説明

ファクターXa阻害剤を含有する複数のミニ錠剤を含む、医薬組成物

ポリマー(類)のマトリックス内に、治療上有効な量のファクターXa阻害剤を含有する複数のミニ錠剤を含む、経口投与のためのモディファイされた放出医薬組成物。ミニ錠剤は、ゼラチンカプセル内に適切に封入されている。製造方法および使用方法も記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効量のファクターXa(Facter Xa)阻害剤、例えば、(E)−2−(5−クロロチエン−2−イル)−N−{(3S)−1−[(1S)−1−メチル−2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチル]−2−オキソピロリジン−3−イル}エテンスルホンアミド(「化合物A」)または(E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−N−[(3S)−2−オキソ−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンズアゼピン−7−イル)−3−ピロリジニル]エテンスルホンアミド(「化合物B」)を含む医薬組成物、ならびに、ファクターXa阻害剤が指示される状態の処置または予防における、それらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ファクターXaは、酵素のトリプシン様セリンプロテアーゼ群の一員である。それは、凝固カスケードにおいて重要な酵素である。カルシウムイオンとリン脂質を伴うファクターXaとVaの1対1の結合は、プロトロンビンをトロンビンに変換する。トロンビンは、可溶性の血漿タンパクであるフィブリノゲンを不溶性のフィブリンに変換することにより、血液凝固機構において中心的な役割を果たす。不溶性フィブリン基材は、初期の止血血栓の安定化のために必要とされる。多くの重要な疾患状態は、異常な止血と関係している。冠動脈系に関して、定着したアテローム硬化性プラークの破裂による異常な血栓形成が、急性心筋梗塞および不安定狭心症の主な原因である。血栓溶解療法および経皮的冠動脈形成術(PTCA)による閉塞冠動脈血栓症の処置は、両方とも、しばしば迅速な解決を要する罹患した血管の急性血栓症の再閉塞を伴う。静脈脈管系に関し、両下肢または腹部に大きな手術を受ける患者は高い割合で、患部の手足において減少した血流および肺塞栓症に対する罹患傾向に苦しむ。播種性血管内凝固は、一般に敗血症性ショック、特定のウイルス感染および癌中に両方の脈管系内に生じ、そして、凝固因子の迅速な消費と、脈管系全体を通じて生じる生命に関わる血栓を形成し、広範囲にわたる臓器不全を引き起こすこととなる全身性の凝固によって特徴づけられる。トロンビンは、フィブリンの豊富な血塊形成におけるその直接的な役割を越えて、血管系および血液内の多くの細胞構成要素において重大な生体制御の影響を及ぼすことが報告された(Shuman, M.A., Ann. NY Acad. Sci., 405: 349 (1986))。
【0003】
ファクターXa阻害剤は、急性の血管疾患(Turpie (2007) Arterioscler. Throm. Vasc. Biol. 27:1238-47;Erikssonら、(2006) Drugs 66(11):1411-1429)、例えば、急性冠症候群の処置(例えば、心筋梗塞と不安定狭心症の一次予防および二次予防ならびに心筋梗塞または心不全に付随するプロトロンビン続発症の処置)、静脈血栓塞栓症(VTE)(深部静脈血栓(DVT)および肺塞栓症(PE))を含む血栓塞栓症、血栓溶解療法および経皮的冠動脈形成術に付随する急性の血管閉塞、一過性脳虚血発作、末梢動脈閉塞の処置、血管内腔狭窄(再狭窄)の予防、ならびに心房細動に付随する血栓塞栓症事象、例えば脳卒中の予防(心房細動(SPAF)をわずらう患者における脳卒中予防)に有用でありうる。ファクターXa阻害剤は、遺伝的に動脈血栓または静脈血栓症に罹患しやすい患者と血栓症に対する疾患関連の素因がある患者(例えば2型糖尿病患者)における血栓症および合併症を予防することにも有用でありうる。トロンビンは肺線維芽細胞増殖に関与することが報告された、かくして、ファクターXa阻害剤はいくつかの肺線維症疾患の処置に有用であろう。ファクターXa阻害剤は、凝固を抑制し、かくして線維素沈着とその転移の付随的な促進を予防することによって、腫瘍転移の処置にも有用であろう。あるファクターXa阻害剤は、そのプロテアーゼ活性型受容体(PAR1−4)のFXa媒介性活性化の阻害により、抗炎症剤としても有効でありうる。また、あるファクターXa阻害剤は、その血小板−活性化の抑制を通じて、抗アテローム硬化性物質としても有効でありうる。トロンビンは、神経突起収縮を誘導することができる、かくして、ファクターXa阻害剤は、神経変性疾患、例えばパーキンソン病およびアルツハイマー病において潜在能を有しうる(Haasら、(1997) Biochim. Biophys. Acta. 1343(1): 85-94)。ファクターXa阻害剤は、全血の準備、貯蔵、分画または使用に関連する抗血液凝固剤としても有効でありうる。それらは、血小板溶解薬との併用も報告され、かくして、血小板溶解薬の低用量での使用を可能にする。
【0004】
ファクターXa阻害剤は、PCT刊行物、WO02100886号、WO02100830号、WO03043981号、WO03053925号、WO04052851号、WO04052878号、WO2004110997号、WO2004110434号、WO2004111045号、WO2004110435号、WO2006027186号、WO2006108709号およびWO2007059952号(出典明示により本明細書の一部とされる)で開示されるものを含む。ファクターXa阻害剤は、以下の刊行物:Watson ら、(2006) Bioorg. Med. Chem. Lett. 16(14):3784-8;Youngら、(2006) Bioorg. Med. Chem. Lett. 16(23) 5953-7;Sengerら、(2006) Bioorg. Med. Chem. Lett. 16(22): 5731-5;Chanら、(2007) J. Med. Chem. 50(7): 1546-57;Youngら、(2007) Bioorg. Med. Chem. Lett. 17(10):2927-30;およびSengerら、(2007) 17(10):2931-4においても記載されている。例えば、(E)−2−(5−クロロチエン−2−イル)−N−{(3S)−1−[(1S)−1−メチル−2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチル]−2−オキソピロリジン−3−イル}エテンスルホンアミドおよび/またはその医薬上許容される溶媒和物は、WO02/100886号およびWO02/100830号において開示される、FXa阻害剤である。(E)−2−(5−クロロチエン−2−イル)−N−{(3S)−1−[(1S)−1−メチル−2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチル]−2−オキソピロリジン−3−イル}エテンスルホンアミドは、以下で示される構造(化合物A、式I):
【化1】

を有する。
【0005】
(E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−N−[(3S)−2−オキソ−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンズアゼピン−7−イル)−3−ピロリジニル]エテンスルホンアミドおよび/またはその医薬上許容される溶媒和物は、WO2007059952号で開示されるFXa阻害剤であり、以下で示される構造(化合物B、式II):
【化2】

を有する。
【0006】
