエラーの種類に応じた制御をすることで、ユーザの利便性を向上させるように構成されている。以下、詳細を説明する。
【0023】
FAX装置1は、次世代ネットワーク30(以下、NGN網30)を通じて、T.38ベースのFAX通信(以下、T.38FAX通信)を行う。T.38は、ファクシミリデータをIPプロトコルのメッセージに翻訳して通信する方法を規定した規格である。また、FAX装置1は、交換機90によって構成された公衆回線網40(以下、PSTN40)にも接続され、PSTN40を通じた通常のFAX通信(以下、通常FAX通信)も可能に構成されている。本実施形態において、相手先装置50には、NGN網30またはPSTN40のうち少なくともいずれか一方を介してFAX装置1と通信可能な全ての装置が該当する。相手先装置50は多数台存在するが、図1には1台のみ図示する。
【0024】
FAX装置1は、CPU11、ROM12、RAM13、フラッシュメモリ14、スキャナ15、プリンタ16、操作キー17、LCD18、PSTNインターフェース(PSTNI/F)19、ネットワークインターフェース(ネットワークI/F)20とを有する。これら各部は、バスライン10により接続される。
【0025】
CPU11は、ROM12等に記憶される固定値やプログラム等に従って、バスライン10と接続された各部を制御する。ROM12は、書換不能な不揮発性のメモリであって、各種の固定値を記憶する。RAM13は、書換可能な揮発性のメモリである。
【0026】
フラッシュメモリ14には、画像メモリ14aと、ポーリング管理テーブル14bと、再送信管理テーブル14cとが設けられる。画像メモリ14aは、スキャナ15により生成された画像データを記憶するためのメモリである。ポーリング管理テーブル14b、再送信管理テーブル14cについては、図2を参照して後述する。
【0027】
スキャナ15は、原稿を読み取り、原稿に対応した画像データを生成する。プリンタ16は、FAX装置1で受信した画像データに対応した画像を記録用紙に印刷する。操作キー17は、相手先装置50を指定するためのFAX番号や指示をFAX装置1へ入力するためのキーである。LCD18は、操作手順や装置の状態などをユーザに知らせるための画面を表示する。PSTNI/F19は、FAX装置1をPSTN40に接続するためのインターフェースであり、通常FAX通信を制御する。ネットワークI/F20は、FAX装置1をNGN網30に接続するためのインターフェースであり、T.38通信を制御する。
【0028】
SIPサーバ80は、NGN網30を制御するサーバであり、FAX装置1や相手先装置50などのIPアドレス及びSIPURIを対応付けて記憶する。FAX装置1と相手先装置50との間で送受信されるSIPに従った手順に基づく各種の信号は、SIPサーバ80を経由して送受信される。
【0029】
図2(a)は、ポーリング管理テーブル14bの構成を模式的に示す図である。ポーリング管理テーブル14bは、ポーリング送信対象の画像データを管理するためのテーブルであり、画像パス21と、宛先22と、パスワード23と、読取日時24と、ステータス25とが対応付けて記憶される。
【0030】
画像パス21は、画像メモリ14aに記憶された画像データの所在を示す情報であって、絶対パスで構成される。画像パス21で特定される画像データを、以下、ポーリング送信対象の画像データとする。
【0031】
宛先22は、ポーリング送信対象の画像データを送信すべき相手先装置50のFAX番号を示す。FAX装置1が相手先装置50に対してファクシミリ通信の開始要求を送信したが、当該相手先装置50がビジー以外のエラー状態にある場合、FAX装置1は当該相手先装置50のFAX番号を、宛先22としてポーリング管理テーブル14bに記憶させる。
【0032】
パスワード23は、ビジー以外のエラー状態にある相手先装置50からエラーコードと共に送られてくるパスワードである。相手先装置50においてエラーが解除され、当該相手先装置50からFAX装置1に対してポーリング送信要求とパスワードとが送られてきた場合、FAX装置1は、ポーリング管理テーブル14bを参照して、当該相手先装置50のFAX番号とパスワードとの組み合わせに対応する画像パス21を取得し、その画像パス21に基づいてポーリング送信対象の画像データを特定して相手先装置50へポーリング送信する。
【0033】
読取日時24は、画像パス21で特定される画像データがスキャナ15により生成された日時を示す。読取日時24から所定時間以上経過した場合、当該読取日時24に対応する画像パス21の画像データは、画像メモリ14aから削除される。
【0034】
ステータス25は、相手先装置50のエラーの種類を示す。本実施形態では、エラーの種類として、相手先装置50がFAX受信中または通話中であるなどのビジー状態であることに基づくエラー(以下、ビジー)、相手先装置50においてメモリフルであるために生じるエラー(以下、メモリフル)、それ以外の理由により生じるエラー(以下、その他)の3種類があるものとする。
【0035】
図2(b)は、再送信管理テーブル14cの構成を模式的に示す図である。再送信管理テーブル14cは、再送信対象の画像データを管理するためのテーブルであり、画像パス26と、宛先27と、送信エラー日時28と、ステータス29とが対応付けて記憶される。
【0036】
画像パス26は、画像メモリ14aに記憶された画像データのうち、再送信対象の画像データの所在を示す情報であって、絶対パスで構成される。再送信対象管理テーブル14cに記憶された画像パス26で特定される画像データを、以下、再送信対象の画像データと称する。FAX装置1は、送信エラー日時28から所定時間(例えば5分)後、再送信対象の画像データを、相手先装置50へ再送信する。宛先27は、再送信対象の画像データを送信すべき相手先装置50のFAX番号を示す。送信エラー日時28は、相手先装置50がビジーであるために画像パス28で特定される画像データを送信できなかった日時を示す。
【0037】
ステータス29は、相手先装置50のエラーの種類を示す。FAX装置1は、受信側の相手先装置50がメモリフルまたはその他のエラー状態であるために画像データを送信できなかった場合、送信できなかった画像データを、ポーリング送信対象の画像データとして記憶する。一方、受信側の相手先装置50がビジーであるために画像データを送信できなかった場合、または、相手先装置50がポーリング受信機能を有しない場合、送信できなかった画像データを、再送信対象の画像データとして記憶する。