特定の放出プロフィールを有する、ファクターXa阻害剤のモディファイされた放出組成物についての必要性がある。ファクターXa阻害剤の吸収プロフィールにおける食べ物の効果も、最小でなければならない。本発明は、ファクターXa阻害剤についての医薬組成物を提供し、それは、食べ物による影響を軽減し、そして経口投与後の長期間にわたって、例えば、少なくとも12時間または24時間、ファクターXa抑制剤の治療上有効な濃度を提供することができ、かくして、1日に2回の投薬または1日に1回の投薬を可能にする。
【0007】
Schmitzら、(2005) Journal of Pharmaceutical Sciences, 94(5), 966-973は、ファクターXa阻害活性を有する低分子量ヘパリン(LMWH)の親水性高分子多糖類に関して、胃を標的化する経口送達系を提供するため、チオール化ポリカルボフィルおよびヒドロキシエチルセルロース(HEC)ポリマーに基づき、2mmの直径と1mmの厚みを有するミニ錠剤製剤を記載する。同様に、WO00/48589号(Emisphere)は、剤形が、GI管の低PH領域を通じて輸送される間に、担体を沈殿から保護し、かくして、ヘパリン薬の吸収を容易にするため、および/またはヘパリン薬の生物学的利用能を増強するため、GI管でのヘパリン薬と担体の同時提供を可能とするよう、担体とあらかじめ混合されたヘパリン薬を含有する、固体投薬剤形を記載する。該固体投薬剤形は、その中に、錠剤と複数の微粒子(例えば、ミニ錠剤)を含む。ファクターXa阻害剤を記載する他の刊行物は、考えられる剤形としてマイクロ錠剤またはミニ錠剤に言及するが(例えば、米国特許第6,794,412B1号およびWO2006/100565号)、食べ物の影響を軽減し、経口投与の後、長期間にわたってファクターXa阻害剤の治療上有効な濃度を提供することができる本発明の医薬組成物は開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO02100886号
【特許文献2】WO02100830号
【特許文献3】WO03043981号
【特許文献4】WO03053925号
【特許文献5】WO04052851号
【特許文献6】WO04052878号
【特許文献7】WO2004110997号
【特許文献8】WO2004110434号
【特許文献9】WO2004111045号
【特許文献10】WO2004110435号
【特許文献11】WO2006027186号
【特許文献12】WO2006108709号
【特許文献13】WO2007059952号
【特許文献14】WO00/48589号
【特許文献15】WO02/100886号
【特許文献16】WO02/100830号
【特許文献17】WO2007059952号
【特許文献18】米国特許第6,794,412B1号
【特許文献19】WO2006/100565号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Shuman, M.A., Ann. NY Acad. Sci., 405: 349 (1986)
【非特許文献2】Turpie (2007) Arterioscler. Throm. Vasc. Biol. 27:1238-47
【非特許文献3】Erikssonら、(2006) Drugs 66(11):1411-1429
【非特許文献4】Haasら、(1997) Biochim. Biophys. Acta. 1343(1): 85-94
【非特許文献5】Watson ら、(2006) Bioorg. Med. Chem. Lett. 16(14):3784-8
【非特許文献6】Youngら、(2006) Bioorg. Med. Chem. Lett. 16(23) 5953-7
【非特許文献7】Sengerら、(2006) Bioorg. Med. Chem. Lett. 16(22): 5731-5
【非特許文献8】Chanら、(2007) J. Med. Chem. 50(7): 1546-57
【非特許文献9】Youngら、(2007) Bioorg. Med. Chem. Lett. 17(10):2927-30
【非特許文献10】Sengerら、(2007) 17(10):2931-4
【非特許文献11】Schmitzら、(2005) Journal of Pharmaceutical Sciences, 94(5), 966-973
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、複数のミニ錠剤(別名、ミニ−タブ)を含む経口投与のための、モディファイされた放出医薬組成物を提供し、該ミニ錠剤は、5mm未満の直径を有し、そして、ポリマー(類)のマトリックス内に、治療上有効な量のファクターXa阻害剤、例えば化合物A、化合物Bを含有する。
【0011】
本発明はまた、ファクターXa阻害剤を含み、そして、以下の特性:
a) Cmax幾何平均値比(GMR)の絶食(Fasted):給餌(Fed)の比率が、0.90〜1.10の間にある、健常な成人のヒトへの単回経口量投与後の生体内最大血漿中濃度(Cmax);および、
b) AUC GMRの絶食:給餌の比率が、0.90〜1.10の間にある、健常な成人のヒトへの単回経口量投与後の生体内曲線下面積(AUC)、
の一方または両方によって特徴づけられる、経口投与のためのモディファイされた放出医薬組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1つの実施形態において、モディファイされた放出医薬組成物は、複数の腸溶コートされたミニ錠剤からなる。腸溶コーティングは、メタクリル酸共重合体、例えば、オイドラギット(Eudragit)(例えば、Eudragit L30D55)を含んでいてもよい。ミニ錠剤は、マトリックスポリマーをさらに含んでもよく、充填剤、潤滑剤および流動促進剤をさらに適当に含んでもよい(複数の該構成成分を利用しうる)。例えば、その構成は、組成物の総重量に基づいて、5%〜50%のファクターXa阻害剤、20%〜50%のマトリックスポリマー、20%〜50%の充填剤、0.1〜5%の潤滑剤、そして0.1〜5%の流動促進剤を含んでいてもよい。好ましくは、マトリックスポリマーはハイプロメロース(hypromellose)(別名、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたは「HPMC」)であり、充填剤は微結晶セルロースであり、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムであり、そして、流動促進剤はコロイド状二酸化珪素である。
【0013】
本発明はまた、ファクターXa阻害剤による改善に影響されやすい状態をわずらう患者を処置する医薬の製造のための本発明の医薬組成物、ファクターXa阻害剤による改善に影響されやすい状態の処置に使用するための本発明の医薬組成物、ならびに本発明の医薬組成物を投与することを含む、ファクターXa阻害剤による改善に影響されやすい状態をわずらう患者を処置する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明にかかる腸溶コートされたミニ錠剤医薬組成物の線図を示す。図1を参照して、カプセル組成物10は、全体的にゼラチンカプセル11を含む。カプセル11内部には、後述される複数のミニ−タブ12がさらにある。これらのミニ−タブ12は、3.2mmの直径(上記と同意義)を有しており(丸く一般的な凸型)、pH>5.5で、すなわち、それらが胃を出た後に溶解するよう、腸溶コートされている。カプセル11は、微結晶セルロースのオーバーフィル13で充填されていてよい。
【図2】図2は、微結晶セルロースあり、及びなしの、一体形成型のモディファイされた放出剤形の溶解プロフィールを比較するグラフである。
【図3】図3は、絶食状態下で腸溶コートされたミニ錠剤医薬組成物として投与された150mgの化合物Aの経口投与後の、血漿中濃度の中央値の時間経過を示すヒトPK検査の図である。データポイントの各線は、個々の被験者のPKデータを示す。
【図4】図4は、標準食を用いた、腸溶コートされたミニ錠剤医薬組成物として投与された150mgの化合物Aの経口投与後の、血漿中濃度の中央値の時間経過を示すヒトPK検査の図である。データポイントの各線は、個々の被験者のPKデータを示す。
【図5】図5は、高脂肪食を用いた、腸溶コートされたミニ錠剤医薬組成物として投与された150mgの化合物Aの経口投与後の、血漿中濃度の中央値の時間経過を示すヒトPK検査の図である。データポイントの各線は、個々の被験者のPKデータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、ファクターXa阻害剤、例えば、PCT刊行物、WO02100886号、WO02100830号、WO03043981号、WO03053925号、WO04052851号、WO04052878号、WO2004110997号、WO2004110434号、WO2004111045号およびWO2004110435号で開示されるファクターXa阻害剤、例えば、(E)−2−(5−クロロチエン−2−イル)−N−{(3S)−1−[(1S)−1−メチル−2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチル]−2−オキソピロリジン−3−イル}エテンスルホンアミドおよび/またはその医薬上許容される溶媒和物(化合物A)、ならびに(E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)−N−[(3S)−2−オキソ−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンズアゼピン−7−イル)−3−ピロリジニル]エテンスルホンアミド(化合物B)に関するものである。化合物Aが、化合物Aの溶媒和物(水和物を含む)、結晶および非結晶形を含むこと;化合物Bが、化合物Bの溶媒和物(水和物を含む)、結晶および非結晶形を含むことは理解されよう。各々の立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびこれらの混合物は、本発明の範囲内にある。
【0016】
有機化学の当業者であれば、有機化合物の多くが、それらが反応する、または、それらが沈殿するもしくは結晶化する溶媒と複合体を形成しうることは認められよう。これらの複合体は、「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は、「水和物」として知られている。化合物Aおよび化合物Bの溶媒和物は、本発明の範囲内にある。
【0017】
本発明の範囲内にある他のファクターXa阻害剤は、以下のものを含む:
4,5,6,7−テトラヒドロ−1−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−6−[4−(2−オキソ−1−ピペリジニル)フェニル]−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−カルボキサミド(アピキサバン)
5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}−メチル)−2−チオフェンカルボキサミド(リバロキサバン);
(2S)−2−(4−{[(3S)−1−(アミノカルボニル)−3−ピロリジニル]オキシ}フェニル)−3−{7−[アミノ(イミノ)メチル]−2−ナフタレニル}プロパン酸(DX−9065a);
N−(2−({5−[アミノ(イミノ)メチル]−2−ヒドロキシフェニル}オキシ)−3,5−ジフルオロ−6−{[3−(1−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)フェニル]オキシ}−4−ピリジニル)−N−メチルグリシン(ZK807834、フィデキサバン);
1−[3−(アミノメチル)フェニル]−N−[3−フルオロ−2’−(メチルスルホニル)−4−ビフェニリル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(DPC−423);
1−[2−(アミノメチル)フェニル]−N−[3−フルオロ−2’−(メチルスルホニル)−4−ビフェニリル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(DPC−602);
1−(3−アミノ−1,2−ベンズイソオキサゾール−5−イル)−N−[4−[2−[ジメチルアミノ]メチル]−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(ラザキサバン);
N−[2’−(アミノスルホニル)−3−フルオロ−4−ビフェニリル]−1−(2,7a−ジヒドロ−1,2−ベンズイソオキサゾール−5−イル)−1H−テトラゾール−5−カルボキサミド(SR374);
4−{[(E)−2−(5−クロロ−2−チエニル)エテニル]スルホニル}−1−(1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イルメチル)−2−ピペラジノン(RPR209685);
(2E)−3−(1−アミノ−7−イソキノリニル)−N−[2’−(アミノスルホニル)−3−ブロモ−4−ビフェニリルイル]−2−フルオロ−2−ブテンアミド;
(2E)−N−[2’−(アミノスルホニル)−3−ブロモ−4−ビフェニリルイル]−2−フルオロ−3−{3−[(Z)−(ヒドロキシアミノ)(イミノ)メチル]フェニル}−2−ブテンアミド;
N−[2’−(アミノスルホニル)−4−ビフェニリル]−2−[1−(3−フルオロ−2−ナフタレニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]アセトアミド;
3−メチル−N−[2’−(メチルスルホニル)−4−ビフェニリル]−1−[3−(メチルスルホニル)−2−ナフタレニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
[(({7−[アミノ(イミノ)メチル]−2−ナフタレニル}メチル){4−[(1−エタンイミドイル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}アミノ)スルホニル]酢酸(YM60828);
N−({7−[アミノ(イミノ)メチル]−2−ナフタレニル}メチル)−N−{4−[(1−エタンイミドイル−4−ピペリジニル)オキシ]フェニル}−b−アラニン(YM169964);
N−{3−[アミノ(イミノ)メチル]フェニル}−2−{6−[(1−エタンイミドイル−4−ピペリジニル)オキシ]−2,2−ジオキシド−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−2,1,3−ベンゾチアジアジン−1−イル}アセトアミド(YM169920);
2−(R)−(3−カルバムイミドイルベンジル)−3−(R)−[4−(1−オキシピリジン−4−イル)ベンゾイルアミノ]−酪酸メチルエステル(オタミキサバン);
1−アミノ−N−{2−オキソ−1−フェニル−2−[4−(4−ピリジニル)−1−ピペラジニル]エチル}−7−イソキノリンカルボアミド(PMD3112);
および、N−{(1R)−2−[4−(1−メチル−4−ピペリジニル)−1−ピペラジニル]−2−オキソ−1−フェニルエチル}−1H−インドール−6−カルボキサミド(LY517717)。
【0018】
発明の1つの態様において、ファクターXa阻害剤は、ヘパリンまたはヘパリノイド薬(例えば、低分子ヘパリン、LMWH)以外のものである。発明の他の態様において、ファクターXa阻害剤は、小分子ファクターXa阻害剤、すなわち多糖類もしくはポリペプチドでないものである。
本明細書中で用いられる用語「医薬上許容される」は、医薬的使用に適した化合物または組成物を意味する。
【0019】
本明細書中で用いられる「モディファイされた放出組成物」は、ファクターXa阻害剤の放出が、即時の放出製剤と比較して、ある期間にわたってモディファイされた(または制御された)剤形を意味する。例えば、「モディファイされた」は、ファクターXa阻害剤の放出が即時の放出組成物における放出よりも長期にわたることを意味しうる。例えば、モディファイされた放出組成物は、ファクターXa阻害剤の血液(例えば血漿)濃度が、少なくとも12時間、好ましくは少なくとも24時間、治療範囲内にあって、毒性濃度以下に維持されることを提供しうる。例えば、モディファイされた放出組成物が12時間以上、薬物濃度を維持するための放出特性および十分な薬物を有する場合、それは、望ましくは、1日2回、または毎日のより少ない頻度の投薬を可能にしよう。