【0038】
図3は、FAX装置1と、相手先装置50と、SIPサーバ80との間の通信を示すシーケンス図である。FAX装置1において、ユーザが、操作キー17を操作してFAX番号を入力することにより、相手先装置50を指定し、その後、操作キー17のスタートキーを押下した場合、FAX装置1は、自装置にセットされた原稿を読み取り、読み取られた原稿に対応した画像データを生成する。
【0039】
次に、FAX装置1は、フラッシュメモリ14からSIPサーバ80のドメイン名を読み出し、指定された相手先装置50のFAX番号と、読み出されたドメイン名とから、SIPURIを生成し、図3に示す通信を開始する。
【0040】
具体的には、FAX装置1は、通信開始シーケンス31において、SIPURIを送信先とし、SIPサーバ80を介して、INVITEを送信する。INVITEは、SIPによる通信を開始する際に送信され、コール(セッション)に招待するためのメッセージ(メソッド)である。一方、SIPサーバ80を介してINVITEを受信した相手先装置50は、180 Ringingと200 OKとをFAX装置1へ送信する。FAX装置1は、相手先装置50から、180 Ringing及び200 OKを受信した後、INVITEに対する応答を受け取ったことを通知するためのメッセージであるACKを、SIPサーバ80を介して相手先装置50へ送信する。このACKの送受信によって、FAX装置1と相手先装置50との間では、NGN網30を介した接続が確立される。
【0041】
なお、図3では図示を省略するが、相手先装置50がビジーである場合において、相手先装置50がSIPサーバ80からINVITEを受信した場合、相手先装置50は180 Ringinおよび200 OKを送信せず、代わりに、ビジーを示すエラーコードをSIPサーバ80を介してFAX装置1へ送信する。その場合、FAX装置1と相手先装置50との間は接続されない。ただし、図3に示す以下の説明では、相手先装置50がビジーではなく、通信開始シーケンス31によりFAX装置1と相手先装置50とが接続された場合について説明する。
【0042】
次に、状態確認シーケンス32において、相手先装置50が標準の受信機能を有することを示すDIS、および相手先装置50が有する非標準の受信能力(例えば、ポーリング受信能力)を示すNSFが、相手先装置50からFAX装置1へ送信される。ここで、相手先装置50が、FAX装置1と同一の受信処理(図7を参照して後述)を実行可能であり、且つ、相手先装置50にメモリフルまたはその他のエラーが発生している場合、相手先装置50は、エラーの種類を示すエラーコード、および、ポーリング受信のために生成したパスワードを、NSFに含めてFAX装置1へ送信する。一方、NSFを受信したFAX装置1は、相手先装置50のFAX番号や受信したパスワードを、宛先22やパスワード23として画像パス21に関連付け、ポーリング管理テーブル14b(図2(a))に記憶させる。なお、状態確認シーケンス32においては、他にもDTC,DCSなど、T.30フェーズBにおいて通信される信号が交換されても良いが、ここでは図示および詳細な説明を省略する。
【0043】
FAX装置1は、エラーコードおよびパスワードを含むNSFを相手先装置50から受信した場合、状態確認シーケンス32から切断シーケンス33に移行する。具体的には、FAX装置1は、接続解除を通知するためのDCNを相手先装置50へ送信する。このDCNの送受信によって、FAX装置1と相手先装置50との間における接続が切断される。続けて、FAX装置1は、SIPサーバ80を介して、BYEを相手先装置50へ送信する。一方、相手先装置50は、SIPサーバ80を介して、200 OKをFAX装置1に送信する。
【0044】
ここで、相手先装置50が、FAX装置1と同じ受信処理(図7)を実行可能に構成されている場合、相手先装置50は、自装置において発生しているメモリフルまたはその他のエラーが解除されると、先に送信したエラーコードの送信先であるFAX装置1へ、ポーリング送信を要求する。すなわち、相手先装置50からの発信に基づく通信開始シーケンス31を開始する。
【0045】
通信開始シーケンス31により、接続が確立すると、次に、状態確認シーケンス32において、被呼側のFAX装置1が標準の受信機能を有することを示すDISがFAX装置1から相手先装置50へ送信される。また、FAX装置1がポーリング送信能力を有することを示すNSFが、FAX装置1から相手先装置50へ送信される。
【0046】
一方、相手先装置50からFAX装置1に対しては、ポーリング送信の実行を要求するNSCを送信する。なお、相手先装置50は、ポーリング受信のためのパスワードを、NSCに含めてFAX装置1へ送信する。
【0047】
これに対し、被呼側のFAX装置1は、画像データの送信が可能か否かをチェックするためのTCFを送信する。そして、相手先装置50から受信可能であることを示すCFRを受信した場合、FAX装置1は、画像データをポーリング送信する送信シーケンス34に移行する。
【0048】
送信シーケンス34では、FAX装置1は、相手先装置50から受信したパスワードに関連付けられたポーリング送信対象の画像データを相手先装置50へ送信する。そして、画像データの送信後、FAX装置1は、画像データの送信終了を示すEOPを相手先装置50へ送信する。そして、EOPを受信した相手先装置50がMCFで応答することにより、送信シーケンス34が終了し、FAX装置1は、切断シーケンス33に移行する。
【0049】
図4は、FAX装置1において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。この処理は、ユーザ指示に基づきFAX送信を実行する処理であり、FAX装置1の起動中、繰り返し実行される。
【0050】
まず、ステップS402(以下、ステップを省略)において、CPU11は、FAX番号入力画面(図示せず)をLCD18に表示させ、相手先装置の指定を受け付ける(S402)。FAX番号入力画面においてFAX番号が入力されない場合(S404:No)、CPU11は次のステップに移行しない。
【0051】
一方、FAX番号入力画面においてFAX番号が入力された場合において(S404:Yes)、操作キー17のうちスタートキーが押下されない場合(S406:No)、CPU11は次のステップに移行しない。
【0052】