【0020】
本明細書中で用いられる用語「直径」は、最大の縦の大きさを意味する。
本明細書中で用いられる用語「溶解プロフィール」は、時間関数の、放出されるファクターXa阻害剤の累積量のプロットを意味する。この溶解プロフィールは、例えば、USPまたはPhEur規制に従う標準試験条件を取り入れた薬物放出試験(Drug Release Test)を利用して、特に装置I、IIまたはIIIを使用するUSP<711>に従って、測定されうる。
【0021】
本明細書中で用いられる用語「絶食」は、水240mL(8液量オンス)を用いる、薬剤投与前の少なくとも10時間の一晩の絶食、そして投薬後少なくとも4時間食物を与えないことを意味する。水は、投与の前後1時間を除いて、所望により与えられる。
【0022】
本明細書中で用いられる用語「給餌」は、少なくとも10時間の一晩の絶食後に与えられる標準食もしくは高脂肪食、または投与前30分に開始される食事のいずれかを意味する。食事は30分未満で平らげられなければならず、そして薬は食事開始後30分に投与される。食べ物は、少なくとも服用後4時間与えられない。水は、投与の前後1時を除いて、所望により与えられる。
【0023】
本明細書中で用いられる用語「標準食」は、約321カロリーの、そして業界向けFDAガイダンス:Food-Effect Bioavailability and Fed Bioequivalence Studiesに従った、軽い朝食を意味する。
本明細書中で用いられる用語「高脂肪食」は、約682カロリーの、そして業界向けFDAガイダンス: Food-Effect Bioavailability and Fed Bioequivalence Studiesに従った、高脂肪の朝食を意味する。
【0024】
本明細書中で用いられる用語「マトリックス」は、薬物の拡張した放出を達成するため、薬物が水溶性もしくは不溶性のポリマー中に包埋されている又は分散されている組成物を意味する。薬物放出の機序は、粘着性のゲル層または屈曲した小管を通じた薬物の拡散;および/または、段階的な系の浸食(エロージョン)または分解を介した薬物の溶解を一般に含む。好ましくは、マトリックスは、膨潤性/浸食性ポリマー、例えば水と接触すると高粘性のゲルを形成する親水性ポリマーを含む。
【0025】
本明細書中で用いられる用語「腸溶コーティング」は、それが腸に達するまでミニ錠剤からの活性物質の放出を遅延させ、そして、十二指腸、回腸および/または盲腸/結腸で薬物を放出する、コーティングを意味する。大部分の腸溶コーティングは通常、当分野ではpH感受性コーティングとして知られているが、本明細書中で用いられる用語「腸溶コーティング」は、pH感受性のコーティングとpH非感受性のコーティングの両方を含む。より詳細には、本明細書中で用いられる用語「腸溶コーティング」は、そのコーティングが活性成分を胃を越えて胃腸(GI)管に送達するその能力について選択されるものを示す。
【0026】
放出の形態は、それらの薬物動態パラメータによっても特徴づけられうる。本明細書中で用いられる用語「薬物動態パラメータ」は、例えば、ファクターXa阻害剤の生体内溶解特徴および血漿中濃度を含む、時間に対するファクターXa阻害剤の生体内での特徴である。「Cmax」により、血漿中のファクターXa阻害剤の測定された濃度で最大の濃度が意味される。「C12」により、12時間の血漿中の活性成分の濃度が意味される。「C24」により、24時間の血漿中の活性成分の濃度が意味される。用語「Tmax」は、血漿中のファクターXa阻害剤の濃度が最も高い時間を示す。「AUC」は、ある時間から別の時間にかけて測定された、ファクターXa阻害剤の対時間濃度(一般に、血漿中濃度)グラフの曲線下面積である。
【0027】
1つ実施例において、本発明の医薬組成物は、Cmax GMRの絶食:給餌の比率が、0.90〜1.15(例えば、0.90〜1.10、0.95〜1.15、0.95〜1.10、1.00〜1.15または1.00〜1.10)の間にある、健常な成人のヒトへの単回経口量投与後の生体内最大血漿中濃度(Cmax)を提供する。
1つ実施例において、本発明の医薬組成物は、AUC GMRの絶食:給餌の比率が、0.90〜1.15(例えば0.90〜1.10、0.90〜1.05、0.95〜1.15、0.95〜1.10または0.95〜1.05)の間にある、健常な成人のヒトへの単回経口量投与後の生体内曲線下面積(AUC)を提供する。
【0028】
発明の1つの態様において、本発明は、ファクターXa阻害剤を含み、以下の特性:
a) Cmax幾何平均値の比(Geometric Mean Ratio)(GMR)の絶食:給餌の比率が、0.90〜1.15(例えば0.90〜1.10、0.95〜1.15、0.95〜1.10、1.00〜1.15または1.00〜1.10)の間にある、健常な成人のヒトへの単回経口量投与後の生体内最大血漿中濃度(Cmax);および、
b) AUC GMRの絶食:給餌の比率が、0.90〜1.15(例えば0.90〜1.10、0.90〜1.05、0.95〜1.15、0.95〜1.10または0.95〜1.05)の間にある、健常な成人のヒトへの単回経口量投与後の生体内曲線下面積(AUC)、
によって特徴づけられる経口投与のための医薬組成物を提供する。
【0029】
他の態様において、本発明は、上記のようにファクターXa阻害剤を含み、標準試験条件下でモディファイされた放出組成物を溶解媒体と合わせた後6時間で、50%未満、好ましくは40%未満または30%未満(例えば5〜50%、5〜40%、5〜30%、5〜20%、10〜50%、10〜40%、10〜30%、10〜20%または20〜40%)のファクターXa阻害剤が放出される溶解プロフィールを有することによって特徴づけられる、医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本発明のモディファイされた放出組成物は、標準試験条件下でモディファイされた放出組成物を溶解媒体と合わせた後6時間で、医薬組成物の50%以上、好ましくは60%以上または70%以上(例えば、50〜95%、60〜95%、70〜95%、80〜95%、50〜90%、60〜90%、70〜90%または80〜90%)が残存するような溶解プロフィールを有する。他の実施形態において、本発明のモディファイされた放出組成物は、標準試験条件下でモディファイされた放出組成物を溶解媒体と合わせた後12時間で、80%未満、好ましくは70%、60%、50%または40%未満(例えば30〜80%、30〜70%、30〜60%、30〜50%または30〜40%)のファクターXa阻害剤が放出されるような溶解プロフィールを有する。他の実施形態において、本発明のモディファイされた放出組成物は、標準試験条件下でモディファイされた放出組成物を溶解媒体と合わせた後24時間で、30%以上、好ましくは40%以上または50%以上(例えば30〜75%、40〜75%、50〜75%、60〜75%、30〜70%、40〜70%、50〜70%または60〜70%)が残存するような溶解プロフィールを有する。
【0030】
他の態様において、本発明は、上記のようにファクターXa阻害剤を含み、CmaxのC24に対する比率が20:1未満(例えば、15:1未満または5:1未満)である、健常な成人のヒトへの投与または単回経口投薬後の最大血漿中濃度(Cmax)および24時間後の血漿中濃度を有することによって特徴づけられる、モディファイされた放出組成物を提供する。他の実施形態において、本発明のモディファイされた放出組成物は、900ng/mL未満(例えば、800ng/mL未満または740ng/mL未満)の、健常な成人のヒトへの単回経口量(150mg)投与後の生体内最大血漿中濃度(Cmax)を提供する。他の実施形態において、本発明のモディファイされた放出組成物は、少なくとも30ng/mL(例えば、少なくとも40ng/mL、少なくとも45ng/mLまたは少なくとも100ng/mL)のC24の、健常な成人のヒトへの単回経口量(150mg)投与後の生体内血漿中濃度を提供する。