そして、スタートキーが押下されると(S406:Yes)、次にCPU11は、指定された相手先装置50のステータスが特定のステータスであるかを確認する。具体的には、特定のステータス、すなわち、指定された相手先装置50がメモリフルまたはその他のエラー状態にあることを示すステータスが、ポーリング管理テーブル14bまたは再送信管理テーブル14cに記憶されているかを判断する(S408)。
【0053】
相手先装置50のステータスが記憶されていない、または、ビジーである場合(S408:No)、CPU11は、指定された相手先装置50に対して通信開始を要求する(S410)。具体的には、ファクシミリ通信の開始を要求するINVITEを相手先装置50へ送信して、通信開始シーケンス31(図3)を実行する。相手先装置50がビジー状態ではない場合(S412:No)、すなわち、相手先装置50からSIPサーバ80を介して180 Ringingと200 OKとを受信した場合、通信開始シーケンス31により、FAX装置1と相手先装置50との間が接続される。そして、状態確認シーケンス32(図3)に移行する。
【0054】
相手先装置50からDISとNSFとを受信しない場合(S414:No)、CPU11は次のステップに移行しない。一方、相手先装置50からDISとNSFとを受信した場合(S414:Yes)、CPU11は、セットされた原稿をスキャナ15に読み取らせ画像データを生成させることにより、相手先装置50に対して送信すべき画像データを取得する(S418)。なお、取得した画像データは、画像メモリ14aに記憶される。
【0055】
相手先装置50から受信したNSFにエラーコードが含まれていない場合(S420:No)、CPU11は、取得した画像データをT.38FAX通信で相手先装置50へ送信し(S422)、図3を参照して説明した切断シーケンス33を実行することにより通信を切断し(S424)、この処理を終了する。
【0056】
一方、相手先装置50から受信したNSFにエラーコードが含まれる場合(S420:Yes)、すなわち、相手先装置50がメモリフルまたはその他のエラー状態にある場合、CPU11は、さらに、相手先装置50から受信したNSFに、相手先装置50がポーリング受信機能を有することを示す機能情報が含まれているか否かを判断する(S426)。
【0057】
相手先装置50がポーリング受信機能を有すると判断される場合(S426:Yes)、CPU11は、相手先装置50へ送信すべき画像データをポーリング送信対象の画像データとして記憶させる(S428)。具体的には、CPU11は、S418で画像メモリ14aに記憶させた画像データの絶対パスを、ポーリング管理テーブル14b(図2(a))の画像パス21とし、相手先装置50のFAX番号を宛先22とし、これらを対応付けて記憶させる。また、CPU11は、NSFに含まれるパスワードを、これらの画像パス21および宛先22に対応付けて、ポーリング管理テーブル14bに記憶させる。このようにすれば、相手先装置50へ送信すべきであった画像データと、相手先装置50から受信したパスワードとを関連付けることができる(S429)。
【0058】
次に、CPU11は、相手先装置50が、メモリフル、または、その他のエラー状態であることを示すステータスを、ポーリング管理テーブル14bに記憶させ(S430)、S424へ移行する。
【0059】
一方、相手先装置50がポーリング受信機能を有さない場合(S426:No)、CPU11は、相手先装置50へ送信すべき画像データを再送信対象の画像データとして記憶させる(S432)。具体的には、S418で画像メモリ14aに記憶させた画像データの絶対パスを、再送信管理テーブル14c(図2(b))の画像パス26として記憶させ、相手先装置50のFAX番号を宛先27として、これらを対応付けて記憶させる。また、CPU11は、相手先装置50がメモリフル、または、その他のエラー状態であることを示すステータスを、再送信管理テーブル14cに記憶させ(S430)、通信を切断する(S424)。
【0060】
次に、相手先装置50がビジーであることに基づくエラーコードをSIPサーバ80から受信した場合について説明する。この場合(S412:Yes)、CPU11は、原稿をスキャナ15に読み取らせ、画像データを取得する(S433)。そして、取得した画像データを画像メモリ14aに記憶させ、その絶対パスを、再送信管理テーブル14cの画像パス26として記憶させることにより、当該画像データを再送信対象の画像データとして記憶させる(S434)。また、CPU11は、相手先装置50のFAX番号およびビジーであることを示すステータスを、再送信管理テーブル14cに記憶させる(S436)。ただし、相手先装置50がビジーである場合(S412:Yes)、FAX装置1と相手先装置50との間の接続は確立していないので、CPU11は、通信を切断するステップ(S424)を実行せず、この処理を終了する。
【0061】
次に、指定された相手先装置50が特定のステータス、すなわち、メモリフルまたはその他のエラー状態である場合について説明する。この場合(S408:Yes)、CPU11は、相手先装置50がポーリング受信機能を有するか否かを判断する(S437)。ここで、前回以前の通信において、相手先装置50がメモリフルまたはその他のエラー状態であり(S420:Yes)、且つ、ポーリング受信機能ありと判断された場合(S426:Yes)、当該相手先装置50のステータスがポーリング管理テーブル14bに記憶されている。よって、相手先装置50のステータスがポーリング管理テーブル14bに記憶されている場合には、CPU11は、相手先装置50がポーリング受信機能を有すると判断する(S437:Yes)。そして、CPU11は、スキャナ15による原稿の読み取りを実行し、その画像データを画像メモリ14aに記憶させるが(S438)、その画像データの送信をすぐには実行しない。代わりに、当該画像データをポーリング送信対象の画像データとして、その絶対パスをポーリング管理テーブル14bに記憶させ、また、指定された相手先装置50のFAX番号を対応付けて記憶させる(S440)。
【0062】