【0031】
本発明の1つの態様において、医薬組成物は、ファクターXa阻害剤が消化管の全体を通じて、すなわち十二指腸(近位小腸)、回腸(遠位小腸)と盲腸/結腸で吸収されることを可能にする。予備的薬物動態学的分析は、化合物AがGI管の全体を通じて吸収されうることを実証した。したがって、これは本発明のさらなる態様を構成する。
【0032】
本発明の医薬組成物は、経口投与後の長期間にわたって、例えば少なくとも12時間または24時間、ファクターXa阻害剤の治療上有効な濃度を提供し、かくして、1日に2回の投薬または1日1回の投薬を可能にする。好ましくは、ファクターXa阻害剤の血漿濃度は、1日1回の投薬を可能にするため、投与後少なくとも24時間示される。
【0033】
本発明の医薬組成物は、複数のミニ錠剤(または「ミニ−タブ」)、例えば2個〜30個のミニ錠剤、4個〜22個のミニ錠剤または5個〜20個のミニ錠剤を含む。好ましくは、本発明に従うミニ錠剤は、経口投与のためにカプセルまたはサシェ中に含まれる。好ましくは、カプセルは、ハードゼラチンカプセルまたはヒドロキシメチルセルロース(HPMC)カプセルである。本発明の1つの態様において、カプセル剤は、微粒子のオーバーフィル、例えば微結晶セルロースを含む。本発明の1つの態様において、2個〜8個のミニ錠剤がカプセル内に提供され、例えば、カプセル内に3個〜7個のミニ錠剤、4個〜6個のミニ錠剤または5個のミニ錠剤が提供される。本発明の他の態様において、7個〜14個のミニ錠剤がカプセル内に提供され、例えば、カプセル中に8個〜13個のミニ錠剤、9個〜12個のミニ錠剤または10個のミニ錠剤が提供される。発明のさらなる態様は、17個〜23個のミニ錠剤をカプセル中に含み、例えば、カプセル中に18個〜22個のミニ錠剤、19個〜21個のミニ錠剤または20個のミニ錠剤を含む。
【0034】
好ましくは、ミニ錠剤は、5mm未満、4.5mm以下、または4.5mm未満、例えば0.2mm〜4.5mm、0.5mm〜4.5mm、1mm〜4.5mm、2mm〜5mm、2mm〜4.5mm、2mm〜4mm、2mm〜3.5mm、2.5mm〜5mm、2.5mm〜4.5mm、2.5mm〜4mm、2.5mm〜3.5mm、3mm〜5mm、3mm〜4.5mm、3mm〜4mm、3mm〜3.5mm、3.1mm〜3.3mmあるいは3.2mmの直径を有する。好ましくは、ミニ錠剤は、5mm以下、4.5mm以下または4.5mm未満、例えば0.2mm〜4.5mm、0.5mm〜4.5mm、1mm〜4.5mm、2mm〜5mm、2mm〜4.5mm、2mm〜4mm、2mm〜3.5mm、2mm〜3mm、2.4mm〜2.6mmまたは2.5mmの厚みを有する。ミニ錠剤は、例えば、当業者には典型的ないずれかの形状、例えば、球形または円筒状であってもよい。本発明の1つの態様において、ミニ錠剤は、丸く凸型である(「丸い標準凸型(round standard convex)」として当分野で知られている)。例えば、ミニ錠剤は、寸法で3.2mmの直径、2.5mmの厚みを有していてもよい。
【0035】
本発明の医薬組成物は、組成物の総重量に基づき(特に明記しない限り、本明細書中の%組成物は、いずれの被膜コーティングも含むがカプセルは除いた、コアのミニ錠剤組成物の総重量に基づく)、ファクターXa阻害剤、例えば化合物Aまたは化合物Bを5%〜50%まで含む。本発明の1つの態様において、組成物は、10%〜45%のファクターXa阻害剤、例えば化合物Aまたは化合物Bを含む。本発明の他の態様において、本発明の組成物は、15%〜40%のファクターXa阻害剤、20%〜40%のファクターXa阻害剤、30%〜40%のファクターXa阻害剤を含む。
【0036】
本発明の1つ態様において、ミニ錠剤コアの重量は20mgであり、腸溶コーティングとミニ錠剤の総重量は21.6mgである。20mgのミニ錠剤は、5mg〜10mg、例えば7.5mgのファクターXa阻害剤を含んでいてよい。複数のミニ錠剤を含むモディファイされた放出組成物は、25mg〜175mg、30mg〜40mg、60mg〜90mgまたは125mg〜175mgのファクターXa阻害剤、例えば化合物Aまたは化合物Bを含んでいてよい。例えば、カプセル内で提供される複数のミニ錠剤を含むモディファイされた放出組成物は、37.5mg、75mg、150mg、200mg、250mgまたは300mgのファクターXa阻害剤、例えば化合物Aまたは化合物Bを含んでいてよい。各ミニ錠剤は、例えば0.8mg〜150mgのファクターXa阻害剤を含んでいてよい。
【0037】
本発明のミニ錠剤(群)は、ポリマー(類)のマトリックス内にファクターXa阻害剤を含む。ファクターXa阻害剤は、そのマトリックスポリマー中に包埋されているか分散している。好ましくは、ミニ錠剤は、充填剤、潤滑剤および流動促進剤(1つまたは複数の該構成成分が用いられてもよい)をさらに含む。1つの実施形態において、本発明は、4.5mm以下の直径を有しており、1つまたは複数のポリマー(類)からなるマトリックス内に均一にまとめられた(または混合された)治療上有効な量のファクターXa阻害剤を含有する複数のミニ錠剤を含む、経口投与のための医薬組成物に提供する。
【0038】
適当なマトリックスポリマーは、親水性の水溶性高分子、例えば高分子量ポリマー(すなわち100,000ダルトン〜800,000ダルトン)、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーを含む。HPMCは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの略称であり、それは、USPおよびPhEurにおいてハイプロメロースの正式名がある。従って、本発明の1つの態様において、マトリックスポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば、Methocel(登録商標)、例えばMethocel(登録商標)K100M、Methocel(登録商標)K15MまたはMethocel(登録商標)K4M、好ましくはMethocel(登録商標)K15Mである。本発明の組成物は、好ましくは20%〜60%のマトリックスポリマーを含む。本発明の1つの態様において、組成物は、20%〜50%、20%〜40%、25%〜40%、20%〜30%または25%〜30%のマトリックスポリマーを含む。
【0039】
好ましくは、ミニ錠剤(群)は、充填剤をさらに含む。適当な充填剤は、微結晶セルロースを含む。本発明の1つの態様において、充填剤は、微結晶セルロース、例えばAvicel(登録商標)PH101である。Avicel(登録商標)PH101は、50μmの平均粒子径を有する微結晶セルロースである。本発明の組成物は、好ましくは20%〜50%の充填剤を含む。本発明の1つの態様において、組成物は、20%〜40%、25%〜40%、20%〜30%または25%〜30%の充填剤を含む。
【0040】
好ましくは、ミニ錠剤(群)は、流動促進剤をさらに含む。適当な流動促進剤は、コロイド状二酸化珪素およびタルクを含む。本発明の1つの態様において、流動促進物質は、コロイド状二酸化珪素、例えばCab−O−Silである。本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.1%〜5%の流動促進剤を含む。本発明の1つの態様において、組成物は、0.1%〜1%の流動促進剤を含む。
【0041】
好ましくは、ミニ錠剤(群)は、潤滑剤をさらに含む。適当な潤滑剤は、ステアリン酸およびステアリン酸性塩、例えばステアリン酸マグネシウムを含む。本発明の1つの態様において、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.1%〜5%の潤滑剤を含む。本発明の1つの態様において、組成物は、0.1%〜1%の潤滑剤を含む。
【0042】
ミニ錠剤は、コーティングされていなくてもよく、1つまたは複数の層のコーティングによりコートされていてもよい。好ましくは、ミニ錠剤は、腸溶コートされている。腸溶コーティングは、pH依存的なポリマー、例えば、メタクリル酸共重合体などのメタクリル酸とメタクリル酸エステルの共重合体、例えばEudragit、例えばpH5.5超で溶解するEudragit L30D55を含んでいてもよい。他のEudragitsは、以下:Eudragit L100−55(pH5.5超で溶解)、Eudragit L100(pH6.0超で溶解)およびEudragit S100(pH7.0超で溶解)が挙げられる。好ましくは、腸溶コーティングは、組成物の総重量(乾燥ポリマー重量)に基づいて、5%〜10%、好ましくは6%〜8%まで含む。腸溶コーティングは、上記のミニ錠剤コアに腸溶ポリマーを噴霧することによって生産しうる。
【0043】
好ましくは、腸溶コーティングは、可塑剤をさらに含む。好ましくは、本発明の医薬組成物は、フィルムコーティング工程の間にフィルム形成を助けるため可塑剤、例えばアセチルクエン酸トリエチルまたはクエン酸トリエチル、例えばクエン酸トリエチル(Citroflex)を、フィルム形成を補助する目的でさらに含む。本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.1%〜5%までの可塑剤を好ましくは含む。本発明の1つの態様において、組成物は、0.1%〜1%までの可塑剤を含む。
【0044】
好ましくは、腸溶コーティングは、流動促進剤をさらに含む。好ましくは、本発明の医薬組成物は、フィルムコーティング工程の間に粘着することを排除するために、流動促進剤、タルク、カオリンまたはモノステアリン酸グリセリン、例えばモノステアリン酸グリセリン(Imwitor 900K)をさらに含む。本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.1%から5%までの流動促進剤を好ましくは含む。本発明の1つの態様において、組成物は、0.1%〜1%までの流動促進剤を含む。
【0045】
好ましくは、腸溶コーティングは、界面活性剤をさらに含む。好ましくは、本発明の医薬組成物は、均一なフィルム混合物提供するため、界面活性剤、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコールまたはポリソルベート、例えばポリソルベート80(Crillet 4HP)をさらに含む。本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて0.1%〜5%まで含む。本発明の1つの態様において、組成物は、0.1%から1%までの界面活性剤を含む。
【0046】
本発明の組成物は、所望により、1つまたは複数の医薬上許容される賦形剤をさらに含んでいてよい。そのような賦形剤はいずれも、医薬組成物の他の成分と混合可能という意味において「医薬上許容される」ものでなければならず、そして、患者に有害であってはならない。医薬上許容される賦形剤は、当業者に既知の、着色料、香味料、例えばメントール、甘味料、例えばマンニトール、防腐剤、安定剤、抗酸化剤および他のいずれかの賦形剤を含んでもよい。
本発明が、本明細書中で上記した本発明の上記実施形態および態様のすべての組み合せに及ぶことは理解されるべきである。
【0047】
発明のさらなる態様は、本発明に関する医薬組成物を調製するための方法を提供する。発明の組成物は、1つまたは複数の工程、構成成分を合わせること、顆粒化すること、乾燥すること、製粉すること、および該混合を錠剤に圧縮することによって、好ましくは調製される。1つの実施例において、組成物は、当分野で周知の湿式製粒法を用いて調製される。例えば、ファクターXa阻害剤、充填剤、ポリマーおよび充分な量の造粒するための液体、例えば水を合わせ、顆粒化し、乾燥して、製粉して顆粒を形成する。その乾燥顆粒は、適当な粒径、例えば50ミクロン〜300ミクロン(μm)、例えば100ミクロン〜300ミクロンまたは100ミクロン〜200ミクロン間のD50(粒径の中央値)を達成するために製粉される。この顆粒は、次いで、残りの成分と、例えば高度な剪断混合工程を用いて合わせられ、そして、該混合物はミニ錠剤に圧縮される。次いで、錠剤は、腸溶コーティング成分を用いてコーティングされ、カプセル内に充填されるか、コーティングなしでカプセル内に直接充填される。次いで、該カプセルは、微粒子オーバーフィル、例えば微結晶セルロースを用いて充填されてもよい。
【0048】
本発明は、ファクターXa阻害剤による改善に影響されやすい状態をわずらう患者を処置するための医薬の製造のための、本発明の医薬組成物も提供する。
本発明は、ファクターXa阻害剤による改善に影響されやすい状態の処置に使用するための、本発明の医薬組成物も提供する。
本発明は、本発明の医薬組成物を投与することを含む、ファクターXa阻害剤による改善に影響されやすい状態をわずらう患者を処置する方法も提供する。
【0049】
本発明の1つの態様において、ファクターXa阻害剤による改善に影響されやすい状態は、急性後冠症候群を含む、急性冠症候群などの急性の血管疾患の処置(例えば、心筋梗塞と不安定狭心症の一次予防および二次予防ならびに心筋梗塞または心不全に付随するプロトロンビン続発症の処置)、静脈血栓塞栓症(VTE)(深部静脈血栓(DVT)および肺塞栓症(PE))を含む血栓塞栓症、血栓溶解療法および経皮的冠動脈形成術に付随する急性の血管閉塞、一過性脳虚血発作、末梢動脈閉塞の処置、血管内腔狭窄(再狭窄)の予防、ならびに心房細動に付随する血栓塞栓症事象、例えば脳卒中の予防(心房細動、SPAFをわずらう患者における脳卒中予防)から選択される。
【0050】
他の態様において、ファクターXa阻害剤による改善に影響されやすい状態は、急性冠症候群(例えば、心筋梗塞と不安定狭心症の一次予防および二次予防ならびに心筋梗塞または心不全に付随するプロトロンビン続発症の処置)、肺塞栓症、深部静脈血栓、ならびに心房細動に付随する血栓塞栓症事象、例えば脳卒中の予防から選択される。
本明細書中で用いられる用語「処置」および「処置すること」などの派生語は、処置と予防の両方を含む。
【0051】
上記の有用性および適応症の各々について、ファクターXa阻害剤の必要とされる量は、処置される状態の重篤度および患者の個性を含む多くの要素に依存するであろうし、最終的には担当の医師または獣医師の判断によるであろう。概して、医師は、個々の被験体に最も適するであろう実際の投薬量を決定するであろう。いずれかの特定の個人のための具体的な服用濃度および投薬の頻度は、変えられてよく、用いられる具体的な化合物の活性、該化合物の代謝安定性および作用期間、年齢、体重、総合的な健康、性別、食事、投与方法および時間、排出速度、薬物の組み合わせ、具体的な状態の重篤度、治療を受ける個人を含む様々な要素に依存しよう。しかしながら、通常、組成物は、ファクターXa阻害剤が指示される状態を処置もしくは予防するのに有効な量で投与される。特定の実施形態において、30mg〜1000mg(特に、30mg〜300mg)のファクターXa阻害剤は、毎日投与される。
【0052】
1つの実施例において、組成物は、1日に2回投与される(例えば、8時間〜16時間、10時間〜14時間または12時間ごと)。例えば、上記の日用量が、1日二回の投与のために分けられる。他の実施形態において、医薬組成物は、1日に1回投与される。他の実施形態において、医薬組成物は、食事をした状態で投与される。
【0053】
ファクターXa阻害剤は、他の治療薬と組み合わせて用いられてもよい。本発明は、このように、さらなる態様において、1つまたは複数のさらなる治療薬(群)と共にファクターXa阻害剤を含む、医薬組成物を提供する。ファクターXa阻害剤は、他の抗血栓剤(例えば、トロンビン阻害剤、トロンボキサン受容体アンタゴニスト、プロスタシクリン模倣薬、ホスホジエステラーゼ阻害剤、フィブリノーゲンアンタゴニスト、血栓溶解剤、例えば組織プラスミノーゲン活性化因子およびストレプトキナーゼ、非ステロイド性抗炎症薬、例えばアスピリンなど)、抗高血圧剤(例えば、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、ACE/NEP阻害剤、β−遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、PDE阻害剤、アルドステロン遮断薬)、抗アテローム硬化薬/異常脂肪血症薬(例えばHMG−CoA還元酵素阻害剤)ならびに抗不整脈薬と組み合わせて用いられてもよい。本発明の1つの態様において、ファクターXa阻害剤は、CYP3A4阻害剤、例えばケトコナゾール、ジルチアゼムまたはベラパミルと組み合わせて用いられる。