次に、今回指定された相手先装置50から過去に送られてきたパスワードが、ポーリング管理テーブル14bに記憶されている場合、すなわち、同一の相手先装置50へ送信すべきポーリング送信対象の画像データが画像メモリ14aに記憶されている場合、CPU11は、当該パスワードを、新たに取得した画像データに関連付ける。具体的には、ポーリング管理テーブル14bに新たに記憶させた画像パス21に対応付けて、同一の相手先装置50から受信したパスワードを記憶させる(S442)。そして、CPU11は、この処理を終了する。なお、S437の判断において、相手先装置50がポーリング受信機能を有さないと判断される場合(S437:No)、すなわち、前回以前の通信において、相手先装置50がメモリフルまたはその他のエラー状態であったが(S420:Yes)、ポーリング受信機能なしと判断され(S426:No)、当該相手先装置50のステータスが再送信管理テーブル14cに記憶されている場合、CPU11はS410に移行して通信開始を要求し(S410)、画像データの送信を試みる。
【0063】
メイン処理によれば、相手先装置50がメモリフルまたはその他のエラー状態であることを示すエラーコードを受信した場合、相手先装置50へ送信すべき画像データをポーリング送信対象の画像データとして記憶させることができる。よって、相手先装置50がエラーである全ての場合において、送信できなかった画像データを一律にポーリング送信対象の画像データとする場合に比べ、ポーリング送信対象として記憶させる画像データを減らすことができる。その結果、ポーリング送信対象の画像データで画像メモリ14aが圧迫されることを抑制でき、ユーザの利便性を向上できる。
【0064】
また、相手先装置50がビジーであることに基づくエラーコードを受信する場合、相手先装置50へ送信すべき画像データは、再送信対象の画像データとして記憶される。すなわち、相手先装置50からの発信ではなく、FAX装置1からの発信に基づき、送信すべき画像データとして記憶される。よって、相手先装置50に課金される通信費の負担を抑制しつつ、画像データを送信できるので、相手先装置50のユーザにとって利便性が高い。
【0065】
また、相手先装置50がポーリング受信機能を有さないと判断される場合、画像データは、再送信対象の画像データとして記憶される。よって、相手先装置50がポーリング受信機能を有さない場合であっても、画像データを送信できる。
【0066】
また、指定された相手先装置50について、その相手先装置50がメモリフルまたはその他のエラー状態であることを示すステータスが記憶されている場合、画像データの送信が実行されず、当該画像データはポーリング送信対象の画像データとして記憶されるので、通信開始要求を送信したとしてもエラーとなる可能性が高い相手先装置50に対して、画像データの送信を待機でき、無駄な通信の実行を抑制できる。
【0067】
図5は、FAX装置1において実行されるポーリング送信処理を示すフローチャートである。この処理は、相手先装置50からの要求に応じて、ポーリング送信対象の画像データを送信する処理であり、メイン処理とは独立して繰り返し実行される。
【0068】
まず、T.38FAX通信でポーリング送信要求を受信した場合(S502:Yes)、具体的には、通信開始シーケンス31(図3)により、相手先装置50との間が接続され、相手先装置50からポーリング送信の実行を要求するNSCを受信した場合、CPU11は、NSCに含まれるパスワードに関連付けられたポーリング送信対象の画像データを記憶しているか否かを判断する(S504)。
【0069】
相手先装置50からポーリング送信の実行を要求するNSCを受信し、且つ、NSCに含まれるパスワードに関連付けられたポーリング送信対象の画像データを記憶している場合(S504:Yes)、CPU11は、当該パスワードに関連付けられたポーリング送信対象の画像データを、T.38FAX通信で相手先装置50へ送信する(S506)。
【0070】
なお、メイン処理(図4)では、メモリフルまたはその他のエラー状態にある相手先装置50が指定された場合、当該相手先装置50に対する画像データの送信を実行しない。そして、同一の相手先装置50へ送信すべきポーリング送信対象の画像データに関連付けられているパスワードを、新たに取得したパスワードにも関連付ける。よって、相手先装置50から受信したパスワードに関連付けられているポーリング送信対象の画像データとしては、相手先装置50のエラーにより送信できなかった画像データに加えて、その後に同一の相手先装置50が指定されて送信が待機された画像データが存在している場合がある。S506においては、同一のパスワードに関連付けられているこれらの画像データが、まとめて相手先装置50へ送信される。
【0071】
次に、CPU11は、ポーリング送信した画像データを画像メモリ14aから削除し(S508)、ポーリング送信管理テーブル14b内の当該画像データに対応する画像パス21、宛先22、パスワード23、読取日時24、ステータス25を削除し(S510)、この処理を終了する。このようにすれば、ポーリング管理テーブル14bに記憶させたステータスを、相手先装置50のエラー解除に基づき、適切に更新できる。
【0072】
ここで、NGN網30を介した通信で利用可能な機能は国毎に異なる。よって、例えばある国では、NGN網30を介したポーリング送受信が利用可能であり、別の国では、NGN網30を介したポーリング送受信が不可能な場合があり得る。よって、T.38FAX通信ではなく(S502:No)、通常FAX通信でポーリング送信要求を受信した場合(S512:Yes)、CPU11は、通常FAX通信により、相手先装置50へポーリング送信対象の画像データを送信し(S506)、S508に移行する。なお、通常FAX通信でポーリング送信要求を受信した場合(S512:Yes)と、T.38FAX通信でポーリング送信要求を受信した場合(S502:Yes)とは、経由する網、および通信の規格が異なるが、S504〜S510の判断、および処理すべきデータは、T.38FAX通信でポーリング送信要求を受信した場合と同様であるため、図5においてはまとめて図示し、詳細な説明を省略する。このようにすれば、FAX装置1の設置国のNGN網30がポーリング送受信機能に対応しているか否かに関わらず、相手先装置50に画像データをポーリング送信できる。
【0073】
なお、相手先装置50からポーリング送信要求を受信したが、当該相手先装置50から受信したパスワードに関連付けられたポーリング対象の画像データが記憶されていない場合(S504:No)、CPU11は、画像データの送信を実行することなく、この処理を終了する。よって、ポーリング送信のセキュリティを高めることができる。
【0074】