【0054】
ファクターXa阻害剤が第2の治療薬と組み合わせて用いられる場合、各化合物の投薬量は、その化合物が単独で用いられる場合の投薬量と異なってもよい。適切な投薬量は、当業者により容易に認められる。処置での使用に必要とされる本発明の化合物の量は、処置される状態の性質および患者の年齢および状態によって変わるであろうし、最終的には担当の医師または獣医師の裁量であることは認められよう。同一の製剤で組み合わされる場合、その2つの化合物は安定でなければならなず、互いにそして製剤中の他の成分と適合しなければならないことは認められよう。
【0055】
本発明は、使用説明書とともに適切に医薬梱包中に並べられる複数の医薬組成物も提供する。
1つの実施形態において、組成物は、それを必要とする、哺乳類、特にヒトに投与される。
【0056】
本発明は、例えば、米国食品医薬品局によって定義され、いわゆる「オレンジブック」(Approved Drug Products with Therapeutic Equivalence Evaluations, US Dept of Health and Human Services, 19版、1999年)で述べられる、吸収速度および範囲の両方に関して、以下で例証される医薬組成物と生物学的に同等な医薬組成物にも及ぶ。参照製品と比較して80−125%の範囲内の曲線下面積(AUC)(90%の信頼区間(CI))を達成する医薬組成物は、「生物学的に同等」と称される。本発明の医薬組成物は、以下で例証する医薬組成物と等しい生体内「曲線下面積」(AUC)、例えば少なくとも80%、例えば80%〜125%、90%〜125%または100%〜125%を提供しうる。
以下の実施例は、本発明の態様を例示するが、いかようにも本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。
【0057】
実施例
実施例1−ミニ錠剤組成物
以下の表は、(E)−2−(5−クロロチエン−2−イル)−N−{(3S)−1−[(1S)−1−メチル−2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチル]−2−オキソピロリジン−3−イル}エテンスルホンアミド(化合物A)を含む、腸溶コートされたミニ錠剤の組成を表す:
表1 ミニ錠剤組成
【表1】

【0058】
各錠剤は、7.5mgの化合物Aを含む。種々のカプセル・ストレングスを送達するために、様々な数のミニ錠剤をカプセル内に充填することができる。例えば、150mgストレングスに関しては、1個のカプセル中に20個のミニ錠剤;75mgストレングスに関しては、10個のミニ錠剤;37.5mgストレングスに関しては、1個のカプセル中に5個のミニ錠剤。該カプセル剤は、ゼラチンまたはヒドロキシメチルセルロース(HPMC)カプセルである。
*乾燥したポリマー重量
カプセル・シェル:ゼラチン、Red Iron Oxide(E172)、二酸化チタン(Titanium Dioxide)(E171)。
【0059】
工程:
薬物は、賦形剤と混合され、Purified Waterの45%(+15%)w/w用いて顆粒化された。この乾燥顆粒は、100〜300ミクロンの間の粒径D50(粒径の中央値)を達成するために製粉され、賦形剤と合わせて、錠剤に圧縮された。腸溶コーティングは、メタクリル酸共重合体と適当な可塑剤、潤滑剤および界面活性剤と混合し、そして、ウェスター(wurster)流動層コーティングまたはパン・フィルムコーティングのいずれかによってコートすることによって行われた。ミニ錠剤は、ゼラチンまたはヒドロキシメチルセルロース(HPMC)組成のいずれかのカプセル内に配置された。図1は、上記の方法に従って調製される腸溶コートされたミニ錠剤医薬組成物の線図を表す。
コーティングしてないミニ錠剤は、腸溶コーティングを行わずに、上記のように調製された。
【0060】
段階的手順:
顆粒化:
1) 薬物原料を測量した。
2) メトセル(Methocel)、アビセル(Avicel)を測量し、それらを、20メッシュ・スクリーンを用いてスクリーニングした。
3) その成分を、高剪断ミキサー造粒機に移した。
4) 5〜10分混合物を乾燥した(所望により、合間で止め、容器壁から材料をこすり取り、次いで混合を続ける)。
5) 乾燥混合物の容積密度を確認した:0.248g/ml。
6) 適当なエンドポイントに達するまで、水を用いて顆粒化した。標的噴霧速度は、20〜24g/分/材料kgであった。
7) 湿式スクリーン(wet-screen)
8) NMTのLOD 2.0%を達成するまで、顆粒を乾燥した。
9) ふるい分析を行うために、製粉前の試料(38g)を保存した。
10) 顆粒を製粉した(スクリーン径024C、速度1018rpm、ワッシャ・サイズ225)。
11) 製粉後の顆粒について、ふるい分析を行い、そして容積/タップ密度試験を行った(約96g保存した)。
【0061】
圧縮:
1) 顆粒、Cab−O−Silおよびステアリン酸マグネシウムを測量した。35−40メッシュ・スクリーンを用いて、Cab−O−Silおよびステアリン酸マグネシウムをスクリーニングした。
2) 顆粒およびCab−O−Silを混合容器に加えた。25rpmで5〜10分間混合した。
3) 混合容器にステアリン酸マグネシウムを加えた。25rpmで5分間混合した。
4) 1.0〜1.1 KNの平均圧縮力(KN)で10分、続いて、0.9〜1.0 kNで30分間、錠剤に圧縮した。
【0062】
腸溶コーティング:
適当な容器(容器1)に、水を分配した。その水を70〜80℃に加熱した。水を適当なミキサーを用いて攪拌した。その水渦に、ポリソルベート(Polysorbate)80、次いで、クエン酸トリエチル(Triethyl Citrate)、そしてImwitor 900Kをゆっくり加えた。攪拌しながら、その混合物の温度を70℃〜80℃に保った。それから、ゆっくり混合しながら、その混合物を30℃以下まで放冷した。適当な容器(容器2)にEudragit L30D55を分配し、ゆっくり攪拌した。容器1中の内容物を容器2に攪拌しながら加え、少なくとも30分混合した。コーティングの直前に、コーティング懸濁液を60メッシュ・スクリーンに通じてふるいにかけた。このコアを25℃〜35℃で温め、そして、その懸濁液をコーティング工程の間、連続的に撹拌した。所定の仕様に仕上げるため、この懸濁液をコアにスプレーし、十分なフィルム被膜が塗布されるとすぐにコーティングを中止した(排気温度が35℃以下に低下しないように、フィルムコーティング懸濁液の塗布は制御された)。流入空気への熱風の供給は止められ、錠剤を放冷した。定期的に、冷却しながら錠剤をパン(pan)内で回した。
【0063】
実施例2−薬物動態学的(PK)検査
実施例1による医薬組成物のPK特性は、以下の薬物動力学試験で評価された。
PK方法論:
健常な被験体における2−コホート(cohort)、非盲検(open-label)、無作為、3−セッション、交差研究が行われた。各検査セッションの間に、被験体は、絶食状態で投与されるか、軽い朝食の開始後30分に投与されるか、あるいは高脂肪の朝食の開始後30分に投与される150mgストレングス・ドーズ(strength dose)としての単回経口量のファクターXa阻害剤(化合物A)を受けた。各セッションは、5日〜7日の最小限のウオッシュアウト期間で分けられた。PK分析試料は、投薬後0.25時間、0.5時間、0.75時間、1時間、1.5時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、18時間および24時間に回収された。血漿試料は、有効なHPLC−MS/MS分析法を用いて、化合物Aについて試験された。
【0064】
表2a 軽い朝食(標準食)の組成
【表2】

この食事は、業界向けFDAガイダンス:Food-Effect Bioavailability and Fed Bioequivalence Studiesに準拠する。