また、ポーリング送信要求を受信しない場合(S512:No)、CPU11は、ポーリング送信対象の画像データのうち、読取日時から所定期間(例えば、3日)以上経過した画像データが存在するか否かを判断する(S514)。該当する画像データが存在しない場合(S514:No)、CPU11は、この処理を終了する。一方、該当する画像データが存在する場合(S514:Yes)、CPU11は、当該画像データを画像メモリ14aから削除する(S516)。また、CPU11は、ポーリング送信管理テーブル14b内の当該画像データに対応する画像パス21、宛先22、パスワード23、読取日時24、ステータス25を削除し(S518)、この処理を終了する。このようにすれば、ポーリング送信対象の画像データで画像メモリ14aが圧迫されることを抑制できる。
【0075】
図6は、FAX装置1において実行される再送信処理を示すフローチャートである。この処理は、再送信対象の画像データを送信する処理であり、メイン処理とは独立して繰り返し実行される。再送信対象の画像データのうち、送信エラー日時から所定時間(例えば5分)以上経過している画像データが存在する場合(S602:Yes)、CPU11は、当該画像データに対応付けて再送信管理テーブル14c(図2(b))に記憶されている相手先装置50のFAX番号に基づき、当該相手先装置50にINVITEを送信し、通信開始を再度要求する(S604)。
【0076】
この開始要求に基づいて相手先装置50との間でT.38FAX通信を開始した場合、CPU11は、相手先装置50へ再送信対象の画像データを送信する(S606)。そして、CPU11は、再送信した画像データを画像メモリ14aから削除し(S608)、且つ、再送信管理テーブル14c内の当該画像データに対応する画像パス26,宛先27,送信エラー日時28,ステータス29を削除し(S610)、この処理を終了する。なお、送信エラー日時から所定時間以上経過している画像データが存在しない場合(S602:No)、CPU11はこの処理を終了する。
【0077】
また、図示および詳細な説明は省略するが、S604において通信開始を要求しても相手先装置50においてビジー状態が続いているために通信を開始できない場合には、通信開始を要求する処理(S604)を所定回数(例えば5回)実行しても良い。そして、所定回数実行しても通信を開始できない場合には、当該再送信対象の画像データを削除し、S610の処理に移行するようにしても良い。
【0078】
本実施形態によれば、相手先装置50がポーリング受信機能を有さないと判断される場合、または、相手先装置50がビジーであるために画像データを送信できなかった場合、所定時間後に当該相手先装置50へ再度、通信の開始を要求し、画像データを送信できる。特に相手先装置50がビジーである場合に画像データが送信できなかった場合、ビジーに基づくエラーは比較的早期に解消される可能性が高い。よって、比較的短時間で、当該画像データの再送信を試み、送信できた場合には当該画像データを画像メモリ14aから削除することで、画像メモリ14aがメモリフルとなることを抑制できる。
【0079】
図7は、FAX装置1において実行される受信処理を示すフローチャートである。この処理は、メイン処理とは独立に、繰り返し実行される。まず、CPU11は通信開始要求を受信しない間(S702:No)、次のステップに移行しない。一方、SIPサーバ80を介して相手先装置50から送られてきた通信開始要求(INVITE)をネットワークI/F20により受信した場合であって(S702:Yes)、且つ、自装置がビジーである場合(S704:Yes)、すなわち、別の相手先装置50と通信中である場合、CPU11は、ビジーに基づくエラーを示すエラーコードをSIPサーバ80へ送信し(S706)、この処理を終了する。なお、SIPサーバ80は、発信元の相手先装置50へエラーコードを送信する。
【0080】
一方、自装置がビジーではない場合(S704:No)、CPU11は、180 Ringing、200 OKを発信元の相手先装置50へ送信することにより、通信開始要求に応答する(S708)。この応答の具体的内容については、通信開始シーケンス31(図3)として説明済みであるため、詳細な説明を省略する。
【0081】
次に、自装置がメモリフルまたは自装置にその他のエラーが発生している場合(S710:Yes)、CPU11は、通信開始要求に対応する画像データをポーリング受信するためのパスワードを生成し(S712)、相手先装置50のFAX番号と対応付けてフラッシュメモリ14に記憶させる(S714)。
【0082】
そして、CPU11は、自装置において発生中のエラーの種類を示すエラーコードとパスワードとを、NSFに含め、DISとNSFとを相手先装置50へ送信する(S716)。エラーコードを送信したことに基づき、相手先装置50がDCNを送出し、これにより相手先装置50とFAX装置1との間の通信が切断される(S718)。次に、CPU11はフラッシュメモリ14に記憶されたエラーフラグ(図示せず)をオンに設定し(S720)、この処理を終了する。
【0083】
なお、FAX装置1において、いかなるエラーも発生していない場合(S710:No)、CPU11は相手先装置50から送られてくる画像データをT.38FAX通信で受信する通常受信処理(S722)を実行し、この処理を終了する。
【0084】
図8は、FAX装置1において実行されるエラー処理を示すフローチャートである。この処理は、メイン処理や受信処理とは独立に、繰り返し実行される。まず、CPU11は、エラーフラグがオンか否かを判断する(S802)。エラーフラグがオフの場合(S802:No)、この処理を終了する。一方、エラーフラグがオンの場合(S802:Yes)、CPU11は、LCD18にエラーを表示する(S804)。これにより、ユーザが、FAX装置1のエラーに気づき、例えば、不要なデータを削除するなど、エラー解除のための処置をとることができる。
【0085】
そして、エラーが解除されない間(S806:No)、CPU11はエラー表示を継続する。一方、例えば、自装置において発生しているメモリフルに基づくエラーまたはその他のエラーが解除された場合(S806:Yes)、CPU11は、NGN網30を介した通信でポーリング送受信を利用可能か否かを判断する(S808)。具体的には、MFP1のメーカは、どの国に出荷するMFPであるかに応じて、MFPに搭載する機能を変えている。例えば、NGN網30がポーリング送受信に対応している国に出荷するMFP1については、NGN網30経由のポーリング送受信機能を出荷時から搭載する。一方、NGN網30がポーリング送受信に対応していない国に出荷するMFP1については、NGN網30経由のポーリング送受信機能を搭載しない。さらに、このような機能の有無に関する情報を搭載機能情報として、例えばROM12に予め記憶させておく。よって、S808の判断では、自装置のROM12に記憶された搭載機能情報に基づき、NGN網30を介した通信でポーリング送受信を利用可能な否かを判断する。例えば、自装置の搭載機能情報が、NGN網30経由のポーリング送受信機能を搭載しないのであれば、S808の判断を否定する。
【0086】
NGN網30を介したポーリング送受信が可能な場合(S808:Yes)、CPU11は、SIPサーバ80へINVITEを送信することにより、相手先装置50に対して通信開始を要求する(S812)。具体的には、パスワードと対応付けて記憶している相手先装置50(すなわち、エラーコード送信先の相手先装置50)のFAX番号をフラッシュメモリ14から読み出し、これを相手先装置50として指定して通信開始を要求する。
【0087】
次に、DIS,NSFを受信しない間(S814:No)、CPU11は次のステップに移行しない。一方、相手先装置50からDIS,NSFを受信した場合(S814:Yes)、相手先装置50がポーリング送信機能を有するか否かを、NSFに基づいて判断する(S816)。
【0088】
相手先装置50がポーリング送信機能を有する場合(S816:Yes)、CPU11は、相手先装置50のFAX番号に対応付けてフラッシュメモリ14に記憶されているパスワードを、NSCに含めて相手先装置50へ送信することにより、ポーリング送信要求を送信する(S820)。そして、そのポーリング送信要求に応答して、相手先装置50から送られてくる画像データが、FAX装置1において受信されると(S822)、CPU11は通信を切断し(S824)、エラーフラグをオフにして(S826)、この処理を終了する。
【0089】
一方、相手先装置50がポーリング送信機能を有さない場合(S816:No)、CPU11は、エラーの解除を示すエラー解除画像データを、相手先装置50へ送信し(S818)、S824へ移行する。なお、エラー解除画像データは、フラッシュメモリ14に予め記憶されているものとする。エラー解除画像データを送信することにより、そのエラー解除画像データが相手先装置50において出力されるので、自装置におけるエラーの解除を相手先装置50へ確実に通知できる。その結果、相手先装置50のユーザにエラーの解除を認識させ、例えば、エラーで送信できなかった画像データを再送信するなど、適切な対応を取ってもらうことができる。
【0090】
なお、NGN網30を介したポーリング送受信が不可能な場合(S808:No)、CPU11は、T.38FAX通信制御から通常FAX通信制御へ切替え(S810)、交換機90に対して通信開始を要求し(S812)、PSTN40を介した通常FAX通信によりポーリング送信要求を送信する。なお、通常FAX通信制御へ切替えた場合、T.38FAX通信制御とは、経由する網、および通信の規格が異なるが、S814以降の処理における判断、および送受信すべきデータは、T.38FAX通信制御の場合と同様であるため、図8においてはまとめて図示し、詳細な説明を省略する。
【0091】
本実施形態のエラー処理によれば、NGN網30がポーリング送受信に対応していない場合であっても、PSTN40を介して画像データをポーリング受信できる。また、自装置において発生しているエラーが解除された場合に、相手先装置50へポーリング送信要求が送信されるので、適切なタイミングでポーリング送信要求を送信できる。
【0092】
また、エラーコードの送信先の相手先装置50へ送信したパスワードをフラッシュメモリ14に記憶させておき、エラーが解除された場合には、そのパスワードを相手先装置50へ送信してポーリング受信を行うので、セキュリティを高めることができる。また、ユーザにパスワードの手入力を要求しないので、ユーザにとって利便性が良い。
【0093】
上記実施形態において、INVITEがファクシミリ通信の開始要求の一例である。ビジーが第1種エラーの一例である。メモリフルおよびその他のエラーが第2種エラーの一例である。エラーコードがエラー識別情報の一例である。NSFが機能情報および能力情報の一例である。ステータスが状態情報の一例である。フラッシュメモリ14が記憶部、状態記憶部、パスワード記憶部の一例である。NGN網30がIPネットワークの一例である。ネットワークI/F20が第1通信制御手段、要求受信手段の一例である。PSTNI/F19が第2通信制御手段の一例である。
【0094】
S410を実行するCPU11が要求手段の一例である。S604を実行するCPU11が再要求手段の一例である。S606を実行するCPU11が第1送信手段の一例である。S428を実行するCPU11が第1記憶制御手段の一例である。S506を実行するCPU11が第2送信手段の一例である。S426を実行するCPU11が機能判断手段の一例である。S430を実行するCPU11が状態情報記憶手段の一例である。S402を実行するCPU11が相手先指定手段の一例である。S418,S433,S438を実行するCPU11が画像データ取得手段の一例である。S408を実行するCPU11が状態判断手段の一例である。S510を実行するCPU11が状態情報削除手段の一例である。
【0095】
S716を実行するCPU11がエラー送信手段、パスワード送信手段の一例である。S820を実行するCPU11がポーリング要求手段の一例である。S822を実行するCPU11がポーリング受信手段の一例である。S712を実行するCPU11が生成手段の一例である。S714を実行するCPU11がパスワード記憶手段の一例である。S816を実行するCPU11が能力判断手段の一例である。S818を実行するCPU11がエラー解除通知手段の一例である。S718を実行するCPU11が切断手段の一例である。
【0096】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0097】
例えば、再送信処理(図6)において、相手先装置50に対して通信の開始要求を送信した場合において(S604)、相手先装置50がエラーであった場合、当該相手先装置50について送信エラー日時のみを更新するように、上記実施形態を変形しても良い。