【0065】
表2b 高脂肪の朝食(高脂肪食)の組成
【表3】

この食事は、業界向けFDAガイダンス:Food-Effect Bioavailability and Fed Bioequivalence Studiesに準拠する。
【0066】
結果
表3a:腸溶コートしたミニ−タブについての薬物動力学の概要
【表4】

1−Nは、各試験期間に服用を受けた患者数を示す。
【0067】
表3b:腸溶コートされたミニ錠剤2片側検定
【表5】

#参照として絶食
*幾何平均比率
【0068】
表4a:コートしていないミニ−タブについての薬物動力学の概要
【表6】

1−Nは、各試験期間に服用を受けた患者数を示す。
【0069】
表4b:コートしてないミニ錠剤2片側検定
【表7】

#参照として絶食
【0070】
結論:
・吸収の開始の少しの遅延を除けば、腸溶コートされたミニ錠剤は、食物の効果をほとんど示さない。これは、反復経口投薬にて最小化される。
・「0次」様特性が投与間隔の間を完全に網羅している。
【0071】
実施例4:溶解試験
図2に関する溶解プロフィールは、75RPMまたは200RPMの速度、37℃の温度、そして900mlのリン酸緩衝液(pH 6.8)で作動するUSP I装置(Baskets)を用いて作成された。
K15Mを(w)微結晶セルロースとともに含む医薬組成物は、(w/o)微結晶医薬組成物を含まないK100LVより強力な破壊条件下で操作され(200rpm対75rpm)、そして、微結晶セルロース医薬組成物を含むK15Mは、より緩やかな放出とより少ない浸食を示した。これは、給餌条件下のより早い胃でのかき混ぜ速度が、微結晶セルロースを含有する高分子量のポリマーを含む医薬組成物を用いて維持されるという確信を提供する。
【0072】
実施例5:溶解試験
【表8】

【0073】
限定するものではないが、本明細書中で引用される特許および特許出願を含むすべての刊行物は、その個々の刊行物が具体的にかつ個別に示され、あたかも完全に記載されたかのように出典明示により一部とされるように、出典明示により本明細書の一部とされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5mm未満の直径を有し、ポリマー(類)のマトリックス内に治療上有効な量のファクターXa阻害剤を含有する複数のミニ錠剤を含む、経口投与のためのモディファイされた放出医薬組成物。
【請求項2】
ミニ錠剤が、カプセルまたはサシェ内に含まれているところの、請求項1記載のモディファイされた放出医薬組成物。
【請求項3】
ミニ錠剤が、4.5mm未満の直径を有するところの、請求項1または請求項2記載の、モディファイされた放出医薬組成物。
【請求項4】
ミニ錠剤が、腸溶コートされているところの、請求項1〜3のいずれか一項記載の、モディファイされた放出医薬組成物。
【請求項5】
腸溶コーティングが、メタクリル酸共重合体を含むところの、請求1〜4のいずれか一項記載の、モディファイされた放出医薬組成物。
【請求項6】
マトリックスポリマー(類)が、高分子量ポリマーであるところの、請求項1〜5のいずれか一項記載の、モディファイされた放出医薬組成物。
【請求項7】
高分子量ポリマー(類)が、100,000ダルトンから800,000ダルトンまでの分子量を有するところの、請求項6記載のモディファイされた放出医薬組成物。
【請求項8】
高分子量ポリマーが、HPMCであるところの、請求項7記載のモディファイされた放出医薬組成物。
【請求項9】
ミニ錠剤が、カプセル以外の組成物の総重量に基づいて20%〜60%のマトリックスポリマー(類)を含むところの、請求項1〜8のいずれか一項記載の、モディファイされた放出医薬組成物。
【請求項10】
ミニ錠剤が、カプセル以外の組成物の総重量に基づいて25%〜30%のマトリックスポリマー(類)を含むところの、請求項9記載のモディファイされた放出医薬組成物。
【請求項11】
ミニ錠剤が、微結晶セルロースをさらに含むところの、請求1〜10のいずれか一項記載の、モディファイされた放出医薬組成物。
【請求項12】
ミニ錠剤が、カプセル以外の組成物の総重量に基づいて20%〜50%の微結晶セルロースを含むところの、請求項11記載のモディファイされた放出医薬組成物。
【請求項13】
ミニ錠剤が、カプセル以外の組成物の総重量に基づいて20%〜50%の微結晶セルロースを含むところの、請求項12記載のモディファイされた放出医薬組成物。
【請求項14】
健常な成人のヒトへの単回経口量投与後の生体内最大血漿中濃度(Cmax)を示すファクターXa阻害剤を含む、経口投与のためのモディファイされた放出医薬組成物であって、Cmax GMRの絶食:給餌の比率が0.90〜1.15の間にあるところの、医薬組成物。
【請求項15】
健常な成人のヒトへの単回経口量投与後の生体内曲線下面積(AUC)を示すファクターXa阻害剤を含む、経口投与のためのモディファイされた放出医薬組成物であって、AUC GMRの絶食:給餌の比率が0.90〜1.15の間にあるところの、医薬組成物。
【請求項16】
ファクターXa阻害剤を含む経口投与のための請求項14または請求項15記載のモディファイされた放出医薬組成物であって、以下の特性:
a) Cmax GMRの絶食:給餌の比率が0.90〜1.10の間にある、健常な成人のヒトへの単回経口量投与後の生体内最大血漿中濃度(Cmax);および、
b) AUC GMRの絶食:給餌の比率が0.90〜1.10の間にある、健常な成人のヒトへの単回経口量投与後の生体内曲線下面積(AUC)、
のいずれか一方または両方により特徴づけられるところの、医薬組成物。
【請求項17】
1日1回の投与に適した、請求項1〜16のいずれか一項記載の、モディファイされた放出医薬組成物。
【請求項18】
ファクターXa阻害剤が消化管の全体を通じて吸収されるところの、請求項1〜17のいずれか一項記載の、モディファイされた放出医薬組成物。
【請求項19】
ファクターXa阻害剤が、(E)−2−(5−クロロチエン−2−イル)−N−{(3S)−1−[(1S)−1−メチル−2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチル]−2−オキソピロリジン−3−イル}エテンスルホンアミドおよび/またはその医薬上許容される溶媒和物であるところの、請求項1〜18のいずれか一項記載の、モディファイされた放出医薬組成物。
【請求項20】
各ミニ錠剤が、5mg〜10mgのファクターXa阻害剤を含むところの、請求項1〜19のいずれか一項記載の、モディファイされた放出医薬組成物。
【請求項21】
ファクターXa阻害剤による改善に影響されやすい状態をわずらう患者の処置のための医薬の製造のための、請求項1〜20のいずれか一項記載の、モディファイされた放出医薬組成物。
【請求項22】
ファクターXa阻害剤による改善に影響されやすい状態の処置に使用するための、請求項1〜20のいずれか一項記載の、モディファイされた放出医薬組成物。
【請求項23】
請求項1〜20のいずれか一項記載のモディファイされた放出医薬組成物を投与することを含む、ファクターXa阻害剤による改善に影響されやすい状態を処置または予防する方法。
【請求項24】
構成成分を合わせること、顆粒化すること、乾燥すること、50ミクロン〜300ミクロンの間にある粒径D50(粒径の中央値)を達成するために該乾燥顆粒物を製粉すること、および該混合物を錠剤に圧縮することを含む、請求項1〜20のいずれか一項記載の、モディファイされた放出医薬組成物を調製する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−502762(P2010−502762A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527796(P2009−527796)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059443
【国際公開番号】WO2008/031782
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】