【0098】
また、受信処理(図7)において、ファクシミリ通信の開始要求を受信した場合であって(702:Yes)、自装置がメモリフルまたはその他のエラーであった場合(S710:Yes)、FAX装置1は、エラーコードおよびパスワードをNSFに含めて送信した(S716)。これに代えて、通信開始要求に応答して送信する180 Ringingまたは200 OKに、エラーコードおよびパスワードを含めて送信するよう上記実施形態を変形しても良い。一方、発信元の装置においては、エラーコードを含む180 Ringingまたは200 OKを受信した場合、受信したエラーコードおよびパスワードを記憶し、その後、DISやNSFの受信を待つことなく、通信を切断しても良い。
【0099】
また、エラー処理(図8)において、FAX装置1は、ポーリング送信要求を相手先装置50へ送信した後(S812)、当該相手先装置50から送られてくるNSFに基づいて、相手先装置50がポーリング送信機能をもっているか否かを判断した(S816)。これに代えて、受信処理(図7)において、FAX装置1と相手先装置50とが接続された場合に(S708)、相手先装置50からFAX装置1へNSC(図示せず)などの能力情報が送られてくる場合には、その能力情報に基づいて、当該相手先装置50がポーリング送信機能を有しているか否かを判断しても良い。その場合、その判断結果を記憶しておき、エラー処理(図8)においては、記憶しておいた判断結果に基づき、相手先装置50に対して、ポーリング送信要求を送信するか、エラー解除画像データを送信するかを振り分けても良い。
【0100】
また、上記実施形態のエラー処理(図8)では、1台の相手先装置50に対して、ポーリング送信要求またはエラー解除画像データを送信するものとして説明した。しかしながら、FAX装置1がメモリフルまたはその他のエラー中に、複数台の相手先装置50に対してエラーコードを送信していた場合には、各相手先装置50に対してポーリング送信要求またはエラー解除画像データのいずれかを送信するように、エラー処理(図8)を変形しても良い。
【0101】
また、上記実施形態のFAX装置1は、NGN網30を介したFAX通信およびPSTN40を介したFAX通信の両方が可能であったが、いずれか一方のみ可能な装置についても、本発明を適用可能である。
【0102】
また、上記実施形態のメイン処理(図4)では、相手先装置50から受信したNSFにエラーコードが含まれる場合(S420:Yes)、すなわち、相手先装置50がメモリフルまたはその他のエラー状態にある場合、さらに、相手先装置50から受信したNSFに、相手先装置50がポーリング受信機能を有することを示す機能情報が含まれているか否かを判断していた(S426)。しかしながら、S420の判断が肯定される場合(S420:Yes)、S426の判断を行わず、ポーリング送信対象の画像データとして記憶させるステップ(S428)に移行するように、上記実施形態のメイン処理を変形しても良い。この場合、上記実施形態のメイン処理におけるS437の判断を省くことができる。
【0103】
また、上記実施形態のメイン処理(図4)では、相手先装置50のステータスが特定のステータスであると判断される場合(S408:Yes)、次に、相手先装置50がポーリング受信機能を有するか否かが判断されていた(S437)。これに代えて、S408の判断が肯定される場合(S408:Yes)、原稿を読み取り(S438)、その次に、相手先装置50がポーリング受信機能を有するか否かを判断しても良い。そして、この判断により、相手先装置50がポーリング受信機能を有すると判断される場合には、S440以降の処理を実行し、ポーリング受信機能を有しないと判断される場合には、S432と同様に、読み取った画像データを再送信対象の画像データとして記憶する処理を行って終了しても良い。
【符号の説明】
【0104】
1 FAX装置
14 フラッシュメモリ
14b ポーリング管理テーブル
19 PSTNI/F
20 ネットワークI/F
30 NGN網
40 PSTN
50 相手先装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクシミリ通信の開始を要求する開始要求を相手先装置へ送信する要求手段と、
前記要求手段により送信した前記開始要求に対して、前記相手先装置のビジー状態に基づく第1種エラーを示すエラー識別情報を受信した場合、前記開始要求を前記相手先装置へ再送信する再要求手段と、
前記再要求手段により送信した前記開始要求に基づいて前記相手先装置との間でファクシミリ通信を開始した場合、前記相手先装置へ画像データを送信する第1送信手段と、
前記要求手段により送信した前記開始要求に対して、前記相手先装置のビジー状態に基づかない第2種エラーを示すエラー識別情報を受信した場合、前記相手先装置へ送信すべき画像データをポーリング送信対象の画像データとして、記憶部に記憶させる第1記憶制御手段と、
前記ポーリング送信対象の画像データを要求するポーリング送信要求を前記相手先装置から受信した場合、前記記憶部に記憶させた前記ポーリング送信対象の画像データを前記相手先装置へ送信する第2送信手段とを備える、ファクシミリ装置。
【請求項2】
前記第1記憶制御手段は、
前記相手先装置から前記第2種エラーを示すエラー識別情報を受信し、且つパスワードを受信した場合、当該パスワードと前記ポーリング送信対象の画像データとを関連付けて前記記憶部に記憶させ、
前記第2送信手段は、
前記相手先装置から前記ポーリング送信要求を受信し、且つ前記記憶部に記憶させた前記ポーリング送信対象の画像データに関連付けられた前記パスワードを受信した場合、当該パスワードに関連付けられた前記ポーリング送信対象の画像データを前記相手先装置へ送信する、請求項1記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
前記相手先装置から前記エラー識別情報を受信し、且つ前記相手先装置の機能を示す機能情報を受信した場合、前記機能情報に基づいて、前記相手先装置がポーリング受信機能を有するかを判断する機能判断手段を備え、
前記再要求手段は、
前記機能判断手段により、前記相手先装置がポーリング受信機能を有さないと判断される場合、前記開始要求を前記相手先装置へ送信する、請求項1または2に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】
前記相手先装置から前記第2種エラーを示すエラー識別情報を受信した場合、当該相手先装置について前記第2種エラー状態であることを示す状態情報を、状態記憶部に記憶させる状態情報記憶手段と、
前記相手先装置の指定を受け付ける相手先指定手段と、
前記相手先指定手段により指定を受け付けた前記相手先装置に対して送信すべき画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記相手先指定手段により指定を受け付けた前記相手先装置について、前記第2種エラー状態にあることを示す前記状態情報が前記状態記憶部に記憶されているかを判断する状態判断手段とを備え、
前記第1記憶制御手段は、
前記状態判断手段により、前記相手先装置について前記第2種エラー状態であることを示す前記状態情報が前記状態記憶部に記憶されていると判断される場合、前記画像データ取得手段により取得した画像データの送信を実行せず、当該画像データをポーリング送信対象の画像データとして、前記記憶部に記憶させる、請求項1から3のいずれかに記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
前記第2送信手段により前記相手先装置へ前記ポーリング送信対象の画像データを送信する場合、当該相手先装置が第2種エラー状態であることを示す状態情報を、前記状態記憶部から削除する状態情報削除手段を備える、請求項4記載のファクシミリ装置。
【請求項6】
前記第1記憶制御手段は、
前記相手先装置から前記第2種エラーを示すエラー識別情報を受信し、且つパスワードを受信した場合、当該パスワードと前記ポーリング送信対象の画像データとを関連付けて前記記憶部に記憶させ、
前記相手先指定手段により指定を受け付けた前記相手先装置について前記第2種エラー状態であることを示す前記状態情報が記憶されていると判断され、且つ、当該相手先装置から送られてきたパスワードに関連付けられた前記ポーリング送信対象の画像データが前記記憶部に記憶されている場合、前記画像データ取得手段により取得した画像データを、ポーリング送信対象の画像データとして、当該パスワードに関連付けて前記記憶部に記憶させるものであり、
前記第2送信手段は、
前記相手先装置から前記ポーリング送信要求を受信し、且つ前記パスワードを受信した場合、当該パスワードに関連付けられている前記ポーリング送信対象の画像データを前記相手先装置へ送信する、請求項4または5に記載のファクシミリ装置。
【請求項7】
IPネットワークを介したファクシミリ通信を制御する第1通信制御手段と、
公衆回線網を介したファクシミリ通信を制御する第2通信制御手段とを備え、
前記要求手段は、
前記第1通信制御手段が制御するファクシミリ通信の開始要求を前記相手先装置へ送信するものであり、
前記第2送信手段は、
前記第2通信制御手段が制御するファクシミリ通信により、前記相手先装置へ前記ポーリング送信対象の画像データを送信する、請求項1から6のいずれかに記載のファクシミリ装置。
【請求項8】
相手先装置からファクシミリ通信の開始要求を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段により前記ファクシミリ通信の開始要求を受信した場合であって、自装置においてエラーが発生している場合、当該エラーの種類を示すエラー識別情報を、前記相手先装置へ送信するエラー送信手段と、
自装置において発生しているエラーが解除された場合、前記エラー送信手段による前記エラー識別情報の送信先である前記相手先装置へ、ポーリング送信要求を送信するポーリング要求手段と、
前記ポーリング要求手段により送信した前記ポーリング送信要求に応答して、前記相手先装置から送られてくる画像データを受信するポーリング受信手段とを備える、請求項1から7のいずれかに記載のファクシミリ装置。
【請求項9】
前記要求受信手段により前記ファクシミリ通信の開始要求を受信した場合であって、自装置においてエラーが発生している場合、当該ファクシミリ通信の開始要求に対応する画像データをポーリング受信するためのパスワードを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成した前記パスワードを、前記エラー送信手段による前記エラー識別情報の送信先である前記相手先装置へ送信するパスワード送信手段と、
前記生成手段により生成されたパスワードを、前記エラー送信手段による前記エラー識別情報の送信先である前記相手先装置と対応付けて、パスワード記憶部に記憶させるパスワード記憶手段とを備え、
前記ポーリング要求手段は、前記エラー送信手段による前記エラー識別情報の送信先である前記相手先装置へ前記ポーリング送信要求を送信し、且つ、当該相手先装置と対応付けて前記パスワード記憶部に記憶されている前記パスワードを送信する、請求項8記載のファクシミリ装置。
【請求項10】
前記相手先装置から能力情報を受信した場合、前記能力情報に基づいて前記相手先装置がポーリング送信機能を有するかを判断する能力判断手段と、
前記能力判断手段により前記相手先装置が前記ポーリング送信機能を有さないと判断される場合であって、自装置において発生しているエラーが解除された場合、当該エラーの解除を示すエラー解除画像データを、前記相手先装置へ送信するエラー解除通知手段とを備える、請求項8または9に記載のファクシミリ装置。
【請求項11】
IPネットワークを介したファクシミリ通信を制御する第1通信制御手段と、
公衆回線網を介したファクシミリ通信を制御する第2通信制御手段と、
前記要求受信手段により前記IPネットワークを介したファクシミリ通信の開始要求を受信した場合であって、自装置においてエラーが発生している場合、前記エラー送信手段により前記エラー識別情報を前記相手先装置へ送信することを条件として、当該相手先装置との間の通信を切断する切断手段とを備え、
前記ポーリング要求手段は、
前記第2通信制御手段が制御するファクシミリ通信により、前記ポーリング送信要求を送信する、請求項1から10のいずれかに記載のファクシミリ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−31120(P2013−31120A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167454(P2011−167454)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】